《七曜の戦》オートマタ・コンクエスト　第1ターン結果

（→開始時の状況）

オートマタ・コンクエスト

　ディヴィジョン内での感情エネルギー創出能力が他に比べて劣る自動人形は、《七曜の戦》における他ディヴィジョンへの進出に熱意を燃やしていた。
　しかし、彼らには警戒しなければならない存在があった。
　イギリスを支配するドラゴン、幻想竜域キングアーサーだ。
　一方で、幻想竜域キングアーサーが支配するブリテン島に断頭革命グランダルメの領土を確保し、《七曜の戦》後に断頭革命グランダルメと同時代になれば、史実において『ナポレオンと敵対した』側に属する軍人や貴族達の名を持つジェネラル級の創造もやりやすくなる。そうなれば、大陸軍をさらに精強なものに出来るのだ。

　ドラゴン戦が《七曜の戦》でも最も重要な決戦になると位置づけた人形皇帝ナポレオンは、即座に戦況判断を下せるよう、早期から首都パリを離れ、ブーローニュ＝シュル＝メールに設けた拠点へ移動した。
　そして《七曜の戦》におけるブリテン島攻略作戦『オートマタ・コンクエスト』発動に向け、着々と兵を蓄え、作戦準備を行っていた。

　だが、ディアボロスの活動が活発になるにつれ、にわかに雲行きが怪しくなっていく。
　淫魔大樹破壊、『1793年』の消失、首都パリを含めた各地の制圧。
　特に断頭革命グランダルメにとって、淫魔大樹破壊の影響は致命的だったと言えるだろう。
　それまでの豊富なエネルギー供給を失った大陸軍は、それでも侵略路線を変えない。
　もはや彼らにはディヴィジョン外に活路を求めるしかなかった。

　そして迎えた《七曜の戦》。
　決戦時空への転移直後、ブリテン島へ渡った断頭革命グランダルメ軍は、沿岸部で遭遇した幻想竜域キングアーサー軍を容易く打ち破り、ロンドンへ進軍。そして、抵抗が予想されていたロンドンを、一瞬で制圧してしまった。

　肩透かしになった状況を本国へ伝えつつ、遠征軍司令シャルル・ヴィクトール・ルクレールは部隊を３つに分ける。
　ルクレール自身はロンドン周辺を制圧し、イベリア半島方面から引き抜かれていたスーシェをロンドンから西へ進出させる。
　そして北方には、ドラゴンの防衛線に備えて、対空戦に向く砲兵将軍ピエール・デュポンが向かった。

　各方面で、大陸軍の将軍達は、幻想竜域キングアーサーの小部隊による散発的な攻撃を蹴散らしながら快進撃を続ける。
　そして大陸軍は、《七曜の戦》において二度目の、ディアボロスによる迎撃を受けることになる。
　征服戦は、一転して断頭革命グランダルメにとって悪夢めいた戦いへと変化した。

②ピエール・デュポン

「あの浮遊島、パリに現れたディアボロスの……まずい！！」

　バーミンガムを越え、マンチェスターへ接近していたピエール・デュポンは、新宿島の出現に戦慄を覚えていた。
　パリ上空に出現した浮遊島の存在については連絡を受けていた。
　転移可能で、ディアボロスを大きく強化する巨大な飛行拠点。
　その存在が脅威であることは間違いないが、『パリ上空から短時間で消えた』『これまで断頭革命グランダルメ内でディアボロスが使用して来なかった』といった事実から、使用に厳しい制限があるクロノ・オブジェクトだと大陸軍では分析していた。
　実際にそれは正しいのだが、短期間に何度も使用でき、今度は幻想竜域キングアーサーに出現するというのは、流石のジェネラル級にとっても想像の外だ。転移の制限は厳しく、《七曜の戦》の連戦中は攻略を行える回数も普段の半分以下なのだが、それはデュポンの知るところではない。
「幻想竜域キングアーサーと組んで、我々を誘い込んだ？
　いや、マンチェスターも、パリのようにディアボロスの制圧下にあるのか……？」
　幾つもの推測がデュポンの頭脳内に浮かんでは消える。
　ディヴィジョンに働く排斥力の影響が災いしていたと言えるだろう。侵攻して来たばかりの断頭革命グランダルメは幻想竜域キングアーサー内の状況を把握できておらず、ディアボロスがこの島で為してきた戦いの痕跡を辿ることも出来ていない。
「だが、ディアボロスを排除しなければ、制圧どころではないぞ！」
　もはや撤退したところで間に合うまい。
　動揺する兵をまとめ、デュポンは即座に新宿島への砲撃準備に入る。

　一方、新宿島から発進したパラドクストレインの中では、ディアボロス達がいまや遅しと列車の扉が開くのを待っていた。
「位置についてー！　よーい……ドン！！！ 」
　宝心・ライラ(g01071)の合図と共に、ディアボロスが一斉突撃を開始する。
「戦火に飲まれよ！！」
『夢よ、力を纏いて。砕けよ、溶かせ、崩壊せよ！』
『Sesam öffne dich！』
　デュポンの砲撃と、急速で接近して来たジェト・ネヘフ（g01750）とヒュー・ハルウェル（g04975）の繰り出す反撃が交錯する。
「砲撃開始！」
「よし、ここから、頑張ろう」
　敵の攻撃を引き付けにかかるジェト。だが、それも必要なかったかも知れない。
「うーわ、完全にオーバーキルねアレ」
　ライラが呆れたように呟く。ディアボロス達の勢いは、虚を突かれたデュポンの軍勢を圧倒していた。
「あたしも頑張らないと！　スッゾオラー！！」
　笑顔のまま、ライラは大陸軍を蹴散らしにかかる。

　ディアボロス達はブリテン島で長らく戦いを続けて来ている。
　ここで断頭革命グランダルメに、ブリテン島を強奪させるわけにはいかない。そう決意している者は、少なからずいる。
「僕の大切な人達――竜の花嫁だったフィオナさんの為にも、此の島は絶対に護り抜きます」
　大陸軍の討伐を誓う永辿・ヤコウ(g04118)の手の中、鋭い長針が凛と輝く。
「葵襲（アオイガサネ）」
　砲撃をかいくぐり、空中から接近。
　ヤコウの針が、デュポンの無数に装備した砲身を貫いていく。

「斜陽なんて言われてるけど、アンタを筆頭にまだ厄介な能力持ちはいるみてーですし、ここでお別れといきましょ」
　冰室・冷桜（ヒートビート・g00730）のサーヴァントが、デュポンへと躍りかかる。メーラーデーモンの雷槍が放つ輝きに紛れるようにして、長月・夜永(g03735)はデュポンへと音もなく忍び寄った。
　その手にした雷の刃が、デュポンの背負った巨砲ユニットを貫く。
　爆発と共に、幾つもの歯車が幻想竜域の大地に散らばり、デュポンは大きくよろめいた。
「昨日のドラゴンより、人型な分対応しやすいね！」
「何……だと……パリと平行して、既にブリテン島で戦っていたのか」
「うーん、なんか誤解してそうだけど、話すと長くなりそうだし……説明、省略！」
　夜永は引き抜いた刃を強く振るい、デュポンの心臓部を破壊する。
　大陸軍の将軍は爆発四散し、大地にその残骸が散らばるのだった。

---

→有力敵一覧
→②ピエール・デュポン（有力敵HP2400000→0 / 制圧完了！）
→重傷復活者一覧