《七曜の戦》花の都争奪戦　第2ターン結果

（→開始時の状況）

④ローラン・グーヴィオン・サン・シール

　史実におけるナポレオン配下の元帥達の中でも、特に防御に秀でるローラン・グーヴィオン・サン・シール。
　その名を与えられたジェネラル級自動人形は一度はディアボロスの攻撃を凌いだものの、パリ奪還軍の壊滅を目の当たりにすることとなった。
「だが、パリを取り戻さずして退くわけにはいかない」
　単純に戦力差を鑑みれば、退くべきなのだろう。だが、人形皇帝ナポレオンから与えられた命令がなくとも、ここでパリを失えば断頭革命グランダルメは大きく揺らぐ。
　幾つもの歴史的な変化の舞台となり、大量の人口を抱えているという首都パリを失うことは、たとえ《七曜の戦》で他の地域を制圧できたとしても影響が大きすぎる。
　それは断頭革命グランダルメとして、見過ごせるものではなかった。
　可能性にかけるしかないのが、ローランの状況だ。

　そして夜明け間近のパリで、ディアボロスはパリの制圧を巡る戦闘に突入する。
「【通信障害】は継続、みんな行くわよ！」
　ディアナ・レーヴェの砲撃が、ローランの陣に突き刺さる。即座に巨大な氷の銃剣が戦場を貫くように放たれ、ディアナを切り裂いていく。
「マルモン達が救援に呼び寄せただけのことはあるわね。楽な戦争なんてない、か」
　ローランの個人戦闘力は、既に撃破したニ将よりも明白に上だと、宝心・ライラ(g01071)は見て取った。それでも怯むことなく、砲弾のごとく敵陣の真っ只中へと砲弾のごとく突っ込みながら、彼女は戦場の仲間達に呼びかける。
「みんな最後まで油断せずにいくわよ！　そして、花の都パリを今度こそ完全に取り返すの！」
「ええ、パリを護りきって、グランダルメの力を削ぐことが、必ず奪還につながるはずよ！」
　応じながらヴィルジニー・フラムヴェールト(g09648)の放った光が、立ちふさがる自動人形を貫き、動きを止める。

　ローランは氷の鎧を展開し、周囲を凍てつかせながらの戦闘を繰り広げていた。
「冷静冷徹、氷の守将って感じでしょうかねー……本来なら」
　冰室・冷桜(g00730)はローランの能力をそう評しつつ、メーラーデーモンに命令を下す。
「だいふくセット！　ゴー！」
　雷槍を構え、果敢にジェネラル級自動人形に挑んでいくメーラデーモン『だいふく』。自動人形には感情の薄いものが散見されるが、あのローランもその一人だろう。同様を見せることなく振るわれる銃剣に、『だいふく』は電流を流し込む。
「もうちっと時間与えて合流されてたら面倒だったかもしんねーですわねー」
「多数の救援が間に合わないうちに戦えて良かったぜ。まあ、最速で撃破してやろうぜ！」
　視線をローランに向け、ゲーミングリアライザーを操作する河津・或人（g00444）。
　彼の放つ幻想の英雄達が、ローランを取り囲み攻撃を繰り返す。さしもの守りの将も、圧倒的な数のディアボロスの前に、次第に傷つきつつある。
　こうして時間的な余裕を持ち、優勢な戦いを繰り広げられているのも、遅滞戦術や、シャンティイ城での戦いでマルモン達を強襲し、進軍を躊躇させたこと……これまでの戦いの成果が大きいと言えただろう。
「にしても、もしかして、守りを任せたのが出張って来たってことは、今のナポレオンは手薄……？」
　冷桜はサーヴァントに指示を出しつつ、そんなことを考える。
「他のディヴィジョンから攻められた時の備えぐらいはしてるんだろ」
　幻想の英雄達にローランとの攻防を繰り広げさせる或人の体に、英雄達が受けた反撃のダメージが蓄積されていく。
　明確なトップがおらず、新宿島さえ守れば戦闘を継続できるディアボロス達とは異なり、『断片の王』はクロノヴェーダにとって、個体戦力最強であると同時に明確な『急所』だ。
　他の《七曜の戦》では常に断片の王の周囲に戦力を置いておかなければ、他の勢力に急襲された時に即終了となる。
　断頭革命グランダルメは高速で飛ぶ幻想竜域キングアーサーを相手にする予定であり、『空中要塞ビスマルク』のような存在を既に知っている。手薄にしてもナポレオンの周囲にはまだ一定以上の戦力が控えていると思ったほうが良いだろう。

　もっとも、パリ、ブリテン島、イベリア半島、イタリア半島、オルレアンと、断頭革命グランダルメは様々な方面に戦力を投入している。ディアボロス達が遭遇するジェネラル級達を倒していけば、断頭革命グランダルメ全域の奪還に、大きく近づくことになるのかも知れない。

「逃げるつもりは無い、みたいだね。わたしたちと、一緒」
　斑鳩・燈子(g01965)は、ローラン率いる軍勢の覚悟を見て取ると、杖を振りかざす。
「包むように、咲かせて。耀、『曼殊沙華』」
　ミニドラゴンの『耀』の降らせる曼殊沙華を象った炎が、自動人形達に降り注いでいく。
「貴様らの手からパリを取り戻し、再び態勢を立て直す。そのためにも、押し通らせてもらう」
「いいえ、そうはさせませんの！」
　上巳・桃々姫(g08464)は長い刀を手に、ローランへと迫る。その着物姿を、ローランの放った氷の梟が頭上から襲う。
「わたくし達が咲かせる花の都を、二度もお前たちの手に渡してたまるものですか！」
　ひらひらと舞う花弁のように、氷の梟をかいくぐり、ローランへと迫る桃々姫。その手にした刀が鞘走りの音もなく閃き、自動人形の軍服を横一閃に切り払う。
　軍服を覆う氷の鎧ごと切り裂かれた体は転がり、そして立ち上がることはなかった。
「敵将、討ち取ったりですわ！」
　桃々姫の宣言と共に、昨年以来の長きに渡るパリを巡る戦いは、ディアボロス達の勝利で幕を降ろすのだった。

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→④ローラン・グーヴィオン・サン・シール（有力敵HP3077862→0 / 制圧完了！）
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