大戦乱群蟲三国志奪還戦　第4ターン結果

（→開始時の状況）

●⑦インディアナポリス
　呉の東の沿岸部に響くのは、古代中国三国志の時代とは似つかわしくない爆発の音だった。
　蜀から遠い沿岸部において、蟲将がもたらす大戦乱の響きはいまだ遠い。
　この地で相争うのは、いずれも外様。
　最終人類史より奪還戦を挑むディアボロスと、台湾方面から出現し、沿岸部の強奪を目論む『冥海機』の軍勢だった。
　沿岸部に残存していた蟲将を駆逐した冥海機だが、その先遣部隊はディアボロスを突破できずにいる。

「くぅぅーっ！!　なんなのこいつら！？
　こんなディアボロスがいたら、そもそもアヴァタール級とか成り立たないでしょ！？」
　苛立たしげに叫ぶインディアナポリス。交戦開始から僅かな時間で冥海機の軍勢は、既に大きく減少していた。

「冥海機に共通するのは、『海の兵器』と人間が一体化したような姿をしていること。
　中には『海の生物』と一体化しているようなものもいる……ね」
　不動降魔印を放ち、ナディア・ベズヴィルド（黄昏のグランデヴィナ・g00246）は敵の特徴を改めて把握する。
　ディアボロス達は昨年の時点で、TOKYOエゼキエル戦争の神奈川県沖で、ジェネラル級アークデーモン『マスターテリオン』と交戦するトループス級『メタルクルーズ』の姿を確認していた。
　この時点で、相当に広い領土を持つ勢力であろうことは見当がつく。
「このまま海の藻屑となって消えなさい」
　オウムガイと一体化したような姿の冥海機、ノーチラスディーヴァにとどめをさしてナディアは告げる。
「明らかに海上・海中での戦闘に特化したクロノヴェーダということね」
　セレスティア・リュミエール(g05430)は、敵の姿に改めてそうした認識を抱く。
　第二次大戦期以降と思しき技術からなる武装だが、実際、セレスティアが推察した通りなのだろう。
【水中適応】があるため、ディアボロス達も水中で支障なく戦うことは出来るのだが、相手は海に適応した種族だ。
　今は水上に出て来てくれているが、海中に潜られると厄介かもしれない。
「でも、その優位性があるのに、やることが漁夫の利狙いというのは、少々情けないのではない？」
「いって、シャークちゃん！」
　インディアナポリスの鮫型アームドフォート、フライングシャークから撃ち出されるヒレ状の刃が、水面から飛び出し、ディアボロス達を切り裂いていく。
　だが、そんな兵器に対しても戦意を燃え上がらせている者もいる。
「サメはチェーンソーの宿命のライバルぅ！　いやー、腕が鳴るねぇ。バケモノ同士の大バトル、楽しんじゃおうじゃん！」
　鎖鋸の尾を持つ巨大恐竜型ネメシス形態に変貌した一里塚・燐寧（粉骨砕身リビングデッド・g04979）が、尾を唸らせ鮫と戯れるように海上を跳ねていく。
「なぁに、アレぇ……？」
「本当に何なのかしらね……」
　よく戦場で目撃されるネメシス形態である。他のディアボロスの中にも、ネメシス形態での戦いを得意とする者は少なからずおり、戦場は混沌としている。
　実際、ネメシス形態というのが何なのか、ディアボロスにもよく分からない力ではあるのだが。
「ただのディアボロスじゃないにしても、強すぎる……この力、どれだけ広い地域を支配してんの？　これ以上戦ってる場合じゃない！！」
　逃走の構えを見せるインディアナポリスだが、その判断は既に遅きに失した。
「おいで、おいで、冥界の蝶。皆を冥府より連れ戻し……皆に仇なす者を、冥府へと誘って？」
　これ以上、敵に情報を与える必要もない。
　セレスティアの呼ぶ冥界の使者、月光蝶達が、インディアナポリスを二度と戻れぬ冥界の門の奥へと誘っていく。
「冥海機の名の如く、そのまま冥府へと堕ちなさい」
「くっ……！！」
　フライングシャークから撃ち出された爆弾が海洋を毒々しい色に染めるが、その爆風が収まる頃には、インディアナポリスの姿は戦場から消えていた。

●⑭翔鶴
「インディアナポリス……倒されましたか。
　ですが堂々とした戦いの中で沈めたのであれば、彼女も本望でしょう」
　インディアナポリスの撃破地点から東に位置する海上では、冥海機『翔鶴』とディアボロス達が交戦していた。
　こちらの戦場は短時間の交戦ながら既に多くのディアボロスが倒れ、新宿島送りとなっている。
「撤退する気ですか？」
　イリヤ・レダ(g02308)は翔鶴の方へと視線を投げた。
「ええ、逃げます。あなた達の存在、それにあの『空飛ぶ島』……情報の価値は大きそうです」

　交戦している位置から、何百ｋｍも離れた新宿島は見えていない。
　だがイリヤが上空を見れば、翔鶴の遥か上空に、航空機型のエネルギー塊が浮かんでいる。
　どうやら翔鶴は、何らかの手段で遠隔地の情報を掴んでいるらしかった。
　偵察部隊の長としては、彼女が主体ということだろう。

「それに、この方面の攻略が困難でも、私達には幾らでも進出先がありますからね」
「手広くやっているんですね」

　神奈川県沖、そしてこの中国大陸。
　冥海機という種族は、どれだけ広い地域を支配しているのだろうか。

「それにしても、あなた方は興味深い。
　TOKYOエゼキエル戦争と類似のディヴィジョンかと思えば、人間以外にも様々な種族がいる……。
　一体、どういうディヴィジョンなのですか？」
「それが正しいかどうかとか、情報を与える気はありませんよ」
「それは残念です」
　あまり残念でなさそうに言って、翔鶴は水面を滑るように後退した。
「ですが、いずれまたお逢いすることになるでしょう。
《七曜の戦》からは、誰も逃れられないのですから」
　そう言葉を残し、翔鶴は飛来した黒いリュウグウノツカイと共に海の彼方へと去っていくのだった。

●⑫毘沙門天
「これ以上の闘争は、無意味であるな……」
　蛇亀宇宙リグ・ヴェーダのジェネラル級アーディティヤ『毘沙門天』は、散発的なディアボロスの攻撃を撃退すると、宝貝を装備した腕を組んで、大戦乱群蟲三国志の大地を睥睨すると、配下の軍勢に撤退の意志を示した。
「嘆かわしい事だ、この大地は、乱れに乱れておる。
　このような混乱の大地は、アーディティヤが戦う戦場に相応しくはない」
「逃げるか、貴様！！」
「あなた達の目的は、一体何？」
　雅諒院・基経(g00191)と咲樂・神樂（離一匁・g03059）の声に、毘沙門天は振り向いた。
　
「我らアーディティヤは宣言する。この無益な争いが終結し、このディヴィジョンの支配者が決まった後、正々堂々と戦いを挑み、この大地を平定する事を。
　蟲将か、ディアボロスか。いずれが勝つにせよ、この世全ては蛇亀宇宙の一部となるのだ」

　毘沙門天の意に従い、天女キンナリーが笛を奏でて合図すると、アーディティヤの軍勢は粛々と撤退を開始する。
　海の彼方へと去っていくアーディティヤ達の整然とした撤退を、ディアボロス達は、ただ見送る事しかできなかった。

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→有力敵一覧
→⑦インディアナポリス（有力敵HP805250→0 / 制圧完了！）
→⑨『五将軍』張郃（有力敵HP1106233→967318 / 敵残存率67%→62%）
→⑪張飛（有力敵HP3000000→2939937 / 敵残存率64%→63%）
→⑫毘沙門天（有力敵HP3550000→3410861 / 敵残存率55%→50%）
→⑬白軍司令コルチャーク（有力敵HP1473667→535505 / 敵残存率46%→32%）
→⑭翔鶴（有力敵HP3500000→3187440 / 敵残存率55%→47%）
→⑯前軍師・征西大将軍『魏延』（有力敵HP2131398→2102080 / 敵残存率98%→93%）
→⑲血塗れの錦『馬超』（有力敵HP2250000→320467 / 敵残存率100%→10%）
→㉓アルタン・ウルク（有力敵HP6500000→6352628 / 敵残存率25%→22%）
→重傷復活者一覧