大戦乱群蟲三国志奪還戦　第3ターン結果

（→開始時の状況）

●⑥黄忠
　三国志において、魏呉蜀三国が相争う争奪戦の地となった荊州。
　このディヴィジョンにおいて、最終的にこの地へ進出したのは蜀であった。
　オニヤンマの蟲将たる老将『黄忠』は、まずは荊州に残っていた民を刈り取り、防衛体制を整える。
　その防衛対象は、南方から現れた種族『アーディティヤ』と、その指揮官『毘沙門天』とディアボロスだ。
「南方から現れた連中を防ぎつつ、ディアボロス達の相手もせねばならんとは。厳しい戦いじゃのう」
　毘沙門天に現状では侵略意欲は薄いらしいのが救いだが、既にディアボロスにより黄忠配下達も打撃を受けている。

　そして黄忠の複眼は、この大地を奪還するため並大抵の蟲将では及ばないほどの高速で接近するディアボロスを捕捉していた。無双馬と共に先陣を切って疾駆して来たハジメ・セントラル(g02525)を、黄忠の矢が居抜き、撃ち落とす。
「全軍、迎撃体制！！」
　号令を下すと共に、黄忠配下の弓兵部隊が空を覆い尽くすほどの矢の雨が飛来するディアボロス達へと降り注いだ。
　だが、自分達が囮となることも織り込んだディアボロスの切り込み部隊は、それをかいくぐると次々と黄忠率いる軍勢を蹴散らし始める。
「こりゃいかん、これがディアボロスの力だというのか！？」
「オニヤンマの蟲将……空中戦に付き合ってもらうわよ」
　エリザベータ・シゲトヴァール（聖イシュトヴァンの剣・g00490）がマシンピストルを手に飛来すると、空中を舞う黄忠にドッグファイトを強要していった。
「トンボ相手には目を眩ませるのが良いかな」
　エリザベータに続き、ノスリ・アスターゼイン(g01118)もその空中での舞踏の如き動きに加わっていく。黄忠の視界に入り、また死角へと逃れる高速の動きが、黄忠の指揮に乱れを生じさせる。
「連鎖こそディアボロスの本領ってやつだ。頼むよ、みんな」
　指揮官に陽動を仕掛け、隙を作ろうとするノスリの意図は、地上で戦うディアボロス達にも伝わっていた。
　接近して来た者達に意識を奪われている黄忠へと、エレオノーラ・アーベントロート（Straßen Fräulein・g05259） が矢継ぎ早に放つ第十二の魔弾【狂愛】が、地上から老蟲将の羽を穿っていった。
「うふふ、つまらない生き方をしているあなたが輝ける場を用意してあげましたのよ？ 感謝してくださいませ」
「おお、怖い怖い。儂は輝くよりも、なるべく長生きしたいのじゃがな！」
　そう言いつつも、弓を引き絞り、ディアボロスを射抜く動きには淀みがない。
　黄忠の姿を、ラヴィデ・ローズ（la-tta-ta・g00694）は遠方から見上げた。
「弓の名手なんだってね。こんな形で出逢わなければ……なんて、詮無きことか」
　長弓レゼルを引き絞るラヴィデを、ミニドラゴンの与えるドラゴンオーラが覆う。
　呪詛の力を帯びた矢が、空を駆け抜け、黄忠もまた、それに反応して矢を放つ。
　そしてラヴィデと黄忠、二人の弓手が放った矢は、直後に互いへと届いていた。
「くっ……！！」
　痛みの声を漏らしたラヴィデの視線の先、空を待っていた老将の姿が地へと墜ちていくのが映る。
「ゆるりと酒盛りの続きを楽しむといいさ」
　手向けの言葉を老将に向けると、ラヴィデは残る蟲将達の掃討に入った。

●⑱王異
　魏のジェネラル級蟲将『王異』とアルタン・ウルクが争う戦場は、アルタン・ウルクの圧倒的優勢で戦いが推移していた。
　『王異』の軍勢は、アルタン・ウルクの進軍を遅らせるのが精いっぱいで、戦線を後退させながら、なんとか、軍勢を維持している状況なのだ。

「ここで、わたし達が後背をついたら、どうなるかしらね？」
　この状況を確認した園田・詠美（社畜(元)系魔法少女・g05827）は、魔法発動デバイスに騎乗し飛翔しながら全軍の先頭となって戦場を翔け降りた。
　魔法を乱射しながら突進してくる詠美と、ディアボロスの軍勢に、王異軍は、予想通り大狂乱に陥っていく……。

「うわぁ、後ろからも敵だぁ！」
「なんだと、アルタン・ウルクに包囲を許したのか？」
「いや、敵はディアボロスだ！」
「ディアボロスは、アルタン・ウルクの尖兵だったのか！」

　詠美の突撃によって、周章狼狽する蟲将達を、織乃・紬（翌る紐・g01055）は、作り出した花壁に囚わえて、その花弁で切り裂いてていく……。
「捨て駒にされて、哀れな事だとは思うが……。情を掛ける心算もないンでね。
　お前達がアルタン・ウルクに喰われると厄介だからな。代わりに、俺がかッ喰わせて頂くぜ！」
　紬は、撃破した蟲将の死骸を尻目に、戦場を蹂躙し、次々と敵を屠っていった。

　正面のアルタン・ウルクだけでも敗北必死であった王異の軍勢は、後輩から襲い掛かる詠美や紬の襲撃により、瓦解し、見る見るうちに数を減らしていく。
　この状況で敗北を悟った王異は、全軍をディアボロスに叩きつける事を選んだ。
　その命に従い、らわらとディアボロスによって来る、蟲将たち。
　だが、その程度の力で、ディアボロスの主力軍を止める事など不可能であった。

「アルタン・ウルクに滅ぼされるか、ディアボロスに滅ぼされるかの二択で、お前達はディアボロスを選んだか。ならば、お望み通り俺達の手で屠ってやろう」
　蟲将の脆弱な防衛網を粉砕し、王異の前に立った四十万・八千代（悪食ハッカー・g00584）は、王異に対してそう宣言すると、意外な事に、王異も、その言葉に同意して見せた。
「あなたの言う通りですね。もはや、私の軍の壊滅は必至です。アルタン・ウルクに殺されたならば、奴らの糧になってしまう。であれば、ディアボロスに殺される事が、今、私たちが出来る最善手なのでしょう」
　敗北が約束された状態でも、それでも最善手を模索する王異の言葉に、八千代は少しだけ感嘆するが、戦いの手を緩める事は無い。
「アルタン・ウルクの侵攻は、俺たちディアボロスが防ぐ。だから、安心して死ね」
「そう簡単にはいかせませんよ。最終的にディアボロスに討たれるとしても、それまでの間に、可能な限りのディアボロスを撃破させてもらいます。それが、この場でできる最善手ゆえ」
　だが、その決意もはかないものだ。
　ディアボロスの攻撃によりによって、王異とその軍勢は、敗北への道を転げ落ちていく。
　しかし、この敗勢の中でも、王異は、大百足「趙昂」を呼び出してディアボロスに最後まで抵抗する意志を見せ続ける。
　戦場のディアボロス達は、最終的な敗北と死を受け入れ、それでも最後まで戦意を失わずに戦う王異に敬意を感じつつも、その命を取らんと包囲を狭めるように王異に殺到していった。
　そして遂に、
「さぁ、私達の勝利で今回も終わらせるために頑張りましょうか」
　ディアボロスによる王異の包囲網、その中で、【飛翔】して上空からの攻撃を担った桜・姫恋（苺姫・g03043）が、王異の直上から自由落下するようにして襲い掛かった。
「私の幻覚魔法を食らいなさい？」
　姫恋の妖艶な肢体が桜舞い散る暗闇に紛れ、そして次に現れた時には、王異のすぐ傍へと迫っている。
　更に姫恋は、大百足「趙昂」の体を滑り降りるようにして駆け降りると、桜の花びらを思わせる可憐な大鎌で、王異の体を切り裂いた。
「これで、私たちの勝利！」
　豊かな胸を両断され致命傷を受けた王異は、複眼で姫恋を見やると、姫恋の宣言に同意するように頷き、そして、塵となって消えてさった。
　彼女の望み通り、彼女の死体はアルタン・ウルクに喰われる事無く消滅したのだ。
「こんな献身的な女性を、見捨てて使い捨てにするなんて……！」
　姫恋は、まだ見ぬ断片の王・劉備への不満をあらわにしつつ、次の戦いへと向かって戦場から翔び去っていった。

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→有力敵一覧
→⑥黄忠（有力敵HP1056034→0 / 制圧完了！）
→⑦インディアナポリス（有力敵HP2177548→805250 / 敵残存率32%→14%）
→⑨『五将軍』張郃（有力敵HP1289210→1106233 / 敵残存率67%→62%）
→⑬白軍司令コルチャーク（有力敵HP1904516→1473667 / 敵残存率53%→46%）
→⑯前軍師・征西大将軍『魏延』（有力敵HP2200000→2131398 / 敵残存率100%→95%）
→⑱王異（有力敵HP1550000→0 / 制圧完了！）
→重傷復活者一覧