《七曜の戦》オートマタ・コンクエスト　第3ターン結果

（→開始時の状況）

④ガブリエル・スーシェ

　スーシェの軍勢が西へと撤退を図るのを、ディアボロスは追撃していく。速度で劣り、飛行可能な戦力の乏しい自動人形達では逃走はほぼ不可能な状況だ。
　遅々として撤退の進まない自動人形の軍勢を前に、雅諒院・基経(g00191)は祈りを捧げる。
「持国天様、お力をお借りします」
　基経の手にした独鈷杵が変形、宝剣の姿が現れる。持国天が持つとされる『提頭頼吒之宝剣』だ。
「この一撃は仏敵を切り裂く……くらえっ！」
　朝日が昇る中、祈りと共に、悪鬼を断つ光の刃が自動人形の軍勢へと飛んだ。
　光の刃は残り少ないスーシェ周辺の敵兵を次々に斬り裂いていく。
「残念だったが、汝らの行進はここまでのようだぞ。 なぽれおんの命を全うできない事を悔やむが良い！」
　前線を破ったディアボロス達が、満身創痍のスーシェに殺到していく。
「ええい、このような形で負けるなど、皇帝陛下に申し訳が立たぬ！」
「ダメダメ、窮地のときこそ平常心が大事ネ！」
「──ッ！！」
　肉薄していたディアボロスを振り払おうとしたスーシェは、紫・花琳(g03746)の接近に対し、四本腕での連続攻撃を繰り出していく。
　だが、冷静さを欠いた銃剣の切っ先を華麗にかわし、花琳はスーシェの腕が届かぬ死角へと着地、大きく体を引き絞るように、すらりとした脚を繰り出していく。
「さぁさぁ、大盤振る舞いアルヨ！　蚩尤の功夫、お見せするネ！」
　全身全霊の気を籠めた花琳の一撃が、スーシェの胸に叩き込まれる。
　蹴りを受けた胸から破壊は進み、スーシェの体を構成していた金属部品が背中から弾けるように吹き出す。
　軽い音を立てて、ジェネラル級自動人形はマスケットと共に地面に崩れ落ちた。
「人形じゃ、ご飯食べられなかったアルカ？　そんなんじゃ満たされないネ」
　感情のエネルギー利用能力にかける自動人形達は、作戦成功以外に満たされることもないのだろうか。
　花琳は、そんなことを思うのだった。

③シャルル・ヴィクトール・ルクレール

「ドラゴン様、侵略者にどうか竜罰を……！！」
　ロンドン市内の戦いは、そこに住む一般人と全く無関係なところで行われていた。
　自動人形は市内の制圧を邪魔しない一般人には興味を示さず、ディアボロス達もまた、一般人は【避難勧告】で戦闘区域から離脱させるが、手出しをするようなこともない。
　戦闘区域から離れたドラゴンを崇拝する教会に集まった人々は、それぞれの信仰に基づき、ドラゴンに祈りを捧げる。
　だが、その祈りが叶えられることは無い。幻想竜域キングアーサーの軍勢は、既にブリテン島の南部における勢力を失っており、彼らの求めに応じる者は存在しない。

　ロンドン市街において、自動人形型はまだ明確な軍事拠点を得るに至っていなかった。
　自動人形達のディヴィジョンと、幻想竜域キングアーサーで1000年以上の技術格差があるというのも一因であるが、ロンドンは表向き、クロノヴェーダの拠点が全く無いのだ。
　とはいえ、このディヴィジョンの拠点はほぼドラゴン基準で作られており、断頭革命グランダルメが制圧したとしても、役立てられるかどうかは微妙なところだったかも知れない。

「見つけた、あれね……！！」
　エリザベータ・シゲトヴァール(g00490)は、上空からルクレールの部隊を追っていた。
　目立つ行為で、通常のディヴィジョン内ならば危険極まりないが、いまやロンドンはディアボロスの制圧下に落ちようとしている。エリザベータをはじめ、航空突撃兵達は誰はばかることもなく空を飛んでいた。
「ネルソン提督やウェリントン公爵ウェルズリーが自動人形になるだなんて冗談じゃない。 ここで防がせて貰うわよ」
　ナポレオン時代の名指揮官は、ナポレオン配下のフランス軍ばかりではない。何しろ、歴史的に見てナポレオンは『敗者』の側なのだ。ナポレオンに限らず、断片の王の多くがそうではあるのだが。
「ナポレオンに勝った者達がジェネラル級になる……強さってどうなるのかしらね」
　まあ断片の王が最強なのは揺るがないだろうが、相当に強力な個体が生まれても不思議は無い。
　仲間達に合図を送ると、エリザベータは両手のマシンガンを構え、空中から敵の足止めに入る。

「クッ……ロンドン脱出すらままならないか！」
　赤き自動人形ルクレールは、配下達と共に迫りくるディアボロスを退けつつ、撤退の糸口を探ろうとする。
「陸路は話にならん。まずはテムズ川へ……はっ！？」
「種子に宿るは我が憤怒、芽吹け『ゴルゴーン・パイオーニアー』！」
　地面から突如現れた植物が、強烈な石化光線を放ち、ルクレール達を襲った。ルクレールの放熱フィンが展開、光熱を纏ったサーベルで、魔法植物を焼き捨てる。クロエ・アルニティコス(g08917)が顔をしかめつつ、冷たく言い放った。
「戦いの最中に考え事とは、悠長なことですね。精々抵抗してください。それでもお前は殺しますが」
「やってみるがいい！　皇帝陛下より授かりし我が剣、容易く破れると思うな！」
　炎剣と化したルクレールのサーベルが輝き、その作る影の中から漆黒の兵士がディアボロス達を襲う。

「はんっ！　往生際の悪い！　さっさと溶けてくたばんな！」
　元より完全機械にして人に近い姿を持つ自動人形と、人を機械化改造したゾルダート。
　どちらも大した違いは無いように月見山・伊吹(g04125)には感じられていた。
『日輪よ、日輪よ、忌む災禍を燐と照らし清めよ！』
　伊吹の放つ光線が、ルクレールの炎の剣とかちあい、周囲にいた自動人形達を熱で溶かす。
　駆け抜けたのは赤峰・我々丸(g03156)だ。
「頭を潰す、戦の常道だよなァ！！」
　練り上げられた闘気が、鬼人たる我々丸の硬化した腕へと流れ込んだ。
　迸る闘気は焔となり、我々丸の手を灼鉄のように赤々と輝かせる。
「生身で我が剣と切り結ぼうとは、愚かな！！」
　我々丸の腕が刀の如く鋭く振り抜かれ、ルクレールのサーベルが振り下ろされる。
　甲高い音が響き、赤熱するサーベルの切っ先が地面に突き刺さる。
「何ィッ！？」
「鉄火拳奥義が一、甘くみたな！」
　逃げる隙を与えることなく、繰り出された我々丸の手刀はルクレールの赤い金属のボディを灼き融かしながら突き進み、その心臓部を貫いた。
「悪鬼灼断！」
　我々丸の雄叫びと共に、赤熱する腕がルクレールを両断する。
「皇帝陛下、申し訳ございません……！！」
　無念の叫びを残し、赤き自動人形はロンドンに散るのだった。

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→有力敵一覧
→③シャルル・ヴィクトール・ルクレール（有力敵HP200775→0 / 制圧完了！）
→④ガブリエル・スーシェ（有力敵HP280718→0 / 制圧完了！）
→重傷復活者一覧