大戦乱群蟲三国志奪還戦　第2ターン結果

（→開始時の状況）

●②麋竺
　徐州は、大戦乱群蟲三国志においては魏の領土となっていた。
　だが、大戦乱の初期に曹操の徐州攻めによって荒廃し、以後、捨て置かれていた地域であった。
　その後、戦乱を逃れた難民が逃げ延びて住み着き始めていたのだが、その難民たちも、麋竺の軍勢によって蹂躙の災禍にあう事になる。

「みーつけたぁ。こんなところに隠れていたかぁ」
　トループス級の蟲将が、身を隠していた難民の男を見つけて、首根っこを掴んで引きずり倒す。
　その男に縋りつくような女の難民と、泣き叫ぶ赤子の難民。
「子供だけは、子供だけは助けてください！」
　蟲将の脚に縋りつくようにそう叫ぶが、蟲将は、弑逆的に口吻を上下させると、赤子を丸呑みにしようと……。

「それ以上は許さないわよっ！」
　そこに飛び込んできたのは、魔法デバイスに騎乗して飛翔しながら戦場に駆けつけた、園田・詠美（社畜(元)系魔法少女・g05827）。
　詠美は、既に奪還戦が始まったというのに略奪を続ける麋竺兵を一刀両断すると、難民たちを助け起こした。
「麋竺さんは本当にどうしようもないですわね。さぁ、もう大丈夫、あなた達は、巻き添えにならないように隠れていてくださいね」
　詠美は、難民たちが隠れられそうな洞穴を指さしてそう指示すると、戦場の中心へと駆けていく。
　目指すは、蜀将『麋竺』のお仕置きだ。

　その麋竺は、ディアボロスの襲撃に右往左往しながら、必死に指示を出そうとしていた。
　だが、その試みはうまくいかない。
　少数のディアボロスによるゲリラ的な攻撃に対応できるよう、なんとか体裁を整えた所で、二度にわたる大群の強襲を受けたのだから、宴会要員の麋竺の指揮能力では、対応できよう筈がない。
　配下の蟲将も、好き勝手に動いてまとまりが無く、軍勢の形を成していなかった。

「ふせげーふせげー！　あの青髪忍者なディアボロスを倒したら、褒美は望みのままだよー」
　麋竺は、自軍に向けて影を渡って高速で駆けつけてくる、長月・夜永（は普通の女のコである・g03735）に恐怖し懸命に指示を出す。
　夜永は、次々襲い掛かってくる蟲将を撃破し続けるも、麋竺の指示によって、群がった蟲将の群れに囲まれて麋竺を暗殺するには至らない。
　だが、その麋竺の指示は、戦術としては稚拙にすぎた。
　夜永に戦力を集中させた事で、他が手薄になり……。
「嗚呼お労しい……斯様な戦乱を引き起こし無辜の民を危機に晒すなど神はお赦しにならぬでしょう」
　帽子に手をかけ慇懃無礼にそう嘯く、リュカ・テネブラルム（彼岸へと愛をこめて・g05363）を、その身辺に招き入れてしまったのだから。

「劉備様ぁ、助けてくだされぇ！」
　リュカの持つ大鎌『Pieta』の威容に慄いた麋竺は情けない悲鳴をあげるが、なんとか弓を番えて反撃しようと試みる。
「命あっての物種、全財産くれてやるぅ！」
　黄金に輝く矢を矢継ぎ早にするが、当たらなければどうという事は無い。

「せめて、最後は見苦しく足掻く事無きようにお願いします。さぁ、あなたにも、安寧を献りましょう」
　リュカは、『Pieta』を大きく振りかざすと、邪なるものを払う一撃を放った。
「神の裁きの前に贖罪の機会を奉りましょう」
　リュカの森羅万象断は、麋竺の頭と胸のつなぎ目を正確に穿ち、首を斬り飛ばす。
　麋竺の首は空を飛びながらも、黄金をいくらでも渡すから助けてくれと命乞いをし……その後、動かなくなった。
　リュカは、麋竺の首をはねた武器を振って体液を払っつと、麋竺の死骸に少しだけ祈りを献じた後、次の戦場へと向かうのだった。
　大戦乱群蟲三国志奪還戦は、まだ始まったばかりである。

●⑮狼顧軍師・司馬懿
　司馬懿の居城である『媚城』は、長安からほど近く、ディアボロスによる監視も行われていた。
　そのことから、地理的状況はある程度、ディアボロスにも把握されていた。
　更に、城とはいっても、虎牢関のような巨大な城壁があるわけでは無く、兵馬俑坑のように地下深くに中枢があるわけでは無い。
　つまりは、普通の城砦に過ぎない。よって、
「あの暗殺の時から、リベンジしたいって思っていたんだよ」
　ほぼ全力を集中したシル・ウィンディア（虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415）達ディアボロスの攻撃を受ければ、その防御が打ち破られるのは必然であった。
「悠久を舞う風よ、吹き荒れる嵐よ…。我が前の障害を吹き飛ばせっ！！」
　シルを先頭にして城砦を突破し、城内に突入したディアボロス達は、次々と司馬懿配下の蟲将を撃破。
　司馬懿の元へ続く仲間の為の露払いを完了してみせた。

「そろそろ来ると思っていたよ。ディアボロス」
　一方、そのディアボロスの侵攻を受けた司馬懿は、呆れたように肩をすくめて、ディアボロスを迎え入れていた。
「やはり、お前達は、こちらの手の内を読む『占術』を心得ているようだ。
　お前達が劉備を討てば、この司馬懿が新たな断片の王となる事を理解し、それを阻止するために、ここに来たのであろう？」
　ディアボロスから真実を引き出す為のブラフとも思える問いかけ。
　だが、八栄・玄才（井の中の雷魔・g00563）は、それが司馬懿の本音であると直感で理解し、応じて見せた。

「その通りだぜ。アンタを倒した後に劉備を撃破すれば、新たな断片の王は現れず、大戦乱群蟲三国志というディヴィジョンは消滅する……だよな？」
　だから、覚悟するようにと返した玄才に、司馬懿は、素直に敗北を認めて頷いた見せた。

「やはり、そうであったか。
　お前達の力に、もう少し早く気づけておれば、曹操様をむざむざ殺させはしなかったものを」
　司馬懿の複眼に、悔恨の色が浮かぶ。
「春華と兵馬俑坑の精鋭を失った今、我ら蟲将に勝利の目は無い。
　だが、皆が我を生かす為に戦ったのであれば、最後まで足掻かねば、申し訳が立つまい」
　そうでなければ、春華に叱られてしまうと呟くと、司馬懿は、ディアボロスに対して守りの構えを取った。
「さぁ、勝ち戦の最後の死者になりたいのであれば、掛かってくるがいい」
「上等だ、武術勝負なら負けねぇよ！」
　勇んで飛び出していく玄才に続き、ディアボロス達は司馬懿やその親衛隊との交戦を開始する。

　司馬懿は、ディアボロスが一般人の命を大切にしている事を情報で知っていた。
　他者の命を大切にするものは、自分と仲間の命も大切にする。
　自分の命を大切にしていなくても、その仲間が、その命を守ろうとするはずだ。
　であるならば、既に勝利が確定した戦場で、命を危険に晒すような戦いは避ける筈。
　つまり、この状況を利用して、ディアボロスに本気を出させずに戦いを長引かせることが出来る……。
　そう考えた司馬懿は、間違っていない筈だった。
　だが実際は、
「吶喊はアイドルの嗜みだからね、三国志を終わらせてあげるわよ！」
「アンデレちゃん、わくわくしてきた♪」
「渇望抱く伽藍、参ります！」
　嬉々として死地に飛び込んでくるディアボロスばかりで、命を惜しむような動きをする者はほとんどいなかったのだ。
　死ぬような打撃を受けても、ほとんどの場合は新宿島に漂着するだけで済む。
　そのディアボロスの特殊能力の存在は、司馬懿は見抜くことが出来なかった。

「まさに、ディアボロスは奇々怪々であるな」
　ディアボロスの猛攻を受けた司馬懿は、自分の策が完全に敗れたことを悟って、力なく首を垂れる。
　その司馬懿に、大和・恭弥（追憶のカースブレイド・g04509）は妖刀を突き付ける。
　悔いや悲哀、絶望を喰って力を増してきた妖刀は、この大戦乱群蟲三国志というディヴィジョンの出現によって消えた人々の無念を糧としたかのように、青く冴え冴えと輝きを放つ。
「小癪な！！」
　無数の蟲が現れ、恭弥の命を喰らい尽くそうとする。
　だが、恭弥の振るった妖刀から解放された呪詛はその群れをたちまちのうちに消し飛ばし、司馬懿を飲み込んだ。
「お前の無念もまた、この『藍雪花染』の糧となるだろう」
　すかさず司馬懿の懐へと飛び込んだ恭弥の刃は、司馬懿の首を断ち切り、その死骸を呪詛で侵食していく。
「せめて、地獄で張春華と仲良くするんだな」
　恭弥は、消えゆく司馬懿の死骸にそう告げると、陥落する媚城から次なる戦場へと向かうのだった。

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→有力敵一覧
→②麋竺（有力敵HP333146→0 / 制圧完了！）
→⑥黄忠（有力敵HP1800000→1056034 / 敵残存率68%→48%）
→⑦インディアナポリス（有力敵HP2800000→2177548 / 敵残存率50%→32%）
→⑨『五将軍』張郃（有力敵HP1462273→1289210 / 敵残存率65%→62%）
→⑬白軍司令コルチャーク（有力敵HP2200000→1904516 / 敵残存率60%→53%）
→⑮狼顧軍師・司馬懿（有力敵HP2500000→0 / 制圧完了！）
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧