決戦 断片の王『ヴィルヘルム2世』

 機械化ベルリン王宮に攻め入ったディアボロス達の活躍により、断片の王『ヴィルヘルム2世』との決戦が可能となりました。
 これは、機械化ドイツ帝国のディヴィジョンを破壊し、最終人類史にドイツを奪還する千載一遇のチャンスとなります。

 王宮内の戦闘の状況を見極めつつ、機械化ベルリン王宮の玉座の間に突入し、断片の王に挑みましょう。

 ヴィルヘルム2世は、機械化ベルリン王宮にエネルギーを供給し、なんらかの重要な作戦を遂行しようとしています。
 断片の王であるヴィルヘルム2世は極めて強力です。撃破が困難な状況と判断された場合、玉座の間の機械を破壊して、エネルギーの供給を不可能にし、敵の作戦を阻止するという作戦に切り替えることも検討すべきかもしれません。

 ヴィルヘルム2世に敗北する、エネルギー供給が終了する、外部から機械化ドイツ帝国の軍団が増援として現れるなどが発生した場合、この作戦は失敗となります。
 その際は、ディアボロスはベルリン王宮から速やかに撤退します。

特殊ルール

 4月12日朝8時30分までに成功完結しなかった場合、この事件のシナリオは失敗となります。

決戦! ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世~黒鷲を射ち落とす日(作者 月夜野サクラ
88


#機械化ドイツ帝国  #決戦 断片の王『ヴィルヘルム2世』  #ベルリン王宮  #断片の王  #ヴィルヘルム2世  #シナリオ50♡ 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#機械化ドイツ帝国
🔒
#決戦 断片の王『ヴィルヘルム2世』
🔒
#ベルリン王宮
🔒
#断片の王
🔒
#ヴィルヘルム2世
🔒
#シナリオ50♡


0



●JA,EURE MAJESTÄT
 ベルリン王宮『玉座の間』。
 絶え間なく耳を打つ無機質な機械音の中心に、一人の男が座していた。黄金の甲冑と緋色の外套に身を包んだ、大柄な男――その胸元には、漆黒の鷲を描いた留め金が輝いている。
「ロシアでもイギリスでも、フランスですらない。ディアボロス如きに、このベルリン王宮が危機に陥れられようとはな――否、あれが列強の尖兵である可能性も捨てきれぬが」
 遠雷か地鳴のように響く声には、他を寄せつけぬ威圧感があった。軍帽めいた兜の下に覗く顔立ちは厳めしく、そして険しい。顔を上げた男の視線の先では、物々しく武装したゾルダートの精鋭達が整然と列を成し、その言葉に聞き入っている。
「ベルリン王宮が揺らいだことにより、余の排斥力も弱まっておる。斯くなるうえは急ぎ、王宮を完成させ、襲い来る列強ディヴィジョンに対抗せねばならぬ」
 控える兵士達をぎろりと見渡して、男はその手に携えた大振りの剣を両手で床に突き立てる。すると次の瞬間、両刃の刀身が眩いばかりの雷を纏った。青白く迸る電撃は床を伝って広間全体に行き渡り、四方の壁際に連なる機械群が一斉に赤や緑のランプを点し始める
「奴らが攻勢をかけてくるのならば、国境の軍団には期待できるまい。準備が整うまで、お前達が敵を食い止めるのだ――よいな」
 重々しく告げる声の主こそは、機械化ドイツ帝国を統べる断片の王――ヴィルヘルム2世。そこに存在するだけで他者を圧倒するような佇まいに背筋を正して、兵士達は一糸乱れぬ敬礼を返すのであった。

●ACHTUNG!
「――聞いてくれ」
 2022年春、新宿駅グランドターミナルの一角。集まった多くのディアボロス達を前にして、ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)は切り出した。その声音は意外にも静かだが、突き刺すような氷晶の瞳はいつも以上に苛烈な怒りを宿している。
「ベルリン王宮襲撃作戦の結果、『断片の王』ヴィルヘルム2世の居場所が分かった。奴は今、ベルリン王宮の玉座の間にいて、怪しげな機械にエネルギーを注いでるらしい」
 玉座の間と聞けば一般的には、多数の群臣が集まる謁見の間のような場所を想像することだろう。ベルリン王宮のそれも概ねそんな場所であることには違いないのだが、少々普通と異なるのは、部屋の周縁部が怪しげな機械で埋め尽くされているということだ。ヴィルヘルム2世の玉座はそれらの機械の中心に位置し、皇帝自らエネルギーを供給していると思われる。
「それが何のための機械なのかは、まだ分かってない。ただ――どうせろくなモンじゃないに決まってる。完全にエネルギーを充填するのにはまだ時間が掛かるみてーだが……」
 もしもエネルギー供給が完了してしまったら、復讐者達にとってよくないことが起きるだろうことは想像にかたくない。そうなれば当然、ヴィルヘルム2世を撃破するチャンスも失われてしまうだろう。その状況は何としても避けたい――そう口にして、ハルトヴィヒは拳を固めた。
 攻略旅団の提案から始まった調査と探索が実を結び、これだけの短期間で帝国の懐深くに斬り込むことができたのは、奇跡と言ってもいいだろう。この先あるかないかの好機を、逃すわけにはいかない。ただ、と微かに表情を曇らせて、少年は続けた。
「はっきり言って、状況はかなり厳しい」

 ディアボロス達の猛攻を受け、現在、ベルリン王宮は大きく揺らいでいる。しかしそれでもなお、ヴィルヘルム2世は拠点である王宮内では無敵とも言える力を発揮できるうえ、精強なゾルダート達で防御を固めている。
 第一に、ヴィルヘルム2世の周囲に侍る小型ゾルダート『クライナーゼンゼンマン』。断片の王の近侍である彼らには、皇帝への攻撃を身代わりで受け、そのダメージを軽減するための加護が付与されている。すべてのクライナーゼンゼンマンを撃破しない限り、ヴィルヘルム2世に有効なダメージを与えることはできないだろう。

 そして第二に、アヴァタール級『フェストゥング・リーゼ』で構成された親衛隊がいる。『要塞巨人』の異名を取るフェストゥング・リーゼは、一体一体がアヴァタール級の中でも上位の戦闘力を持つ指揮官クラスの精鋭揃いだが、それが群れを成して皇帝の防衛に当たっているのだから、その壁の厚さたるや相当のものだろう。しかしヴィルヘルム2世に攻撃を仕掛けるには、その強固な防衛網に穴を穿ち、攻撃を通せるだけの道を切り拓かなければならない。
 こうした状況を踏まえるに、居所を突き止めたからといって皇帝を討ち取ることは容易ではないだろう。
 けど、と続けて、ハルトヴィヒは言った。
「もしここで奴を討ち取ることができれば……帝国の支配域を最終人類史に奪還することだって、夢じゃなくなる。たとえ撃破まではできなかったとしても、王宮へのエネルギー供給を邪魔することができれば、『歴史の奪還戦(ディアボロス・ウォー)』を俺達の有利に運べるはずだ」
 皇帝ヴィルヘルム2世の撃破か、機械化ベルリン王宮の破壊。各地の敵戦力が王宮へ駆けつけるまでにそのいずれかを成し遂げることができたなら、機械化ドイツ帝国の排斥力は大きく減衰することだろう。そうなれば、『歴史の奪還戦』での勝利も俄然、現実味を帯びてくる。

 ロシア方面から流れ着いた吸血鬼達が故郷の夢を見るという現象が報告されているが、仮にそれが皇帝の排斥力が弱まっている証左であるならば、やはりこれがドイツ奪還に向けた千載一遇の好機であることは間違いない。どんな茨の路だとて、彼らに退くという選択肢はないのだ。
「奴らを根絶やしにすることだけを考えて、俺は今日まで戦ってきた。このチャンスをふいにはしたくない。……お前達が同じ気持ちでいてくれたら、それは――」
 それはとても、心強いことだと思う。
 けれど結局、最後までは口にしないまま顔を背けて、ハルトヴィヒは線路の先に目をやった。まるでこれから始まる戦いの激しさを識っているかのように、何両ものパラドクストレインが春空を渡り、ホームに滑り込んでくる。
「頼りにしてる。……絶対に、死ぬなよ」
 やがて訪れる奪還の日に、それを歓ぶ命がなかったのでは意味がない。無愛想な一言を背に受けて、ディアボロス達は列車に乗り込み、遥かな時を渡っていく。


→クリア済み選択肢の詳細を見る



 断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』との戦いは、機械化ベルリン王宮の心臓部である『玉座の間』において繰り広げられます。
『ヴィルヘルム2世』は、ディアボロスと戦いながらも『機械化ベルリン王宮に力を注ぎ込む』行動を行なっています。
 この『機械化ベルリン王宮に力を注ぎ込む』事が、『ヴィルヘルム2世』が、ディアボロスの攻撃を受けても撤退せず、戦場に留まっている理由であると推測されます。
 おそらく『ヴィルヘルム2世』の、この行動が成功した(ディアボロスが攻略期限までに成功条件を満たせなかった)場合、ディアボロスにとって致命的な事態が引き起こされると予測されます。
 この選択肢では、致命的な事態が引き起こされる前に、機械化ベルリン王宮の心臓部である『玉座の間』を攻撃して破壊します。

 この攻撃が成功すれば、ヴィルヘルム2世は、機械化ベルリン王宮を放棄して撤退します。

 機械化ベルリン王宮は『パラドクスによる攻撃』で直接的に破壊して下さい。
 強力なクロノ・オブジェクトである為、効果1での破壊は不可能です。


特殊ルール 【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。
👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
10
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【怪力無双】
5
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
3
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
3
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【神速反応】
2
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
2
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
3
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【プラチナチケット】
2
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
2
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
3
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
4
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【無鍵空間】
2
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【土壌改良】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
6
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【温熱適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
3
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV10(最大) / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV8 / 【フィニッシュ】LV3(最大) / 【反撃アップ】LV2 / 【リザレクション】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV8 / 【ロストエナジー】LV6 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

月夜野サクラ
 いつもお世話になっております、月夜野です。
 打倒・機械化ドイツ帝国に向けて、皆様のお力をお貸しください!

 以下、シナリオの補足となります。

==================
●選択肢について
 各選択肢に特殊ルールが設けられておりますので、選択肢ごとの詳細説明「❓」を忘れずにご確認ください。

「クライナーゼンゼンマンの護り」
「フェストゥング・リーゼ親衛隊」
「決戦、断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』」
 以上三つの選択肢は常時受け付けております。

「機械化ベルリン王宮破壊作戦」は、4/1まで執筆を行いません。4/1以降はプレイングを採用する可能性がありますが、「4/12朝8時30分までに断片の王撃破が不可能であると判断される場合」のみ、「機械化ベルリン王宮破壊作戦」の選択肢をクリアして完結することになります。

 4/12朝8時30分までに「決戦、断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』」も「機械化ベルリン王宮破壊作戦」もクリアできなかった場合は、シナリオは失敗となります。
 また『📖事件の情報を確認する』にありますように、外部要因で失敗となる可能性もあります。

==================
●戦場について
 ベルリン王宮・玉座の間。
 部屋は広く、天井も高いので、戦うのに不便はありません。

==================
●諸注意
・締切や受付期間は設けませんので、選択肢が開いている間はいつプレイングを掛けていただいても構いません。執筆のタイミングが合わず、プレイングの内容に問題がなくても流してしまうことがあるかもしれませんが、その際はご容赦ください。選択肢が開いている限りはお気軽に再送いただいて構いません。
・各種技能は『その技能がなかったとしても成功し得る行動の成功率を上げるもの』とお考え下さい。技能単体でパラドクスのような効果は得られません。
・いずれの選択肢でも、複数のプレイングをまとめて採用する可能性があります(しない場合もあります)。特定の同行者の方以外との絡みがNGの場合は、お手数でもプレイング中でお知らせ下さい。

==================

最後に、皆さんの熱い想い抜きには決戦は勝ち抜けません。
戦闘プレイングは勿論大事ですが、ドイツ奪還に向けた想いなども是非、お聞かせ下さいませ。

それでは、ご参加を心よりお待ちしております!
151

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エレオノーラ・アーベントロート
うふふ、鉄屑もこれだけ揃えば壮観ですわね。
わたくしが一度死んだ日もこんな日でしたけれど……今日死ぬのはあなた方ですわ。

「フェアレーター」から放つ砲撃の「弾幕」は効果が薄いようですわね。耐久力に物を言わせて進んできますわ。
でしたら――こちらも力づくといたしましょうか。

あちらに避ける気がないのであれば、弾幕も、消える弾丸も、誘導弾も必要がありませんわ。近づいて来たところに手持ちで最も威力の高い弾丸、「第二十五の魔弾【惨劇】」を解放。胴体をブチ抜いて「吹き飛ばし」て差し上げますわ。

わたくしはわたくし以外の何者にも縛られも従いもしませんことよ。
わたくしを支配するというのであれば――ブチ殺すまでですわ。


アストリッド・ヴァルトシュタイン
その数は確かに脅威ですが、迅速な行動の枷ともなります。
論より証拠、まずは行動で実証してみましょう。
……乱戦、望むところです。

障害物、或いは敵兵士を盾代わりにしながら銃弾を掻い潜り、小柄な体躯を活かした【忍び足】にて敵集団の只中に潜行して敵の動きのクセや連携行動の隙などを【情報収集】。相手の挙動の観察を終えれば【暗殺】の手管を存分に活かし、死角よりの刺突にて次々と兵士を仕留めていく。

数多の敵そのものが私の姿を隠す壁に、弾を防ぐ盾に、足を止める枷になってくれる事でしょう。適度に仕留めて混乱を誘ったら、同士討ちを始める兵士たちの隙間を掻い潜って悠々と進みます。

……皇帝への拝謁をさせてもらいますよ。


レイア・パーガトリー
一体でも厄介な親衛隊が複数、ですって…!?
けれど、難しい局面ほど、攻略してみせたくなるものよ
皆と力を合わせれば何とかなるはず…!
いつか、私の故郷でもこんな風に喰らいついてやるんだから

突撃はするけれど、捨て鉢ではないわ
リンバスに騎乗して、危なそうなら一撃離脱の要領で戦うわ
女王の叫びで攪乱して、守護を少しでも崩しましょ
鉄拳の連打はなるべく味方の射程圏内まで下がって受け流したいわね
接近されたらリンバスがやられないように、私も馬上槍で抵抗するわ

【通信障害】を発生させられたら
援軍を呼んだり連携が取れなくなるように
敵側の通信を遮断するわね
あえて流すべき情報があるなら、そのときは味方の判断に従うわ


呉鐘・承李
【連携・アドリブ歓迎】

ついにだ、ついにここまで追い詰めた。
皇帝の喉元に刃を突き付けるために……ここで足を止めている場合ではない。
最後の砦である親衛隊、精鋭のアヴァタール集団……さぞ強さに自信があるのだろう。
だが――この程度の死線、これまでに何度だって潜り抜けてきた。

剣鬼、押し通る……!

【行動】
敵が強大であることは重々承知、常に仲間と連携を取り、一人で攻撃を受け続けないことを意識。

仲間の死角を潰し、敵の死角を生み出すように動き続け、相手の攻撃の的を絞らせず、味方に攻撃のチャンスを生み出すように立ち回る

その最中、味方が隙を作ることに成功したら最大火力の暴風を叩き込む


●ERSTE AKT
 一九一九年春、機械化ドイツ帝国首都・ベルリン――。
 まだ日は高いにもかかわらず、要塞の如くに聳え立つ異形の王宮には落日の色濃い気配が漂い始めていた。敷地全体を囲むように張り巡らされた防衛網は既にあちこちで綻び始め、最早外敵の侵入を阻めるものではない。そのうえ、王宮を攻め落とさんとする者達は、今もなお大挙して押し寄せつつあるのである。
 戦いに荒れ果てた前庭を越え、真紅の絨毯を敷いた回廊を駆け抜けて、数十人のディアボロス達は王宮の最奥へと突き進む。そして辿り着いた扉の先に、『玉座の間』はあった。
「いよいよ……ですね」
 白猫印のヘルメットを目深に被り直したアストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)の呟きは、並び駆ける皆の想いを代弁したものだった。生まれた場所も戦う理由もそれぞれなれど、奪われ、流れ着いたあの夏の日から共にした時間に変わりはない。
 ああと低く肯いて、呉鐘・承李(剣鬼・g06193)は銀色の眉を寄せた。
「ついにだ。……ついにここまで、追い詰めた」
 本当の名を捨てた狐とこの国との因縁を知る者は多くない。しかし見据える鋭利な双眸には、並々ならぬ信念が燃えていた。皇帝の喉元に刃を突きつけ、そしてこの紛い物の世界を終わらせる――そのために、彼らはここへやって来たのだ。
 開かれた扉の向こうには、驚くほど高い天井と広い部屋が続いていた。回廊から続く絨毯の左右に立ち並ぶ黒い塊は、すべてがアヴァタール級『フェストゥング・リーゼ』の精鋭達だ。そしてその間を抜けるいかにもか細い路の先に在る者こそは、機械ドイツ帝国皇帝・ヴィルヘルム2世であった。
「……来たか」
 厳かに呟いた男の姿は、しかしすぐさま黒鉄の壁に遮られて見えなくなる。路を塞いだ『要塞巨人』は実に二十体超――事前に聞いて覚悟はしていたものの、想像を上回る威圧感である。
「一体でも厄介な親衛隊が、複数とはね」
 閉ざされた路の先をキッと睨んで、レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)は淡く輝く王笏の矛を握り、そして微かに口角を上げた。
「けれど、難しい局面ほど攻略してみせたくなるものよ?」
 普通なら気圧されて当然の場面だが、この程度で怯むようなら最初からここへは来ていない。うふふ、と鈴のような声を零して、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は鉄のスニーカーを踏み鳴らした。
「鉄屑もこれだけ揃えば壮観ですわね」
「ええ。確かに驚異的な数です。しかし、数は迅速な行動の枷ともなり得ます」
 取り出した銃剣の刃をなぞり、アストリッドは橄欖石の瞳を細める。優秀さゆえに与えられたその剣を見るたび、思いだすのは志を共にした仲間達のことばかり――しかし寝食を共にし、そして不毛な戦いの中で散っていった友の面影を、今だけはと振り払って少女は前を向く。感傷に浸るのは、すべてが終わった後のことだ。
「論より証拠、まずは行動で実証してみましょう」
 路の先に一瞬垣間見えた皇帝の姿は、今はもう黒い巨人の壁の向こうにある。彼に一太刀を浴びせるためには、何よりもまずこの鉄の壁を打ち砕かなければならない。
「皆で力を合わせれば何とかなるはずよ。でしょ?」
 見渡すレイアの眼差しに、仲間達が肯いた。相手にとって不足なし――それぞれの得物を手に構え、ディアボロス達は居並ぶ鉄の巨人達に対峙する。
「……皇帝『陛下』に拝謁させてもらいますよ」
 瞬間、決戦の火蓋は切って落とされた。号令とともに撃ち出される銃弾の雨を掻い潜り、アストリッドは銃剣を手に巨人の群へと飛び込んでいく。
「リンバス!」
 鋭く相棒の名を呼んで、レイアは花纏う白馬の背にひらりと飛び乗った。彼女にとって、ここはいつか故郷を取り戻すための通過点――ここを取り返せないまま、故郷に手が届くという道理はない。だから、一秒たりとも立ち止まっている暇はないのだ。
 素早く手綱を引いて一路敵の只中へ駆け込むと、少女は大きく息を吸い込んだ。
「ぁあああ――!」
 張り上げるその声は、竜の女王の咆哮に似て高い天井を震わせる。その後に続けとばかりに押し寄せる復讐者達を迎え撃つべく、鉄の軍勢も大きく動き出した。
「最後の砦の親衛隊、精鋭のアヴァタール集団……さぞ強さには自信があるのだろうが」
 腰の左右に佩いた刀の一振りを抜き放ち、承李は迫り来る敵に真正面から向かい合う。逃げも隠れも、小細工一つ必要ない――この程度の死線は、これまで何度も潜り抜けてきた。
「剣鬼、押し通る!」
 返す刃がきらりと光る風を纏った。振り抜けば巻き起こる暴風の刃が、黒々と光る巨人の腹に三日月形の瑕を穿った。一瞬、怯んだ敵のその隙を狙って、エレオノーラは白く耀くレールガンを構える。
(「わたくしが一度『死んだ』あの日も、こんな風でしたけれど――」)
 この国の掃き溜めに生まれ育ち、レジスタンス活動に身を投じて、そして散った。胸に去来する記憶は苦く、紅い角の根元がつきりと痛む。けれど――彼女はもう、あの頃の彼女ではない。今日死ぬのは彼女ではなく、『彼ら』だ。
「……第二十五の魔弾」
 戦闘とは単純な計算だ。相手の耐久力が高いなら、破壊力で上回るだけ。整った横顔に尊大で勝ち気な笑みを浮かべて、エレオノーラは言った。
「わたくしは、わたくし以外の何者にも縛られない。支配しようというのであれば――ブチ殺すまでですわ」
 『惨劇』の名を冠したとっておきの魔弾(フライクーゲル)が、衝撃と共に空を割き、巨人の腹に突き刺さる。しかしそれでも倒れることなく拳を突き返してくる辺り、アヴァタール級の中でも選りすぐりの個体というのは誇張ではないのだろう。ち、と舌を打ち後ろ跳びに回避した娘に代わって、承李は再び敵の射線に入り込む。
「あかしま流――秘奥、十の型」
 より激しく、より凶暴に吹き荒れる風の斬撃が、傷を負った巨人の躯体を切り刻んでいく。そうして漸く動きを止めた一体は、ズンと重々しい地響きと共に磨き抜かれた王宮の床へめり込んだ。
「これでやっと一体、ですか」
 倒れた兵士の抜け殻を横目に、まだまだ先は長そうだとアストリッドは呟いた。戦いはまだ、始まったばかりである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

天城・美結
連携アドリブ歓迎。

今までの指揮官クラスが一山いくら、ってレベルでいるんだねぇ。
さすがに本拠地……燃えてきた!

…とは言ってもさすがに真正面からは死ねるからね、《地形の利用》で敵に囲まれないように動き回りつつ、《グラップル》と《連撃》で白兵戦を挑むよ。
基本的にまともに殴ろうとはせずに、闘気を纏った掌底や蹴りによる《衝撃波》を打ち込み、内部機構に直接ダメージを与えようとしていくよ。
可能ならば《地形の利用+フェイント》⁺【ストリートストライク】でその辺に落ちてるものや敵の残骸などを使って、相手の足を狙っていき機動力を鈍らせようとするよ。
ここはまだ前哨戦に過ぎない、負傷をなるべく抑えるようにしていくよ。


オーレリア・ハグマイヤー
こんなに大型の敵がポンポン出てくるだなんて聞いてませんわ!今日日、高難易度を謳うゲームでももう少し手心がありましてよ!ですが、これはそれだけ相手を追い詰めているということ。ここで踏ん張ってこそ貴族というものですわ!

私は【領地接収】を使い、周囲を自身の領地とすることで自身と味方を強化しつつ相手を弱体化させて、思うように動けない敵の関節部などの刃が通りやすい所にフルーレ・オブ・エレガンスで攻撃を加えて撃破を狙いますわ!

このオーレリア・モルト・ビスマルク・グラフ・(中略)・ハグマイヤー、たとえ相手が巨人であろうと、私の領地での狼藉は許しませんわ!

※アドリブ、共闘歓迎


グスタフ・カツラギ
速攻で制圧、といきたいところですがそうは問屋が卸さぬのが彼我の戦力差。
いつだって正面突破できるとは限らない、であれば手練手管小手先搦め手で削っていきましょうとも。
と、いうわけで【征雪崩】でドでかい一撃ぶちかまし、後は建造物に隠れながらのヒット&アウェイを繰り返しましょう。
こちらの一発は然程でなくても相手の一発は大きいでしょうからね、それだけに建物や周囲の被害も増えるでしょう?
こちらの攻撃は最低限で後は崩れる流れまで少しずつ綻びを見つけましょう。
どこか崩れれば後は味方の方々の勢いで抉じ開けるのみ、ダムの決壊は広がるのが常です。
これでも元ドイツ軍、やり方は存じておりますよ?


 機械の排気と演算の音だけが続いていた静謐の広間は、瞬く間に怒号と銃声の飛び交う戦場へと形を変えていた。ゾルダートの胸部装甲から迸る火炎に金髪を焦がされそうになって、オーレリア・ハグマイヤー(お嬢様系記憶喪失者・g06699)はひぃと声を上ずらせる。
「こ、こんなに大型の敵がポンポン出てくるだなんて聞いてませんわ!」
「またまたーさっき一緒に説明聞いてたじゃん」
 なんなら人より真面目に聞いてたよね、と天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)は居合わせた少女を横目に笑う。キャラ潰しはおやめ下さいませ、と喚いて、オーレリアは握った拳を震わせた。見据える先には依然として多くの『要塞巨人』フェストゥング・リーゼ達が、壁のように立ちはだかっている。
「まったく、今日日、高難易度を謳うゲームでももう少し手心がありましてよ!」
「今までの指揮官クラスが一山いくら、ってレベルだもんねぇ。さすがは本拠地ってとこかな?」
 首の後ろに手を組んで、美結が応じた。オーレリアはまだぶつぶつと言っていたが、この状況は裏を返せば、本気の戦力を投入しなければならないほどに相手が追い詰められている証でもある。
 ならばと胸を張って片足を踏み出し、オーレリアは気高く声を張った。
「敵がどれほど手強く数多かろうと、ここで踏ん張ってこそ貴族というもの! このオーレリア・モルト・ビスマルク・グラフ……ハグマイヤー、たとえ相手が巨人であろうと、私の領地での狼藉は許しませんわ!」
 力強い宣言に応じて、オーレリアの身体が青い光を放った。踏み締めた両脚を中心に網目状に広がる光は、触れた場所から兵士達の活力を奪い取っていく。
 そんな光景を頼もしげに見つめて、美結は大きく頷いた。
「うんうん、そう来なくちゃ――私も、なんか燃えてきた!」
 両手両脚に朱く燃え盛る闘気をまとい、少女は力強く拳を打ち合わせる。一見すると品行方正な女学生といった風体の美結だが、戦場においてその表情は一変する。黒くひしめく意気軒高なゾルダートの軍勢は復讐者達にとって紛れもない脅威だが、越えるべき山が険しければ険しいだけ、内に秘めた彼女の闘争心は明々と燃え上がるのだ。
「とはいえ――さすがに真正面からは死ねるね」
「そうですね。本音を言えば速攻で制圧といきたいところですが、そうは問屋が卸さぬのが彼我の戦力差」
 ぴこぴこと頭部のディスプレイを明滅させて、グスタフ・カツラギ(Alles ist gut・g00055)が言った。勇敢と無謀は別物だ。敵を殴り飛ばしたいからと言って、むざむざ蜂の巣にされる必要はない。
「いつだって正面突破できるとは限りません。であれば手練手管、小手先搦め手で削っていきましょうとも」
「なるほど?」
 分かったような分からないような、と小首を傾げる美結の横で、グスタフはとうと床を蹴った。高々と跳躍すれば宙に泳いだサイボーグの身体は、学生服の袖の下で形を変えていく。
「要は、ヒット・アンド・アウェイですよ」
 伸びる機械腕をぎゅんぎゅんと振り回して竜巻のように全身を回転させ、グスタフは遠心力のまま、襲い来る兵士の拳にその腕を叩きつける。そしてすぐさま手近な柱の陰に身を寄せると、離れて立つ仲間達へ視線――と呼んでよいものかどうかは議論の余地が残るところだが――を投げた。
「ダムの決壊は広がるのが常です」
 小さな罅割れから大穴が開くように、綻びは自然と広がっていくものだ。ならば彼らはその最初の罅を、刻み続けられればそれでいい。
「これでも元軍属の身、やり方は存じておりますよ?」
「なるほど!」
 今度はそれなりに納得した様子できらりと瞳を輝かせ、参考になるよと美結は笑った。そして床をひと蹴り、青灰色のプリーツスカートをひらりと浮かせて敵の側面に回り込むと、荒れて剥がれた床のタイルを蹴り上げた。その破片がゾルダートの横腹に突き刺さるのを確かめて、少女はすかさず離脱する。鉄の拳に触れた頬はピリリと裂けて血を滲ませたが、この先のことを思えばどうということはなかった。
「ここはまだ前哨戦、だもんね」
「そういうことです」
 黒い手袋の親指を立てて、グスタフは『笑顔』を浮かべた。敵の首魁に全力でぶつかるためにも、負傷はなるべく抑えた方がいい。敵の影さえ利用して、最大の好機を狙うのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

朔・璃央
双子の妹のレオ(g01286)と

王様がいて、その周りに親衛隊とは
絵本か物語かでしか聞いたことのない光景が目の前に
それと相対する機会が来るだなんて
昔の俺達に言っても信じないだろうね

どうせなら王様の前まで行きたいね
勿論二人で、足並み揃えてね
その為には目の前の巨人を打ち砕かないと
今の俺達はその為の力を付けて来れたから

殴り合いだってもう慣れたもの
拳には拳で対抗しようじゃないか
敵の攻撃をよく観察して受けて躱して
レオの攻撃体制が整ったら
打ち込んで来る拳を迎え撃つようにこちらも拳を
その自慢の鉄拳をぶっ壊してあげたいね

こんな親衛隊達の裏にいる王様かぁ
そのご尊顔、一発ぶん殴ってあげに行かなきゃね


朔・麗央
双子の兄リオちゃん(g00493)と

絵本かぁ、と
でも絵本みたいな夢のある世界じゃないよね
そうだね、昔の自分達が聞いたらきっと吃驚するよ

今まで頑張ってきたことを更にもう一歩先に進めるために
兵隊さんたちには道を開けてもらわなきゃだよね?
そうだね、足並みを揃えるのは私達は得意だもの
一緒に進もう、これ迄の頑張りを形にする為にも

目の前に来た敵から確実に仕留めるつもりで
イグジストハッキングで敵を狂わせるよ
火炎放射器は放たれる前にその攻撃自体をハッキングして止めることができたら重畳だね
リオちゃんの拳が放たれるのに合わせてせーの!でいくよ

こんなに沢山の兵隊が守る、さすが王様
会いに行っちゃうよ、やっつけにね!


咲初・るる
王様ご登場…の前に
護衛の人達を片付けないといけないようだね

ドイツには直接たる由縁は無いけれど
お仕事で色々と見てきたつもり
秋の頃、車窓から眺めたエリカの花々、甘い菓子の味
絢爛豪華な歌劇場で紡がれた歌声も物語も
全てすべて覚えてる

だからこそ、尊くて美しいものが溢れている世界を
奪われたままにはしておけない
戦場に立つ理由なんてそれだけで十分さ

丸焦げは勘弁しておくれよ!
仲間を火炎に巻き込まぬよう
周囲を気にかけつつ翼広げ【飛翔】し回避

焔に負けぬほどの浄化の光を
鐘の音ひとつ鳴らしたならば
光の環は仇なす者の許へ
腕から落とそう
そして次はキミ達の脚だ

作法としては些か物騒だが
謁見への道、開かせてもらうよ


 壁のように列を成したフェストゥング・リーゼ達は一体倒してもまた一体が後ろから迫り出してくるため、全体的な戦況にはあまり変化がないように見えるが、一方で増援の復讐者達もまた続々と駆けつけつつあり、戦いは一分一秒を経るごとに烈しさを増していく。
 玉座の間に一歩足を踏み入れて鉄の軍勢を見やり、咲初・るる(春ノ境・g00894)はやれやれと肩を竦めた。
「ようやく王様のご登場……と思いきや、ご対面の前に、護衛の人達を片づけないといけないようだね。これは骨が折れそうだ」
「そのようですね」
 手短に応じて、朔・璃央(黄鉄の鴉・g00493)もまた敵の群れへ目を向ける。しかし繰り広げられる戦いの熱狂は、何故だか少し遠い世界のもののように思われた。
「王様がいて、その周りに親衛隊……なんて、絵本か物語の中でしか聞いたことがなかったのに」
 そんな光景を目の当たりにする日が来るなんて、少し前の自分達なら考えもしなかっただろう。ぽつりと呟けばそうだねと苦笑して、朔・麗央(白鉄の鉤・g01286)が隣に並び立つ。
「昔の私達が聞いたらびっくりしちゃうかも。絵本なんて、そんな夢のある世界じゃないけど――」
「いやあ、案外そうでもないさ」
 機械の海に漂う玉座のアンバランスな風景を見つめて、るるが言った。奇想天外な技術に溢れたこの世界はどうしようもなく歪で、悪趣味だけれど、中には美しいものもあった。
 車窓から眺めたエリカの花に甘い菓子、絢爛豪華な歌劇場に響き合う歌声と物語。取り立てて縁も所縁もない国だけれども、復讐者として歩む中で見てきた景色は今も鮮明に記憶に残っている。
「だからこそ……尊くて美しいものが溢れている世界を、奪われたままにはしておきたくない」
 戦場に立つ理由など――取り戻したいと願う理由など、ただそれだけで十分なほどに。
 だろう、と目を向ければ、双子の兄妹は顔を見合わせ力強く肯いた。わざわざ確かめるまでもない――在るべき世界に、在るべき姿でこの国を取り返すそのために、彼らはここに立っているのだ。
 目標は、この壁の向こう側に座す『皇帝』ヴィルヘルム2世ただ一人――そこに至るまでには目の前の巨人を打ち砕かねばならないが、今の彼らにはそれを成し遂げるだけの力があるはずだ。
「行こう」
 言葉少なに仲間達を促して、るるは天使の翼を広げた。そして兵士の胸部装甲から迸る火炎の渦を掻い潜り、そのまま天井付近へと翔け上がる。
「丸焦げは勘弁しておくれよ!」
 お気に入りの服なんだと笑って、取り出したるは黄銅に細やかな紋を捺したハンドベル。一つ鳴らせばその甘い鐘の音は、光り輝く金色の環を呼び寄せる。
「謁見への道、開かせてもらおう」
 彼らが道を阻むなら、その腕も脚も落として踏み越えるまで。いささか物騒な気はしないでもないが、鉄と血に塗れた彼らには似合いの作法だろう――これまでの歩みを無駄にしないため、何としても彼らはこの場を乗り切らなければならない。
「どうせなら王様の前まで行きたいね。勿論、一緒に」
「うん! どこへ行くのも一緒だったんだもん」
 炸裂する光環の連撃に阻まれ足踏みする兵士の元へ、璃央と麗央は二対の翼を羽ばたかせる。敵が列を成し、徒党を組んで掛かってくるのなら、こちらも相応の連携で応じればいい。幸いにして、足並みを揃えるのは大の得意だ。
 花色の瞳に揺るぎない想いを乗せて、麗央は言った。
「王様に、会いに行っちゃうよ――やっつけにね!」
 黒い巨人の胸で装甲が再び左右に割れ、紅い炎が渦を巻いた。しかしそれも一瞬――麗央の放つハッキングコードの妨害を受けて、火炎放射は不発に終わる。ならばと巨人は鉄の拳を繰り出したが、その拳撃は彼女の兄の手で受け止められた。哀しいかな、こんな殴り合いにも今ではすっかり慣れたものだ。
「そのご自慢の鉄拳も、ぶっ壊して差しあげますよ」
 力には力で、拳には拳で。
 使えるものはすべて使って、行くべき道を切り拓く。少しでも手を緩めれば押し返されそうで、璃央は白い眉間に溝を穿ったが――。
「リオちゃん! せーの!」
「っ!」
 麗央の一声と再び迸るハッキングコードに合わせて、璃央は渾身の力で敵を殴り飛ばす。流石だね、と労うるるの言葉にどうもと応じ、少年は乱れたタイを直した。
「ここまで来たからには、王様のご尊顔、一発ぶん殴ってあげませんとね」
 倒れた兵士が膝を立て、再びゆらりと立ち上がった。しかし別に構わないと、少年は思う。向かってくるのなら何度でも、起き上がれなくなるまで殴って先に進むだけだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

クラーラ・シャーフ
敵うのか、なんて愚問だわ
必ずかなう、叶えてみせる

相手は精鋭、隙を見せるわけにはいかない
でも悠長に出方を待つのは私らしくないの
【飛翔】を行使し急降下突撃で風穴を開ける
単独で突出しないよう、包囲されないようには留意を
敵の陣形や挙動を確認しながら警戒は怠りなく
必要な場合には仲間への注意喚起も適宜行うわ

地上に遮蔽物がある時は、滞空に拘らず避難に利用
気を惹いて、一撃入れて、即離脱
……小悪魔系を名乗れそう?
断片の王と配下にとっては悪魔にだってなるけれど

団円の幕が下りるまで、意地も矜持も張り通してみせるわ
さぁ、悪夢を始めましょう

※連携・アドリブ歓迎


ユエト・ミナヅキ
アドリブ/連携◎

故郷は今だ見つからず、仇を取ることもままならない
だが、それらはきっとこの戦いの先にあるはずだ

強敵、タイムリミット、圧倒的戦力差
どれも戦いにおいて常に課題になるがそれもいつものこと
戦場で困難に挑む者は突き立てた無数の刃と同じだ
この剣と同じく一振りの折れない剣となり、後ろに続く者たち道へ道を切り拓こう



魔導刀にカートリッジ[炎風]を装填
孤立しないよう周りの前衛と共に敵へ白兵戦を仕掛ける
ガントレットのバリア出力を最大に
身体強化術式と風の力で強化したスピードで銃弾の雨を突き進む
剣の間合いから白兎星連舞
必殺の連撃を寸分違わず一か所に集中させ
頑丈な装甲を突破する


秋津島・光希
※連携、アドリブOK

状況が厳しい?関係ねえよ
こちとら常に崖っぷちで生きてんだ
奪われたモン取り返して、未来へ繋ぐ
その確率が上がるってんなら何だってやってやるよ

何にせよ、敵の防備を切り崩さねえとな
精鋭揃いってことは統率もきっと完璧だろうが
…そいつを乱してやったらどうなるだろうな?

つーことで
【Hack and trick】発動
敵の一斉攻撃命令のタイミングを『看破』し
妨げるように幻影を落とし隙を作る

統率が乱れたとこに爆撃槌で殴りかかっては『一撃離脱』
ヒットアンドアウェイで撹乱する戦法で行くぞ
混乱を広げて隊列をガンガン崩してく狙いだ

俺らは好き勝手動く烏合の衆だが
皆、目的は同じだ
お前らの好きにはさせねえ!


 がらがらと音を立て、高い天井が崩れ落ちる。降り注ぐ瓦礫を仰いで、馬鹿なと兵士は声を上げた。しかし墜ちる石は兵士の頭に触れる寸前、霧のようにすうと掻き消える。それが幻だと気づいた時には、遅かった。
「ぐあっ」
 髑髏面の下で、くぐもった呻き声が上がった。振り抜いた爆撃槌を肩に担いで、秋津島・光希(Dragonfly・g01409)は吐き捨てる。
「状況が厳しいだあ? ……んなもん関係ねえよ」
 厳しいと言うならば、それはすべての歴史が覆ったあの日から、ずっとそうだ。当たり前のようにそこに在った世界はがらりと姿を変え、誰もが何かを失った。光希自身もそうだ。生き延びただけマシだとどれほど自分に言い聞かせても、失くした痛みと略奪者への怒りが消えるわけもなく、すべてを奪い返すその日のことだけを考えて、今日まで走り続けてきた。この戦いはいわばそんな日々の延長線上にあるものであり、特別なことは何もない。
「こちとら常に崖っぷちで生きてんだ。……全部取り返すそのためなら、なんだってやってやるよ」
 未来へ繋げるその可能性がわずかでも広がるのなら、なんだって。
 そうね、と涼しい顔で肯いて、クラーラ・シャーフ(白日夢の陥穽・g06521)が応じた。
「それについては同感だわ。どんな敵が相手でも、やらないって道はない――敵うのか、なんて愚問よ」
 敵は選りすぐりの精鋭揃いで、しかも数が多い。動けばこちらも隙が生まれるのは必至だが、悠長に出方を待つ時間もない。何よりそれは、彼女の流儀に反することだ。
 確かに、とウサギのようなフルフェイスの下でくつりと笑い、ユエト・ミナヅキ(weißer Hase・g05751)も同調した。
「強敵、タイムリミット、圧倒的戦力差――戦場ではどれも課題だ。でも、それはいつものこと」
 取り立てて気負うほどのことじゃないと、小柄な青年はこともなげに言う。気が合いそうだなと冗談めかした声は意外にも柔らかく、光希はふんと鼻を鳴らした。
「……なんにせよ、敵の防備を切り崩さねえとな」
 殴り倒した一体がのろのろと起き上がり、三人へ向き直った。やはり一筋縄ではいかないかと、復讐者達は各々の得物を手に構え、髑髏面の巨人に対峙する。
「――来るぞ」
 ユエトが告げたその瞬間、掲げる兵士の鉄腕が開き、無数の弾丸が飛び出した。反射的に床を蹴って天井付近へ翔け上がり、クラーラは羊飼いの杖を握り締める。その先端で、橙色の明りを灯したカンテラがゆらりと揺れた。
「必ずかなう。……叶えてみせるの」
 やれるか、やれないかではない――ただ、やるだけ。ほとんど垂直に墜ちるように降下して、クラーラは敵の頭上に杖を打ちつけ、離脱する。
(「気を引いて、一撃入れて、即離脱――なんて、なんだか小悪魔みたい?」)
 もっとも、断片と王とその配下を相手に小悪魔なんて可愛らしいもので済ませるつもりは更々ない。考え得る限り、人類史上最悪の侵略者に立ち向かおうというのだから、こちらも悪魔にだってなってやる。
「よそ見してんじゃねえぞ!」
 離脱した女の姿を追って視線を彷徨わせる髑髏面に向け、光希は再び幻を放つ。そして生まれた隙に爆撃槌の追撃を加え、不敵に口角を上げた。
「俺らは好き勝手動く烏合の衆だがよ――皆、目的は同じなんだ」
 だから、お前らの好きにはさせねえ。
 そう言って胸を叩いた少年の姿は若く蛮勇で、けれど頼もしい。いっそ清々しいなと笑って、ユエトは鉈に似た形状のブレードを握り締める。
「それじゃあオレも、乗っかるとするか」
 故郷は未だ見つからず、大切なものの仇を取ることもままならない。そんな現状を打破するには、戦うしかない。奪われた地球の断片は、この戦いの先に無数に散らばっているのだろうから。
 刃の付け根に装着したスロットに慣れた手つきで小型のカートリッジを装填すると、銀色の刃が俄かに炎熱を帯びた。降り注ぐ銃弾を斬り払って突進し、ユエトは黒鉄の装甲に繰り返し斬撃を浴びせ掛ける。そして渾身の力を以て、兵士の腹に刃を突き立てた。
「悪いが、先に進ませてもらうよ」
 その手で突き立てる刃と同じ、ひと振りの折れない剣となって、後に続く者達の道を拓くために。その隣に降り立って、クラーラは黒髪を背に流した。
「さぁ、悪夢を始めましょう」
 侵略者達にとっての悪夢を今、ここから。大団円の幕が下りるその時まで、復讐者達の進撃は止まらない。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

マティアス・シュトローマー
アドリブ・連携歓迎

指揮官クラスがここまで揃っているなんて……ま、そう簡単に断片の王には会わせてくれないか。一体ずつ確実に撃破していこう

【忍び足/地形の利用】で身を隠しながら戦況を【情報収集】で把握。敵の動きの癖や脆い箇所が分かり次第、仲間に情報を共有

アイゼンハントを発動。【突撃/地形の利用】で王宮内の障害物を足場に跳躍。勢いそのまま宙を蹴り【衝撃波】を伴う一撃をお見舞いするよ
狙うのはもちろん仲間の攻撃でダメージを受けている箇所か、あの重い体を支えている脚。そこを崩せば後続が戦い易くなるはずだからね
反撃は両腕からの砲撃か。【臨機応変】にエアライドを織り交ぜたアクロバットな動きで躱していこう


フェルト・ユメノアール
ついにこの時が来たね
断片の王を倒して、ボクたちの世界を取り戻すよ!

ダッシュで動き回って致命傷を受けないよう回避
相手がエネルギー供給をしているなら機械に攻撃が当たるのを躊躇うかも
傍に機械があればそれを背にしたり、遮蔽物にして攻撃を牽制

さあ、ここからが反撃だよ
ワンダースモークを投擲して煙幕を発生させ
時間稼ぎをしつつ爆裂ゴマを使用、敵を爆破
でも、これは敵の目を地上に引き付ける為のフェイント……本命はこっちさ!
天井に向けてアンカーバングルを射出し、空中に飛び上がってパラドクスを発動する
ボクはSCバイバニーを召喚!
巨大化させたトリックスターを抱え、敵目掛けて落下
落下速度を加えた捨て身の一撃を食らわせるよ


笛島・他助
こいつぁ厄介なこったなー。搦め手なくとも純粋につえーのが集まってるってのが一番面倒だ。
ま、俺も適当に賑わいに紛れるとすっかね。

既に俺より先におっぱじめてる奴らの残留効果があるんなら活用しつつ、無くともそれはそれで皆の戦闘騒ぎになるべくさり気なく目立たず忍んでいくぜ。一体一体確実にだ。親衛隊の中でも孤立して戦ってる奴を狙って死角から迷彩撃を装甲薄そうなとこに放つぜ。武器は…手榴弾にすっか。
んで、放ったら一目散に逃げてヒット&アウェイを繰り返す。派手なすげぇ攻撃なんざそういうのが得意な奴に任せて、俺ぁ嫌がらせに集中すんのさ。
機関砲乱射されんなら内部の壁なり障害物で視線躱しつつ逃げきって反撃してぇな


 噴きつける火炎の帯をすり抜けて、花色の影が玉座の間を駆け回る。戦場には凡そ似つかわしくないほどの色彩を身にまとい、フェルト・ユメノアール(夢を追う道化師・g00275)の朗々と声を上げた。
「さあーさあ、寄っておいで見ておいで! 楽しいサーカスの始まりだよっ!」
 今日の佳き日の演目は、この場の誰もがお待ちかね――悪逆非道のクロノヴェーダを打ち破る、復讐者達の大舞台。身のこなしも軽く跳ねまわって敵の頭上に駆け上り、道化娘は高らかに宣言する。
「断片の王を倒して、ボクたちの世界を取り戻す! ディアボロス・ショーの始まりだ!」
 何をやらせてる、捕まえろ! そう、足元で兵士達の言い合う声がする。伸びてくる腕をかわしてウサギのように飛び上がり、フェルトは色とりどりに輝く玉をお手玉要領で投げ上げると、最後に三つまとめて叩きつけた。すると次の瞬間、割れた玉からカラフルな煙が立ち昇り、ゾルダート達を包み込む。それに加えて爆薬を仕込んだ独楽を彼らの足元へ投げつければ、仕込みは完璧――何が起きたのかと惑う兵士達を尻目に天井付近へ急上昇し、フェルトは下に向かって呼び掛けた。
「どこ見てるんだい? よそ見してると、見逃しちゃうよ!」
 呼び寄せるのは、叩いた物を巨大化させる魔法のハンマーとバニーガール。白い煙を上げて巨大化した曲芸ナイフを胸に抱き、道化はにんまりと笑って見せる。
「本命は、こっちさ」
 ズガァンという撃音と共に、墜ちる刃が兵士の装甲を貫いた。喧騒を極める広間の中心部を柱の陰から覗き見て、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)はひゅうと口笛を鳴らす。
「おーおー派手にやってんなあ」
 しかし、敵が精鋭揃いというのは残念ながら本当のことらしい。普通のアヴァタール級なら数発喰らえば立ち上がれなくなりそうな攻撃でも、彼らは耐え抜き、起き上がる。その光景を目の当たりにして、マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は息を呑んだ。相手は断片の王――そう簡単に会わせてもらえるとは最初から思っていないが、それにしても戦いの規模が普段のそれとは違い過ぎる。
「指揮官クラスがここまで揃ってるなんて……」
「厄介なこったなー。搦め手がなくとも純粋につえーのが集まってるってのが一番面倒なんだ。お兄サンの経験上な」
 何しろ、純粋な強さには裏表がない。だから裏をかくということができない。参ったねえと心にもなく呟いて、他助は中折れ帽を目深に被り直す。サングラスの奥に光る眼は、軽い口調とは裏腹に笑ってはいない。
「そんじゃあ俺も、適当に紛れるとすっかね」
 馴染みのバーの扉を潜るかのように自然な仕種で、男は戦場に足を踏み入れる。一度そのパラドクスを発動すれば、攻撃の瞬間まで彼を視界に捉えられる者はない。
「派手なすげぇ攻撃なんざ、そういうのが得意な奴に任せときゃあいいんだよ」
 探るスーツの内ポケットから、取り出したるは手榴弾一つ。その信管を無造作に抜いて放り投げ、他助はすたすたと歩き去る。
「俺ぁ嫌がらせに集中すんのさ」
 小癪で結構と笑う男の横顔を、閃光が照らした。刹那、激しい爆発音と爆風とが巻き起こり、兵士の装甲を吹き飛ばす。しかし――それでもまだ、終わってはいなかった。
「おっと」
 ばれたか、とおどける男に照準を合わせて、鉄の巨人が腕を掲げた。逃がすものかと息まいて、兵士は機銃から弾を放ち続ける。しかしのしのしと踏み歩いていくその視界に、飛び込んでくる影がまた一つ。
 壁を蹴り、柱を蹴り、宙を蹴って跳躍するのは、蜜柑色の髪に猫のような瞳をした少年――マティアスだ。絶えず撃ち出される弾丸が腕を裂き、頬を裂いても、駆けるその脚は止まらない。じろりと敵を睨み据えて、少年は言った。
「子どもだからって、なめるなよ」
 鉄の腕を潜り抜け、マティアスはスライディングの要領で巨兵の足元に滑り込む。そして右手に鋼鉄の籠手を顕現させると、固い鉄の脚を目掛けて力いっぱい叩きつけた。その衝撃は瞬く間に兵士の身体を伝播して、髑髏面の奥に宿った光がふつりと消える。その様子を振り返って、他助は笑った。
「やるねえ、少年」
 さあ――次の敵は、何処に。見渡す広間には依然として、数多くの敵が控えている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV3になった!

鐘堂・棕櫚
【KB】2人

ついに王宮ですか、景観は流石に見事なもので
奪還後に観光目的でまた来ましょうねと
他愛ない未来の約束事一つ置いて
死地へと赴く足取りも普段通りに

下手にばらけてると此方が各個撃破されちゃいそうですし
突破する箇所は復讐者の皆さんと足並み揃えて近い位置で
骰さん暴れ過ぎてはぐれないようにして下さいね
面倒見の鬼が隣にいるんで、置き去りは心配しませんとも
お互いの死角をカバーする立ち位置に回るよう心がけ
王宮深く、より奥へ居る敵を順次狙うようにして殲滅を試み
敵の射撃からの被害を極力押さえられるよう
間合いは近接、攻撃はなるたけ碗部の機関砲を狙います

望む未来まであと少し
膝を突いてる暇なんてありはしませんよね


鬼歯・骰
【KB】
こんな機会でもなきゃ一生来る事も無かっただろう
本当に、次来るときはゆっくりしてぇとこだ
その為にも無粋な兵器と敵どもには綺麗にご退去願おうか
常と変わらぬやり取りで見据える先は玉座の方

互いに庇える立ち位置キープし
他の奴等からも突出しすぎないように気をつけよう
アンタものんびりして置いてかれねぇようにしろよ
…まぁそうだな、優しいから襟首ぐらいは掴んでやる
敵の攻撃はまともにやり合わず回避を試み
ツリガネと標的合わせて相手の攻撃の反対側
死角になる方から鱶でぶん殴って解体だ
壁になんてなれぬよう足を重点的に狙い念入りに叩き壊す
退け、アンタら仕える相手を間違えてんだよ

王手まで来たんだ、引き下がってたまるか


「ついに王宮ですか。景観は流石に見事なもので」
「ああ。こんな機会でもなきゃ、一生来ることもなかっただろうな」
 高い天井に豪奢な柱。窓の外に望む庭と日の傾きかけた空。これで部屋を取り巻く怪しげな機械達がなければ完璧だったろうが、改竄世界史の中で高望みはするまい。銃弾飛び交う戦場を前に並び立ち、鐘堂・棕櫚(七十五日後・g00541)と鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)は口々に交わす。
「無事にドイツを奪還できたら、観光目的でまた来ましょうね」
「ああ。次来るときはゆっくりしてぇとこだ」
 その時二人が目にするものは、こんな機械仕掛けの絡繰り城ではない――象牙色の美しいベルリン王宮が、穏やかに佇んでいるはず。そんな当たり前の未来を取り返すために、今ここでやるべきことは一つしかない。
「無粋な兵器と敵どもには、綺麗にご退去願おうか」
 見据えるのはこの壁の向こう、玉座に君臨する黄金の皇帝ただ一人。共に相対する仲間達と足並みを揃えて、しがないジュース屋とヤクザは二人、黒鉄の軍勢へと走り出す。
「暴れ過ぎてはぐれないようにして下さいね!」
「アンタものんびりして置いてかれねぇようにしろよ」
 突出すれば率先して叩かれる可能性が高い以上、仲間同士つかず離れずの距離を保っていた方がいい。しかし皮肉たっぷりの言葉を難なく受け流して、棕櫚は言った。
「俺は平気ですよ、面倒見のいい鬼が隣にいるんで」
「勘定に入れんな。……けど、まあ」
 俺は優しいから、襟首ぐらいは掴んでやる。
 ぼそりと口にして、鬼人は白い牙が覗く口角を上げた。途中で仲間がへこたれようものなら、引きずってでも連れていく――この鬼は、そういう鬼だ。他愛なくささやかな約束も、一つ置けばそれが死ねない理由になる。
「つまり、無茶し放題ですね」
「そうは言ってねえ」
 肩を並べ駆けていくその先に、鉄の巨人が立ち上がった。視線の代わりにごつんと拳を打ち合わせ、二人は背中合わせに身構える。乱戦の戦場にあって生死を分けるのは、死角だ。それを補い合える誰かがいるということは、優れた武器以上の意味を持つ。
「来ます」
 眼鏡の奥の瞳を鋭くして、棕櫚が言った。その声とほぼ時を同じくして、骰はふ、と短く息を吐き、鋸歯の刃を振り抜いた。確かな手応えと共にそれは兵士の腹に食い込んだが、当然あちらも黙ってはいない。
(「なるべく、まともにやり合うのは避けたかったが」)
 この間合いでは是非もなし。重く、巨大で、そのくせ疾い剛腕を反対の腕で受け止めて、骰は表情を歪める。スーツの腕はびりびりと痺れ軋んだが、さりとて退く気は毛頭ない。
「王手まで来たんだ。……こんなところで、引き下がってたまるか」
 渾身の力で押し返せば、鉄の巨体がバランスを崩し、傾いだ。その隙を狙って、棕櫚は白いバールを振りかざす。けたたましく吼える機銃の撃ち出す弾は長い手足を射抜いたが、構うものかと男は言った。
「望む未来まで、あと少しなんです」
 どれほど血を流そうとも、膝をついてはいられない。全力で振り抜けば片腕を砕かれた兵士はたたらを踏んで後退する。
「どうしました――こちらは、退く気はありませんよ」
 そちらが一歩下がるなら、一歩踏み込んで喰らいつくまで。そう、語気を強める棕櫚の隣で居並ぶ敵を睨みつけ、骰もまた唸るように言った。
「どけ。アンタら、仕える相手を間違えてんだよ」
 一進一退の攻防は、今もなお続いていた。しかし刻々と移ろう戦況には、少しずつではあるが変化が生じ始めている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!

リオーネ・クア
歴史が正されれば、友達になりたかったゾルダートが普通の人生を歩める可能性もあると思って俺はここにいる

王に万が一があってはいけないと敵側も必死で全力以上の力を出してくると思う
それでも俺達はそれを打ち倒して進むんだ

敵は精鋭だし1対1、またはこちらが多数で攻めたい
敵陣から距離を取って「狙舞の槍」を発動、敵陣にロッソを向かわせて誰かが攻撃している敵に追撃
ロッソが敵に掴まらないよう敵の行動をよく観察し、危険察知したら逃げるよう指示
相手に一撃を加えたら即座に移動するようにも指示するよ

ダメージは歯を食いしばって耐えるけど、火炎への有効な対策がないのでたぶん長くはもたない
大きく消耗したら無理せず戦場を離脱する


宝心・ライラ
アレンジ・連携歓迎
「ドイツのハッピーエンドにこんな近道があったなんて。これは乗らない手はない!」

一人一人が強敵なら油断はしない
自慢の軽業による機動力と、ハイファイブを爪弾き歌う挑発で敵を攪乱し、連携しながら確実に一体ずつ倒すわ
躱しきれない攻撃はダブルピースの障壁でガード
戦いながらでも敵を観察し、精鋭髑髏さんとこれまでの髑髏さん達との違いを看破したら皆に伝える

「髑髏さんは元からニィーって顔してるから、いつ終わってもハッピーエンド!何度も戦ったから知ってるよ」
隙を見せた敵にはアドベンチャーも装備した二刀流で一気に責め立てる!
火炎放射器のチューブとか装甲が薄そうな部分があれば優先的に狙うよ


「ドイツのハッピーエンドにこんな近道があったなんて……」
 青と黄色の色鮮やかな衣装の胸にバンジョー型の剣を抱き、宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)は言った。敵の全容さえ掴めないディヴィジョンも多い中、断片の王を戦いの最前線に引きずり出せた意味は大きい――まさに『近道』だ。裏を返せば今その道を見失えば、ディヴィジョン攻略の日はきっと遠のいてしまう。
「だったら、乗らない手はないわね」
 幸せを運ぶバンジョーの調べに乗せて、朗々と歌い上げるのは旧き伝承の詩。黒鉄の兵士が火を噴いても、五弦を爪弾くその手は止められない。軽業の要領でくるりと後ろへ宙返りして火炎放射の直撃をかわすと、ライラは両頬に指を添え、にんまりと笑った。
「だって私は、みんなをハッピーにするんだもん!」
 生きとし生けるすべてのものは、ハッピーエンドに到るべき――それが彼女のモットーだ。そしてそれは、クロノヴェーダとて例外ではない。いかつい髑髏面の兵士を覗き込んで、少女は言った。
「髑髏さんは元からニィーって顔してるから、いつ終わってもハッピーエンド! でしょ?」
 何度も戦ったから知ってるよ、と笑ってピースサインを作れば、生まれた魔力障壁が噴きつける火炎を軽減する。ちょっとくらい熱くても、大丈夫――幸せな終わりを届けるために、壁を蹴り、柱を蹴って、少女は広い玉座の間を縦横無尽に飛び回る。
 その姿を荒れ果てた床から見上げて、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)はぽつりと言った。
「……ハッピーエンド、か」
 それをもたらす方法が、知りたかった。
 戦いを望まなかった彼。
 友達になりたいと願った彼。
 優しい彼が当たり前の人生を謳歌できる、そんな未来があればと願ってやまなかった。実際には、それは叶わぬ願いであったけれど。
(「……それでもこの歴史が正されれば、きっと」)
 悪夢はなかったことになる。
 改造された兵士達も非業の死を遂げた人々も、誰もが元の姿に戻って在るべき人生を歩むことができる。その可能性に一条の希望を見て、彼はここへやってきた。断片の王をその背にして、敵も当然、死に物狂いで向かってくるだろうが――。
(「それでも、俺達は進むんだ」)
 負けられない理由があるのはお互い様。兵士達が命を賭して彼らの王を守るなら、こちらは持てる力のすべてを以って、友の生き様を守るだけだ。
「ロッソ」
「めえ!」
 名を呼ぶ声に応じて、丸々とした仔山羊がその手の槍を突き上げる。頼んだよと押した背中のその先では、黒鉄の巨人と少女が一人、追いかけっこを続けていた。噴き付ける火炎が手足を焦がすのにも構わず見つめていると、跳ね行く仔山羊の背中越しにこちらを見るライラと目が合った。一本のマーチングバトンを手の中でくるくると回して、少女はにっこりと笑う。
「みんなであの髑髏さんをハッピーにしちゃお!」
 大丈夫――ただ少し、眠るだけ。
 眠って、また目が覚めたらその時には、あるべき世界がそこにあるはずだから。
 タイミングを合わせてもう一度、今度は一緒に。歌い上げるサーガに乗せて、ライラはバトンを、仔山羊は槍を、ほとんど垂直に突き下ろす。その先端は見事に、兵士の兜を打ち砕いた。ぐらりと傾き、崩れていく兵士の姿を見送って、リオーネは想う。
(「大丈夫。……少しずつだけど、近付いてる」)
 誰もがハッピーエンドを享受し得る、本当の世界に――着実に。
 燃える焔の残滓に照らされた横顔には、微かな笑みが滲んでいる。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!

アルメア・グラウプナー
「そうだ! これが闘争だ! これが戦争だ! 理解できるか皇帝陛下よ! 我々がこうしてベルリンの地に闘争の風を運んできたのだ!」
「その玉座に腰掛け待っているといい! 今にその喉元へ刃を、眉間へ銃口を突きつけてやろうじゃないか! はははははッ!」

・行動
さて、さっさと愛しの皇帝陛下のツラを拝みに行かなければな。その為にも道を作り、切り開く事を重点とした動きをしよう。
火砲での【砲撃】、ガトリングでの【制圧射撃】【弾幕】にて牽制を行いつつ、特殊炸裂弾を派手にバラ撒く様に打ち続けて、味方が歩みを進める為の空白地帯を確保していく。
その際は【地形の利用】を応用し、味方に特に利する様な場所を選び撃っていこうか。


エンデ・トロイメライ
さてと、やっと敵の親玉とご対面か。
まっ、正直直接の恨みは全然無いんだけどさぁ、キミのせいで迷惑してる人が山ほどいるんだよねぇ……
と、いうわけで。それじゃ、皆殺しといこうか。

まずは周りのを片付けようか。
飛行ユニット、FLUGELでの超高速飛行と神速反応の効果を活かし、フェイントをかけ敵の弾を掻い潜って敵に接近。
敵の死角から腕や足、首の関節部を狙ってナノマシンを再構成したナイフで、加速を乗せた斬撃で切り落とす。
下手に追撃はしない。一撃を加えたら武器を銃に変え牽制射撃を行いながら距離を取り再び隙を狙って叩き切るよ。


アデレード・バーンスタイン
アドリブ、連携歓迎です。

これが断片の王…王宮の外からでもその存在感を感じますわ…。
ディヴィジョンの攻略という悲願の大事な一歩…何としても勝利しなくては…。

集団とはいえ全てがアヴァタール級でしかもその上位クラス…。
範囲攻撃は反撃が手痛いため単体攻撃で一番得意な能力値のデストロイスマッシュにて一体ずつ攻撃します。
また残留効果の【ダメージアップ】を付与し早期撃破により結果被害を減らすことも狙います。
他の接近戦を仕掛ける仲間と連携して共に一体ずつ集中狙いで敵を撃破します。

こちらの攻撃を物ともせずに前進してくる集団…。
確かに脅威ですが…拳には拳…。
わたくしの破壊の拳にて正面から粉砕して差し上げますわ!


「これが断片の王……離れていても、その存在感を感じますわ……」
 ワンピースの胸に両手を組み、アデレード・バーンスタイン(エルフのデストロイヤー・g05838)は緊張の面持ちで口にした。部屋全体に漂う張り詰めたような空気は、皇帝の放つ威圧感とも無関係ではないのだろう。息を詰めて佇むその隣で、エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)は感慨深げに口を開く。
「やっと敵の親玉とご対面か。まっ、正直直接の恨みは全然ないんだけどさぁ」
 『刻逆』以前の出来事を、彼女は語らない。多かれ少なかれ誰もが何かを奪われたという極端な状況下にあって、彼女のように考える者は珍しいだろう。でも、と付け加えて少女は言った。
「アイツのせいで迷惑してる人は、山ほどいるんだよねぇ」
 新宿島で医療を学ぶ彼女は、奪われた過去、断たれた未来を嘆き悲しむ人々を大勢目にしてきた。だからこそ思う――玉座に座す男とその配下達は、何をおいても打ち倒さねばならないと。
 ええ、と眉を吊り上げて、アデレードは言った。
「ディヴィジョン攻略という悲願の大事な一歩……何としても勝利しなくてはなりませんね」
「ああ。さっさと愛しの皇帝陛下のツラを拝みに行かなければな」
 巨大な破壊槌を右手に引いて、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)が不敵に笑った。仲間達の奮闘の甲斐あって、さしもの『要塞巨人』達も徐々に数を減らしつつある。ここから先は、後に続く者達のための道づくりだ。
「さあ――とっとと道を開けたまえ! そこから先は、我々の舞台だ!」
 高らかに告げて、アルメアは軍服の腕を掲げた。その火砲から射出された炸裂弾は、着弾と同時に爆発し、紅蓮の焔を巻き起こす。しかし黒鉄の兵士達は、怯むことなく砲弾を掻き分け向かってくる。
「砲撃を物ともせずに……これは確かに脅威ですが……」
 細い拳を握り締め、アデレードは敵を睨みつける。怖いもの知らずの殺戮兵器――そういう風に造られたのが彼らなら、起き上がれなくなるまで砕いてやるのが彼女らの務めだ。
「拳には拳。わたくしの破壊の拳にて、正面から粉砕して差し上げますわ!」
「いいね。それじゃあアタシも、っと」
 そう言って、エンデは腰の周りに浮遊する飛行ユニットを展開した。軽やかに地を蹴って飛び立てば、銃と剣とで形作られた翼はぐんぐん出力を上げ、一気に最高速度に到達する。機関砲から吐き出される弾は少なからず手足を撃ち抜いたが、その程度で止められる彼女ではない。
「……遅い」
 指先に集めたナノマシンが編み上げるのは、ひと振りのナイフ。超高速で飛翔する彼女は、ただしっかりとその刃を構えていればそれでいい。風よりも速く少女の影が突き抜けたのと同時、鉄の兵士の横腹は鋭く裂けて、ばちばちと火花を散らし出す。そこへ深緑の髪を靡かせて、アデレードが飛び込んだ。
「ご覚悟! てぇえい!」
 見た目はどこからどう見ても、華奢で可憐なエルフの娘。しかしその細腕に秘められた怪力は、あらゆるものを破砕する。一点集中、突き入れた拳は傷ついた兵士の腹を貫いて、そしてどうと突き倒した。その――瞬間。
「ははっ……」
 機械化された右瞳を爛々と光らせて、アルメアは嗤う。先程までは前線の兵士を倒しても、すぐ後ろから別の兵士が迫り出していたが、倒れた巨躯の背後に控えの機体はもはやない。黒鉄の壁にぽっかりと開いた穴の向こうには――黄金の鎧を身にまとった皇帝の姿が、覗いていた。
「ははは――はははははッ! そうだ! これが闘争だ! 理解できるか皇帝陛下よ?」
 その瞬間、兜の下の双眸がじろりと彼女を見た。背筋を駆け上がるぞくぞくとした昂揚感に突き動かされるまま、女は叫ぶ。
「我々がこうしてベルリンの地に闘争の風を運んできたのだ!」
 戦いは、新たな局面に入った。状況を悟ったフェストゥング・リーゼ達は再び隊列を整えるべく動き出すが、後の祭り――彼女達が作った道を突き抜けて、既に何人もの復讐者達が壁の向こうへ飛び込んでいる。
「その玉座に腰掛け、待っているといい」
 再び閉ざされた壁の向こうへ皮肉な笑みを向けて、アルメアは言った。よく通るその声は高い天井に反響して、広間の隅々まで響き渡る。
「今にその喉元へ刃を、眉間へ銃口を突きつけてやろうじゃないか!」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【照明】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【建造物分解】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

アマネ・モルゲンシュバルツ
千客万来?まぁ私は負けるつもりはないけどね。
別世界のドイツでも気になるものは気になるのよ。
【アドリブOK
魔剣、レーヴァテインの能力を発動…
物陰に隠れながら攻撃を仕掛けようってんならこういう使い方もあるわよ。
この辺り一帯を激しい灼熱で包み込んで隠れられないようにしてやるわ。
相手はこっちをどんなふうに捉えてるのかしらね?
熱センサーか、それともカメラか…
どっちにしろあたりが炎に包まれたらうまく機能しなくなるでしょう。
こっちが視認できるくらいまで近寄らなきゃいけなくなるはず…
そこを攻撃よ!


アンゼリカ・レンブラント
鉄道で移動していた時食べたバゲットサンドの味も、
ドイツで会った人々の笑顔、忘れないよ
必ずこの地を奪還するんだ!

多くの相手を巻き込むように攻撃していくね

小さな目標だから
仲間と攻撃を合わせるように打ち込み、
自分が外しても仲間が命中させる、もしくは
仲間が外しても自分がフォローできるよう打つよ

光使いとパラドクスで絶えず戦場を照らし、
相手の隠密を防ぐ
死角から攻撃されないよう絶えず注意を配るよ

ただ打ち込むのみではなく、フェイントを駆使する、
剣からだけじゃなく装備品の天光のランプから
パラドクスを打ち込む等変化もつけていくね

KOできそうな個体がいれば、必ず巻き込むように狙う!
必殺の《光剣閃波》で仕留めるよっ!


四葩・ショウ
ねえ、貴方には
どうみえてるのかな
思い描く先は
フリッツという名前の、ゾルダート
ーーわたし達が神様の元へ送った、彼

目の前にいるんだ
あれが、この時代の断片の王
だけど、まだ届かない

邪魔を、するな……!
ちいさな機体はレイピアじゃ捉えにくい
やみくもに振るだけじゃ、ダメだ
音を、機動を"観察"して
素早く"貫通撃"で
少しでも動きを止めたり、隙を作ったなら

口遊む、『Angelique』

どんな特性かはしらないけど
銃弾の雨は身を低くして
薔薇の棘の、"結界術"をひろげて凌ぐ

……諦めない
貴方みたいな人を
今度こそ、助けるために
どんなに辛くても
最後まで戦った、貴方のように

取り戻してみせる
……だから
ねえ、見ていて


●ZWEITE AKT
 石敷きの床をどうと震わせて、黒い巨体が倒れ込む。分厚い『壁』に穴が開き、閉ざされていた路の向こうに討つべき敵の姿が見える。その瞬間を、復讐者達は見逃さなかった。
「今だっ!」
 穿った穴の先を睨んで、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が鋭く叫ぶ。その後に続くように、数人のディアボロスが鉄壁の穴へ駆け込んだ。親衛隊の一部はその動きに気づいたようだが、いちいち構ってはいられない。後ろを振り返ることなく脚を動かして、アマネ・モルゲンシュバルツ(憤怒のドラッヘリッター・g00313)は言った。
「敵も味方も千客万来って感じね。ホント、凄い数」
 けれど、そう簡単に負けてやるつもりはない。負けて当然と思っていたのでは、勝てるものにも勝てなくなる。細く長く敷かれた赤い絨毯の先を見やって、アマネはニッとアイロニックな笑みを浮かべた。彼女達の位置からは既に、黄金の玉座とそこに座す皇帝の姿を確認することができる。
「さあて、それじゃあ一発お見舞いと――あいたっ!?」
 チュインと高く鋭い銃声が鳴ったのと、踏み出した脚に激痛が走ったのとは同時だった。復讐者達は前進を止めて、背中合わせに身構える。
「来た」
 銀に輝くレイピアを手に、四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は務めて短く口にした。見えない敵の正体は、分かっている――皇帝ヴィルヘルム2世の近侍を務める超小型ゾルダート『クライナーゼンゼンマン』。瞬く間に復讐者達の四方を取り囲んだそれは、羽虫の飛ぶようなノイズを立てながら不気味に宙を漂っている。
「……あれが、この時代の断片の王……」
 無数の小さな兵士の群れの向こうに覗く、黄金の皇帝。その姿はもう目前にまで迫っているというのに――まだ届きはしない。
 歯痒さに奥歯を噛んで、麗人は言った。
「邪魔を、するな……!」
 こんな世界でさえなかったら、戦いを知らずに生きていけたかもしれない人々を――歪なこの国の犠牲者を、今度こそ助けたい。その一心で、ショウはここに立っている。
 あの日、彼女がその手で神の御許へ送った彼。
 戦いを望まず、けれど戦うことでしか存在できなかった哀しきゾルダート。
 彼のような人々を、今度こそ救いたい。そのためなら、続く道がどんなに険しくとも、諦めたくない――諦めない。
(「やみくもに剣を振るだけじゃ、ダメだ」)
 目を閉じて音を、軌道を感じる。剣で捉えることはできなくても、この歌と、光でなら。
「せいなるかな――」
 口遊む聖歌が呼び寄せるのは天使の嚆矢。背を屈めても避け切れはしない、無数の銃弾が黒い炎となり膚を裂いても、歌うことだけは止めたりしない。
(「痛くても、辛くても、貴方のように――『わたし』も最後まで戦うから」)
 だから、どうか、見ていて。
 人形のように白く滑らかな頬を、珠の汗が伝った。喉も裂けよと歌い上げる声に呼応して、降り注ぐ光の矢が兵士達を焼いていく。しかしその数は、依然として多いままだ。
「あいつら、どうやってこっちを感知してるのかしら?」
 視線の流れまで精密に追って来るかのような敵の動きをじとりと睨み、誰にともなくアマネが呟く。どうだろう、と応じて、アンゼリカは胸の前で拳を打ち合わせた。
「難しいことは分かんないけど、あいつらを倒さないと先に進めないのは確かみたいだから……全力でいくよ!」
 列車に揺られながら食べたバゲットサンドの美味しさに、助けた人々の感謝の笑顔。書き換えられた歴史の中ではあったけれど、この世界で出逢い、得たものも少なからずある。だからこそ、すべてを取り返して――本当の世界でもう一度、逢いたい。高々と右手を掲げれば、収束する光が小さな掌に輝く剣を形作っていく。
「必ずこの地を奪還するんだ!」
「オーケー、乗ったわ」
 シャツの左胸に手を当てて、アマネが応じた。まるで別物のように作り変えられてしまっていても、ドイツ人の片親を持つ彼女にとって、ここは他人の国ではない。
「熱センサーかカメラか何使ってるんだか知らないけど、コソコソ隠れてる連中はあたしが炙り出してあげる」
 胸元より顕現する刃は、魔剣レーヴァテイン。渦を巻く炎の剣が閃くのに合わせて、アンゼリカもまた光の剣を振り翳す。大雑把とでもなんとでも、言いたければ言うがいい――目標が小さく狙いにくいなら、辺り一面、薙ぎ払うだけだ。
「いっ、けえ――!」
 黄金の光と紅蓮の炎、二色の帯が溶け合った。白く眩い輝きに灼かれて、小さな兵士達は一機、また一機と、磨き抜かれた床の上に墜ちていく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!

ネリリ・ラヴラン
五月姫ちゃん(g00544)と一緒だよ。
他の方との連携やアドリブも歓迎ね。

ぶんぶんうるさいって蠅じゃないんだからね?
ん…そっか、目で追えなくても、音なら…。
大丈夫、こっちのお話だよ!

わたしは後衛のつもりね。
個別に狙うよりは協力して一人づつ倒して行くわ。
狙うべき敵さんを確認したら【高速詠唱】で”Fanatic Festa!”の魔法陣を瞬時に展開するよ。お歌を唄う場面じゃないけど【全力魔法】でつぎ込んだ魔力全部、大音量のサウンドに変換するわ。

仲間へ【ガードアップ】の守る力を与えながら、早くても見えなくても、そこにいれば聞こえる”音”で攻撃だね。

さあ、悪い王様を打倒する英雄さん達の開演だよっ


瀧夜盛・五月姫
ネリ姉さん(g04086)と連携、だよ。
嗚呼、民の思想も、肉体も、歴史も省みぬ、断片の王。
とっても、叛逆、したくなる。

……何?
ブンブンブンブン、五月蠅い、よ?
あは、“姫たち”を取り戻す、邪魔、するんだ。
須らく燃やさないと……ん? どうした、の?

身体や薙刀に、獄炎を【火炎使い】で纏い、クロノヴェーダを切り刻む、よ。
あるいは、ネリ姉さんがピンチ、ならば纏ったまま、ディフェンス、そして、炎の薙刀で、【一撃離脱】。
銃弾は、纏った炎で焼き尽くし、【フェイント】【幸運】【忍耐力】、耐える、よ。

飛んで火に入る夏の虫、なんて。
……あれ、これは姫たちのこと?
ん、違う、これは、布石。
次は、断片の王、あなた、だよ。


「ブンブンブンブン、うるさい、よ?」
 蒼い双眸を細めて、瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)は羽虫のようなゾルダート達の向こう側を睨んだ。そんなハエみたいに、とネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は苦笑したが、特に窘めるつもりはないらしい。
 玉座の皇帝は床に突いた剣に両手を添えたまま、未だ動く気配がなかった。どうせ届かないと高を括っているのか、それともエネルギー供給に集中せざるを得ないのか分からないが、こうも相手にされないと逆に反骨精神を刺激されるというものだ。
(「ああ――とっても、叛逆、したくなる」)
 歴史を踏み躙ったばかりか、自らを仰ぐ民の想いも、身体さえも省みぬ断片の王。このままにしてはおけぬという強い想いは、研ぎ澄まされた薙刀の穂先に紅い獄炎を飾っていく。その隣でふと視線を泳がせて、ネリリは何かに思い至った様子で呟いた。
「ん? ……そっか」
「? どうした、の?」
「ううん、大丈夫。こっちのお話だよ!」
 ならいいけどと黒く艶めく刃の柄を握り締め、五月姫はしゃんと背筋を伸ばし、身構える。涼しげな空色の瞳はいつのまにか、燃えるような緋色に染まっていた。
「『姫たち』を取り戻す、邪魔、するんだ」
 行く手を阻む者は、余すところなく燃やし、切り刻むのみ。ためらいなく敵の只中へ躍り出た身体を針のような銃弾が無数に突き刺さしても、引き下がったりしない。
(「まるで、飛んで火に入る夏の虫――だね」)
 夥しい数の敵が待ち構えていると分かっていながらの突入なんて、無謀だと言う人もあるかもしれない。けれど、これは布石だ――断片の王を討つために、すべては必要な布石。たとえこの場で倒れようとも、それは決して無駄にはならない。
「次は、あなた、だよ」
 点々と染みる鮮血と炎で、白い袖が染まる。振り抜いた薙刀の先に宿った焔の蛇はまるでそれ自体が意思を持っているかのように宙を泳ぎ、ゾルダート達の小さな翼を焦がしていく。
「五月姫ちゃん、さすが! よーし、私も……」
 負けてはいられないと意気込んで、ネリリはそっと瞼を閉じた。勿論、見ることを放棄したわけではない。小さく、その上素早い敵を目で追うことは難しくても、その耳でなら、『聴く』ことはできる。
(「音でなら、きっと――」)
 視覚を遮断して耳を澄ませば、音が討つべき敵のいる方を教えてくれる。瞳を閉じたまま大きく息を吸い込むと、蝙蝠翼の背中に光り輝く魔法陣が浮かび上がる。
「お歌を唄うような場面じゃないけど、許してね?」
 何故ならそれが、戦場に立つ彼女のドレスコード。魔法陣が紡ぎ出す電子音に乗せて全力で歌い上げるテクノポップは、並び立つ仲間達の心を躍らせると共に、その音圧でゾルダート達を締めつける。
「いくら速くて見えなくても、音は避けようがないでしょ?」
 黒苺のような瞳を片方、ぱちりと瞑ってネリリは言った。その視線の先で、ボンと小さな破裂音を立てゾルダート達が爆ぜていく。
「悪い王様を打倒する、英雄さん達のステージの開演だよっ!」
 敵の護りを突き崩すまで、あと少し。励ますような歌声に背を押されて、復讐者達は敵の群れに飛び込んでいく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!

フィーナ・ユグドラシア
※【博物館】の皆様と共に
※アドリブ、連携ok

ここまで来たのです。私は私に出来る事を……!

皇帝を倒すために絶対に排除すべき敵ですが、的が小さい分、一工夫必要そうですね。
他の味方とも連携し、面制圧っぽい感じで攻撃して相手の逃げ道を塞ぐか、動きの止まった個体を優先して射撃すれば、多少は当てやすくなりますか?

戦闘の基本方針は『極光の波動』での射撃戦。
優先すべきは弱った敵への止め。次いで前衛への援護射撃。味方に誤射せぬよう注意しつつ、動きの鈍った個体から範囲攻撃していきます。
敵の攻撃には迎撃しつつ、味方の居る方に誘導です。

また、味方が孤立せぬよう戦場の状況把握に努め、前衛の邪魔にならぬよう位置取ります。


月下部・鐶
【博物館】の皆さんと一緒に参加するよ!
妹の小雪ちゃん(g00930)といっしょに連携するね

ちっちゃくって捕まえにくい敵でも、あたしのパラドクスはぜったい逃さないんだから!
あたしは戦いから距離をとって敵の動きを〈観察・偵察・看破〉しながら、スケッチブックにちいさなちいさな敵の姿を描くよ
【パラドクス通信】で他のディアボロスのみんなとの連携も忘れずに、攻撃の標的にされそうになったら、〈ダッシュ〉で逃げてフォローを貰うね

上手く描きあがったら、絵に描いた小さな小さな敵の姿に絵筆でバッテン!
絵の中じゃ避けられないでしょ!動きが止まったら、あとはみんなにとっておきの一発をお願いするよ

アドリブ、連携、大歓迎!


月下部・小雪
【博物館】のみんなと力を合わせて、いきます。
お姉ちゃん(g00960:義姉)と一緒に頑張り、ます!

あ、あれが断片の王、なのですね。ひゃ、す、すごい圧力、です。
で、でも、お姉ちゃんと一緒なら、負けません。

みんなでつないだ千載一遇のチャンス、です。ぜ、絶対につかみ取ってみせます。
ドイツを取り戻して、またみんなと、今度はお姉ちゃんとも一緒に葡萄畑に遊びに行きたい、です。

皇帝を守ってるのは、とても小さな敵、です。
そ、それなら【ワイファイスパーク】で巻き込んで、いきます!
お姉ちゃんが動きを止めたのにも電撃が伝ってダメージが入るはず、です。

※アドリブや連携も大歓迎


「あ、あれが断片の王……なのですね……」
 広がる兵士達の向こうに覗く玉座を見つめて、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は身震いした。ひと睨みで敵を射殺せそうな眼光と全身から滲み出る威圧感は、これだけ離れていてもなおその膚を焦がすようだ。
「すごい圧力……です」
 本当に勝てるのだろうか――そんな想いが一瞬、少女の小さな胸に過る。すると気弱な義妹の不安を見透かしたかのように、月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)が言った。
「大丈夫! 小雪ちゃんにはあたしがついてるんだから!」
 ポンと叩かれた背中から、気負いが、緊張が抜けていく。はっと紅い瞳を見開いて、小雪は微かに口角を上げた。
「――うん。お姉ちゃんと一緒なら、負けません!」
 普段はおどおどとして頼りなげな少女の言葉が、今日ばかりははきはきと力強い。
 頼もしい姿に一瞬、ふわりと表情を和らげてすぐに引き締め直し、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は言った。
「皇帝を倒すためには絶対に排除すべき敵ですが……的が小さい分、一工夫必要そうですね」
 道を阻むクライナーゼンゼンマン達は攻勢を強める復讐者達の手によって、既に多くが撃ち墜とされているが、すべてを倒し切らなければ状況は変わらない。思案するフィーナに任せてと笑って、鐶は取り出したスケッチブックに絵筆を添える。
「ちっちゃくって捕まえにくい敵でも、あたしのパラドクスなら大丈夫! 絶対に逃がさないから、フォローしてくれる?」
「ええ、勿論」
 喜んで、とフィーナは微笑った。せっかくここまでやって来たのだ――彼女は彼女の、自分は自分の、できることを精一杯やり遂げることに躊躇はない。よろしくと素早く親指を立てて、鐶はスケッチブックを覗き込んだ。
 真っ白なキャンバスに描き出すのは、小さな、小さな兵士達の翼。しかし狙い撃つ銃弾に妨げられて、思うように筆を動かすことができない。小雪ちゃん、と呼び掛ければデーモンの少女はこくりと頷いて、黒いケープの肩に停まったモーラットに呼び掛ける。
「コダマ、ワイファイスパーク! ですっ!」
「もきゅう!」
 アンテナのような二本の角の間で、白い電気がぱちぱちと火花を散らし出す。やがて強く眩く輝くそれは一条の電撃となって宙を裂き、鐶を狙う兵士達を直撃した。墜ちていく兵士達を見送って、小雪は奥歯を噛み締める。
(「みんなでつないだ、千載一遇のチャンス……なのです」)
 必ず、掴み取ってみせる。そしてこの国を在るべき場所に取り返したなら、その時は大好きな姉と一緒に、もう一度あの葡萄畑を見にいくのだ。
 だから――絶対に、邪魔はさせない。
 よし、と描き上げた絵を見直して、鐶は言った。
「どんなに足が速くたって、絵の中じゃ避けられないでしょ!」
 完成した絵にえい、と惜しげもなく書き加えるのは大胆なバツ印。その絵に加えた傷跡は、まるで最初からそこに存在していたかのように、現実世界に反映される。
 小さな体に亀裂が奔り、兵士達が動きを鈍らせた。この機を逃す手はないと、フィーナはすかさず白い杖を掲げる。心を澄まして全身の魔力を杖の先に集めていけば、極北の氷にも似た水晶球は煌々と蒼く輝き出す。
「精霊達よ――どうか、私に力を」
 立ちはだかる敵を討ち果たし、勝利を手繰り寄せるための力を。紡ぐ歌声に呼応して顕現する雪と氷、そして光の精霊達は、術者と共に歌を重ねながらオーロラを編み上げる。サファイアブルーの澄んだ瞳で敵の群れを見据え、少女は言った。
「――行きます」
 迸る極光が、波状の衝撃となって敵を襲った。最後のひと押しを堪え切れずに、わずかに残っていた兵士達が揺らめく光のカーテンの中に消えていく。その光景に思わず飛び跳ねて、鐶と小雪はガッツポーズを取った。
「やった!」
「やりました!」
 その身を賭して主君を守る、小さな近侍達はもういない。
 しかし次の瞬間――手を取り合って喜ぶ少女達の背筋に戦慄が奔った。
「……!」
 一瞬、床に縫い付けられたように動かなくなった足をやっとのことで動かして、フィーナは反転した。そしてごくりと息を呑み、路の先に立ち上がった人影を見やる。
 黄金の甲冑に緋色の外套を靡かせた男。
 雷まとう剣を手に、威風堂々と立つ断片の王――皇帝、ヴィルヘルム2世。
 目が合うだけで刺し貫かれそうなその眼差しは正に黒鷲の如く、復讐者達を見据えている。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【命中アップ】がLV4になった!

安藤・優
【肺栓塞】
※アドリブ連携歓迎
覚悟とか想いとかそんな物、正直今の僕には全くない。だって中身空っぽだし。けれどここを奪還しなきゃいけない事は分かるよ。
誰かがそれを望んでいる。奪ったモノを返せと叫んでいる。奪われたモノを取り戻してと嘆いている。だから戦う。そんな誰かの代わりに、僕は戦う。僕の力は、その為の力だ!

怒りを燃やせ、心を燃やせ、燃え尽き朽ち果て尚残る、受け継ぐ想いに火を灯せ!「爆ぜろ、緋皇爆焔刃!」

飛翔して空中からの一撃離脱を意識した奇襲攻撃、あと一撃で確実に倒せる敵を狙って緋皇爆焔刃、ついでに周囲の敵も爆焔に巻き込むよ。
無理をするつもりは無いけど反撃にはやり返す。止まってなんかいられない!


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【肺栓塞】
※単独OK、チーム内外での組み合わせ自由に
連携、アドリブ歓迎

皇帝、皇帝……
ようやく仇敵の顔を拝めた
迷うまい
心は燃えて凪ぐ、溶岩の湖のように
この一撃、その首を刎ねるため
喪った仲間達の遺志に報いるため
この身、ただ復讐の炎となれ

目的は近くの仲間と連携して、親衛隊の撃破
攻撃集中させ、確実に1体ずつ倒す

戦場を偵察・観察し、標的を見定め
【泥濘の地】で初動を奪い
クロスボウの矢で貫通撃を穿つ
味方の攻防で生まれた隙を看破
側方か死角へ回り込み
二射の爆破で確実に仕留める

反撃には【神速反応】で備え、胸部を観察
動けば魔力障壁を展開、【飛翔】で立体回避

……確実に戦力を削いでいるな
皇帝の護りが剥がれたら――決戦だ


アンネリーゼ・ゾンマーフェルト
【肺栓塞】
共闘アレンジ歓迎

有史以来、機械は人をより自由にすべく役割を果たしてきたわ
断じて抑圧に用いられてはならないのよ
──帝国生まれの技術者として、戦いを勝利に導きましょう

≪グリッツァーファルケ≫を展開
天井近くから敵陣の【情報収集】を行うわ
情報は近くに布陣した仲間と共有
【パラドクス通信】があれば遠くの皆にも伝えるわ

敵の様子を把握したら後衛からパラドクス発動
≪荷電粒子ビームライフル≫を重砲に変え
【機械知識】を総動員し迅速に詠唱を進行
敵陣に穴を穿つように、奔流の如き最大出力の破壊光線を解き放つわ!

反撃には『ズィルバーナ・ラーベ』を駆り
【空中戦】マニューバで回避を試みるわ
可能なら【飛翔】を借りるわね


犬神・百合
【肺栓塞】
※単独・分割OK
 アドリブ・連携歓迎

傍らの『彼』にそっと口づけをして微笑み
お願いね?リリィの大切な人の世界を取り戻す手伝いをしたいから
(……だからわたしは、此処に来たの)
息を整えて【命中アップ】敵に集中

無駄に突っ込んだりせずに皆様と足並み揃えて
弱っている個体がいれば優先撃破
1体1体確実に仕留めていくのよ

敵の攻撃は<ダンス>で踊るように避けて
一斉射撃が乱れて隙を作れたら上々だわ

真っ赤な糸を括らせ敵を絡めとるように
『彼』の振う刃が皆様の手助けとなるように
引くわけには……いかない
<不意打ち><連撃>で手は止めず

どんな困難もリリィたちで道を開くの
奪われたものを取り戻すの
邪魔なんてさせないわ!


●DRITTER AKT
 玉座への道を阻んでいた小さなゾルダート達が、極光のヴェールに包まれて消えていく。天井近くに滞空してその光景を見届けると、アンネリーゼ・ゾンマーフェルト(シュタールプロフェート・g06305)は掌に隠れるほどの通信機に呼び掛ける。
「こちらアンネリーゼ。前線に展開していた『クライナーゼンゼンマン』の壊滅を確認したわ」
 皇帝への攻撃を肩代わりする兵士達は、すべて排除した――その情報はパラドクスによる通信を介して、戦場中の味方に行き渡る。了解、と手短に応じて、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は敵味方入り乱れる戦場の向こうに目を向けた。徐々に崩れ始めた戦列の向こうに一瞬、覗いて消えた皇帝の姿は、青年の胸に静かな激情の火を点す。
(「皇帝――皇帝」)
 なんとも奇妙な気分だった。
 心はこんなにも復讐に燃えているのに、流れ出したマグマの溜まりのように凪いでいる。こんなに早く相見えることになるとは思ってもみなかったが、いざその姿を目の前にしてみて、思考は驚くほどにクリアだ。
(「迷うまい」)
 その首を刎ねるためだけに、今日まで刃を研ぎ続けてきたのだ――立ち止まるという選択はあり得ない。明日からも、昨日までをも顧みることのない復讐の化身となって、亡き仲間達の遺志に報いよう。
「残りの戦力も、確実に削ぎ落とそう。それが済んだら――決戦だ」
「ええ。参りましょう」
 行こうと呼び掛ける声に応じて、犬神・百合(ラストダンス・g05341)は白いヴェールの下、吸い込まれるような黒の瞳を細めた。その微笑みは、わずか十四歳の少女とは思えぬほどに妖艶で、浮世離れして映る。
「では――お願いね?」
 白磁の膚に映える真紅の唇が、傍らに立つ人形の頬に触れればそれが始まりの合図。赤い糸の先に繋がれた軍服姿の人形はサーベルを抜き放ち、鉄の巨人に挑み掛かる。
(「大切な人の世界を、取り戻す手伝いをしたいから」)
 だから、彼女はここへやって来た。そのためならば傷を負うことも、負わせることも厭わない。
「どんな困難も、リリィたちで道を開くの。邪魔なんてさせないわ!」
 くんと糸を引けば斬り上げる白刃が、巨人の装甲を切り開く。返す手で撃ち返される銃弾を踊るようなステップでかわしながら、少女は赤い糸を手繰り、敵の動きを絡め取っていく。
「エトヴァ様」
「ああ」
 狙いを合わせて着実に、仕留める。不意にどろりと泥濘るんだ床に敵が足を取られるのを確かめて、青い天使はクロスボウに矢を番えた。魔力を塗した鏃は一の矢で黄金の塗料を撒き散らし、二の矢と共に火を放つ――噴きつける炎が青い翼を焦がそうとも、掲げた腕を下ろすつもりは毛頭ない。
 パシュ、と小気味の良い音を立てて、二本の矢が風を切った。次の瞬間、迸る眩い閃光と共に、黒鉄のゾルダートが弾け飛ぶ。
「まずは一体――」
 皇帝の親衛隊を務める『要塞巨人』フェストゥング・リーゼ達は既に半数ほどに数を減らしてはいるが、放置すれば後背を取られることにもなりかねない。後顧の憂いはできる限り、摘んでおくに越したことはないだろう。
 お見事、と言葉少なに賛辞を送って、アンネリーゼは眼下の敵へビームライフルの照準を合わせる。片目を瞑ってスコープの先を覗き込み、少女は言った。
「機械は人を解放するためのもの。断じて、抑圧のために用いられてはならないのよ」
 有史以来、機械は人を労働から解き放ち、より自由にするために発展を続けてきた。在るべき本来の歴史でも、改竄世界史の中であっても、その本質は変わらない。だからこそ――その真逆を行くような『ゾルダート』のコンセプトを、彼女は徹底的に否定する。かつて神童と持て囃された帝国技術者の一人として、技術が人を苦しめるのを黙って見てはいられないのだ。
「荷電粒子銃、重砲形態に移行。エネルギー供給系、全列連結」
 姿勢固定完了――粒子加速室、稼働開始。
 変形したライフル銃を両手でしっかりと支えて、アンネリーゼは言った。
「この戦い、勝利に導いてみせましょう」
 耳鳴りに似た音を立てて、砲身にエネルギーが収束していく。狙いを定め引き金を引けばその瞬間、最大出力の破壊光線が敵兵の胸を撃ち抜いた。そして黒鉄の巨体がまた一つ、ぐらりと傾いで崩れていく。
「みんな、やるなあ」
 ひと振りの剣を手にゾルダートの残骸を一瞥して、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)はぽつりと言った。
(「きっとそれだけ、この戦いに懸けてるってことなんだろうね」)
 復讐者として覚醒する以前のことを、優はよく憶えていない。だから仲間達が抱く覚悟や想いも、真に共有することはできないだろう。想いを分かち合うには、彼はあまりに彼自身を知らなすぎる。けれど。
(「だけど、ここを奪還しなきゃいけないってことは……分かるよ」)
 誰かが、それを望んでいる。
 奪ったモノを返せと、取り戻してくれと、血を吐かんばかりに叫び、訴えている。だからそんな誰かの代わりに、優は剣を振るうのだ――怒りを燃やし、心を燃やし、燃え尽きてなお残る消えない想いを、戦うための力に変えて。
 力強く地を蹴ってその身を宙に躍らせると、少年は鉄塊の剣を振り上げる。その刃がまとう焔は、身を焦がすほどの怒りの具現だ。
「爆ぜろ! 緋皇爆焔刃!」
 振り下ろす刃と突き上げる鉄拳がぶつかり合い、波状の衝撃が広がっていく。骨に響くような痛みに一粒の汗が少年の頬を伝ったが、何故だかその口許は微かな笑みを描いていた。
(「無理するつもりは、ないんだけどな」)
 それでも、止まってはいられない。
 一撃で倒れぬのなら倒れるまで、何度でもその刃を打ち込み続けるのみである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【照明】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【壁歩き】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ドレイン】がLV3になった!

園田・詠美
敵は強大、士気も高く、数も壮観
これでは果たしてどちらがピンチなのやら

ですが、ピンチはチャンス……という言葉もあるのです!
この千載一遇の機会、成果なしで帰るつもりなど毛頭ありませんとも!

敵は誰も強力……なら確実に、一人一人数を減らすのを目指します!
業務……執行!
一番前に出てきた敵が腕の機関銃を構えるのに合わせて、トラップヴァインを発動!
【植物知識】を活かして、なるべく太くて数の多い蔦植物を生み出して敵の腕へと絡み付かせます
暴発などでもしてくれれば大助かりですが、そうでなくとも攻撃の出鼻をくじかれたのなら相応の隙も生まれる筈……!
火力自慢のお味方の攻撃が突く隙を作っていきますよ!


エリーザベト・ランツェハイマー
指揮官級がこれだけの数…一筋縄ではいかない、ですね
…とは言えここで怯むようでは『王』の打倒など敵わない
エリーザベト・ランツェハイマー、祖国ドイツを…ランツェハイマーの『歴史』を取り戻す為にも、この槍に懸けて…堂々と征くのみ…!

鉄拳の乱打に対しては右手を翳し紋章の障壁を最大展開する事で(光使い、オーラ操作)防御
…とはいえこの数、正面から凌ぎ切る、などとは…流石に慢心になります
目的は防ぎ切る事ではなく…引き付ける事

防ぐ此方に対し此方に更なる鉄拳を加えようと集まった所に右手の紋章の障壁を地面へ、更に『槍』で地面を貫き『烈破地槍』発動
【泥濘の地】により逃げようとも無駄です、諸共地の槍に貫かれなさい!


ラウム・マルファス
護衛が倒れたとはいえ、親衛隊はまだ沢山いるネ
断片の王に向かう人がいるならサポートしよウ

念動力で、倒れてるフェストゥング・リーゼの身体をバリケードになるように動かすヨ
倒れててもあの巨体、邪魔にはなるサ
撤去のために動いたら、機械知識で観察し、負荷の一番高いところを狙ってパラドクス発動
パーツを空気に変換するヨ
駆動系を破壊できれば固定砲台になるからネ
断片の王と戦う人には攻撃が飛ばないよう、向きを調節しながら足止めしていこウ

トドメは無理に刺さず、味方にお任せするヨ

火炎放射は柱や他の敵の影に隠れてやり過ごすヨ
延焼したら手持ちのドローンから消火剤を散布して消火しよウ


「護衛が倒れたとはいえ、親衛隊はまだ沢山いるネ……」
 居並ぶ敵を見渡して、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は辟易した様子で呟いた。『クライナーゼンゼンマン』撃破の一報が入った時はこれで皇帝を討ち取る目が出たと湧いたものだが、そのために片付けなければならないものはまだまだ多いらしい。まったくと同意を示して、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)も口を開いた。
「敵は強大、士気も高く、数も壮観。これでは果たしてどちらがピンチなのやら……」
 まるで終業ベルが鳴った後で偉い人に肩を叩かれて、『明日までに片付けておくように』と、書類の山を積み上げられたような気分だ。思い出すと目の下の隈がいっそう深くなるような気がしたが、そこは元社畜、乗り越え方はきちんと身に着けている。
 ですが、と続けて詠美は言った。
「ピンチはチャンス、という言葉もあるのです。千載一遇のこの商機、成果なしで帰るつもりなど毛頭ありませんとも!」
 困難な状況こそ、打破した時に得られるものは大きい。同感ですと頷いて、エリーザベト・ランツェハイマー(真槍の令嬢(フロイライン・ランツェ)・g03129)は一歩前に進み出た。
「一筋縄ではいきませんが、ここで怯むようでは『王』の打倒など夢のまた夢。このエリーザベト・ランツェハイマー、祖国ドイツとランツェハイマーの『歴史』を取り戻すためにも、退くわけには参りません!」
 身の丈ほどもある馬上槍を床に突き、少女は気高く胸を張る。戦いに身を投じる以上はたとえ刺し違えようとも、この槍に懸けて堂々と征くのみだ。
「とはいえ……正面からぶつかって、この数を凌ぎ切ろうとは思いません」
 そんなことができると本当に思うなら、それは慢心というもの。目的は防ぎ切ることではない。彼女達の役目はあくまでも、玉座へ進む仲間の道を開き、守ることだ。
「他の方々が先に進む間は、こちらで親衛隊のゾルダート達を引きつけましょう」
「いいネ、いいネ。それじゃあボクも、役に立つとしよう」
 そう言ってラウムは笑い、黒縁の眼鏡に手を触れた。幸い、ゾルダートの残骸から得られる情報は多い。倒れた敵兵をバリケード代わりに噴きつける火炎の帯を凌ぎながら、男は悪魔の力を宿した眼鏡で敵兵の構造を解析する。そしてその弱点を即座に見抜き、パラドクスの力で別の物質に変換するのだ。例えばそう――こんな風に。
「……視えたヨ」
 厚いレンズがきらりと白く反射した。その瞬間、何が起きたのかも理解できぬまま、黒鉄のゾルダートが二体足を止める。身体の内側で一部の部品が空気に変わり、欠落して身動きが取りにくくなったのだ。
 混乱する兵士達を横目に唇を引き結び、詠美は大きく息を吸い込んだ。
(「仕事をする上で最も大切なのは、何よりも地固め」)
 せっかく皇帝の元へ辿り着いても、後ろから撃たれたのでは意味がない。万が一が起きないように、地均しをするのが彼女達の役目だ。機関銃を掲げた兵士に向けて白いロッドを振り翳せば、集まる魔力は風を起こし、長く波打つ詠美の金髪を舞い上げる。
「業務……執行!」
 鋭い一声に応じて、無数の蔦がタイル張りの床を貫き、飛び出した。うねり暴れるそれは植物とは思えぬ速さで宙を裂き、敵の腕を絡め取ってその銃口に潜り込む。そうして敵の動きを封じ、背後へと視線を流せば、そこには槍を手に立つエリーザベトが控えていた。
「皆さんの後は、追わせません」
 甲冑の胸に当てた右手の紋章が光を放ち、周囲の床に同じ紋様を描いていく。その中心に立って、エリーザベトは巨大な槍を持ち上げた。
「噴き上がり、貫きなさい――烈破地槍!」
 渾身の力で突き立てた槍の穂先は、無数の大地の槍を呼び覚ます。身動きの取れなくなった兵士達は成す術もなく、噴き上がる槍に貫かれて一体、また一体と動きを止めていく。砕かれた機体からごろりと転げた髑髏面を見やり、ラウムはあーあと肩を竦めた。
「固定砲台にでもしてあげようかと思ったのにネ」
 そうするまでもなかったらしいと、白衣の悪魔は戦場を見渡した。戦いの先は未だ見通せないけれど、彼らの護った細い道は、後に続くディアボロス達の確かな援けとなるだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【無鍵空間】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!

ツィルニトラ・プリルヴィッツ
ドイツ奪還の絶好の機会…やっぱり私はルール炭鉱に連行されて強制労働させられていた人々を思い出すわ
搾取されていた彼らの境遇には思う所があったから、ね

彼らを一人残らず救い出す為にも……ここでケリを付けるわよ!

相手は殴り合いをお望みのようね

戦旗を振るって【千変竜体】
背中の竜翼を鉤爪付きの巨大な竜腕に肉体改造で変換
相手の鉄拳を【怪力無双】の竜腕で捌きつつ、自分の腕に持ったハルバードでも攻撃して相手のこれ以上の前進を阻止するわ

この程度、魔法の竜神が屈するものですか!
大人しく神罰を受けなさい!

自分の尻尾も黒竜の首に変換
装甲薄い関節部に首を伸ばして内部機構を食い千切る!

さあ、この爪牙の次の相手は誰かしら!


天夜・理星
…虫の集団はどうにかなった?
じゃあ尚更先のアヴァタール集団が邪魔になるよ。

…奇跡の為には、ネメシスが、🔴がいるけれど…あれをやれば頭がクソ痛くなるし、考えて行動しなきゃだ。

要は囲まれなきゃいいわけだ!
残留効果も多くが積み重なっている…
飛翔で飛びながら泥濘の地を使い、突撃してくるだろう集団の大部分の動きを鈍らせ消耗させる。ただし一体だけを指定から外し、確固撃破に持ち込める状況を作る。
これなら邪魔される心配は無いと思う。

指定しなかったアヴァタール個体は…そうだよ、いつもの如く全力でぶった斬ろう。

紅の激情、六聖剣!!!

断片の王に王座を降りてもらう、何回でも言うよ。
アタシが、復讐の王がぶちのめす!!


「虫の集団はどうにかなったみたいだね」
 みんなやるじゃん、と口角を上げて、天夜・理星(復讐の王・g02264)が言った。とはいえ、ここからが正念場――近侍の兵士達を壊滅に追い込んだとはいえ、まだまだ戦況は有利になったとは言い難い。そもそも断片の王の実力が未知数である以上、不安要素は完全に排除しておきたいところだ。
(「そう考えると、やっぱり邪魔だよね……アヴァタール級」)
 開戦の当初に比べれば随分数を減らしたとはいえ、強力なアヴァタール級の集団を複数同時に相手にするのは得策ではない。ならば今、彼女個人にできることは――。
 そうだ、と得心したように呟いて、理星は続けた。
「要は、囲まれなきゃいいわけだ!」
 続く前哨戦によって、玉座の間には仲間達が残したパラドクスの効果が重なっている。例えば――相手取る一体だけを残して、他の兵士を泥濘にはめる、というのはどうだろう?
「とりあえず、やってみますか」
 ぺろりと紅い唇を舐めて、理星は白い指先を鳴らした。刹那、奔る兵士の足元がどろりと溶けて、鋼鉄の爪先を絡め取る。目論見通り先頭の一体だけを残して対峙すれば、余計な邪魔が入ることもない――小さく拳を固めて、理星は言った。
「これで後はいつもどおり、ってね!」
 立ちはだかる敵は、全力で斬り払って進むだけ。黒いチュニックの胸より出でし心の剣は、激情の紅い炎をまとって鮮やかに燃え上がる。
「断片の王には、玉座を降りてもらう。何回でも言うよ――アタシが、復讐の王がぶちのめす!!」
 力の限り振り抜いた刃が、鋼鉄の装甲に真一文字の緋を穿った。しかし頑健な兵士は一対一に持ち込んでも、易々とは倒れない。返す手で打ち込まれる鉄拳に気づいて咄嗟に身体を折り曲げると、理星は後方へ跳び退る。そして次の瞬間、肉薄する両者の間に巨大な腕が割り込んだ。
「!」
 もう一撃と追い縋る敵の巨体を振り払ったのは、黒い竜の腕だった。立ち止まって見ればそこには、背中の翼を異形の腕へと変化させたツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)の姿があった。
「殴り合いをお望みのようね。だったら私も、相手になるわよ」
 弾き飛ばした兵士を金銀二色の瞳で睨み、少女は告げる。その手には、斧槍より変じた戦旗がはためいている。
 即座に打ち返される拳を旗の柄で受け止めて、竜の娘は奥歯を噛んだ。重い一撃は少女の細腕をびりびりと震わせたが、『魔法の竜神』を自負する彼女が、その程度で屈するわけにはいかない。
「大人しく――神罰を受けなさい!」
 棘を並べた黒い尾の先が、今度は竜の首へと形を変えた。突き立てる牙は理星が穿った瑕口を広げて、終ぞその装甲を食い破る。
(「絶対に、ここでケリをつけるんだから」)
 この王宮に至るまで、ドイツの各地でさまざまな景色を目にしてきた。中でも、ルール炭鉱で強制労働をさせられていた人々のことは、忘れるべくもない。虐げられ、搾取されるばかりの労働者達をその瞳に映した時、彼女は誓ったのだ――この世界を根元から断ち切って、帝国の支配に苦しむ人々を一人残らず救い出す、と。
 崩れゆく兵士を見下ろして変化を解き、ツィルニトラは憤慨したように鼻を鳴らした。
「さあ、次の相手は誰かしら!」
 どんな敵が現われようと、この爪と牙とで引き裂いてみせる。黒竜の尾と翼を翻し、少女は立ち止まることなく新たな敵へ挑み掛かる。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!

星見・晴
◆陸(g01002)と

さぁて、なかなかの絶景だな陸。
掃いて捨ててもキリがねえくらいわんさかいる敵兵に
更にその奥にはもっと強ぇ敵の大将も待ち構えてると来た。

だからこそ――
一歩も引いてやれねえって気持ちになるよなあ!

良い口上だ、準備と心構えはバッチリみてぇだな!!
んじゃあいつも通り――いくとするか!

(眼鏡、"ID"のブリッジを強く叩いて)

「ID TO BE COSMO END――!!」
(アクセクコードを宣言し、赤い機械甲冑姿を纏った姿――"コスモノート・ハーレー"になりつつ
戦陣を赤い彗星の如く駆け抜け、敵を一刀の元両断していく――!)


竜城・陸
◆晴(g00661)と

もっと穏やかな群れを見たかったものだけれどね、羊の群れとかさ
――そういう美しい景色を取り戻すためだ
雲霞の如き敵だろうと、呆れるほど強大な首魁だろうと
畏れず、退かず、打ち払ってみせるとも

ああ、行こうか晴
いつも通り――俺たちの力を見せるとしよう

先陣を切る晴を援護するように後方から
[氷雪使い]の本領、氷の魔術を用いて相手の動きを封じていくよ
研ぎ澄ませた氷剣の切っ先で腕を穿ち、足を縫い留め
自由に動かせないようにしていく
多勢は確かに脅威で、相手が精鋭であろうとも
連携を乱し、連合して動けないようにしてやれば
付け入る隙は生まれる筈

用があるのはこの先だ
道を空けてもらうよ


 怒号と砲声に沈む戦火のベルリン王宮には、今この瞬間も増援のディアボロス達が続々と到着しつつある。辿り着いた玉座の間の入り口に立ち、星見・晴(赤星番長・g00661)はどこかそわそわとした様子で口を開いた。
「いやぁ、派手にやってんなあ」
 掃いて捨てるほどの敵兵と、その奥に待ち構える大将格。わくわくする、などと言おうものなら不謹慎の謗りも受けようが、大きな戦いを前にして心はどうしようもなく疼いていた。喧嘩に向かう悪童のようににんまりと白い歯を見せて、晴は隣に立つ友人に笑い掛ける。
「こいつはなかなかの絶景だな。なあ、陸」
「どうかな。俺はどうせなら、もっと穏やかな群れが見たいよ――例えば羊の群れとかさ」
 まったく喧嘩っ早いのだからと呆れ半分に、竜城・陸(蒼海番長・g01002)は応じた。しかしそんな平穏な光景が望むべくもないことは、ここへ来た時点で理解っている。
「まあ、そういう美しい景色を取り戻すためだ。……雲霞の如き敵だろうと、呆れるほど強大な首魁だろうと、畏れず、退かず、打ち払ってみせるとも」
「ん、良い口上だ。んじゃあいつも通り、行くとするか!」
 切り取られた地球の一片を、取り返せるかどうかの瀬戸際だ。一歩たりとも、退くつもりはない――敵が強く巨大であればあるほど燃え上がる、そういう性分なのだ。それにひとたび二人が並び立てば、負ける気もしない。
 眼鏡のブリッジを二本の指でトンと叩き、晴は高らかに声を上げる。
「ID TO BE COSMO END――!!」
 それは、戦場へ赴く彼のためのアクセスコード。音声入力を受けた電脳デバイスによって、少年の装備は見る間に書き換えられていく。やがて真紅の鎧武者と化してその手の太刀を抜き、晴は力いっぱい地を蹴った。
「『コスモノート・ハーレー』、出るぜ!」
 彗星の如く急加速する紅い刃が、すれ違いざまに一体のゾルダートを斬り裂いた。向けられる銃口を気にも留めずに翔け抜けていくその姿が遠く離れてしまわぬうちに、陸もまた青い翼を羽ばたかせる。そして先を往く友のやや後方に距離を保ったまま、竜の少年は両腕を広げた。
「悪いけど、君達には用がないんだ」
 用があるのは、この鉄の壁の更に先。弧を描くように動かす右手に連れられて、いずれも鋭く研ぎ澄まされた氷の刃が無数に浮かび上がる。夜明けの空を映した瞳で居並ぶ敵を冷ややかに見つめ、陸は言った。
「道を空けてもらうよ」
 その身にまとう氷雪こそは、彼の本領。狙い澄ました氷の矢は鋼鉄の腕を穿ち、足を射抜き、兵士達の自由を奪っていく――そこへ。
「いいぜ、そのまま捕まえとけよ!」
 天井付近で大きく旋回し、晴は太刀の刃を返した。そして再び真紅の風となり、兵士達の列に向かって加速する。交錯すれば凍てつく兵士の躯体は一刀の下にずれ落ちて、爆発音と共に燃え上がった。
「君達は、確かに精鋭揃いのようだけど……」
 それだけで防げると思わないことだと、陸は微笑した。一撃で仕留められないのなら、二の矢、三の矢を番えるまで――この地を取り戻さんと集結した復讐者達に、諦めるという選択肢はないのだから。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

一角・實生
【クナド】
目前とはいえ断片の王への道は完全に開かれた訳ではない
俺に今できる最善を尽くすんだ

戦闘開始時はオルトマンさんの作った瓦礫に身を潜めつつグラナトゥムで狙撃
仲間と連携し各個撃破を狙って行くよ

偵察・観察能力を使い、己の攻撃時や仲間が攻撃した際の敵の反応について情報を収集
攻撃が通らずとも急所や弱点は自然と避けたり庇ったりするものだと思う

オルトマンさんに意識を向けた個体へ死角から【飛翔】、滑空し肉薄
パラドクスを発動し己の呪詛を流し込む
その後は白鷲のお守りの障壁や退避ルート上の瓦礫を使いながら後退、機関砲の直撃を回避

集めた情報から導き出した有効な部位
そこをオルトマンさんが撃ち抜ける位置へ誘導するよ


レント・オルトマン
【クナド】
防御も薄くなってきたか、よりこちらへ戦況を傾けていこうか
王宮に突入したらパラドクスを使用。エルガゼーレの連射による弾丸で王宮の床や壁を砕き、瓦礫や穴など銃手の身を隠せる場所を生成しよう

一角と共に狙撃を行い、敵の防衛を確認していく。親玉には近付けたくないだろうな
相手の火炎放射は障害物に身を潜め回避。タケノコに周囲の警戒を任せ、【忍耐力】で好機を待つ。多少の熱や銃撃ごときで俺の腕は鈍らんぞ

相手が焦りだしたら勝負所だ
あえて瓦礫から移動。一瞬離れ隙を晒す事で敵の注意を惹き一角の狙いやすい環境を作る
そして一角の攻撃に気を取られたのなら、俺の格好の的となる訳だ
障害物を盾にしつつ有効打を狙おう


 戦場に弾を吐く機銃の音が、幾重にも連なって聞こえていた。漆黒のライフルの照準器を覗き込んで淡々と引金を引きながら、レント・オルトマン(エンデクーゲル・g01439)は口を開く。
「大分、防御も薄くなってきたな」
 共に駆けつけた一角・實生(黒頭鷲・g00995)と二人、めくれ上がった床と剥がれた壁の瓦礫で築いた即席のバリケードに身を潜め、撃ち続けることかれこれ十数分は経過しただろうか。当初は分厚い鉄の壁のように復讐者達の行く手を塞いでいたフェストゥング・リーゼ親衛隊も、苛烈な戦闘を経て今では随分と数を減らしていた。防御の穴を突いて皇帝の座す広間の奥へ進んだ者も既にいるようだが、後顧の憂いはできる限り断っておくべきだろう。親衛隊の残党をそのままにして進めば、後背から撃たれることにもなりかねない。
「ようやく、ここまで辿り着いたんだ。……そして、ここから始まる」
 本当の戦いがと口にして、實生は奥歯を噛んだ。スタートラインまで後少し――断片の王へ続く道を確かなものにするためにも、今は最善を尽くすのみである。
 ああ、と言葉少なに頷いて、レントは応じた。
「よりこちらへ戦況を傾けていこうか」
 共に機械化ドイツ帝国に生まれ、遥かなる時を超えて新宿島に流れ着いた者同士。この戦いに思うことは多々あるが、のんびりと抱負を語っている暇はない。噴きつける火炎に瓦礫から覗かせた顔を引っ込めて、男は続けた。
「相手が焦りだしたら、その時が勝負所だ」
 ここから動くべき時が来るのなら、それは今。互いに一瞥する視線で頷き合って、レントは青い狐火をまとうクダギツネを連れ、瓦礫の陰から飛び出した。
(「さあ――どうする?」)
 黒々と光る『要塞巨人』の胸部が左右に割れて、激しい炎が渦を巻く。紅炎は軍服の袖を焦がし、その下の膚を焼いたが、それで引き下がるほどヤワなレントではない。それに何より敵の背後には、既に實生が回り込んでいる。
「今度は、本気で行くよ」
 白い翼で空を打つ天使の手には、ひと振りの剣が握られていた。青く耀く刀身がもたらす逆説は、先程までの銃撃とはわけが違う。袈裟懸けに斬り下ろす回避不能の一撃は、鋼鉄の装甲に鉤裂きにも似た瑕を穿ち、凍てつく呪詛を流し込んでいく。――かと思えば。
「こちらが留守だぞ」
 身体の内側から灼かれるような苦痛にぐうと呻いた巨人の背後で、レントの冷えた声音が告げた。ふんと小さく鼻を鳴らして、男はライフルの引金に指を掛ける。
「親衛隊が聞いて呆れたものだ」
 たかが二人の敵を相手にこうも易々と翻弄されるようでは、突破されるのはどの道、時間の問題だっただろう。實生の刻んだ傷を狙って撃ち込めば、連なる弾丸は見事、兵士の核を貫いた。
 砂埃と共に倒れ込んだ兵士の上にすとんと着地して、實生は戦友に目を向ける。
「で――次はどうしようか?」
「……そうだな」
 もう一歩先まで、進んでみるか。
 そう言って、レントは再びライフルに弾を詰め込んだ。一進一退の攻防が続いていた防衛線上の戦いは、今、復讐者達の優勢に大きく傾き始めている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV5になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV8になった!

トロワ・パルティシオン
チーム【博物館】で参加

ドイツに直接の因縁はないよ。
けどね、僕らは仲間だ。仲間の想いは自分の想いも同然だ。
響き合う想いの連鎖、クロノヴェーダに見せてあげようじゃないか!

敵は数が多いし強力だ。
チームで連携して集中攻撃し、局所的な数の有利で1体1体倒していこう。

敵の胸部が展開されてから実際に炎が噴き出るまでの僅かなタイムラグ。
その一瞬を『刹那の永遠』で引き伸ばし、露わになった内部機構を観察するよ。
きっと火炎放射器に燃料を供給するタンクがあるだろう。看破したそこを撃ち抜いて誘爆を起こそう。
弱点の情報は即座に共有だ。他の個体も構造は同じだろうからね。


シル・ウィンディア
【博物館】で参加

もう少しで手が届く…
そんなところまで来たんだから、諦められないよねっ!

さぁ、みんないくよっ!

連携を密に、死角をできるだけ少なくなるように配置、立ち回りを行うね
敵はアヴァタールだから、複数体より、1体1体確実に仕留めていくよ
世界樹の翼をtype.Cにして、誘導弾を連射して気を惹きつつ、高速詠唱
味方が敵に取り付いたら、周りを警戒しながらパラドクスを撃つタイミングを計っていくね

攻撃の切れ間を見つけたら、闇精投擲槍を撃つよっ!
闇の精霊の力はめったに使わないけど…
これなら後にもつなげられると思うからっ!

敵の攻撃には積極的に反撃を行っていくね
ふふ、わたし、そんな大人しい子じゃないからっ!


山本・一郎
【博物館】で参加。

とりあえず煙草を一服。
敵は無数。奥には強敵。隣に頼れる仲間有り。
かっかっかっ……いいねぇ。負ける気がしねぇやな。
さーて……やるかねぇ。

戦闘開始と同時に呪喰いを発動。
まずは一体に狙いを絞って斬りかかるぜ。

基本は防戦しながら挑発。近距離で相手の攻撃を捌きながら、敵の注意が他に向かった瞬間にちょこちょこと攻撃をしかける。
奴さんが鬱陶しがって俺に意識を向けてくれりゃ儲けもん。その隙を見逃す奴なんざ、俺の仲間にゃいねぇのよぅ。

上手い具合に弱らせられたら一気に攻勢に出るかね。
妖刀【首断ち牡丹】を抜いて、首を斬り落としにかかるぜ。

悪ぃな。色々忙しくてよぅ。
邪魔だからとっとと死んでくれや!


天破星・巴
【博物館】アドリブ歓迎
相手側がどんな大量の総戦力を持っていようと今この時戦っている場の人数で優って各個撃破していけばよいのじゃ

背中を任せられる仲間がいるのは心強いのじゃ
古代中国の伍を作るというやつじゃ

近づいてくる敵には見方を庇う様に前に立ち三光爪の一指「刺爪」で中心部を貫く貫通撃
敵が文字通り鋼鉄製の鉄拳制裁ならわらわが豪拳。機械には無い魂の籠った拳の前に貫けぬ物など無いのじゃ「豪・拳・制・裁」
(豪拳と言いつつ人差し指一本立てた一本抜手)

近くに敵がいないときには三指「飛爪」で仲間と攻撃対象を合わせ遠距離斬撃攻撃


白水・蛍
【博物館】で参加
アドリブ連携歓迎
同戦場の方との連携希望

来る決戦。絶対に負けません。
隣に頼れる味方がいる。我々が負ける道理はありません。
共に未来を! 必ずや勝利を!

戦場の様子を<情報収集>し、敵の情報や様子、状況を確認。
多数巻き込めるところ、弱ってる敵に、弱っている味方を攻撃しようとしている敵に向かって【パラドクス】使用。
全部まとめて吹っ飛ばしますわよ!
我が歌は、皆様と描く未来への希望。その一端を言の葉で綴る。
我が言の葉にて此処に来たれ!
我が歌は凱歌。味方に勝利を、敵に敗北を招く凱歌なり!

その他攻撃として≪妖弓琴≫で矢と<演奏・歌唱>の魔力攻撃でどんどん攻め立て、確実に仕留めましょう。


菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
戦闘中は適度に煽って【挑発】
【博物館】で参加

まずは前哨戦ってな。
さっさと片付けて、皇帝様の顔を拝みに行くとするか。
大喧嘩の始まりだ……お前らがどんなもんか、遊ばせてもらうぜ!

まずはパラドクスで身体強化、手近なやつに【ダッシュ】で接近からのハンマーでぶん殴りに行くぜ
【一撃離脱】で正面に立たないよう回り込みながら【撹乱】だ

精々俺を気にしててくれよなァ、そうでもなきゃ面白くねえ
目立って囮にでもなっときゃ味方がどうにかするだろ
手は休めず攻めていくぜ

手負いがいれば丁度いい
多少の被弾は気にせず【捨て身の一撃】でぶっ潰しにいくか

精鋭の割にヌルいなァ、お前ら!
もっと気合い入れて来いよ!


「おい……連中、一体どこから湧いて出るんだ」
「知ったことか! そんなことより手を動かせ!」
 銃撃の手を一瞬止めて、髑髏面の兵士が一人、ぽつりと零した。それを叱咤する別の兵士の声色にも、隠しきれない焦燥が滲んでいる。無理もない話だ――『皇帝陛下』に万が一のことがあってはならぬと、選りすぐりの精鋭を多数集めて組織した親衛隊が、今、どこの馬の骨ともしれない襲撃者達に押されている。兵士一人一人の力は敵のそれとは比べるべくもないというのに、その差を覆すほどの数で攻め込まれるとは思ってもみなかった。そして今この瞬間にも、敵の増援は着々とこのベルリン王宮へ集結しつつあるのだから、これを脅威と言わずしてなんと言おう?
 動揺からかなかなか足並みを揃えられずにいる兵士達を見やって、天破星・巴(反逆鬼・g01709)はレースの小袖を口許に添え、くふふと笑った。
「これが数の力というものよ。敵の戦力がどれほど大量であろうとも、今この場で戦う者の人数で勝ればそれでよい」
 そしてそれが、背中を預けられる者ならなおのこと。戦場の只中に点々と立つ仲間達は皆一癖あるが、いずれも信のおける者達ばかりだ。
「古代中国でいうところの、伍を組むというやつじゃな」
「かっかっか、いいねぇ。そいつは負ける気がしねぇやな」
 火のついた煙草を手に鷹揚に笑い、山本・一郎(呪喰い・g04252)が応じた。敵がいかに強く数多くとも、隣に頼れる仲間がいるならその意思を問うまでもない。槌、というよりもコンクリート塊のような得物を担いで、菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は眼鏡の奥の紅い瞳を好戦的に光らせる。
「さあてと――前哨戦はさっさと片付けて、皇帝様の顔を拝みに行くとしようぜ」
「うん! もう少しで手が届くところまで来たんだもん……諦められないよねっ」
 残りの親衛隊も一体ずつ、確実に仕留める。翼の魔銃を胸に携えて、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は言った。
「さぁ、みんないくよっ!」
 呼び掛ける声を合図にして、復讐者達が動き出す。並走して翔ぶ誘導弾は敵にダメージを与えることはできなくても、彼らの存在を知らしめるのには十分な意味を持つ。行く手に立ちはだかる敵は、二体――普段まとめて相手取ることはまずない相手だけに、敵は実際よりも多く、大きく見えるけれど、これから敵の総大将に挑もうというのにここで手こずっていては始まらない。
「お前らがどんなもんか、遊ばせてもらうぜ!」
 『喧嘩屋』畝火、一世一代の大喧嘩の始まりだ。ニッと不敵に口角を上げて、桐梧は機銃を掲げる兵士の右側方に回り込み、一瞬――ほんの一瞬、全身をふわりと弛緩させた。脱力状態から一気に力を込めることで、その筋肉は膨脹する。叩きつける巨大なコンクリート柱も、今の桐梧にとっては羽根のようなものである。
 一撃を叩き込めば見事にへこんだ鋼鉄の横腹を鼻で笑って、男は煽るように吼えた。
「精鋭の割にヌルいなァ、お前ら! もっと気合い入れて来いよ!」
 撃て、撃てとまくし立てる兵士達の腕で、機関銃が火を噴いた。けたたましい銃声と共に吐き出される弾丸の雨を右に左にかわしながら、一郎もまた別の一体へ躍り掛かる。妖刀の呪詛を取り込んだその身体は、刀を通じて触れたものに呪いを分け与えていく。
「ところでよぅ……俺達ばっかり気にしてていいのかい?」
 ぼそり、相手にだけ聞こえるほどの声で囁けば、髑髏面の兵士は戦慄した。しかしその時にはもう遅い――目の前の敵を追い掛けるのに夢中のその背中を見逃がしてやるほど、彼らの仲間は甘くない。すらりと長い琴剣の弦に指を掛け、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は涼しげな双眸で敵の群れを睨んだ。
「全部まとめて、吹っ飛ばしますわよ」
 傍らには頼れる味方がいて、取り返すべき昨日と明日がある。ならば、負ける道理はどこにもない。濡羽色の長い髪を背にふわりと揺らして尖った靴の爪先を踏み出し、娘は弦を掻き鳴らす。
「我が言の葉にて此処に来たれ! 我が歌は凱歌。味方に勝利を、敵に敗北を招く凱歌なり!」
 共に未来を。必ずや勝利を。希望をその手に掴み取る日まで、この歌を止めることはないだろう。
 朗々と歌い上げる凱歌で紡ぐ言の葉は味方を鼓舞すると共に、敵の頭蓋を締めつける。なにくそと頭を振って歌声を振り払い、一体の兵士が火炎放射器の口を開けたが、すぐさま巴がその射線に割り入った。
「わらわの朋友に何ぞ用かえ? なれば、わらわを通してもらおうぞ!」
 胸の前にすっと伸ばした人差し指の先端に、太陽と月、そして星の光を集めた爪が浮かび上がる。すうと大きく息を吸い込んで、巴は敵を喝破するが如く声を上げた。
「豪・拳・制・裁!」
 魂の籠った拳に、貫けぬ物は何もない。敵の勢いが増せば増すほど貫通力を高める鬼爪は、衝突と共に音もなく敵の装甲を抉り、一体の兵士がもんどり打って蹲る。しかし――まだ終わってはいない。よろよろと立ち上がるその姿を注意深く見つめて、トロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)は務めて静かに口を開いた。
「本当のところを言えばね、ドイツに直接の因縁はないよ。隣国と言ったって、僕にとっては遠くの国と変わらない」
 でもね、と加えて雪のような長髪を背に流し、少女は続けた。
「僕らは仲間だ――仲間の想いは、自分の想いも同然だ。取り返したいと願う誰かがいる限り、僕らの戦いは終わらない」
 飾り気のないリボルバーに込める弾は、怒りの結晶だ。白くしなやかなその手で撃鉄を起こし、大人びた少女は淀みなく告げる。
「パラドクス・フェルマータ。響き合う僕らの想いの連鎖、見せてあげようじゃないか!」
 傷ついた胸部装甲が左右に割れ、紅い焔を噴き上げるまでの刹那を、今にも止まってしまいそうな緩慢な音階が引き伸ばす。傍から見れば一瞬の時間を利用して、トロワは敵の内燃機関を目掛け、引き金を引いた。
 パァンと弾ける銃声と共に、時間の流れが元に戻る。爆発炎上する兵士を横目に、少女は仲間達へ呼び掛けた。
「今の手は使えそうだよ」
「了解、任せて!」
 素早く応じて残る敵へ向き直り、シルは魔法の銃を構える。
「闇の精霊の力は、めったに使わないんだけど……」
 重ねる逆説の力を、後につなげるためなら厭いはしない。大体、とにんまり笑って、少女は言った。
「わたし、そんなに大人しい子じゃないからね!」
 滑るように紡ぐ呪文は、差し出した両手に暗闇の槍を具現化する。腕を一振り撃ち出せばその穂先は、敵兵の装甲を見事に貫いた。
「よしっ! どんどん行くよー!」
 小さくガッツポーズを作って、しかし休む暇もなく、少女は再び走り出す。向かう先は、玉座の間の最奥――目の前の敵を倒したからと言って、戦いはまだ終わりではない。
 駆けてゆく仲間達を一歩後ろで見送って、ふと、弱々しい金属音が鳴るのに気づき、一郎は足を止めた。
「……根性ある奴は嫌いじゃないがね」
 見れば床に崩れたゾルダートが一機、這うようにして床を掻きむしる。その責任感には感心するが――だからといって、捨ててはおけない。
 一歩二歩と歩み寄って兵士の頚に刀を添え、男は言った。
「悪ぃがこっちも色々忙しくてよぅ。……邪魔だからとっとと死んでくれや」
 未来へと走る若人達の背中を守るのも、年長者の務めだ。鈍く照り返す刃の閃きに続いて、ごとりと重い物の落ちる音がした。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【書物解読】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【プラチナチケット】がLV2になった!
【怪力無双】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
【能力値アップ】がLV8になった!

終夜・香宵
皇帝のもとへ進めた味方もいるとはいえ、まだまだフェストゥング・リーゼは多いですね。
より確実に断片の王を殺すために、更に敵を減らし、もっと多くの復讐者を送りたいところですね。
私も一撃くらいはヴィルヘルム2世にいれたいですし、そのくらいの道は自分で切り開きましょう。

【残像】が出る程の【ダッシュ】で戦場を駆け回って敵を撹乱し、好機とみたら死刑失光を繰り出しすぐ離れ再び高速移動による攪乱、といった一撃離脱の繰り返しで一体ずつ攻撃していきます。
攪乱が味方へのサポートにもなるとより良いですね。
敵の攻撃も速さで対処していきます。


エレナ・バークリー
【天剣】バルタンさんと

ついに玉座の間まで来ましたね。
名乗りは後回しにして、厄介な親衛隊から討滅しましょう。
皇帝陛下へ仕掛ける時に邪魔されてはかないません。

バルタンさんの砲撃支援を受けつつ「突撃」。
「電撃使い」で雷の妖精を「召喚」。彼らを「統率」して、ゾルダートにフェアリーコンボを仕掛けます。その機体の僅かな隙間、「看破」していますよ。
妖精たちは、自分たちが小さい分、死角から攻撃してください。
クレイモアにも電流を通し、確実に敵機に損傷を与えられるようにします。

油断せず一体ずつ殲滅していかなければ。
妖精さんたち、まだ動けますね? では第二陣、行きますよ!

妖精が全て消滅させられたら、一旦下がります。


バルタン・ディエチ
【天剣】アドリブ連携歓迎。
エレナ殿(g00090)と行動を共に。

決戦でありますな。
ドイツ帝国……。我輩の記憶はおぼろげでありますが、電脳の記録が、何かを思い出しつつあるのであります。
それを確認するためにも、この世界を開放するであります。

ゼンゼンマンは壊滅したのでありますな。重畳であります。
あとは、親衛隊の殲滅でありますな。
両手のヘヴィキャノンを構え、十分に引きつけて一斉発射。
鉄拳をも破壊する砲撃にて、玉座の間を制圧する気概であります。

攻撃の後は、エレナ殿の突撃を支援するであります。
仲間に武装を向けるゾルダートを優先して、確実な排除を行うであります。
ヴィルヘルム2世に至る道を切り開くであります。


「ゼンゼンマンは壊滅したのでありますな。重畳であります」
 耳元の通信機で前線の報を聴きながら、バルタン・ディエチ(突撃のバトルメイド・g01433)は言った。その声色は淡々として感情を窺わせないが、無機質に光る双眸には人知れず、侵略者達への怒りが燃えている。
 そのようですねと応じて、終夜・香宵(闇夜・g00869)が後を継ぐ。
「皇帝のもとへ進めた方もいらっしゃるようですね。とはいえこちらも、まだ安心というわけにはいきませんが」
 数えるほどに減ったとはいえ、複数のフェストゥング・リーゼ達が依然として山の如く戦場に居座っているとなると、彼らに背中を見せるのは居心地が悪い。
「より確実に断片の王を殺すためには、ここで親衛隊を倒し切っておきたいところです」
 より多くの仲間達が、より安全に皇帝の玉座へと進むことができるように。強い言葉を口にすれば、柔らかな輪郭を描く紅い瞳が俄かに酷薄な色を帯びる。飾り気のないシンプルな両手剣を抜き放って斜めに構え、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/ルーンキャヴァリエ・g00090)も同意した。
「皇帝陛下へ仕掛ける時に邪魔されてはかないませんからね。厄介な親衛隊は、残さず討滅しておきましょう」
 真打との決戦に備えて、名乗りはもう少し取っておく。光耀く妖精達をパラドクスの力で周囲に呼び寄せて、騎士は言った。
「では早速、行きましょうか」
 小さくとも心強い仲間達を見回して、エレナは一路、『要塞巨人』の懐目掛け駆け出した。指示に従って散開した妖精達は自在に宙を舞い、黒鉄の兵士に四方八方から躍り掛かる。返す手で撃ち出される弾丸が次々に蒼い翅を射抜き、甲冑の肩を貫いても、止まるつもりは毛頭ない。
 突き進む女の後姿を澄んだ眼差しで見つめ、バルタンは両腕に装着した火砲で援護射撃を重ねていく。
(「とうとう決戦……でありますな」)
 生まれてすぐに改造手術を施された彼女の身体は、物心ついた頃にはとうにサイボーグのものだった。そのうえ人間であった頃の記憶はおろか、かつて戦った日々の記憶さえも今は曖昧に霞がかっている。自分が本当は何者で、どこからきて、どこへ行くのか――求めども答えを得ることはなく、彼女は今日まで戦い続けてきた。
 けれど。
(「我輩の電脳が、何かを思い出しつつあるのであります……」)
 ドイツ帝国。彼女が生まれ、そして造られた場所。侵略者の軛からこの世界を解き放つことができたなら、その時こそ何かが分かるような気がする。
「……そのためにも、まずは殲滅でありますな」
 火砲の射撃が勢いを増した。障害は確実に排除して、『皇帝』ヴィルヘルム2世へと至る道を切り拓く。その向こうに彼女の求めるものがあるかどうかは分からなくても、ここで立ち止まってしまったら、得られるものも得られなくなる。だから――決して、出し惜しみはしない。
 頼もしい、と艶やかな唇を綻ばせて、香宵が言った。
「私もせめて一矢、『皇帝』陛下に報いたいもの。一枚噛ませていただきますね?」
 編み上げブーツの爪先で軽やかに地を蹴るや、女は淡紫の長い髪を尾のように靡かせ、加速する。敵の視線を振り回すよう右に左に進路を変えながらその後背に回り込み、香宵は長柄の斧を掲げた。
「言い残すことは――ないですよね」
 すべての光を吸い込むような暗闇をまとうその刃は、苦しむ暇さえ与えない。横薙ぎに払ったそれは断頭台の如く鋭利に、そして瞬時に、兵士の頭部を刎ね飛ばした。
「お見事」
 率直な賛辞を贈ってクレイモアを握り直し、エレナは周囲に漂う妖精達に呼び掛けた。
「妖精さんたち、まだ動けますね? では、このまま行きますよ!」
 皇帝の喉元まで、もうあと少し。鉄塊と化して折り重なる兵士の残骸を踏み越えて、復讐者達は駆けていく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】がLV5になった!
【エアライド】がLV2になった!

一ノ瀬・綾音
【クロパラ】
断片の王と謁見できる機会が訪れるなんてね。
例え状況が厳しくても……それを超えてみせるのが私達だ!

最初はなるべく樹さんと一緒に行動して被弾を抑えるようにしつつどの敵が行けそうか観察。
ターゲットを定めたら【加速する世界】で囮作戦を取る!なるべく広範囲を駆けて相手の同士討ち狙い!通信障害も使って相手が通信を使った同士討ち阻止ができないようにもしていく。時折破竜剣で不意打ち気味の牽制攻撃をしつつ一撃離脱してヘイトコントロールもしておこう。

ただ綾音ちゃん達はあくまで囮。
本題は弱った敵への樹さんの突撃!
今だ!樹さん、お願い!

折角ドイツを奪還できそうな機会なんだ。
逃すわけにはいかないんだよね!


御守・樹
【クロパラ】
恭弥と綾音が動いてくれるし、俺はできうるだけの隠密行動をとって接近し確実に攻撃を当てていきたい。
忍び足はもちろん、ダッシュも使った緩急ある動きで簡単に狙いを付けさせない。また観察により攻撃の仕方も看破し回避や翻弄に役立てる。
ある程度以上まで近づけたら、同士討ちを狙うような横移動も入れる事で相手の攻撃を多少は牽制できたら。
もちろん潜り込めたら敵そのものを盾にするように立ちまわる。
攻撃はMortaでのアサシネイトキリング。
確実にしとめられるなら問題ないが、そこまでいかないようであれば機関砲と鉄拳を使えないように…たぶん肘みたいに見える場所を狙う。


大和・恭弥
【クロパラ】
ついに皇帝か……。
俺自身は因縁があるわけではないけれど、その実力主義と残酷さはよく存じ上げてるよ。
だからこそ、二度とないこの機会、逃さず挑ませてもらう…!

俺だけでは立ち向かうに劣勢が過ぎる。だけど今回は独りじゃない。
真正面から臨めば負傷は必至…なら、こちらも考えて動こう
一時的な措置として、仲間のダメージ軽減を図る。藍雪花染を抜刀し、呪詛の結界を展開しておく

綾音ちゃんが敵を絞るまで三人で行動。
敵が絞れたら、【飛翔】を使って低空飛行し接近。綾音ちゃんと呼吸を合わせ、連携して囮作戦を取る。
攻撃は見切って躱し、確実に斬りつけていこう
晴彦は、本命の御守さんの盾に向かわせておくよ

アドリブ歓迎


「まさか本当に、断片の王と謁見できる機会が訪れるなんてね……」
 累々と折り重なる兵士達の残骸をちらりと一瞥して前方へ視線を戻し、一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は言った。
 末端のゾルダート達と小競り合いをしていた頃には、こんな日が来るなんて思ってもみなかった。しかし事実は小説よりも奇なりと言うものだが、予想だにしなかった事態は現実となり、彼女達の眼前に広がっている。侵入者を阻むように立ちはだかっていた『要塞巨人』の鉄壁の防備も、今は節穴のようなものだ。
「折角ドイツを奪還できそうな機会なんだ。逃すわけにはいかないよね!」
「そうだね。俺自身は特に因縁があるわけではないけれど……」
 走る少女の隣に並んで駆けながら、大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)が応じた。強さがすべての実力主義、それゆえに残酷なこの国の実情は風の噂に聞いている。できることなら根元から断ち切って、在るべき歴史にこの世界を取り戻したいところだが。
(「こんなチャンスは、二度とはないかもしれない」)
 だからこそ今、挑まずに後悔はしたくない。
 眼前に立ち上がる兵士は一体。もはや同士討ちを誘うまでもないが、といって決して侮って掛かれるものでもない。
(「俺一人で立ち向かえるような相手じゃない――けど」)
 家族と引き裂かれその記憶を奪われても、彼は今、独りではない。
 抜き放つ刃に呪詛をまとわせて、恭弥は力強く床を蹴り、跳躍する。ふ、と短く鋭い呼吸と共に斬り下ろせば、碧い妖気を帯びた刀が兵士の腕に食い込んだ。同時に吐き出される無数の銃弾はコートの腕や肩を貫いたが、それでも刀を握る手は離さない。
「こっちだよ! こっちこっち!」
 敵の意識を少年から逸らすように、綾音は囃すような声を上げた。そのまま右へ左へ走り回って機銃の掃射をかわしながら、兵士の意識を引き続けることしばらく――高い窓を背にゾルダートが作る影の中で、少女は挑むような笑みを浮かべ、いかつい髑髏面を仰いだ。
「私達のこと、二人組だと思ったでしょ?」
 背後から迫るもう一つの気配に、兵士が気づいた時にはもう遅い。鋼鉄の肩越しに突き立つ柱の向こう側へ目をくれて、綾音は叫んだ。
「樹さん、お願い!」
 両手に一対のナイフを握り、柱の陰から躍り掛かるのは御守・樹(諦念の珪化木・g05753)だ。ターゲットを見極めてから気配を消し、敢えて別行動を取ることで、青年は敵の後背を取ったのである。
「悪いが、お前はここで終わりだ」
 樹は、執着を好まない。深入りして傷つくぐらいなら、最初から何事にも希望を持たない方が楽だからだ。けれど、それでも――今日ばかりは。
 交差させるように振り抜いた刃の軌跡は鋼鉄の背中に十字の瑕を深々と穿ち、その脚で蹴り倒せば手負いの兵士はもう、起き上がることは叶わない。紅白の鮮やかなスカジャンに風を孕ませ着地すると、やったあと綾音の跳びはねる声がする。見渡す広間は荒れ果てているが平坦で、連なる山の如くに聳えていた鉄の巨人達の姿はもはやどこにも見当たらない。
「これって……もしかして」
 全部、倒しちゃった? と、綾音は瞳を瞬かせる。一瞬訪れた耳が痛くなるほどの静寂は正に、これより来たる嵐の先触れであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【神速反応】がLV2になった!
【モブオーラ】がLV3になった!
【腐食】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!

アンゼリカ・レンブラント
ネメシスモードで挑む
それでも実力差は圧倒的だろう
けれど勝つ
今こそドイツを取り戻すんだ!

パラドクスの光剣で攻撃する時は
ともに戦う仲間とタイミングを合わせて打ち込む
反撃を受ける時は光剣で受けると共に【飛翔】で後方に飛び
1撃で倒されるのを防ぐ
体が悲鳴を上げても気力で立つ

私の光剣は皇帝の剣に比べれば、力は足りない
けれどそれは「私1人で」ならだ

仲間達と積み上げた残留効果は
皇帝に至るまで幾つもの激戦を乗り越えてきた仲間の絆は
そして今日も私達の戦う活力となった
人々の笑顔の記憶と、託された想いは!

皇帝の剣を、一時でも凌駕してみせるに十分だ
今こそ最大まで輝け、《光剣収束斬》!
私達の絆と想い――全てを込めて斬るッ


シルヴァーナ・ガラッシア
*アドリブ連携歓迎

これが帝国の皇帝――
圧倒的なカリスマが伝わってきますが、相手は一人!
みんなで囲んで殴打すれば怖くないはずです!

妖精戦旗包囲殲滅陣を展開してボコボコにします!
召喚された妖精さんは反撃を少しでも抑えるのにそのまま居残って時間稼ぎをお願いしますっ
私も王の周囲にある機械を足場に素早くジャンプして、カイザーブリッツの直撃を少しでも逸らそうと思います!
点じゃなくて面で触れるようにすると静電気で痛くならないらしいので
ビリッと来ると思ったら、電気が通る物をしっかり掴むように意識しておきますね!


マティアス・シュトローマー
今ここで動かないでどうする?……守られてばかりの自分にはもう戻りたくない

パラドクス通信で仲間と連携。タイミングを合わせ攻撃を仕掛けていく

未来を担う将来有望な少年の話、もちろん聞いてくれるよね?
ダッシュで突撃し、地形の利用で倒れた敵や機械を足場に跳躍。エアライドで宙を蹴り、そのまま肉薄——と見せかけてパラドクスを発動
タイミングをずらし、敵の気が緩んだ一瞬を狙って弾丸を撃ち込むよ
七発の弾丸が狙うのは甲冑の隙間や機動装置、仲間の攻撃で脆くなった部分等の弱点
国民の声が届かない王様ならいらない

反撃は飛翔とエアライドを織り交ぜたアクロバットな動きで躱していこう。致命傷を避ければまた次のチャンスがあるはず


●VIERTER AKT, ERSTE SZENE
 戦塵舞い散る玉座の間の中心に、その男は立っていた。
 身辺を守る近侍達、部屋を守る親衛隊、そのすべてを失くしても、威風堂々とした佇まいに変化はない。戦闘に割れ落ちた窓からは傾きかけた陽射しが差し込むとともに、王宮外縁で今もなお続いているのだろう戦いの音色が聞こえている。しかしその喧騒は、今は少し遠くのもののように思われた。
「……これが、機械化ドイツ帝国皇帝……」
 黄金の甲冑に身を包んだ男を見つめて、シルヴァーナ・ガラッシア(スイーツハンター・g02348)はごくりと白い喉を鳴らした。玉座の周辺は彼女達の立つ床よりもほんの数段ほど高いだけなのに、まるで地の底から太陽を仰ぐような途方もない威圧感だ。しかし白い爪先で気丈に床を踏み締めて、蝶の娘は声を上げた。
「なんだか圧倒的なカリスマ感が伝わってきますが、相手は一人! みんなで囲んで殴打すれば怖くないはずです!」
 とっておきの包囲陣形、行きますよ――そう勇ましく呼び掛ければ、蜜色の妖精達が棒を手に舞い上がった。円く大きな瞳をキッと吊り上げて暁の翅を羽ばたかせ、シルヴァーナは一路、皇帝の玉座へ突き進む。その手に握る大樹の枝は、無数の妖精達とともに敵の姿を捉えたかに思えたが――。
「ふん……」
 小さく鼻を鳴らす気配がした。巨大な剣を片手で軽々と持ち上げて、男はその切っ先を妖精達の群に向ける。それは緩慢な仕種のように見えて、実に一瞬のことだった。
「奔れ」
 重々しい声と共に、蒼白い雷が戦場を貫いた。目も眩むほどの閃光の中で、蜜色の翅が一対、また一対と消えていく。電気を逃がせるものが傍にあれば――と刹那の際に少女は瞳を巡らせたが、間に合わない。否、間に合ったとしても逃がし切れるかどうか? 迸る電撃は、それほどまでに疾く、暴力的であった。
「きゃあああ!」
「大丈夫!?」
 耀く翅を燻ぶらせ、シルヴァーナは路の半ばに倒れ込む。即座にその傍らへ駆け寄って、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は息を詰めた。
(「……強い」)
 もう一人、ではない。
 まだ一人、なのだ。
 各地の部隊も着々とベルリンに向けて進軍しつつある今、包囲されているのは皇帝ではなく、ディアボロス達の方であるとも言える。それに親衛隊を壊滅せしめたとしても、その圧倒的な実力差を覆すことができたわけではない。
 束になって掛かっても、目の前のたった一人に敵わないかもしれないなんて――思いたくはないけれど。
「……それでも、負けられない」
 凛々しくも敵を睨む横顔が、黄金色の覇気を帯びる。白く耀く光の翼は彼女の本気の証――『ネメシス』の力だ。
「今こそドイツを、取り戻すんだ!」
 己を奮い立たせるような少女の叫びを、マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は背筋を伸ばして聞いていた。手足の皮膚がひりつくような、吐き気を催すほどの緊張感に包まれて、知らず知らずに足が震えた。大人ぶって強がって見せても、所詮は十五の悪童だ――そんなことは自分が一番よく分かっている。諦めずに手を伸ばしたって、いつも何もかも上手くいくわけではないことも。
 けれど。
(「今ここで動かないでどうする?」)
 守られてばかりの自分には、もう戻りたくない。
 ならば――後ずさりするのではなく、踏み出さなければ。
「俺もいく」
「オッケー!」
 手短に言葉を交わして、少年と少女は並び立つ。真っ向から玉座の男を睨みつけて、マティアスは皮肉げに口角を上げた。
「未来を担う将来有望な少年の話、もちろん聞いてくれるよね?」
 返るのは声ではなく、ただ突き刺すような視線のみ。しかし冷たい汗が頬に滑っても、足の震えは止まっていた。ここで手を尽くさずに、後悔をするのは御免だから。
 唸りにも似た鬨の声とともに、二人は散開した。その手には金に輝く光の剣と、黒く飾り気のないハンドガンが握られている。
「せーのっ!」
 走り込むアンゼリカの声に合わせて、マティアスは宙を踏み跳び上がった。タイミングを合わせて片や上から、片や下から仕掛ける連携攻撃が黄金の皇帝に襲い掛かる――しかし。
 立ちはだかる男は、言葉さえ発することはなかった。黒鷲の剣は光の剣ごと少女を弾き飛ばし、七発の銃弾をものともせずに、迸る雷撃で少年を射つ。身体を捩っても避けきれぬその速さにクソッと悪態をついて、掠れる声でマティアスは言った。
「国民の声が届かない王様なんて……いらないんだよ」
 Du, Mistkerl――弱々しく親指を下に向けて、気を失った少年は墜ちていく。叩きつけられた壁際でその様子を見つめながら、アンゼリカは床に爪を立て、よろよろと立ち上がった。しかし悲鳴を上げる身体は、もう思うように動かせそうにはない。
(「やっぱり――足りない」)
 力が、足りない。
 ぶつかる瞬間に、上手く受け身を取ったつもりだった。実際、そうしていなければ、意識を保ってもいられなかっただろう。けれどそれでも――。
(「……いいや」)
 一人、二人では足りなくても、ここにはまだ多くの仲間がいる。
 激戦を乗り越え彼女達が積み重ねたのは、残留効果だけではない。一人一人が紡いだ絆の上に、彼女達は立っている。
 だから、何をしても足りないだなんて言わせない。
「みんなの笑顔と、託された想いが! 私達の戦う力なんだ!!」
 喉も裂けよと張り上げる咆哮が、高い天井を震わせた。色めき立つディアボロス達の一団を、断片の王は冷ややかな眼差しで見つめている。

※重傷者:3名
『シルヴァーナ・ガラッシア(スイーツハンター・g02348)は重傷を負った』
『アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は重傷を負った』
『マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

安藤・優
※アドリブ連携歓迎
戦闘中、不意に道が開けた。今ならば届くかもしれない――そう思えた以上、やる事は1つだよね。

力を込めろ、集中しろ、一撃じゃどう足掻いても劣っているんだ。例え2回攻撃できたって、2回反撃されたら意味が無い

ならばどうする?決まっている。
一撃でニ発分の威力を出すだけだ。
簡単な事じゃない。けれど――やるしかない!

力を込めろ、怒りを燃やせ、剣を振れ「気炎天衝斬!」斬撃を飛ばせ、そこから更に踏み込んで、飛翔しろ、斬撃に追いつけ、直撃の瞬間に、斬撃を重ねろ!「――気炎連斬!」

これだけやっても届くだなんて思ってはいないよ。この一撃はただの布石、続く味方の攻撃を、確実に届かせる為の時間稼ぎだ!


笛島・他助
お出ましか。こいつぁテキトーにやって何とかなりそうもねぇな。
あんまし人前で見せたかねぇが……適当にやるか。(ネメシスモード発動。外見はほぼ変化が無い)

真正面からやり合わねぇのはネメシスモードでも変わんねぇ。残留効果も加えつつ、より卓越した忍び足、気配の遮断。まともにやり合ってる連中に引き付けられてる時、死角からアサシネイトキリングにて仕込み杖の刃でぶっ刺して暗殺だ。……死にな、皇帝さんよ。
簡単に死んでくれやしねぇだろうが、死にやすくはなるだろ。深追いは無し、いつもの確実な隙をヒット&アウェイだぜ

雷撃は壁とかを縫いながら逃げつつ、剣の振り抜く方向を注視して撃ち出される瞬間に決め打ちで躱してやろう


秋津島・光希
※連携、アドリブOK

親衛隊と近侍による鉄壁の防備
…断片の王の野郎、驕りの欠片もねえな
敵ながらそういうとこは好感持てっけど
それでも。俺らの譲れねえモンの為、ここで消えてくれ

常に【飛翔】状態
速度上昇効果を攻守に生かす

【光学迷彩】と『地形の利用』で身を潜め
可能な限り敵の戦い方を『観察』
こちらの攻撃に繋げられる隙を『看破』する

剣での近接攻撃に雷撃での遠隔攻撃
敵の地力も半端じゃねえし
一撃を確実に入れておきてえからな

狙うは、剣の纏う輝きが増した一瞬
光に紛れるように姿をくらませ
敵の死角に回り込み、パラドクスで強襲
俺の得意な『一撃離脱』戦法に賭ける

次に繋げられれば構わねえ
全部取り戻すまで、俺らは止まらねえよ


「おいおい……マジかよ」
 ずれたサングラスのブリッジを押し上げて、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)はわずかに声を上ずらせる。強い強いと聞いてはいた。舐めて掛かれる相手ではないことも承知していた。けれどもあれは桁違いだ――予想を超えた、化け物だ。こちらが頭数だけ揃えても、押し切れるものではないだろう。
「こいつぁテキトーにやって何とかなりそうもねぇな……ん?」
 どうしたものかと立ち尽くす男の傍らを、二つの人影が抜けていく。一人は、短い赤髪と同じ色の瞳が鋭いインセクティアの少年。もう一人は、大きな黒い目が幼い印象を与える、どこにでもいそうな人間の少年。勘弁しろよと頭を掻いて、男は帽子を被り直す。
「若いのにそんなに頑張られたら、テキトーこけなくなっちまうだろうが……」
 その声が届いたか、届かなかったかは定かでない。玉座に立つ男に向けて、ためらいを知らぬ少年達はただ真っ直ぐに広間を突き抜ける。
「王の野郎、驕りの欠片もねえな」
 皮肉めいた賞賛に一分の畏怖を交えて、秋津島・光希(Dragonfly・g01409)は言った。これほどの力があるのならその気になれば一人でディアボロスを撃滅することもできるだろうに、皇帝は近侍と親衛隊による分厚い防備を敷いて彼らを迎えた。敵ながらその周到さには感心すら覚える。
 でも、と隣を駆けながら、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)が応じた。
「それでも道は、開けた」
 誰がなんと言おうとも、前哨戦はこちらの勝利だ。たとえそれで削れた戦力はわずかでも、百を九十九にしたことに意味がないはずがない。
「今なら届くかもしれない――そう思えたから、僕らはまだここにいる」
「ハッ、違いねー」
 互いに一瞥もしないまま駆けながら、少年達は言い交わす。唇の端に浮かべた笑みと挑むような眼差しは同じだと、わざわざ見て確かめなくとも分かった。
「僕らがやるべきことは、一つだけ」
 行こうと促す優の声に荒々しく応と答えて、光希は蜻蛉の翅を羽ばたかせる。その姿が風景に融けるのを視界の片隅に見送って、優は駆ける足を速めた。
(「力を込めろ――集中しろ」)
 一撃の力を比べたのでは、こちらが劣るのは分かり切っている。運よく次の一手を入れられたとしても、あの反撃を二度三度と受け止め切れる者はないだろう。
 ならどうすると考えて、出した答えは一つだった。
(「一撃でニ発分、入れてやるんだ」)
 簡単なことじゃないけれど、やるしかない――この想いが復讐者の原動力であるのなら。
「翔べ!」
 内に秘めた怒りを燃やせば燃やすほど、無骨な刃を取り巻く気炎は紅く激しく立ち昇る。振り放つ斬撃に重ねてもう一歩前へ踏み込めば、足元に淡い影が落ちた。皇帝の左側方上空へ回り込んで爆撃槌を振り翳すのは、光希だ。
「俺らの譲れねえモンのために、消えてくれ」
 狙いを定め、合わせるのは一瞬。振り下ろす槌と気迫の斬撃に全身全霊を乗せて、少年達は王に挑む。――しかし。
 兜の下の唇が、無駄だと動いた。その瞬間、雷と剣閃が若きディアボロス達を斬り払う。灼けつくような痛みと痺れに堪らずに表情を歪めて、少年達は苦悶の声を上げた。
 だが――だが、これで終わるわけではない。
 無理矢理口角を上げてみせ、不敵な笑みで光希は言った。
「俺らは止まんねえよ」
 一人で駄目なら、二人。二人で駄目なら、三人。次へ繋げることが、彼らの力になる。そう、つまり――これはバトンを受けた誰かの刃を、確実に届かせるための時間稼ぎ。
 崩れゆく少年達を見下ろす皇帝の背後で、何かがきらりと光ったのはその時だった。
「!」
 それは少年達の燃え盛る敵意の陰に身を潜めた、暗殺の刃。殺気一つ感じさせることなく、細く鋭い刃が黄金の甲冑に潜り込む。内部機構に阻まれてそれ以上は刺さらない仕込み杖の柄を握り、黒服の男――他助は、ありゃっと笑った。
「死にな――と、言いたいとこだが」
 そう簡単に首を取らせてはくれないか。そう言って、男はすぐさま身を引いた。突き抜けるような雷撃を辛くも躱して距離を取れば、色硝子の向こうの瞳にはネメシスの焔が静かに燃えている。
「だけど、これであんたも分かったろ? ……届かないわけじゃないってよ」
 重ね連ねる復讐の刃は、どんな敵にも届くのだと。
 じろりと見やれば、感情の読めない侵略者の瞳がその日初めて、ディアボロス達を正視したような気がした。

※重傷者:2名
『安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は重傷を負った』
『秋津島・光希(Dragonfly・g01409)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【温熱適応】がLV2になった!
【モブオーラ】がLV4になった!
【飛翔】がLV6になった!
効果2【アヴォイド】がLV5になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【肺栓塞】※単独OK
アドリブ連携歓迎

ネメシス形態に
青い焔を纏う、黒衣の悪魔に似た天使の姿

俺は、散った仲間達の分
この身も命も燃やし戦う
貴様を屠り、全て取り戻すまで

相手をよく観察、反撃動作の前後の隙を看破
味方に紛れ【飛翔】し、鎧ない顔を狙う。防がれたら既に脆い箇所へ一点集中
パラドクスを籠めた両手の銃でありったけの銃弾を撃ち貫通撃
仲間達の無念、想い、希望――全てこの弾丸に託す

彼らと元通りには会えない事も……覚悟している
ただ取り戻す、それが俺の生き延びた意味

問う
汝、刻逆を知るか

首を刎ねる好機なら捨て身も厭わない
反撃は動作の変化を察知し、神速反応で構え
魔力障壁を展開、飛翔の最高速で回避
技能と強運の加護を


レイ・シャルダン
【肺栓塞】
アドリブ、連携歓迎

流石の迫力、空気が、世界が、(私までが)震えている…。
しかし、それは私達が対峙している相手がまごう事無き断片の王である証左

何の為にここまで頑張ってきた?今日の日の為でしょう!

ドッグタグを握る手の甲にキスを
ここには志を同じとし共に立つ仲間がいる。
心を奮い立たせ、目の前の脅威に挑みます!

機械魔導弓【ACRO】に矢を番え
アクロヴァレリア "Einheit_02"と"飛翔"による"空中戦"を行います。
単独で勝てないのならば仲間との連携を密に行い助け合います。

敵の反撃に対し超常結界式【アルヴァーレ】により緩和
【ナノマギア】による二次緩和
2重の障壁でダメージを抑えます


「流石の迫力、流石の威力ですね……」
 呼吸の仕方さえ忘れそうな緊張の中で、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は言った。震えているのは空気か、世界か、それとも自分か――あまりに強大な敵を前にして、平衡感覚を失ったような気分だ。だが裏を返せばそれは、彼女達が対峙している相手が他ならぬ断片の王であることの証であろう。
 表情を強張らせる少女の隣で、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はぽつりと口を開いた。
「……俺は、戦うよ」
 それはかつて肩を並べ、共に戦い散って行った、仲間達への誓い。胸の淵に燻り続けるネメシスの焔は青々と燃え上がり、長身の天使を包み込む。
「……エトヴァさん?」
 これまでに見たことのない戦友の表情に一瞬、ぞくりと背筋を震わせて、レイは男の名を呼んだ。しかし空色の眼差しは振り返ることなく、玉座に立つ皇帝ただ一人を見据えている。
「この身も、命も燃やして戦おう」
 偽りの王を屠り、すべてを取り戻すその時まで――どれほど傷つこうとも、羽ばたくことをやめはしない。
 青空に染めた両翼を広げて、エトヴァは宙へ舞い上がった。その姿は勇ましくもどこか悲壮に見えて、見送る少女の胸を締めつける。しかし爪先は地面に縫い留められたように重く、動く気配がなかった。
(「私――怖いの?」)
 単に強敵というのなら、これまでに何度も対峙してきた。しかし今日の相手は別格だ――これだけ力の差を見せつけられて、怖いと思わない人間がいるのなら、それはその方がどうかしている。
 けれど。
(「でも……それじゃあなんのために、ここまで頑張ってきたの?」)
 仲間を独り敵の元へと向かわせて何もできずにいる方が、彼女にとってはよほど怖い。動けと念じて震える唇を手の甲に寄せ、レイは一枚のドッグタグを握った。
(「今日の、この日のためでしょう!」)
 故郷を、世界を取り戻す。同じ志の下に集い、共に立ち向かう仲間達のためにも、歩みを止めるわけにはいかない。萎みかけた勇気を奮い立たせて背中のフライトデバイスの出力を上げ、少女は天井付近まで翔け上がる。左右から狙う銃口と鏃の中心で、しかし皇帝は微動だにせず、黙々と王宮に力を注いでいる。
 引金に人差し指を掛けたまま、エトヴァは微かに眉を寄せた。
(「刻逆を知るか……と、聞きたいところだが」)
 聞いたところで、本当の答えが得られる可能性は低いだろう。それにどんな反応が得られたとしても、その真偽を確かめる方法はないに等しい。開きかけた唇を結んで緩く首を振り、天使は銃を握る手に力を込めた。
(「たとえ世界が元に戻っても……」)
 あの日笑い合った人々と、あの時のまま見えることはないのかもしれない。しかし、もしそうだとしても、彼の成すべきことに変わりはない。
(「それでも取り戻さなければ――俺が生き延びた意味が、ないんだ」)
 仲間達の無念。想い。そして希望。
 託されたすべてを背に負って、彼は今日まで戦い続けてきたのだから。
「覚悟を」
 ほんの一瞬、交わした視線で頷き合って、エトヴァは銃の引き金を引き、レイはナノマシンの矢を放つ。狙い澄ましたその一射は、いかつい甲冑から覗く皇帝の顔面を捉えたかに思われたが――。
 金色の籠手に覆われた腕の速さが、わずかにそれを上回った。ギンと軽やかな金属音と共に銃弾と矢が弾け、ほぼ時を同じくして、反対の手で掲げる剣が雷を呼ぶ。地面から逆流するかのような碧雷は二対の翼を射ち墜とし、轟音と共に塵埃が舞った。
「くっ……」
 強かに背を打ち付けて咳き込みながら、めくれたタイルの床に爪を立て、エトヴァとレイはよろりと身体を起こす。しかしもう一度反撃を受ければ、恐らく次はないだろう。
 一体、どうすれば――。
 荒い息をつきながら視線ばかりは刺すような復讐者達をまじまじと見つめ、皇帝はゆっくりと剣の先を床に戻した。
「ディアボロスを滅ぼしたのは早計であったか。まさか、斯様に支配下において侵攻に使うことができようとは……」
「……何?」
 思いがけない言葉の羅列に、一瞬、耳が混乱する。聞き返す声には一瞥もくれずに、重々しく嗄れた声色で皇帝は続けた。
「お前達の王は、ロシアか? イギリスか? それともフランスか?」
苦戦🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

エルマー・クライネルト
【肺栓塞】

何処の国の差し金かだと?陛下は面白いことを仰る
私はずっと此処に居たとも
この国で、色々なものを見てきたよ

鉄屑に引き裂かれる家族
炭鉱で奴隷以下の扱いを受ける鉱夫達
国の未来の為と命を投げ打ち、其れでも恋を夢見ていた……兵士もいたな

自国の民がどう生きているかなど知らんのだろう
貴様が何を考えているのかなど知らないが、人々を顧みない皇帝が良いものだとは思えないのだよ

【神速反応】【強運の加護】を併せて雷撃を回避
全て躱すことは叶わずとも、攻撃を躱しながら近づくよう見せ掛けられれば構わない
此方に攻撃が向いている隙にオラトリオを[忍び足]で死角に回らせパラドクス発動
[呪詛]を込めた[捨て身の一撃]を放つ


ツィルニトラ・プリルヴィッツ
(あの口ぶり、私達のバックに他のディヴィジョンが付いていると考えてるのね。誤解を解く義理も無いし…)

さあ、何処が背後にいると思うかしら、皇帝陛下
エジプトかもしれないわよ?

確実なのは私達への評価を改める必要があること
そして、それを活かす機会を与えるつもりは無い、ということよ!

戦旗を一振りして【雪獄光牢】
黒竜に変身し翼を一打ちして【飛翔】
氷のブレスを吐いて動きを鈍らせ
両腕で翳した魔法陣から光線発射
氷結晶に乱反射させて貫くわ

魔法の竜神の神罰を喰らいなさい!

ブレス凍結の行動阻害と光線の目晦まし(氷雪使い+光使い)で味方を支援出来れば最上だけど…
少なくとも【神速反応】で反撃の電撃の直撃は避けたいわね…!


「どこの国の差し金かだと?」
 朦朦と舞う砂煙の向こうに立つその姿はあまりにも大きくて、乾いた笑みが零れる。心からの皮肉と侮蔑を込めて、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は言った。
「陛下はまったく、面白いことをおっしゃる」
 その瞬間、恐らくは戦場の誰もが同様の感想を抱いただろう。復讐を成し遂げるその日のためだけに走り続けるディアボロス達からすれば、列強の配下だなどと言われるのは心外もいいところだが。
(「あの口ぶり、私達のバックに他のディヴィジョンが付いていると考えてるのね……」)
 睨み合う仲間と皇帝の姿を交互に見やって、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は息を呑んだ。どういう理屈でそのような結論に至ったのかは推測することしかできないが、なんにせよ、わざわざ誤解を解いてやる義理はない。さあ、と務めて平静を装い、少女は言った。
「あなたはどう思うのかしら、皇帝陛下。もしかしたら、遠くエジプトの使いかもしれないわよ?」
「…………」
 兜の陰になった鋭利な瞳が、一層の険を帯びた。射殺すような視線に押し負けそうになりながらもぐっと堪えて、ツィルニトラは言葉を重ねる。
「あなたに必要なのは、私達への評価を改めることよ。といっても――それを活かすチャンスをあげるつもりはないけどね!」
 自らを鼓舞するように戦旗を振るえば、どこからともなく吹きつける雪が少女の身体を包んでいく。眩いばかりの白の中から生まれ出ずるのは、巨体の黒竜だ。しかし特別に驚く素振りは見せずに、皇帝は口にした。
「確かに。……真実を喋らぬだけの知恵はあるようだ」
 見下すような口ぶりに、竜の瞳がぎろりと蠢く。翼をひと打ち、高い天井の間際にまで舞い上がり、黒竜は咆哮した。その吐息は耀く吹雪となって、『皇帝』ヴィルヘルム2世の立つ玉座に吹きつける。パキパキと澄んだ音を立てて凍てつく空気は氷晶となり、甲冑の爪先を捉え固めたが――その刹那。
 突き立てた剣の先端から弾けた青い稲妻は、岩の如くに固まった氷晶を一撃のもとに粉砕した。無数に散った氷の欠片が陽射しを千々に照り返す中、黒い竜は大きく裂けた口許を歪める。咄嗟に旋回を試みるも、霧氷の路を遡って奔る雷の速さは想定を遥かに凌ぎ、竜の片翼を射ち抜いた。
(「覚悟なさい……!」)
 のたうつ竜は見る間に少女の姿に戻り、瓦礫の中へ墜ちていく。けれどこの一矢は、決して無駄にはならない――今日でなくとも、明日でなくても、驕り昂った王をその玉座から引きずり下ろす日の嚆矢となるのだ。
 皇帝の視線が墜ちゆく少女の行方を確かめるようになぞるのを見て、エルマーは言った。
「気になるか? そうだろうな――だが、余所見はしないでもらいたい」
 仲間の安否が気になるのは此方も同じだが、それを気取られるわけにはいかない。淡々と友人に語り掛けるような口ぶりで、青年は続けた。
「さっきの質問に答えよう。フランスでもイギリスでもなく、私はずっとここに居た。他ならぬこの国で、色々なものを見てきたよ」
 鉄屑に引き裂かれた家族。
 炭鉱で奴隷以下の扱いを受ける鉱夫達。
 国のためにと命を投げ打ち、それでも恋を夢見ていた――そんな兵士もいた。
 共通して言えるのはその誰もが、この国の犠牲者だったということだ。
「自国の民がどう生きているかなど知らんのだろう? ……貴様が何を考えているのかなど知らないが、人々を顧みない皇帝が賢君だとは思えんのだよ」
 醜悪なる祖国には、明けない夜こそが相応しい。
 くれてやろうと指し示す指の先で、黄金の甲冑に一輪の花が咲いた。その根から生命を吸い上げる、呪いの百合だ。
「戯言を」
 苦々しげに眉間に皺を穿ち、皇帝は黒鷲の剣を一閃する。しかし相対する青年は、決して退こうとはしなかった。
(「奪い返す、そのためならば……!」)
 この身は黒炭と成り果てようと、構わない。かわしきれない雷撃が全身を灼こうとも、一分でも、一秒でも長く、その花を咲かせていられれば――。
 しかし、限界はいつか訪れるもの。激しい放電の中で意識はふつりと途絶え、エルマーはその場に崩れ落ちる。散り落ちた花を踏み躙る皇帝の表情は、先程までよりも少しだけ、険しさを増したように見えた。

※重傷者:1名
『エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【植物活性】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
効果2【ドレイン】がLV4になった!
【グロリアス】がLV2になった!

鬼歯・骰
【KB】
誰かに命令された訳じゃねえよ
自分の意思で、自分の為に王宮まで来てんだ
馬鹿にしてくれるなよ
敵から感じる圧は流石のもんだが
残念ながら垂れる頭も引く足も持ち合わせてねぇな

ツリガネとは攻撃タイミングを合わせ
互いに死角になる位置見定めて鱶で斬りつけよう
雷が眩しかろうと敵の動作から目は逸らさず
少しでも隙のある箇所を見つけたい
諦め悪く首元まで食らいつきに来れたんだ
悪趣味な玉座とこの世界から
少しでも引っぺがして解体してやる

攻撃を入れたらその場に止まらず
迅速に敵から離れて反撃は回避したい
躱しきれなきゃ武器で受け流し、威力を僅かでも殺せればいい
ツリガネにも当たりそうなら引っ掴んで移動、互いに直撃は避ける


鐘堂・棕櫚
【KB】2人

あなたが敵に回したのは人類そのものです
国なんて小さな単位じゃないんですよ、見誤りましたね
強敵を前にして、手に額に汗こそ滲みますが
まあ、減らず口叩いてる方が俺らには似合いでしょう

攻撃は骰さんとタイミング合わせ
少なくともどちらかが敵の死角から殴れるよう回り込みます
もし味方によって敵がダメージ負ってる箇所があるなら
そこ周辺を狙いに定めますね

敵が飛んだら反撃がくる機と捉え
回避行動に切り替えます
可能な限り雷撃の範囲外に逃れる為に急遽距離を取り
無傷とはいかずとも、直撃を避けるよう動きましょう
骰さんが巻き込まれそうなら襟首引っ付かんででも共に逃げに転じます

人間のしぶとさ、存分に味わって頂きますよ


「やべえな、ありゃあ……」
 どうしろってんだよと毒づいて、鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)は大振りの鋸歯を瓦礫の上に突いた。ひとたび手を出せば恐ろしい速さで襲ってくる雷と剣。認めるようで癪だが、離れていてもなお皮膚を焦がすようなオーラはさすが断片の王と呼ぶより他にない。
 すると意外そうに瞳を円くして、鐘堂・棕櫚(七十五日後・g00541)が言った。
「どうしろって……じゃあ、ごめんなさいして帰ります?」
「いいや。垂れる頭も引く足も持ってねえな」
「はは、ですよねえ」
 骰さんはそうでないとと笑って、棕櫚は白塗りのバールを左手にぽんぽんと打ち付けた。厳しい戦いになるだろうということは、パラドクストレインに飛び乗った時から想定済みだ。討つべき敵がどれほど強く恐ろしくても、二人がやることに変わりはない。肩を並べ、減らず口を叩いて――手に馴染んだ得物を握って、殴りに行くだけ。あれやこれやと搦め手の策を弄せるほど、お互いに器用な人間ではない。
「行くぞ」
「ええ」
 いつでも、と棕櫚が応じたその時には、二人揃って駆け出していた。骰は右から、棕櫚は左から――大きく回り込んで玉座の側面につけ、まず床を踏み切ったのは骰だった。兜の頭がわずかに上を向けば、かち合った視線の鋭さに一瞬、息が詰まる。それは魑魅魍魎の跋扈する裏社会でさえ見たことのない、本物の『化け物』の瞳だ。
 けれどもう、後には引けない――退かない。軋るほどに奥歯を噛んで、骰は唸った。
「馬鹿にしてくれるなよ」
 彼らが戦いに身を投じることに、誰の意思も関係ない。
 自分の意思で自分のために、彼らは時間も空間も超えてこの王宮へやってきた。それを、列強の尖兵だなどと言われては堪ったものではない。
 狙うのは顔か、それとも悪趣味な甲冑の継ぎ目か。しかし渾身の力で打ち下ろした鋸は、黄金の腕に阻まれて静止する。まずいと思った時にはもう、敵の刃が動いていた。
「ちぃっ」
 甲冑の胸を蹴って離脱するその腹を、黒鷲の剣が斬り裂いた。瞬間、突き刺すような殺気が燃え上がり、皇帝の背中に棕櫚が躍り掛かる。
「あなたが敵に回したのは人類そのものなんですよ」
 国なんて、そんな小さな単位ではない――これは、この地球上すべての人々の復讐の物語。しかし眉一つ動かさぬまま、皇帝は甲冑の背のブースターを吹かした。
「これ以上、話すことはない」
 ゼロ距離から加速する甲冑の肩当てが金色の翼となって、決して小柄ではない男の身体を吹き飛ばした。全身の骨が軋むような衝突に思わず呻きつつ、棕櫚は辛うじて受け身を取り、タイル張りの床に転げ落ちる。くそ、と毒づく声に気づいてどうにか身体の向きを変えてみると、少し離れて骰が横たわっているのが見えた。大丈夫ですかと声を掛ければ、大丈夫に見えるかと応じる声は思ったよりも元気そうだが、当分、動く気力はないだろう。
 夥しい赤に塗れたシャツの腹を押えて、骰は言った。
「あの趣味の悪い玉座から引っぺがして……解体してやろうと思ったのによ」
 届かない刃のもどかしさは、きっとこの場の誰もが感じている。だが一度で駄目なら二度でも、三度でも、向かって行けることこそが彼らの力だ。死にかけても相変わらずな言い草に頼もしささえ覚えながら、棕櫚は笑った。
「まだ終わりじゃありませんよ。人間のしぶとさ、存分に味わって頂きましょう」
 でも――もうあと少しだけ、休んでから。
 そう付け加えて、棕櫚はゆっくりと目を閉じた。

※重傷者:2名
『鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)は重傷を負った』
『鐘堂・棕櫚(七十五日後・g00541)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

クラーラ・シャーフ
謁見の御許可を、どうぞ
元一市民として、一撃献上して差し上げるわ

大切な家族の最期を、私は知らない
その前に、真っ先に始末されたもの
守りたかったものを守れずに逝く悔しさを、貴方はご存知ないでしょうね

ぼっこぼこにしてあげたいけど贅沢は言わない
想いを乗せて一撃に賭ける
【飛翔】を始め使える残留効果を駆使して、より高く、より疾く
天辺取ったつもりの貴方の頭上から急降下突撃
反撃はとにかく動いて回避を試みるわ
急制動、急発進、離れると見せかけて懐へ
僅かでも翻弄出来れば、その隙をつける仲間がいるはず

貴方の玉座を針の筵に
捉えられたら抜け出せない、悪夢の檻へ案内しましょう

※連携、アドリブ歓迎


音羽・華楠
……生憎、私自身には、ドイツ奪還への熱い想いは無いんですよ。
これまでずっと、この改竄世界史には関わってきませんでしたし。

ですが――まさか機械化ドイツ帝国の断片の王が雷使いとは!

私も雷使いの端くれ……ここでこの相手に背を向けて、今後も雷使いを名乗れるものですか!!

小細工抜きで、現状の私の最強の雷術、《雷幻想・閃耀》をヴィルヘルム2世へ放ちます。
私が喚べる限りの妖精たちを【召喚】し、《閃耀》の発動に最大限の補助を願い――
ヴィルヘルム2世が攻撃を仕掛けてきても、そこに真っ向から《閃耀》をぶつけ、相殺――いえ、押し返します。

力不足は痛感済み……それでも!
意地を張ります――『赫雷』、見せましょう!!


 突き立てた剣に両手を添えて瞳を閉じ、皇帝ヴィルヘルム2世は黙々と怪しげな機械にエネルギーを送り込んでいた。その姿はまるで、瞑想をしているかのように落ち着き払って、依然として焦りを感じさせることはない。それが、有り体に言えば癪に障って、クラーラ・シャーフ(白日夢の陥穽・g06521)は唇を噛む。
(「……随分と余裕のようだけど」)
 先に挑む者達がどれほど倒れようと、復讐者達が攻撃の手を緩めることはない。いつまでもそうして平然としていられると思ったら、大間違いだ。
「謁見の御許可を、どうぞ」
 澄んだ声色で堂々と告げ、クラーラは杖型の爆撃槌を手に、金色のフライトデバイスで加速する。
 欧州はドイツの片隅に暮らした、羊飼いの一族。平凡な毎日を何よりも愛した大切な家族の最期を、彼女は知らない。なぜならあの日、彼女が真っ先にその息の根を止められたからだ。
(「守りたかったものを守れずに逝く悔しさを、貴方はご存知ないでしょうね」)
 もっとも、人の形をした化け物が何を考えているのかなんて知りたくもないし、知ったところで理解できるとも思えないけれど。カンテラを吊るした杖を固く握り締めて、クラーラは皇帝の頭上へ翔け上がる。
「ぼっこぼこにしてあげたいけど、贅沢は言わないわ」
 二度三度と反撃を凌いでやり返すことができないことは、分かっている。チャンスは一度きり――だからその一撃に、彼女はすべてを賭けるのだ。
「元一市民として、一撃献上して差し上げる!」
 墜ちるように急降下して、言葉通り一撃。輝く兜の脳天を目がけて振り下ろす杖は爆発を起こし、黒い煙が舞い上がる。その中から、青い雷が奔った。
「っ!」
 突き刺すような雷撃を、完全に躱すことはできない。けれど、それでいいのだとクラーラは思う。その剣を振るう瞬間、その一瞬だけは、皇帝は彼女を視ざるを得ないのだから。
(「きっと、誰かが」)
 偽りの王を捉えて逃さない復讐の檻。この中でなら誰かが、生まれた隙を生かしてくれる。
 朦朦と舞う黒煙を裂いたのは、一条の光だった。ほとんど真後ろから迸った電撃に一瞬虚を突かれ、皇帝は振り返る。その先には、巫女服の袖に雷をまとわせた音羽・華楠(赫雷の妹狐・g02883)の姿があった。
「お初にお目にかかります、皇帝陛下。まさか陛下が雷使いであらせられたとは!」
 戦場には凡そそぐわない明るく朗々とした声で、妖狐の少女は言った。その瞳に燃えるのは怒りや復讐心ではなく、純粋な好奇心だ。
(「あいにく私自身には、ドイツ奪還への熱い想いなんてないんです」)
 正直に言えば今日の今日まで、この改竄世界史に関わったこともなかった。ここに集まった多くの仲間達のように、この国に特段の縁があるわけでもない。
 けれども――雷を操る術者の一人として、彼女が今知り得る限り最強と呼んでいいだろう使い手を前に、背を向けるわけにはいかないのだ。
「小細工抜きで参りましょう! ト、ホ、カ、ミ、エ、ミ、タ、メ――」
 最も旧き呪言と共に、練り上げた電気がバチバチと激しい火花を散らす。突き出した掌から輝く雷が迸るのと、皇帝の剣が青い稲妻を放ったのとは同時だった。蒼白と黄金、互いに真っ直ぐに伸びる二色の雷が空中でぶつかり合い、玉座の間を明々と照らし出す。妖精達にその背を支えられながら、華楠は吹き飛ばされないよう懸命に、二本の脚に力を込めた。
「これが私の、最強です!」
 ぶつかり合う光の中で、青い稲妻がじりじりと迫ってくる。力不足は重々承知で、けれどそれでもと選んだ道だ。今更逃げ出すくらいなら、傷ついたって構わない。
 もう一歩前へと踏み出して、華楠は奥歯を喰い縛った。
「意地を張ります。『赫雷』、魅せましょう!」
 カッと眩い光が弾け、辺りは一面の白に包まれる。そして光が収まった時、皇帝のまとう緋色の外套には焼け焦げた穴が開いていた。
「――お見事、です」
 乾いた唇で微かに笑い、少女はその場に倒れ込む。しかし煤けたその横顔は、どこか誇らしげでもあった。

※重傷者:1名
『音羽・華楠(赫雷の妹狐・g02883)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV8になった!
【土壌改良】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV6になった!
【ロストエナジー】がLV4になった!

終夜・香宵
あなたが断片の王であるヴィルヘルムさんですね。機械化ドイツ帝国の、ゾルダートの王にしては案外人間らしい姿なのですね。もっと機械らしいと思っていました。
ふふ、どうでもいいことでしたね。あなた方に様々なものを奪われた人達のためにも、ここで殺したいと思います。折角ですので楽しく殺り合いましょう。

常に攻撃をしてきそうな警戒心を持たせるために【殺気】を全開にしつつ、あまり動かずに敵の動き、特に腕と剣を重点的に【観察】しながら機会を待ちましょう。
好機とみたら【抱き死める腕】で命を狙います。
敵の攻撃は近づくように【ダッシュ】しての回避を試してみましょう。


アルメア・グラウプナー
「やあやあやあ先程ぶりだな皇帝陛下よ! では改めて――我が名はアルメア・グラウプナー。故国の危機に馳せ参じた誇りあるドイツ軍人である!」
「今は無礼講だ、皇も臣下も無い。ささあ、共にこの大きな大きな闘争を楽しもうじゃないか!」

・行動
相手は断片の王だ、生半可な攻撃は通用せんだろう
狙うは唯一点、全身全霊を以て我が大喝砕を直撃させる事

ミサイル【誘導弾】と同時に【突撃】、【飛翔】【エアライド】を用いで機動を【臨機応変】に変化させつつ陛下へと肉薄
反撃があっても【忍耐力】で凌ぎつつ進撃は止めない
ただ【幸運】を祈りつつ【捨て身の一撃】で大喝砕を叩き込む
無論これで終わりだとは思わん、味方の次の一手に繋がれば良い


「あれが断片の王……ヴィルヘルムさんなのですね」
 黄金の甲冑に身を包んだ男を遠目に見やって、終夜・香宵(闇夜・g00869)は意外そうに口にした。ゾルダート達を統べる王というからにはもっと機械的な外見を想像していたのだが、存外、人間らしい成りをしていたものだ。
 あくまで反撃のみに徹する男は、倒れた復讐者達にはそれきり目をくれることはなく、黙々と周囲の機械に力を注ぎ続けている。玉座を囲む機械達が何のためのもので、何故それほどのエネルギーを必要としているのかは依然として不明であるが、放っておけばよくないことが起きるのは火を見るよりも明らかだ。そうと知っていて思い通りにさせてやるほど、彼女達はお人よしではないが――。
 カッとブーツの踵を鳴らし、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)が王の正面へ進み出たのはその時だった。
「やあーやあやあ! 先程ぶりだな皇帝陛下よ!」
 余所見をしてくれるなよと嗤って、女は大仰に声を張る。皇帝の視線がじろりと上向いたのを確かめると、アルメアは軍服の胸に手を当てて一礼し、そして続けた。
「では改めて――我が名はアルメア・グラウプナー。故国の危機に馳せ参じた誇りあるドイツ軍人である!」
 狂瀾を帯びた機械の右目は、彼女がサイボーグであることを物語っていた。ほう、と訝るように息を吐き、皇帝は女を一瞥する。
「ゾルダートにあらぬものが、ドイツ軍人を名乗るとは……」
 嘆息に混じり消え入った言葉の先が何であったのかは、定かでない。定かでないが、どうでもいい。ここは戦場だ――司令室ならいざ知らず、戦いの最前線では貴なるも卑しきも関係ない。言い換えればそう、無礼講という奴だ。
 歪めた唇から白い歯を覗かせて、アルメアは嗤った。
「ささあ、共にこの大きな大きな闘争を楽しもうじゃないか!」
 巨大な爆撃槌を手に、女は軽やかに床を蹴り飛翔する。相手は断片の王だ――生半可な攻撃では、傷一つつけられぬまま返り討ちに遭うのが関の山。
(「ならば、それ以上を届けるまで」)
 この手の槌を力の限り叩き込むそのためならば、恐怖はない。躊躇いもない。一直線に玉座へと突き抜けて、アルメアは鉄球を掲げた。そして皇帝の兜を目がけ、渾身の力で振り下ろす――が。
「っ!」
 暖簾に腕を押したように、鉄球がするりと空を裂いた。破裂音と共に焔が広がり、爆風に揺れる金髪を緋く染め上げる。そのさまを一歩下がったところで見つめて、皇帝は剣を振り上げた。
「何をしようと、無駄なことだ」
 感じたのは痛みではなく、熱だった。薙ぎ払う剣圧にそのまま壁際へ弾き飛ばされて、アルメアはかはりと喉を鳴らす。けれど続いて零れたのは、呻きではなく、心からの笑みであった。
「ククク……ハハハ! ハハハハ!」
 血に濡れた手を顔に当て、狂ったように女は嗤う。怒りも悲しみもどこかへ置いてきた身なれども、今は本当に愉しくて仕方がないのだ。
「本当に無駄だと思うか、皇帝陛下よ」
 光のない瞳に映した皇帝の背後から、黒く巨大な腕が伸びた。それは慈しむように男の背を抱いて、その命を吸い上げる。
「む……」
 わずかに顔をしかめた皇帝の後ろには、香宵の姿があった。彼女達は一人ではない――だから一人の力では届かぬ刃も、次へ繋げることができる。
「あなた方に様々なものを奪われた人達のために、私達はここに来たのです。せっかくですので、楽しく殺り合いましょう?」
 その瞬間、黒い腕は掻き消えた。咄嗟に前へ踏み出した香宵であったが、迸る雷の矢はその横腹を切り裂いて、気の遠くなるような痛みと痺れが全身を駆け巡る。
「楽しくやろうと言ったのに」
 せっかちな方ね――そう微笑って、香宵は玉座の裏側へと転げ落ちた。

※重傷者:1名
『アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!

四葩・ショウ
……ふるえが、止まらない
こんなのは、しらない
くやしいな、こんなにもわたしは……ちっぽけなのか
でも
ここまで、来たんだ

とりもどしてみせる!
ネメシス形態へ姿変え
最高時速で【飛翔】し、【エアライド】で玉座への最適経路を見定め
壁際の機械近くにいても
構わず攻撃をするのか、それとも……

一撃だってまともに受けたら
きっと、立っていられない
それでも絶対にあきらめない
あきらめられないから
ドイツ生まれの、守護人形のキミ
……力を、借してね

その刃を届かせる為なら、この身を投げだし
仲間のひとりをディフェンスすることも
躊躇わない
それくらいの"勇気"を胸に
硝子の切っ先を突き立て、『Pieta』

だいじょうぶ
皆で帰るんだ、新宿島へ


平良・明
※連携、アドリブ歓迎

ふらっと、失礼します
やっぱり後ろから見ているのは性にあわないや

観光もする価値もない、王宮と共に滅びるといい
全力の一撃、受けて頂きます

「折り紙」で大量に蝶々を折ってきました
弾幕にして、すべて放出します
時に飛び立て極彩色の蝶の群れ

紙吹雪の斬撃となり、散り咲き切り裂いて
少しでも歩みを止めてやりましょう

敵の雷撃は「斥力」を展開して直撃を避け
この場は皆の積み重ね
私の分が済んでも、まだまだまだ折り重なります


(「……なんて強さだろう」)
 知らない顔も、知っている顔も、一人また一人と倒れていく極限の戦場で、四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は息を呑んだ。
(「こんなのは――しらない」)
 あの夏の日から、早数ヶ月。
 時を超えて色々な国を訪れたし、その度にさまざまな敵と戦ってきた。最初の頃に比べたらずっと上手く戦えるようになったと思っていたし、危ない場面も幾度となく越えてきた。仲間達と力を合わせれば、どんな困難も切り抜けられると思っていた。
 けれど今、痛いほどに思い知らされる。彼女達は今日まで幸運にも、乗り越えられる困難にしか出遭わなかっただけなのだ、と。
(「こんなにもわたしは……ちっぽけなのか」)
 これだけ多くの仲間達が手を尽くしても、当の皇帝は未だ涼しい顔をしている。無力さに震えを止められずにいると――するりと、傍らを抜けていく影があった。
「失礼します」
 振り返って見れば作業着姿の男が一人、すたすたと道端を歩くような自然体で、玉座へ近付いていく。皇帝の正面で立ち止まると、男――平良・明(時折の旅行者・g03461)は、へらりと笑った。
「やっぱり、後ろから見ているのは性にあわないや」
 それは何気なく零れた彼の本心に過ぎなかっただろう。けれどその言葉は、聞く者の耳に妙に残った。制服の胸を掻きむしって、ショウは奥歯を噛み締める。
(「そうだ」)
 何もできずに悔やむのは、もう嫌だから。だから何かができるうちにと、ここへ来たのではなかったか。やっと掴みかけた奪還の糸口を、ここで諦めるわけにはいかない。
(「取り戻してみせる……!」)
 もう迷わない。ためらわない。掲げた硝子の細剣を一息に胸に突き刺せば、その身体は復讐の女神への供物となる。零れる血潮が白い焔となって燃え上がる中で、少女は白百合の天使に変じていく。
 相対する皇帝の視線が背後へ流れるのを感じ取り、明は困ったような声色で続けた。
「ちょっと、無視しないでもらえます? せっかく折って来たんですよ――ほら」
 腕一杯に抱えて見せたのは、色とりどりの折り紙の蝶。それがなんだと言うように睨めつける視線を笑顔の下で睨み返して、明は言った。
「観光する価値もない、この王宮と共に滅びるといい」
 極彩色の蝶の群が、一斉に男の腕から飛び立った。まるで一頭一頭が意思を持っているかのように舞う蝶の翅は鋭い刃となって、一直線に皇帝の元へ飛んでいく。対する皇帝の剣閃は雷となってその群を裂き、術者である明を捉えたかに見えたが――。
 白い翼が羽ばたいた。一気に限界まで加速して、ショウだったものは玉座の前に躍り出る。
(「力を貸してね」)
 たった一撃でさえ、まともに受けたら多分、立ってはいられない。けれどそんな敵が相手でも、諦めない――諦められない理由が、彼女達にはあるから。
 舞い込んだ天使の翼にその意図を悟って、明は眉を寄せた。そして手元に残った蝶達を一頭残らず飛び立たせる。
「全力の一撃、受けていただきます」
 耳を裂くような高音と共に、天使の翼が白く明るく燃え上がる。雷に打たれてもなお迸る聖火は、錦の蝶達と共に皇帝の甲冑に傷跡を残した。
「――ぁ……」
 眩い光はやがて収まり、天使は少女の姿に戻って瓦礫の中へ墜落する。痛いほどに拳を握り込んで、しかし視線を逸らすことはなく明は言った。
「この場は皆の積み重ねです。……彼女も、私も、誰もが礎になって折り重なる」
 たとえ穿った瑕は微かでも、そこから路を切り拓ける可能性があるのなら。
 取り返そうともがく復讐者達の歩みは、誰に止めることもできないだろう。

※重傷者:1名
『四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【一刀両断】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV9になった!

逆叉・オルカ
…断片の王よ、あんたに聞きたいことがある
きっと訪ねる機会は、今が最後だから聞きたい。それが無茶振りで意味のない好奇心からくるものとしても
あんたはこの世界をどうしたかったんだ。ただドイツが戦争で負けたくないだけなら、その夢は叶ったはず。だが、今もなお戦い続けてる

その先に何を望んだんだ。その夢を知りたい

聞いたところでこの戦いは変わらないけども
俺たちにも、掴みたい未来があるから
託されし願いが、確かにここに

解答があれば礼を言い、銃の引き金を引く
寿命を奪う弾丸で、僅かでも敵にダメージを
敵からの反撃は、神速反応で直撃を回避
更に防御ガジェットで回避しきれない分を軽減
水の壁で雷撃の分散を試す

…お互い命懸けだな


 王よ、と呼ぶ声がしたのは、その時だった。
「あんたに聞きたいことがある」
 蒼海の如き双眸で真っ直ぐに玉座の皇帝を見つめ、逆叉・オルカ(オルキヌスの語り部・g00294)が言った。
「あんたはこの世界をどうしたかったんだ?」
 何も生まない問いだということは分かっていた。答えを得られるかも分からないし、得られたところで状況が好転するわけでもない。そこにどんな深謀遠慮が巡らされていたとしても、目の前の男は侵略者だ。奪い返さんと抗う復讐者達とは決して相容れることがない。
 しかし、断片の王が目に見え、声の届くところにいるなどとは、今後二度とあるかないかの状況だ。意味のない好奇心から来るものだとしても、問わずにはいられなかった。
「ただドイツが戦争で負けたくないだけなら、その夢は叶ったはず。だが、今もなお戦い続けてる。……その先に何を望んだんだ」
 その夢を知りたい、と、男は言った。
 数多の時代の数多の国で、星の数ほどの願いを託された彼等が在るべき未来を掴もうと足掻くように、この男にも、戦い続けるだけの理由があるのだろうか?
「――妙なことを訊く」
 カツンと剣の先を床に突く冷たい音と共に、金色のオーラが機械の群に流れ込んでいく。居並ぶ復讐者達を無機質な瞳で見据えて、王は言った。
「戦いはまだ、始まってもいないではないか」
 剥き出しの肌が焼けつくような闘気に、背筋がざわついた。咄嗟に構えた銃の引き金を引けば、白く耀く氷の弾丸が一直線に空を裂く。しかしそれは男の胸を射抜くよりも速く、甲冑の手に握り潰されていた。返す手で振るう剣から翔ぶ雷撃は、防ごうと思って防げるものではない。
 飛び込むように床へ転げてどうにか直撃だけはかわし、オルカは皮肉な笑みを浮かべた。
「……命懸けだな」
 お互いに、と呟く声は、瓦礫の隙間へ消えていった。
苦戦🔵​🔴​🔴​

エレオノーラ・アーベントロート
【奴崎組】
――気に入りませんわね。

過去の恨み? 帝国の圧政?
元よりそんなものはどうだって構いませんわ。
この期に及んで余所見をするあなたの傲慢が気に入らないと言っていますの。
死んで後悔なさいませ。

「魔力障壁」で防護をし、【飛翔】を用いた急加速で皇帝の剣の一撃を避け、「フェアレーター」からの砲撃で前衛で戦う組長さん達の援護と「攪乱」。
攻撃を受け手足が動かなくなった場合「念動力」で無理やりにでも動かしますわ。
仲間の攻撃でチャンスを生み、最大まで高まった【命中アップ】で放つ「第二十五の魔弾【惨劇】」でその無駄に派手な鎧ごと「破壊」して差し上げましょう。

皇帝だか何だか知りませんけれど――頭が高くてよ。


アストリッド・ヴァルトシュタイン
【奴崎組】
アドリブ、連携、出血歓迎
なにぶん、鉄砲玉(ヒットマン)ですので後先なんて考えません。
わたしが走った後に道が出来るのです。
せいぜいハデに風穴ぶち開けてご覧に入れよう。

稲妻の如き剣、改造された肉体。
全てにおいてこの生身の敵う道理なし。
ですが、ほんの一瞬くらいならパラドクスで強引に届かせる。
わたしはとても運の良い子供なのです。
その太刀筋掻い潜り、デカいの(パンツァーファウスト)ブチ決めましょう。一発ぶつけりゃ大万歳。
二の太刀食らわす皆様がその隙狙って構えております。
鉄砲玉は振り返らない。後ろを見ずとも分かります。

ヴィルヘルム2世。
その生命(タマ)、この弾丸(タマ)にて獲らせて貰いますッ!


リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
エネルギー供給を優先するのなら、防御を任せ、攻撃する時間さえも惜しむ。
時空を強く歪めて行える反撃に専念するのが効率的、か。
ふん、理には適っておるが……エレオノーラの言う通りよ。
目の前の敵を見ておらぬ者が、戦いに勝てると思うてか?
我は龍。我こそはドラゴン。我ら、奴崎組!
征くぞ、ヴィルヘルム2世よ!

アストリッドが切り開いた道を駆け抜けよう。
心配はせぬ。ぬしの後は我が継ぐ。
我がブレスを《全力魔法》で凝縮し撃ち込もうぞ。
来ると分かっている反撃は《戦闘知識》を活かし、《一撃離脱》と《空中戦》、《飛翔》で致命傷だけは避け、戦闘続行よ。
皆の仕込みが完了するまで矢面に立ってやりたいのでな!


ア・ンデレ
【奴崎組】
「おまたせしました。しんうちとうじょう、アンデレちゃん!」
奴崎組の皆に少しだけ遅れて、アンデレちゃんが登場だ。
鬼神変により巨大化させた腕を掲げ、アンデレちゃんは叫ぶ。

「たいするだけで、つたわってくるパワー、すさまじい。
でも、やつざきぐみのパワーは、それよりつよい。」
奴崎組はここにいるメンバーだけじゃない。
ここにいない、奴崎組の、友達のパワーを、アンデレちゃんはアンデレメダルを通じて受け取ることができるのだ。
アンデレメダルが赤く光る。
アンデレちゃんの目も赤く光る。

「やつざきぐみのパワー、うけとれ!」
限界を超えたそのパワーで、アンデレちゃんはヴィルヘルム2世に殴りかかる。


「……ふむ」
 甲冑の腕に刻まれたか細い瑕を見つめ、皇帝ヴィルヘルム2世は俄かに眉をひそめた。一度は亡ぼしたというのに、執拗で諦めが悪い連中だ――個々の力はさほどでないとはいえ、玉砕も厭わず飛び込んでくる覚悟とそれが成り立つだけの数を、有象無象の雑兵と斬り捨てるのは些か危うい。そう、考え始めた矢先のことだ。
「――気に入りませんわね」
 思案する男の耳に、鈴の音を鳴らすような声が届いた。見渡せば瓦礫や柱の影から数人の復讐者達が進み出て、黄金の皇帝を取り囲む。
「過去の恨み? 帝国の圧政? ……元よりそんなものはどうだって構いませんわ」
 不快感を隠そうともせず、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)が言った。肩の上で波打つ髪をはさりと背へ流し、娘は続ける。
「この期に及んで余所見をする、あなたの傲慢が気に入らないんですの」
 冷やかにそう口にして、エレオノーラは片手で易々と長大なレールガンを取り回す。掲げた銃口で放つのは、分裂の魔弾――対する皇帝の剣は空間を飛び越えて、魔弾ごと娘の手足を斬り裂いた。激痛に一瞬、意識を飛ばしそうになりながらも、気力で踏み止まってエレオノーラは吼える。
「皇帝だかなんだか知りませんけれど、頭が高くてよ!」
 響き渡る声に背を押され、復讐者達が一斉に動き出す。走りながら手にしたパンツァーファウストを皇帝の頭蓋へ向けて、アストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)は声を張った。
「ヴィルヘルム2世! その生命(タマ)、この弾丸(タマ)にて獲らせて貰いますッ!」
 稲妻の如き剣に、改造された肉体。そのすべてに於いて、生身の人間が敵う相手ではない。だが彼女は復讐者であり、ヒットマンだ。昨日のことも明日のことも、いちいち考えてなどいられない。時空も理すらも歪める逆説の力で、彼女は彼女の銃弾を届けるまでだ。
(「わたしは、とても運の良い子どもなのです」)
 きっと今日も、生き延びてみせる。
 スピードを一段上げて皇帝の眼前へ走り込み、アストリッドは手の中のボタンを押し込んだ。破裂音と共に飛び出した擲弾は白い煙の尾を引いて、至近距離から黄金の甲冑の胸を狙う――しかし。
 黙して立つ皇帝が、動じることはなかった。次の瞬間、音もなく振るう剣が擲弾を払い、そのまま少女の小柄な身体を斬り飛ばす。
 瓦礫の山へ強かに打ち付けられて血痰を吐き、アストリッドは唇を噛んだ。この力の及ばぬことが、悔しくないといえば噓になる。けれど。
(「わざわざ振り返って見なくたって、分かるんですよ」)
 彼女が走れば、道ができる。その道を通って、仲間達が先へ進む。一人の力では開けられない風穴も、きっと彼らとならば。
 浴びせる二の太刀、三の太刀は、必ず敵の力を削いでくれる。駆け抜けてゆく仲間の背中を見送って、少女は意識を手放した。
「アストリッド……!」
 一瞬、その姿を振り返って、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は少女の名を呼んだ。しかしすぐさま前へ向き直ると、険しい表情で瞳を細める。
(「ぬしの後は、我が継ぐ」)
 頑丈なのが復讐者の取り柄だ――心配は要らない。重要なのは案ずることではなく、彼女が開いた路をふいにしないことだ。
 黒い竜翼で宙を裂き、少女は玉座の側方へ回り込む。またその反対側からは、ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)が迫っていた。
「おまたせしました! しんうちとうじょう、アンデレちゃんっ!」
 巨大化させた両腕を真っ直ぐに掲げて、赤鬼の少女は快活に笑う。近づくに連れて肌を焦がすような皇帝の覇気は凄まじく、その実力を窺わせるが、敵が強大であるということは何も退く理由にはならない。
 翼を一つ打って空中で制動し、リューロボロスは噛みつくように言った。
「どうあっても、自分からは動かぬ気か」
 仁王の如く堂々と立つ皇帝は、相変わらず、自ら仕掛けるつもりはないらしい。エネルギー供給を優先するために防衛を他者に任せ、自身は攻撃のための時間さえも惜しむ――あくまで反撃に徹するその姿勢は目的からすれば理に適っているのかもしれないが、小馬鹿にされているようで良い気がしないのは確かだ。
「目の前の敵を見ておらぬ者が、戦いに勝てると思うてか!」
 大きく吸い込んだ空気は、幼い竜の身体の中で業火となって渦を巻く。碧い焔の吐息を零して、リューロボロスは叫んだ。
「我は龍。我こそはドラゴン。我ら、奴崎組!」
「ここにいないみんなのパワー、まとめてうけとれ!」
 円く紅い瞳を爛々と光らせて、ア・ンデレは異形の腕を振り下ろし、リューロボロスは竜のブレスを噴きつける。今できるありったけをぶつけた、否、己が限界を超越した渾身の一撃――よもや仕留めたかと誰もが息を詰めた、その瞬間。
「!」
 煌々と燃える炎の中から伸びる剣が、二人の少女を羽根の如くに吹き飛ばした。避ける暇もなく弾かれた身体は、放物線を描いて瓦礫の山へ激突する。
 竜よ、と墜ちた娘に呼び掛けて、皇帝は床に剣を突いた。
「お前の言うことは、正しい」
 それは、地の底から響くような声だった。全身から立ち昇るような金色の闘気を滾らせて、皇帝は重々しく続ける。
「ディアボロス風情と見くびったことは詫びるとしよう。……少しはできるようだ」
 その腕は、自ら剣を振るわない。しかし見開かれた王の瞳は、今、真っ直ぐに復讐者達を見据えている。

※重傷者:1名
『アストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【隔離眼】がLV2になった!
【建造物分解】がLV6になった!
【熱波の支配者】がLV3になった!
【怪力無双】がLV5になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV10(最大)になった!

アデレード・バーンスタイン
アドリブ、連携歓迎です。
これが断片の王…恐ろしく強大な敵ですが…他のディヴィジョンにもかの皇帝と同等、或いはそれ以上の存在がいる以上…必ず乗り越えなくてはいけない敵…。
いくら強力であろうと逃げるという選択肢はわたくし達にはございませんわ!
相手の剣は厄介ですが雷撃を撃つ瞬間剣を突き出すため武器を振るうには一瞬遅れるはず…。
自分、または仲間に雷撃を放ったその隙をついて一気に【ダッシュ】にて敵の懐に入り素手に破壊の念動力を込めて【デストロイスマッシュ】をぶち込みます。
攻撃の命中と同時に【グラップル】で掴み怪力で相手を投げ飛ばすことにより少しでも玉座にエネルギーを注ぐ時間を削ることを狙いますわ!


鳥居・祐介
アドリブや連携、苦戦描写等も歓迎です。

こいつが断片の王ですか…。
雰囲気だけでヤバいってやつだってわかりますね!
ホントこんなのと戦うなんて勘弁して欲しいですが…ボクだってやるときゃやりますよ!
正直戦場は開けてるし相手に不意打ちもフェイントも効きそうにないのでやりづらいったらありゃしないですが…ボクの幸運を皆さんにお裾分けして残留効果の【アヴォイド】を付与して少しでも仲間の即落ちを防ぎます。
ボクの袖の中の暗器を出し惜しみなく全て放出して【投擲】し弾幕を張ります。
一人一人の力は小さくともボクらの目的は玉座のエネルギー供給をさせないこと。
大技を出し惜しみなく出し、こちらとの戦闘に集中させましょう。


「これが断片の王……」
 目が合うだけで射殺されそうな眼光の主を見つめて、アデレード・バーンスタイン(エルフのデストロイヤー・g05838)はごくりと息を呑んだ。その隣で、鳥居・祐介(人間のバウンサー・g05289)もまたうはあと舌を巻く。
「雰囲気だけでヤバいってやつだってわかりますね! なんか、本気モードに入っちゃったみたいですし……」
 招かれざる客達をディアボロス如きと侮った王は、もういない。獅子搏兎、ひとたび敵と見定めれば相手を見据える双眸に驕りはなく、剣を手に立つその姿には一分の隙もない。
 細い手をきゅっと握り締めて、アデレードは言った。
「恐ろしく強大な敵ですが……他のディヴィジョンにもかの皇帝と同等、あるいはそれ以上の存在がいるのです」
 乗り越えるべき壁は、遅かれ早かれ復讐者達の前に立ちはだかっていた。それが偶々今日、このドイツでだったというだけのことだ。ここで背を向けてしまったら、他の地域を取り戻す日はますます遠ざかることだろう。
「いくら強力であろうと、わたくし達に逃げるという選択肢はございませんわ!」
 参りますと意気込んで、アデレードは駆け出した。溜息一つ肩を竦めて、祐介もそれに倣う。本音を言えば、こんな化け物と戦うなど謹んで遠慮したいところだが――。
「ボクだって、やるときゃやりますよ!」
 駆け抜ける戦場は広く開けて、見通しは悪くなかった。山のように連なった親衛隊も今はなく、復讐者達と断片の王を隔てるものは何もない。
(「やりづらいったらありゃしないですが……!」)
 だからといって、やらない道もなし。共に戦う仲間達の幸運を祈りながら、祐介は白く大きな袖の中から大小さまざまの暗器をずらりと取り出して両手に持ち替える。
(「何の機械だか知りませんけど、これ以上エネルギー供給をさせるわけにはいきません」)
 一人一人の力は小さくとも、束になって躍り掛かればその瞬間だけは、皇帝もこちらに注意を向けざるを得ないはず。
「出し惜しみせずに行きますよ!」
 ダガーに鉄球付きチェーン、発条仕掛けの長槍に手榴弾。可愛らしい外見に反して可愛くはない暗器の数々を、少年は次々と皇帝に向け投げつけていく。そうすることで少しでも、共に挑む仲間達の礎になれるなら。
 飛び交う刃を次々に弾きながら、皇帝はその手の剣を掲げた。その一瞬の『振り』を狙って、アデレードは地を蹴り距離を詰める。
(「この機を――無駄にはいたしません!」)
 奔る刃が少年を狙う刹那を見計らって、エルフの娘は皇帝の懐へ飛び込んだ。その細い指先にありったけの念動力を乗せて、突き出す掌底が甲冑の横腹を捉える。あわよくばそのまま組みついて、玉座から投げ落としてしまえたら、と、思ったが。
「っ!」
 ヒュ、と風を切る音がした。淡い緑の髪をした少年の身体が視界の端で宙を舞い――黒鷲の剣が戻ってくる。腹部に奔る熱にも似た痛みと衝撃に弾かれて、華奢な身体は瓦礫の中へ叩きつけられた。髪に飾った桃色の花が遠ざかる天井にふわりと散るのを茫洋と眺め、アデレードは伸ばしたままの右手を見る。
(「無駄では……ありません」)
 目には見えづらくとも、一つ一つの積み重ねはやがて大きな流れを呼び寄せる。その掌には、軋んだ甲冑の確かな手応えが残っていた。

※重傷者:2名
『アデレード・バーンスタイン(エルフのデストロイヤー・g05838)は重傷を負った』
『鳥居・祐介(人間のバウンサー・g05289)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

一里塚・燐寧
【博物館】で参戦希望(分割・アレンジ歓迎)

「戦いはまだ始まってない」って?
そりゃ残念だねぇ皇帝くん
今ここできみは、スタートラインにすら立てずに倒れていくんだからねぇ!

『呪式:慟刻業刃』を発動
【呪詛】の鬼火纏う巨大鎖鋸剣を手に突撃し
敵を覆う金の装甲の隙間にねじ込む様に切っ先を突き刺すよぉ!
皇帝を体内から【粉砕】せんと轟音上げて唸る回転刃
鋼の絶叫に、剣に宿る人々の怨念の声が混じっていくんだ

あたし達は『復讐者』だっ!
背負ってるのは、きみたちにやられたすべての人の怒りなんだよぉ!

反撃には【残像】引くほどの素早いバックステップで回避を試みた後
【肉体改造】で耐久性を増しながら刀身を盾代わりにして耐えるよぉ


ブラッディ・アロ
※アドリブ連携歓迎

いよいよ本番た!
さあ、断片の王の実力、是非見たい!

お前たちが誇る精密机械が、純粋な暴力を止められるか

血は根源、余に力を与え!鮮血残響「原初ノ血」!

体を赤い鎧で覆い
残留効果で身体能力をさらにアップ

勝利は先にしかない
後ろ向きにならない
勝利や栄誉
後方にはそんなものはない!!

回避や攻撃の結果を考えない
ただその一撃に全霊を全力で加える!

地面を踏みしめて突進した
真っ赤な鎧で覆われた腕をヴィルヘルム2世の体に全力で叩きつける
純粋な力で相手の体を破壊する

あとのことは、仲間に任せよう!


九十九・静梨
【博物館】で参加

こちらを見据えたその本気の目に怯えはしません
あの日わたくしは全てを失った
それはこのドイツにおける人々も同じ
ならばこそ!我が身を賭けてでも取り戻す!
それが大きな一歩になると信じて!

◆呼吸法を整えて脱力
王の高速の一撃に対し精神を全集中
攻撃に【神速反応】し即パラドクス発動
脚部筋肉を超強化し一気に踏み込むと同時に【飛翔】で並行に飛び突進しダブル加速
攻撃は受けても急所だけは避ける狙いで懐へと突っ込みますわ

突っ込むと同時に今度は腕部筋肉をパラドクスで超強化
ドリルモードにした螺旋砕腕を王の体を◆粉砕◆破壊しながら突っ込んで
筋肉バランスを戻し我が身を楔にする事で
仲間の為に王の動きを制限しますわ


●VIERTER AKT, ZWEITE SZENE
 ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世。空を裂き、雷を喚ぶその剣は圧倒的な力で以て、敵対者達を斬り払う。しかしそれでも、押し寄せるディアボロス達の攻勢は止まらない。
「戦いはまだ始まってないって? そりゃ残念だねぇ皇帝くん」
 淡いピンクのサイドテールを靡かせて瓦礫の山の上に立ち、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は皮肉たっぷりに口を開いた。
「今ここできみは、スタートラインにすら立てずに倒れていくんだからねぇ!」
 一人で駄目なら二人で、三人で。敵が本気を出したからと言って、やるべきことに変わりはない。寧ろそうでなくてはと、ブラッディ・アロ(鮮血ノ王・g05921)は尊大に小さな胸を張る。
「いよいよ本番だな! 断片の王の実力、是非とも見てみたいものだ!」
 伸ばした手の指先から、ぽたりと一滴の血が落ちた。それは彼女の力の根源たる、『原初の血』。次第にかさを増す流体はやがて、鮮紅の鎧となって少女の身体を覆っていく。
(「さて、これでどう転ぶかは分からんが」)
 重ねた残留効果のためか身体の調子はすこぶる良いが、それでも上回れるかどうかの相手だ。しかし後ろ向きになることはなく、少女はあくまでも不敵に、黄金の皇帝に対峙する。慢心はしないが、恐れもしない――なぜなら勝利や栄光といったものは、背にした側には決して存在しないからだ。
「この暴力、お前達の機械で止められるか――試してみよ!」
 返す刃を避けることすら、考えてはいなかった。やってみて、得られたものが結果だ。だから今は、その一撃に全身全霊を込めるのみ。
 足元の瓦礫を削るほどに強く蹴りつけて、紅い少女は皇帝の元へ一直線に飛び込んだ。振り上げた両腕に全体重を乗せて、兜を被った脳天を目がけ力いっぱい振り下ろす。しかしその腕はわずかの差で黒鷲の剣に阻まれた。
「!」
 瞬間、薙ぎ払う刀身に掬われるように、少女の身体が宙を舞う。ひび割れた赤い鎧は粉々に砕け散り、飛沫に変わって白い頬を飾った。
 骨の砕けるような衝撃に顔を歪めつつも、ブラッディは口角を上げ、視界の片隅に映る姿を一瞥する。
「あとは――任せる!」
「ええ、お任せを!」
 バトンは、確かに受け取った。力強く頷いて、九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)が走り出す。今日まで苦楽を共にしてきた仲間達が次々と倒れていく光景に、全くプレッシャーを感じないといえば嘘になるけれど――。
(「あの日わたくしは、すべてを失った」)
 あの日を境に、彼女の家族は消えてしまった。新宿にいた彼女だけが難を逃れたけれど、一人生き残ったからといって喜べるはずもなかった。愛する人々を奪われる悲しみと怒り――無力な自分への憤りが、今の彼女を支えている。この国に直接の縁があるわけではないけれど、それが誰かにとって大切な場所であるならば同じことだ。
(「ならばこそ! 我が身を賭けてでも取り戻します!」)
 世界を奪還する、果てしない旅の大きな一歩。決して、踏み外すわけにはいかない。大きく息を吸い込んで乱れた鼓動を整え、静梨は超強化した脚力で瓦礫の山を踏み切った。そのまま狙い澄ました一矢の如く水平に広間を突き抜けて、皇帝の懐へ肉薄する。睨み返す眼光がいかに鋭く威圧的であろうとも、恐怖はなかった。
「我が魔の筋肉は可動にして超動ですわ!」
 全力を乗せて捩じり込む右腕は、螺旋のように王の甲冑を粉砕する――はずだった。しかし男はわずかに身を引いて勢いを殺し、手にした剣の腹で少女を容赦なく薙ぎ払う。
「静梨ちゃ……!」
「気にしてはだめ!」
 前を向いてと弱々しく、けれど毅然と言い残し、静梨は荒れ果てたタイルの床へ墜ちていく。弾かれたように玉座の方へ向き直り、燐寧は唇を噛んだ。
(「これが皇帝の……断片の王の、本気」)
 これでも今日までさまざまな修羅場を潜って来た方だ、と思う。しかしそんなディアボロス達を赤子の手を捻るようにいなすのだ――やはり、一筋縄ではいかない。ならばと燐寧は覚悟を決めて、手にしたチェーンソーを握り締める。機構部に施したリミッターを外せばたちまち、唸る刃から禍々しい紫焔が立ち昇った。
「あたし達は、『復讐者』だ……」
 解放された濃密な呪力は、持ち主である燐寧の身体さえ蝕む諸刃の剣だ。しかしここに至っては、出し惜しみしてはいられない。紅い瞳に託された怒りを煌々と燃やして、少女は吼えた。
「背負ってるのは――きみたちにやられた、すべての人の怒りなんだよぉ!」
 回転する刃の唸り声は、剣に宿った人々の怨嗟の叫びに等しい。しかし甲冑の隙間へ捩じ込むように突き出した剣は、ほんのわずかな差で空を切る。黄金の皇帝は後方へ跳躍するとそのままブースターの出力を上げ、少女を目がけて加速した。その速さは、避けようと思って避けられるものではなかった。
「くっ」
 辛うじて武器を盾のように掲げてはみたがその衝撃は殺し切れず、華奢な身体が軽々と宙を舞う。全身に響く痛みと悔しさに眉を寄せて、燐寧は破れんばかりに拳を握り込んだ。
(「だけど、もう少しなんだ……!」)
 届かなくとも、ゼロではない。やったことは、やらなかったことにはならない。傷つくことを恐れないその勇気は、必ずや次のチャンスを引き寄せるだろう。

※重傷者:2名
『ブラッディ・アロ(鮮血ノ王・g05921)は重傷を負った』
『九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

トロワ・パルティシオン
部屋の周縁部を観察し、特に重要そうな機械を背にしよう。
相手が反撃する際、機械への被害を嫌って躊躇うようにね。
その一瞬が命取りだよ。

僕らが断片の王に勝っている部分。それは感情、心の強さだ。
そして感情を力に変えるのはクロノヴェーダの専売特許じゃない。
マルツィアーレ、チャージ開始。
この場のディアボロス全員の想いを一発の弾丸に込めて、断片の王へと届かせよう。

ゾルダートは『戦争』を糧にする。この戦いも一種の戦争と言えるかな?
けどね。大切なものを奪われた僕らの悲しみを、悔しさを、何より怒りを。糧に出来るとは思わないことだ!
奏でろリトルオーケストラ、響き渡れ勝利の凱歌!
その黒鷲、ここで撃ち砕く!


渦中・浪刃
※連携・アドリブ歓迎

ようやくこちらを向いて頂けましたね
お相手願います、皇帝よ

私の場合、お世話になっている子がこちらに向かったことが理由の一つでもありますが…
どこに属する者であったとしても、貴方の対岸に立つ我等の主な目的は同じでしょう
必ず奪い返す
これはその為の力であり、その為の命
後はこの力を全力で振るうのみ

【飛翔】を保つ
『伝承知識』『観察』『情報収集』で敵の情報を集め、僅かな隙を『看破』
私の【伝承戦術】がどこまで通じるか
片影を皇帝の目を狙い『投擲』、哭切で『斬撃』

ひとつでも多くの情報を集め周囲に注意喚起しましょう
確実に次に繋げていく為にも
そうすれば強い想いを持つ者達が、必ずや成し遂げてくれるはず


「ようやくこちらを向いていただけましたね。もっとも……それが良かったのか、悪かったのか分かりませんけれども」
 零れた溜息は、率直な感嘆と畏怖の証だった。刻々と移ろう戦況を見つめて、渦中・浪刃(渦隠・g02250)は呟く。
 意識を前に向けただけ。それなのに、ただでさえ速かった反応はいっそう速くなり、剣の振りも、雷の威力も増している。神は乗り越えられない試練は与えない、などと言うけれど――はてさて、どうしたものか。
 タイル張りの床を蹴って天井付近まで上昇し、紅翼の悪魔は玉座の皇帝へと呼び掛けた。
「先程は友人がお世話になったようですね。我々がどこの手の者かとあなたはお尋ねになりましたが、どこに属する者であったとしても、我等の主な目的は同じでしょう」
 奪われたものを奪い返す。復讐者達の目的はシンプルにして一つだ。与えられたすべての力と命は、そのためだけにある。つまり――後は、全力で振るうだけ。
「お相手願います、皇帝よ」
 狩衣の袖から滑るように飛ばした棒手裏剣を追うように、浪刃は魔力の翼を羽ばたかせた。鷲の剣が手裏剣を弾くくらいは想定済みだ。ならばと抜き放つ黒い刃で、そのまま皇帝へ斬りかかる。しかし鋭い一閃は掲げた剣で真正面から受け止められ、それ以上は動かすことができなかった。
「く……!」
 力任せに振り払われれば、決して小柄ではない青年の身体は羽根のように吹き飛ばされ、豪奢な柱へ激突する。反射的に咳き込んで、浪刃は玉座の男を睨んだ。どうすれば有効打を与えられるのか――そう、痛みに耐えて考えを巡らせていると。
「ゾルダートは『戦争』を糧にするそうだね。この戦いも一種の戦争と言えるかな?」
 広間の側方から、よく通る少女の声がした。じろりと動いた皇帝の視線の先を追えば、そこにはトロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)の姿があった。その背後では、怪しげな機械の山を照らして無数のランプが点滅を繰り返している。
「けどね――大切なものを奪われた僕らの悲しみを、怒りを、糧にできるとは思わないことだ!」
 腹の中へ入れたら最後、この怒りは内側から胃壁を食い破る。たった一人の皇帝に、力でも、速さでも及ばないけれど、その心の強さでならば――復讐者達は、何者にも負けない。
「その黒鷲、ここで撃ち砕く」
 弾倉に弾を込める小さな音が、やけにはっきりと耳につく。リボルバーの銃口を真っ直ぐに皇帝の左胸に向け、トロワは菫色の双眸を細めた。
「奏でろ! リトルオーケストラ!」
 どこからともなく響く凱歌に乗せて、想いの弾丸が宙を裂く。それは惜しくも皇帝の剣に弾かれたが、彼女の思惑は別にあった。
(「さあ、来るなら来るといい」)
 ディアボロス達がこの広間に踏み込んだその時から、皇帝はずっとこの機械群にエネルギーを注いでいた。裏を返せばそれは、これらの機械が相手にとって重要なものだということだろう。ならばこれを背にしていれば、反撃の手が緩むのではないか――と、思ったのだ。
 だが。
「!!」
 伸びる雷撃に、ためらいはなかった。一直線に迸った青白い電撃は周囲の機械には触れることなく、ただ少女の胸だけを刺し貫く。気の遠くなるような痛みに奥歯を噛んで、トロワは乾いた笑みを零した。
「まったく――でたらめな性能だな」
 これといった弱点もなく、攻撃も完全にコントロールできるなんて、対処のしようがない。
 無駄足かと自嘲気味に口にして、トロワはその場に膝をつく。しかしその呟きを耳に止め、浪刃は瓦礫に背を預けたまま、いいえと首を横に振った。
「分かったことは、あります」
 負け惜しみのように聞こえるかもしれないけれど、そうではない。彼らの行為は無駄ではなく、一つの事実を教えてくれたはずだ。届いた声にそうかと頷いて、少女は安堵の中に意識を手放した。
 本気の皇帝を前に、搦め手の攻撃は通用しない。奇跡をもたらすものがあるとしたら、それは、傷も痛みも恐れぬ勇気と結束に他ならないだろう。

※重傷者:1名
『トロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

咲初・るる
金ぴかでバッチバチだねえ
おお怖い怖い、なんて恐れ飲み込み強がりを

馴染み無いだろう和洋折衷装束なびかせ
ごきげんよう、王様
なあに、ちょっと遠い所からやって来た
奪還者とでも思ってもらえれば充分さ

鐘の音響かせ、花散らす
先読みの祝福と
痛みと傷促す呪いを贈ってあげよう
少しでも攻撃が通りやすくなれば僥倖

空駆け動き止める事なく
距離はなるべくとっておきたい
接近戦は得意じゃないんだ

敵から視線逸らさぬよう
突き出す剣の先を観察し、見極め
雷放つタイミングで【神速反応】と【飛翔】で回避行動を

ボク一人では反逆の刃を
喉元に突き立てることはきっと出来ない
だから
後ろに続く仲間達に託すよ

知っていたかい
ボクらは面倒な程に執念深いんだ


無堂・理央
無双馬『クロフサ』に騎乗、パラドクスでガンランスを生成。
ガンランスに装填する弾は一発だけ、その一発に【託されし願い】を、歴史の奪還の願いを込める!
やる事はただ一つ、真っ直ぐ皇帝へ突撃する!
ボク達の明日を取り戻すこの戦い、ゾルダートの明日を奪う戦いと同じ。

ガンランスはランス形態、最大速度でガンランスを皇帝に突き立てる!
けど、この世界の明日を奪ってでもボク達の世界の明日を取り戻す!

突き立てたら、そのままガンランスの砲撃機能展開!
その為にボク等は、ボクは何度だって立ち向かう!

反撃の雷撃に歯をくいしばって耐えて、【託されし願い】を込めた一発を至近距離で撃ち込む!!
皇帝ヴィルヘルム2世!覚悟ぉぉぉお!!


「金ぴかでバッチバチだねえ。おお、怖い怖い」
 背筋に冷たい汗が伝うのを感じながら、咲初・るる(春ノ境・g00894)はおどけたように言った。目に見えた強がりも、張り通せば本当になるものだ――そう自分に言い聞かせながら、和洋入り混じる浅葱の袖を靡かせて、天使は玉座の上方へ泳ぎ寄る。そして胸に手を当てて一礼すると、芝居がかった口調で続けた。
「ごきげんよう、王様。そう怪訝な顔をしないでおくれよ? ボクらのことは、そうだな――ちょっと遠いところからやって来た、奪還者とでも思ってもらえれば充分さ」
 告げるや否や両翼で空を打ち、るるは皇帝の傍らをすり抜ける。右へ左へ絶えず動き回るのは、捉えられたくないからだ。手にしたハンドベルの不規則な音色は、早鐘を打つ胸の鼓動にも似ている。
(「こんなことをしたって、気休めかもしれないけれど」)
 一人の力では、多分、あの鎧に傷一つ穿つことはできないのだろう。それは先に挑んだ仲間達が教えてくれた。ならば、彼女がすべきことは――できることは、一つだけ。
 響く鐘の音に合わせて散る白い春花は、同胞には先読みの祝福をもたらし、敵対者には呪いを贈る。訝るように頭上を仰ぐ皇帝が手中の剣を握り直すと、その切っ先がばちりと青い火花を散らした。
(「……来る!」)
 緊張に身体を強張らせながらも、視線を逸らすことなく、るるは剣の示す先を見定める。被雷は免れないだろう――けれど射ち出される雷を少しでも長く持ち堪えれば、それだけ仲間達の好機になる。たとえそれが、ほんの一秒にも満たないわずかな時間であってもだ。
 無論、抵抗は長くは続かない。奔る雷は天使の翼を捉え、絹を裂くような悲鳴と共に少女は床へと墜落する。しかし意外にもその唇は、淡い笑みを刷いていた。
「知っていたかい、皇帝陛下」
 広がる亜麻色の髪の向こうに無機質な天井を見つめたまま、るるは続けた。
「ボクらは面倒な程に執念深いんだ」
 振り上げた反逆の刃は、必ずやその喉元を貫くだろう。
 呪いにも似た予言に眉をひそめ、黄金の皇帝は剣を下げた。しかし黙考する男の耳には、未だ届いていなかったのだ――荒れ果てた床を踏み越え駆ける、勇ましい蹄の足音が。
「皇帝ヴィルヘルム2世! 覚悟ぉぉぉお!!」
 はっと見開いた皇帝の瞳に、映り込んだのは一頭の黒馬。その背で左手に手綱を、右手に一振りのガンランスを握り締め、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は一路、玉座の間を突き抜ける。
(「ボク達の明日を取り戻す戦いは、この世界の明日を奪うことになるのかもしれないけど――」)
 それでも、立ち止まるわけにはいかない。
 奪われた人々の願い、倒れていった仲間達の想い、託された願いのすべてを受け取って、彼女はここへ来たのだから。
 まともに反撃を受ければ、ただの一撃とて立ってはいられないだろう。ならば外せない一発に、すべてを込めるのみ。一発分の弾だけを込めた砲槍を掲げ、理央は吼えた。
「歴史を、奪還する!」
 そのためなら何度、雷に打たれても。何度、切り裂かれても。彼女は――ディアボロス達は、立ち上がる。
「うおおおおっ!!」
 高い天井を鬨の声に震わせて、理央は愛馬と共に最高速度で皇帝の玉座に突撃する。衝突の間際、弾けた雷撃は少女の体を白い光に包んだが――。
(「っ……絶対にこの一発は……!」)
 この一発だけは、外せない。軋るほどに歯を食い縛り、理央は砲槍の先端を緋色の外套へ突き立てる。瞬間――その先端が、爆ぜた。
「…………え」
 爆風が髪留めを吹き飛ばし、黒い三つ編みがぱらりと解ける。円い瞳を瞬かせて、少女は惚けた声を上げた。聞き間違いでないのなら――彼女が耳にしたそれは。
 低くくぐもった呻き声は、その日復讐者達が初めて耳にした、皇帝ヴィルヘルム2世の苦悶であった。

※重傷者:1名
『咲初・るる(春ノ境・g00894)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!

飛鳥・遊里
【博物館】連携

さあ、残るは首魁であるアンタだけだ。頼れる部下は殲滅済み。退路もない

アンタはきっと、俺たちディアボロス【如き】と侮ったんだろう。その気になればあっさりと吹き飛ばせるとタカをくくってさ

知ってるか?そうした慢心で敵を過小評価して逆襲された国や軍がどれほどあったか

知らなかったというのなら、今教えてやる。アンタの犯した愚を、その身をもって知るといいよ

【マテリアルビルダー】起動

今顕現できる21機、ありったけの重火器を身に纏い、フルアタックを敢行する。ああ、小細工なんて必要ない。圧倒的な火力をもって蹂躙する

俺はアンタから逃げない、逃げたりしない。俺の後ろの仲間の為に、最後まで踏ん張ってやる


「今のはちょっと効いたんじゃないのか?」
 黒煙の中に立つ皇帝を緊張の面持ちで見つめて、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は口を開いた。
「その気になればあっさり吹き飛ばせるとタカを括ってたんだろうが……ディアボロス如きと侮ったのが裏目に出たな」
 慢心は身を滅ぼす。それは国とて同じことだ。わずか数千年の人類の歴史の中でさえ、多くの国や軍隊がそんな風にして消えていった。遊里にはこの戦いも、そんな歴史の繰り返しに見える。
「アンタの部下は殲滅したし、退路もない。ここからどう出るつもりだ?」
「――なぜ、そう思う」
「え?」
 壊れた壁から吹き抜ける風に煽られて、緋色の外套がはためいた。思いがけない返答に瞠目して、遊里は皇帝の眼に見入る。昏い双眸には焦りも怯えもなく、感情の動きさえ見出すことはできなかった。
「各地より呼び戻した我が軍勢も、間もなく戻る頃。そうでなくともこのドイツに仇なす者に、他ならぬ余が背を向けるわけにはゆかぬ」
 両手で剣を床に突けばカツンと鋭い音と共に、迸る雷が機械の中へ吸い込まれていく。黄金の覇気をいっそう燃やして、皇帝ヴィルヘルム2世は言った。
「退路など、その必要もあるまい」
 ぎろりと睨む眼光は、追い詰められた男のそれではない。背筋に悪寒を感じながら、遊里は唇を歪め、そして笑った。
「アンタがそのつもりなら、俺もアンタから逃げたりしないよ」
 後に立つ仲間のためにも、最後まで――絶対に。
 指を鳴らせば顕現するのは、大小さまざまの重火器の群れ。その銃口を一斉に黄金の皇帝へ向けて、青年は言った。
「アンタの犯した愚を、その身を以て思い知れ!」
 二十一門の大砲が、一斉に火を吹いた。しかし砲声が鳴り止むよりも速く、青白く伸びる雷の槍が青年の胸を刺し貫く。倒れゆく遊里が白く霞んだ視界に見たものは、共に抗う仲間達の背中だった。
 大丈夫――鎖はちゃんと、つながっている。
 不思議な安堵を覚えながら、青年の意識は静寂の淵へと落ちていった。

※重傷者:1名
『飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は重傷を負った』
苦戦🔵​🔴​🔴​

白水・蛍
【博物館】※分割・単独、他参加者との連携歓迎
アドリブ連携

我々は貴方を打倒いたします。その為にここまで来たのですから!
事前に遮光レンズ付き眼鏡用意。かけておきます。

ネメシス発動。目の色と髪の色が変化します。

【飛翔・エアライド・フライトドローン】<ダッシュ>使用。
囮役として目立つよう相手の目の前まで一気に移動しつつ
フライトドローンに指示を出して相手にぶつけて目晦まし。
相手の目の前まで肉薄し、【パラドクス】を発動。
――我が声に、我が音に、来たれ! 煌めきの雷よ!
雷には……雷ですわ。貴方と私の雷どちらが上かいざ勝負!
兎角相手の目を引き付けます。倒れようとも。後に託すためにも、私は退く気はありませんわ!


シル・ウィンディア
【博物館】で参戦希望(分割も可です)

ネメシスモード発動っ!
銀髪銀目に天使の銀翼が発現します

このモードになるのも
全ては、あなたを倒すためだからっ!

…さぁ、みんな行くよっ!

例え、わたし達の攻撃があなたに対して岩を打つ一滴の水滴だとしても…
その水滴で、あなたという岩を打ち砕かせてもらうからっ!

使用するのは、わたしの最大の砲撃魔法
小細工なしの、全力全開フルパワー…
全力魔法での六芒星精霊収束砲っ!
…この一撃に、すべてを賭けるっ!

ヴィルヘルム2世、これが今のわたしの限界突破の全力だよ!
そして、わたし達ディアボロスの積み重ねたもの…
そして、託された想いの結晶だよ。
遠慮せずに、全部もってけーっ!


「遊里さんっ!」
 見つめる視線の先で、見知った背中がゆっくりと崩れていく。その瞬間胸に奔る苦しさと痛みは、何度経験しても慣れるものではない。
 白く耀く翼の杖を痛いほどに握り込んで、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は唇を噛んだ。しかし辛くても悔しくても、彼女達に立ち止まっている暇はない。目の前に開けた道は狭くか細いけれど――それでも、託された好機をふいにすることだけは、決してあってはならないのだ。
「――絶対に」
 ギッと玉座に立つ男を睨みつければ、深い青色の髪と瞳は見る見るうちに光る白銀へと変じ、背中には同じ色の翼が花開く。それが、彼女――シルがその身に宿す復讐の女神、ネメシスの姿だ。
「絶対に、倒してやるんだからっ!」
 行こうと鋭く呼び掛けて、シルは大きな双翼を羽ばたかせる。揺るぎない信念と怒りに燃えるその背を追って、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)はええと短く頷いた。手にしたブレイドハープをひと掻き鳴らせば、その瞳は蒼に、濡れ羽色の長い髪は極光の彩に染まっていく。
「この道がどんなに険しくとも、我々は貴方を打倒いたします」
 積み重ねた刃と犠牲は、すべてこの瞬間のため。遮光レンズの眼鏡をくいと押し上げて、蛍は七色に耀く髪を背に引き、駆けるスピードを一段上げて、先行するシルの前へ躍り出る。そして一気に皇帝の懐へ駆け込むと、澄んだ声音で高々と告げた。
「我が声に、我が音に、来たれ――煌めきの雷よ!」
 奏でる音色に重ねて呼び寄せるのは、白く弾ける雷の波。皇帝の雷槍と彼女の雷撃――上回るのは、果たしてどちらか?
「いざ、勝負ですわ!」
 火花を散らして突き進む二色の雷がぶつかり合い、広々とした玉座の間が蒼に白にと明滅する。しかし純粋な力では――やはり。
 俄かに押し込まれるような感覚にきつく歯を食いしばり、蛍は怜悧な瞳をいっそう鋭くする。その横顔にいつにない憤怒と意地を覗かせて、娘は叫んだ。
「たとえこのまま倒れようとも! 私は退く気はありませんわ!」
 仲間達に託されたものを、今度は彼女が託す番。
 均衡を押し切った蒼白の雷撃は和装の胸を貫いて、その四肢までもを灼いていく。しかしぐらりと傾いだ女の身体のその向こうには、翼の杖を真っ直ぐに掲げたシルの姿があった。その身体の前面には、六芒星を描いた魔法陣が煌々と光を放っている。
「これが今のわたしの――限界突破の全力だよ!」
 それは彼女達が今日まで積み重ね、託されたものの集大成。煌々と燃え上がる六色の魔力に皇帝は瞳を見開いたが、それを避けるにはわずかに遅い。
「六芒星精霊収束砲! 遠慮せずに、全部もってけ――っ!」
 全身全霊のパワーを乗せて、少女は咆哮した。撃ち出す想いの結晶は黄金の皇帝の胸を打ち、その眼前で弾け飛ぶ。
「ぐ、ぬ――……!」
 男の厳めしい口許が、大きく歪んだ。黒鷲の剣をその手に提げたまま、皇帝は一歩後ろへ足を引き、そしてその場に踏み止まる。しかしその表情を目の当たりにして、少女は確信した。
(「不可能なことなんて、ない」)
 たった一滴の水の雫が、落ち続ければ岩をも砕くように。
 たとえこの瞬間には届かなかったとしても――彼女達の紡いだものがあの甲冑を穿つ時は、きっと、必ず訪れる。
 数多の復讐者達がつなぎ続けた想いの鎖、その強さを持ってして、届かないものなどないのだから。

※重傷者:1名
『白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【照明】がLV3になった!
【クリーニング】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

ワーズ・ディアハルト
自分は、あまりにも力不足である事を否定出来ない
断片の王を前にして、渾身の願いを以てもその一撃が届くかも分からない
味方への被害を減らしたいと願い行動してきた、それは今も変わらない
だが、同時に。起こり得る致命的な悲劇だけは避ける為に。俺は、自分の出来る事をしたい。

味方への援護と並行で<戦況把握>により皇帝の状況を窺う。エネルギーをどこへ注いでいるのか、玉座の間全体か、それとも玉座が媒介なのか、その動きから把握
残留効果【飛翔】から【未来予知】で生まれる1秒の、攻撃してくれている仲間へ皇帝が意識を向けている隙をつくように<空中戦>で可能な限りその至近へ
パラドクス発動、全体鼓舞と共にその場へ渾身の一撃を


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
直接勝負よりも俺はこっちのほいが向いてるからな
こういう時は派手に爆発させるに限る
本当は倒しておきたいがもしもの時は考えないといけない

【行動】使用技能:発明、忍び足、ダッシュ、早業、爆破、臨機応変、パラドクス通信
まずは攻撃している皆に紛れて忍び足、ダッシュで見つからないように細心の注意を払い玉座付近へ向かう
そこでパラドクスを使用
設置してから時間差で起動する爆弾を玉座を中心に素早く仕掛ける
仕掛けた後も見つからないように静かに離れて、仲間が爆発に巻き込まれないようにパラドクス通信で連絡を取り、起動時間まであと少しになれば皆に設置した場所から離れるように伝える


●DAS ZWISCHENSPIEL
 一方、その頃――。
「……凄い、な」
 口を衝いて出たのは、率直な感嘆と畏敬の念であった。
 剣戟と怒号。迸り弾ける雷。鼓膜を震わせる戦場の苛烈な音色は、ワーズ・ディアハルト(守護者・g02389)の胸をひどく震わせる。タートルネックの喉元を無意識に鳴らして、荒田・誠司(雑草・g00115)が言った。
「大分佳境に入って来たって感じだな……」
 崩れた壁や柱と親衛隊の残骸を縫って、辿り着いた玉座の裏。無骨な機械の椅子の向こうには、火花を散らして切り結ぶ皇帝と仲間達の姿が覗いている。倒れた仲間の後に続いて、斬られても打たれても立ち向かう復讐者達の執念は、人ならざる王の目にはさぞ奇異なるものに映っているのだろうが、ワーズに言わせれば、それは革命の黄昏にも似ていた。一人一人の力は小さな群衆が一つの志の下に集い、絶対的な支配者に反旗を翻す――まさに反逆、そのものだ。
「どうかしたか?」
 知らないうちに、随分と思い詰めた表情をしていたらしい。尋ねる誠司の声に無意識のうちに苦笑を浮かべ、ワーズはいいやと応じた。
「俺は力不足だな、と……改めて思っただけだ」 
 この手の刃が、果たしてあの男に届くのか。
 そう自問した時、自信を持っては頷けなかった。全身全霊の力と想いを乗せた一撃だって、届くかどうか分からない。味方を支えたいという思いに変わりはないのに、何もできない悔しさだけが募っていく。
 唇を噛んだ青年の姿に何かを感じ取ったのか、誠司は少し考える素振りで言った。 
「適材適所って言葉もある。自分にできることをすれば、それでいいんじゃないのか?」
 この部屋に踏み入ってからどれだけ経ったのか、もうはっきりとは分からない。十分か、三十分か、それとももう何時間も過ぎているのか――時間の感覚は曖昧だが、一進一退の攻防は今もなお続いている。
 蒼く光るゴーグルを慣れた仕種で装着し、壁際の機械に向き直って誠司は言った。
「どっちかっていうと、俺はこういう方が向いてるんだ」
 機械化された指先で服のポケットを探り、取り出したのは掌サイズの金属の小箱。当然、ただの箱ではない――その正体は、誠司が編み出した特殊爆弾だ。本来は敵や破壊対象に投げつけ、吸着させて、時間差で爆発を起こすという代物だが、こうして機械に張りつけておけば時限爆弾のようにも使えるだろう。
 ひときわ目立つ大きな機械の側面に小箱を取りつけて、誠司は言った。
「こういう時は派手に爆発させるに限る」
 皇帝はここで倒し切りたいところだが、それでも常にもしもの事態を想定しておくことは肝要だ。勿論、仕掛けた爆弾を起動する必要もないほどの圧勝なら、それに越したことはないのだが。
 頼むぞと胸の中で密かに想いを託し、誠司は緊迫する戦線へ目を向ける。いざとなれば仲間達に爆破のタイミングを知らせなければならないのもあるが、それ以上に、どんな形であってもこの戦いの結末を見届けたかった。
 どこか吹っ切れたような青年の視線を追って、ワーズは両手を握り込んだ。
(「自分にできることをする――」)
 共に戦い、そして散った愛しい人に報いるために。
 そして未来を取り戻そうと、今も泥臭く足掻こうとする仲間達のために。
 起こり得る致命的な悲劇だけは、なんとしても避けなければならない。注がれるエネルギーがどこを伝って、どこに供給されているのか――食い入るように戦場を見つめ、床に走る光条を辿って、ワーズはめざすべき場所を見定める。
(「あそこだな……!」)
 刃が交わる玉座の裏をすり抜けて、天使は褐色の翼で羽ばたいた。そして巨大な機械の傍らへ舞い降り、その時の訪れをただ待つのだ。願わくはそれよりも早く、金色の皇帝が膝をつくことを願いながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】がLV3になった!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV7になった!

エンデ・トロイメライ
流石に手強いねぇ、断片の王なだけはある。
――まっ、だからといって引くつもりはこれっぽっちも無いんだけれど。

FLUGELによる飛行能力に、残留効果【飛翔】【神速反応】を組み合わせ、敵を撹乱、翻弄しながら構造上脆弱な部分、全身の各所にある飛行用の推進装置をナノマシンを再構成した銃で狙い撃つ。
味方と【パラドクス通信】で連携を取り合い、互いが互いの隙を埋め合い、攻撃のチャンスを作るように努めるよ。
敵の斬撃は極力当たらないように全速力で回避。全身機械のアタシでも直撃したらタダじゃ済まないしねぇ。
最悪の場合、斬撃を脚で庇ってその衝撃を利用し緊急回避を試みる。
ここまで来たんだ。限界まで粘らせてもらうよ。


ナタリア・ピネハス
貧しい子どもたちを拐かして
手勢に加えんとする、あなたたちの在り方を、見たわ
華やかなりし歌劇の舞台の下で
ひとを『掃除』することを厭わぬ少年を、見たわ

ゆめは。ひとりでみるものではなくてよ
あの日見た、子どもたちの涙を拭うために
わたくしは、あなたの傲慢を。うたかたの幻へと還しましょう

【未来予測】で周囲の仲間へ雷撃、剣戟の向かう先を知らせ
前線で戦う仲間たちが長く立っていられるように歌い続ける
【捕縛】により、その刃が少しでも鈍ればと

あかいいとを躍らせて絡め取る
その四肢を、一秒でも長く繫ぎ止めてみせる
こんなわたくしにだって、誰か笑顔にできるんだって
みんなが教えてくれたの
……あなたなんか、ちっとも怖くないわ!


●DAS FINALE
 戦いは、まだ続いている。
「流石に手強いねぇ、断片の王なだけはある」
 額に珠の汗を浮かべて、エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)は言った。魂を燃やすような一撃を立て続けに受けながら、それでも剣を握り直して立つ男の姿は、戦塵の中で実際よりも大きく見えるけれど――。
「まっ、だからといって引くつもりはこれっぽっちもないんだけどね!」
 銃と剣で象るフライトデバイスが、翼のように波を打った。天井の際まで一直線に翔び上がる少女の足下で、ナタリア・ピネハス(Hitbodedut・g00014)は玉座の皇帝を見つめ、深い藍色の眉を寄せた。
(「あなたたちの在り方を、見たわ」)
 貧しい子ども達を拐かして、手勢に加えんとする悪辣を見た。
 華やぐ舞台の下で人を『掃除』すると言ってのけた、少年の悲哀を見た。
 この広大な宮殿は、どれほど多くの人々の犠牲の上に建っているのか――考えれば考えるほど、ワンピースの胸はじくじくと痛む。差し込む陽射しに煌々と光る琥珀の瞳を潤ませて、サキュバスの少女は呼び掛けるように口を開いた。
「ゆめは。ひとりでみるものでは、なくてよ」
 独りよがりな理想を、夢とは呼ばない。
 あの日、冷たい牢屋の中で改造されるのを待つだけでいた子どもたちの涙を拭うために、ナタリアは手を伸ばす。問題はそれが届くかどうかではなく、伸ばしたかどうかなのだ。
「あなたの傲慢を。うたかたの幻へと還しましょう」
 儚い声音で紡ぐ哀歌に、指先に燃え上がる咎が紅い糸となって皇帝の四肢へ絡みつく。たとえ身動き一つで容易く千切られてしまうようなか細い糸だとても、剣を掲げるその手を一瞬、つなぎ止めることができるなら。
(「こんなわたくしにだって、誰かを笑顔にできるんだって――みんなが教えてくれたの」)
 だから、逃げない。
 立ちはだかる強大な敵を真っ直ぐに見据える瞳に、迷いはなかった。キッと眉を吊り上げて、ナタリアは毅然として告げる。
「あなたなんか、ちっとも怖くないわ!」
 掲げた刃の切っ先がいかに鋭くても。
 石をも砕く雷撃がいかに烈しく、眩くても。
 雷に打たれるその刹那まで、少女は歌い続ける。そのわずかな好機を、エンデが捉えた。
「さあ、『皇帝陛下』はちゃんとついてこれるかな?」
 半端な闘り合いは、御免だ。挑むように口角を上げ、エンデは皇帝の頭上から、その甲冑の隙間を目がけてハンドガンを連射する。降り注ぐ銃弾を顔の前に掲げた腕で防ぎながら、皇帝はもう一方の手で剣を掲げた。その切っ先が残像を残し滑るのを見て、エンデは空中でくるりと反転する。
 全身を機械化されたエンデであっても、あの剣の直撃を受ければ恐らくただでは済まないだろう――ならば、少しでも長くこの場に留まることのできる方法を選ぶだけ。顔の前まで振り上げた脚で皇帝の刃を受け止めて、エンデは烈しい衝撃に奥歯を噛んだ。機械化された身体はほとんど痛みを感じなかったが、身体を象るナノマシンが潰れていく感触はやけに生々しく、膝下から太腿へと伝播する。
 だが傷つくことを恐れていたのでは、この巨大な敵は倒せない。ふ、と勝ち気に笑ってみせて、少女は言った。
「ここまで来たんだ。限界まで粘らせてもらうよ!」
 動ける限り、止まりはしない。ぼろぼろになった脚はそのままに、エンデは再び銃を構える。撃ち出した弾丸は金色の甲冑に確かな瑕を穿ったが――。
「っ!」
 再び迫る刃の一撃を、二度とは受け止め切れなかった。真一文字に裂かれた胸からは、零れたナノマシンが霧のように散っていく。
(「後は――任せるよ」)
 彼女が刻んだほんの小さなひび割れは、やがて大きな亀裂に変わる。その瞬間が、今まさに訪れようとしていた。

『エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV9になった!
【未来予測】がLV2になった!

フィーナ・ユグドラシア
※【博物館】(分離可)
※アドリブ、連携ok

私は私に出来る事を。貴方達に奪われた歴史の一部、ここで絶対取り戻します!

攻撃手段は『聖槍』での射撃ですが、この期に及んで小細工は不要。
私の魔力を限界まで『聖槍』に注ぎ込み、私の全てを込めた一撃を、敵の身体を刺し貫くつもりで放ちます。
その際、他の味方とタイミングを合わせられるなら、連携して同時に攻撃します。

機会は一度のみかも知れません。だから私はその機会に全てを賭けます。

とはいえ、それで届かなくとも、諦めるつもりも倒れるつもりも全くありません。私の命が続く限り、何度でも、私の一撃を届かせるまで立ち上がるだけです。

私達の想いと願いの力、お目に掛けましょう。


アンセル・イングティウム
※アドリブ・連携大歓迎
「相手は断片の王… 下手な小細工は通じそうにないなら今出来る全力の一撃を…   モード・インクルシオ!」

個の力では撃墜されるのがオチなので、他の皆と連携し足並み合わせて全力攻撃。
残留効果の【飛翔】【未来予測】【神速反応】【託されし願い】など仲間が残してくれた力を纏い自身の【空中戦】や【一撃離脱】【戦闘知識】の技能とサイボーグとしての持ち前の【忍耐力】を武器に一気に懐に飛び込みパラドクス「ダイブアンドズーム」を叩き込む。

「機械化された腕の借りは… 機械化されたこの両腕で返させて貰います。」


野本・裕樹
あの剣はゾーリンゲン産なのですかね、これだけのディアボロスを相手にできる性能は侮れませんね。

反撃も謎のエネルギー供給も全て剣が起点、放たれる電撃もあの剣から出ているように見えます。
残された時間はそう多くないでしょうけれど…
『皇帝の剣』又はそれを振るう腕、どちらかを機能不全にする事ができれば必ず勝機はやって来る。

私はこれまで平安にばかり居ましたが、共に戦えたディアボロスの中にはドイツ出身の方もいました。
平安の為戦ってくれた彼らに恩を返す場、ここにしたいと思います。

《鉄蝕閃》、ただ一振り。この一撃に全てを懸けます。
狙いは『皇帝の剣』、或いはそれを振るう腕です。
征きます――死を視る事帰するが如し。


標葉・萱
これだけ連ねてまだ、立っているとは恐れ入る
それ程でなければ、起こりえない理不尽だとも

烏合の衆ではないと気付いたところでもうひとつ、
玉砕のためにかかるのではないと、覚えてらして

襲われるまで散らしもしないとは余裕でいらっしゃる
同胞とともに機は狙うけれど、どれだけの効果があるやら
前の一手を追うように
あの速度を躱せる気もしないので捨て身の一撃となるけれど

一矢報いるのではなくて
その油断の綻びから、打ち砕くために、あるのだと
退くわけにもいかないのは、どちらとも


 今からほんの数ヶ月前、新宿という一点のみを残して地表が海に変わった頃。いったい誰が、こんな状況を予想しただろうか?
 倒れた仲間は二十を超え、重ねた刃に至ってはもはや数えることもできない。そんな激戦の果てに、復讐者達は改竄世界史(ディヴィジョン)を統べる断片の王が一角、機械化ドイツ帝国『皇帝』ヴィルヘルム2世を追い詰めようとしている。
「あの剣はゾーリンゲン産なのですかね。これだけのディアボロスを相手にできる性能は侮れません」
 ふうと吐息して大きな狐耳を下げ、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は辟易した様子で呟いた。溜息の一つもつきたくなるだろう――黄金の皇帝はこの期に及んでもなお、挑み掛かる復讐者達を一刀の下に弾き続けている。傷を負ったからといって、その剣の冴えに翳りはない。
 実に、と頷いて、標葉・萱(儘言・g01730)が応じた。
「それに、あの頑強さ……これだけ連ねてまだ、立っているとは恐れ入る」
 もっとも、歴史を改竄するなどというあり得ないことをやってのけたのだ。それほどの力を持っていても何ら不思議ではない。こくりと上下に首を振って、アンセル・イングティウム(サイボーグの航空突撃兵・g00284)は言った。
「下手な小細工は通じそうにありませんね。そのうえ、個々の力では撃墜されるのがオチです」
 圧倒的な力に対抗できるのは、同じ力だけ。ならば――今ここにあるすべての力を結集して、臨むしかあるまい。
 力強く頷いて、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)も同調した。一歩前へ踏み出せば、淡い水色の外套が風を孕んで浮き上がる。
「合わせていきましょう。私達は、私達にできることを」
 敵はこのドイツ帝国唯一無二の皇帝にして強大、そして頑健。しかし集めた想いと願いの力ならば、彼女達はきっと上回ってみせる。
 ヴィルヘルム2世、と敢えて呼びかけて皇帝の意識をこちらへ向けてから、少女は続けた。
「貴方達に奪われた歴史の一部、ここで絶対に取り戻します!」
 奪われた歴史。その言葉を耳にして、皇帝はわずかに首を傾げ、そしてはっと、白目がちな眸を見開いた。彼らに真実を語る口はない、と、そう考えていたけれど。
 
 ――あたし達は、『復讐者』だ。
   背負ってるのは、きみたちにやられた、すべての人の怒りなんだよぉ!

 戦いの中で誰かが口にした、そんな言葉が今頃意味を成して腑に落ちる。よもや、と初めて動揺らしい動揺を覗かせて、金色の皇帝は口を開いた。
「お前達は、すべてのクロノヴェーダの敵対者なのか?」
 列強諸国の尖兵でもなければ、国内に蠢く反乱分子でもない――歴史の奪還者。しかし気づいたところで、状況が好転するわけではない。
 相も変わらず自ら動こうとはしない皇帝の御前、消せない緊張を皮肉で覆って、萱は笑った。
「襲われるまで散らしもしないとは、余裕でいらっしゃる。が、烏合の衆ではないと気づいたところでもうひとつ――玉砕のためにかかるのではないと、覚えてらして」
 そう言って、黒髪の青年は手にした硝子のカードを足元の床に叩きつけた。儚くも砕け散る薄硝子より立ち昇るのは、星のない夜の闇だ。
 神速の反撃を、躱せるとは思っていない――だからこの身は、省みない。同時攻撃もどれだけの効果があるか分からないが、もし目の前の敵に膝をつかせることができるとしたら、それ以外には考えつかなかった。
(「それに、一矢報いるために来たのでもない」)
 声には出さず、萱は敵を睨む。傷をつけるためではなく、打ち砕くためにこそ彼らの刃はあるのだ――最後まで妥協はしない。その油断、綻びを突いて、絶対に成し遂げる。退くわけにいかないのは、お互い様だ。
「全力の一撃を――モード・インクルシオ!」
 仕掛けるのは、歩調を合わせた全力の連携。重火器を搭載した大型のフライトユニットを苦もなく背負って、アンセルは高度を上げていく。黒く体温を持たない両腕は、彼女がこの国の犠牲者であることの証だ。
 平素は人懐こそうな空色の瞳を今ばかりは紅くぎらつかせ、少女は叫んだ。
「機械化された腕の借りは、機械化されたこの両腕で返させて貰います!」
 肩を並べて戦ってきた仲間達が、たった一度の反撃で起き上がることもできなくなる光景を、彼らはもう繰り返し目にしてきた。だから、自分だけが違うなどとは思わない。チャンスは、恐らく一度きり――射抜くような視線で敵を見据えて、フィーナは誓う。
(「だから私は、そこにすべてを賭けます!」)
 天井の間際から急降下する、アンセルの鉄の腕が。
 白手袋の指先にまとわせた、萱の宵闇が。
 そしてフィーナが腕の中に編み上げた光の聖槍が三方向から一斉に、皇帝ヴィルヘルム2世へと襲いかかる。
「暁光の審判をここに――苦難に癒やしを、悪意に裁きを!」
 それは、夜明けをもたらす一条の光。
 闇が捉えた皇帝を、限界まで膨張した光の槍と、鉄の拳が貫いた。金色の甲冑に穿たれた銃創は瞬時に広がり、胸部装甲がバキバキと音を立てて弾け飛ぶ。
「おのれ……ディアボロス……!」
 口元を大きく歪ませて、皇帝は力を振り絞り、黒鷲の剣を握り締める。しかしその速さはもはや、先程までとは比べるべくもなかった。故にその切っ先が弧を描くよりも速く、裕樹は巫女服の腕で身の丈ほどの刀を振り上げる。
「噛み砕け――『鐵喰』」
 残された時間は多くない。だから、なんとしてもここで仕留め切る。勝利をこの手に引き寄せるのに、畏れも、躊躇もいらなかった。
(「これまでずっと、平安京のためにばかり戦ってきましたが――」)
 復讐者達は、つながっている。見知らぬ世界もまた誰かの故郷であり、守りたいものがあった大切な場所だ。そして彼女の故郷のために戦ってくれたディアボロス達の中には、このドイツに生まれた者達も数多く在った――なればこそ。
 若葉色の瞳を鋭く細め、裕樹は声を張り上げる。
「平安のため戦ってくれた彼らに恩を返す場、ここにしたいと思います! 死を視ること、帰するが如し!」
 征きますと堂々宣って、振り下ろす刃は鉄蝕閃――狐剃刀。剣持つ甲冑の腕を目掛けて一閃、妖狐の少女は重さを増した妖刀を振り下ろす。そして――。

●UND, DIE OUVERTURE
 ギィン、と、重く鋭く澄み渡った金属音が響いた。
 倒れた者、倒れた仲間を支える者、後に続かんと身構えた者。数十人のディアボロス達が固唾を飲んで見守る中、黒鷲の剣が主君の手を離れて宙を舞い、落ちていく。その様子は映画のスローモーションのように、酷く緩慢に見えた。
「まさか――」
 信じられないというように零した皇帝の胸には、風孔が空いていた。剥き出しになった内部機構から爆ぜる黄金の火花を散らし、王はがくりと膝をつく。漏らした声と呼吸は低く掠れて、その限界が近いことを物語っていた。
「まさか、このヴィルヘルム2世が、断片の王ですらないものに滅ぼされるとは……」
 不覚。
 そう、口にしたその瞬間。
 ひび割れ砕けた甲冑の隙間から、黄金の覇気が迸った。
「うわっ!」
「きゃああ!!」
 オーラというよりも、王宮に注がれ続けていたエネルギーそのものと言うべきだろうか。目も眩むような黄金の暴風が、前線に立つディアボロス達をまとめて薙ぎ払う。予想外の事態に紛糾する復讐者達の様子をまじまじと見つめながら、ヴィルヘルム2世は言った。
「余の死により、この機械化ドイツ帝国を守る排斥力は損なわれるであろう。だが国を貪らんとする者どもに、余の領土を渡しはせぬ」
 低く唸るような声は、死に瀕してもなお堂々と響いた。その姿はまるで、金光の鬣を靡かせる雄獅子だ。ふ、と皮肉な口許を笑みの形にして、散り逝く王は独り言のように――否。誰かに語りかけるように、続けた。
「お前と共に七曜の戦いに挑むことは叶わなかったな。だが――お前は此処で、余の遺志を果たせ」

 『空中要塞』ビスマルクよ。
 
 崩壊する王の身体から解き放たれるエネルギーが、無数の帯を成して王宮のそちこちに吸い込まれていく。そして暴走する力はやがて渦を巻き、壊れた柱や瓦礫を飲み込み始めた。
「おいおい……これ、やべえんじゃねえのか!?」
「早く脱出しないと、巻き込まれちゃうよ!」
「いや――しかし、脱出と言っても……!」
 右も左も分からぬような光の中で、復讐者達は口々に声を上げる。そんな中、エネルギー渦に飲まれてゆく硝子の破片の出所を辿って、一人が高窓の一点を指し示した。
「あそこから出られます!」
 共に戦った仲間達と声を掛け合い、あるいは動けない友に肩を貸して、ディアボロス達は次々と割れ窓の先を目指し飛翔する。その先には、茜色に染まる空が広がっていた。
「皆さん、無事ですか!?」
「誰も残ってないよな、……!」
 しかし安心したのも束の間、脱出を果たした復讐者達の足下で爆発音が響き渡る。それも、単なる爆発ではない。
 王宮を中心とする広い範囲で地面に亀裂が走り、そこから黄金の光が迸った。異形のベルリン王宮は更なる変形と爆発を繰り返し、地面を切り崩しながら、黄昏の空へと昇っていく。
 それはこの国と大地を灰塵に帰し得る、破壊的な力――『空中要塞』ビスマルク。
 夕映えに鋼鉄の翼を広げ、黒い影となって遠ざかる巨大な艦を、復讐者達はただ呆然と見つめるよりも他になかった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV3になった!
【飛翔】がLV10になった!
【エイティーン】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV8になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV6になった!

最終結果:成功

完成日2022年04月05日
宿敵 『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』を撃破!