リプレイ
野本・裕樹
天魔武者の作戦の狙いが何であろうと最終人類史を護らねばならない事に変わりはありません。
いずれわかる事かもしれませんが今は目の前の事に集中しましょう。
境界の霧を計測している部隊は『横須賀市』付近の海上、【水面走行】にて地上と同様の動きを得てから戦いを挑みます。
使う刀は《飛妖刀『霊花』》です。
遠距離から仕掛けて敢えて『以津真天』の一部が逃げ出せる状況を作りましょう。
飛んでいる妖怪故に足跡を辿れない可能性を考えて、逃げる敵を追いかけて砦の場所を特定する方針にしたいと思います。
陸地から遠い敵を順に狙います。
襲撃者である私から距離が離れている敵が砦まで逃げる事を考えてくれるように倒せる相手から確実に倒していきます。
これでディアボロスを倒す為には戦力が足りない、と思ってくれれば。
《飛妖刀水ノ型・水金梅》――飛んでいようと逃がしません、渦に吞み込まれてもらいます。
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「天魔武者の作戦の狙いが何であろうと最終人類史を護らねばならない事に変わりはありません」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は横須賀市があるべき、横須賀湾へと来ていた。最終人類史へと奪還している為、この地域がディヴィジョンでは海になっているのである。ディアボロスには効かない自爆装置を使って何をしようと目論んでいるか判らないが、いずれにせよ放置など出来る筈があるまい。
「いずれ判る事かもしれませんが今は目の前の事に集中しましょう」
裕樹は妖刀を握って意識を戦いに集中させた。
戦い排斥力を突破して行けば、予知を通して判るかもしれないし、判らないかもしれない。だが、今ここで考えて答えが出るなんてことはないのだ。ならば戦いに集中し、目の前の敵を踏破すべきであろう。
(「ここから相手の拠点を探す手間と、相手がこちらの意図に気が付く危険性。この辺りを勘案すると探すよりはあちらに案内してもらう方が楽ですね」)
裕樹は目立つように海の上を走り始めた。
水面走行により彼女の足は白波の上をパシャパシャと走りゆく。
やがて敵が現れた時、既にどう戦うかは決まっていた。
『ゲーゲー! イツマデ、イツマデ』
『ゲーゲー! ミツケタ、ミツケタ』
敵はわさわさと蒸れて飛びながら、周囲を回転しながら降りて来る。
それは逃がすまいとするかのようであり、あるいは遠くにいる仲間に連絡を告げながら飛んでいるかのようだ。
「……居ましたね。《飛妖刀水ノ型・水金梅》――飛んでいようと逃がしません、渦に呑み込まれてもらいます」
裕樹は腰だめに構えた妖刀を横薙ぎに振るった。
白刃が水面を撫でると、逆巻いて渦の様に飛んでいく。
それは妖刀は妖刀でも、卍型の特殊な形状をした妖刀だ。低く飛んで逆巻くことで渦を引き起こし、敵を狩る為の顎を作る。
「呑み込め、『霊花」』!」
『ゲーゲー!?』
裕樹が注いだ霊力は卍型の妖刀を分裂させた。
彼女の陽気で操られた刃が、それぞれに渦の周囲を取り囲んで敵を飲み込んでいく。渦で拘束しながら、無数の刃が切裂ていくのだ!
『ゲーゲー! イツマデ、イツマデ』
(「反撃が来るのは当然ですが……ここで弱音を吐くわけにはいきません。このまま削り、あえて逃がすのですから」)
渦が空中の敵を飲み込む姿は、まるで水龍が雲へと昇って行くかの様である。
だが逆連鎖戦では、たとえ一撃で敵を倒そうとも反撃があるのは必定。
そして彼女はあえて、近くにいる敵から倒すことで、遠くの敵を逃げ易くしている。つまり、これからまだもう数回戦う可能性があるのだ。こんなところでへこたれている余裕などはない!
(「それはそれとして、倒せる敵は逃がしません。ただ……離れている個体は私から逃げられると思ってもらいましょうか。敵から見て私たちディアボロスを倒すには戦力が足りない。でも、こちらもあちらを殲滅するには手が足りない……そんな状況が理想的ですね」)
裕樹はあえて、威力に勝るが数を巻き込めない技を今回の戦いに持ち込んでいた。
それを陸から遠く、逃げ難い個体絞って使い、逆に陸へ近いことで逃げ易い敵を逃している。それは確実に目の前の敵を倒す手段であり、同時に手数の問題で敵が逃げ易くなる戦いである。
『ゲ-ゲー! 敵、敵発見。ディアボロスミツケタ、ミツケタ』
「待ちなさい! 逃がしませんよ! ……予定通り……ですかね?」
そう、最初から彼女は、この状況を想定していたのである!
裕樹たちディアボロスは、敵の砦がある場所へと迫って行った。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
大総・統
(トレインチケット)
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「おや? せっかくの夏だから横ちんの見物に行こうと思ったら、妙な所に出たな」
大総・統(秘密結社ラグナロクの大総統・g00589)は横須賀鎮守府、略称『横ちん』に観光へ来ていた。だが、横須賀方面のパラドクストレインに乗ったら、天正大戦国側の横須賀湾に来てしまっていたのだ。
『ゲーゲー! イツマデ、イツマデ』
「む。あの鳥が居る場所……何とも趣のあるバンガローではないか!! いつまで? そう、客が来るまでだ!」
説明しよう! 先行したディアボロスは敵の拠点を探そうと、ワザと逃がしていた。
大総統が飛び乗ったのは、その救援機動力であったのだ。
つまり、敵が逃げている先は、臨時拠点の木造砦である。それを見た大総統は、バンガローに丁度良いと思ってしまったのである。
「フハハハ、我が名は世界再征服を企む悪の秘密結社ラグナロクが大総統!!」
「そのバンガロー! 我が結社の夏季合宿所として接収させてもらう!」
「抵抗するならば、それも良し! フハハハ、我が力を止められるかな?」
そしてノリノリになった大総統は敵を殲滅する事にした。
トループス級を倒し、敵部隊をつり出しておけば、ガラガラになった木造砦を奪えるという完璧な計画! まさか昭和のアニメのように、秘密基地に自爆装置などあるまい! なんと壮大で素晴らしい計画なのだろうか! なお、敵将のお腹。
「我が力の一端を見よ! 開け、世界の裂け目、ギンヌンガガプ!!」
『ゲーゲー!?』
大総統は目の前にワンパンかますと、空間を切裂いて敵を殴りつけた。
敵からみれば、空間が避けたと思ったら突如として殴られたように思えるだろう。
「今だ! 我が蹴りが目を狙うぞ! このチャンス、我が拳が奪う!」
大総統の必殺の蹴りが敵の目を穿ち、チャンス
これに対して敵は鋭い爪で殴り掛かり、双方ともに痛み分けとなるミラーマッチ!!
だが、この戦いは敵を逃がして追い掛ける作戦だったのだ。
大総統が互角の戦いをしている間に、後続のディアボロスが追いついて、作戦通り砦を巡る戦いとなったのである!
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
●
横須賀湾を臨む場所に木造の砦があった。
そこには数人の武者が外で警備していたのだ。
さらに言えば、中にはもう数人居るであろう。
『なんだ? あれは……境界の霧を発見したのか?』
『いいや様子が変だ。もしや、敵襲ではないか?』
『かもしれん。少し見て来る。知らせてくれ』
敵トループス級は砦を出て様子を確認し始めた。
戦場が遠いので即座に何が起きているかを把握する程ではないが、逃がした敵を殲滅した以上はまったく察せられないほどでもない。
トループス級が事態を完全把握する前に、ディアボロスが追いついて戦闘が始まるであろう。
野本・裕樹
よし、追いつきました。
作戦も上手くいってくれましたか。
本隊との戦い、より一層気を引き締めていきましょう。
味方が奇襲を狙うのであれば、それの邪魔にならないように立ち回ります。
また奇襲が露見しそうであれば、奇襲をする為の囮にもなりましょう。
使う刀は《妖刀『鐵喰』》です。
今度は敢えて逃がす必要もありません、後に控える敵将の事を考えるならば残らず討ち取るべきですね。
敵の攻撃の機会は出来るだけ減らしたいです、倒せそうな敵を優先して標的とし【先行率アップ】で先手必勝を狙います。
仲間を盾にして攻撃を受けてくるのならば、竜巻による範囲攻撃のパラドクスで。
竜巻の範囲以内に固まってくれるのを利用し諸共に斬りましょう。
個別に狙う手間も省けてこちらにとっても一石二鳥です。
《散風刃・金雀枝》――盾にする者もされる者も纏めて斬り刻みます。

零識・舞織
どうやら相手は完全な戦闘態勢には至ってないみたいですからその隙をついて奇襲殲滅と行きましょう。
という事で奇襲にもってこいなこの妖怪写夜道闇攫で敵の目をくらましてその隙に攻撃を行います。
この状況ならダメージアップも合わさりかなり期待できる一撃となるでしょう。
相手の攻撃は息が合っておらずバラバラなのでマグレ急所だけ注意しながら闇を盾に退きましょう。
手柄が取りたいのは分かりますが一致団結という言葉は覚えておいた方が為になりますよ?
●
「よし、追いつきました。作戦も上手くいってくれましたか」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は先ほどトループス級をワザと逃がしていた。横須賀側に近い個体から狙い、相模本土側に近い方を後回しにしていたのだ。敵を逃がすことで、クロノヴェーダが待機している砦を見つけ出す算段である。
「本隊との戦い、より一層気を引き締めていきましょう」
「まずは拠点探知お見事です。協力して敵を叩きましょうか」
裕樹に増援としてやって来た零識・舞織(放浪旅人・g06465)は挨拶を入れた後、編み笠に手を掛けて敵陣の様子を眺めた。
「どうやら相手は完全な戦闘態勢には至ってないみたいですね。ここは、その隙をついて奇襲殲滅と行きましょう」
舞織が見た所、哨戒部隊が戻って来てないから出動しようという程度だ。
ならば今から攻撃を掛ければ奇襲できるだろう。
もちろん逆連鎖戦では意味が無いが、好きな位置を好きな方向から攻撃できるという『攻め手の利』に関しては失わわれていない。他にも工夫を重ねれば、戦闘でもある程度は有利になるだろう。
「では派手に動くのではなく、私は直前まで静かに動きますね。幸いにも白兵戦主体ですので問題ありません」
裕樹はそう言って妖刀を構えて動き始める。
六尺のサイズがあるが、妖力を込めなければ派手にはならないだろう。
盾に成るほど太いわけでもないので、あえて振り回さなければ問題あるまい
「こちらは目晦ましを兼ねた攻撃をしますので、切り込みとトドメをお願いします」
「了解です。見つかりそうな場合は、逆に私が囮に成りますね」
そして二人は簡単に作戦を決めて接近して行く。
相手も動き出しているが、様子見をして時間を掛けなかった分だけ、こちらに分があったようだ。
(「妖と見做されし僧侶よ。その嘆きを暗闇に変え敵を消せ」)
舞織は巻物を拡げると、詠唱は心の中で行い一息に絵を描き終えた。
そして敵の周囲に暗闇を作り出し、封ぜられし妖の力を解き放つ。
『なんだ?! 敵襲か!』
『何でもいい、攻撃しろ!』
敵は即座に反応するが、何も考えずに攻撃を始めた。
人数に任せて四方八方へと攻撃。槍で突きまくり、延々と攻撃を繰り返していく。
『そこか!』
「危ない危ない。流石に逆連鎖戦では見えない状態でも反撃は来ますね。では、こちらも本格的な攻撃と参りましょうか」
舞織は離れて反撃を減らし、改めて妖怪の剛力を用いて刀で攻撃を掛けた。
その名は夜道怪と言い、行商人を兼ねた僧侶の健脚と剛力を示す力だ。
主に夜に現われて宿を借りたり、法力で様々な悪さをする妖怪であったとか(なお、押し売り・押し買いなどもあり僧侶を兼ねた行商人は嫌われていたという)。
「始まりましたね。いざ!」
そこへ裕樹も接近しながら妖刀を振り上げる。
先ほどまでは派手過ぎて使えなかったが、こうなってしまえば問題はない。
「今度は敢えて逃がす必要もありません、後に控える敵将の事を考えるならば残らず討ち取るべきですね。散っ!」
裕樹は斬撃に妖気の風を乗せて剣圧を放った。
ソニックブームが横薙ぎの一撃で巻き起こり、二太刀目の縦の斬撃で竜巻溶かす!
『おのれ、そちらに居たか! 敵陣への一番槍は貰ったぞ!』
『貴様! ぬけがけか!』
敵は風で切り刻まれながらも突撃して来た。
闇を貫いて槍が現れこちら目指してかけて来る。
もし闇の向こうに罠でもあったらどうする気かといわんばかりの勢いであった。
「数だけ多くて連携が今一ですね」
「手柄が取りたいのは分かりますが一致団結という言葉は覚えておいた方が為になりますよ?」
裕樹は冷静にその攻撃に対処し、危険な攻撃だけを受け止めた。
彼女が避け切れない浅い一撃は放置しながら確実に倒していくのを見て、舞織は裕樹との比較で敵に思わず忠告を掛ける。
「手柄を取ろうと固まっているのは好都合です。このまま当てられるだけ巻き込んで、一気に倒してしまいましょう。個別に狙う手間も省けてこちらにとっても一石二鳥です」
その言葉を聞いて裕樹は苦笑するでもなく冷静に戦い続ける。
敵は数が多いが、実に荒い攻撃である。まとめて倒していけば早いと戦い続ける。
『なんだなんだ? 敵が出たならばさっさと言わんか! ワシが相手に成ってくれよう!』
そして敵将が現れたのは、雑兵を残らず討ち取った後であったという。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
六藤・鈴鹿
さて、横須賀を壊滅させられる訳にはいかないからね
ここで全員……首り殺すだけだ
アイテムポケットから煙幕を取り出して反撃が作用しない様にして煙を戦場内に充満
ボク達は完全視界で煙の視界不良を無視して行動が出来る
そこに先行率アップで先手を取っていき、ダメージアップを乗せたパラドクスを発動
自動人形、ゾルダート、天魔武者等の『機械仕掛けのクロノヴェーダ』の肉体や保有する技術を再現した『機械仕掛けの投擲武器』を具現化させて天魔武者を攻撃していく
相手が『風車の要領で槍を回転させながら敵の集団を突っ切り、すれ違いざまに攻撃する』というパラドクスを使うというなら、逆説連鎖戦とはいえ視界のイニシアチブを握っているこっちがやや有利!
反撃アップも乗せて『機械仕掛けの投擲武器』を使い反撃を
そうして逆説連鎖戦の攻撃と反撃、対応を行いながら天魔武者を討ち取るよ
横須賀のカレーは旨いのだ、貴様らガラクタ如きに攻め入らせはせん!

零識・舞織
アドリブ・連携歓迎です。
決死の覚悟を決めてるところ悪いですが部下の選択を間違ったのではありませんかね?独断専行をしたがるような方々でなければ貴方が出張ることも無かったはずでしょう、と友信を挑発しながら戦闘体勢を取ります。
お味方は煙を用いるようですからその邪魔にならないパラドクスとしましょう。
ということでお味方の煙に便乗して私もパラドクスを発動しかの源義経の伝承を思わせる武術と敵の意表をつく才をフル稼働して敵を翻弄し着実にダメージを与えていきます。
とはいえ相手は猛将毛利友信の名を騙る天魔武者ですから混乱も長くは続かずしっかりこちらに一撃入れてくるでしょう。
ですが相手がそうしてくると常に意識していれば致命傷は避けられるはずです。
悪の天魔武者は正義のディアボロスに敗れ爆発四散…ベタではありますが良い画ですね。
貴方も歴史にその名を返していただきます。
野本・裕樹
現れましたね『毛利友信』。
槍の名手、その手に持つのはアヴァタール級の数だけ存在するでしょうけれど天下三槍が一つ「日本号」でしょうか。
境界を越えさせはしません、どれほどの相手でもここで止めてみせます。
お相手……願います!
使う刀は《妖刀『鐵喰』》を変化させた《巨刀『曼殊沙華』》です。
槍は間合いの広い突きだけではなく、その長さによる遠心力と武器重量を活かした叩きつけの威力もまた脅威となります。
叩きつけを受けるよりも早く【先行率アップ】で『曼殊沙華』による先手を狙いましょう。
《妖刀覚醒・鉄蝕閃》――『曼殊沙華』の重さと全身のバネ、呑み取りの槍の叩きつけにも負けません。
槍の反撃は圧し潰されないように刀で受け止める事はせずに受け流し、即座にこちらから返しの一撃を加えられるように構えます。
同じ槍使いでもやはり違うものですね、ですが負けません。
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『なんだなんだ? 敵が出たならばさっさと言わんか! ワシが相手に成ってくれよう!』
急増の木製砦。そこから声がしたかと思うと一人の天魔武者が現れた。
そいつは槍を構えてディアボロスを迎え撃つ!
「現れましたね『毛利友信』。槍の名手、その手に持つのはアヴァタール級の数だけ存在するでしょうけれど天下三槍が一つ『日本号』でしょうか」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は敵将のプロフィールの、特に槍に注目した。
日本号と言えば天下三槍の一角で、あの蜻蛉切りにも匹敵する存在である。
残念ながらクロノヴェーダゆえにそもそも偽者であ、アヴァタール級が増えるたびに量産されていくのだが……それでもその技の冴えは本物であろう。
『本物かどうかは勝った方が決める。違うか? 違うか!? それが武将たるものの心得よ!』
「そうですね。境界を越えさせはしません、どれほどの相手でもここで止めてみせます。お相手……願います!」
裕樹の問いに敵は槍を構えて戦意を示した。
それ以上の言葉は不要、そう言わんばかりの態度である。
「決死の覚悟を決めてるところ悪いですが部下の選択を間違ったのではありませんかね?」
その言葉を聞いてどう思うかはひとそれぞれだ。
零識・舞織(放浪旅人・g06465)は武将らしさの良い面を感じたが、こういった面はマイナス面も存在する。例えば先ほど戦った敵は、独断専行でも功績を挙げれば許されるという武将らしさの悪い面を見せていたと言えるだろう。
「独断専行をしたがるような方々でなければ貴方が出張ることも無かったはずでしょう」
とはいえ、それは言うまでも事である。
戦意旺盛な部下を選んだのは目の前のアヴァタール級か、その主君であろう。その責任を追求することで、相手を挑発したのである。
『その先の言葉は決まっておるわ。部下の失敗は、この槍で晴らすまでよ!』
(「……で、あるか」)
そういった言葉のやり取りを聞いて六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)は面白くもなさそげに呟く。敵将が知性や矜持あるからと言って、誰もが反応せねばならぬわけでもない。
(「さて、横須賀を壊滅させられる訳にはいかないからね。ここで全員……縊り殺すだけだ」)
鈴鹿はそう言った武将としての矜持を無視し、極めて冷徹に行動した。
相手に増援が無いと確認した上で、『仕掛け』を施したのだ。
『ぬ!? 煙幕だと!』
(「これで良し。後はゆるゆると行こうか」)
縊り殺す。とは、本来は絞め殺すという意味を持つが、この場合は『絞め殺すように確実に追い詰めて倒す』という感じだろう。鈴鹿は煙幕を焚くことで、正確なこちらの人数や、相手が逃走出来るルートを潰したのである。逆連鎖戦では視界を潰して奇襲しても反撃できてしまうが、視界を消すことによる利点はそれだけではない。
そして策とは一つ打っただけで終わるものではない。
片手間で行った事は、片手間で払いされて当然。
ならばその先があって当然ではないか!
「我は号する。第六天魔王がこれに在ると!」
「第六天魔王としてこの地の龍脈に命じる!!」
「機械仕掛けの暴虐を屈服させし後、そのハガネを我は巨人を弑する聖なる武器として投擲する!!!」
完全視界によって、自分たちの視界を確保した鈴鹿は一足先に攻撃を始めた。
睨み合いも様子見も不要、先手を取り、更に閃光率アップで攻撃して相手を追い込んでいくのだ。
「放て!」
『こんな煙幕なぞ! ……ぬう!』
鈴鹿は機械仕掛けのクロノヴェーダたちが使っていた投擲武器を具現化させた。
それを煙幕越しに投げつけると、敵は丁度その煙幕を吹き払った所だった。
大回転する槍が煙を払うが、一手遅れて鈴鹿のダメージアップを乗せた攻撃を防ぐことに失敗する。
『小賢しいわ!』
「槍を回転させて飛び上がった? でも! 先に動いたこちらの方が有利!」
逆連戦ゆえに敵も反撃できて当然。
だが相手は挙動が僅かに遅れており、そのために鈴鹿がガードする余裕があったのだ。相手に与えたダメージに比して、反撃による傷は微々たるものであった。
(「予定通りですね。まだ煙は残って居ます……ここは予定通りに行きましょうか」)
舞織は深編笠を片手の指で挙げて様子を確認すると、残る手で抜刀。
全体としての挙動は決して居合向きではないが、腕と腰の動きは軽やかだ。
転がる様に態勢をわざと崩し、そこから動きを元に戻す行為を居合に組み入れる。
(「平家滅ぼせし戦人。その戦才を以て敵を惑わし殲滅せん。これぞ天翔ける狗の技」)
舞織はまだ煙が残っている部分に転がり込むと、そこから立ち上がって横薙ぎの斬撃を浴びせたのである。
『おおお!!!! まだまだ、まだまだよお!』
「やはりそう来ましたね。ですが、予想済みです」
そしてその動きからさらに転がる様にして、威力を増しつつ、同時に相手の穂先から逃れる、風変わりな一撃離脱戦法である。敵が槍を構え直して三段突きを放つのを、二段まで躱して三段目を剣で受け止める!
「これも戦場の習い。許してくれとは言いません。……噛み砕け、鐵喰」
裕樹はその間に妖刀を更に巨大化させていた。
闘気を操り呼吸法を用い、全身のバネを利用して振り下ろす!
「はああああ!」
『きてえええい!!』
敵が渾身の力で振り下ろす槍よりも早く、裕樹は巨大な刀を振り下ろしていた。余計な事など考える必要などない。先に動き、相手よりも巨大な武器を叩きつける! それこそが、ただただシンプルな戦術での必勝法である!
「同じ槍使いでもやはり違うものですね、ですが負けません」
裕樹は相手の反撃に対し、妖刀を斜めに倒して受け流した。
パラドクスは避ける事など不可能なので、叩きつける一撃を防ぎ、ダメージを抑えたのである。
『無念!』
「悪の天魔武者は正義のディアボロスに敗れ爆発四散……ベタではありますが良い画ですね。貴方も歴史にその名を返していただきます」
倒れた瞬間に周囲が爆発するが、舞織は一般法則を破壊するがゆえに傷つかない。
「やはりこの爆弾では我々は倒せないようですね。しかし……一般人の形や建物はそうも行かないかもしれません」
「横須賀のカレーは旨いのだ、貴様らガラクタ如きに攻め入らせはせん!」
その様子を裕樹が分析すると、鈴鹿は着た時とは別の意味で面白くもなさそうに吐き捨てたのであった。
こうしてまた一つ、横須賀を巡る戦いが終わった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!