リプレイ
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
あの一般人だけに危害を加える兵器を仕掛けようとしたのは何者なのでしょう?いえ、それよりも。
再び兵器工廠へ資材集めに現れたということは、まだあんな兵器を作るつもりなのですか……
座して待つだけではいられません、何者であろうと阻止しなければ。
アガレスには警戒されているようですね、正面からの戦闘となるなら拙速を尊ぶとしましょう。
【飛翔】で低空から突入、《妖刀『鐵喰』》を手にアガレスとの距離を一気に詰めます。
先手を譲るとしても対応を深く考える時間を与えないようにしましょう。
先制攻撃が来ると分かっているなら覚悟を決めて飛び込むまで。
《空泳法・雲龍柳》――そちらが空飛ぶ鰐ならばこちらは空泳ぐ龍です。
鰐に動きを止められないように【反撃アップ】で鰐の攻撃する動きをよく見て一撃離脱を心掛け、そのまま鰐を振り切りアガレスへ不意打ちの一撃を。
貴方たちの復讐の相手はディアボロスでしょう?
それを私たちではなく一般人に危害を加えるなどと……つまらない小細工は止めて直接掛かってきなさい!
●待ち伏せ
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)はほとんど原型がない兵器工廠を緑の瞳で見つめる。
(「あの一般人だけに危害を加える兵器を仕掛けようとしたのは何者なのでしょう? いえ、それよりも」)
時先案内人の話ではここでアークデーモンが資材集めをしているという。
(「ということは、まだあんな兵器を作るつもりなのですか……」)
苦しむヒルコを動力として何の罪もない一般人を爆殺する兵器をだ。
(「座して待つだけではいられません、何者であろうと阻止しなければ」)
裕樹は全長約六尺の『妖刀『鐵喰』』を握りしめ施設の崩れた壁を乗り越えて廃墟内へと侵入した。
(「先制攻撃が来るとわかっているなら覚悟を決めて飛び込むまで。拙速を尊ぶとしましょう」)
そう考え敵の姿を探そうとした瞬間だった。裕樹の金の妖狐の耳にゴウッと突風のような音が聞こえる。次いで。
「敵発見。媒介者ども、疾く戻れ!」
そう叫ぶ老人の声。
慌ててそちらを見れば宙を猛スピードで駆けこちらに迫る赤いワニに乗ったアヴァタール級アークデーモン『悪魔老師アガレス』の姿があった。
(「もう気づかれていたの!?」)
避ける時間も防ぐ暇もないままワニの牙が裕樹に食らいつく。
「くっ……ここです! 龍爪!」
裕樹は痛みに耐えながら鐵喰を抜き放ちパラドクスのこもった一撃をワニへと浴びせる。そのダメージでワニの噛みつきが弱まった隙に床と並行飛行するような素早さで相手から距離を取った。
(「大丈夫、大したダメージではないです」)
体勢を立て直しながらワニの上の老人をにらみ据える。
「あなたたちの復讐の相手は復讐者でしょう? それを私たちではなく一般人に危害を加えるなどと……つまらない小細工は止めて直接掛かってきなさい!」
「チュッ!」
そこにネズミ型トループス級アークデーモン『媒介者』たちが集まってくる。よく見れば周囲のがれきの隙間にも彼らのものであろういくつもの目が不気味にこちらを見ていた。
「自分自身よりも守るべきものを奪われる方が、貴様らは苦しむのだろう? ならばそれは立派な復讐であろう。――邪魔者を排除するのだ、媒介者」
「チュー!」
冷静に命じたアガレスは後方に下がり静観の姿勢となった。
自らが戦う気のない今ならばアガレスからの情報収集に挑めるだろう。だが周囲を媒介者に取り囲まれている。先にそちらを対処する方がいいかもしれない。
どう行動するかは復讐者の判断に委ねられている。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
嫌がらせをして復讐とは、ディアボロスよりも余程復讐者らしいね。
その辺についてはちょいと話をしてみたい所だけれど、
このネズミの群れがまた厄介で、
何というかもう少しこう、可愛くならないものかなぁ。
何て軽口を叩きつつ、油断なく全体の状況を確認。
仲間と確と連携しつつトループス級への対処を行う。
敵が物陰に隠れて一撃離脱を図るなら、無理に此方から探すよりも、
襲い掛かる一撃一撃を的確に迎え撃つ事を優先して対処したい。
次々と襲い来る媒介者の攻撃を【反撃アップ】で察知して、
『着ぐるみ召喚・着ぐるみの森』のパラドクス使用。
厄介なネズミの群れを、もふっと可愛い着ぐるみ達の群れにして、
【グロリアス】で回復しつつ、敵の気力と体力をごっそりと奪っていこう。
対峙しているのは老獪なアークデーモンとその手下、情報収集するにも一筋縄ではいかなそうだ。
純粋に配下の敵数を減らしたいのもあるけれど、
ゆるっとした空気で虚を突く事で、少しなりとも此方のペースに引き込んで、
仲間と連携しつつ会話の糸口を掴んでいきたい。
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
媒介者、そうですか豊島区の……彼らの復讐は討たれた主人の仇討ちでしょうか?
ですがもしそうだとしても戦う力を持たない一般人を巻き込むやり方を認めるわけにはいきません。
媒介者は情報収集に利用されていたと話に聞いています、かつてとは状況も違うでしょうけれど念のため【通信障害】を。
周囲を取り囲まれているなら纏めて薙ぎ払いその包囲を崩しましょう。
《雷生炎花・百合車》――《雷光刀『雷花』》で近くの相手から雷の刃をお見舞いしていきます。
媒介者はその数で圧倒してくる相手、討ち取れそうな相手から優先して狙い確実に数を減らしていきましょう。
反撃には群れの動きをよく見ながら身動きを封じようとしてくる者から斬り払い、押し潰そうとする物量を減らし被害の軽減を試みます。
受けるだろうダメージは【グロリアス】で回復しながら耐えてみせましょう。
アガレス、貴方の言った通りです、守るべきものを奪われることに比べればこの程度で負けてはいられません。
●小さな復讐者
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は青い瞳でアガレスの様子をうかがいながら言う。
「嫌がらせをして復讐とは、ディアボロスよりも余程復讐者らしいね。その辺についてはちょいと話をしてみたい所だけれど、このネズミの群れがまた厄介で、何というかもう少しこう、可愛くならないものかなぁ」
その軽口にアガレスは何の反応も示さなかった。
(「さっきの復讐云々はこっちに合わせて言っただけで、個人的に何か思う事があるわけではなさそうか」)
何しろ戦闘の片手間に話した事である。策士のアガレスがそんな状況で有益な情報を話すはずもない。
「チュー!」
それよりも目の前の媒介者の方が余程復讐を考えていそうだ。
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)がつぶやく。
「媒介者、そうですか豊島区の……彼らの復讐は討たれた主人の仇討ちでしょうか?」
媒介者はかつてTOKYOエゼキエル戦争で豊島区を牛耳っていたジェネラル級アークデーモン『集合嘸』メンゲが情報収集をさせていたトループス級アークデーモンである。歯をむき出しにして今にもこちらに飛びかかろうとしているのもそのせいかもしれない。
それでも雪人は動かず相手の出方をうかがう。
するとしびれを切らした三体の媒介者が仲間を引き連れてがれきの隙間から抜け出し彼に殺到する。
「今こそ着ぐるみの力を示す時!」
雪人はそれらに陰陽五行のことわりを記した『陰陽符』を放つ。するとまんまと彼に誘き出された媒介者たちはパラドクスの力により可愛らしくデフォルメされたネズミの着ぐるみに変わり動かなくなった。
「チューチュー!」
怒りをあらわにした媒介者たちはさらに雪人に襲いかかろうとする。
「燃え上れ、百合車」
祐樹が妖気を糧に刀身に雷光をまとわせた『雷光刀『雷花』』の刃をパラドクスの力で延長。その刃で雪人を次々と襲おうとする敵と手近な敵を薙ぎ払った。敵を倒した事で先程アガレスから受けたダメージを残留効果【グロリアス】で少し回復する。
「チュウー!」
それでもめげずに媒介者が今度は祐樹に対して大量の仲間と共に押しつぶそうとする。
「着ぐるみ召喚・着ぐるみの森!」
それをまた雪人が着ぐるみ化した。
しかし一部の媒介者は術の範囲外だった。それらは一斉に祐樹にのしかかる。
「くっ……百合車!」
ダメージを受けながらも裕樹はそれらを雷の刃で切り裂き花のような炎を発生させ焼却した。すると【グロリアス】の効果でダメージが回復し結果的にそのダメージをなかった事にできたのだった。
「アガレス、あなたの言った通りです。守るべきものを奪われる事に比べればこの程度で負けてはいられません」
すべての媒介者を倒した祐樹は緑の瞳で敵指揮官を射抜く。
アガレスは顔の下半分を覆う白いひげをなでながらため息をついた。
「やれやれ、こんなにも疾く媒介者どもを討とうとは。貴様らを過小評価していたようだ」
立派な白い眉が影になり目の動きすら読む事ができない。
(「情報収集するにも一筋縄ではいかなそうだ」)
雪人はそう考えながら会話の糸口を探ろうと相手の話に耳を傾ける。
「致し方ない。貴様らを殲滅し、自ら資材を持ち帰るとしよう」
どうやらどうしても資材を確保したいらしい。一体どこに持ち帰るつもりなのか。しかし真正直に聞いて答える相手ではない。どうにか会話を誘導できないだろうか。
復讐者たちは考えを巡らせた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV2が発生!
野本・裕樹
貴重な資材を持ち帰るならば……持ち帰る場所には資材の価値を知りそれを活かせる者がいる筈、破壊兵器の技術をもたらした者がそこにいるのでしょうか。
作戦の効果を認めつつも資材集めをしなければならない現状からの推測で無意味なのではと疑問を投げかけ、どこへ持ち帰ろうとしているのか探ります。
やはりどうあっても資材を持ち帰るつもりなのですね。
しかしわざわざ廃墟と化した兵器工廠から残っているかもわからない部品を探して持ち帰らなくてはならないとは苦労されている様子。
現代兵器を利用しているということはTOKYOエゼキエル戦争の生き残りが相模国へ持ち込んだ作戦なのでしょうが、こうして資材集めをしなくてはならない現状を見るに相模国上層部からはあまり力を入れて作戦を継続する価値は無いと思われていそうです。
目の付け所は悪くなかったと思います、私含め嫌がるディアボロスは多くいるでしょう。
でも今更このような部品だけをどこへ持ち帰ったとしても、もう無意味なのではありませんか?
文月・雪人
■方針
兵器製造黒幕の情報を得たいけど直接聞くのは難しい
ならばより重要な情報を探る風を装う事で
相手の警戒ポイントをずらして意識させずに情報を引き出したい
家康の居城は日光東照宮と判明してるけど
知らぬ風を装い油断を誘い
反応見つつ会話を進めよう
■
相模国といえば七曜の戦で北条氏政を見かけたね
盤石な地固めの下、堅実に事を進めるのが得意な武将と聞いている
外交に重きを置く一面もあるようだけど
王の後継者を巡る争いも続く中で
元は敵のアークデーモン勢にこれだけ大規模な作戦を任せるとは
随分と大胆な手を打ったものだ
でも成果も信用も得られなければ使い捨てにされるのが関の山
感情エネルギーを得られる領民も碌にいない状態で
焦るのも頷けるよ
氏政的には囮でもあるのかな
人々を狙う破壊兵器をディアボロスは見過ごせない
国境近くの拠点に引き付ければその間他は安泰だ
家康縁の地と言えば、岡崎浜松駿府の城が有名だけど
玄関口の相模国がこの調子なら居城の可能性は低そうだ
寧ろ防衛が堅いのは武蔵国や下総国
その先にあるのは…下野国の日光東照宮とか?
●近代兵器
(「貴重な資材を持ち帰るならば……持ち帰る場所には資材の価値を知りそれを活かせる者がいるはず、破壊兵器の技術をもたらした者がそこにいるのでしょうか」)
そう考えた野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は慎重に言葉を選びながら口を開いた。
「やはりどうあっても資材を持ち帰るつもりなのですね。しかしわざわざ廃墟と化した兵器工廠から残っているかもわからない部品を探して持ち帰らなくてはならないとは苦労されている様子。現代兵器を利用しているという事はTOKYOエゼキエル戦争の生き残りが相模国へ持ち込んだ作戦なのでしょうが、こうして資材集めをしなくてはならない現状を見るに相模国上層部からはあまり力を入れて作戦を継続する価値は無いと思われていそうです」
それを聞いたアガレスは一笑に付した。
「見当違いも甚だしい。無骨な天魔武者に回収を手伝わせれば、残された精密機器を踏みつぶしかねない。回収については、こちらから断ったのだよ」
手伝いを自ら申し出たという事は相模国上層部は近代兵器の存在を重要視しているのだろうか。
会話の内容を少し修正しつつさらに情報を得るべく裕樹は話を続けた。
「確かに一般人を標的にするのは悪くなかったと思います。私含め嫌がる復讐者は多くいるでしょう。でも今更このような部品だけをどこへ持ち帰ったとしても、手の内はこちらに知れているのですからもう無意味なのではありませんか?」
何度同じ兵器を作ろうとまた壊せばいいだけだ。こちらにはその準備があると言外に言って相手の返答を待つ。
アガレスはそれに対しひげをなでながら鼻で笑った。
「よもやTOKYOエゼキエル戦争から持ち込んだものが、この程度だと思っているのか? 我らはミカエルの敗北を予期し、他のディヴィジョンに漂着する時に備えた準備を行っていたというのに」
どうやらアガレスの上司であるジェネラル級は用意周到なようだ。
(「そのうえ、まだ他にも兵器がある? またそれで一般人を狙うつもりなの?」)
そこまで考えた裕樹は今まで黙って話を聞いていた文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)に緑の瞳で目配せする。
(「兵器製造の黒幕の情報を得たいけど直接聞くのは難しい。ならばより重要な情報を探る風を装う事で、相手の警戒ポイントをずらして意識させずに情報を引き出したい」)
そう考え雪人は裕樹とバトンタッチした。
「相模国といえば七曜の戦で北条氏政を見かけたね。盤石な地固めの下、堅実に事を進めるのが得意な武将と聞いている。外交に重きを置く一面もあるようだけど、王の後継者を巡る争いも続く中で元は敵のアークデーモン勢にこれだけ大規模な作戦を任せるとは、ずいぶんと大胆な手を打ったものだ」
一度言葉を切って相手の反応をうかがう。
アガレスは近くに落ちていた兵器の部品を拾い上げるとわずかに目を細めた。
「徳川殿が関東に来ている今、北条殿の権勢など無きに等しい。小田原の城で復讐者を食い止めるのが精々であろう」
拾い上げた部品をこちらに見せながらその悪魔は言い放った。
「この兵器は、復讐者に小田原を攻めさせる餌でもあるのだ」
「……妙にあっさり情報を出すんだね。それは機密情報じゃないのかい?」
今の口ぶりは明らかに口を滑らせた訳ではなかった。何か裏があるのだろう。
雪人の疑問にアガレスは淡々と答える。
「北条殿にとっては機密なのだろうが、我らにとっては復讐者が知る方が益がある。我らの掌の上であったとしても、完成した近代兵器が小田原に運び込まれた可能性を、貴様らは捨て置けまい?」
(「小田原城に完成した近代兵器が……?」)
「……確かに、人々を狙う破壊兵器を復讐者は見過ごせない」
例え罠であろうと一般人に害が及ぶ可能性がある以上攻めない訳にはいかない。小田原城には早急に手を打った方がいいだろう。
しかしこの様子では北条氏はエゼキエル勢のみならず徳川家康にも捨て駒扱いされているようだ。
「家康と言えば、岡崎浜松駿府の城が有名だけど、玄関口の相模国がこの調子なら居城の可能性は低そうだ。むしろ防衛が堅いのは武蔵国や下総国。その先にあるのは……下野国の日光東照宮とか?」
家康の本拠が下野国である事は和泉国の淀殿との決戦の折に判明している。淀殿の口ぶりから居城は恐らく日光東照宮であろう事もだ。しかし相手の油断を誘うために雪人はあえて知らないふりをした。
するとアガレスはまた口ひげをなでながら鼻で笑う。
「復讐者は、歴史も知らぬのか。日光東照宮は、この時代にはまだ存在していないぞ。例えあの地が徳川殿にとって重要な場所であったとしても、知らなければどうしようもあるまい」
(「エゼキエル勢の拠点の情報は出ないか。しかし相模国の小田原城を餌にするという事は、彼らの拠点は相模国ではないようだ」)
自分たちの拠点がある地をわざわざ囮にするとは考え難い。そう思いながら雪人は反論する。
「でもあなたは知っている。日光東照宮を知るTOKYOエゼキエル戦争勢力が傘下に加われば、どうとでもできるのではないかい? もしかして、あなたたちから情報を得て日光東照宮を今まさに建設している最中、とか」
アガレスのひげをなでる手がピタリと止まる。どうやら図星だったらしい。
やはり徳川家康の居城は日光東照宮で間違いないようだ。
「無駄話の時間はしまいだ。よもや貴様らも、このまま帰るつもりではなかろう?」
ワニの上のアガレスは途端に殺気立つ。失言を自覚して警戒を強めたためこれ以上情報を得る事はできないだろう。幸い早急に報せるべき情報も得られた。アヴァタール級アークデーモン『悪魔老師アガレス』を倒し急ぎ新宿島に帰還しなければならない。
そう考えた復讐者たちは顔を見合わせうなずき合い戦闘態勢を取る。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
●援軍
「しかしその前に」
悪魔老師のその声には人の精神を崩壊させる魔力が込められていた。
「そちらの邪魔なネズミを駆除しよう。我が気づいていないと思い込んでいる愚か者には、死よりも恐ろしい罰を与えるべきであろう」
雪人と裕樹が情報収集している間にヴァルネラ・ドゥーン(人間のレジスタンス諜報員・g09339)はがれきの陰に隠れて敵に近づこうとしていた。
だがアガレスはそれに気づいていたのだ。悪魔の禍々しい演説がヴァルネラの精神を蝕む。
「ぐっ……、気づかれていたのなら!」
精神的ダメージを負いながらも彼女は躊躇することなく乳白色の髪をなびかせながら物陰から飛び出す。パラドクスにより自身の残像を生み出すと服の下に隠し持った『小型拳銃』を素早く構える。
「真っ向勝負するだけです!」
藍色の瞳でアガレスをにらみ据え引き金を引く。放たれた弾丸は敵が乗る赤いワニの左目に正確に当たった。
「た、畳みかけるんだ……!」
ヴァルネラのさらに後方から様子をうかがっていたカマル・サディーク(人間の王墓守護者・g03220)はそう言うと自分の黒髪をかき分け左目を覆う包帯を外す。そして赤い両目でしっかりと相手を捉えパラドクスを発動する。
「あの頃を取り戻すために、歴史を終わらせる訳にはいかないんだ!」
すると先程行われた悪魔の演説が再現される。しかし今回ダメージを負うのはアガレス本人である。
だが。
「……この程度か、復讐者!」
アガレスが叫べばカマルの立つ床が衝撃波を受け大きく揺れる。
「きゃあ!」
カマルは立っている事すらできなくなりその場に倒れた。崩れかけていたがれきが彼女に降り注ぐ。
「カマルさん!」
それをヴァルネラの銃とカマルの王墓を荒らす者を討つための『守護者の鞭』で打ち落とし何とか軽傷で済ませた。
「あ、あとは任せた……!」
ダメージを負った二人が後退するのを見てアガレスは再び裕樹と雪人に視線を戻す。
「邪魔者は消えた。貴様らも無傷では帰さぬぞ」
ダメージを負ったワニをなだめながらも油断なくアガレスは身構えた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
そうだねアガレス。
あなたが俺達を帰す気が無いように、俺達もまたあなたを逃がす気なんて毛頭ない。
何方が先に倒れるか、最後の戦いと行こうじゃないか。
【パラドクス通信】で仲間と連携し、
可能なら互いに援護しフォローし合って、敵を此方のペースに引き込む形で戦いたい。
裕樹が接近戦をメインに仕掛けるならば、俺は遠距離から狙う事で敵の注意を攪乱しよう。
『龍脈解放』のパラドクス使用。
【能力値アップ】【反撃アップ】で敵の動きを読みながら、
大地を確と踏み締めて、地下深くの龍脈を探り、タイミングを図る。
しかし無駄話はしないと言いながら攻撃手段も演説とはね、余程喋り足りないらしい。
軽口を叩きながら敵の注意を地面から逸らし、
或いは仲間の攻撃に合わせる形で、
精神攻撃も吹き飛ばすように龍脈のエネルギーを解放し、
大地を【命中アップ】な鋭い杭の形として、敵を穿つ。
最終人類史の人々は俺達の大切な仲間だ。
お前達がどんな兵器を作ろうとも、手出しなんてさせるものか。
絶対に護り抜く。
ディアボロスの怒りを舐めるなよ!
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
このまま帰れば資材を持ち帰るのでしょう、黙って見過ごすわけにはいきません。
それにそちらのワニには一度噛みつかれていますからね、借りを返させてもらいます。
仕切り直して今度は互いを視界に収めての戦い、本当の真っ向勝負です。
ワニが空を飛ぶならこちらも【飛翔】で対峙。
ワニに一太刀浴びせるために近距離で立ち回りましょう。
《妖刀『鐵喰』》を《巨刀『曼殊沙華』》に変化させてパラドクスの一撃を放ちます。
《妖刀覚醒・鉄蝕閃》――先程のお返しです、噛みつく程度では済ませませんよ、嚙み砕きますっ!
可能ならば【パラドクス通信】を利用し仲間との連携を。
アガレスが乗る空飛ぶワニを狙い攻撃し、アガレスの動きを止めて仲間が攻撃しやすくならないか試みます。
反撃には初めから接近戦をしておくことでワニの接近の勢いを攻撃に乗せられないようにしましょう。
その上で噛みつきや尻尾の動きに注意しカウンターで斬撃を合わせられないか狙ってみます。
大和・恭弥
救援機動力で戦闘に助力しよう
必要な情報は得られたようだ。決着は早いに越したことはない。
その言葉、そのまま返そう。……このままお前を帰しはしない。
藍雪花染を抜刀し、呪詛を解放して地面を蹴り間合いを詰める。
【パラドクス通信】で仲間とは連携を取りながら動き、剣技・天神ノ瞋怒雨「雷神」を発動して一閃、敵の注意をひき仲間が攻撃する隙を作る。敵の演説は仲間もいることに勇気を抱いて、心がブレないよう太刀筋に精神を集中させよう。
邪悪を説く歪んだ性根ごと斬り伏せる――悲哀に喰われている心身、お前の演説だけで簡単に折れるものか。出来る限り両断する勢いで振り抜きながら【光学迷彩】なども使い臨機応変に攻めて、十二分になったら仲間に合図する
●決着
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は全長約6尺の『妖刀『鐵喰』』を抜刀し緑の瞳でアガレスと彼を乗せるワニをにらむ。
「このまま帰れば資材を持ち帰るのでしょう、黙って見過ごすわけにはいきません。それにそちらのワニには一度噛みつかれていますからね、借りを返させてもらいます」
その時【パラドクス通信】にさらなる救援を告げる無線が入る。
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)はそれを敵に気取られないよう何事もなかったようにアガレスの言葉に返答した。
「そうだねアガレス。あなたが俺たちを帰す気が無いように、俺たちもまたあなたを逃がす気なんて毛頭ない。どちらが先に倒れるか、最後の戦いと行こうじゃないか」
グルルルル……。
唐突に地を這うように響いたのは赤い空飛ぶワニの鳴き声だった。
「……貴様らはどこからでも湧いて出てくるのだな。また邪魔者か」
(「感づかれた? という事は、今のは新手を知らせる鳴き声? だったら、私の時もワニが反応したんでしょうか」)
返さなければならない借りが増えたと裕樹が思った時だ。
「その言葉、そのまま返そう。……このままお前を帰しはしない」
大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)が救援に駆けつけた。恭弥はその勢いのまま裕樹と雪人の背後から飛び出し使い手の悲哀を食う『妖刀『藍雪花染』(アイセツハナソメ)』を抜刀。一つにまとめた黒い長髪をなびかせ一瞬の早業で敵に肉薄する。
「ぬう!?」
恭弥の存在に気づいていながらアガレスはあまりの素早さに対応が遅れた。
恭弥は妖刀の刃に人々の悲しみを碧の呪詛に変えてまとわせ一閃。悪魔老師の左腕を切り落とした。
「っ……!」
アガレスはワニの上で一瞬ふらついた。しかしすぐに立て直し眉を吊り上げる。
「その禍々しき力は我らと同質のもの! 貴様は我らをすべて討ったところで人々の憎悪の対象となり、悪として祭り上げられその身を滅ぼされるだろう!」
その邪悪な悪魔の演説は恭弥の心を破壊せんとする。
(「確かに、この妖刀の力を恐れる者はいるだろう」)
だが彼には信頼できる仲間がいる。今も彼の身を案じてくれる人々がいるのだ。
妖刀に飾られた『若草色の刀飾り』が黒い瞳に映る。
(「俺は、一人じゃない」)
恭弥は全くダメージを受ける事無く相手の術を破った。
「悲哀に喰われている心身、お前の演説だけで簡単に折れるものか」
「小癪な……!」
敵が自分に集中しているのを見て恭弥はパラドクス通信の通話ボタンをさりげなく二度押す。
裕樹と雪人はそれが攻撃開始の合図だとすぐに察した。
裕樹は妖刀を覚醒させ『巨刀『曼殊沙華』』へと変形させる。そして茶色がかった金髪を揺らし床を蹴り飛ぶように敵との間合いを一気に詰めた。
「先程のお返しです、フッ!」
オーラで肉体を強化し独特の呼吸法で巨刀を振り上げる。
ワニもとっさに大口を開き素早く裕樹に噛みついた。
「――っこちらはその程度では済ませませんよ、噛み砕きますっ!」
激痛に顔をゆがめながらも噛みついてきたワニの脳天に巨刀を振り下ろした。その刃はワニの硬い皮膚と頭蓋を砕き両断する。
空飛ぶワニの遺体とそれに乗っていたアガレスが飛行能力を失い床へと落ちていく。
「おのれ……!」
アガレスは憎悪の言葉を吐きながらも裕樹ではなく地上に残った雪人を見た。
(「さすが策士、気づいたか」)
雪人は一歩も動かず足の先から気を放ち大地と同調する事で龍脈から膨大なエネルギーを引き出しながら機を待っていたのだ。
しかしアガレスはその高い知能でこちらが連携攻撃を仕掛けている事に気が付いた。落下しながらも雪人に悪魔の演説を説く。
「せいぜい我らの与えた餌に食いつくがいい! 守るべき脆弱な人間が壊れる前にな!」
「無駄話はしないと言いながら演説とは、余程喋り足りないらしい」
軽口を叩きながらも雪人は『陰陽符』を構え自身の周囲に『破魔防御結界』を張る事でダメージをわずかに軽減した。そして龍脈の力で大地を隆起させ鋭い杭を形作る。それはなすすべなく落下してきた敵の体を貫いた。
「最終人類史の人々は俺たちの大切な仲間だ。お前たちがどんな兵器を作ろうとも、手出しなんてさせるものか。絶対に護り抜く。復讐者の怒りを舐めるなよ!」
平静を装っていた彼も一般人を狙う悪魔の所業にはらわたが煮えくり返っていたのだ。敵をにらみ据えるその青い瞳は高温の炎を思わせた。
雪人の怒りで強靭な矛となった大地に貫かれたアガレスは血を吐き白いひげを赤く染める。それでも彼は不気味な笑い声をあげた。
「クックック……。せいぜい、足掻いて見せろ。やれるものなら、な……」
その言葉を最期にアガレスも動かなくなった。
それを確認すると恭弥は二人を振り返る。
「必要な情報は得られたんだろう? 帰還しよう」
「はい。TOKYOエゼキエル戦争勢力の拠点が相模国にない事、徳川家康やエゼキエル戦争勢力が北条氏を時間稼ぎの捨て駒として見ている事。そして小田原城に完成した兵器が運び込まれた可能性がある事がわかりました」
「この情報を一刻も早く持ち帰り、今後の対策を練ろう。最終人類史の人々を守らないと」
三人はうなずき合うと足早に兵器工廠跡地を去った。
復讐者たちの活躍によりTOKYOエゼキエル戦争残党を討ち新たな情報を手に入れる事ができた。この情報を攻略旅団に伝えるため彼らは急ぎ新宿島へと帰還したのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!