島津の苛政は虎よりも猛し

 トカラ諸島を制圧した事で、九州本土へ向かうパラドクストレインが出現しました。
 目的地は、島津の圧政によって、住民全員が死に瀕している、九州の南東の端にある『大隅国』です。

 現在、『大隅国』は『薩摩国』の島津氏による制圧下にあります。
《七曜の戦》での強行偵察時にも、史実で大隅国に属していた『屋久島』が、島津の天魔武者による沖縄侵攻の基地になっていました。

『大隅国』には城も支配者も無く、島津氏の支配する『薩摩国』の属国として搾取されており、島津の苛政により住民の多くは飢え死にし、道々には死体が遺棄されて死臭を放っています。
 そのような状況下で、辛うじて生き延びている一般人を狩り集めようとする天魔武者が、村の襲撃を行っています。
 襲撃を受けている一般人を救出し、九州地域の情報を集める事で、次の進路を判断できるでしょう。

大隅見聞録(作者 baron
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「いいですか、生きてる人間がいれば、殺さずに連れて来るのです」
 大隅国を島津の天魔武者が周回している。
 島津十字の旗の元、人々を探し、居れば連れ歩いた。
 指揮官は鉄砲を担いでおり、部下も鉄砲を携えている。
「今はボロ雑巾の様ですが、生きていないと、困ります。薩摩の更なる発展の為には必要なのです」
「ははっ」
 そう言って指示を出すと、部下たちは頭を下げて色々な場所を歩いていく。
 彼らは如何なる苦労も無視して歩き、探し続ける。
「ちっ、ここも死体だけか。全く、役に立たない農民どもだ」
「薩摩の者はこの程度では死なんと言うのに」
 何というか、自分が出来る苦労は他人も出来る。
 薩摩の人間ならば耐えられる苛性は他国の人間でも耐えられると思っているフシがあったという。


「皆の活躍で、島津氏の支配地域である九州南部へのパラドクストレインが現れたようだ」
 アウグスト・エステルブリッツ(人間の思想家・g08506)が説明を始めた。
 地図は領国性でいうと大隅国にあたる。
「九州南部の人々は、島津氏の圧政により、まさに死に瀕しているようだ。その上、この瀕死の人々を襲って連れ去ろうとする天魔武者もいるようなので、一般人を救援した上で、この天魔武者の撃破も行って欲しい」
 アウグストはそう言いつつ、資料と共に手配書を用意した。
 必要な物資を記載すれば、常識の範囲で用意できるらしい。
「その折に救出した一般人から情報を聞き出す事が出来れば、九州方面の今後の動きを考える参考にすることが出来るだろう。人々を助けるついでに、可能な範囲で情報収集を頼む」
 アウグストは話をする上で幾つかの想定をしたが、余計な判断は交えずに話を続ける。
 あくまで集めた情報を整理し、徐々に開示する方が、余計な情報を交えずに正確になると思ったのだろう。

「事件が起こっている場所は、島津氏が支配する『薩摩国』の一部であるが、旧来は『大隅国』と呼ばれていたらしい。それが、どうして『薩摩国』の一部とされたのかの経緯や、周囲の大名家の状況などが判れば、良い情報になるだろう」
 どちらかといえば、ディアボロスたちは薩摩を目指していたはずだ。
 それが何故か大隅国に辿り着いたのは、想定できることはあるが、現時点では確定して居ない。
 また、攻略旅団次第では、薩摩以外にも他の国を目指すことも出来るだろう。その為には、情報は色々と重要になって来る。
「救援した村の周辺は荒れてはいるが、かつては畑であったので【土壌改良】などを行えば、再び暮らせる村にするのは難しく無い。しかし、そうなれば、人狩りの天魔武者に目をつけられて襲撃される事になるので、当面は、隠れ里を用意して、そこに住んでもらうのが妥当かもしれない」
 アウグストはそう言いながら、手配書や地図を手渡した。
 ディアボロスがこの地域を制圧すれば、村に戻って来る事もできるので、それまでの生活が可能な隠れ里を準備してあげて欲しいという。

「天魔武者は圧政からエネルギーを得ているが、それで殺してしまっては意味が無いだろう。島津の天魔武者は、生かさず殺さずという、圧政の基本も出来ていないようだ。生かさず殺さずの状態も許せるものでは無いが、逆説的に言えば、圧政で住民を全滅させるような島津よりもマシなのだろう」
 アウグストはそう言いながら苦笑する。
 人間と同じ原則でクロノヴェーダは語れないが、それでも多くの場合は殺すと意味がないのは確かだ。
 同様にロマノフでも圧政から殺害にシフトしているが、そちらは確信犯で悪い方向に向かっているとも言える。


「農具も無しにこんな荒れ地を耕せるかよ」
「しかも種や籾を植えたら、食うモノなんて殆ど残らねえぞ。水だって田んぼに入れにゃならん」
 木の棒や木の板を使って、農民たちが田畑を耕していた。
 優先して植えているのは冬に植えるタイプの野菜だが、暖かい場所では田も耕しているらしい。
 だが柔らかい場所は水はけが妙に良かったり、逆に硬い場所は掘るのも一苦労だ。
「だめだ。林にもロクに食える草もねえ」
「雑草を煮るにしても限界があるぞ」
 農民たちは、思わず種や籾を見つめる。
 それを食べて逃げ出してし合った方が良いのではないかと思うが、行くあてなどない。
 そして食べてしまったら、来年の収穫など存在しなくなるのだ。ダメもとで植えねばならないというジレンマ。
 おそらくは何人かが飢えて死ぬだろう。後は順番と優先を決めて、誰を生かして誰を見捨てるかの算段でしかなかった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
2
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【神速反応】
4
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【猫変身】
1
周囲が、ディアボロスが猫に変身できる世界に変わる。変身した猫は最大「効果LV×10m」の高さまで跳躍できるが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV3 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV4

●マスターより

baron
baronと申します、よろしくお願いしますね。
今回は大隅国を救援に向かう話になりました。なんででしょうね?

●流れ。
初日にプレイングがあっても、22日朝の分まで執筆いたしませんし、当然ながらプレイングが無ければお待ちします。
また、22日に全ての選択肢が執筆されて居てもア、ヴァタール級との戦いは24日朝分までお待ちいたしますね。

①隠れ里を作り、人々を導く。
 必要な物資は常識に範囲で手配されます。
有効な残留効果を使えば比較的早くに用意することができるでしょう。

②情報を集めつつ、人々を助ける。
 大隅国や周辺の情報を集めつつ、人々を助けます。
お答えする情報は一つになるかと思いますが、こちらの選択肢でも人々を助けることができます。

③敵部隊を倒す。
 大隅を巡って人狩りをしている部隊を倒します。
クリアせずとも指揮官に挑めますが、その場合は被害が出続けるでしょう。

④指揮官を倒す。
 ③の部隊ともども、自分でも歩き回って人々を狩り集めています。
人間の扱いは部下よりもマシですが、薩摩の発展の為ならば仕方ばないという見解です。
129

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


神山・刹那
隠れ里の準備ね
必要なものは食い物が作れる畑に、田んぼ、人が隠れることができて見つからないところ
取り敢えず森の中に作るとして、水をひける水路とか必要なことを考えるって川沿い、で、見つかりにくいところがいいな
取り敢えず目当ての場所を見つけるか

目当ての場所を見つけたら森の木を斬り倒し、根っこを引き抜いてある程度の広さを作ると、水路を引き、建物などを作り、人が生活するのに必要なものを用意し、鍬や鋤などの鉄製の農工具を用意し、牛や馬などの家畜もある程度用意する
「まぁ、こんなもんか。あんまり用意しすぎるとやる気がなくなるし、程々で良いだろ」


ニーニ・ニニ
天魔武者達をなんとかするまで、皆の命を繋ぐことが大事ですね!
にゃーっと頑張って、素敵な隠れ里を作るですよ。

現地の様子を確認しつつ、ある程度の人達が暮らせる広さがあって、敵に見つかり難そうな場所を選んで隠れ里の準備に取り掛かりますね。
他のディアボロスさん達とも協力して、ぼくにもお手伝いできることがあればいっぱいお手伝いするですよ!

作物が育て易くなるように、【土壌改良】を活用して畑の整備をしておきましょう。
この辺りでも育つ作物を事前に調べておいて、必要であれば新宿島から種等を持ち込んでおきますね。

あとは、これからの寒さへの備えも必要でしょうか?
毛皮やあたたかい毛布、薪も多めに用意しておきますね。


篠村・蓮十郎
平時であろうと戦時であろうと、営みは民が居なければ成り立たぬというのに……つくづく気に食わん連中だ。

隠れ住むとなればやはり森の中か
しかし住処や畑の準備も必要となる以上、ある程度は切り拓かねばならん
出来れば山間……平地からでは容易に見抜かれぬ場所が良いだろう

鍬や鋤、鎌も要るな
予め作業に必要な農具を見繕い持ち込んでおこう

開拓の結果、里が露見してしまっては元も子も無い
周囲の植生や木々の密集具合を見て、外部から悟られぬ様、どう切り開くか慎重に検討する

万一に備え逃走経路を確保
深く木々に紛れる道や一時的に身を隠せる洞などを確認する
加えて里の周囲と川から畑に引く水路など
所在が割れかねない箇所へ草木を被せ隠蔽しておこう

施設の建設は怪力無双を利用し迅速に行う
俺たちが関与出来るのは里の成立まで……
維持をしていくのはここに住む者たちだ
少しでも過ごし易くなる様、彼らにも意見を仰ぎ建設を進めるとしよう

搾取も大概だが、死すら厭わぬとはたちが悪い。
こちらも悠長に構えては居られんな。



「平時であろうと戦時であろうと、営みは民が居なければ成り立たぬというのに……つくづく気に食わん連中だ」
 篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は怒りの声を上げた。
 大隅国の人々が飢えに苦しんでいると知り、更に天魔武者のエネルギー収奪方法では、人を殺すべきではないからだ。まだ冥海機が人々を鍛えて戦死させようとする方が軍人として理解できる。
「天魔武者達をなんとかするまで、皆の命を繋ぐことが大事ですね!」
 その言葉を聞いてニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)は手を挙げた。
 猫は理不尽を許せぬと思った、しかし、それ以上に困っている人々を助けねばならないと思ったのだ。
「隠れ里の準備ね」
「ですですっ。頑張って、素敵な隠れ里を作るですよ」
 もはや定番となった隠里に神山・刹那(梟雄・g00162)が言及すると、にゃーっとニーニは頷きを返すのである。
「必要なものは食い物が作れる畑に、田んぼ、人が隠れることができて見つからない所だな」
「隠れ住むとなればやはり森の中か。しかし住処や畑の準備も必要となる以上、ある程度は切り拓かねばならん」
 刹那がこれまでの経験から条件を列記すると、蓮十郎は地図を眺めた。
 残念ながら住み易い平原は避けなければならないのだ。
「取り敢えず森の中に作ることになるよな。水を引くとしても水路とか必要なことを考えるって川沿い、で、見つかり難い所が良いな。自分で言っていて少し厳しいと思わなくも無いが」
 刹那も地図を覗き込みながら額に皺を寄せる。
 普通に暮らすために絶好的な場所は絶望的だし、かといって僻地では自分らはともかく一般人では生活が難しいだろう。
「出来れば山間……平地からでは容易に見抜かれぬ場所が良いだろう。予め作業に必要な農具を見繕い持ち込んでおいて良かった」
 蓮十郎は物資を手配する段階で、鍬・鋤・鎌を多めに手配して置いた。
 開拓の結果、里が露見してしまっては元も子も無い。
 それゆえに僻地を開拓せざるを得ないのだが、実際に住む者が現地で困らないようにする為である。
「じゃあ、後は現地に行って何か所かチェックですね。ある程度の人達が暮らせる広さがあって、敵に見つかり難そうな場所……う~頑張ります」
 ぼくにもお手伝いできることがあればいっぱいお手伝いするですよ!
 そんな事を力いっぱい全身で表すニーニの姿に男たちもホッコリした。
 だが、決して甘やかしたりはしない。ディアボロスたちは自立した戦士だものね! なので頑張るのです!

 やがて三人はあちこちの山を歩き、手分けして良い場所を探すことにした。
 実際には助ける人々の村があるので、大隅中を渡り歩く事はないのだけれど。
「取り敢えず目当ての場所を見つけるか。何本か木を切り倒して見てからだな」
 刹那は太刀は抜かずに鋤や鍬を担いでいた。
 必要ならあっという間にズンバラリンできるので、むしろ農具を疲れないようにするべきだからだ。
「そうだな。場所を見つけても、どっち側に広げるかは重要だぞ。また後でな……」
「あい!」
 蓮十郎の言葉にニーニは寂しそうな顔で頷いた。
 いつもは頼もしい仲間が居るから思い出しそうになったのだ。でも我慢するのです。
(「周囲の植生や木々の密集具合は十分か……。とはいえあまり切り拓くとな。外部から悟られぬ様、どう切り開くか慎重に検討せねば。逃走経路……それとも隠れる場所が良いか?」)
 一人に成った所で蓮十郎は口を閉じる。
 そして森の具合を確かめ、実際に村を作る時の構図を配慮した。
 万一を考えるならば逃走経路は必要だが、それで人々が見つかる様では本末転倒であろう。洞窟であったり、あるいは谷に成った場所を見て回ることにする。
「考え過ぎてもなんだ。この辺を中心に畑を耕すことにして、どっちに広げるかは後で相談するか。しかし、牛や馬も居た方が良いんだろうが……というか、まだ生き残ってるのか?」
 刹那はやがて考えるのを止めた。
 畑となるべき場所だけを確認すると、そこをサッサと耕してしまう事にしたのだ。
 それを遠目に見ていたニーニもダッシュ! 猫真っ直ぐだ。である。
「作物が育て易くなるように、【土壌改良】を活用して畑の整備をしておきましょう! おいしくな~れ……って呪文が違いましたね」
 そう言う訳で、一足早くやり始めた畑仕事にニーニがビュっと飛んで来た。
 そして新宿から持ち込んだ種を降ろしながら、おいしくなーれおいしくなーれと土壌を改良していく。招き猫の亜種かもしれない。
「まぁ、こんなもんか。あんまり用意しすぎるとやる気がなくなるし、程々で良いだろ……」
「あとは、これからの寒さへの備えも必要でしょうか? 毛皮やあたたかい毛布、薪も多めに用意しておきました」
 刹那が何面文化の田畑を耕す頃には、ニーニもそれらの土壌改良。
 余った時間はもちろんお手伝いである。
「施設用の木を切り倒しておいたぞ。水路は何時行く? 俺も同行しよう」
「おう、頼んだ」
 その頃には蓮十郎が苦労して切り倒した木材を運んでくる。
 怪力無双があるので持ち運ぶの簡単なのだが、見つからない場所と言うのが苦労した。
「水路も隠して置かないとな。こういう感じで草や木をかぶせるつもりだから、頼んだぞ」
「はいっ!」
 蓮十郎が適当な窪みに草の根元を巻き付け傾斜させると、ニーニはそれを見てウンウンと頷いた。みんなでやれば作業も早いだろう。
「俺たちが関与出来るのは里の成立まで……。維持をしていくのはここに住む者たちだ。少しでも過ごし易くなる様、彼らにも意見を仰ぎ建設を進めるとしよう」
「俺らの意見は、何処まで言ってもディアボロスの体力あっての話だからな」
 蓮十郎の言葉に刹那は頷く。
 自分たちはこれだけ動いても、『喉が渇いたから酒でも飲みたい』という程度だが、一般人ではそうも行かないだろう。
「搾取も大概だが、死すら厭わぬとはたちが悪い。こちらも悠長に構えては居られんな」
「終わったら、みんなで助けに行くのです!」
 蓮十郎の言う事ももっともだとニーニは思う。
 おとぎ話ならば、めでたしめでたし……で終わるだろう。
 だがクロノヴェーダが相手ではそうはいかない。皆を無事に助けねばと汗を拭きながら誓うのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!

桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
【創想】のみんなと。

あらかじめ育てやすい野菜や日が保ちそうな食べ物の種(じゃがいもや大豆等)を何種類か用意しておく

とりあえず田畑を耕して隠れ里の食料確保につとめればいいかしらね?

隠れ里候補地が見つかったらそこに行き、田畑になる場所を決めてから耕しながら【土壌改良】にて植物が育ちやすいようにしていく。
水路も忘れないようにしないとね。ソラの用意してくれた水から田畑への水路を確保する

準備ができたら住民たちにも声掛けし一緒に畑に予め用意した種を植えていく

これが育てば食糧には困らないと思うわ。加工とかもしやすいだろうし衣食住は大切だからね。


ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
【創想】で参加。

民草の食料事情が不安定なら保存の効く干し肉とかかな?新宿島から持って来よう。

実際には肉を食べる文化が来たのが安土桃山くらいの時代かららしいので、お米(玄米)の🍙とかも有りと言えばありなのかも?

必要な物の指定(食べ物)に関しては他のメンバーともお話して持っていきたい所。

「民草の命は、国より重い」だって、民草が居なければ国は成り立たず、それを大事にしない者達が上に立っているのであれば、幸せな世は訪れないのだから。

仲間の皆と協力して良い感じに隠れ里(永住も出来る可能性)を作るのも悪くない選択肢。

民草には幸せに暮らして欲しいのが王族だった私が出来る事。貰ったものは1個でも皆で食べれる「口福の伝道者」すごい良いよね。


アルマニア・シングリッド
【創想】
宿敵に関しては色々とあるけど
一旦置いておいて
隠れ里の用意をしますか

隠れ里の候補地探しはお任せあれ
早業・高速詠唱・連続魔法で詮索召喚をほぼ常時展開
天魔武者達から見つかりにくく、衣食住が揃えられそうな土地を探していきますよ
(情報収集・観察・看破・偵察など

見つけた候補地はパラドクス通信で味方に伝えて
詳しく見分してもらいましょうか

隠れ里の場所が決まったら
再び詮索召喚を展開して
隠れ里になる場所の地形も利用し
上空からも見つかりにくいように建物や水路、田畑などの整備をしていきますよ
熊などの獣対策に隠れ里を囲う柵も可能なら作りたいですね
(伝承知識・計略・臨機応変など


隠れ里準備でもパラドクス通信を使って効率よく作業を進めていきますよ

サフェルは田畑の準備の手伝いをよろしく!

後は……
当面の食糧用にジャガイモと唐芋(さつま芋の事)
干しスルメイカにニボシ、落花生や高野豆腐や味噌などを口福の伝道者で増やしておきましょ

畑の作物には大根や白菜などを
田んぼの作物には米の他に大麦の苗も用意しましょ


アドリブ
絡み歓迎


ソラ・フルーリア
【創想】の皆と一緒に!
※連携アドリブ歓迎します。

まーた島津の天魔武者が無茶苦茶してるのね……。
機械なんだから「この位出来て当然」なんて狭い視野を早々にアップデートしてほしいものだけど……。
ま、島津に限ってそれは無理かしら。
それより!早く一般人の人達を助けないといけないわね!

アウグストから貰った地図を頼りにして、隠れ里になりそうな場所を探すわね!
山の中腹で比較的傾斜が緩やかなところとか、木が生い茂って数本倒した程度じゃ気付かれないところが良さそうかも!
そういえば前に洞窟を隠れ里にしたし、隠れ場所としてはそっちのほうが良いかもね!

場所が決まったら物資の準備ね!
新鮮な水がいるかと思って【水源】を用意したわ!
アタシ達が居なくなっても大丈夫なように、大きい穴とかに水を溜めて置くわね!



「大隅に到着ですか……此処に……」
 アルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)はパラドクストレインから降り、大隅国に到着した。現代では鹿児島県とひとくくりにされているが、この時代では薩摩とは別の場所である。ちなみに種子島は大隅国の所属だったりする。
「まーた島津の天魔武者が無茶苦茶してるのね……」
 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は思わず苦笑する。
 アイドルなのだから苦笑いも可愛いのは当然だが、今は関係ない。
「機械なんだから『この位出来て当然』なんて狭い視野を早々にアップデートしてほしいものだけど……。ま、島津に限ってそれは無理かしら」
 というか、沖縄でもダメだったわけだ。
 むしろ薩摩以外では成功していないのでは?
 ソラはそう思うのだが、人間である彼女と違って島津の天魔武者は駄目らしい。
「それより! 早く一般人の人達を助けないといけないわね!」
「そうですね。宿敵に関しては色々とあるけど一旦置いておいて隠れ里の用意をしますか」
 ソラが気分を切り替え地図を取り出すと、アルマニアは思索を一時中断させた。
 空想を現実に変える魔法も彼女にとっては重要だが、まずは困っている一般人対策であろう。
「どこであっても住めば都とは言うけれど……良いに越したことはないにゃ」
「隠れ里の候補地探しはお任せあれ。天魔武者達から見つかりにくく、衣食住が揃えられそうな土地を探していきますよ」
 ナイン・スカーレット(ねこの隣人・g07595)の言葉にアルマニアは指先を額に当てる。
 そして術式を唱え、メーラーデーモンのサフェルとの知識の共有を図った。
 その副産物としてパラドクス通信を使い、通信機を皆に渡したのである。
「えーと、既に先行したチームが一つ分は用意したみたいね。じゃあそこを控えにして、私たちも探してみる?」
「どちらでも良いけれど、保証は必要。なら足で探してみるのは賛成にょ」
 桜・姫恋(苺姫・g03043)の言葉にナインは頷いた。
 同じような事件で大隅国を飛び回ることになるだろう。
 ならば、まだ時間はあるし、候補地自体は幾つあっても良いとみんなで頑張ることにしたのである。

 そして四人の乙女たちは山の中を進んでいく。
 選考したチームが幾つかの場所を歩いていたので、その情報を参考にして、言っていない山に赴いたのである。
「やっぱり山の中腹で比較的傾斜が緩やかな所や、木が生い茂って数本倒した程度じゃ気付かれない所が良さそうよね!」
 ソラは意外と元気よ山の中を突き進んでいく。
 昨今のアイドルは可愛いだけじゃダメなのだ。
 枕は厳禁だけど、秘境開拓はドンと来い! である。あ、枕は枕でも、枕販売のCMならOKよ。
「他にも上空からも見つかりにくいように建物や水路、田畑などの整備をしていきますよ。熊などの獣対策に隠れ里を囲う柵も可能なら作りたいですね」
「そういえば前に洞窟を隠れ里にしたし、隠れ場所としてはそっちのほうが良いかもね!」
 アルマニアはソラの提案に対して、洞窟を利用するのはアリですねと答えた。
 その上で、起伏の沈んだ場所を指さし、『こういう所に蓋をするだけでも暖かいですよ』とアレンジを考えてみる。
「棲み処はあの辺りで良いとして、次は畑ですね。サフェルは田畑の準備の手伝いをよろしく!」
 アルマニアは居住地の候補地に食料としてジャガタラ芋や唐芋を置いた。
 史実においてこの時代はルソンの辺りでは売っており、そこへ行き来する大商人が手にれる事もあったという。なので薩摩や大隅では、少なくとも排斥力に負けたりはしないのである。
「あらかじめ育てやすい野菜や日が保ちそうな食べ物の種を用意したけれど、じゃがいもや大豆等が別格よね。一応はそれでも、この当時に近い品種を何種類か用意したけど」
 姫恋も種芋を荷物から降ろしながら、森を眺めた。
 田畑はただ作れば良いわけではないのだ。
「とりあえず田畑を耕して隠れ里の食料確保につとめればいいかしらね? 土壌改良があれば、この辺りでもなんとかなるでしょ。次に重要なのは……水路?」
「新鮮な水がいるかと思って【水源】を用意したわ! アタシ達が居なくなっても大丈夫なように、大きい穴とかに水を溜めて置くわね!」
 姫恋が畑の候補地に成る場所に土壌改良の残留効果を施すと、ソラは少し離れた場所に水源の残留効果を用意した。水源は排斥力もだが消耗度が激しいと消えることもあるが、容れ物などで取り置きすると確実に残るのである。
「それならば良いアイデアがあるにゃ。ここに肉があり、そして容れ物がある。するとどうなる? こうなる」
 ナインは運んで来た干し肉を用意する。
 それをパクパクと食べると、容器に入った干肉の山が出来上がりだ。
 この残留効果は一食分食べないと駄目だが、容器付きで増えるのが素晴らしい。
「ああ、肉ですか。濃い味からしてジビエかな? 干しスルメイカにニボシ、落花生や高野豆腐や味噌もありますよ」
「ん。民草の食料事情が不安定なら保存の効く干し肉とかかな? と思って。確か実際には肉を食べる文化が来たのがこの時代のはず」
 アルマニア達もナインが用意したお肉を一緒に食べ始める。
 五畜の戒は昔から何度も出されるくらいに、地方によっては結構食べていた。
 薬だという言い訳なのだが、安土桃山時代では外国人が居るのが大きい。言い訳要素とかしなくても、彼らが食べているからね。客人に合わせたとか言えば、普通に問題から、結構普及したりしている。というか、山鳥や猪は別に禁じられていないのと、戦国時代までは農民も武器を持っているのが大きい。スルメイカにニボシなどの魚介系乾物は普通に高級品だし、高野豆腐なんかも寺でしか作れない物だ。みんな喜んで食べてくれるだろう。
「あとはお米(玄米)の🍙!」
「気が利くわね! やっぱり塩むすびが一番食べ易いわ。お塩も補給できるし!」
 ナインが用意したおにぎりをソラが食べると、ついでに備え付けの塩も増える。
 タレ付きの納豆みたいに、塩付き・からし付きで食べると塩とかも増えるねこ。一食は一食だからね。
「あとは呼んで来た人たちと一緒に植える……くらいかしらね。これが育てば食糧には困らないと思うわ」
「鋤や鍬なんかも持ち込んだそうですしね。大根や白菜などは原種がありますから何とかなるはずです。米は水はけしだいですが、大麦も行けるでしょう」
 姫恋も一緒になって食べながら、今後を話し合う。
 時々、アルマニアが早口になって、野菜の歴史を語るのを楽しそうに聞いたりしている。
(「民草の命は、国より重い」)
 ナインはそんな風に黄昏れてみたりする。だって、民草が居なければ国は成り立たず、それを大事にしない者達が上に立っているのであれば、幸せな世は訪れないのだから。仲間の皆と協力して良い感じに隠れ里(永住も出来る可能性)を作るのも悪くない選択肢ではなかろうかと思うのだ。
(「民草には幸せに暮らして欲しいのが、王族だった私が出来る事」)
 よく猫に引きずられるほど、猫スキーなナインである。
 だが、こんな風に成る事もあるのだ。元は王様だったからね。
 猫の王様じゃないのかって? それはそれで別の話ねこ。
 それはともかく、貰ったものは1個でも皆で食べれる【口福の伝道者】すごい良いよね。と微笑むことにした。
「加工とかもしやすいだろうし衣食住は大切だものね」
「衣食住足りて礼節を知る。これだけあったら、争わなくて済む」
「みんなで力を合わせて頑張らなくちゃね!」
「そうですね。それが済んだらクロノヴェーダを……あ、何か情報集めます? 皆を助けるだけでも良い気もしますけど」
 なんて話をしながら、女の子たちは簡単な畑仕事を始めた。
 あとは人々をここに案内することにしよう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

ソラ・フルーリア
【創想】の皆と引き続き参加よ!
※連携アドリブ歓迎します。

それじゃ隠れ里も出来たことだし、早く皆を避難させないといけないわね!
アイドルは人々に生きる希望を抱かせるもの!天魔武者なんかに殺させやしないわ!

皆聞いて!アタシ達は天魔武者から皆を救うために来たの!
とりあえず皆、お腹が減ってるだろうから食べちゃって!

皆が残留効果で増やしたものを紹介して食べてもらうわ!
温かい食事は貴重だろうから、心も温まってもらいましょ!
その間に【活性治癒】も使って、皆の怪我とかを治していくわ!

情報ねー、勿論どこに大隅国の本拠が分かれば最高なんだけど……。
天魔武者がどの方角から来たとか、そういう情報でも良いわね!

皆、此処に居たら乱暴な天魔武者に何されるかわからないわ!
アタシ達が最低限の生活や農作が出来る隠れ里を用意したから、そこに行きましょ!

そう移住を促して、なるべく静かに里へと案内するわね!

アタシ達は必ず天魔武者を倒して、この国を解放するわ!
それまで待っててちょうだい!あんな機械連中の好きにはさせないんだから!


アルマニア・シングリッド
【創想】
無事に隠れ里の準備が済みましたね
次は救援をする方達の説得と隠れ里への誘導です

早業で詮索召喚を使用
高速詠唱・連続魔法で常時展開状態にしつつ
村周辺を含めた情報収集をしていきましょう

ついでに隠れ里から来る前に作った赤味噌の汁物を
口福の伝道者で増やして村人さん達に配りましょうか
白味噌版もありますよ

一般人達を隠れ里へ案内している間は
近くに天魔武者などの敵陣営がいないか詮索召喚で索敵
パラドクス通信で味方と情報共有しつつ
敵に気付かれにくいルートで誘導していきますよ
(偵察・観察・看破・地形の利用など

サフェルは子供がいたら
その子達の相手をお願いねー

無事に隠れ里に着いたら
一般の皆さんに隠れ里の詳しい立地などの説明をしていきましょう
ここを作った1人として
ちゃんと引き渡し作業までやらないとですから

生まれ育った、馴染みのある土地から離れ
新しい場所で暮らすのは不安かもしれません
ですが、どうか貴方達を助けに来た私達を信じてくださいますか?

貴方達が再び、あの場所で楽しく過ごす日常を取り戻す為に

アドリブ
絡み歓迎


音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
【創想】で参加。

ちょっと遅くなったけど、ここで合流するぜ
そっちはもう色々やっているぽいし、避難行動に集中するか

っというわけでバイクに乗って、【フライトドローン】を使用、手分けして避難を呼び掛けます。正体を明かし、出来るだけ彼らの信頼を得て、避難を続行。

そしてある程度、避難行動が進行したからはちょっとした探索を入ります。
周りに敵がいるがどうか、周りの地理などを確認にしにいく、忘れずに【フライトドローン】で空からの探査もしっかり、目で目視する事ができるものって、案外少ないだから

ガジェットウェポン(カメラ)よし、ドローンの状態よし、ちょっとしたドライブに行ってくるぜ、皆、あとで合流する

もし敵と出会ったら全速でバイクで逃げるつもり、今は戦う時じゃない、本番はそのあとだ

「…いい風景だな、ここ」
ホント、綺麗な場所だな、敵だらけのは残念だけど


桜・姫恋
アドリブ・連携歓迎

【創想】で参加

隠れ里の用意は終わったわね。
さて、救出出来る人たちを今度は助けないとね

一般人たちを説得しやすくする為に【士気高揚】で少しでも自主的に動いてくれるように働きかけ隠れ里まで誘導を行っていく

隠れ里に着いたらみんなを労っていく。生まれ育った場所を捨てるって中々難しかったと思うわ。でも、みんなちゃんと理解してついてきてくれた。ありがとう。そして、お疲れ様ね。

今はまだ不安が大きいでしょうね
とりあえず食べて飲んでゆっくり休みましょう?【口福の伝道者】にて予め増やした食事をみんなに手渡し一緒に食べながら人々の話に耳を傾けていく。


ナイン・スカーレット
アドリブ&連携歓迎
【創想】の皆で参加します。

隠れ里が準備出来たし迎え入れ!
民草の安全第一なので、私は【アイテムポケット】を利用しようと思います。

食べ物は増やせるから救援物資があるってだけで安全度が増すし、それだけで価値があるからね。

どの国でもおなじだけど、故郷や慣れ親しんだ土地は思い入れがあるからね、説得は仲間がしてくれるみたいなので、私はお手伝い&サポートメインで行動。

子供相手とかかなー、甘味(時代背景に合わせて小豆など、高級品とか栄養価の高い農作物等を食べさせてあげたい。

民草は宝だけど、子供はもっと大事。
子供にある未来に、凄いことする可能性は、きっとその親や人々にとって明るいものである筈。

もちろん、全員に平等に物資(食べ物)が行き渡るように【口福の伝道者】も利用しながらかな、人数が判らないので、アイテムポケットは有利に使わせて貰おう。

基本的に民草優先な行動を取ります。(元王族故)
分け隔てなく大人、子供、女性等全ての人に対して平等に対応



 大隅国にて隠れ里を作ったディアボロス達は、人々を迎え入れるために動き始めた。
 村々では近隣の草木をむしり、刻んで鍋にしたのか何も生えていない。
 遠くの木々も運び易い木の皮などは軒並み削られていた。食べられる野草や、木の実など殆ど残っても居ない。
「遅れちまったな。ここは必殺奥義を使わざるを得ない」
 姉貴分たちに遅れる事暫く、音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)がパラドクストレインでやって来た。
 ブオーンと鳴り響かせているのが、バイクなのかそれとも別の存在なのかはサカハのみが知る。
 フライトドローンを引き連れ、それぞれに詰めるだけの荷物を載せて来た。
「お姉ちゃん達! ちょっと遅くなったけど、合流したぜ。代わりに物資は山ほど詰んで来たから、許してくれよな!」
「隠れ里の用意は終わったわね」
「準備出来たし迎え入れ!」
 弟分を桜・姫恋(苺姫・g03043)とナイン・スカーレット(ねこの隣人・g07595)が出迎えた。
 こっちはもう色々やっているぽいし、避難行動に集中するっきゃないよね。
「次は救援をする方達の説得と隠れ里への誘導です。予知にあった村までの移動経路を検索しておきますね」
「アイドルは人々に生きる希望を抱かせるもの! 天魔武者なんかに殺させやしないわ!」
 同じく先行していたアルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)とソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)もそれに続く。
 みんなで色々とやったので、山間部ではあるが隠れ里はちゃんと出来上がっているようだ。
 田はまだ先だが畑も何とかなっているし、冬に植える物ならば春までには間に合うだろう。
「そういう事ならちょっと待っててくれよ。ドローンに指示を出し直すからな。あ、ナインお姉ちゃん、頼まれてた食料」
「んむ。食べ物は増やせるから救援物資があるってだけで安全度が増すし、それだけで価値があるからね」
 サカハが荷物を降ろしていくと、ナインも色々と取り出した。
 民草の安全第一なので彼女はアイテムポケットを利用したのだ。
 ディアボロス一人が大量の物資を持ち込めるし、人数が居れば人数倍、口福の伝道者も使えば倍率更にドン! だ。ちなみにフライトドローンに出せる指示は一度ずつなので、一つのドローンを止め、新しい命令を出したら、次のドローンに命令を出し直すというサイクルに成る。
「おおよそ掴めました。では行きましょうか」
「ええ、救出出来る人たちを今度は助けないとね」
 アルマニアの案内で姫恋たちは人々を迎え入れに向かった。
 先行して村々を歩いた仲間から情報を貰い、アルマニアが精査して特定したようだ。

 そのエリアは林や森がまだ多い場所で、何とか食料……と言うにはほど遠いが、食べる物を得られた場所である。
「皆聞いて! アタシ達は天魔武者から皆を救うために来たの!」
「なんだ? 何が……」
 ソラは村に到着するや否や、一番目立つ場所を占拠した。
 そして有無を言わさずに目的を話始める。
「判らない? 最初はそれで良いのよ。まずは天魔武者を恐れなくても良いって事だけ覚えててくれれば良いわ」
「その通りね! とりあえず皆、お腹が減ってるだろうから食べちゃって!」
 姫恋はクスリと笑って特にすることはないと柔らかく言い直した。
 同じようにソラも食料や薪を出して食事の準備を始める。
「食う? 食い物があるのか!?」
「まずはお味噌汁をどうぞ。消化に良いですし、栄養も豊富ですからね。白味噌版もありますよ。毒見をしてみますね」
 詰めよる村人にアルマニアは出がけに準備して来た味噌汁を出した。
 竹筒に入れた物で、赤味噌・白味噌とゴクゴクと吞めばたちどころに増えていく。
「暖かい食事は元気が出るわよ~。身も心も温まったら、少し休みましょうかしらね? 傷があるなら手当もするわよ!」
 そういってソラは活性治癒の残留効果を設置した。
 この力は人々の傷が治る速度が早まるものだ。
「でも、本当に大丈夫だべか?」
「確かに皆、此処に居たら乱暴な天魔武者に何されるかわからないわ! でも、問題ないもの! アタシ達が最低限の生活や農作が出来る隠れ里を用意したから、一度そこに行きましょ!」
 あくまで不安がる村人に、ソラはこの段階で隠里の話を始めた。
 いきなり告げても信用はないし、歩く体力もない。
 だが無償で食事を与えた事で信用が出来ているし、体力も回復しているだろう。
「で、出ていくだべか?」
「無理についてくる必要はないわよ。でも、絶対に向こうの方が安全ね!」
「ふふふ。いつでも戻っても良いのよ? あっちで暫く隠れていて、安全と判ったらだけどね」
 ソラは強制しないことを元気よく伝え、姫恋は戻って来ても良いと告げつつ士気を上げて行った。元より天魔武者に命令され続け、食料その他を奪われ続けて来た人々である。食料も無い状態で、誰の言葉を聞くかと言われれば、ディアボロスと言うほかあるまい。このまま村に留まって居ても、死ぬか天魔武者に連れられて何かの用事を命令されるだけなのだ。
「まずはどのくらい離れていて、どのくらいで戻って来れるかの話を始めましょうか。生まれ育った、馴染みのある土地から離れ、新しい場所で暮らすのは不安かもしれません。ですが……」
 アルマニアはそこで一度話を切り、村人たちが食事しながら、内容を理解するのを待った。
 命令され慣れた人々に、優しく語り掛けつつ誘導していく。
「ですが、どうか貴方達を助けに来た私達を信じてくださいますか? 貴方達が再び、あの場所で楽しく過ごす日常を取り戻す為に」
「……どの道、ここに居ても死ぬしかないべ。なら、おらは付いていくだ」
「おらもそうするだべ」
 アルマニアは隠し里の大まかな位置を説明した。
 その辺りならば彼らの体力でも移動できるし、戻って来れる。
 ならば信じて移動してみようと思う者が出て、釣られるように何人もの人々が頷いていた。
(「どの国でもおなじだけど、故郷や慣れ親しんだ土地は思い入れがあるからね、説得をしてくれてくれて助かった」)
 そんな光景を見ながらナインはホっと溜息を吐いた。
 人間という者は様々な思惑を持つ者だし、環境次第で色々変わる。
 閉鎖社会で移動しない地域の者も居れば、天魔武者の命令で右往左往する人々も居るのだ。それを説得するのは簡単でもあり、同時に難しいとも言える。案を出すだけならばともかく、寄り添って説得するというのは、高貴な立場であったナインには不得意な分野だったのかもしれない。そんな事はないと、姉貴分や弟分は言うだろうけれど。
「それならもっと沢山食べないと! あと、甘い物もある!」
「あまいもの!」
「サフェル。その子達の相手をお願いねー。ウチはちょっと野暮用があるのでー」
 ナインが小豆を甘く煮たお汁粉を出すと、アルマニアはメーラーデーモンのサフェルに子供の担当をさせながら立ち上がった。そして地図を取り出すと、通信機を取り出す。
「周辺はどうですか? 天魔武者に見つかったりは?」
「問題無いぜ。こっちから見える範囲じゃ綺麗なもんだ。避難誘導が終わったら、探索の旅に出るかな」
 アルマニアは離れた位置から周辺を捜索しているサカハにパラドクス通信を送った。
 そしてディープクリムゾンを使用して情報を集めたサカハは、得られた情報を送り返しつつ、詳細を語るべく村へと向かった。フライトドローンに指示して行けば、体力の衰えている村人も素早く移動できるだろう。
「問題無いようですね。みなさんが食事を終えたら、敵に気付かれにくいルートで誘導していきますよ」
「みんなーちょっとした遊びをする! お馬さんごっこにゃ!」
「おうまさん?」
 アルマニアが通信内容を皆に伝えると、子供の相手をしていたナインは弟分の行動に協力する事にした。歩く速度が遅いのは子供だが、フライトドローンに捕まって遊びたがるのもまた子供だろう。
(「民草は宝だけど、子供はもっと大事。子供にある未来に、凄いことする可能性は、きっとその親や人々にとって明るいものである筈」)
 言葉には出さず、ナインは未来を夢見た。
 指導者に必要なのは政策や強さではなく、未来をどうするかだと言える。
 そして、それを受け渡し、実際に行動していくのは子供たちなのだ。子供の笑顔は親も動かすし、村人たちも元気にしてくれるだろう。
「よーし! みんな! 待たせたな! 今から隠れ里に行くぜ! そのために、コイツに乗るんだ!」
「空飛ぶ、おうまさん?」
「怪我しないように乗るんですよー」
 サカハがフライトドローンを一体ずつ指示し、子供を乗った状態で低空飛行させた。
 それを姫恋たちも手伝い、一体ずつ指示していく。
 一度に指示出来るドローンは一体のみというルールも、みんなで一体ずつ簡単な命令を与えれば問題ないのだ。
「生まれ育った場所を捨てるって中々難しかったと思うわ。でも、みんなちゃんと理解してついてきてくれた。ありがとう。そして、お疲れ様ね。全部終わったら、何時でも戻ってよいからね」
「ああ……何から何まで済まねえ」
 避難させながら、隠れ里が見えてきたことで姫恋は締めの言葉を掛けた。
 そしてそれは、新しい未来への始まりなのだろ。
「今はまだ不安が大きいでしょうね。とりあえず向こうに付いたら、また食べて飲んでゆっくり休みましょう?」
「詳しい立地などもちゃんと説明しますよ。畑や田も用意しましたが、みなさんが馴染めるようにするのが第一歩です」
 姫恋が向こうにも食料があるのだと告げると、アルマニアはその先を説明した。
 田畑の場所やら、木を切り過ぎたら天魔武者に見つかるという注意事項などだ。
「おおよそは終りかな? ならちょっとばっかり探索に出て来るぜ。もし敵と出会ったら全速でバイクで逃げるつもり、今は戦う時じゃない、本番はそのあとだもんな」
「情報ねー、勿論どこに大隅国の本拠が分かれば最高なんだけど……。天魔武者がどの方角から来たとか、そういう情報でも良いわね!」
 サカハはディープクリムゾンを使ったり、フライトドローンに乗り換えたりしてあちこちを探し始めると言う。ソラはその話を聞いて、ひとまず何も分かって無いので、必要な事を念頭に浮かべた。
「気を付けて行ってくるのよ~」
「達者でにゃ!」
 姫恋とナインはそんな弟分をいつものように見送るのであった。
 まあ、いつもはナインがお眠に成る方が先なのだが。
 しかし、弟分と言うのは、何時だって旅に出る物なのだ。多分。
「アタシ達は必ず天魔武者を倒して、この国を解放するわ! それまで待っててちょうだい! あんな機械連中の好きにはさせないんだから!」
 そんな中で、ソラは隠れ里を確かめる村人たちを励ましていく。
 もうすぐ天魔武者を倒しに行くのだと、そしていつか、この大隅を……いや、薩摩を含めて日本を取り戻すのだという。

 そして……。
「……いい風景だな、ここ。ホント、綺麗な場所だな、敵だらけのは残念だけど」
 彼方の地で、サカハが見た物とはいったい!?
 ディアボロスたちの度と、戦いの日々は続く!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

神山・刹那
こりゃひでぇな
まともに動ける人間はほとんどいないか
となると、まずは飯だな。そんなに重たいものは体が弱って胃腸の働きも落ちてるからくわせられんから、ここはシンプルにおにぎりだな
話を聞いてもらうにも、まずは体の調子を戻してもらわなきゃな
さて、米と塩をたくさん持っていきますか

村で米を炊き、塩むすびを作って村人達に振る舞う
村人達が腹が起きて、ある程度体力が回復するまで塩結びを作り続ける
村人が全員何個か塩むすびを食べて腹が膨れて体力が戻ってきたら、集まってもらって用意した隠れ里への移住を勧める
「腹も膨れたところで、話がある。俺らが用意した隠れ里に移住する気はあるか?必要なものは用意してある。あとは、あんたらの覚悟と勇気だけだ。どうする?」


篠村・蓮十郎
国取りなど、この時代の常なのかも知れんが……
それにしても派手にやってくれるものだな。

飢餓で体力も落ちていることだ
消化も容易い粥が良いか
予め持ち込んでおいた粥を口福の伝道者を用いて増殖させ振る舞う
病気や怪我を負っている者も居るだろうか
彼らが食事をしている間に活性治癒を使用し更なる支援を敢行

食事を済ませ心身を落ち着かせるまで待ち、話を切り出そう
こちらの名を名乗り、天魔武者を討つという目的を告げた上で話を聞き出す

今後打って出る為にも奴らの拠点……本拠なり中継点なりの情報が欲しい
欲を言えば大名の名も判れば良いが

天魔武者に攫われた者が何処へ連れられて行ったのか訊いてみる
不明であれば大まかな方角だけでも構わない
ある程度の目星は付けられるだろう

話を聞き終えたら礼と共に隠れ里の所在を告げ、移住を促す

この地に蔓延る天魔武者共は、必ず滅ぼす。
あなたたちには不便を強いる事になるが……どうか希望を捨てず、今暫くの間耐えてもらいたい。



 ディアボロス達が向かった先は一つではない。
 ほとんど壊滅している村もあった。
「こりゃひでぇな。村によっては全滅……無事な場所も、まともに動ける人間はほとんどいないか」
 神山・刹那(梟雄・g00162)は餓え死にした人々の村を越えて行った。
 僅かに生き残った人を、天魔武者が連れて行ったと思われる痕を見つける。
「となると、まずは飯だな。そんなに重たいものは体が弱って胃腸の働きも落ちてるから食わせられんから、ここはシンプルにおにぎりだな」
「増やすまでは構わんが、そこから先は一工夫した方がいいな」
 刹那が塩結びを用意するのは止めないが、篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)はそこからのアレンジを申し出た。
 体力が落ちている者の胃腸が弱っているというのは確かだが、より弱っている者もいるのだ。
「そちらの者は良いだろう。だが、こっちの……飢餓で体力も落ちていることだ。消化も容易い粥の方がが良いかと思う」
「ああ、そっちの連中も生きてたんだな」
 蓮十郎は倒れている者たちを一々見て回り、生き残りを集め始めた。
 その様子を見て、刹那は鍋を二つ用意する。
 一つはシンプルな塩むすび、もう一つは粥を作る専用の鍋だ。
「国取りなど、この時代の常なのかも知れんが……。それにしても派手にやってくれるものだな」
 蓮十郎は大隅国の状態をつぶさに見た。
 そこは地獄、まさに地獄だ。食料の殆ど……実に八割から九割近くを取り上げられ、残ったのは種や籾くらいである。当然ながら餓え死にしたものが多く、そして残りも緩慢な死に向かっていたのだ。
「まずはこちらで用意した、ドロドロの物を食してもらう。そちらはその後だな」
「人さらいは二度目の災禍って事か。話を聞いてもらうにも、まずは体の調子を戻してもらわなきゃな。難儀な事だ」
 蓮十郎の言葉に刹那は肩をすくめた。
 そしてクタクタに煮込んでる粥を蓮十郎が呑み込むと、刹那も続いて呑み込んだ。
 鍋を見守りながら口福の伝道者で増やしていき、倒れた村人たちにはこの粥と形のある粥を段階を経て、まだ動ける者には握り飯を食わせて行く予定だ。
「病気や怪我を負っている者も居るな。活性治癒を用意しておいてよかった。仲間のと合わせて二段階もあればかなり楽になるはずだ」
 蓮十郎は助けた人々の汚れを拭って起こし、傷や病が治って起き上がった者に粥を食わせていく。
 ほとんどは動けなかったが、徐々に力を取り戻しているようだ。
 体に赤みが差し、助かる者も出てくるだろう。
「うう……」
「ゆっくりと聞いてくれ。落ち着いてからで良い。俺たちは天魔武者を討つという目的を掲げている。今後打って出る為にも奴らの拠点……本拠なり中継点なりの情報が欲しい」
 蓮十郎は一人一人の体調を確認し、粥を渡したり傷を診て回った。
 そしてまだ話せる体力と意識を持っている者に尋ねてみる。

 だが、信じがたい事に、かなり無茶苦茶な内容であったという。
「肝付の殿様の時代も酷かったが、これほどでは無かったです。……少なくとも、生きてはいけたのですから」
(「村長か何かか? 体力もまだあるようだしな。話は聞けそうか」)
 話始めた者の言葉を聞きながら、刹那は塩むすびと水を近くにおいてやった。
 たくさんあれば食べ易いだろうし、この男の様子を見れば塩むすびを食べて力を出せるだろう。
「薩摩の客人が来るので臨時で税を出せと言ってきた後、殿様が死んだとか、これからは、この大隅国も薩摩国だとか言われて、この有様です」
「客人……? 接待用にか? それで大隅も薩摩の一部に?」
「過程は良く分らんが、怪しいどころではないな」
 天魔武者を設定するのに食料など不要の筈だが、圧政のエネルギーでも渡したのか?
 話からすると交渉していたようだが、それ自体は同じ断片の王配下なのだから分からなくもない。そこまでは理解できるが、大隅国が薩摩国になると言われたら良く分らない。薩摩に滅ぼされたのか、それとも何かが起きて島津が事態を収拾したのか、今一情報が足りないのだ。数多くの情報を集め、別の角度から確認する必要があるだろう。
「確認したいが、この国を治める大名は今は誰なんだ? 統治する城は?」
「判りません……肝付城も、破壊されて残っていないという噂です」
 欲を言えば大名の名も判れば良いがと思った蓮十郎だが……。
 話を聞いて、ますます訳が分からなくなった。
 それではこの大隅に、城も無ければ大名も居ないという風に聞こえる。では、誰も統治していないのか? 仮に薩摩がナニカしたとして、統治すらしていないというのか? 流れとしては薩摩に滅ぼされたのだと思っていたが、吸収したにしては無茶苦茶である。
「天魔武者に攫われた者が何処へ連れられて行ったんだ? 不明であれば大まかな方角だけでも構わない」
「それも良く分りませんが、多分……西ではないかと」
 ある程度の目星は付けられるだろうと思ったが、この男を始めとして乱暴狼藉に有った様だ。
 西と言うのも、この土地が東よりであるのと、北は別の領国があるからだろう。
 確証はないが、おそらく薩摩方面としか言いようがないという逆説的な物に思える。
「そうか、ありがたい。情報、助かった。ところで話は変わるのだが……」
「ああ。腹も膨れたところで、話がある。俺らが用意した隠れ里に移住する気はあるか? 必要なものは用意してある。あとは、あんたらの覚悟と勇気だけだ。どうする?」
「……はい。此処に居ては、また何が起きるか判りませんから」
 蓮十郎と刹那が移住を促すと、男は頷いて他の村人の元に行く。
 自分で考えたというよりは、他に縋る物がないという感じであった。
「キナ臭いなんてもんじゃないな。他のチームはもう少しマシな場所を見つけた様だ。既に向かってるそうだ。俺らも護衛しながら行くか」
「それなら一足先に、軽く確認してもらおう。確かフライトドローンを用意していたはずだ」
 刹那と蓮十郎はパラドクス通信で連絡を仲間と取り合った。
 そして隠れ里の元へ案内しつつ、お互いの情報をやり取りする。
「この地に蔓延る天魔武者共は、必ず滅ぼす。あなたたちには不便を強いる事になるが……どうか希望を捨てず、今暫くの間耐えてもらいたい」
 蓮十郎はそう言って人々を励ましながら、隠れ里に辿り着くまで支援を続けた。

 そして可能な限り周囲を見守った仲間から、『悪い意味で何も無い』という情報を得たのである。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!


 大隅国には何も無かった。
 城は破壊されたと聞くし、軽く見渡してもそれらしき物は見えない。
 それどころか、中間拠点の砦なども見えない。
 勿論、隠し砦があれば別だが、あるとしても時間を掛けねば見つからないだろうし、村人も探したことはあるまい。
 良く言えば大自然が綺麗な土地、悪い意味で何も無い土地である。

 居るのは天魔武者のみ、彼らは途中で立ち寄った村々を襲い……。
 生き残っている人が居れば連れ去り、邪魔する者が居れば切って捨て、あるいは村を残骸へと変えた。
 一つ村が破壊されれば何も無い場所が増え、天魔武者たちは次の村を探して歩く。
 居るのは天魔武者だけ、あるのは自然だけ。
 そしてまた一つ村が消え去る運命であったのだが、その村を事前にディアボロスたちが救ったのである。
 やがて、その誰も居ない村へと天魔武者たちがやって来るだろう。
篠村・蓮十郎
何も無い、か……寧ろそれが目的なのか?
真意は分からんが、探るのは一度置いておくか
まずは天魔武者 どもを片付けねばな

廃村ならばいざ知らず、わざわざ内側で戦う必要も無いな
出鼻を挫く為にも村へ入られる前に即座に仕掛けよう
即断即決、最短で接近出来る個体を狙いダッシュ
試製鉄刀を振り上げ大上段から[剣法・七胴]の斬撃を見舞い
仕込み杖ごと薩摩術師を両断する

斬撃後は回り込みつつ注視
仕留め切れていなければもう一度斬る
こちらは拘りも無いのでな
二の太刀だろうが三の太刀だろうが、斃れるまで斬るまでだ

反撃は試製鉄刀を構え頭上で受け
伝わる衝撃を手掛かりとし
刀身を沿わせ後方へ受け流す

何も無いと言うのならば序でだ、貴様らにも消えてもらおう
その方がいっそ清々しい



「何も無い、か……寧ろそれが目的なのか?」
 大隅国の城塞は存在しない。
 何者かの襲撃によって大名は殺され、城を始めとしてその拠点は破却されているからだ。
 もしかしたら在るのかもしれないが、少なくとも住民たちが判るレベルではないだろう。
「真意は分からんが、探るのは一度置いておくか。……まずは天魔武者 どもを片付けねばな」
 仲間からの連絡を思い出していた篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)であるが……。
 ここで解決する問題ではない。
 単に歯向かった者を始末しただけかもしれないし、他に目的があるのかもしれないが、今の段階では確かめようがないからである。敵が来ている状態で思案する程の駅はないだろう。
「廃村ならばいざ知らず、わざわざ内側で戦う必要も無いな。出鼻を挫く為にも村へ入られる前に即座に仕掛けよう」
 蓮十郎は住民たちを逃がした村を見渡す。
 飢え死にした者が出た集落だけに元から閑散としていたが、だからといって此処で戦う必要もない。いや、0から1を作り上げるよりも、1から3なり4を作り上げる方が簡単であることを考えれば、この村を犠牲にすべきではないと判断したのである。

 やがて蓮十郎は村へと至る道筋に陣取った。
 敵は街道筋を歩き、生き残りの村々を探しているようなので見つけ易い。
『何奴!』
「貴様らに語る名前はない!」
 起伏を越えて街道筋に敵を見た瞬間、蓮十郎はひた走る!
 即断即決、最短で接近出来る敵に向けて奪取した。
 蓮十郎は走りながら試作鉄刀を振り上げ、大上段から渾身の力で振り下ろす。
『チェストー!』
「はあ!」
 蓮十郎は七つの人体を切り裂くほどの勢いで敵に迫る。
 敵もまた自分に強化魔術を掛けてから仕込み刀を抜いて来た。
 二人がすれ違い、斬撃を浴びせ合って別れあう。
『一の太刀、かわされたでゴワスか!』
「そんなこだわりに何の意味もない! 二の太刀だろうが三の太刀だろうが、斃れるまで斬るまでだ」
 蓮十郎は回転しながら敵を背中より切りつけ、敵もまた振り返りざまに斬る!
 伝わる衝撃を軸に刃を滑らし、その反動を手掛かりとして跳ねのけつつ、次なる一撃を放ったのだ。
『ぐぬ……やる……』
「何も無いと言うのならば序でだ、貴様らにも消えてもらおう」
 その方がいっそ清々しい。
 蓮十郎はそう嘯いて、刃からオイルを振り切った。
 倒れ行く敵と共に、彼らからも血潮が溢れるが気にもしない。
 民が巻き込まれるよりは良い、敵が倒れたならばなお良いと、気にしないことにしたのである。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!

神山・刹那
薩摩の天魔武者か
九州は九州で血で血を洗うような戦が頻繁に起こっていた戦乱の地
なんで住民を攫って行ってるのか、知りたいところだが、お前らが知ってるわけがないか
まぁ、良いか。邪魔するなら斬り捨てて進むのみ

薩魔術の詠唱は猿叫の如しで大気を震わす大声で詠唱を始めたら、両手の掌で耳を強打して鼓膜を破り、大声など気にせず残像を残す速さで動き、フェイントを織り交ぜて相手を撹乱しながら相手が刀を抜こうとしたらその隙に一直線に距離を詰め、すれ違いざまに斬り捨てる
「お前らは術師らしいが、豊久に比べたらまるで物足りない。あいつの亡霊達は皆れっきとした武士だった。俺を止めたいならあれくらいの術が使えるようになるんだな」



 ディアボロスたちは大隅国の街道筋でクロノヴェーダと切り合っていた。
 刃鳴りと金属音が奏でる戦場音楽だけが真実。
 余計な物はそこになく、戦いこそが全ての日常であるかのようだ。
「薩摩の天魔武者か」
『左様』
 神山・刹那(梟雄・g00162)は幾分楽しそうだが、それでもまだ不満であった。
 剣戟のひらめきで決着がつくのは良いし、知恵を出し合って謎を解くよりも向いている。
 女を切るつもりはないから男ばかりのムサイ連中なのも良い。だが、こいつらは強敵相手に殺し合った……要するに脂の乗り切った敵ではないのだ。
「九州は九州で血で血を洗うような戦が頻繁に起こっていた戦乱の地。なんで住民を攫って行ってるのか、知りたいところだが、お前らが知ってるわけがないか」
『ぬかせ。何のことか知らぬし、知っておっても話さぬわ!』
 なお、刹那は相手の反論を全く聞いていない。
 何度か前の攻防で、大絶叫の詠唱を聞いた段階で、両手の掌底で耳を強打して鼓膜を破っている。
 それで能力が上がる事もないが、大声で能力が下がる事もない。相手のパラドクスはただのパラドクスとして、その切っ先のみに集中していたのである。
「まぁ、良いか。邪魔するなら斬り捨てて進むのみ」
 何か言っているようだが良く分らん。
 何しろ天魔武者は口が無い奴が多いからな。
 そう吐き捨てるともう一度、刀を斜めに構えて走り込んで切る態勢に入った。
『キィエエエエー!!』
「……奥義」
 大絶叫で振動する己の体を無視し、残像を残すほどの速度で走り始めた。
 抜いたままの敵の刃のみを睨み、一足先に一撃を入れる。
『死ぬが良いわ!』
「朱雀!」
 斬撃が再び走り抜ける。
 一度振り切ったはずの刃が、翼のようにもう一度走ったのだ。
 返しの刃を含めて完成された秘剣であり、不死の朱雀が空を翔けるように敵を切り倒し、そして衝撃波は敵の絶叫をも打ち砕いていた。
「お前らは術師らしいが、豊久に比べたらまるで物足りない。あいつの亡霊達は皆れっきとした武士だった。俺を止めたいならあれくらいの術が使えるようになるんだな」
 刹那はかつて戦った強敵を思い出す。
 奴らは死して味方の血肉、敵の血肉になる覚悟があった。
 そして呼び出された幽鬼たちもまた、島津豊久の記憶に残るほど。もちろん刹那も彼らの事は記憶に深く、自らの血肉・経験としてその武を奪ったという実感があった。それに対して、こいつらは地方を守る鎮護であり、あるいは巡検する代官ずれであろう。刹那が求めるのは命を奪い死合う武者であり、それゆえに不満なのだ。

 とはいえ敵を倒したことには間違いがない。
 村を襲おうとする天魔武者との戦いは何時しか、分水嶺を越えていた。
 後は例え一兵たりとも逃がさず、そしてこちらの痕跡を残さぬ戦いである。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】がLV4になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
【創想】で参加

無人……だとしても村を壊したりするのは忍びないのよね……

【完全視界】にて敵の姿を認知出来次第【飛翔】にて敵の近くまで行き
「あら?何だか気配を感じて来てみたら雑魚だったようね?」とあえて敵を怒らすような煽り方をし「私を捕まえられるか勝負しましょう?」と敵を村から離すように誘導しながらある程度離したら「さぁてこの辺でいいか」と空へ向けて銃弾を撃ち放ち敵に向けて弾丸の雨を降らす

まんまと策にハマったあなた達はやっぱり雑魚ね?


アルマニア・シングリッド
【創想】
さてさて
無人になった村を問答無用で荒らしに来る嫌な武者をぶっ叩きましょうか

サフェルはファイ……冗談だから万年筆をこっちに向けないでっ?!

仲間とはパラドクス通信で連携を密に
飛翔で機動力確保
臨機応変に立ち回っていきましょう

戦闘で村の建物が壊れるのも嫌ですし
完全視界で視界確保しつつ
敵が村の入り口辺りに来たら目立つように姿を見せますか
(情報収集・観察・偵察など

敵に掛ける挑発は程々に
無人の村から離れるように誘導していきましょう

挑発に乗らない理性的な奴には容赦なく天劉群
まさか足元からくるとは思うまい?ってね!
(高速詠唱・召喚・計略・制圧射撃など

訪れた村を悉く破壊しているアンタらに卑怯とは言われたくなーい!

村から離れた場所の地形も利用しつつ
弾幕には弾幕でお返ししましょう
さぁ、サフェル~、本日の天気はー?

障害物をものともしない天劉群と星劉群の流星豪雨をプレゼントです!
(空中戦・対空戦・早業・全力魔法・連続魔法など

あ、御代わりも沢山あるので遠慮なく大量に喰らってくださいねっ

アドリブ
絡み歓迎


ソラ・フルーリア
引き続き【創想】で参加!
※連携アドリブ歓迎します!

何も無い、ねぇ……。
何も無いんだとすると、天魔武者が人々を連れ去ってる理由が更にわからないわね?
ま、それでもアタシ達がするのは此処を襲いに来る不届き者を返り討ちにすることよ!

今は皆隠れ里に移って貰ったとはいえ、いずれ帰って来るならできるだけ壊さないようにしたほうが良いかしら?
出来れば村の外に誘導して戦ったほうが良いかも知れないわね!
じゃあ【飛翔】で飛んで目立ちつつ、マイク兼杖のレゾネイトでトループス級たちに呼びかけるわ!
「あら、此処に何の用かしら!人攫いなんて姑息よね、薩摩が聞いて呆れるわ!」
これで誘導できれば良いけど、無理だとしても注意を引きつけて皆の攻撃に繋げればヨシ!

敵の弾幕をマジックシールドで防いだり、大きく飛ぶことで更に注意を引きつけながらアタシも攻撃!
【鮮麗と天翔の輝光線刃!】! ふふん、両断されるのはアナタ達だったようね!


ナイン・スカーレット
アドリブ&連携歓迎
【創想】のグループで参加。

無人の村を見て呆然?としてる天魔武者は何か、傍目から見ると間が抜けてる。
それはそれとして、民草の生活を苦しめる圧政をする者は倒さねば。

光学迷彩を上手く活用して、奇襲&連携でばしっときめるよ。
「ぬいぐるみくっしょんズ、OK」【忍法・空蝉】用のぬいぐるみくっしょん(ねこ型)を用意して、場合に寄ってはサポートに入る準備もする感じ。

今回は完全に奇襲とか、気を衒う。
術師って聞くと、陰陽道?とかそういうのかなー?、この薩摩で術師って聞くとビームとか撃ってきそうなイメージ。あくまでイメージ。

よく言う木っ端?っていうのかな、数が多いだけなら私達を止めるのは簡単じゃないんだよね。(飛翔で目立つ組と別れても良いし、一緒に飛んで奇襲しても良いスタンス)

※仲間は基本的に呼び捨て。
姫恋のみ「姉様」呼び。

くっしょんズは大きさを魔力で変えることが可能だけど、今回は人と同じくらいの大きさ程度にして、もちもちくっしょんモードで思いっきり空蝉後に野球のバット風に叩きつける。



 これは少し前の事だ。
 ディアボロスたちは村を守るための配置に着こうとしていた。
「今はみんな隠れ里に移って貰ったとはいえ、いずれ帰って来るならできるだけ壊さないようにしたほうが良いかしら?」
「それでいいんじゃない?」
 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)の提案に桜・姫恋(苺姫・g03043)が頷いた。
 ここの村には問題がある、だが、だからといって破壊する事はない。
「無人……だとしても村を壊したりするのは忍びないのよね……」
「廃村ならばいざ知らず、わざわざ内側で戦う必要も無いな。出鼻を挫く為にも村へ入られる前に即座に仕掛けよう」
 姫恋が気持ちを表すと、仲間の一人がそれを補った。
 飢え死にした者が出た集落だけに元から閑散としていたが、だからといって此処で戦う必要もない。いや、0から1を作り上げるよりも、1から3なり4を作り上げる方が簡単であることを考えれば、この村を犠牲にすべきではないと判断したのである。
「無人の村を見て呆然? としてる天魔武者は何か、傍目から見ると間が抜けてる。見ていて面白い……だろうけど、それは想像だけでも良いよね」
 ナイン・スカーレット(ねこの隣人・g07595)はこの先を想像してみた。
 彼女の視点としては中立だ。村を干上がらせ、破壊してでも勝たねばならないならそうするまでだ。しかし、今回はそこまでする必要が無い。
「それはそれとして、民草の生活を苦しめる圧政をする者は倒さねば。だから姉様たちの意見には納得」
 損害を出してでも勝たねばならない戦いではないならば、損害はなくても良い。
 その上で、姉貴分を中心として仲間たちが損害に無しに戦おうとするならば、何とかするのが妹分の役目であろう。そして何より、可能である限り民を慈しむのが王様と言うものだ。
「話は決まったようですね。さてさて、無人になった村を問答無用で荒らしに来る嫌な武者をぶっ叩きましょうか」
 アルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)は『話は聞かせてもらいました』と地面に地図を描き始める。
 何というか『こんなこともあろうかと!』と並んで口にしてみたい言葉である。
 それはそれとして、パラドクス通信で集めた情報を分析してみた。
「味方は街道筋で出迎えるようですね。我々は村の入り口を抑えて侵入させないようにしましょう。戦闘で村の建物が壊れるのも嫌ですし、そこで挑発して誘導しましょうか」
 包囲網の蓋であり、村を守る盾となる。
 アルマニアの意見に否応はなく、後は臨機応変に保って戦うまでである。
「それにしても何も無い、ねぇ……。何も無いんだとすると、天魔武者が人々を連れ去ってる理由が更にわからないわね?」
「その辺りは現状では判りませんね。意図的にこうしてるのか、住民管理みたいに失敗してるのか……世に空想の種は尽きませんが、流石に情報が少な過ぎます」
 ソラが引っかかっている状況を口にするが、アルマニアは肩をすくめた。
 いろいろなケースが想定されるが、まるで情報が無いのだ。
 秀吉のように住民を移動させるのか、それとも生贄にするのか、あるいは単純に失敗しただけか、あるいは島津以外に何かいるのか? それらを判断する基礎情報が無いのだ。幾つか証言を集めれば、支配している勢力や大名を殺した勢力くらいは判るかもしれないくらいである。
「ま、それでもアタシ達がするのは此処を襲いに来る不届き者を返り討ちにすることよ! 挑発はアタシに任せてよね!」
 ため息つくとソラはマイク型の杖を持って村の入り口へと向かう。

 そして戦いの時はやって来た。
 罠とも知らず正面突破した敵を迎え討ちに掛かった。
「あら? 何だか気配を感じて来てみたら雑魚だったようね?」
『なんじゃと!』
 敵が見えた段階で姫恋は挑発を掛けた。
 高度こそ上げないが空を飛んでお互いが視認し易くしておく。
「あら、此処に何の用かしら!人攫いなんて姑息よね、薩摩が聞いて呆れるわ!」
「私を捕まえられるか勝負しましょう?」
 ソラも空からマイク型の杖で更に挑発すると、姫恋はクスリと笑みを浮かべる。
 そして『私を捕まえてごらんなさい♪』作戦の始まりだ!
(「向かって行くかな?」)
(「まあ、ダメもとですね。その為に我々は此処に待機してますし」)
 小声で話しながらアルマニアとナインはその様子を見ていた。
 彼女たちは起伏の影に隠れて光学迷彩を掛けている。
 この残留効果は隠れないと全く意味がないが、隠れてしまえば視認率を劇的に下げるのだ。空を飛んでいる二人が目立つので、視線が別方向に剥く為により低下していると言えた。
(「サフェルはそのままファイ……冗談だから万年筆をこっちに向けないでっ?!」)
 アルマニアは一緒にいるメーラーデーモンのサフェルが大丈夫か確認したが、すぐそばで控えていた。残留効果をサーヴァントは使えないが、主人とくっついている時は一心同体で巻き込めるからだ。しかしすぐそばと言う事は、冗談を言うと逆襲されてしまう位置なのである。
『ぶち殺したるど!』
「来たわね! 勝負よ!」
 敵は袖口に仕込んだ銃で対空射撃!
 ソラは飛び回って避けながら、ジグザグに接近していく。
 その動きは徐々に敵を村の入り口からそらせつつ、杖を変形させて光を灯した。
「レーザーはライブ演出の定番! ステージは華やかになるし敵は倒せるしで良い事ずくめね! それ!」
 剣に変えた杖をサっと振ると、天空より光が降り注いだのだ。
 もちろん杖で戦う事も出来るが、その光景はまるでコンサートの輝きの様だった。
「……さぁてこの辺でいいか。まんまと策にハマったあなた達はやっぱり雑魚ね?」
 敵が放つ大絶叫をヒラリヒラリとかわしつつ、姫恋は桜の花びらを放った。
 それは花びらの形を下銃弾であり、雨のように降り注いでいく。
『ぬおおお! 舐めたら許さんど! キエエエ!』
「舐めたりしてないわよ? 懇切丁寧に撃ち込んであげるわ」
 敵の怒りの声に対し、姫恋は容赦なく桜の雨を降り注がせる。
 無数の弾丸が敵を撃ち、代わりに大絶叫で耳が痛いのだが、そんな事は無視して攻撃し続けたのだ。
(「ねこ、ネコ、猫! 奇襲を敢行せり!」)
 ナインは今回、完全奇襲を狙った。
 もちろん逆連鎖戦では反撃を受けるのだが、それでも絶好な位置だと命中精度が変って来る。相手の攻撃は避けたり受けたりしやすくなり、こちらの攻撃はクリーンヒットするだろう。
『そこか! キエエエエー!』
「うるさい」
 術師って聞くと、陰陽道? とかそういうのかなー?
 でも、この薩摩で術師って聞くとビームとか撃ってきそうなイメージ。あくまでイメージ。
 ナインはそんな事を思いながら、隠して置いたネコのクッションと入れ替わった。
 パっと! 位置を変えながら攻撃し続ける。奇襲から空蝉に移行し、後ろから別のぬいぐるみでぶん殴る!
「トドメ行きますよ! さぁ、サフェル~、本日の天気はー?」
 アルマニア、サフェル、てん・き・よほー!
 本日は晴れ時々メテオ、実に隕石日和です。
 流星雨だからメテオスォームをプレゼントですね!
『よくも仲間を殺ってくれたのう!』
「あ、御代わりも沢山あるので遠慮なく大量に喰らってくださいねっ」
 それは砲弾の雨霰。
 流星の形をとる魔砲弾。
 アルマニアが放った曲射砲撃であり、彼らにとっては流星であった。
 敵も弾丸で反撃して来るが、こちらの方が濃密である。
「こんなものですかね?」
「よく言う木っ端? っていうのかな、数が多いだけなら私達を止めるのは簡単じゃないんだよね」
 一通り終わったところでアルマニアが周囲を確認すると、ナインが頷いた。
「ふふん、両断されるのはアナタ達だったようね!」
「とりあえず生き残りが居ないか確認してからアヴァタール級に行きましょうか」
 ソラと姫恋もその頃には倒しており、空から生き残りを確認しつつ戻って来たのだ。

 こうして敵部隊を蹴散らしたディアボロスは、指揮官を倒しに向かうのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダブル】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

神山・刹那
武芸を極めた?
くっくっく。はっはっはっは
ふぅ、笑わせるんじゃねぇ!
武芸の道に終わりは無し。一つ高みに登れば、また次の高みが見えてくる。そしてどこまで続くかも、いつ終わるのかもわからない道を突き進むのが武の道よ
極めたと思ってる時点でお前にもう成長はない
豊久の方が、お前なんぞよりよっぽど強かった
せっかくの大将首と楽しみにしてたんだが、つまらん闘いになりそうだ

我は鍛治と武芸を極めし者。その絶技をご覧あれっ!で即席の武器を作って攻撃してくるなら、神速反応で先手を取り、精神集中で感覚を鋭敏にし、残像を残す速さでフェイントを織り交ぜながら、自身に当たりそうなもの、急所にきそうなものだけを覇龍で弾き飛ばし、距離を詰めたら跳躍し雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの渾身の一太刀で斬り捨てる
「極めたと自惚れた馬鹿が相手じゃ、腹の足しにもなりゃしない。つまらん勝負だったな」


篠村・蓮十郎
大勢は決した。
後は貴様を残すのみだ。

優れた鍛治師は武芸にも通ずるか、道理だな
だがこちらも戦いに身を置く者
そう易々と遅れは取らんぞ

味方の動きもある……銃撃を許すのは好ましく無いな
至近距離に意識を縫い止めておきたい
距離を取られない様に努めよう
身を落とし低い体勢から地を駆け接近し
試製鉄刀で間断なく斬り結び牽制する

皮鉄と試製鉄刀を構え防御
敢えて鉄刀を防御に使用する事で拳打を誘導し
威力を削ぐと共に懐へ潜り込む為の布石とする
数打ちの刀だ
例え砕けた所で大した痛手にはならん

攻撃を受けた直後、押し込む様にダッシュし更に肉薄
拳を弾き飛ばしながら壱號機械腕にて[肋砕]を放ち装甲ごと粉砕する
こちらも鋼の拳だ
貴様のその眼で鑑みるが良い

交わした約束もあるのでな。
貴様らが動くのなら、一切叩き潰すまでだ。



『なんということでしょう。私の大切な部下たちが死んでしまうなど』
 大隅国を薩摩の武士が歩いて来た。
 アヴァタール級の天魔武者であり、薩摩に仕える八造鋼兵衛である。
「大勢は決した。後は貴様を残すのみだ」
 篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は味方に先駆けて敵に向かい合った。
 相手の動きを止め、仲間に警戒を促すためだ。
『仕方ありません。極めし鍛冶と武芸の腕を持って、貴方たちを仕留め、弔うといたしましょう』
「優れた鍛治師は武芸にも通ずるか、道理だな。だがこちらも戦いに身を置く者、そう易々と遅れは取らんぞ」
 状況と相手の技量、そしてその言葉に関する思いは様々だ。
 蓮十郎は確かな技量を感じ取り、そして敵がアヴァタール級であることから、その意と威を感じ取った。
「武芸を極めた? くっくっく。はっはっはっは。ふぅ、笑わせるんじゃねぇ!」
 対して神山・刹那(梟雄・g00162)は笑い声をあげる。
 その言葉に異を感じ、否と断じたのであった。
「武芸の道に終わりは無し。一つ高みに登れば、また次の高みが見えてくる。そしてどこまで続くかも、いつ終わるのかもわからない道を突き進むのが武の道よ。極めたと思ってる時点でお前にもう成長はない」
 例えば関羽は強かったし、その技量を刹那は越えた。
 だが、今の彼をしても成長し続ける他のジェネラル級……いや技量特化型のアヴァタール級に及んでいるとも思えない。青天井と言う言葉があるが、山の頂というものは一つ越えたらまた新しい目標が見える物だ。物造りでも『完全』で終わって居ると、次の作品が作れないというではないか。
「豊久の方が、お前なんぞよりよっぽど強かった。せっかくの大将首と楽しみにしてたんだが、つまらん闘いになりそうだ」
 そして刹那はついこの間の様に思える激戦を思い出した。
 島津豊久は敗色濃厚になっても勝つ道を探していたし、死んだとしても情報を持ち替える気概でいた。まさか『魂だけでも辿り着けば勝ち』などと大言壮語を吹かれるとは思わなかったし、その過程で残留効果などのディアボロス独自能力を見抜いていくとは思わなかったのだ。それに比べて、この敵は今の技量を持って完成し、それ以上があるとは思えなかったのだ。
「話は終わったか? 距離を取られない様に努めよう」
「おう。俺は棒振り主体だしな、遠間はあまり好きじゃない」
 蓮十郎は今の間合いを維持し、離れて銃で撃ちまくられるのを避けた。
 至近距離に意識を縫い止めておきたいというのは刹那も賛成なので、タイミングや間合いを図るが、同様にこの距離で戦う気でいた。

 やがて両者は睨み合い、どちらが仕掛けるともなく動き出していく!
「その装甲……打ち抜く!」
『来なさい。その自信、試して差し上げましょう』
 蓮十郎は身を低くして獣の様な姿勢で走り出した。
 それは被弾面積を低くしつつ、全身の神経と筋肉を溜めてから動かす走りだった。
 まるでバネが弾かれるように飛び込んでいく。敵の拳が振り上げられたのはその時だ!
『どの様な業物でしょうか? 布石ならば打ち砕かれると知りなさい!』
「生憎と数打ちの刀だ、例え砕けた所で大した痛手にはならん。壊されればまた拵えるまでだ!」
 蓮十郎は浮遊する盾で敵の拳を防ぐが、盾はブースターで突っ込んで来る飛来拳に吹き飛ばされていく。しかし、この隙があれば斬り込める。彼の斬撃を敵の別の拳が白羽取りの要領で殴りつけた所を、右腕の義手で敵のどてっぱらに拳を撃ち込んだのである。盾も刃もこの拳を撃ち込む為の布石に過ぎぬ!
「こちらも鋼の拳だ。貴様のその眼で鑑みるが良い」
『……記録しました。次はこうはいきませんよ』
 蓮十郎と鋼兵衛は至近距離で殴り合った。
 衝撃が互いの体を走り抜け、重量の問題とアヴァタール級ゆえに敵の方に分があるか?
『では次は、そちらと参りましょうか』
「はっ! その気があるなら一緒に来れば良かったろうが。いくさってのはそういうもんだろ?」
 敵の言葉を刹那は笑い飛ばした。
 そして威力を出すべく刀を上段に、だが視界を確保すべく顔の横に添えてジっとタイミングを計る。
 狙うはカウンター、後の先を取って敵の攻撃が来るより前にギリギリで仕掛ける算段であった。
『左様ですな。では! こういうのはいかがか!』
「畳返し!? だが……逆連鎖戦に視界は関係ねえ!」
 敵は地面をめくりあげると、そこに拳打を浴びせて来た。
 すると木の根が蛇腹刀のような刃に成り、石が巨大なメイスとなったのである!
「この切っ先に一擲を成して乾坤を賭せん!」
 刹那は大上段に振りかぶると、撃ちつけられた石礫を無視して突っ込んだ。
 蛇腹の刃を切り裂き……否! 畳返しにめくりあげた大地すら切裂いて敵を斬り裂く!
「極めたと自惚れた馬鹿が相手じゃ、腹の足しにもなりゃしない。つまらん勝負だったな」
 そう言って刀を振り直し、敵の体から流れるオイルを弾いた。
 そして自ら流れる血を拭う事も無く、そのまま敵を逃がさぬように刃に意識を向けていく。
「交わした約束もあるのでな。貴様らが動くのなら、一切叩き潰すまでだ」
 同じように蓮十郎も鋼兵衛の後ろに回り、後続の仲間が来るまで逃がさないように刹那と挟み撃ちにするのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV6になった!

ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
【創想】で参加。

指揮官相手なら搦め手と正攻法を合わせた方法を取ろうかな。

ねこさんの力を見るがいい!ねこ魔法!!
「にゃんにゃんモップ!!」
複数のねこさんを敵将に嗾ける!(手には指揮棒(ねこじゃらし型)を振るいます。

もちろんねこにダメージが入ったら全部受け持ちます。
ねこは自由、こっちの都合で動かないのも当然なので、連携のタイミング等はこっちが合わせる様に努力する感じに指揮します。

「にゃーん!自由攻撃の陣!(ふわりとねこじゃらしを振るいます)

基本的に邪魔にならない様に立ち振る舞います。
通常攻撃(パラドクスが乗ってない攻撃)は行いません。

場合により、SPDパラドクスの対応(仲間へのカバーリング)をします。

立ち位置は攻撃寄りのサポート遊撃を行い、6:4で攻撃:カバーリングを意識して立ち回ります。


アルマニア・シングリッド
【創想】
無事に部下達も倒しましたし
後は大将もとい指揮官をぶっ飛ばすだけですね
ちゃっちゃと終わらせましょう

パラドクス通信で仲間との連携を密にしつつ
完全視界で戦場での視界をクリアに

飛翔で移動力も確保

接敵前に撃劉滅弾も発動して仕込みは完了っと
事前準備も戦の大事な行程

という訳で、サフェルはサポートをよろしく!
術の暴発はさせないからっ?!お願いだから睨まないでー!!

敵の姿を確認次第、事前に用意していた魔砲弾を牽制&挨拶代わりに全弾放つ
(制圧射撃・不意打ち・地形の利用・時間稼ぎ・撹乱・情報収集・観察・看破・偵察など

即座に高速詠唱で撃劉滅弾を再展開
魔砲弾の1発をサカハさんの技の反動カバー用に回しつつ
連続魔法で更に撃劉滅弾をドンっ!
そっちが弾幕と火力で押してくるのならば
それ相応の反撃をするだけです
(早業・魔術知識・結界術など

リーゼハイロゥ、《収束砲塔展開(ゲートオープン)》!
ソラさんとサカハさんの技も合わせた融合砲撃をご覧あれ!
(全力魔法・計略・武器改造・破壊・粉砕・爆破など


アドリブ
絡み歓迎


音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
【創想】で参加。

さって、お前が指揮官か
ここでお前を倒して、この下らん計画を終わらせる
どんな武器が来ても構わない、この一撃ですべてを終わらせる
新しいとっておきの技、見せてやる!

「こちら音無、ちょっとだけ時間を稼いでくれ、一発で決める、合図が送るから、そのとこはしっかり離れて、な」

【パラドクス通信】で仲間たちに連絡、味方を巻き込んだらまずい

では行くぞ——ファンクション・クロス!

相手をよく見ろ俺、外したらダメだ、絶対ここで決める!そのための【神速反応】と【完全視界】だ

まずは左手からは姿勢制御と反動抑え用の魔力の炎・・・ちょっとだけじゃダメだ、もっと、もっと—―柔のイメージを!これじゃ反動を支えきれない!

「ッ!これはアルマ二アさんの?ありがとうございます」

これでよし、そして右手で残った魔力を全部この一撃に込めて―――放つ!


ソラ・フルーリア
引き続き【創想】の皆と!
※連携アドリブ歓迎します!

さ、残りはアナタだけのようね!
アナタも狭い視野のまま頭をアップデートしてないクチ? ま、どっちだって良いわ!
何を考えてるのか知らないけど、此処でアナタの計画は潰させてもらうわよ!

とはいえ、アヴァタールだし油断は禁物!
【パラドクス通信】で連携を取りつつ挑んでいこうかしら!

おっと、サカハが何か考えてるようね!
それじゃ【飛翔】で飛びたって、【四元光芒】を放ちながら敵の意識を上に引きつけてみようかしら!
勿論レゾネイトで煽りも忘れないわ!
アナタの部下は姑息な人攫いだったけど、アナタも同じ穴の狢かしら?
ま、天魔武者なんて同じようなものよね!

相手の反撃はマジックシールドの防御と【ガードアップ】で耐えて……、サカハの攻撃を待とうと思ったけど、やっぱりアタシも!
上空からの【熱狂と湧然の四元光芒!】! 「全力魔法」で食らってみなさい!

ふふん、村の皆に約束したしね!
天魔武者を追い詰めるためにも、一歩一歩進んでいかなきゃ!



 大隅国に嵐が吹き荒れる。
 それは日本の南部だからではない、ディアボロスが居るからだ。
 クロノヴェーダのツワモノとの戦いが繰り広げられていた。
「無事に部下達も倒しましたし、後は大将もとい指揮官をぶっ飛ばすだけですね。ちゃっちゃと終わらせましょう」
 アルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)は帽子を被り直した。
 モノクルに表示されるデータをプリセットし、新たな戦いに備える。
 そんな彼女の先を友人達が行く。先行した別口の仲間と共同で、包囲網を築く為である。
「さ、残りはアナタだけのようね!」
「お前が指揮官か。ここでお前を倒して、この下らん計画を終わらせる」
 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)と音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)は距離を取りつつ回り込むようにして敵に備えた。
 相手は射撃兵器を構えており、正面視界に佇んだりはしない。
 味方同士で支援し合える位置には居るが、特に庇ったりはしない。相手の武器を考えると、大火力で諸共に撃たれそうだからだ。まあ……それはこちらもなのだが。
『私を倒しても終わりませんよ。次の薩摩者が現れるだけです』
「アナタも狭い視野のまま頭をアップデートしてないクチ? ま、どっちだって良いわ! 何を考えてるのか知らないけど、此処でアナタの……島津の計画は潰させてもらうわよ!」
 ソラはそう言いながら仲間とタイミングを揃えて動く。
 パラドクス通信で連絡を取り合い、遠間から攻め立てる予定だ。
 先ほどの仲間が接近戦を志向したのに対し、このチームは遠距離戦を狙うようである。
「こちら音無、ちょっとだけ時間を稼いでくれ、一発で決める、合図が送るから、そのとこはしっかり離れて、な」
「んむ。ねこに任せる」
 サカハからの連絡にナイン・スカーレット(ねこの隣人・g07595)は即座に頷いた。
 弟分がお願いするのだ、ここは姉貴分として頑張らねばなるまい。
 それでなくとも長姉格がお留守番で不在なのである! 不甲斐ない姿は見せられない!
「指揮官相手なら搦め手と正攻法を合わせた方法を取ろうかな。ねこさんの力を見るがいい! ねこ魔法!!」
 ナインは弟分の為、敢然と敵アヴァタール級に立ち向かった!
 猫じゃらし……否! 指揮棒を持って恐るべきケモ(ねこ)を嗾けていく!
 それは猫、ねこ、ネコのファンタジア!

 そこにハチワレが居た、キジトラが居た、サバトラも居た。
 もしかしたら、オスの三毛猫も居たかもしれない(レア中のレア)。それらが一斉に敵に向かって突っ込んでいくのだ!
「猫さん、ネコさん、いらっしゃ~い! ……にゃんにゃんモップ!!」
『面妖な!? 』
 友人たちの誰よりも早く、猫たちが先陣を切っていく。
 敵アヴァタール級たる八造鋼兵衛は、現れた無数の猫たちに対し、地面を蹴り飛ばして散弾に変えた。
「散弾ではにゃあ! にゃーん! 自由攻撃の陣!」
 猫の後ろに猫が、その後ろに猫が。
 猫の上をジャンプして、その猫を足場にして更なる大ジャンプ!
 縦回転する猫が居た、横回転する猫が居た、あまつさえ樹の上を走りながら飛び掛かる猫が居る! 何? 反撃の散弾で痛いだと? そんなものはナインが全部受け止める! 猫たちは我先に敵に飛び掛かり、我を撫でろ、我と遊べと群がっていくのだ。猫と和気藹々せよ!
「どんな武器が来ても構わない、この一撃ですべてを終わらせる」
 サカハはその間に、両腕を対になるように構えた。
 左手は姿勢制御を兼ねた闇魔力の炎、右手からは攻撃用の氷魔力の白い炎である。
 そして意識を集中させ、完全に制御しようと調整しながら魔力を振り絞っていく。
「こちらシングリッド。完全視界をセット! 空中管制を開始します」
「あら、何処かの傭兵団を思い出すわね。じゃあ、あたしも空から行くわよ。サカハが何か考えてるようだしね!」
 濛々と揚がる土煙をアルマニアが無効化しながら飛翔すると、ソラも付き合って飛び上がった。敵はアヴァタール級なので油断は禁物、ここは連携して攻め立てるべきだろう。
「オールグリーン! という訳で、サフェルはサポートをよろしく! 《接続》、《虚数》、《領域》確認。コード『転環術式』、承認完了。私の底なし魔力を甘く見ないでください。行きますよ―――サモンっ!」
 アルマニアは先んじて周囲へ無数の魔砲弾を仕込んだ。
 それを為し得るのは高度な演算と、膨大な魔力のなせる業である。
「サフェルってば、術の暴発はさせないからっ?! お願いだから睨まないでー!!」
 敵を逃がさないように散布界を用意するが、味方を巻き来ないような設定も行う。
 アシストするサフェルだけではなく、もちろんナインもサカハも巻き込んだりはしない。
「……アナタの部下は姑息な人攫いだったけど、アナタも同じ穴の狢かしら?」
『何をおっしゃるやら。天魔武者は圧政が基本。姑息結構、部下たちもまた忠義なのです』
 ソラの言葉に敵が応じた。
 躊躇なく反論して来るが、そのロジックに意味は無い。
 何しろこれは挑発であり、時間が稼げればよいのだから。
『しかし、部下への侮辱と見ました。当方には反論と反撃の余地があります!』
「ま、天魔武者なんて同じようなものよね!」
 もちろんただで済むとは思っても居ない。
 敵が銃を構えて砲撃態勢に入ると、ソラは空に魔法陣を展開した。
 ここからチャージすることで仲間の攻撃とタイミングを合わせるつもりだったのだが……。
「新しいとっておきの技、見せてやる! おお……」
「ビミョーに間に合わないかな? 猫さんたち!」
「サカハの攻撃を待とうと思ったけど、やっぱりアタシも! これはアタシのとっておき! 4つの力、纏めて一気に喰らいなさい!」
 予定していた攻撃よりも、敵の方が早い。
 そこでナインの助言もあり、ソラは先に攻撃を放ったのだ。
 四つの精霊力を混ぜ合わせ、魔砲を放つの! 敵の攻撃が強力過ぎてマジックシールドでは止めきれないと判断し、先に攻撃することにしたのもある。
『砲撃態勢により、敵攻撃の反動吸収。砲身内の圧力上昇。銃身は銃神に』
 だが、その攻撃でも敵は揺らがない。
 ダメージを負うのを無視して、銃に力を込めている。
 よく見れば下半身を守る装甲版が四つ足のように展開し、背中の鎧から副腕が銃を支えて、更に刀を持った手が印を組んで、何処にあるのか知らないが、予備の口は術を唱えているようだ。
『我が火縄銃を侮るなかれ。南蛮から得し業を見よっ! じーざす、まりあ、さんちあご!』
「そっちが弾幕と火力で押してくるのならば、それ相応の反撃をするだけです」
 まるで龍の様な砲撃が敵の銃口から放たれる。
 そこへアルマニアも先制して魔砲撃を放って相殺に回すことにした。
 少しでも逸れれば良い、あるいは先に倒しきれな良いと言わんばかりである。
「む。あれは火山岩? これはいけない」
「ごめん! ……行くぞ--ファンクション・クロス!」
 よく見れば、敵は桜島産であろうその辺に転がっている火山岩を弾丸として放った。
 ナインがこれをガードするのに礼を言いつつ、サカハは攻撃を決意する!
 相手をよく見てブレそうになるエネルギーを制御し、絶対に此処で決めると放とうとした。
(「左手の姿勢制御と反動抑え用の魔力の炎……ちょっとだけじゃダメだ、もっと、もっと-―柔のイメージを! これじゃ反動を支えきれない!」)
 だが、思ったよりも体の振動が大きい。
 計算では問題なく、練習でも何度も成功させたはずなのに?
 そんな疑問が生じ、迷いが大きくなっていく中! その声が通信機から聞こえる!
「ダメですよ! ソラさんの攻撃や、相手の砲撃に寄る大気のブレを補正しないと! リーゼハイロゥ、《収束砲塔展開(ゲートオープン)》!」
「ッ! これはアルマ二アさんの? ありがとうございます」
 危ない所で仲間からの通信と砲撃補正が来る。
 全ての制御を修正し、サカハは焔をコントロールして解き放つのだ。
 なお、ここで注釈しておくと、アカハが使おうとした神速反応は集中しないと使えないので、必然的に行動が後回しになる。そして残留効果は刻一刻と変化していくのだ。ある意味、これは自然な反応であった。
「ソラさんとサカハさんの技も合わせた融合砲撃をご覧あれ!」
「これでよし、そして右手で残った魔力を全部この一撃に込めて―――放つ!」
 全ての残留効果による補正、そして敵の攻撃による補正。
 その全てを調整し、全ての力を収束させた攻撃が敵を撃ち貫いた!
『ぐおおおお!? ……申し訳ありま……』
「おおおおお!!」
 意地と意地がぶつかり合い、最後に立っていたのはサカハであった。
 周囲の岩屋エネルギーが彼を襲うが傷は大したことはない。
 代わりに八造鋼兵衛の体に大穴が空き、そこを中心に敵は自壊して行った。
「ふーっ。やったな」
「勝利、ぶい」
「あとで何か食べに行きましょうか。サフェルも、あと猫ちゃんたちも」
 額の汗を拭き、そしてトドメを刺したか確認して回る。
 だが、もう一つ大切な事があった。
「ふふん、村の皆に約束したしね! 天魔武者を追い詰めるためにも、一歩一歩進んでいかなきゃ!」
 クロノヴェーダを追い出し、この国を救うという事である。
 ディアボロスたちはまた一つの事件を片付け、そして未来を掴むために歩き始めた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【猫変身】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
【水源】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ラストリベンジ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2023年12月06日