宿縁を断ち切る戦い

 クロノス級クロノヴェーダは「自分の存在を保ったまま、その時代に転移してくる」事もありますが、「その時代の生物や概念などに寄生して転生する」事もあるようです。
 後者の場合、一定期間、転生した生物として成長し、充分に成長した所で覚醒する事で、対象の能力などを奪い、より強い力を得られるようです。

 この事件では、上記の方法でクロノス級に覚醒したクロノス級クロノヴェーダと戦い、決着をつける事になります。
 そのため、宿敵であるクロノス級クロノヴェーダは、自分、或いは、自分に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスの血縁者や恋人など、親しい相手の姿をしています。

 クロノス級クロノヴェーダは、覚醒時に『悲劇的な事件を引き起こす』事で、より強い力を得られるため、様々な悲劇を引き起こします。
 ですが、覚醒する前の人格に訴えかける事で、行動を制限したり、クロノヴェーダ撃破後に寄生された対象を救出したりできるかもしれません。

赤き血の屋敷と、赤き河の船(作者 baron
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「お嬢様。今日は陽が悪いですわ。おやめになるべきかと」
『お船に乗るの!』
 ある天候が荒れた日、とある御屋敷のお嬢様が我儘を口にした。
 普段はそうでもないのだが、船による遊覧が何よりも好きな娘であった。
 庭先に少舟や大型船のパーツが飾ってあるくらいには、父親……船好きの貴族の影響もあり、他に何があっても『お船お船』だ。我儘を言わない事も多いのだが、船に関しては少し違った。
『どうしても今日じゃなきゃダメなの!』
「判りましたお嬢様。お父様と御相談なさってください」
 ここはロマノフであるので、天候が荒れた日に船に乗るのは危険である。
 ここはロマノフであるので、貴族の意見は何より大事にされる。
「これはお父様に止めていただかねばなりませんね。旦那様はいまどちらに?」
「間もなくお帰りになられます」
 メイド長はそう判断すると、部下のメイドに父親のスケジュールを尋ねた。
 娘の命令に対して従者たちでは分が悪く、父親に諭してもらうのが一番だからだ。
『お嬢様、いかがなさいましょう?』
『むしろ都合が良い。指導者が居なくなった方が話が早いからな』
 だが、お嬢様は既にナニカと入れ替わって居た。
 お付きのメイドたちを吸血鬼に変え、ずっと前から計画していたことがあるのだ。
『もう直ぐだ。もう直ぐ、『私』が動き出すための全てが手に入る。この領地の全てを捧げることで……』
 お嬢様の周囲から、少しずつ霧が漏れ始めた。
 今はまだ僅かな物だが、父親である貴族が到着する頃にはこの屋敷を覆うくらいになっているかもしれない。
 そしてこの屋敷を飲み込めば、領地の全てに広がるのも不可能な事では無かっただろう。
「ワシリーサ! 何処だい? 私の可愛い娘!」
『お父様! 私ね、お船に乗りたいの!』
 やがて何も知らない父親の帰還に際し、娘はその能力を加速度的に広げ始めるのだった。


「クロノス級が活動していた過去の時代に向かい、クロノス級と決着をつける事が出来る特別な列車が現れました」
 南河・緋奈子(人間の陰陽師・g03255)が説明を始めた。
 新宿駅グランドターミナルに特別なパラドクストレインが現れたらしい。
 クロノス級を撃破すれば、新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、敵ディヴィジョンを弱体化させることも期待できるとあって、口を挟む者はいない。
「ルィツァーリ・ペルーンスィンさんに関わる敵の様の様ですね。相手は一見、小さなお嬢さんのようなのですが……」
「む。俺の……なるほどそういう事ならば、覚えがある」
 緋奈子の説明にルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は納得が行ったと頷いた。
 宿縁を結んだ相手と言っても、中には目撃例だとか、予知情報を集めただけの場合もある。
 だが、今回の少女に関しては、直接の知り合いではなくとも間接的に心当たりがある様だった。
「確か……事件にもよるがクロノス級に存在を奪われた者が、クロノヴェーダに覚醒してしまうのを止める事は出来ない。だが、その魂に呼びかける事は可能だったな?」
「はい。今回はクロノス級が、この時代で覚醒する最初の事件に介入する事が可能になっています」
 場合によっては敵がやって来て、大きな事件が発生するタイプもある。
 だが、見知った相手が急に変貌する場合、この動き自体は止められないのだが……話しかけることで覚醒を中途半端な状態にすることが可能な事があるのだ。そうなれば敵は弱体化するし、場合によっては倒した後に元に戻る可能性もあった。
「なるほど。そういう事ならば我々も協力しましょう」
「クロノス級の行動を阻害することが出来るかもしれないからな。俺達で避ければ何でも言って欲しいな」
「すまないな。その時は力を借りるとしよう」
 周囲に居るディアボロスたちが、少年に対して協力を申し出る。
 こういう時は協力し合うものだし、場合によっては彼らの方が助け呼び少年たちが協力することもあるからだ。まsないお互いさまと言うやつであろう。

「フハハハ! スケジュール次第だが皆で協力するとしよう! さあ、事件の詳細を話すが良い。この場に居る者が集えば、どのような難問も誰かが解き明かすであろう!」
「そうだな。判る範囲で説明して欲しい」
「ちょっと待ってくださいね。まずは地図をご覧ください」
 緋奈子は地図を見せて、その一角を示した。
 そこには屋敷が記載され、基本的にはそこで事件が起きるらしい。
「これはお屋敷として……こちらはお船か何かでしょうか?」
「はい。事件が起きるのはこのお屋敷なのですが、遊覧船に別動隊と増幅の為の準備がしてます」
「クロノス級を急襲すればメインの事件だけで済ませることも可能ということか? だが、余裕があるならば別動隊を叩くのも悪くは無いな。どのみちクロノヴェーダだ遠慮は不要だろう」
 敵は屋敷の人間のエネルギーを吸収する計画を立てているらしい。
 そして力を得た後、所有する船に乗って領地のあちこちに移動するとか。
 なので事件を解決するだけならばクロノス級を倒してしまえば良いし、余裕があれば別動隊を叩くのも良いだろう。

「クロノス級を撃破する事は、ディヴィジョンを攻略する上で非常に重要な事だしな~それにクロノヴェーダは放っておけねえ」
「そうだ。このチャンスを生かす為にも、是非、協力させて欲しい」
「我らにお任せあれ、なのです!」
「みんな……。すまないな。だが命を預けてくれとは言わん。そこまで追い込まれる気はない。必ずや宿縁を断ち切り帰還すると誓わせてもらおう」
 ルィツァーリ少年は、そう言いながら皆と相談して事件の内容を検討するのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【動物の友】
3
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【スーパーGPS】
3
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
3
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV9 / 【ガードアップ】LV3 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

baron
baronと申します、よろしくお願いしますね。
今回はルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)さんの宿縁になります。

●状況。
お屋敷で敵クロノヴェーダであるイワン・ワシリーが精気を吸う霧を広げて人々を糧とします。
ただし、効率的に行うために屋敷のあちこちに、船のパーツを使ったギミックを施しているようです。
護衛を倒しつつ、それらを排除すれば基本的な事件は解決できます。
なお、OP冒頭にある様に、本来は遊覧船を使う予定だったので、別動隊が居ます。
これらは事件を解決すれば消えるので、無理に解決する必要はありませんが、人数が居るならば倒してしまうのも良いでしょう。

①③④は順不同で順番にやっても同時並行でクリアしてもOKです。
また②は好きなタイミングで起こすことが可能です。

①呪われた船を浄化する。
船好きな貴族が集めたコレクションの中に、呪われた船のパーツがあります。
これが増幅器になって居るので、探し出して浄化してしまいましょう。

③護衛部隊。
メイドと入れ替わった、あるいは吸血鬼にされた人々です。

④別動隊。
遊覧船に配置された部隊であり、③の別タイプと言えます。
事件を解決すれば時間軸ごと消えてしまうため、この選択肢は無理にクリアする必要はありません。

②覚醒前の人格に話しかける。
何らかの言葉を掛け、元の人格を起こそうとします。
この選択肢は基本的に本人、場合によって許可された人のみが掛ける事が出来ます。

⑤クロノス級を倒す。
イワン・ワシリー卿を倒します。
元の人格に話しかけていれば、解放されて元に戻る可能性があるでしょう。
126

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ルィツァーリ・ペルーンスィン
【奴崎組】
アレンジ連携歓迎

性格や見た目はあいつ似なのに我儘言う時の言動は妹の奴そっくりとか……こりゃあいつの兄貴と妹の子孫で間違いなさそうだ

身内の子孫だし……あいつの時と同じ轍を踏まない為、必ず助けないと

折角持病の薬を手に入れて健康に出来ると思ったのにあいつは全く関係ない流行り病で逝った
あの時の様な想いはもう二度と御免だぜ……

心当たり?
件の船は蒸気船
蒸気船のパーツが特に多そうだと思うぜ

効率よく探せるよう屋敷の地図を事前準備し皆に配布
〇スーパーGPSで互いの位置を確認しつつ無双馬に〇騎乗〇ダッシュ
船のパーツを探し破壊

説得の為彼女がどんな環境で育ち愛されたか知る為探索時屋敷内の様々な物、絵等〇観察


テクトラム・ギベリオ
【奴崎組】
呪詛といえば、浄化の光を放つスフィンクスの出番。
ということでサーヴァントの「毛玉」を喚んで共に呪われたパーツとやらを探す。

まずは一番詳しそうなルィツァーリになにか心当たりがあるか聞いてみよう。
船のパーツなら大きさ的に見つけやすそうだが…ふむ、蒸気船。

屋敷の地図を頼りにパーツを探す。
船だから錨とか操舵輪とか。蒸気船なら外輪か…煙突は流石にないか?
案外目立たないものもあるかもしれん。
毛玉そちらはどうだ。なにかありそうか?見つけ次第破壊するぞ。

仲間と連絡を取ったほうが捗りそうだ。【パラドクス通信】で状況を知らせよう。



「酷い気配だ。これでは先にこちらを片付けた方が良いかもしれないな」
 テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は目的の屋敷を睨んだ。
 そして太陽の角度を確認し、所定時間にはまだ余裕があることに着目する。
「みんなが協力してくれるなら同時並行できるな。……まずこの地図を見てくれ」
「ふむ」
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は屋敷の地図を広げた。
 彼が見知った物と比べて多少変わっているが、ほぼ同じ物だ。
 改造されているにせよ、作戦を考えるには問題ない。
(「性格や見た目はあいつ似なのに我儘言う時の言動は妹の奴そっくりとか……こりゃあいつの兄貴と妹の子孫で間違いなさそうだ」)
 ルィツァーリは予知で垣間見た情報を脳裏に描く。
 今回宿縁を結んだのは彼であり、直接ではないが、見知った相手の気配がする存在であった。
(「身内の子孫だし……あいつの時と同じ轍を踏まない為、必ず助けないと」)
 ルィツァーリは悲しい出来事を思い出した。
 折角持病の薬を手に入れて健康に出来ると思ったのに……全く関係ない流行り病で逝ったのだ。
 あの時の様な想いはもう二度と御免だと心に誓う。
「それで心当たりはあるか?」
「心当たり?件 の船は蒸気船だ。蒸気船のパーツが特に多そうだと思うぜ」
 テクトラムの質問には短く答えた。
 イワンワシリー号が解体された時に、今回の娘は受胎したという。
 そして十月十日後に生れたことで、直接関係ないと思ってしまったようだ。だが、日程を逆算すればおおよその想像は付く。
「船のパーツなら大きさ的に見つけやすそうだが……ふむ、蒸気船。船だから錨とか操舵輪とか。蒸気船なら外輪か……煙突は流石にないか?」
「煙突があるとすれば庭だけだな」
 テクトラムたちは地図を頼りに捜索を開始した。
 地図があればスーパーGPSで互いの位置が判るし、オアラドクス通信で連絡を取りあえる。
「案外目立たないものもあるかもしれん。毛玉そちらはどうだ。なにかありそうか? 見つけ次第破壊するぞ」
 テクトラムは浄化の力を持つスフィンクスの毛玉の血かあrを借りて捜索していく。
 呪われたパーツを探し、地図を頼りに仲間と分散して通信を入れながら探していくのだ。
「この絵だけが家族で……なるほど、いつも一人だったのか」
 ルィツァーリは屋敷を巡る中で、何枚かの絵を見た。
 肖像画で個人を描くのは貴族として当然だが、あまりにも寂しい。
 だが、一枚だけ……温かな家族を描いた絵画があった。おそらくは母も兄弟も早逝して残っておらず、貴族として領地や任地を飛び回る父親。遊覧船に乗って回った頃が、もっとも楽しかった日々に違いあるまい。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

金刺・鞆
【奴崎組】
『因縁の敵相手に助太刀に入る』
約束通りともといぬ、参上でございます。むん!
えとえと段取りは……まずはくろのす級の力を増幅させている呪物を排除する、と。
とはいえど、屋敷の内部を駆け回るにせよ護衛が闊歩したままでは難しいでしょうか?
なれば、ともは道中の護衛の撃破を優先いたしましょう。
呪物への対処はお任せいたします、です!

敵への牽制はいぬに任せますよ。いぬ、走り回って電撃を!
敵の注意がいぬに逸れる一瞬をついて、ともが本命の攻撃をお見舞いします。
足をこう、えいやと地に打ち据えての『地裂撃』、です!
心臓を狙うなら仕掛け扇を盾として胸部を重点的に防御しましょうか。
そこを通していただきます、です!



「えとえと段取りは……まずはくろのす級の力を増幅させている呪物を排除する、と」
 金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は作戦の流れを掴みました。
 しかし、やるべきことは多そうです。
 なんというか今回は、『因縁の敵相手に助太刀に入る』という大義がありますゆえ!
「とはいえど、屋敷の内部を駆け回るにせよ護衛が闊歩したままでは難しいでしょうか? なれば、ともは道中の護衛の撃破を優先いたしましょう」
 約束通りともといぬ、参上でございます。むん!
 そう息巻く鞆であるが、彼女の今回の貢献が優れているとしたら、戦闘力ではない。
 屋敷の効率的な探索に敵の護衛が邪魔だと気が付いて、足止めに回ったことにあると言っても良いだろう。
「呪物への対処はお任せいたします、です! 敵への牽制はいぬに任せますよ」
 鞆はモーラットのいぬにも命じ、一人と一匹で撹乱に回った。
 サーヴァント使いは非力な事もあるが、こう言った任務には向いている。
 いぬが走り回り電撃を浴びせ、鞆もまたパラドクスで攻撃するのです!
『敵ですか!? 不埒なものどもめ!』
「えいや!」
 鞆は扇を広げて盾に変えると、足元をしたたかに強打して攻撃を掛けた。
 まるで中国拳法のような動きであり、あるいは舞踊のようであったという。
 衝撃波が砂礫を巻き上げ、敵群を飲み込み始めたという。
「そこを通していただきます、です!」
 倒すというよりは、敵の目を引き付けて撹乱するために鞆は走るのです!
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

フミラ・ヴィグリーノ
【奴崎組】
仕掛けの解除は他の方にお任せして私にできることと言えば・・・・
すいませんが邪魔ですので消えてくれませんか?
炎を巻き起こすのなら私は貴方達を凍り付かせましょう。
全力魔法、高速詠唱でもって相手が鞭を振るう前に氷漬けにしてあげます!


ナディア・ベズヴィルド
【奴崎組】
ルィさんの本懐を遂げるのに微力ながら力添えを。

こそこそと動き回るクロノヴェーダが目につくわね
しかもご丁寧に小細工までしているとはな
呪物の扱いはその手の扱いが得意な仲間にお任せするわ
私達は屋敷内にいる護衛どもを相手にしましょう

鬱陶しい、だがその程度で我らの足を止めることは不可能だ
同行する仲間と連携を取りながらメイドを始末していく

縛り上げるのが得意なんですって…?
奇遇ね、私もよ。

《早業》《不意打ち》で相手が動くより先に影の鎖を解き放ち
敵の動きを止めて仲間の攻撃する機会を作る

さっさと消え失せなさい、目障りだわ。



「こそこそと動き回るクロノヴェーダが目につくわね。ルィさんの本懐を遂げるのに微力ながら力添えをさせてもらうわ!」
 ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は屋敷の中で疾走していた。
 探索や呪いの解呪自体は仲間に任せ、彼女自身は別の事をする為だ。
「しかもご丁寧に小細工までしているとは。呪物の扱いはその手の扱いが得意な仲間にお任せするとして……」
「そうですね。仕掛けの解除は他の方にお任せして私にできることと言えば敵を倒すのみです」
 ナディアの言葉に同行していたフミラ・ヴィグリーノ(未踏の沃野・g09477)が頷く。
 そして敵の姿を見つけると、一気に飛び込んでいったのである。
「すいませんが邪魔ですので消えてくれませんか?」
『増援か!』
 既に仲間が戦っているようで、フミラ達はそこへ横入りする形となった。
 護衛太刀を相手取り、一気に混戦に持ち込んでいく。
「幾何なりし封縛が如何なる訃音を告げるものか。繋ぐ漆黒、囁く呪いは死を紡ぎ、四方を望む。生死の境を嘲笑い 顕れよ不浄の鎖!」
 ここでナディアの方が先に動いた。
 呪文を詠唱し、不可思議な鎖を解き放つ。
 敵はフミラの方に引き付けられており、ちょっとした不意打ちである。影より成る鎖が敵に忍び寄ったのだ!
『血の束縛を!』
「縛り上げるのが得意なんですって……? 奇遇ね、私もよ。だけど鬱陶しい、だがその程度で我らの足を止めることは不可能よ」
 逆連鎖戦なので、不意討ち出逢っても敵反応して来る。
 だがナディアは影の鎖を操り、その姿そのもので新たな影の鎖を作って対抗する。
 更に敵の姿、自分の姿を結んで、その連鎖そのものを鎖に変えて雁字搦めにしていくのだ!
『こんな鎖! 燃やし尽くして差し上げます!』
「いいえ、そうは参りません。炎を巻き起こすのなら私は貴方達を凍り付かせましょう」
 フミラは敵が炎を発する前に、超低温の猛吹雪を巻き起こし対象を包み込む。
 その吹雪は命を奪う凍てつく刃となり、敵を切り裂けば傷口から内部を凍り付かせる。ほどだ。
「Frostigita kun tiu animo!」
『お、おのれ……申し訳ありません……』
 フミラが吹雪を浴びせるのに対し、炎の鞭を振うのだが……。
 徐々に敵は動きを止め、朽ち果てて行った。
「もう少し敵は居そうですね」
「さっさと消え失せなさい、目障りだわ」
 二人は顔を見合わせると、力を合わせて残敵掃討に向かうのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
ルィから何度か話を聞いていたやんちゃな方の妹と友人の子孫か。
一層気合が入るのは当然だが……。
そもそも、だ。
我が幼子を助けぬはずがなければ、幼子を利用した者達を見逃すはずもなかろうが!
時間軸ごと消える?
ぬかせ。貴様らを消すのは我らである。
改竄された歴史も貴様達と共に眠りたくはなかろうよ!
仲間達は水上から行くようだし我は水中から征くぞ。
水中なら霧の影響も無い……超常のもの故、断言はできぬか。
ドラゴンらしく船を沈めてやるのも良いの。
ただの遊覧船ならどうとでもなるであろうよ。
諜報員が奇襲され正面戦闘を強いられている時点で勝敗は決しておる。
我が鱗、貫けるか?
我が激突で粉砕してくれるわ!


アレクサンドラ・リーヴェン
連携・アドリブ歓迎
【奴崎組】

ルィツァーリに因縁のあるクロノヴェーダが見つかったのね。
いいわ。あの子には世話になってるもの。手伝ってあげましょう。

放っておいてもいいらしいけど、クロノヴェーダが湧いてるのよ?ちゃんと駆除しないとだめじゃない。
場所は遊覧船ね。水に落とされないように気を付けて、と。
せっかくだし周りの景色を楽しむ……ふりをして敵の攻撃を誘いましょう。
『刻命魔術【風精の抱擁】』をこっそり発動。
敵が死角から攻撃を仕掛けてきたとしても、結界の反応で察知できるわ。

あぁ、そこにいたのね?じゃぁ、さようなら。
蛇腹剣で海の藻屑としてやりましょう。



「ルィから何度か話を聞いていた、やんちゃな方の妹と友人の子孫か」
「ルィツァーリに因縁のあるクロノヴェーダが見つかったのね」
 リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)の言葉にアレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)が頷いた。
 彼女たちは川岸に佇み、停泊している遊覧船を見つめた。
 天気が良い時は遊覧する事のある船も、天候不順とあっては桟橋に釘付けである。
「一層気合が入るのは当然だが……。そもそも、だ。我が幼子を助けぬはずがなければ、幼子を利用した者達を見逃すはずもなかろうが!」
 リューロボロスは怒りに震える。
 幼子の守護者を自認する彼女にとって、子供は無条件で守る者だ。
 それが仲間の縁者とあれば、お願いされるまでも無く駆けつけると断言しよう!
「いいわ。あの子には世話になってるもの。手伝ってあげましょう」
 一方でアレクサンドラはもう少し冷静だ。
 寒い国の女に相応しく、情熱を表に出しはしないが、困っている者のためにクロノヴェーダを倒すために、協力しようという気持ちは誰にも負けない。
「放っておいてもいいらしいけど、クロノヴェーダが湧いてるのよ? ちゃんと駆除しないとだめじゃない」
「時間軸ごと消える? ぬかせ。あやつらを消すのは我らである。改竄された歴史もあやつ達と共に眠りたくはなかろうよ!」
 ディアボロスにとって、クロノヴェーダを倒すのは当然の事である。
 ならばアレクサンドラもリューロボロスも容赦する気はない。
 徹底的に叩き、他のロマノフの時間軸に漂着する可能性すら打ち砕かんとしていた。

 そして二人はタイミングを見計らって襲撃を計画する。
 まかり間違って問題が起きても困るので、御屋敷で仲間が動き出した後に行動を開始だ。
「場所は遊覧船ね。水に落とされないように気を付けて、と。せっかくだし周りの景色を楽しむ……フリでもしましょうか」
 アレクサンドラは職員に言い含めて、出向しないことを前提に船に乗せてもらう事にした。
 こんな天候では出向するはずもないが、遊覧船に乗っていることを楽しんだり、景色を見たいだけの人間が居ない訳でもない。そもそも敵も似たような理由で入り込んでいるのだから、咎められることはなかった。
「水中なら霧の影響も無い……超常のもの故、断言はできぬか。ドラゴンらしく船を沈めてやるのも良いの」
 その頃、リューロボロスは水中から接近していた。
 水の中に特殊効果が効くかは微妙な処だ。
 パラドクス攻撃は通じるが、一部の空間系残留効果は水中には機能しないからだ。どちらとも言えないし、ただの遊覧船ならばどうとでもなると水中敵を討を行使して泳いでいたのである。
(「そろそろ時間ね。見つかるかもしれないし、私も仕掛け始めましょうか」)
 アレクサンドラは一般人が乗って居ないことを確認すると、遊覧船の上でパラドクスを展開し始めた。
 血を媒介に魔術を使用し、風を操って攻防一体の戦陣を張る為である。
『怪しい奴! 誰であろうと……』
「あぁ、そこにいたのね? じゃぁ、さようなら」
 パラドクスが攻撃性能を発揮し始めると、敵味方ともなく理解できる。
 こちらが攻撃可能な状態に成れば敵は反撃可能であり、時間が来たことで敵が攻撃を考慮し始めればこちらも反撃出来て当然だろう。
『何者だ!』
「ディアボロスよ。アンタたちが知っているかは別にしてね。風よ、舞え!」
 敵がナイフか何かを抜いてきたところで、アレクサンドラは風の刃を放った。
 雲を呼び嵐を起こし、蛇腹剣の刃を風に乗せて海の藻屑にせんとする。
 風に舞うその刃は相手が抜いた刃と交錯する。ぼちゃんと敵が水辺に落ちるのと、水中から誰かが攻撃するのはに多様なタイミングであったという。
「我は征く! 幼子よ、健やかに育て。未来護るは竜である」
 リューロボロスは水中から、遊覧船の上に居る敵を狙った。
 まるで鯉が滝を登って龍となるかのように、敵に向けて攻撃を放ったのだ。
 よく見れば水に落ちた敵もまた、ナイフを持って水中に居る彼女を狙ったのかもしれない。
『敵か! 何時の間に我らの動きを察したのか!?』
『逃がすな! ここで計画を露見させる訳にはいかない!』
「馬鹿め。諜報員が奇襲され正面戦闘を強いられている時点で勝敗は決しておる。我が鱗、貫けるか? 我が激突で粉砕してくれるわ!」
 次々と現れる敵に対し、リューロボロスは腕を組み不敵に笑うのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!

湯上・雪華
【奴崎組】
絡み、アドリブ等完全受け入れ

以前、助けてもらいましたからね
その分以上にお手伝いしますよ!
先に進むために必要な事であれば、なお、です
呪い関連は探知する分にはなんとかなるはず……うん、きっと

呪詛に近い私だからこそ、同じ気配はわかると思うのです
見つけたら取り込んでしまいましょう
多少別のものが混ざったところで問題はないですからね
あちこちで大きな物音がたつかもですが、まぁ、ここくらいは静かに行きましょうか
あとからが大変ですから、ね


凍雲・雪那
【奴崎組】

ん。組の仲間、困ってたら、助け合い。
何より、クロノヴェーダの企み、見逃す訳がない、よね。

地図があるんだ。それなら、ありがたく使わせてもらうね。
スーパーGPSも使って、互いの位置と屋敷の間取り、頭に入れる。
効率的に、潰していこう。

んー……ちょっと困った。
ボク、あんまり呪いには詳しくないんだよね。
餅は餅屋って言うし、同じく邪なアフ君なら、なんとかならない?
……なるんだ。言ってみるものだね。

そういうことで、アフ君(灰色の焔)にお任せして、怪しそうなパーツを探索し、破壊する。
凍り付かせて、蹴り砕く。パーツは粉々。
うん。浄化(物理)だね。


リゲル・ゼルテウス
連携・アドリブ歓迎

【奴崎組】
ペルーンスィン殿にはお世話になっております。微力ですがお力添え致しますとも
呪詛は詳しくはありませんが、只ならぬ雰囲気のパーツのみを焼却すれば宜しいでしょうか
義眼のサーマルやナイトビジョンに反応するような妙な波長でも発していれば早いのですが……
最悪、船関連の物品は全て灰に返す事も視野に入れましょう
所謂コラテラル・ダメージ、というものです。仕方ありますまい

他メンバーと連携して屋敷に突入
閉所の為、『加圧』生成した炎剣と炎盾での戦闘がメイン
斬撃や盾での殴打を主軸にした空中機動と白兵戦で蹴散らしていく
目標の呪物を発見次第、炎剣を突き刺してからの起爆にて「浄化」を実行



「ペルーンスィン殿にはお世話になっております。微力ですがお力添え致しますとも」
 リゲル・ゼルテウス(「生体炎熱兵器」検証実験用素体・第六号・g08313)達は屋敷を駆け巡って居た。
 他の仲間が敵トループス級を足止めしている間に、呪いのギミックを解除する気である。
「ん。組の仲間、困ってたら、助け合い。何より、クロノヴェーダの企み、見逃す訳がない、よね」
「それもありますけど、助けてもらいましたからね。その分以上にお手伝いしますよ!」
 凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)の言葉に頷きつつも、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は少し前に自らも宿縁を結んだ敵との戦いで協力してもらった事を挙げる。
 情けは人の為ならずとは言うが、誰かを助けたことが巡り巡って自分の為に成るのだ。
 今回宿縁を結んだ敵と戦う仲間も、いずれ助けられた者を救いに行くのかもしれない。
「先に進むために必要な事であれば、なお、です」
 いや、みな気の良い者たちだ。そんな事がなくても、駆けつけるのだろう。
 雪華はそれを良く知っている。そして、多くのクロノヴェーダを倒し、世界を取り戻すためにディアボロスたちがいることを知って居た。
「地図がある。だから、ありがたく使わせてもらうね。効率的に、潰していこう」
 雪那はもそもそと懐からもらった地図を取り出した。
 そしてスーパーGPSにより、現在地を表示する。
「んー……ちょっと困った。ボク、あんまり呪いには詳しくないんだよね。餅は餅屋って言うし、同じく邪なアフ君なら、なんとかならない?」
 雪那は頭をかきながら、灰色の炎に語り掛けた。
 自分で自分が使役している炎に語り掛ける姿はアレであるが、その正体が実にアレなので仕方あるまい。
「呪詛は詳しくはありませんが、只ならぬ雰囲気のパーツのみを焼却すれば宜しいでしょうか」
「呪い関連は探知する分にはなんとかなるはず……うん、きっと。とりあえず、蒸気船のパーツみたいだよ」
 そんなやり取りを見ていたリゲルが首を傾げると、雪華は仲間から聞いた情報を告げる。
 パラドクス通信で最新の情報が得られるため、細かい打ち合わせも移動しながら可能だ。
「最悪、船関連の物品は全て灰に返す事も視野に入れましょう。所謂コラテラル・ダメージ、というものです。仕方ありますまい」
「……なるみたいだよ。言ってみるものだね。そういう事で、みんなで手分けして怪しそうなパーツを探そう」
 リゲルが義眼を使って赤外線や光学増幅装置を合わせていると雪那も了承する。
 流石に屋敷に放火だとまずいが、怪しげなパーツであれば全部壊しても問題はない。
 そもそも蒸気船のパーツは判り易い様に飾っているので、探して見つかる可能性が高いという。
(「呪詛にもルールがありますしね……蔓延させるなら埋める訳にもいかないでしょう。呪詛に近い私だからこそ、同じ気配はわかると思うのです。見つけたら取り込んでしまいましょうか」)
 仲間たちと別れて走りながら、雪華はパーツを探していく。
 呪詛の類は家屋にあれば埋まって居ても良い物もあるのだが……。
 今回のパーツは最初から呪詛様に作られたものではない上、バラバラに成っている事もあり、そこまで強力な物はないらしい。怪しい物を全部壊せば済むのも大きかった。
「こちらの小屋は可燃物が多いですね。交代をお願いします」
 リゲルは外にある小屋を確かめて、可燃物が多めなので他の仲間にバトンタッチ。
 加圧調整しているとはいえ、焼き尽くしそうなので、庭にある外輪や舳先など大きなパーツを炎剣で突き刺して起爆、浄化を実行していく。
「ん。これかな? うん、浄化だね」
 連絡を受けた雪那は小屋に飾ってある窓枠やら錨を凍らせて蹴り砕いた。
 積み上げてある薪やら干し草は、住民や家畜に使うのだろうと被害は出さないようにしておく。
「こちら雪華。大丈夫なような気もするけど、引き取った記念品とか食器とかこっちで対処するね。……多少別のものが混ざったところで問題はないですからね」
 同じように雪華は屋敷の内部で、残っている場所に赴いた。
 壁に掛けられた物は先行した仲間が壊したようだが、使われて居たとか言う食器やら、加工して暖炉に使われたとか言う扉は後回しにされていたからだ。それに残っている呪詛を吸収し、可能な限り破壊して置いたのである。

 こうして屋敷中に隠された……というか屋敷の主がコレクションしていたパーツをディアボロスは破壊したのであった。その時にみんなが思った感想は……貴族ってこういうの集めるの好きなんだなあと言う感想であったという。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【スーパーGPS】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
【奴崎組】

ルイツァーリさんの縁者の少女……まだ幼い
乗っ取りを見るのは何度目だろう
クロノヴェーダに渡しはしない
誰も犠牲にはさせない
……無事であってくれ

加勢に向かわれても困るだろうしな
俺は仲間達と遊覧船の方へ向かい、別動隊の阻止にかかろう
霧には注意しておく

周囲を観察しつつ情報収集
敵味方の位置を把握し、包囲や孤立のないように味方を銃撃で援護
不安定な足場の確保に、床を蹴りつつ【飛翔】を交え立ち回り
中盤までは高く飛ばず動きの補助に
味方と狙いを合わせ急襲し、薙ぎ倒していこう
こちらが優勢なら上からも包囲・挟撃を狙う

反撃は魔力障壁と盾で防ぎ
飛翔で飛び下がり間合いを確保
銃を向けて怯まないなら幻だ


括毘・漸
【奴崎組】
ルイツァーリさんとの縁がある方がねぇ………。
ルイツァーリさんにはお世話になってますからね、ここは一つ助太刀としましょう。


事件が解決すれば消えるとはいえ、奴らを蔓延らせる理由にはなりませんからな、ここで食い止めましょうか。

遊覧船についたら、【水面歩行】を使い、外部から見てみましょう。
霧が出ており、それがクロノス級のものだとしても利用させてもらいます。
霧に身を隠し、遊覧船の外側にいる敵に狙いを定め、サーベルで己の腕を斬り、血を纏わせ【磨鮮血研】による血の斬撃をお見舞いし、遊覧船から引き摺り落とし水面に叩き漬け、とどめを刺す。


敵の魅了対策には、自らつけた傷の痛みと血の匂いで正気を保ちます。


白水・蛍
【奴崎組】
アドリブ連携その他諸々歓迎

……ルィさんの縁であるならば。助け出さねばね。
そして、敵の頭数は減る方がよい。消えるとしてもです。
【水面歩行】を借りつつ、そうっと覗きましょう。
そして、霧に身を隠したところで、敵にパラドクスぶち当てます。
風には風を。敵に幻惑の風をお返しさせていただきますわよ!
この歌は味方の背を押し、未来へ進み。
敵の行く手を阻み、過去に留める為の歌!

我々は未来に進む。あなた方は閉ざされる過去に留まる事ですね。



 これは遊覧船に突入する少し前の事。
「ルイツァーリさんの縁者の少女……まだ幼いという。乗っ取りを見るのは何度目だろうな」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は何度目かになる宿縁の話を聞いた。
 過去のディアボロスやその縁者を殺してアヴァタール級でも作っているのか知らないが、新宿のディアボロスたちには深く傷ついた者が多い。その宿縁を晴らさんとする仲間の疵をエトヴァは何度となく見て来たのだ。
「ルイツァーリさんとの縁がある方がねぇ……」
「……ルィさんの縁であるならば。助け出さねばね」
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)や白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)らは遊覧船の外を見守って居た。
 一般人が来ないか、そして敵が逃げ出さないかを確認してからの投入である。少し遅れてでも、確実に敵を倒す算段だ。
「クロノヴェーダに渡しはしない。いや、それ以外の誰も犠牲にはさせない。……無事であってくれ」
「ルイツァーリさんにはお世話になってますからね、ここは一つみんなで助太刀としましょう」
 怒りを覚えるエトヴァに漸は柔らかい笑みを浮かべて声を掛ける。
 クロノヴェーダを許せないのも、仲間の為の力になりたいのもみな同じ気持ちであった。
「それに敵の頭数は減る方が良いですものね。消えるとしてもです」
「ええ。事件が解決すれば消えるとはいえ、奴らを蔓延らせる理由にはなりませんからな、ここで食い止めましょうか」
「加勢に向かわれても困るだろうしな」
 蛍が、漸が、エトヴァが、その他の仲間達が!
 クロノヴェーダの野望を打ち砕き、人々を助けるために遊覧船へと飛び込んでいく!

「暫く俺は援護に回る。トドメは任せた」
「「了解」」
 エトヴァ達はみなで一体ずつ倒す流れで戦う予定を組んだ。
 そして、まずは逃げないように、水面を回り込んでの様子見だ。
 仲間が先行して突入し、その間に脱出する敵が居ないことを確認していた。
「問題無いようですわね。参りますわよ!」
「そういう事ならば、ボクが先に。荒事はこう見えて得意なんです」
 そっと覗いていた蛍の言葉に、漸が先に飛び込んでいった。
 水面を歩いて遊覧船に乗り込みつつ、サーベルで己の腕を切って血を流す!
「霧を利用汗てもらいますよ。……己の意思は血潮に宿り、血潮は刃を研ぎ澄ます!」
 漸は腕を切裂いて流した血を、刃にまとわせその威力を研ぎ澄ました。
 その色は橙色の温かな日差しの様で、鮮血のような赤でもなく、蝕むように赤黒い色でもない。
 それは奪われた日常の色。 過去を忘れても陽への憧憬は血に刻まれた色である!
『増援!? まだ来るの!』
「そうですよ。我々はクロノヴェーダが居る限り何度でも!」
 敵が喰らいついてくるのを橙色の刃で迎撃しつつ、その首筋を切裂いていった。
 漸は敵の視線に魅了の魔力が込められているのを感知し、自ら傷つけた傷の痛みで正気を保つ。
「風には風を。敵に幻惑の風をお返しさせていただきますわよ! 未来へと連なる言の葉を聞きなさい!」
 この歌は味方の背を押し、未来へ進み。
 敵の行く手を阻み、過去に留める為の歌!
 蛍は高らかに英雄たちの歌を唄いあげた。
 ディアボロスのみならず、全ての人が未来へと進む為の行進曲だ。
「皆様と描く未来への希望。言の葉にて綴りましょう。その一端を此処に! 先に進む者達の背を押す風となれ!」
 蛍は新宿で、危険を承知でディアボロスたちと共にある人々を思い出す。
 ディアボロス達は決して少数ではないのだ。
 多くの人々に支えられており、戦いとなればその全てが、戦う牙持たぬ人々全てが英雄と呼ばれることを知って居た。
『無駄な事を。この地はやがて、血に染まるのに……』
「我々は未来に進む。あなた方は閉ざされる過去に留まる事ですね」
 敵が放つ風を蛍は風で受け止めた。
 そして幻影がもたらす心の痛みを、応援してくれる人々の思いで受け止めたのである。
「援護はそろそろ良いかな?」
 エトヴァは射撃しながら二人の動きを援護していた。
 共に同じ目標を狙い、トドメを刺す役を交代しながら戦っていたのだ。
「――閃き、光の華となれ」
 それまで遊覧船の上を歩いたり、飛翔したとしても位置の確保程度であった。
 だが、敵が少数になったことで、エトヴァは高空へと移動し残った敵に向けて強襲を掛けたのである。
『こ、こんなところで何もできずに倒れるなど……』
「お前たちの行動は迷惑だ。誰の命も奪わせない!」
 敵は幻影を使うが、あくまで精神攻撃用の幻影であり、姿を撹乱するためではないので見抜き易い。
 エトヴァは閃光を放つ炸裂弾で幻影ごと敵を貫いた。
 急降下攻撃ゆえに、今回の得物はショットガン。無数の球が弾丸より炸裂し、雨霰と敵へ光が注がれていく。

 こうして遊覧船での戦いは終焉を迎える。
 屋敷の敵も、隠されたギミックも、全ての障害が取り除かれたと言えるだろう。
 残る『敵』はクロノス級である海洋卿イワン・ワシリーを残すのみである。
 少女の姿をしたモノに対して、ディアボロスは何を語るのであろうか?
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【水面歩行】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ歓迎

膝をつき目線を合わせ穏やかに話しかける

始めましてワシリーサ
俺はルィツァーリ
一応君のご先祖の兄になるかな?

家族として君を助けにきたよ

寂しかったよな
お父さんが一緒に居てくれなくて
自分の事大切に思っててるのは判ってるから文句も言えなくて

でもそんな奴に操られてたらずっと一人ぼっちだぜ

戻ってこよう
お父さんに寂しいって想いぶつけて其れで駄目なら俺達の所に来ると良いさ
お兄ちゃんお姉ちゃんが構ってくれて寂しさ感じる暇なんかないぜ?

娘の可愛いお願い聞いてくれないお父さんには君が感じた寂しさを味わわせてやれば良い

説得後ペルーンの慈雨で彼女の心に活力を
歌は妹にも歌ってあげたワシリーサも知るだろう家伝の歌



 お屋敷の中、少女が一人待ちぼうけ。
 父親はまだ帰って来ない、メイドはもう戻って来ない。
 一人お屋敷の中、誰かが来ないかと佇んでいる。
『だあれ? だれなの?』
 少女は外面に相応しい柔らかい言葉を投げた。
 誰に告げても問題のない、偽りの表情。
 それだけが、少女本来の自由。
「始めましてワシリーサ」
 そこに一人の少年が居た。
 騎士の様に膝を突き、腰を落とすことで目線を合わせる。
 穏やかな表情と、その髪の色はまるで陽だまりの様だ。
『おにいちゃんだあれ?』
「俺はルィツァーリ。一応君のご先祖の兄になるかな?」
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は朗らかな声で語り掛けた。
 少女の姿をしたナニカにではなく、その中にいる筈のワシリーサという娘に対して。
『……なにを、言ってるの?』
 訳が分からないという風情で少女は首を傾げる。
 それもそうだろう、御先祖さまが居るとかは別にして、それが若い姿で?
 いや、まあバンパイアノーブルでクロノヴェーダであるならば、判らなくはないのだ。

 しかし一般人に見える。
 何を言っているのだろうか? それとも、この男が閉じた世界に入り込んだ異分子だろうか?
「家族として君を助けにきたよ」
「寂しかったよな。お父さんが一緒に居てくれなくて」
「自分の事大切に思っててるのは判ってるから文句も言えなくて……」
 ルィツァーリは我が事のように語り掛ける。
 自分の寂しさである様に、自分が寂しくさせてしまったかの様に。
『なにを、言っているのだ?』
 少女の姿をしたナニカは、分からないなりに敵認定をした。
 少女本人は言い当てられて、不快さと寂しさと愛しさがない交ぜになっていた。
 あどけない表情の向こうに愛と怒りと、侵入者に対する憎しみと殺意が湧き上がって霧となり始める。
「でもそんな奴に操られてたらずっと一人ぼっちだぜ」
「戻ってこよう。お父さんに寂しいって想いぶつけて其れで駄目なら俺達の所に来ると良いさ」
「お兄ちゃんお姉ちゃんが構ってくれて寂しさ感じる暇なんかないぜ?」
 貴族の務めは重要だが、黙っているだけでは伝わらない。
 だから忙しいのも肯定するし、寂しい事も肯定する。
 しかしそこに矛盾はないのだと、心を研ぎ解そうと言って居るのだ。
『駄目なの! お父様にはお父様のすることがあるの!』
『私にもすることがある! この屋敷で、この領地ですることがある!』
「でもさみしいの」
 ない交ぜになった心と、怪しげな表情と、混乱して何も分からない心と顔で少女が呟く。
 そこに結論はない。そこに結論は死しかない。そこに希望はないのだろうか?
「娘の可愛いお願い聞いてくれないお父さんには、君が感じた寂しさを味わわせてやれば良い」
 だからルィツァーリは答えを示す。
 だからルィツァーリは未来を示す。
 そして新宿へと繋がる未来を示す。
 そして新宿とも異なる未来を示す。

 そのどれを、少女が選んでも良いように。
 明日も明後日も、少女が幸せでありますように。

「雷で打つ者、偉大なる神々の王、空を駆け大地に慈雨を齎す御方……人々を救わんが為、その恩寵を彼等に……」
 豊穣の神にして天空神たるペルーンへと祈り歌う。
 人々に飢えをしのぎ活力を齎す歌。
 少女に未来と希望と、ちょっぴりの勇気を齎す歌を。
 明日も明後日も、少女が幸せでありますように。
『誰だ! お前は! 敵か! 味方か!』
『なぜ乱す、なぜ邪魔をする! なぜ今現れた!』
『殺す、侵入者は殺す。みな、生贄にする! 助け……あああああ!』
 少女は表情の薄い顔ではなく、作り笑いではなく、血の涙を流して泣いていた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!

テクトラム・ギベリオ
【奴崎組】
ルィツァーリ、間違いなく君の声は彼女に届いている。
泣いている少女の目の前に行くのに、騎士の君が汚れてしまってはいけないだろう?
彼女までの道程を手伝わせてくれ。

ルィツァーリの願いと想いが届くよう援護に回る。
彼が飛び上がるのに合わせて同じく【飛翔】。
パラドクス【裂衝砂弾】で砂を操り、敵が放つ船舶を落としてワシリーサまでの道を開く。

家族や兄妹そういう縁の記憶は薄いが……きっと特別なものなのだろう。
だからこそ、それを取り戻そうとする彼の姿勢に敬意を。
奪わんとする者に慈悲なく砂の裁きを。

さあ、最後の仕上げだ。征きたまえ。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【奴崎組】
連携アドリブ歓迎
PD通信で連携

遊覧船……大切な記憶なのだろうな
身近な人を失うのは、寂しかったろうな
彼女の身も心も、願いも
侵略者の道具ではないぞ!

ルイツァーリさんが存分に戦えるよう援護する
仲間と積極的に連携、包囲の位置へ回る
偵察、観察し戦況を把握
絵筆で宙へ映し身を描く
最も楽しかった日々に笑う少女の姿を
空中で戦う仲間を援護するように
少女の姿を地に縫い止めよう

霧が濃くては船も出せまい
ちゃんと遊覧ができるように、晴らしてしまおう
ご先祖様が助けてくれる、貴女が寂しくないように
……血縁とは濃いものだな

反撃の霧には魔力障壁を張り防御
飛翔を絡め呑まれぬように翼で風を切り飛び回避

戦闘後は静かに、妨げず



 ワシリーサと呼ばれた少女が血の涙を流す。
 少女の姿をしたナニカが、血のような霧を巡らせる。
 何処からか……船の汽笛が聞こえ始め、霧の向こうにナニカの影が見え始めた。
「遊覧船……大切な記憶なのだろうな」
「アレが本体であり、少女の記憶の根幹ということか」
 ディアボロスたちはソレを見つめた。
 今回の敵は少女の姿をしており、同時に船に関わる能力が多いのだ。
 少女が生まれることになった時に配線となった蒸気船も関わっているのだろうが、『船』というものが大きな影響を与えているのは間違いが無かった。
「身近な人を失うのは、寂しかったろうな」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はその心の有り様を理解した。
 家族が身近におらず、楽しかった思い出にすがって居るのだろう。
 それがあの遊覧船であり、母親や兄弟を見ない事から、幸せな全てが揃っていた時間の象徴なのだろうと思い至る。
「ルィツァーリ、間違いなく君の声は彼女に届いている」
 テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)はどうして敵の姿が大仰なことになった経緯を悟った。
 思いがけなく親族が居て、独りではない事を知った少女の心が揺れているのだろう。
 そして、その心の表れが、家族を求めて動き出したと思われる。
「泣いている少女の目の前に行くのに、騎士の君が汚れてしまってはいけないだろう? 彼女までの道程を手伝わせてくれ」
 そう言うとテクトラムは覚悟を決める。
 ディアボロスである以上、クロノヴェーダと戦う覚悟は出来ている。
 それはもしかしたら、一人の少女の運命を捻じ曲げてしまうかもしれない戦いに際し、自分もまた積極的に協力するという強い意志であった。
「俺も手を貸すとしよう。彼女の身も心も、願いも侵略者の道具ではないぞ!」
 エトヴァまた決意を込めて言葉を発した。
 いつもより強い意志、普段は平静に物事を眺めることも多い。
 だが今日ばかりは、積極的に打って出ても良いと思っていた。

 そして二人は空を飛びパラドクス通信を用い、仲間たちを戦いやすい場所に誘導した。
 そのままでは屋敷に被害が出てしまうし、この時間軸は消えるとしても、気分が良くはないからだ。
「よし、ここだ。此処ならば問題ないだろう。……霧が濃くては船も出せまい。その写し身を描き出す!」
 エトヴァは筆を握ると敵の姿を、敵自身に重ね合わせて描き出した。
 隠密解除用に見えない敵へ色を塗る行為のアレンジで、リアライズペインターの面目躍如と言った所か。
 霧に姿が隠れない様に、そして残虐な姿を幸せな姿で覆い隠すように。
「最も楽しかった日々に笑う少女の姿をこの地に縫い留めよう。ちゃんと遊覧ができるように、霧も晴らしてしまおう」
『やめろ! やめろやめろ!』
 エトヴァの攻撃に敵は血を吐くような叫びをあげた。
 独りぼっちの苦しみを拡大したのだとしたら、幸せな光景はそれを唸わせる行為だ。
 それゆえに輝く霧や、無数の銃でエトヴァを苦しませようとする。
「家族や兄妹そういう縁の記憶は薄いが……きっと特別なものなのだろう。だからこそ、それを取り戻そうとする彼の姿勢に敬意を。そして……」
 テクトラムは目を閉じて微笑むことで、仲間の心意気に敬意を示した。
 そして目礼が過ぎた後、目を開けると同時に慈悲なき砂の裁きを解き放つ!
「邪なる船は落ちよ、天の船は一艘あれば良し。裁きによりて弾けろ!」
 テクトラムは砂の弾丸を天へと向けた。
 そこには霧の中より、無数の船団が現れて飛んでいた。
 どの船も幽霊船の様で、テクトラムとしては二重の意味で許すわけにはいかない。
『邪魔をするな! 私の復活の始まりなのだ!』
「……さあ、最後の仕上げだ。征きたまえ」
 テクトラムは襲い掛かる大量の船を跳ねのけ、砂の弾丸で道を作り続けた。
 その道は、仲間が少女へと至る為の道である。
「そうだ。ご先祖様が助けてくれる、貴女が寂しくないように……血縁とは濃いものだな」
 エトヴァもまた翼を広げて霧の中を飛び、絵筆で霧を切裂き続けた。
 この地の記憶を呼び覚まし、霧を消し去り、道を切り拓かんとするかのように……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【動物の友】がLV2になった!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

奴崎・娑婆蔵
【奴崎組】
●SPD


トン……トン……トン、カラ、トン……
トトンがトン……トン、カラ、トン……


・謎の歌を口ずさみながらエントリー
・吸血船イワンワシリー号の進行経路上に突っ立つ

・【オーラ操作】の見識を以って、船に見て取れる様子から、進行方向/速力/船体各部位の強度等を類推し抜き――【一撃必斬】発動
・味方へ及ぶ船の攻勢を挫くことを重視し、航行不能域へ追い込むまで船体を矢継ぎ早に斬り刻みブッた斬る(早業+両断)

・ワシリーへ仕掛ける路を切り拓き維持する一助たらん


あっしは出自定かならぬ名も無きトンカラトン
しかしルィツァーリの、お前さんにゃァ血筋も系譜もあるらしい

その縁は大事になせえよ
そら、勤めを果たして来い


白水・蛍
【奴崎組】
アドリブ等々歓迎

ルィさんの声は届いたようですね。
では、もう一押しと参りましょう。
未来へと。先へと進む者達に送る歌を。凱歌を奏で、歌いましょう。(パラドクス発動)
この歌は進む者達へと奉げる為の歌。
未来を望み、未来へと進む者達の背を押す為の歌。
過去に、停滞を望む者には向かい風となる歌。
その風は、全てを吹き飛ばします!
パラドクス発動に伴う風使いと全力魔法、吹き飛ばしで相手の霧を全て吹き飛ばしてみせましょう!



「トン……」
 霧の行く先で声がする。
 トン……トン。
 カラ、トン……。と声がする。
「トトンがトン……」
 トン、カラ、トン……。
 謎の歌を口ずさみ、誰かが船の行き先に居た。
「ルィさんの声は届いたようですね」
「ならその道を切り拓くのが、あっしらの務めと言う事で」
 白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)の言葉に奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)が頷いた。
 気分が乗ったらしい娑婆蔵がハミングを口ずさみ、キリが良い所まで待って声を掛けたのだろう。
「では、もう一押しと参りましょう。未来へと。先へと進む者達に送る歌を。凱歌を奏で、歌いましょう」
 蛍もまた歌を唄いあげる。
 己の為でなく、友の為、人々の為。
 それらが紡ぐ未来のために。その背中を押して、先へとつなげるために歌を唄う。
「皆様と描く未来への希望。言の葉にて綴りましょう。その一端を此処に! 先に進む者達の背を押す風となれ!」
 勇ましい行進曲を唄い始めた。
 英雄への凱歌を唄い、その背中を押していく。
 立ち上がるディアボロスが、恐怖を跳ね除ける人々が。
『誰が唄っている!? 邪魔だ!』
 それぞれが等しく、前に進む者こそが英雄なのだと、その背中を、勇気を押していく。
 過去に、停滞を望む者には向かい風となる歌を唄う。
 時を閉ざす者には、有無を言わさぬ決別の時を唄う。五里霧中の世界の中で、ハッピーエンドを取り戻すために! 弾丸など誰が恐れよう、蛍もまた勇気をもって歩く者の一人なのだから。
「あっしは出自定かならぬ名も無きトンカラトン」
「しかしルィツァーリの、お前さんにゃァ血筋も系譜もあるらしい」
「友は遠方より来たりて背中を押してくれるそうじゃねえですか」
 娑婆蔵は船の行く先に立たまま、その進軍を待ち受けていた。
 最初からそこを動かず、この先は通行止めだと言わんばかりに。
『私は、邪魔だと言っている!』
「その縁は大事になせえよ。餓鬼道〝刀途〟 ……そら、勤めを果たして来い」
 そういって娑婆蔵は妖刀を振り抜いた。
 刃を持って敵の攻撃を切裂き、その進路を切裂いて行く。
 そして様が終わったとばかりに、ビュンと刃を振って鞘に仕舞ったのだ。
『どけええ!』
「てめえに言ったんじゃねえよ。ま、ここからはあっしらの時間じゃねえや」
 叩きつけられる船の体当たり。
 しかし娑婆蔵は血反吐などは数に佇み続ける。
 代わりに船の一部が欠け、煙突やら何やらズンバラリンと次々に掛けて行ったのであった。

 ディアボロスたちは、仲間がイワンワシリーへ仕掛ける路を切り拓き維持する一助たらんと迎え撃ったのである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!

凍雲・雪那
【奴崎組】
ネメシス形態 別人格

は、ははは!俺の力を多用するからこうなる!
馬鹿な小娘だ、主導権は握らせて貰ったぞ?

……ほう。誰かと思えば、ペルーンスィンの小僧か。
気侭に暴れてやるつもりだったが、貴様であれば話は別だ。
先日の返礼代わりだ。一発だけ手を貸してやろう。

リボルバー銃に灰焔を装填、海洋卿に発射する。
弾丸にしたのは俺の炎だ。触れりゃあ凍るし、変幻自在に弾道も操れる。
霧の隙間を潜り抜け、てめぇの足を凍結させるぐらい訳無ェよ。

そら、お膳立ては済ませてやったぞ。
後は貴様がケリを付けろよ、騎士サマ?



「は、ははは! 俺の力を多用するからこうなる!」
 誰もが静かな決意で戦ったわけではない。
 うっぷんを晴らし、暴れ回るだけに戦おうとする者もいる。
「馬鹿な小娘だ、主導権は握らせて貰ったぞ?」
 凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)の姿をしたナニカは、闘気と魔力を振りまきながら気を吐いた。
 姿は雪那なのだが……どこか、その意思の矛先と、溢れ出る闘気が違っていたのだ。
「……ほう。誰かと思えば、ペルーンスィンの小僧か」
 ニタリと、そんな気配がした。
 雪那の顔であるのに、いつもの気だるさはない。
 かといって快活さも無く、どこか別の存在に見えた。
「気侭に暴れてやるつもりだったが、貴様であれば話は別だ。先日の返礼代わりだ。一発だけ手を貸してやろう」
 そしてナニカは手にしたリボルバーに灰色の炎を詰め込んだ。
 青白い輝きだけが、雪那の時に似ているのかもしれない。
『ぬぐっ!? 何をした、貴様!』
「弾丸にしたのは俺の炎だ。霧の隙間を潜り抜け、てめぇの足を凍結させるぐらい訳無ェよ」
 ソレは焔であり、凍気そのものである。
 触れれば凍るし、弾丸そのものが魔力の塊なのだから変幻自在であろう。
 命を奪う霧などに削られるはずもない。銃弾を飲み込みながら船体に穴をあけたのだ。
『どいつもこいつも私を邪魔しをって!』
 敵は輝く霧を広げ、誰もかれも呑み込みながら命を奪おうとした。
 だからこそ、ディアボロスたちはその邪魔をするのだが……。
「そら、お膳立ては済ませてやったぞ。後は貴様がケリを付けろよ、騎士サマ?」
 ただ、そのナニカは、自分が気に食わない。
 あるいは、ちょっとした借りを返すためだけに、傲岸不遜に力を振ったのである。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【スーパーGPS】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

湯上・雪華
【奴崎組】
絡み、アドリブ等完全受け入れ
怪我描写大歓迎

邪魔者は排除して、罠も全て潰したなら最後は本命ですね
ルィくんの言葉は届いたようですし、仕上げと行きましょうか
独りぼっちは寂しいもんね……もう大丈夫ですよ

積み重なっての涙でも、女の子が泣いているのは見逃せないんですよ
だから、早く出て行ってくださいな?
弾幕にて動きを制限しましょうか
足元を凍らせてくれてますし、その上からいけばなんとかなるでしょ?
反撃の霧はそうですね、食べちゃいましょうか
魔術が付与されてるなら呪詛で喰らうことができるでしょうか?できますね、多分

最後まで止まらずに進んでくださいね、ルィくん


括毘・漸
【奴崎組】
ルィツァーリさん、その確かな意志を届けましょう。
騎士の船出を華々しく飾り付けかの少女に見せましょうか。

両手にナイフを握り猟犬の爪として地面に突き立て、サーベルを咥え猟犬の牙と成す異形の三刀流を構え、四肢に力を込め駆け出す。

少女が好んだものを殺戮の道具とするか、なればその手を血で汚させる訳には行きませんな………一切合切斬り払う。

鮮血の如きオーラが船を形成する前にオーラ自体を【吸血】し形成の妨害しつつ、三振りの刃を翻し、不穏な船を斬り刻み灼き尽くす。

こんな、不穏な船ではなく、誰かと乗れる素敵な船出が出来ますよ。



「邪魔者は排除して、罠も全て潰したなら最後は本命ですね」
 湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は目を閉じてこれまでの事を思い出していた。
 もしかしたら、自分の宿縁の敵に対し、仲間が駆けつけて来てくれた事も思いを馳せているのかもしれない。
「ルィくんの言葉は届いたようですし、仕上げと行きましょうか」
「ええ。ルィツァーリさんの確かな意志を届けましょう」
 いまの雪華には括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)が居る。
 みんなを守り、人を守り、そして雪華を守ると言ってくれた。
 今度はその力を、仲間のために使う時だ。
「騎士の船出を華々しく飾り付け、かの少女に見せましょうか。さあ、今日は思い切りいきますよ」
 そう言って漸は雪華と肩を並べた。
 この間は一歩引いて守っていたが、今日は共に仲間を守る時だと思ったのである。
 もちろん、体格的には彼の方が大きくしかも前衛だ。雪華に余計な心配を掛けさせない為、今はこの位置だ。そして戦いとなれば、真っ先に駆け出すつもりであった。
「少女が好んだものを殺戮の道具とするか、なればその手を血で汚させる訳には行きませんな」
 漸は両手にナイフを構え、地面に突き刺して猟犬の爪に見立てた。
 そして口にサーベルを咥え、猟犬の牙として走り出す。
 これぞ異形の三刀流。四肢に力を籠め、低い姿勢で戦場を駆けまわるのだ。
『なんでみな私の邪魔をするのだ! どけ、どけどけ!』
(「邪魔をしているのはあなたですよ。……一切合切斬り払う」)
 漸は口には出さず、心の中で決意を語る。
 それは倒すためではなく、仲間のために道を切り拓くという決意だ。
 他の仲間達共々、仲間が宿縁を断ち切るために協力する所存である。橙色の炎が刃に宿り、巨大な船と何度も切り結んでいくのが見えた。
「独りぼっちは寂しいもんね……もう大丈夫ですよ」
 雪華はその光景を見ながら、霧の向こうに居る少女に話しかけた。
 姿は仲間の絵筆によって映し出され、消えない様に加工されている。
「積み重なっての涙でも、女の子が泣いているのは見逃せないんですよ。だから、早く出て行ってくださいな?」
 雪華は漸に当てない様に無数の弾丸を放つ。
 パラドクスは基本的に狙わなければ誤射しないが、それでも当てたくないのが心情である。
 そして彼と共に敵の動きを拘束する為、作り上げた弾丸で敵の射撃と対抗していくのだ。
「足元を凍らせてくれてますし、その上からいけばなんとかなるでしょ? 反撃の霧はそうですね、食べちゃいましょうか」
 敵が弾丸と共に霧を広げると、自身に着いた傷より取り込んでいく。
 その呪いを奪う事で、傷の治療に変えていくのだ。
「離れる時が来ました。こんな、不穏な船ではなく、誰かと乗れる素敵な船出が出来ますよ」
「そうですね。その為に……最後まで止まらずに進んでくださいね、ルィくん」
 漸と雪華はそう言って、戦いの趨勢を見守るのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV8になった!

フミラ・ヴィグリーノ
前座は整いました。後はルィツァーリちゃんの本懐を遂げさせるだけ・・・・
私はただあの子の決意を受け入れます。それを形にするために戦いましょう!
全力魔法、高速詠唱で小細工無用に吹き飛ばしま・・・・したらいけませんね。


アレクサンドラ・リーヴェン
【奴崎組】
アドリブ・連携歓迎

ルィツァーリの言葉は無事に届いたようね?
なら後は彼と少女が結末を紡ぐだけ。
今回は特別、このサーシャ様がリードしてあげる。

ネメシス形態解放。体内に流れる血液、私の魔術の源でもあるソレを霧状にして翼のように背面に展開。
優雅に、そして迅速に。敵の投げてくる船に対処していきましょう。

『刻命魔術【氷精の吐息】』

氷の矢を複数生成。それぞれを束ね氷の板に。船を滑らせて受け流す様に。
その船の影に隠れて敵に接近。敵を拘束するための大量の氷の矢をぶち込んでやるわ。



「ルィツァーリの言葉は無事に届いたようね? なら後は彼と少女が結末を紡ぐだけ」
「そうですね。前座は整いました」
 アレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)の言葉にフミラ・ヴィグリーノ(未踏の沃野・g09477)が頷く。
 少女たちは切り拓かれた道を見て、まずは自分たちがそこを安全にしようと試みる。
「後はルィツァーリちゃんの本懐を遂げさせるだけ……行きましょう!」
 フミラはそう言って魔力を高めた。
 五里霧中な未来へと手を伸ばし、仲間が掴めるように道案内するだけだ。
 別の仲間が着色してくれているが、クロノス級は強大である。
「私はただあの子の決意を受け入れます。それを形にするために戦いましょう!」
 そして何より、少女を救い出したとして、その未来は彼女のものだ。
 仲間が助けに来たからと言って、手を取るとは限らない。異なる未来を選ぶのかもしれないのだから。
 だが、そのいずれであれフミラは応援する気でいた。
「そうね。未来を固定してしまうのはただの無粋。それじゃあ、選択する時間をあげる為……今回は特別、このサーシャ様がリードしてあげる」
 クロノス級を倒せば時間軸は崩壊してしまう。
 だから少女がどちらの運命を選ぶとしても、悔い無き未来を選べるように。
 そのためにアレクサンドラはネメシスモードを解放する。例えられるのが十分だろうが、いや数十秒だろうが問題ないと、血を霧状にして翼の様に放ち始めた。

 ここから先。大人たちはお断り。
 少女たちの時間である。邪神みたいなナニカ? 乗っ取ってるから少女じゃないよね。
「優雅に、そして迅速に。敵の投げてくる船に対処していきましょう。氷よ、踊れ……少し違うわね。凍れる大地にて、踊りなさい!」
 アレクサンドラは自らの血を媒介に、氷の矢を作り上げた。
 それらを束ねて、敵の足元へ撃ち込んでいく。
 既に別の仲間が敵の各部を凍らせているのだ。ツルツルとした部分をこすり合わせ、滑らせて体当たりを受け流そうとしたのである。
『何故なぜナゼ! なんで邪魔するんだ!』
「……みんな同じことを答えたと思うわよ。邪魔するのはアンタ、邪魔を排除するのは私たちってね!」
 迫る敵に対し、アレクサンドラは慌てずにすべる方向とは逆側の影へジャンプ。
 巻き込まれる範囲を最小限にしつつ、追撃の矢を放つ。
「全力、高速で小細工無用に吹き飛ばしま……したらいけませんね。では霧のみ吹き飛ばしましょう。Estas nenie por vi loĝi!」
 フミラは巨大な魔法陣を生み出すと、魔力の本流を放った。
 その様はまるで、川から流れる朝霧が、時を遡り無に還っているかのようではないか。
「晴れるのは霧。紡ぐのは未来……さあ、みんなで時間を作り上げました。声を掛けてあげてくださいな」
 フミラはそう言って、仲間が少女に辿り着き、決断するのを見守ったのである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【クリーニング】がLV3になった!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

金刺・鞆
【奴崎組】
あの少女が、ワシリーサさま。
ルィツァーリさまの縁戚にあたる少女で……。
(初恋の少女の面影を残す、という話)
(その娘御との直接の血縁者ということではないのでしょうが……数奇な縁もあるものですね)

(病弱なその娘御を救うべく奔走したのに、救うことが叶わなかったという後悔を聞いています)
(どんなに似ていても、彼女はその娘ではない)
(けれど)
……くろのす級を倒して、救いましょう。必ず!

(彼は、未来へ立ち向かうと決めていたから!)
強く意志持つ者を比売神さまは……いえ、いえ。わたくしが、応援いたしますゆえ!

空の戦いは心得がございます。
襲い来る血船を迎撃すること叶いましょう。
後背の守りはお任せあれ!


リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
幼子よ、父を想うか。寂しがるか。涙するか。
それはぬしの心だ。クロノヴェーダにも奪えぬ、ぬしだけの心だ。
我はそれを良しとする。
ぬしがぬしだからこそ抱いた想いは何ら悪いことではない。
寂しいと思うて良い。
涙を流して良い。
助けを求めて良い。
我はただ、こう返そう。

応、と。
我は龍、我こそはドラゴン。
クロノヴェーダから、孤独から。
ぬしを、助けに来た!

竜皇君臨!(大人姿のネメシス)
輝く霧、何するものぞ。
幼子が泣いている以上に我が心、揺さぶるものはなし!
我らの攻撃でワシリーサを怖がらせはせぬ。
我が歌でその寂しさごと抱きしめよう。
我はぬしの母ではないが、竜である。

征け、騎士よ!
救えるよ、ぬしならば。



 少女たちが見守る中、子供たちは歩き続ける。
 大人たちでも、少女たちでもなく、我儘が正義と大差の無い頃の子供たち。
 我が道を歩き、正義を貫くことが何で悪いのかと言い切れる子供たちが道を歩く。
「あの少女が、ワシリーサさま。ルィツァーリさまの縁戚にあたる少女で……」
「うむ。そう聞いて居る」
 金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は現在過去未来が連なる不思議に首を傾げた。
 仲間が死んだ時間軸が以前にあり、そこで枝分かれした未来が、この時間軸とあの少女に繋がっているという。
「初恋の少女の面影を残す、という話」)
(「その娘御との直接の血縁者ということではないのでしょうが……数奇な縁もあるものですね」)
 ぷらいばしー。というモノを新宿で鞆は聞いた。
 だから余計な内情は話さず、心に浮かべる。
(「……病弱なその娘御を救うべく奔走したのに、救うことが叶わなかったという後悔を聞いています」)
(「どんなに似ていても、彼女はその娘ではない」)
 けれど……。
(「彼は、未来へ立ち向かうと決めていたから!」)
「……くろのす級を倒して、救いましょう。必ず!」
 そう言って鞆は仲間のために戦うことを決めた。
 どんなに思っても、届かない心。
 だとしても! そのために努力する姿を鞆は悪くはないと思う。
「幼子よ、父を想うか。寂しがるか。涙するか」
 リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は舞台の片隅で腕を組む。
 それは仲間達が切り拓いた道のど真ん中。
 しかし、そこを突き進むのは、宿縁を結んだ仲間だ。だから彼女は、ど真ん中であろうと、その位置は片隅であると断じた。
「それはぬしの心だ。クロノヴェーダにも奪えぬ、ぬしだけの心だ」
「我はそれを良しとする」
「ぬしがぬしだからこそ抱いた想いは何ら悪いことではない」
 寂しいと思って良い。
 涙を流して良い。
 助けを求めて良い。
「我はただ、こう返そう」
 応、と。
 リューロボロスはそう言って、子供の心のまま、子供の殻を突き破る!
 何が正解だなんて知った事かとうそぶいて、ハッピーエンドを求めて轟き叫ぶ!
「我は龍、我こそはドラゴン」
「クロノヴェーダから、孤独から……」
「ぬしを、助けに来た!」
 竜皇君臨!
 それは彼女のネメシスモード。

 全力を放つ、大人の姿! 心は子供のままに、自らの正義を貫いて飛ぶ!
「強く意志持つ者を比売神さまは……いえ、いえ。わたくしが、応援いたしますゆえ!」
 鞆は空より迫る邪魔者を撃ち落としに掛かる。
 空に満載される、その異様なる船の数々。
 そこへ向けて弓を弾き絞り、血の船を叩き落としていく。
「空の戦いは心得がございます。後背の守りはお任せあれ!」
 さあ行こう、邪魔者は不要な時間だ。
 襲い掛かる船を迎撃し、仲間に本懐を遂げさせると祖霊に意宣り矢を放つ! 襲い掛かる船を仲間に変わって引き受けながら矢を放って行った。
「輝く霧、何するものぞ。幼子が泣いている以上に我が心、揺さぶるものはなし!」
 リューロボロスは我が道を貫いた。
 自分の攻撃でワシリーサを怖がらせはせぬと決めていた。
 竜の咆哮は、『歌』とも称される。
「我が歌でその寂しさごと抱きしめよう。我はぬしの母ではないが、竜である。幼子よ、穏やかに眠れ。悪夢喰らうは竜である」
 それはリューロボロスの子守唄。
 幼い身体には不釣り合いであり、それゆえに大人の殻を被る。
 龍の巨躯にも似合わない優しい歌声は、戦意を削ぎ落とすだろう。
 これは戦の技にあらず、小さな幼子を寝付かせるために覚えた歌なのだ。例え銃で傷つこうとも、奪うはあくまで戦意。
「征け、騎士よ! 救えるよ、ぬしならば」
「果たされませ!」
 子供たちは、その為に此処にいる。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
【奴崎組】
アレンジ連携歓迎

敵か味方かと聞いたな?
ならばこう答えよう
俺は貴様の敵でワシリーサの味方だ

妹と友の血を引く子返して貰う!

俺はあの時のあいつの死に際に間に合わず、大切な人を助けれる物語の騎士の様になりたいと願った頃の過去の未熟な俺じゃない
掛け替えのない相棒が、仲間が……俺が過去に向き合い乗り越える切っ掛けをくれた恋しい人がいる

だから今度は絶対に助けて見せよう!

此の子の未来は此の子の物
貴様の様な輩が奪うな!

残留効果で〇飛翔し〇空中戦
船団を逆に他の攻撃への盾としつつ敵に〇突撃
全力パラドクスを零距離で放つ!



あいつ=初恋相手の幼馴染

ネメシス体は20歳位の姿

ワシリーサがどんな答えを選ぶかぼかす形で



『誰なのだ! お前たちは! 敵か! 味方か!』
『なぜ乱す、なぜ邪魔をする! なぜ今さらになって現れた』
『何のために! 誰のために!』
 少女の姿をしたナニカは叫びをあげる。
 クロノス級であるはずの少女は叫びをあげる。
 どちらのモノとも知れぬ、叫びをあげる。
「敵か味方かと聞いたな?」
 血霧の上、血の船が落とされていく赤いミルキーウェイ。
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)はそこに居た。
 血の赤が七分で、仲間が描いた元の光景が三分くらい。
「ならばこう答えよう。俺は貴様の敵でワシリーサの味方だ」
 男の子は、いつしか少年に成る。
 少年は、いつしか大人に成る。
 数々の決意と失意と夢を経て、いつか成るのだ。
「妹と友の血を引く子返して貰う!」
 彼は死に際に間に合わず……。
 大切な人を助けれる物語の騎士の様になりたいと願った頃の過去の未熟な彼ではない。

 掛け替えのない相棒が、仲間が……。
 彼が過去に向き合い乗り越える切っ掛けをくれた恋しい人がいる。
「だから今度は絶対に助けて見せよう!」
「此の子の未来は此の子の物」
「貴様の様な輩が奪うな!」
 ルィツァーリは既に決断していた。
 ワシリーサと呼ばれた少女が、どのような決断をしていても認めると。
 新宿に渡るならば受け入れよう、ロマノフに残るなら受け入れよう。
 ちょっとした援助くらいは……そのくらいは融通を利かせたいと思った。しかし、最後の決断は彼ではなく、ワシリーサがすべきだと思ったのだ。勝手に決めては、クロノヴェーダと同じに成ってしまうのだから。
『お前か! さっきから邪魔をしているのは!』
 ここで敵は筋の通らない言葉を使った。
 まるで、先ほどからの仲間の攻撃を意に介さないように。
 かけられた言葉を意に介さず、ボロボロの自分の船に意を介しては居ない。
 果たして、この言葉を放つのは誰なのか?
「空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ!」
 ルィツァーリはネメシスモードで空を掛ける。
 生き残った血船を蹴り、二十歳程の青年の姿を空を舞う。
「我が敵を討つ為に御身の焔矢を降らせたまえ!」
 生き残った敵の攻撃を打ち崩し、蹴り落とし、大砲を放ちながら……。
 ワシリーサと言う少女の元に、駆けつけたのだ。

「お兄ちゃんはだあれ?」
「君の味方だよ」
 ルィツァーリは助け出した少女に対して片膝をついた。
 目線を同じくして小さく微笑む。
 傷? そんなものは気にすまい。ただ少女には見せないでおこう。
「ワシリーサ。君は何がしたい?」
 その決断は彼女のものだ。
 決してクロノヴェーダのモノではない。
 決してディアボロスのモノではない。
 ロマノフで生きるとしても、新宿で生きるとしても。
 その決断は、彼女だけのものなのだ。
 判断材料が必要ならば説明しよう、難しければ誰か上手い人が噛み砕いで説明するだろう。
 その決断を決して急がせない。
 その決断を決して誘導もしない。
「ええとね……」
 そして、その先を口にするのは野暮だろう。
 どちらであるかはワシリーサ次第。
 それで良いではないかと……ルィツァーリとその大切な仲間たちは思うのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【動物の友】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年04月30日
宿敵 『海洋卿イワン・ワシリー』を撃破!