【平安鬼妖地獄変奪還戦】天の修羅原(作者 志稲愛海)
#平安鬼妖地獄変
#【平安鬼妖地獄変奪還戦】鬼馬軍団
#平安鬼妖地獄変奪還戦
#ファーストアタック
#鬼馬軍団
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刃鳴一閃、風が啼くかの如きその音が聞こえた時には既に遅し。
鮮やかな六刀無尽の剣技によって、敵のその首は刎ね飛ばされていることだろう。
感情の機微も見せず、ただ淡々と隙無き閃きを繰り出す様は、まるで殺戮機械が如く。
来たるべき決戦を前に、空飛ぶ妖怪船『鬼之鳥船旗艦・竜宮』に在りて。
6本の刀を振り回し鍛錬に勤しむのは『鬼馬軍団』が一将、付喪鬼将・阿修羅であった。
そして、この空飛ぶ妖怪船へと阿修羅が乗り込んだ目的は……敵の本陣であるという天の島・新宿島への突入。
武者鎧纏いし鬼の猛将の思考を支配しているのは、殺戮への強い欲望である。
そんな鬼将の隙無き剣技は、周囲の鬼馬軍団の兵も感嘆を漏らすほど熾烈で。
『流石は阿修羅様、此度の戦では幾つの敵の首が飛ぶだろうか!』
『阿修羅様がその剣技を存分に揮えるよう、我々も尽力するぞ!』
自ずと決戦への士気も高まる。
阿修羅は昂る周囲の兵達の様子にも、やはり感情という色は微塵も見せないが。
六刀無尽をもって敵の討滅を成さんと刃を閃かせながらも。
『ディアボロス滅殺』
出陣と殺戮のその時を待ちつつ、天へと吠える。
――鬼馬軍団ニ勝利ヲ! と。
●修羅の巷
「皆ももう聞いていると思うけど、新宿断層碑文が新たな決戦の時を告げたよ。またひとつ、奪われた歴史と大地を取り戻すためにも……負けられない戦いだよね」
逢海・凪都(黒焔・g03331)は表情こそ薄いものの、気合十分にゆらりと狐尻尾を揺らしながら続ける。
「平安鬼妖地獄変の断片の王である『安倍晴明』が、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを、隣接するディヴィジョン『天正大戦国』の断片の王『織田信長』に売り渡そうとしていることがわかったんだけど。平安鬼妖地獄変が天正大戦国のディヴィジョンに統合されてしまったら、京都や奈良の奪還を行う事ができなくなった上に、天正大戦国のディヴィジョンが大幅に強化されてしまうから。平安鬼妖地獄変が売り渡される前に、決戦を挑んで晴明を撃破して、平安鬼妖地獄変を最終人類史へ奪還しないといけないんだ」
来たるべき決戦の地・平安鬼妖地獄変の現状と、断片の王『安倍晴明』の目論みを。
そして凪都は、大きな戦いを少しでも有利に進めるべく、今できることを復讐者の皆に提示する。
「目前に迫った平安鬼妖地獄変奪還戦では、鬼や妖怪に加えて、天正大戦国の天魔武者の軍勢とも戦う必要があるんだけど…… これらの軍勢に対して戦争直前に攻撃を仕掛けて戦力を削ることが出来れば、相手の計画や気勢を抑えることができると思う。とはいえ、敵は大戦力だから……引き際を間違えないよう、充分な打撃を与えたらすぐに撤退する事が重要になるよ」
今回そのために戦いを仕掛けるのは、晴明の策により集結した『鬼馬軍団』。
阿修羅など四将に仕掛けることはまだできないが、周辺の鬼馬軍団を可能な限り減らして決戦に臨もうというわけだ。
そして凪都はふるりと小さく首を横に振りつつも、真剣な面持ちで続ける。
「この阿修羅をはじめとした四将が率いる『鬼馬軍団』は、『鬼之鳥船旗艦・竜宮』っていう空飛ぶ妖怪船に乗り込んでいるんだけど……その狙いは、新宿島への突入だよ。晴明はパラドクストレインの存在に気付いていて、その対策で、撤退した鬼馬軍団をこの『鬼之鳥船旗艦・竜宮』に集結させていて。来るべき決戦の時に、ディアボロスの拠点である新宿島に突入する準備を整えているんだ。そんなこと、何としても防ぎたいよね」
新宿島に突入された後は、新宿島が戦場となるため、新宿島に被害が出てしまう。
断片の王『安倍晴明』を討つことだけでなく、ディアボロス達がやるべきことは多いが。
決戦前の準備段階に戦いを仕掛け、その戦力を減らすことができれば。
新宿島への攻撃を狙う『竜宮』を撃墜し突入を完全に阻止することも、成し易くなるだろう。
「だから今回みんなには、四将の周辺にいる『鬼馬軍団』刀剣兵の数を、可能な限り減らして欲しいんだ。そして頃合いを見計らって、引き際を間違えないよう撤退してね」
凪都はそこまで告げた後、改めて皆を見回して。
「安倍晴明が、天正大戦国へ降伏してしまったら、平安鬼妖地獄変は天正大戦国に統合されて奪還は叶わなくなっちゃうし。安倍晴明は、天正大戦国に降った後の自分の立場を強化する為に、様々な手を打っているみたい。でも、強力な天正大戦国の天魔武者の軍勢と戦いつつも、そんな安倍晴明の策を打ち破って、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを奪還しようね。それに、新宿島に突入なんて、させるわけにはないから」
……そのためにも、この作戦で、敵戦力を削っておくことが重要となると思う、と。
気を引き締めて告げながらもディアボロスの仲間達を案内する。
新宿島を攻撃するべく『鬼馬軍団』が終結した、空飛ぶ『鬼之鳥船旗艦・竜宮』へと向かうパラドクストレインへと。
リプレイ
沓掛・百夜
斬れる限りの露払い
楽しい……地味ながらも大事なお仕事かと
存分に、斬って斬って煙と消えるとしましょう
とはいえ騎馬に徒歩で正面から挑むほど勇気に不足なき身ではありませぬゆえ
【エアライド】にて馬上へ飛び、上から「しけんだ」にて刀の当たる限り【斬撃】を浴びせてゆきましょう
馬上であれば避けるも何もないでしょう?
着地も地の上ではなく兵を切り捨て主なき馬上へ
轢かれてはかないませんから
一体斬ったらまた次へ、そのように【連撃】を重ねてゆきます
兵を斬り血飛沫を撒き散らせば【撹乱】にもなりましょう
適度に数を減らして騎馬隊の勢いをなくせば混乱に乗じて逃げるもよし、露払いどころか全滅を狙えるなら狙ってもよし
イツカ・ユメ
空飛ぶ妖怪船が新宿島にきちゃったらヤバいじゃん!
よーし!ここは気合いを入れていくよ!
厳しい戦いだって、歌って踊ってももきゅっと楽しく、
周りの皆を鼓舞しながら斬り込むよ!
斬撃や衝撃波を見逃さないように、攻撃の動作や相手の癖をしっかり『観察』しつつ、
【照明】で照らして周囲の状況を見易くしておくね。
その太刀筋、見切った!
……どう?今の、格好良かった?
周りに他のディアボロスさん達がいたら、協力して『臨機応変』に行動。
弱っている相手から集中攻撃で倒して、少しでも戦力を削れるように頑張るね。
もしも何か想定外の事態が起こったら、
無理はせずに一旦撤退するんだよ。
大丈夫、生きていればあとでなんとかなるもん!
無堂・理央
歴史の奪還戦当日までに鬼馬軍団をどこまで削れるかはかなり重要だからね。
ドンドン削ってくよ!
無双馬『クロフサ』に騎乗して、突っ込めー!
パラドクスでランスに破邪の炎を宿して敵陣に真正面から突撃ー!
ランスや重装鎧の重量を活かしたパワーチャージで適当な敵を焼き貫き跳ね飛ばしたら、直ぐに馬首を返して次の敵へ突撃!
敵も刀剣でこっちを斬りに来るだろうけど、敵の斬撃は鎧の厚い部分に当てるように最小限の動きで受け止め、クロフサには脚を止めさせずにチャージに次ぐチャージで敵陣を徹底的に引っかき回すよ!
適当に敵を減らしたら、最後に一発派手なパワーチャージを見せて、敵を怯ませてから撤収だよ。
古城・雪夜
・連携可
本人ではないとはいえ、安倍晴明の策を実体験できるなんて
貴重と言えば貴重かな?
…叩き潰しますけどね
極力戦場の動向に注意払い、突出はせず
ツキノハナの旋律で敵を絡め、削り取ることを主体に
削り切れなかった場合は敵数に応じて、水虎霊に切り替え
己が呪詛にて水虎を創り、決して逃さず狩り取ります
味方と足並み揃えるほうが有利とあらば、声かけも念頭に
常に退路は意識しつつ確保を怠らず
引き際は見誤らぬよう注意して、十分役目は果たしたと判断した時点で、適宜速やかな撤退を
本当は1体残らず叩き潰したい
彼らが理不尽に奪い捻じ曲げたように
苦しめて、貶めて、捻じ曲げて…奪い取ってやる
霧崎・和月
失われたものを取り戻す
その為の布石、前哨戦
……始めるとしよう
飛翔で飛び、冷ややかな視線を送りつつ他の復讐者の戦いも観察
弱点、癖などを看破できるだろうか
少しでもいい、有効打を与える為、戦況を有利に運ぶ為の情報を
時に同じ戦場の復讐者との連携を
残像等で撹乱、氷雪での牽制
少しでも多くの敵を屠る為
時に光使いで目眩しを試みつつ
寂滅の氷柩を敵へと放つ
狙う相手は弱っているモノを優先
遅かれ早かれ朽ちる命
この光を受け入れるというのならば、ひとおもいに送ってやろう
己の状態、全体の戦況を鑑みて
ギリギリまで打撃を与えたら撤退を
次は……この地を終わらせる
立ち塞がるなら再び相手になろう
伏見・しろがね
アドリブ・連携可
「伏見の鬼斬り稲荷とはわらわのことじゃ」
日本刀(小狐丸白銀)を持っておれば刀術の使い手と思われるかも知れんが、腕前はせいぜい一般人の達人並み、刀を専門とする復讐者と比ぶれば見劣りするレベルじゃ。
実のところわらわは狐らしく搦手を使う方が得意でな。
戦闘は刀術(【斬撃】)、狐火(幻術)、クダギツネ、九尾(【貫通撃】)、ハッタリ(【挑発】)、騙し討ち(【フェイント】)を組み合わせた、狐らしい戦い方(【不意討ち】)をするのじゃよ
狐火七度錯の術を使い、敵を同士討ちする烏合の衆に変えてやるわい
脳筋どもめ
おぬしが得物を向けておる者は本当に敵か?
おぬしが背を預けている者は本当に味方か?
金刺・鞆
平安の刻を生きたものとして、此度のいくさにはやはり気合が入りますね……。新宿島はわれらの本拠にして、最終人類史の砦、なれば。それを襲撃せんとする謀略、必ずや打ち砕いてみせますとも。ええ、ええ!
味方と狙いを重ねて撃破を早めるべく、『青龍水計』にて多くの敵を攻めましょう。【水源】も最大限に巡らせて、馬の脚を鈍らせたいところ。泥濘ほどとは参りませぬが、騎馬の機動力を削ぐには多少の役にも立つかと。
反撃の技は得物を振り抜く動作に警戒し、回避や防御を試みます。武器そのものが飛んでくるなら仕掛け扇にて弾いて防御を。
体力が半ばを下回る頃には撤退の判断が必要ですね。それまでに敵勢を削げていればよいですが。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
新宿島の防衛は要
その刃、僅かでも、人々に届かせはしないよ
ここは外せない、確実に削ろう
お伽噺の船にしては物騒だな
【飛翔】し空中戦
空中も広く使い、機動力を確保
戦場を偵察、観察し情報収集
連携の要、布陣の弱点を看破し
先手を打って集中攻撃で打ち崩す
上空に隙を晒した敵を強襲し
突撃する味方を、上から弾幕を張り援護
味方と連携し、狙いを合わせて各個撃破を
確実に数を減らそう
敵兵の動作を観察
常に飛び回り、狙いを定めさせず
反撃の衝撃波には魔力障壁を展開
波の広がる方向を看破し、立体方向に飛翔で回避
刃物が飛んできたら緊急回避を
戦況を偵察、把握し
十分な戦力削減か、味方の不利で撤退合図
全員無事で帰還しよう
シークローネ・メーベルナッハ
敵本拠への捨て身の特攻攻撃。成程、其もまた武人の華とは申せましょうが…
総大将の意図を知る身としては、少々憐憫を覚えぬでもございません。
なれど、拙らを信じて此処まで共に参じた人々。傷つけなどはさせません!
敵集団を捕捉次第、【ダッシュ】或いは【飛翔】にて敵中へと吶喊。
駆け抜けざまの指定パラドクスにて一気に切り刻んでくれましょう。
敵の反撃に対しては、迫る馬を確と見据えてその突撃コースを予測、側面目掛け飛び込むような形にて回避を試みます。
「神風は拙らにこそ吹くもの。貴方がたは黙して塵芥と散るが良いでしょう!」
一通りの敵を殲滅するか、此方の殲滅ペースより速く敵数が増えてくるのを確かめたら撤退します。
遂に新宿断層碑文が告げた、平安鬼妖地獄変奪還戦。
「平安の刻を生きたものとして、此度のいくさにはやはり気合が入りますね……」
もきゅっと同意するようにひと鳴きした傍らの『いぬ』と共に、ぐっと気合十分、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)はきりりと気を引き締める。
そんな目前に迫る大一番は、ようやく巡ってきた、正しき歴史を奪還できる機会なのだから。
だが、ディアボロスの拠点は多数のパラドクストレインを連結した空中要塞であると、そう想定した断片の王・安倍晴明によって講じられた策。
それは……精鋭部隊『鬼馬軍団』を、戦いの開始と同時に新宿島へと突撃させることだという。
そしてその為に準備されているのが、今復讐者達の眼前に在る船。
「お伽噺の船にしては物騒だな」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の銀の煌めき秘めた蒼穹が映すのは、船は船でも空を翔ける船。
飛翔型妖怪船『鬼之鳥船旗艦・竜宮』である。
だが、目の前の竜宮内に在るのは、御伽噺の様な鮮やかに舞い踊る魚たちなどではなく、新宿島へと攻撃を仕掛けんとする鬼や妖たち。
「空飛ぶ妖怪船が新宿島にきちゃったらヤバいじゃん!」
相棒の『キット』ともきゅっと顔を合わせながらも、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)が言うように。
もしもそれを許してしまえば、新宿島と住民達に被害が生じてしまう。
……けれど。
「新宿島の防衛は要。その刃、僅かでも、人々に届かせはしないよ。ここは外せない、確実に削ろう」
「新宿島はわれらの本拠にして、最終人類史の砦、なれば。それを襲撃せんとする謀略、必ずや打ち砕いてみせますとも。ええ、ええ!」
「よーし! ここは気合いを入れていくよ!」
勿論、そんなことなんてさせない。もう何も奪わせやしない。
竜宮に乗り込んでいるのは、大江山から撤退し再編成されたという『鬼馬軍団』であるというが。
「敵本拠への捨て身の特攻攻撃。成程、其もまた武人の華とは申せましょうが……」
……総大将の意図を知る身としては、少々憐憫を覚えぬでもございません、と。
シークローネ・メーベルナッハ(其は生ける疾風怒濤・g00007)は聞いた話にそう思う事は少なからずあれど。
仲間と共に妖怪船へと向かうその足取りに迷いの類はない。
「なれど、拙らを信じて此処まで共に参じた人々。傷つけなどはさせません!」
新宿島への突撃など、断じて許すわけにはいかないから。
「本人ではないとはいえ、安倍晴明の策を実体験できるなんて、貴重と言えば貴重かな?」
そう古城・雪夜(黒帝・g01145)が細めてみせる紫のいろは一見、柔らかな宵を湛えているようだけれど。
……叩き潰しますけどね、と。
続く言の葉と共に垣間見えるのは、根底に抱く、復讐者の力の源でもある激情の揺らめき。
晴明の思惑通りに竜宮が新宿島に突入すれば、新宿島に大きな被害が生じるけれど。
ならば逆に事前に竜宮へと突入して、その策が潰えるように敵の虚をつく。
そう……来たる奪還戦を前に臨むこの戦いは。
(「失われたものを取り戻す。その為の布石、前哨戦」)
そして霧崎・和月(彷徨う器・g06070)は青を湛える瞳を竜宮へと向け、紡ぐ。
……始めるとしよう、と。
「歴史の奪還戦当日までに鬼馬軍団をどこまで削れるかはかなり重要だからね」
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)もこの前哨戦が、来たる大戦の為にどのような意味を成すのか、よく分かっているから。
且つて源氏の姫君を乗せて戦ったという歴戦の軍馬『クロフサ』に騎乗するやいなや。
――ドンドン削ってくよ! 突っ込めー!
開戦の火蓋を切って落とすように、竜宮へといざ踏み込めば。
『え!? なっ、敵襲……うぎゃっ!』
重量を活かしたパワーチャージで適当な敵を焼き貫き、豪快に跳ね飛ばす。
大気中にあるあらゆるエネルギーを、邪を滅する炎に変えて。
握る得物に宿し敵を可能な限り多く討つべく、直ぐに馬首を返して次の敵へと突撃!
そんな奇襲に完全に体勢が整わぬままながらも、刀や剣を抜いて悪鬼の斬撃で反撃してくる刀剣兵であるけれど。
それも理央にはお見通し、放たれる斬撃を鎧の厚い部分に当てるように最小限の動きで受け止めることを心掛けて。
クロフサもその脚を決して止めることなく、勇猛果敢に戦場を駆け回る。
平安鬼妖地獄変では源氏の姫君を。そして今は、チャージに次ぐチャージで敵陣を徹底的に引っかき回さんと炎滾らせ槍を揮う理央を乗せて。
そして戦場にぴょこりと現れるのは、童女の姿をとった白狐。
いや、ただの狐ではない。金色の光を纏いしその手に握る太刀は、小狐丸白銀。
「伏見の鬼斬り稲荷とはわらわのことじゃ」
そう名乗る伏見・しろがね(鬼斬り稲荷🦊・g01292)の手練れ感溢れる言動に、一瞬ざわりとざわつく刀剣兵であるけれども。
何といっても、しろがねは狐。
(「小狐丸白銀を持っておれば刀術の使い手と思われるかも知れんが、腕前はせいぜい一般人の達人並み、刀を専門とする復讐者と比ぶれば見劣りするレベルじゃ」)
……実のところわらわは狐らしく搦手を使う方が得意でな、と。
彼女の武器は小狐丸白銀だけではなく、実は狐の真骨頂であるハッタリ。
白は見えざる神の遣い、そして傍らの黒は付け合わせ。
刀術による斬撃や九尾による貫くような一撃を揮いながらも、クダギツネの『くろがね』と共に狐火の幻術で惑わせ、ハッタリをかまし挑発しつつも。
「脳筋どもめ、同士討ちする烏合の衆に変えてやるわい」
――おぬしが得物を向けておる者は本当に敵か?
――おぬしが背を預けている者は本当に味方か?
『……!?』
『敵は斬る! って、何!?』
騙し討ちも組み合わせて刀剣兵どもへと見舞ってやるのは、狐火七度錯の幻術。
そして反撃の衝斬波や、幻に惑わされつつもすっこ抜けて飛んできた刃を小狐丸白銀で可能な限りいなしながらも。
敵を翻弄し、戦場を大きく掻きまわすように幻術をもって攪乱し立ち回るしろがね。
そんな復讐者達に対抗するべく、刀剣兵も手にした刃を振り上げるけれど。
刹那戦場に飛ぶのは、鮮やかな赤の飛沫と一刃のもとに刎ねられたその首。
(「斬れる限りの露払い。楽しい……地味ながらも大事なお仕事かと」)
……存分に、斬って斬って煙と消えるとしましょう、と。
胸の内に生じる高揚感に金の瞳を細めながらも、沓掛・百夜(黄泉より千引石の先へ・g05398)は艶やかな黒髪をその心や刃と同様に戦場に躍らせる。
(「とはいえ騎馬に徒歩で正面から挑むほど勇気に不足なき身ではありませぬゆえ」)
けれども決して、無策で刃を振るうべく突っ込むのではなく。
『く、叩き斬ってやる……ッ、!』
「馬上であれば避けるも何もないでしょう?」
それはまさに、一呼吸の間の出来事。
さながら空を蹴るかの如く飛び回り、上空から容赦なく浴びせるは『しけんだ』の斬撃。
恐ろしいほどに良く斬れ、また恐ろしく呪う……揮う紫朧丸の刃が当たるを幸い、敵を斬りつけていく百夜。
そしてまた、着地も地の上ではなく兵を切り捨て、主なき馬上へ……轢かれてはかないませんから、と。
鬼馬を走らせて跳ね飛ばし踏みつぶし蹂躙せんとしてくる相手の反撃をもろに受けぬよう、ひらり上空を翔けながらも。
一体斬ったらまた次へ、連なるような斬撃を重ね、敵を刎ね飛ばしてゆく。
そしてシークローネもまた、敵集団を捕捉すると同時に。
「神風は拙らにこそ吹くもの。貴方がたは黙して塵芥と散るが良いでしょう!」
一気に大きく地を蹴って敵中へと吶喊し、駆け抜けざまに閃かせる。
陣風、即ち剣山刀樹――敵陣を一瞬のもと駆け抜けると共に、どうぞ耐えてご覧なさいませ! と。
あらゆる命を滅ぼすという概念を象った妖刀「十屠」を以って空間へと軌跡描き、無数の斬撃で。
蜻蛉風をはためかせ、旋風と三日月を纏い、鉄砲玉の魔術に乗って戦場を疾走しながら。
迫る鬼馬の反撃も確と見据えその突撃の軌道を予測し、回避を試みる。
『くっ、小癪な……!』
正面には決して立たず、敵の側面目掛け飛び込むような形にて。
そんな派手に立ち回る仲間達と狙いを重ね、敵の撃破を早めるべく。
水色のちいさな薔薇咲くリボンをひらりと揺らして。
水源の力も最大限に巡らせ、鞆は鬼馬の脚を鈍らせんと戦場に出現させる。
『……! なっ!?』
(「泥濘ほどとは参りませぬが、騎馬の機動力を削ぐには多少の役にも立つかと」)
突如として膨大な流水を生み出し、敵群をその内に呑み込むべく。
そしてイツカも、キラキラのキラーチューンにアレンジした歌に合わせ戦場を照らし響かせる――イツカノウタを。
――いつか叶う、夢はきっと叶う……キラキラ輝く未来を、一緒に掴み取ろう♪
厳しい戦いだって、歌って踊ってもきゅっと楽しく。キラキラの未来を一緒に取り戻すべく戦う仲間達を鼓舞しながら。
ペンライトを持って、もきゅもきゅっとふりふりするキットと一緒に。
けれどイツカが響かせるそのキラキラはただ盛り上げるだけではなく、闇に隠れたモノを照らし出し反撃の糸口を掴む輝きでもあって。
『刃の衝撃をくらえ……、って!?』
「その太刀筋、見切った!」
敵が繰り出す斬撃や衝撃波を見逃さぬよう、攻撃の動作や相手の癖をしっかり観察しつつも身を翻して。
……どう? 今の、格好良かった?
もきゅっと頷くキットと一緒に、ちょっぴり得意げにえっへん。
そして鞆も響く楽し気な歌やそんな様子を見てからふと、壊れている玩具のいぬ笛を合わせて吹いてみれば。
相棒のいぬも、もきゅっとなんとなく楽しそう。
そんな仲間たちが敵陣を大きく引っ掻き回し、積極的に前へと出て立ち回る中。
ばさりと天使の両翼を羽搏かせ天高く舞いながらも、広がる空中をも自由に翔ける戦場と成して。
エトヴァは上空から弾幕を張って皆を援護しつつ、戦場を確りと偵察し観察し、看破するべく見下ろす。
連携の要……布陣の弱点を見出し、先手を打って集中攻撃で敵陣を打ち崩すべく。
――Sei frei.
上空に隙を晒した敵へと、風を切り、速度に乗り、そして空へと自由に踊らせる。
両手に二挺、蒼穹映す輝き秘めた円環煌めく指で端麗なる拳銃の引き金を引き、繰り出す弾丸を。
自由な翼の羽搏きで、重力無き自在な飛行をもって。
そして自由気儘なその軌道は輝ける光を纏い、敵を撃ち抜きながらも天空に描き出す。仲間と共に導き出す栄光を。
同時に、戦場に響き渡るのは、月花の如く花開くチェロの音色。
雪夜も極力戦場の動向に注意払い、突出はせずに。ふわりと月奏曲の香を纏い、魅惑冠したバロックチェロを奏でる。
そんな優美なる十指が奏でる聲は、まるで月光が如く。じわりと柔くも敵の身に染み入り、そして侵して。
『は、戦場の只中で何を……ッ、ぐぅっ!?』
最期に見るのは蠱惑の笑みか、それとも――。
ツキノハナの旋律が絡めとり吸い上げるのはそう、命。それは表皮を破って狂い咲く、無数の氷の花。
和月も、血気盛んに刃を振り回す敵へとあくまで冷ややかに青い視線を送りつつ、仲間が立ち回る様子も確りと観察して。
敵の弱点や癖などの看破を試み、時に満ちる力で光も使い目眩しを仕掛けながらも。
『うぐ、まだまだ……阿修羅様の様に、我も戦果を……、ッ!』
――此れは異界への道標。
かつて、或る白の魔術師と共に在ったという白銀を以って。練り上げた魔力が刀剣兵どもを覆い隠さんとする。
「遅かれ早かれ朽ちる命。この光を受け入れるというのならば、ひとおもいに送ってやろう」
氷雪となりしそれはさながら、棺の如く。
囚われた者をほどなくして安らぎと寂滅へと導く。その先は天国か地獄か――その答えを知るのは、死を運ぶ天使のみ。
雫氷の密やかな煌めきが静かなる白をより深く積もらせながらも。
仲間達の攻撃で疲労や傷が目に見える敵から優先に、狙いを定めて葬送ってやる。
『大江山での恨みを今……うぐっ!』
『我らは阿修羅様に付き従う、誇り高き『鬼馬軍団』……がはっ!』
最前戦へと果敢に出て正面から敵を蹴散らす者、敵を攪乱し惑わせる者、仲間の力が存分に発揮できるよう支援する者、戦況を見極め確実に敵を屠っていく者……同じ戦場に在る復讐者達のそれぞれの立ち回りは非常に無駄がなく効果的で。
次々と刀剣兵の数を減らし、攻め入った飛翔型妖怪船にて繰り広げられる戦いの主導権を完全に握る。
だが、だからこそ――刹那、向けられたのであった。
『ディアボロス滅殺』
他の者とこれまで戦い獅子奮迅その力を揮っていた『鬼馬軍団』が一将、付喪鬼将・阿修羅の意識が。
●付喪鬼将・阿修羅、猛る
しろがねが惑わし、大きな隙が出来た刀剣兵をまた一体、叩き斬って。
残像で撹乱しつつ、巻き起こす氷雪で牽制しながらも同じ戦場を駆ける仲間とも連携をはかる和月。
少しでも多くの敵を屠る為に。
イツカとエトヴァも共に協力し合い、狙いを合わせて弱った敵から各個撃破を試みて。
目に見えて順調に敵の数を減らし、縦横無尽に戦場を飛び回っては、相手には逆に狙いを定めさせず。
反撃の衝撃波が放たれれば展開されるのは、エトヴァの黒の彩色が綴る黄金の荊の障壁。
鞆も飛んできた刀剣を視認すれば、ぱっと開くは、ささやかな飾り羽を誂えた白木の扇。
帯を飾るもふもふとした小さな装飾を揺らしながら、その刃をすかさず弾かんと翻しながらも。
(「撤退までに敵勢を削げていればよいですが」)
撤退の判断を見誤らぬよう、戦況や残りの体力を見つつもそう考えを巡らせる中。
雪夜も仲間と足並み揃えるほうが有利と見て、声を掛け合い、同じ敵を狙いながらも。
常に退路は意識しつつ確保を怠らずも、決して敵を逃すまいと狩り取っていく。
いや、引き際は見誤らぬよう注意し、突出すること無きよう心掛けてはいるのだけれど。
でも……やはりその胸中に密かに燻り滾るのは。
(「本当は1体残らず叩き潰したい。彼らが理不尽に奪い捻じ曲げたように」)
――苦しめて、貶めて、捻じ曲げて……奪い取ってやる。
丁度、1年程前のあの日……あっさりと、それでいて強引に。様々なものを奪った眼前の輩に対する激情。
そして百夜もどこか嬉々と刃振るい、斬った敵の血飛沫を戦場へと撒き散らしながらも思う。
(「適度に数を減らして騎馬隊の勢いをなくせば混乱に乗じて逃げるもよし、露払いどころか全滅を狙えるなら――」)
これまでの戦況は上々。
このままの勢いで、露払いと言わず刀剣兵の殲滅……などと頭を過ぎった、瞬間であった。
「……!!」
刀剣兵を相手取っていたディアボロス達が、一斉にその顔を上げる。
今までとは明らかに違う、強烈な殺意と怨念を本能的にビリビリと全身で感じて。
そして視線を巡らせた、その時であった。
「な……ッ!」
『ディアボロス滅殺、鬼馬軍団ニ勝利ヲ!』
六の腕を揮うその姿はまさに、激しく猛る鬼の如く。
鬼や鬼馬を混ぜ合わせた妖怪が一体、敵陣に斬り込んできたと思った瞬間。
「!!」
戦場に一気に解放され大きく爆ぜるのは、妖怪が体内に貯め込んでいる怨霊たち。
そう……撒き散らされた血の匂いに誘われるように、攻め入るディアボロス達を滅殺するために。
現れたのは『鬼馬軍団』が一将、付喪鬼将・阿修羅であった。
殺戮機械が如く6本の刀を揮う阿修羅は、その怨霊爆裂をもって呪い殺すのだ。
誰彼構わず、その兄弟無比な力と怨霊を爆ぜさせながら無差別に。
撤退戦で散った仲間の仇を討つべく、これまでの怨みを晴らさんと。
そんな出現した阿修羅に、刀剣兵の士気も上がって。
眼前で爆ぜた猛将の一撃が狙い撃たれてもろに炸裂すれば、ただでは済まないことは明確。
「なんと、鬼の将が直々に現れたようじゃな」
「一通りの敵は殲滅しましたし、あの敵将の攻撃は危険でございます。撤退いたしましょう」
肩を竦めてみせるしろがねに続いて、そう判断するシークローネ。
エトヴァとイツカも、その言葉に異論はなく頷いて返して。
もう少し押し通せばさらなる戦果があげられるかもしれないし、刀剣兵の殲滅を成したい気持ちも無きにしもあらずであるが。
「全員無事で帰還しよう」
「大丈夫、生きていればあとでなんとかなるもん!」
迷わず選択するのはやはり、此処が退き時だという撤退の意思。
だがそうはさせまいと、再び怨霊爆裂を繰り出さんとする阿修羅であるけれど。
――この一撃、耐えれる?
『……!』
理央が最後に一発ぶっ放すのは、派手なパワーチャージからの一撃。
そして敵が一瞬だけ怯んだ隙に全員で、飛翔型妖怪船からの離脱をはかったのだった。
それから刀剣兵へと打撃を与え、払い、退路を切り開きながらも和月は紡ぎ落とす。
「次は……この地を終わらせる」
来たる決戦にて、今度こそ空飛ぶ竜宮を墜とすべく。
強烈な怨霊爆ぜる戦場を後にしながら――立ち塞がるなら再び相手になろう、と。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
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【アクティベイト】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!