巨大東大寺突破作戦

 ヤマタノオロチを撃破した事で、平安鬼妖地獄変のクロノヴェーダの拠点である奈良の『平城京』への道が切り開かれました。
 ですが、『平城京』は強大な結界によって封鎖されています。結界外から徒歩や河川を通じて侵入するのは勿論、【飛翔】での空からの侵入や、【完全視界】を用いた観測さえ行えません。

 ですがパラドクストレインが、唯一侵入可能な入り口となりうる平城京の東に位置する『巨大東大寺』へディアボロスを導きました。
 本来の歴史における大きさの十倍以上の規模を持ち、さらに『大仏化』したクロノヴェーダが守る『巨大東大寺』を突破できれば、城京内部の探索が可能になります。
 ですが巨大東大寺の突破に手間取れば、平城京内でディアボロスへの対抗策が準備されてしまうでしょう。可能な限り早く、突破を行ってください。

盧舎那仏の徒(作者 都築京
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#平安鬼妖地獄変  #巨大東大寺突破作戦  #平城京  #大仏 


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 灯台ゆらめく巨大伽藍の奥、二つの巨大な影が対峙していた。
「……この世を侵し踏みにじらんとする輩が迫っている」
 『盧舎那仏』――奈良の大仏、と表現したほうが通りはよいだろうか。人間が見上げるほどの大きさの仏像と向かい合った巨大な影は何かを一心に念じている。
「我等が真の都、平城京への侵入を赦す事はまかりならぬ」
 唸るような絞り出すような声音が、びりびりと大仏殿の柱や屋根を震わせていた。地獄の獄卒を思わせる醜怪な凶悪な様相の、角もつ鬼がカッと眼を剥く。
「かの強大な敵を除くための力を与えよ。すべてを薙ぎ払い、すべてを踏み潰し、すべての脅威から東大寺を護らんとする我にその力を――」
 すべてが巨大化した東大寺の境内。
 折しもその門がディアボロス達の手によって開かれようとしていた。

●盧舎那仏の徒
「攻略旅団の方針による平城京の調査も、順調に進んでるみたいだね!」
 情勢が大きく動き続けている平安ディヴィジョンの進捗状況に、岩崎・礼音(Diagrammar・g03225)は興奮を隠せないようだった。大妖怪ヤマタノオロチとその副将のジェネラル級二体を撃破したことにより、強大なクロノ・オブジェクト『廬舎那仏』結界に阻まれた平城京の調査が現在進められている。
「その結界の出入り口になっている東大寺が、史実の十倍近くまで巨大化しちゃってるのは皆もう知ってるよね」
 ついでに中にいるクロノヴェーダも一緒くたに十倍サイズに巨大化しちゃってるんだけど……とあきらかに礼音の視線が泳ぐ。巨大ロボ萌えの要素はどうやら持ち合わせていないらしい。
「と、とにかく、皆には巨大化東大寺の南大門をどうにか開けて、待ち構えてるクロノヴェーダを倒してほしいんだ!」
 『盧舎那仏』はクロノ・オブジェクトのため直接破壊はできない。しかしその加護を受けて巨大化、もとい大仏化したクロノヴェーダを撃破できれば、結界を打ち破り平城京内部へ潜入できるようになるはずだ。

 巨大化した東大寺は建築物型のクロノ・オブジェクトなため直接的な破壊は不可能だ。
 南大門は全高250メートルもの巨大さを誇り、扉は門の巨大さに見合うサイズかつ重量をもつ。
「観音開き? って言うのかな、押しても引いても開けられるみたいだから、そのあたりで何か工夫できるかもしれないね」
 南大門を通過した後は東大寺内の大仏殿へ向かい、大仏化したアヴァタール級を排除して作戦成功となる。大仏殿ももれなく巨大化しているため、巨大アヴァタール級と戦う場としても広さに困ることは一切ないだろう。
 ただし大仏化してるだけあって、力押しだけでは苦戦が予想される。ここも相手が巨大なことをふまえて工夫してみると良いだろう。
「それから攻略旅団から平城京の南方の調査が依頼されてたけど、門を開けたあとに、こう、門の上に登れるみたい」
 ちょうど東京タワーのトップデッキにある展望台が高さ250メートルなので、それと同程度と考えるとわかりやすいだろうか。平城京の南側の景観を確認できることを置いておくとしても、平安期の日本のちょっとした絶景を楽しめるだろう。……まあ、工事用の足場があるわけでもないので登り方に関しては各自で知恵を絞らねばならないが。

 その規模から考えて、平城京こそがこのディヴィジョンにおけるクロノヴェーダの本拠地とみていいだろう。内部に潜入できれば、いまだ正体が不明の断片の王の情報も得られるかもしれない。

 抜けるように晴れ渡った夏空を背に、堂々と東大寺南大門の偉容がそびえている。
 門、と表現するよりかは巨大な断崖、と表現したほうが規模としては近いだろう。しかし天然の断崖とは違い建築物である以上、そそり立つ門は垂直だ。近くに寄れば余計にその大きさが迫ってくる。緑濃い木々を足元へひれ伏させ従えているようなその光景は、内に抱える強大なクロノヴェーダの力量をも表しているのかもしれなかった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
3
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1

●マスターより

都築京
こんにちは、都築京です。よろしくお願いいたします。

●依頼の流れについて
OPに記載の通り、①東大寺南大門を開けて中に入ったのち、③大仏殿で待ち受ける大仏化アヴァタール級を撃破、な流れです。大変シンプルです。
②の平城京の南方の調査はクリア必須選択肢ではありません。よってスルー可能です。

●その他
ほとんどの技能ではパラドクスのような超常の効果は得られません。
戦闘では残留効果2を積極的に活用すると有利に戦えるでしょう。公式説明書にもある通り、残留効果1は戦闘以外に有用な残留効果です。
攻略旅団選択肢以外での敵からの情報収集や、敵の捕縛は行えません。

それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


松中・誠
連携アドリブ歓迎

……250メートルだっけ。すっごくおっきいんだぜぃ。
間近で見上げるのは大変なんだぜぃ。

観音開きだったら、押したり引いたりするべきはほぼ中央のはずなんだぜぃ。
……まぁ、動く場所から一番遠いところを力点にしたらいいはずなんだぜぃ。多分。きっと。

ドラゴンフォースで【怪力無双】を発動させて、全力で押すんだぜぃ。
…下手な小細工よりは力押しが一番なんだぜぃ。

誰かが来たら声掛けして力を入れるタイミングを合わせるんだぜぃ。


金刺・鞆
何度来ても……やはり、おおきい、です。盧舎那仏は……えとえと、疫病を鎮めるためにつくられた、でしたか。
……なぜ巨大化するのでしょうね……。むむん。くろのおぶじぇくと、の効果と言われてしまえばそれまでなのですが。気になります……。

とはいえ、なにはともあれ門を開けねば。【怪力無双】の効果をさらに重ねてぐっと力を込めましょう。むん!
観音開きの片側を押して、反対側を引くことができたらより早く開けることもできるでしょうか……?
しかし、全員で押す側に専念するほうが早いやも? むむむん、より効果が望めそうな作戦で参りますとも。
いぬは力仕事には不向きゆえ、そこで応援していてくださいませね。


ナイン・スカーレット
アドリブ、連携歓迎。

このおっきな門に対峙するのは2回目。開ける時のコツは多分大丈夫、みんなと相談してから門の方を対応。

門の破壊は出来ない、隙間を作る場合も正攻法での、押し引きじゃないと場合によりダメだったから、、、

正々堂々、正面から行く!
【怪力無双】を起動。
全力でぱわーいずぱわー!
この門には小細工無しで怪力無双で対応!

1人じゃ無理ですので、皆様にタイミング合わせます。片方だけの案には賛成したい。
片方だけなら少しは負担軽減される可能性がある。

中に入ったら調査が優先されるから、出来れば何事も無く入りたい、、、


 何度見てもやはり大きい。金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が見上げる東大寺南大門は、巨大な岩盤か崖か、と思うほどの大きさで鎮座している。
 盧舎那仏、つまるところの奈良の大仏は疫病を鎮めるために作られたはずだが、なぜそれに関わるクロノヴェーダが巨大化するのかが鞆にはわからない。クロノオブジェクトの効果と言われてしまえばそれまでなのだが、ディアボロスとしての性(さが)がそうさせるのか、気になって仕方ない。
「……250メートルだっけ」
「たしか」
「間近で見上げるのは大変なんだぜぃ……」
「ちょっと首痛いかも……」
 大変、と表現した松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)と一緒に門を見上げるのもだんだん首が疲れてきて、ナイン・スカーレット(赤い月の王・g07595)は項の下を抑えた。ナインがこの門と対峙するのは都合二度目なので、開けるコツは恐らく問題ないと思うものの作戦内容のすり合わせは行っておきたい。
「なにはともあれ、まずはこの門を開けねばなりませんね」
「とりあえずこれまでの例から言って、手っ取り早く門を破壊しての通行はできない、と。隙間を作る場合でも正攻法、つまり押すか引くかが一番確実」
 おさらいをするように指折り数えつつ、ナインは門の周囲を歩き回りながら何か他と違ったことはないか確認をはじめた。
 鞆はひたりと観音開きの戸に手の平を押し当て、軽く押してみる。この大きさと重さなので当然びくともしない。
「怪力無双持ち全員で押せば単純計算で人数分の倍? に、できるでしょうか……」
「まあ観音開きなら、押したり引いたりするべきはほぼ中央のはずなんだぜぃ」
 つまり蝶番から一番遠いところを力点にしたらいいはずなんだぜぃ、多分、きっと! となんとも豪放に言いのけた誠へしのび笑いを漏らし、鞆は短く考えを巡らせる。一人二人ではなく三人いるなら全員で押すこともできるが、さて。
「思ったのですが、左右どちらか、片側を中央近くで押しつつ反対側を引くことができれば、より早く開けられるのでは……?」
「うーん? 試してみてもいいけど、片方だけなら負担軽減される可能性も、ある気はするかな」
「俺っちはどちらでもいいんだぜぃ、開けられりゃ一緒だ」
 互い違いに押して引くのを試すか、それとも超スタンダードに三人で押すか。
 結論から言えば今回はどちらの内容にも特筆すべき優劣はなかった。押しつつ引いても、押しまくっても開門にかかる時間と労力は同じ、というわけだ。
「むむむん、それではここは確実な方法で参りましょうか。いぬは力仕事には不向きゆえ、そこで応援していてくださいませね」
 もきゅ! と元気よく返事をした鞆の相棒、モーラット・コミュ『いぬ』がやや後方へ下がったのを見届け、誠は上着の袖を捲り上げる。
「それじゃ、タイミングを合わせて全力で押すんだぜぃ。準備はいいかい?」
「了解。全力でぱわーいずぱわー! 小細工なしで推して参る!」
 心得た表情でナインが扉へ取り付いた。
 いっせーの、と誠の威勢のいいかけ声と共にディアボロス達は全力で扉を押した。怪力無双があっても易々と、とはいかないことはすでにわかっている。ぎちり、と巨大な蝶番が鳴る音が聞こえてナインは思わず視線を走らせた。
 懸命に踏ん張っている砂の足元がわずかに滑る。両腕だけではなく肩を入れて渾身の力で押す誠にならい、ナインや鞆も懸命に力を振り絞った。
 ご、と重くにぶい音が扉全体から響いた。
「よし。このまま」
 誠の目の前で、1センチ、2センチ、と扉の合わせ目が少しずつズレてくる。じっとりと手の平へ汗がにじんだ。
 そそりたつ岩盤にも錯覚するほどの巨大な門扉はそうして徐々に内側へと開いていく。そして信じられないほどの扉の厚みを通り過ぎ、隙間から針先のような細さで門の向こう側の景色が見えてきた。広大な境内には行き交う生き物の影も誰も見えず、ただ静かに松や庭木が夏風にそよいでいる。
「そろそろだ……急いで滑り込むんだぜぃ」
「わかり、ました。いぬは、こちら、へ」
 鞆は息を切らしながら相棒を呼び寄せ、そしてぎりぎり体躯を通せる隙間が作られたと同時に門扉の向こう側へとすべりこむ。一気に重くなった門扉に誠が低く唸った。すぐに向き直った鞆が向こう側から門扉に手をかけて引っぱりはじめる。
 ごご、と高い位置の蝶番が侵入を非難するようにきしんだ。残ったディアボロス達はそれを無視しきって、さらに開いてきた隙間へ肩をねじこんでいく。全員が扉の隙間から境内内部へと侵入を果たすと、やはり文句を言うかのように扉は低く唸りながらゆっくり閉じていった。
「なんとか、……何事もなく、入れた、でしょうか」 
「そうだな。あとは大仏殿で待ち受けているクロノヴェーダを倒すだけだぜぃ」
 扉に背を預けて盛大に溜息を吐くナインをながめやり、誠は額から顎へと流れる汗を拭う。
 境内の奥には、門と同じくやはり巨大な伽藍が静かに待ち受けている。そこへ向かう前に平城京の南方を見ていくかどうかは、ディアボロス達の考え次第だ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV3が発生!
効果2【能力値アップ】LV3が発生!

松中・誠
さーて…無事に門を通り抜けることもできたし、獄卒と遊ぶ前にちょろっと調査してしまうんだぜぃ。

…飛翔だと高さが足りないから、【フライトドローン】を使って上まで登るんだぜぃ。
魔術球だから、まぁ足の裏にでもやれば良いかな。

門の上までドローンに乗って移動して、南方を見るんだぜぃ。
何かランドマークになりそうなものがあれば優先的に探したいんだぜぃ。
倍率のあんまりよくない双眼鏡をしれっと持ってきたから、ちょっとは詳しく見れるかな?

さーて。何が見つかるかなー。


 流石に250mを一気にフライトドローンで、は無理筋だったかと松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)は門柱のなかばに取り付きながら足下を眺めやった。たとえ飛翔であっても5回重ねなければならぬ高さだ、いくらかショートカットできたと考えれば上々だろう。創建からすでに何百年も風雨にさらされ続けた木材は、ディアボロスならば登っていけるだけの凹凸はあった。あとは転落しないよう慎重に登攀を続けるだけ。
 ……攻略旅団からの要請はたしか『ディヴィジョン南端境界に関する調査』だったはずだ、と誠は注意深くルートを選びながら考える。現代で言うところの飛鳥、白鳥陵、吉野山などは果たしてこの世界においてどうなっているのか。時代が時代なだけに、この巨大化南大門は実に良いタイミングで展望台となってくれそうだった。
 ただひたすらに門柱を登り、誠はようやく二つ重なったように見える屋根の下部分、腰屋根の梁に手をかけた。二枚目の屋根も登りきって、誠は門の頂へたどりつく。遮るものもなく吹き渡る風は非常に心地良かった。
 次いで誠は懐から双眼鏡を取り出しつつ、何か目立つ建造物、ランドマーク的なものはないかと見渡してみる。とは言え現代ならばまだしもここは平安時代、特に違和感を覚えるような怪しい高さのものは見当たらない。
 改めて双眼鏡を目元へ当てて平城京の南側を観察してみると、濃い緑が広がる丘や豊かな森がつらなっているのが見えた。そして――厚く広がる白いモヤ。
「何だ?」
 双眼鏡を外して確認すると、まるで雲海のように白く濃い霧がかかっている。
 単に霧がかかっているだけならどうという事はない。しかしその霧は平城京の南に見えるはずの吉野の裾野、そして飛鳥のあるあたりをまるごと覆い隠しており、なだらかに平らかに広がっている。薄ら寒さを覚えるほどに。
「……『海』?」
 そして本来吉野の山があるべき高さに稜線が、『山』そのものが存在していなかった。そのずっと手前から分厚い霧が広がっているせいで海面も海岸線も確認することはできないが、まさしく平城京の南側がディヴィジョンの境界でありその先にはただ海だけがどこまでも続いている、と想像できる。
 誠は南大門の屋根の上で一人きり、ごくりと喉を鳴らしていた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

終之蝶・椿姫
心情:世情には疎くはありんすが、神仏をクロノヴェーダが弄ぶような状況は捨て置けないでありんすね

行動:SPD

戦闘:
敵の攻撃は強力なようなので、誘い、囮を使っての攻撃を選択。
敵の攻撃を誘うように【精神攻撃】と【誘惑】を使用しつつ、厳かに詠唱。

「万象惑わす散椿。舞い遊び・戯れ・映すは緩怠たる我が身。その妖艶たる象、自壊し・纏い・罰する者を掻き毟れ。口説欺心中『傾城髪切』」

己の幻影を見せない鋼糸で創り出し、攻撃してきた敵を【捕縛】を以て絡め取る。
そして、絡め取った敵を鋼糸で掻き毟るように切り刻む。

わっちも元は平安生まれ。神仏へ思うものはありんす
「神仏を弄んだ罪、閻魔様にでもお裁きいただいてくんなまし」


柳田・太郎
「大男、総身に知恵が回りかね、って言いますよねぇ?」

罠使い、地形の利用、臨機応変、怪力無双

単純な罠ですが、ロープで足を引っかけて転ばせるかどうか試してみましょうかねえ。
上手く転んでくれたら、目を狙って攻撃出来れば
けっこう優位に戦えるんじゃないかなと思ってますが。

まあ上手く行けばですけどねえ。

フライトドローンに乗っけてもらって、
他の皆さんが攻撃しやすいように周りをちょろちょろ飛び回ってみたりもします。
頭の周りを飛び回る小蠅って結構目障りでしょ?

後はもう頑張って戦うしかないんですけど。

アドリブ・連携、大歓迎ですよ


金刺・鞆
海が……。つまり、平安鬼妖地獄変はそこまでで、そこよりさきは異なる改竄世界史……!
いえ、いえ。考えるのは後ですね。今はかのあばたーる級を倒して帰還いたしましょう。

こちらもやはり変わらず大きいこと。なれど、強化されているのはその怪力のみ。力比べは避け、冷静に付け入る隙を見出したいところ。
呪詛の塊を口から吐き出すということは、予備動作に開口が含まれる、はず。
敵が口を開ける素振りを見せたら急ぎ回避や防御に移りましょう。『彩映水鏡』、ちからある水鏡は守りと返しに長けた技。そのちからは、仲間の身を守ることにも繋がりましょう。

その呪詛が強ければ強いほどこの個が多くのものを喰らったということ。必ず、倒す。


ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎です。
戦闘時はだらけずかなりシャキッと行動します。

巨大クロノヴェーダ戦は何回かしてるけど、改めて見る巨体に対してスピードで勝負。

「いざ…勝負!!」

当たったら終わりではないにしても、痛手を貰う前に回避行動、防御等をします。
ポーチから、ねこのふわもこクッションの「黒猫のあんこ」を取り出してくるくるっと槍の形状にします。

巨大化してるなら硬さはあれど、人型ならば正中線にある急所、手足の靭帯等への攻撃を試みましょうか。

ピンポイントで狙うなら首や心臓、巨大化してるから骨が折れそうですが、動けない様にするのも兼ねれば、アキレス腱を狙うのが妥当でしょうかね。


廿楽・歌舞伎 (サポート)
【口調】
リプレイ中はどんな状況でも普段通りの口調で構いません。
所々で聞き慣れない言葉を使う、なんちゃって古文を話すイメージです。

【性格】
石橋を叩いて渡るタイプ。
事前の情報収集や戦場での状況把握を入念に行い、万全を期して戦闘に臨もうとします。

【戦闘】
クダギツネを召喚しての不意打ちやSPDを生かしての手数勝負を好みます。
純粋な力勝負は苦手で、一歩下がって仲間の援護や保護対象の護衛などを気にかけることが多いです。

【戦闘以外】
どんな選択肢でも真面目に果たそうとします。
特に人命にかかわる選択肢の場合は自身の生い立ちも相まって、
時には危険を顧みず救護を優先します。

【その他】
特にNGなものはありません。


空城・優人 (サポート)
アレンジ、共闘歓迎。

基本的に全体ないし共闘者の指針に沿うぞ。
基本前衛で自身に雷魔術を付与して格闘術を行う事が得手だ
掌打、蹴打の際に打撃と雷撃のインパクトを与える感じだな。
ダガーも使う。硬い敵や敵の武器をいなしたりする。
基本攻撃に参加するが、共闘者がいる場合は護衛も兼ねるぞ。

使用パラドクスは適宜状況に応じ残留効果、自身のパラドクス効果も利用して使い分ける。
場がツッコミ不在でぐだぐだならツッコミ役もして状況の進行を促すぞ。
要撤収の場合は撤収のサポートだ。足が遅え、負傷で動けねえ連中が脱出できるよう抱え脱出できるよう動く。
あとは適当におまかせだ。戦闘に限らず自身で出来る事ならばやれることはやるぞ。


木庭・国男 (サポート)
やあやあ諸君!
共に頑張ろうじゃあないか!

役割に嵌めるなら支援系なんだよねぇ僕
ってなワケで効果を残して戦友君(他ディアボロス)を援護しよう!
手数が要る時は積極的に戦うよー
僕が何体か引き付けるってのはどうだい?
解決の為なら怪我も苦痛も、なんてことないさ
だぁいじょうぶ

物作りは昔から好きでねぇ
場にある物で工作したり、適当な物語を創って気を惹いたり、励まそうか
嘘も方便だし、場が和やかになるよう努めるけど
不誠実な言動はしないよ!
人命と笑顔が最優先。あと猫だね猫
おっと、料理と掃除は期待しないでおくれ
不得手なりにやるけども!

残留効果も使うよ。皆が繋いでくれたものだ
大事に使わせてもらうよ

※名前+君呼び


 南大門から続く参道の先。青空にそびえる大伽藍を目指して、ナイン・スカーレット(緋眼の王・g07595)らディアボロス達は走っていた。
「さて、これより相見えるは確か……獄卒と申したか。地獄の、という意味ならば何とも皮肉なものよ」
 まして盧舎那仏の伽藍でとはな、と廿楽・歌舞伎(舞えぬ楽師・g04895)は片頬で笑う。
「わっちは元々は平安の生まれ。こんな、神仏をクロノヴェーダが弄ぶような状況は捨て置けぬでありんす」
「特に人より信心してるってわけじゃないけど」
 体型のせいで狸と間違われることも多いが、意外に妖狐らしく軽い足取りで柳田・太郎(妖狐の吟遊詩人・g00636)は先頭を行く終之蝶・椿姫(徒花・g00531)について行っている。
「流石にアタシもこれはちょっと面白くありませんのでねえ」
「要はあのデカブツをさっさと片付けろって事だろ」
「うんうん、要するにそういう事さ。援護ならまかせといて」
 巨大化した東大寺で待ち受けるアヴァタール級を排除しすみやかに帰還する、それでこの任務は終いだ。空城・優人(迅雷・g04393)はもちろん木庭・国男(デーモンの魔創機士・g03330)も、伽藍の暗がりのなかでゆっくりと身を起こした巨躯をすでにその視界へとらえている。
「やはりこちらも、変わらず大きいこと」
 凶悪に並んだ牙の間から呼気の音をさせて振り返った白髪の獄卒を、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)はその射程にとらえていた。怪力こそ超強化されているが、冷静に力比べは避けて付け入る隙さえ見出せば勝利は難しくないはず。
 くふりと含みのある笑いを漏らして伽藍と境内の境目で急停止した国男を取り残し、残りのメンバーは四方へ散開した。白衣の裾を盛大に巻き上げ、数多の悪魔爆弾が湧いて出る。コウモリ状の翼をはためかせた悪魔爆弾の群れが殺到する前に、獄卒は巨大なあぎとを開いた。
「『鏡を、ここに』!」
 それこそが鞆の待っていた瞬間。
 無数の光の泡が獄卒の舌先へ集まり針ほどの太さに収束したかと思うと、爆ぜるように膨れあがって極太の射線となった。ちょうと国男が立っていた付近の石畳を、境内の道を、根こそぎ粉々にし薙ぎ払い、荒れ狂う。袖を上げて目元を暴風から護った椿姫が急いで国男の姿を探すも、彼の姿は跡形もなかった。
「何と他愛のない」
 地の底を這いずるような声音が響き、ナインは慄然とする。しかし口元を歪めるように笑った獄卒の横顔へ、悪魔爆弾のシルエットをした特徴的な影が落ちた。
「……これで死んだと思われちゃあ、さすがに僕も困ってしまうね」
「何?」
 国男を呑み込むはずだった怨念の射線を防ぎ、耐えきった鞆の水鏡が力を失って石畳を濡らす。直撃をぎりぎりで避け、怨念の塊そのものを目眩ましに、国男は手近な八角灯籠を蹴り巨大な柱へと逃れていた。小回りをきかせて避けられたと理解し、獄卒の顔が歪む。
「小癪な真似をする。蠅は蠅らしく叩きつぶされていればよいものを」
「余らを蠅と評するか。ならば、たかられているおぬしは一体何であろうな?」
 紗をおろした市女笠の内側で微笑み、歌舞伎は相棒のレンを解き放つ。主人の意図を察したクダギツネは文字通りに電光石火の速さで飛び出し、境内から差し込んでいる斜めの光の終端へと駆け寄った。
「アタシらが蠅ならば、そちらさんはさしずめ汚物か腐敗物。あらいやだ、意外と似た者同士ですよ」
 噺家めいた口調でフライトドローンに乗り飛び回る太郎を邪魔者と判断し、獄卒は無数の棘を生やした刺叉を振るおうとした。しかし、その体躯に見合った巨大な刺叉はぴくりとも動かず、ひいては振りかぶろうとした腕はもちろん、指先一本動かせない。
「大いなる盧舎那仏よ……我に不届き者を誅し、滅する力を与えよ!!」
 伽藍を揺るがすような怒号をあげ、獄卒は歌舞伎の管狐影縛法を渾身の力で振り払う。頭上から墜落してくるような刺叉の一撃を歌舞伎はなんとか紙一重で避けきった。レンを一度袖へ仕込んだ管へ戻し、しゃにむに繰り出される刺叉の刺突を避けながら機会を伺う。いま不用意に飛び込んでは巻き込まれるだけだった。
「何人たりともこの東大寺を通す事はならぬ、ならぬのだ!」
 柱を、大仏を囲む柵を、あるいは屋根を支える梁すら削りながらくろがね色の刺叉が振り回される。ただでさえ体躯が巨大で大振りなだけに、用心深く避け、かつ注意深く観察していればいずれ付け入る隙は生まれると椿姫は考えていた。
 この巨躯だ、ロープでもかけてしまえば案外簡単に転ばせられるのではと太郎は考えていたが、すぐにこの怪力を封じ暴れ回る巨躯に引きちぎられぬロープとそれを押さえる杭とは果たしてどこの世界に存在するのかと我に返る。ならばある程度の距離を保ったまま、フライトドローンに乗り口車で苛立たせる作戦のほうが上策といえた。もっとも残留効果レベル1では最高時速20kmという自転車なみの速度、小回りはまるできかないので刺叉のリーチの内側へは間違っても入ることはできないが。
 伽藍の床を埋める石畳が氷でも割るように粉砕される。体力を温存するため無駄に遠く速く避けることはせず、力ずくの振り下ろしを、そして刺叉の先が石畳へ食い込む瞬間を椿姫は辛抱強く待ち続けた。
 そう、ただ無軌道に逃げ回るのではなく伽藍の隅へ誘い込むように。目につくように飛び回る蝶を追い詰めた、と確信するように。
「そこを動くな!!」
 もし受ければひとたまりもないだろう、刺叉の先に不可思議な陽炎じみた力が凝る。これまでのただの殴打ではなくパラドクス、『罰嬲』と思しき一撃の来襲に椿姫は身構えた。それでいて万象を惑わす緋色の花のように。あでやかにはなやかに椿姫は笑う。
「神仏を弄んだ罪、閻魔様にでもお裁きいただいてくんなまし」
 その台詞を獄卒が聴いたかどうかは定かではない。
 獄卒のパラドクスはこれまでに喰らった生物の魂を費やすことでさらなる膂力を得るというが、この巨大化した体躯で繰り出される一撃はどれほどの重さになるだろう。一瞬だけ、動きがスローモーションのように緩慢になったようにすら太郎は錯覚する。
 ぉぉおお、と空気が唸り凶悪な形状をした鋼色の凶器が大仏殿の空気を両断した。そしてその頭上から、剃刀で切り裂くかのように鋭く落ちてきた雷。
 紫色の雷撃をまとった優人が獄卒の頭上から墜落するように手元へと放った蹴打。元々が振り下ろしの動作だったため、椿姫を狙った刺叉の矛先を狂わせるには充分だった。
 刺叉を駆け上がってきた紫電の余波に低く獄卒は唸り、石畳へ深くめりこんだ得物を、そのすぐそばに佇む椿姫へ横殴りの要領で叩きつけようとする。しかし己が身に髪の毛よりもなお細い、極細の鋼糸が絡んでいたことにはまだ気付いていない。
「ぬあああああ!!」
「まだ動けるか……!」
 雷魔術の伝導に特化した白銀のダガー。それを獄卒の身へ突き立てて思うさま放電してやるか、という考えが優人の脳裏をかすめると同時に、ナインが間合いを詰めるる。
「いざ」
 ぐいと椿姫の手中で鋼糸が引き絞られ、一瞬で黒い肌へ深々と食い込んだ。それだけでは飽き足らずに末端から順に胴体へ近い箇所へと細く細く、そして無数の血の線が浮く。
「勝負!!」
 これ以上動けば四肢が寸断される、その予感は獄卒にもあったはずだ。そしてなお、巨漢の鬼とも見紛う姿の獄卒は大きく身震いする。ぞぶりぞぶりと嫌な音がそこかしこから上がり、獄卒の肉を切り刻む。
 顕現した槍をくるりと手元で回し、ナインは身を切り刻まれる獄卒の脚を駆け上がった。苦痛に片膝をつく巨漢の太腿を蹴り、一直線に心臓を狙う。クロノヴェーダに心臓や大動脈等々、生物的な急所が存在するかどうかなんて知らないが。
 もはや骨格のみで繋がる腕を、獄卒は太く咆哮し振り上げた。ナインの槍の穂先を叩き落とそうと棘の並ぶ刺叉をふりかざす。
「これはいけませんね」
「止まれと言ったところで止まる御仁でもあるまいよ」
 フライトドローンで獄卒の視界を揺蕩っていた太郎がナインの加勢に加わり、歌舞伎が再度、その動きを止めに入った。影をレンの牙で縫い止められ、刺叉は太郎の一撃によってはじかれる。
 伽藍そのものを大きく揺るがすような獄卒の咆哮。びりびりと肌が震えて痛みを訴える中、ナインは獄卒の左胸、その正中線寄りへ槍を突き立てた。おそろしく生々しい手応えと、すぐ近くでひときわ大きな絶叫が上がる。びりびりと電気が走ったような錯覚にナインは思わず槍から手を放しそうにさえなった。
 ずるりと滑るように落ちていくナインへせめて一矢報いようと言うのか、獄卒はもはや腕とも言えぬような肉塊と化したものを伸ばしてくる。その怖ろしいまでの執念に息を飲むナインの視界を、いまひとたび紫電が横切っていった。
 青色のようにも藤色のようにも見える稲妻を纏ったダガー、そして掌底。ナインを捉えんとする腕はダガーで払い落とし、アッパーカットではなく掌底で獄卒の顎を打ち上げた優人は、仰向けに倒れていく巨躯を無言で見送った。
 ずしりと地響きを立てて伽藍に沈んだ獄卒の身体が、恐らく本来の大きさのそれに戻っていく。
 ……海が、本来ないはずの海岸線が、高野山の周辺も吉野の山も越えてこの平城京の南まで来ている。つまり平安鬼妖地獄変の世界はそこまでで、その向こうは異なる改竄世界史、ということだ。
 いえ、と鞆は軽く首を振る。それを考えるのはまた後だ。今はアヴァタール級の排除をもって帰還すべき。それに未だ見ぬ別ディヴィジョンよりも先に、対処を急ぐべき案件はいくらでもあった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年07月28日