リプレイ
冰室・冷桜
海の楽しみとは水の中で遊ぶだけにあらず
海辺で食べる飯はいつもより美味しい気がしたりするのだ
同じ釜の飯を食う、的な?
こっちで食べ物持ち込むのもいいけど、普段食ってるもんを食べてこそーって感じで
材料は虫だけど甲殻類と似ているとか言うし、慣れと海バーベキューパワーで乗り切る……れたらいいなぁ
水着に着替えましたら、海辺で鉄板と火の用意
【友達催眠】発動しながら、海で食べると上手いぜって材料とかの交渉
無理そうならだいふくに一狩りしてもらうわよ
【料理】はそれなりにできるつもりだけど、虫使うのは初めてですし女衆に助言を聞きながら、南蛮巨大昆虫BBQじゃい!
あ、そいや最近海から流れてきた珍しい物とかありますぅ?
アンゼリカ・レンブラント
現地の人に接触メインで動くね
水着着用で海にどぼんと飛び込むよっ!
見知った人はいないかもしれないけど、
元気よく挨拶!
行水だけでも暑さをしのげるけど
せっかくだから、もっと海で楽しまない?
例えば、泳ぎ方!
泳法についてクロール等、いくつか大人を交え教えるよ
ただ手と足をばたつかせるよりも、理にかなっているよね?
早く泳げるようになったら――競争してみるのも楽しいよ
さぁ、私と勝負してみようっ!
泳ぎで楽しんだら、あとはびーちばれー!
丸い木の実をボールの代用!
ボール持ち込んだ人がいれば混ざれると嬉しいな
一通り遊んだら水中適応を駆使して水中でのんびりしようかな
淡水の底はきっと幻想的な美しさ
英気を養い、また頑張ろ!
リューロボロス・リンドラゴ
アンデレ(g01601)と共に!
我から誘うのは初よな。
なんだかそわそわするが、あやつはいつもどんな想いで我を誘うておったのだろうか。
まあ良い。
今は幼子達よ!
まずは泳ぎを披露!
我、龍なのでな!
当然泳ぎも得意よ!
こんなにすいすい泳げるんだと興味を持ってもらいたいの。
教える時は、幼子達の身に合わせた手法を心がけるぞ。
我、尻尾や羽も使っておるからのう……。
アンデレよ、ぬしの方は……ぬお!?
相変わらずぬしは急だのう。
良かろう、受けて立つ!
負けぬぞ?
泳ぎ、潜り、網も用いて正統派の魚取り!
幼子達に泳ぎが生活にも役立つことを見せてくれる!
ブレス(火炎使い)で焼くのも任せよ!
みんな、美味いか?
ならば我も幸いよ!
ア・ンデレ
愛するリューロボロスちゃん(g00654)と一緒に海水浴。
アンデレちゃんがここに海水浴に来るのは二回目だ。
一回目は、冬。一人で冷たい海に飛び込んだ。
今回は夏。リューロボロスちゃんと共に、海に飛び込む。
冬の海と夏の海、何か違うところはあるかな、と探しながら、遊ぼう。
「リューロボロスちゃん、さかなとりたいけつだ!」
アンデレちゃんは、勝手に勝負を持ちかけ、魚をとりはじめる。
アンデレちゃんは水面に立って狙いを定め、一気に潜って口で魚を捕らえる。
人の魚の取り方ではない。絶対その大きな腕で取ったほうが楽なのに。
魚を取った後は、リューロボロスちゃんに焼いてもらって、蛮族の子供と一緒に食べよう。
調月・野映
【ARC】
海のプロではないが俺たちも海に向かうぞ
大戦乱群蟲三国志のみんなはまだ戦いばかりだろうが、海遊びも戦いへのモチベーションが上げられるのなら良い事
うん、互いが仲良くなりたいなら名前を名乗るのが道理だろう
俺は野映という
きみの名前は?
皆で竹の水鉄砲を作ろう
竹を適量持ってきて手に取りやすい大きさにして穴を開けて……
竹を切り穴を開けるのには鋭い刃物も必要だ、皆怪我しないようにな(心配そうに見遣り)
鉄砲が出来上がったら浜辺へ
大人気なくも熱中してしまうな
遊んだ後は何かバーベキュー的なものをを楽しみたい
魚とかは採れにくいも聞いたので
皆で持ち寄った何かを食べよう
マシュマロいいな
リオーネ・クア
【ARC】
海辺に住む人々との交流
どうしようかな
まずあまり蛮族とは呼びたくないからなんて呼べばいいか聞こう
名前を呼ぶのもいいかもね
俺はリオーネって名前で、こっちはロッソだよ
海をどう楽しめばいいか考えて
この近くにも材料がありそうな竹製の水鉄砲とかどうかなって思った
ある程度の太さの竹を切って節に穴を開けて
空洞に入れられる太さの竹の先端に布を巻いて水を押せるくらいぴったりにするんだ
彩葉(g06256)はフロートを作ってたのか
水鉄砲気になる?
どんなものかみんな(蛮族)に紹介もできるし一緒に遊ばない?
遊んだあとはバーベキューをすると聞いてたからマシュマロを持ってきたんだ
このビスケットに挟んでも美味しいよ
梼原・彩葉
【ARC】
電車に乗って海へ、なんて。日常が戻ったようにも感じるわね
現地の皆さん、はじめまして。彩葉っていうの、よろしくね
さいはは泳げないから、フロートを持参するわ
現地の人の中にも泳げない子もいるかもしれないし、、現地の素材でフロートが作れないか試すわ
大きな巾着で空気を包んで…子供の頃お風呂場でやったあれね
樹さん(g05753)が皮の方がいいってアドバイスをくれたわ。ありがとう!
気に入ってもらえたら嬉しいのだけれど
それはともかく、リオーネ(g01176)と一緒に遊びたいわ
恋仲になってから初めての遠出だもの、素敵な思い出にしたいわ
リオーネは水鉄砲を作っているのね
さいはも一緒に作ろうかしら?
御守・樹
【ARC】
当然俺はプロじゃないが泳ぐのも潜るのも好きだな。
あぁ名前か…まぁ適当に(親から貰った名前じゃないなと余計な事思い出し)
そこそこ泳げる身としては水辺があるのに泳げないってのが不思議で。
必要がなければ物事は発展しないものだってのは知ってるつもりだけども。
泳ぎ方知りたいって人がいればそれなりには教えられるかな?
普通に獣がいるような地域ならその皮を利用して浮き袋を作れそうなんだが。布でやるなら目が詰まった生地だと空気が逃げにくいとだけ。
器用だな。竹細工はいわゆる竹光ぐらいしか作り方知らんのよな。
あと海に生き物が少ないってのは、ここが海のようなものであって厳密には海じゃないって事なんだろうか。
●序幕
夏の日差しが容赦なく照りつける海辺の砂浜。
そこにJR山手線の車両に似た列車が鎮座し、寄せては返す波に車輪を洗われていた。
異様な光景ではあるが、その列車がパラドクストレインとなれば、話は別だ。
「電車に乗って、海へ……なんて、日常が戻ったようにも感じるわね」
車両側面に並ぶ黄緑色の扉が一斉に開き、音符型のフロートを抱えた小柄な少女がそのうちの一つから砂浜に降り立った。
カースブレイドの梼原・彩葉(夢追いクレイモア・g06256)である。
「もっとも、森に一歩でも足を踏み入れたら――」
続いて、デーモンの少女とメーラーデーモンが降りてきた。
眼鏡をかけた前者は冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)。
小洒落た衣装に身を包んだ後者はだいふく。
「――あっという間に非日常の世界になっちゃうけどね。デカくてヤバい虫がうじゃうじゃいるから」
冷桜は南蛮探索の任務の経験者であり、この辺りの森で巨大昆虫と遭遇したことがあるのだ。
「そこそこ泳げる身としては、どうにも信じられないぜ」
反対側の側面の扉から波打ち際に降りたのは童顔の青年。
御守・樹(諦念の珪化木・g05753)だ。
「海辺で暮らしているのに泳げない連中がいるなんて……」
「きっと、海の本当の楽しさを知らないんだろうね」
そう言いながら、水着姿の金髪の少女が同じ扉から飛び降りた。
アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)。見る者に眩しい印象を与えるのはその愛らしい顔立ちか。あるいは鍛え上げられた腹筋か。
「だから、私たちが教えてあげよう!」
アンゼリカは波を蹴立てて駆け出した。
この砂浜の先にいるであろう『海辺で暮らしているのに泳げない連中』のもとに。
数分後、ディアボロスたちは海の蛮族に取り囲まれていた。
警戒心や悪意を以て囲まれているわけではない。蛮族たちの顔に浮かんでいる感情は好奇心が六割に当惑が四割といったところ。もっとも、ディアボロスの周囲にいるのは成人の男だけであり、女や子供は距離を置いているが。
「この地に涼みに来ただけであり、我々への害意はまったくない……と?」
族長らしき初老の男が、ディアボロスたちから伝えられた言葉を復唱して確認した。
「うん」
と、中性的かつ幼い顔立ちをしたデーモンの青年――リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)が頷いた。その足下ではメーラーデーモンのロッソが族長の顔を興味深げに(蛮族たちと違い、好奇心が十割だ)にまじまじと眺めている。
「あ? 名前を教えといたほうがいいよね。俺はリオーネ。こっちはロッソだよ。あなたたちのことは、なんて呼べばいいのかな?」
リオーネがそう尋ねたのは、『蛮族』呼ばわりするは失礼だろうと思ってのことだ。
もっとも、族長はその心配りに気付いていないらしく、少しばかり面倒くさげな顔をして首をひねった。
「うーん。とくに決まった名はないが……まあ、『アサヤケの民』とでも呼んでもらおうか」
いささか安直なその名を聞いて、十歳にもならぬ二人の女児が小声で言葉を交わした。
「ヨアケノタミとちょっとかぶってるね」
「太陽というのは普遍的な存在じゃからな。個人的には『ヨフケの民』のほうが対照的で良いと思うが……」
「がうー」
鬼人のア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)と人型ドラゴニアンのリューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)だ。『がうー』という意見(?)を口にしたのは赤いミニドラゴンのトロ。ちなみに名前が被っていることを指摘したアは以前にもこの地を訪れており、ヨアケの民とも接触している。
族長とディアボロスたちがやりとりをしている間に周囲では変化が起きていた。遠巻きに眺めているだけだった子供たちが距離を縮めてきたのだ。男たちがそうであったように子供たちの顔からは好奇心と当惑が見て取れる。ただし、こちらの割合は八:二だ。
それを九:一にするべく、金髪碧眼のサキュバスの青年が自分の名を告げた。
「俺は野映という」
そして、彼――調月・野映(ホリゾンブルー・g00586)は、最も好奇心の強そうな子供に尋ねた。
「きみの名前は?」
●リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)
ここは海水浴場としてもやっていけそうな場所ではあるが、なだらかな砂浜がずっと続いておるわけではない。崖……と呼ぶにはやや低いし、傾斜も緩いが、少しばかり切り立った岸もある。
その崖未満の岸の上には風格ある老木が立っており、これまた風格ある太い枝の一本を海のほうへと伸ばしていた。族長から聞いたところによると、アサヤケの民の幼子たちはそれを飛び込み台として使っておるのだとか。
我も幼子たちに倣って老木に登り、枝から跳躍した。
爪先を錐のようにして垂直に飛び込み、『どぼーん!』と水面を突き破れば、そこは冷たい海の中。淡水ゆえに普通の海とは勝手が違うものの、実に気持ちがいい。蒼海は爽快に通じるのう。
無数の気泡が踊る海中で体を何回転かさせた後、まっすぐに上昇して再び水面を突き破ってやった。今度は内側から頭突きでな。
十数秒ぶりに空気を吸い込んでいると、頭上を影が舞った。我に続いて、アンデレが枝から飛んだのだ。
「アンデレちゃんは前にもここにとびこんだんだけど、そのときは冬だったんだよね。やっぱり、冬のうみと夏のうみは――」
すべてを言い終える前に二度目の『どぼーん!』が響き、アンデレは海中に消え……そして、すぐにまた顔を出した。
「――ぜっんぜん、ちがうね!」
楽しそうでなにより。誘った甲斐があるというものだ。
そういえば、我のほうからアンデレを遊びに誘うのは初めてであったなあ……などと、物思いに耽っておると、またもや頭上に影が走った。
今度の跳躍者はアンゼリカだ。
「いっくよぉぉぉーっ!」
元気な叫び声の残響に三度目の『どぼーん!』が重なり、水柱が盛大に上がった。
●リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)
「うむ。そういう具合に手をかいて……いや、我の真似をするでない。我は翼や尾も使って泳いでおるのだから、ぬしらの参考にはならん」
リューロボロスさんがアサヤケの民の子供たちに泳ぎを教えてる。六歳児らしからぬ貫禄を漂わせながらね。実年齢より下に見られることの多い俺に(あと、樹さんにも?)その重厚感をちょっと分けてほしい。
青空水泳教室を開いているディアボロスは他にもいる。
アンゼリカさんだ。
「膝は曲げちゃダメだってば。腕のほうはこういう風に大きく回してー。ね? 手足を闇雲にばたつかせるよりも理にかなった動きでしょ?」
今はクロールを指導中。リューロボロスさんと違って、生徒の中には大人たちもいる。でも、子供たちのほうが飲み込みが早いみたい。
なんにせよ、アサヤケの民は大人も子供も俺たちに対して好意的だ。冷桜さんがパラドクス効果の友達催眠を使ってくれたからかな?
その冷桜さんといえば――
「はい、集合!」
――水着に着替えたのに海に入らず、砂浜の一角にアサヤケの民(主に大人の女性)を呼び集めている。
彼女がなにをしようとしているのか気になったけど、俺は視線と意識を戻した。俺の前で輪になって作業をしている子供たちへ。
アンゼリカさんに泳ぎを教えてもらっている子たちと同様、この子たちも飲み込みが早い。真剣かつ楽しそうな顔をして、竹筒をいじくり回している。それらの竹筒は俺と野映さんとロッソが近くの林から刈ってきたんだ。水鉄砲の材料にするためにね。
「中心に穴を開けるんだ。なるべく細い穴にしたほうがいい。おっと、気をつけろ! そんな持ち方だと、自分の手にまで穴が開いてしまうぞ」
野映さんは水鉄砲作りを指導しつつ、怪我がないようにしっかりと気を配っている。普段はゲームショップの店長さんをやってるんだけど、子供たちを見守る姿は学校の先生を彷彿とさせるね。
●ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)
せっかくうみに来たっていうのに、フツーにおよいだりもぐったりしただけでおわっちゃったら、もったいないよね。
というわけで、アンデレちゃんはパラドクスこうかの『すいめんほこう』をつかってみた!
プニョプニョしたすいめんをあるくのはフシギなかんじ。足のうらがヒヤっとして気もちいー。なんだか、ゼリーの上にいるみたい。とおくのほうまで見わたせるのもたのしい。うん、ゼッケーかな! ゼッケーかな!
……と、もりあがっているアンデレちゃんのあしもとを、おかしなモノがながれていった。たてに長くて、よこはばもそこそこ広くて、メカっぽい見た目をした、カヌーかサーフボードみたいなモノ。
「がーう?」
トロちゃんがメカボード(かめい)にかおを近づけて口のさきでつんつんした。
メカボード(かめい)はトロちゃんをムシしたけど――
「あんまり離れちゃダメだよ、シロ」
――彩葉ちゃんがペットの犬にでも話しかけるようにちゅういすると、ピタリととまった。
彩葉ちゃんはうみの上には立ったせず、うきわにだきついて、ぷかぷかういてる。いや、『うきわ』とは言えないかな? 『○』じゃなくて『♬』のかたちをしてるから。
「彩葉ちゃんはおよがないの?」
「泳がないんじゃなくて、泳げないんだよ」
と、彩葉ちゃんはこたえた。
「だから、このフロートを持参したの。アサヤケの民の中にも泳げない子たちがいるだろうから、貸してあげたいところだけど、一つしかないのよね……あ、そうだ!」
なにか思いついたのか、彩葉ちゃんはすなはまのほうにもどりはじめた。うきわ(うきおんぷ?)につかまったまま、足をばちゃばちゃさせて。
メカボード(かめい)……じゃなくて、シロ(ほんみょう)がそのあとをおって、すぅーっとながれていった。
●冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)
「海の楽しみとは、水の中で遊ぶことだけにあらず!」
砂浜の片隅で私は熱弁をふるっていた。
聴衆はアサヤケの民。数は二十人前後。全員が成人の女性で、なにやら複雑な形に髪を結っている。
「食べることもまた海の楽しみ! 皆と一緒に海辺で食べる飯はいつもより美味しい気がしたりするのどぅわー! そう、なんていうか……同じ釜の飯を食う、的な?」
「めぇー!」
だいふくが絶妙のタイミングで合いの手(と、私は解釈した)を入れてくれたけど、アサヤケの主婦層の皆様の心にはいまひとつ届いてないみたい。でも、それは私の熱意が足りないわけでもなければ、彼女たちの感受性が低いわけでもない。
まわりがうるさすぎるからよ。
とくに騒がしいのは海で遊んでる面々。
「じゃあ、次は息継ぎの練習をやってみよー!」
と、元気いっぱいな声で泳ぎを教えているアンゼリカさんとか――
「リューロボロスちゃん! さかなとりたいけつだ!」
――もっと元気いっぱいなアさんとかね。
洛陽まで届くんじゃないっかていうその大声に釣られて海のほうを振り返ったけれど、アさんの姿はもう見えなかった。『さかなとりたいけつ』とやらをするために海中に潜った模様。
代わりに見えたのは、苦笑を浮かべてるリューロボロスさんの姿。
だけど、彼女はすぐに真顔になり――
「よかろう! 受けて立つ!」
――海の中に消えた。
溜め息を一つついて(ぼたもちも『やれやれ』とばかりに肩をすくめてみせた)奥様がたのほうに向き直ると、いつの間にやら、そこに樹さんが混じっていた。
「どうしたの、樹さん? なにかよう?」
「この人たちにお願いしてくれないかな。獣の皮が余ってるなら、ちょっと貸してくれって……」
ケモノノカワ?
●調月・野映(ホリゾンブルー・g00586)
竹製の水鉄砲に類する道具を人類が使い始めたのはいつ頃なのだろう? 単純な原理で動くものだから、この時代では既に発明済みかもしれないな。しかし、アサヤケの民にとっては未知の技術らしく、子供たちは物珍しそうな顔をしている。
そして、楽しそうな顔をしている。
職業柄、玩具やゲームに夢中になって目をキラキラと輝かせている子供は見慣れているが、大戦乱群蟲三国志で同じようなキラキラを拝めるとは思わなかった。たまにはパラドクストレインに乗ってみるのも悪くないな。
「筒に入れるほうの竹の先端には布とかを巻いて、ぴったりの大きさにするんだ。水をしっかり押せるようにね」
と、リオーネくんが子供たちに丁寧に教えていると――
「器用なもんだな」
――樹くんが覗き込んできた。
「俺、竹細工の類は竹光ぐらいしか作り方を知らんのよな」
竹光も子供に受けると思うぞ。チャンバラが嫌いな子供はいない。
もっとも、樹くんは竹光を作るつもりはないようだ。その手に持っているのは竹ではなく、布らしきもの。
「それをなにに使うんだ?」
「フロートの材料だよ」
俺の質問にそう答えて、樹くんは俺の背後を指し示した。
「彼女が子供たちにフロートを作ってやるんだとさ」
振り返ると、そこには彩葉くんがいた。先程までは海で泳いでいた(というか、フロートに掴まって漂っていた)んだが、いつの間にか上がっていたらしい。
水着を纏って片手に音符型のフロートを抱えたその姿は、夏をテーマにした清純派アイドルのグラビアのような印象を受ける。
もう片方の手で肩にかついでる巨大な機械剣『シロ』を無視すればの話だが……。
●御守・樹(諦念の珪化木・g05753)
大きな巾着みたいなものを作って、フロートの代わりにする……ってのは彩葉の思いつきだ。悪くないアイディアだよな。実際、水難事故に遭った時はズボンとかの裾を絞って浮き袋にするのが有効なんだとか。
で、俺は材料の調達を手伝ってやった。獣の皮が理想だったんだけども、遊びに回せる分はないってことで(獣の皮や肉は貴重品らしい)借りることはできなかった。代わりに貸してもらったのは、皮は皮でも木の皮で作った袋。それと麻みたいなザラザラした袋。
「樹皮布じゃないほうは縫いが粗いから、フロートには向いてないかもしれないが……まあ、ないよりマシだろ?」
「うん。ありがとう、樹さん」
彩葉は材料を受ける取ると、フロートを座布団代わりにして腰を下ろし、作業を始めた。
袋の両端を持ち、パンパンと叩きつけるようにして空気を入れて、口をきつく結び、物珍しげに寄ってきた子供たちに『はい、どうぞ』と渡し……と、手際よく進めつつも、水鉄砲作りをしている連中をチラチラと見ている。
いや、『連中』じゃないな。焦点はリオーネだけに絞られているようだ。
そのことに気付いたのか、野映が微笑を浮かべた。
ロッソも気付いたようだが、彩葉の心情までは理解できていないのか、きょとんとしている。
やがて、当のリオーネも(ようやく)気付いたらしく――
「ん?」
――顔を上げ、彩葉を見やった。
そして、作りかけの水鉄砲を持ち上げて尋ねた。
「彩葉も作ってみる?」
「うん!」
彩葉はとびっきりの笑顔で頷いた。
邪魔しちゃ悪いから、俺は海のほうに退避しておくか。
●アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)
「料理はそれなりにできるつもりなんだけど、こういう食材を扱うのは初めてなの。だから、色々と教えてね」
砂浜のほうで冷桜さんがアサヤケの女性陣になにかお願いしてるみたいだけど……嫌な予感がするのは私だけ?
いや、気のせいだね。うん、気のせいだ。
と、気を取り直したところに樹さんがやってきた。布製のフロートを持った子供たちを引き連れて。
「泳ぎ方が知りたいなら、俺もそれなりに教えられるぞ」
「教えてー! 教えてー!」
と、声をあげる子供たち。
そのうちの一人が樹さんに尋ねた。
「そういえば、お兄さんの名前はなんていうの?」
「んー? 適当に呼んでくれていいよ」
なぜか言葉を濁す樹さん。複雑な事情があるのかしらん?
なにやら、ちょっとシリアスな雰囲気になりかけたけど――
「ふぁんふぇふぁふぁんふぉふぁふぃーっ!」
――ずっと潜っていたアさんが『ざばーん!』と海面から飛び出してきたもんだから、だいなしになっちゃった。
続いてリューロボロスさんが『ちゃぽん』という感じで静かに顔を出し、呆れた目をアさんに向けた。
「なにも口で捕らんでも……」
そう、アさんは小さな魚を口にくわえていた(まだピチピチ動いてる)。飛び出してきた時の言葉が不明瞭だったのもそのせい。たぶん、本人は『アンデラちゃんの勝ちーっ』と叫んだつもりだっんだろうね。
あ? 二人が海の中で魚捕り対決をしている間に、砂浜のほうでも対決というか大会が始まったみたい。名付けて『水鉄砲うちまくり大会』。仕切っているのは野映さん。楽しそうだなー。
なんだか、私もちょっと勝負したくなってきた……よし!
「みんな! けっこう速く泳げるようになったよね?」
と、泳ぎ方を教えてあげた子供たち(大人もいるけど)に私は声をかけた。
「じゃあ、私と勝負してみよぉーっ!」
●梼原・彩葉(夢追いクレイモア・g06256)
とぉーっても、楽しかった! リオーネや野映さんやロッソやリオーネや子供たちと砂浜を駆け回り、水鉄砲をうったり、うたれたり、びしょ濡れにしたり、びしょ濡れにされたりするのは! ……ん? 誰かさんの名前が二回も出てるって? いいのよ。彼と過ごす時間は楽しさも幸せも二倍だから。
「ふぅー」
水鉄砲遊びが一段落つくと(まだ何人かの子供とロッソは遊んでるけど)、野映さんが大きく息を吐いて苦笑した。
「大人げもなく熱中してしまったな……」
「野映さんってば、もう息があがっちゃったの? だらしないなー」
そう言いながら、アンゼリカさん海から上がってきた。
「私はまだまだ遊び足りないよ。ちなみに今は水泳の競争を終えてきたとこ。もちろん、私がぶっちぎりで優勝したけどね!」
泳ぎを覚えたばかりの人たち相手にぶっちぎりって……アンゼリカさんも大人げないわね。いえ、まだ十三歳なんだから、これが普通か。
「さあ、次はビーチバレーだ!」
「ちょっと待った!」
新たな遊びを始めようとしたアンゼリカさんを制止したのは冷桜さん。
「その前にバーベキューといきましょう」
彼女の横では大きな焚き火がメラメラと燃え(さすがに鉄板や鉄網は用意できなかったみたい)、串に刺された肉が焼かれて……あ? よく見たら、違うわ。あれは肉じゃない。
「まさか、それは……」
樹さんが顔を少し引き攣らせてなにか言いかけると、冷桜さんは――
「そう、巨大昆虫よ!」
――胸を張って、衝撃の事実を告げた。できれば、告げないでほしかったかも。
「郷に入っては郷に従え。アサヤケの民が普段から食べてるものを一緒に食べてこそ、交流と言えるんじゃないかな? だいふくもそう思うでしょ?」
「……」
「だいふくー?」
「……」
だいふくはノーコメントを貫いてる。
彼(彼女?)に代わって、リオーネが口を開いた。
「冷桜さんの言うことももっともだけど……新宿島の食べ物をアサヤケの人たちと一緒に食べるのも交流じゃないかな」
「あら? なにか食べ物を持ってきたの?」
「うん。マシュマロを少し……」
さすが! 気が利くぅーっ!
「『ましゅまろ』って、なぁーに?」
子供の一人が尋ねた。他の子供たちも……いえ、長老を含めて大人たちも不思議そうな顔をしている。
彼らや彼女らを見て、リオーネはにっこりと笑った。
「食べたら、判るよ。百聞は一食に如かず」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【水中適応】LV2が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
シャナオウ・ナラシャ
【墨染】
ってなワケで師匠、海に行くぞ。
なにやら蛮族どもに海での過ごし方をレクチャーしろとのことらしい。
と言っても俺も海での過ごし方なんざ知らないんだが
一応、事前に調べてはあるぞ!
ビーチバレーとかスイカ割とか素潜り?なども面白そうだ
まぁ、ビーチバレーするにも、此処にボールらしきものはなさそうだがな?
でもスイカ割の代わりはありそうな気がする
というワケだ師匠、この棒を持ってな?目隠しも忘れずに
俺が誘導するから、師匠がお手本を見せてやればいい
おーけー、そのままそのまま、おっと少しズレたぞ
もうちょい右、いや左…そうそう、そのまま、今だ!
お見事。流石俺の誘導だぜ
ん?お前たちもやってみるか?
吉祥天・華瑞月
【墨染】
「師匠!海に行こうぜ♪」
…はっ?
久々に顔を見せたかと思たら、突然そんなことを言われ
気付けば…
(九尾の尻尾を器用に使い浮き輪のようにして水面に浮いて、呑気に南国のジュースを飲んでいた)
何故に、わっちは此処にいるのでありんすかえ?
(言葉とは裏腹に、その耳はぴこぴこを動き、尻尾はゆ~らゆらと…)
…ぉっ、この南国ジュースは美味しいでござうんすな
(はっとしながら、無表情を装い)
はっ?
なんしわっちがそないなことせなあかんのざんし
(弟子の紗那に云われるままにスイカ割ならぬヤシの実?割をさせられる)
ん?こっちでささんすか?
ぬっ、このままでいいざんしかね?
『よし、今だ!』
と言われ棒を振り下ろして…
エリル・ウィスタリア
【ミント】
海ー!…海なら分かるわ。大きな水たまりよね
水着も買ってもらったし、楽しむわよ。
あ、弟は海に沈めたらあとのメンテが大変だからビーチパラソル持たせて砂浜に待たせておくわよ。
あ、あ、麻緒の水着可愛い!素敵!
翠と麻緒の水泳教室に付き合おうかしら。
溺れそうな人が居たら【飛翔】使って救助かしらね。
なんだか莱がおぼれそうなんだけど大丈夫…?
え、尻尾の毛の量がって…翠は大丈夫そうよ?
何かコツでもあるのかしら。
水中鬼ごっこは私が鬼訳するわよ。さ、逃げなさい逃げなさい。
じゃないと本気で追いかけちゃうわよ。
あ、お魚見つけた。捕まえられるかしら。そしたら、鬼ごっこよりお魚とりしましょうよ。きっとおいしいわ。
五百雀・翠
【ミント】
海かぁ…。そういえば、去年は泳ぐ余裕はなかったな。
夏本番来る前に、泳ぐ練習でもしとくか。
ところでエリルはどこ爆走してった。弟人形置いて。
泳げないやつがいるなら簡単に泳ぎの練習を。
顔をつけるとこから始めて行こうか。
水中適応あるなら借りて、なんなら現地の子供たちにも問題なさそうなら教えようか。この先必要になるだろうし。
…けだまも泳ぐか?ほら、顔つけて足パタパタさせてー。
尻尾の毛…?特に問題はないが。筋肉量か??
慣れてきたら水中鬼ごっこに参加しよう。
なんならハンター役にエリルを任命…お前、本気で狩るなよ?遊びだぞ?
分かってるのかあいつ…。まあ、皆が楽しそうだからいっか。
三苫・麻緒
【ミント】
夏だー!海だー!
夏の海を大きな水たまり扱いだなんてもったいない
ここはしっかり楽しみ方を教えなくちゃだよね
勿論実践で!!
水着に着替えるけど、エリルさんの水着姿はしっかりと目に焼き付けるよ!
人形の避難?
海水は錆びやすいからね、それが安心だよ
莱くんも泳ぎの経験は少ないということで、翠先生の水泳教室のサポートとといきますかー
幸い蛮族の人たちは水に慣れていないって程ではなさげだけど、万一溺れそうな人がいたら【フライトドローン】あたりで掬い上げておけるよう準備しておくよ
波がある分プールより泳ぐの難しいって言うしね
…そこで溺れかけている莱くんはさっと抱き上げちゃおう
毛の量は…翠先生に相談しようね…
葉古森・莱
【ミント】
海の、プロ…?
ぼくも海で泳いだことなんてほとんどないけれど…あ、麻緒さんたちがいれば大丈夫そう
え、けだまも泳ぐの?
水泳教室はぼくも受ける側だね
…待って、待って
毛が水を吸ってすごく体が重いぃ…!
でもほんの少しの経験分現地の人よりは泳げるはず
むしろ泳げなかった分、気持ちを理解して何か助言してお手伝いできたら…人と話すの緊張するぅぅ…!
けだまは近くに人がいるときはぶるぶる禁止!目に水がはいると痛いの!
泳ぎに慣れてきたら海の中で鬼ごっこでもしてみる?
水の抵抗があるとそれだけでも陸地とは違った雰囲気になるし、少し深いところまで範囲にすれば泳ぎの復習にもなりそう
けだま、ぼくの分まで逃げてね…!
●幕間
真紅のスフィンンクスが『8』の次を描いて飛んでいた。
眼下に広がるは青い海。
その波間にたゆたうは妖狐の美女。
吉祥天・華瑞月(姫神 -ヒメガミ-・g02230)である。
目を閉じて無表情をキープしているものの、多幸感に浸っていることは一目瞭然だ。頭頂に生えた狐の耳が楽しげにぴくぴくと動いているのだから。
「……はっ!?」
華瑞月は我に返り、目を開いた。
「何故に、わっちはここにいるんでありんしょう?」
デタラメな廓詞で誰にもとなく問いかけると――
「ナニユエもなにも俺が連れてきたんだろうが。あまりの心地良さにトリップして忘れちまったのか、師匠?」
――三十歳前後の美丈夫が泳いできた。
華瑞月の弟子にして、頭上を舞うスフィンクスの主人でもあるシャナオウ・ナラシャ(『-紗那皇-』・g02191)だ。種族はリターナー。
「なんのために連れてきたんでありんすか?」
「それも忘れたのか? あいつらに海での遊びってのをレクチャーするためさ」
シャナオウは水面から手を出し、指先を北に向けた。
シャナオウが指さした砂浜では人だかりができていた。その大半は海辺で暮らしている蛮族『アサヤケの民』だ。
それ以外の面々は、彼らと交流を深めるために来訪したディアボロスたち……いや、アサヤケの民でもディアボロスでもない者もいた。
ピーチパラソルを手にした、等身大の人形である。
好奇心旺盛なアサヤケの民ではあるが、その人形には触れようとも近寄ろうともしなかった。本能的に危険を察したのだろう。
「海ぃーっ!」
銀髪の少女が海を眺めて声を張り上げた。
エリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)――優しげな笑みを浮かべた彼女こそ、アサヤケの民が感じ取った危険の根源(つまり、人形の持ち主)である。
「いろんなことを忘れちゃったけど、海のことは知ってるわ。大きな水たまりでしょ?」
「水たまりと言えば、水たまりだけどねー」
苦笑を浮かべたのは、チョコ色の髪とミント色の翼という取り合わせのデーモンの少女。
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)だ。
「でも、ただの水たまりとして扱うなんて絶対にもったいない。私たちが海の楽しみ方を教えてあげる! もちろん、実践で!」
麻緒は力強い声で言い放った。友人のエリルだけでなく、アサヤケの民に向かって。
「麻緒が言うと、『実戦』に聞こえるんだよなぁ」
なんともいえない顔をして、長髪の青年が麻緒を見た。彼は五百雀・翠(天つ風・g03977)。名前と同じ色の尻尾を持つ妖狐である。
「で、でも……麻緒さんたちがいれば、安心できる……」
モーラット・コミュを抱いた十歳前後の少年が怖ず怖ずと口を開いた。翠と同じく妖狐の葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)だ。
「ぼく、海で泳いだことなんて、ほとんどないから……」
その声は今にも消え入りそうだった。内気で人見知りな彼にとって、出会ったばかりの蛮族に囲まれてる(しかも、興味津々な目で彼らや彼女らに見られている)という状況は戦場並みに辛いのだ。
「もきゅ!」
モーラット・コミュが腕の中で身をよじり、尻尾を激しく動かした。『もっと声だして!』とエールを送ってるつもりなのかもしれない。
更に翠が励ますように(それでいて、さりげない調子で)莱に言った。
「泳いだことがないって? じゃあ、俺が教えてやるよ」
●五百雀・翠(天つ風・g03977)
エリルと麻緒が別々の場所に姿を消し、水着にお色直しして戻ってきた。両者同時にな。
「あ、あ、あ!?」
と、水着姿の麻緒を見るなり、エリルが奇声を発した。
「あぁぁーん!?」
と、水着姿のエリルを見るなり、麻緒が喚声を発した。
「麻緒の水着、可愛い! 本当に可愛い! 素敵っ!」
「いえ、『素敵』という言葉は今のエリルさんを表すために人類が生み出した言葉でしょ!」
出たよ、女子の褒め合い合戦が。まあ、マウントを取り合ったりするよりは平和的で良いよな。それに二人ともお世辞を垂れ流してるわけじゃなく、本気で褒め……あれ? ちょっと待て。麻緒の表情は『本気』の枠を突き破ってないか?
「あー! エリルさんの水着姿をこの目に焼き付けたい! 物理的に焼き付いてしまって、今後ずっと目の前の光景がエリルさんと二重写しになったとしても悔いはないよ!」
いや、悔いろ。というか、落ち着け。
そんなテンション高めの女子たちに当てられることもなく、莱はにこにこと笑ってる。陳腐な例えだけど、こいつの存在は一服の清涼剤だな。
どうか、一服だけで乗り切れますように……と、祈りつつ、俺は莱の頭をぽんぽんと叩いた。
「約束通り、泳ぎ方を教えてやるよ」
「「「「「うん!」」」」」
莱が頷いた。
周りにいたアサヤケの民の子供たちも頷いた。『うん!』という返事にエコーがかかったのは、その子たちもほぼ同時に返事をしたからだ。よしよし。まとめて面倒見てやるよ。俺は子守りという星の下に生まれてきた男さ。
莱とアサヤケの子供たち、そして、まだお互いに褒め足りなさそうな女子二人と一緒に俺は海へ向かった。
その途中でシャナオウと華瑞月の師弟コンビとすれ違った。さっきまで海に入っていたが、今度は陸で過ごすらしい。
●吉祥天・華瑞月(姫神 -ヒメガミ-・g02230)
わっちが砂浜に腰を下ろすと、シャナオウのスフィンクスも空から降りてきて、澄まし顔で毛繕いを始めたでありんす。
「せっかく海に来たというのに、この猫はちっとも泳ごうとしないでありんすね」
「そりゃあ、ラフィスは長毛種だからな。水に浸かると、体が萎むというか溶けるというか……とにかく、見た目が台無しになるから嫌なんだろうよ」
そう言った後で、不遜な弟子は喉を鳴らすような調子で笑ったでありんす。
「くくくっ。師匠もずっと海に入ってたもんだから、自慢の尻尾が台無しになってるぜ。九本とも、ぺったんこだ」
「放っといておくんなんし。だからこそ、こうして乾かしてるのでありんしょう」
あっちはぷいと顔を背けて、海のほうに目をやったでありんす。浅い場所でエリルと麻緒と翠がアサヤケの童たちに泳ぎを教えているでありんすよ。莱もいるでありんすが、あれは教える側でありんせん。教えられる側でござんしょう。
その莱が――
「え? けだまも泳ぐの?」
――目をまん丸くしなんした。モーラット・コミュのけだま(名は体を表すとは、このことでありんすな)が童の中に紛れ込んでいたからでありんす。
「ほう。じゃあ、けだまにも教えてやるか。ほら、顔をつけて、足をパタパタさせてー」
翠の指示どおり、けだまは顔(どこまでが顔なのか判らないでありんすが)を水につけて、足(有って無いような足でありんすが)をパタパタパタパタ……初めてにしては上手く泳いでいるほうでありんすにえ。
もっとも、水に濡れたせいで、不遜の弟子が言うところの『ぺったんこ』な体になってるでありんすが……。
●シャナオウ・ナラシャ(『-紗那皇-』・g02191)
海面に差す日差しにいくつもの影が生じて斑になった。
何十台ものフライトドローンが飛んできたんだ。
「溺れそうな子がいたら、私がフライトドローンで掬い上げてあげるね」
腰まで海に浸かった麻緒がちょっとドヤ顔を決めている。どうやら、彼女がドローン群を召喚したらしい。
続いて、エリルがいきなり空へと舞い上がり、すぐにまた着水してみせた。パラドクス効果の飛翔を発動させたんだろう
「いざという時は私も飛んでいって救助するわね」
頼りがいのある二人の女性監視員が見守る中、子供たちは翠の指導を受けている。翠の教え方がいいのか、あるいは元から素質があったのか、どこいつもこいつも短時間でかなり上達しているな。濡れネズミならぬ濡れモーラットな状態のけだまも水をばちゃばちゃさせて、それなりに上手に泳いでる。
だけど、莱だけは――
「ちょ、待っ……毛が水を吸って……す、すごく、体が重いっ!」
――悪戦苦闘してるなあ。
「大丈夫、莱くん?」
哀れな子狐が本格的に溺れ出す前に(まあ、水中適応が働いてるから、溺死する恐れはないんだが)麻緒が抱き上げて救い出した。すぐ傍にいたから、フライトドローンは使うまもでなかったようだ。
「もふもふ系種族って、水との相性が悪いみたいね」
「だけど――」
エリルが翠に目をやった。
「――翠は大丈夫そうね? なにかコツでもあるの?」
「さあ?」
翠は指導の手を休め、首をかしげた。
「自分でもよく判らないが……コツとかじゃなくて、筋肉量の問題じゃないか?」
まあ、コツを心得ていようと筋肉を鍛えていようと、ぺったんこになるという悲喜劇からは逃れられないだけどな。それが『もふももふ系種族』であるところの妖狐の(そして、長毛系サーヴァントの)の宿命なのさ……って、シリアスに語ることでもないか。
●エリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)
砂浜のほうにいたシャナオウと華瑞月が――
「なあ、師匠。尻尾はもう充分に乾いただろ? そろそろ、アサヤケの連中に海での遊びってのを教えてやろうぜ」
「どんな遊びでありんすか?」
「事前に調べてきたんだが、スイカ割りっていう面白そうなゲームがあるらしい」
「スイカ割り? しかし、ここにはスイカなんぞありんせん」
「適当な代用品を見つけるさ」
――翠の水泳教室を見物するのをやめて、立ち上がった。スイカ割りとかいう遊びを始めるみたい。
なんだか、私も遊びたくなってきちゃった。そもそも遊びに来たんだしね。
そんなことを考えていたのは私だけではなかったらしく――
「ねえ。ぼくも他の子たちも泳ぎに慣れてきたから、皆でちょっと遊んでみない?」
――と、莱が麻緒に提案した。泳ぎだけじゃなくて、知らない人が周りに沢山いるというこの状況にも(ちょっとだけ)慣れたみたいね。でなきゃ、こんなことは言い出さないはず。
「いいけど……どんな遊び?」
「水中鬼ごっこはどうかな? 水の抵抗があると、それだけでも陸地とは違った雰囲気になるし、少し深いところまで範囲にすれば、泳ぎの復習にもなると思うんだ」
うん。悪くない。だけど、鬼ごっこというからには鬼役が必要よね。
「鬼役は……やっぱ、おまえかな」
と、翠が推挙したのは、他ならぬこの私。さすがね。見る目が高いわ。
「だけどな、エリル。莱が提案したのは、あくまでも鬼ごっこだからな? 後ろに『ごっこ』がつくのを忘れるなよ? くれぐれも本気で狩ったりするんじゃないぞ?」
は? なんで、そんなに念を押すの? 私を本物の鬼とでも思ってるわけ?
前言撤回。見る目、ぜっんぜん高くないわ。
●葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)
パラドクス効果の水中適応を使って、ぼくは海の中を歩いていた。
普通の海だったら、いろんな海草や綺麗な珊瑚が目を楽しませてくれるんだろうけど、本来は陸だったというこの淡水の海にあるのは砂と岩ばかり。もちろん、岩の表面に貝が貼り付いてたり、蟹が歩いてたりもしない。海の主役のお魚さんたちも見かけない(数が少ないだけで、一匹もいないわけじゃないだろうけど)。
だけど、やっぱり、陸とは違う。水の抵抗のせいで体が重い感じがするんだけど、浮力のおかげで軽い感じもする。それに口を開ける度に大きな泡が出ていくのに、ちっとも息苦しくならない。実体があるんだかないんだか判らない透明の粘土の中を掘り進んでいるような不思議な気分になってくる。
ぼくの周りを泳いだり歩いたりしているアサヤケの民の子たちも同じ気分を味わっているのかな?
「らい! 鬼のおねーちゃんが来るぞー!」
と、アサヤケの子の一人が叫んだ。
そんなに話したわけでもないのに、ぼくの名前を覚えてくれたんだ! ……と、喜んでる場合じゃないんだよね。ぼくはすぐに振り返った。
こっちに迫ってくる『鬼のおねーちゃん』ことエリルさんが見えた。人魚みたいに優雅に泳いでるけど、なんだか妙な迫力がある。
『わー!』と声をあげて、アサヤケの子たちが散った。もっとも、水中適応の効果が届かない場所まで行かないよう、麻緒さんと翠さんからは離れないようにしているけどね(今のところ、効果範囲は半径九百メートルくらいあるから、まず大丈夫だと思うけど)。
もちろん、ぼくも逃げ出した。泳ぐか走るか迷ったけれど、とりあえず走ることにした。
「逃げろ! 莱、逃げろぉーっ!」
遠くのほうで翠さんが叫んだ。遊びとは思えないほど真剣な声なんだけど……どういうこと?
ぼくはまた振り返った。
「さあ、逃げなさい。逃げなさい」
そう言いながら、エリルさんがどんどん距離を縮めてきてる。さっきは『迫力』だと感じられたものが、今は違うものに……そう、言葉にできないほど危険なものに感じられるのは気のせいかな? 気のせいだといいなー。
「本気で逃げないと、本気で追いかけちゃうわよ」
でも、逃げられなかった。エリルさんのほうに目を向けたまま、ぼくはその場に立ち尽くしていた。
足が竦んで動けなくなっちゃったんだ。
●三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)
エリルさんが莱くんに向かって突き進んでいく光景はまるでサメ映画の一シーンのよう。
「おい、エリル! 俺の言ったこと、覚えてるよな? 本気で狩るなよ! 狩るなよ! 絶対、狩るなよ!」
翠さんが呼びかけたけれど、サメより怖いエリルさんの耳に届いているかどうか……。
「もきゅっ!」
と、けだまが莱くんの肩に乗り、軽くごっつんこした。たぶん、さっきの翠さんみたいに『逃げろ!』って言ってるんだろうね。
だけど、莱くんはやっぱり動かない。
「けだま……ぼ、ぼくに構わず、逃げて……」
「もきゅうぅぅぅーっ!」
けだま、大泣き。水の中なのに。
そうやって二人(一人と一体)が今生の別れごっこをしている間にもエリルさんは迫っていく。
でも――
「あ? お魚、発見!」
――莱くんの手前でいきなり直角に曲がった。
「鬼ごっこよりもお魚をとりましょうよ。きっと、おいしいわ」
魚を追って泳いでいくエリルさん。うーん、まいぺーすですねー。
「やれやれ」
と、翠さんが肩をすくめた。
結局、お魚を捕まえることはできなかった。でも、エリルさんもアサヤケの民の子供たちも気が済むまでお魚を追いかけて、十二分に遊び尽くしたみたい。
私たちは陸に戻った。
この時を待っていたとばかりに、けだまが体をぶるぶるっと――
「ダメだよ、けだま! 近くに人がいるときはぶるぶる禁止! 目に水が入ると痛いの!」
――震わせようとしたけれど、莱くんに止められちゃいましたー。
海に入ってないのでぶるぶるする必要のない真紅のスフィンクスが『なーにやってんだか』みたいな目でこっちをチラ見。そして、すぐに視線を戻した。自分の主人のシャナオウさん&その師匠の華瑞月さんに。
もっとも、華瑞月さんはスフィンクスの視線に気付いてないはず。
目隠しをしてるからね。
「おーけー。そのまま、そのまま……おっと、少しズレたぞ! もうちょい右!」
「こっちでありんすか?」
「行き過ぎ! 左、左!」
シャナオウさんが目隠し師匠をナビゲートしてる。そう、二人はスイカ割りをしているんだよ。標的はスイカじゃなくて、椰子の実に似た果実だか野菜だかだけどね。
「まったく……なんし、わっちがこないなことを……」
「グダグダ言わなーい。はい、二歩前進……気持ち右へ……よし、今だ!」
「ありんすっ!」
手にしていた棒を振り下ろす華瑞月さん。
見事命中!
椰子の実モドキは粉微塵に砕け散り、周りで見物していたアサヤケの人たちが一斉に『おー!』と感嘆の叫びをあげた。
「これがスイカ割りだ。いや、正確に言うと、『よく知らない果物か野菜割り』かな? まあ、とにかく、面白そうだろう?」
「なんし、割ってもない主さんが得意げにしてるでありんすか?」
華瑞月さんが目隠しを取って白い目で睨みつけたけども、シャナオウさんはするっと受け流して、アサヤケの人たちに問いかけた。
「おまえたちもやってみるか?」
「おう!」
と、またもやアサヤケの人たちが一斉に叫んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【水中適応】がLV3になった!
【飛翔】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
喩・嘉
【鳳】の仲間たちと参加する
もう普通に楽しめば良いよな
水着に着替えたら海に入って、軽く沖の方まで泳いで海を満喫
最近、新宿島はやたらと暑かったからな
冷たい水の中に浸かっていると心地いい
先日海中散歩をしたが、泳ぐとまた楽しいな
泳ぐのに飽きたら皆でビーチバレーというものに興じるか
ルールは確認したが
要はこのボールを地面に落とさなかった者の勝ちなのだろう
翅も適宜活用しつつ
やるからには勝つか
交流する蛮族が警戒するようなら「馥郁香計」を使用し【友達催眠】を活用するが
基本は普通に接して仲良くできれば
孫・リア
【鳳】の皆で海よ海ー!
いきなり見知らぬ大勢が来たらビックリするから【プラチナチケット】使っていきましょうか
あっ新宿島で買った水着着ていってもいいかな?
子供の時から川遊びしてきた私にとって泳ぎは大得意川のプロのはず!
子供達集めてゆっくり泳ぐ方法と速く泳ぐ方法ともしもの時の為の溺れた時の対処方法を教えるわ
私達との記憶は忘れても体の泳ぎの技術忘れないはずよ!
ん?ビーチバレー?いいわね!『白金』でビーチボール作り出すわ!チーム分けして皆でバレー!ボール落とさないようにレシーブそしてアタック!負ける気はないわ、全力投球!
あとは皆で海を色々楽しむわよー!
【アドリブ歓迎】
守都・幸児
【鳳】の仲間たちと参加するぞっ
海だーっ
遊ぶぞ遊ぶぞー
子供たちと一緒に遊ぶぞ
仲間たちと遊ぶぞっ
わー
【水中適応】を使って
泳いだり潜ったりするぞ
皆もどんどん使ってくれなあ
海の民に、今だけこのへんに溺れねえ術をかけたぞって説明して
水の中を楽しんでもらうぞ
でも俺たちの近くだけな、効果範囲外には出たらいけねえぞ
子供たちといっしょくたになって楽しむぞ
皆に手を振ったり振り返したりするぞっ
泳いだあとは喩嘉に教えてもらいながら
びーちばれーをやるぞっ
俺も山育ちで海にはあんまり詳しくねえから
海の民と一緒に学びながら遊ぶぞっ
説明を熱心に聞いて頑張るぞ
でも砂を走るのには慣れてねえからよく転ぶぞ
うわー
はは、海って楽しいなっ
鳴・蛇
【鳳】の仲間たちと参加です
呉の南方、つまりここの蛮族は百越か、しかし造船技術も知らないの越族は想像できないな、そもそも呉の造船技術は本来百越の物たし…元の歴史とは完全違った別の蛮族かな…
【悲劇感知】と【完全視界】で周りの人々の安全を確報する、安全第一
【水中適応】と水中戦で海魚を捕獲して、どちらか食べられるかを蛮族に教える
びーちばれーか、力入り過ぎでボールを破壊する可能性は有りそうな…そして傍観者に命中する可能性も…【悲劇感知】案外必要だな。
そえばルール上には尻尾の利用は禁止していないな...ルールだから、卑怯とは言うまいなー
伏見・萬
【鳳】で参加(アドリブ歓迎)
…海。好きだったかは覚えてない。好きかどうかはよくわからねぇ
まあ、でも何となく…悪かねぇな。
そういえば俺、泳げるんだろうか?元々泳げたかどうかもわからん。
(まあ、くたばりゃしねぇだろ…と雑に水に入る)
水中適応があるなら頼る。頼りすぎて水中でぼんやり漂っている
一見ちょっと不気味だが、本人は楽しんでいる
仲間や海の民の姿を見かけたら「大丈夫だって、溺れてねぇっての」と手を振ったり
水中を堪能した後はビーチバレー
教えて貰って手探りで、でも勝負だってんなら本気を出すぜ
多分…こうして…こう…(派手に転んで砂まみれ)
ええい笑うなッ
…仲間と楽しむ。『前』の俺も、誰かとやったんだろうか
吉水・翡翠
【鳳】で参加
アドリブ歓迎
海ですか……またそのまま泳げる感じではなさそうですね。
あの時は水中歩行でしたが。
それはそれとしてまあ……泳ぎます。
水中適応を使用すればおぼれないでしょう……
完全視界もあれば見えないものはないでしょう。
……ビーチバレー、ですか。
体動かすのはそんなに得意ではないですが、やるからには頑張りますよ。
後は熱中症とかその辺には注意ですかね。
水分補給大事ですよ。と。
シャムス・ライラ
【鳳】
皆で海水浴(?)を
砂漠の国を主に歩いてきたので
「海」という単語だけで心が浮きたつ
新宿島で水着も手配してきたし
先日南蛮の方々とお近づきになれたのだから
少し交流もしたい所
まずはのんびり水面歩行で海の上を散策
うん、良い風だ
ふと、海の中を覗き込むと
おや、幸児殿、水中適応ですね
私も相乗りさせていただければ
海中も涼しくなかなかに快適
翡翠殿の完全視界もありがたく
魚を獲る蛇殿を横目に
萬殿に手など振り
リア殿は水練が得意なのですね
見習いたいもの
ひとしきり泳いだら
「びーちばれー」
喩嘉殿にやり方を教わりつつ
これなら大人でも楽しめそう
南蛮の方々も誘えたら
何気に砂地は得意
有効そうな残留効果は全て使用
アドリブ等歓迎
●幕間
齢八十を軽く越えるであろう老ドラゴニアンが砂浜に立ち、淡水の海を眺めていた。
大戦乱群蟲三国志出身の鳴・蛇(不吉な龍蛇・g05934)である。
その尖った口先からは言葉がぶつぶつと漏れ出ていた。目の前に広がる大海に魅せられて詩でも吟じているようにも見えるが、彼の意識は海に向いてはいない。
「呉の南方で暮らしているということは……アサヤケの民は百越に属する人々なのでしょうか? しかし、造船技術も知らない越族など想像もできません。そもそも、呉の造船技術は百越に由来するものですし……」
「いやいや」
と、蛇の独白を耳にしたインセクティアンの美丈夫――喩・嘉(瑞鳳・g01517)がかぶりを振った。
「南方の民族ゆえに百越と断じているのですか? それとも、南方の民族すべてを百越と一括りにしているのですか? どちらであれ、大雑把に過ぎるような……」
「ふむ。それもそうですね」
喩嘉の言葉に蛇は素直に頷いた。
「難しい話はやめようぜー! 俺たちは遊びに来たんだから!」
と、守都・幸児(祥雲・g03876)が声を張り上げて、残像が見えるほどの勢いで腕をじたばたと振った。
「さあ、遊ぼー! 遊べー! 遊ぶぞー!」
子供のような言動だが、幸児は三十路である。しかも身の丈が二メートル近くもある鬼人だ。にもかかわらず、その姿には愛嬌があった。周囲にいるアサヤケの民の子供たちも異形の鬼人を恐れることなく(もとより、各ディヴィジョンの一般人がディアボロスの容姿に違和感を覚えることはないのだが)笑顔を見せている。幸児に合わせて腕をじたばたさせている子供も少なくない。
「公共放送の児童教育番組を連想させる光景ですね……」
幸児&アサヤケ・チルドレンのじたばた体操を眺めながら、眼鏡をかけた中性的な容貌の青年が『微苦笑』と呼ぶことさえ躊躇われるほど微かな苦笑を浮かべた。
デーモンの陰陽師――吉水・翡翠(道求める陰陽師・g01824)である。
「先日、TOKYOエゼキエル戦争で東京湾を潜った時と同じように……今回も水中適応が役立ちそうですね」
翡翠は視線を幸児たちから海へとスライドさせた。
「そだね!」
と、水着姿の妖狐の娘が勢い込んで頷いた。
「もっとも、水中適応がなくても問題ないけどね。私、子供の時から川遊びしてたから、泳ぎは大得意なんだ。言ってみれば、川のプロよ、川のプロ!」
「ひひーん!」
『川のプロ』たる妖狐――孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)の横で無双馬の星星が嘶いた。
「川のプロねえ……」
と、海を眺めて呟いたのは、全身に傷が走った四十がらみの男。
リアが彼の横顔を見やり、屈託なく問いかけた。
「萬殿も川のプロ? それとも、海のプロ?」
「さあてな」
傷だらけの男――リターナーの伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)は肩をすくめた。
「記憶をどこぞに落っことしたもんだから、自分が泳げるかどうかなんて覚えちゃいねえよ。海が好きだったかどうかもよく判らねえが――」
海を見つめたまま、萬は唇を少しばかり歪めた。
笑ったつもりなのかもしれない。
「――まあ、悪かねえな。なんとなく、そんな気がする」
「ええ、悪くないですよねえ」
曖昧な言葉に明瞭な言葉で同意したのは銀髪碧眼の青年。名はシャムス・ライラ(極夜・g04075)。彼もまたリターナーであり、記憶喪失者でもある。
「ディアボロスとして赴く先は獣神王朝エジプトが多かったので、『海』と聞いただけでも心が浮き立ちますよ」
淡水の海原から吹いてくる潮気のない潮風をシャムスは肺いっぱいに吸い込んだ。
●シャムス・ライラ(極夜・g04075)
普段は長袖の衣装ばかり着て、肌をなるべく露出しないようにしているのですが、今回は水着で以て事に当たることにしました。やはり、海に来たからには水着でないと。
しかし……その選択を後悔するほどに日差しが強い! まさに酷暑。獣神王朝エジプトの砂漠のほうがまだ過ごしやすいですね(などと言いながらも、次に獣神王朝エジプトに赴いた時はかの地のほうが暑く感じるかもしれませんが)。
とはいえ、こうして全身が熱せられているおかげで、足の裏のひんやりとした冷たさが非常に心地よく感じられます。
何故に足の裏が冷たいのかというと、私が立っている場所が海の上だから。そう、水面歩行を使っているのですよ。
海に立って眺望するというのは、控えめに言っても素晴らしい体験ですね。彼方の水平線まで続く海原を眺めていると、水面歩行を解除したわけでもないのに海に呑み込まれているような、あるいは飛翔を使ったわけでもないのに天に昇っていくような……不思議な気持ちになります。
しかし、見所は遠景だけにあらず。足下に目をやり、海中を覗き込めば……ほら、水中適応を活用している仲間たちがいますよ。
そのうちの一人――幸児殿がこちらを見上げました。
「おー? シャムスー!」
手をぶんぶんと振っています。彼について回っている子供たちも一緒にぶんぶん。なんとも微笑ましいですね。翡翠殿が述べていた『ジドーキョーイクバングミ』云々という感想がなんとなく理解できたような気がします。
私は幸児殿に手を振り返そうとしましたが――
「え!?」
――思わず驚声をあげてしまいました。
幸児殿たちと私との間に水死体が流れてきたからです。
しかも、その水死体の容貌は見覚えのあるものでした。ざんばら髪で、傷だらけで……あ? これ、水死体じゃなくて、萬殿ですか?
●伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)
俺は海面に立つわけでもなく、海底を歩くでもなく、かといって普通に泳ぐでもなく、仰向けの状態で海中をゆらゆらと漂っていた。
『悪かねえな』という予感は正しかったようだ。ホント、悪くねえわ、これ。無限の広さを持つハンモックに寝っ転がってるみてえだ。ハンモックで寝たことがあるかどうかは覚えちゃいねえけどよ。
体を横向けにすると、少し離れたところにいる喩嘉の姿が見えた。水着姿で気持ち良さそうに泳いでる。虫の翅を魚の鰭のように蠢かせて、すいすいと水中を進んでいく姿は幻想的で乙なもんだ。もっとも、当人は虫が大の苦手らしいが、
幻想的といやあ、同じく異形の種族の蛇も負けちゃいねえ。泳いでいる位置は喩嘉ののやや下。手足を無駄に動かさず、長いしっぽをくねくねとなめらかに蠢かせている様は神の使いの(もしくは神そのものが化身した)白い海蛇ってところか。
更に体を回して仰向けになると、海底散歩をしている一団が見えた。幸児とアサヤケのガキどもだ。余所者と一緒に海の中を歩くという非日常的な体験をしてるもんだから、ガキどもははしゃぎまくってる。
幸児も同じくらいはしゃいでいるが――
「こらこら、あんまり俺から離れるなー。水中適応の効果範囲の外に出ちまったら、大変なことになるんだぞー」
――ちゃんとガキどもに目を配ってるようだな。その姿は園児たちを引率する保父のようでもあり、図体のデカい園児のようでもあり……。
「おー? シャムスー!」
保父にして園児の男が上のほうを見て、手を振りまくった。
それに釣られたわけでもねえが、俺は体の向きを戻した。
すると、水面の向こう側にいるシャムスと目が合い――
「え!?」
――素っ頓狂な声が落ちてきた。
奴さん、俺のことを土左衛門だとでも思ったんだろうな。
●喩・嘉(瑞鳳・g01517)
海面にほぼ垂直に立ち、愕然と海中を見下ろすシャムス。
海中をほぼ水平に漂い、悠然と海面を見上げる萬さん。
なんとも奇妙な光景だな。新宿島ではこういうのを『シュール』と言うのだとか。
やがて、シャムスは我に返り、萬さんに声をかけた。
「……大丈夫ですか、萬殿?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。溺れてるわけでもなけりゃ、溺れ死んだわけでもねえ。海流に乗って漂ってるだけだ」
答えている間も萬さんの体は流れていく。
「シャムスもこっち来いよー! 涼しくて気持ちいいぞー!」
と、なにごともなかったかのように幸児が海底からシャムスに呼びかけた。
「では、お言葉に甘えて……ああ、確かに涼しいですね」
シャムスが潜ってきた。
彼や幸児が言う通り、水の中は涼しくて心地よい。地上ではお目にかかれないような景観が溢れているのも良い。ちなみに景観を楽しむことができるのは水の透明度が高いからではなく、翡翠がパラドクス効果の完全視界を発動させてくれたからだ。
「綺麗な光景ですけど――」
俺の横を泳いで通り過ぎながら、翡翠が言った。
「――ちょっと物足りないような気がするのは、魚の姿を見かけないからですかね」
「そうですね」
と、答えたのは蛇さん。長い尻尾を動かして行ったり来たりしているが、他の皆(俺を含む)と違って、遊び目的で泳いでいるわけではないようだ。
「とはいえ、一匹も生息していないわけではないと思います。先程、アさんが小さい魚を捕まえていましたし、エリルさんも魚を見かけたそうですから」
きょろきょろと四方を見回す蛇さん。どうやら、魚を穫ろうとしているらしい。
「ん?」
蛇さんが視線を上げた。いくつもの影が頭上を通過し、陽光を斑に遮ったからだ。
俺も上を見た。
残念ながら、影たちの正体は魚群ではなかった。海面を泳いでいた子供たちとリアだ。それに星星もいる。
馬が泳いでる姿を真下から見ると……なにやら『シュール』な印象を受けるな。
●吉水・翡翠(道求める陰陽師・g01824)
リアさんはリューロボロスさんやアンゼリカさんや翠さんと同様、子供たちに泳ぎ方を教えているようです。
海中散歩にも飽きてきたので、自分はそれを見学させてもらうことにしました。上昇して水面から顔を出し、立ち泳ぎで姿勢をキープ(水面歩行もできるのですが、体は冷たい水の中に浸けておきたいので……)。
少し遅れて、喩嘉さんと蛇さんの顔も水面から出てきました。
「魚は穫れましたか?」
「いいえ」
喩嘉さんが問いかけると、蛇さんはかぶりを振りました(喩嘉さんが敬語を使っているのは、蛇さんが何十歳も年長だからでしょう)。
「できれば、アサヤケの民の方々に食べられる魚と食べてはいけない魚を教えてさしあげたかったのですが……」
蛇さんのその嘆きが聞こえたのか、リアさんの周囲にいた子供たちが次々に口を開きました。
「ボクたち、魚なんか食べないよ」
「だって、すばしっこくて捕まえにくいしー」
「そもそも、滅多に見かけないもん」
「ムシのほうが食いでがあるし、美味しいよねー」
なるほど。彼らにとって魚というのは希少な生物ではあるけども、貴重な食料ではないのですね。数が少ない上に捕まえ難い獲物を狙うのはエネルギー効率が悪すぎますから。
「そこ、よそ見しない! 集中、集中!」
「ひひーん!」
リアさん(と星星)が子供たちを注意しました。水泳の教官振りが板についてます。
「泳ぎ方を教えるのは結構だが……」
と、喩嘉さんが言いました。
「このディヴィジョンには排斥力がまだ強く残っているから、子供たちはすぐに忘れてしまうんじゃないか?」
「そうかもね」
リアさんはあっさりと認めましたが、子供たちへの指導をやめようとはしませんでした。
「でも、無駄じゃないと思いたい。私たちのことは忘れてしまうでしょうけれど、体が覚えた泳ぎの技術は忘れないかもしれないじゃない」
そうですね。
クロノヴェーダの支配を退けることができた時、この辺り一体の海は陸と川に戻るはず。
そして、その川で子供たちが遊ぶことでしょう。
リアさんたちから教えられた泳ぎ方を活かして……。
●鳴・蛇(不吉な龍蛇・g05934)
やがて、幸児さんは海中散歩を終え、リアさんも水泳教室を終え、子供たちとともに海から上がりました。
他の方々がそれに倣ったので、蛇もまた砂浜に戻ったのであります。
そして、疲れた体を休め……ようと思ったのですが、休む暇など与えられませんでした。『ビーチバレー』なるものに興じることを誰かが提案したからであります。その『誰か』が誰なのかは、その場にいた蛇にもよく判りません。
少なくとも――
「……ビーチバレー?」
「え? びーちばれー?」
「ビーチバレー? なんだ、それー?」
「はて、ビーチバレーとは?」
「ビーチーバレーだぁ?」
――五者五様に首をかしげている喩嘉さんやリアさんや幸児さんやシャムスさんや萬さんではないでしょう。
ここにいる面子の中でビーチバレーを知っているのは翡翠さんだけのようですが、彼が提案者だとも思えないのであります。あまり乗り気ではなさそうですから。
「体を動かすのはそんなに得意ではないのですが……」
と、こぼしながらも、翡翠さんはビーチバレーについてざっくり説明してくれました。
「ふむ」
解説を聞き終えた喩嘉さんが小さく頷きました。
「細かいことは判らないが……ようはボールを落とさなければ勝ちということだな」
「ところで、ボールはどうすんだ?」
萬さんが疑問を呈すると、リアさんが元気よく挙手して――
「私に任せて!」
――不可思議なパラドクスを発動させ、現代風(この場合の『現代』というのは新宿島におけるそれです)の毬を生み出しました。
「口幅ったいようですが、これは私に有利な球技だと思いますよ」
軽く足踏みしながら、シャムスさんが楽しげかつ自信ありげに微笑みました。
「砂地での行動には慣れてますからね」
「いや、楽には勝たせないぞ」
と、喩嘉さんもまた自信ありげに宣言しました。
「やるからには本気でいかせてもらう」
「同じくです。やるからには頑張りますよ。さっきも言ったように、体を動かすのは得意ではありませんが……」
乗り気でなかった翡翠さんもやる気を出した模様。
周囲にいるアサヤケの民たちもやる気満々のようであります。
●孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)
「おらよ!」
『ボールに親でも殺されたの?』と訊きたくなるような力強さでもって、萬殿がサーブ。
「どりゃあーっ!」
アサヤケの族長さんがレシーブ。年齢の割に元気だねえ。
「そぉーっれ!」
アサヤケの子供がトス。かわいー。
「はい!」
で、私がスパァーイクッ! どうだ!?
「おっと!」
あー、シャムス殿に華麗にブロックされちゃった。さすがね。砂地での運動には一日の……いえ、二日も三日くらい長があるみたい。
「それ、俺が取るぞー! 俺が取るぞー!」
こっちに弾き返されてきたボールに向かって、幸児殿が『ずどどどど!』と驀進したけれど――
「うわっ!?」
――足をもつらせて、頭から砂地に突っ込だ。『ずどどど!』が『ずざざざー』になっちゃったね。
それを見て、子供たちは大笑い。当の幸児殿も砂まみれの顔を上げて笑ってる。
「なるほど。これがビーチバレーですか。実に面白いですね」
「いや、ビーチバレーというよりも……ドッジボールの様相を呈していませんか?」
感慨深げに述懐する蛇殿の横で翡翠殿が首をひねった。
ドッジボールとやらのことはよく知らない。でも、今やってるのがビーチボールっぽくないってことはなんとなく判るわ。翡翠さんからは二対二で戦う競技だと聞いたのだけれど、なぜか二十人以上が入り乱れているし(しかも、星星まで加わっている)、お互いの陣地もはっきりしないから、誰が敵で誰が味方かもよく判らない。『大戦乱群人ビーチバレー志』って感じ。
「ビッチバレーであろうが、ドッジボールであろうが、俺は手は抜かんぞ」
喩嘉殿がボールを拾い上げた。
「言ったはずだ。やるからには本気でいかせてもらう、と……」
遊びだっていうのにシリアス顔を決めてるし……。
まあ、私だって本気でいかせてもらうけどね!
●守都・幸児(祥雲・g03876)
「いくぞ!」
喩嘉が翅をカッコよく広げて、空高ぁーく舞い上がった。パラドクス効果の飛翔(エリルが残留させたんだぜ)を活用したんだな。海の中でも翅を広げてたけど、やっぱり、こういう格好は空のほうが合うぞ。うん、合うぞ。
もちろん、ただ舞い上がるだけで終わったりしない。『すぱーん!』と勢いよく毬を打ち込んだ。
だけど、翡翠が素早く前に出て、これまた『すぱーん!』と球を打ち上げた。こういうのは得意じゃないとか言ってたくせに、なかなかやるじゃねえか。激しく動いてるのに眼鏡を落としてないのも何気に凄いぞ。
「……翅を使うのは反則なのでは?」
翡翠が指摘すると、喩嘉より先に蛇が応じた。
「翅の利用が許されるのなら――」
腰をくいっと動かして、長い尻尾を一振り。
「――尻尾もいいですよね?」
またまた『すぱーん!』だ。
尻尾に打ち返された毬の先には誰もいなかった……と、思いきや、シャムスが颯爽と現れた。滑るように移動してきたんだ。
「ここは私にお任せを」
「いや、俺に! 俺に受けさせてくれぇーっ!」
余裕綽々って感じのシャムスの前にアサヤケの長老が割り込んできた。
「では、どうぞ」
苦笑を浮かべつつ、後ろに下がるシャムス。
活躍の場を譲られた長老は意気揚々と毬を手で弾いた。
「てい!」
うーん……これは『すぱーん!』じゃなくて『ぺちっ』だな。
「次は私!」
と、長老のへろへろな球をリアが真上に打ち上げた。これは『とす』って言うんだぜ。翡翠に教えてもらったんだ。
「そして、次も私!」
リア自身も真上に飛んで、毬に手を叩きつけた。
「全、力、闘、球ぅーっ!」
おー!? 『投球』じゃなくて『闘球』だ! 『すぱーん!』じゃなくて『すっぱぁぁぁ~ん!!』だ! すげぇー!
この渾身の一撃を迎え撃つのは誰だ? 萬か? よし、いっけぇー!
「えーっと、腰を屈めて、こういう感じで受けりゃいいのか……って、おわっ!?」
あらら。体勢を崩して転んじまったぞ。
じゃあ、俺が代わりに――
「うわっ!?」
――いっけねぇー。俺まで転んじまった。これで二度目だ。山育ちだから、砂浜を走るのは慣れてねえんだよな。でも、楽しいぞ! すごく楽しいぞー!
俺が顔を上げると、一度目の時と同じように皆が笑った。
俺も笑った。
先に転んだ萬は『えーい、笑うな!』とか言ってるけど、本人もやっぱり笑ってる。
楽しいぞぉーっ!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【プラチナチケット】がLV2になった!
【水中適応】がLV4になった!
【悲劇感知】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【水面歩行】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
レイ・シャルダン
【水浴びシジュウカラ】
水着を着用ですが、重傷中なので泳ぐのは控えておいて…。
その代わり…ふふ、子供達と一緒に砂浜でお城を作る事が出来ます。
こうやってね、海水を砂にかけると固まるでしょ?
それでこうやって山を作って…。
スコップとか無いでしょうし、形のいい木片や石を使い
砂山の形を整え、お城様な建物を作ったりして一緒に遊びます。
何か最近面白い物、変わった物を見たりしなかった?
調査も一応…。
皆さんが海の幸を持って来てくれたらそれらを料理します。
生食は色々危険な気がするのでお刺身系はやめて串に刺して浜焼きにしたり。
エビ、貝等がもし取れたら野菜と一緒に煮てスープにしましょう。
海…足元だけなら…行きます♪
赤上・イズル
■【水浴びシジュウカラ】で参加
■アドリブ絡み歓迎
当方感情を奪われたディアボロスです
山育ちなもので、実は海では泳いだことはないのですが
でも川ではよく泳いでました
滝壺に潜ったりもしましたし、泳ぎは出来る方かと
今回お怪我でレイさんが泳ぎに参加出来ないのは残念ですが
料理をしてくださるとの事なので食材を探しに行きます
海に馴染みがないという現地の方にも海の食材というものを見せてあげたいですね
学校で着てた水着にゴーグルして、銛を持って海へ
魚が非常に少ないとの事だがなんとしてでも魚を見せたいと
旅団の仲間とも協力して追い込んだりして魚と捕らえる
大きな魚捕まえたいですね
そして現地の子供達にこれが魚ですよと見せる
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【水浴びシジュウカラ】
アイテムポケットで食材や調理器具を持参
水着にパーカーのラッシュガード
陽射しは強いが翼が干せる。嬉しい
現地の方々に泳ぎ方を教えてみる
手を持ってバタ足からの犬かきとか
興味があれば一緒に潜水してみよう
時に仲間の水中適応も借り
魚のように泳ぐ気持ちよさを伝えられたらいいな
さあ海へ潜って食材調達だ
魚……どうやって獲ろう……
クロスボウでいい? 網で追い込めるか
イズルさんや仲間達と協力し追い込もう
海鮮が獲れたら調理の手伝い
新宿島の食材も交えて
飲み水は水源で確保
火を起こして即席の調理場を
網焼きもやる?
食べるのも海の楽しみ……美味そうだな
もし具合が良さそうならレイさんを波打ち際に呼んでみよう
ノイン・クリーガー
【水浴びシジュウカラ】で参加
淡水の海ねぇ、不思議なもんだ。
とりあえず入ってみるか。
それにしても泳ぐのなんていつ振りだ?
【水中適応】を使用して海に入る。
一緒に水中へ行きたい蛮族が居れば連れて行くよ。
魚はほとんどいないらしいから蟹を探すぞ。
俺は海のプロではないが蟹探しのプロに違いない。
奴らは隠れるのが上手いからよく【観察】して石の下とかを探す。
発見したら捕まえて持って帰る。
料理は誰かできる人に任せる。
エリザベータ・シゲトヴァール
【水浴びシジュウカラ】で参戦。
連携・絡み等大歓迎です。
●心情
こんな風に海に来るなんていつ振りかしら……。
淡水の海……子供の頃、父さんがバラトン湖に連れて行ってくれたのを思い出すわね。
●行動
魚は少ないって話だけど、それなら広範囲を探すのが良さそうかしら。
【飛翔】し空中から【偵察】技能を活かして魚影を探し、見付けたら海辺や海中の仲間に連絡。
空から投網や罠を投下したり、魚捕りの包囲網に追い込んで……あれ?何だか普段の任務と同じ事している様な気が……。
まあ良いか。対空砲火を掻い潜る様なのとは違う、平和な空だもの。浜風も心地好い。
私の故郷は魚料理に馴染みは薄いけど、手伝える事があれば私も調理してみるわ。
●幕間
「足の動きはもうちょっと小刻みにしたほうがいい。そう、その調子だ」
アサヤケの民の若者たちが浅瀬でバタ足の練習をしていた。
彼らや彼女らを指導しているのは、パーカータイプのラッシュガードを羽織った天使の青年。その髪も、瞳も、ラッシュガードのスリットから伸びる翼も青い。
「この人たちに伝えられるといいな。魚のように泳ぐ気持ち良さを……」
若者たちを見守りつつ、青い天使――エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は独白した。水を蹴る音に遮られて、当人以外の耳には届かなかったが。
「綺麗な海ですね……」
別の場所でも呟きが漏れた。
声の主は、翠の瞳と銀の髪を有した少女――レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)。水着姿ではあるが、海で泳ごうとはせず、足首を波に浸すだけに止めている。
「イズルさん、泳ぎは得意なんですか?」
レイは横を向いて問いかけた。
そこに立っているのは彼女と同世代の少年。こちらも水着姿。赤い髪がかかった額で水中用ゴーグルが陽光を照り返している。
「泳げるほうだと思います」
と、赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)という名のその少年は答えた。
「山育ちなもので、海で泳いだことはないのですが……川ではよく遊んでいましたし、滝壺に潜ったりもしてましたね」
「もきゅー?」
イズルの足下から鳴き声が聞こえた。モーラット・コミュのマリコさんだ。『滝壺?』と聞き返したのかもしれない。
「俺も泳ぐのは苦手じゃないが――」
異様な風体の男が話に加わった。
機械化ドイツ帝国出身のザイボーグであるノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)だ。
「――さて、最後に泳いだのはいつだったかなあ?」
その目は海に向けられているのだろうが、そこにどのような感情が滲んでいるのかは判らない。目だけでなく、顔の他の部位から感情を察することもできない。
黒いフードを目深に被り、ガスマスクを装着しているのだから。
「しかし、淡水の海とはねえ。不思議なもんだ。なあ?」
ノインが同意を求めた相手は、見るからに気位の高そうな娘。ノインに負けず劣らず、彼女の風体も(このシチュエーションにおいては)異様なものだった。
航空突撃兵の装備に身を包んでいるのだ。
その娘――エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)はノインの言葉に反応しなかった。しかし、無視したわけではなく、意識を別のところに向けていたために聞き逃しただけらしい。
「淡水の海、か……」
エリザベータは呟いた。
おそらく、『別のところ』に想いを馳せながら。
●赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)
「もきゅーっ!」
マリコさんが鳴いています。
砂浜に戻ってきたエトヴァさんに『おかえりなさい』とか『おつかれさま』とかいうような言葉を送っているのでしょう。彼に水泳を教わっていたアサヤケの民の人たちも海から上がってきました。
「一通りのことは教えておいた」
と、エトヴァさんは俺たちに報告しました。
「少し休憩してから、彼らと漁に出かけようか」
「はい」
と、頷く俺の横でエンジンの駆動音のようなものが響きました。
エリザベータさんのフライトデバイスの音です。
「私は空から魚影を探してみるわ」
「エトヴァさんと僕は水中適応を使って、海から行きますけど……」
僕は言葉を切り、傍らにいるレイさんに目をやりました。
「ごめんなさい。私はここでお留守番してます」
残念そうな顔をして、レイさんはそう言いました。彼女はジェネラル級の蟲将『于禁』との戦いで重傷を負ったばかりですから、あまり無理はできないのです。
正直、魚を捕まえることが『無理』の範疇に入るとは思えませんが――
「……俺は獲るぞ」
――と、なにやら重々しい調子で宣言するノインさんの姿を見ていると、考えも変わってくるというものです。
「だが、獲物は魚じゃない。蟹だ。俺は令震が言うところの『海のプロ』なんかじゃあないが、蟹探しのプロに違いない」
いや、自信満々に『違いない』とか言われても……ガスマスクのせいで表情が見えないせいもあって、本気なのか冗談なのか判りません。
こういう時はどのようなリアクションを取ればいいのでしょうか?
●レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)
「じゃあ、行ってくるわね」
エリザベータさんが飛び立ちました。ボクもフライトデバイスを背負っておつきあいしたいところですが……我慢しましょう。こんな状態で飛んでも、足手まとい(翼まとい?)になるだけですから。
「淡水の海だから、上海蟹が獲れるかもしれないぞ。楽しみに待っててくれ」
何人かのアサヤケの民を引き連れて、ノインさんが海に入っていきました。
「俺たちも行こう」
エトヴァさんもラッシュガードを華麗に脱ぎ捨て、再び海へ。
そして、イズルさん。額にかけていた水中ゴーグルを下げ(ゴーグルと入れ替わるようにマリコさんが頭に乗りました)、エトヴァさんを追いましたが――
「君たち」
――足を止めて、近くにいたアヤサケの民の子供たちに話しかけました。
「魚を見たことはある?」
「あるよー。ちっちゃいやつばっかりだけど」
「じゃあ、大きな魚を見せてあげるよ」
子供たちに約束して海の中へ。ノインさんの時と同様、アサヤケの民の一団(エトヴァさんに泳ぎ方を教えてもらっていた人たちです)が後に続きました。
もちろん、漁につき合わずに砂浜に残ったアサヤケの民も沢山います。イズルさんが声をかけた子供たちとか。
ボクもまた、その子たちに声をかけました。
「さあ、待っている間に砂でお城でも作ろっか?」
「オシロ?」
「うん。まず、こうやって海の水を砂にかけてね。ちょっと固まったら、山を作って……」
ボクは子供たちの前でお城作りを実演してみせました。
「わー!?」
と、子供たちは目を輝かせて歓声をあげました。
そして、我先にと作業に加わってくれました。砂遊びなどしたことはない(それ以前にお城なんて見たこともない)のでしょうけれど、だからこそ、新鮮で楽しいのでしょう。
仲間の皆さんと漁に行けなかったのはとても残念ですが、この子たちの笑顔で充分に元は取れたような気がします。
●エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)
海の上を旋回中。今なら時速百キロメトールほどで飛ぶこともできるんだけど、魚影を見逃しては意味がないから、スピードは抑えてる(高高度飛行用二段式スーパーチャージャーが立てている音が不満のブーイングに聞こえるのは気のせいかしら?)。
戦闘任務外での飛行というのも悪くないわね。のんびり飛び回りながら、眼下の海を眺めていると、子供の頃を思い出すわ。父さんに連れられて、バラトン湖に行った時のこととか。あの広くて美しい湖こそが、私にとっての『淡水の海』……。
まあ、ここの海だって広くて美しいんだけど、色々と物足りない。とくに魚よ、魚! こうやってずっと探しているのにちっとも見つからないじゃない。
……と、思っていたら、それらしき影を発見! 数は三つ。海中にいるイズルくんやエトヴァくんに早急に伝えましょう。伝えるための手段は、もっともシンプルかつ原始的なもの……そう、肉声よ。ちょっと面倒だけど、しょうがないわね。誰一人としてパラドクス通信を用意してこなかったんだから。ええ、『誰一人として』ってことは、つまり私も用意してこなかったということですけど、それがなにか?
魚たちが遠くに行かないように祈りつつ、最高時速を出して(高高度飛行用二段式スーパーチャージャーが立てている音が歓喜の叫びに聞こえるのは気のせいかしら?)、イズルくんやエトヴァくんがいる場所へ移動。
二人はアサヤケの民の人たちと一緒に海底を歩いていたけれど、その姿は空からでも視認できた。完全視界が働いてるし(そもそも、この海の透明度はそんなに低くないわ)、彼らがいる場所はさして深くなかったから。ちなみにイズルくんは赤毛なんだけど、上からだと白く見える。頭頂部にマリコさんが陣取ってるからね。
「魚がいたわよ!」
私は大声でそう知らせると、『ついてきて!』というジェスチャーを見せた後、元の場所に引き返した。
●エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)
「……魚がいたわよ……」
小さな声に釣られて視線を上げると、揺れる水面越しにエリザベータさんの姿が見えた。『小さな声』とは言ったが、それは距離がある上に俺たちが水中にいるからであり、実際は大声を出したのだろう。
彼女は南西を指し示し、そちらの方向に飛び去った。
「行きますか?」
と、イズルさんが尋ねた。
「もちろんだ」
俺は頷き、近くの岩場に目を向けた。そこにいるのはノインさんと何人かのアサヤケの民。みんなして蟹を探しているらしい。
「ノインさんも行くか?」
「いや、行かない」
岩の下部にある窪みを覗き込みながら、ノインさんが答えた。
「俺は蟹探しのプロ。獲物は蟹のみ。魚はおまえさんたちに任せる」
では、任されよう。
エリザベートさんが発見した魚の群れはどの程度の規模なのだろう。五十匹? 百匹?
なんにせよ、群れであることは間違いあるまい。一匹や二匹などというレベルではないはずだ。
……と、期待していたのだが、俺たちの前に現れたのは三匹の小さな魚だけだった。
「ここに来るまでの間に散開して逃げてしまったのかな? 残念だ」
歯噛みしつつ、俺は得物を構えた。愛用のクロスボウ『Paradiesvogel』だ。これはグレネードランチャーとしての機能も備えているのだが、そっちの出番はなさそうだな(さすがに発破漁はマズいだろう)。
「まあ、ゼロよりはマシですよ」
イズルさんもまた得物を構えた。彼のそれは漁に相応しい道具――銛だ。
アサヤケの民の約半数も槍や弓を構えたが(残りの約半数は素手で捕まえるつもりらしい)、あまり真剣味は感じられない。
俺はイズルさんに囁いた。
「アサヤケの民は魚に興味はないようだな」
「はい。だけど、そのせいで逆にやる気をかき立てられました」
言葉に反して、彼の声はやる気に満ちたものではない。
しかし、その深層には強い意志が秘められているような気がする。
「絶対に魚を捕まえ、アサヤケの人たちに振る舞い、その美味しさを教えてあげましょう」
「もきゅー!」
静かに決意表明するイズルさんの頭の上でマリコさんが跳ねた。
●ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)
海から戻ってきた俺たち(と、空から戻ってきたエリザベータ)を出迎えてくれたのは、砂で出来た小さな城とその傍に立つレイの笑顔。
「おかえりなさい」
「すまない」
声をかけてくれたレイに対して、エトヴァがいきなり頭を下げた。詫びているようにも見えるし、項垂れているようにも見えるな。
「その笑顔に見合うだけの土産はないんだ」
エトヴァは魚をレイに差し出した。小さなやつを二尾。それが彼らの収獲のすべて。見つけた時は三匹いたそうだが、そのうちの一匹は上手く逃げおおせたらしい。
しかし、レイは落胆する様子など見せず、非難することもなく――
「おつかれさまです」
――優しい笑顔をより優しいものに変えた。
「二匹しかないけど……料理できる?」
イズルが訊いた。
「はい。エトヴァさんに言われて、アイテムポケットに野菜をいっぱい詰め込んできましたから。それらと一緒に煮込んで、ベジタブルシーフードスープにしますね」
ベジタブルとシーフードの割合は九:一といったところかな。
「ありがとう」
イズルはレイに礼を述べると(シャレじゃないぞ)、彼女の後ろにいた子供たちに詫びた。
「ごめんね。大きい魚を見せることができなくて……」
「べつにいいよ! このちっちゃい魚で充分!」
屈託のない笑顔を見せる子供たち。仮に釣果がゼロだったとしても、この子たちはがっかりしなかっただろう。もとより魚に興味などないから……という理由だけじゃない。自分たちに対するイズルやエトヴァの思いやりを理解しているからだ。
子供たちばかりでなく、漁につきあったアサヤケの民たちも満足そうだった。それも当然。彼らからしてみれば、水中を自由に歩くというだけでもエキサインティングな体験だったはずだ。
「ところで、おまえさんは――」
郷土史家か建築評価員かといった眼差しで砂の城を観賞しているエリザベータに俺は声をかけた。
「――結局、海に入らなかったようだが、楽しめたのか?」
「ええ、楽しかったわ」
そう答えた後で彼女は苦笑を浮かべた。
「だけど、魚を探して空を飛び回ったり、投網だの罠だのを投下したり、魚捕りの包囲網に追い込んだり……なんだか、普段やってる任務とたいして変わらなかったような気もするわね」
確かにねー。
「そういえば、ノインさんの収獲は?」
と、エトヴァが尋ねた。
黙秘を決め込もうか……いや、子供たちの前で卑怯な真似はできない。勇気を以て真実を告げよう。
「一匹も見つからなかった!」
うん。どうやら、俺は蟹探しのプロではなかったようだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【水中適応】がLV6になった!
【水源】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ダブル】がLV3になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
ソラ・フルーリア
【銀プロ】の皆と参加!
今日はアイドルは忘れて、楽しくバカンスってところね!
でも後のお仕事の事も忘れないのが、真のアイドルよ!(日焼け止めバッチリ)
アタシの水着は下がショートパンツ型のビキニね!
夏の海といえば沢山動くから、動きやすいほうが良いわよね!
アタシ達は浜辺でビーチバレーでもしようと思うわ!
木綿紀、フロッシュ、カリーナ!
ポール立てるの手伝って!
海にただ浸かってるだけじゃ面白くないわよ!
海といえばビーチ! ビーチと言えばバレー!
さ、皆も一緒にやりましょ!
まずは銀プロの4人でやってみるわね!
行くわよ!必殺フライングアターーック!(【飛翔】使用)
ふふん、こんな感じ!
次は皆も一緒に第2回戦よ!
フロッシュ・ギルアダー
※【銀プロ】で参加。
泳ぐぞー!そのための競泳用風の水着だぜ!……え、別の遊びをする?それじゃ、教えてくれじゃん!
アタシ、海は新宿島に来て初めて見たから、なにも知らなくて。
詳しくは思い出せないけれど、アタシがいた時代は馬が現役で、あまり遠くに行けてないしなー。
だから民の人達といっしょに教えてもらい、自慢の速さを活かして、大活躍できるよー頑張ろ。
その前に、準備のお手伝いだ!
仕上げに【エイティーン】発動で、身長をアップさせるぜ、うぃー!
よし、いくじゃん!
小刻みダッシュの分身で広範囲をカバー!ワープもかくやの、早業移動からジャンプでブロック!スピーディなスパイクによる、貫通撃を喰らえ!
次は皆の番だぜ!
カリーナ・アバルバネル
【銀プロ】の皆と参加! アドリブ等歓迎。
水着は半袖の上着&ショートパンツのラッシュガード
ビーチバレーの遊び方を海の民の皆に教えるよ。
砂地に棒で四角くコートの線を引いて、棒を2本立ててロープを張る。
実演を交えながら気楽に遊べる範囲内で基本的なルールを教える。
「デタラメにボールを打ち合ってもすぐ飽きるんだよ。ルールを守ったほうが盛り上がるんだ!」
エイティーンの効果を受けて見事なナイスバディになった銀プロの4人で試合する。
防御側で、ソラ団長の放ったアタックを必殺回転レシーブで果敢に拾う。
砂まみれになっても気にせずテンション高め。「ぺっぺっ、砂が口に入っちゃった! あはははは!」
月城・木綿紀
【銀プロ】
「じゃあ師匠審判やって」
『いいよ』
師匠(身体の中の天使)のぬいぐるみを審判の席に置く(師匠は自分を模したぬいぐるみが有れば自分以外と声で会話出来る)
【エイティーン】でプロポーションを良くして映えるようにしつつみんなとバレーをする。
戦闘のために得た機動力と生まれつきの眼の能力(普段通り目隠しで視界を減らしてはいるけど)で落ちるボールをひたすら拾う。
水着は上は貝を模したクロスホルスターとフリルの水着。
●幕間
四人の娘が砂浜に並んでいた。
全員が二十歳前後の外見をしているが、それはパラドクス効果のエイティーンを用いたからだ。実際は四人中三人が十六歳であり、残りの一人に至ってはまだ十歳である。
「さあ、泳ごうぜぇーっ!」
「ちょっと待った」
海に向かって駆け出そうとしたのは、ハンミョウの特徴を有するインセクティアの娘。
彼女の肩に手を置いて制止したのは、ワイルドな顔立ちをしたピンクの髪の娘。
「なんで止めんだよぉ?」
ハンミョウ娘のフロッシュ・ギルアダー(ソニック・ホリック・g00750)が眉を訝しげにひそめて振り返ると、ピンク髪のカリーナ・アバルバネル(雲裳神龍・g04135)はにっこりと笑ってみせた。
「泳ぐのも悪くないけど、今日は別の遊びをしようよ」
「別の遊びぃ?」
「ビーチバレーよ!」
と、銀髪をポニーテールにしたデーモンの娘がカリーナに代わって答えた。
ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)である。
「それ以外の選択肢は考えられない! だって、海といえば、ビーチでしょ! ビーチといえば、バレーでしょ! れっつ・ぷれい・びーちばりぼー!」
「もっきゅもきゅもきゅ、もっきゅもっきゅうぅーっ!」
モーラット・コミュが復唱(?)した。飛び跳ねるような動きに合わせて、頭に装着された鞍とそこに座る人形が揺れている。
「れっつ・ぷれい・びーちばりぼー……」
と、ローテンション気味に四人目の娘も復唱した。天使の月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)。人形を乗せたモーラット・コミュ『ラム』の主人である。
ローテンションとはいえ、口元に微笑が浮かんでいるところを見ると、この状況を決して楽しんでいないわけではないのだろう。
しかし、目のほうは口ほどにものを言ってない。いや、言ってるのかもしれないが、それを確認することはできない。
木綿紀はなぜか目隠しをしているのだから。
●ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)
れっつ・ぷれい・びーちばりぼー! ばりぼー、ばりぼー、ばりぼー……(エコー)
さあ、今日はアイドルの仕事は忘れて、皆と一緒に遊びまくるわよー。
遊びとはいえ……いえ、遊びだからこそ、装いは大切よね。その点、アタシたちは完璧! 全員、水着姿でビシッと決めちゃってるから!
木綿紀は貝殻風デザインかつフリフリ仕様のクロスホルタービキニ。
フロッシュはシンプルかつスタイリッシュな競泳水着。
カリーナは半袖トップ&ショートパンツという組み合わせのラッシュガード。
そして、私はショートパンツ型ボトムのビキニ。
その水着が映えまくるポーズを取り――
「さあ! 皆も一緒にビーチバレーしよ!」
――アタシはアサヤケの人たちに呼びかけた。
ないすばでーな美女(アタシも他の娘たちもエイティーンを使って、二十歳になってまーす)からのお誘いとなれば、反応も上々! ……と、思いきや、アサヤケの人たちは乗り気ではなさそう。
「ビーチバレーとかいうのをやるつもりはない」
露骨に渋い顔をして、アサヤケの民の族長がそう言った。
「さっき、心ゆくまで遊び尽くしたからな」
あー。そういえば、他の人たち(喩嘉、翡翠、リア、シャムス、幸児、蛇、萬)と盛り上がってたね。
「でも、族長たちがやってたのは変則的というかハチャメチャなビーチバレーだったよね?」
カリーナが食い下がった。
「わたしたちがやろうとしているのは、まともなルールのビーチビールだよ。デタラメにボールを打ち合うだけではすぐに飽きちゃうけど、ルールを守って正しくプレイすれば、盛り上が……」
「いや、すぐに飽きなかったんだがー? ものすごく楽しかったんだがー?」
と、族長はカリーナの言葉に割り込んだ。
確かにこの人はとても楽しそうだったね。見てるほうが退いてしまうくらいに。
●フロッシュ・ギルアダー(ソニック・ホリック・g00750)
「判った、判った。ハチャメチャ版ビーチバレーがものすごく楽しいのは認める」
カリーナは族長に譲歩したけれど、説得はやめなかった。
「だけど、まともなビーチバレーにはハチャメチャ版とはまた違った楽しさがあるんだよ。その楽しさを知らずにいるのはもったいないって」
「なあ、こうやってグダグダ抜かしていても始まらねえから――」
と、アタシはカリーナに言ってやった。
「――アタシらがビーチバレーしてるところを実際に見てもらおうじゃん。そしたら、面白さも伝わんだろ」
「なるほど。論より証拠ってわけね」
「そういうこと。とはいえ、かく言うアタシもビーチバレーのことはまったく知らねえんだけどな」
ビーチバレーだけじゃない。そもそも、海のことさえよく知らない。たぶん、アタシが海を初めて見たのは新宿島に漂着した時だ。どうして『たぶん』が付くのかって? 漂着前の記憶がどうにも曖昧だからだよ……。
「だいじょーぶよ、フロッシュ!」
ソラが自分の胸をドンと叩いた。ちなみにエイティーンの影響で胸は何割かボリュームアップしているぜ。よかったねー。
「アタシがルールを教えてあげる!」
で、ソラがビーチバレーについて一通り解説した後――
「じゃあ、コートの準備をしようか」
――カリーナの指揮でコート作りが始まった。
まず、棒を使って砂地に線を引き、大きな長方形を描いた。
「もきゅっ!」
線に沿って走りながら、ラムが応援してくれた。
次に長方形の長い方の二辺の真ん中に柱を一本ずつ立てた。
「もきゅっ!」
ラムがまた応援してくれた。
そして、柱と柱の間にロープを張った。ソラとカリーナが言うことにゃあ、本当は網を使うんだとさ。
「もきゅっ!」
例によって、ラムが応援……。
「なあ、木綿紀。こいつ、さっきからなにも役に立ってないんだけど?」
「『応援したい』という気持ちだけでも汲んであげて」
まあ、なんだかんだでコートは完成した。
●カリーナ・アバルバネル(雲裳神龍・g04135)
アサヤケの民がコートの周辺に集まってきた。『ビーチバレーはもうお腹いっぱい』って感じだったけど、まだちょっぴり好奇心が残っているのかな。もちろん、族長もいるよ。
「審判、やってね」
コートの横に木綿紀さんが審判代わりの人形を置いた。端から見てるとフシギちゃんのような行動だけども、アサヤケの人たちは『フシギちゃん』なんて概念なんて知らないだろうから、儀式的なものだと受け取っているかもね。
というわけで……試合開始!
フロッシュさん&わたしチームVSソラさん&木綿紀さんチームだよ。
「コートの用意をしている間、ずぅーっと日に晒されていたけど、肌のほうは大丈夫?」
サーブの構えを取るソラさんにわたしは尋ねた。ちょっとした牽制。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ばっちり日焼け止め塗っといたからね。今日一日はアイドルの仕事を忘れるって決めたけど――」
微塵も動じる様子を見せず、ソラさんはボールを打ち込んできた。
「――だからといって、明日以降のお仕事のことを疎かにはしない! それが真のアイドルよ!」
つ、強い……ボールの勢いもさることながら、アイドルとしての心構えが強い。アイドル候補生のわたしも見習わないと。
「気圧されてんじゃねえよ、カリーナ!」
フロッシュさんたちがボールに食らいつき、レシーブした。何故に複数形なのかというと、何体もの残像を伴って動いているから。
「ありがとう、フロッシュさん!」
空に跳ね上げられたボールを追って、わたしはジャンプした。
そして、アタック!
自分としては会心の一撃のつもりだったんだけど――
「止まって見えますよ」
――木綿紀さんがボールを受けた。
目隠しで視界が制限されているとは思えないほど的確かつ素早い動きだね。
●月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)
何秒かのラリーが続いた後、フロッシュがまた派手に動いた。
あ? 念のために言っておくけど、私の目隠しは薄い生地でできているのよ。目の前の光景はちゃんと見えてる。
「木綿紀! これも止まって見えるかぁーっ!」
何体もの残像で軌跡を描いて跳躍し、フロッシュはボールを叩き込んできた。
「貫通撃スパァーイクッ!」
「……っ!?」
これはさすがに受け切れない……と、思ったけれど、私はなんとかレシーブトスを決めることができた。
昇竜もかくやという勢いでボールが真上に飛んでいく。
ロケットもかくやという勢いで後に続くのは、翼を広げたソラ。
「頼んだよ、ソラ」
「うん! 必殺! フライングアタァーック!」
アイドルの可愛らしさとディアボロスの雄々しさを兼ね備えた咆哮が轟き、相手のコートにボールが降った。彗星のように尾を引きながら。
「わたしに任せて!」
フロッシュに声をかけて、カリーナが回転レシーブで彗星に挑んだ。
でも、撃沈。
回転レシーブはただの回転に終わり、カリーナは砂まみれになった。
「ぺっぺっ! 口の中にまで砂が入っちゃったよ! あはははははは!」
笑い声を響かせるカリーナ。ボールを受け止めそこなったにもかかわらず、楽しそう。とても楽しそう。
観戦していたアサヤケの人たち(族長を含む)も笑ってる。そして、拍手をしている。たぶん、ソラのフライングアタックだけじゃなくて、失敗に終わったカリーナの回転レシーブや不発に終わったフロッシュの貫通撃スパイクへの拍手でもあるのでしょうね。
ビーチバレーの面白さが伝わったようでなにより。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【エイティーン】LV2が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】から
アドリブ絡み歓迎
ビスチェタイプの水着でレッツエンジョイ🎵
遊ぶ気満々ですよ私は!
蛮族の方に泳ぎ方とか教えて欲しいらしいですが
縁があるところに手を置いてばた足の練習をするといいと思います
あ、伊吹さんたちスゴい教えるの上手ですねぇ
海水浴も楽しんじゃいます🎵
元陸地ならここも生き物はいないんですかね?
まぁ今回は自由に泳げるのでそれもいいですね🎵
お、水鉄砲合戦ですか?
まーぜーてー🎵
竹水鉄砲って案外簡単に作れるんですね
では運命さん、私のお手製水鉄砲の威力見るといいです!
そのゴーグルずらして見辛くしてあげますよー🎵
その後は子供たちとかけあいに参加しますかねー
あ、人鳥さんなにをすぬわーっ
百鬼・運命
【ヨアケ】で参加
アドリブ絡み歓迎
水着は黒のサーフパンツに度入りのゴーグル
さてと現地の人達と海遊びか…月見夫妻とブレローさんは海の中で泳いだりしているみたいだし、俺は砂浜で出来る遊びを広めてみようかな?中国南部なら竹がたくさん手に入るだろうし、子供達に竹水鉄砲の作り方を教えて、水かけ合戦と行こうかな?
仲間とお互いに現地の子供たちを率いて、水を掛け合うとしよう。以前やった旅団内対抗雪合戦では、負けてしまったからな。この機にリベンジさせてもらおう。黒城さん、眉立さん、アオイさんは覚悟するといい。
って、アオイさん、ちょっと待て。顔面集中攻撃はきつい。ゴーグルがずれて視界が…
…くっ、子供達よ。後は頼む…
黒城・廉也
【ヨアケ】で参加
アドリブ連携歓迎
格好はサーフ型の水着に軽いパーカーで
塗ってくださいます?ってお話でしか見たことないッスよ…
でも俺も日焼け止めとか塗った方が良いッスかね…?
いざ、海水浴へ!さんさん太陽にきらめく水面…海水浴日和ッス!
俺も本とか読んだり人に聞いて勉強したッスよ
競争やスイカ割りとか…そうそう
水を掛け合うのも定番ッスよね
俺も水鉄砲作りに加わらせて貰っちゃうッス
おっ、アオイさんも参加ッスね。完成したら勝負ッスよ!
ふふっ…百鬼さん、今回だって負けないッスよ?
それに人鳥も…色んな人にかけてばかりだと自分がお留守ですよ!
こうして皆と楽しく過ごせたら…これもきっとかけがえの無い記憶になりますよね
月見山・伊吹
【ヨアケ】
※連携、アドリブ歓迎だよ!
エスニック柄ビキニと競泳ゴーグルを着用
旦那の千隼とヨアケの皆と現地の人達と一緒に海水浴だー!
ここの海とても綺麗だねぇ…
ひんやりしてて透明度が高いなぁ…
沖縄生まれとして海の楽しさと泳ぎ方を教えちゃうさー!
お弁当(中華料理多め)と飲み物も持ち込んだし、
日焼け止めも塗って【友達催眠】使って準備万端!
泳ぎ方なら私も教えられるよ。
小学生の時は兄さんと一緒にスイミングスクール通ってたし、
中学生の時は水泳部だったからねぇ。
まずは平泳ぎと背泳ぎとクロールを教えるね。
基本のバタ足は膝は曲げずに足の付け根から動かすんだよ。
(千隼に手伝ってもらいつつ蛮族達に泳ぎ方を教える)
ブレロー・ヴェール
【ヨアケ】で参加
アドリブ、連携歓迎
パーカーとボードショーツのラッシュガードを着用
新宿で見かけたジェットサーフを真似して蟷螂乙女をボードにして乗り回して遊ぶよ。
推進力には余裕もあるみたいだし、一人か二人は人を乗せても大丈夫そうだね。
興味のある人は一緒に乗って風とスピードを楽しんでもらうのも良いかもしれないな。
安全の為に【水中適応】も使用しておけば溺れる心配も少ないはず。
フフフ……ところでここの水は美味しかったかい?蟷螂乙女。
月見里・千隼
【ヨアケ】
※連携、アドリブ歓迎
※ラッシュガード、サーフパンツ型水着、レギンスのコーデ
こうして大人数で賑やかに海水浴して遊ぶのも趣きがあって楽しいものだ。
伊吹、そのエスニックな新しい水着…とても似合っててより大人っぽくて綺麗だな。
バタ足の練習の補助など伊吹と一緒に蛮族の人々に泳ぎ方を教える手伝いをしたり、合間に子ども達の遊び相手になるか
(ただし表情は乏しく仏頂面の上に口数は少ないが内心テンション高め)
しかし現地の人は家族連れが多いな。
伊吹が蛮族の子ども達に泳ぎ方を教えてるところを見ると、
家族や親戚と一緒に海水浴行ったような気分になる。
まだ妻の伊吹との間に子どもは生まれてないがいつかきっと…!
眉立・人鳥
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で行く
サーフパンツにグラサンで。誰かサンオイル塗ってくださいます?
俺も運命、廉也達の水合戦に参加しよう
ソーマとかアオイちゃん達にも水かけちゃお
そうやって子供達と一緒にはしゃぐとすっかな、めっちゃ可愛がるぜ
仲良くなったら肩車とかしちゃう
後はそうだな、今日は俺が子供達のボディーボードだ
ブレローの蟷螂乙女にも負けねぇぞ!
背中に乗せて泳いだり、水遊びを存分に楽しもうか
乗りたいヤツはどんどん来い、遠慮すんなよ〜
相原・相真
【ヨアケ】の皆さんと参加
サーフパンツにパーカーを羽織っています
基本はみんなが楽しんでるのを見て楽しむようなスタンス
はいはい、俺が塗ってあげますから
皆さん準備体操もちゃんとしてくださいね?
泳ぎを教えてあげるんですか?
だったらビート板でもあればいいのかな…
近くの倒木か流木でも使って作ってみましょうか
教えるのは月見里さんたちにお任せしちゃっていいですかね
(ご夫婦の邪魔になるかな?、なんて遠慮もあったりする)
あとは、荷物番でもしながら水辺でぴちゃぴちゃやっています
皆が楽しそうなら俺も楽しいし、
そういうみんなの様子をカメラで撮影して残しておきましょう
…って、人鳥さんカメラ濡れますから! 待って、勘弁!
●幕間
「俺、記憶を喪失しちゃってるもんですから、海水浴とかのこともよく知らないッスけど――」
悪魔のそれを思わせる尻尾を上機嫌な犬のように振りながら、赤い瞳の青年が仲間たちに語っていた。
「――本を読んだり、人に聞いたりして、海での遊びについて勉強してきたッスよ」
サキュバスの黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)である。
その横では、青い髪の少女が微笑を浮かべて『うんうん』と何度も頷いていた。
「泳いで競争したり、目隠ししてスイカを割ったり……色々あるらしいッスけど、アオイさんはなにして遊ぶのか決めたッスか?」
「まだ決めてません。でも、遊ぶ気満々ですよ、私はー!」
その少女――アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は『うんうん』という首の上下運動を止め、微笑を満面の笑顔に変え、声を張り上げた。
「僕は決めたよ」
と、対照的に静かな声を出した者がいる。赤い瞳と緑の髪を有した二十代後半の女。その傍らには、修道女の姿をした等身大の不気味な人形が寄り添っていた。
そう、この女――ブレロー・ヴェール(Misère tue à l'abattoir・g05009)は人形遣いなのだ。人形の名は『蟷螂乙女』。
「新宿島で見かけたジェットサーフとかいう物で遊んでみようかと思ってるんだ」
「じぇっとさーふ?」
アオイはきょとんとした顔でブレローと蟷螂乙女を交互に見た。主人のほうも人形のほうもジェット推進器付きのサーフボードなど持っていない。普通のサーフボードも持っていない。
「私はアサヤケの民の子供たちに泳ぎ方を教えてあげるよ」
快活そうなデーモンの女――月見山・伊吹(小春日和・g04125)が宣言した。
「こう見えても、泳ぎは得意なんだ。小学生の時は兄さんと一緒にスイミングスクールに通ってたし、中学生の時は水泳部だったし……」
話している間、伊吹は左手を横に伸ばして、そこに佇んでいる無想馬の首を撫でていた。無想馬の頭の上ではスフィンクスがリラックスしている。
スフィンクスの名はシフォン。伊吹のサーヴァントだ。
そして、無想馬の名はチャンディラム。その主人である黒髪紅眼の男は伊吹の右側に立ち、何条かの傷が走った顔を海に向けていた。
「伊吹……」
感情が込められていない瞳が海から伊吹へと映り、『へ』の字をキープしていた口から声が漏れた。
「その水着……とても似合ってるな……」
瞳と同様、声も感情に乏しい。
だが、伊吹は嬉しそうに微笑み、仏頂面の男――夫である月見里・千隼(清風明月・g03438)に礼を述べた。
「うふっ! ありがと!」
ちなみに彼女の水着はエスニック柄のビキニ。アオイのそれはビスチェタイプ。ブレローはパーカーとサーフパンツという組み合わせのラッシュガード。男たちは皆、サープパンツだ。
「いやいやいやいや! 『男たちは皆、サープパンツだ』って……男キャラの水着紹介、雑すぎぃーっ!」
三十がらみの長身の男が空を見上げて抗議した。
「は? 誰に話しかけてるんだ?」
隣にいた若者が訝しげな目を男に向けた。
メタな発言をした男は眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)。そんな彼を不審そうに見ているのは百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)。後者はいつも眼鏡をかけているのだが、今日は代わりに水中用ゴーグル(度付き)を装着していた。
二人が漫才めいたやりとりをしている間に――
「伊吹さーん」
――無表情な少年(当然、彼もサーフパンツ姿である)が一団に加わった。
相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)である。無表情といっても、千隼とは違い、顔つきに険はない。そして、千隼と同じように、無表情であっても無情ではない。
「倒木を削って、ビート板を作ってみました。よかったら、使ってください」
両手で抱えていた何枚かの板を相真は伊吹に差し出した。
●百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)
「サンオイル、塗ってくださらない?」
剥き出しの背中をこらに向けたのは、匂い立つような妙齢の美女……じゃなくて、三十路のおじさん。そう、眉立さんだ。これ見よがしに科をつくってる。殴りたい。全力で殴りたい。それとも、李さんに頼んで、パラドクストレインで轢いてもらおうか?
「その『塗ってくださらない』ってやつ、フィクションでしかお目にかかったことがないッスよ」
黒城さんが苦笑いしてる。
「はいはい。俺が塗ってあげますよ」
相原さんがサンオイルの瓶を手にして、人鳥さんの背中に近付いた。
でも、眉立さんは全力で拒否。
「やだやだ! どうせなら、綺麗なお姉さんに塗ってほしー!」
それは無理な注文というもの。
弱冠十四歳のアオイさんは『綺麗なお姉さん』と呼ぶには貫目不足だし(下手すると、警察沙汰になるぞ)、月見山さんは『綺麗なお姉さん』にカテゴライズできるかもしれないけど、歴とした既婚者だ(下手すると、刃傷沙汰になるぞ)。
もう一人の『綺麗なお姉さん』であるところのブレローさんは砂浜にはいない。
とっくの昔に海に入って――
「うん! これは楽しいねえ!」
――ジェットサーフを疾走させてる。
いや、あれはジェットサーフじゃないな。彼女がいつも連れている操り人形だ。いったい、どういう原理で走っているんだろう? 口から水を吸って、お尻から噴出させている……とか?
●アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)
リューロボロスさん、アンゼリカさん、翠さん、エトヴァさん、樹さんといった面々が各々で青空水泳教室を開き、アサヤケの民の人たちに泳ぎ方を親切丁寧に指南していたのはご承知の通り。
でも、すべてのアサヤケの民が教えを受けたわけではありません。水泳教室がおこなわれている時に別のことをして遊んでた人たちもいるのです。
伊吹さんの前にいる何人かの子供も水泳教室に参加できなかったクチでしょうね。
「沖縄生まれ北海道育ちの私が泳ぎ方を教えちゃうさー!」
相真さんお手製のビート板を子供たちに配って回る伊吹さん。教えられる側だけじゃなくて、教える側も楽しそう。
「北海道育ちは関係ないような気がするんだが……」
ぼそりとツッコむ千隼さん。あんまり楽しくなさそう。表情筋が職務放棄してますね。
「細かいことは気にしない! さあ、行くよ!」
伊吹さんは旦那様の背中を『パシン!』と景気よく叩き、子供たちとともに海に向かいました。少し遅れて千隼さんが続き、頭にシフォンちゃんを乗せたチャンディラムも続きました。
じゃあ、私もおつきあいしましょー! と、歩きだそうとしたのですが――
「遠慮しておきましょう、アオイさん。ご夫婦だけの共同作業を邪魔するのもナンですし……」
――相真さんに止められちゃいました。でも、そうですね。邪魔しちゃ悪いですよねー。
というわけで、なにか別のことをするべく、視線をぐるっと巡らせると……あ? 廉也さんと運命さんが子供たちを集めて、なにか面白そうなことやってますよー!
●黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)
ちょっと前に野映さんとリオーネさんが子供たちのために竹製水鉄砲を作ってたッスよね。すごく楽しそうでしたけど、それに参加しそびれた子供もいるんスよ(たぶん、別のことをして遊んでたんでしょうね)。
だもんで、そんな子たちのために水鉄砲を作ることにしたッス。運命さんと一緒に!
もちろん、子供たちの分だけじゃなくて、自分用も作るッスよー。
「運命さん! 完成したら、勝負ッスよ!」
俺が作りかけの水鉄砲を向けると――
「望むところだ」
――運命さんは鋭い眼差しをゴーグル越しに返してきたッス。
「この水鉄砲合戦で返してやる。クリスマスの雪合戦での借りを……」
「水鉄砲合戦するんですか! だったら、まーぜーてー!」
と、飛んできたのはアオイさんッス。
「大歓迎だ。アオイさんにも借りはあるからな」
運命さんはそう言うと、借りのあるもう一人の相手――人鳥さんのほうに目を向けたッス。
「当然、眉立さんも参加するよな?」
「んー。いいけど、まずはこいつらと海で一遊びしてくるわ」
『こいつら』というのは、人鳥さんに群がっている子供たち。お望みの『綺麗なお姉さん』には出会えなかったようですけど、子供にはモテモテッスね。
子供たちを引き連れて海へと向かう人鳥さんの背中を見送った後、俺は視線を横に向けました。
そこにいたのは相真さん。カメラを構えて、俺たちの姿をパシャパシャ撮ってるッスよ。
「相真さんも水鉄砲合戦やってみないッスか? きっと楽しいッスよ!」
「いえ、結構です。見ているだけで充分に楽しいですから」
「見てるだけで楽しい? 俺が楽しく過ごすことで、他の誰かも楽しくなるとは……なんか、いいッスねー」
新宿島に来る前の俺の記憶は櫛抜け状態ッス。思い出せたこともあれば、思い出せないこともあり……。
明日になれば、今日こうやって皆と楽しく過ごしたことも『過去の記憶』になるんでしょう。でも、それは絶対に櫛抜けにはしないッスよ。
かけがえのない大切な記憶だから。
●月見里・千隼(清風明月・g03438)
「はい、膝は曲げなーい。バタ足ってのは足の付け根から動かすんだよ」
ビート板を手にした子供たちが元気よく水を蹴っている。
指導しているのは伊吹。
俺はその手伝いとして来たのだが、優秀な教官たる妻は今のところは助けを必要としていないようだ。なので、ただ子供たちを見守るのみ。腹の辺りまで水に浸かったチャンディラムと、その頭に陣取っているシフォンも御同様。いや、シフォンのほうは見守るのに飽きたのか、うつらうつらとしているが。
水を蹴るばちゃばちゃという音、子供たちの甲高い声、そして、伊吹の声――それらに紛れて爆音が近付いてきたので、俺はそちらに目を向けた。
視界に入ってきたのは、沖のほうから戻ってくるブレローさんの姿。爆音の発生源は、彼女がジェットサーフ代わりにしている操り人形だ。
その人形を停止させて、ブレローさんは言った。
「これ、あと一人か二人くらいは乗せられると思うよ」
声をかけられたのは俺たちではなく、少し離れた場所で遊んでいた子供たちの一団。もっとも、全員が子供ってわけじゃない。中心にいるのは人鳥さんだ。
「興味があるなら、乗せてあげるけど?」
子供たちはそれに反応しかけたが――
「待て待てーい!」
――人鳥さんが制止した。
「ブレローの蟷螂乙女なんかよりも俺のほうが絶対に乗り心地が良いぞ! それに搭載量も俺のほうが上だ!」
「なにも人形に対抗意識を燃やさなくても……」
苦笑するブレローさんに構うことなく、人鳥さんは人形と同じ姿勢を取り、子供たちに背中を晒した。
「乗るなら、俺に乗れ! 遠慮すんな。どんどん来ーい。何人でも来ーい。さすが、俺様、百人乗ってもだいじょー……あっ? ちょっと待て! さすがに乗りすぎだって! 乗りすぎだっとぅえぇぇぇー!?」
何人もの子供たちに伸しかかられ、人鳥さんは海の底に沈んでいった。あるいはウケを取るために潜っただけなのかもしれないが……なんにせよ、溺死することはないだろう。水中適応があるからな。
ブレローさんのほうを向いて肩をすくめてみせた後、俺は伊吹に視線を戻した。あいかわず熱心かつ楽しげに子供たちを指導している。一連のコントは見ていなかったようだ。
●相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)
ファインダー越しに千隼さんを観察中。
いえ、アオイさんにあんなことを言った手前、御夫婦の邪魔をするつもりはありませんよ。ただ遠くからカメラを向けてズームしているだけです。
千隼さんは仏頂面をしています。べつに不機嫌なわけじゃなくて、この表情がデフォルトなんですよ。でも、きつく結んだ口元を0・3ミリほど緩めて微笑を浮かべているように見えないこともないですね。伊吹さんを見つめながら、なにか幸せなイメージを思い描いているのでしょうか。
「できましたー!」
と、背後から聞こえてきたのはアオイさんの嬉しそうな声。
カメラを構えたまま、俺は振り返りました。
そして、出来たてホヤホヤの水鉄砲を手にした彼女の姿をパシャリ!
「さあ、リベンジの時が来た。黒城さん、アオイさん、覚悟しろよ」
同じく水鉄砲を持った運命さんをパシャリ!
「ふふっ……覚悟するのは運命さんのほうッス。俺は今回も負けないッスよ?」
不敵に笑う廉也さんをパシャリ!
「なにやら楽しげなことが始まりそうだね。ちょっと見物させてもらおうか」
蟷螂乙女から降りて砂浜に上がってきたブレローさんをパシャリ。
水鉄砲に水を詰め終えて戦闘配置につくアサヤケの子供たちをパシャリ! パシャリ! パシャリ!
「廉也さんの言う通り。覚悟しなくちゃいけないのは運命さんのほうですよ」
アオイさんが運命さんに水鉄砲を突きつけて――
「私のお手製水鉄砲の威力を見せてあげます!」
――ピストン棒を思い切り押し出しました。
極細の奔流が宙を走り、運命さんに命中! ……するかと思いきや、彼は横っ飛びで躱しつつ、同じように自分の水鉄砲のピストン棒を押しました。
しかし、アオイさんもまた回避。そして、再攻撃。
戦火(じゃなくて、戦水でしょうか?)を交えているのは彼女と運命さんだけではありません。
廉也さんや子供たちも次々と水鉄砲を発射しました。
●ブレロー・ヴェール(Misère tue à l'abattoir・g05009)
たかが水鉄砲と侮るなかれ。ディアボロスが手にしたそれはまさに兇器。死者が出るのも時間の問題だろうねえ。
「いや、出るわけないだろう。物騒なことを言ってんじゃないよ、ブレローさん」
おいおい、運命。地の文に割り込んでくるのは野暮ってもんだよ。僕にツッコミなんか入れてないで、戦いに集中すべきじゃないかな? ほら、愛らしくも凶悪な刺客がすぐそこまで迫ってるよ。
「隙ありっ!」
「……っ!?」
言わんこっちゃない(いや、声に出して言ったわけじゃないけどね)。アオイの不意打ちを食らい、運命はのけぞった。
「そのゴーグルをズラして、見辛くしてあげますよー!」
顔面を執拗に攻撃するアオイ。確かに『愛らしくも凶悪な』とは言ったが……これは思っていた以上に凶悪だね。
「ちょ、ちょっと待って、アオイさん……顔面集中攻撃はキツいって……あぁーっ!?」
ゴーグルを完全にずらされて行動不能に陥ったところに追撃を受け、運命はついに力尽きた。
「無念だ……こ、子供たちよ……後は……頼む……」
そう言い残して。
後を託された子供たちはすぐさま行動を起こした。
運命の仇であるアオイに水鉄砲を――
「兄ちゃんが倒れたぞー!」
「チャンスだ! やっちゃえー!」
「ひゃっはー! 死体蹴りだぁーっ!」
――向けるかと思いきや、倒れ伏した運命のほうに水流を放った。彼らや彼女らには敵だの味方だのといった概念はないのだろうね。弱っている者は等しく獲物。
嗚呼、戦場とはかくも残酷なものか。僕にできるのは祈ることだけだ。せめて運命が安らかに眠れますように、と……。
「いや、眠らないよ?」
だから、地の文に割り込むのはやめようって。
●眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)
子供たちに押し潰されて悲劇の豪華客船のごとく海の底に沈んでしまった俺だが、なんとか生還することができたぜ。レイズ・ザ・ヒトリ!
這う這うの体(ちっちゃい子供がまだ二人ほど背中にしがみついてんだよ)で浜辺まで戻ってみると……そこではルール無用の水鉄砲戦争が繰り広げられていた。なんとも凄惨な光景だなあ。こいつぁ、死人が出るのも時間の問題だ。
「いや、そのジョークは既に僕が言ったから」
人様の地の文に割り込んでくんじゃねえよ、ブレロー!
てゆーか、時間の問題どころか既に死人が出てないか? サダメの奴、ぐったりと地に伏せてピクリとも動かないんだけど? おまけにゴーグルが斜めにズレて海賊の眼帯みたいになってるし。
「リベンジはなりませんでしたね、運命さん!」
アオイちゃんが水鉄砲を掲げて勝ち誇ってやがる。だが、笑っていられるのも今のうちだ。俺がサダメの仇を討ってやるぜ。
「いけ! ちびっこども!」
俺の叫びに応じて、体にしがみついていた子供たちが素早く分離し、足下の波を両手で掬い、アオイちゃんにかけ始めた。
俺自身も中腰になり、同じようにじゃぶじゃぶと水をかけまくった。
「あ!? 人鳥さん、なにをす……ぬわぁーっ!?」
俺と子供たちのトリプル波かけアタックによって、アオイちゃんはびしょ濡れになった。水鉄砲で反撃する暇もない。いや、反撃できたとしても、すぐに止んだだろう。どんなに高威力の水鉄砲であろうと、水の量は限られている。一方、波打ち際にいる俺には『海』という名の無限大の弾倉があるんだぜ。
この勝負、もらった!
●月見山・伊吹(小春日和・g04125)
「わ、私が死すとも……ディアボロスは死せず……」
運命さんに続いてアオイさんが討ち死にした。いや、本当に死んだわけじゃないけどね。
「わはははははははは!」
勝者となった人鳥さんが高らかに笑ってる。おとなげないったら、ありゃしない。
まあ、とにかく、カオス極まったウォーターバトルもこれにて終了……とはいかなかった。
「わははっ……んぐわーっ!?」
笑っていた人鳥さんの横顔に水中が直撃!
撃ち手は廉也さんだよ。いつの間にやら側面に回り込んでいたんだ。
「人鳥さん! 攻撃にかまけて防御がお留守ッスよ!」
「ぬ、ぬかったぁーっ!」
人鳥さんと一緒になってアオイさんを攻撃していた子供たちもあっさりと廉也さんに寝返った。きゃっきゃっと笑いながら、人鳥さんに水をかけまくってる。
そうこうしているうちに――
「はい、復活」
――運命さんがゾンビのようにむくりと起き上がり、ずれていたゴーグルの位置を直して戦線復帰。死体蹴りに夢中になってた子供たちも(これまた、あっさりと)運命さんのチームに加わり、周囲に水鉄砲を乱射した。
そして、アオイさんも復活。
「ディアボロスあるかぎり、私は死せずぅーっ!」
『カオス極まった』と言ったけど、実はぜっんぜん極まってなかったね。際限なくカオスってくよ。
こうなると、ウォーターバトルに参加してない者も無関係じゃあいられない。
「ふみゃあー!?」
流れ弾ならぬ流れ水を浴びて、シフォンが悲鳴をあげた。
「……」
チャンディラムも流れ水を食らったけど、静かなもんだ。我関せずって顔をしてる。千隼に似たのかしらん?
「おっと!」
ブレローさんは素早くカマキリ人形の後ろに隠れて身を守った。
でも、相真さんはそうはいかなかった。
「皆さん、落ち着いてください。俺にまで水をかけないで。あ? カメラがぁ! カメラが濡れちゃいますからぁ! 本当に勘弁し……あぁぁぁー!?」
ご愁傷様。だけど、いつも無表情な相真さんがテンパるところを見れたから、ちょっと得した気分。
さて……当然、私や千隼も巻き込まれるだろうね。だったら、やることは一つだ。
巻き込まれる前に自分から戦場に飛び込む!
「行くよ、千隼!」
「ああ……」
私が声をかけると、千隼は溜息でもつくような調子で頷いた。
なんだか気乗り薄げな感じだけど……本当は楽しいんでしょ? お見通しなんだからね。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】がLV8になった!
【水源】がLV2になった!
【友達催眠】がLV4になった!
【強運の加護】LV1が発生!
【怪力無双】LV2が発生!
効果2【ダブル】がLV4になった!
【ラストリベンジ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
瑚雛・凛櫻
【我楽多屋】
グリグリさん(グリモア)の独り言のような質問を耳にして
「友好を築くならばやっぱり私たちで海の家を開けばいいんじゃないかしら!!食べ物とか作っておいしいものの味を覚えさせれば、今後情報収集する時に食べ物見せるだけで口が割れやすくなったりするって聞いたことがあるわ!」
泳げないので陸地でなにかしら出来るコトを提案するわ
私がお料理作って【口福の伝道者】で増やしていくから、ぽややんとリナさんはウエイトレスをよろしくね!
グリグリさんは…私の料理の補助と
クーラー役お願いしていいかしら?
我楽多屋出張海の家開店よ!
タープで屋根を作って日避けして、焼きそば、冷やし中華、かき氷なんか作るわ!
リナフローリィ・エレオノール
【我楽多屋】
「マジか、砂の家…!!」
(ぽややん(レリエル)の言葉で目を輝かせるが違うと知って尻尾も耳も垂れ下がる)
「胃袋握るのかーすごくね…?」
どうやるんだろ?と浮かれ気分のキツネ
うえいとれすは最初はやるけど段々大変になってきて、一番涼める場所で暫くはきっちんで【おいしくなぁれ】をしてサボる
「おいしくなーるーおまーじーなぁい♪」
手と尻尾をゆらゆらと揺らしておしいくしていく
だから実質サボってはいない(キリ
でもお腹空いたらちょっとだけかき氷とか食べるかもしれない
「んまー!」
「ぽややん…この客捌けること?大丈夫?ちゃんと終わらせて砂のお城作れる?」
キツネは少々訝しんだ
レリエル・モーガン
【我楽多屋】
海ノ家!イイでスね!砂デ作るんデしょうカ?それとも塩?(激しく勘違い)
(食べ物の話聞いてハッと顔を赤くしつつ)
えっト、さ、最初かラ、ワタシは、そう思っテいましタよ!(妙に大声&ぐっと拳を握りドヤ顔)「胃袋ヲ握ル」とイうヤツですネ!
凛櫻さんの指示には
わかりまシタ!看板娘(三十路)でスね♪
たくさんお客サマにさーびすシます☆
お狐様がサボる=走り回るハメに
それでも尻尾の動きを思い出し
り、リナさん…それでハ、お店が終わってカラ、ワタシとお城を作ルためニ、頑張リまショう?(勿論砂でという感じで砂浜を指差すも冷静なツッコミを受けてウッとする)
な、為せば成る!なノ!です?(自分でも疑問に思いつつ)
グリモア・グリモワ
【我楽多屋】
時先案内人さんのご説明通り
少しでも人脈や縁が広がれば(交流する経験も)商いの足しになるかと思って参加です
しかし単純に友好を深めるだけの方が良い様な気も…
それだと少し…個人的に…苦手な分野かもしれません…
(成果や根拠が無いと腰が上がらないタイプ)
こういう場合は…(表情を変えないまま手を口元に持っていき)
ふむ。と小声を漏らし
「あのぅ、凛櫻さん、リナさん、ぽや…あっいえ…レリエルさん、海での遊びは何がおすすめですかね?」
意見を募ろうとメンバーを振り返る
凛櫻さんからの指示を得て「お任せ下さい」
(表情に変化はないが)声に安堵の色を含ませて【冷気の支配者】準備
やはり仲間とは良いですね(無表情)
鳴神・雷羅
【電脳遊戯】
夏で海と言えばやっぱこれだよな!
でっかく丸々としたスイカ1玉!
あー、ここの蛮族たちはスイカ割りとか知らねえのか
いい機会だ。教えてやろうぜ
目隠しして体をぐるぐる回転させて
視界が真っ暗な中で、スイカの気配と仲間の誘導を頼りにスイカを叩き割るんだ
あ、嘘教えるのはやめとけ?こいつらすぐ信じちゃうから
おー、なかなか筋がいいじゃねえか
じゃああたいの番だな
バールのようなものを振りかざして
気合熱血集中必中怪力強打で
おりゃああああああああああ!!
……どうするよ、この粉々になったスイカの残骸(汗)
ビニールシート敷いてっから砂埃は被ってねえが
我ながらいくら何でもやり過ぎたぜ
もうジュースにした方が早くね?
ウツロ・ジャレット
【電脳遊戯】
せっかくの夏だろう?ここは甘いスイカで恒例のアレで遊ぼうぜ?
ほ~らガキンチョ共、遊びたいヤツ、甘い物食いたいヤツは集まれ~☆
ん?スイカ割り知らん?ああ、まずスイカがわからん。なるほど!
ま、実際にやって覚えようぜ。ルールは簡単!目隠しをしてあの丸い球を殴って割る。簡単だろ?
周りのヤツは応援だ。そう、『応援』。君達は、あの丸い球…スイカまでの道案内を声でしてもいいし、なんなら嘘を教えて海まで誘導してもいい。HAHAHA☆
ま、初めてだし力一杯ブッ壊しても御愛嬌☆上手く割れたら俺から全員に『アイスキャンディー(スイカ味)』のプレゼントだ!
…直後のスイカの爆発で全身スイカ塗れも御愛嬌だ☆
●幕間
「夏の海と来りゃあ、やっぱアレしかねえよなあ」
『眼光鋭い』という言葉でもまだ足りないほどに厳めしい面構えの女がちらりと横を見た。
「イエース! あの甘くて憎いアレしかないぜぇ」
紫色の派手なアロハを羽織った男が女に視線を返し、口角を上げてニヤリと笑った。もっとも、唇の両端から縫い傷が走っているため、口角を上げなくても笑っているように見えるが。
女は鬼人の鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)。
男はリターナーのウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)。
念のために言っておくが、二人して悪事の相談をしているわけではない。
「なんなんだろう、このアメコミのヴィランと往年のVシネのアクション担当サブヒロインみたいなコンビは……」
雷羅とウツロの傍では、眼鏡をかけた少女が二人の存在感に圧倒されている。
しかし、なんとか気を取り直して、その少女――瑚雛・凛櫻(滅びの箱庭、綻びの記憶・g00518)は別の者たちに目を向けた。
『別の者たち』は三人。三十がらみの銀髪の女、同じく銀髪を有した(しかし、遙かに若い)妖狐の娘、ピンクの髪を左右でまとめた小学校低学年程度の女児。
「あさやけノ人タチト交流ヲ深メル方法ハ決メマシタカ?」
と、誰にともなく尋ねたのは三十がらみの女。
リターナーのレリエル・モーガン(ゆるふわぽややん巫女・g03811)――通称『ぽややん』である。
「なんでもいいけど……できるだけ楽な方法がいいな」
妖狐のリナフローリィ・エレオノール(偽物ワールズエンド・g03639)がぼんやりとした調子で呟いた。
「私としては楽かどうかではなく、実利的な成果の有無が重要なのですが……とはいえ、単純に友好関係を築くだけのほうが良いような気もしますね。そういうのは苦手ですけども」
三人目のグリモア・グリモワ(自立型復元ユーティリティ・g03809)が大人びた語調で意見を述べた。
そして、凛櫻に問いかけた。
「相手を喜ばせて友好関係を築きつつ、実利的な成果も得られるという手段はあるでしょうか?」
●鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)
アタイとウツロがやいやい話してるすぐ横では、女子四人が膝をつきあわせていた。
「相手が喜んで、こっちも得するWin-Winな手段か……あ? 海の家を開くというのはどうかしら?」
と、他の三人に提案したのは凛櫻だ。
「海ノ家? イイデスネー!」
「ふむ。悪くないと思います」
レリエルとグリモアが賛成票を投じた。前者は興奮気味だが、後者は無表情。顔だけ見たら、反対しているように思えるかもな。
「ヤッパリ、ソノ海ノ家トイウノハ砂デ作ルノデショウカ? ソレトモ、塩トカ?」
おいおい。レリエルの奴、なんか勘違いしてんじゃねえか?
その勘違いにリナフローリィが反応した。
といっても、勘違いを正したわけじゃなくて――
「え? 砂の家?」
――目をキラキラ輝かせて、耳をピンッと立てて、尻尾をブンブン振ってやがる。
「ソウ、砂ノ家デス! 既ニれいサンガ子供タチト一緒ニ砂ノ城を作ッテイマスガ、アレニ負ケナイクライ綺麗デ立派ナ家ヲ築キマショウ!」
「うんうん。築こう、築こう」
レリエルとリナフローリィはがっしと手を握り合い、ともに『海の家』の建設を誓った。あー、痛々しくて見てらんねえわ。
凛櫻も痛々しく思っているだろうが、当事者としては『見てらんねえわ』なんて言えるわけもねえよな。ものすごく申し訳なさそうな顔をして(いや、凛櫻はなにも悪くねえんだけどな)、二人の間違いを訂正した。
「あの……海の家っていうのはね、砂で出来た家じゃなくて、海水浴に来た人たちに軽食とかを出すお店のことなんだけど……」
「えー!?」
残酷な(?)真実を知らされ、リナフローリィはしょぼーん状態。ピンッと立ってた耳は水平に近い角度まで伏せられ、ブンブン振られてた尻尾も力なく垂れ下がっちまった。
●瑚雛・凛櫻(滅びの箱庭、綻びの記憶・g00518)
リナさんと同じようにぽややん(レリエルさんのことよ。念のため)もヘコんで……いるかと思いきや、なぜかドヤ顔を決めてる。かなり引き攣ったドヤ顔だけどね。これが漫画なら、顔に汗マークが付いてること間違いなし。
「ハァ? 『海ノ家』トイウ言葉ガ飲食店ヲ意味スルコトクライ、知ッテマスケドー? 常識デスカラ。エエ、常識デスカラ。ワタシ、チョット冗談ヲ言ッテミタダケデス」
嘘つけ、こらぁーっ! ……と、ツッコみたい衝動を理性でなんとか抑えつけて、私は海の家の有用性について語った。
「排斥力があるから、アサヤケの民は私たちのことを忘れてしまう。だけど、海の家で美味しい食べ物を提供すれば、その味を舌が覚えるんじゃないかな? で、次に来た時にまた食べ物をあげたりすれば、情報収集とかもスムーズに進むかも!」
「ナルホド! 『胃袋ヲ掴ム』トイウヤツデスネ!」
「え?」
と、リナさんが目を丸くした。
「胃袋を掴むとか……すごくない?」
「いや、リナさん。なんか怖い勘違いをしてない?」
私はリナさんの誤解を訂正しようとしたけれど――
「怖くなんかねえだろぉーっ! むしろ、自然な発想じゃん!」
――横からウツロさんが割り込んできた。
「胃袋だけで終わらせるな! やるからには徹底的に! そう、腸も肺も心臓も鷲掴みにしちまえぇーっ! Yeaaaaah!」
「いいかげんにしな! カタギの衆に迷惑かけんじゃないよ!」
雷羅さんがウツロさんの後頭部を叩き、襟首を掴んで引き戻した。電光石火のアクションだったので、『いえ、こっちの面子もカタギには程遠いんですよ』と言う暇もなかったわ。
「では――」
と、なにごともなかったかのようにグリグリさん(グリモアさんのことよ)が口を開いた。
「――海の家の準備を始めましょうか」
●グリモア・グリモワ(自立型復元ユーティリティ・g03809)
柱を立て、梁や桁を渡し、垂木を組み、凛櫻さんが持参したタープを屋根にして……簡素ではありますが、私たちの海の家が完成しました。
「それぞれの分担を決めましょうか」
と、凛櫻さんが皆に言いました。
「料理は私が作るわ。『口福の伝道者』を使うから、各料理を一人分だけ作れば、大人数にも対応できるはず。ぽややんとリナさんはウエイトレスをお願いね」
「イワユル『看板娘』トイウヤツデスネ。オマカセクダサイ♪」
ぽやや……いえ、レリエルさんがアイドルめいたイタいポーズを決めました。もう少し若ければ、『イタい』ではなくて『可愛い』と評することもできたかもしれませんが。
当人もそれが判っているのか、ポーズを決めたままの状態で泣き笑いのような顔を見せました。
「モットモ、三十路デモ『娘』ト呼ベルカドウカハ疑問デスガ……」
「そういう自虐はやめよう? 誰も得しないからね」
凛櫻さんがレリエルさんを慰めて(?)いると――
「レディース・アンド・ジェントルメェーン! アァァーンド、ガキンチョーズ!」
――奇矯極まりない咆哮が背後で轟きました。
振り返ると、そこにいたのは……言うまでもありませんよね? そう、ウツロさんです。
「遊びたいヤツや甘いもの食いたいヤツは集まれーい! 夏のフーブツシであるところのスイカ割りを派手にやるぜぇー! ……つっても、スイカ割りなんか知らねえか?」
「いや、知ってるぞ。おまえらのお仲間がやっとった遊びだろ?」
と、アサヤケの民の族長が言いました。『おまえらのお仲間』とはシャナオウさんと花瑞月さんのことでしょう。
●リナフローリィ・エレオノール(偽物ワールズエンド・g03639)
「ちっちっちっ!」
族長の言葉を聞くと、ウツロは口の前で人差し指を振った。なんというか……マイペースと評されることが多いボクでも、ちょっとイラっとせずにいられない仕草だね。
「これから始めるスイカ割りはそのスイカ割りたぁ、一味も二味も違うぜ。なにせ――」
ウツロは、はだけたアロハシャツの中に手を入れたかと思うと、そこから一玉の大きなスイカを取り出した。たぶん、アイテムポケットに収納してたんだろうね。
「――本物のスイカを使うんだからなぁー!」
「皆、よく聞きな。スイカ割りってのは、その名の通り、スイカを割る娯楽だ」
アサヤケの民の人たちに語りつつ、雷羅がウツロからスイカを受け取り、あらかじめビニールシートを敷いていた場所に持って行った。
「だが、普通に割ったんじゃあ、面白くもナンともねえ。目隠しされた挙げ句に体をぐるぐる回転させられた後、真っ暗な視界の中でスイカの気配と仲間の誘導を頼りにスイカを叩き割る――それがスイカ割りさ」
「とはいえ、仲間がスイカに誘導してくれるとは限らないぜ! スイカ割りは裏切り上等の過酷なゲーム! IWSF(国際スイカ割り連盟)の公式レギュレーションにも『応援者は選手に嘘を教え、海まで誘導してもよい』と明記されてっからなっ! HAHAHAHAHA!」
「それこそ、嘘だろうが! なにも知らねえヤツらにデタラメ吹き込んでじゃねえよ!」
スイカを置き終えた雷羅がウツロに強烈なツッコミを入れた……うーん。怖いんだか面白いんだがよく判らない二人組だ。
まあ、スイカ割りはこの人たちに任せて、ボクは海の家に専念しよう。そうしよう。
で、その海の家での役割について、グリモアが凛櫻に確認した。
「凛櫻さんが調理係で、リナさんとレリエルさんウエイトレスということですが……私の担当は?」
「料理を手伝ってよ」
と、即答した後で凛櫻は付け加えた。
「あと、『冷気の支配者』でクーラー役をやってほしいんだけど、お願いできる?」
「承知しました」
グリモアは頷いた。毎度のごとく、無表情で。
でも、ほぉーんのちょっぴりだけ声が弾んでいるように思えるのは気のせいかなー? どうかなー?
●レリエル・モーガン(ゆるふわぽややん巫女・g03811)
「我楽多屋出張店――一日限定の海の家、営業開始!」
凛櫻サンノ高ラカナ宣言トトモニ海ノ家ガ開店シマシタ。
あさやけノ民ノ人々ハ既ニ巨大昆虫料理(冷桜サン作)&べじたぶるすーぷ(れいサン作)ヲ食ベテイマスカラ、オ腹ハ空イテナイカモシレナイ……ト、危惧シテイタノデスガ、ソレハ杞憂デシタ。沢山ノ人ガヤッテキッテ、次カラ次ヘト凛櫻サンノ手料理(ヲ『口福ノ伝道者』デこぴーシタモノ)ヲクチニ運ンデイキマス。
「これを三番のお客さんへ……」
「ハイ」
クーラー係ヲ兼ネタぐりもあサンニ託サレタ料理ヲとれいニ乗セテ、オ客サンノ元ヘ……アア、忙シイ、忙シイ。繁盛シテイル(トイッテモ、あさやけノ民カラ代金ハイタダイテナイノデ、タダ働キデスガ)ノハ結構デスガ、私一人ダケデハトテモ手ガ足リマセンネエ。
……ッテ、チョット待ッタァーッ! ナンデ『私一人ダケ』ナンデスカ! モウ一人ノうえいとれすハ何ヲヤッテルンデスカー!
私ハうえいとれすノ仕事ヲ一時的ニぐりもあサンニ代ワッテモラッテ、海ノ家ノ裏ニ行ッテミマシタ。
スルト、ソコデハ――
「おいしくなぁーるぅーん、おっまじぃーなぁぁぁーい♪」
――狐娘ガ尻尾ヲ振リ振リシナガラ、料理ニ『おいしくなあれ』ヲ仕込ンデイマシタ。
「さぼッチャだめデショ、りなサン!」
「え? サボってないし。これ、料理を美味しくする作業だし」
「トカ言ッテ、ソノ料理ヲ自分デ食ベタラ意味ナイデショウ」
「食べてないし」
「クチノマワリガそーすマミレナンデスケドォ?」
「……」
りなサンは無言デクチノマワリヲごしごし拭イマシタ。ヤレヤレ……。
溜息ヲ一ツツイタ後、私ハ諭スヨウニ(トイウカ、アヤスヨウニ?)言ッテ聞カセマシタ。
「オ店ガ終ワッタラ、私ト砂ノオ城ヲ作ッテ遊ビマショウ。ダカラ、ソレマデハ頑張リマショウヨ、りなサン。ネ?」
「んー?」
りなサンハ首ヲカシゲマシタ。
「お店が終わった時はもう疲れ切ってて、お城なんか作る余裕はないんじゃないかな?」
アー、ソウカモシレマセンネ……。
●ウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)
凛櫻たちの海の家は大盛況のようだが、俺と雷羅のスイカ割りショーも負けちゃいねえ。結構な数のギャラリーに囲まれてるぜ。
だけど、ちょっと盛り下がってんだよなぁ。十数人のアサヤケの民が挑戦したんだが、いまだに成功者がゼロだからよ。
こうなったら、しょうがねえ。奴さんに盛り上げてもらおうか。
「ここで真打ちの登場! FIFPA(国際スイカ割り連盟)のトップランカー、ライラ・ザ・ゴクドーデスペラードだぁーっ!」
「なんだよ、ゴクドーデスペラードって? つーか、IWSFじゃなかったのかよ?」
とかなんとかブツブツ言いながらも、雷羅は配置について目隠しをつけ、愛用のバールを手にすると、その場でくるくると回った。
そして、歩き始めた。めちゃくちゃ凄まじい殺気を全身から放ちながら。
その殺気を感じ取ったのか、離れたところにいたアサヤケの民も集まってきって、ギャラリーの輪が大きくなった。海の家で飯をかっ食らっていた連中も手を止めて注目している。凛櫻とリナフローリィとレリエルとグリモアもな。
「右、右!」
「違う、左ぃ!」
「そこ、石があるから、気をつけて!」
最初のうちはギャラリーも指示を送っていたんだが、暫くすると全員が口を閉じちまった。
そんなもんは必要ないと悟ったんだろう。雷羅は皆のナビにまったく耳を貸さず、それでいて確実にスイカに近付いてんだからな。心眼でも持ってんのか? それとも、野生の勘?
やがて、我らがゴクドーデスペラードはスイカの手前で立ち止まると、上段に構えていたバールを更に高く振りかぶり――
「どぅおぉりゃあぁぁぁぁぁーっ!!」
――地球を叩き割った。
あ、違うわ。スイカだ、スイカ。
こうして、スイカは割れた。正確に言うと、粉微塵になった。当然、ギャラリーは果汁まみれだ。もちろん、俺も。海の家の娘たちも。しかし、まあ、こういうのも御愛狂。もとい、御愛嬌。
「もしかして、鬼人変とか使いました?」
「ボク、生まれて初めてスイカに同情しちゃった」
「『実ハ雷羅サンコソガ断片ノ王』説ヲ提唱シマース」
「……」
海の家の娘たちは三者三様に呆れて果ててるぜ。何故に四者じゃないかというと、グリモアだけは無言&無表情だから。
でも、いちばん呆れてるのは当の雷羅かもな。
「我ながら、やり過ぎちまった……」
目隠しを取って、惨状を見回しているよ。ちなみに雷羅の顔も果汁で斑になってんだが、目隠しのせいで目の周りだけは無傷だったりする。
「どうするよ、この粉々になったスイカの残骸? もうジュースにでもするしかねえか?」
そいつぁ、いいな! 凛櫻たちの海の家のメニューに加えようぜ! HAHAHA!
●終幕
やがて日が暮れ、ディアボロスたちは帰路についた(リナフローリィの予想通り、砂の城を作る余裕はなかった)。
夏の日の思い出とともに。
一方、彼らや彼女らを見送ったアサヤケの民は今日の思い出を忘れてしまうだろう。
しかし、水泳は少しだけ上手くなっているかもしれない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【冷気の支配者】がLV2になった!
【怪力無双】がLV3になった!
【アイテムポケット】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
【リザレクション】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV2になった!