【機械化ドイツ帝国奪還戦】アイゼンシュロットの挽歌(作者 月夜野サクラ
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#機械化ドイツ帝国  #【機械化ドイツ帝国奪還戦】ファルケンハイン  #機械化ドイツ帝国奪還戦  #ファーストアタック  #エーリッヒ・フォン・ファルケンハイン  #ビスマルク落下コース情報 

「この俺が、エーリッヒ・フォン・ファルケンハインが送った増援はどうなったのだ? 何故、ベルリン王宮が陥落する!」
 機械化ドイツ帝国はルール炭鉱の奥深く。薄暗い坑道の一角に、中年男の怒声がわんわんと響いていた。
「陛下も陛下だ。なにが、『国を貪らんとする者どもに、領土を渡すことなかれ』だ。壊すぐらいなら、俺に王位を渡せばよかったのだ!」
 口ひげを蓄えた壮年の軍人――ファルケンハインは厳めしい顔を真っ赤にして、凄まじい剣幕でまくし立てる。しかし人の話を聞いているのかいないのか分からない『でき損ない』の兵士達は、指揮官の憤激を意に介した風もなく、茫洋とあらぬ方向を見つめている。それが、焦り苛立つファルケンハインには殊のほか気に食わなかった。
「この鉄屑が!!」
 手近な一体を力一杯殴り倒し、男は吼えた。そして、痛みに呻く兵士にはそれきり目もくれず、長い外套を翻す。
「まったく……ルールに残された戦力が少なすぎて、こんな鉄屑まで使わねばならん。とにかく炭鉱の守りを固めて、ビスマルクの落下に備えるぞ!」
 なんとしても生き延びてやる――ぎりりと奥歯を軋らせて、ファルケンハインは右の拳を握った。しかし募る焦りを抑え込むことはできずに、額には冷たい汗が滲み出す。
「くそっ、……どうしてこうなったのだ!」

●ACHTUNG!
「みんな、お疲れさま。ついに機械化ドイツ帝国奪還の時が来たのね」
 日に日に春も深まる新宿島はグランドターミナルの一角。集まった大勢のディアボロス達に呼び掛けて、グレーテル・ベッカー(人間のレジスタンス諜報員・g01436)が言った。
 昨年八月の刻逆から、早数ヶ月。機械化ドイツ帝国の『断片の王』、皇帝ヴィルヘルム2世との決戦で奇跡的な勝利を収めた復讐者達は、今、ドイツを中心とした欧州の一部を最終人類史に取り戻す『機械化ドイツ帝国奪還戦』に向けて動き出そうとしている。しかし、彼等を取り巻く状況はそう単純でも、簡単でもないらしい。
 栗色の髪の下、青い瞳を険しくしてレジスタンスの娘は言った。
「断片の王ヴィルヘルム2世は確かに死んだわ。だけど、帝国の上空には空中要塞ビスマルクが浮いてるし、隣り合ったディヴィジョンからも、帝国の領土を奪い取ろうとする勢力が次々に入り込んで来てる。つまり、私達は同時に、多方面の敵に対処していかなきゃならないってわけ」
 いずれも捨て置けぬ課題ではあるが、中でも最も憂慮すべきは、空中要塞ビスマルクの自爆特攻だろう。ビスマルクを制圧し、その自爆を回避することができなければ、機械化ドイツ帝国の領域は永久に最終人類史から失われてしまう――それだけは、なんとしても避けなければならない。戦いの主導権を握り、ビスマルク攻略を少しでも容易にするためにも、できる限り早い段階で敵の戦力を削いでおくことが望まれるだろう。
「そういうわけで、みんなにはジェネラル級ゾルダート『ファルケンハイン』が隠れてるルール炭鉱へ向かってもらいたいの。ファルケンハインはビスマルクの自爆特攻からどうにか生き延びようとして、炭坑に閉じこもってて……その出入り口を、沢山の『鉄屑兵』が固めているみたい」
 改造手術に失敗した、でき損ないのゾルダート達。炭坑にひしめく彼等に知性はほとんど残っていないが、手術の後遺症から身を切るような苦痛に苛まれる彼等は、いざ戦いとなれば死に物狂いで向かってくるだろう。そのパワーは、『失敗作』と侮ってかかれるものではない。
「鉄屑兵の総数は、はっきり言って把握できていないわ。炭坑の入り口に展開しているものだけでも相当数が確認されてるようだけど、それは氷山の一角でしかないはず」
 一度の作戦で倒し切ることはまず不可能――そのため、一定の損害を与えたら撤退し、態勢を立て直して欲しいとグレーテルは言った。

「この段階でどれだけ敵の戦力を削げるかによって、決戦当日の動き方も変わってくるわ。私達の国をこの世界に取り戻すためにも、どうか力を貸して頂戴」
 ただしくれぐれも、無理をし過ぎないよう気をつけて。
 見つめる青の瞳には、送り出すことしかできない彼女のもどかしさが滲んでいた。祈るような視線に背を押されて、復讐者達はパラドクストレインへと乗り込んでいく。その行き先表示板は、機械化ドイツ帝国・ルール地方を示していた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

月夜野サクラ
お世話になっております、月夜野です。
以下依頼の補足となります。
==================
●選択肢について
 集団戦①のみのシナリオとなります。
 目的はルール炭鉱を守る『鉄屑兵』の撃破ですが、敵の数が多く、すべてを倒すことは不可能なため、ある程度の損害を与えたら撤退してください。
 集団戦ではありますが、戦争の前哨戦ということで、ドイツ奪還にかける皆様の想いなどがあれば積極的に描写していきたいと思います。

==================
●時間帯と場所
 時間帯は日中。
 場所は、敵将『ファルケンハイン』が籠城するルール炭鉱の入り口付近となります。

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●諸注意
・必要成功数を大幅に上回る場合、プレイングの内容に問題がなくても採用できない場合がございます。
・プレイングの受付状況については、MSページも合わせてご確認ください。
・基本的に「選択肢ごとにまとめて採用、まとめてリプレイ」ですが、人数が多い場合や行動がばらつく場合、ある程度分割するかもしれません。特定の同行者以外の方との絡みがNGの場合は、お手数でもプレイング中でお知らせ下さい。
・武器(アイテム)や技能のみでクロノヴェーダにダメージを与えたり、パラドクスのような超常的な効果を得ることはできませんのでご注意ください。
==================

それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ノイン・クリーガー
無理矢理改造された挙げ句、敗戦国の自決につき合わされるとはな……。
もはや死によってしか解放してやれないこと、許せ…!

【接近強襲】を発動。
素早く【突撃】を行い、アームクローとファイティングカランビットによる【斬撃】で切り裂く。
相手の反撃に対しては【神速反応】を使い、防御か回避を行う。

何人か撃破したら囲まれる前に発煙弾で煙幕を張り、煙に紛れてながら撤退する。

いつ来ても嫌なところだな、ルール炭鉱は。


神之蛇・幸人
……酷いな。どれだけの間、苦しめられてきたんだろう
揺らげば却って苦しめる。声を聴いても落ち着いて、普段通りに【呼吸法】

立ってるだけでも、辛いよね
こっちから仕掛けに行くからだいじょうぶ
妖刀──蘇芳にパラドクスの水流を纏わせて接近、
薙ぐように刃を振るう
振るう勢いと水圧で、斬った相手を周囲の敵にぶつける【吹き飛ばし】
できるだけ早く楽にしてあげたいから、一度に一人を確実に斬る
でも、敵全体の動きを少しでも阻害したいな

高熱の波動には水流を放って威力を弱めたい
爪の連撃は懐に飛び込む方が対処しやすいかな
身を低くして一息に駆ける【ダッシュ】

痛いこと、もう何もないようにするから
……少しだけ、待っててね


ノスリ・アスターゼイン
『赦せない』って言葉をさ
他者が言えたものじゃあないと
普段は思っているけども
今は――

赦すものか、と心が震える

口調は常のまま
眼差しだけは
ひたりと兵群へ

飛翔を駆使し
追う視線を翻弄しつつ
ふわりと舞い降りる鉄屑兵の背後
或いは上空から

これ以上の痛みは
もう
あんた達には不要だろう

助けや痛苦を訴える声に淡く笑んで
うん、と
ただ素直な短い首肯

せめて
双翼魔弾の魔力のひかりが
死路を迷わず進む為の導きの灯火になると良い

極力
其々の最期を長引かせず一息に葬る為
皆と声を掛けあい連携しよう

体力残と
戦況をよく見
撤退時期を誤らず

必ず助けるよ
なんて
去り際の約束すら
彼らの救いには到底なりやしないだろうけど
己への誓いとして胸に刻んでおこう


レイ・シャルダン
陸(g01002)さんと一緒です。
連携・アドリブ歓迎です。

先日大丈夫と伝えたばかりなのに。
いざ…こう…目の前にするとやっぱり…

不安が押し寄せてしまう。
私達がもし間に合わなかったら私の故郷は…。

狭く閉じかかっていた視界が開く。
すぅ…。
はぁ……。
そうだ、今までの頑張りは決して無駄じゃない

はい!全力でぶつかってきます!

フライトデバイスを起動して"飛翔"し
敵に"空中戦"を仕掛けます。

鉄屑兵…
まだ、こんなに大量に…
この国は…
一体どれだけの人の命を…!
もてあそんで…!

一人でも多くの鉄屑兵を開放してあげなきゃ…。
……あんまりだ…。

掌に蒼く輝く光を放ち、機械魔導弓に矢を番え
地上に向けてありったけの矢を放ちます


竜城・陸
レイ(g00999)と共に

――大丈夫だよ、レイ
不安に思うことは何もない

このために力をつけてきたのだろう?
その志も、想いも、力も、無駄にはならない
……させないから
思い切りぶつけておいで
支えるよ、ここで

生み出した氷剣で足を縫い留め、動きを鈍らせ
レイの攻撃を援護していくよ
既に弱った標的がいるのなら、その撃破を優先
前哨戦だ、数を減らすことを旨とすべきだろう

……彼らも望んでこうなったわけではないだろう
救えなかったものがあまりにも多い
だけれど、だからこそ
これ以上救える筈のものを取りこぼしはしない

互いに孤立しないよう位置取りに気を配り
連携を崩さぬよう戦うよ

常に彼女の負傷には気を配り
撤退の機は見誤らぬよう


レオンハルト・アストレイア
アドリブ連携歓迎

(深く長いため息をついて)
利用して搾取して使い潰して、その結果がこれっすか?
しかも親玉は引きこもって生き延びようとするだなんて、外道にも程があるでしょう。
必ず引きずり出して潰してやる、そのためにも戦力は削らせてもらいますよ!

やることは至極単純、「六刃乱舞」で敵群を斬り捨てていきます
敵とはいえ苦しんでいるのは見てられないので極力一撃で倒します
反撃は【一撃離脱】を繰り返して回避、それが困難なら【オーラ操作】で防御力を強化した《盾の紋章》で防御します
「案ズルナ、スグニ楽ニシテヤル!」

一定の戦力を削ったら、包囲される前に撤退します
首を洗って待っててくださいよ、ファンケルハイン殿?


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
残留効果は相互活用

ルール炭鉱の兵は随分と潰させてもらったな
王宮への増援も潰した……ああ、尽く潰す、ファルケンハインの兵を
……炭鉱の一作戦毎、忘れはしない
利用した兵達の痛みを知るといい
……取り戻す為。翔け抜けよう

【飛翔】し空中戦
戦場を偵察、観察し敵の布陣と数を把握
引き際の見極めも行う

味方と連携し、可能なら敵部隊の一部を包囲か集中攻撃
隙を看破した相手から撃ち
味方と狙いを合わせて数を減らす

反撃には魔力障壁を展開し、攻撃動作を観察、看破し
飛翔で立体回避

程良く戦力削減するか、囲まれるなど不利の気配、または味方が深手を負う前に撤退
撤退時は負傷者の移動を補助し援護を行う


ラヴィデ・ローズ
鉄屑呼ばわりの改造兵
彼らにも個々の夢や思想があった筈だと思えば
捻じ曲げられた姿に、仄暗い憤りを覚えずにはいられない
けれど

おいしい菓子も歌劇も、他にも
この国をもっと楽しみたいからさ

取り戻しとくよ、キミたちの生きた世界
大言壮語を饒舌に
口約束に誓って。夢見るように戦場に立つんだ

パラドクスはレゼル(長弓)にて
前に出る者がいれば射て援護
熱波はSweetieの花霞の結界術と忍耐力で凌ぎ
バックステップで波の外へ逃れつつ、動力炉へ引き撃ちを
熱が高まりきる前、
――叶うなら彼らがまだ、人の形を留め死ねるうちに

退路側の兵士は優先撃破。孤立せず仲間と共に撤収

籠もる臆病者には
再会を心待ちに、眠れぬ夜を過ごしてもらおうか


御森・白露
真輝殿(g04665)と共に

手前勝手な都合で改造され、失敗作と打ち捨てられた鉄屑、か。
……クロノヴェーダ相手にこう思う事なぞ無駄かもしれぬが、哀れじゃな。
これだからゾルダートは好かぬ、殊更にな。
ゆくぞ真輝殿。死んでいないだけの兵を終わらせてやろう。

坑道内で大きく動き回る訳にもいかぬ。それでいて一撃で斃せるだけとなると……
【精神集中】にて連撃の隙を見極め、【呼吸法】で踏み込みを強化、真輝殿と同時に【早業】で【一ノ刻】を放ち、【斬撃】で【両断】じゃ。

「やめて、こないで」――済まぬな。最後の意志まで踏み躙る事になる。
機械油と血の混じり物を振り払って納刀。

深追いは不要じゃな。何体か斬れば足早に帰るぞ。


矢木・真輝
※技能・効果は積極利用
※のんびり口調モード

白露(g05193)と、一緒。

むぅ……なんか、こわいね、あの人たち。
ヒトじゃ、なかった……。
ん。倒せば、いいんだね。

白露の、『一ノ刻』、真似したパラドクスで、一緒に、戦うよ。
離れない、ように、囲まれない、ように、並んで、歩こう。
正面の敵、それぞれ、斬りながら、進むよ。
もし、囲まれたら、背中合わせ、だね。
えっと、擬像刀で、<貫通撃>とか、<両断>するね。
敵の攻撃は、<オーラ操作>で、擬像刀本体か、鞘で受け流すよ。

ん。わかった。帰れなく、なったら、困るもんね。
ちゃんと、一緒に、帰る。


笛島・他助
ったく、あの皇帝ホント慢心して無かったな。自分が死んだ後の事バッチリじゃねぇか。
ま、しゃーねぇし目の前の鉄屑でもテキトーに掃除しに行くか。

数も多い事だしあんまステルスでは行けなさそうだな。それに見た感じあんま視界でこっちを感知してるようには見えねぇんだよな。音か匂いか?
なんでもいいか。とりあえず復讐の刃で手榴弾を召喚して、近付きすぎねぇように投擲しながら逃げ回るぜ。こないでって言ってんだし従ってやるぜ。
つかテキトーに爪振り回し過ぎだろ。危ねぇなぁ。
囲まれちゃかなわねぇし、標的は常に視界に入れつつ立ち回んねぇとな。
うっかり近寄られちまっても飛び退きながら手榴弾を土産に置いとくようにはしておくぜ。


飛鳥・遊里
よお、アンタ達。大変だな?こんな負け戦に駆り出されてさ?
…ああ、本当に気の毒だと思うよ。アンタ達の誰一人としてこんなこと
きっと望んでなかっただろうにな

だから…俺が終わらせに来た。悪夢は今日で終わりだ

【ビットコンダクター】起動。呼び出せる最大数の【キャノンビット・デバイス】を呼び出す

【マルチウェポンデバイス】をガトリング砲に変形させ、キャノンビットと共に広域をまとめて乱れ撃つ

トドメは入念に行う。下手に討ち漏らしたら後で厄介なことになる。連中の機能を完全に停止させたことを確認してから次の戦域に向かい、同じように殲滅させて周る

全てを完璧にはできないけど…俺の出来る全力で、アンタ達を解放してやるよ



「ったく、あの皇帝ホント慢心してなかったな。自分が死んだ後のことまでバッチリじゃねぇか」
 最後まで喰えねえ奴だとぼやいて、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)はルールの曇天を仰ぐ。しかし息苦しく胸が詰まりそうな感覚は、低く垂れ込めた雲と上り坂のせいだけではないだろう。何しろここより遥かな空の上には、この地を灰燼に帰さんとする巨大な要塞が浮かんでいるのである。
 胸を押さえて立ち止まったレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)に気づいて、竜城・陸(蒼海番長・g01002)は足を止める。振り返って見れば絞り出すような声で、ごめんなさいと少女は言った。
「ごめんなさい、陸さん。大丈夫って、伝えたばかりなのに……いざ……ここへ来てみると、やっぱり……」
 エメラルドグリーンの大きな瞳は、不安を湛え潤んでいた。彼女達が仕損じれば彼女の故郷は――ドイツとその周辺地域は、未来永劫人類史の空白地帯となるのだ。圧し潰されそうな重圧を感じたとしても無理はない。震える肩へそっと手を添えて、陸は言った。
「……大丈夫だよ、レイ。君は、この日のために力をつけてきたのだろう?」
 不安に思うことは何もない。でも、と言い募る後輩の声を遮って、竜の少年は続けた。
「俺がここで支えるから。……君は思い切りぶつけておいで」
 その志と想い、力は、決して無駄にはならない。弱気になりかけた心に、その言葉がどれだけ力強く響いたか分からない。一瞬きょとんとして瞠目し、レイはごしごしと目元を拭った。与えられた言葉を反芻しながら一回、二回と深い呼吸を繰り返せば、閉じかけていた視界が開けていく。
「――はい。全力でぶつかってきます!」
 キッと銀色の眉を吊り上げて、レイはフライトデバイスを起動した。急坂を滑り上がるようなその後姿を頼もしげに見送って、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は安堵の表情を覗かせる。しかし――殺風景なルール炭鉱の風景も、今ではすっかり見慣れたものだ。
「いつ来ても嫌なところだな、ここは」
 誰にともなく口にしたノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)の表情はガスマスクの向こうに隠れて見えないが、凡そ笑顔でないことだけは確かだ。言葉少なにそうだなと応じて、天使もまた表情を曇らせる。数ヶ月の長きに渡ったルール炭鉱破壊作戦の中で、彼らは良くも悪くも多くのものを見つめてきた。
(「……ここで起きたことのすべてを、忘れはしない」)
 息が詰まるような坑道の空気。囚われた人々の絶望と希望。玉石混交の記憶が濁流のように胸に去来する。しかし――感傷に浸っている暇はない。
(「尽く潰す、……ファルケンハインの兵を」)
 炭鉱の戦力も、王宮への増援も。かの将の目論見は、この手で挫いてきた。きっと今度も、そうしてやる。いつもよりも少し硬い表情で路の先を見据え、エトヴァはまだ見ぬ将へ呼び掛ける。
「お前が利用した兵達の痛みを、知るといい」
 翼を広げ翔け抜ける先には、黒々とした坑道が口を開けていた。そしてそこには、復讐者達の行く手を阻むように無数の鉄屑兵達が群れている。
「むぅ……なんか、こわいね、あの人たち。あ――ヒトじゃ、ないけど」
 うろつく鉄屑兵達の姿を視界に収めて、矢木・真輝(風を奏でる放浪者・g04665)が言った。その隣に並んで、御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)もまた眉をひそめる。
「手前勝手な都合で改造され、失敗作と打ち捨てられた鉄屑、か。哀れじゃな」
 熱に浮かされたように呻き、覚束ない足取りで彷徨うその姿は、死者とは違うが生者でもない。まだ死んでいない、というだけの存在だ。たとえそれがクロノヴェーダであっても、見ていて気分のいいものではない。ち、と苦々しげに舌を打って、白露は刀の柄に手を掛けた。
「……これだからゾルダートは好かぬ」
 乱戦の戦場において最も警戒するべきは、孤立し、囲まれること。そうならないように肩を並べて、二匹の狐は走り出す。入り口付近とはいえ、坑道の内部は大立ち回りには向かない――ならばと敵陣の中程で足を止め、背中合わせに刃を構える。
「悪いけど、倒させてもらう。よ」
 魔笛を柄として生み出した気魄の刃を握り締め、一閃。流れるような一刀の下に、真輝は敵を斬り払う。倒れた兵士の背後で、恐れ怯える別の兵士は無我夢中に両手の刃を振り回すけれど――。
「くるな、くるなああ!」
「すまぬな。最後の意志まで踏み躙ることになる」
 尊重はしてやりたいが、是非もなし。酷薄に告げて、白露はもう一歩前へ踏み込んだ。暴れる爪が狩衣の袖を斬り裂いても、構いはしない――居合の要領で抜き放った妖刀は、胸を覆った鉄板ごと壊れかけの兵士を斬り飛ばす。望みを叶えることで彼らを元に戻せるのならば聞く耳も持とうが、この残酷な世界においてそれは夢物語でしかないのである。


 痛みに悶え、怯える兵士達の嗚咽は聞くに堪えず、神之蛇・幸人(黎明・g00182)は緩く首を振った。眉間に穿った溝は深く、当分取れそうにもない。
「……酷いな。どれだけの間、苦しめられてきたんだろう……」
 あんなに怯え苦しむようになるまで、どれだけ。どうやって。ここへ至るまでのことを考えるだけで、心優しい少年の心はじくじくと痛む。けれど――半端な気持ちで向き合えば、きっと反って彼らを苦しめることになる。
 すう、と大きく息を吸い込んで、幸人は真っ直ぐに敵を見た。
「あなた達を、助けたいんだ。……だからおれも、逃げない」
 呼吸を調えたら、あとはもう普段通り。砂地を蹴り飛び込んでゆく少年の姿にくつりと喉を鳴らして、他助は笑う。
「優しいねえ、少年」
 別に茶化すわけではなく、率直な感想だ。目深に被り直した帽子の下の表情は影になってよく見えず、無精髭の口許だけが微かな弧を描く。
(「だが、ほどほどにしときな」)
 あんまり考え過ぎると、自分自身が擦り減ってしまうから。サングラスの奥の目でじろりと敵の群を見て、呟くように男は言った。
「こういうのは、鉄屑掃除くらいに構えておきゃあいいんだよ」
 さほど幅のない坑道の中には、夥しい数の鉄屑兵達が蠢いていた。できることならどこかへ隠れて隙を突きたいところだが、敵の数が多過ぎる現状ではそれも難しいだろう。
(「あの眼はちゃんと見えてんのか?」)
 包帯の下からわずかに覗くばかりの暗い目が、どこまで機能しているのかは怪しい。音か、それとも匂いか――しかしそこまで思考を巡らせて、男は考えるのをやめた。錆びついた爪を振り回して、あちらが『来るな』と言っているのだ――どうせなら、その希望に応えてやろうではないか。
「つか、テキトーに爪振り回し過ぎだろ。危ねぇなぁ」
 掌の上で無造作に跳ねさせるのは、復讐の意思を帯びた手榴弾。投げつければ轟音と爆風と共に二体の兵士が吹き飛んで、叩きつけられた壁の下にうずくまる。
 朦々と舞う土煙の中に倒れゆく兵士達を見つめて、ラヴィデ・ローズ(la-tta-ta・g00694)はははと乾いた笑みを零した。
「みんな、強いなあ」
 炭鉱の状況については話に聞いて知っていたし、ここで何を見ても動じないつもりでいた。けれど、物事はそう思い通りにはならないのだと痛感させられる。
(「だって――あんまりな話じゃないか?」)
 ここは改竄歴史の只中だ。目の前に存在するものは、すべて歪められた過去の上に成り立つものと理解している。だがそうだとしても、彼らには彼らなりの想いがあったのだろう。改造手術というリスクを伴う選択を敢えてするからには、守りたいものや叶えたい夢があったはずだ。それが――こんな風に踏み躙られるなど、彼ら自身思ってもみなかったに違いない。
 仄暗い憤りが胸の底に燻り出すのを感じながら、しかし、青年は微かに口角を上げた。
(「大丈夫。……そういうのは得意だから」)
 激情に流されては、大局を見失おう。ならば今は、込み上げる想いに蓋をする。貼り付けた笑顔の仮面で、弓を引く自分を騙すだけだ。


(「『赦せない』って言葉はさ」)
 他者が勝手にいうものじゃない。それが、ノスリ・アスターゼイン(共喰い・g01118)の持論だ。赦せないかどうかを決めるのは当事者であり、そこに第三者が口を挟む余地はない。そう、思っていた――今日、この瞬間までは。
「絶対に、赦すものか」
 彼らを睨んでも何も変わらないけれど、彼らをこんな風にした誰かの所業を憎まずにいられようか? 右往左往する兵士達の視線を一身に集めながら、ノスリは広げた翼で鉄屑兵達の背面に回り込む。
「これ以上の痛みは、不要だろう」
 彼らはもう、十分に苦しんだ。助けてくれと請われれば自然と眦は下がり、唇は淡い笑みを刷く。うん、と短く頷いて、ノスリは黒琥珀の双翼を光らせた。
(「せめてこの光が、あんた達の道標になると良い」)
 もう二度とは迷うことなく、黄泉路を進んでいけるよう。光を放って奔る魔弾は不規則な軌道を描いて、兵士達の眼前で炸裂する。今、と呼び掛ける声に諾と応じて、ラヴィデは異形の弓に番えた矢を引き絞る。
「取り戻しとくよ、キミたちの生きた世界」
 還ったとしても、きっともう逢うことはできないだろう。それでも彼らが紡いだ正しい歴史は、この手で未来へ伝えていく。とんだ大言壮語だと思うけれど――それでもできると、夢見ている。だって、と茶目っ気たっぷりに笑って、竜は言った。
「おいしい菓子も歌劇もある、この国をもっと楽しみたいからさ」
 明日を憂うことのない世界で、もっと。壊れかけた兵士達の身体から噴き出す熱波をダマスクローズの花霞で和らげながら、ラヴィデは狙い澄ました一矢を放つ。限界を迎えた身体が崩落し、人の形を喪ってしまう前に――終わらせる。ヒュンと風の鳴く声と共に、呪われた鏃は一射絶命、兵士の身体の中心にある動力炉を撃ち抜いた。
「それにしても……凄い数だな」
 光環の刃で弱った敵兵を撫でるように斬り倒し、エトヴァが言った。現地に赴けばある程度、敵の数ぐらいは把握できると思っていたが、炭鉱という地形の見通しの悪さも手伝って、敵の全体数はまったく予測できない。耳を覆いたくなるような苦悶の叫びは痛ましく、長く聞いているとまずそうだが、一方でこうも思うのだ――あの声がどんなに聞くに堪えずとも、決して耳を塞いではならないのだと。
 陰惨な光景に奥歯を軋らせて、レオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)は深く長い溜息をついた。
「利用して、搾取して使い潰して――その結果がこれっすか?」
 しかも肝心の親玉は自分だけ地の底に引きこもって、生き延びようと足掻いている。そんな勝手な話があるものだろうか?
「外道にも程があるでしょう……!」
 淡い銀色の瞳にぎらつく怒りを燃やして、少年は無銘の刀を構える。名前を失くしたその刃はただひと振りでありながら、畳み掛ける連撃の剣閃はまるで六刀が舞うかのようだ。
(「いくら敵とはいえ、こんなのあんまりっす」)
 目の前で誰かが苦しんでいるのを、所詮敵だと斬り捨てられるほど、自分は人間ができていない。けれど、斬り捨てられるようになることを成熟というならば、そんなものは要らないとレオンハルトは思う。
 叶うならば、これ以上苦しまぬよう一撃で――膚を焼くような強烈な熱放射に耐えながら、振り下ろす刀は持ち主の想いとは裏腹に、苛烈な敵意で兵士の身体を斬り払っていく。
「立ってるだけでも、辛いよね」
 ごめんね、と申し訳なさそうに呼び掛けて、幸人は怯える兵士達へ努めて穏やかに語り掛ける。
「だいじょうぶ。あなた達は、何もしなくていいんだ――こっちでやるから」
 だから、大丈夫。安心させるようにそう繰り返して、少年は蘇芳の妖刀に水をまとわせる。薙ぎ払う刃はその剣圧と水勢によって、兵士の一体をひと太刀の下に斬り伏せる。
(「できるだけ早く楽にしてあげたいんだ」)
 だから、手間はかかっても一人ずつ――確実に斬る。爪が来ようが熱波がこようが構うものかと飛び込んで、少年は戦場を駆け巡る。
(「痛いこと、もう何もないようにするから――」)
 もう少しだけ、待っていて。祈るような想いで振るう刀はその慈悲で以て、哀しき兵士達の痛みを浄めていく。


「鉄屑兵……まだ、こんなに大量に……!」
 倒しても倒しても迫り出してくる兵士達に、レイは思わずぎゅっと目を瞑る。この国はいったい、どれだけの人の命を弄んだというのだろう? 現代ドイツの生まれである彼女に直接の責任はないけれど、それでも哀しくて、情けなくて、憤りを覚えた。あんまりだ、と呟いてグローブの手を握り締め、少女は暗い坑道の奥を睨みつける。
「一人でも多く、開放してあげなきゃ……!」
 フライトデバイスが光を放ち、少女は水平に翔け抜ける。坑道は高さこそないが、長く続く一本道は狙いを定めるのには容易い。掌に青く耀く光の矢を掲げ、レイは機械魔導弓にその先端を番える。
「私が! 解放してみせます!」
 放つ矢は何度も分裂を繰り返し、枝状の弾幕となって兵士達に降り注ぐ。その後を詰めるのは、陸の役目だ。
(「支える、と言ったからね」)
 今日までこの手から滑り落ちたものは、あまりにも多い。けれど、だからこそ――これ以上、救えるはずのものを取りこぼしはしない。きっと彼らも、自ら望んでこうなったわけではないのだから。
 弧を描くように広げた腕は、極冠の氷剣を創り出す。次々と宙を裂く冷気の刃は、兵士達をその場に縫い留め、音も、熱も、命さえをも奪っていく――その静寂に、抗う術はない。
 次々に倒れていく兵士達を見つめて、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は言った。
「アンタ達もつくづく大変だな? こんな負け戦に駆り出されてさ」
 同情するよと零した言葉と共に、洩れた溜息は深く、そして重い。まったくだと頷いて、ノインも同調した。
「こんな風に改造された挙げ句、敗戦国の自決につき合わされるとはな……」
 苦々しげに口にして、軍人は地を蹴った。飛び込む先は、鉄屑兵の腕の裡――一気に距離を縮めるや、男は右手の爪と左手のナイフで素早く、交差させるように斬りつける。悲鳴を上げる鉄屑兵の爪もまた黒いジャケットの胸を斬り裂いたが、咄嗟に上体を逸らしたことで致命傷にはほど遠い。身体は前に向けたまま一歩、二歩とステップを踏んで後退すると、生まれた隙間には遊里の操る十機のガジェットウェポンが滑り込む。
「本当に――気の毒だと思うよ」
 誰も、こんなことは望んでいなかった。手術を受け、機械化されることで、得られるものがあると信じていた。その結末がこれでは、彼らの覚悟が報われない。
 だから、終わらせてやりたい。機械を愛し、解体業を営む者の一人として――せめて彼らを眠らせてやりたい。その一心で、遊里は今日、この地の土を踏んだのだ。
「悪夢は、今日で終わりだ」
 手にした可変式武装システムをガトリング砲に変形させ、青年はその銃口を鉄屑兵達へ向ける。足下へ撃ち込む牽制射撃に兵士達が怯んだら、呼び出したガジェット達で本格的に撃ち抜いていくという寸法だ。
「全部、完璧にはできないけど――俺のできる全力で、アンタ達を解放してやるよ!」
 下手に討ち漏らせば、余計に苦痛を長引かせる。だから彼らの機能が完全に停止するその時まで、砲撃の手は緩めない。倒れた兵士達がその指先に至るまで動かなくなるのを確かめて、青年は苦い表情で銃を下ろした。まだ終わりではない――手を差し伸べるべき相手は未だ数多く、炭鉱の奥にひしめいている。


「きりがない――というのは、本当らしいな」
 額に滲んだ汗を拭って、エトヴァが言った。味方に目立った被害はなく、戦線は十分に維持できているが、終わりの見えない戦いというのは肉体的にも精神的にも負担が大きい。もう随分と多くの兵士達を送って来たというのに、復讐者達は入り口からほんのわずかも前進していないのだ。
 頃合いか、と手にした刀を一振り、機械油と血の混じりものを払い、白露は刀を鞘に納める。
「深追いは不要じゃな」
「帰れなく、なったら、困るもんね……」
 仕方ないというように気魄の刃を解いて、真輝が応じる。敵の数は依然として多いが、今日はあくまで前哨戦。より多くの鉄屑兵達を『救う』のは、また日を改めるべきだろう。しかし――助けを求めるように手を伸ばす兵士達は尚も、ディアボロス達にじりじりとにじり寄る。
「ち――」
 好きでするわけではないが、致し方ない。ノインが発煙弾を投げつけると、ひ、と声を上げて鉄屑兵達が後退した。驚かせてごめんと悼むような眼差しを向けて、ノスリが告げる。
「大丈夫、……必ず助けるよ」
 なんて、そんな約束を掲げたところで、彼らはそれを理解しないだろう。到底、救いにだってなりはしない。だが身勝手な約束だとしても、胸に刻んだならそれは、戦場を駆け抜ける十分な理由になる。
 すうと腹の膨れるほどに息を吸い込んで、レオンハルトは考え得る限り最大の声で、坑道の奥へと呼び掛けた。
「必ず引きずり出して潰してやりますから! 首を洗って待っててくださいよ、ファルケンハイン殿!」
 その声が、届いたかどうかは分からない。しかしこの期に及んで逃げ隠れするような敵将を、捨て置けないという思いは皆同じだ。
 いつになく感情の薄い双眸で坑道の奥を見据え、ラヴィデは言った。
「君と逢える日を心待ちにしているよ」
 それまではせいぜい、眠れぬ夜を過ごすといい。
 甘いようで冷やかな言葉を残して、竜はくるりと踵を返した。後には累々と積み重なる残骸と、今日も死に損なった兵士達が残されている――。

●……UND DANN?
 一方その頃、ルール炭鉱地下――。
「はぁ!? この期に及んで炭鉱が攻略されただと!?」
 まさかの報せに声を上ずらせ、口ひげの軍人、もとい、エーリッヒ・フォン・ファルケンハインは言った。無理もない――彼の管轄下にあったルール炭鉱は、ディアボロス達の破壊作戦によって完全にその機能を停止したのだ。送った増援は役に立たず、気の利かない『陛下』は死んで、おまけに最後の砦と閉じこもっていたルール炭鉱までもがこのざまとくれば、荒れ狂いたくもなる。
 今にもキーッと叫び出しそうな顔で右の拳を握り固め、男は再び、手近の鉄屑兵を殴りつけた。
「どうしてくれる! どうしてくれるというのだ、このゴミクズめ――!!」
 癇癪を起こしてみたところで、置かれた状況は変わらない。年端もゆかぬ子どもでも、それくらいは分かる。しかしそれでも誰かに当たらずにはおれなくて、ファルケンハインはがみがみと、聞く耳と頭を持たない兵士達を相手に喚き続けるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【一刀両断】LV2が発生!
【操作会得】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年04月13日

【機械化ドイツ帝国奪還戦】ファルケンハイン

 このシナリオは【機械化ドイツ帝国奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 機械化ドイツ帝国のジェネラル級ゾルダート、及び、断片の王撃破により排斥力の低下した機械化ドイツ帝国のディヴィジョンを強奪しようとする、吸血ロマノフ王朝、幻想竜域キングアーサー、断頭革命グランダルメの軍勢に、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、ルール地方を支配する軍団長、エーリッヒ・フォン・ファルケンハインの軍勢です。
『鉄屑兵』と戦闘を行うことで、「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑬エーリッヒ・フォン・ファルケンハイン」の敵残存率を低下させます。


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#ビスマルク落下コース情報


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選択肢👾大群のトループス級『鉄屑兵』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)配下のトループス級クロノヴェーダ(👾)の大群と戦闘を行います。
 敵の数が多いので、撃退するには時間が掛かるかもしれません。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える行う必要があるでしょう  詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。