リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
Liberの剣を構え、【通信障害】を展開し、PDで攻撃
大群を効率よく削ぎ落とすため
味方と狙いを合わせ、より消耗した敵から倒し、着実に数を減らそう
仲間を死角から狙う敵は優先し攻撃に巻き込もう
戦況は常に観察し把握
大勢をつかめるまで、特に包囲されないように味方と死角を補い合うように立ち位置を取り、危険や気づきがあれば報せ合う
敵の攻撃には、足元から出現する影をSegenの魔力盾で凌ぎつつ、影を剣で薙ぎ払い
強化コートで身を守る
絡み合う蔦を刈るようだな
その荊の道の先に、何を見るだろう
アルタンは正常な思考を失った存在であると
冬将軍に話を聞いて以来、静かにアルタンの存在に思いを馳せてきた
それは俺にとっての道標であった
平壌での接触や上都の調査を経て、わかって来たこともある
道を外れた存在……か
今は狩り前へ進むのみ
ラウム・マルファス
目立たない服装をして、岩陰とかに隠れながら敵を観察。湖のアルタンは哨戒みたいな動きしてたけど、この辺のアルタンはどうなのカナ?まぁ逃がすつもりは無いから、観察は攻める隙を探すのがメインだけどネ。
1体ずつ確実に倒したいから、なるべく端の方から狙うヨ。囲まれたら怖いしネ。戦闘が激化したらそうも言ってられないだろうけど、最初だけでも有効なハズ。吸血型も普段はあんまり高い所は飛んでないって話だけど、上空から見つからないかも気をつけるヨ。
狙いを定めたら通信障害を借りて敵の連携を阻害しつつ、太極扇を振るって黒い鳳凰を飛ばすヨ。反撃の呪詛は頑張って耐えて、集中攻撃を受けないよう移動しつつ攻撃を繰り返して敵を減らそウ。大型と戦う前に、ちゃんと減らしておかないとネ。
ラズロル・ロンド
ゴルディアスの結び目を早く設置するためにも
ここら一帯のアルタンは早いうちに掃討しておきたい
なんとなくだけど、アルタンって先手必勝な気がするんだよね
だからガンガン動くよ
頭上に雷光を集中させ、咆哮する獅子の形を取った電撃を顕現
ライオニックサンダーで仲間の攻撃に合わせて攻撃開始
獅子が駆けた瞬間、空間を歪ませ【通信障害】をさらに強化
ここで戦っていることは他のアルタンには知らせない
今目の前の敵だけに集中できるようにしよう
仲間の攻撃には雷の共鳴で力を与え、連携を後押し
吸血形態の反撃や呪詛は予備動作を見て
横跳びや魔力障壁で遮ってダメージを軽減
仲間の動きを把握し、庇い合いや連携の隙を逃さないように
突っ込み過ぎず、着実に倒せる敵から倒していこう
いつものアルタン戦だけど、中枢に近づくには大切な戦い
南のモンゴル方面…中枢にはいったい何が待っているのか
大群も大型も倒して、拝みに行かなきゃね
侮ることなく、倒し尽くそう
●
「流石に居るな……だが待ち構えられているという風ではないか」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)たちディアボロスはバイカル湖より上がって戦いに挑む。敵はもちろんアルタンウルクだ。
「湖のアルタンは哨戒みたいな動きしてたけど、この辺のアルタンはどうなのカナ?」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)はついこの間まで戦っていたアルタンウルクの動きを思い出していた。暗く汚れて見え難い領域を、少数のアルタンウルクで探そうとしていた為、見つけようとしないと見当たらないほどだった。それでいて痕跡らしきものには執拗であるため、その痕跡を消すために必ず倒していかないといけないという厄介な相手であった。
「おそらく見晴らしの良い場所で見張っているか、逆に悪い場所を哨戒しているんじゃないか?」
「まぁ逃がすつもりは無いから、動きを見るとしても、観察は攻める隙を探すのがメインだけどネ」
エトヴァが彼方に見えるアルタンを指さすと、ラウムは出来るだけ目立たない格好で接近し、隠れながら敵の動きを観察したのである。
「逃がさないってのには賛成。ゴルディアスの結び目を早く設置するためにも、ここら一帯のアルタンは早いうちに掃討しておきたい」
ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)はラウムの意見に賛同しながらも、効率よく倒すのは重要でも、最終的に殲滅が必要だと言った。『ゴルディアスの結び目』を展開する時間を稼ぐ為にも、それなりの設置場所や隠蔽などに費やすスペースが必要だからである。
「それに、なんとなくだけど、アルタンって先手必勝な気がするんだよね。だからガンガン動くよ」
ラウムはこれまでの戦いでアルタンは機会や現象のようにシンプルな思考回路と、与えられた命令に対する優先順位だけの存在ではないかと考えていた。ゆえにさっさと接近して攻撃をし掛け、『もう逃げられない・何もできない』状況に追い込んでしまえば、『最適解とは戦う事』になって逃げられたり妙な事をされる可能性が低くなるのではないかと考えたのである。
「……正常な思考を失った存在、か」
その言葉を聞いてエトヴァは過去に聞いた話を思い出すのであった。
やがて三人は可能な限り状況を確認して戦闘を始めた。
もちろん通信障害を始めとした残留効果を設置してのことである。
「ここで戦っていることは他のアルタンには知らせない。今、目の前の敵だけを速やかに倒す!」
ラズロルは頭上に雷光を生み出して放射した。
それは途中で獅子をかたどり、咆哮を挙げながら疾走していく。
そして周辺の通信を妨害しながら、アルタンウルクたちを巻き込んでいったのである。
『……』
この攻撃に対して敵はその場に魔法陣を描いた。
それはラズロルから命を奪うべく力を行使し始めたのである。
「おっと。そいつはそのまま喰らわないよ」
ラズロルはその動きが見えた瞬間に横っ飛びして、魔力障壁を展開した。
そしてダメージを可能な限り軽減すると、次の攻撃に備えるために周辺を観察。仲間との連携に動くのだ。
「まずは数を減らす!」
エトヴァは剣を構えて敵に躍りかかった。
狙うはラズロルが攻撃した敵であり、素早く距離を詰め周辺へ己の復讐心を無数の黒き刃として放ち始めた。
『……』
「絡み合う蔦を刈るようだな。その荊の道の先に、何を見んだ? 教えてくれないのか……」
敵は即座にエトヴァの足元へ影を延ばした。
それは触手のように蠢き彼を喰らおうとするが、白銀の盾を翳してそれを防ぎ、黒き刃で薙ぎ払って行く。ダメージを受けながらも絡み付かれることは逃れ、敵に声を掛けて問い糺そうとするのだが……彼の言葉に応えなどは無かった。
(「アルタンは正常な思考を失った存在であると。冬将軍に話を聞いて以来、静かにアルタンの存在に思いを馳せてきた。それは俺にとっての道標であった」)
エトヴァはそんな事を考えながら戦っていたが、途中でキッと唇を噛みしめ、今は一刻も早く敵を倒そうと仲間と共に戦い続ける。
「一体ずつ、一体ずつダネ。囲まれたら怖いし……あと、上も警戒が必要っと。ヨシっ!」
ラウムは仲間たちの死角を観察し、味方が囲まれないように確認してから攻撃を始めた。扇から凍気を放ち、それを集約させて形を作る。
「敵が周囲に居ない今がチャンスだからネ。押し留め、切り開ク」
凍気は黒い鳳凰溶かしてアルタンウルクを凍らせていった。
仲間たちが体力を削った個体にトドメを刺し、あるいは無傷の敵に一撃を与えていく。
『……』
「怖い怖い。でも、来ると分かっていたら耐えられるヨ」
この攻撃に対してもアルタンウルクは即座の反撃を行う。
一切の感情を滲ませない攻撃は、まさに現象のようだ。
生命を奪う恐るべき呪詛よりも、その虫のような無機質な動きこそ恐れるラウムであった。
「もうちょっとカナ? 大型と戦う前に、ちゃんと減らしておかないとネ」
そしてラウムは仲間たちと協力し合い、周辺の敵を倒して大型の敵へ向かう絶えの準備に入る。雑魚が居たら面倒だし、情報を与えるわけにはいかないからだ。
「いつものアルタン戦だけど、中枢に近づくには大切な戦い。南のモンゴル方面…中枢にはいったい何が待っているのか? 大群も大型も倒して、拝みに行かなきゃね」
同じ様にラズロルも敵群にトドメを刺しながら周辺を伺っている。
その視線は大型の敵を睨み、そしてまだ見ぬモンゴルの中枢へと思いを馳せていたのである。そのために侮ることなく、倒し尽くしていこうと心に誓う。
「この先……。平壌での接触や上都の調査を経て、わかって来たこともある。道を外れた存在……か今は狩り前へ進むのみ」
エトヴァは無機質な昆虫めいた、あるいは現象のような敵を見て、歪さの象徴のようだと思った。何かの選択を間違えてこうなったのか? それとも誰かに押し付けられたのか? あるいはもっと他の原因なのか? そういったことはまだ分からない。だが、この先で戦い調べる内に分かるだろう。そう信じて進み続けるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV2が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
大群の殲滅後に行動
防寒着とコートは着込んでいくよ
相変わらずでかい事だ
おまえ、その四つ脚はやっぱり馬だったのだな
……攻略初期の考えにひとつ答えは出たけれど
彼らの存在を、どこまで理解していけるだろうか
【通信障害】は引き続き展開、【冷気の支配者】で多少の嫌がらせはしつつPD攻撃
戦況を観察し把握
大型の動きに合わせ、仲間と角度をつけて対峙
戦い、引きつければ仲間の側にも隙が生まれるだろうか
斬り込み役を担おう
タワーシールドを構え、片手にリボルバーで攻防一体の構え
凍てつく弾丸を撃ち込みつつ移動を続け、敵の注意を引きつけよう
敵の反撃に備え、タワーシールドで光線を防ぎつつ移動で直撃をかわし
間に合わない場合や庇いきれない部分はSegenの魔力盾で守る
……その姿が失敗の果てだとしても
この大地は草原であってほしかったよ
じきにここも雪が降る……
ロマノフの支配下ではさらに極寒の地だったのだから、何とも言い難いけれど
歴史は自然とともに織り成されてきた
雪の下にも生命が潜むように、この大地にもいつか、春が訪れるといい
ラウム・マルファス
アルタンが失敗したクロノヴェーダだとして、なんでイレギュラーなんだろうネ。アーサー・ペンドラゴンは"正しき勝者となり得ない勢力"とか"クロノヴェーダの理から外れた"とか言ってたケド、アルタンがそこまで外れてると思えないんだよネ。人や知性がないってだけなら巨獣もだしサ。
南極の人が見えた予兆で、アルタンをイレギュラーって呼んでたから、もとの人馬とは別のクロノヴェーダって認識してたと思うんだケド……
っと、考え込んでる暇は無いから戦おウ。
引き続き太極扇から黒い鳳凰を飛ばして攻撃するヨ。味方の攻撃に先んじて鳳凰で凍らせて、一瞬でも味方が攻撃する隙を作ろウ。光線は回避に動きつつ、避けきれない部分を氷龍の盾で可能な限り軽減。それでも無傷とはいかないだろうけど、可能な限り攻撃を続けよウ。
ラズロル・ロンド
「最適解は戦うこと」は単純明快でいいね!
後は大型を倒すのみ、豪快にぶっ潰しに行こうか
【通信障害】は継続し外への情報伝達は遮断しておこう
エトヴァが正面で引きつけ、ラウム君が氷で隙を作ってくれたなら
その瞬間に風と砂塵を一点に集中させ
螺旋状に回転する破壊槌――タドミールマルトゥを形成
大型アルタンの体を穿ち抜けるように叩き込み、大穴をブチ開けよう
すぐに飛んでくる反撃の光線は横跳びや転がる動き、必要なら魔力障壁でいなしてダメージを抑え
仲間の動きと位置を観察しつつ、無理せず死角を庇い合うように動こう
囮になるべき場面があれば、それも選択肢に入れる
中枢に近づいて、アルタンも多くなりそうだけど
南にはサフィーナ・ミウが居て、北からは隠密行動でここまでこれた
そして、ゴルディアスの結び目拠点を設営しての戦線化…
アドバンテージはまだこちらにあるんじゃないかな?
アルタンがただの敵でなく「守護する何か」にも見えるけど
そんな所が他のクロノヴェーダとも異質に見えるね
でも、ここで立ち止まるわけにはいかない
壊して、進むよ
一里塚・燐寧
ながいながーいシベリアの旅もついにバイカル湖を過ぎて、今でいうブリヤート共和国まで来たかぁ
あとは南の国境を越えればモンゴル国の領土に辿り着くよぉ
アルタン・ウルクの起源、13世紀のユーラシアを揺るがした激動の起点……そこに何が潜んでるんだろねぇ?
仲間が妨害やヘイト管理をやってくれるのに乗じて、あたしは必殺の一撃をブチこむよぉ
同じくアタック担当のラズロルくんとは狙いやタイミングを合わせて、一方がつけた傷をもう一方が押し広げることで、致命的な一撃を加えちゃおう
『絶技:界を絶つ巨剣』で≪テンペスト・レイザー≫を超巨大化させ、全力で振り下ろすっ!
幾重もの規格外サイズの回転鋸刃に無数の触手を巻き込み、削り取っては斬り飛ばしてく
ばっさりと両断しちゃうつもりで、【命中アップ】を乗せた斬撃を巨体のド真ん中にまで届かせるよぉ!
眼からの光線は得物で受けたり、咄嗟のステップで弾道から自分の身体をずらして急所に当てさせない
ふぃー、今回はこんなところかなぁ
一体何と融合したら、ワケわかんない触手の塊になっちゃうのやら
●
「ながいながーいシベリアの旅もついにバイカル湖を過ぎて、今でいうブリヤート共和国まで来たかぁ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)たちディアボロスはバイカル湖から上陸して戦闘を開始している。
「あとは南の国境を越えればモンゴル国の領土に辿り着くよぉ」
「お、増援だね。一緒にあの大きなのを倒そっか」
燐寧の言葉に先行していたラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が応じた。彼らは大群のアルタンウルクを退け、ついにその集団を指揮する大型のアルタンを倒しに向かっていたのだ。
「おまえ、その四つ脚はやっぱり馬だったのだな」
「アルタンが失敗したクロノヴェーダだとして、なんでイレギュラーなんだろうネ」
そんな中でエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は彼方に居る大きなアルタンを見つめた。こうしてみると確かに異形ではある。
「アーサー・ペンドラゴンは"正しき勝者となり得ない勢力"とか"クロノヴェーダの理から外れた"とか言ってたケド、アルタンがそこまで外れてると思えないんだよネ。人でないとか知性がないってだけなら巨獣もだしサ」
ラウムは巨獣と比べることでアルタンウルクの異質性を削って考察した。
複数の要素があるから分かりにくいのならば、引き算をすればよい。
人間の形状をしておらず、知性も有していない種族だが、彼らはクロノヴェーダでありアーサー王も類似した部分を使って従えようとしていた。だから、人外とか知性がない存在を『理から外れた』とは言わないのである。
「この先にあるかもねぇ。アルタン・ウルクの起源、13世紀のユーラシアを揺るがした激動の起点……そこに何が潜んでるんだろねぇ?」
「南極の人が見えた予兆で、アルタンをイレギュラーって呼んでたから、もとの人馬とは別のクロノヴェーダって認識してたと思うんだケド……」
燐寧が早く先に行こうと促すと、ラウムは頷いて敵の方向へと歩いて行った。
融合してしまったことで変化したのか? それとも融合されたのか? あるいはもっと別の何かで変化したのか? その辺りがまったく分かってないのだ。結局、進めるだけ進んで少しでも解明するしかあるまい。
「……攻略初期の考えにひとつ答えは出たけれど、彼らの存在を、どこまで理解していけるだろうか」
エトヴァは仲間たちの言葉の中で、可能な事をそうでない事を見据えた。司令拠点型アルタンとの戦いや遺跡で分かったこともあるし、まだ分かって居ない事もある。これ以上調べようと思ったら、この先に進むしかないのだ。
「最適解は戦うこと」は単純明快でいいね! 後は大型を倒すのみ、豪快にぶっ潰しに行こうか」
その不可解な事態をあえてラズロルはシンプルに考えることにした。
どう頭をひねっても、情報が足りない状況ではどうしようもないのだ。
時には進めるだけ進んで、色々な情報を得てから考えよう。そう思って今は戦う事に専念したのである。
こうして四人は戦いを始めた。
「全残留効果、問題なし。装備品も可能な限り調整してある。では……戦いを始めようか」
エトヴァは通信障害その他の残留効果が機能しているのを確認すると、斜めに移動しながら片手で大盾を掲げた。そして残る片手で銃を構えて攻撃というよりは牽制であり陽動として行動する。
「――凍て、果てよ」
エトヴァは祈りを捧げて弾倉に凍気を込めた。
凍結の魔力を持つ弾丸を放つことで、敵を足止めながら攻撃を果たす為である。
『……』
「くっ。こっちだ、こっちにこい」
その攻撃に反応して即座の反撃が来る。
アルタンウルクの赤い瞳が輝き、エトヴァは怪光線に見舞われた。その攻撃を盾で防ぎながら移動し続け、可能な限りダメージを抑えながら敵の注目を浴び続けたのである。
「相変わらず無反応ダネ。っと、考え込んでる暇は無いから戦おウ」
ラウムも思考を切り替えて戦いに専念する。
扇によって凍気を放ち黒い鳳凰を生み出して攻撃を始めた。
『……』
「ボクも続かせてもらうよ。押し留め、切り開ク」
黒き鳳凰もまたアルタンウルクの体を凍らせ始めると、同じように敵は怪光線を放って反撃して来る。何の影響もない姿にヘキヘキしつつも、ラウムは氷龍の盾で防ぎながらダメージを減らしたのである。
「今だ! 操るは破壊 貫き穿て阻塞を破れ タドミールマルトゥ!」
ラズロルは通り過ぎる風を操り、何も無い場所で吹き荒ぶ砂塵を集めた。
それらを一転に集約し、螺旋状に回転させることで大型の破城槌を作り出したのだ。
それは巨大なアルタンウルクを白に見立て、攻城戦で倒そうとでも言わんばかりである。
「穿ち……そして、貫け!」
『……』
回転する破城槌がアルタンウルクの体を貫く。
しかし当然であるかのように、放たれるのは怪光線だ。
苦悶の声など存在せず、まるで何かの現象であるかのように光を放って反撃とした。
「ったく! もう、痛いなあ。これでも倒せないと分かってるからいいけど、普通の敵ならこれで倒せてるんだぞ」
ラズロルは反撃と同時に横っ飛びで避けようとし、魔力障壁を展開してダメージを極力抑えることにした。少しでもダメージを減らして、仲間たちと共に攻撃を続けるためである。
「1ミリでも削れるなら、そこから世界だってブッた斬る――これがチェーンソーの神髄だよぉ!」
ここで燐寧が突入し、チェンソー剣の周囲に怨念を纏って、巨大な刃を作り上げていった。それは元の姿を何倍もの姿に巨大化させたクソデカチェンソーであり、命中すればエンネアドやアーディティヤのような偽りの神々ですら真っ二つにしそうな勢いであったという。
『……』
「だめだめ。そんなんじゃ止まらないよぉ! せいやー!」
敵の放つ怪光線を受け止めながら燐寧は巨大なチェンソーを振り下ろした。
敵の体の中に刃をめり込ませ、肉も触手も全て斬り割いて行ったのである。
「ふぃー、今回はこんなところかなぁ。一体何と融合したら、ワケわかんない触手の塊になっちゃうのやら」
「一、二、たくさん……カナ?」
燐寧が汗を拭いながら呟くと、ラウムは肩をすくめて計算外だと答えた。
今まで食べたパンの枚数を計測することは可能だし、殺したクロノヴェーダの数も計算できるかもしれない。だがアルタンウルクは測定してないので計算が不可能なのだ。
「……その姿が失敗の果てだとしてもこの大地は草原であってほしかったよ」
その言葉にエトヴァが悲しみに満ちた願望を告げた。
芸術替えである彼にとって、『何も無い』というのは表現できないからだ。
「じきにここも雪が降る……。ロマノフの支配下ではさらに極寒の地だったのだから、何とも言い難いけれど歴史は自然とともに織り成されてきた。雪の下にも生命が潜むように、この大地にもいつか、春が訪れるといい」
そしてエトヴァは『今は』は儚き希望を述べる。
例え残酷な状況であっても、この先に何かがあると信じて進もうと告げたのだ。
「中枢に近づいて、アルタンも多くなりそうだけど、南にはサフィーナ・ミウが居て、北からは隠密行動でここまでこれた。そして、ゴルディアスの結び目拠点を設営しての戦線化……アドバンテージはまだこちらにあるんじゃないかな?」
対象的にラズロルは明るく振舞っている。
確かに絶望的な光景であるが、状況は少しずつ進んでいるのだという。
「アルタンがただの敵でなく『守護する何か』にも見えるけど……そんな所が他のクロノヴェーダとも異質に見えるね。でも、ここで立ち止まるわけにはいかない壊して、進むよ」
復讐と言う力を元にしていても、魔女とは違って守るために戦うディアボロス。
ラズロルはその姿に似ていると思うのだ。だが、同時にそれは容赦する理由には成らない。まして問答無用に融合するアルタンであれば猶更であろう。最後にエトヴァや他の皆と同じく、この先に進もうと口にしたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV3になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!