リプレイ
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
内城での戦いも愈々大詰めだね。
島津義久は、ここで確実に倒してしまいたい相手だ。
仮に奴が断片の王になれば、苛政の被害がどれほど広がってしまうのか。
戴冠の戦に向けて、境を接する最終人類史への影響も大きいだろう。
しかしここで秘策とは、碌なものではないのは確かだろうが、
早期に情報を得るために、全力を尽くしたい。
先ずは迅速に護衛を倒しに行こう。
敵は少しでも時間を稼ごうとしている様子だが、そうはさせない。
【パラドクス通信】で仲間と連携し、攻撃を合わせ、速やかに敵数を減らしていこう。
『幽玄の霧』のパラドクスを使用。
有明月の竜笛を吹き鳴らし、生み出した幽玄の霧によって、幻の中に敵を捕らえる。
猿叫の迫力は凄まじいが、霧の幻影で狙いを狂わせつつ、
それでも及ぶダメージは、仲間の【ガードアップ】も借りて凌いでいこう。
敵の動きを見極めつつ速やかに死角へ回り込み、
【命中アップ】の力と共に、雷撃のパラドクスの力を込めた呪符を放つ。
この期に及んで時間稼ぎなどさせるものか、
島津の苛政はここで終わらせる!
ルチルーク・フレンツェン
●心情
ディアボロスや最終人類史のの切札の一つ、
攻略旅団の提案・支持が必要になるかもしれない『秘策』ですか。
島津義久氏から早期に聞き出す為にも、まずは護衛から撃破しないといけませんね。
●戦闘
何はともあれ速攻かつ最優先で【通信障害】を発動させます。
遠方に通信出来なくさせられればそれで良し、
秘策が通信障害さえ無効にする手応えを感じられればそれも良しです。
戦闘は突出しすぎず連携できるタイミングがあったり
了承してくれる仲間がいらっしゃれば積極的に連携して
仲間の負傷を極力減らしていきましょう。
当機の武器の一つ『究極超絶魔改造リドルロッド』に
ルシグーナからの雷撃を纏わせつつ【プラズマスラッシュ】で攻撃いたします。
薩摩術師からの反撃POWパラドクスには
究極超絶魔改造リドルロッドに書き込んである複雑な呪文を見せびらかして
「術士なら、こげん簡単な文章も解読出来っよね?」
(意味:術士なら、こんな簡単な文章も解読出来ますよね?)
と集中を阻害させて術の強化を弱めてチェストを躱し易くしましょう。
エレナ・バークリー
流石に天守閣。兵は落ち着きを取り戻しているようですね。郭内と同じと考えては危険そうです。
それでは私も、薩摩隼人に倣って「突撃」しましょう。
「全力魔法」「光使い」「斬撃」「空中戦」で天上翔る飛天の下すは断罪を行使。
天守閣内の回廊等で敵を発見したら、「ジャンプ」の補助に【飛翔】を添えて一気に距離を詰め、背後に展開した光の翼で天魔武者を斬り捨てます。
【飛翔】は、建物内を三次元機動で敵を「撹乱」させながら踏破するために用いますが、集中砲火の危険があれば、使用は取りやめを含めた最小限にします。
周囲から打ち込まれる弾幕は、【ガードアップ】した魔法障壁の逐次展開と、頭上にかざした盾籠手で防ぎます。
そのまま、天魔武者の脇をすり抜けざまに切り裂いて突破します。
目指すは最上階、“龍伯”島津義久公の御座所。狭い階段もひとっ飛びで上階に上がれます。
流石は“龍伯”が周りに置いた兵。これを切り崩すのは楽ではないですが、不可能でもありません!
薩摩国を苛政から解放します。だから、あなた方は速やかに討滅されてください。
音羽・華楠
……今回の決戦、懸念事項が多くあるというのは解りました。
――ですが、私はここで島津義久を撃破する……そのつもりで、全力で挑みます。
その為に、内城で戦ってきたんですから!
まずは護衛の薩魔術師たちを片付けます。
――《雷幻想・煉獄》!
魔術的マイクロ波で、薩魔術師たちを焼き滅ぼしますよ!!
……二の太刀要らずなどと言わず、一の太刀も不要にしてあげましょう――
――あなたたちの息の根を止めることで!
死者には一も二もなく太刀は不要です!!
……そう嘯き、殺気を漲らせることで、自身を鼓舞します。
より多くの力をパラドクスに注げるよう、そして敵の反撃にも気圧されないように。
負傷も【ガードアップ】で抑えられれば御の字です。
私自身は戦場全体を俯瞰出来る位置取りを心掛け、戦況把握に努めます。
危機の味方が居れば救援しますし、逆に追い詰められてる敵個体が居ればさらなる攻撃を畳み掛けましょう。
手早い各個撃破は大事です。
内城の戦いの中で何度も言いましたが――島津は戴冠の戦を迎えることなく滅びます!
潔く受け入れなさいな!!
●
「内城での戦いも愈々大詰めだね」
「ですが、流石に天守閣。兵は落ち着きを取り戻しているようですね。郭内と同じと考えては危険そうです」
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)の言葉にエレナ・バークリー(Highlander/Absolute Wish・g00090)が懸念を示した。断片の王候補が居城にしている場所だ。何があるか分からない。
「そうなんだけど……。島津義久は、ここで確実に倒してしまいたい相手だ。仮に奴が断片の王になれば、苛政の被害がどれほど広がってしまうのか。戴冠の戦に向けて、境を接する最終人類史への影響も大きいだろうね」
雪人はエレナの懸念に同意しつつも、ここで仕掛ける意味はあるという。
何しろ他の大名が籠城策に前後して、ある程度の策を仕掛ける程度であるのに対し、島津義久はかなりの積極策の打ち手であった。様々な策を用いるし、またその為にエネルギーを得ようと苛性を敷いているという意味でも看過できない相手であろう。
「しかしここで秘策とは、碌なものではないのは確かだろうが、早期に情報を得るために、全力を尽くしたいと思うよ」
「ディアボロスや最終人類史のの切札の一つ、攻略旅団の提案・支持が必要になるかもしれない『秘策』ですか」
雪人が『島津義久の秘策』に厳重するとルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)が首を傾げた。攻略旅団での作戦は方針を示す程度の事もあれば、境界を越えるエネルギーを用意したり、様々なクロノオブジェクトも用いることが出来る。エィアボロスのアントそこに懸ける人々の期待から来るエネルギーの使い方次第であるが、その判断が重要になるという時点で、ルチルークには驚愕であった。
「……今回の決戦、懸念事項が多くあるというのは解りました」
その脅威を音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は認めつつ、その脅威に屈するべきではないという含みを持たせた。僅かな言葉であっても、トーンの重さで意味合いを変えるのが日本語という物である。
「――ですが、私はここで島津義久を撃破する……そのつもりで、全力で挑みます。その為に、内城で戦ってきたんですから!」
華楠は様々な脅威を想像し、それでもなお倒すために挑むと決めた。
それだけ島津義久は世界にとって危険な相手であると、その為に努力してきたのだと言う。
「ならば島津義久氏から早期に聞き出す為にも、まずは護衛から撃破しないといけませんね」
「それでは私も、薩摩隼人に倣って『突撃』しましょう」
その気持ちはルチルークとエレナも同様だ。いかなる脅威があろうと乗り越える気でいるが、まずは護衛を突破して直接に話を聞きに行こうと決意を固めたのである。
そして四人が天守閣の奥の間に向かった所で当然ながら迎撃が待っている。
『ここが我らの死に場所ぞ。命を惜しむな、名を惜しめ!』
『『おう!』』
既に敵もまた決意を固めているのであろう。
通じ合った互いの意志は、ディアボロスの言語翻訳すらスムーズにしているようだ。
「迅速に護衛を倒そう。少しでも時間を稼ごうとしている様子だが、そうはさせない」
「了解です! 突破するつもりで陣形を切り裂きますよ!」
雪人がパラドクス通院で呼びかけながら走り込むと、エレナが僅かに遅れて空を翔けた。それは飛行するというよりは、高速移動の為であり、飛び抜けて島津義久を目指すと見せるための動きだ。
「此処より彼方へ、蒼穹の果ての更に涯へ!」
そしてエレナが最も早く敵へ突入した。
それは彼女が飛んでいる事と、雪人が楽器で攻撃するタイムラグの差と言う所だろう。
『行かせはせんぞ!』
「私の翼は千里を翔る!!」
敵が進路を塞ごうと割って入った所でエレナの『翼』が敵を切裂いた。
彼女は天魔の類ではなく、三対六枚になった光の翼を呪文で作り出したのだ。
それは邪悪を切裂く光の刃でもあった。六条の輝きが敵を切裂き、邪悪なる敵陣を切り裂いていく。
『いかせぬと言ったであろう!』
「っ!」
改めて解き放たれる敵の怒号。それ自体がエレナを討つ言魂となる!
そして敵が裏拳気味に回した腕が、そのまま衝撃波を伴う魔弾を解き放つのだ。パラドクスゆえに魔弾が彼女を追尾して、エレナは咄嗟にバックラーを翳した。その周囲に展開された魔力障壁は、ガードアップを組み込んで弾を反らすのだ。
(「今だ!」)
雪人の奏でる笛の音がここで鳴り響いた。
龍笛の音が傷ついた敵の周囲に幽かなる霧を生み出していく。
心地よい幻が敵を包んだかと思うと、バリバリと雷が弾けて本命の攻撃を叩き込んでいく。
『この程度で死ぬるかよ! チェスト!』
「まあそうだよね! でも、ここで止まってあげる訳にはいかないんだ。そら、もう一枚!」
先ほどの声に勝る絶叫が霧を押し返していく。
この音量を思えば、先ほどのソレはただの掛け声だ。
島津の意地を載せた大音声が雪人を揺らすが、ガードアップを借りて防ぎつ回り込む事でダメージを減らし更に雷の札を敵に張ってトドメを刺したのである。
「……二の太刀要らずなどと言わず、一の太刀も不要にしてあげましょう――あなたたちの息の根を止めることで!」
その雷に華楠は上乗せを掛けた。
戦場を駆け抜ける強烈な雷が島津兵たちの中心を貫いて行く。
「激しい大いなる怒りの姿をされる不動明王よ。迷いを打ち砕き給え、障りを除き給え、所願を成就せしめ給え……! 急急如律令!! ――《雷幻想・煉獄》! 死者には一も二もなく太刀は不要です!!」
それは華楠の齎す魔力的なマイクロ波。
電子レンジの何万倍もの威力を持つ雷電である。
陰陽の技に不動明王の力と妖精たちの補助で昇華した一撃である。
『馬鹿め。示現流を舐めるな! こと切れる前に既に技を放っておるわ!』
『島津の兵が切ると思った時。それは既に実行して居る!』
敵の中には倒された者も居る。だがパラドクスゆえに反撃として強烈な斬撃を放っていた。もちろん生き残った者は憎々しい目を向けて、ただ一心不乱に仕込み刀を振っているのだ。そこにはただ殺意があり、生きて居ようと死んで居ようと、剣を振るって敵を倒すという意志が兵として存在しているかのようであった。
「内城の戦いの中で何度も言いましたが――島津は戴冠の戦を迎えることなく滅びます! 潔く受け入れなさいな!!」
華楠はそんな殺意に負けることなく心を保ち、言い返してむしろ敵の意思を砕こうとした。この先に島津が生き残る事は無く、断片の王として戴冠することはあり得ないと告げたのである。
「あともう少しです! 確実に倒していきましょう」
「任せてください! ……まずは一体ずつですね!」
華楠が周囲の状況をカクンしながら声を張り上げると、ルチルークは頷いて得物に雷を纏わせた。
「ルシグーナの電気、お借りします!」
ルチルークは此処に来るまでに張って置いた雷の力をもう一度起動した。複雑な呪文を書き込んだロッドが輝き、周囲に雷撃を振りまいて行く。通信障害を引き起こすほどの攻撃であり、雷速と言うにふさわしい避けることも許さぬほどの一撃である。
『ぐぬぬ。ただでやられるわけにはいかん。せめて一太刀なりと!』
敵は倒れながらも刀を振るう。
甲冑を強化してルチルークの一撃に耐えつつ、その間に彼女を両断しようというのだろう。仕込み方にも魔力が宿り、細身でありながらも示現流の豪剣に耐える程であった。
「術士なら、こげん簡単な文章も解読出来っよね?」
ここでルチールクは『術士なら、こんな簡単な文章も解読出来ますよね?』という薩摩弁を用いて敵の気を引こうとした。ロッドに書き込んである複雑な呪文を読ませようというのだろう。
『一意専心! 我が命、我が物に非ず。御家の為、殿の為! 島津の名誉の為!』
「……ですよねー!? でも、それだけ気が引ければ十分です!」
もちろん敵がそんな言葉に惑わせられるはずもない。
ギリギリと押し込んで来る一撃をルチルークはロッドで受け流した。とりあえず相手の気を引き、殺意を減らして威力が減れば御の字なのだろう。
「ふう。やはり強いですね。もう一部隊とか居なくて助かりました」
「流石は"龍伯"が周りに置いた兵。これを切り崩すのは楽ではないですが、不可能でもありません! 薩摩国を苛政から解放します。だから、あなた方は速やかに討滅されてください」
ひとまず敵を倒したところでルチールークは息を吐き、エレナは敵兵を突破しながら向こう側に辿り着いたのである。
「敵の増援、階下から上がって来ません! 今がチャンスです」
「良し! この期に及んで時間稼ぎなどさせるものか、島津の苛政はここで終わらせる」
華楠が周囲の状況を告げると、雪人たちディアボロスは島津義久に迫ったのである!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
配下を倒し、その勢いのまま島津義久へと刃を向ける。
この状況にも動じぬとは、流石は断片の王の候補といったところだな。
しかしその余裕もここまでだ。
『龍伯』島津義久、お前のその首貰いに来た!
■
敵の目的は時間稼ぎだが
秘策自体にディアボロスを退かせる要素があるのなら、語る事にこそ意味もありそうだ。
戦闘突入の緊張感を保ちつつ
義久の一挙手一投足から心の動きを読み取って
適した反応を選びながら、彼が詳細を語る様に誘導する。
此方の考察も交えて確認しつつ
大勲章の力と【強運の加護】も追い風にして
秘策の具体的な内容と、関わるクロノオブジェクトや場所、防衛体制など、
対策に必要な情報を早期に得る。
■考察
義久の秘策、島津の苛政とも関係あるだろうか。
ディアボロスは人命を重要視するが、
圧政を敷く天魔武者でも極端な人口減少は痛手の筈だ。
しかし島津だけは違う。
苛政の中で命を極限まで搾り取り、力に変えるその仕組みとは何なのか。
見方を変えれば、薩摩国の領民全てが人質なのかもしれない。
どうすれば止められるだろうか。
●
ディアボロスたちは護衛の天魔武者を討ち倒して天守に雪崩込み、『龍伯』島津義久のもとに迫った。
「この状況にも動じぬとは、流石は断片の王の候補といったところだな」
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は白銀の刀を義久に向けたが、彼は笑って床几に座ったままだった。その圧迫感は豊臣秀吉よりも、天海を思わせる。
「しかしその余裕もここまでだ。『龍伯』島津義久、お前のその首貰いに来た!」
雪人はそう言いつつも、決して斬りつける気は無かった。
あくまで何時でも踏み込める態勢を見せ、戦闘に即座の以降が出来ると見せたのである。
『ふふ。やって見せるが良い。いや、本当にやっても問題ないと思うならば、この首にその刃を馳走して見よ』
義久は笑って戦う事も出来ると見せた上で、『本当にそんな事をしても大丈夫なのか?』と逆に問い返して来た。
(「やはりこう来たか。敵の目的は時間稼ぎで間違いない。だが、秘策自体にディアボロスを退かせる要素があるのなら、語る事にこそ意味もありそうだ」)
この態度はある程度予想できたことだ。
義久は智将であり内政向き、屈強の天魔武者として戦う事も出来るが駆け引きやエネルギー効率を上げて何かに費やす方が得意なのだろう。
雪人の思惑通り相手にも思惑があり、大勲章を用いてそう思っている時間軸にパラドクストレインで調整して乗り付けたのも大きいかもしれない。その情報を隠す気は無いようだった。
「どういうことだ! この期に及んで命を惜しむのか!」
『惜しむとも。この義久、我が命はともかく薩摩の民を決して無駄にするべきではないと思うておる。死ぬことが前提のヒルコはともかく、誰一人として死んで欲しいとは思っては思わぬ』
雪人が話の水を向けると、我が意を得たりと義久は策の一端を語り始めた。
そこに嘘は見られず、そして騙す気も伺えない。
まるで語って聞かせることが、ディアボロスを退かせる策なのだと言わんばかりではないか。この流れはディアボロス側の予想通り。薩摩弁や津軽弁は別の国の言葉とすら言われるが、相応の思惑が一致している為かディアボロスの翻訳能力にまるで乱れは無かった。
『のう、考えても味方事は無かったのか? 天魔武者は苛政を行ってエネルギーを得る。島津の兵は特に苛烈よ、お豊に限らず外に出た者は加減が出来ずに殺してしまったかもしれんな。さて……本当にそう思うのか? 薩摩の民だけ都合よく、死なぬギリギリを責めて生き残れると思っておるのか?』
義久はクツクツと喉の奥で笑う様な仕草をする。
不思議なのは何処にも卑賎な気概が感じられない事だ。
どこにも人質を取っている様な、悪党がしている様な悪逆の臭いがしない。あくまで武人の蛮用以上の気配がしないのである。
(「やはり義久の秘策、島津の苛政とも関係あったか!」)
ディアボロスは人命を重要視するが、圧政を敷く天魔武者でも極端な人口減少は痛手の筈だ。しかし島津だけは違う。
「疑問に思った事がある。苛政の中で命を極限まで搾り取り、力に変えるその仕組みとは何なのか。まさか……」
『そうよ、それよ! 仕組みそのものは単純。そう、ごく単純なこと、誰でも出来たが、この義久以外はやらなんだ事よ』
見方を変えれば、薩摩国の領民全てが人質なのかもしれない。
雪人は予め、そう予想していた。だが、そのスケールが一回り大きかっただけの事!
『この義久が力を割いて、薩摩の民を強化しておる。知性に精神性そして命そのもの! この薩摩に住む人々、あまねく我が力で支えておるのよ。薩摩とは我、我こそが即ち薩摩である! 我が首落せば民は皆死ぬであろう。いや、我が薩摩の民ならばそれでも半数は生き延びると信じておる。薩摩の民はヤワではないゆえな』
義久の自信と気概は、自分の命を懸けて民を支えている事に尽きた。
思えばあの秀吉と同格とされた断片の王候補が、いかに内政型とはいえその辺のジェネラル級と同じ戦闘力だろうか? そう、義久はその力を薩摩の民を生かすために使っているのだ。暗殺を恐れるよりも、民衆が死んで国政が滞る事を恐れるがゆえに。
(「これはまさか吸血鬼型圧政の完成系か! しまった。これではこの場で防ぎようがない。陰謀ではなく内政! 普通ならば労力を掛けて時間を掛けて人々を救わなければ無理だ。だからこその自信か……」)
どうすれば止められるだろうか。そんな事を思っていた時間が懐かしく感じてしまう。ここで奇襲して城に隠されたナニカを破壊しようとしても、そのナニカ自体が存在しないのだ! バンパイアノーブルの圧政サイクルを効率化して、勢力としては急激にエネルギーを蓄えることも出来るというのが大きな違いであった。
『さて、それでもそなたらは、我が首を今落すと言うか? それでも良いならば今ここで死合おうではないか!』
そして今、義久が語った言葉にも嘘偽りはない。
もしディアボロスが民百姓の犠牲を厭わず、そのまま殺し合いをするならば受けて立つという危害を感じられた。ディアボロスの事を知って退く可能性が高いと気が付いたが、決して人質に取って自分が情けなく生き延びようとは思っても居ないのだろう。
(「やられた。一度下がれば方法が無いわけじゃない。ここは退くしかないか……いや、他にも策がある? 防衛体制か? それともクロノオブジェクト……それは何だ?」)
雪人はいっそ清々しい思いで義久を見つめた。
人質に取るのではなく、生産体制を語るだけで同様の効果を見せたのだ。そしてディアボロスの能力ならば……攻略旅団の力ならば確かに達成可能。そう思えばこそ強行せず、退くしかないと思わされたのである。だが、それは今ではない。義久の態度から他にも何かありそうであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ルチルーク・フレンツェン
●心情と演技
攻略旅団の提案で迅速に対処できると信じています。
だからこそ表情と仕草は、当たって欲しくないと焦燥と恐怖に満ちあふれさせる演技をして、義久が脅しにもなれる時間稼ぎだと油断させたいです。
●会話
あなたの命ではなく薩摩の人々の命の為に死にたくないですか。
ですがディアボロスへの脅しに偶然なれているだけに過ぎませんよね?
敵はディアボロスだけではない、敵対ディヴィジョンのクロノヴェーダ、特に話を理解する気が無い知性が低い種族には無意味です。
この天正大戦国にいるか不明ですが、弟義弘がなせるであろう偉業、生き残る為に敵軍へ飛び込む『島津の退き口』。
弟が出来るなら同じ島津家のあなたが出来てもおかしくない。
強者であろうとするのを選んだ吸血貴族や魔女も、ディヴィジョンの境を超えてディアボロスの拠点や制圧地への転移強襲をしてきました。
転移強襲を天魔武者としての島津の退き口として使えるなら、ディアボロスにも他のクロノヴェーダ種族にも対策に使えてしまう。
散り散りの薩摩軍を一ヶ所に集められるなら猶更です。
●
(「倒すのが難しい強敵なのに、倒したら人々が巻き添えで死んでしまう。なんて恐ろしい……」)
この悪辣な状況にルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は二の句を告げないでいた。クロノヴェーダは倒すのが当然であるが、同時にジェネラル級は強大で二の足を踏む相手なのだ。この状況で一般人が巻き込まれると知ったら、人々と共にあるディアボロスが躊躇するのも当然だろう。
(「ですが……攻略旅団の提案で迅速に対処できると信じています。ならばここは、相手の脅威を最大級に捉えて尋ねてみましょう」)
ルチルークは仲間たちの可能性を信じた。幸いにも月末の議題に間に合うし、こんなところで他の議題を優先して人々を犠牲にはしないだろうとも信じていた。ゆえにこれから行う『龍伯』島津義久との問答でも、可能性を膨らませて、過去の奪還戦で見かけられた敵の策を引き合いに出すことにしたのである。
そして感じた恐怖を噛みしめ、乗り越えようと決意を固めて声を張り上げた。
「あなたの命ではなく薩摩の人々の命の為に死にたくないですか。ですがディアボロスへの脅しに偶然『成れている』だけに過ぎませんよね?」
『然り』
呼吸をする。深呼吸には足らないが精一杯呼吸をする。
ルチルークが現状自体は偶発的な物だと口にした。
それが彼女の勇気をくれているが、決して有意義な情報ではないと島津義久は頷いた。
『そなたらの動きを観察し、幾つかの事実を経て可能なのだと判断した。だから最初に告げたのだ。もちろん、民を惜しんでいるのは確かだがね。せっかく用意している我が術を掛け直すのは効率が悪いし、親愛と言う意味でも他所の民よりは我が領の民が上であろうよ』
(「っ!? 我が術……術って言った? 最悪、つまり……必要なら本当に薩摩の民も捨てれるってことですか」)
敵は情報を集めた結果、高い確率で通用すると判断したから口にしたという。
ここには幾つかの意味合いがあり、良い意味では地獄変からの円卓のように簡単な調整できる様な事はないという話になる。だが、悪い意味では内城を破壊してしまえば他の地に移動するのは難しくないし、そこで改めて自分の民と定めた相手に術を施せば、同じようにエネルギーのリサイクルが可能だという事でもある。要するに『龍伯』島津義久は、平安鬼妖ほか幾つかのデイヴィジョンで見られた特殊な術を使うクロノヴェーダと同じ性質があるという事だ。それがバンパイアノーブルも真っ青な回転率でやってるのだから驚愕するしかない。
「ですが……敵はディアボロスだけではない、敵対ディヴィジョンのクロノヴェーダ、特に話を理解する気が無い知性が低い種族には無意味です。この天正大戦国にいるか不明ですが、弟義弘が為せるであろう偉業、生き残る為に敵軍へ飛び込む『島津の退き口』。弟が出来るなら同じ島津家のあなたが出来てもおかしくない」
『弟……か。まあ、その可能性はあるな』
意地の悪い事に敵は肯定も否定もしない。
島津義弘が居るとも居ないとも、『島津の退口』が使えるとも使えないとも言わなかった。ルチルークの顔に当たって欲しくないという焦燥と恐怖が溢れるが、半分は時間稼ぎが有用であるという演技であっても、半分は本当に困るという本心なので気が気でなかった。
「強者であろうとするのを選んだ吸血貴族や魔女も、ディヴィジョンの境を超えてディアボロスの拠点や制圧地への転移強襲をしてきました。転移強襲を天魔武者としての島津の退き口として使えるなら、ディアボロスにも他のクロノヴェーダ種族にも対策に使えてしまう。散り散りの薩摩軍を一ヶ所に集められるなら猶更です」
『ほう……』
ルチルークの言葉に義久は初めて相好を崩した。
先ほど仲間との話で笑ってみせたのはあくまで流れ、フリでしかない。
だが、今回は確実に笑っていた。有用な情報を得たからか、それともこのまままならデイアボロスを退けられると確信したからか。果たして、その内実はいかに?
『良い事を教えよう。今しがたの試み、出来ぬとは言わぬ。だが、効率が悪かろうよ。なにしろ、この我には精矛厳建雄命『島津惟新斎』という出来た弟がおるでな。その方が言う所の義弘とも言う』
「ジェネラル級天魔武者の援軍……ということですか」
仮に覚えて居なくとも、研究すればできる術なのかもしれない。
あるいはできるが本当に効率が悪いから使わないのかもしれない。
だが、ここで重要なのは、精矛厳建雄命『島津惟新斎』というジェネラル級天魔武者の存在だった。ルチルークは転移攻撃がなさそうだと安堵しながらも、その一方で新たな脅威に晒されていたのである。思い返せばディアボロスは薩摩の中で情報収集をしていないのだ。民の強化と酷使、そして新たなジェネラル級。その情報が無い事を突かれた形である。
『一時の間に移動させるなどせずとも、あの弟であれば各地の兵を糾合するなど難しくも無い事よ。そなたらが民を集めて癒すまでにどれほどの時間が掛かる? 我が術は我が力の高まり次第で、旧領たる三州にも筑紫島すべてにも掛けることが可能よ。ゆえに解除せぬゆえ安心せよ、その方らが取って返せば救う事は出来るやもしれんなあ。だが、このまま弟が兵を集めれば挟み討ちぞ』
義久は効率の問題で強化の術を解く気が無いと告げた。
それは同時に、新たなジェネラル級の到着があれば、確実に勝てるという自信でもある。
実際、ディアボロスでも一度発動した結界やら何やらを解くのは効率が悪いと知られていた。その上で敵は人口の問題から地獄変の様に簡単にエネルギー回収は出来ないのだろう。だから出来たとしても、別の術なりクロノオブジェクトなりに使いたいのは間違いないだろう。
『その方らが民を癒すとして一月は掛かろう。だが弟は二十日……否、半月あれば十分であろうよ。どうするディアボロス? 我と弟と、同時に相手して見せるか? 我は別に構わんぞ』
(「勝てない……薩摩の人々を助けながら、同時に二体のジェネラル級……このままじゃあ……」)
ルチルークの胸を焦燥が走り抜けた。
確かに攻略旅団の関与無しでは不可能な案件であった。
ディアボロスの力……残留効果と攻略旅団での提案。最低でも一枠とかなりスケジュールの厳しい戦いとなり、では時間稼ぎを行いながら精矛厳建雄命『島津惟新斎』の討伐を行うなら二枠は必要であろう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
野本・裕樹
退かねば薩摩の民の命が危ういのは理解しています、しかし……
迷いはあります、ですが退けない理由があるのもまた事実。
まずは島津義久にそれを叩きつけます。
貴方は薩摩の苛政についてこう言っていました、「仕組みそのものは単純」「誰でも出来た」と。
退けば貴方の策が有効だと認めるようなもの、今後同様の手口を他の大名が使わないとも限らない。
どれだけ不本意な結果を招こうと貴方を討ち、貴方の策が無意味な物だと示してみせます。
使う刀は《蛇腹刀『蛇花』》、
使うパラドクスは《螺旋刀・小町草》です。
近距離へと踏み込む勢いそのままに『蛇花』で一突きを。
内政型であろうと術で本領が発揮できなかろうと断片の王候補、この一撃で倒れてくれる程容易い相手ではないでしょう。
故に迷う事無く全力で、それに手を抜く余裕などないのは確かなのですから。
オーラで吹き飛ばされたら『蛇花』を伸ばし壁や床へアンカーの様に打ち込み壁への衝突などの二次被害を防ぎましょう。
何もかもが貴方の思い通りに進むと思わないでください、島津義久。
●
「退かねば薩摩の民の命が危ういのは理解しています、しかし……」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は我知らず呟いていた。
『しかし?』
「迷いはあります、ですが退けない理由があるのもまた事実。まずは『龍伯』島津義久、あなたにそれを叩きつけます」
裕樹の言葉に対し、敵は意外な程に静かな頷きを返した。
彼女の悩みなど知った事ではないが、そういう事態があると知っていたからだ。
『十全な答えなど無い。ならば己の思いを叩きつけるまで。そこに人の差など無く、クロノヴェーダもディアボロスも同じことよ』
過激派も居よう、穏健なれど交渉の一端で武威を示す者もいよう。島津の統領はその事を知っているがゆえに、裕樹が刀を抜くことに意外性を持たなかった。
「貴方は薩摩の苛政についてこう言っていました、『仕組みそのものは単純』『誰でも出来た』と」
『然り』
思えば平安鬼妖でも特殊能力型のジェネラル級は居た。
得意な術が使える代わりに、他のジェネラル級より弱いのだ。
断片の王候補である彼は弟よりも弱い。その代りに、他の天魔武者では不可能な、エネルギーロンダリングが出来る。民を殺すことなく、『民が死にかねないほどの圧政』によって多大なエネルギーを抽出できるのである。もし閉ざされた平安鬼妖に敵が居たら、恐ろしい事に成っていただろう。
「退けば貴方の策が有効だと認めるようなもの、今後同様の手口を他の大名が使わないとも限らない。どれだけ不本意な結果を招こうと貴方を討ち、貴方の策が無意味な物だと示してみせます」
自分を他者より弱くして反旗を翻されぬ保証はないし、攻め込まれぬ保証もない。だから他の大名はやってないが、義久には弟の義弘が忠実であったからやれた。だが、追い詰めた筈のディアボロスが引けばどうなるだろう? 天海の様なタイプならやるだろう。自身でやらずとも、忠実な大名にやらせる可能性はある。それをやらせる訳には行かないのだ。
『それも道よの。もはや問答は不要、掛かってまいれ』
「いざ!」
義久が笑って火縄銃を構えると、裕樹は蛇腹刀を構えて向かい合う。
そして裂帛の気合と共に戦いが始まったのである!
「はっ!」
七尋にも及ぶ刀身が唸りを上げる。
裕樹は新体操のリボンの様に蛇腹刀を振りかざした。
(「内政型であろうと術で本領が発揮できなかろうと断片の王候補、この一撃で倒れてくれる程容易い相手ではないでしょう。故に迷う事無く全力で、それに手を抜く余裕などないのは確かなのですから!」)
ここで裕樹は新体操には無い動きを見せた。
むしろ鎖鎌に近いか? 踏み込むと同時に刃が一直線に移動し、斬撃ではなく突きを放ったのだ。
「穿ち貫け、『蛇花』。はあああ!」
至近戦では斬撃よりも突きの方が速い!
ましてや火縄銃よりも速いだろう。蛇腹構造になった無数の刃が、ドリルの様に回転していく!
『カーン!』
「不動明王の呪!? ですが!」
そう思った時、義久は一声上げて青いオーラを迸った。
裕樹はその時、咄嗟に蛇腹刀を延ばして地面に突き立てた。杭の様に打ち込まれたソレが、ガリガリと床を削りながら何間も後ずらせた。だが壁に叩きつかれることは無く、ましてや城の外に叩き出されることは無かったと言える。
『その程度か? なら我をここから一歩も動かせんぞ』
「何もかもが貴方の思い通りに進むと思わないでください、島津義久」
強い。だが、自分は傷を残せた。
裕樹はその事を自覚する。自分で手が届かずとも、残留効果を含めて仲間達が必ずや討ち取るだろう。そう思って今は一時退く事にしたのであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
エレナ・バークリー
お待たせしました、“龍伯”島津義久公。
鎌倉幕府から任じられた守護大名で、戦国を超え徳川の治世最後まで国主の座にあったのは、島津家ただ一家。その名を名乗る以上は、それにふさわしい実力があるのでしょう。
ハイランダー、エレナ・バークリー! 貴殿との相対を所望する!
言っておきます。薩摩国の民は、あなたの強化がなくても生き延びられるように、私たちディアボロスが手を打ちました。
故に、民の強化に回していた力引き戻しても構いませんよ。“鬼島津”惟新斎義弘公が誇ったその力、見せていただきましょう!
「結界術」で彼の逃げ場を奪い、「全力魔法」「光使い」で煌輝嚇灼たる絶光の小庭を行使。
頭上から降り注ぐ【ダメージアップ】の乗った光の矢で、あなたの身体を穴だらけにしてみせましょう。
反撃のドラゴンカノンは、魔法障壁と盾籠手の二段構えで、正面から【ガードアップ】を信じ受け止めます。後に退けないのはあなただけじゃないんですよ、島津公。
島津を討滅すれば、いよいよ“王”家康公との戦い。《戴冠の戦》までにどれだけ状況が動くか。
●
「お待たせしました、"龍伯"島津義久公」
『ほう。なんぞえらか用事かの』
エレナ・バークリー(Highlander/Absolute Wish・g00090)の言葉に島津義久は笑った。
「鎌倉幕府から任じられた守護大名で、戦国を超え徳川の治世最後まで国主の座にあったのは、島津家ただ一家。その名を名乗る以上は、それにふさわしい実力があるのでしょう」
『……』
エレナの言葉に義久は特に何も付け加えなかった。
薩英戦争時の桜島の砲術要塞込みで知識を持っていると思わしき彼にとって、エレナの言葉はただの歴史語りに過ぎない。そして薩摩の雄たる島津義久に相応しい実力を身に着けているのも本当の事だからだ。
「ハイランダー、エレナ・バークリー! 貴殿との相対を所望する!」
『ええぞ。掛かって来ぃぃぇ!』
エレナが精霊剣を掲げて戦いを申し出ると、義久は種子島を天に向けて構えた。遠慮は不要、武人たる者に躊躇必要なしと返したのだ。
「言っておきます。薩摩国の民は、あなたの強化がなくても生き延びられるように、私たちディアボロスが手を打ちました。故に、民の強化に回していた力引き戻しても構いませんよ。"鬼島津"惟新斎義弘公が誇ったその力、見せていただきましょう!」
エレナは結界術を駆使し、義久の逃げ場を奪った。
そして前衛を持って光の力を放ち、天から無数の光を呼ぶ。
『カカカカ。『引き戻す』、そげな便利な術じゃなか。そげな狭か術でもなか。こん術は天魔武者が荒事ばしても民が死なんようになる守りよ。貴様ら消しんでからゆっくり考えるわ』
エレナの術に対して義久は真っ向から立ち向かった。
逃げ場を失ったのではない。逃げる必要がないから放置したのだ!
「天の暗雲刺し貫き、地に光満ちたり。悪鬼邪霊が跋扈するこの浮世に、輝ける光もちて正しきを示さん。この輝きを持って、あなたの体、その信念を貫いて見せましょう!」
『やっちみい!』
天井から降り注ぐ光の列は、破邪の光線となって結界内の義久に降り注いだ。だが、そこに向けて放たれる種子島が、まるで天に逆行する逆しまの流れ星となった!
『ほう。消死んか、女。いやさ、士よ』
「そういえば内政に力を注ぐ魔術型でしたか……ですが、後に退けないのはあなただけじゃないんですよ、島津公」
術式を打ち破られて吹っ飛ぶエレナ。
だが、咄嗟にバックラーと魔力障壁を使ってエレナはダメージを減らしていた。
「島津を討滅すれば、いよいよ"王"家康公との戦い。《戴冠の戦》までにどれだけ状況が動くか。だから、こんな所で倒される訳には行かないんですよ……」
そして剣を床に突き立て、杖の様にしてエレナは立ち上がった。
額から血を流しつつも立ち上がるその姿はまるで、天魔武者に立ち向かうディアボロスを示すかのようであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
文月・雪人
薩摩の人々の救援を行い、島津惟新斎も撃破した。
義久が困難と見込んだ対策を成した俺達を見て、彼はどんな顔をするだろうか。
薩摩国攻略も愈々大詰めだ、今こそ島津義久を討ち取る時!
雪月花の刀を構え、義久と改めて対峙する。
【パラドクス通信】で仲間と連携し、油断なく仕掛けていこう。
地道に残留効果を積み重ね、流れを繋げていきたい。
『式神吹雪』のパラドクスを使用。
和紙の形代をパラドクスの式神として、紙吹雪の様に大量に放つ。
義久もまた采配を振るって攻撃をしてくるだろうけど、パラドクスの式神で薩摩隼人の幻影を攪乱し、
【ガードアップ】でダメージを軽減しながら敵中を突破、義久との距離を一気に詰めて【命中アップ】、
式神の一部を刀に宿した『氷雪』の呪詛を伴うパラドクスの斬撃で、
敵の傷口を広げる様に、【ダメージアップ】な攻撃を重ねていこう。
薩摩の領民だけじゃない、沖縄の、そして大隅国で見た惨状。
復讐者としてお前達の所業を許せはしない、
ましてや断片の王になどさせるものか。
必ずお前を討ち倒し、島津の苛政はここで断つ!!
無堂・理央
後の憂いは無し、後は倒すのみ。
島津義久、覚悟して貰うよ!!
無双馬『クロフサ』に騎乗して突撃!
槍を構えてクロフサを全力で走らせ、小細工無しのランスチャージを叩き込む!
策略家相手に知恵比べで勝てる気はしないし、それなら脳筋な勢い乗せての突撃で真っ向勝負した方がまだ分がある。
一撃で倒れるとは思ってないし、一撃叩き込んだら突き抜ける形で直ぐ離脱してから旋回して再突撃を素早く行ってくよ。
味方が攻めやすいようにガンガン突っ込んで敵の体勢を突き崩す!
敵の反撃は部隊召喚系、それならクロフサに全力かつ縦横無尽に戦場を駆け巡って貰って追いつける幻影の数を減らしてこちらの被害を抑えるよ。
騎兵の駆け回りに対して幻影を愚直に追いかけ回させるとは思わないし、一部は即席の陣を敷いて待ち構えとかしてくると思う。
なら、待ち構える幻影は正面からぶっとばーす!
邪魔する幻影は蹴散らかして敵に突撃を、猛攻を掛け続ける!
策略家相手に策を弄する時間を与える訳には行かないからね!!
●
(「薩摩の人々の救援を行い、島津惟新斎も撃破した。義久が困難と見込んだ対策を成した俺達を見て、彼はどんな顔をするだろうか」)
その強敵に挑む時、ふと文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は物思いに浸る。ただ敵を暴力で倒すことも出来る。だが、ディアボロスは人々を救い、その希望となって戦うものだ。それこそがディアボロスの復讐であり、ただ殺して回る存在ではないのだと雪人は思う。
「薩摩国攻略も愈々大詰めだ、今こそ島津義久を討ち取る時!」
「後の憂いは無し、後は倒すのみ。島津義久、覚悟して貰うよ!!」
雪人が抜刀すると無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は無双馬の『クロフサ』に騎乗して突撃態勢。颯爽と出撃していった。
「連携して戦おう。仲間からの報告だと敵は魔術型で次点が剛力。おそらくは速度で押し切るのが苦手と見たよ」
雪人はパラドクス通信で皆に情報の共有を図った。
残留効果の累積込みで確実に勝とうと皆を励ましたのである。
「じゃあ、ボクがそれを確かめたげる。とっつげきぃー!」
理央は槍を構えて小細工なしの正面突撃を敢行した。
無銘ながらクロノオブジェクトである馬上用の槍を持ち、ランスチャージを叩き込む構えである。
(「策略家相手に知恵比べで勝てる気はしないし、それなら脳筋な勢い乗せての突撃で真っ向勝負した方がまだ分がある! 仲間の為の攪乱も合わせて、いっけー!」)
理央は自分が工夫してカツよりも、仲間の為の礎になる気でいた。
様々な工夫を積み重ねて槍を叩き込むことも出来るだろうが、可能な限りの速度と勢いで攻め立て、自分を目立たせて注目を引き、仲間への視点を逸らす心算であったのだ。
『よか。ええ士ぶりじゃ。負けちおられんど!』
義久は采配を振るい、その突撃を受け止めるために薩摩隼人を召喚した。
否、幻影でありながらも彼らも突撃態勢。理央に逆行する形で防御など無視して反撃大成であった。
「くっ! 一撃で倒れるとは思ってないし! もう一度行くよクロフサ! 次は待ち伏せだよね。待ち構える幻影は正面からぶっとばーす!」
最初はカウンターであったが理央としても敵が何度も同じ手を使うとは思って居なかった。実際にクロフアが奔ると薩摩隼人の幻影は置き去りにされている。一撃離脱で駆け抜けた後、待ち構える敵に重量を掛けた突進を喰らわせるつもりであったのである。
「ここだ! 二枚が四枚、四枚が八枚。そは吹雪となりて」
雪人は和紙で出来た形代人形を紙吹雪のように大量に放った。采配を振るって反撃して来る敵もおとも埋め尽くすかのようだ。
「島津義久! 薩摩の領民だけじゃない、沖縄の、そして大隅国で見た惨状。復讐者としてお前達の所業を許せはしない、ましてや断片の王になどさせるものか」
雪人は白銀の刀を抜いて紙吹雪と共に迫った。
すると紙吹雪はそれぞれが式神となり刃となり、刃の波となって敵を襲うのだ。
『狭か。どうせ皆しでかすものよ。ならば、おいの術があればこそ民は守られちょう!』
「天魔武者の暴走を止めもせず促すはお前だろうに! 必ずお前を討ち倒し、島津の苛政はここで断つ!!」
この切り込みに対して薩摩隼人を召喚して立ち向かう義久だが、やはりスピードには欠けるのか徐々に雪人に押し込まれていったという事である。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
宇都宮・行
敵の様々な悪しき目論見を完璧に挫くことができましたね
しかし、支配されて無気力状態になっていた、薩摩国の方々の顔を思い出すと……やはり許すことはできません
これまでに苦しめられてきた人々の無念をここで晴らしましょう
◆行動
相手は強敵故に決して油断はしません、使える残留効果は全て使用します
全員で無事に帰るためにも、まずは雷霆盾『夕顔』により【ガードアップ】を発動
遮蔽物が少なそうな場所故に、盾によって皆様の身を守り、重傷死亡率の低下を狙います
幻影による攻撃に対しては、両手持ちした雷霆盾で致命傷を防ぎつつ、
攻撃の合間を縫ってダッシュで敵に接近し、すれ違いざまに殴りつけて雷撃を浴びせます
悪しき長にはリコール……解職請求権を叩きつけるのが一番です
《戴冠の戦》を前に、ご退場いただきましょう
また、できる限り味方と協力し、勝率を上げようと試みます
私は防御を固めつつも、着実にダメージを重ねて戦うことを狙います
可能であれば私の攻撃を囮に、どなたかの本命の一撃を与えていただければ幸いです
※アドリブ、共闘等歓迎します
鈍・長巻
※アドリブ連携歓迎
島津義久、奴を倒せば島津の苛政を終わらせる事が出来る。
長城から逃がした人足達や、桜島で救出したヒルコ達とも約束したからな。
元より皆の怒りも大きいが、俺もまた思いは同じだ、加勢させて貰う!
【パラドクス通信】で仲間と連携し、援護を中心に立ち回る
残留効果を重ね、確実な勝利へと繋げていこう
『黒角衝』のパラドクスを使用
手にした妖刀に、鋭い黒角状のエネルギーを纏わせて、島津への怒りと共に義久へと向ける。
パラドクスの力と共に加速して、真正面から突進すると見せかけて、
直前に【エアライド】の一歩を挟み、勢いを殺す事無く、方向とタイミングをずらして【命中アップ】
装甲の切れ目に刀を突き入れて、或いは傷口を広げる様にして
【ダメージアップ】な攻撃で敵を突き崩す。
即座に反撃を喰らうだろうが、吹き飛ばしに合わせて距離を取り
壁に叩きつけられる前に【エアライド】で態勢を立て直して【ガードアップ】
不屈の意志と共に、倒れる事無く次の攻撃へと繋げていこう
戦闘後は領民達の状況が気になる所、無事を確認しに行きたい
●
「島津義久、奴を倒せば島津の苛政を終わらせる事が出来る」
「敵の様々な悪しき目論見を完璧に挫くことができましたね」
鈍・長巻(ある雨の日の復讐者・g03749)の言葉に宇都宮・行(一般的な地方公務員・g03895)が頷いた。薩摩地方の各地で行った人々の避難誘導や健康指導を経て人々の大量死が起きなくなったのだ。
「支配されて無気力状態になっていた、薩摩国の方々の顔を思い出すと……やはり許すことはできません。これまでに苦しめられてきた人々の無念をここで晴らしましょう」
そして行は思い出す。生きる気力を失った人々を。
発狂していないのは単に島津義久が強化していたからだ。
しかもソレはエネルギーを多く吸収するシステムを作るために過ぎない。許せるはずもないではないか。
「長城から逃がした人足達や、桜島で救出したヒルコ達とも約束したからな。元より皆の怒りも大きいが、俺もまた思いは同じだ、加勢させて貰う!」
だが許せないのはそれだけではない。
ヒルコを生贄にして儀式を行おうとする天魔武者たち。
長巻はその悲劇を乗り越え、決して同じことは刺せないと助け出したヒルコたちに誓っていた。
「仲間からの連絡によると速度で押す方が有効らしい。援護させてもらおう」
長巻は妖刀を手に黒い角状のエネルギーを纏わせ始めた。
そして敵の元に突進すると見せて、囮として動いたのである。
「了解しました。タイミングを合わせます! 全員で生きて帰りましょう!」
先行する仲間の動きに合わせ、行くは盾を構えて追随した。
何かあれば盾で庇えるよう、そして攻撃が決まれば続いて攻撃する為である。
「行くぞ、島津義久!」
『まだ来っか。どれだけおっても無駄じゃ!』
長巻は身を沈めて体を小さく見せると、敵に飛び込む手前で大ジャンプ! エアライドと命中率アップでタイミングと方向を切り替え、島津への怒りを載せて装甲の破れた場所めがけて妖刀を突き刺したのである。
『カーン!』
「くっ。だが、この程度なら!」
長巻の放った突きは義久のまとう闘気で弾き飛ばされてしまう
強引に突き込んだ分の衝撃をダメージアップで叩き込みつつ、ふっ飛ばされた長巻は壁に叩きつけられる前にエアライドとガードアップを駆使して態勢を立て直した。
「このタイミングです! 少々、手荒に行きますよ」
そして行は電光石火の動きで長巻に続いていた。
逆連鎖戦ゆえに敵の反撃で長巻が吹っ飛んでいるが、連続攻撃には成功している。
「悪しき長にはリコール……解職請求権を叩きつけるのが一番です。《戴冠の戦》を前に、ご退場いただきましょう」
『馬鹿め。あと数日、戴冠の戦まで凌げば潮目も変わろう! 何時までもおいばかりに関われんじゃろが!』
行は音速のダッシュで接近すると、盾で殴りつけるシールドバッシュを叩き込んだ。迸る雷電により敵を感電させ、一撃離脱で駆け抜けながら即時ガードアップを展開した。薩摩隼人の幻影が現れ、行に対して猛追を始めたのはその時であった。
「流石の強さですね。新宿に帰ったら猫カフェにでも行きたいところです」
「俺は領民達の状況が気になる所、無事を確認しに行きたいな。島津の頭目を倒したと伝えたい」
行の言葉に長巻は頷き、血戦を勝ち抜くべく気を引き締め直し、次なる攻撃に備えるのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水中適応】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
六藤・鈴鹿
さて、お得意の策謀は攻略旅団の案と同胞たるディアボロスのお陰で無力化された様だな
ならばもう、貴様相手に時間稼ぎをする暇は無い
疾く惟新斎と同じ所に、逝け
パラドクスを発動し、能力値アップ、命中アップ、ダメージアップ、グロリアスを乗せて回復しながら威力、出力、精度を上昇させて一閃とその余波の突風、トドメの後ろ回し蹴りを繰り出していく
この連撃により、青いオーラで吹き飛ばされようともガードアップがその際に生じるダメージを抑え込んでいる
これらを繰り返し、積み重ねて島津の将……断片の王の候補を討ち取るぞ
最早、戴冠の戦に置いて貴様が登場する余地は無し!
ならばこそ、ここで討ち取り…日光で立て籠もる家康の首も上げて日本列島を奪還する!
その礎となり、死ぬが良い!
一閃を繰り出し、突風で吹き飛ばした後……義久の顔面を後ろ回し蹴りで蹴り貫き粉砕していく
これで、断片の王候補はいない…大戦国も、戴冠の戦直前にて大詰めを迎えたか
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
島津の苛政を初めて見たのは・ヤウマトの沖縄だった
あれから仲間達の積み重ねた策と尽力、勇気と知恵の結実を願う
薩摩領民を救い、腹心を討ち
九州とこの地に尽くした仲間達の力となる
相手は龍伯、断片の王の後継者候補
一部の隙もなく戦う
島津義久、覚悟願う!
仲間達の援護と繋ぐ攻撃を
戦況を観察し把握、仲間とPD通信も用い連携を
タワーシールドとLiberの剣を構えPD攻撃
義久の動きを逃さず捉え
仲間と包囲する立ち位置へ
僅かな隙も逃さぬように、盾を掲げ競り合う勢いで押し込み、剣で攻撃を仕掛け
一瞬でも注意を惹きつけ、味方の攻撃に繋がる隙を作るように
仲間の攻防の合間に踏み込み、近接と間合い取りを繰り返し攻める
深手の味方がいればディフェンス
敵の攻撃には、現れた幻影に対しタワーシールドを構え、なるべく一方向に対処し攻撃を凌ぎつつ、強化コートで身を守る
波状攻撃の間隔に合わせ対応
同じ攻撃を受ける仲間とは死角を補いあう立ち位置を取り
ガードアップで護りを向上
智謀と胆力は流石の薩摩隼人
貴殿に戴冠の戦は迎えさせない
●
これは少し前の事。仲間たちが情報を共有する前後の事だ。
(「島津の苛政を初めて見たのは沖縄だった。あれから仲間達の積み重ねた策と尽力、勇気と知恵の結実を願う」)
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は救援機動力で駆けつける中、仲間達の奮戦を思い出していた。冥海機や天魔武者との三つ巴の戦い、そしてその後に続いた肥後や大隅の戦だ。
(「民を救い、腹心を討ったここまでの経緯に敬服を。九州、そしてこの地に尽くした仲間達の力となる」)
「さて、お得意の策謀は攻略旅団の案と同胞たるディアボロスのお陰で無力化された様だな」
六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)もまた島津義久に挑む。既に薩摩の人々を人質にする作戦は阻止されている。
「ならばもう、貴様相手に時間稼ぎをする暇は無い。疾く惟新斎と同じ所に、逝け」
籠城作戦には援軍が必要だが、それを担当する島津義弘は既に倒れている。
ゆえにここまでだと鈴鹿は語った。もちろん今までの仲間が告げた時と同じように、義久は笑うだけだ。
『そいがどした。きさんらを退けて戴冠の戦に挑むだけよ』
島津義久が計算した作戦は戴冠の戦に手を取られ、ディアボロスが手を引く事。
あるいは排斥力の再配分などで、仕切り直しがされることだ。
これまでも員多様な事はたびたび起きており、残す数日を守り切ればその可能性が無いでもなかった。可能性が低かろうと、その先が厳しかろうと、ここで諦めて泣き寝入りするという選択肢は義久には存在しない。
「愚か。その先など無いことに気が付かないとは。最早、戴冠の戦に置いて貴様が登場する余地は無し! ならばこそ、ここで討ち取り…日光で立て籠もる家康の首も上げて日本列島を奪還する! その礎となり、死ぬが良い!」
鈴鹿は様々な残留効果を練り込みながら、油断なく敵を追い込む算段であった。
「仲間達からの連絡で、敵はスピードが最も不得意らしい。協力して追い込んでいこう」
そしてエトヴァはパラドクス通信で仲間たちと連絡を取り合い、鈴鹿とも連携して包囲網を築くつもりであった。何しろ相手は断片の王候補、例え内政型でも油断はできまい。
「とりあえず、俺が切り込むから隙を突いてくれ。他の味方が攻撃した隙を狙うつもりだが、成功するにせよ失敗したにせよ、君が活かしてくれればありがたい」
そう言ってエトヴァは銀の輝きを放つ剣と大盾を構えた。
相手の隙を突くつもりだが、自分の動きが仲間の援護に成れば良いという立ち位置である。
「了解した。連携攻撃を繰り返し、積み重ねて島津の将……断片の王の候補を討ち取るぞ」
鈴鹿も突撃態勢をとって体を低くした。
反撃に備えつつ走って飛び込む構えである。
そしてエトヴァが別の仲間の攻撃に合わせて突進したのに続き、タイミングを合わせて彼女も疾走し始めたのだ。
「智謀と胆力は流石の薩摩隼人、だが貴殿に戴冠の戦は迎えさせない。島津義久、覚悟願う!」
白銀の輝きを放ちながらエトヴァは大盾に身を隠し、突きを放って急所を狙う。盾は自分を守るだけで反歌う仲間の死角を補い、相手の視線を覆い隠す物だ。
『馬鹿め。こん程度でおいが落ちるものかよ!』
「だろうな。だが、かk実に体力は……いや勝機を奪っているぞ!」
義久が差し向ける薩摩隼人たちを盾でいなし、あるいは剣で受け流してエトヴァはその場を維持した。避けられなければコートの最も分厚い部分で受け、少しでも耐えながら……相手の注意を惹き付けたのであった。
「はああ!!」
『ふん!』
その間、鈴鹿は強烈なラッシュを放っていた。
一撃一撃は突風を伴う程の威力であり、繰り出す技と技の間に、仲間の攻撃に合わせて隙を突くように衝撃波を叩き込んでいった。
「トドメ! これで、断片の王候補はいない…大戦国も、戴冠の戦直前にて大詰めを迎え……たか? いや、違う! まだ倒れないというのか!」
『まだだ! まだまだよ! おいが、島津が、島津義久がこいで倒れるものかよ!』
鈴鹿の後ろ回し蹴りが義久の顔面を砕いたかと思ったが、あくまで面だけ。致命傷には及ばず闘気と共に頭突きを鈴鹿に叩きつけていたのだ。
荒ぶる島津兵の長である男は、意地を持って立ち続けていた。
その姿はかつて倒した豊久や、義弘にも似ていたという。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
音羽・華楠
……本当に手こずらせてくれました。
ここまで厄介なことをしてくれたジェネラル級は、そうそう記憶にありません。
ですが、島津惟新斎の撃破も、薩摩の人々の大量死阻止の作戦も、やり遂げましたよ。
島津義久――
――今こそあなたを殺します!
……どうしても我慢出来ないので、今日は怒りに任せます。
怒りもまた、パラドクスを強める感情ならば……!
――《雷幻想・墜星》!!
小賢しい知恵の詰まった義久の頭を!
天空より招来させた隕石で!
欠片も残さず粉砕してくれます!!
……言っておきますが、私の《墜星》は、桜島の火山弾が問題にならないくらい痛いですよ?
天魔武者に脳漿があるかは知りませんが――
その頭の中身、何から何までぶちまけなさい!!
反撃のドラゴンカノンは、痛撃を与えて万全の状態で撃てなくすれば良いとの考えです。
攻撃は最大の防御を体現するつもりで、《墜星》へ力を注ぎます。
……ネメシス形態になれないのが本当に残念ですね。
『世の中の 米と水とを 汲み尽くし 尽くして後に 天つ大空』
今こそ史実の義久公にその全て、還す時です!!
伊佐沼・チカ
おめぇさんの弟……惟新斎さんは、悪ぃおさむらいさんながらに、天晴な武者振りだったのです
きっと、兄上のために、全部の力ぁ振り絞ってたから
チカ、おめぇさん達の政を詰っても、身内の情けまでは悪く言えません
でも……民草ぁ苦しめて、てめぇらだけ仲良くってのは、絶対ぇに許しちゃいけねぇ
「でぃあぼろす」として――皆の恨み辛み、晴らさせて貰います!
≪天魔鎚『山崩』≫をば持って義久さんの元に駆け寄りり、『天魔機構・驚天』を仕掛けます
吹き飛ばす技を使われたら、一度殴りつけても間合いを離されちまう、かもしれません
そんでも、いくさの中で「ここだ!」ってぇ時が来たら、何度でも踏み込んでみせます!
チカは百姓ですが、薩摩のぼっけもんにだって、気持ちは負けねぇ!のです!!
鎚頭からごぉと噴き出す火の勢いと、チカの思いっきりの力で、吹き飛ばす力に抗います
重い打ち込みで具足を砕いて、最後は敵さんの体の真芯まで潰してやるのです
――ぶっ、つぶ、れろぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!
やったぁっ!……はっ、薩摩の皆ぁ無事でしょうか?!
●
「……本当に手こずらせてくれました。ここまで厄介なことをしてくれたジェネラル級は、そうそう記憶にありません」
音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は過去の戦いを思い返していた。一番厄介だったのは、情弱で平和路線だったフローラリアとの和平と言う程度にはディアボロスは勝ち抜いている。
「ですが、島津惟新斎の撃破も、薩摩の人々の大量死阻止の作戦も、やり遂げましたよ」
だが、倒す手前まで追い込んでおいて、いまから別の対策をしないといけない……そこまで追い込まれた例は少ないだろう。華楠は怒りを闘志に変え、血戦を勝ち抜くために全力を振るう。
「おめぇさんの弟……惟新斎さんは、悪ぃおさむらいさんながらに、天晴な武者振りだったのです」
そんな中で伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)は少し考えを変えていた。もちろん、天魔武者を始めとしたクロノヴェーダが許せないのはその通りではある。
「きっと、兄上のために、全部の力ぁ振り絞ってたから。チカ、おめぇさん達の政を詰っても、身内の情けまでは悪く言えません」
今でも島津のやり口はどうかと思う。
天魔武者が無茶をするからフォローする為だと言うが、こんなシステムが有ったらなんでもしてよいと思うのがクロノヴェーダではないか。つまり義久の術は別に優しさではない。やはり有効だから設置しているシステムなのだ。だが良い兄弟愛という感情は子だくさんの農村に生まれたからこそ否定はできない。農村に生まれたからこそ悪辣な政策も許せないのだが。
『ほうか。ええ武者じゃったろうの。自慢のおとっじょだっでな』
「そうです。でも……民草ぁ苦しめて、てめぇらだけ仲良くってのは、絶対ぇに許しちゃいけねぇ。『でぃあぼろす』として――皆の恨み辛み、晴らさせて貰います!」
チカの言葉に珍しく義久は目を細めて笑った。砕けた面の奥で満足そうに笑っている。勇敢に戦い、兄を守って死んだということを微塵も伺っていないようだ。自分より強い弟が謀反を起こすとか見捨てるとか思いもしない姿に、チカは良い兄弟なのだなと思いつつ、その非道ぶりに対して戦意を高めた。どんなに理解でき雷手であろうと、悪逆非道のクロノヴェーダを許すわけにはいくまい。
「島津義久――。――今こそあなたを殺します!」
『ええぞ。掛かって来ぃえ!』
此処に来て華楠の怒りが限界を超え、魔力となって迸り始めた。
感情の波は意識を染めてしまうが、それはまたパラドクスを強める要因でもあるのだ。ゆえに彼女はどうしても我慢できない怒りに任せて戦いに臨む。
そして二人もまた仲間たちの戦列に加わり、逃げないとは思いつつも包囲網の一角として参戦した。
「チカの、目いっぱいの力込めて、行きます──だぉりゃあああっ!!」
天魔武者用の鉄槌を構え、ブースターを吹かせながらチカは突っ込んでいった。
そこに駆け引きは無い。心と心のぶつけ合い、そして仲間に先駆けることで、敵の注意を惹く為である。
『温いわ。カーン!』
「ぐ……ぎ……ぃぃ。負けねぇっ! チカは百姓ですが、薩摩のぼっけもんにだって、気持ちは負けねぇ! のです!!」
義久が不動明王の呪を唱えると周囲に蒼いオーラが放たれた。
チカはふっ飛ばされながらも鉄槌を振り下ろしており、もう一度食らわせるために鉄槌を振りかぶった。速さと重さは力であり、食らわせれば天魔武者でもただではすまぬ。その事を理解して、最後の一撃を叩き込む為に全力を振るう決意であった。
「――ぶっ、つぶ、れろぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!」
「……今です! 小賢しい知恵の詰まった義久の頭を! 天空より招来させた隕石で! 欠片も残さず粉砕してくれます!!」
チカが突っ込むのに合わせて吼えた時、華楠が目を見開き呪文を詠唱し始めた。今こそがチャンスと魔力を集中させて最後の攻撃に移ったのである。
「……言っておきますが、私の《墜星》は、桜島の火山弾が問題にならないくらい痛いですよ? 天魔武者に脳漿があるかは知りませんが――その頭の中身、何から何までぶちまけなさい!!」
華楠は陰陽五行の術のうち、雷の術へ占星術を組み込んでいた。
さながら古の十絶陣もかくやと言わんばかりだ。
妖精たちの補助元、宇宙に漂う鉄隕石を占星術で捕捉し、超電磁誘導で地上へと降り注がせたのである。
「速度と重さは力となる! 良い言葉です! 獅子宮、女宮、秤宮、蠍宮、弓宮、磨羯宮、瓶宮、魚宮、羊宮、牛宮、夫婦宮、蟹宮――黄道巡りて、星よ、怒槌と成れ!!」
天より落ちる流星が島津義久の元に降り注いだ。
その体を打ち砕き、そしてその存在を許さぬとの怒りを込めて叩きつけられたのだ。
『……チェェェェストー!!』
「だからどうしたというのです! ――《雷幻想・墜星》!!」
反撃として叩きこまれる種子島!
だが華楠は構わなかった。少しでも相殺できれば良い。
いや、手痛いダメージを与えて、万全でなくなれば仲間たちの討ち誰かが倒せる。そう信じて攻撃は最大の防御であると、全ての魔力を隕石へと載せたのであった。
「やったぁっ! ……はっ、薩摩の皆ぁ無事でしょうか?!」
「ええお、きっと無事ですよ。あとで見に行きましょうか」
チカが歓声を上げると華楠はにっこりと微笑んだ。
先ほどまでの怒りは、島津義久を打ち砕いたことで収まったのであろう。
「世の中の 米と水とを 汲み尽くし 尽くして後に 天つ大空。……今こそ史実の義久公にその全て、還す時です!!」
最後に華楠はそう告げて内城を立ち去ったという事である。
そして義久の死体はともかく、内城の天守は次第に砕けて行き、その名残を失わせていった。
こうして薩摩での激戦は終り、天正大戦国との戦いは一つの節目を迎える。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2025年08月08日 |
| 宿敵 |
『『龍伯』島津義久』を撃破!
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