青田に風は吹き抜ける(作者 一条もえる)
#天正大戦国
#摂津西宮防衛戦
#摂津国
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●『天正大戦国』・大阪城
「西宮神社が襲われたッちゅーんは、どういうことや!」
ヒルコが奪われた。その知らせに、激昂した豊臣秀吉は手にした茶碗を叩きつけ、幾度も幾度も踏みにじった。
「ワイの知らんうちに、播磨国や丹波国でも落とされたのか?」
だが、考えているうちに冷静さを取り戻した秀吉はどっかりと腰を落とし、脇息に肘をおいて身体を傾ける。
「いや、播磨の黒田官兵衛や丹波の山中鹿介が、そんなヘマをするはずがないわな。
だとすれば……」
ギロリと、控える天魔武者どもを睨みつける秀吉。
「お前らが、摂津の端から端に移動するディアボロスどもを見逃した、っちゅうことや。
最後の最後に、なんちゅう失態なんや! せっかく大阪城からディアボロスどもを追い払ったッちゅうのに、家康が断片の王を継ぐことになってもうたわ!」
罵声を浴びせられ、配下どもは恐縮して平伏するしかない。『鉄砲屋』国友与四郎も、他の者どもと同じように「冷や汗をかきながら」畳に額を打ち付けている。
「今すぐ、西宮神社を襲ったディアボロスどもを皆殺しにして、ヒルコたちを大阪城に連れて来るんや!
出来なけりゃ、おみゃーらを八つ裂きにして大阪城の城壁に晒す!」
恐れ入って、それ以上下げようもない頭をさらに下げる配下ども。
それも気に入らず、秀吉は声を荒らげた。
「はよいけ!」
配下どもが、慌てて駆け出した。
●『最終人類史』・新宿島
「お見事でした。西宮神社のヒルコらを六甲山の基地に移送する策は、成功裏に終わりました」
許・伯隼(人間の無双武人・g03617)は口元をほころばせ、拱手してディアボロスたちを迎えた。
「豊臣秀吉にとっては、青天の霹靂であったでしょう。これにより、かの者は我々を撃破する切り札を失い、断片の王を継承することは能わなかったのですから」
徳川家康にその地位を奪われた秀吉の怒りは、容易に想像できる。
さらには、大阪城の二の丸に備えられた秘密兵器を動かすことも不可能になっている。
「これならば、たとえ千早城を欠いているとしても、大阪城を陥落せしめる道筋が見えてこようというもの。
無論、秀吉が座して動かぬはずがありませぬ。すでに西宮神社に向けて大軍を発しております。ヒルコを奪還する腹づもりでしょう。この軍勢は西宮神社周辺にいる民を、根こそぎ刈り尽くすつもりでしょう。
民の命を守り、かの軍勢を退けねばなりませぬ。天魔武者どもの通った後には、草の1本も残りませぬ」
「我々の動きを見誤った秀吉の配下どもにしてみれば、此度の戦いは決して負けられぬもののはず。二度の失態を、秀吉は許さぬことでしょうからな」
眉間に深い皺を刻み、伯隼は絵図を取り出した。そこには、西宮神社周辺の地図が描かれている。
「皆様には、この間道を進んでいただきたい。そこには小さな村があり、『鉄砲屋』国友与四郎に率いられた軍勢が向かっております。急げば、1日の差で敵に先んじて村にたどり着くことができるでしょう。
ヒルコたちのことは、ご懸念には及びませぬ。彼らはすでに六甲山に匿っておりますので、見つかる心配はありませぬ。ただそれゆえに、村人たちは腹いせに殺されてしまうのです。
村の住民を説得し、早く避難させてくだされ」
「断片の王となることは能わずとも、豊臣秀吉が『天正大戦国』有数の大大名であることに変わりはありませぬ」
楽観を許さぬ表情で、伯隼は一同を見渡す。
「たとえ敵に二の丸の兵器がなくとも、千早城抜きで大阪城を攻略するには、かなりの時間を覚悟せねばなりますまい。そうなれば、周辺の大名の動静も気にかかります。
それ故、切り札を失って浮足立っている秀吉を伐ち摂津国を奪還するためにも……こたびの戦いは、負けるわけには参りませぬ」
●『天正大戦国』・西宮神社近くの村
空は晴れ渡り、すくすくと伸びた稲は青々として風に揺れている。
「ヒルコは、ヒルコはおるか!」
雑賀衆どもはその田を無造作に踏み荒らし、太刀で稲を切り飛ばしながら、声を張り上げた。
村人たちは水門を開けて水を流し、乾いてヒビが入り始めた田を水で満たそうとしていた。それ故に雑賀衆が現れたことにもすぐに気づき、おずおずとその前に進み出た。
「お侍様。どうか、田からお出になってくだされ。踏み荒らされ葉を切られては、稲が枯れてしまいます」
「それでは、年貢を納めることもできません」
しかし、進退窮まった天魔武者どもにとっては、そのようなことはどうでもよいことであった。
「黙れッ!」
名主のこめかみに銃を突きつけ、頭蓋を吹き飛ばす。
「人間ども! 死にたくなければ、ヒルコの居場所を答えよ!」
「ぞ、存じません! そのような者は……!」
「えぇい!」
その者の頭蓋も、柘榴のように飛び散った。
母親の背に隠れていた幼子の姿を、雑賀衆が捉えた。我が子を守らんとする母親の首を跳ね飛ばし、幼子の喉元を掴んで持ち上げる。
「チッ! ただの人間だ!」
無造作に放り投げられた幼子の身体は、首を不自然な角度に曲げて動かなくなる。
村人たちは蜘蛛の子を散らすように逃げたが、雑賀衆どもはひとりとて残さず撃ち殺していく。他に手はなしと田に踏み込んで身を潜めた者たちも、揺れる稲を目印に、ことごとくが撃たれて死んだ。
この悲劇を起こさないために、ディアボロスたちは急がねばならないのである。
リプレイ
六藤・鈴鹿
アッハッハッハ!
サルの名を奪ったガラクタの絶叫は心地いいな!
さて、まずは近隣住民の避難だね
皆、現在秀吉様がお怒りに……いや、癇癪を起こして居る
その為、皆には避難してほしい
君達がもう少しで村の田んぼに水を引く作業をするのは分かっている
その事業はボクが担う
だから、皆は逃げてほしい
パラドクスの残留効果でフライトドローンを展開
子供や老人を乗せて避難できるようにした後、田んぼに水を入れるべく上流の水門を開く
そこから板で仕切ってそれぞれの田んぼに水を流し込んでいく
天魔武者の襲撃は後一日
24時間は余裕がある、ならゆっくりと田んぼに水を入れる事で憂いを無くしておこうか
スポーツドリンクを取り出し、飲み干しながら引水作業を進めていく
稲が腐らない様に水量を調整しながらね
終わった後、住民が避難できているかスポーツドリンクをリュックサックに持ち込みながら住民の後を追うよ
この時期だ、熱中症になってもおかしくないからね
「アッハッハッハ! サルの名を奪ったガラクタの絶叫は心地いいな!」
六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)は大笑いしながら、パラドクストレインを降りた。
空は晴れ渡り、真夏の日差しが容赦なく照りつけてくる。山が黒い。
彼方を見やれば、田が広がっていた。あれが件の村であろう。働いている村人たちの姿も見える。
「皆。現在、秀吉様がお怒りに……いや、癇癪を起こしておられる」
笑いをかみ殺しながら、鈴鹿は村人たちを前にした。
とはいえ、村人たちにとっては天魔武者の虫の居所も死活問題となる。野良仕事をしていた村人たちが、困惑して顔を見合わせた。
「君たちが、田んぼに水を引く作業をするのはわかっている。その事業は、ボクが担う。
だから安心して、皆は逃げてほしい」
「わかりました。どうか、田をお願いいたします。さぁ、避難の準備を!」
慌てて支度を始める村人たちを尻目に、鈴鹿は川の上流へと向かう。
「これだね」
水門を開くと、水は流れを変えて水路を満たしていく。その流れを追った鈴鹿は、まずはじめの田に水を引き込んだ。ひび割れ始めていた田が、徐々に水で満たされていく。山の方では雨が降ったのか、村には日差しが照りつけているが水の量は多い。
鈴鹿はゆとりのある水量を板の仕切りを操って誘導し、次の田へと導いた。上の方が水で満たされると、さらに流れを変えて下に、下にと水を引き込む。
村を養えるだけの田となれば、その枚数もかなりのものになる。あちこち様子を見て回るうちに、全身は汗だくになった。
鈴鹿はリュックサックからスポーツドリンクを取り出し、喉を鳴らして瞬く間に1本を飲み干した。
しかし。今流し込んでいる田が水で満たされる間、いったん村に戻ったときである。
「まだ残ってるの?」
「申し訳ございません。なにしろ足萎えの爺婆が幾人もおりまして……」
「うぅん……。フライトドローンでも、ひとりずつしか運べないからなぁ……しょうがない、コツコツやるしかないか。出来るだけ早く、移動して!」
そう言い残し、鈴鹿は田の様子を見に戻った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
テテル・グリーズ
チッ、胸糞悪い予知だ
しかも俺らが上手くやらねば現実になっちまうというから救えねェ
現状は――
避難の必要性の説明と田畑への対応は他のディアボロスが手を回してくれてるよーだな
ならば俺は避難が難しい人々の救助をすれば良さそうか
おい、できるだけたくさんの人が乗れるものは無いか
農具とか岩とか、最悪持ち上げられるなら建築物でもいい
どうやって持ち上げるかは今は考えるな!
そう村人に声をかけ情報を貰いつつ避難する者達を乗せるものを見繕う
アタリがついたら極力全員をそれに乗せて【怪力無双】を使って持ち上げて運ぶ
村人と乗りもの合わせてもそうそうトンは超えねーだろ
もし持ち上げるのが無理そうだったり、全員が乗り切らないなら分割しての運搬になるがドローンで一人ずつ運ぶよりは早く済むハズだ
乗り物に上れない?俺様が乗せてやるからじっとしてろ!
避難場所に移動する途中で移動困難になってるヤツが居ないかも見ておく
途中での離脱者もシッカリ回収するぜ
誰一人死なせやしねぇさ
俺様はやさしーディアボロスだからな!
「田のことは、任せたぜ!」
テテル・グリーズ(まがいもの・g08976)が大声を張り上げると、鈴鹿は振り返って手を上げた。ぶんぶんと手を振り返したテテルは、
「あっちは手を回してくれたよーだな。ならば俺は、救助を手伝うとしようか」
そう言いつつ、唾を吐く。
「チッ、胸糞悪い予知だ。俺らが上手くやらねばあれが現実になっちまうというから、救えねェ」
しかしその渋面も村人たちには見せず。
「ひとりひとり背負っていったんじゃ、埒が明かねェ。できるだけたくさんの人が乗れるものはないか?」
と、問うた。
しかし村人たちは困惑したように顔を見合わせるばかりである。
そんなとき、テテルの目に留まったのは崩れかけた家屋であった。どうやら家主が死んで廃屋となってしまったらしいが……。
「いや、こいつは使える」
目をつけたのは梁である。それは、太い一抱えもあるほどの大木が用いられていた。
それを解体して持ちあげただけでも、常人の成せる業ではない。テテルは橋を渡すように岩と岩の間に梁を置いて、老人たちを跨がらせた。
「しっかり掴まってろよ。しがみつけるよう、縄でも結びつけた方がいいかもしれないな……。
なに、乗れない? ……しょうがないな、俺様が乗せてやるから」
「おや、まぁ」
自分では跨がれない老婆を抱きかかえ、持ちあげてやるテテル。老婆はいくらか嬉しそうでもあった。それを見て、他の老婆たちも抱えてくれるように願う。
「頼もしいねぇ」
「男前だねぇ」
「いいからじッと大人しくしてろ!」
老人たちを乗せ終えたテテルは、梁の下に潜り込んでそれを肩に乗せ、
「うおおおッ!」
鬼の血によって腕を異形巨大化させ、渾身の力でそれを持ちあげたではないか!
その【怪力無双】ぶりに、老人たちどころか村人皆が目を見張った。そして、歓声を上げた。
「ろくに食ってもいないじーさんばーさんだ、10人くらい乗ったって、トンは越えねーだろ」
テテルは揺らさぬように気をつけながら、梁を運んでいく。先導する若者についてテテルは進み、その後ろを村人たちがついてくる。脱落した者はいなさそうだ。
「誰ひとり死なせやしねぇさ。俺様はやさしーディアボロスだからな!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
テテル・グリーズ
折角田畑の保全に人手を割いたんだ、村が荒らされないに越したことはねぇ
天魔武者が攻めてくる方角に陣取ってぶっ潰してやらァ
村人を避難させてからのとんぼ返り、強行軍
チョイ眠いのは事実だが、ダークハンターが夜眠いですなんて言ってられねーよ
敵が攻めてくる前に冷水に頭突っ込んで、少しでも目覚まししておくか
さて、敵さんは自分達が襲われることは想定していねェみたいだ
まだ夜のうちに交戦となれば最高だし
日が登っていても物影に隠れていれば見つかることはそう無いだろう
姿を隠して「暗夜の一撃」を放つ
一撃で倒せればイイんだがそう簡単に事は進むまい
俺様の姿を見つけられなかったとしても、パラドクスは追ってくるだろう
急所を撃ち抜かれないよう、可能な限り村の物品を障害物にしたり、身軽さを武器に躱してみたり、ブラッディオーラの放出で攻撃の威力を殺したり、最悪(例えば)腕で心臓部を守ってみたりと対処する
時間をかければかけるほど消耗させられて倒れかねないから敵の急所を狙って素早い撃破を試みる
捌ききれないなら撤退も視野にいれとくぜ
「村人たちを避難させてからのとんぼ返りは、ちょいとキツイぜ」
村の老人たちを避難場所となった山麓まで運んだテテル・グリーズ(まがいもの・g08976)は、休息する間もなく村へと駆け戻る。
そのまま村を突っ切って、街道までテテルは走った。
「せっかく鈴鹿が田んぼの世話をしてくれたんだ。荒らされないに越したことはねぇ。天魔武者どもが攻めてくる方に陣取って、ぶッ潰してやらァ」
左右の林が開けて街道に出たのは、まだ空が暗いうちである。急いだこともあり、敵の侵攻まではしばらく時間があるようだ。
「最高だな」
笑みを浮かべるテテル。しかし、待っている間に眠気が襲ってくる。
「ふぁ……」
欠伸を噛み殺したテテルは、傍らを流れる細流に頭を突っ込んで目覚ましにした。
「チョイ眠いのは確かだが……」
ダークハンターたるもの、夜に眠いだなど言ってはいられない。
雑賀衆どもがガシャガシャと鎧の音を響かせ駆けてきたのは、ちょうどその時である。
濡れた頭を拭うのもそこそこに、テテルは愛刀『カースファルシオン』を抜いて茂みに潜む。
「急げ、急げ!」
銃を担いだ雑賀衆どもが街道を駆けてくる。
「こちらに道がある。村があるに違いないぞ」
「よし、いくぞ。なんとしてもヒルコを奪い返さねば! さもなくば、我らの首が飛ぶ!」
1体の雑賀衆が村へと続く道を曲がった、そのときである。
闇に紛れて忍び寄ったテテルは、敵の背後から呪詛を内包する刃を振り下ろした。
「ガ……ッ!」
斬られた雑賀衆はなにが起きたかもわからぬうちに絶命する。
「ははッ! どうやら、自分たちが襲われることは想定していなかったようだな!」
「いたぞ、こっちだッ!」
テテルは素早く位置を変えたが、その姿を敵兵の1体が見咎めた。素早く銃口を向けると、テテルの心臓に狙いをつけて引き金を引く。
「やれるものなら!」
敵を睥睨すれば、テテルの殺意は鮮血の如きオーラとなって燃え上がる。銃弾はそれに弾かれてあらぬ方向に飛んだ。しかし、敵兵は当たったかどうかを確認もせず、すぐに銃を構えていた。テテルの肩を浅く、銃弾がえぐる。
「そう簡単に事を進めさせてはくれないようだな!」
口の端を持ちあげたテテルは、再び敵の死角から踊りかかった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
六藤・鈴鹿
さぁ、次はガラクタ人形を切り刻むとしますか!
フライトドローンで足場を作り駆け抜けながら能力値アップとダメージアップを重ねてパラドクスを起動
宙を自在に舞い剣の豪雨を降らせる無数の妖刀へと分裂する剣
情報処理能力の強化と高速思考により瞬間ごとに最適解を思考して立ち回りる剣
他者の心を見通す神通力により敵の行動を読み切る剣
この三つの剣を使い、上手く戦術的に立ち回っていく
相手が短筒に太刀、長銃による至近射撃も取り入れる白兵術を使うなら、こちらは神通力と情報処理能力の強化と高速思考により瞬間ごとに最適解を思考し、剣で白兵術を受け止めて反撃アップで反撃
そのまま三の剣で切り刻んでいくよ
さぁ、このままサルの騙りを破滅させていこうか!
第六天魔王として龍脈に命じる。創り上げよ、三名の妖刀を――!
剣雨の大通連、思考の小通連、神通の顕明連、以て天魔を斬滅する!
剣雨の大通連で相手を切り刻みながら、詠唱を唱えるだろう
「ぐおッ!」
テテルの刃が1体の雑賀衆を斬り裂いた。しかし敵兵どもは素早く銃を向け、命を懸けた一撃を放たんとする。それを浴びては、さすがのテテルもただでは済まぬと思えたが……。
「さぁ、次はガラクタ人形どもを切り刻むとしますか!」
「むぅッ?」
高所から、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)の声が響いた。
敵兵どもが慌てて上を向き、銃口をそちらに向けて引き金を引く。しかしフライトドローンを足場にして駆け抜けた鈴鹿は追い切れない。
口の端を持ちあげた鈴鹿は、
「このまま、サルの驕りを破滅させていこうか!」
と、敵群を睥睨する。その威に、雑賀衆どもは一瞬気圧された。
しかし慌てて気を取り直し、
「蜂の巣にしてくれようぞ! 近づくならば切り刻もうぞ!」
と、ある者は銃を構え、ある者は太刀を抜いた。
鈴鹿はその様子を鼻で笑った。
「第六天魔王として龍脈に命じる。創り上げよ、三名の妖刀を!」
天に高々と手を差し伸べる。龍脈のエネルギーから創り出された3本の刀が、その手には収まる。
「剣雨の大通連!」
ひと振りは無数に分裂して宙を自在に舞い、刃の豪雨となって敵兵を刺し貫き。
「おのれッ!」
「思考の小通連!」
ふた振りは敵兵の動きを瞬時に見抜く。敵兵は長銃を投げ捨てて短筒を突きつけたが、鈴鹿はその動きを察知して、さらに踏み込んだ。まさか恐れず飛び込んでくるとは思わなかったらしく、敵の狙いが逸れ、銃弾はわずかに頬をかすめる。鈴鹿は短筒を手にしたままの腕を、その肩口から斬り飛ばした。
そして、
「うおおッ!」
倒れる同胞をものともせず、残った敵兵はその陰から太刀を振り上げて襲いかかってきた。
「そして神通の顕明連ッ!」
だが、敵兵の企みを鈴鹿は読み取っていた。振り下ろされる太刀を刀で受け、弾き返す。
「ば、馬鹿なッ!」
奇襲を見破られ驚愕する敵兵は、その「表情」を浮かべたまま袈裟懸けに斬り下ろされた。
「以て、天魔を斬滅する……!」
鈴鹿の刀が鞘に収められる。辺りには雑賀衆どもの物言わぬ骸が転がっていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
金刺・鞆
(トレインチケット)
「雑賀衆どもはなにをやっておるのだ!」
知らせのひとつもよこさぬ配下の怠慢に、『鉄砲屋』国友与四郎は苛立ち紛れに足元の岩を蹴り砕いた。この時点で、雑賀衆どもの全滅を知らない。
「ヒルコを早く見つけ出さねばならぬというのに……えぇい、仕方がない!」
国友与四郎は歩調を速め、雑賀衆どもに任せていた村へと向かう。武田不山隊どもも、それに付き従った。
「『いぬ』!」
金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が、駆け戻ってきたモーラット・コミュ『いぬ』の背を撫でる。敵を発見したらしい。
幼いながらも決意を込めた表情で、鞆は敵を迎え撃った。
「……いま」
不山隊どもが、「傍らの草が鳴った」と思ったとき。そこを駆け抜けた鞆が敵の不意を突き、踊りかかった。ささやかな飾り羽を誂えた白木の扇がパッと開かれる。鞆はそこから紙片のように薄い刃を2枚引き抜いて、敵に投じた。
それは不山隊どもの分厚い鎧の隙間に突き立ち、機械油を噴出させる。
「われらはでぃあぼろす、力なき民の刃にして盾なり!」
「小娘がッ!」
不山隊は力任せに右腕を振るった。構えを取りつつも、その勢いに吹き飛ばされる鞆。
「小娘じゃ、ありません。とも、は、とも。です」
そう言って草を払い、鞆は立ち上がった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
テテル・グリーズ
どうやら本隊も村に向かってきているようなので、お迎えに行ってやることにする
樹の上を移動していって奴らの上をとってから
「ディアボロス様の登場だぜェ!」
との声とともにパラドクスを発動、カースファルシオンを超重量化させて敵の上に急降下
登場と共に1体潰せりゃすげーカッコよくね?
潰せたらそのまま他の敵の殲滅に移行、まだ動くようならしっかりトドメを刺してからパラドクスをガンガン使って1体ずつお片付けしていくぜ
敵サンが覚悟を決めて動くなら
「おうおう、殺りあおうじゃねーの!」
上機嫌になってウキウキする様子を隠さず得物をブン回す
俺様は戦場を駆けまわって敵を挑発しまくるのが好きなんで制圧射撃してくる相手とは相性が悪ィんだが、それでも構わん!
やる気だけは誰にも負ける気がしねーんで、ブラッディオーラの強度もなかなかだろう
オーラを展開しながらダッシュしまくって「その程度かァ?!」なんて挑発も織り交ぜながら敵に武器を叩きつけていく
嗚呼、楽しいなァ…お前らも楽しめよッ!
「小癪な小娘めッ!」
武田不山隊どもは左肩に負った大筒を鞆に向け、一斉に放った。砲弾は生い茂る草も樹木もすべてを薙ぎ倒して炸裂する。かろうじて鞆は岩陰に逃れたようだが……それもいっときのこと。すぐさま敵群は大筒を向け直した。
いまにも必殺の炸裂弾が放たれようとした、そのとき。
「ディアボロス様の登場だぜェ!」
樹上からテテル・グリーズ(まがいもの・g08976)が響き渡る。
不山隊どもがそちらを見上げるよりも早く、テテルは跳んでいた。背に負った愛刀『カースファルシオン』を大上段に振り上げ、狙った敵へと急降下する。
振り下ろされた瞬間、それは凄まじい重量を持つ刃へと変じる。はたして、不山隊に刃が内包する呪詛を感じ取れたか、どうか。それを確かめる間もなく、敵兵は脳天から唐竹割りに両断された。
「お、おのれッ!」
浮遊していた不山隊どもが、脚部を展開する。伸ばした足でしっかりと地を踏みしめて、敵兵は炸裂弾を放った。
「おおおッ……!」
テテルは戦場を駆け回り、なかなか狙いを定めさせない。それでも怒濤の連射を見せた砲弾の破片は飛び散って、テテルに降り注いだ。そのひとつが額に刺さったか、血が滴ってくる。
それでもテテルは慌てず怯まず、
「おうおう、殺りあおうじゃねーの!」
嬉々として得物を振り回して敵群へと襲いかかる。
「ぐぬッ……!」
不山隊は砲撃を続けるが、テテルの殺意を具現化した『ブラッディオーラ』は紅に燃え上がり、それを纏ったテテルは砲火をくぐり抜けていく。
「その程度かぁッ?」
叩きつけた刃は敵兵の肩に深々と食い込み、砲の重さを支えきれなくなった肩から先が砕けて落ちる。
テテルは大きく息を吐き出し、敵群を睥睨した。
「嗚呼、楽しいなァ……お前らも、楽しめよッ!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
野本・裕樹
護衛の『武田不山隊』は残り僅かですね。
救援機動力で駆け付けた私なら寝不足の心配もありません。
助太刀させてもらいます、このまま一気に押し切りましょう。
使う刀は《蛇腹刀『蛇花』》です。
方針は先に述べた通りこのまま一気に押し切り勝ちを狙います、【ダメージアップ】で威力を高め残る敵を討ちましょう。
時間を掛けずに倒せれば結果として被害も少なくなる筈です。
「私を倒せないようでは、ヒルコの元へなど行けはしませんよ」と意味深にに一言。
ヒルコの居場所を知るような口振りで進退窮まっている彼らが更に冷静さを欠く事を狙い、死角から『蛇花』の斬撃を放ちます。
《七尋の太刀・柊》――逃がしはしません。
地を進む飛び道具ならば最後は地中から飛び出してこちらに攻撃してくるの筈、【未来予測】で地面の変化を見逃さないようにし攻撃に備えましょう。
『蛇花』を鞭状に振るい飛び出してきたミサイルを迎撃、抜けて来るものは致命傷を受けないように防御します。
「戯言を……楽しんでいる暇など、あるものかッ!」
武田不山隊どもはその巨体でテテルを押し包まんと押し寄せたが、
「助太刀させてもらいます!」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)が割って入る。敵は裕樹の振るう刃から逃れようとしたが、刃はまるで敵が身を翻す先がわかっているように「そこ」で待ち受けていた。
「ギャッ!」
胴を裂かれた敵が、おびただしい機械油を撒き散らしながら倒れる。
「裕樹!」
「はい、テテルさん。遅くなりました。けれどもそのぶん、寝不足の心配もありません」
そう言って笑った裕樹は、
「敵も残りは半数、このまま一気に押しきりましょう!」
と、敵群を睥睨する。
「心得たぜ」
テテルも戦意を新たにして、得物を構え直した。
裕樹は、急いで陣形を整える敵群へと突進していく。「兵は拙速なるを聞くも、未だ功久なるを睹(み)ざるなり」という。時間をかければそれだけ、こちらの損害も増すであろう。
即戦速攻を旨とした裕樹の刃が、敵兵に襲いかかる。
「く……!」
「私を倒せないようでは、ヒルコの元へなど行けはしませんよ?」
虚言である。すでにヒルコたちは六甲山に逃がしている。
が、その奪還を命じられて進退窮まっている不山隊どもにしてみれば、それは一筋の光明とも思えたのであろう。真偽を論じているゆとりさえない。
「女! 知っていることがあるならばすべて教えよ!」
と、残った敵が裕樹に殺到する。
だが、その死角から蛇腹刀『蛇花』は襲いかかり、敵を斬り伏せた。
「おのれッ! 手足をもごうと、その口さえついていれば情報は吐けるのだぞッ!」
不山隊どもは激昂し、本来ならば足が出てくる甲羅の隙間から、無数のミサイルを打ち出した。それらは螺旋を描いて地に潜っていく。
「……そこですッ!」
周囲を窺った裕樹が、蛇腹刀を振るう。地中から襲いかかったミサイルは、狙いを外して炸裂した。
さすがにすべてを避けきることはできず、破片を浴びた肩口からは血が飛び散ったが、裕樹は爆煙が失せる前に得物を構え直していた。
「うぬッ!」
「……逃がしはしません。疼ぐ(ひいらぐ)未来を!」
不意を突かれた敵兵は、跳び下がって避けようとする。しかし妖気で操った裕樹の刃はその先を見通して鞭状にうねり、敵兵が避けたところで待ち構えていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
六藤・鈴鹿
未来予測で2秒先の未来を見据えながら、大量生産した火縄銃を召喚しての怒涛の連射を武器と防具で受け止めてダメージを抑えて反撃アップで反撃
弾幕を『武者式・飛翔の機械羽衣』や『時空間連続体切断兵装・デスサイズ』、『第六天魔王の鎧』で受け止めながら反撃をし返した後こちらの攻撃
音楽の力と相手の血液が沸騰し全身から血が噴き出す程の『色』の波動を『真・天魔妖剣『天将』』や『概念武装『虚構神話・三段撃ち』』、『竜を穿つ金剛杭』、『竜脈エネルギー運用型砲撃兵装生成陣』等のボクの所持している武器全てに付与し、精神諸共敵の肉体と魂を破壊する連撃を仕掛けていく
残留効果で能力値アップ、命中アップ、ダメージアップ、ドレインを付与して攻撃
威力と精度を高めながら、痛打を与えた際に大きく回復する事を見越してパラドクス化した複数の武装による連撃で弾幕を対処しながら壊滅状態に持ち込んでいく
そろそろ、サルの騙りも天下はここまでかな!
「随分と慌てているじゃないか。そんなにサルが怖いのかな?」
「むむッ!」
先を急ぐ『鉄砲屋』国友与四郎の前に、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)が立ちはだかった。
「退きなさい、娘ッ!」
「ははは。ボクが、そう見える? それは嬉しいね」
鈴鹿は笑い、後ろでひとつに束ねた長い髪をなびかせて駆ける。国友与四郎は負った櫃から大量の火縄銃を取り出し、構えた。
「退かぬというならば、大盤振る舞いをして差し上げましょうぞ!」
だが、鈴鹿は敵がそう来ることを読んでいた。
敵将の放った怒涛の銃弾が襲いかかる。鈴鹿は『時空間連続体切断兵装・デスサイズ』でそれらを断ち切った。防ぎきれぬ銃弾が『第六天魔王の鎧』で弾けたが、致命的と言えるものはひとつもない。
「そちらが銃なら、ボクもそうさせてもらおうかな!」
と、長銃の引き金を引く。
長篠の戦いにおいて織田信長が三段撃ちで武田の騎馬隊を退けた……というのは、講談である。が、鈴鹿の手にする銃はその逸話の概念を虚数の魔弾として放つもの。
「ぐぬ……」
敵は、鉄を打つ大きな鎚をかざしてそれを受けた。魔弾のいくつかがそこで火花を散らしたものの、二段、三段と放たれた銃弾は敵将の肩で弾けた。
「まだ、こちらの番だよ。
第六天魔王として龍脈に命じる。生の賛歌を奏でよ。その旋律は我が武器全てに宿り、天魔の精神、肉体、魂魄を破壊する!」
音楽の力、そして「色」の波動。全身の血液を沸騰させて吹き出させるほどの圧倒的な波動が鈴鹿の手にする得物に込められていく。
虚数の魔弾が立て続けに襲いかかり、作り出された魔法陣からは竜脈のエネルギーが砲弾として放たれる。
「ぬがッ!」
吹き飛ばされる国友与四郎を追って、鈴鹿は地を蹴る。妖力は長刀の形となって鈴鹿の手の内にあり、振り下ろされた刃が、敵将の肩口を深々と斬り裂いた。
「そろそろ、サルの騙りも天下はここまでかな!」
鈴鹿は笑みさえ見せて、尻をついた敵将を見下ろす。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
野本・裕樹
国友と言えば鉄砲鍛冶で有名ですね、『鉄砲屋』と言うからにはその内の一人なのでしょう。
鍛冶の事等、話を聞いてみたい相手ですが今はそれが許される状況ではありませんね。
村とそこに住まう人々を……そしてヒルコ達を護る為、貴方を討たせてもらいます。
使う刀は《妖刀『鐵喰』》を変化させた《巨刀『曼殊沙華』》です。
鎚は鉄を鍛える為の物、決して人に向ける物では……等と言っても仕方ありませんね。
毎日幾度も振るってきたからこそ生み出せる一撃というのもあるのでしょう。
生憎と私には鎚を戦闘の武器として振るうつもりはありませんが、代わりに自分の作品である『曼殊沙華』でお相手しましょう。
《妖刀覚醒・鉄蝕閃》――貴方の鎚に負けない重みがこの『曼殊沙華』にもあるとお見せします。
御守・樹
たいていのディヴィジョンみてて思うんだけど、なんで人間ありきでクロノヴェーダなのにその人間を大事にしないんだろ?
簡単に殺して。
ただ種をまけば芽吹くだけのシンプルな生き物じゃないのにな(実際の植物もそこまで単純じゃねぇが)
なるべく村の外で迎撃。
せっかく先行した人たちが手入れしたんだ。田畑に被害が出るのはしのびない。
敵を視認できたら村とは反対方向、もしくはより離れる方向に向けて渾身の瞬雷。
うまく吹き飛ばせたらすぐさま距離を詰め体勢を整えるのを防ぐようにしすぐさま追撃。
追撃が出来ないようでもこちら、俺の方に意識を向けられたのなら上等。
連射が自慢って事は他性能はどうなんだろうなぁ?
そうそう、火縄銃の感想だったな。
連射できるのは火縄銃のわりには出来は良いと思う。
けど数うちゃなこの状態は命中精度が無いって事と同じじゃねぇの?数が無きゃあたらないのは銃としちゃガラクタも同然じゃねぇ?(真実思ったまま、人によってはワザとの煽りに聞こえる言い方、らしい)
「なんとしても、ヒルコを手に入れねばならないのですッ!」
立ち上がった『鉄砲屋』国友与四郎は、赤熱した手鎚をブンブンと振り回した。
「邪魔をするならば、ディアボロスだろうと人間どもだろうと叩き潰すしかありませんな!」
「……疑問なんだけど」
御守・樹(行雲流水珪化木・g05753)が引き金を引くと、放たれた銃弾が3発、国友与四郎の足元と膝とで弾けた。
そうして牽制しつつ距離を取り、
「クロノヴェーダって人間ありきなのに、どうしてその人間を大事にしないんだろ?
簡単に殺して……ただ種をまけば芽吹くだけの、シンプルな生き物じゃないのにな」
と、首を傾げる。
「そうですね……人の命など、野の草よりも勝手に生えてくるもので、自分たちの都合しだいでいくらでも刈り取れると考えているのでしょうが。
特に今回は、自分の命のためには、なりふりかまっていられないということでしょう」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は妖刀『鐵喰』を抜き、振り下ろされる鎚を弾き返す。
「野の草だって、そこまで単純じゃねぇよ」
と、樹が苦い顔で吐き捨てた。
「うむむッ!」
たたらを踏む国友与四郎。裕樹は敵将の手にある鎚に目をやり、
「国友と言えば、鉄砲鍛冶ですね。『鉄砲屋』というからには、そのひとりなのでしょうが。
鎚は鉄を鍛えるもの。決して人に向けるものでは……」
「黙られよッ!」
国友与四郎は焦りも隠さず、襲いかかってくる。
無数の火縄銃が召喚され、そのひとつを構えて国友与四郎は怒鳴った。
「『鉄砲屋』の面目躍如、お望みならば見せてくれよう!」
「鍛冶のことなど、話を聞いてみたくはありますが。今はそれが許される状況ではありませんね」
裕樹は六尺の妖刀を構え、地を蹴った。
「おっと……ッ!」
樹は横っ飛びに避ける。敵の放った銃弾が、先程まで立っていたところで弾けた。すでに敵は撃ち終わった銃を投げ捨て、次の銃を構えている。
村を出て、迎え撃っているのだ。村人たちが自分の命にも等しく案じていた田畑に被害が出る心配はない。ただ、ここで敵を討てばよいだけのことである。
故に樹は一心に、脇腹に、頬に銃弾がかすめるのにも構うことなく、一気に踏み込んだ。
「貫けッ!」
指貫グローブをはめた拳を握りしめ、渾身の力で敵将の腹に打ち付ける。
敵は吹き飛ばされ、無様に地に転がった。どこか機構に不備でも出たのか、その口元……と言える部位……から、おびただしい機械油を吐き出す。
「おのれ……ッ!」
国友与四郎は手鎚を振り上げる。
「毎日、幾度も幾度も振るってきたからこそ生み出せる一撃もあるのでしょう」
裕樹もまた、幾振りもの刀を打ってきた。故に鎚を握る感触を片時も忘れることはないが。
「あいにくと私には、それを得物とするつもりはありません。
代わりに、自分の作である『曼殊沙華』でお相手しましょう。噛み砕け、『鐵喰』ッ!」
その力が解放されると、刀身はひと回りもそれ以上にも長く伸び、重量はそれに数倍した。
裕樹は呼吸を整えて、空さえも断ち切らんとする鋭さでそれを振り下ろす。
「貴方の鎚に負けない重みが、この『曼殊沙華』にもあるとお見せしましょう!」
「ぐあッ!」
刃は敵将の額を割って肩に食い込み、さしたる抵抗もないままに脇の下まで斬り裂いた。腕は鎚を握ったまま、くるくると宙を舞う。
「……そうそう。火縄銃の感想だったな」
樹の唐突な物言いはあまりに緊張感のないものであったので、敵将は思わず振り返った。
「連射できるのは、火縄銃の割には出来がいいと思う。
けど、数撃ちゃ……な状態は、命中精度がないってことと同じじゃねぇの? 銃としちゃ、ガラクタも同然じゃねぇ?」
樹自身は、思ったままの感想を口にしているだけなのだが。
己の鉄砲鍛冶としての矜持を傷つけられた国友与四郎は激昂し、またしても火縄銃を構えた。
だが。
「ほら、当たりゃしねぇ!」
片腕で構えた銃で、精密な狙いをつけろというのが無理というもの。
樹は恐れもせず飛び込み、その顔面に拳を叩きつけた。
頭部を砕かれた鉄砲鍛冶の身体が、ゆっくりと仰向けに倒れた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!