リプレイ
白石・明日香
長かった・・・・ほんとに長かったよ。
七曜の戦を経てアルタンがどれほど強大化しているか考えるだけでも恐ろしい。
アーサー王は今の段階ならどうとでもなると豪語していたけどそれは個体最強であったドラゴンの地力故、ワタシ達では力の差がありすぎる。
けどあいつらは群体であるからこその最強だと戦いを経て分かった。
戦いようはある。あとはかのデヴィジョンに足がかりを得ることができれば!
とか思いながら甲板をふらついている。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情&セリフ】
ここもまだ予断を許さない場所ではあるけれど、落ち着いたもんだなぁ
遊覧を楽しめるところまで楽しまなきゃ損か
【行動】
試しに見張り台まで登ってみよう
船には何度か乗ったけれど高いところからの景色は好きだからな
高いところに関する言葉があった気がするが気にしない
平和な航海をしている景色を見られるならバカでもいい
まだ何も見えないがゆっくりできる時はゆっくりしておこう
舞鶴まで行けばこうもいかないわけだしな
この船と一緒に帰れるように今回も頑張るとしますか
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
ガレオン船で航海なんて、浪漫溢れる響きですね
デッキで潮風を感じて観光だけで終われば、どんなに良いか
寒さ対策に防寒着を着込み
温かいスープジャーやサンドイッチも持ち込みます
折角ですから海賊船の設備を確認して回りましょう
ポルト港に停泊していたのはガレー船でしたから、ガレオン船というのは海賊達にとっても特別だったのでしょうね
ガレー船の櫂と同様にガレオン船の帆が、特別な機能の要なのでしょうか
帆を広げたり畳んだり、風向きに対しての速力の差異を確認
特に無風や進行方向と逆方向から風が吹いていた場合の船の動きは要注意
舵輪や錨も合わせて見ておき
万が一の事態を考え、逃走に直結する仕様は安全な航海中に試しておきたい所です
帆を広げれば、風の状態を問わず舵輪の方向へ進んでくれるなら助かるのですが
アルタン・ウルクについて、本当は触れぬほうが良い存在なのかもしれません
戴冠の戦という刻限が決まっている以上、放置しても事態が好転する可能性は低いでしょう
ならば出来る範囲で何か情報を掴みたい所です
八百陣・葵漆
龍驤を倒して偵察を提案したからには参加しないとね
さてさて、時間がそれなりにあるし
アルタン・ウルク関する情報や気になるところを纏めておこうか
(移動時間を情報纏めと考察に費やす軍師)
今のところ、サイズの差はあれど同一形状の個体のみなのだよね
多様性が無いともいえるけど……
アルタン・ウルクがクロノヴェーダを喰らい、その力を強奪するならば、それを共有しているということなのかな?
何をエネルギーにしているかも謎だね
基本的にはクロノヴェーダは『人間からの感情エネルギーの確保』が必要なはず
しかし、人間の存在が確認できていない……
龍驤は『死を前にした恐怖』とか予想していたけれど、そんなものではすぐ尽き果ててしまうだろうし、きっと違うね
人間の存在が本当にないのか?食われてどうなるか?エネルギーが何なのか?
このあたりが少しでも突き止められるといいのだけれど
しかしパラドクストレインの出現が期待できないとなると
なかなか能動的な攻略が困難だね
それを出現させる方法を考えるのが第一になりそうかな?
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
アルタンウルク……俺の故郷であるキエフ大公国を俺にとっては未来になる時代に滅ぼす者達モンゴルの名を騙る奴等、か
他のクロノヴェーダからイレギュラーと言われる存在だし何度か相対はしたものの未だにどういう輩なのか分からない連中だから少しでも多くの情報を得ておきたいもんだぜ
ま、とはいえ未だ敵地についてない今も警戒していたら後に保たん
取り敢えず、釣りでもして心でも落ち着かせるかね
にしてもまあ、流石に移動中の船
最初から余り釣果は期待してなかったが……釣れんなあ
……しかし、この船が向こうでの移動拠点になるんだよなあ
奴等の猛襲から、せめて此の船は護らんと……って糸が引いてる?!
心情
自身にとっての未来に於いて故郷を滅ぼすモンゴルの名を騙ってる存在であり何度か戦って煮え湯を飲まされた事も有って警戒
可能な限り情報を得たいと思っている
基本的に船旅時は無理せずに本番に備える構え
海洋の状況の確認も兼ねて甲板で釣りをしながら周囲の風景を観察
釣果は期待してないので糸が引いたら慌てて対処
喩・嘉
基本的には幸児(g03876)と一緒にのんびりしている
※アドリブ、連携歓迎
ガレオン船での海の船旅ははじめてだな。
これからのことを考えると楽しんでばかりはいられないが、
大海原を風に乗って航っていくこの景色には純粋にワクワクするものがある
動力を積んでいないので、魚なども逃げずに近くに群れているのが船からでもよく見える。
デッキで景色を楽しんだら、
船の構造をよく理解しよう。
これから敵地へ向かって帰ってくる相棒になるわけだからな
天候把握と操作は神算軍師たる俺の得意とするところだ。
そこまで急いで逃げ出さねばならない状況に、陥らないようにするのが一番だが
これからの隠密行動を想定すれば、【平穏結界】を使う場面もあるかもしれない。
いつでも霧を出せるようにはしておこうか
守都・幸児
基本的には喩嘉(g01517)と一緒にのんびりするぞ
※アドリブ、連携歓迎
俺もこのガレオン船ってやつは初めてだ
格好いいなあ、でっかいなあ
喩嘉の髪が海風に揺れてるのを綺麗だなあってにこにこ眺めながら
ついついはしゃいじまう俺だぞ
あっ、喩嘉、あそこ魚跳ねてるぞ、群れだ群れだっ
魚狙って海鳥も飛んでるぞっ
たくさん海の景色を楽しんだら、
喩嘉と一緒に船の中を見て回るぞー
舵輪の操作もやってみたいっ
やり方覚えておけば、いざってときに皆の助けになれるかもしれねえからな
帆の使い方とか仕組みも覚えておくぞ
それから
【パラドクス通信】の通信機代わりの紙符を皆に配っておこう
しっかり連絡取り合って、帰りもこの船で皆で帰ってこられるようにな
頼んだぞ、ふらいんだぐ…ふらいんぐ、だっちまん号っ
…船の名前を噛まずに言う練習も今のうちにやっておかねえとだ
この綺麗で穏やかな海の先に、あいつらの世界があるなんて嘘みてえだな
アルタン・ウルクのことを考えると
なんだか気持ちがざわざわするんだ
あいつらが何なのか、今度こそ手がかりを見つけてやる
ラウム・マルファス
ゆっくり船旅、いいよネ。
まずは突入の準備だけして、その後ゆっくりしよウ。
船は『建造する』っていうけど、パラドクス効果的には建造物なのカナ?建物復元が使えるなら、破壊されにくくなるだけでもありがたいと思うんだよネ。
いきなり本番はコワイから、試しておこウ。普通のナイフで、船体の影響のなさそうな場所を傷つけてみるヨ。そのあと建物復元を使って、もう一度傷つけてみて、破壊されにくくなってるかどうか観察しよウ。復元効果は回数制限があるかもしれないから、とりあえず突入用に取っておくヨ。
あとは船内を見回って構造を把握しつつ、甲板とか船体に破損や老朽化がありそうなら、水中でも平気なパテ(薬品)で補強しておくヨ。気休めにもならないかもだけど、何もしないよりはきっと良いはずサ。
一通り終わったらゆっくりしよウ。日本生まれだし海外行ったことないから、船で国外から日本に向かうって何か不思議な気分ダ。甲板でゆっくり海を眺めていよウ。
九重・古安
イツカ(g02834)と一緒に参加だ。
台湾島までの航海の時に機会があればもう一度と思っていたが、予想より早く機会が回ってきたな。
何かあれば【パラドクス通信】で情報共有できるようにはしておくが、舞鶴までは肩の力を抜いてこの船旅を楽しむとしよう。
前回と違って長い船旅になるし、弁当と菓子、あとは温かい野菜スープを詰めた水筒を持っていこう。
スープは少し多めに用意したから、イツカも一緒に飲むか?
海の旅といえば、旅団の皆と飛翔で駆けた北極やその先の調査の旅を思い出すな。あれはあれで心躍る体験だったが、こういう風情のある船旅も良いものだ。
こう乗り心地が快適だと少し豪華なピクニック……いや、泊りがけだしキャンプの方が近いだろうか。
ほう、トランプ。長距離移動の御供というやつだな。準備が良いことだ。
……なるほど、魅力的な提案だ。となれば俺も真剣にやらざるを得んな。
イツカが勝ったら、そうだな。俺の膝を貸そうか。少し硬いが、空を見上げるにはちょうど良いだろう。今ならなでなで付きだぞ。
(※勝敗はMS様にお任せ)
イツカ・ユメ
古安くん(g02347)と一緒に
ふふ、自分達で確保した船で旅ができるなんてわくわくドキドキだよね。
今日のわたしには【強運の加護】がありそうな気がするから。
何かとんでもない大発見をしちゃうかも?
お弁当とお菓子もいっぱい持ってきたし、準備はばっちり!
夜は寒いかもしれないから、あったかい毛布もあるよ。
古安くんの野菜スープも良いね、身体の芯からぽかぽかしそう!
…ふふ、そうだね。
飛翔で目的地までビューンとあっという間に着くのも良いけど、こうしてゆっくり旅をするのも良いよね。
着くまでの間に色々楽しめるし、古安くんのことを独り占めできちゃうし。
そうそう、わたしトランプも持ってきたからちょっと遊ばない?
ふたりで出来るのだと、ババ抜きとか。
ふっふっふ、もしも古安くんが勝てたら膝枕してあげようかなぁ。
寝心地は……あったかいし、柔らかいし、結構良いと思うんだよ。
…え?待って。わたしが勝ったら古安くんの膝枕なの?なでなで付きなの?
こ、これはわたしも真剣にならざるを得ないね!
いざ、勝負!
(※勝敗はMS様にお任せ)
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
アドリブ連携歓迎
異なる海から呼びよせ、仲間たちが確保した船
有効性、稀少性を見ても大事にしたいな
色々と考えはすれど……
船旅だな
甲板の船縁にもたれて、潮風に吹かれていよう
空の色、海の色、悠然と移りゆく景色に染まっていよう
融合世界戦、アルタン・ウルク……まったく異質な存在であるはずが
イレギュラーたるは、俺たちも同じ
復讐者が異質であることを、心のどこかで知っているからこそ……
向き合う時が来る
風に揺れるピアスの歌を聴きながら
ヤ・ウマトの海や空の生き物に会えば手を振ろう
真に平穏な海には、いつ出会えるのだろう……
いまだ、遠い波間に砲撃の音が混じるよう
舞鶴へ近づくごと感じるのだろう
嵐の前の静けさだと……
アルタン・ウルクは群れの力を見せてきた
平穏結界は役に立つといい
大型船ゆえ、船がはみ出すかもしれないが……長さはどれくらいあるのかな
甲板を測りつつ散歩
帆を仰ぎ、船に挨拶を
どうか復讐者達の道行を守りたまえ
この船は二度目……操舵の練習をさせてもらおうか
寝静まる夜に、航路の番をしよう
天の星と波音に包まれながら
●舞鶴へ
大きく広げた帆いっぱいに風を受け、『フライング・ダッチマン号』が波を掻き分け進んでいく。
ガレオン船ではあるが、そこはクロノ・オブジェクト。
波に揺られても、最新鋭の客船並に影響を受けず、航行はとても穏やかだ。
「台湾島までの航海の時に機会があればもう一度と思っていたが、予想より早く機会が回ってきたな」
「ふふ、自分達で確保した船で旅ができるなんてわくわくドキドキだよね。今日のわたしはついている気がするから。何かとんでもない大発見をしちゃうかも?」
そんなことを話しながら、九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)とイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は潮風を受けながらお弁当を開く。
何かあればパラドクス通信で連絡を取り合えるようにし、舞鶴に着くまでは肩の力を抜いてリラックスモード。
前回調べた時に既に分かっていたが、この船の食糧倉庫にはあまり必要な食糧は乗せられていなかったので、持参した次第だ。
舞鶴から先のことはまだ考えていないが、今晩は水筒に温かい野菜スープも用意してきてある。
「お弁当とお菓子もいっぱい持ってきたし、準備はばっちり!」
「ああ、今はこの船旅を楽しむとしよう」
寄り添うように並び、2人は微笑み合った。
「ゆっくり船旅、いいよネ」
のんびりと過ごす仲間達を眺めながら、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、木造の船のマストに触れながら、ふと「船は『建造する』っていうけど」と疑問を口にする。
「建物復元が使えたら、破壊されにくくなるんだけどネ」
浮体構造物であれば建造物かもしれなかったが、さすがに船舶は建物ではない。
船体に傷をつけようとナイフを使っても、そこはクロノ・オブジェクトだ。普通の人の力ではやはり傷はつかないようだ。
「異なる海から呼びよせ、仲間たちが確保した船か。有効性、稀少性を見ても大事にしたいな」
舷縁にもたれかけ、潮風に青い髪をなびかせながらエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、ゆっくりと視線を海へと向けた。
パラドクストレインの転移先や移動拠点にもなり、ディヴィジョンの境界を越え侵入探索する際も活躍できるフライング・ダッチマン号の存在は貴重だ。
砂上船は陸路しか進めないことを考えると、航行できることは大きい。
広大な海は空の青と混ざり、その色は1つの絵のように繊細な幾つもの青を重ねている。
そういう意味では、彼自身もその中に溶け込んでしまいそうだ。
「融合世界戦、アルタン・ウルク……まったく異質な存在であるはずがイレギュラーたるは、俺たちも同じ」
復讐者が異質であることを、心のどこかで知っているからこそ……と、口を閉ざす。
今はまだ向き合う時ではないと頭を振るい、穏やかな風に想いを委ねる。
「……俺の故郷であるキエフ大公国を俺にとっては未来になる時代に滅ぼす者達モンゴルの名を騙る奴等、か」
何度か相対はしたもののと、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は遠くへと視線を向けた。
「他のクロノヴェーダからもイレギュラーと言われる存在だし、未だにどういう輩なのか分からない連中だからな」
彼自身にとって、故郷を滅ぼすモンゴルの名を騙ってる存在であり、何度か戦い遭遇しているが煮え湯を飲まされている。
警戒するなという方が無理だろう。
今回の航行で、少しでも多くの情報を得たいと意気込みながらも緊張を解すように息を吐くと、用意してきた釣り具を取り出し、ルィツァーリは海に糸を垂らし始める。
「ま、とはいえ未だ敵地についてない今も警戒していたら後に保たん。釣りでもして心でも落ち着かせるかね」
先程からチラチラと水面のあちこちが煌めくのは、魚の群れだ。
今夜のおかずとまではいかないだろうが、こうしてのんびりと海釣りが出来る機会もそうないだろう。
「格好いいなあ、でっかいなあ。なぁ、喩嘉」
船首の近くから船と帆を振り返るように見あげ、守都・幸児(祥雲・g03876)はどこか子供のように目を輝かせた。
大型木造船といったら少し前であれば、三国志のディヴィジョンで目にしていた楼船の方が、馴染んでいたかもしれない。
「ガレオン船での船旅ははじめてだな」
「俺もこのガレオン船ってやつは初めてだ」
甲板より上にあるのは巨大楼閣ではなく、あるのは小銃の狙撃に便利な高い楼。何より櫂を使わないで進み、ガレオン船は速力も出せる。
はしゃぐ幸児の姿に喩・嘉(瑞鳳・g01517)は嬉しそうに目を細め、風に揺られる髪を軽くおさえた。
微かに舞う飛沫が煌めき、艶やかな黒髪が風になびく様は美しい。
今日も綺麗だなあと、にこにこと幸児が喩嘉を眺めていれば、ふわりと彼の口元に笑みが浮かぶ。
「あっ、喩嘉、あそこ魚跳ねてるぞ、群れだ群れだっ」
魚を狙い滑空する海鳥が、船と並走するように翼を大きく広げそれを追うように幸児が身を乗り出した。
「動力を積んでいないからだろうな、魚なども逃げずに近くに群れているのが船からでもよく見える」
「この綺麗で穏やかな海の先に、あいつらの世界があるなんて嘘みてえだな。アルタン・ウルクのことを考えると、なんだか気持ちがざわざわするんだ」
分からないということは、どうにも落ち着かない。
「あいつらが何なのか、今度こそ手がかりを見つけてやる」
これからのことを考えると楽しんでばかりはいられないが、魚狙って海鳥も飛んでるぞっと喜ぶ幸児の姿に、一緒で良かったと喩嘉はあたたかな眼差しを向ける。
素直にその場の状況を楽しめるというのは、いいことだ。
彼につられたのか、それとも大海原がそうさせたのか。喩嘉自身も、この穏やかに流れていく光景に、純粋にワクワクしていた。
煌めきに飛び込むように海鳥が急降下し、小魚をくわえ空へと舞い上がっていく。
飛沫を散らしながら陽の光に消えていく海鳥を見あげ、平和だと思わず息が零れる。
「ここもまだ予断を許さない場所ではあるけれど、落ち着いたもんだなぁ」
「ガレオン船で航海なんて、浪漫溢れる響きですね。デッキで潮風を感じて観光だけで終われば、どんなに良いか」
荒田・誠司(雑草・g00115)の言葉に、軽く防寒着の首元を緩めソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)が応えた。
そろそろ昼下がり。敵陣を進んでいるとは思えないほど、航海は順調で穏やかだ。
夜になれば寒さは強まるだろうが、日差しのある今はどちらかといえば暖かい。
「ポルト港に停泊していたのはガレー船でしたから、ガレオン船というのは海賊達にとっても特別だったのでしょうね」
「違いは人力か帆船だったか」
基本的には漕がずに、風任せ。
昔から海に出るものは、天候を読まなければ進めないというが、それが更に重要になったのは帆船が出て来てからかもしれない。
「ガレー船の櫂と同様にガレオン船の帆が、特別な機能の要なのでしょうか」
確かに帆が無ければ風を受けることもできない。結果、船も進まなくなる。
そうかもなと一緒に見あげた誠司は、そのまま見張り台へと登っていく。
始めこそ冥海機や敵を警戒してるが、不穏な物も何も無い光景が続き緊張は解れ。最も高いマストに設けられた見張り台からも、台湾島を始めとする陸の姿は見えない。
ぐるりと遮るもののない青の景色が広がるのは、見張り台から眺める者の特権ともいえよう。
何度、船に乗ってもここから眺める景色は格別だ。
高いところは何とやらという言葉があった気がするが、平和な航海をしている景色を見られるならバカでもいい。
「遊覧を楽しめるところまで楽しまなきゃ損か」
まだ緊張を高めている者の姿が見えたが、きっとこの穏やかな風に段々解れて行くだろうと誠司はもうしばらく、見張り台からの景色を楽しむことにした。
「長かった……ほんとに長かったよ」
初めてアルタン・ウルクを目の当たりにしたのはいつだっただろうか。
白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は、七曜の戦を経てアルタンがどれほど強大化しているか考えるだけでも恐ろしい。
「さてさて、時間がそれなりにあるし。アルタン・ウルク関する情報や気になるところを纏めておこうか」
恐ろしいものに相対するのならば、少しでも分かっていることを纏めることは基本だと、八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)は軍師らしく考察を始める。
「それに、龍驤を倒して偵察が実現されたからには、見届けないとね」
船の行く末。辿り着いた先のもの、未知を暴きたいと思うのも軍師であればこそ。
「アーサー王は、今の段階ならどうとでもなると豪語していたけどそれは個体最強であったドラゴンの地力故、ワタシ達では力の差がありすぎるのよね」
「今のところ、サイズの差はあれど同一形状の個体のみなのだよね。多様性が無いともいえるけど……」
生きながらアルタン・ウルクに喰らわれたクロノヴェーダは、全てその体内に呑みこまれた。
「アルタン・ウルクがクロノヴェーダを喰らい、その力を強奪しているならば……それを共有しているということなのかな?」
力を奪っていると推測しているが、奪うとしたら力だけなのだろうかと、葵漆は押し黙る。
「けど、あいつらは群体であるからこそ最強なはずだ」
今まで何度か遭遇して戦いを経て得た明日香は、戦いようはあると考えていた。
「あとは、かのデヴィジョンに足がかりを得ることができれば!」
だが慎重に見極めなければならないと、葵漆は言う。
足がかりをディアボロスが得るということは、アルタン・ウルクが最終人類史への足がかりを得ることと同じだからだ。
「アルタン・ウルクについて、本当は触れぬほうが良い存在なのかもしれません」
デッキを歩いていたソレイユが、複雑な気持を口にした。
「戴冠の戦という刻限が決まっている以上、放置しても事態が好転する可能性は低いでしょう。ならば出来る範囲で何か情報を掴みたい所です」
これはその為の、偵察作戦。
彼らの生態も不明。ディヴィジョンの詳細も不明。まだまだ謎が多い。
「何をエネルギーにしているかも謎だね。基本的にはクロノヴェーダは『人間からの感情エネルギーの確保』が必要なはず。しかし」
――人間の存在が確認できていない。
「龍驤は『死を前にした恐怖』とか予想していたけれど、そんなものではすぐ尽き果ててしまうだろうし、きっと違うね」
人間の存在が本当にないのか。食われてどうなるか。エネルギーが何なのか。
「このあたりが少しでも突き止められるといいのだけれど……」
そしてアルタン・ウルクとは。
「しかしパラドクストレインの出現が期待できないとなると、なかなか能動的な攻略が困難だね。それを出現させる方法を考えるのが、第一になりそうかな?」
葵漆はこれ以上ここで考えても答えはでないと、思考を止めた。
後は、今まで得た過去の情報を思い返すのも大事かもしれないと切り替える。
「平穏結界が役に立つといいな。大型船ゆえ、船がはみ出すかもしれないが……」
アルタン・ウルクは群れの力を見せてきた。漂着した者はどうだっただろうか。少しでも隠れる場と時間があればいいのだがと、エトヴァはゆっくりとデッキを見渡す。
ガレオン船は、船体が沈む深さが浅いことで速度が出しやすい。
本来であれば安定性に欠けるが、クロノ・オブジェクトの力でその点は解決されている。
強度に関しても、普通の船よりは丈夫なのだろう。
「何もしないよりはきっと良いはずサ」
あちこち船内を見回り構造を把握していたラウムは、船体に破損や老朽化があれば補強を考えていたが、そこはやはりクロノ・オブジェクト。普通とは違う。
「後は、船で国外から日本に向かうって何か不思議な気分ダ」
日本生まれだし海外行ったことないから、今はゆっくりしていようとラウムは視線を海へと向ける。
そうなると大事なのは、扱う方だろう。
砂上船の時のことを考えれば、操作会得があった方が良かっただろうか。
動かし方を覚えながら、操作するのも勿論興味深い。
三本のマストに大きく広げられた三角帆を、ソレイユや幸児は数人で手分けし操作し帆を畳めば、向かい風でも船は変わらず進んでいく。
「風向きにも注意しておきたいですね。風の状態を問わず、舵輪の方向へ進んではくれそうですが……」
クロノ・オブジェクトの船なので大きな影響はないかもしれないが、従来の船と同じように受ける影響を活かすことは出来そうだ。
速さを出そうとするなら、やはり追い風を受けている時だろう。
「万が一の事態を考え、逃走を考えなければならない事態も想定しておきたいですね」
「天候把握と操作は神算軍師たる俺の得意とするところだ。そこまで急いで逃げ出さねばならない状況に、陥らないようにするのが一番だが」
いざという時に備えようとするソレイユに、喩嘉は微笑んだ。
「これから敵地へ向かって帰ってくる相棒になるわけだからな。知っておくことは無駄にはなるまい」
「そうだよな。舵輪の操作もやってみたいっ。やり方覚えておけば、いざってときに皆の助けになれるかもしれねえからな」
残留効果で動かせるようになるかもしれないが、まずは自分の手でやってみたい。
「面舵いっぱーい。あれ、逆か?」
言葉とは逆に舵を切りながら、幸児は楽しそうに操舵を試す。
あまり揺らすなよと喩嘉に見守られながら、幸児は船を航行させる。
「頼んだぞ、ふらいんだぐ……ふらいんぐ、だっちまん号っ」
帰りもこの船で皆で帰ってこられるように、船の名前を噛まずに言う練習も今のうちにやっておかねえとだと、耳慣れない発音を口にしパラドクス通信の紙符に明るい声をかけた。
「最初から余り釣果は期待してなかったが……釣れんなあ」
やっぱり移動中の船だからと、ルィツァーリは時折輝く波間の煌めきを眺めた。
こうして群れが見えるのに釣れないと、時間つぶしとはいえ溜息が出る。
「……しかし、この船が向こうでの移動拠点になるんだよなあ。奴等の猛襲から、せめて此の船は護らんと……って糸が引いてる?!」
考え事で疎かになっていた釣り糸が引っ張られ、ルィツァーリが慌てれば見張り台から降りてきていた誠司が手を貸し引っ張る。
「重いぞ、まさか……」
この海域で釣れるような重い物と考えた彼らの脳裏に、小型の冥海機が思い浮かび、思わず手を止めた。
その瞬間、糸は一気に引かれプツリと切られ逃げていってしまう。
逃した魚は大きかった。期待していた訳ではないが、姿が見えなかった魚は何だか惜しい。
思わず、二人は笑い声をこぼす。
「舞鶴まで行けばこうもいかないわけだしな。ゆっくりできる時はゆっくりしておこう」
この船と一緒に帰れるよう、今回も頑張るとしますかと誠司は陽を振り返った。
そろそろ日が暮れる。
青から橙、朱へと海は色を変え。通りぬける風がひんやりとディアボロス達の頬を撫でた。
スープや軽食を用意したからと、イツカや古安がキャンプ気分で食事の準備を始めれば、他のみんなもそれぞれ早い夕食時を迎える。
「こう乗り心地が快適だと少し豪華なピクニック……いや、泊りがけだしキャンプの方が近いだろうか」
「……ふふ、そうだね」
「海の旅といえば、旅団の皆と飛翔で駆けた北極やその先の調査の旅を思い出すな。あれはあれで心躍る体験だったが、こういう風情のある船旅も良いものだ」
「飛翔で目的地までビューンとあっという間に着くのも良いけど、こうしてゆっくり旅をするのも良いよね」
二人が用意した毛布で暖を取ろうと広げながら、着くまでの間に色々楽しめるし、古安くんのことを独り占めできちゃうしと、隣でイツカが言えば、頬を赤らめながら古安は軽く視線を反らし、スープは少し多めに用意したからと差し出した。
「古安くんの野菜スープも良いね、身体の芯からぽかぽかしそう!」
もう既に古安の胸はポカポカしていたが、口には出さず自分のスープを口にする。
あちらこちらで、束の間の温かな時間が流れていく。
「そうそう、わたしトランプも持ってきたからちょっと遊ばない?」
「ほう、トランプ。長距離移動の御供というやつだな。準備が良いことだ」
はじめは数人でワイワイと賑やかに、夜風と共にみんなが眠り始めるころには二人で。
「ふたりで出来るのだと、ババ抜きとか。ふっふっふ、もしも古安くんが勝てたら膝枕してあげようかなぁ」
デッキであれば夜空が見あげられ、満天の星空の下、眺めは最高だろう。
「寝心地は……あったかいし、柔らかいし、結構良いと思うんだよ」
「……なるほど、魅力的な提案だ。となれば俺も真剣にやらざるを得んな。イツカが勝ったら、そうだな。俺の膝を貸そうか?」
少し硬いがと、カードを配れば前のめりにイツカが目を輝かす。
「……え? 待って。わたしが勝ったら古安くんの膝枕なの?」
「空を見上げるにはちょうど良いだろう。今ならなでなで付きだぞ」
「なでなで付きなの? こ、これはわたしも真剣にならざるを得ないね!」
いざ、勝負!
楽しそうに盛り上がる二人の声と、静かに囁く波音がフライング・ダッチマン号を揺らす。
いつの間にか笑い声も静まり、イツカの膝枕で古安は降り注ぐような星空を見あげていた。
昼とは変わり、海と空は深い藍色に輝きを散らす。
舞鶴の先も、このように穏やかな航海になるといいのだが。
夜風が揺らすピアスの奏でる音を聴きながら、エトヴァは軽く目を伏せ操舵輪に触れる。
どうか復讐者達の道行を守りたまえ。
天の星々に祈るように、真に平穏な海には、いつ出会えるのだろうか。
この海の向こう、どこかに漂う霧の向こうには奪われたままの歴史がある。
いつか、全ての海が平穏を迎える日を願って。
日が昇る頃には、舞鶴に到着していることだろう。次の航海はどうなるのか。
「嵐の前の静けさ、か……」
まだ見えぬ目的の地へと、それぞれの想いをはせながら、彼らの夜は更けていく。
今は、ただこの星々と波音の静けさに包まれて――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【平穏結界】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
●出港準備
日が昇り、やがてフライング・ダッチマン号は舞鶴港へと到着する。
急場の準備ではなく、次は『融合世界戦アルタン・ウルク』に向けて、境界の霧を越え航行する。
少なくとも、何も情報のない敵地に飛び込むのだ。
念入りに準備をし、何が待ち受けているか予測しておく必要があるだろう。
どれだけの航行になるのか、その霧の向こうに何があるのか。誰も知らないのだから。
どんな準備をし、どんな風に突入し、どんな行動をするか。
例えば全速力で飛び込む、周囲を警戒する為に哨戒する、とりあえず甲板で様子を見るなど。
次の航海は、準備と行動が大事となるだろう。
ディアボロス達は、出発に向けて動き始めるのであった。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情&セリフ】
いち早く敵を見つけるのが重要だな
一体何が出るのか、気になるところだ
【行動】
突入時には敵を早期発見するために船上から周囲を索敵したい
以前、アルタン・ウルクの捜索して撃破した依頼の報告書を見たことがあるが
奴らが近くにいる時は一般法則破壊によるソナーの破壊があった
つまり、近くに来ると法則破壊が起こるってことだから
逆にこれを利用すれば敵が一定距離まで接近していることとその方角を予想できるんじゃないだろうか
舞鶴でレーダー装置を積み込みたい
フライング・ダッチマン号の船首、船尾と船の両側、見張り台の上に置いておく
俺たちが見たことあるのは陸地で活動するタイプだが
空中から近づいてくる相手がいないとも限らない
俺は戦場に残って一般法則破壊が起こればパラドクス通信で連絡する
それから簡単には近づけないように泥濘の地を発動しておこう
他にも完全視界で周囲を確認する
必要なら臨機応変に対処する
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
あそこがアルタンウルクか……何が出てくるかは判らんが、生半可な覚悟じゃ命を落としかねんな……
例え未来の怨敵と言えど騎士として困っている人を放置する訳にはいかんしな
可能な限り先に進み情報を手に入れて帰らんと、な
……流石に本拠地、数も圧も桁違いだな
だが奴等から勝利を奪い取る為にも恐怖は抑え込んで進まないとな
先ず防水処理を施した地図と太陽光を反射しないようにレンズがするコーティングされた双眼鏡を事前準備
可能なら地図は他の人にも渡しておく
陸地が発見される迄は甲板から他の人と違う方向を双眼鏡と◯完全視界を併用し警戒
陸地が発見されたなら先ず◯強運の加護、◯平穏結界、◯光学迷彩を使用
◯水中適応で海に飛び込み周囲を完全視界と双眼鏡を併用し警戒しつつ探索を開始する
地図とスーパーGPSで現在地を確認し◯パラドクス通信で定期的に味方に連絡を入れつつ移動
川があるなら可能な限り其処を進んでいく
敵を発見すれば自身の現在地と共に味方に連絡
可能な限り戦闘は避けつつ可能なら更に奥地に進む
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
何度か遭遇しているとはいえ正体不明、ある程度突拍子のないことも想定しておこウ。
判明してる特性は、ある程度バラつきはあるけど大きいってことと、有機物・無機物問わず取り込み力にするコト。なんか免疫細胞を連想するケド、単一の生物に統合しようとしてる感じカナ。
あとは、ディヴィジョンの空が暗いこと、地面はありそうだけど削り取られてる、ってことくらいカ。
偶発的に境界を越える個体がいるなら、境界近くに敵がいるってことダ。排斥力を偶然超えるんだから、霧の向こうはみっしりアルタンが詰まってる可能性も捨て切れナイ。具体的には境界を越えた瞬間目の前にアルタンが居るか極短時間で集まってくるコト、海水が取り込まれて存在しないコトを想定しておくヨ
船の防衛を最優先に、境界を超える時は出来るだけ減速して、船首にパラドクスのシールドを展開。不意打ちで即沈むのだけは避けたいからネ。対ビーム、対巨大質量の突撃、触手で掴まれた場合の切断手段を備えたシールドを用意しておこウ。
常に退路の確保を意識しておくヨ。
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
舞鶴で可能な限り操舵の練習をしておくぜ。急な方向転換や撤退の際にどれくらい動けるか、どの程度までは船体への負荷が低いか調べたい。船自体に隠蔽やディヴィジョン脱出に便利な機能があると良いんだが……操作会得を借りつつ調べてみよう。
探索の準備としては往復と陸を数日探索するだけの期間を見込んで、食料と水、防寒具を用意するぜ。不測の事態に備えて、船の航行に影響ない範囲で少し多めに用意しよう。
境界を超える際は完全視界を使いつつ、いつでも空輝石を投げられるようにしておこう。加速が必要な際は追い風を起こし、減速が必要な時は逆風を起こす。パラドクス以外の理由で船体が損傷しそうな場合は少しでも損傷を減らすクッションになるよう風を起こそう。
脱出なんかで風速が足りないなら、船体を壊さない程度にパラドクスの風を起こすつもりだが……まぁ最後の手段だな。
索敵や戦闘の際は味方と連携し死角ができないよう気を付けるぜ。頭上や背後、水中なんかも気を付けねぇとな。船の防衛を最優先に立ち回ろう。
喩・嘉
幸児(g03876)と主に連携する
※アドリブ歓迎
舞鶴では水中で移動時に目立たないよう、水中迷彩服の調達を行う。
とにかく隠密行動を軸にして調査を行い、騒ぎを起こさずに完遂したい。
ガレオン船は大きいからな。
航行中はさらに効果を高めた【平穏結界】で完全に船を覆い、周囲に気づかれないように進んでいこう。
空や風、潮流の様子から『天候予測』し、状況に応じて船の操作をするため、情報を共有。
アルタン・ウルクは大地を喰らっていたからな。
大地がなくなっていれば、当然そこは海だけ
あるいはアルタン・ウルク自体が陸地のように蔓延っているということになる。
大地のようなものを見つけても、船の接岸はしないほうがいい。
色々な残留効果を用いながら、水中迷彩服で隠密行動をし
【水中適応】で幸児と共に海の中を歩いて探索。
情報収集に努める。
可能な限りの成果を持ち帰るぞ。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と主に連携する
※アドリブ歓迎
隠密行動に徹し、ぎりぎりまで敵に気付かれずに少しでも多くの情報を得たいぞ
航行中は極力音を出さずに【平穏結界】の効果の中で動き
道中で学んだ操舵方法に加え【操作会得】も使いながら
皆で分担しながら慎重に操舵するぞ
海の中の状態も不明だから、敵襲だけでなく、不意の浅瀬とか岩礁にも注意してえな
陸地や何らかの異変など目標物を見つけたら
船は接近させず、先行して偵察するぞ
喩嘉に倣った水中迷彩に、【光学迷彩】を纏って【水中適応】を使いながら海の中を慎重に歩く
ヤ・ウマトでもアルタン・ウルクは海中にいたし、海の中での接敵の可能性がある
【完全視界】の力を借りて海中の異変に注意しながら【情報収集】
喩嘉と互いの位置を確認し
物陰に隠れながら移動するぞ
非常時は【パラドクス通信】で最低限のやり取りをする
…この海にも生き物はいるのか?
融合世界戦には、陸地がないこともあり得ると思ってる
陸地に代わる何かを見つけた場合
または陸地があっても上陸はせずに
まず一旦退いて皆と情報を共有するぞ
●霧の先には…
舞鶴港を船が出発する。
昨夜とは打って変わり、乗船するディアボロス達の顔に緊張の色が浮かんでいた。
同じ青が広がる波間なのに、不思議と冷たく暗く見えるのは、目的地のせいだろう。
「あの霧の先がアルタンウルクか……何が出てくるかは判らんが、生半可な覚悟じゃ命を落としかねんな……」
どれだけの情報を得ることが出来るのか分からないが、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は防水処理を施した現代の地図を眺めた。
「例え未来の怨敵と言えど、騎士として困っている人を放置する訳にはいかんしな。可能な限り先に進み情報を手に入れて帰らんと、な」
現代の地理でどの辺りを動いてるかしか分からなくとも、それだけでも把握したいというとこだろうか。地図を見る目にも、熱が入る。
改竄世界史は元の歴史と姿は変わっている為、この改竄世界の地図を手に入れないとスーパーGPSも大きな力を発揮できない。
現代であれば、辺りに大きな川があるからそれに沿って進める所まで進んでいけたらと唸れば、大地があればなと喩・嘉(瑞鳳・g01517)が美眉を顰める。
「アルタン・ウルクは大地を喰らっていたからな。大地がなくなっていれば、当然そこは海だけ……」
「そうだな。融合世界戦には、陸地がないこともあり得るよな」
頷きながら操作会得で船を操舵する守都・幸児(祥雲・g03876)に、あるいはと喩嘉が続ける。
「アルタン・ウルク自体が陸地のように蔓延っているということになるな。大地のようなものを見つけても、船の接岸はしないほうがいい」
その可能性を考えていなかった者達は、ぞっとした。
大地がない可能性、全てがアルタン・ウルクに侵蝕されている可能性も無いとは言えない。
「ヤ・ウマトでもアルタン・ウルクは海中にいたし、そっちで遭遇する可能性もあるな」
水中移動出来るならと喩嘉と幸児は水中迷彩服も調達し、警戒範囲を広げようとしていた。
「いち早く敵を見つけるのが重要だな。どこまで機能するか分からないがレーダー装置を積み込んでみた」
以前、アルタン・ウルクの捜索して撃破した報告書では、奴らが近くにいる時は一般法則破壊によるソナーの破壊があったと聞いた。
そう荒田・誠司(雑草・g00115)が説明する。
どうやらアルタン・ウルクがレーダーの波に当てられていることに気付き、それが彼らにとって不利益になるものだと感じ不快になり、ソナーに対して攻撃的な意思を持ったのだろう。
フライング・ダッチマン号の船首、船尾と船の両側、見張り台の上に設置してきたという。
相手がどこから近付いてくるか分からない以上、陸空海全てを警戒したいと思うのも当然か。
「うまくいけば、また奴らのうち1体が、ソナーに気付き敵の攻撃だと認識して反撃しようとしてくるかもしれない。確実性は無いが、1つの目安にはなるだろう」
「気にも留めない可能性も高いだろうから、頼り過ぎない方がいいかもネ」
アルタン・ウルクにとって、ソナーの波などただの一般機器。些事にすぎないよねと、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が今までの侵攻を振り返り口にする。
「ある程度バラつきはあるけど大きいってことと、有機物・無機物問わず取り込み力にするコト。なんか免疫細胞を連想するケド、単一の生物に統合しようとしてる感じカナ」
「後はディヴィジョンの空が暗くて、地面はありそうだが削り取られてるってことくらいだよな」
ラウムの言葉の続きをソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が、引き取るように言って、船を見渡した。
「クロノ・オブジェクトだからかなり頑丈だが、船自体に隠蔽やディヴィジョン脱出に便利な機能があると良いんだがな」
移動型巨大クロノ・オブジェクトは、広大なディヴィジョンで移動拠点として使えることだ。
だがディアボロスがクロノヴェーダのクロノ・オブジェクトをパラドクスで破壊できるように、彼らも同じことが出来る。
「頭上や背後、水中なんかも気を付けねぇとな」
互いに死角を作らないようパラドクス通信で位置を確認し合い、ソラスは船首の方へと移動する。
航行中のディアボロスによる防衛は、重要だ。
いざという時は――自然とソラスの指は大剣の柄にかかっていた。
「……まぁ最後の手段だな」
使わないで済めばいいが、決して楽観視は出来ない。
警戒しすぎるということはないですよねと、若いディアボロスが手伝いますと横に並んだ。
往復と数日分の食糧や水に、防寒具と船が重くならない程度に積んだが、どうなることか。
「とにかく騒ぎを起こさずに完遂したいとこだ。ガレオン船は大きいからな」
海とは違う風と水の気配に、喩嘉が振り返れば境界の霧が辺りに薄く漂いはじめていた。
「何度か遭遇しているとはいえ正体不明、ある程度突拍子のないことも想定しておこウ」
船の防衛を最優先に、境界を超える時は出来るだけ減速しておこうとラウムが提案する。
「偶発的に境界を越える個体がいるなら、境界近くに敵がいるってことダ。排斥力を偶然超えるんだから、霧の向こうはみっしりアルタンが詰まってる可能性も捨て切れナイ」
一番考えたくない光景だが、否定できる要素は何も無い。
「一体何が出るのか……」
気になる。鬼が出るのか蛇が出るのか。完全視界でも見通すことの出来ない境界の霧の先は、何も見えない。
船上デッキから誠司は霧に目を凝らし警戒し、双眼鏡を手にしたルィツァーリの手にも自然と力が入った。
海上に広がる霧に、段々とディアボロス達の口数は少なくなり自然と緊張が高まっていく。
海底や水上を少数が哨戒しているのではと、マストの見張り台から辺りを見渡せるように準備をする者。
不安を紛らわすように、隣に立つ愛しい人の手を握る者。
未知への好奇心を抱く者。
少しでも視界の確保と隠密行動をと、完全視界と平穏結界を準備し、船全体を護るようにとディアボロス達はデッキに展開し、息を潜め周囲を警戒した。
冥海機が居ても、ヤ・ウマトの海域には生物が居た。だがアルタン・ウルクの海域はどうだろうか。
舷縁から海を覗きながら、幸児は思わず口にしていた。
「向こうの海にも、生き物はいるんだろうか?」
「……どうだろうな」
風が変わったと、喩嘉は頬を滑る髪を押さえ、僅かに視線をあげた。
そろそろ頃合いだろうか。また少し霧が濃くなったようだ。
突入したらいつでも先行偵察出来るようにと、水中迷彩服と光学迷彩を使い船底に取り付くようにしながら喩嘉は水中適応で海中へと幸児と向かい。
船の反対側や他の場所でも海中にも別のディアボロスが向かい、一通り船を護るように展開できたのではないだろうか。
辺りを包む境界の霧は、隣に居る者すら見えなくなるような濃さへと染まり。
ゆっくりと何も見えない中、船は静かに波に揺られながら進んでいく。
もう直ぐ、境界を越える。
冥海機ヤ・ウマトから融合世界戦アルタン・ウルクの海域へ。
フライング・ダッチマン号が、ディヴィジョン境界の霧に突入した――。
霧が薄れはじめた向こうに、漆黒に染まった空が目に映る。
聞いていた通りの暗い空に、不気味だねと小さく言葉をかわし掛けた時だ。
ガクンとフライング・ダッチマン号が、何かにぶつかった衝撃を受け、「まさか岩礁か?」と、海を覗き込んだディアボロスの首が吹っ飛ばされる。
弧を描き海へと落ちていくそれが、着水する音は聞こえなかった。
きっと新宿島に流れつくのだろうと、頭の片隅で思いかけた所で、船尾と船の両側に備えていたレーダー装置が爆発し、誠司の声が響く。
「敵襲だ、備えろ!」
その時には既に、ソラスが船の速度を遅らせ護るように大剣を振るい、旋風を巻き起こし、伸ばされてきた触手を断ち切り。
相手の移動速度だけでも遅らせるべく、誠司が泥濘の地を発動し、ラウムがドローンシールドを展開させ。
左右から一斉に襲い掛かる衝撃に続き、正面から放たれた光線がシールドにぶつかり、薄まるディヴィジョン境界の霧と共に霧散していく。
「最悪の予測が的中したネ」
天も地も、見渡す世界は漆黒に染まっていた。
フライング・ダッチマン号を迎えたのは、真っ黒な海。
いや、海の青を覆いつくすほどの密度で海上に浮かぶアルタン・ウルクの姿。
ポツポツと灯るアルタン・ウルクの赤い目が、待ちわびていたかのように境界を越えて来たフライング・ダッチマン号を捉える。
水音がしなかったのは、呑み込まれたせいかと理解するまで、刹那。
「さすがに、海水までは取り込んで無かったようだネ」
シールドを壊された衝撃でよろめいたラウムをソラスが、すかさず受け止め支え。
船を覆う喩嘉の放った霧と、ホルスの光が彼らの視界を惑わし、一際大きな水柱が立ち昇り船を大きく揺らした。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
『海中にもアルタン・ウルクがいやがる!』
パラドクス通信の向こうから幸児の声と、誰かの悲鳴が聞こえた。
既に、海の中でも戦闘が始まっているようだ。
もし誰も潜っていなければ、今頃は船底からアルタン・ウルクの攻撃を受けていたことだろう。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
海面も海中も漆黒に。
境界の霧を抜けたディアボロス達を待ち受けていたのは、数万、いや、下手をすれば数十万のアルタン・ウルクで満たされた海域。
「流石に本拠地、数も圧も桁違いだな……」
想像以上、想定以上のアルタン・ウルクの出迎えにルィツァーリは言葉をのむ。
『この全てのアルタン・ウルクが、冥海機ヤ・ウマトに侵攻しようとしているのか?』
フライング・ダッチマン号に乗り込もうと迫るアルタン・ウルクを抑えながら喩嘉は相手の意図を推しはかろうとする。
だから境界の霧を越えるのを待っていた。一度に大勢が越えられる、そんな手段を……。
『限界、か……』
可能な限りの情報をと望んで挑んだが、どうやら進む事すら許して貰えないらしい。
アルタン・ウルクはフライング・ダッチマン号を囲むように迫り、こうしている今も赤い眼を蠢かし、漆黒の触手が伸ばし船に乗り込もうとしている。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
誰かが引き千切られ、朱が広がり消えていく。
せめて無事に新宿島に流れつくようにと願い、喩嘉は苦汁を口にする。
『撤退だ。フライング・ダッチマン号に乗り込もうとしてくるアルタン・ウルクを叩き落し、全速転回、緊急撤退する!』
早い、決断であった。
融合世界戦アルタン・ウルクに侵入してから、1分も経過せずに、ディアボロス達は撤退を決める。
決めるしかなかった。
数十万の赤い眼が、逃すまいとフライング・ダッチマン号に触手を伸ばし、乗り込もうとしてくる。
無事に撤退できるだろうか……。
その為には、船に乗り込もうとするアルタン・ウルクを撃退する必要があるだろう。
ディアボロス達は仲間と船と共に帰るために、この海面も海中もアルタン・ウルクに満たされた海域を見つめた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【防衛ライン】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【平穏結界】がLV3になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【リザレクション】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!
●融合世界戦
フライング・ダッチマン号は数十万のアルタン・ウルクで満たされた海域から帰還すべく、船を何とか急転回させた。
そこにあるはずの青い海面は、見渡す限り漆黒に埋め尽くされていた。
そして、海中からも彼らの手は伸びてくる。フライング・ダッチマン号に乗り込もうと。
『それ』は狙っている。排斥力の綻びを。
『それ』は切望している。新たな大地、新たな力を。
ディアボロス達がここより無事に撤退するには、フライング・ダッチマン号に乗り込もうとするアルタン・ウルクを撃退し航行する必要がある。
無理をすれば当然、重傷の危険は高いだろう。
だが、ここで万が一、敗れるようなことがあれば、この数のアルタン・ウルクはどうするのだろうか……。
フライング・ダッチマン号は漆黒の中、今までにない緊迫感に包まれるのであった。
白石・明日香
アドリブ・連携可
こいつら集まってくるのかと思っていたら最初から境界に密集していたなんて・・・ようやくここまで来たのに逃げるしかないとは!!
【水中適応】【完全視界】を使って水中から迫るアルタンを迎え撃つよ。
水中でも使えるかわからないけど【泥濘の地】と【防衛ライン】でアルタンたちの動きを制限して船にとりついている奴、取り付こうとしている奴から優先的に攻撃するよ。迫り来る牙の群れは残像で攪乱しながら狙いを定めさせずにダッシュで接近。
奴らの懐に入り込んで早業呪詛、捨て身の一撃でまとめて解体してあげる!
【パラドックス通信】で味方と連絡を取りながら連携して確実に敵を仕留めていくよ。深追いはせずに一撃離脱を心がけて船は絶対守り切るよ。
船が転身したら船底につかまって一緒に脱出警戒は続けるよ。
今回は逃げる羽目になったけどワタシは絶対に諦めない。必ず舞い戻ってやるからね!!
九重・古安
※連携アドリブ歓迎
イツカ(g02834)と一緒に。
未知のディヴィジョンへの第一歩にしては随分手荒い歓迎だな!
ともかくこの場を切り抜けて離脱することが先決。状況は絶望的だが、ここで怯めば呑まれる。俺も、船も、イツカもだ。
故にここは奮い立たねばならん。イツカ、背中は預けた! もちろんこちらも可能な限りイツカをディフェンスする。
これだけの軍勢がひしめいておきながら一気呵成に冥海機ヤ・ウマトに侵攻していないということは、奴らが大軍勢で境界の霧を超える力は無い。少なくとも、今はまだ。
幸い境界を越えたのはつい先ほど、そこさえ超えてしまえば振り切ることは十分可能なはず。
これだけの数をまとめて相手にする必要などそもそも無し、今欲しいのは退路と速度の二つ。
狙うべきは船に乗り込もうとする敵、引き留めようとする敵のみ。トドメを刺すことや打撃を与えることより、とにかく引き剥がすことが第一。
残響の嘆奏の衝撃波で相手を弾き飛ばしていく。何なら弱った敵を壁代わりにして後続の接近を【泥濘の地】込みで少しでも妨害するぞ。
イツカ・ユメ
古安くん(g02347)と一緒に。
船旅の後は、未知のディヴィジョンをのんびり観光……とか出来る雰囲気じゃないね!何これ!?
まるで、この世界の全てがアルタン・ウルクと融合しちゃってるみたい。
今は命を大事に、離脱最優先で!
うん!古安くんの背中はわたしが守るよ!
【完全視界】と【照明】で少しでも周囲を見易くしつつ、
【パラドクス通信】で皆と連携を取り合い、迅速な離脱を目指すね。
万が一、船と融合されちゃったら大変なことになりそうだもの。
船に乗り込もうとする敵を優先して引き剥がしながら、退路を切り開くよ。
不安や絶望に呑まれたら、動けなくなっちゃうから。
声を張り上げて希望を歌って、自分や皆を奮い立たせるね。
…そう言えば敵のリーダー格とか、現場の指揮官みたいなのはいないのかな?
それらしいのを撃退できたら、敵の指揮が乱れた隙に離脱できるかもしれないし。しっかり周囲を観察して探してみるね。
…背中は預けた、の声には全力で応えたいから。
可能な限り、古安くんをディフェンス。
触手の1本だって、触れさせないんだから!
●漆黒からの撤退
漆黒がフライング・ダッチマン号を呑み込もうとしてくる。
うねる触手を揺らめかせ、巨大な蹄を船縁にかけ。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
『こいつら集まってくるのかと思っていたら最初から境界に密集していたなんて……ようやくここまで来たのに逃げるしかないとは!!』
少しでもこの世界を見ておこうと、水中適応を使いながら海中に目を凝らすが、やはり黒い群れで埋め尽くされ完全視界を使っても、アルタン・ウルクに塞がれ向こう側は見えない。
近付くアルタン・ウルクの懐に『瞬歩・加速』で飛び込んだ白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は、間近で赤い眼と睨み合い呪詛を打ち込み解体。
触手が千切れ、海中に漂い。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
突如として現れた巨大な牙『四狗虚牙』の群れが、明日香に喰らい付き、海を朱に染める。
『……まとめて解体してあげる!!』
悲鳴を押し殺すも、通信越しに聞こえる彼女の声は震えた。
辺りに広がった朱が、自分一人の物でないのは明日香自身が良く分かっている。
倒しても、倒しても。絶え間なく黒い塊が迫り。
そして捨て身の一撃で向かってきた明日香を見逃すほど彼らは、ディアボロスに無関心ではなかった。
迫る黒の集団は、海中に展開したディアボロスを蹴散らし、フライング・ダッチマン号に取り付こうとしていた。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
船の上でもそれは同じ。無数のアルタン・ウルクが次々とディアボロスに攻撃を仕掛けて来ていた。
「船旅の後は、未知のディヴィジョンをのんびり観光……とか出来る雰囲気じゃないね! 何これ!?」
イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)目掛け伸びて来た触手を、九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)が、有り合わせの廃材で組んだ〈即席の鎚鉾〉で振り払い。その音波衝撃で千切り飛ばした。
「未知のディヴィジョンへの第一歩にしては、随分手荒い歓迎だな!」
「まるで、この世界の全てがアルタン・ウルクと融合しちゃってるみたい。今は命を大事に、離脱最優先で!」
ともかくこの場を切り抜けて離脱することが先決。
こうして言葉をかわしている間にも、アルタン・ウルクは船に乗り込もうとしてくる。
「状況は絶望的だが、ここで怯めば呑まれる。俺も、船も、イツカもだ……」
故に、ここは奮い立たねばならん。彼女と帰る為にも。
「イツカ、背中は預けた!」
「うん! 古安くんの背中はわたしが守るよ! 触手の1本だって、触れさせないんだから!」
完全視界で見通しても、見える海は何処までも黒く、無数の星のように灯る赤い目が不気味に揺蕩っている。
「不安や絶望に呑まれたら、動けなくなっちゃうから……」
仲間や自分を奮い立たせられるように声を張り上げて、イツカは希望を。『イツカノウタ<glitter arrange>(イツカノウタ・キラキラアレンジ)』を歌う。
あの揺蕩う赤い光が、ペンライトであればもっと気持はあがったかもしれないが。あのオーディエンスに吞み込まれる分けにはいかない。
イツカの歌声に背を護られながら、古安は『四駿蹄駆』で突進しデッキへと上がって来たアルタン・ウルクに『残響の嘆奏(リヴァーバレイション・ラメント)』を叩き込む。
移動速度だけであれば泥濘の地で多少妨害できたが、相手が攻撃を仕掛けて来れば泥濘の力も意味はない。
象程の大きさを持つアルタン・ウルクが触手を振るい、ディアボロス達を狙う。
仲間の腕や脚を捉える触手を、即座に断ち切り衝撃波で弾き飛ばし、船から海へと落としていく。
「これだけの軍勢がひしめいておきながら一気呵成に冥海機ヤ・ウマトに侵攻していないということは、奴らが大軍勢で境界の霧を超える力は無いということか。少なくとも、今はまだ……」
そういう意味では、排斥力があるうちは大丈夫だということか。
『今回は逃げる羽目になったけど、ワタシは絶対に諦めない』
ここから帰り、必ず舞い戻ってやると迫るアルタン・ウルクの群れと赤い眼の輝きを見つめ明日香は、船を護り切ると再び飛び込んでいった。
だが、彼らは際限ない。
目の前の一体を屠るも、すぐさま次の個体が屍を越え、ディアボロスを廃しフライング・ダッチマン号に乗り込もうとしてくる。
「……そう言えば敵のリーダー格とか、現場の指揮官みたいなのはいないのかな?」
こうも次々と向かってくるのだ、何か指揮を取っているような個体が居るかもしれない。
イツカは目の前の群れに視線を向け、そういった個体がいないかと目を凝らすが、ギョロギョロと蠢く赤い眼がディアボロスを捉え、突き進む。
ただ、その行動を繰り返すかのように。何かの目的に取り付かれたかのように。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
それは迫りくる津波のように、彼らに何れかの指揮や作戦などは感じられない。
――侵攻する。
無数の触手の合間から覗く赤い瞳が歌うイツカの姿を捉え、その瞳に光が灯る。
「イツカ!!」
アルタン・ウルクの動きをいち早く看破した古安が咄嗟にイツカを庇い、放たれた『赫眼閃光』に腕を貫かれた。
「古安くん、大丈夫!?」
「大丈夫だ。まだ、こっちが動く」
片手で鎚鉾を持ち上げるが、先程までより勢いは落ちるだろう。
「幸い境界を越えたのはつい先ほど、そこさえ超えてしまえば振り切ることは十分可能なはず」
もし、全速前進で進んでいたら、今頃はアルタン・ウルクの群れの奥深くに居たことだろう。
後は、この絶え間なく乗り込んでくるアルタン・ウルクから逃れるだけ。
古安は起き上がり、船に取り付く触手を振り払い。その背と傷ついた半身を護るように立ち、再びイツカは歌いだす。
絶対に、ここから帰ると想いを込めて。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【水中適応】がLV2になった!
【照明】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
事態は想定していたよりも、ずっと深刻だったようです…
決して狭くない境界に、これだけの質量を備えているとは
アルタン・ウルクのエネルギー効率は、他の侵略者とは比べ物にならないようですね
取り込む性質を持つ者にフライング・ダッチマンを絶対に喰わせる訳にはいきません
舵輪を旋回させ
船首を境界方向へ固定します
仲間と分担してアルタンを叩き落とし
一刻も早く海域を脱出できるよう尽力
私は船首付近に乗り込んでくるアルタンを相手取り、進行方向を開けます
宙に展開した鍵盤で「白の舞踏」を演奏
ダメージ・命中アップを乗せた白骨の死神を喚び
アルタンを海へと引き摺り込み
追いすがる者も泥濘の地で時間を稼ぎます
攻撃優先は体力が低い・一撃で倒せそうな者
仲間とパラドクス通信で声を掛け
攻撃対象を揃え速攻撃破を目指します
反撃の光線には魔力障壁とガードアップを展開
船に当たるよりマシと割り切り
負傷に構わず演奏を続けます
危険な状況の仲間がいればディフェンス
必ず全員で戻りますよ
奪還戦レベルの規模で攻めなくては
手に負えませんね…
喩・嘉
幸児(g03876)と主に。他の仲間たちとも連携
俺はWIZが高いのでソラスをディフェンス
船の操舵は任せたぞ
厳しい状況だが、皆で冷静に対応すれば切り抜けられる
この状況が分かっただけでも成果だ。必ず船を無事なまま帰すぞ
俺は甲板で対応
【完全視界】で状況を見て適宜【パラドクス通信】で情報共有
水中の敵を引き剥がす役目も絶対的に必要だが、犠牲にはしない
脱出時に水中の仲間が取り残されないよう、隙を見て船から鎖を垂らし、知らせる
当然だが物量では負けている。ちまちまと退けていってもジリ貧になるだけだ
仲間たちとタイミングを合わせ攻撃を放つことで一気に敵をふり切る
適切なタイミングで合図をし、甲板に乗り込もうとする個体、とりつく個体めがけて
『王佐土砂計』で土石流を放ち押し流す
【泥濘の地】を重ねがけすれば、敵の動きも鈍るだろう
【反撃アップ】を高め、一斉攻撃のあとは敵数が多いことを逆手にとり反撃で攻撃
甲板から水中の様子を見て、攻撃による支援をする形で幸児をディフェンス
無事に戻ってこられたら真っ先に幸児を引き上げたい
守都・幸児
喩嘉(g01517)と主に。他の仲間たちとも連携
俺はこのまま水中で敵を迎撃する
【水中適応】【完全視界】を使ってこれまでの経験で得た【海洋知識】を総動員した【水中戦】だ
船の水中に没している部分を防衛
船底や船の舵部分を破壊されたり張り付かれねえように触手を引き剥がしながら船を守る
【パラドクス通信】で甲板の仲間と連絡を取り合い、一斉攻撃時もタイミングを合わせ
ぎりぎりまで粘ってから鎖を掴んで船と共に脱出するぞ
置いてかれたくはねえからなあ
俺の使う技は「定」
触れれば刃に変じる結界の壁を展開する技だ
この【結界術】でとにかく船を守る
俺自身も武器の鬼鉱刀でとにかく敵の触手を斬りまくる
ダメージを与えるためじゃない
敵を船から引き剥がすためだ
【捨て身の一撃】の連発になるが
そう簡単にはやられねえぞ
しかしこの状況
以前予兆で蟲将魏延が喰われた光景を思い出す
魏延が気付いたこいつらの意志、強さの根源
『それ』が今なら見えるのか?
喰われてやるつもりはねえがな
甲板には喩嘉がいる
船の上のことは任せたぞ
船も皆も、絶対に守ってみせる
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
ネメシス体
20代前半位の青年騎士
心情
成程、覚悟はしていたつもりだったが……どうやら其れすら甘い認識だった様だ
だが、この光景自体が判断基準となりうる重要な情報!
この船と共に生き残る為にも全力で足掻くのみだ!
貴様等を此のディヴィジョンから出して人々を蹂躙させる様な真似はさせん!
何れは貴様等が喰らった大地も取り戻させて貰うからな!
〇パラドクス通信を使用し味方と連携しながら甲板で戦闘
POWの低い味方へのPOW攻撃はディフェンスで庇う
〇泥濘の地で敵の動きを阻害し甲板のへりに〇防衛ラインを生じさせて少しでも敵の動きを制限出来る様に妨害
優先順位は船に取り付こうとしている敵>船の近くの敵>味方が攻撃していて倒せそうな敵>他の順で優先
〇命中アップで命中率を上げ更に〇誘導弾としての特性を強化した〇双翼魔弾で主に船に触れた部位を標的に攻撃し海に叩き落としていく
敵の攻撃は〇ガードアップで護りを強化しつつ対処
兎に角全員が生き残れる様攻撃を放ち続ける
ディヴィジョンから出れた後も残心は忘れず警戒
●黒き欲に輝く赤
どこまでも海は黒く、空はどこまでも漆黒だ。
「事態は想定していたよりも、ずっと深刻だったようですね……」
見張り台から始め眺めていたソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)には、尚更その光景は恐ろしく悍ましかった。
黒い海と共に、赤く灯る光りが押し寄せてくる。
あの1つ1つが、アルタン・ウルク。
フライング・ダッチマン号に乗り込もうと、黒い獣がディアボロスに牙を剥き、触手を伸ばしとり付いている。
「成程、覚悟はしていたつもりだったが……どうやら其れすら甘い認識だった様だ」
雷神の祝福を受けし剣〈Аянга довтлогч〉をルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は構え、その姿を成長させ、ネメシス形態――青年騎士の姿に。
ルィツァーリの振るう剣の一閃が、触手を弾き。甲板に降り立つと同時にソレイユは、宙に鍵盤を展開させた。
「これだけの質量を備えているとは、アルタン・ウルクは、他の侵略者とは比べ物にならないようですね」
エネルギー効率がいいのか、はたまた別の理由なのか。
「だが、この光景自体が判断基準となりうる重要な情報! この船と共に生き残る為にも全力で足掻くのみだ!」
大きく雷の翼を広げ放つは、雷撃の『双翼魔弾』。
迫る触手とフライング・ダッチマン号との間に稲妻を落とすかのように、魔弾を撃ち込む。
刹那輝いた稲光に最前のアルタン・ウルクが倒れフライング・ダッチマン号の船縁にべしゃりと黒い塊がもたれるように倒れれば、その重みに船は揺れ傾き、次なるアルタン・ウルクが屍を這い上り、その上から赤い眼をギョロギョロと蠢かす。
「彼らにフライング・ダッチマンを絶対に喰わせる訳にはいきません」
舵をとられないよう位置取り護り、『幻想独奏曲「白の舞踏」(ダンス・マカブル)』を奏で白骨の死神が喚び出されるのと、ほぼ同時にアルタン・ウルクの瞳が燃えるように輝く。
音色も生ける全てのディアボロスをも薙ぎ払うかのように、『赫眼閃光』が甲板上を滑る。
このままではマストが折られる!?
ソレイユは鍵盤を叩き咄嗟に死神を向かわせるが、光線はマストを壊す前に途絶え、大鎌を振るう死神がアルタン・ウルクを船縁まで押し戻す。
――船を壊すのを避けた?
そう感じたのは、ソレイユだけではなかった。
船に乗り込もうとするアルタン・ウルクの動きに、甲板へと戻って来た喩・嘉(瑞鳳・g01517)も気が付いたようだ。
海中の方は、最も信頼する番に託してきてある。
心配ではないと言えば嘘にはなるが、それ以上に彼を信頼していた。
再びアルタン・ウルクの眼に集まる光がソレイユを狙おうとすれば、すかさず『王佐土砂計』による土石流を巻き起こし、海へと押し流す。
「狙いは俺達のようだ。奴らは船を攻撃してこない、甲板に乗り込もうとする個体、とりつく個体を叩き落すぞ」
全うに戦っていては、物量差で負けているディアボロスに勝ち目はない。
アルタン・ウルクは倒しても倒しても、その屍を物ともせず絶え間なく押し寄せてくる。
それは海中でも同じだ。守都・幸児(祥雲・g03876)は、船の側面へと取り付き這い上っていこうとするアルタン・ウルクを引き剥がし戦っていた。
船底や船の舵を壊されないように、迫るアルタン・ウルクを引き剥がし船を守るよう戦っていたが、パラドクス通信越しに聞こえて来た喩嘉たちの声で分かった。
確かにアルタン・ウルクはフライング・ダッチマン号に乗り込もうとしているが、攻撃は仕掛けて来ていない。
そう考えれば、奴らの目的は自ずと絞られる。
――フライング・ダッチマン号を奪おうとしている。
壊すわけでも取り込むわけでもなく、アルタン・ウルクは境界を越えて来たフライング・ダッチマン号を本能的に狙っているのではないだろうか。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
船を狙うアルタン・ウルクに向かって幸児は〈式鳥符〉を放つ。
黒く染められた海を破るように、符は白い鳥へと姿を変え結界を張りながら広がり、迫るアルタン・ウルクが触れれば『定(サダン)』の結界から生じた刃がたちまち触手を断ち、進行を留める。
『しかしこの状況……』
唸るようにこぼす幸児の声が、通信越しに一同に聞こえてくる。
『以前、予兆で蟲将魏延が喰われた光景を思い出すな……』
あれは三国志のディビィジョンが無くなり流れついた者の行く末だった。
ある意味、あれも融合世界戦に突入したことに変わりないだろう。
そう考えれば、この光景は予期されていたのかもしれない。
『俺は、このまま水中で敵を迎撃する。船も皆も、絶対に守ってみせる』
甲板には喩嘉がいる。船の上のことは任せたぞと、心の中で口にしアルタン・ウルクへと視線を向けた。
迫る赤い眼は乗船を阻むディアボロス達を見つめ、大きな蹄で海底を『四駿蹄駆』で猛進し、巨大な身体を結界にぶつけ己の身体が刃に斬られようと構わず何度もぶつかってくる。
まるで傷つくことも死をも恐れていないかのような猛進。
何度目かの衝撃に幸児の定が砕かれる。
その砕けた小さな護りの綻びに、一斉に赤い眼が振り返り殺到する。
まるで堰き止めていたダムに穴を開けたかのような、溢れる水のように犠牲となった個体を乗り越え後続が押し寄せてくる。
もしこれが、境界だったら……。
想像したくない光景にぞっとしながら、幸児は次の符を手にする。
押し寄せてくるアルタン・ウルクの光景に、魏延が感じたものは何だったのだろうかと過った。
(「魏延が気付いたこいつらの意志、強さの根源……『それ』が今なら見えるのか?」)
次々と襲い来る触手は幸児を捕らえ引き千切ろうとする。
魏延と同じように間近に迫れば……あるいは他の何かを試みれば掴めるかもしれないが、今の状況ではそれも難しい。
『喰われてやるつもりはねえがな! 定め、留め、戒めろ』
両側から挟み込むように結界で包み、一気にアルタン・ウルクを斬り裂く。
海中に鮮血と無数の触手が藻のように漂い、辺りを覆っていく。
パラドクス通信越しにいくつもの悲鳴が響く。
聞こえた声は誰だったか……航海中に声を交わした者だっただろうか。
「厳しい状況だが、皆で冷静に対応すれば切り抜けられる。この状況が分かっただけでも成果だ。必ず船を無事なまま帰すぞ!」
甲板の上で仲間に声を掛けながら、喩嘉は押し寄せるアルタン・ウルクをフライング・ダッチマン号から叩き落していた。
迫るアルタン・ウルクに船は揉まれ大きく揺れた。
まるで、風のない嵐の海原だ。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
倒しても倒しても、屍を足場にまたは呑み込み次なるアルタン・ウルクが迫ってくる。
ちまちまと退けていってもジリ貧になるだけだ。
「ここは一気に切り離し離脱を図るしかないか」
「進行方向を開けます。必ず全員で戻りますよ」
ソレイユのピアノの音が喩嘉に応えた。
船首の周りは既に霧が濃くなり始めている。
横から押し寄せ、船縁に屍も残らないよう死神がアルタン・ウルクよりも深い闇へと引き摺り込んでいく。
「奪還戦レベルの規模で攻めなくては、手に負えませんね……」
何か打開策は見つかるかもしれないが、まずはこの海域からの離脱が最優先だ。
黒い海に舞う死神だけが、白く浮かびあがり。
翼を大きく広げ、ルィツアーリは船尾より迫るアルタン・ウルクを見つめた。
「貴様等を此のディヴィジョンから出して、人々を蹂躙させる様な真似はさせん!」
紅の輝きを強め、一気に攻め寄せるアルタン・ウルクにとって、倒れた仲間は船にかかる橋。足場でしかならない。
ただ攻め寄せるアルタン・ウルクに、自身の犠牲で道を切り開こうという意志があるようには見えないが、放っておけばそうなりかねない勢いが続いている。
船首船尾共に準備が整った頃合いを計らい、喩嘉の〈瑞鳳凰扇〉が振るわれ沸き起こる土石流がアルタン・ウルクを押し流し泥濘の地を広げ、その移動速度を奪い海中の仲間へと船へと上がるための鎖を垂らす。
アルタン・ウルクの速度が落ちたところを見計らい、激しさを増すソレイユの舞踏の調べに合わせ、死神が黒い獣を翻弄するように海上で踊り船の道を開き。
船尾に向かって海中より幸児が定による結界を展開し、ルィツァーリが両翼より雷の魔弾を放った。
稲光の照らす海に、揺らめくアルタン・ウルクの群れが浮かびあがる。
「何れは貴様等が喰らった大地も取り戻させて貰うからな!」
全速前進でアルタン・ウルクを振り払いフライング・ダッチマン号は境界の霧へと飛び込んでいく。
いつか、必ずこの地を――。
幾重にも重なる霧が、漆黒も赤も全てを包み、やがて霧の晴れた空に濃紺の夜が広がり星が瞬く。
波が優しく船を揺らし、潮風が通りぬけていく。
――帰って来た。
誰もが安堵を抱くと共に、境界を振り返る。
もしアルタン・ウルクの防衛を失敗したら、ヤ・ウマトはどうなってしまうのだろうか。そんな危機感を抱きながら、港へとフライング・ダッチマン号は戻っていくのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【泥濘の地】がLV3になった!
【防衛ライン】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!