海千山千トラベラシーラディートラト(作者 海鶴)
#断頭革命グランダルメ
#【《七曜の戦》ジブラルタル海峡防衛】海峡防衛戦
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『ジブラルタル海峡』
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●海峡隔てるを能わず
ジブラルタル海峡を横断し、アフリカ海岸へと取り付いた断頭革命グランダルメの自動人形たちは海水に塗れた躯体に構うことなく次々と上陸を果たしていく。
大陸軍であるトループス級『解体少女』は濡れそぼった可憐なるドレスの裾を絞り、海水を下たせながら周囲を警戒する。
「ディアボロスの存在を検知せず。やはり如何なディアボロスと言えど、この秘匿作戦を感知することは敵わなかったようですね」
「ジブラルタル海峡を手中に収めることができれば、地中海を手中に収めることが可能となります」
「そうなれば大陸軍に確実なる勝利を齎すことができるでしょう」
彼女達はアフリカの海岸に取り付くことができたことを素直に喜ぶようであった。
同時に彼女達の言葉を借りるのならば、これは秘匿作戦であり、ディアボロスの裏をかいたことになる。
彼女達は確信している。
ディアボロスたちが如何に理外たる情報収集能力を持つのだとしても、《七曜の戦》においてディアボロスもこの地を重要視していないだろうと。
ならばこそ、この機会に侵攻し掠め取ろうと画策したのだ。
その目論見を完遂するために『解体少女』たちは次々と海より這い出し、制圧に乗り出さんとするのだった。
●パラドクストレイン
レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)は集まってきたディアボロスたちを前に静かに一礼する。
「お集まり頂きありがとうございます。《七曜の戦》……多くの人々の、最終人類史の運命を決める戦いが始まっています。此度は、獣神王朝エジプト奪還戦で最終人類史に奪還したアフリカの北西部、ジブラルタル海峡に面した地域の迎撃戦をお頼みしたいのです」
レーネマクダは示す。
イベリア半島の南端から断頭革命グランダルメの大陸軍、自動人形たちはジブラルタル海峡を渡って侵攻を開始してきているのだと。
敵勢力の軍勢は決して大きいとは言い難く、率いるジェネラル級の姿も確認されていない。
だが、それでもジブラルタル海峡のアフリカ側の一部地域を制圧するには十分な軍勢であると言えるだろう。
「大陸軍の目的は、ジブラルタル海峡の両側を制圧することによって、地中海の覇権を握ることになるのでしょう。この思惑を打ち砕くためにも、この迎撃戦による防衛は必要なことであると言えるでしょう」
確かに断頭革命グランダルメはディアボロスたちの活躍によって多くの作戦を失敗へと叩き込んできた。
言ってしまえば、ディヴィジョンの斜陽を迎えていると言ってもいいだろう。
だがしかしである。
窮鼠猫を噛むという言葉もある。それ以前に多くのディヴィジョンと交戦しながらも勢力を拡大してきた地力も侮れない。
「ですが、此方も地力という点においては彼らに比肩すべきものがございます」
彼女の言葉にディアボロスたちも頷く。
迎撃戦である以上、最終人類史での戦いとなる。ならば、残留効果のレベルが最大になるのだ。
通常の戦いとは異なる非常に有利な状況のでの戦い。
「みなさまがこれまで紡いできた戦いの軌跡。その結実を、油断によって危機を招くことなく確実に敵を撃退して頂きたいのです」
さすれば、敵勢力はディアボロスの地力を思い知ることになるだろう。
戦いに赴くディアボロスたちの瞳に油断も慢心もないことを知り、レーネマクダは彼らを送り出すのだった。
リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
律儀に、エジプト奪還戦の雪辱を晴らしにきたのかな
ランヌ元帥の配下だろうか
貴様らの歯車の一片たりとも、この地へ侵入を許さない
皆で取り戻した地だ……決して、渡さない
迷彩服を纏って光学迷彩・未来予測し、双眼鏡を用いて偵察
完全視界で、敵の接近を捕捉
PD通信で情報共有し、タイミング合わせ開戦
泥濘の地を発動、人形達の動きを鈍らせた所へ
羽ばたきに乱気流を巻き起こし攻撃
味方と狙い合わせて着実に数を削ぎ
撤退へ追い込もう
最終人類史には北アフリカより帰還した人々もいる
託されし願いを受け、吹き飛ばす
常に偵察、観察し戦況把握
反撃には魔力障壁を張り波動を緩和
剣を持つ腕の振りを観察し、軌道に盾を翳し身を護る
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
敵の目論見は全て潰します。
この先における更なる戦いの為に
ボク達が生きた…本来の生活を取り戻すんだ。
自動人形にこの地は踏み入れさせませんよ!
【パラドクス通信】を使用して味方との連携を密に
攻撃対象は味方が攻撃し弱っている敵、味方に攻撃しようとしている敵
等、戦場を俯瞰で観察しつつ適切な行動をとりましょう。
『Boeotia』を起動して武装を精神をリンク
蒼きフォトンエネルギーを機械魔導弓『ACRO』に番えてパラドクスを発動し
敵の急所を確実に撃ち抜いて行きます。
敵の反撃は盾やアルヴァーレから発生する【結界術】によるダメージを緩和しつつ
【一撃離脱】で敵と距離を取り応戦します。
金刺・鞆
ここはえじぷとの地……ここになにかあれば、わたくしの大事な友が悲しみます。
……いえ、いえ。それだけではない。奪還した大地、その砂の一握とて奪わせてなるものか。七曜の戦について知ったとき、ともはすべての地の防衛を願いました。
時先案内人さまも、でぃあぼろすの同輩もそのために死力を尽くしている。ならば、わたくしとて同様に。
金刺・鞆、参ります!
敵はかなりの大群ですが……こちらには残留効果という地の利がございます。ゆえ、【ドレイン】で回復する好機を増やすためにも、ここは多数を狙う技で攻めましょう。威力も常以上に強化されております!
比売神さまに捧ぐ神楽の舞、そのうつくしさを冥途の土産にするとよい、ですよ!
ジブラルタル海峡を越え、アフリカ海岸へと上陸を果たしたトループス級『解体少女』たちは周囲を見回す。
警戒しているようでいて、警戒していないことが理解できる。
それが一応のポーズであることが伺い知れるのは、彼女達にとって、この作戦が秘匿作戦であるからだ。如何にディアボロスが常識外の情報収集能力を持っているのだとしても、彼女達は己たちの作戦がディアボロスに見抜かれるはずがないと確信していたのだ。
「これより上陸を開始。一気に攻め上がり、この地を大陸軍に齎すのです」
「ディアボロスたちの注意は他にも向けられている。ならば、この機会を逃すことはない。彼らが慌てふためく様を見るのが楽しみです」
彼女達は笑う。
それは油断と言っても差し支えのないものであったことだろう。
そんな彼女達を海岸線を監視するエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はすでに補足していた。
彼女達は知らないのだろう。
この地は確かにディアボロスが奪還した大地である。
「律儀に、エジプト奪還戦の雪辱を晴らしにきたのかな」
ランヌ元帥の配下かどうかはエトヴァにはわからない。
けれど、彼にとって重要な所はそこではない。彼女達の歯車の一片たりとも、この地へと侵入することを許さない。
何故なら、この地は皆で取り戻した地であるからだ。
「掠め取ろうという判断の甘さを呪うがいいさ」
手繰り寄せるは鎖のように強固たる残留降下。
最大まで引き上げられた力は、此処が最終人類史の大地であることを示していた。隠れ潜むエトヴァや他のディアボロスたちの姿を『解体少女』たちは認めることができなかっただろう。
「敵の目論見は全て潰します。この先におけるさらなる戦いの為に」
「そう、です。ここはえじぷとの地……ここになにかあれば、わたくしの大事な友が悲しみます」
パラドクス通信によって伝わる敵の位置。
それを得たレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)と金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は思いを新たにする。
そう、エトヴァもそうであったように、この大地を奪い返したことによって誰かの心の中にくすぶり続ける怒りが、復讐がいくばくか報われたのだ。
ならばこそ、彼女達は戦う。
奪い返したものを掠め取ろうとする者たちを打ち倒す。
そのために彼女達は上陸を果たした『解体少女』たちへと一気に飛び込む。
「……ディアボロス! なぜ此処に……いえ、その前に……ッ!」
「遅い」
エトヴァのパラドクスが煌めく。
Luftturbulenzen(ルフトトゥルブレンツェン)、集い、踊れ、と己の青き翼が生み出す風は乱気流となって上陸を果たした『解体少女』を吹き飛ばす。
その威力の凄まじさに『解体少女』たちは目を見開く。
確かに彼女達はディアボロスの能力を知っている。その強さというものも。
だが、今まさにエトヴァが放ったパラドクスの一撃は、彼女達の予想を超えるものだった。
「馬鹿な……! これだけの力をディアボロスが、なぜっ!」
反撃する間もなく海岸へと押し返された『解体少女』たちは歯噛みし、その手にした鋸剣を構える。
瞬間、彼女の頭蓋たる頭部を打ち抜くのは、蒼きフォトンエネルギーを矢として放つレイの一撃だった。言うなれば、それは電撃戦の一矢(ブリッツディゾルバー)。
この戦いが敵を圧倒するものであると知らしめる一射であった。
「君たちは逃げられない。いや、逃さない。ボク達が行きた……本来の生活を取り戻すんだ」
「……いえ、いえ。それだけではない。奪還した大地、その砂の一握とて奪わせて為るものかと、ともの中の炎が叫ぶのです」
レイの一射が穿つ『解体少女』の躯体が海中に没すると同時に鞆の八坂の舞(・)が彼女達の眼球たるパーツを引き付ける。あまりにも壮麗。あまりにも美しい舞い。
その舞いにどれほどの祈りが籠められているのかを『解体少女』たちは知らないだろう。いや、知り得ることもないだろう。
何故なら、彼女達は奪う側であったからだ。
「ともはすべての地の防衛を願います。同輩のみなさまも、そのために死力を尽くしている。ならば、わたくしとて同様に。わたくしの名は金刺・鞆。参ります!」
「なんだ、このディアボロスの力は……! 本当にこれは私達が知るディアボロスなのか!?」
舞う鞆のパラドクスの煌めきに翻弄され『解体少女』たちはたじろぐ。
背後には己達が渡ってきた海。
そして、眼前に迫るのは、己達が見誤ったかのような力を発揮するディアボロスたち。
強烈な乱気流がエトヴァによって操られ、『解体少女』たちを海岸に押しやる。
「託され願いがある。帰還した最終人類史の人々が、俺たちに願ったんだ。ここで取り戻した地を……君らには決して、渡さない」
エトヴァの背より羽撃く蒼き翼は、さらに追い風となってレイの背中を押す。
戦場を駆け抜け、鞆の舞いに注意を惹きつけられた『解体少女』の頭部を次々と蒼き矢が射抜いていく。
「自動人形にこの地は踏み入れさせませんよ!」
パラドクス通信による連携。
そして、最大にまで引き上げられた残留効果の力。
それを『解体少女』たちは見誤ったのだ。此処で己達が負ける道理などないというようにレイは戦場を正しく雷撃のように駆け抜け、『解体少女』たちを穿ち滅ぼしていく。
「押し負けることはない。このまま敵を押し返す!」
「この比売神さまに捧ぐ神楽の舞、そのうつくしさを冥途の土産にするとよい、ですよ!」
吹き荒れる風。
それに舞う鞆の舞いはさらに一層輝く。
『解体少女』たちは知るだろう。己達が如何に無策であったのかを。ディアボロスという名の存在の力を如何に見誤っていたのかを。
そして、その失策は手痛い一撃となって彼女達の躯体を砕くのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
百鬼・運命
さてとせっかく奪還したエジプトをとられる訳にはいかないな
敵は奇襲できたと油断しているようだ。
ならばこちらはその隙をついて奇襲しよう
海岸線なら此方の射線が通りやすい
ジブラルタル海峡周辺は交通の要衝だけあって建物も多いし、攻略旅団提案で一般人は退避済み
【建物復元】で強化して潜伏、狙撃銃形態のバーサタイルライフルで部隊指揮官から聖なる一撃による狙撃で倒していく
一発撃ったらすぐに移動し、少しでも反撃ダメージを抑えよう
しかしながらずいぶんと復讐者の予知のことがばれてきたようだ
エゼキエルでは予知の事に気がついていたヘルヴィム直属軍が各ディヴィジョンに合流したし、今後奇襲作戦はなかなか厳しくなるだろうな…
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
俺達を甘く見るんじゃないぞ、ここを奪われるわけにはいかないんだ
近づいて斬るっていうんなら近づかなければいいだろう!
【行動】
仲間と声を掛け合いながら連携する
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンで受けて防ぐ
ガードをしながらあらかじめ作っていた弾丸を使って攻撃する
弾丸は周囲の可燃性物質を巻き上げる風を起こしてから着火するようにできているから
近づかれる前に攻撃すれば剣を受けるよりも先にダメージを与えられるはずだ
何かあれば臨機応変に対処する
リューロボロス・リンドラゴ
ふん。随分とこちらを侮っておるようだな。
我らにしてやられ続けているからこそ裏をかけたという事実がこれ程までに嬉しいのであろうよ。
だがそれは麻薬よ。感覚を鈍らせ破滅に誘う薬だ。
良いだろう。今しばらく貴様たちの望む夢を見せてやろう。
【光学迷彩】起動……。
見つからぬようにするよ。
上陸直後ならともかく、今の奴らは油断しておる。
我らの裏をかいたと喜びたいからこそより我らを見つけられぬ。
それが命取りよ!
奇襲し理解が追いつく前に薙ぎ払いまくってくれるわ!
何故どうしてと混乱しているうちに攻めきる!
我らを無視して先に行こうものなら【防衛ライン】、逃げようものなら【泥濘の地】!
行かしも逃しもせぬ。
ここで死ね!
モリオン・スモーキー
アドリブ歓迎
連携密に
SPDで周囲をディフェンス
敵に対して侮ることなかれ。戦闘の基本です。
敵地に潜入するのであればその全てを研ぎ澄まさなければなりません。
油断しているのであればそこに付け入る隙がある。
敵は大群。ただ、地の利は我々。
……支援任せて突っ込みますか。ブレードとショートソードを抜いてパラドクス解放。
飛翔するまで……とはいきませんが、空を飛び、舞い、相手を切り刻むための舞を。また、風の刃を生み出しそれも併せて敵を襲わせます。
敵の反撃は残像とダンスで致命傷を回避する為の行動を。併せて念動力と両断で敵の武器の軌道を逸らせて致命傷を回避。
更に装備とオーラ操作でダメージを少しでも軽減させましょう。
迫るトループス級『解体少女』たちは動揺していた。
ディアボロスたちの強さに、である。此処が最終人類史であるがゆえに、ディアボロスたちの背を押す残留効果が齎す強化は彼女達の想定の中にはなかったのだろう。
「俺たちを甘く見たな」
「そんな、確実に虚を突いたはず……だというのに、なぜディアボロスが対応できる!」
彼女達の言葉に荒田・誠司(雑草・g00115)は『解体少女』の放つ鋸剣を盾で受け止め、押し返す。
「ここを奪われるわけにはいかないんだ」
「ああ、せっかく奪還したエジプトなんだ。取られる訳にはいかないな」
百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は、立地を最大限に利用していた。すでにディアボロスたちと『解体少女』たちの戦いは始まっている。
故にこの戦いにおける主導権はすでにディアボロス側が握っていると言っても過言ではないだろう。
「海岸線から進出してきたのは悪手だったな。此方の射線が通りやすい」
運命が構えるギミックリボルバーが狙撃銃へと携帯を変え、彼の瞳がパラドクスに輝く。
戦場において不確定の様子は排除すべきものである。戦線の揺らめき、敵味方の動き。その多くが予想しようとして予想できるものではないだろう。
時として悪転することもある。
だが、全ての要素を味方に付けたかのように運命の構える狙撃銃の放つパラドクスの聖なる一撃は解き放たれ味方の間隙をぬうようにして『解体少女』の体を穿つ。
「ぐっ、あっ!? なんだ、この威力は……!? まさか、一撃、で……これほどの!」
「ふん。随分とこちらのことを侮っておるようだな」
その言葉は『解体少女』たちの預かり知らぬところから響く。
揺らめくようにして残留効果、光学迷彩によって隠れ潜んでいたリューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)が姿を現し、その瞳にパラドクスの輝きを放つ。
形代たる巨大なる神剣。
神剣解放、雛流し(ヤツザキノルツギ・マガバライノタチ)は、己を見やる敵意たる視線を呪いとし、それを返す力。
「我等にしてやられつづけているからこそ、裏をかけたという事実がそれほどまでに嬉しかったか」
リューロボロスは一気に『解体少女』たちの敵陣へと切り込む。
すでに運命は狙撃した場所から離れ、さらに新たな狙撃ポイントへと走っている。リューロボロスが姿を現し、強襲したのは、彼の動きをサポートするためであった。
そして、彼女の言葉は『解体少女』たちの痛いところを突くものであったことだろう。
そう、彼女達はディアボロスからこの地を掠め取ることができると思っていたのだ。それも楽に。労せず。
されど、現実は異なるものであった。
「敵に対して侮ることなかれ。戦闘の基本です。敵地に潜入するのであれば、その全てを研ぎ澄まさなければなりません」
それはこれまでディアボロスが数多のディヴィジョンに対して潜入し、戦ってきたことの証左であったことだろう。
モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)は、その言葉と共に複合解放・空陣風舞(フクゴウカイホウ・クウジンフウブ)たる力を発揮する二つの宝石が生み出す風の刃と重力でもって『解体少女』たちの動きを鈍らせ、その躯体を切り裂くのだ。
「我等が油断している、と判断したのでしょう。ですが、上手く行ったと誇るのはもう少し後にすべきでしたね」
「ああ、そして、それは麻薬よ。感覚を鈍らせ破滅に誘う薬だ」
リューロボロスの一撃が『解体少女』を吹き飛ばし、さらに運命の狙撃が打ち上げられた『解体少女』の躯体を打ち抜く。
「裏をかいたのはぬか喜びよ。故に我等の強襲を防げぬのは道理!」
「なぜ! どうしてこのような……! まさか本当に……ディアボロスの情報収集能力は……!」
戸惑う『解体少女』たちを押し返すように誠司のエレメントリボルバーに装填された、特殊弾:嵐炎(ユニークバレット・ストームフレア)が吹きすさぶ。
「近づいて斬るってだけなら、寄せ付けないまでだ!」
誠司の放つ弾丸が生み出す炎をモリオンの操る風が刃となって巻き上げ、さらに『解体少女』たちを海岸へと押し返していく。
戦いの趨勢はすでに決していると言ってもいいだろう。
それほどまでに『解体少女』たちは追い込まれている。労せずして、敵の裏をかいた、出し抜いたという甘やかな夢現は、すでに引き裂かれている。
「強行突破ならば……!」
「行かしも逃しもせぬ! ここで死ね!」
リューロボロスが残留効果を手繰り寄せる。
防衛ラインによって生み出された白線を『解体少女』たちは飛び越えることができなくなり、海岸線と防衛ラインによって挟まれた、進退立ち行かなくなる状況にただ突き落とされるだけであった。
「敵の勢いが落ちた……今なら!」
誠司の放つ炎の弾丸が一気に敵を穿ち、さらにモリオンは踊るかのように残像残すほどの速度で『解体少女』へと踏み込み、風の刃纏うブレードとショートソードの斬撃が躯体を切り裂くのだ。
「このまま押し戻し、撃滅を」
「最大まで引き上げられた残留効果があるのならば、できるはずだ」
「やってみせる!」
運命の援護狙撃を受けて、モリオンとリューロボロスが『解体少女』たちを撃退していく。
飛び散る躯体より溢れるパーツ。
それらを燃やし尽くすように誠司の炎が吹き荒れ、運命の放つ弾丸が次々と弱った敵を穿ち続ける。
ここに戦いの趨勢は、完全にディアボロスへと傾いたことだろう。
砕け散った躯体。
海岸線にはもう動く自動人形の姿はなかっただろう。この戦域においてディアボロスたちは自動人形の秘匿作戦を叩きのめし、その残骸を持って己たちの勝利を示す。
「しかしながら……」
運命は思う。《七曜の戦》を迎え、終わりを見るのだとしても。
戦いはさらに激化していくだろう。
「今後奇襲作戦は中々厳しくなるだろうな……」
「此度のように敵も此方の領域へと侵入しようとするだろうしな……」」
考えること。
不安に思うこと。
憂うこと。
その多くがディアボロスたちの胸中に訪れることだろう。
けれど、彼らは知っている。
己たちの胸の中に訪れる、そうした不安は復讐の炎に焼かれる運命にあるのだと。
奪われ、奪い返した大地に今己たちは立っている。
ならば、この大地より続く未来をこそ、自分たちは守り、奪われたものを奪還しなければならない。
一時の勝利に酔うことなく。
新たなる戦場へとディアボロスたちは、また一歩を踏み出すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!