取り残された竜堕児の掃討(作者 彌厘)
#冥海機ヤ・ウマト
#【《七曜の戦》横須賀防衛】鎮守府近海掃討戦
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『横須賀鎮守府』
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●鎮守府近海にて
横須賀鎮守府では復讐者たちの活躍によりジェネラル級冥海機『信濃』が撤退した。当然その部下たちも大多数は一緒に撤退している。だがしかし何らかのトラブルにより少数の冥海機は取り残されている状態だ。タツノオトシゴ型の乗騎に乗ったフクリュウたちもその内の一部隊だった。
「周囲に異常なし!」
彼女たちは乗騎を暴走させたおかげで撤退しそびれたのだがそれを気にした様子もなく周囲の様子をうかがっている。その姿は楽しそうですらあるのだった。
●新宿駅グランドターミナルにて
いつもよりも慌ただしい新宿駅でシェスト・ツリュクベコメン(サイボーグの殲滅機兵・g03339)は集まった復讐者たちに説明を始めた。
「今回皆には『冥海機ヤ・ウマト』の敵が放棄した『横須賀鎮守府』周辺の掃討作戦に当たって欲しい。横須賀鎮守府の施設自体は制圧したが、周囲にはまだ少数の敵部隊がいる。奴らを掃討し横須賀鎮守府周辺を完全に制圧すれば、最終人類史に奪還できるだろう。敵はトループス級冥海機『竜堕児・フクリュウ』だ」
シェストはフクリュウの写真を見せながら続ける。
「指揮官がおらず統制が取れていないが、海戦はあちらの方が有利だ。油断せずに戦って欲しい」
「海戦でも【水面走行】を使用すれば問題なく戦う事ができる。適切な残留効果の使用を忘れないように注意してくれ。海上の敵を駆逐すれば、横須賀を最終人類史に奪還する事ができるが」
そこで一旦言葉を切ると額のしわをさらに深めて告げる。
「横須賀は天正大戦国の『相模国』の一部でもあるため、《七曜の戦》が始まれば天正大戦国からの横やりも警戒しなければならないだろうな」
ため息をつきつつ時先案内人は復讐者たちを見送ったのだった。
リプレイ
一騎塚・喜一
『竜堕児・フクリュウ』
これまで何度か戦いましたが非常に危険な相手です
掃討戦とはいえ油断せず挑んでまいりましょう
先ずは同じ土俵に立たねば始まりません
【水面走行】は確り準備しておきましょう
自傷を恐れず立ち向かう姿勢は敵ながら称賛に値しますが
今は七曜の戦を前にした重要な時期
まともにぶつかってはこちらの身が持ちません
【残像】を駆使し僅かでも衝突の衝撃を軽減可能か試しつつ
【浪砕】で攻撃を仕掛けていきます
水面ごと蹴り上げてその我武者羅な突進への牽制も行います
統制が取れていないのが相手側の最大の弱点だと思いますので
詳しい戦況の報告や伝達・連携が出来ぬよう手負いの者を優先して攻撃していきます
月鏡・サヨコ
伏龍……その言葉が持つ意味を、あの冥海機たちは理解しているのだろうか
生まれるべきでなかった兵器であり、生まれてしまったからこそ穢されてはならない名だ
……これ以上の暴走は見過ごせない
【水面走行】を発動して海上を駆け抜ける
動きを読まれないよう、ジャンプや旋回を交えた複雑な挙動で位置取り
砲撃の間合いに敵を捉えたなら、『絶海砲戦』を発令
≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫から放つ機銃の弾幕と砲撃の連射で、敵群を跡形もなく粉砕せんと攻め立てよう
……波に抱かれて、静かに眠れ!
反撃の突進には≪海戦装用増設防盾≫を構えて耐え抜こう
体に響く衝撃に抗うように踏ん張り、姿勢を崩さず
すかさず次の攻撃に移り、撃滅まで戦う
安藤・優
暴走タツノオトシゴ…
なんだか妙な連中が取り残されたんだなぁ…
なんにせよ危険だからしっかり排除しないとだ。
水面走行で水上戦の準備……水上戦に慣れてる人も居るみたいだし仲間に動きを合わせる。
散弾銃アルバトロスを構えて…フルファイアで全弾発射!
予測困難な軌道ならば、散弾銃連射して弾幕張って広範囲を一気に吹っ飛ばす制圧射撃で対応するしかない。あの予測困難で不規則な軌道を封じれれば反撃への対処も楽になる。鉄塊剣を盾代わりにして軌道を逸らし受け流すよ。
突進攻撃はその勢いを利用して一撃をお見舞いする。銃器が不足する時はね、武器を投擲してでも全弾発射を決行するんだ。そんな訳だ…翔べクレアシオン!
●人間魚雷との戦い
海の水面が凪ぐ。海面がまるで地面であるかのように安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は走る。
「暴走タツノオトシゴ……。なんだか妙な連中が取り残されたんだなぁ……」
月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)と一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)も彼に続く。
「伏龍……その言葉が持つ意味を、あの冥海機たちは理解しているのだろうか」
サヨコが小さく呟いた。同じ名を持つ人間魚雷とも呼ばれる特攻兵器の存在を彼女は知っているのだろう。普段通りの無表情でありながらも紫の瞳にはわずかに憂いが見えた。
「『竜堕児・フクリュウ』。これまで何度か戦いましたが非常に危険な相手です。掃討戦とはいえ油断せず挑んでまいりましょう」
喜一の言葉に優とサヨコは顔を引き締めうなずく。
「わかったよ。しっかり排除しないとだ」
「……これ以上の暴走は見過ごせない。終わらせてやろう」
海面を走って程なく。タツノオトシゴを跳ねさせるフクリュウたちを発見した。
「敵影発見! 敵影発見!」
何の障害物もない海上だ。当然相手にも同時に見つかった。
残留効果【先行率アップ】の恩恵で最初に動いたのは優だった。アホウドリの異名を持つ魔改造ショットガン『多目的散弾銃アルバトロス』の全弾を一斉発射。こちらに突撃しようとしていたフクリュウたちに弾幕を浴びせる。
(「あの予測困難で不規則な軌道を封じるとしたら、広範囲を一気に吹っ飛ばすしかない」)
そう考えての制圧射撃だった。
「敵の攻撃を確認、反撃する!」
「突撃ーっ!」
しかしフクリュウたちは攻撃を受ける事も気にせずタツノオトシゴを暴走させてこちらに突進してくる。笑みを浮かべたままに。
(「やはり、その名の通りの性質か……」)
ならばこそこれ以上その名を汚されてはならないとサヨコは決意を新たにした。水面を蹴って高くジャンプし敵の狙いを外させようとする。そうしながら冥海機との撃ち合いを重視した専用海戦装の巡洋戦艦海戦装『黒姫』から優と同様に一斉射撃を行う。
「……波に抱かれて、静かに眠れ!」
二人の制圧射撃でほとんどのフクリュウは海に沈んだ。それでも残った者は自らの命を投げ出すように楽しそうに弾幕の間を縫って水上を駆ける。
「特攻! やーっ!」
そして刺突機雷を突き出す。それは喜一に当たったように見えた。
「あれ?」
しかしそれは残像だったのだ。フクリュウは手ごたえのなさに首を傾げる。
喜一自身は運よく敵に見破られずに素早く彼女たちの背後に回る事ができた。
「自傷を恐れず立ち向かう姿勢は敵ながら称賛に値しますが」
(「今は七曜の戦を前にした重要な時期。まともにぶつかってはこちらの身が持たない」)
喜一はパラドクスの力を軽くて動きやすい『地下足袋』を履いた足に込める。その足で強烈な回し蹴りを放ち水面ごと敵を攻撃した。
「こちらも、負けられませんから」
それを受け残りのフクリュウも海に沈んでいった。
無骨な『鉄塊剣』を盾代わりに構えながら優が周囲を見回す。
「この小隊はこれで全部かな」
サヨコも海戦装の側面に装着された『海戦装用増設防盾』を構えながら海中に目を配る。
「……そのようだ」
「ひとまず横須賀を守れましたね」
三人は安堵のため息をついた。
だが七曜の戦が始まればここはまた防衛が必要になるだろう。三人は次の戦いに備えようと足早に鎮守府を後にしたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV3が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!