第二次東京奪還戦(後編)

 盟主である豊島区の『複素冥界』イマジネイラを失ったアークデーモン大同盟の5つの区、すなわち『足立区』『板橋区』『北区』『練馬区』『中野区』への攻撃は成功。
 各区の支配者に対し、一度に決戦を仕掛けて一気に奪還する、第二次東京奪還戦の実行が可能となりました。
 世田谷区奪還による混乱を利用する『目黒区』の奪還戦も同時に行う事で、アークデーモン大同盟に所属する全ての区を一気に奪還するチャンスとなったのです。

 各区は配下のジェネラル級率いる豊島区への増援部隊が未帰還となった事で戦力が低下しており、更にディアボロスの強襲により浮足立っています。
 この隙をついて各区の拠点を強襲し、区の支配者を撃破すると共に、アークデーモン大同盟を完膚なきまでに滅ぼしてしまいましょう。

魔導公爵・ムールムール

地獄の侯爵・エリゴス

不滅侯フェネクス

狂想のオセ

秘密を弄ぶ者プルソン

崩壊の音色、抗うは魔導公爵(作者 紅葉茉莉
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 まるで中世、欧州に存在したような城塞が如き外見に改造された区役所の中で魔導公爵・ムールムールは深い息を吐いていた。
「イマジネイラの死、そしてこの混乱。侮ったわけではないが……」
 公爵という地位に似つかわしい城塞を、その居城から人々を畏怖させ力を蓄えてきた自分を始めとしたアークデーモン大同盟が瓦解した現状。
 足立区全体が混乱状態とあっては、この機に乗じてディアボロスが更なる刃を向けてくることは当然であり。
「まあ良い、残るアークデーモン達も力ある者は生き残り、そうでないものは淘汰されよう。ならば私も生き残り盟主を、断片の王を目指す事を諦めてはならぬ、決戦の準備を始めるぞ!」
 冷静に、されど頂点を目指す為にはここで座して待つなど愚行、打てる手は全て打つとばかりに声を荒げるムールムール。
 見下ろす街を、そして城に合わせ外観を整えるべくむき出しになるようにした水路を眺め配下のアークデーモンに指示を出す。
「お前たちは水路を介して出撃せよ、そして残る住人どもを惨たらしく、畏怖の感情を植え付ける様に殺し力とするのだ。私は住民の耳目を集め、その後合流するとしよう」
 ムールムールの取る手、決戦となれば住人を使い潰す事は予定通り、その時が早まっただけであり。
 躊躇う事こそ悪手、苦境乗り切るためならば多くの住人を無残に殺す事に一切の躊躇は無いのだ。

 その後、水路を介し数多のアークデーモンが城より出撃。
 それを見届けたムールムールは最後になるやもしれぬと杯を掲げ街を見下ろし、一気に飲み干す。
 暫しの余韻に浸った彼はグリフォンに跨り空中へ、そして街を見下ろす展望台を自ら放つ光線にて破壊すれば轟音が街へと響き渡り、虐殺の合図となっていた。

 新宿駅グランドターミナル、慌ただしくパラドクストレインが行き交うホームにてミレー・マリエット(サキュバスのガジェッティア・g03547)がディアボロスを出迎え説明を始めていた。
「皆さん、お疲れ様です。いやー、アークデーモン大同盟への追撃、お見事でした。残る区全てを混乱させジェネラル級を追い詰め決戦開始、ということでこちらからも決戦のご案内ですよ」
 テンション高く、立てた指をクルクル回し語るミレー。
 彼女が案内するのは足立区、そして区の支配者は魔導公爵・ムールムールである。
「区内は先の攻勢で混乱状態になってます、なので一気に敵拠点に向かって支配者を撃破して区の奪還を目指す事になりますね。
 ここを含めて、全ての決戦に勝利すればアークデーモン大同盟の支配区域は全て奪還できちゃう大作戦、ぜひとも成功させたいところですね」
 ぐっと拳を握りしめ、ここが勝負だと主張して。
 彼女は今回の標的、ムールムールが今どういった状況にあるかを説明する。

「区への侵入は海から、ですが前哨戦で警戒網がこう、まともに機能していないですし先ほど申し上げたように混乱状態、潜入も問題なく混乱する市街を一気に、拠点となる城塞風に外観が改造された区役所に向かう事が可能です」
 潜入、拠点に対しての移動はそこまで問題はない、しかし。
 少々別の問題があるとミレーはそこで一区切り。
「ですが今現在、ムールムールは畏怖の感情を一気に高めて力を増やそうと一般人を狙って水路を介してトループス級を周囲に派遣しています。
 貴重な戦力を分散している状態ですので、本人の守備兵力は少なくなっていますが……放置すれば確実に、水路を介して多くの一般人が犠牲になる事は避けられません」
 住人を虐殺し、畏怖の感情を引き出す為に。
 守りを固めるのではなく力を高める手段として貴重な戦力を使用している状態、故にムールムールを狙う際に叩くべき戦力は減少しているがそれは多くの住人を犠牲にするのと同義。
 どうしようもない場合を除けば、それは避けるべき選択ではあるだろう。
「ムールムール本人は城から眺める街が好きだったようで出撃前に街を眺めてから出撃する形、防衛ラインなどは構築されていませんね。
 僅かな供回りと同時に畏怖の感情を高めようと、城の展望台を破壊して動き出します。最速で街を駆け抜ければ破壊し、街に降り立つ辺りで遭遇できるかと思います」
 僅かな供回りと共に出撃するムールムール。
 当人は城の展望台から、護衛は城を囲む水路からの出撃が故に護衛を速攻で叩けばムールムールが援護することなく倒す事も可能。
 逆に護衛を放置しムールムールを狙えば、流石に速攻で倒せず護衛が援護に入る事は確実、苦しい戦いとなるだろう。

「第二次東京奪還作戦も正念場、ここでの勝利を始めとして他の決戦でも勝利すれば第一次東京奪還戦と同じ6区の奪還という大戦果、そうなれば全域奪還も視野に入ってきます!」
 重要な戦い、七曜の戦を前に大きなターニングポイントにあるとミレーは語る。
「ならば! ここでバーンと大戦果、ディアボロス全体の士気も爆上げから他のディヴィジョンの攻略にも弾みをつける、そんな大勝利を目指して頑張りましょう」
 相手はジェネラル級、強敵であるが勝てぬ相手ではない。
 大同盟を完全に崩壊させ、全域奪還を目指すべくミレーは決戦に向かうディアボロスを送り出すのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【一刀両断】
4
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
2
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
2
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV7 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV4 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 今回はTOKYOエゼキエル戦争にて発生した大反攻作戦、アークデーモン大同盟を瓦解させる仕上げ、区の支配者との決戦シナリオとなります。

 このシナリオで標的となるのは足立区、支配者は魔導公爵・ムールムールとなります。

 状況はオープニングの通り、開始時点では敵戦力が分かれて行動しているような状態となっています。
 どの選択肢から選んでも構いませんが、選択肢2を放置しておくと一般市民が、住人が虐殺される結果となります。
 選択肢1は特に質問が無ければ行わなくとも、戦闘に影響はありません。
 選択肢3は、放置したまま選択肢4を選ぶと援護に入り、判定に影響を及ぼしますのでご注意下さい。

 戦場は足立区区役所周辺、しかし区役所周辺はムールムールの趣味で区役所ごと、外観が中世の城のような形に。
 また、あえて水路をむき出しにしてその流れが見える様に改造された市街地となっています。
 見た目が変わった以外に特に何らかの影響はありませんが、トループス級は水路から、また地上、空中に飛んでも行動できるので水路から離れれば安全、といった事はありません、あくまで見た目がそうなっているだけです、ご注意下さい。

 戦況がディアボロス優位になっているとはいえ、相手はジェネラル級であり強敵です。
 慢心せず、また経験や実績だけに頼らず現場に合わせての立ち振る舞いで油断せず、戦いに挑んでいただければと思います。

 情報としては以上となります。
 では、ここまで長文を読んでいただきありがとうございました、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
32

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ネリリ・ラヴラン
わたし達の目的は、領土や悪魔さんの首とかじゃなくて東京に住む皆を救うことっ
どんな状況になっても、見捨てる選択はないわ

移動手段が予測できているのなら直接水路へ向かうのが一番かな
散らばって動かれてしまってからでは手が回らなくなってしまうし
立ち位置は逆だけど水際防衛ね!

さすがに水路に入り込んでる区民さんはいないと思うし
到着したらすぐに潰えし願いを【高速詠唱】
移動手段の水路ごと極低温の世界で包み凍り付かせてあげるわ

既に襲い始めてしまっている敵さん相手には
効かないけれど【連続魔法】で魔力の矢を放って注意を引いて
その間に身を挺してでも守って
PDに巻き込まないだけの距離に逃げるまで時間を稼ぐよ


音羽・華楠
ムールムール。
サリエルから名前だけは聞いてましたが、ようやく対面出来ますね。
ですが、その前に――

――一般人の虐殺などという非道、見逃すわけが無いでしょう!

トループス級たちは水路を介して出撃した、と。
なら、水路周辺が最も遭遇し易いでしょうし、水路から離れて行った個体も、移動方向に水溜まりなどの痕跡を残してるはずです。
それらを頼りに捜索する為にも、私もまずは水路へ向かいます。

発見したトループス級には《雷幻想・煉獄》で即攻撃を。
向こうは少なからず濡れてるはずですから、水分子を魔術的マイクロ波で振動させて灼熱を生み出す《煉獄》は効果が高いかと。

反撃は即効性が無いなら、【ガードアップ】を信じて我慢です!


呉守・晶
アドリブ歓迎

足立区のムールムールか、サリエルと……正確にはグレモリーと共同作戦で葛飾区を落そうとしてた区の支配者か
ハッ!漸くその面を拝む時が来たな!
だが、まぁ……まずは虐殺を止めねぇとな

水路から出撃して、あの見た目とはいえアークデーモンだ
あんなでも飛行能力はデフォで持ってるだろ。だから、水路以外にも気を配るぜ
周囲を見渡しながら移動して【未来予測】で一秒先も見ることで奇襲等に備えるぜ
敵を見つけたら一般人が襲われるより前に速攻をかけるぞ!
【未来予測】で敵の吐き出す水の射線を読んで、それを可能な限り躱すようにしながら、避けきれず被弾するのも恐れずに突っ込んで魔晶剣アークイーターで叩き斬ってやる!


雅諒院・基経
…やれやれ、貴族ぶっていたとしても中身が外道ではな…本性を隠しきれていないというものだ。

こやつを討ち、他の皆々も上手くやれば一気にこちらに傾くかもしれん。…とはいえ、正直に言えば戦力は未知数…油断はせずに行かねばな。

では、民間人に手を出す魚を、三枚おろしにして見せようぞ!

民間人を襲おうとする魚に対して挑発を行う。

はっ、魚の見た目通りに頭が回らぬようだな。お主らの主はもう討たれようとしている…それ、襲う人数を減らせばお主の行動も面目躍如ではないかな?

こちらに襲い掛かるならよし、襲い掛からぬならば風の刃を飛ばして徹底的に切り刻む、水の中に逃げようとも風の刃で叩き切る。

…さて、公爵殿に会いに行こうか


月鏡・サヨコ
敵トループス級は魚人型……なら海戦装姫の戦術を活かせるはず
これより、足立区を不当に占拠したアークデーモン軍を撃滅する

【水面走行】で水路を走り、敵を偵察する
効率的に虐殺を行うために、集合住宅や住宅街へと向かっていく敵が多いと予想
インフラを逆利用できる利を活かして、可能な限り市民の下に辿り着かれる前に発見しよう

敵と遭遇したなら『絶海砲戦』を発令
≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫から放つ砲撃と機銃の弾幕で敵群を薙ぎ払い、殲滅する
敵が水中に身を隠そうと爆風で巻き込み、水底に沈めてやろう
……市民の保護を放棄する軍隊なんて、この世に必要ない

反撃の水は≪試製型攻性電探≫で加熱して威力を弱め
≪海戦装用増設防盾≫で防ぐ


アンゼリカ・レンブラント
必ずムールムールを倒さねばだよ

まずは一般人を襲うトループス級を片付けるね
水路のほうに向かおうかな
パラドクス通信で情報を合わせ索敵し

勇気を胸に、人々を悪魔から守るよう入りパラドクスで攻撃
「大丈夫!私達が来たよ!
悪魔たちはもうすぐみんないなくなる!もう大丈夫だよ!

言葉を叫びながら仲間と情報を共有、動きを合わせ
人々を狙う敵個体を優先的に倒す
必要あれば人々を身を挺して庇う
敵数を減らすべく消耗の多い敵から倒していくね
敵が私たちに注意を惹きつけるよう意識して攻撃していくよ

人々の安全を確保したら、仲間で残る敵の殲滅を狙っていこう
私の雷光よ、最大まで輝き人々の希望となれ
全力の《雷剣波紋衝》で敵を倒していくね!


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎
「まちなさーい!罪もない笑顔を摘む行為、この笑顔の使徒が許さないわ!」
人々の盾となるよう戦うわ
逃げ惑う人が恐怖に震えないよう、元気づける言葉と所作も忘れずに
それならもちろん、戦い方だって明るく楽しい方がいいわよね
その辺は得意分野
さあ、シルクドスーリール足立区出張版のはじまりはじまり~♪

「今日は元気なお魚さんにもジャグリングに参加してもらいまーす!キャッチしないと大怪我じゃ済まないわよ」
空間に!型の記号弾幕を描いて、手の中でジャグリングしてから投擲
もちろんキャッチ出来るような勢いじゃないし、仮に掴めてもそのまま指が落ちちゃうような鋭さ
下手くそなピエロは笑いものにしちゃいましょう!


 水路を介して出撃したトループス、それによる虐殺を防ぐべくディアボロス達は足立区を急ぎ駆けていく。
「……やれやれ、貴族ぶっていたとしても中身が外道ではな……本性を隠しきれていないというものだ」
 ムールムールの居城、その影を見遣りつつ雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)が呟いて。
「足立区のムールムールか、サリエルと……正確にはグレモリーと共同作戦で葛飾区を落そうとしてた区の支配者か……」
 パシッと掌に拳を打ち付け気合を入れた呉守・晶(TSデーモン・g04119)だが、されど彼女を始めとして此度の面々はただムールムールを倒す事だけが目的にあらず。
 街を走る水路を見れば、先行し進んでいた月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)の姿が見えて。
「敵トループス級は魚人型……なら海戦装姫の戦術を活かせるはず。これより、足立区を不当に占拠したアークデーモン軍を撃滅する」
 彼女が手にするはディアボロスの能力で出現した通信機、そしてサヨコはあえて敵が潜むであろう水路の上を進む事にて敵の耳目を集めんと行動。
 一般人を狙うトループス、その標的を自分に向けさせることで被害を少しでも減らそうと突き進めば、その通信機に入る数多の連絡。
「ムールムール。サリエルから名前だけは聞いてましたが、ようやく対面出来ますね。ですが、その前に……一般人の虐殺などという非道、見逃すわけが無いでしょう!」
「うん、わたし達の目的は、領土や悪魔さんの首とかじゃなくて東京に住む皆を救うことっ。どんな状況になっても、見捨てる選択はないわ」
「こっちは敵なし、連絡くれれば援護に行くよ!」
 非道なる行為を許せぬと怒りを滾らせる音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の声を皮切りに、人々を守る事、救う事が第一だと告げるネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)
 そんな二人に続き、周囲を警戒しているアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が応じ、各々が自分のやり方で索敵を行う状況。
 一般人を襲うトループス、『『水底の悪夢』深きものども』との交戦が始まるのは時間の問題であり。
 しばしの静寂、その後に敵発見の一報が同時多発的に、分散警戒しているディアボロスから次々と入っていたのであった。

「その合流地点、過ぎた瞬間来るぞ!」
「了解しました、出現次第攻撃を仕掛けます」
 水路上を走るサヨコ、水路が合わさり深さを増したその先で。
 一秒後の展開、水中からディアボロスを発見した深きものどもが出現する事を予測した晶が警告を発すればサヨコが緊急停止。
 直後、水中から水上へ。水しぶきを上げながら深きものどもが飛び出し口腔から冷たき水を吹き出すも、奇襲を察していたサヨコは増加装甲にてその水を軽く受け止め体勢を整えて。
「交戦開始……市民の保護を放棄する軍隊なんて、この世に必要ない」
 巡洋戦艦海戦装『黒姫』を展開、同時に数多の銃器の銃口も水路より飛び出した深きものどもへと向ければ、市民を保護するどころか虐殺するという軍隊としてあるまじき行為を取る敵集団への怒りを隠すことなく向けていき。
 まだ水中に潜む者が居ようとも関係ない、この戦場に立つ全ての敵を纏めて粉砕せんと次々と砲弾が、銃撃が放たれれば次々と吹き上がる数多の水柱。
 思わぬ猛攻、その爆発に巻き込まれたのだろう、水路に鮮やかな赤が広がるがこの一斉攻撃で全ての敵が倒れたわけもなく。
 猛攻を逆に利用、吹き上がる水柱の勢いに乗り空中に飛び出してそのまま離脱を、そして一般人の虐殺を狙わんとした深きものどもの姿もあったが、それを逃すディアボロスではない。
「上手く逃げて虐殺狙い、ってか? だが、まぁ……虐殺なんざ俺達が止める!」
 見た目が完全に水生、そして陸上歩行する両生類のような姿であったとしても飛行能力を保有するアークデーモン、故に空中への離脱も警戒していた晶。
 両手持ちした魔晶剣アークイーターを大上段に構えたままに地面を走り、力強く地を蹴って跳躍を。
 空中に逃れた深きものどもが咄嗟に口から低温の水を吹き出し、迎撃せんとするが反撃もなんのその、避けれず被弾する事など恐れず跳躍の勢いそのままに急接近し、強烈な振り下ろしを叩きこむ。
 肉を、骨を断つ感触が柄から伝わり完璧な致命傷、だがこの一体だけに構っている暇はないと空中にて晶はたった今、命を刈り取った深きものどもを足蹴にすれば、その反動で別方向へと跳躍を。
「ギ、ギギイッ!?」
 驚愕して目を見開く深きものども、抵抗として放たれた凍てつく水も民を守る、虐殺などさせぬと猛き意志を燃やした晶を冷ます事など出来る筈も無い。
 反撃も力及ばず、空中で体を断ち切られ水路へと力なく落ちていき。
「水中に潜む者がまだ居ようとも。全て水底に沈む躯に変えてやろう」
 空中に逃げる敵を晶に任せ、サヨコは再び砲撃を開始して。
 幾重にも枝分かれした水路から逃げれぬように、砲弾を撃ち込み逃れた敵が一か所に集まるように誘導し、仕上げとばかりに一斉発射。
 やがて轟音が治まれば、水中より広がった赤は水に流され薄れ消え去り、何事も無かったかのように静寂が、ただ水の流れる音だけが響くのみとなっていた。
「ここらは終わったか」
「その様ですが、警戒は続けましょう。集合住宅や住宅地に向かった者もいるはずですから」
 此度の邂逅を済ませ、敵を殲滅した晶とサヨコが言葉を交わし撃破を報告、次なる発見に備え移動する中、また別の仲間が戦いを始めていた。

「ギギッ、ゲゲゲッ」
 見た者に恐怖を、そして不快感を与える笑い声と共に水路より這い出す深きものども。
 近くに居た市民を惨たらしく殺せとの命令に忠実に、足跡を残しつつ見つけた人々に向かい歩を進めたその瞬間。
「まちなさーい! 罪もない笑顔を摘む行為、この笑顔の使徒が許さないわ!」
 屋根から屋根へと飛び回り、あえて注目を集めようと大声を張り上げながら急接近。
 そのまま一気に敵の前へと飛び降りた宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)が高らかに宣言すれば今にも襲われそうになっていた人々はアークデーモン以外の出現に驚きが重なって。
「大丈夫! 私達が来たよ! 悪魔たちはもうすぐみんないなくなる! もう大丈夫だよ!」
 このまま混乱状態では危険と判断、合流したアンゼリカが声を張り上げ敵と市民の間に割り込むように飛び込んで、守り抜くと大剣を振り上げ深きものどもを威圧する。
「そういうこと。ああ、ご心配なく、怯える事はありません。逃げる時でも楽しめる、シルクドスーリール足立区出張版のはじまりはじまり~♪」
 武力を示し安心させるのがアンゼリカ、ならば自分は恐怖を取り除く道化を演ずるとばかりに明るく声を張り上げるライラ。
 対照的な二人だが人々を守るという点は共通している、ならば……深きものどもというアークデーモンを迅速に駆逐する、その結末に変わりなし。
「今日は元気なお魚さんにもジャグリングに参加してもらいまーす! キャッチしないと大怪我じゃ済まないわよ」
 パチンと指を鳴らしつつ虚空にエクスクラメーションマーク、いわゆる【!】マークを描いたライラ、それは単なる模様ではなく実体を持った刃へと変化して。
 身構える深きものどもや逃げつつ様子を伺う市民、その視線を浴びながら器用にポイポイとジャグリングしつつ歩を進めるライラ。
 一つから始まった記号は二つ、三つと数を増やしジャグリングの難易度が跳ね上がり、その数が六つに増えた瞬間に。
 ジャグリングの手つきから突如の投擲、一体あたり二本ずつの刃が放たれ、あるものは眉間を、またある者は腕や胸部を。
 狙われた三体の深きものどもは各々、場所はバラバラだが見事に刃が突き刺さる末路をたどっていたのであった。
「ギ、ギョギョギョ!」
 一瞬にして被弾し、激痛に苛まれつつも踏みとどまったが虐殺命令をこのままでは果たせぬ事を察した深きものども。
 ならば眼前の障害となったディアボロスを排除するとばかりにある者は高速回転から空中に渦を生み出し、それによって敵を巻き上げんとし。
 またある者は自らを魚雷に見立てての突撃を敢行、一気に突破せんとディアボロスを攻め立てる。
「無理矢理突破する気だね、だったら! 討ち漏らしごとこれでっ!」
 その猛攻も想定内、人々を守る為なら自分が傷付く事も厭わぬとアンゼリカが吼え、右手から輝く雷光が放たれて。
 最初は片腕だったそれがやがて全身に、彼女の体全体を包み込むように広がれば、地面を震わせるような強烈な踏み込み。
 躊躇なく突っ込んできた深きものどもを前に一歩も引かず放たれた全力の薙ぎ払いが風切り音と共に強烈な剣風を、そして激しき雷光を周囲に撒き散らした渾身の一撃。
 光と音と、そして風によってぶつかり合った両者の姿は見えなかったが、ほんの僅かに遅れて聞こえた何かが落下し、直後に聞こえた摩擦音。
「ギ、ギギッ、ギ?」
 信じられぬといった様子で地面で鱗をこそげ落とした深きものどもが呻くのとは対照的。
 突撃を受け、すさまじい衝撃が体に走ったにも関わらず悠然と立つアンゼリカ。
 守ると言った、故にこの程度の反撃には膝をつくどころか揺るぎもしないと武威を示し、人々を安心させるように彼女はゆっくり振り返り。
「悪魔たちはいなくなる、これが証明だよ!」
 自分達が守る、悪魔を排除するのだと力強く宣言し、ライラと共に残る深きものどもの駆逐を始めていたのであった。

「あれは水溜まり……ということは既に!」
「でも、さすがに水路に入り込んでる区民さんはいないと思うし……これ以上散らばって動かれる前に」
 水路横を走る中、不自然に伸びた水の痕跡、それを認めた華楠が焦りの色を浮かべるも。
 見えた水跡、それは少数。故に数は少なく対処は可能、それに自ら水路に近づき襲われに向かう市民もいない今なら間に合うとネリリが続ける。
「成程、では……民間人に手を出す魚を、三枚おろしにして見せようぞ!」
 ならばここは自分が、水路より這い出た相手を始末すると告げるは基経、その痕跡を追いつつ新手が水路より出ぬよう後続は任せたと二人に託し駆け抜けて。
 ピチャピチャと不快な水音と共に地面を進む深きものどもを見つけた彼は走る速度をより上げて、そして挑発的な言葉と共にその姿を晒していく。
「はっ、魚の見た目通りに頭が回らぬようだな。お主らの主はもう討たれようとしている……それ、襲う人数を減らせばお主の行動も面目躍如ではないかな?」
「ギッ? ギイイィ!」
 意味が通じたか否か、それはわからない。
 だが馬鹿にされていると、侮られているといったニュアンスだけは伝わったのだろう、怒りの叫びと共に深きものどもは基経を狙い回転し、数多の渦を巻き起こし飲み込まんと迫っていく。
 刹那、腰に吊るした団扇を手にする基経。
 躊躇なくそれを振るえば生み出された渦潮を引き裂く様に伸びる風の刃が、否。
 強烈な突風と共に放たれた風の刃が迫る渦と衝突、多量の飛沫を撒き散らしながらも回転を打ち払い、深きものどもを切り裂きその身を傷つけていたのであった。
 勿論、一人で相対するが故に基経も無傷ではなく、次々と迫る渦に体を巻き込まれるも跳躍して逃れつつ。
 水中には逃がさない、また市民を襲う事も許さぬと敵の進軍を押し留め、虐殺を阻止していたのだ。
 となれば後詰が、新手として迫る筈のトループスを排除すれば安全確保は確実。
「ごめんね……わたし、本気なんだよ」
 ネリリがキッと見据える先、そこには水路に潜み、自分達の目的を妨害するディアボロスを排除せんと水を巻き上げ渦を生み出し攻撃を仕掛けんと身構える深きものども。
 ならばその攻撃場所を、更には出現場所や退避場所を狭めてやるとばかりに水路の水が凍り付き、水中に潜んでいた敵の体を凍てつかせ熱量奪い、その運動機能を破壊する。
「ゴ、ギギギアッ!?」 
 このまま凍り付いてしまっては目的は果たせない、その上移動経路まで破壊されては何も出来ぬと察したか。
 苦悶の声と共にネリリを飲み込まんと凍りつつある水を巻き上げ、強烈な渦を放つ深きものども。
 その濁流がネリリを襲い、氷の破片が彼女の体を傷つけるも一歩も引かず、再び詠唱を始めれば。
「これ以上は通さない、立ち位置は逆だけど水際防衛ね!」
 再び生じた低温の領域、二度目の攻防にて体力が尽きたのかバタバタと深きものどもが倒れていくも、標的とならなかった者がなんとしても役目を果たそうと水路より飛び出した。
 しかし、瞬間的とはいて凍った水、攻撃を嫌い潜んでいたが故に飛び出せる場所が絞られていたが故……華楠にとってはその出現場所を推測するのは容易であり。
「上手く隠れ潜んでいたようですが……逃がしません!」
 空中へと飛び出し、猛追振り切り市民を狙わんとする相手。
 逃がさぬとばかりに地を駆けながら、彼女の背には怒りを象徴せし不動明王、その幻影が見えるかのような感覚を覚えた深きものども、その感覚は正しい。
「激しい大いなる怒りの姿をされる不動明王よ。迷いを打ち砕き給え、障りを除き給え、所願を成就せしめ給え……! 急急如律令!!」
 手にした陰陽六合符を投げつければ、それは空中で静止して。
 何が起こるか、目を見開いた深きものどもの体に異変が起こったのはその直後、体の内部から、そして表面から焼けつくような痛みを感じ、水分が沸騰し肉体が爆ぜていたのだ。
「ギイイイ!? グギガッ!」
 何が起こったかは分からない、されど仕掛けたのはたった今、符を投げつけた華楠の仕業だと直感し。
 即座に反撃とばかりに口腔より、相手が熱ならば此方は冷気とばかりに超低温の水を吐き出す深きものども。
 だが華楠は避ける様子も見せず、むしろ不用意に防御、回避行動で市民を襲うべく離脱を試みる相手を見失う危険性を排除。
 守りを高める加護の力に自らの体を託し、ダメージを抑え込みつつそのまま追跡。
 目を見開いた相手を逃さぬとばかりに再び放たれた数多の符、それによって逃走を、そして市民の命を狙っていた筈の者達は次々と体内の、体表の水分を沸騰させられ体が破裂。
 見るも無残な姿を晒し、その目的を果たせぬままに命尽きる事となっていた。
「これで、この辺りは完了、ですね」
「水路の中、調べたけどもう居ないみたいだよ」
 静寂を取り戻した中、周囲を警戒する華楠とネリリ、この近辺の敵は駆逐完了した事を確認すれば。
「水路から近辺に、移動の痕跡無し。駆逐完了」
「こっちも大丈夫、敵の影は無いよ」
「それに、襲われてた人達も元気そう。今は私のショーで楽しんでるわよ」
 続けて入るサヨコ、アンゼリカによる連絡と、恐怖で固まり畏怖の感情に支配されかけた人々の心を解すライラよりの報告が。
 市民の命を奪わんと出撃したアークデーモン、その目論見を完全に防いだことをこの時、一同は実感したのだ。
「ムールムール……ハッ! 漸くその面を拝む時が来たな!」
「ああ、公爵殿に会いに行こうか」
 ならば次に行うは区の支配者と相対する事、その顔を見る時だと気合を入れた晶とは対照的に、落ち着き払った基経は通信にて言葉を交わし。
 遠方にうっすらと見える魔導公爵・ムールムール、その居城を見据えるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV3が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

 水路を介し、市民を虐殺する事で畏怖の感情を高め力の糧とする役割を担ったアークデーモン達はディアボロスの活躍により駆逐された。
 本拠地への進軍ではなく市民の救援、そちらにすべてのリソースを割いた成果か、はたまた過剰な投入だったかは今となっては不明だが、市民の犠牲は一切無く目論見を阻んだと言って良いだろう。
 そんなディアボロス達が次に狙うは魔導公爵・ムールムールの命、急ぎ街を駆け抜けまるで城塞となった区役所に向かおうとした瞬間、街中に響き渡るほどの轟音と共に城の一部が崩落していた。
 恐らく、ムールムールが虐殺せよ、との合図として放ったパラドクス。
 人々の耳目を集めんと自ら城の一部を破壊した行為であるも、役目を与えられたアークデーモンが殲滅されている以上空振りだろう。
 だがしかし、相手は強力なジェネラル級、そして水路から出撃し、主を待っていた護衛のアークデーモンとの合流も果たしているのは確実。
 この強敵を前に、如何なる攻めを持ってディアボロスは挑むのか、決着の時は近づいていた。
白水・蛍
アドリブ歓迎
連携積極的に
味方をPOWでディフェンス

……さて、続けて護衛を剥がしましょう。
どのような相手だとしても我々に退くという選択肢は今はないのですから。
……では、参りますよ!
ブレイドハープを構えて、水面走行で走って相手に突撃。その身にパラドクスを叩きこみます。
即ち来たるは言の葉によって降り注ぐ刃の雨!
上からも前からも刃が注いで相手を切り裂き続ける!
相手の反撃はダンスやダッシュ、オーラ操作で致命傷だけは避けておきます。その後は敵を倒し続けるだけですね。倒せば問題ないのでしょう?
さあ、どんどん来なさいな!


ネリリ・ラヴラン
先に皆を助けるってした以上、不意打ちで攻められないのは覚悟の上ね
何人出てきたって、全部やっつけてあげるわ!

合流済みなのは仕方がないけれど本気で全員まとめて相手はしたくないから
先に護衛の敵さん達を引き付けて倒してしまいたいね

【高速詠唱】で爆弾蝙蝠達を呼び出しておいて
【飛翔】も使って敢えて堂々と姿を現してみるよ

貴方達のご主人を怖がる人達はもう誰もいないんだよ
それでも、逃げずに戦うのかしら

彼等にジェネラル級を見捨てるって選択は無いと思うし
挑発みたいにして攻撃を誘いながらムールムールさんと引き離しつつ
前に出て来た子から順に蝙蝠達で迎撃するよ

アドリブや連携は歓迎ね!


月下部・小雪
あわわっ、護衛が合流してしまいました。
け、けど、足立区のみんなが無事だったので作戦第一段階は成功、です!

次は、じょうせき通り、護衛から排除していきます。
コダマ、みんなの盾になってください!
分身したコダマが【コダマ・ファランクス】で大盾と槍を構えて人魚さんを迎え撃ちます。
敵の銛を楯で防いで、反撃に串刺しにしちゃって、ください。
それと、仲間の大技に合わせて人魚さんを一箇所にまとめちゃいましょう!

えと、ムールムールが邪魔してくるかもしれないので、そっちの動きも注意しておかなきゃ、ですね。

※アドリブ連携大歓迎


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

足立区の人々が無事で良かった……
畏怖の為に、己が民を害することを躊躇わないとは
支配者に相応しくもない

それにしても、豪快な真似をするな
破壊された展望台を一瞥
街に降り立つ敵の姿が見えたら急行
まずは護衛を引き剥がそう

陸に上がった人魚か……
東の境界にいたフォルネウスを思い出した

偵察、観察しつつ状況を把握
味方とはPD通信で連携を取り
狙いを合わせ着実に護衛を削り落とす
ランチャーで榴弾を放ち、炎上させて、付近の水ごと蒸発させよう
未来予測で危険を把握

反撃には魔力障壁を展開し防御
水流は盾を掲げて防ぎ、水に巻かれぬよう観察
フェイントかけつつ回避し、狙いを定めさせない
さあ、そこをどいてもらおうか


月鏡・サヨコ
女性の身体に、魚の尾か……こういう取り合わせの敵は見慣れている
比較的人間に似た姿だろうと、撃ち抜くに一片の躊躇もない
……この地を解放するために、往こう

【水面走行】で水路を利用し、迅速に戦場へと合流しよう
敵を発見したら上空に【フライトドローン】を展開
これが攻撃手段かと思わせ混乱を誘ってから、『水偵連携砲撃』を開始する
ドローンに紛れて飛び出した子機で追い詰めてから、≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫の砲撃と機銃の弾幕を浴びせ、一網打尽だ

反撃の銛は、【フライトドローン】を敵との間に挟むように立ち回って接近速度を減衰させ
≪電気投擲鞘『斗號』≫から瞬時に抜刀した≪対艦軍刀『銀鉤』≫で払うことにより、狙いを逸らす


音羽・華楠
一般人に犠牲が出なくて本当に良かったです……。
ウェパルたちはムールムールと合流してしまったようですが……些細なこと!
その程度の護衛、ネメシス形態で蹴散らしてあげます!!

狐耳と狐尻尾が消え、黒髪黒瞳の人間の姿に。

ウェパルたちも水路を辿ってきた以上、濡れてるでしょう?
魔術的マイクロ波で水分子を振動させて灼熱を生む《雷幻想・煉獄》の絶好の的ですよ!
あなたたちも深きものどもと同様に、全身を沸騰させて死になさい!!

反撃の銛は、【ガードアップ】で高めた防御力を信じて耐えます。
そもそも、死ぬまでに三日も猶予をくれる攻撃とか、悠長過ぎるんですよ!
この場のウェパルたち全員、残りの寿命は三十分も無いですから!!


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

分断作戦失敗?
まさか。私達の救出作戦が大成功したのよ!
そう、あとはムールムールも人魚さんもまとめてやっつければ大団円なんだから。
「水流を操るならこっちもお返しよ」
豊富な水源を有効活用できるのは人魚さんだけじゃない
反撃の水も逆利用して、複数の属性を付与した連続水流攻撃でお返しするわ
「そっちが指揮者なら私はDJ!怒涛のクロス&ミックスに溺れなさい!」

なおも水路を使って移動しようとする人魚さんがいれば、水路を【迷宮化】して連携を断ってあげる
ムールムールがちょっかいをかけてこない内に速攻でカタをつけるわよ!
「サーカスのメインイベントはこの後すぐなんだから。せっかちしないで待ってなさい」


アンゼリカ・レンブラント
一般人に犠牲は出なかった
それが最良で――あとは、気合いで倒しきろう

パラドクス通信は引き続き活用、
区役所に仕掛けるポイントとタイミングを合わせて突入っ
いざ、護衛退治だよっ
ネメシス!幼き天使の身に法衣の聖女モードに

パワーを生かしパラドクスを放出!
攻撃を仲間と合わせ確実に敵を屠っていこう
反撃もしっかり堪えてお返しだー!
囲まれないように動くよ、一度に多くの攻撃を受けなければ平気

人々にもう大丈夫と宣言したもの
それじゃあ私達が負けるわけにはいかないよね
勇気全開、気合い全開で立ち回っていくよ
消耗の多い個体を巻き込むように、
力をめいっぱい込めた《天輪輝星》をお見舞いし殲滅していくね
さぁ、後はムールムールだけ!


 城壁から降り立つムールムール、それを迎え護衛すべく水路に控える人魚の悪魔ウェパル達。
 護衛を削ぎ落さんと拠点へとたどり着いたディアボロス達は、迎撃態勢を整えつつあるトループスに対し一気に攻めかかっていく。
「先に皆を助けるってした以上、不意打ちで攻められないのは覚悟の上ね、何人出てきたって、全部やっつけてあげるわ!」
「分断作戦失敗? まさか。私達の救出作戦が大成功したのよ!」
 民を救う選択肢、それが正解だったと示すかのようにネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)と宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)が並走。
 ネリリは空へ、ライラは地上を走り高低差のある位置取りへと変更し敵の耳目を分断し。
「貴方達のご主人を怖がる人達はもう誰もいないんだよ。それでも、逃げずに戦うのかしら」
 身を隠す物のない空中にあえてその身をさらけ出し、数多の蝙蝠を周囲に召喚。
 これよりこの蝙蝠を用いて攻撃するぞと見せつける様に堂々と、挑発的な言葉と共に次々と蝙蝠を放っていくネリリ。
「シィイイ、ギィイイア!」
 その挑発に乗せられたか、数体のウェパルが空中を泳ぐかのように飛び、飛来した蝙蝠を、否。
 蝙蝠の形状を取る爆弾の爆発を被弾しつつも強引に突破して、手にした銛を一振り。
 直後、城の周囲を走る水路から水が巨大な塊となって次々と射出され、空中を飛ぶネリリの体を打ち据えて。
「いたた、けれど、これで……!」
 猛攻に耐えれず、ネリリが下がる……と見せかけ仲間に通信、敵はその演技に引き寄せられるかのように、このまま一気にネリリを倒さんとばかりに追いかける。
 されどそれは敵を出来る限り分断し、各個撃破に持ち込もうとするディアボロスの策であり、敵陣に生じた空間にライラが飛び込み彼女もまた、挑発的な声を上げていた。
「水流を操るならこっちもお返しよ」
 右手を上げて、自分に注目しろとばかりにアピール。
 すると先ほど、ウェパルが反撃に用いた後に地面に落ちた水、そして水路の水が彼女の周りに集まって。
 数多の渦巻く水流へと変化、それはまるでDJが音を奏でるターンテーブルのようになり。
「そっちが指揮者なら私はDJ! 怒涛のクロス&ミックスに溺れなさい!」
 一つ目の水流からは清流の、二つ目は濁流の、三つめは氷が入り混じりぶつかり合う音が。
 様々な水の流れ、その音が重なり合えばウェパルの生み出した水流の音などなんとつまらない物か。
 単調な音とは違う、千変万化のリズムは観客たる者を楽しませんとする、道化師たるライラの矜持によるものか。
「なっ……!? あ、あああぁああ!?」
 水流の使い手たる己が、敵対者の生み出す数多の水流に飲まれる現実。
 受け入れがたき光景を前に絶叫したウェパルが水に飲まれ、そして水路に落ちてはいくも耐えきった者や水流に飲まれなかった者は反撃とばかりにライラの音色をかき消すように、単調な水流の調べにて押し返す。
 互いの水流がぶつかり合い、多勢に無勢、数を前にライラの体が一時水にもまれるもそれでショーは終わらない。
「やってくれるわね、けど」
「うん、イベントはまだまだ、これから、だからね」
 水圧にて傷む体、されど演奏に問題無しと再びターンテーブルを回すライラに、敵を引き寄せる様に下がっていたネリリが反転合流。
 音楽のフェスティバルには爆破演出も必須だろうと蝙蝠をけしかけ、水流を爆ぜさせて。
 数多の音を重なり合わせ、ウェパルの数を減らしていくのであった。

 その攻防とは別の方面、水路から一気に護衛を潰さんと迫るのは月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)と白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)の二人。
「女性の身体に、魚の尾か……こういう取り合わせの敵は見慣れている。」
「……ええ、続けて護衛を剥がしましょう。どのような相手だとしても我々に退くという選択肢は今はないのですから」
 言葉を交わし水路上、つまりは敵の座す場へ最短経路を使い接近し。
 接近に気付いたウェパルが銛を構えたその刹那、これが攻撃手段だとばかりに空中へフライトドローンを展開し、随伴させるサヨコ。
 別戦場では空中からディアボロスが仕掛けた前例あり、となれば牽制か本命かわからず身構え出方を伺う間にサヨコと蛍は水路上を走り更に距離を詰めていき。
「比較的人間に似た姿だろうと、撃ち抜くに一片の躊躇もない」
「……では、参りましょう!」
 ほんの僅かの暇、警戒した瞬間こそが本命の武器を、パラドクスを撃ち込む意識の隙間を生み出すとばかりに巡洋戦艦海戦装『黒姫』を展開したサヨコと、ブレイドハープを構える蛍。
 どちらが仕掛けてくるのか、射撃かはたまた、武器を構えた近接戦闘か、その判断をする間すらあたえずサヨコは次々と小型の水上偵察機を射出し、フライトドローンと共にウェパルに向けて飛翔させ。
 空中から攻めてくる、そう認識させるように偵察機は空中から機銃を、そして爆弾を投下。
 直後、多数の水柱が水路に上がる中、ウェパル達は水中に逃れる事で爆撃、機銃の威力を弱めつつサヨコに向かい泳ぎだしていたがそれこそが彼女の狙い。
「これでもう逃げ場はない……撃てーっ!」
 海戦装に搭載された数多の砲塔、機銃、それらから放つ砲撃こそが本命の一撃、いわば空中に飛んだ偵察機は文字通り偵察と観測による砲撃修正の為に情報を伝達する事が目的で。
 次々と放つ砲弾が水中を進むウェパルの体に命中、巨大な水柱に赤き色を混ぜながらウェパル達が水底に沈んでいくも、砲撃を掻い潜った者達が一気に接近。
 報復とばかりに水路が波打ち、飛び出したのは呪われし銛の一撃、それは装甲版ごとサヨコの体を刺し貫く……はずだった。
「ふふふ、近づく手間が省けましたよ」
 突き出された銛の一撃、水中から完璧なタイミングで、呪いの力を送り込まずとも深々と相手を傷つける一撃は、サヨコの前に飛び込んだ蛍がその身を挺し。
 ブレイドハープで軌道をずらし、そして滾るオーラによって衝撃を殺した左腕にて受け止めて。
 鮮血流しつつもこの至近距離ならば、相手が反撃したが故に防御行動に移るより早く自身の攻撃を当てる好機とばかりに血濡れた左手でブレイドハープの弦を爪弾いて。
「我が声にて応えて来たれ、降り来る音の刃!」
 声に、即ち音にて生み出された音の刃、それは広がる空中から、そして音の発生源である蛍自身から射出されるように広がって。
 先ずは真正面に飛んだ刃が水面を切り裂き、ウェパルの姿を曝け出し。
 続けて降り注ぐ音の刃が次々とウェパルの体に容赦無く飛来して、その身を無残に切り刻む。
 水面付近にて繰り広げられた攻防は激しい波を生み出し、その波に鮮やかな赤を織り交ぜて。
 サヨコと蛍に迫った一体のウェパルは物言わぬ躯と成り果て水路の底へと沈んでいくが、だがこれで迫ってきた全てのウェパルを退けられたわけではない。
「援護、感謝します。しかしまだ戦意は高い模様、骨が折れます」
「ですが私たちの役割は倒し続ける事、倒せば問題ないのです、と、いうわけで……さあ、どんどん来なさいな!」
 再び水路から姿を見せたウェパル、この地を防衛せんとディアボロスに隠すことなく敵意を剥き出し、威嚇する様を見てサヨコと蛍が言葉を交わす。
 だが倒し続けるより解放する手段無し、ならば消耗戦となろうが別方面から仕掛ける仲間と共に、全ての敵を排除するまでと砲撃と斬撃が放たれていた。

 同刻、ムールムールと護衛の様子を伺いつつ仲間の攻撃に合わせ戦力を減らさんと迫る四つの影。
「あわわっ、護衛が合流してしまいました。け、けど、足立区のみんなが無事だったので作戦第一段階は成功、です!」
「一般人に犠牲は出なかった。それが最良で……あとは、気合いで倒しきろう」
 水路と展望台、離れた場所より出撃していたが故に連絡も出来なかった者達が互いの様子を伺える状況に。
 変化した戦況の中で、一般人を完全に守り切った事こそが成功で、最良だったと月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)とアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が言葉を交わし。
「一般人に犠牲が出なくて本当に良かったです……ウェパルたちはムールムールと合流してしまったようですが……些細なこと!」
「ああ、足立区の人々が無事で良かった……畏怖の為に、己が民を害することを躊躇わないとは支配者に相応しくもない」
 合流を果たしたとてそれは小事、護衛ごと蹴散らすと気炎を吐いた音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の特徴、妖狐である証明の狐耳と尻尾が消失、黒髪黒瞳へと姿を変えて。
 隣に降り立つは敵を倒す以上に、人々を守る事こそが本懐。故に民を害する事は許されぬ、ならばムールムールはこの地を治めるに不適格と断じるエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)
 対するアークデーモンは度重なる攻撃で数を減らしながらも士気は衰えることなく、むしろ苦境を跳ね除けるとばかりに高まって敵対者に向け己が得物を向けていたのだ。
「じょうせき通り、護衛から排除していきます。コダマ、みんなの盾になってください!」
 そんなウェパルを見つつ、更にはムールムールが何かを行わないか注視しながら仕掛けるは小雪。
 彼女の連れたモーラット・コミュのコダマが20匹に分裂、大盾と長槍を構えた密集すればそれはさながら古代に存在した重装歩兵の密集陣形を彷彿とさせる有様で。
 相手が銛で突き崩すのなら此方は盾で受け止め、圧力で押しつぶすとばかりに前進すれば、空中泳ぐウェパルも引かず、互いの武器を突き出しあう攻防を始めていた。
「はい、その調子で。反撃に串刺しにしちゃって、ください」
 奮戦するコダマに指示を出し、この場で踏ん張らせる小雪。
 激しい抵抗を前に敵軍を押し潰すことは出来ないが、その場に留める事さえできれば十分、仲間の大技に繋げる足止め効果があれば良いとする小雪はウェパルより視線をムールムールに移し、何か妙な動きが無いか注視する。
 だがムールムールは戦闘を任せたのか、はたまた手が出せぬのか、ディアボロスの猛攻と応じるウェパルの激戦を眺めるのみでパラドクスを放ち介入する気配はない。
「高みの見物、ってやつかな? だったら今のうちにっ」
 ならば今こそ好機とばかりに突っ込むアンゼリカ、その体は輝き、法衣を纏った幼き天使のような姿へと変容し。
 悪魔に神罰下す執行者が如く、密集陣形に足止めされたウェパルの軍勢に向かい一直線に飛来して。
「人々にもう大丈夫と宣言したもの、それじゃあ私達が負けるわけにはいかないよね」
 迫るアンゼリカ、その声に気付いた数体のウェパルが顔を上げ、コダマとの押し合いではなくアンゼリカを退けんと銛を翳して身構え空中へ。
 だが、相手が迎撃に向かっただけでは勇気を、そして気合を全開に。
 人々に宣言した通り、アークデーモン達を退ける、それを証明せんと翼を広げ、右手を掲げればその中には纏った光よりも強く輝く光体が握られて。
 そのまま腕を一振りすれば、彼女の手から放たれるのは広域に飛散する星型状の光であり、それぞれが放つ光は相手を焼き、爆破する裁きの光を伴う物。
「ぐ、ぎゃあああ!?」
 光に射抜かれたウェパルが絶叫、これまで受けたダメージにより耐えきれず地面に落ち動きを止める者や、体の一部を爆ぜさせながらも無理矢理アンゼリカに迫る者。
 各々が多大な被害を受けつつも、強引に届かせた槍がアンゼリカの体に傷を、そして呪いを刻み込んでいくのだが。
「ふふん、一度に多くの攻撃を受けなければ平気さ、このまま反撃にもお返しだー!」
 通用しない、ディアボロスは負けないと人々に示すように声を出し、自身に銛を突き刺したウェパルにゼロ距離から光を撃ち込み吹き飛ばすアンゼリカ。
 拮抗していた護衛のライン、それを突き崩す楔となるように彼女が強引に突破口を切り開けば、その綻びをより広げる様に華楠がぽっかりと空いた空間へと滑り込む。
「あなたたちも水路を辿ってきた以上、濡れてるでしょう? 魔術的マイクロ波で水分子を振動させて灼熱を生む《雷幻想・煉獄》の絶好の的ですよ!」
 ディアボロスの猛攻、それにより崩れ始めた戦線を何とか維持しムールムールを守り抜かんと奮起するウェパル達。
 しかしそんな抵抗も無駄だと証明するように、飛び回る敵に向かい数多の符を投げつける華楠。
「あなたたちも深きものどもと同様に、全身を沸騰させて死になさい!! 不動明王よ。迷いを打ち砕き給え、障りを除き給え、所願を成就せしめ給え……! 急急如律令!!」
 先の戦闘で、水に濡れた敵を内部と外部からの熱により屠った一撃。
 強烈な熱が体内から、そして体表から発生し、内外から同時に水分を沸騰させられ体を爆ぜさせ吹き飛ぶウェパル。
 だがしかし、このまま一方的に倒されてなるものかと血濡れ、怒りの形相のままに無理矢理華楠に迫り、手にした銛を突き出せばそれは熱攻撃を仕掛けた華楠の体に呪いを、傷を刻み込む。
「キ、キキキ、これで、三日で、死ぬぞ?」
「言いますね、でも。そもそも、死ぬまでに三日も猶予をくれる攻撃とか、悠長過ぎるんですよ!」
 三日後に死ぬ運命を刻み込んだ、そう告げ笑うウェパルと高めた守りの残留効果、それにより傷を抑えた華楠。
 両者の視線が交錯すれば、この呪いは無駄だと告げて華楠は再び符を取り出して。
「この場のウェパルたち全員、残りの寿命は三十分も無いですから!!」
 自分達には三日の猶予、されど呪いを刻んだ相手の命は僅かだと宣言し、自身に銛を突き刺したウェパルに投げつけその身を内外から沸騰させ、絶命させる。
 崩れ始めた護衛のライン、その綻びをより大きくする為に。
 迫る銛の反撃を受け止め奮起する華楠、ならばそれに応じようと空中より仕掛けていくのはエトヴァであり。
「陸に上がった人魚か……東の境界にいたフォルネウスを思い出す」
 空を飛び、必死で応戦する敵を見てより強大な力を持っていたアークデーモン、その存在を思い出し。
 だが今はその敵に思いを馳せる時ではない、眼前の敵を確実に始末するとばかりに引き抜くは榴弾を放つギミックリボルバー、»Paradiesvogel«であった。
「ギッ、まだ、まだだ!」
 空中にある殺気、それに気づいたウェパルが叫び、これ以上はやらせんとばかりに水流を生み出し自身の周りに侍らせる。
 だがそれが放たれるより早く、狙いを定めたエトヴァは躊躇なく引き金引いて榴弾を射出、着弾したそれはウェパルの集団とそれらが引き寄せていた水流を同時に飲み込む強烈な炎を周囲に広げる。
 引き寄せる為に存在する水路の水、それまでもまとめて蒸発させてやらんとした業火の攻め、されどこのまま倒れてなるものか、と意地を見せ。
 耐えきったウェパルが強烈な水流を空中に射出、エトヴァを撃ち落とさんと一体、また一体と水流を放っていくが、空中のエトヴァは右へ左へ飛び回り。
 翳した大盾で致命的な部位への直撃、それだけは避けつつ水圧により飛ばされながらも空中で体を捻り、体勢を整えて。
「簡単には突破させない、というつもりか。だが」
 魔力の障壁を展開、水流による反撃に耐えて見せると見せつけつつ、耳に飛び込むのは仲間からの通信で。
 各所から攻め、護衛の数が目減りしている事を告げるもの、となれば今眼前で奮戦する相手の抵抗が最後の抵抗であろうと察したエトヴァ。
「お前たちで最後のようだ。さあ、そこをどいてもらおうか」
 淡々と告げ、再びランチャーの引き金引いて榴弾を射出、それが合図となって合流した仲間の攻撃も加わって。
 抵抗を続けていた護衛のウェパル、その集団は完全に壊滅し……魔導公爵・ムールムールの護衛は失われ、丸裸といって良い状態へと追い込んでいたのであった。

「豪快な真似をしたようだが、後は奴一人、か」
「うん、後はムールムールだけ!」
 護衛が倒れ、再び静かに水が流れる水路を背に通信するエトヴァとアンゼリカ。
 二人の視線の先には崩落させた城塞の展望台、その瓦礫の前にて戦いの趨勢を見ていたムールムールの姿が在り。
「せっかちしないで待ってたようね、じゃ、サーカスのメインイベントを始めましょうか」
 前座のイベントを行儀よく見ていた事を褒めてさし上げる、と挑発的にムールムールに告げるはライラ。
「あと一人……この地を解放するために、往こう」
「ええ、しかし油断はできません」
「邪魔して、こなかったのは。考えがあったのかも、ですし」
 その挑発とは別に、強大な敵を前にサヨコと蛍が言葉を交わせば、何らかの企みがあるやもしれぬと警戒を促す小雪。
 ディアボロスに見られつつ、されど何も動かず沈黙するムールムールの姿はさぞ不気味に映るだろう。
「何か企む、ならその企み事粉砕するのみです!」
「そうね、その為に、ここまで来たんだもの」
 動かぬ相手、あえて出方を伺うように見える敵、だが策あれば策ごと叩き潰すと強き言葉を華楠が告げれば、それに間違いはないとネリリも同意。
 足立区を巡ってのアークデーモンとディアボロスの戦いは、佳境を迎えようとしていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【水面走行】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
【迷宮化】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV4が発生!
【ガードアップ】がLV5になった!

「……力が高まらぬ所を見るに、成程。どうやら街に放った面々は壊滅したようだな」
 街中に放ったアークデーモンによる虐殺、それが成されれば己が力の高まりがある筈が一切の効果無く。
 そして護衛を駆逐せんと集結したディアボロスの中に、既に傷ついていた者が居た事を見て、先ずは虐殺を狙った配下を倒してからここに至ったのだと察したムールムール。
 兜の下より赤く眼光輝かせ、城の一角破壊して街に降り立ちウェパルとの戦いを終えたディアボロスを注意深く眺めつつ。
「こうも後手後手に回るとは、な。しかし簡単に倒されてやるつもりも無いぞ、ディアボロス。お前たちを退け私は新たな盟主として、そして王を目指すのだ」
 それは妄言なのか、はたまた自分を鼓舞する為のものだったか。
 真意は分からぬが護衛を失う戦いを経ても尚、戦意に衰えは感じさせず。
 引き連れた悪魔が猛々しくラッパの音色を奏で、ディアボロスをここで退けこの地を堅守してみせると示していく。
 その音色に合わせるかのようにムールムールの駆るグリフォンがけたたましい鳴き声上げて、ジェネラル級としての矜持と共にディアボロスに向かいムールムールは動き出す。
呉守・晶
よぉ、ムールムール。漸く会えたな!
お前はアークデーモン大同盟以外にも江戸川区のグレモリーとも手を組んでたらしいな?
とはいえ、グレモリーもサリエルも俺が斃したし、大同盟ももう終わりだ
ところで知ってるか?
お前がアークデーモン大同盟に派遣していたネビロスは、お前を見限ってヘルヴィム直属軍に下ったぞ?
腹心に裏切られるとは、ざまぁないな!
そんなだから、今此処に他のジェネラル級がいないんだな!お前が従えてたジェネラル級は全員お前を見限ったわけだ!
きっと今頃ヘルヴィム直属軍に接触してるだろうぜ
まぁ落ち込むなよ、お前以外の大同盟の区の支配者達も似たようなもんだ

って、煽って配下のジェネラル級の情報を探ってみるぞ


 ディアボロスとムールムール、互いの衝突が始まろうとした刹那。
 それを制する様に飛び出し何か言いたげな呉守・晶(TSデーモン・g04119)を見てムールムールが留まって。
「よぉ、ムールムール。漸く会えたな! お前はアークデーモン大同盟以外にも江戸川区のグレモリーとも手を組んでたらしいな?」
「フン、何を語るかと思ってみれば、今更過去の事を言って何になる」
 苦境にある相手を笑い挑発的に言葉を発する晶、その狙いは何処にあるのか。
 冷静に返すムールムールの鉄面皮を突き崩さんと、彼女は更に言葉を続ける。
「単なる事実確認だ。それはそうと、グレモリーもサリエルも俺が斃したし、大同盟ももう終わりだ」
 同盟を結んでいた勢力、その指揮官たるジェネラル級が多数脱落し名前だけとなった大同盟。
 その盟主を目指すなど滑稽だと笑いつつ。
「ところで知ってるか? お前がアークデーモン大同盟に派遣していたネビロスは、お前を見限ってヘルヴィム直属軍に下ったぞ? 腹心に裏切られるとは、ざまぁないな!」
 同盟どころか自身の支配勢力、その配下に見限られている。
 腹心すら失うとは支配者として完全に失格だと煽る晶だが、これといって反応を示さぬムールムール。
 返事が無いのならそれは肯定、ならばより揺さぶってやろうと晶は更に言葉を発する。
「ハッ、言い返せないからだんまりか? そんなだから、今此処に他のジェネラル級がいないんだな! お前が従えてたジェネラル級は全員お前を見限ったわけだ!」
 引き連れたジェネラル級は全員裏切っている、ヘルヴィム直属軍に皆向かったのは間違いないと煽る晶だが、ふいに語調を変化させ。
「まぁ落ち込むなよ、お前以外の大同盟の区の支配者達も似たようなもんだ」
 同情するような素振りで言葉を発する、それは怒りに飲ませ冷静さを失わせつつ、他にジェネラル級が居るならばその情報を引き出さんとする探りを入れる一手。
 さて、これにどう反応するかと笑って見せれば、黙っていたムールムールがようやく言葉を発していた。
「私とディアボロス、立場が逆ならば。事実か推測か、確かめようとする相手の問いに素直に答えるのかね?」
 迂闊な、若しくは口の軽い、激高しやすい相手ならば通用したかもしれぬが傲慢、されど冷静に状況を見る相手。
「後詰のジェネラルが居る、と答えれば。ここまで追い込んだにも関わらず引くのかね? 違うだろう。全ては戦い、勝敗決すればわかる事。故に私は君達を退け、今の言葉が真実か否か確かめさせて貰おう」
 煽り揺さぶり、配下の存在を探る。手段としては悪くない一手、だが相手と状況が噛み合わねば狙い通りの効果は成さぬもの。
 問いかけるタイミングが、戦況が違えばあるいは何か引き出せた可能性もあるが最早それは叶わぬ事、語り合う時間は終わりとばかりにグリフォンを駆り、ムールムールが再び動き出していた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV4になった!

園田・詠美
その心意気はお見事
ですが、それはこちらも同じ
ここで必ず貴方を打ち倒して足立区を奪還してみせます!

敵も魔法の使い手、現代の魔法使いとして魔法の腕でも負けるわけにはいきません!
空に飛んだムールムールを追いかけるように、魔法発動デバイスに騎乗して【飛翔】
7つのビーム、そしてどれも高火力
無傷で切り抜けるのは無理でも……一撃を撃ち込むくらいならば!
【フライトドローン】を発動してその影に紛れることで、壁と目隠しとして利用
ほんの僅かでも威力が削げれば十分
貫いてくるビームは魔法障壁で受け止めてダメージを抑えて、可能な限り、接近して至近距離から私の魔砲を打ちこみます……!

いざ、これが私の魔法!
業務、執行ーー!!


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

グリフォンの戦士、ムールムール
ここですべてに決着をつけよう

【飛翔】し空中戦で応じる
パラドクス通信で意思疎通し、味方と積極的に連携をとる
偵察、観察しつつ戦況を把握
立体的包囲の位置取りをし、凍結弾で縫い留めて身動きを封じる
緩急、角度、タイミングにフェイントかけつつ銃撃を重ね連射
グリフォンの動きを鈍らせ、隙を看破し本体を撃ち抜く

敵の動きを観察、未来予測でわずかに先んじて反応
反撃には魔力障壁を展開し身を護りつつ
飛翔で飛び下がり、マグマの飛散は盾で防ぐ
その熱も凍てつかせる

もうそこに玉座はない
これが答えだ
畏怖では、真に人を収めることはできない
足立区を還してもらうよ


雅諒院・基経
【ネメシス化】

…ふむ、口はたつし、今のどん詰まりから何かを見出そうとしている…か。

固くなるなよ公爵殿、汝の王政もここまでだ。

…さぁ、汝の罪を量ろうか、異教の者とはいえ関係はない。まだ生き残りたいと願うならば、見事我らを討ち果たしてみせるがいい。

宝剣を取り出し、一進一退で戦い、ballare・Tu saltare mecumは足につけた風火輪で足元から爆発的な風と火を噴きだして地上に達する前に受け止めようとする。

さぁ、汝が罪をここに記そう。罪に爵位はなく、業に財貨は通じず、罪に油は塗られることはない。

さぁ、往生するがいいむーるむーる。仏の力で汝を地獄へと流してやろうぞ。

…足立区、ここに戻りたり。


又平・衣玖
足立区の区の支配者ムールムール……ですか
えぇ、わかっています。私が本来、アナタと戦うには未熟過ぎるというのも、私のこの怒りが八つ当たりというのも
ですが、江戸川区の帰還と共にディアボロスに覚醒した私にとって!江戸川区のグレモリーの支配を受けれていたという、このエゼキエルに生きた私の記憶を受け継いだ私にとっては!
その怒りをぶつけるのは既にグレモリーと組んでいたアナタ以外にはいないのですよ!

残留効果の【未来予測】を借りて、未来視勝負です!
可能な限りマグマの噴出を2秒前に察知して避けて、スペルリボルバーから禁術の極光による光の魔砲を放ってムールムールに攻撃します!
避けきれずとも反撃の腕だけは庇います!


呉守・晶
ハッ!よく吠えた、いい覚悟だ!
俺の挑発も拙かっただろうが、流石は区の支配者だな
ヘルヴィム直属軍はお前らを切り捨て、配下のジェネラル級達も下に見てたが……パッと出の直属軍はどう云おうが、俺らがずっと戦い続けたのはテメェら区の支配者だ!
いくぞ、決着の時だ!

【未来予測】と【飛翔】を使って突撃だ
2秒先を見ようとビーム全部は避けきれねぇだろうな
なら、剣持つ右手と急所だけ庇って、足や左腕を盾にして突っ込むぞ!
懐に潜り込んだら、魔晶剣アークイーターの封印を一部解除して巨大な牙と口のような異形の大剣に変異させて叩き斬ってやる
覚悟しろ、これがグレモリーとサリエルにトドメを刺した一撃だ!
喰い破れ、アークイーター!


月下部・小雪
な、長かったアークデーモン大同盟との戦いも最後の時、です!
住民を虐殺して力を高めようとしていたムールムール。お前の王様になんてさせません。覚悟、です!

貧富の差を生み出して、上流階級の礼節と品位なんて、ば、ばかげています。
もちろんそんなの手を取ってダンスになんて誘われるわけありません!な、なんなら、ぺちんと叩いて拒否して、やります!

アークデーモンから足立区を解放するんだというみんなの願いを込めて、必殺の【コダマ・サンシャイン】です!
コダマ、ムールムールの野望をコダマの輝きで撃ち滅ぼしてください!!
こ、この一撃で足立区を取り戻します!

※アドリブ連携大歓迎


レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

これより友軍として参戦します。
ムールムールを討つ、その一助となりましょう。

『Boeotia』のテンプルをノックして起動し
その超視界での【観察】で敵への最適な攻撃経路を【看破】

背には無数の粒子の揺らぎ、掌には蒼き灯火
機械魔導弓『ACRO』に番え、引き絞れば
周囲の粒子もまた形を持った様にパラドクスの矢へと昇華する。

『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】し
ムールムールに対し一斉掃射、放て雷霆の矢嵐!

反撃にはその超視覚による看破と情報処理能力による的確な判断で回避行動を
グリフォンの突撃に対し、インパクトの瞬間に『アルヴァーレ』の【結界術】を発動していなし弾き【一撃離脱】します。


「その心意気はお見事。ですが、それはこちらも同じ……ここで必ず貴方を打ち倒して足立区を奪還してみせます!」
 迫るムールムールに対し、その猛攻を退けんと飛び出した園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)が叫びで応じる。
 空を舞う相手、ならば魔法発動デバイス:"Morgan"に跨り詠美もまた空中へ。
 互いの距離が近づく中で、敵の攻撃から目を逸らす、そして場合によってはほんの僅かでもいい、時間とダメージを減らせる一助になればいいと多数のフライトドローンを周囲に展開。
 そんな彼女を見遣りつつ攻撃の素振りを見せぬムールムール、ならばこれは好機とばかりに更に距離を近づけて。
「これは……いけますわ!」
 無傷で近づく事も困難、場合によっては一撃見舞う事すら出来ぬかも、と考えていた詠美であるが、以外にも反撃の素振りなくムールムールに攻撃を撃ち込める距離にまで容易に接近。
 魔法陣を眼前に展開しつつ詠唱を行えば、それに対抗してムールムールも魔方陣を展開、されど攻撃を仕掛けた詠美の詠唱は既に完了。
「遅いですわ、これが私の魔法! 業務、執行ーー!!」
 展開した魔法陣、その中からムールムールを騎乗するグリフォンごと飲み込むかのように放たれた魔力の奔流。
 単純な魔力の放出、されどそれ故に特殊な術式も無く単純に破壊力のみを求めた一撃を叩きこんだその刹那。
「成程、ならば。これで良い」
 魔力の中から聞こえた声、そしてその魔力の流れを引き裂く様に突き出された腕。
 放たれた七筋の光線はムールムールが至近距離まであえて接近を許し、壁や目隠し、魔力の障壁で防御しようと試みた詠美の守り、その内側に入り込むように切り込み至近距離から放たれた一撃となっていたのだ。
「なっ、こんな……!? ですが、まだっ!」
 壁になれば良いと展開したドローンは至近距離では意味を成さず、そして魔力の障壁も最初の一本が、そして残る六本の光線に射抜かれつつ落下していく詠美。
 だが仕掛けたのは自分一人ではない、まだ攻め手はいるとばかりに空中に視線を向ければ自分が食い破ってみせるとばかりに飛ぶ呉守・晶(TSデーモン・g04119)の姿が見えていて。
「ハッ! よく吠えた、いい覚悟だ!」
「よく吠える、とはな。その言葉、そのまま君達ディアボロスにお返ししたいものだな」
「ああ、吠えてやるさ。パッと出の直属軍はどう云おうが、俺らがずっと戦い続けたのはテメェら区の支配者だ! いくぞ、決着の時だ!」
 自身の挑発が効果的でなかったこと、区の支配者に対し甘かったことを反省しつつ感情を爆発させながら。
 魔晶剣アークイーターを持つ右手、そして頭部と胸部、急所となる部位を左腕で庇いつつ空中へと飛び上がり急速接近。
 二秒先の未来、そこにはムールムールの放つ光の軌跡は一切見えず、ならば接近するに好都合とばかりに速度を上げて距離を詰め。
 手にしたアークイーターの封印解除、剣の姿から巨大な口と牙持つ異形の顎の如き姿に変化させ。
「覚悟しろ、これがグレモリーとサリエルにトドメを刺した一撃だ! 喰い破れ、アークイーター!」
 回避も防御も出来ぬ、まさに完全な間合いに入り振るわれたアークイーターの一撃。
 その強烈な一振りをあえて受けつつ、されど腕を突き出したムールムール、その瞬間晶の目に見えたのは反撃としてムールムールが光線を放つ光景で。
 待っていた、耐えてやるとばかりに急所を庇う動作をするも甲冑の下から見える、赤き眼光が笑ったかのように揺れていて。
「そうだ、その動き、それこそが……」
 続けて放たれた七つの光線、されどそれは急所を、右手を最初から狙わずに、体の一部を庇うような仕草をするのなら。
 庇われた場所以外を徹底的に破壊すれば良いとばかりに、無防備な部位に次々と撃ち込まれ晶の体を吹き飛ばしていたのである。
 忌々しげにムールムールを睨みつつ、ならば後続に任せるとばかりに高度を下げる晶、それと入れ替わる形で空中に舞う二つの影。
「……ふむ、口はたつし、今のどん詰まりから何かを見出そうとしている……か」
「ですけど、な、長かったアークデーモン大同盟との戦いも最後の時、です!」
 一つは烏天狗のような半面を付け、翼を生やし天狗の如き姿となった雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)であり。
 もう一つはモーラット・コミュのコダマを引き連れた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)の姿。
 ムールムールの動き、そして言葉から何かを推察しつつ、己の言葉でその冷静さをかき乱さんとした二人は距離を詰めつつ挑発的に、また勝利するのは自分達だと言わんばかりに言葉を紡ぐ。
「固くなるなよ公爵殿、汝の王政もここまでだ」
「住民を虐殺して力を高めようとしていたムールムール。お前を王様になんてさせません。覚悟、です!」
「ほう、ここまでと。覚悟しろと言うか、ならばそれが成せるか見せてみよ」
 挑発、されどそんなものに乗る事は無いと跨るグリフォンの横腹蹴って高度を上げれば、それを追う様に基経と小雪、コダマが飛ぶ。
 やがて速度を緩めたムールムールに攻めるディアボロスが追いつく中で、宝剣を引き抜き基経が急接近。
「……さぁ、汝の罪を量ろうか、異教の者とはいえ関係はない。まだ生き残りたいと願うならば、見事我らを討ち果たしてみせるがいい」
「言われずともそうさせてもらおうか」
 次々と繰り出される剣戟、その太刀筋を魔力を滾らせた片腕でいなしつつ。
 これは本命ではない、狙いは別だとグリフォンを操り続けて迫る小雪に注意を向けさせムールムール自身は基経の攻撃に備えていて。
 しかし騎手と獣、その意識がずれた今こそ好機とばかりに基経は宝剣を高々と掲げれば。
「さぁ、汝が罪をここに記そう。罪に爵位はなく、業に財貨は通じず、罪に油は塗られることはない……さぁ、往生するがいいむーるむーる。仏の力で汝を地獄へと流してやろうぞ」
 借りし力は広目天、その後光を掲げた宝剣より放てばそれは、相手の罪を図り強制的に成仏させるという光。
 仮に成仏せずとも、浄化の光によって苦しむのみ、貧富の差を生み出し財を持って人々の支配を進めていたムールムールの罪を糾弾せんと放った光であったのだが。
「面白い攻撃だ、しかし……」
 光の中から伸びる緑の腕、それは甲冑に包まれたムールムールのものであり。
 掴まれたと思った時には既に体は放り投げられ、ムールムールが飛び上がると同時、グリフォンが基経を追い急加速、その鋭き爪で彼の体を引き裂かんと迫っていたのであった。
 だが騎乗したグリフォンが離れたのなら、自分が攻めるチャンスとばかりに投げられた基経に代わり仕掛ける小雪。
「貧富の差を生み出して、上流階級の礼節と品位なんて、ば、ばかげています」
「そうかね? 差異が無ければ人は逆に堕落すると思わんかね?」
 小雪に向き直り、自分の支配体制を否定した言葉、それこそ逆に人を堕落させると嘯いて。
 ならその証左を見せてやるとばかりにコダマの背を小雪が押せば、勇ましい表情と共にコダマが突撃。
「コダマ、ムールムールの野望をコダマの輝きで撃ち滅ぼしてください!!」
 バチバチと帯電、プラズマを纏ったコダマが乗騎を失ったムールムールに急接近。
 そこから放たれる輝きはまるで小さな太陽のようであり、この一撃で足立区を取り戻すという願いを込めた強烈な体当たり。
 炸裂する閃光と、何かがぶつかる鈍い音、即ち攻撃の命中を悟った小雪だったがその前に見えたのは不気味な緑色の手で。
「見事な攻撃、その攻撃に敬意を表しお嬢さん、私と踊らぬかね?」
「な、なにを言いますか! そんなの手を取ってダンスになんて誘われるわけありません!」
 伸びたムールムールの手、それをぺちんと払い除けた小雪。
 礼節や品位からほど遠い相手と踊るわけがないと拒絶の構えであったのだが、払いのけたはずの右手とは別、左手が即座に伸びて彼女の腕を掴んでいて。
「断るにしても、断り方というのがあるだろう? 失礼なお嬢さんだ、無理にでも付き合ってもらおうか」
 コダマの放つ光が収まった後、鎧の一部を歪ませながらも余裕を見せるムールムール。
 掴んだままに空中へ、その時小雪の視界に映ったのはグリフォンの突撃を受け空中で幾度も方向を無理矢理変えられる基経の姿であり。
「わ、わわわっ!?」
「ぬ、うううう!」
 もう一つだとばかりにグリフォンに向け投げられた小雪、そして入れ替わるように基経はムールムールに掴まれ地面に向かって投げつけられ。
 足につけた風火車輪から炎と風を吹き出し、激突を避けようとするも叶わず地面に叩きつけられ空中を見遣る基経、そこにはグリフォンの体当たりを受け空中でよろめく小雪の姿が見え。
 続けざまに頭を持たれ、自分と同じように地面に向かい投げつけられる小雪であったが、一つ違う点がある。
 それは、落下地点に向かい高速で、自らがクッションになるように割り込むコダマの姿。
「あ、コダマ……ひゃあ!?」
 咄嗟に自分を庇った事を察した小雪が言葉を発せば、自分と地面の間でコダマを潰した感触が背中に広がる。
 されどおかげでダメージを減らせた小雪が慌てて立つと、痛みで涙目になりつつぷるぷる震え、されど闘志あふれる目で浮遊するコダマの姿。
 よくもやってくれたとばかりに基経も立ち上がり再び攻めかからんと並んだ二人であったが、ムールムールはグリフォンに跨り踵を返す。
「追加の演目、それは遠慮させてもらおう、厄介な相手と長く踊るのは疲れるのでね」
 攻撃のダメージを上手く逸らした小雪とコダマ、相対するに骨の折れる敵との攻防は避けたいと告げつつ反転したムールムールの向かう先、そこには空中戦を是としたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が近くを飛び、彼方より迫るレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)の姿が見えていて。
 それとは同時、空中の敵を狙い撃たんと又平・衣玖(お色気デーモンシスター・g09547)が地面を走っていた。
 空中と地上、二面からの攻撃を狙うディアボロスによる連携攻撃である。
「さすがはジェネラル級、だがグリフォンの戦士、ムールムール。ここですべてに決着をつけよう」
「ええ、ムールムールを討つ、その一助となりましょう」
 これまでの攻防、そこからムールムールの動きを観察し、攻撃を叩きこむ為の手段を模索していたエトヴァとレイが通信し。
 味方への反撃、その合間に好機を見出したエトヴァは魔力の障壁と同時、右手に銃を、左手に盾を携えながら上下左右に飛び回りグリフォンを幻惑させ。
 同時に仕掛けるレイは全く別の、背中に粒子を展開し直線的な動きでもって、遠方よりの急接近。
 ゴーグル型デバイスのBoeotiaを起動させ情報表示、同時に左手に機械魔導弓『ACRO』を展開すれば右手に宿る蒼き光は掌の中で灯火となり、やがて一本の矢へと姿を変えて。
「もうそこに玉座はない、これが答えだ。畏怖では、真に人を収めることはできない」
 仲間を攻撃を誘い込む、その為の陽動とばかりに銃撃を重ねるエトヴァ。
 幾度も続く発砲音はグリフォンの体を掠め、動きを惑わし本体を撃ち抜かんとする狙いがあったがそうも攻撃を重ねれば。
「玉座が無い、だと? 愚かな、まだ私は堕ちてはおらぬ」
 グリフォンがひときわ強く羽ばたくと同時、地表が割けてマグマが噴出。
 パラドクスを用いる攻撃をする前であろうと、隙を看破せんとあまりに牽制攻撃を重ねすぎれば相手に反撃の機会を与えると同義。
 吹き出すマグマを咄嗟に構えた盾で凌ぐも、相手の攻撃こそこちらの攻撃機会の発生だと通信し。
「ええ、その機会は逃しません。放て雷霆の矢嵐!」
 先に動くは通信を受け取ったレイ、背部のフライトデバイス、アクロヴァレリアが輝き更に速度を増しながら。
 展開した魔導弓に蒼き矢番え自身の加速に、射出の速度を上乗せして矢を放つ。
 射出された矢は空中、夥しい数の矢へと分離して、ムールムールを飲み込む嵐の如き流れとなって迫っていく。
 だが攻めたのは彼女一人ではない。
「足立区の区の支配者ムールムール……ですか」
 地上から鋭き視線を送る衣玖。
 ジェネラル級に挑むには実力不足、未熟すぎると理解しつつもこの地に来たのは身に宿る怒りの為に。
 その怒りが八つ当たりであること、それは江戸川区の帰還によってディアボロスに覚醒した彼女の出自の為であり。
「江戸川区のグレモリーの支配を受けれていたという、このエゼキエルに生きた私の記憶を受け継いだ私にとっては!」
 叫び引き抜くは短銃身、回転機構を持つスペルリボルバー。
 実弾ではなく魔力を撃ち出すそれに魔力を注げば、彼女の用いる禁術の極光が収束し。
「その怒りをぶつけるのは既にグレモリーと組んでいたアナタ以外にはいないのですよ!」
 相手が未来を見て此方の動きを予測、マグマを吹き出させるならば。
 此方も未来を、マグマの出所と相手の動き、その先を見て当てて見せる、避けてみせると衣玖が躍るように地を駆けて。
 ムールムールの攻めが見えぬ、そして矢の雨に穿たれて動きを止めた今ならば、と引き金引けば、短銃身、片手で扱う拳銃にしか見えぬスペルリボルバーからは想像も出来ぬ、太き光の光線が放たれていた。
「今が好機、足立区を還してもらうよ」
 そこに加わるは先んじてマグマの噴出を受け、盾で凌いでいたエトヴァ。
 ダメージはあるものの攻撃の機会を逃してなるものか、と矢に射られ、また光線を受けよろめくムールムールを逃がさぬとばかりに右手の銃を構えれば。
 躊躇なく引き金引いて、放つ弾丸は青き軌跡を残す一射。
 それは空気を凍てつかせながらムールムールに迫っていき、被弾と同時にその腕を凍らせていたのであった。
 続けざまの攻撃命中、ダメージは十分に与えたと思えた瞬間、されど相手はジェネラル級、そして何かを察したかのような素振りであり。
「ほう……だが私の見立て通りといったところか」
 数多の矢を受け、光線と氷の弾丸を受けたその直後。
 グリフォンがけたたましい叫びと共に急加速、近くのエトヴァと衣玖を無視してレイに向かって天翔けて。
 同時に地面が割れ、数多のマグマが噴出。
 空中のエトヴァは再びその熱に攻められ、凍てつく弾丸を併用し、盾でもって防がんとするがそれより早く飲まれてしまい。
「くっ、せめて腕だけでも……!」
「見立て通り、ということだよ」
 地上でマグマを受けた衣玖が、攻撃に用いる右腕だけでも動けばとその腕を庇おうとした瞬間、マグマは右腕を狙わずに庇おうとしたその体を容易く飲み込み、熱の責め苦を与えていた。
 一部の部位だけでも庇おうとした動き、それこそ狙い通りと言わんばかりに庇おうとした部位以外を一気に狙ったその反撃。
「あの動きは、此方の動きを完全に……!?」
 仲間を一瞬でマグマで飲み込み、一気に距離を詰めるムールムールを前に構えたレイ、離脱を許さぬ攻撃に防御しかないと悟った瞬間、彼女の体は一気に浮上。
 即ちそれはムールムールに掴まれ放り投げられたのであって。
 アクロヴァレリアを点火、何とか姿勢を整えた瞬間に迫るはグリフォンの爪。
 咄嗟に光の防御壁たるアルヴァーレを展開、弾く力によって離脱せんと試みるが。
「小手先の守りを狙う、故に他が疎かになるということだ」
 衝撃で吹き飛んだ事を感じた瞬間、レイの頭を掴むムールムールの手。
 グリフォンの突撃をどうにかしようとするのは予想済みだとばかりに告げながら、一気に力任せに、そして魔力を込めて振り下ろせばレイは水路に叩きつけられ、巨大な水柱を上げて水中へと沈んでいたのだった。
 一瞬の静寂、直後に水路から飛び出すは各種デバイスを破損させつつも戦意衰えぬレイ。
 目線を向ければ、マグマの反撃を受けつつもまだ動ける仲間の姿が、そして被弾し傷つきながらも自分達と互角以上に戦ったムールムールの姿があった。

 互いに傷つき、消耗した状況。
 だがムールムールは奮戦し、数多の攻撃を前にしても拮抗状態、戦いの流れはディアボロスには傾かず。
 それは相手がジェネラル級である事もあるが、どの戦場にも同時に仕掛けられる状況下、されど一般人救助を最優先とした為に敵が護衛と合流し、ディアボロスの能力を『視る』機会を、そこから戦い方を『識る』機会を与えてしまった事。
 合流直後も、戦いを見せぬように言葉で揺さぶる、強引に攻めるという手段をせず護衛排除で手の内を晒してしまった事。
 連携といいつつ役割が明確でなく、場当たり的な連続攻撃に近い物になってしまった事。
 故に、小手先の防御や急所だけを避ける様にとリソースを割く相手なら。
 実力で勝る自分が各個に、己の力量を強引にぶつける事で優位性を取れると認識させてしまったのだ。
 されどムールムールの認識は全てではなく、また無傷でもない。
 流れを自分達に引き込むべく、次なるディアボロスの攻めはすぐに始まっていた。
苦戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

音羽・華楠
……大言壮語を吐きますね、ムールムール。
それだけ弁が回るなら、遺言もしっかり考えておきなさい!

引き続き、狐耳狐尻尾が消えた黒髪黒瞳の人間の姿のネメシス形態を維持。

出し惜しみする気はありません。
私の最強のパラドクス、《雷幻想・閃耀》を全身全霊を以って叩き付けます!

ムールムールの反撃は、喰らっても我慢!
未来視まで用い、こちらの不意を突くことに相当な手間を掛けてもらって恐縮ですが……最初から防御も回避もする気は無いので!
防御や回避に意識を割くくらいなら、その分も全て、攻撃に注ぎます。
逆説連鎖戦においては攻撃こそ最大の防御!
マグマの熱さえ凌駕する魔術的荷電粒子砲の灼熱で、溶けなさいムールムール!!


伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用する)
ああだこうだ理屈をこねて駆け引きなんざ、俺には向いてねえ
お互い、口を割らせるならこいつで(長ドスを抜き)ってんなら…そっちの方がわかりやすくていい

周囲のディアボロスと連携し、互いの隙や死角をなるべく減らすように意識して動く
敵の動きを観察し、動きの癖や攻撃の素振り等の情報を共有する

【狙い撃つ災禍】使用、長ドスと尻尾をメインに振るって敵に叩き込む
投げ飛ばしと突進で浮かされたら【飛翔】で姿勢制御
自分の負傷は気にせず、動ける限りは攻撃し続ける

お行儀良さそうに見えて、捕まえた後はタコ殴りか。やってくれるじゃねえかよ
そういうのも嫌いじゃねえがな


月鏡・サヨコ
死地に追い込まれてなお、飽くまでも冷静に振る舞うか
再起の機会を与えるべきではない強者のようだ
……ここで、必ず沈めよう

≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫からの砲撃と弾幕で、上空の敵を牽制
反撃を誘発させないために命中弾は出さず、ただ意識を自分に向けられればよい
その間に【水中適応】【水面走行】を発動した桂を、水路に潜ませる

敵の注意が自分に引き付けられた所で『人狗一心・怪力光線砲』を発令
更なる砲撃によって敵の乗騎を狙い、動きの癖を看破した上で
桂の≪怪力光線砲『狗號』≫を、全く異なる方向から撃ちこむ!
反撃の光線は≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫で急所を防いだり、無人の建物を壁にして耐えよう
……奪還直前だから使える手だ


白水・蛍
アドリブ歓迎
連携積極的に
SPDで周囲をディフェンス
ネメシス発動。無双馬のフローレライトと合体し墨流しの奏刀とブレイドハープ―詠唱―の二刀流で戦闘態勢に。単語もしくは断定口調でぽつぽつ話す。

――その気概にこちらも敬意を評しよう。
――こちらも全力で。
――この力を以て全力で。
パラドクス発動。疾く来たれ。駆け抜けよ影の音。
影を操って相手を攻撃する。相手を捕らえる。
少しでも隙を作れば他も楽になる。
防御は関係ない。喰らっても耐える。
耐えつつ叩き込めるだけの攻撃を。


ネリリ・ラヴラン
奥の手がありましたって訳でもなさそうだから
正真正銘、自分自身だけの手でここから盛り返す気なんだろうね

ただ、その道を貴方が歩むことはないよ
わたし達は貴方達の支配を、今日ここで終わらせるためにいるんだからね!

【飛翔】を使って移動の自由を作ったうえで
できる限り味方と一緒に攻撃を始めるよ
”妄執の狂詩曲”で作り出した蝙蝠爆弾達で囲い込んで一斉突撃
逃げ場を封じた上で、大量の爆発が起こす衝撃で動きを制限させて
皆が攻撃に入る隙を作りたいわ

ムールムールさんなりの覚悟もあるんだろうし
諦めて、とは言わないよ

貴方に贈るのはただ一言……足立区は返して貰うわ!

アドリブや連携は歓迎ね


ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に

遅きに失したね
格式や見栄えに拘り過ぎた結果さ、ムールムール
第二次東京奪還戦も大詰め
アークデーモンの支配区は全部頂くよ!

多段で内容が厳密なパラドクス……得意な技だよ
けれど強大だしここに至っても冷静にものを見ている
間違いなくフェネクスより強いはず。だからこそ
《失黒刀》の柄に手を掛けて

伝承、開放!
居合の構えより渾身の踏み込みを以て敵中へ飛び込み
放ちで魔法力を断ち、返しでその身を斬る!
神速の十文字が成す【両断】の技
敵の骨子たる力を削ぎ、勝利に繋ぐ!

反撃に際しては
Moon-Childを外骨格化させ、衝撃に備える
……ッ。流石に痛いけれど……あとは頼みました!
仲間に繋げられればそれでいい


アンゼリカ・レンブラント
追い詰められても堂々たる姿は崩さないのは流石

けれどどれ程相手が強大でも私達は超えていく
法衣に代わって鎧を纏うネメシス形態となり

飛翔してのダッシュで寄り、パラドクスの光焔剣で斬る
仲間と動きは合わせ、出来るだけ同時に打ち込む
反撃をしっかり凌いで一撃離脱、小回りを生かし敵の
死角を狙って動き、再度斬りこむっ!

防ぎ切るなんて思わない
倒されるより先に、私達がお前を倒しきるだけっ!
みんなで重ねた残留効果が
燃える勇気が、奪還の志が
人々から託されし願いが可能にするんだ
確実に消耗させ、最後は相討ち上等の捨て身の覚悟で斬る!

今こそ最大まで輝き、魔導公爵を越えろ《神焔収束斬》ッ
私達の全てで、足立区を奪還するんだーっ!


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎
ピエロ姿のネメシス形態に変身

『騎士道』精神にあふれた悪魔さんね
それなら私は正々堂々、『兵法』に則ってあなたを倒す
つまり「将を射んとする者はまずグリフォンを射よ、よ!」

仲間たちの猛攻撃の隙間を狙って人間大砲でグリフォンに突っ込むわ
回避行動をとられたら【飛翔】でむりやり軌道を修正して諦めずに突撃!
機動力を削ることが出来たら皆の助けにもなるはずだもの

「TOKYOのハッピーエンドの為にも、ここで堕ちなさいムールムール!」
グリフォンに手傷を負わせても失敗しても、チャンスがあるうちは諦めずに何度でも突撃を続けるわ
マグマによる反撃は【未来予測】を常時発動して、直撃を避けるよう努める


「奥の手がありましたって訳でもなさそうだから……正真正銘、自分自身だけの手でここから盛り返す気なんだろうね。それだけの力もあるようだし」
「そのようです、が……大言壮語を吐きますね、ムールムール。それだけ弁が回るなら、遺言もしっかり考えておきなさい!」
 奮起しディアボロスを退けんとするムールムールを地上から見遣るはネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)と音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の二人。
 その眼には強敵相手の恐れ無く、強き意思でもって睨みつけ。
「遅きに失したね、格式や見栄えに拘り過ぎた結果さ、ムールムール。アークデーモンの支配区は全部頂くよ!」
 先に仕掛けた仲間の挑発、それが通じなかったが、ならば追い詰める事で通用させてやるとばかりにロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)が不敵に笑う。
 上空にてグリフォンを駆るムールムールは地上からの挑発を受けても反応示さず、ただディアボロスの攻撃を退けるのみと魔力滾らせ攻撃を待ち受ける中、動いたのはネリリであった。
「大した自信、だけどその道を貴方が歩むことはないよ。わたし達は貴方達の支配を、今日ここで終わらせるためにいるんだからね!」
 小悪魔の羽を羽ばたかせふわりと浮かぶネリリ、それは仲間の攻撃を誘うような仕草であり。
 同時に華楠とロキシアが地上を走り、ムールムールとの距離を詰めつつ己が得物を。
 華楠は護符を、ロキシアは《失黒刀》の柄に手を伸ばし。
「幾度仕掛けても無駄な事、お前たちを退けるまでだ!」
 迫るディアボロスを前に油断せず、されど対処しきれるとの自信から叫ぶムールムールは魔力を滾らせ、この攻撃を凌いでみせるとグリフォンの横腹を蹴りあげ天翔ける。
 ならばその突撃を、自由自在に飛び回る機動力を削ぎ落すとネリリが生み出す数多の蝙蝠。
「ムールムールさんなりの覚悟もあるんだろうし諦めて、とは言わないよ。貴方に贈るのはただ一言……足立区は返して貰うわ!」
 そう宣告すればネリリが虚空に生み出した蝙蝠がムールムールに殺到、全周囲から取り囲むように飛びつけば。
 まるで逃げ場を無くすように飛び掛かる蝙蝠、それらは一つ一つが爆弾であり、触れた瞬間から次々と爆発、多量の爆風によってムールムールを飲み込んでいたのである。
 だがこの程度で倒れぬとばかり、地面が揺れて吹き出すマグマ。
 それはネリリとその周囲を待機するよう飛んでいた蝙蝠を同時に飲み込み、熱の責め苦を与えるが自分に注意が向けば、そして。
「うん、まだ、中からは……!」
 マグマに飲まれなかった蝙蝠を再びけしかけ、爆風を更に重ねるネリリ、その狙い通り空中の一点で留まるムールムールに迫るように。
 地面を蹴って跳躍飛翔、一気に距離を詰めるロキシアを見て自分の役割は果たしたと高度を下げるネリリ。
 彼女と入れ替わる形で空中に、爆風の中で魔力を高めるムールムールと肉薄したロキシアが居合の構えで睨みつけ。
「伝承、開放!」
 強大、されどその力に驕り高ぶらず冷静に状況を見るその目。
 故に別の地区で戦った大悪魔に勝る相手、ならばほんの僅かな綻びすら許されぬと集中し放つは抜刀一閃で。
 爆風の煙ごと切り裂く鋭い一太刀、だが刃はそれだけではなく。
 振りぬいた腕を今度は頭上に掲げ、今度は真上からの振り下ろし、言うならば返す刃を縦にしての十文字切り。
 二度の刃に襲われつつ、されどムールムールは腕伸ばし、今まさに振り下ろされんとした刀を持つロキシアの腕を掴み取る。
「踏み込み、思い切りは良し、だが……一つ踊ってもらおうか」
 個で勝る自分には届かぬと示すかのように、二の刃が届くより早くロキシアの体を空中に放り投げ。
 続けてグリフォンが飛翔、無防備となったロキシアの体をズタズタに引き裂かんと鋭き爪で、その膂力でもって攻め立てる。
「グ……ッ。流石に痛いけれど……」
 超高速で飛来する猛攻、服の下に仕込んだMoon-Childを硬化させ防具とするもほぼ意味を成さず連続攻撃に晒されるロキシアだったがその眼の光は弱まるどころか強さを増し。
 これで終わらせるとばかりに急接近、頭を掴んできたムールムールに対しここで仕掛けるとばかりにもう一度、朱黒刀を振りぬきその顔を切りつける。
「ぐ、オオオ!? 貴様、やってくれたな!」
 思わぬ抵抗、その一撃で甲冑の一部が砕け、隠れた顔に深い傷が刻み込まれるムールムール。
 その怒りを察してか、地面に叩きつけんと空中で振り上げられたロキシアにグリフォンが再接近、強靭な前足から繰り出される爪の一撃で彼の体を引き裂いて。
 そのままムールムールは地上へ、水路に向かい叩きつける様にロキシアを投げつければ、轟音と共に巨大な水柱が立ち昇る。
 これまで幾度となく強敵と戦ってきた経験から『ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は重傷を負った』事を察しつつ。
 激しく揺れる水面から空中で、激高し自分に必要以上に攻撃加え隙を晒したムールムールの姿と迫る仲間の気配を感じ、仲間に繋げるという役目は果たしたとばかりに満足げに微笑み流れていく。
 その思いを託され、隙だらけのムールムールに仕掛けたのは華楠。
「その覚悟、引き継ぎました!」
 攻防の中に見えた隙、それを逃さず踏鞴を踏んだその姿は先ほどから変わらず妖狐の特徴を無くした黒髪黒瞳の少女の姿。
 五行の力、それらの中から四つの力を注ぎこみ帯電したその右腕からは雷光が迸り。
「ト ホ カ ミ エ ミ タ メ――汝、至高なる雷の神威を識れ……!!」
 過剰に攻撃を仕掛けた代償、空中で隙を晒したムールムールに向かい突き出された腕からは凄まじき輝きと共に、ビームの形を取った雷光が放たれていたのであった。
 晒してしまった隙、仲間に繋げる為に過剰に攻撃を続けた相手への反撃という失策を悔いつつも避けれぬ一撃をまともにうけたムールムール。
「ぬうっ!? ぬかったか、だが!」
 悔いている時間は無い、即座に反撃し退けねばと魔力を開放、地面を胎動させれば揺れと共に華楠の地面が割れてマグマが噴出、その体を飲み込むが。
「未来視まで用い、こちらの不意を突くことに相当な手間を掛けてもらって恐縮ですが……最初から防御も回避もする気は無いので!」
「なん……だとぉ!?」
 攻撃する際に踏ん張れる強度、それだけあればいいと焼かれながらマグマの中から飛び出す華楠。
 そして再び放つ雷光のビーム、小手先の防御手段かあるいは回避行動をするだろうと未来を予測していたムールムールにとって、一切の守りを、回避を捨てた行動は認識の外にあるものであり。
 第二射の直撃、されどそのままやられるものかと再び魔力を滾らせ地面を砕き、マグマの噴出によって華楠を飲み込んだ猛反撃。
 全身を焼かれ激痛に苛まれつつ『音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は重傷を負った』が相手が視たものを、識ったものを覆す攻撃にて驚嘆させたのは十分すぎる成果。
「死地に追い込まれてなお、飽くまでも冷静に振る舞うもそれが崩れたか。再起の機会を与えるべきではない強者……ここで必ず沈める」
「うんうん、『騎士道』精神にあふれた悪魔さんね。それなら私は正々堂々、『兵法』に則ってあなたを倒す」
 思わぬ被弾に動揺、ならば再び冷静さを取り戻す前に畳みかけるとばかりに月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)と宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)が通信。
 この攻防にて仕込みとして、サヨコは水路の中に己が従者たるパンツァーハウンド『桂』を潜ませ、ライラは地上に七色の大砲を設置、相手の動きに追従するように砲塔を動かせる状態に。
 地上からの砲撃体勢、そして数多の家屋の隙間から上空を視たサヨコは巡洋戦艦海戦装『黒姫』を展開し、空中で立て直しを図るムールムールにその時間は与えぬと。
 次々と砲撃を、機銃掃射を開始して地上から狙っていると印象付ける、その狙いは自分自身に意識を向けさせることであり。
「チッ……だが。人間どもを、その生活を守るのならば……」
 命中弾は無い物の、確実に自分を狙っているサヨコの動き、されどディアボロスは自分との戦いよりも一般人の命を優先した存在。
 ならばその生活基盤ともなる住居の破壊に繋がる事は出来まい、故に回避方向は限られる、ならばこの攻撃は余裕で命中させれると七本の光線を地表に向け放つムールムールだが。
「何処を狙っています?」
「な……にぃ!?」
 空中からの反撃、それを認めたサヨコは即座に無人となった家屋の影へと退避、それは一般人を助ける事を優先していたディアボロスの立ち回りからは想像できぬ動き。
 認識していた立ち回りからは大きく逸脱した回避行動故に、放った光線の幾本かは外れ、強引に射角を変えた光線が家屋を打ち砕き、その瓦礫の下からは海戦装を盾にして凌ぎつつ、再び砲撃を始めるサヨコの姿。
 ディアボロスは一般人を最優先で動く筈、という認識から外れた行為、だがそれは奪還すればこの作り変えられた街並みが元の年代の形に戻り最終人類史に取り戻される。
 ならば今、家屋を、人々の生活基盤を破壊するような防御手段も取れる、いわば奪還前故に可能な防御手段であり……だからこそムールムールの意表を突く事が出来たのだ。
「……桂、今が好機だ!」
 直後、驚愕するムールムールを狙い放たれたのは水中より伸びる強力なビーム砲。
 意識がサヨコに向いていた事、想定外の防御行動を認識した事で動きが鈍ったムールムールは直撃を受け、大きく体制を崩していて。
「これはチャンスね、じゃあ兵法通り。「将を射んとする者はまずグリフォンを射よ」よ!」
 好機を逃さず生み出した大砲に入り込むはライラ、その狙いはムールムール……ではなく、騎乗するグリフォンで。
 方向、角度を微調整、後は撃ち出されてから強引に軌道修正するとばかりに導火線に点火して。
「黄色の演目! 夜空を切り裂いてあなたに逢いに行きましょう! ファイヤー!」
 轟音と共に空中へ、自分自身が人間砲弾となったライラが高速でムールムールに向かい飛翔、最も彼女自身でも制御する事が困難な速度であり。
 そんな砲弾の飛来を受け、回避が間に合わぬと悟ったムールムールはグリフォンの横腹蹴り上げ身を守るように促せば、空中で両者が激しく激突し。
 けたたましい鳴き声と共に痛みに悶え、グリフォンが無茶苦茶に暴れつつ高度を落とし、命中したライラも大きく吹き飛び地表に向かう。
「ぐ、ぬおおおお、おのれぇ!」
 機動力の根幹たるグリフォンを狙った突撃、その思惑通りグリフォンに痛打を与えられ、忌々しげに声を絞り出したムールムール。
 思うままにやられてなるものか、と地表に落ちるライラの動き、その未来を予測して魔力を送れば地面が砕け、その体を飲み込むようにマグマが噴出。
 だがしかし、一度の攻撃で止められなければ、二度、三度と仕掛けてやると覚悟を決めたライラを止めるには至らない。
「あちちっ、やるわね、けど。TOKYOのハッピーエンドの為にも、ここで堕ちなさいムールムール!」
 身を包むマグマの中から飛び出し、再び大砲を自身の側に生み出すライラ、そして内部へ入り込んでの再射出。
 機動力を削る、仲間の助けに、次なる攻撃に繋げられればと諦め悪く突撃を続ければ、彼女の体もやがて幾度も放たれたマグマによって重度の火傷を負い追撃が困難になっていた。
 だが、それでも。
 被弾しつつも複数の突撃を続けた意味はある。
「……その気概にこちらも敬意を評しよう……こちらも全力で……この力を以て全力で」
「だな……ああだこうだ理屈をこねて駆け引きなんざ、俺には向いてねえ。お互い、口を割らせるならこいつでってんなら……そっちの方がわかりやすくていい」
 飛び交う砲撃の最中、攻める好機と見た白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)がネメシス形態、サーヴァントを取り込み墨流しの奏刀とブレイドハープを構えた二刀流に。
 言葉でなく力で示すと語ったムールムールに、分かりやすいと長ドスを抜き構える伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)の二人が空中へ。
 まるで空を走るように、二刀を構え急接近する蛍。
「駆け抜けよ……影の音よ!」
 間合いに入るより早く、墨流しの奏刀を一振り。
 刀身に穴の開いた特殊な形状、それにより奏でた通常の刀とは異となる風切り音と共に影が動き、瞬時にムールムールとの距離を詰め。
 まるで相手を捕らえる縄のように、されど質量を持った鞭のように、蠢く影がムールムールの体を強かに打ち据えていたのだ。
「ワリィが、仕掛けるのは一人じゃないぜ」
 直後、強引に切り込む逸、その手に握る長ドスを、そして尻尾を振るい流派も何もない無骨な近接戦。
 だがそれ故に想定外の方向から、タイミングから放たれる攻撃は相手の予測を困難にし、咄嗟に空中で反転しようとしたムールムールの、グリフォンの体に幾つも傷を刻み込む。
「ぐ、ぬお! この、まま……やられるものか!」
 想定外の動きからの劣勢、だがそれを認識し立て直しを図ろうと吼えるムールムール。
 距離の近い逸を振り切るように急加速、その標的は二度、三度と刃を振るい、影を操る蛍であり。
 ブレイドハープを振るおうとしたその腕を強引に掴み、そのまま上空に放り投げ、グリフォンをけしかける。
「成程……だが……それが。命取り、だ」
 空中へと投げ飛ばされ、自身に迫るグリフォンの姿を見た蛍。
 だが彼女もまたこれまでのディアボロスと同様、防御も回避もする素振りを見せず、体を打たれ、引き裂かれる中躊躇なく刃を振るい、新たに影を操りムールムールの体を束縛し、打ち据えて。
 体を影に蝕まれつつも強引に、ディアボロスが守りを捨てて攻めるのと同じように自身の力をぶつけんと飛び込み、彼女の頭を掴み取り。
「クッ、お前らは、一体……」
「見たそのまま、だ。お前が……認識した者、それとは違う。そういう者も居るだけだ」
 地面に投げつけようとした瞬間、互いに言葉を交わしたムールムールと蛍。
 語られた言葉にぞっとして、されど苦境など認められんと地面に向かい投げつければ背中より迫る一つの気配。
「お行儀良さそうに見えて、捕まえた後はタコ殴りか。やってくれるじゃねえかよ。そういうのも嫌いじゃねえがな」
 それは再び切り込んできた逸であり、羽を、長ドスを、尻尾を無茶苦茶に振り回しての型無き攻撃。
 グリフォンが戻るより早く振るわれた攻撃の、長ドスと尻尾を左右の腕にていなしたものの、フリーだった逸の左腕、硬く握りしめた拳が突き出され。
 鈍い何かがぶつかる音と共に甲冑の一部がひしゃげ、空中でムールムールがよろめいて。
「ご、おおお! く、ぬうううう!」
 苦悶の声と共に逸の腕取り、空中へと放り投げるムールムール、その動きに追従する様にグリフォンが飛翔するが、それに追いつく黒き影。
 それは先ほど地面に投げつけた蛍であり……幾度も体当たりを仕掛けんとしたグリフォンの動きを阻害する様に間に入り、一撃を受け止めれば逸の体にかかるダメージは大きく減じる。
「おっと、すまねぇな。これで、まだ一発」
「ええ。任せます」
 攻撃の一部を肩代わり、ダメージを引き受け再び落下する蛍に礼を述べながら空中で反転、迫るグリフォンの突撃を受けながら自分を掴もうと迫るムールムールに相対した逸は再び左の拳を突き出して。
「ご、ぐぅ……」
 胴部にめり込むその一撃、だが痛みに耐えてムールムールは逸の頭を掴み取り、そのまま地表へと投げつければ轟音と共に地面が砕け、逸の体にも深いダメージが刻まれる。
 だがそれは同時に、大きな隙を晒す程に、そしてダメージがムールムール自身に、そして騎乗するグリフォンにも蓄積していることを示すには十分な光景で。
「追い詰められても堂々たる姿は崩さないのは流石。けれどどれ程相手が強大でも私達は超えていく」
 包囲を纏った姿から鎧に身を包む、信託を告げる天使から悪魔を討つ武装した天使といった装いに変化したアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が輝く剣を手にし、空中に手大きく息つくムールムールに急接近。
 仲間の猛攻、それへの反撃に手一杯だったムールムールが反応するより早く間合いを詰めて、手にする光の剣はより輝きを増していき。
「くっ、反応しきれんか……ならば!」
 迫るアンゼリカの攻撃、防御も回避も出来ぬならば。せめて急所を、若しくは武器持つ手だけでも守ろうとする動きの隙を突こうと七本の光線を放つムールムール。
 だがアンゼリカは身を守る仕草を一切示さず、最短距離でムールムールに迫っていき。
「防ぎ切るなんて思わない、倒されるより先に、私達がお前を倒しきるだけっ!」
「こ、こ奴もかっ!?」
 自分の被害を顧みない突撃、その攻撃でムールムールの甲冑が砕け、その身に傷が刻まれて。
 交錯、そして互いに反転、再び仕掛けるアンゼリカと今度は凌ぎ切るとばかりに魔力を高めるムールムールが向かい合い、その距離が縮まって。
「みんなで重ねた残留効果が。燃える勇気が、奪還の志が。人々から託されし願いが可能にするんだ!」
「う、うおおおおお!?」
 手にした光の巨大剣、それが纏う光が、炎がより一層大きくなり迫るアンゼリカ。
 防御も回避も考えぬ、相打ち覚悟の突撃を前に光線を放つもその突撃は留まることが無く。
 輝く剣がムールムールに刺さらんとした瞬間、その間に入り込んだのはラッパを吹き鳴らす従者達であった。
「お、お前たち!」
 自らの身を犠牲にし、ムールムールを庇った従者は一瞬で絶命、されどその刃を押し留めるという役割を果たしていた。
 だがしかし。強き意思と共に構築された光の刃はそれで止まる事は無く。
「立派な従者だね、けど……今こそ最大まで輝き、魔導公爵を越えろ《神焔収束斬》ッ、私達の全てで、足立区を奪還するんだーっ!」
 雄叫びと共に手にした光の大剣に力を込めれば、従者を貫き止まっていた刃が成長するかのように伸び。
 ムールムールの体を貫き、これまで以上に大きな傷をその身に刻み込んでいたのであった。
「ぐ、貴様ぁ!!」
 想定外の傷、従者の死、様々な感情が入り混じる中咆哮するムールムールが三度放つ七つの光線。
 防御を考えぬ捨て身の攻撃、故にこれまでの攻防によるダメージの蓄積もあったのだろう、鎧が砕け落下していく中『アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は重傷を負った』が上げた戦果は先に傷つき、離脱した仲間に勝るとも劣らぬ大きなもの。
 満足げな笑みを浮かべ水路に落ち、流れる彼女が見たのは従者を失い、大きく傷つき酷く狼狽し。
 騎乗すグリフォンすらも万全ではない、自身に傾きつつあった戦いの流れをディアボロスに引き寄せられ、想定外の事態を如何にして覆すか思案するムールムールの姿であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【一刀両断】LV2が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!

「ば、馬鹿な……この、私が? これは」
 護衛との戦い、それを視たことで識ったディアボロスの在り方、故に対処できる、退けられると奮起したはずだった。
 だが、その認識とは違う攻めにより自分が追い込まれている現実、そこに至ったのは何が原因だったのかと反芻するムールムール。
 視る事により識ったディアボロスの動き、それに準じて戦ったはずが覆すような動き、即ちこうであると決めつけて立ち回った自分の拙さ。
 そして思えばディアボロスは凄まじき感情をぶつけてきた、それは感情が、怒りが力になっているものであり。
 対して自分は冷めたように、冷静に状況を見て油断したようなもの、更に言えば。
「く、くくく……まだ、執着するものがあった、ということか」
 歪んだ甲冑の下、赤き目を光らせて次々と光線を、そしてマグマを放つムールムール、その狙いはディアボロスではなく。
 自身が住まい、日々景色を眺め満悦した気分にさせてくれた城であったのだ。
 轟音と共に次々と崩れ、その形を失う城塞だが、一体何を目的としての行動か?
 疑念を抱いた瞬間に、答え合わせとばかりにムールムールが口を開いた。
「まだ戻れる場所がある、退路にも出来る、と僅かでも思っていたかも知れんからな。だが退路は既に無く、また城も失われた!」
 そう、ムールムールは自らの居城を自分で破壊し、形を失わせることで。
 退路を完全に断たれたと視覚的にも自身で認識し、背水の陣であることを自らに示しディアボロスを倒さねば城の、城下の再建は叶わぬと己を鼓舞していたのである。
「私の心、そこに心の隙があったのだろう、だが! これで隙は無く、お前たちを完全に倒す以外に道は無い!」
 感情の昂り、これでディアボロスとも対等で、退路を断つことで追い込まれた者が最後に引き出す力があると語るムールムール。
 残留効果を重ね、より一層力を増したディアボロス、どちらが最後までこの区にて立っているのか。
 死力を尽くした戦いは、終わりに向けて加速していくのであった。
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果を有効活用)
(ネメシスモード:背の翼が竜の腕に変形)
本気出します、ってか。
ヤケクソか、八つ当たりでも始めたかと思ったぜ
だが…てめえでちょいと盛った程度の感情で、この怒りに勝てると思うなよ

周囲のディアボロスと連携を意識
敵が飛ぶなら【飛翔】で追い、挑発して引きつけ、動きと視野を狭める
翼が変形した竜の腕で敵を捕らえ、長ドスで【禍竜の鋭刃】
狙うは首…と行きたいとこだが、
グリフォンか奴の腕あたり潰せりゃ上等

戻る所もねえ、言い訳もきかねえ。俺も似たようなもんだ
だがこっちは、託す事はできる
奴が俺を吹っ飛ばして「勝った」と思ったその時に、誰かが一撃叩き込んでくれるだろう。それでいい


月下部・小雪
勝機を繋いでくれた仲間のためにも、相手の気迫になんて飲まれません!
サーヴァントを消してネメシス……血濡れのドレス姿の犬耳悪魔少女の姿になります。

け、けど、ネメシスはあくまで見せ札
ボクだけだったらすぐにバレるかもしれませんが今までの戦いで十分切り札の印象を与えて、ます!!

味方の攻撃に合わせてアクマの身体能力で血まみれナイフを振り回しながら牽制しつつ、コダマをこっそり再召喚。
ボクの切り札はいつだってコダマです!!
ボクが隙を作ればコダマが最高の一撃を叩き込んでくれるはず!
敵の攻撃を食らった直後、今後はボクがムールムールの腕を掴んで隙を作って、
【ラストリベンジ】の【毛玉電気抜刀術】で一刀両断、です!!


呉守・晶
ケホッ……くそっ、侮ったつもりはなかったが向こうのが上手だったか
だが、俺はまだ動ける、戦えるぞ。右腕と急所を外してきたからな
そして今更、背水の陣かよ
ハッ、お互い相手を甘く見過ぎたんじゃないか?
まぁ第二ラウンドに異存はねぇよ、さぁ決着を付けようぜ!

ムールムールが味方の攻撃を凌いで反撃した、その瞬間を【未来予測】で見て【飛翔】で突っ込むぞ!
幾ら未来が見えようが、攻撃後の隙は消せねぇだろ!
魔晶剣アークイーターの封印を一部解除して峰に魔力噴射スラスターを持った巨大な片刃大剣に変異させて、スラスターを全開にして最速で叩き斬る!
肉を切らせて骨を断つ、反撃を受けようが我武者羅に将も馬も纏めて斬り裂いてやる!


「本気出します、ってか。ヤケクソか、八つ当たりでも始めたかと思ったぜ」
 背中の翼を竜の腕へと形状変化、相手の動きに此方もネメシス形態で応じんと伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が空中へ飛翔して。
「ケホッ……くそっ、侮ったつもりはなかったが向こうのが上手だったか……だが、俺はまだ動ける、戦えるぞ。右腕と急所を外してきたからな」
 そんな逸を追う様に、血まみれの体を、先の攻撃で受けたダメージを確かめながら飛ぶ呉守・晶(TSデーモン・g04119)の姿、更に彼女と随伴する形で。
「勝機を繋いでくれた仲間のためにも、相手の気迫になんて飲まれません!」
 随伴するモーラット・コミュのコダマを召喚解除、自分自身に全ての力を注ぎこんでいる風に。
 犬耳を頭部から、そして衣装は血濡れのドレスを纏った悪魔の如き姿に変容した月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)も空中に。
「フン、言ってくれるな、だが。最早私には通用せんぞ!」
 自身を倒さんと迫るディアボロス、だがそれすら退けられると豪語するムールムール。
 両の手に魔力を高め、誰から倒されたいかと挑発する様に首を揺らせば最初に飛び込んだのは逸であった。
「言いやがる。だが……てめえでちょいと盛った程度の感情で、この怒りに勝てると思うなよ」
 竜となった腕で、そして右手に持つ長ドスを振りかざし、グリフォンを駆るムールムールに急接近。
 心の隙を消した、自ら退路を断って追い込む、それにより感情を昂らせたと豪語したムールムールだがそんな付け焼刃のようなもので内より溢れる怒りに勝る事は無いと感情を剥き出しに。
 ならばその挑発を伴う怒り、それごと粉砕してくれるとばかりにムールムールが向き直り、右手に膨大な魔力を注ぎ込み迎撃の構えを見せる。
「正面から打ち破ろうってか? いいねぇ、戻る所もねえ、言い訳もきかねえ。俺も似たようなもんだ」
「貴様らのような者と背負う物がある私、似たようなものだと言って欲しくはないがな」
 迫る両者が言葉を交わすその刹那。
 竜の腕がグリフォンを掴みその移動を妨害すれば、逸は手にした長ドスを一振り。
 首を断てれば最上、無理でも腕やグリフォンを仕留められればと振るわれた一撃は、硬い何かに阻まれた後に柔らかい何か、に食い込む感触を柄越しに伝えていて。
「ぐ、ぬううう、だが! 足の機能が奪われたとて!」
 なりふり構わぬ対応を、攻撃に用いぬ足の機能が奪われようとも戦闘継続が出来るなら良いと左足を盾としたムールムールは甲冑砕かれ肉を切られ、骨まで刃を食い込ませつつも凌ぎきり。
 直後、数多の光線を至近距離から逸に放てばその衝撃にてグリフォンを拘束した腕が外れ、逸がゆっくりと落ちていくがその顔は満足げ。
「やるじゃねぇか、だが……お前と違って。こっちは、託す事はできる」
 自分が手痛い一撃を貰う事は想定済み、攻撃を誘発し仲間の攻撃に繋げるいわば布石の様な立ち回りだがそれで充分。
 そんな逸に続き、攻撃の合間を縫って飛び込んだのは晶であった。
「ハッ、お互い相手を甘く見過ぎたんじゃないか? 第二ラウンドに異存はねぇよ、さぁ決着を付けようぜ!」
 託された、とばかりに飛び込む晶、それは未来を予測しようとも、攻撃後の隙はどうやっても消せぬだろうと待ち構えていた一撃を見舞う為。
 アークイーターを再度変形、巨大な片刃の大剣へと変化させ、峰から魔力を吹き出す事で飛翔速度に振り回しの速度、そこへ魔力噴出の速度を上乗せし。
 これより行われるのは互いに傷つき、されど互いに相手を甘く見た代償を支払った者同士による覚悟を決めたぶつかり合い。
「チィ、避けきれんか……ならば正面から討ち果たすのみよ!」
 迎撃する事も叶わぬ飛び込み、高速で振るわれたその一撃。
 どうあがいても防げぬと察したムールムールは傷ついた足を持ち上げ再び盾に、巨大な刃の一撃を受け止めれば完全に足の骨が断ち切られ、甲冑と皮で繋がる状態になった事を実感し。
 しかしそれでも十分と空いた手で刃を振るった晶の手を取り、空中へと放り投げればグリフォンが高速上昇、ムールムールを残し空中に放り投げられた晶を狙っての連続攻撃を仕掛けていく。
 次々と繰り出される爪の、嘴の攻撃にて体が傷付く晶であったがその顔は不敵に笑うものであり。
「あの顔……そういうことか!」
 グリフォンに攻撃を任せたムールムールが向き直る中、視線の先には血まみれのナイフを手にして迫る小雪の姿が見えていて。
「う、あ、あああああ!」
 発狂したかのように叫び、ナイフを無茶苦茶に振り回してムールムールに迫る小雪、それは姿が変わる、即ちネメシス形態というのは立ち回りの変化と共に相手を討つ為に力をより高めるものだと相手に認識させる事。
 いわばディアボロスにとっての切り札というものだ、とムールムールに認識させるようにあえてこれまでとは違う動きを見せ迫っていたのだ。
「小娘が、覚悟を決め多少力を高めたとて何となる」
 能力を高めての突撃、されど攻める本人の技術が低いと見抜き即座に対応せんと迎え撃つように距離を詰めるムールムール。
 だがこれこそが小雪の思惑、彼女にとっての切り札は常に共に戦うコダマであり。
 自分自身を見せ札に、これまでの戦いでディアボロスのネメシス形態が切り札であると印象付けた前振りがあるからこそ彼女の変異と突撃にも説得力が生まれ、ムールムールが接近する流れが生まれていて。
「二人目だ、行くぞ!」
 ナイフを振るう小雪の腕、それを簡単に掴み上げ、空中へと放り投げるムールムール。
 その先には晶への連続攻撃を終え、次なる標的が来たと急降下するグリフォンが待ち構え。
 傷塗れの晶を地面に向かって投げ飛ばす間にグリフォンが小雪へ容赦の無い連続攻撃、爪と嘴で血濡れのドレスへ新たな朱を、小雪の鮮血を彩りに加える攻撃を仕掛ければ。
「これで終わりだ、お嬢さん」
「ええ、あなたが、です!」
 グリフォンの攻撃から追加の一撃、小雪を地面に投げ落とさんとその頭を掴んだ瞬間に。
 猛攻を受け様子の変わっていた小雪が笑い、そして喋り方も元に戻ればそのままムールムールの腕掴み。
「な……にっ!?」
「コダマの超神速の抜刀術をお見舞い、です!」
 互いにつかみ合った状態で召喚されるコダマ、その手には鞘に収まった刀が握られて。
 既に小雪を掴み上げ、投げる体勢であったムールムールをあざ笑うかのように上昇、そして急降下をしながらの抜刀一閃。
 その一太刀はムールムールの甲冑に盾に走る傷を刻めば、その下から鮮血が噴出して。
「ぐ、おおおああああ!?」
 響き渡った絶叫、それはディアボロスの捨て身の猛攻という攻めを前に、覚悟を決めた、隙を無くした、そして感情による力を高めた筈の自分が追い詰められている事に納得できぬという慟哭交じったムールムールの叫びであった。
 だが第二ラウンドと攻め寄せたディアボロスは今の三人だけでなく、次なるディアボロスがムールムールを倒すべく猛追を仕掛けていく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】がLV4になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

これでも倒しきれないなんて
なら私も悪魔様に飲まれる覚悟をを決めないと……!

悪魔の力を色濃く表す半人半獣のネメシスに変化
【ガードアップ】を信じ、私は固定砲台になってムールムールの昂りを阻害する

「……感情の、昂りでもって限界を、超えるかさながら人の子よ。ならば感情、吸いつくすまで」
ライラの感情を捧げることで絞り出す絶叫は、聞く者の感情を吸い上げて力を増す魔力の波動
「今ここに、我が依代に溜め込んだ、憤怒と憎悪を解き放つ。音の速さと破れた翼、いずれが速い、言うに能わず」

もう何も感じない
全てを悪魔様に委ねたの
だから、どちらかの昂りが枯れ果てるまで私の声は止まらない
泣き叫ぶ余力も残さない!


ラウム・マルファス
味方と連携
カラス型ドローンに爆薬搭載
確実に仕留めるために囮になるヨ
久々に、ホントに腹立つ相手だからネ

未来予測で敵の攻撃を感知して、ギリギリ致命傷だけ避けよウ
油断はしないけど、重傷は覚悟の上サ

敵の動きを観察しカラスで爆撃を仕掛けつつ、挑発すル
「キミの覚悟はその程度カイ。住むとこ無くしたくらいで退路がないとか、ひょっとして巫山戯てるのカナ?」

「直す算段も、潜む場所もあるだろウ?そもそもこの世界が、キミの存在を許容してル。そんな恵まれた状況で対等とか言われてもネ」
って感じで覚悟を踏みにじろウ

キミの敗因は、確約された未来があると信じちゃったことサ
……なんてネ


百鬼・運命
【鷲狩】
一里塚・燐寧(g04979)とペア

敵はずいぶんと強敵だが多勢に無勢
ここで仕留めてしまおうか

一里塚と百鬼、エトヴァとラズロルでペアを組み、ペア内さらにペア間で連携
ペア内は相方が攻撃されればディフェンス、ペア間では攻撃されていない側のペアがムールムールの攻撃後の隙をつき攻撃
地力はあちらが上だが、連携して一対一を避ければ勝機はある

飛翔しながら呪術符による神威の矢雨で攻撃
時にはエトヴァさんの絵に隠れての攻撃も
又未来予測、防空体制、エアライドで敵味方の動きを予測
両ペアが同時攻撃されない様に注意し最適経路移動で敵機動力に対抗

拠点跡地の方へ誘導し、一里塚さんが挑発で隙を作った所にきついのをお見舞いだ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【鷲狩】
ああ、まだまだやれるとも

ペアのラズ(g01587)をディフェンス
ペア内とペア同士で相互連携、攻撃されていないペアは攻撃を仕掛け続け
通信で声掛け、機をあわせ連携

盾は捨て左に絵筆、右に刷毛を
飛翔し、未来予測し敵の観察を続け
宙に描き出すはグリフォンに騎乗するムールムール
彼の分身を操り、対峙させる
その技も映しつつ、変則フェイント
ビームを1本増やす、空中に投げ飛ばしてからグリフォンが蹴り上げる、上から押しつぶす等
正面攻撃のラズに合わせ多角攻撃
分身の図体に燐寧・運命ペアを隠し攻撃へ繋ぐ

一度見せた攻撃、フェイントは避け
マグマに怯まず絵筆を揮い続け
奪還へ懸ける情熱で描く

ラズ!
彼が敵を捕えたら研いだ一撃


ラズロル・ロンド
【鷲狩】
決死の覚悟いいじゃないか
格上を追い込んだが…もう生半可な動揺は効き辛いかもな
僕は正面から純粋な力を叩き込もう

ペアのエトヴァ(g05705)にディフェンスと息の合った連携を
燐寧君、運命君とも2:2で攻守交替
仲間の動きを信じ攻撃に全力を向ける

腰を据え呼吸を整え両脇に握り拳を固め睨み見据え
攻撃の合間、隙を突くタイミングで
渾身の瞬発力エアライドで一気に間合いを詰め
至近距離からの拳を叩き込む

反撃は受ける気で
地面に叩き付ける手に気力で組み付き
身を挺し攻撃の隙を抉じ開ける
エトヴァ!
描かれた自分自身の餌食になれ
ハッ、そっくりだ

一撃離脱で機会を伺い力を溜め再び攻撃に
攻撃毎に攻撃方向や手を変え見切らせない


一里塚・燐寧
【鷲狩】

うひゃー、まさかこんなに手強い奴だとはねぇ
エトヴァくん、まだ立てるぅ?
こっから一気に勝つよぉ!

運命くん(g03078)をディフェンスしながら戦闘
互いに死角と苦手能力を補い合い、隙を最小限に

【飛翔】して≪ハリケーン・チョッパー≫を手に敵と対峙
『デモリッシュアーツ』として放つは、≪焼尽の呪炎≫の銃撃と鋸刃での斬撃による連撃
ワンパターンにならないよう二つの間合いの攻撃を織り交ぜつつ
ムールムールの城の残骸近くに誘導するように後退しながら戦う

敵の攻撃には──【建物復元】!
壊れた城を復元し壁にして挑発、驚きと怒りを誘うよぉ
あはは、二度も自分の家壊してやんの
復讐者にはこんな手品もあるって知ってたぁ?


ネリリ・ラヴラン
覚悟を決めたこと以上に、わたし達の戦い方を覚えられた事が難儀ね
未来を視る力に油断が無くなるのなら、同じ手は通じない気がするわ

仲間の攻撃に合わせて【飛翔】で飛び込むけれど
詠唱はぎりぎりまでしないよ
今度、未来を視れば確実に落としに来ると踏んで
限界まで反撃の手を与えないように
直接手を触れるか目の前で翳せる距離で初めて高速詠唱

引かない覚悟はわたし達にとっては一歩目でしかないんだよ
本来ならけして届かない貴方に向けているのは
領土だとか、王様への足掛かりにしかなり得ない貴方達にはけして解らない、皆の帰る場所への想いだよ

即座に未来を視ても、もう役目は終わったから良いよ
棺の中から仲間の一撃を見ればいい


 吹き出す血液を魔力で抑え、グリフォンに跨るムールムールに迫るのは数多のドローン。
 小細工か、とばかりに次々と光線で撃ち落とす中、異質な形状のドローンが急降下、それは地上から上空の攻防を見上げていたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)がドローンの中に仕込んだ一機であり。
「キミの覚悟はその程度カイ。住むとこ無くしたくらいで退路がないとか、ひょっとして巫山戯てるのカナ?」
「それで挑発のつもりか。追い込まれたとてそんな言葉で私が乗せられると?」
 至近距離まで近づくカラス型ドローン、それがムールムールの眼前にて爆発する自爆攻撃。
 直後、ムールムールが魔力を開放すればラウムの立つ地表が砕け、マグマが噴出し彼の体を飲み込むがここまでは想定通り、確実に仕留める為に囮となる事を選んだラウムには臨んだ展開。
 そんな攻防を繰り広げる中、被弾した仲間を援護しムールムールに挑むべく集まったディアボロスが動き出していた。
「うひゃー、まさかこんなに手強い奴だとはねぇ。エトヴァくん、まだ立てるぅ? こっから一気に勝つよぉ!」
「ああ、まだまだやれるとも」
 先の戦闘で傷ついた仲間に声をかける一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)に応じるは、被弾するもまだ大丈夫だと応じたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)
「敵はずいぶんと強敵だが多勢に無勢、ここで仕留めてしまおうか」
「決死の覚悟いいじゃないか。格上を追い込んだが……もう生半可な動揺は効き辛いかもな」
 激戦の後を視つつ百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)が、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が仲間を気遣い声をかけ、攻防を繰り広げるムールムールに挑むに問題ない事を確認し。
 再び起こる爆発音、次々と墜落するドローンの残骸を見遣り急がねば囮役が持たぬと飛び出し、ムールムールが陣取る空中へと飛び上がる。
「チィ、ここに来て動きが変わったか……認識を改めねばな」
 数多のドローンを撃ち落とし、されど迫る気配を感じたムールムール。
 その視線を受けてエトヴァとラズロルが、燐寧と運命が、それぞれ二人ずつのペアを作る形で左右に分かれ迫る動き。
 二つのペアが二方向から、そして各々で庇いあうであろう動きを見て単なる同時攻撃ではないと察したムールムールが警戒するも、その警戒ごと叩き潰すと最初に動いたのは燐寧であった。
「あはっ、気付いたぁ? けどそれだけじゃねぇ」
 手にしたハリケーン・チョッパー、それはチェーンソーとアサルトライフルを組み合わせたような異様な形状の武器であり、鬼火の弾丸を放ちながら急接近、そしてチェーンソーの刃でムールムールの体を引き裂かんと迫っていく。
 それと同時、鬼火の弾丸に合わせて燐寧の後方より運命が。
 手にした呪術符をムールムールの頭上に投射、するとそこから矢が雨のように降り注ぎ、燐寧の接近をムールムールが阻めぬようと援護射撃を行って。
「やってくれる、だが……!」
 魔方陣を生み出し迎撃の光線を連続発射、その幾つかは燐寧の体を射抜くも突撃は止められず、そして。
「くっ、これは止めた、後は……」
「ありがとぉ、それじゃ」
 何本かの光線は運命が体を張って受け止めて、ダメージを肩代わりしてその間に燐寧はムールムールに急接近、そのままチェーンソーの刃にてグリフォン共々、その体を引き裂いていた。
 だがしかし、ここで倒れてなるものかとばかりにムールムールは鮮血を空中に撒き散らしながらも運命に向かいグリフォン走らせ距離を詰め。
 そのまま手を取り空中へ、結果運命が虚空に放り投げられグリフォンが天翔けたその刹那。
「攻撃の合間、それこそが隙になる」
「あぁ、だからこそこちらにも好機が生まれる」
 仲間のペア、その攻撃への対処に手が回った瞬間を見逃さず。
 急接近するのはラズロルとエトヴァの二人であり、前線を受け持つラズロルがグリフォンから降りたムールムールに肉薄する様に飛翔して。
 一気に格闘戦の間合いへと持ち込めば、至近距離から強烈な一発を見舞わんと拳を固く握りしめ。
「穿て風の拳……咆哮となりてうなりを上げろ」
 それは己の拳に風を纏わせ、衝撃波を放つラズロルの殴打。
 距離が近ければ近いほど威力を増すと彼が語ったその一撃は、騎乗するグリフォンと離れ、単独飛行する状態のムールムールには距離を離す時間を一切与えず先の攻撃で傷つき歪み、内部より血液を滲み出させる甲冑にめり込んで。
 歪に変形させ、ムールムールの体を後方へと吹き飛ばし。
 続けざまに空を舞うエトヴァ、守りに用いた盾を投げ捨て右手には刷毛を、左手には絵筆を持ち、虚空に何かを描かんと手を動かせば。
「チィ、こうも効果的に動きを変えるか……!」
 四人による互いを補い合う連携攻撃、小手先の守りなど見せず被弾する事すら厭わない踏み込み。
 先に見た戦い方から大きく変わったディアボロスの振る舞い、対応が難しくなった事を忌々しく感じつつ言葉を紡ぎ、エトヴァの動きに警戒しつつムールムールは空中で反転、自身を殴り飛ばしたラズロルへと急接近しその手を掴む。
「やってくれたな、だが次は貴様だ」
 被弾し追い込まれても尚、勝ちに向かう道筋を諦めずディアボロスを退けんと振舞うムールムール。
 強烈な反撃、それを受ける状況は本来ならば避けるのが最良だが、腕を掴まれたラズロルは逆に不敵に微笑んで。
「へえ、次は俺か? そう簡単に倒せると?」
 挑発する様に声を出せば次の瞬間、彼の体はすさまじい勢いで上方向へと向けられて。
 先に運命への猛攻を終わらせたグリフォンが急降下、ラズロルの体に無茶苦茶に攻撃を撃ち込む中で運命が地上に投げ捨てられるが、咄嗟に燐寧が間に入り受け止め、軌道を逸らして水路に落ちる。
 激しい音と共に巨大な水柱が上がれば投げ捨てた相手には興味なしとばかりに向き直り、エトヴァがまだ攻めてこぬならばとグリフォンに痛打されたラズロルに急接近、これで終わりとばかりに頭を掴んだその瞬間。
「エトヴァ!」
「ラズ! ああ、任せてくれ!」
 頭を掴まれたラズロルが相方のエトヴァの名を叫び、そのままムールムールの腕に組みつけば。
 魔力を込めて投げ飛ばそうとするも一振り目は耐え、止む無くもう一度投げ飛ばす為に腕を振る、そんな一瞬の隙を突きエトヴァが空中に描き出すのはこれまでディアボロスを苦しめ、圧倒的な力を示したムールムールの姿。
「ハッ、そっくりだ。描かれた自分自身の餌食になれ」
「くっ、貴様、このために時間を稼いだか!」
 落下しながら挑発的な言葉を残すラズロルに苛立ち交じりの言葉を返すムールムール、だが迫る危機として虚空に描かれたグリフォンに跨るその絵は実体を持ち、ラズロルを投げ飛ばしたムールムールに向かい一気に突撃。
 跨るグリフォンを伴っての強烈な突撃を受け、これまでのダメージも相まって空中で大きくよろめき、落下しそうな瞬間にグリフォンが入りムールムールの体を支え浮上する。
「ご……ふっ、ま、さか?」
 個の実力では自分が上、故に思わぬ苦境であろうとも、覚悟を決めて感情を昂らせた自分ならば退けられるはずだった。
 だが現実は逆に更に追い詰められる状況、認められぬとマグマを引き起こし、エトヴァの体を飲み込もうとしたその瞬間。
 地割れの轟音とは別に何かが組みあがる音、それは先ほどムールムールが自らの手で破壊した城の方から聞こえていて。
「なっ、あれ、は?」
 破壊したはずの城、その一部ではあるものの復元し、城の形を取り戻しつつあったのであった。
 想定外の光景を生み出したのは先ほど運命を抱えつつ水路に落ちた燐寧であり、水路から這い出すと同時、相手の攻撃が来るより前に城の一部を再建し。
 再建した城を盾にし、鬼火の弾丸を次々と放つ姿を前に、咄嗟に光線で応じるムールムールであったが動揺しているのだろう、狙いは甘く燐寧には命中せず再建した城が崩落するだけで。
「あはは、二度も自分の家壊してやんの。復讐者にはこんな手品もあるって知ってたぁ?」
 動揺を誘う事、十二分に効果を発揮したと察した燐寧があざ笑うように言えば、それに便乗する様に。
「ナニ驚いてるのサ、直す算段も、潜む場所もあるだろウ? そもそもこの世界が、キミの存在を許容してル。そんな恵まれた状況で対等とか言われてもネ」
 崩壊した城の残骸、その上に姿を晒し、肩をすくめてやれやれ、といった表情で覚悟を踏みにじる挑発を行うラウムの姿。
 確約された未来がある、そう信じた事が敗因だ、なんて諭す様に挑発の上乗せを。
 その言動を前にこれまで数多の挑発を聞き流してきたムールムールであったのだが、追い込まれ余裕がなくなった事、そして自らの愛した城と城下の街並みが。
 城そのものを敵に再建され、あまつさえ盾にされた現実と己の覚悟が、心の隙を無くしたとした行動を無意味だと示されたような現状に。
「きっ……さ、ま……らぁ!」
 これまで崩れなかった鉄面皮、それが音を立てるかのように崩れ去り、憤怒と共にディアボロスに向かい突撃するムールムール。
 だがその突撃は虚空に描かれた偽りのムールムールが生み出す魔方陣より放った光線で阻めば、矢の雨が、拳で放つ衝撃波が、そして爆薬搭載のドローンが。
 隙を晒したムールムールに容赦なく襲い掛かかって傷つければ、それにより冷静さを取り戻したのだろう。
 急ぎグリフォンを旋回させ、ひとまず距離を取るとばかりに空中を駆ければ追いすがるように迫る影、それはネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)と宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)の二人であり。
「一瞬冷静さを失ったみたい、だけど覚悟を決めたこと以上に、わたし達の戦い方を覚えられた事が難儀ね。未来を視る力に油断が無くなるのなら、同じ手は通じない気がするわ」
「ええ、皆であれだけやって。これでも倒しきれてないなんて。なら私も悪魔様に飲まれる覚悟を決めないと……!」
 仲間の猛攻に追い立てられたムールムール、激高してしまった愚かさを恥じ、立て直しを図るのを阻止せんと速度を上げて食らいつくように接近するネリリ。
 その接近の後方では己の肉体を悪魔の如く。半人半獣の姿へとライラがネメシス形態へと変化して。
 感情を代償に変化した悪魔の力、それにより口調もライラの物から別の物へと変化する。
「……感情の、昂りでもって限界を、超えるかさながら人の子よ。ならば感情、吸いつくすまで」
 背中より生えた翼による羽ばたき、それによりライラの体には魔力が高まっていく中で、その攻撃を当てる為。
 下がるムールムールに迫るネリリは一切の詠唱せずに、ただ間合いを詰める事だけを目的にムールムールに急接近。
「くっ、追いつかれるか……そして、手の内が、見えん!」
 攻撃する未来、そのタイミングで反撃せんともくろむムールムールだが動きを先ほどから変えた、即ち攻撃をせずに場合によっては無防備に。
 敵対する相手の攻撃を一方的に受けかねない突撃を仕掛けるネリリの意図を読めず、されど遠方にて魔力を高めるライラも居る中不用意に仕掛けられぬムールムールが限界まで反撃を控える中。
 ネリリの狙いは至近距離での一撃、そして反撃を受ける事も覚悟しての突撃で。
「引かない覚悟はわたし達にとっては一歩目でしかないんだよ」
「なん、だと?」
 体勢を立て直すためとはいえ、猛攻に晒され下がってしまったムールムールに語り掛けるネリリ。
 その頃には両者の距離は腕を伸ばせば掴みかかれるほどの距離まで近づいて。
「本来ならけして届かない貴方に向けているのは。領土だとか、王様への足掛かりにしかなり得ない貴方達にはけして解らない、皆の帰る場所への想いだよ」
 ディアボロスとクロノヴェーダ、互いに相いれない考えがある、そして自分達の感情は、思いはクロノヴェーダには解らないとネリリは語り。
「そこで、止まってなさいっ」
「くっ、顧みぬ攻撃を続けるとはな!」
 ムールムールと自分自身を包み込むように、周囲の温度が急速に低下して。
 両者の体が氷の中に閉じ込められる、それは氷の棺に入れられたようなものであり、自分自身の逃げ場を無くしてまで敵をこの場に足止めするというネリリの覚悟の決まった一撃。
 これで役目は果たしたと笑うネリリ、このまま捕らわれれば自分の身が持たぬと凍り動きの鈍る体に鞭打って地表からマグマを噴出、氷の棺を砕きネリリの体を飲み込むが既に手遅れ。
 自分だけは氷の棺から飛び出し、浮力を失った氷の棺がネリリを中に入れたまま落ちる様。
 それを見たムールムールの背筋にぞっとするほど冷たいナニカ、を感じさせるほど、氷の中から彼を見た目は恐ろしさを孕んだものであり。
「今ここに、我が依代に溜め込んだ、憤怒と憎悪を解き放つ。音の速さと破れた翼、いずれが速い、言うに能わず」
 ネリリの生み出した攻撃に繋げる為の時間、それを逃さぬとばかりに魔力を、そして己自身の感情をささげ魔力へと変化したライラが呟き、狙いを天翔けるムールムールに定めていき。
 深く息吐くライラ、感情を魔力の放出の代償に捧げたが故に何も感じる事は無く、全てを悪魔に委ねた彼女にとって勝敗とは何か。
 それは自分とムールムール、どちらかの感情の昂りが枯れ果てるまで止まらぬという感情勝負であり。
「緑の演目……泣き叫ぶ余力も残さない! ア、アアアアアアアアア!!!」
 耳を劈く大絶叫、それは昂る魔力の奔流が音波という形をとって放たれたものであり。
 凄まじき音の衝撃に飲まれたムールムールの体が、これまでの戦いで破損していた鎧がまずは砕け、次に騎乗すグリフォンが力尽き落下を始め。
 たまらず飛び降りたムールムールであったのだが既に限界を超えて戦っていたのだろう、最初に盾として使い潰した足が砕け消滅、次に右腕が吹き飛び力なく落下を始めたその時にライラの絶叫はようやく終わりを迎えていて。
「わ、私は……大同盟の、盟主にして……偉大なる魔導公爵、ぞ……いや。違うか。慢心した、愚かなる者、か」
 砕けず、失われなかった左腕を伸ばしつつ言葉を紡げば、その左腕も末端から砕ける様に消滅。
 すると残る足が、胴部が砕け散り、そのまま首へ、顔まで崩壊が波及して。
 最後に地位や富を示す黄金の王冠だけが形を残すも、地面に落ちた衝撃で砕け消失、ムールムールが存在したという痕跡全てがこの世界から失われていたのであった。

 その消失と同時、激戦の興奮が冷めやらぬ中気付けばディアボロス達は最終人類史に、奪還された足立区の地に立っていた。
 直後、戦いに参加しつつも決着の場面に間に合わなかった仲間か、はたまた別の誰かか分からぬがディアボロスが連絡したのだろう、周辺区から人々が足立区へと足を踏み入れ、帰還の準備を始めている。
 悪魔の支配より解放された一つの区、ジェネラル級を討ち取る戦果と共に奪還した大地を歩みつつ。ディアボロス達は次なる戦いである七曜の戦に備えるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【防空体制】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年08月07日
宿敵 『魔導公爵・ムールムール』を撃破!