リプレイ
シテ島決戦数刻前。
「革命淫魔同志諸君。よく聞いて欲しい!」
最後の演説にと、ロベスピエールは声を張り上げ、拳を振り上げる。
(「ともあれ、同志諸君には十全の力を振るって貰わねば困る」)
道すがら、内心で大量の愚痴を吐き出したロベスピエールが出した結論は、それであった。全てを賭ける事を彼は決めた。ならば、指をくわえて事態を見守るつもりはない。やれることは全てやるつもりだ。
事実、ロベスピエールは弱い。それは自分でも理解している。
単純な武力だけならば、あの『不敗のダブー』は疎か、もしかしたら『愛の囁きメリクール』よりも下――否、ほぼ同等と思いたい。それくらいに弱いのだ。
それは致し方ない。流石に階級の優劣が無くともアヴァタール級やトループス級に敗北することはありえないが、ジェネラル級同士の衝突ともなれば、十中八九、ロベスピエールが敗北するであろう。
だが、ロベスピエールの才は武力では無かった。メリクールの才が誘惑に特化したように、彼の能力の殆どは策謀や思考に特化している。……と、信じたい。むしろ、他のクロノヴェーダ達が何も考えていないだけでは無いか、とも思う面もあるが、ともあれ、それがロベスピエールという男の全てだった。
故に、声を張る。故に身振り手振り交えて演説する。
ロベスピエールに力は無い。ここで付与魔術のような、全ての戦力を底上げするような力など、持ち合わせていない。
だが、言葉はある。ディアボロス憎しの気持ちを昂ぶらせ、彼らの力を十全に引き上げることは出来る。
「遂にディアボロスと決戦の時が来た。諸君等の中には彼奴らと親しくしていた者も居た。情を躱した者も居た。だから此処に告げよう。私の知りうる奴らの全てを! 奴らが我々に何をしたのかを! 同志諸君が何に憤るかを、私は今一度、口にしよう!」
深謀遠慮。策士と呼ばれた男の本領発揮――アジテーションであった。
一通りの演説が終わった後、ロベスピエールは革命淫魔達に視線を送る。
諸処様々な物がいた。怒りに身体を震わす者。悲しみ嘆く者。涙を流し、何かに祈る者。
仕上がりは上々。後は駄目押しの一言だ。
「奮い立て、革命淫魔諸君! 我ら革命淫魔は革命の炎を持ってディアボロスを倒し、彼奴らの世界に乗り込む! 大義は我らにあり、だ!」
ロベスピエールの発破に、革命淫魔達は武器を手に取り、頭上へと掲げる。
雄々しき雄叫びは、皆の心の表れ。猛りに猛った彼ら彼女らの怒りが頂点に達した証でもあった。
レイラ・イグラーナ
①の会話希望
パリ市民の皆様へ手を出さないという約定の反故に加え、この行軍……私たちとの同盟は破棄ということでよろしかったでしょうか?
承知いたしました。
それでは、こちらもそのつもりでやらせて頂きます。元同志の皆様。
複数の銀の針を両手から投擲し、【手製奉仕・雷】。列をなしてこちらへ迫る武装淫魔たちを感電させます。
【パラドクス通信】で他の復讐者と密に連携を取ることで、死角から気配を消して接近する武装淫魔の攻撃を察知し、反撃を行います。
パリ市民たちの先頭に立ち、行進を先導することはありましたが……対象が革命淫魔とはいえ、殲滅する側に回るとは、皮肉なものですね。
アルマース・ハーズィン
※アドリブ・連携歓迎
パリ解放を手伝わされたときから、信頼していなかったが、とうとうこちらに攻め込む暴挙と出たか。
色々と迷惑をかけられたが、革命淫魔との縁もここらで終わらせてやろう。
約束も守れない有象無象共からだな。
まずは『瑠璃水晶の指輪』を持って、ノートルダムに流れ込んでくる連中に立ちふさがるように陣取る。
ある程度目の前に集まってきたところで、【凍氷魔術:寒波招来】を使用。
まとめて凍てつく吹雪を浴びせてやろう。
反撃に関してもそのまま吹雪で《吹き飛ばし》だ。
火遊び如きでは私の怒りとこの烈風は収まらんぞ。
オベリスクに辿り着かれることだけは避けたいからな。
この時代ごと淫魔共には消えてもらうぞ。
白水・蛍
アドリブ歓迎
連携積極的に。
WIZで周囲をディフェンス
①での会話も希望。
ロベスピエールも……苦労はしてますね。
ですが、約束と言う者は最初に破ったものが悪い。
と言う事であなた方の責となりますわね。
では……その首。差し出していただきましょうか。
飛翔で相手の間に飛び込んでパラドクス発動。
――我が音に応えて来たれ。全てを眠らせんが如く吹き荒れる龍の息吹!
足を中心に凍らせる事で動きを止めます。相手の動きが止まればそこを味方と共に倒す事も出来るでしょう。
相手の火も凍らせてみせましょう。ええ、みせましょうとも。
呉守・晶
アドリブ歓迎
結局、革命淫魔なんてのは烏合の衆だったわけだ
三国志やエゼキエルの区の支配者を見るに断片の王がいない=烏合の衆ってのは当て嵌まらないからな
これは淫魔という種族の問題かもな
まぁ此処まで来たら、もう止められねぇし俺らもこの流れを止めるつもりはないぜ
革命淫魔の終わりという流れをな!
魔晶剣アークイーターを構えて突っ込むぞ!
そっちが運を味方にするっていうなら、こっちは【未来予測】で僅か先を見ることで、その運込みでの行動すら読んだ上で叩き斬ってやる!
結局のところ、お前らは好き勝手したいだけでロベスピエールなんてどうでもよかったんだろ?
いや、責任を押し付ける都合がいいトップが欲しかっただけか?
一ノ瀬・綾音
・①希望
……革命淫魔とは綾音ちゃんも何度も接触した。
パリ大学にも何度も行ったものしロベスピエールとも言葉をぶつけあってきたし、革命淫魔のみんなとも色々やってきた。
だから……革命淫魔のみんなに剣を向けるのは本当は辛い。辛いけど……約束を反故にした以上、倒すのが筋ってものなんだろうね。泣いて何とかを斬るみたいな。
大群に向かって【綺羅星の星光】で攻撃していき、火薬ごと巻き込んでいくよ。せめてみんながあんまり痛くならないように……
防御は致命傷になりそうなところだけ杖で防ぐ。
ロベスピエール……最後にもう一度君と話したいよ……
ずっと君と向き合ってきた綾音ちゃんとして。
友達になりたかった綾音ちゃんとして……
目の前に広がる光景は、羽根を広げ、シテ島に次々と上陸する革命淫魔達の姿であった。
何れもが武器を携え、血走った目をしている。戦いを予期して誰もが無言であったが、その熱狂は、復讐者達の知る所であった。
そして、シテ島へ上陸を果たした革命淫魔達は、雄叫びと共に行軍する。否、爆走する。目指すはノートルダム大聖堂院地下、オベリスク。そして、そこに至るまでの復讐者達の排除であった。
「パリ市民の皆様へ手を出さないという約定の反故に加え、この行軍……私たちとの同盟は破棄ということで――」
革命淫魔達の正面に立ち、行われようとしたレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の宣言は、しかし、最後まで紡がれなかった。
トループス級淫魔『武装淫魔』達。その大群のトループス、と言う意味を彼女は改めて知ることになる。
それは群だった。それは波だった。それは勢いだった。
「何が約定の反故だ! 全ての約定を反故したのはディアボロス達だ!」
「私達を困窮させたばかりか、私達を裏切り、私達を貶め、それどころか一般人を害する悪魔共め!」
「同志を返せ! 同志の仇を取れ! 我らの心を踏みにじった彼奴らに制裁を加えろ!」
銀針と紫電を纏った彼女は、その波へと飲まれていく。
「――何を?!」
(「ロベスピエールが何かしたのでしょうか? 否、彼に戦力の底上げなどの力は無い筈。もし、そのような能力があるのであれば時先案内人が言及していた――」)
だが、彼女の針を受け、それでも革命淫魔達はひるむことは無い。倒れる仲間の身体を盾に、或いは踏み台に、彼女に追い縋っては死合いの一撃を繰り出し、その身体を梳っていく。
(「まさか、煽動だけでこれらを引き出したと言うの――?」)
革命家の側面を持つ彼女は知っている。最終人類史の歴史の中には、無辜の人を軍隊と渡り合える迄に煽る指導者が存在したことを。
そして、革命淫魔達はその場のノリと勢いで生きているような連中だ。煽動には弱いだろう。弱すぎだろう。ならば、ただの雑兵を、百戦錬磨の勇士にする――そうあれと自己暗示させるのには都合の良い存在だ。
「ロベスピエールッ!!」
「全てを奪うディアボロス共を殺せ! このパリ市街を、市民達を、我ら革命淫魔達を奪わせるな!」
勢いは、止められる事は無かった。
シテ島。
上陸の川岸付近。
ロベスピエールは襟元を正し、ノートルダム大聖堂を見やる。
「以前、『秘密主義が過ぎる』と言われたな。同志ディアボロス達よ。私にしてみれば、キミ達も同じだ。キミ達の目的はついぞ判らなかったが――全ての簒奪者と言うことにさせて貰った。なに。キミ達の行動全てがそれを裏付けていたので、誰も疑問視すらしていないさ」
もっとも、と呟く。
「偽りでも信じ込ませる自信は在った。だが此度、我らが同志に訴えたそれはほぼ、本当のことだからなぁ」
裏切りも、約定の反故も、先制攻撃も、何もかも。
ディアボロスが革命淫魔に行ったのだ。ロベスピエールの知る限り、それが事実であった。
(「パリ解放を手伝わされたときから、信頼していなかったが、とうとうこちらに攻め込む暴挙と出たか」)
大量の革命淫魔達を前に、アルマース・ハーズィン(魔宝の収集者・g04123)が零した感想はそれであった。
今のディアボロスに楯突き、叶うと思っているのか。その頭花畑けっぷりには嫌気が差す。個々だけ見れば、如何にトループス級とディアボロスとが同じ戦力としても、革命淫魔とディアボロスとでは、戦力差に開きがある。それを覆せるなど、本気で思っているのであれば、愚かしいの一言では済まない。
アルマースの評価は事実だった。ロベスピエールが止められなかった通り、彼らは確かにディアボロスに勝てる。そう断じていた。それは彼らの本音であり、故に愚かしい。その事だけを取り上げれば、確かに事実だ。
「色々と迷惑をかけられたが、革命淫魔との縁もここらで終わらせてやろう。約束も守れない有象無象共からだな」
ただ、事実と異なる認識もある。
迷惑の可否は主観によるもので、革命淫魔達はディアボロスに迷惑を掛けた認識は無い。ここに居る革命淫魔達は誰もその考えに至らないだろう。何より。
「うおおおお! ディアボロスぅぅ!!」
その有象無象をも死を怖れない軍勢へと作り替える。それがロベスピエールの演説、ロベスピエールの煽動であった。
吹雪と火撃が衝突し、水蒸気を発する。アルマースの荒れ狂う吹雪に吹き飛ばされたのは都合4体。だが、それ以上の淫魔達がアルマースに群がり、彼女へ火拳を叩き込んでいく。
「この時代ごと淫魔共には消えて貰うぞ!」
「簒奪者ども! 我らを裏切り、同志を奪い、心すら蹂躙し、その先に時代すら奪うと言うのか! 何処までも強欲! 何処までも悪辣非道な輩共め!」
アルマースの宣言に、淫魔達の悲壮な叫びが重なっていった。
(「ロベスピエールも……苦労はしてますね。ですが、約束と言う者は最初に破ったものが悪い――」)
目の前の革命淫魔へ淡雪と共に斬撃を加えた白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は、しかし、内心はその勢いにたじろいでしまう。
約束と言う者は最初に破った者が悪い。故に責は革命淫魔側にある。
その意志が彼女の骨子であるならば、状況は最悪であった。
約束を最初に破ったのはどちらだったか。その真偽は今となっては定かでは無い。しかし、目の前の大群は、それを復讐者達だと断じている。故に、その勢いは止まることが無い。
「我が音に応えて来たれ。全てを眠らせんが如く吹き荒れる龍の息吹!」
彼女に出来たのは、敵の烈火の如き勢いと共に自身の心を凍らせる事のみ。
刃を振るい、革命淫魔達を斬り裂いていく。だがその一方で放たれる火撃は蛍を焼き、彼女を蹂躙していった。
「此処まで来たら、もう止められねぇし俺らもこの流れを止めるつもりはないぜ! 革命淫魔の終わりという流れをな!」
そう。呉守・晶(TSデーモン・g04119)の言葉通り、勢いは止められない。彼女の勇猛果敢な攻撃に革命淫魔達は切り払われ、しかし、その都度、倍返しのような攻撃が彼女へと降り注いでいく。
革命淫魔は烏合の衆。晶が下した評価は、ある意味正しい。
だが、その烏合の衆でも一介の矜持はある。窮鼠が猫を噛むこともあれば、ただの一般市民が国軍と渡り合うまでに熱狂する場面もある。
トループス級の特性か、仲間の死を踏み越え、武装淫魔達は晶へと肉薄する。その口にディアボロス憎し、ディアボロス憎し、の文言を携えて。
「結局のところ、お前らは好き勝手したいだけでロベスピエールなんてどうでもよかったんだろ? いや、責任を押し付ける都合がいいトップが欲しかっただけか?」
その挑発もまた、火に油を注ぐ結果になった。
革命淫魔達の本音は不明。おそらく晶の弁が正しいのかも知れない。
だが、この状況でそれを是と頷く者はいない。まして、ロベスピエールの演説で心打たれた者達にとっては、彼こそが革命淫魔の王に相応しいと、思い込む者が多数であった。
苛烈極まる攻撃を捌き、息が上がった晶に、更なる攻撃が重ねられていく。
「――くっ。放せ!」
魔晶剣アークイーターの一突きを受けた革命淫魔が、そのまま笑みと共に晶へと抱きつく。無論、その傷は深々とした物となり、致命へと達していく。だが、今や革命淫魔は死を怖れない。ただ、仲間の礎として、ここに在るのみであった。
「同志ロベスピエール! 同志革命淫魔! そして我らの愛するパリ市民達よ! 万歳!」
「万歳!」
晶の【未来予測】が見たのは、僅か1秒後の出来事。仲間の遺体ごと、彼女を貫く拳群の姿であった。
「1年前、パリ大学に来たディアボロスと私達は約定を交わした。それは共闘。『大陸軍を排した後、革命の大義を賭けて貴方達と雌雄を決する』と言う物だった」
先の演説の一文を、再びロベスピエールは口にする。それは紛れもない事実だ。ディアボロス達の中には革命淫魔達の行動に危惧する者も居たが、ついぞ、取り交わしの場面では問題にされていなかった。もしもそれを是とするならば、彼奴らの目的も少しは理解出来たかもしれないが、とロベスピエールは多少の嘆息を零してしまう。
「交わした約束は一つ。我らは知を、ディアボロスは武を。それらを用い、大陸軍を改竄世界史グランダルメから追い払おう! それが我らとディアボロスの交わした約定だった」
まあ、ここは誇張した。押し返すまでが約束であり、何処からとは互いに言及していなかった。故に1793年の改竄世界史と読み替える術もあったが、しかし、当時のディアボロス達は、この1793年がオベリスクによって繋げられた別の改竄世界史――所謂並行世界である事を知らなかった。知り得なかった筈だ。ならば、彼らが口にした対象は『改竄世界史断頭革命グランダルメ』に外ならないだろう。
「穴だらけの約定ではあったが――それでも、約束を破ったのはお前達だ、同志ディアボロス」
一般人を襲わないと言う約束は一言も取り交わしていない。ただ、ロベスピエール本人がディアボロスの心情を慮り、忖度したのみ。
それを強弁するのであれば、それは難癖と変わらない。
「約束を守っていない、の一言は我らが同志の火に油を注ぐぞ、同志ディアボロスよ――」
滔々と語るのであった。
(「……革命淫魔とは綾音ちゃんも何度も接触した。パリ大学にも何度も行ったし、ロベスピエールとも言葉をぶつけあってきたし、革命淫魔のみんなとも色々やってきた」)
苛烈極まる戦いの中、一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)はそう嘆く。
炸裂する光属性魔法は、群がるトループス級達を巻き込み、一掃していく。せめて痛みを感じる間もなく消滅して欲しい。その願いは果たされ、数体の革命淫魔達が薙ぎ払われては地に伏していく。
だが。
「約束を反故にしたディアボロス達を許すな!」
「彼奴らは敵だ! 彼奴らを殺せ! 我らを裏切った共闘者――裏切り者に制裁を!」
その遺体を踏み越え、第二陣、第三陣のそれが彼女の元へと到達してくる。
放たれた火撃は、綾音を焼き、衝撃を、火傷を彼女へと伝えて来た。だが、身体の痛みはどうでもよかった。むしろ、悲鳴を上げているのは心であった。
(「どうして……?」)
決死の行軍を続ける革命淫魔達に、沸き上がる気持ちは憐憫と悲哀だった。
彼らはどうして、ここまで突き進む事が出来るのだろうか。
「私達はお前達を友と認めた! 友と慕った! 友と喜んだ! それらを何故踏み躙った、ディアボロス!」
「返して! 同志を! 仲間を! 恋人を! お前達が、私利私欲のために殺した人々を!」
叫びが耳の中を木霊する。それは怨嗟で、悲嘆で、そして悲鳴であった。
「綾音ちゃんだって!」
ずっと向き合って来た。ずっと心を痛めて来た。ずっと想っていた。
「友達になりたかった! 友達として一緒に歩みたかった!」
だが、その願いは果たされない。その決別を選んだのが誰だったのか、綾音に答える事は出来なかった。
「同志ディアボロスよ。キミ達が言っていたでは無いか。『私達ディアボロスと皆様方は敵同士。完全な仲間となることは出来ぬ』と」
そう。ロベスピエールはクロノヴェーダだ。信頼に足る友などでは無い。ディアボロスが裏切らずとも、彼が裏切る日が来ただろう。その腹積もりもあった。もしも彼がディアボロスを裏切らないとすれば、その方が彼らにとって都合が良い。その機会が続くのみであった。
「ともあれ、革命淫魔達を困窮させ、飢餓に苦しませたのはお前達だ、同志ディアボロス。その痛みだけでも味わって貰おう」
友と歩もうとするならば、その後だ。
もっとも、そのような機会が二度と訪れないであろうことを、彼自身は理解していた。
苦戦🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
エヴァ・フルトクヴィスト
オベリスクに仮にも辿り着かれて、時を超えられた場合。
自動人形の戦力が補助されかねません。
ここで革命淫魔勢力、潰させて貰いますよ!
ロズスピエールに関しては柵を取り払った彼のお話は興味がありますね。
というかやはり淫魔を纏めるのには苦労されていた様子。
彼の最後の思考は私達ディアボロスと同じというのは皮肉ではありますが……。
敵の動きを観察して、突出した部分を看破して叩き潰しますよ!
光学迷彩や残像のフェイントで敵を攪乱。
混乱している所をすれ違いざま、高速詠唱からのパラドクスの力を叩き込んで。
更に敵を追跡する形で連撃して、吹き飛ばします。
あなた達の言動を反面教師として。時の侵略者の解放を為していきますよ!
音羽・華楠
――遂にこの時が来ました。
革命淫魔共を滅する時が!
……ですが、万が一にも取り逃がさないように。
油断せずいきます!
革命淫魔共をオベリスクの所まで行かせるわけも無いでしょう。
【防衛ライン】を展開、進攻を阻みます。
そして……全体的に士気は高いみたいですね。
それをへし折ることも重要そうです。
ならば――
――《雷幻想・奈落》!
……私のパラドクスの中で、最も凄惨に敵を殺す技です。
結界に捕らえた敵を、無限小まで圧縮して消滅させる……。
仲間の無惨な死に様を目の当たりにして、革命淫魔共は何処まで士気を保てますかね?
勢いが鈍ったら一気に畳み掛けましょう!
反撃も、結界で包んでまとめて潰します。
①も実行希望です。
エレナ・バークリー
革命淫魔も、残るはこれだけですか。まだこれだけいると言うべきですかね。
この1793年ごと、あなた方も終わりにして差し上げます。
「全力魔法」「闇使い」「精神攻撃」で果て無き深淵たる黙示の天啓を行使。淫魔たちの心を闇の魔力で削り取ります。
反撃は【未来予測】して、多重展開した魔法障壁で受け止めて。「火炎使い」を自身の火炎耐性に使えば、粉塵爆発にも抵抗出来ますか。
敵群に「切り込み」自分を中心にパラドクスを行使。闇の中ですぐに場所を変えてパラドクスを「連続魔法」で使い続けます。
ここで無駄に消耗する気はありませんが、一人たりとも逃がすわけにもいきませんのでね。革命淫魔のお遊びはここでお仕舞いです。
大崎・朔太郎
これでこの奇妙な世界が終わるんですか、
なら関わってきた縁という訳で僕は大群を抑えますか。
流石に大群で粉塵爆発とかやられたら地形が変わる位の勢いになりそうなのでそこを止めましょう。【ウォータースライド】で翼や装備品の【光源氏】から水流放出。
普通の水じゃムリでしょうけどこっちもパラドクスで生み出したサキュバスミスト製の水で火薬を濡らして威力を減らしつつ水流を使った突進や【ダンス】の応用で使用中にターンする事で水流に相手を巻き込んで吹き飛ばしていきますか。
同情も疑問も怒りも思う所は色々と、
でも消える世界と言ってもめちゃくちゃに破壊されるのは許せないんですよね!
無堂・理央
かくしてこの地にて革命淫魔の命運は尽きんってね。
悪いけど、君達はここで終わりだよ!
無双馬『クロフサ』に騎乗して革命淫魔達が進む道に立ちふさがるよ。
更にパラドクスで重装騎兵隊を召喚したら、ボクが最後尾に入る形で突撃陣形を組ませる。
そしてボクの居る位置に【防衛ライン】を敷いたら、重装騎兵隊には革命淫魔の陣目掛けて正面から突撃指示を出す!
重装騎兵隊!正面の敵を食い破り!突き破って敵将ロベスピエールまでの道を作れ!
1793年にあんまり関わってないボクは脇役として、今まで頑張って来た人達を終わりの時、ロベスピエールとの諸々の決着を付けれる道を作る事に専念しないとね!
レオニード・パヴリチェンコ
ん。遂にこの時が来た、ね
利用する気だったのはお互い様だろうけど……ここで決着をつけよう
敵は調査の結果でかなり勢いがあるみたい、だ
その分、攻撃は激しいだろうけれど隙も大きくなる筈
こちらは落ち着いて対応しよう
数は敵の方が多い
囲まれないように動き回ろう
気配は消えても足音などの音までは完全に消せない
音に集中して、攻撃の予兆を探り、それに合わせて防御してダメージを抑えつつ反撃
動きを鈍らせるために足元を狙って魔弾を撃ち込む、よ
この手合いは少しでも足並みが乱れたら、連携も一気に崩れる
落ち着いて、確実に狙い撃っていく、よ
トロワ・パルティシオン
何だかなぁ。
結構長い間彼らを見てきたはずだけど、このノリと勢いが全てみたいな生き方…予測し辛いにも程があるね。
ある意味すごい相手だったよ。
来い、ダモクレスブレイド。モード・デュランダル。
召喚したフライトドローンを変形させた大剣にフューリーズバレルを接続することでパラドクス起動。
『切り拓く光芒』で塵埃ごと敵を切り払うよ。爆風は光刃の余波で防ぐ。
ある程度攻撃したら機械剣を敵の方へと放り投げよう。ああ、別に拾っても良いよ。
だってそれ、爆発するからね。毎回修理が大変なんだ。
…はぁ。こんなのを纏めるのはさぞ大変だったろうね。
その辺どうなんだい、元同志?最後に話をしないかい。
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
淫魔との同盟と、1793年が終わる
いつかこうなることは分かっていたけど、やっぱりフクザツな気持ち
…あの時開いてくれた宴会、楽しかったなあ。香水、きらきらしたドレスを見せてくれて。夢みたいに綺麗だった
あの淫魔たちに、ありがとうってもっと伝えれば良かったな…
周囲の仲間と声を掛け合い連携するように努めます
猛った武装淫魔の手足にレースリボンテープを絡ませて動きを阻害し、仲間が攻撃するチャンスを作りましょう
密集した敵にパラドクスで攻撃。酩酊の毒で楽に逝かせてさしあげます
芸術に関心があって、楽しいことが好きなあなたたち
倒すべき存在で、そこは揺るがないんだけど…。でも、嫌いじゃなかった
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
色々ありましたが、革命淫魔ともこれで最後ですか。
会話するにしても、まずはこの勢いを殺ぎませんとね。
勢いだけはある上に大群となると、ドサクサ紛れに寺院内に雪崩れ込まれる危険性もあります。周辺地形も利用して防衛線形成です。
戦闘方針は『英雄旅団』で精霊達と連携。
精霊達やユリウスと共に敵を迎撃、精霊達の援護射撃と合わせて、細剣による刺突で接近戦を仕掛けます。
弱った敵から確実に止めを刺して数を減らしますが、無理矢理にでも突破を狙う敵が居たら其方を優先です。
敵も味方も大勢だと乱戦は必至。
ならば死角からの不意打ちは勿論、敵の気配にも注意ですね。攻撃時の殺気を頼りに敵の一撃を受け流します。
笛島・他助
連携・アドリブ可
可愛い娘がいっぱい居るなぁ。
しょーじき敵でもレディ相手は気が進まねぇ~。
まぁ気は進まねぇだけで、やるこたぁやるんだけどよ。向こうさん楽しくおしゃべりしてくれそうにねぇし、殺気立ってるんじゃあな。
自身の仕込み杖を抜刀する形でテキトー超音波を発動し、手身近な武装淫魔を無音の音波斬撃で斬撃を行う。
攻撃時は攻撃をより正確に当てる為、反撃時は相手の攻撃をなるべく防御・回避、致命打を避けて継戦のために【未来予測】を補助に使用する。
おっと、その手の不意打ちは俺の十八番でもあるんでな。大体動きは読めるってもんだ……っと。
んじゃま、悪いが適当に覚悟してくれな。結局、遅かれ早かれなんだ。
(「可愛い娘がいっぱいいるなぁ」)
周囲を見渡し、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)は感嘆の声を上げる。
正直、敵相手でも女性相手に気が進まないと呻く彼は、しかし、と武器を取る。この殺気立った面々を前に、そうも言っていられないのも事実だった。
(「戦い辞めて大人しくおしゃべり、と言う話でもないだろうしなぁ」)
トループス級淫魔『武装淫魔』達が全て女性なのは諸々の都合もあるだろうが、ともあれ、それらを前線に立たせたロベスピエールの手腕に感嘆やら感心やら零してしまう。女の子は殴りづらい。それは他助でなくともそうだろう。もしもロベスピエールが超絶美少女であったならば、数名の復讐者の支持を、彼だか彼女だかは得ていたのかも知れない。
(「まあ、流石にそれはない……よな?」)
敵は敵。味方は味方。遅かれ早かれこの結末は迎えていた。それもまた、事実であろう。
「おっと。不意打ちは効かねーぜ。いや、不意打ちも何もあったもんじゃねーが……。都合2秒ほどだが、俺の目は未来を読めるんでな。そして不意打ちは俺の十八番だ」
自身の身体に残留効果【未来予測】を付与しつつ、他助は超音波を革命淫魔達へと叩き付ける。彼も彼なりに、不退転の覚悟を抱き、この戦いに挑んでいたのであった。
「――遂にこの時が来ました。革命淫魔共を滅する時が!」
逸る気持ちを抑えつつ、しかし、喜びに心震わせると音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が満面の笑みを零す。
「ですが、万が一にも取り逃がさないように。油断せずいきます!」
雷の幻想を抱き、彼女は駆ける。その先に広がる阿鼻叫喚の地獄に、しかし、それよりも喜びが優った少女の足取りは軽く、その中を突き進んでいった。
「革命淫魔も、残るはこれだけですか。まだこれだけいると言うべきですかね」
決死の軍勢と化した革命淫魔達を、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)はそう評価する。
ディアボロス達によるパリ市街掌握作戦、並びに革命淫魔素行調査によって、或いはそれ以前に行われていたジェネラル級自動人形『不敗のダブー』との対戦によって、革命淫魔達は大きく数を減じていた筈だ。アヴァタール級の姿は無く、トループス級のみが軍を構成していることから、その評価は概ね、間違っていないだろう。
「この1793年ごと、あなた方も終わりにして差し上げます」
全てに幕を引く。その意志を以て、彼女は敵陣へと切り込んでいった。
「裏切り者に鉄槌を! 悪魔に裁きを! 許さない! 許しておけない!」
「どうして私達を裏切った! どうして同志を斬った! どうして同志をオベリスクの実験材料にした!!」
そんな二人を迎え撃つのは、怨嗟の叫び、そして悲鳴だった。
(「全体の士気は高いようですね……」)
(「だけど、一人たりとも逃がすわけにいきません。革命淫魔達のお遊びはここでお仕舞いです」)
怨霊の百鬼夜行じみた行軍に、しかし、怖れる理由は無い。彼ら彼女らが引けないと同様、ディアボロス側として、華楠もエレナも引くわけにいかないのだ。
「生命ある者共よ、闇を恐れよ。心閉ざす無明の闇は、常に汝らと共にある」
「籠の中の鳥は、いつまでも、いつまでも、出遣らん!」
詠唱が響き、恐怖が、電撃が、呪詛が革命淫魔達を覆う。迸るパラドクスに新たな悲鳴が響き、痛みを訴える叫びが、二人の耳朶を打つ。
だが。それでも。
革命淫魔達の足は止まらない。火薬を散布し、火花をまき散らし、火遊びの如き攻撃は彼女達を飲み込み、蹂躙していく。
(「これが、革命淫魔――?!」)
怖れを抱かないのは、彼奴らも同じであった。ディアボロスと言う巨大な敵を、パラドクスが刻む痛みを、そしてその先にある死を誰もが怖れていない。そこに在る強さを、誰よりもよく知るのは、華楠やエレナ達を始めとしたディアボロス達であった。
個々では無い、群としての力。
それが、ディアボロス達へと牙を剥いていたのであった。
「いやはや、無茶苦茶だねぇ」
ノリと勢いだけの連中が煽動されればこうもなるのか。それともパリ――フランスのクロノヴェーダだからだろうか。なんだかなぁ、と武装淫魔達の勢いを肌で感じたトロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)は、肩を竦める。
予測し辛いにも程がある。ある意味凄い相手だと言わざる得ない。
それを過去形にするために戦いに臨んだはずだが、しかし、この土壇場でも同じ評価をする羽目になるとは思っていなかった。
「色々ありましたが、これで最後にしましょう。――まずは敵勢を削がないと、ですね」
このノリも。この勢いも。全て。
力強い言葉はフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)から。内心辟易しながらも、しかし、彼女もまた、トロワと同じく油断無き瞳で周囲を見渡している。
「成る程。二人はこの戦い、どう見ます?」
空間の裂け目を呼び覚まし、革命淫魔達を吸い込ませていたエヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)が二人に問う。
革命淫魔達の勢いは強く、苦戦は必至。だが、ディアボロスもまた、それを是とするつもりはない。
ならば、勝負を分けるのは気持ちだろう。
「オベリスクに仮にも辿り着かれて、時を超えられた場合、自動人形の戦力が補助されかねません。故に、オベリスクに到達させない。それが私達の勝利と見ます」
「同感です。こうも大群だと、ドサクサ紛れに寺院に雪崩れ込まれる危険性もあります。むしろ、この乱戦はそれを引き起こしかねない!」
エヴァの問いに、多数の精霊を喚びながら、フィーナが応える。
彼女が敷く防御網は駆け寄る革命淫魔達を貫き、穿ち、地へと伏させていった。
「同感だね。ロベスピエールの到達は元より、革命淫魔の一体でも到達したら、その場のノリでグランダルメに飛んで行きかねない。それぐらいはやりそうだ」
機械剣を振るい、光刃と斬撃を繰り出しながら、うんざりとトロワがその文言を口にする。
(「こんなのを纏めるのは、さぞ大変だっただろうね。その辺はどうなんだい? 元同志よ」)
怨嗟の言葉を木霊しながら、吶喊してくる革命淫魔達を斬り裂きながら、トロワは嘆息を零す。
気持ちは同じなのか、フィーナとエヴァもまた、奇しくも彼女と同じ表情を浮かべていた。
(「そのロベスピエールの最後の思考が、私達と同じと言うのは皮肉ではありますが……」)
革命淫魔達の最期と言う局面に於いて、彼が最大の理解者となりそうだとの事態に、運命の悪戯じみた何かを感じずにいられない。
エヴァの内心を知れば、果たして彼はどんな表情をするだろうか。
だが、それを知る機会があるかどうか。それは誰にも判らなかった。
「いやー。色々とんでもないことになっちゃったよね」
革命淫魔達の攻撃を捌きながら、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)はむむっと嘆息する。
彼女達の拳。手刀。掌底。膝。蹴り。そして踵。無手の攻撃を受け流し、或いは受け止めながら、幻影達と共に彼女らを仕留めては、死体を積み重ねていった。
度重なる攻撃も辟易するが、何より辟易するのは彼女達が零す怨嗟だ。
恨み辛み。嘆き哀しみ。そして、悲壮な覚悟。それらを受け、しかし理央はただ、首を振るのみだった。
「ごめんね。ボクはこの1793年に余り関わっていないから、キミ達の恨みを受け止める事は出来ない。多分キミ達の言っていることは本当かもしれない。でも、ボクは割り切ってキミ達を倒すよ」
「そうだね。利用する気だったのはお互い様だろう、とだけ言っておこう」
魔弾による狙撃を繰り返し、理央の言葉に是と頷くのはレオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)だった。
革命淫魔達の言い分に対し、ディアボロス側も言いたいことはあるだろう。どちらの言葉も真実であり、そして正義だ。まあ、分の話だけすれば革命淫魔側の方があれやこれやだが、自軍の不利益は黙殺することにする。斯くて、魔弾卿は非情なのであった。
「敵の勢いはかなりあるみたい、だ。その分、攻撃は激しいだろうね」
「それでもボク達は負けられない。かくしてこの地にて革命淫魔の命運は尽きんってね。悪いけど、キミ達はここで終わりだよ!」
非道も何もかもを飲み込み、全てを糧にすると馬上槍を振るう。
足並みを崩せば連携が崩れるだろうと、魔弾を撃ち出す。
「重装騎兵隊! 正面の敵を食い破り! 突き破って敵将ロベスピエールまでの道を作れ!」
「森の精よ、縛れ」
「裏切り者達を殺せ! 市民等を害し、この世界を奪わんとするディアボロス達を排除しろぉぉぉ!!」
二人の詠唱に、武装淫魔達の叫びが重なっては、消えていった。
「これで、この奇妙な世界が終わるんですか……」
大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は嘆息する。
彼と1793年の関わりを想えば、最初はタンプル塔を巡る戦いであった。パリ大学に到達する機となった愛の囁きメリクールとの邂逅。あれが無ければディアボロス達がパリ大学へと至る事も無かっただろうし、もしかしたらこの1793年も今より早い内に消失していたのかもしれない。
(「でも、そうすると、マリー王妃が助からなかった可能性が高いわけですし」)
まったく、奇妙な縁だと思う。
だが、それも終わりだ。ならば、その先駆者となった自身としては、大群を抑えるくらいの手出しは許されるだろうか。
「……そうですね。いつかこうなることは分かっていたけど、やっぱりフクザツな気持ちです」
革命淫魔との同盟の終わり。1793年と言う改竄世界史の終焉。
それを間近に感じ、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)もまた、表情を歪めていた。
彼女が想起するのは、革命淫魔達と行った宴会であった。紆余曲折、色々あったあれだが、それでも彼女に取っては楽しい思い出として脳裏に刻まれている。
(「……あの時開いてくれた宴会、楽しかったなあ。香水、きらきらしたドレスを見せてくれて。夢みたいに綺麗だった。あの淫魔たちに、ありがとうってもっと伝えれば良かったな……」)
だが、それが叶わない事を秋果は知っている。あの時の淫魔達がこの戦いに参戦できたかどうかも不明だ。もしかしたら、その前に展開したディアボロス達の作戦によって、命を落としているかもしれない。
そして、もしも参戦していたとしても、それを終わらせるのは、秋果達の役目となっていた。
「幸せな葡萄色の酩酊を、あなたに」
毒を付与する。毒を散布する。
葡萄の香りに包まれ、酩酊していく革命淫魔達を見送り、彼女は嘆息する。パラドクスで生成されたそれは毒も毒。それも、致死に至る猛毒であった。だが、酒に酔ったように彼らを包む多幸感や酩酊感は、彼らを酔わせ、苦しみを感じさせなかっただろう。それが、死していく彼らに送るせめてもの餞であった。
「さあ、アイドルになって覚えたスケート技術。魅せてあげますっ!」
そこに朔太郎からの水流が飛ぶ。
毒霞に勢いを減じられた革命淫魔達は、その水流を受け、派手に吹き飛んでいった。反撃にとまき散らされた火薬は朔太郎と秋果を焼き、火傷の跡を残していく。だが、それでも、実害は革命淫魔達の方が酷く、大きかった。
「同情も疑問も怒りも思う所は色々と。でも消える世界と言ってもめちゃくちゃに破壊されるのは許せないんですよね!」
憤慨の言葉を告げ、朔太郎は更なる水流を織り成す。
世界が消える原因は大陸軍、即ち断頭革命グランダルメの断片の王、ナポレオンにあり、滅茶苦茶に破壊したのはディアボロスも同罪だが、それは棚に上げることにする。最後の最後に無謀とも思える戦いを仕掛けたのは、革命淫魔側だ。そう言うことにしておく。
一方で、秋果は悲しげな、寂しげな微笑を浮かべていた。
「芸術に関心があって、楽しいことが好きなあなたたち。倒すべき存在で、そこは揺るがないんだけど……。でも、嫌いじゃなかった」
本心からの言葉に、革命淫魔達は何を思うのか。
「だが、それでも……」
「許せない。だからこそ許せない、ディアボロス達!」
「そうだよね。だから……倒すよ」
叫びに首を振り、再び秋果はパラドクスを振るう。多重の猛毒が、それに続く朔太郎の水流が辺りを包み、革命淫魔達を蹂躙していった。
「いやー。レディ相手の戦闘は本当、気が進まなかったなぁ」
現代服にサポーターにと降り積もった埃やら加薬やら血の跡やらを振り払い、他助が嘆息する。
勢いに任せた淫魔達の突撃も、もう終わりを見せていた。
大群相手に少数精鋭でぶつかったこれは、まあ、戦果だけ言えば、快勝と言って良いのかもしれない。
「ただまあ、すかさず第二陣がくるだろうね」
時先案内人ならぬ彼にもそれは予期できた。故に、ぶつくさと文句の一つでも零してしまう。
テキトーに全て済ませてくれればいいのになぁ、と。
(「ま、そうもいかないんだろうけども」)
横たわる死屍累々とした革命淫魔達を見れば判る。ここまで血が流れ、ここまで命が奪われたのだ。もはや、決着まで、この勢いが止まることはないだろう。その予感もまた、確かにあったのだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【防衛ライン】LV3が発生!
【未来予測】LV2が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV3が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
「ろ、ロベスピエール同志!」
革命淫魔が一体、トループス級淫魔『欲望のバイオリニスト』が血相を変えて飛び込んでくる。だが、応対するロベスピエールは涼しげな表情を崩さず、ただ、静かに言葉を発した。
「そうか。同志達――武装淫魔達は散ったか」
自然に目を閉じ、黙祷する。数秒の時を経て開かれた瞳は、悲しみも嘆きも何も映していなかった。
「あとは諸君等と、私個人の頑張り次第だな、同志よ。共にあの悪魔共を打ち破り、この聖戦を乗り越えよう」
「はっ。――ロベスピエール同志。あの話は本当なのですか? 貴方が死ねば、この1793年の改竄世界史は――」
「ああ、消滅するだろう」
己の演説を想起したのだろう。
欲望のバイオリニストの問いかけに、さらりと応える。
『同志メリクールがいない今、私がディアボロスによって滅ぼされれば、この1793年は消えるだろう。それが意味する事は何か! それは諸君等にも判っていることだ!』
「この世界が消えるということは、我らが愛するパリ市民が全て死んでしまう――と言う事を意味します」
「ああ。そうだ。只一人、我らが敬愛した断片の王マリー・アントワネットになり損ねたあの女は生き残るだろう。その工作をディアボロス達がやっていたようだからな。……だが、残された市民達は――」
「我らに堕落を禁じ、しかし、その一方で、奴らは――」
1793年と言う世界が消えれば、無辜の一般人達は消滅する。それが革命淫魔達の理解だ。
そして、ロベスピエールも同じ理解をしている。故にこう言い換え、革命淫魔達に告げた。彼奴らが一般人への堕落を禁じたのは、自分達が彼らを好きなように貪り、最後は全てを――命すらを奪い取るため、と。
「許せない。我々に堕落を禁じたのは、その為だったなんて――」
「ああ。故に、我々はこの聖戦を我らの勝利で幕引きせねばならん。我らが勝利しなければ、我らが愛する一般人達の命すら奪われてしまう」
修飾語である『エネルギー源として』との言葉は敢えて伏せたが、それは欲望のバイオリニストも理解している。彼らはパリ市民を愛していた。広義の意味で、となるがともかくまあ、愛していた。
(「それに、同志ディアボロス達がオベリスクの実験に一般人を連れ込んだのも事実だしな」)
街に放っていた同志からの報告を反芻し、ロベスピエールは思考を進める。
その安否をロベスピエールは知らない。帰ってきたことを確認していないので、おそらくはディアボロス達にとって芳しい結果にならなかったのだろう。だが、それもまた事実であり、同志革命淫魔達の怒りを誘う内容だ。演説に利用させて貰った。
其処まで思考し、頭を振ったロベスピエールは、続いて苦悶の表情を浮かべる。全ての重圧を護衛兵にして側近である彼らに担わせる。その意味を彼は強く理解し、未だ苦悩している。そんな表情であった。
「行こう。同志よ。同志達よ。もはや我らの礎となった同志達が浮かばれる術は一つしか無い。ディアボロス達の血を捧げるのだ」
「ええ。あの悪魔達を倒す為、死力を尽くしましょう」
頷く彼に、ロベスピエールもまた、是と頷いた。
(「さあ。同志ディアボロス諸君よ。誰かの為に戦う奴は強い。そう示したのはお前達だ。ならば、此度はそれに倣おう」)
次回は無い。それはロベスピエールが一番よく知っている。だから、彼は全てを出した。全てを出し切った。策士、深謀遠慮、そして、革命家。その全てを窮鼠の牙として、ディアボロスへと突き立てた。
「獲物、エネルギー源とは言え『弱者の為に戦う』と言う大義を同志革命淫魔達の思考に植えさせて貰った。それに抗う事が出来るか? 同志ディアボロス諸君よ」
そして、それが最後の策だ。残された手札を全て切った男は、ただ、虚空へ視線を向ける。
其処に彼が何を思うのか。それはついぞ、その口から語られることは無かった。
エレナ・バークリー
①参加
次はロベスピエールの護衛達ですね。休む暇も無い。
バイオリンを奏でるのなら、私も一曲、フルートの音色でお返ししましょう。
「全力魔法」「演奏」「闇使い」「精神攻撃」で無明なる終焉の刻を行使。
彼らの演奏を、パラドクスの演奏が生み出す絶望で乱してみせましょう。
あなた方に先が無い事は分かっていますか? きっと絶望を感じていることでしょう。唯一の希望は、私達ディアボロスを撃破して1804年に転移することのみ。
ですが、暗闇の中の一筋の光は、それこそが罠であると思いませんでしたか? 残念ですがあなた方では私達には勝てません。
人を喰らう淫魔に、人より生まれたディアボロスが復讐する。それが今回の筋書きです。
一里塚・燐寧
可能なら①希望
1793年をブッ壊したら、オベリスクはどこに流れ着くんだろ?
折角のエジプトの遺産、もう敵の手に渡ってほしくはないねぇ
……ま、今は一番差し迫った敵をブッ殺すしかないかぁ!
《テンペスト・レイザー》を手に、遠距離から護衛を狙うよぉ
【完全視界】使用、幻影や戦いの中で吹き上がる血煙を無視して狙いをつけ
『呪式:飛翔怨斬』を放って一気にぶった斬る!
敵がいる空間を丸ごと薙ぎ払い引き裂くような太刀筋で、狙うは両断!
あーあ、自動人形のギロチンにやられときゃ、もっと綺麗に死ねたのにねぇ!
反撃の幻影に対しては、攻撃後の一撃離脱を徹底し囲まれないように
躱しきれない攻撃は得物の分厚い刀身を盾代わりに防ぐよぉ
真紅堂・乎乎那
場の熱で狂ったゾンビ兵か……
思考停止という名の堕落というなら淫魔らしい事だが。
(ぶっちゃけ、いつものポンコツギャグかと思って嘗めていたよ。
こいつは決戦だった……。)
・フライトドローンを利用し、跳び回る事で囲まれるのを防ぎつつ
オベリスクに近い敵を優先して悪魔爆弾を飛ばす。
フン……パリで無茶な即興ソングを歌った日が懐かしいね。
ピンチな仲間が居て、自分は元気ならディフェンスする。
熱くなった時ほど冷静に……を心掛けてはいる。
こっちは自分の頭で考える事が出来る戦士の集まりだ。
負けないさ。
・①は希望でブチキレるのは抑えておこう。
奥の手が同志と呼ぶ仲間を捨て駒に強行突破ってのが……最高に気に食わないんだが?
白水・蛍
①希望
アドリブ歓迎
連携積極的に
POWで周囲をディフェンス
此方の約定破りを咎めるなら、そちらは部下の統制しっかりしてください。
貴方個人の付け届けとか思いとか全部無視してるじゃないですか部下が。
勿体ない事してるじゃないですか。
貴方が我々を利用したいのに部下がそれを邪魔してましたわよ?
勿体ない事をしてる事を咎めなさい。聞かなくてもです。
此方も熱気を上げていきましょう。
相手の音楽に合わせて、パラドクス発動。
相手の命奪う、その身を穿つ一撃を。
相手の幻影ごと穿ちましょう。
攻撃後は飛翔で離脱。そして次にと行きましょう。
シテ島を巡る攻防は更に激しくなっていく。革命淫魔達は倒され、残すは首魁ロベスピエールと、その護衛達だ。
だが、ここに来て護衛達もまた、戦線を拓く部隊として展開する。
群と言う特性を持つトループス級の面目躍如であった。
「場の熱で狂ったゾンビ兵共が!」
バイオリンを構え、突撃してくるトループス級淫魔『欲望のバイオリニスト』を切り伏せ、真紅堂・乎乎那(埋火の魔創剣士・g02399)が吼える。
「貴様らの今が思考停止という名の堕落ならば、現状は貴様らにとって相応しい場面だな!!」
面罵と共に放つ悪魔爆弾はトループス級の一角を強襲。吹き飛ばしていく。
先程から何体のトループス級を斬っただろう。何体のトループス級を吹き飛ばしただろう。
だが、それでも欲望のバイオリニスト達は詰めてくる。ディアボロスを倒せ、と。パリ市民達を守れと、口々に雄叫びを上げ、ディアボロスへ肉薄。旋律や直接打撃でその肉体を梳っていく。
そのうんざりするぐらいの死兵っぷりに、乎乎那は表情を歪め、舌打ちする。
「同志と呼ぶ仲間を捨て駒にし、強行突破ってのが……最高に気に食わないんだが?」
「我らを! 1793年を滅ぼす貴様らがそれを言うか!」
彼女の呟きを聞いたのか。バイオリニストの一体が唾を飛ばしながら抗議する。ロベスピエールの側近だけあって、思考は先に戦っていた武装淫魔達よりかは早いようだ。
「黙って死ね。それが貴様らのお気に入りらしいな! 流石は簒奪者! 流石は薄汚い悪魔! 鬼畜生共め!」
皮肉も首魁譲りか。
奏でる音は乎乎那を侵し、その脳を灼いていく。両目両耳、そして鼻孔と口腔。顔の穴という穴全てから零れる赤い鮮血が、彼女のダメージを物語っていた。
「此方の約定破りを咎めるなら、そちらは部下の統制しっかりしてください!」
悲鳴の様な台詞は白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が零す物であった。竜を象る闘気と共に刺突を繰り出す彼女を庇い、乎乎那もまた、是と頷く。その都度、ぽたりと零れた血が地面を、彼女の衣服を濡らし、汚していた。
「貴方個人の付け届けとか思いとか全部無視してるじゃないですか部下が。勿体ない事してるじゃないですか!」
「……いやぁ、多分、咎めていたし、それが制せ無かったからの今だとは思うよぅ」
今更蛍の言葉を届けたところで、ロベスピエールは一笑に付すだけだろうか。
チェーンソー大剣を振りかざしながら、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が意外に冷静な言葉を口にする。
「ですが……」
「肯定も否定もしないよぅ。色々経緯があって、言い分があって、今があるんだよぅ。ただ、今は……」
旋律を奏でる欲望のバイオリニストを斬り裂くのは、禍々しい紫色の残影だった。弦を持つ利き腕ごと首を落とされ、悲鳴を上げる暇の無いまま、欲望のバイオリニストは即死。その身体だけがどぅっと倒れ行く。
「ま、今は一番差し迫った敵をブッ殺すしかないかぁ!」
血に汚れた少女は凄惨な笑みを浮かべる。朱色に染まった表情は、確かに悪魔と呼ばれるのに相応しいそれであった。
「あなた方に先が無い事は分かっていますか? きっと絶望を感じていることでしょう」
闇を召喚し、敵群を覆ったエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)は静かに宣言する。
「唯一の希望は、私達ディアボロスを撃破して1804年に転移することのみ。ですが、暗闇の中の一筋の光は、それこそが罠であると思いませんでしたか? 人を喰らう淫魔に、人より生まれたディアボロスが復讐する。それが今回の筋書きです」
シテ島の攻略を選んだ事も、ディアボロス達が張った罠だった。
そう強弁する彼女に、しかし、欲望のバイオリニスト達はひるまない。元より、ディアボロス達が幾多の罠を張り巡らせ、革命淫魔達を追い詰めた事を彼らは知っている。否、そう、ロベスピエールに告げられている。
そして叫ぶ。故に叫ぶ。その罠を踏み砕くのは、彼らが抱く意志に外ならなかった。
「貴様らこそ、殺戮に酔い、人々を虐殺する悪魔じゃないか!」
「人より生まれた?! だからなんだ! お前達がこの世界を! 人々を好き勝手する理由にはならない!!」
それは、面罵にも優る激しい叫びだった。
共に奏でた欲望を焦がす音はエレナの脳にも届き、頭蓋の中を無茶苦茶に掻き乱していく。その様、まさしく七孔噴血。乎乎那同様、頭頂から爪先に掛けての毛細血管を破裂させられた彼女は、眼窩、耳孔、鼻孔問わず、ありとあらゆる穴から、血液を零していた。
「いやはや、思い込みとは怖いねぇ」
自身等を聖戦の騎士と思い込んだ欲望のバイオリニスト達に、燐寧は嘆息。丁度、フランス革命の市民軍は、彼らのような思いを抱き、戦場に立っていたのかも知れない。
だが、それを断ずる。それを斬り裂く。彼奴らが聖戦の使徒と化すなら、対する此方は悪鬼になってやろう。その気概を持ってチェーンソー大剣を振り回す。
「あーあ、自動人形のギロチンにやられときゃ、もっと綺麗に死ねたのにねぇ!」
悪役メンタルな台詞を口にし、にやりと笑う。まさしく悪鬼そのもののそれに、しかし、慄く声は無かった。
(「……とは言え、ジリ貧だねぇ」)
勢いで優るトループス級達と、練度で優るディアボロス達。戦いは均衡状態――否、少しだけ、ディアボロス達の方が分が悪いだろうか。
(「そう言えば、この1793年をぶっ壊したら、オベリスクはどこに流れ着くんだろ?」)
折角のエジプトの遺産、もう敵の手には渡って欲しくないと言う思いがある。だが、この戦いの行方にその願いが叶うかどうか、それは燐寧には判らなかった。
まあ、自動人形達の断片の王、ナポレオンは、消すつもりの世界に設置したのだ。ならば、彼奴が回収の方法を知っているのだろう。
「熱気を上げましょう! 貴方達の命を奪います! 貴方の身を穿ちます。貴方達の幻影を打ち払います!」
奮闘する蛍の元へ駆け寄り、共に刃を振るう。
激しくも美しい旋律の中、無骨な機械鋸の音が重なり、響き渡っていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
笛島・他助
連携・アドリブ可
立場、建前、自己暗示で正当化。やれやれだな。なんつーか中間管理職みてぇな苦労を感じるぜ、ロベスピエールさんは。
っと、次来てんな。先ずはそっちからテキトーに片付けるかね。
テキトー幻惑灯を使用し、光を向けて影響受けた2体を文字通り死ぬほどリラックスさせて攻撃を行う。
「座れよ。疲れてるんだろう?」
反撃の旋律は【未来予測】で挙動を見て旋律を奏でようとしたら離れつつ耳を塞いでみたりして、欲望に関しても「秘めてねぇ!俺は敵であっても美女大好き人間!でももう倒したからこの場に居ねぇ以上動きは止まらねぇ!味方の美女は俺を後押しする!」と堂々と欲を宣言して耐え抜く
ったく、良いから休め! 永遠に!
シャルロット・アミ
たとえばの話しは野暮だけれども
同志、ロベスピエール
あなたが作りたかったパリはどんなものだったのかしら
少しだけ、そんなことを考えるのよ
護衛は不要
バイオリンにはバイオリンで対峙しましょう
貴方達の士気を鈍らせるような悲しい曲を奏でて
さあ、おいで暗い雲
心に巣食う不安を表に呼び覚ましておいで
不安よね?
この世界がなくなれば、貴方たちはいなくなる
そんな不安をじわじわあぶり出すように
暗い雲から雨が降る
私の欲望?
ふふ、そうね
バイオリンを弾き続けること
そして、グランダルメを解放すること
貴方たちがいない世界で必ず成し遂げるわ
アドリブ、連携、歓迎です
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
ベーダの心を喪くす程の旋律に対抗して
マリアも心情をのせてパラドクスを展開するよ
此処で刺し違え共に倒れても
世界の滅びは変えられない
けど同士が断片の王になれれば
王が居れば世界も市民も守れる
復讐者だって追い出せる
でも独りでは王に成れない
だから貴方達も命を散らしてはいけない
全てを守るために生きて
そんな仄かな希望を惜別の思いと共に歌いあげ
死兵に弱者の為に生き残れという枷を嵌めるよ
…切望で王になれるなってくれるなら困らなかったのに
そしてベーダは思わずロベスピエールの居る方を見ちゃうかもだよね
きっと他ベーダに紛れてチャンスを伺ってると思うの
お話するためにも
ここで居場所を特定しておきたいなって
アルマース・ハーズィン
口先だけの頭領がやってくれたな。
「ディアボロス側が約定を破っている」だと?
言いがかりをつけるのも大概にして欲しいものだ!
……扇動が得意な相手に感情的になるべきではないな。落ち着いて事にあたるとしよう。
『骸烏』を手に持ち、護衛たちの元に急襲。
相手が行動する間も与えず、【呪刀魔術:黒霧隠刃】を使用する。
黒い霧状の《呪詛》を生み出し隠れ潜み、不意をついた《斬撃》を与えよう。
幻影からの攻撃は、『水鏡』から生成したエネルギー障壁で受け止める。
『水鏡』で受け止めきれない攻撃は、『骸烏』を使って捌いていこう。
「部下共にはとっとと退散願おう。貴様らの指導者に一発叩き込んでやらないと気が済まないからな」
戦場となったシテ島には憤怒が満ち溢れていた。
怒り。怒り。怒り。
言わずもがな。ディアボロス達の力の源は、怒りである。理不尽に大地を、歴史を奪われた最終人類史の人々の怒りが、彼らに力を与えてくれる。彼らに世界すら揺るがす超常能力、パラドクスを行使する能力を与えてくれる。
そして此処にもまた、怒りを行使する者がいた。怒りは黒霧と化し、勢いに乗る欲望のバイオリニスト達を覆っては、不意の刃で斬り裂いていく。
「口先だけの頭領がやってくれたな!」
アルマース・ハーズィン(魔宝の収集者・g04123)の咆哮が、戦場に響き渡った。
「口先だけの頭領……だと?」
彼女の言葉に、しかし、欲望のバイオリニスト達はただ、眉を顰め、悲劇の幻影を織る旋律を紡ぐのみであった。
さすがは護衛兵。自らの主への罵倒は看過出来なかったのだろう。旋律と共に、その口からは次々と反論の言葉が零れていった。
曰く。
「当たり前だろう! 舌先三寸こそ同志ロベスピエールの真骨頂!」
「そして、それしか同志には無いのだ!」
「だが、その手腕を発揮し、ついには我ら革命淫魔達の指導者へと上り詰めた! さすがは同志ロベスピエール!」
「さすがは同志ロベスピエール」
「さすロベ!」
おそらく盛り上げ要員だったのだろう。旋律を紡ぎながらの発言には一切の淀みはなく、彼らが幾十幾多とこの台詞を口にしたことが判る。判ってしまう。
同時に放たれたのは、幻術達による抜刀、そして斬撃だ。それらをエネルギー障壁で、或いは妖刀で受け止めながら、しかし、アルマースは更に吼えた。
「『ディアボロス側が約定を破っている』だと? 言いがかりをつけるのも大概にして欲しいものだ!」
「言いがかりは!」
「お前達がやって来たことだろう!」
ディアボロス側にも言い分があるが、しかし、厳密に言えば、革命淫魔達の認識こそが正しい。約束とは取り交わして初めて有効と成る物。ならば、「パリ市街の人々を隠れて堕落させていた」を理由に殴りかかるのであれば、その保護を約定に盛り込むべきであった。
それが為されていない以上、どう転んでも、約定違反はディアボロス側でしかない。それは事実だ。
(「流石はロベスピエールの側近か」)
減らず口に霹靂しながらも、アルマースは更なる言葉を、更なる斬撃を重ねていく。
「部下共にはとっとと退散願おう。貴様らの指導者に一発叩き込んでやらないと気が済まないからな」
「そうは!」
「させん!」
「いくぞ皆! 悪魔達を駆逐するのだ!」
勢いのみの言葉を口にし、更なる旋律を重ねていく。
その熱狂は、戦場を、そしてアルマースをも飲み込んでいった。
「此処で刺し違え共に倒れても、世界の滅びは変えられない。けど同志が断片の王になれれば、王が居れば世界も市民も守れる。復讐者だって追い出せる」
欲望のバイオリニスト達に囲まれ、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は歌う。
それは、少女が祈り少女が歌う夢物語。世界へ訴えかける甘い絵空事の奉唱パラドクス。
それらを受け、しかし、欲望のバイオリニスト達も止まらない。逆に彼女の闘争心を鈍らせようと、甘い旋律を奏で、彼女の精神を侵していく。
音楽は打つかり合う。共に奏でる音楽は甘く華やかに、しかし、その質はまるで違う物であった。
「でも独りでは王に成れない。だから貴方達も命を散らしてはいけない。全てを守るために生きて」
それは何処か本質を突く歌であった。王は独りではなれない。家臣がいるからの王であれば、部下としての彼らが存在し、王を支える必要がある。その責念は欲望のバイオリニスト達を苛み、彼らに短い呻きを零させた。
だが。
「此処でこの改竄世界史が滅べば、その王も、そして王が愛し守ろうとした民達が無惨な目を強いられる! それを許してはおけない!」
己が気力を振り絞り、何処まで本気か判らない怒号を口にする。
その思いを受け止め、マリアラーラは短い吐息を零した。
それが悲嘆だったのか、それとも哀悼だったのか。それは少女にも判っていなかった。
(「近くにロベスピエールはいないようだね」)
オベリスクへの強行突破のため、他のクロノヴェーダ達に紛れていれば僥倖と思ったが、どうやらそんな事は無いようだ。
(「だったら、上陸地点でふんぞり返っているのかな?」)
或いは、戦況の悪化に目を白黒させ、慌てふためいているのか。
その様子を想起し、思わずクスリと笑ってしまう。
「ディアボロスを殺せ! ディアボロスを駆逐しろ! 我らが世界を! 我らが愛する民を守るのだ!」
「革命を! 革命を起こせ!」
渦巻く熱狂に、歌う少女の姿もまた、囚われては消えていった。
「やれやれ。物事はテキトーが一番なんだがねぇ」
欲望のバイオリニスト達の熱気を肌で感じ、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)が肩を竦める。
(「立場、建前、自己暗示で正当化。やれやれだな。なんつーか中間管理職みてぇな苦労を感じるぜ、ロベスピエールさんは」)
実際、ジェネラル級クロノヴェーダなど、部下と断片の王の間で揺れ動く中間管理職の様な物なのだろう。せめて出世し、最上級の役職――ではなかった、断片の王になりたいと思うのは、縦割り社会ならば仕方ないのか、と思ってしまう。
「あら? それでも真剣に取り組む人を笑ってはいけないわ」
シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)の言葉に、「まあな」と笑う。だが、戦いとは冷静に行う物。熱くなったら負けだ。だが、冷めすぎて、相手の熱気に押されても敗北は必至。その双方を併せ持つ必要がある。即ち、適当こそが、勝利の秘訣だ。
「座れよ。疲れてるんだろう?」
見ているとぼやっとなってしまう奴を欲望のバイオリニスト達に翳し、猛る気持ちを鎮めていく。ここまで憤怒に塗れた敵に対して如何かと思うが、そこは超常能力パラドクスだ。怒りを沈静化させ、むしろ、体力を奪いつつ疲労感を植え付けていく。パタリパタリと都合二名の欲望のバイオリニストが倒れ、そのまま意識を失っていった。
「ねえ。同志、ロベスピエール」
メロディと共に雨雲を召喚するシャルロットは、此処に居ない彼へと呼び掛ける。
耳朶を打つそれに、しかし、欲望のバイオリニスト達は反応しない。彼女達もまた敵と、弦を取り、バイオリンの演奏を武器に襲い掛かってくる。
(「ねえ、同志、ロベスピエール。たとえばの話は野暮だけれども、あなたが作りたかったパリはどんなものだったのかしら」)
人々を堕落させることを除けば、革命淫魔達は芸術と文化を愛する存在だ。少々退廃的な感はあるが、それでも、その精神は戦を求める他のクロノヴェーダに比べ、人間に近い。
とは言え、その相容れない部分がある為、このような戦争に陥った。それもまた、事実だったけれども。
不安と孤独を呼び覚ます雨に打たれ、欲望のバイオリニスト達が震え、次々に悲鳴を上げていく。その様に笑みが零れたのは、彼奴らによって増幅された欲望が、嗜虐心を呼んだため――と言う事にしておこう。
「しぶといなぁ」
何度打ち倒しても、まるで復活するかのように増員するトループス級達に、他助はうんざりした声を口にする。ともあれ、この場に居る美女はシャルロットのみだ。ならば、彼女を補佐することは、彼なりの道理。彼なりの欲望の帰結であった。
「ええ。本当に」
積み重なっていく欲望のバイオリニスト達の死体に、シャルロットもまた、同音の言葉を口にする。
戦いは苦しく、そして、辛い物だ。勢いに優るクロノヴェーダ達と言えど、練度はディアボロス達が上。このままじりじりと押し切り、やがて、押し返すだろう。
それが快進撃とならなかったことだけが、不満と言えば不満だったけれども。
「私達はグランダルメを解放し、クロノヴェーダの居ない世界を成し遂げる。そう誓ったの」
「ま、何事もテキトーにやっておきますよ」
シャルロットの高貴な宣誓を茶化すつもりはない。ただ、それが自身の信念だと他助は呟き、そして、小さな嘆息のみを零していた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【照明】LV1が発生!
【水源】がLV2になった!
【未来予測】がLV3になった!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ダブル】がLV4になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
①を希望
……長かったな。実に
1793年に燈る革命の火……先鋭的な論客、猛る民衆のごとき淫魔達
ここに時代の律動を見た
革命淫魔たち、どこまでも憎めない奴らだ
悪いな、こちらも革命家だ
革命に至る道は、生存への欲求、理不尽の打倒
怒り、嘆き、叫び
ならば両者ぶつけあうのみ
さあ、ロベスピエールへの道を開けてもらおう!
偵察、観察し戦況を把握
狙いを合わせて護衛を削ぎ落す
チェロで奏でるは革命行進曲
史実の英雄――名もなき革命人たちを現出させ戦わせる
勇壮で悲壮な決意の行進曲にのせ
乱れ幻と踊れ
反撃には魔力障壁を張り、忍耐力と意志で打ち破る
自律し、欲望に踊らされぬのも精神の自由
革命とは高潔な理念と強い意志だ
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
……ロベスピエールも苦労人ですね。
そもそも守れるわけが無いとわかってて素行調査をした我らも我らですが。
色々募る想いはありますが、1793年を巡る全てに決着をつけましょう。
『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】し【空中戦】を仕掛けます。
手には蒼き魔力の灯火、機械魔導弓『ACRO』に番え、術式を組みながら引き絞り魔術の矢へと昇華しパラドクスを発動します。
ここまでグランダルメに関わってきて、今更この戦意が鈍る事なんて無いよ。
自身の思いを強く保ち敵の反撃に対抗します。
ボク自身ロベスピエールに思う事はあれど、会話は望まない。
それは仲間達がやってくれるさ。
今はその道を切り開くのみ
「同志エトヴァ! いいや、ディアボロス! 僕らはキミ達を信じて、キミ達と戦えることを喜びに感じていた! なのに!」
「ああ、そうか」
欲望のバイオリニストの一体を幻影の英雄で制しながら、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は頭を振る。彼の少年だけではなかった。敵の勢いは凄まじく、所々でディアボロス達に深い傷痕を遺している。流石は時先案内人にして『精鋭の兵隊』と呼ばれただけはある、と唸ってしまった。
だが、とエトヴァは口にする。彼奴らが革命を叫ぶならば、こちらもまた革命家だ。革命に至る道は生存への欲求、理不尽の打倒、怒り、嘆き、叫び、諸々だ。ならば、両者の意見をぶつけ合い、勝った方を正当とするのみ。
要約すれば『勝った方が正義』なのだ。そう納得して貰いたい、と口の中で呟く。
「ええ。そうです!」
肯定の言葉と共に、英雄の幻影を援護するのは、仲間の一人、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)であった。 機械魔導弓を振るい、欲望のバイオリニスト達を一体一体仕留めていく。いつぞや戦乙女やら女神やらと称された彼女だが、その腕はこの戦いでも健在の様だ。名も無き革命人の幻影に囲まれた彼女は勇ましく、そして神々しくも感じる。
「キミ達が、キミ達が我ら革命淫魔達だけで無く、パリ市民達をも虐げるなんて! 許せない!!」
少年の声は、しかし、無数の銃撃と射撃に消えていく。エトヴァに向けられた憎悪だけが響き、そして、それも何時しか聞こえなくなっていった。
「……もしかして、知り合いでした?」
エトヴァは結構な頻度でこの1793年と言う改竄世界史に関わっている。その事を知るが故の問いかけであった。
ちなみに、関わり頻度と言えば彼女も同等ぐらいだが、それでも、彼の奮闘を知る以上、尋ねざる得なかったのかも知れない。
「……まあ、な」
頭を振り、新たな英雄を召喚するエトヴァ。その表情は是とも否とも形成されていなかった。
(「革命淫魔たち。何処までも憎めない奴らだったが、果たして……」)
それでも彼らを討つと決めた。彼らを倒すと決めた。そこに情が無いと言わない。だが、彼奴らがクロノヴェーダである以上、何処まで行っても敵なのだ。
「革命とは高潔な理念と強い意志だ。そして俺達の意志と革命淫魔達の意志が衝突し、今に至った。それだけだろう?」
強い彼の言葉に、レイは破顔。零れ落ちた笑顔は華のように柔らかで、優しげなものだった。
もしかしたら、それは苦笑だったかもしれないが、それでも微笑は微笑だ。そう言うことにしておこう。
「ええ。色々募る想いはありますが、1793年を巡る全てに決着をつけましょう」
信念と信念。主張と主張。全てをぶつけ合い、そして、この戦場をディアボロス達が征する。
その思いと共に、二人は再び駆け出す。窮地に陥る仲間を救うため、そして、敵の首魁の喉元に刃を突きつけるため。
それが、彼らの手足を動かす原動力であった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
①の会話希望
成程、これがロベスピエールの本領
彼が断片の王となれば、確かに厄介な相手となるでしょう
しかしそれは叶わぬ夢です
復讐者と侵略者は闘う運命
それは当初より互いに了承していた筈
その刻が今、というだけのこと
宙に展開した鍵盤で「月虹」を演奏
月の化身を喚び、攻撃を指揮
精鋭が相手に突出は避け
仲間と攻撃を揃え、各個撃破
体力の低い者、怒りに逸って突出した者を優先して狙います
仲間と声を掛け合って冷静に対処を
反撃には魔力障壁を展開
演奏で遅れを取る訳にはいきません
演奏に集中し、負傷はグロリアスで回復し継戦
私の欲望など知れた事
故郷たるパリ奪還以上にありえる筈も無く
貴方たちを倒し、必ず成し遂げます
一ノ瀬・綾音
・①希望
どうして…どうしてそこまで綾音ちゃん達を憎めるんだ。
確かに手を出したのは綾音ちゃん達だろう…同志達を殺した仲間たちを止められなかったのは認める…
それでも…あの時綾音ちゃんも必死に謝ったし、みんなも一時期は納得しただろうに。
…チェス盤をひっくり返せば綾音ちゃん達の要求は確かに理不尽だったかもしれないし私利私欲に塗れていたかもしれない。
でも、やり方はきっとあったはずなんだ…それを一緒に探したかった。
ああ、そうだ、みんなと一緒に考えて一緒に歩みたかったというのが綾音ちゃんの「欲望」。
でも、君達がもう聞く耳もないなら仕方ない…【綺羅星の星光】でなるべく痛みもなくみんなのもとに送ってあげるから…
「うう。どうして……どうして……そこまで綾音ちゃん達を憎めるんだ」
涙と嗚咽と悲壮。それが今の一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)の全てであった。
(「確かに手を出したのは綾音ちゃん達だろう……同志達を殺した仲間たちを止められなかったのは認める……。それでも……あの時綾音ちゃんも必死に謝ったし、みんなも一時期は納得しただろうに」)
パリ市街掌握作戦の件はパリ大学で手打ちにした筈だ。だが、革命淫魔達はその裏で憎悪を燻らせていたようだ。そしてオベリスク調査、革命淫魔素行調査を経て、不満を破裂させるに至った。それが、此度の戦いの切欠だった。
「事実は事実としても、それを此処まで昇華するのは、流石の手腕、と言わざる得ないですね」
月の調べで欲望のバイオリニスト達を打ち倒しながら、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は頭を振る。
厳密に言えば、扇動者ロベスピエールと、ノリと勢いの革命淫魔達の相性が良く、その生き様が噛み合ったお陰だろう。部下を知り、やる気にさせる事が出来るのが将としての適正であるならば、その点に於いてだけ、確かにロベスピエールは万夫不当の将と成り得た。
――だが、それも叶わぬ夢。彼が断片の王になることはない。その夢は、ここで、ソレイユ達が潰えさせるのだから。
「そう。復讐者と侵略者は闘う運命。それは当初より互いに了承していた筈。その刻が今、というだけのこと」
誰かが言っていた。遅かれ早かれそうなっただろう、と。
ならば、今、全てを精算する事もまた、必然と言えば必然であった。
「ですよね? 綾音」
涙で顔を曇らせる仲間に問う。光を放ち、欲望のバイオリニスト達を蹂躙する彼女は、それでも泣いていた。縋るように、悼むように、ただ、ただ、己を掻き抱きながら、パラドクスを紡いでいた。
(「やり方はきっとあったはずなんだ……それを一緒に探したかった」)
少女の思いは美しい。敵であろうとも最適な道を探したい。その欲求は賞賛するべき事だ。
だが、それを潰したのもまた、ディアボロス達で、それが何故為されたかと言えば、時代背景だった、としか言えなかった。ディアボロスとクロノヴェーダは相容れない。それはソレイユの言葉の通りであった。
「音楽家として、演奏で後れを取るわけに行きません。さあ、戦いましょう。貴方達がどの様な欲望を増幅しようと、私は負けませんよ」
欲望のバイオリニスト達の音を受け、それでもソレイユの演奏は止まらない。
月光の調べは彼の背を押し、敵を焼いていく。光から逃れようと身動ぎする物を、容赦なく叩きのめしていく。
思いはただ一つ。故郷たるパリの奪還だ。たとえこの1793年が奪われた土地でなくても、この思いは変わらない。この改竄世界史が存在する限り、正しい歴史が戻らないのは厳然たる事実なのだから。
「ああ、そうだ! みんなと一緒に考えて一緒に歩みたかった!」
少女は欲望を叫び、極光を呼ぶ。全てを飲み込む光に穿たれ、欲望のバイオリニスト達の悲鳴が響き渡っていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】がLV3になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダブル】がLV5になった!
音羽・華楠
……舐めてたわけじゃないんですけどね。
想像以上に厄介な相手です、ロベスピエール。
ならば……こちらも一層本気になりましょう!
種族特徴が消え、黒髪黒瞳のネメシス形態へ。
《雷幻想・群雄》発動。
分身たちを生み出し、本体たる私自身も加わって、欲望のバイオリニストたちへ波状攻撃を仕掛けます。
分身たちは基本、私自身と同じくらいの速度で動かしますが、敵が慣れてきた頃合いで雷速まで加速させ、それまでとの速度差によって翻弄、戦況を有利に傾けたく。
敵の反撃は――
……ずっと、一年以上、革命淫魔共を殲滅したい衝動に耐えてきたんです。
それがやっと報われるのに……その程度のパラドクスで闘争心が揺らぐかぁっ!!
①実行希望。
呉守・晶
アドリブ歓迎
けほっ……いや、悪い。見誤ってたぜ
革命淫魔が本来烏合の衆なのは、きっとその通りなんだろうな
その烏合の衆を此処まで熱狂させるとは、ロベスピエールの評価を改めないといけねぇな
あぁ、断片の王を目指すに足る器だし、1804年に移動させて自動人形配下に絶対にさせるわけにはいかねぇ強敵だ!
だから、改めて宣言するぞ。お前ら革命淫魔は今日此処で終わらせる!
敵に囲まれたりしないよう、舞うように激しく動き続けて魔晶剣アークイーターで攻撃していくぜ
【未来予測】で2秒先を見て、包囲されたり捕まったりしないよう動き回るぞ
っ!そんな演奏で俺らディアボロスからクロノヴェーダへの怒りと復讐心を抑えられると思うな!
無堂・理央
特殊能力ではなく、弁舌だけで死兵を生み出すとは流石はロベスピエールと称えるべきかな?
その死兵達、全力で討ち破る!
引き続き無双馬『クロフサ』に騎乗して妖刀を引き抜き構える。
敵が恨み辛みを募らせているなら、こちらも無念と怒りを用いて戦うまで!
敵を十分に引き付けたら妖刀一閃!敵を一気に薙ぎ払う!
まぁ、自動人形達に向かうはずだった無念と怒りもあるだろうけど、遠慮なく受け取りなよ!
ボク等から見たら淫魔も自動人形も等しく敵になる存在だしね!
敵が死兵である以上は中途半端にロベスピエールとの直接戦闘に温存とかは考えない方が良いね。
護衛を倒し切ったら力尽きても構わない、それ位の心構えで全力を出し切る!
(「決して舐めていた訳では無いのですけどね」)
多数の欲望のバイオリニスト達に囲まれ、精神を穿つ旋律を向けられながら、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は荒い息を吐く。
もう何体の革命淫魔達を倒しただろうか。武装淫魔達の波が終わったと思えば、次は欲望のバイオリニスト達による猛攻だ。彼らの放つパラドクスは、息つく暇無く少女を苛んでいる。絡め取る音は彼女の精神のみで無く、身体そのものを物理的に縛り付けるが如し、であった。
「市民を守れ! 市民を殺させるな! 悪魔を殺せ!」
その台詞も何度聞いたことだろうか。ウンザリする叫声に、思わず顔を顰めてしまう。この熱狂を舌先三寸だけで行ったとするならば、ロベスピエールと言うジェネラル級淫魔は、とても厄介な存在だ、と認識を改めるほか無かった。
バイオリニスト達の声が、弦が、楽器が華楠に雪崩れ込んでくる。雷撃を乗り越えたそれは、幼さの残る彼女に達し、そして、それらを斬り裂き、蹂躙していく――。
その刹那であった。
「けほっ……いや、悪い。見誤ってたぜ」
横合いから殴りつけられ、華楠に群がる革命淫魔達は吹き飛んでいった。
それを為したのは呉守・晶(TSデーモン・g04119)と彼女が抱く魔晶剣アークイーター。舞うような一撃は、揺れ動く軌跡を残し、次々と欲望のバイオリニスト達を打ち倒していく。残る軌跡は彼女が彼女たる物と主張する胸部の押し上げであった。
「特殊能力ではなく、弁舌だけで死兵を生み出すとは流石はロベスピエールと称えるべきかな? もっとも――」
揺れる晶の横を駆け抜けるのは、無双馬『クロフサ』、そしてそれに騎乗する無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)だ。逆襲の刃は黒き一閃と化し、欲望のバイオリニスト達を薙いでいく。
その中で理央は吼えた。それは戦況を覆す咆哮であった。
「その死兵達、全力で討ち破る!」
二人に重なる旋律すら吹き飛ばすような砲声は、欲望のバイオリニストの耳朶どころか、心までも打つ。刹那に紡がれた恐怖は、しかし、次の瞬間、怒濤の憤怒に塗り替えられ、染め上げられていた。
「っ! そんな演奏で俺らディアボロスからクロノヴェーダへの怒りと復讐心を抑えられると思うな!」
自身を絡め取る旋律に、晶は吼え、魔晶剣を振るう。その都度、無意識な揺れが欲望のバイオリニスト達へ飛び込むが、しかし、怒りに染まる彼らはそれを無視。むしろ、クーパー靱帯やら何やらは大丈夫か、と端から見ている理央が少しだけ心配になってしまう。
(「おっと、そんな事を考えている場合じゃ無いね」)
クロフサを狩り、妖刀を振るう。何せ敵はディアボロス達を憎悪し、この戦いを聖戦と位置づけられた狂信者達だ。彼らの抱く怒りや無念は本来、自動人形達に向けられる物だったかもしれないが、それら全てがディアボロス達に向けられている今、それを受け止めるしか無い。
(「ボク等から見たら淫魔も自動人形も等しく敵になる存在だしね!」)
それが道理。それが答えだ。
「此処で力尽きても構わない! キミ達全てを倒す! それが今のボクの誓いだ!」
その怒りを受けてみよ、と手綱を握る。全てを倒す為に力を出し切ると、パラドクスを繰る。その思いは理央だけでは無い。舞うような剣技を披露する晶も、そして別途の怒りに染まる華楠もまた、同じであった。
「……ずっと、一年以上、革命淫魔共を殲滅したい衝動に耐えてきたんです。それがやっと報われるのに……その程度のパラドクスで闘争心が揺らぐかぁっ!!」
「その嫌悪で、その憎悪で、我らが愛する市民までも殺すと言うのか! 悪魔共め!」
欲望のバイオリニストの叫びに、理央はたははと笑うしか無かった。
(「そうだね。これは奪還戦ではなくて、1793年を消す戦いだ。だから、決着が付けばおそらく、この世界のパリ市民は――」)
その先を考えないと、頭を振る。
もはや賽は投げられ、戦いは山場に差し掛かりつつある。革命淫魔達が勢いを消せないと同様、ディアボロス達も止まることは無い。
覚悟を決めた少女達の雄叫びが、パラドクスが、戦場に木霊していった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
ラズロル・ロンド
①希望
扇動がお上手なようで…だが!
僕等が命を吸い取る?勘違いも甚だしいな
一緒にするな!歴史の簒奪者クロノヴェーダ
奪還こそ僕等の復讐
その前に虐げられてなるものか
玩具にされてなるものか
消滅の先に本来の未来が人々にはある
光となって消えた一般人は…正しい歴史に戻ったと僕は仮説しよう
エネルギーとして奪われる前に奪い返す
この復讐心、容易く折れはしないぞ
時空の藻屑に消えるのはお前達だけだ
可能性は可能性のままに、滅びろ簒奪者ども
オベリスクへは行かせないで出入口で【防衛ライン】を敷き
拳銃の回転からのグリップ強打で攻撃
反撃の幻影も魔障壁でいなし打ち砕く
攻撃後は離脱し次に繋げ
バイオリニストを殲滅していく
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
貴方達と同じように、私達にも譲れないものはあるのです。
考え方に違いはあれ、根底にあるパリ市民達への想いは同じ。
ならば後は、どちらが正しいか、想いをぶつけ合うのみです。
戦闘方針は『極光の波動』での射撃戦。
精霊達やユリウスと歌を紡いで波動を放ちます。
吹き飛ばして護衛を引き剥がせれば良しですが、欲張りは厳禁、弱った敵から確実に止めを刺します。
敵の演奏は欲望に働きかけるようですが、今私にあるのは、このパリを解放する想いのみ。
惑わされて止まる程、軽い想いではありません。私も歌に想いを込めて対抗します。
さて、お膳立ては整えました。
最後に、思いの丈をぶつけ合いませんか、ロベスピエール卿。
そして。
方々でディアボロス達が革命淫魔達を押し返す戦場の中、その敵陣深くまで切り込んだ影があった。
ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)。そして、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)。
十数を超える革命淫魔達に取り付かれながら、しかし、二人はシテ島の川岸へと乗り込んで行った。
自身らを阻むのは、十を超える欲望のバイオリニスト達。だが、その先に、首魁ロベスピエールの姿があった。ここまで踏破した二人に向ける表情は何処か感心を、そして何処か安らぎすら覚えるほどの微笑の様にも思えた。
「扇動がお上手なようで……だが!」
ラズロルは一呼吸置き、言葉を断ずる。それこそが彼らの信念。復讐者達の戦う理由だ。
「僕等が命を吸い取る? 勘違いも甚だしいな! 一緒にするな! 歴史の簒奪者クロノヴェーダ!!」
どんなに詭弁を弄そうとも、どんなに正論を吐こうとも、変わらない事実がある。それはラズロル達が歴史を奪われ、戦いを決意したディアボロスであり、そして、対峙するロベスピエールが歴史侵略者――クロノヴェーダであると言う事だ。
「奪還こそ僕等の復讐。その前に虐げられてなるものか! 玩具にされてなるものか!」
「今、私達にあるのは、このパリを解放する想いのみ。貴方達と同じように、私達にも譲れないものがあるのです!」
ラズロルとフィーナ、二人の言葉に、しかし、ロベスピエールは。
「……成る程。納得した」
にぃっと笑う。
その破顔は何処か、安堵の意を紡いでいた。
「同志ラズロル。同志フィーナ。お前達の目的は歴史、そしてパリの街の奪還か。成る程。色々読めないお前達であったが――その思考はただの人だったのだな」
得心の呟きは、二人の発言を軽んじている訳でも無く、ただ、「そうか」とだけ、紡がれていた。見えない物、判らない物への不安。それを抱くのはロベスピエールも同じだったのかもしれない。
故に、ラズロルは更なる言葉を紡いだ。
何故、ロベスピエールが今その表情をするのか。その不安の具現も何処か、彼の心にあったのかもしれない。
「ついでだが、もう一つ断言しておこう! 消滅の先に本来の未来が人々にはある! 光となって消えた一般人は……正しい歴史に戻ったと僕は仮説しよう。だから、エネルギーとして奪われる前に奪い返す!」
この復讐心、容易く折れはしない。
そう断ずるラズロルに向けたロベスピエールの笑みは、とても親しげな物だった。
「そうだな。同志ラズロル。お前が言うならそうなのだろうな」
一呼吸。それだけを置き、次の言葉を口にした。
「お前の中ではな!」
「――?!」
「徳なき恐怖はおぞましい! それは貴様らのことだ、同志ディアボロス!」
壇上で糾弾するが如く、ロベスピエールはびしりとラズロルを指差し、咆哮する。
「今のお前に言いたいことは一つだけだ! ならばその消滅を全てのパリ市民に説いて見せろ。音に聞く獣神王朝エジプトは復活の奇蹟を以て、死者の蘇りを示し、信者達の支持を得た。お前達も同様のことが出来るのか? 『お前達は死ぬ。死の苦しみを味わう。だが、復活するから安心しろ』。今からでもその言葉を一人一人に投げ掛け、説得してこい!」
生き返るから死の苦しみを味わえ。
端的に言えばそう言う事だ。
エンネアド、改竄世界史獣神王朝エジプトの神々はそれを信仰で抑え、否、むしろ信仰の餌とした。同じ事をお前達がするのか。そうロベスピエールは語っていた。
「それでも、私達は――」
フィーナの言葉はしかし、奮闘する欲望のバイオリニスト達の叫び、そして旋律に掻き消されていく。
二人が次の行動を起こすより先に、彼らのパラドクスが炸裂し、二人を始めとしたディアボロス達を押し返して行く。
「同志ロベスピエールにディアボロス達を近付けるな!」
「ロベスピエール同志万歳! 革命、万歳!」
決死の叫びだけが、響き渡り、そして。
「――全てのお膳立ては整えることを約束しましょう。最後に、思いの丈をぶつけ合いませんか、ロベスピエール卿!」
欲望のバイオリニスト達の波に押し返されながら、フィーナが己の想いを叩き付ける。
だが、そこに返答は無い。そして、欲望のバイオリニスト達に押し返される二人に、彼の表情を読み解く暇は与えられていなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】がLV4になった!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
成程
あくまで厳命するであって其れを厳守すると約束してないし淫魔からすれば襲っても快楽を与えただけの事
其れが心身に危害を与えてるという認識がない可能性すらありうるか
其処にロベスピエールの弁論なら此方が裏切った事にもなるか
淫魔との認識の差を甘く見ていたな
何れにしても戦う事には変わりないが、な!
◯飛翔し連携重視で◯空中戦
旋律を◯吹き飛ばしてくような轟音を立て◯雷(使い)の◯誘導弾の◯弾幕展開
其処に本命の◯双翼魔弾を誘導弾に◯看破しにくい様に似せ弾幕に織り混ぜ放つ◯フェイント攻撃で敵を◯撹乱
これは不意打ちの他に此方の通常の誘導弾をパラドクスが混ざってるかもしれないと無視しにくくする布石
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
あちゃ、痛いところ突いてくるね。不可抗力みたいなものだけど
この土壇場で淫魔の意識を変えて強くするだなんて
まあでも、僕ら復讐者だし
それで刃を鈍らせるほど不確かな動機は持ってないんだよ
“魔槍”を手に、傍らの妖精に語り掛けるように
なんにせよ、やることはいつもと変わりなく!
妖精を先行させ、日用品を遠慮なく使って派手に悪戯を行わせて
混沌を提供した敵陣へと一歩が長く、瞬発力に富む独特な走法で
激しく、魅了するように!
槍を振るい豪快に、或いは槍を地に突き立て軸にし集団に蹴りを見舞ったり
反撃に際しては
む~っ、演奏のキレが良くなって……はっ!
フラッとしたところへ妖精に叩かれ正気を取り戻したり
エヴァ・フルトクヴィスト
私達は全てを奪う簒奪者。
そして煽動によって死兵となった革命淫魔。
正直、彼らの今の姿こそ、クロノヴェーダからみた今のディアボロスそのものなのでしょうね。
自分の実力がそこまででは無く、また強さ故に思考が止まらないからこそ。
考え至る力と煽動の能力を持つロベスピエールや、流される淫魔を逃がせばグランダルメ解放が遠ざかる。
確実に討たせて貰います!
防衛ラインを維持して、突出した敵を叩く方針は変わらず。
未来予測や観察から敵の攻撃を看破。
浄化の魔力を身に纏って耐性をアップ。
斬撃を繰り出し、空気ごと吹き飛ばすようにして旋律を届かせないようした中を。
神速反応で飛び出して一気に間合いを詰めて追跡、連撃を行いますよ!
雄雄雄と戦場に雄叫びが迸る。
剣戟が、パラドクスが、そして、悲鳴が木霊しては、様々な音が戦場を覆っていく。
戦場を地獄と言うならば、今、正にシテ島には地獄絵図が描かれていた。
だが、それもゆっくりと終息していく。
――ゆっくりと、ディアボロス達が革命淫魔達を押し返していったのだ。
「成る程。確かにね」
ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は独白する。ディアボロスと革命淫魔。どちらに非が有りどちらに義があるか。襲い来る欲望のバイオリニスト達を魔弾で打ち据えながら、彼は思考を重ねていた。
先の緊急会談で結ばれた約定は、あくまで厳命する、だ。厳守するとは約束していない。おそらく提案者の意図も、そこに在ったのだろう。良きにせよ悪きにせよ、それがこの惨状を引き出した、とも言えそうだったが、其処は割愛することにした。
そして革命淫魔達に取って、ただ堕落――快楽を与えたのみだ。彼らにとって危害は結果論。そもそも危害を与えている認識すらないのかもしれない。
(「あ、いや、それはないか」)
素行調査の結果を読み解けば、為した革命淫魔達は彼らなりに追求されないと思い込んだ方策を取っていた。少なくとも後ろ暗かったのは明白だろう。
「ともあれ、だからこそ、ロベスピエールの弁論を正とするならば、裏切り者は我々、ディアボロス側か」
淫魔との認識の差を甘く見ていたな、との独白に、是と頷く者がいた。
「そうだね。痛いところを突いて来たね」
ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)である。
だが、それも不可抗力みたいな物だ。現に、ロベスピエールはディアボロス達がパリ市民の堕落を嫌っていることを認識していたし、そうはさせじと動いていた。厳命とは言え、ディアボロス達の要求に従ったのも、虎の尾を踏みたくない、と言う想いからだろう。誰かが言っていたが、約束はせずともそれが同盟破綻の切欠になることを彼は知っていた。
(「まあ、流石にそれは隠すだろうけど」)
弁舌のみで淫魔達を奮い立たせたのだから、都合の良い部分しか口にしないだろう。
それも当然と言えば当然。魔槍を振るうロキシアは、むしろその在り方に感心してしまう。
(「なんにせよ、やることはいつもと変わりなく!」)
それで刃を鈍らせるのであれば、そもそもディアボロスなどやっていない。自分は、そして戦場に立つ仲間達は仲間達の信念で戦っている。如何に正論を振りかざそうとも、ディアボロス達を悪魔呼ばわりしようとも、革命淫魔達如きにパラドクスの冴えを鈍らせることは出来ないのだ。
「私達は全てを奪う簒奪者。そして煽動によって死兵となった革命淫魔。正直、彼らの今の姿こそ、クロノヴェーダからみた今のディアボロスそのものなのでしょうね」
静かに呟いたエヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は、身体に駿馬の力を宿し、戦場を駆け巡る。其処に零れた嘆息は、悲嘆とも疲労とも異なる、何処か寂しげな物として響いていた。
改竄世界史の支配を謳歌するクロノヴェーダにとって、それに攻め入るディアボロスは、確かに簒奪者だろう。
まして、全てが奪われることが確定した革命淫魔達が、死力を尽くすのは当然だ。革命淫魔の行く先には勝利の上の生か、敗北し殲滅させられるか。二者択一しか無かったのだ。
そこまで追い詰めたのは誰か。それは問うまでも無い。
だが、と頭を振り、自身の考えを否定する。故に、ここで決着を付けねばならない、と。
(「考え至る力と煽動の能力を持つロベスピエールや、流される淫魔を逃がせばグランダルメ解放が遠ざかる。それも事実です」)
特に弁舌一つで士気を最大限に引き上げるロベスピエールは、将としては脅威だ。グランダルメでは余り見ないが、他の改竄世界史では、『将が愚かな為、アヴァタール級のモチベーションがだだ下がり』状態をよく見る。彼のような人材は、何処の改竄世界史でも垂涎の的であろう。奇しくも、此度の戦いがそれを証明してしまった。危険なジェネラル級として討伐せねば、と強く認識する。
「だけど、それも終わりだ」
その言葉はロキシアからだっただろうか。妖精を伴い、欲望のバイオリニスト達を屠る彼は、やがてその魔槍の技を、己の動きを止める。
彼の周りに革命淫魔の影は無い。全てが絶命し、地へ倒れ伏していた。
「この戦いが信念と信念のぶつかり合いなら、僕達が負ける理由はないからね」
そもそも、革命淫魔達が主張する正義や大義は、全てロベスピエールに吹き込まれた物――言わば、借り物の主張だ。其処に正論はあっても、ディアボロスの根底にある物と比べるまでもない。故に仲間達は革命淫魔達の猛攻を押し返す事が出来ている。
「ロベスピエールの主張がなんであれ、革命淫魔達に取ってのそれは上辺の正義、だものな」
全滅した欲望のバイオリニスト達を見下ろし、ルィツァーリもまた、嘆息する。魔弾を放つ腕と羽根からは漆黒の残滓が零れ、ばちりと火花じみた破砕音を放っては消失していく。
「そう。どの様な物であれ」
おそらくロベスピエールの言葉や指摘は殆ど事実で、だからこそ此処まで革命淫魔達は奮起出来た。
だが、それももはや過去の話。――否、過去の話にしなければならない。
「行きましょう。ロベスピエールを討ち、1793年に終止符を打ちましょう」
その結果、起こる事柄全てを受け止める。
赤い瞳に決意を浮かべ、エヴァは力強い宣言を口にした。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【飛翔】がLV5になった!
【エアライド】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
シテ島川岸。
最終人類史ではヴェール=ギャラン小公園と呼ばれたその場も、今は未だ、その面影は無い。
ジェネラル級淫魔『革命淫魔ロベスピエール』は、川のせせらぎを聞きながら嘆息する。その目が映すのはノートルダム大聖堂。彼らが目指すべき筈の場所であった。
「やあ、遅かったじゃ無いか」
零れたそれは、まるで親しい友を待つかのような台詞だった。
形成された表情はいつも通り人懐っこく、成る程、交渉事に長けた淫魔とは最期までこうなのだな、と頷かざる得ない。
「おめでとうと言っておこう。シテ島を巡る戦いはキミ達の勝利となるだろう」
事実のみを語る口からは、一切の感情が読み取れない。もしも此処が決戦の場ではなく、パリ大学の講堂であっても違和感を覚えることは無いだろう。そんな声色であった。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
武器を収め、声量を落とし
……なあ、同志
貴方ならばわかるのではないかな
手段としての弁舌も策謀も、理念なくしては成らない
淫魔の王を目指した貴殿のそれも
真に革命家のものであったろう
背負うものは重かったかい
手段でも、良い弁舌には真実が紛れているものだ
相手が貴方であればこそ
言葉は戦いであった
願いでもあった
心にもない上辺だけでは人も侵略者も決して動くまい
見事であった
孤独な戦いを讃える
会談の折、本音の先に両者重なるものが見えるかと感じた
同志というより同類か
ロベスピエール、貴方に尋ねたい
1793年、淫魔の支配する
ナポレオンに簒奪された改竄世界史の名は?
なければ、貴方が名付けるならを
返答の有無によらず
心得た、と
音羽・華楠
……ロベスピエールは、本心の読めない私たち復讐者を、実はかなり恐れてたんでしょうね。
だから、私たちの本心が少し解った瞬間、あんなに嬉しそうだった……。
なら、彼の本音を引き出すには、こちらも本音を晒すべきでしょう――
――初めてパリ大学に赴き、革命淫魔と同盟を結んだあの日、私はあなたに負けたと思いました、ロベスピエール。
終始あなたの掌の上で踊らされた、と。
……悔しかったです。
だから、表面的には同志と呼びながら、胸中ではずっと敵意を燃やしてました。
そんな私からあなたへの、たった一つの質問――答えてもらえませんか?
――あなたは私たち復讐者と同盟したことを、後悔してますか?
それだけは絶対、聞きたかった。
一里塚・燐寧
いやー、きみも中々苦労してたんだねぇ
刃を交えてるだけで、淫魔の制御の効かなさが何となくわかったよぉ
……も~ちょい早く気付いて、こっちでも動けりゃあ良かったんだけど
さーて、勝つにしろ負けて死ぬにしろ、最後だからさ
ひとつばっかし聞いときたいことがあるの
それは……「淫魔が元々いたディヴィジョン」のこと
名前とか、パリ以外の領土がどこかとか、面白い出来事とかさ
あーそーいえば、ディヴィジョン名って誰が決めてるんだろ、断片の王自身?
もしかしたら、自動人形に負けた時に忘れちゃったかもだけど
出来る範囲で教えてほしいな
もしここできみが負ければ、淫魔ディヴィジョンの歴史は全部消える
……語り継ぐ人が必要だと思わない?
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
何事も上手く行かないものだよ、ロベスピエール
僕たちも仲間と意思を統一出来ず悔しい思いをしたことはある
それでも後悔しないよう瞬間瞬間を必死に生きてきたつもり
きみだってそうでしょ
パリ大学のパーティー、楽しかったよ
好きな子とダンスに興じた日は掛け替えのない思い出になった
本質的には相容れないとしても
何れは刃を交えるとしても
無駄ではなかった。そう思えた
そういえば。王やディヴィジョンを失った種族って色々忘れちゃうのかな?
最初は七曜の戦のこと話してたのに、
次に会った時は何のことやらみたいに言われた種族が居て
んー?ってなったからね
きみにも記憶の欠落とかあるんじゃないかって、気になったんだ
マタ・クリスタニカ
・「…まぁ、なんだ。私は自身の事を、まるで剣にしか取り柄のない、なんとも不器用な男だと自負していたのだが。…もしかして、君も案外不器用なのかね、革命卿、ロベスピエール。」
・「いや、それとも。逆だな?私ならともかく、貴殿に考え無しではあるまい。となれば、このような状況にならざるを得なかった何かがある。」
・「…なぁ、ロビスピエール卿。淫魔は皆自身の欲を我慢出来ずに、破滅への旅路を歩んだ。しかし貴殿は違う。貴殿はいつだって、他の淫魔の欲を、感情を呷りこそすれ、しかして卿の欲のままに動けたとは思えぬ。」
・「…何があった。何を想った。…悪いが、貴殿ほどの男だ。何も残さず消えるには、惜しいと思ってね。」
「まあ、なんだ。そう言う事だ」
嘆息と共に歩み出たマタ・クリスタニカ(幻奏にして現創の剣・g04728)は、ばつが悪そうに言葉を紡ぐ。
革命淫魔達は全滅した。それをディアボロス達が為した。後は革命淫魔達の首魁であるロベスピエールを残すのみ。それが現状であった。
「話をしたい、と同志が言っていたな。戯れを、と思っていたが……まあ、好きにしたまえ。晩餐の準備は無く、葡萄酒は疎かお茶すら出せないが、な」
襟を正し、フランス貴族然とロベスピエールが口にする。流石のクロノヴェーダも、無から有を作り出すことは出来ない様だ。そう言えば宴会の準備にパリ市民から無茶な接収をしていたな、とマタは益体の無い事を想起していた。
「そうだな。何処から語るべきかと思ったが、……まぁ、なんだ。私は自身の事を、まるで剣にしか取り柄のない、なんとも不器用な男だと自負していたのだが、もしかして、君も案外不器用なのかね、革命卿、ロベスピエール」
「否、と言いたい処だがね」
尊大な言葉は、しかし即座に翳りを落とす。そして零れたのは嘆息だった。
「ここまで大敗を喫したのだ。不器用と言われても致し方ないな」
「なあ、ロベスピエール卿」
自嘲気味の言葉にマタは問う。それが彼の質問でもあった。
「淫魔は皆、自身の欲を我慢出来ずに、破滅への旅路を歩んだ。しかし貴殿は違う。貴殿はいつだって、他の淫魔の欲を、感情を呷りこそすれ、しかして卿の欲のままに動けたとは思えぬ。……何があった? 卿は何を想った?」
「…………」
返ってきたのは、沈黙だった。
(「どうした?」)
内心で問う彼の声が聞こえたわけではないだろう。ロベスピエールはガリガリと己の頭を掻くと、再び言葉を口にする。
「お前達は不思議だ。時々愚者の如き行動をすることもあれば、賢人な弁も口にする。的確過ぎる煽りの言葉に、愚痴の一つでも吐いてしまいそうだ」
「私は只の剣だ。それ以上でもそれ以下でも無いよ、革命卿」
「それこそが私の欲した物かも知れないな。同志マタよ」
零れたのは再度の嘆息。そして更なる言葉であった。
「私はな、同志達の支持を失う訳に行かなかったのだよ」
語りたい。ともあれ、マタの言葉は、彼にそんな気概を与えること成功したようだ。
「淫魔大樹が自動人形に奪われた際、私に次の断片の王になる資格がある事を知った。その道筋が見えたのだ」
「それが、革命淫魔達の支持を失わない、との話か?」
小さな問いに、ロベスピエールは是と頷く。
「断片の王になる為にはいくつかの条件がある。その重要な条件の一つが『配下の淫魔達の心からの支持』であり、それを得る為に苦心してきた。同志の言う欲は、断片の王を目指すに当たり、全て封じる他無かったさ」
苦々しい表情に、マタは苦笑する。それに彼がどれ程心を砕いていたのか。その事は聞き及んでいた。
「そーか。そーか。いやー、きみも中々苦労してたんだねぇ」
そんな二人に投げ掛けられたのは、別方向からの台詞であった。場違いなほど快活な言葉は、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が放つ物であった。
「刃を交えてるだけで、淫魔の制御の効かなさが何となくわかったよぉ。ジェネラル級の癖にトループス級もアヴァタール級も抑えられないのは何で? と思ったけどぉ……成る程。心からの支持が必要だったんだねぇ。確かに、ジェネラル級の命令を聞きつつ面従腹背なんて、よく聞く話だよぅ」
「まあ、そう言う事だ」
燐寧の言葉を労いと取ったのだろう。浮かび上がったそれは弱々しくも破顔で、此処に至る迄の殺伐とした経緯すら忘れたとも言いたげな表情であった。
「さーて、勝つにしろ負けて死ぬにしろ、最後だからさ。ひとつばっかし聞いときたいことがあるの。淫魔が元々いたディヴィジョンってどういう場所だったのぉ? あーそーいえば、ディヴィジョン名って誰が決めてるんだろ、断片の王自身?」
「一つでは無かったのかね。同志燐寧よ」
浮かぶそれは苦笑。先程まで殺し合いをしていた勢力同士とは思えない程、緩やかな攻防だった。
「もはや無い歴史に目を向けても仕方ないと思うがね。どの様な場所だったかは、お前達が見てきた通りだ。この1793年はオベリスクによって繋がれた可能性の世界。芸術と文化を愛した我ら淫魔が支配し、人々が堕落を紡ぐ世界を恐ろしいまでに忠実に模していた」
だが、それも自動人形に侵略され、様々な物が奪われた。そして今、残された全てをディアボロスに奪われようとしている。皮肉な物だ、と笑わざる得なかった。
「正式なディヴィジョンとして成立しなかった場所に語るべき名は無い。そもそもディヴィジョンの名は……誰が付けているのだろうな。お前達では無いのか?」
「あー、どうなんだろうねぇ?」
その指摘に燐寧はむむむと唸る。多くのディアボロスが見る予兆の中、改竄世界史の名を名乗ったクロノヴェーダ達もいた。いつの間にかディアボロス達がその名を理解した世界もあった。全て言語能力理解によるものだろうか。
もしかしたらそれこそがロベスピエールの言う『道筋が見えた』――即ち、天啓なのかもしれない。確証は無いが、そんな気がした。
「ねえ。ロベスピエール。僕からはキミに感謝を伝えたい」
横合いからの声に振り向けば、そこにはゴシックロリータな服装に身を包んだ少女――否、少年だろうか? 身構える間もなく、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は、更なる言葉でロベスピエールを追撃していった。
「パリ大学のパーティー、楽しかったよ。好きな子とダンスに興じた日は掛け替えのない思い出になった。本質的には相容れないとしても、何れは刃を交えるとしても、無駄ではなかった。そう思えた」
紡ぐ言葉に、そうか、と頷くしか無い。革命淫魔達の矜持に掛け、ディアボロス達を楽しませると宣言した。宣誓した。堕落し、骨抜きにする目的は達せられなかったが、ともあれ、その言葉に自尊心が擽られるのは事実。故に彼の破顔は、面映ゆそうな表情へと転じていった。
「何事も上手く行かない物だよ。ロベスピエール。僕達だって、仲間との意思を統一出来ず、悔しい思いをしてきたことはある。それでも後悔しないように瞬間瞬間を必死に生きてきた。キミだってそうでしょ?」
微笑を向けられ、ロベスピエールはむぅと呻く。その表情に何となくの報われを感じるのは、ロキシアの願望だろうか。
「ついでに聞いておきたいんだけど、ディヴィジョンを失陥した種族って色々忘れちゃうのかな?」
「どういうことだ?」
ロキシアの言葉に、ロベスピエールが紡いだ表情は純粋な疑問だった。
「とある種族の話だよ。最初は七曜の戦のことを話していたのに、次に会ったときは何のことやら? と言われた事がある。ディヴィジョンを失えば記憶の欠落やら改竄があるのか、と思ってね」
「ふむ。興味深いな。どうだ。同志ロキシアよ。しばし時間をくれれば、私がその種族の真意を探ってきても良いぞ? これでも交渉事は得意だと自負しているからな」
「いや、今、売り込まれても……」
おそらく此処で問う話でも無かったのだろう。返ってきた冗談は、彼なりの誠意なのか。それとも本心からの言葉なのか。それはロキシアには判らなかった。
(「この人ならちゃっかり、全部纏めてくれそうな気がするけども」)
だが、それを担わせることは無い。その事を一番知っているのは、ロベスピエール本人だろうに、と内心だけで苦笑してしまう。
「ロベスピエール!」
和み始めた空気を音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の一喝が斬り裂いた。名を呼ばれたロベスピエールは、その声に反応し、胡乱げな視線を彼女へと向ける。
泥に汚れ血に塗れ煤に侵され。纏う東洋の衣服がボロボロなのは、華楠が激戦を潜り抜けてきた証左であった。それを引き出したのが誰かと問われれば、元凶は一人しかいない。その主が思わず白絹のハンカチを取り出していたのは、女性を立てるフランス貴族であるが故だろうか。
「初めてパリ大学に赴き、革命淫魔と同盟を結んだあの日、私は貴方に負けたと思いました、ロベスピエール。終始貴方の掌の上で踊らされた、と」
「そうか」
突如の宣言に、浮かぶ表情は困惑のみであった。
その表情のまま、ともあれと華楠にハンカチを押しつける。
受け取ったハンカチは、ふわりと良い匂いがした。ごしごしと己の頬を拭った華楠は、そのまま睨眼をロベスピエールへ叩き付ける。白布だけが、所在なさげに掌の中で揺れていた。
「悔しかったです。だから、表面的には同志と呼びながら、胸中ではずっと敵意を燃やしてました」
「同志華楠がそう思うならば、まあ、そうなのだろうな」
彼の言動を考えれば、ディアボロス達を利用するつもりでパリ大学へと招集した事は事実だ。最終的にはそのディアボロス処か、仲間の革命淫魔すらも掌からは零れ落ちて行く結果となったが、しかし、そう評されれば悪い気はしない。そう表情に書いていた。
「だから一つだけ。貴方へのたった一つの質問を答えて貰えませんか? ――貴方は私たち復讐者と同盟したことを、後悔してますか?」
「当然な事を聞くな。同志華楠よ。それは今も変わらない」
微苦笑の台詞に、しかし、華楠は叫ぶ。
ロベスピエールの返答は『当然だ』のみ。華楠の言葉には実質、何も答えていなかった。
「ここに来て言葉を濁さないで下さい!」
「……むむ」
感情的な言葉に、再び唸る。
「そうだな。女性を泣かせるのは本意では無い。だが、同志華楠の問いに私は是も否も応えられぬよ。後悔はある。同志達と同盟を結ばねば、この結末はあり得なかった。私が断片の王となり、革命淫魔達が攻勢に転じる未来もあった筈だ」
それがどんなにか細く、奇跡に縋った道筋だとしても、可能性を語るだけならば自由だ。だから、とロベスピエールは言う。その未来はあったのだ、と。
「だが、同時に同志ディアボロス達が居なければ、ここまでの快進撃もなかった。その意味では後悔はない、と言えるな」
「どっち、とは断言してくれないのですね」
狡いです。零れた心情にロベスピエールは頭を振る。
「男は狡い生き物なのだよ。マダム」
神妙なロベスピエールの台詞に、マタは渋い顔で頷き、燐寧とロキシアが「まぁ、そうだね」と視線を交わしていた。
「さて。同志よ。何時までも談笑を続けているわけに行かない」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の言葉に、ああ、とロベスピエールは頷く。そこには覚悟を決めたような、或いは呆れのような、そんな複雑な表情が浮かんでいた。
「どうした、同志よ? 『またお前か』みたいな表情は、流石の俺でも傷付くぞ?」
「それ以外言いようがないだろう。同志エトヴァよ」
皮肉たっぷりの台詞は、ロベスピエールが故、なのだろうか。
「そうだな。だが、こういう場面では同志エトヴァ、お前になるのだろうな。先程同志マタにも言ったが……おそらく、お前達は適切に空気を読むのが上手いのだろう。或いは、情勢を見抜く慧眼がある、と言うべきか」
それが己にも備わっていればな、との自虐の文句にエトヴァは苦笑する。
「俺はお前を同志――いや、同類だと思っているよ」
手段としての弁舌も策謀も、理念なくしては成らない。淫魔の王を目指したロベスピエールが振るったそれも、真に革命家であるが故。
一種の賞賛とも取れる発言に、再びロベスピエールは呻く。こそばゆい、とその表情は語っていた。
「だから俺は貴方に問おう。俺達は貴方の夢を滅ぼす。灰燼に帰す。だから最後に貴方の夢を聞こう。同志ロベスピエール。もしも貴方が断片の王となり、改竄世界史を生み出したなら、そこに何と名付けた?」
「お前達は本当に強欲で残酷だな」
食餌を奪い、娯楽を奪い、同志を奪い、民を奪い、そして、夢すら奪う。
「それでこそ我らが同志よ。薄汚く、欲深く、己の欲に従う様は、我らと同類だ。ディアボロス。――己を悪魔と称する者達よ」
そして小さく、言葉を繋げる。
そうさな。名付けるとするならば、『淫魔革命パリコミューン』とでもなっただろうか。
それが終わりを告げる言葉だった。
「心得た」
返答は短く。それだけをエトヴァは紡ぎ、己の得物を手に握る。
武器を構えるのは彼だけでは無かった。細剣が抜かれ、機械鋸が駆動し、魔槍が、呪符が引き抜かれていく。
語らいの時間は今、終わりを告げていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV4になった!
【防衛ライン】がLV6になった!
【飛翔】がLV6になった!
【避難勧告】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダブル】がLV6になった!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
話は終わった様だな
ならば後は戦うのみか
思う所がないとは言わんが最早過ぎた事だしな
しかし、流石は断片の王になり得た器
ならば俺も全力で相対するのみだ!
ロベスピエール、俺達が求める未来の為、故郷を、家族を、奪われた未来を取り戻す為に……あんたを倒す!
あんた達を踏み越えて他のクロノヴェーダも倒して勝利を掴み取ってやる!
敵パラドクス対策も兼ねて演説の声すら◯吹き飛ばし欠き消す程の轟音を立てる◯電撃(使い)の◯誘導弾の◯弾幕を◯高速詠唱の◯連続魔法で展開
幻覚の民衆に其の誘導弾の弾幕を放つと同時にロベスピエールに向かって◯焔矢を発動
全力の◯砲撃をぶちかます!
此れが俺の全力、喰らって貰うぜロベスピエール!!
白水・蛍
アドリブ歓迎
連携積極的に
WIZで周囲の仲間をディフェンス
ネメシス発動。サーヴァントとの合体ではなく、自分の力のネメシス状態に。あなたに自分の力を見て欲しいですから。
言葉はお互いつくしたでしょう。では後は己の意地に託すのみ。
サーヴァントのフローレライトに跨り飛翔・突撃。
その勢いのままパラドクス発動。
全ての力をコンダクタースピアに込めて。
その身を穿つ一撃を!!
相手の反撃・道中の攻撃は未来予測、飛翔で致命傷を避けます。
最後までたっていた者が勝者。私が伏せても他に人につなげれば問題なく。
その名を覚えましょう。この地の名を刻みましょう。
ロベスピエール。最後に勝つのは我々です!!
「後は戦うのみ、か」
ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は嘆息と共に、己が得物である魔剣を抜き放つ。白銀の煌めきに当てられ、刹那、輝きが戦場に溢れ出していた。
思うところが無いとは言わない。だが、全ては最早過ぎたこと。今更どう言おうが、ここからの事象は変えられない。
ルィツァーリ達ディアボロスはロベスピエールを討つ。それが彼らに課せられた使命で、そして、ルィツァーリ自身の願いだった。
「あんたは断片の王に成り得た器! ならば俺も全力で相対するのみだ!」
「ええ。そうです。互いに言葉は尽くした。後は己の意地に託すのみ」
気合い一閃の宣言に、同意と言葉が投げ掛けられる。
見れば、無双馬に跨がった白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)がネメシス形態に移行しながらも、ロベスピエールへと槍状の得物――指揮杖を突きつけていた。ロベスピエールに突きつけられるのは穂先のみではない。凜とした視線が、そのまま射貫かんばかりにロベスピエールへと向けられていた。
二人の紡ぐ圧を受け止め、ロベスピエールは刹那、動きを止める。
そして――。
大爆笑した。
「成る程! そうだな、同志達よ! これが終焉であるならば、これが最期ならば、私はお前達の気持ちを受け止めよう!」
「何を――?」
「湿っぽく終わる話でも無かろう。終わりを惜しむ話でも無かろう。だが言葉にすれば、巨悪は討たれ、大団円――めでたしめでたし。それが幕引きだ。だが、それは我々には相応しくない。そうだろう?」
ルィツァーリの問いに返ってきたのはにやりとした笑みだった。
「史実か風刺画か、それとも作者の捏造かは知らん。処刑台に送られたロベスピエールはハンカチを握りしめ、オイオイと泣き叫んだと言う。前日に銃弾で撃たれ、それでも暴徒に立ち向かった男が、泣き叫び荒れ狂ったと言う。だから私も最後の最後まで叫び尽くそう。行間を読む。或いは行間に押し潰させない。それが我々の結末だ!」
それは宣言だった。宣誓だった。最後の最後まで自分として終わる。そう彼は断言していた。
「このジェネラル級淫魔、革命淫魔ロベスピエールが相手をしようと言うのだ。本音を交わした相手とは言え、手加減に期待するなよ? 悪いが、そんな器用な真似は出来んからな!」
「上等です! 革命淫魔ロベスピエール! その名を憶えましょう。この地の名を刻みましょう! 最後に勝つのは我々です!」
裂帛の気合いと共に、蛍はロベスピエールを狐の尾で刺し貫く。肉を抉り、血を噴き立たせる感触に、応酬と返ってきたのは、銀閃――ギロチンの刃の一撃だった。
だが。
「――遅い!」
4秒の【未来予測】と【飛翔】による回避。それらを行使した蛍を、ロベスピエールの反撃は捉えきれない。刃は空中で衝突し、鋭い音と共に地面へと転がっていく。それが即座に消滅したのは、パラドクスによって生み出された異物であるからだろう。
「悪いがこれが精一杯だ!」
「ロベスピエール……ほんと、そう言うところだぞ!」
大砲を一時的に顕現させたルィツァーリはむぅっと唸る。事前情報で弱い弱いと言われていたが、よもやこれほど迄とは――。
(「いや。これも彼奴の策かもしれない」)
油断を誘う策に嵌まる物かと、ルィツァーリは吼える。腐っても相手はジェネラル級だ。よもや、これで終わる筈もない。
ルィツァーリの雄叫びは、空気を震えさせ、そして、ロベスピエールの髪を、衣服を、羽根をビリビリと震えさせた。
「此れが俺の全力、喰らって貰うぜロベスピエール!!」
炸裂した大砲は、寸分違わずロベスピエールを撃ち抜き、派手な砲撃音と爆音を響かせる。
ぐぬぬと唸りながらも、それでも倒れないのはジェネラル級が故なのだろうか。戦闘力に秀でていなくとも、耐久力だけは折り紙付きのようだ。
「どうした? 同志ルィツァーリ。これがお前の……けほっ。……全力か?」
黒煙を吐き、不敵に笑う。太々しさのみを残した笑みは、何処か凶悪な面構えと共に紡がれていた。
「あまり効いていないようですね。ルィツァーリさん。油断無きように!」
「……あ、ああ」
蛍の言葉に、是と頷くルィツァーリ。そして、再度吼える。それが、彼に出来る精一杯の事柄だった。
「ロベスピエール、俺達が求める未来の為、故郷を、家族を、奪われた未来を取り戻す為に……あんたを倒す! あんた達を踏み越えて他のクロノヴェーダも倒して勝利を掴み取ってやる!」
「お前にそれが出来るか! 同志ルィツァーリ! 同志蛍!」
負けじと、革命淫魔の雄叫びが響き渡っていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
旗楽・清政
此処で何があったかは、それがしは知らぬ。故に、語れることも無し。
それに、語らう刻が終わったならば、後は戦うのみでござろう?
いざ尋常に、勝負!
して、敵のパラドクスは無数のギロチンの刃でござるか。
ロベスピエールを騙るとなれば、そう来なくてはつまらぬ。
糾弾の内容が真実か否か、死罪に相応しいか否かは問わぬと言うのも、それらしい。
さて、彼奴はそれがしを何の罪で糾弾するか、楽しみでござるな。
当たっていてもいなくても、面白きものを聞いたとばかりに、
ニィ、と笑って応えてくれよう。
ギロチンは、ビームシールドで防御でござる。
「なるほど、それがそれがしの罪でござるか」
糾弾の内容を聞いたならば、ビームの砲火で反撃。
真紅堂・乎乎那
人類史を乗っ取った正体不明の何かに移入する感情は持ち合わせていない。
が、強敵としては認めざるを得ないようだ。
怒りを通り越して冷静になっちまったじゃあないか。
オベリスクに辿り着く1%の可能性さえ潰すため……突撃させて貰う!
ギロチンか……安楽の死などあるのか?
人を殺す、そのためだけの道具……おぞましいよ。
私のイーヴルアイは既に貴様に一撃くらわせてやるための
最適な動きを……捉えている!(身体がついていくとは言っていない!)
魔術長剣ハートブレイカーを振り下ろすのみだ。
……全く、おぞましいね。
「語らう刻は終わったでござろう? ならば後は戦うのみ! いざ、尋常に勝負!」
疾きこと風の如く。続けざまに飛び出した旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は、翠色の輝きを以て、ロベスピエールへと砲口を突きつけた。
「オベリスクに辿り着く1%の可能性さえ潰すため……突撃させて貰う!」
共に奔る一刀は真紅堂・乎乎那(埋火の魔創剣士・g02399)から。振り上げた魔術長剣ハートブレイカー片手に、縮地と見紛う踏破で、その彼我の距離を詰める。
翠と朱の輝きは、鈍い音と共に奏でられていた。
「これがお前達のパラドクスか。温いな!」
刹那、噴き出した血で身体を朱に染めたロベスピエールは、それでもと言葉を紡ぐ。それが全く以て減らず口なのを、清政と乎乎那は悟った。まったく、やせ我慢も良いところだ。
そう。二人のパラドクスは確実にロベスピエールに届き、その身体を穿っていたのだ。
「反撃は無数のギロチン刃でござるよ!」
「ギロチンか……安楽の死などあるのか?」
清政の放つ注意喚起に、乎乎那の言葉が重なる。直後、空に浮かび出でた大量の刃達が、彼らを粛正すべく、その刀身を輝かせた。
「はん! ロベスピエールを騙るとなれば、そう来なくてはつまらぬ。して、彼奴はそれがしを何の罪で糾弾する?」
にぃっと笑った清政の脳裏に、何故か少女の姿が映った。
脳裏の少女は祈るような仕草で、言葉のみを綴る。「会話される方は心を強く持って戦ってください」、と。
「ディアボロスの罪? そんな物は『無辜の市民の大量虐殺』以外にあろうか」
それがロベスピエールの糾弾だった。鋭すぎる言葉の刃は、時先案内人が危惧したそのものであった。
「どうした? 知らぬはずも無いだろう? それでも目を逸らすのか? 私を滅ぼせばこの1793年は消失する。即ち、この50万のパリ市民、老若男女問わず、貴様らが消失させる――殺すのだ! それこそがお前達の罪! それともこの後に及んで言うのか? 『それを知らなかった』と。ならばもう一つ罪の名を言い渡そう! それは無知! 貴様らの無知こそ全ての悪、全ての罪だ、と!」
「ぐっ」
唸る清政を庇うよう、真紅の輝きが駆け抜ける。乎乎那の一刀を受けたロベスピエールは、それでも言葉を辞めない。
弁客にして論者、ロベスピエールの真骨頂であった。その姿はパラドクスを紡ぐよりもとても、輝いていた。
「全く、おぞましいね」
「ああ。そうだな。同志乎乎那よ。お前達はおぞましい。お前達は忌まわしい。お前達の罪をもう一つ数えれば、それは選民思想だ! パリ市民が死ぬことを知りつつ、しかし、只の一人のみは助けようとした。それがお前達の欲望、お前達の在り方だ。今一度言おうか。大量虐殺者よ。無抵抗な市民達の虐殺は、身震いするほど気持ちよかったか?」
「ふん!」
パラドクスによる反撃よりも、口を回すことに専念するロベスピエールに、清政はにぃと笑う。
「なるほど、それがそれがしの罪でござるか」
糾弾の内容が如何なる物でもそれを受け止めると決めた。
確かに自分達は無辜の市民を殺す。だが、それは正しき歴史を取り戻す為だ。必要な犠牲と言える。
「人類史を乗っ取った正体不明の何かに移入する感情は持ち合わせていない」
邪眼を繰る乎乎那は、頭を振ってロベスピエールの主張を一笑に付す。
「それに貴様は知らんだろう? 奪還した地域の人間は蘇る。現に京都も、東京の一部も、それに――」
たとえ彼らが今、死の苦しみを味わっても、歴史を奪還さえすれば、蘇りの目はある。1793年と2023年と言う隔たりがある為、最終人類史に現れるのは彼らの子孫になるだろうが、生きてきた証しが失われる訳では無い。
乎乎那の言葉をロベスピエールは否定する。『おぞましい』。先程乎乎那と交わした台詞を、再度、表情のみで紡いでいた。
「ああ。そうだ! 『生き返るから殺しても構わない』。殺人こそが貴様らの本懐よ。悪魔共め! 幼き王女、そして王太子を殺し、どの面をあのなり損ないに向けるのか、それを見れないことが残念で仕方ないな!」
悪魔、と糾弾する。悪魔め、と憤怒の声が叫ぶ。
彼にしてみれば、ディアボロスは全ての結果を知っていた。その上で革命淫魔を滅ぼすことを断行した。
結果論で1793年に住む人々を消したのであれば、無知のみを責めることが出来る。だが、彼らは知っていた。だからこそ、人間となったマリー・アントワネットに工作を働いていたのでは無いか。
「それともこうか? 『1793年の市民達は消え行く改竄世界史の人間。己の歴史とは別物だから関係無い』。人と扱えと我ら革命淫魔から取り上げた口でその台詞を吐くつもりか? ディアボロス?」
矛盾を孕む殺人鬼。それがロベスピエールが下した糾弾であった。
「このダブスタクソ悪魔共!」
ギロチンの刃は届かない。だが、口より出でた言葉の刃が深く、二人の身体を抉り、斬り裂いていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
アルマース・ハーズィン
そろそろ言い残すことは無くなったか?
扇動してきたお仲間や部下たちはいなくなった。
『革命淫魔』としての決着は指導者たるお前につけてもらおう。
清算の時間だ。約定への違約金、お前の命で支払ってもらうぞ
『瑠璃水晶の指輪』を持って、戦闘には参加しよう。
戦いに無駄話を無駄話を持ち込む趣味はあまり無いのでな。
ロベスピエールを認識した瞬間、不意打ちのように【凍氷魔術:掘削製氷】を使用。
生み出した氷塊で身体を貫いてやろう。
ロベスピエールから飛んでくる演説原稿はあえて避けずに受ける。
歯向かう気力を無くすほどの恐怖か。
悪いが口先だけの断片の王崩れに、恐怖する要素が無いな。
そう己を鼓舞して立ち向かい続けてやろう。
「よく回る舌だな! そろそろ言い残すことは無くなったって来たんじゃ無いのか?」
アルマース・ハーズィン(魔宝の収集者・g04123)が放つパラドクスは、氷の螺旋だった。それがロベスピエールの身体を貫き、螺旋の回転と共にその身を抉る。肉が梳られる音、ブチブチと繊維が断ちきられる音、そして、ジェネラル級淫魔の呻き声。幾多の音が響き、それでもそれを受けたロベスピエールはにぃっと不敵に笑う。
「否だ、同志アルマース。まだ語るべき事、語りたいことは尽きぬよ」
零れ落ちる血は傷口のみで無い。喀血を始めとした流血は、彼に多大なダメージが刻まれていることを示していた。
それでもとロベスピエールは笑う。それが当然だと、原稿を広げ、そして、口を動かしていた。
「清算の時間だ。約定への違約金、お前の命で支払って貰うぞ」
「未だ、そんな事を言う与太者がいたとはな」
零れたのは嘆息だった。
「戦いに無駄話を持ち込む趣味は余りない。聞く耳を持つとは思う――」
「まあ、聞け。同志アルマースよ」
瑠璃水晶の輝きが喚ぶ氷塊を受けつつも反撃の体勢を構築するロベスピエールに、それでも、とアルマースは笑う。
彼奴のパラドクスが彼女の精神を侵す筈が無い。口先だけの断片の王崩れに恐怖する理由は無い。それが彼女の自負だった。
そして原稿は届かない。ただ、届いたのは言の葉だった。
「今一度言おうか。お前の言う約定とは何れだ? お前達を利用し、大陸軍を追い払うことか? 我らが情報を与え、お前達が武を示すことか? よもやオベリスクの調査に協力の話ではあるまい? お前達が無辜の市民と我らが同志、愛の囁きメリクールを犠牲にしたことは私の耳にも届いて居るぞ?」
そう。それら全てが事実だった。約定違反などしていない。その言い分は詭弁でも何でも無い。歴とした只の事実だ。
「ふざけるな! お前達が約定を破り、一般人を堕落させたんだろうが!」
「大真面目だとも同志アルマースよ。お前達はそんな約定をしていない。敢えて言うなら『一般人の心身に危害を与えるなと厳命しろ』があるが……それだけだ。私は厳命したぞ」
ともすれば、と肩を竦める。血に汚れながらも尊大にロベスピエールは笑う。
「共闘相手を後ろから殴ると言う約定破りを行い、その違約金を相手に求める。いやはや、悪徳な借金取りでもそこまですまい。恐ろしいな、強盗詐欺師共め!」
革命淫魔の哄笑が響き渡った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
錬晏(g05657)と共闘
見果てぬ夢とはいえ、貴方には志が確かにあった
共感できる境遇も
しかし私の指先は迷わない
全ては故郷たるパリ奪還を叶えんが為
この世界の可能性ごと消えてください、ロベスピエール!
ネメシス化
黒鍵翼のマエストロ姿に変化
鍵盤で奏でるは「凱歌」
疾駆する白馬の騎士を喚び、真っ直ぐ刺突攻撃を指揮
錬晏と挟撃できるよう位置取り連携
兄貴分の心意気が頼もしく背中を押してくれる
反撃は魔力障壁で凌ぎ
指が動く限り演奏を続け、攻め立てる
私の罪など今更糾弾される迄も無い
死を赦されるその日まで
全て抱いて進むだけです
さようなら、ロベスピエール
消滅しようと、この世界は確かに存在した
忘れはしません
夏候・錬晏
※ソレイユ(g06482)と
※連携アドリブ歓迎
1793年を興そうとしたジェネラル級、ロベスピエール
俺自身この時代に縁が深いわけではないが、ソレイユが奪還を願った
戦う理由はそれだけで充分
全力の武でもって、弟分の悲願、果たさせてもらう!
荒ぶる闘志が朱殷の怒龍を形成し
左手に馴染んだ偃月刀を構えれば
ソレイユの演奏に合わせ【エアライド】で一気に接近
直接パラドクスを叩き込む
舌戦が得意か。だがそれに付き合う義理はない
『民衆』を躊躇なく<両断>して勢いを殺せば
のど元に龍の牙を穿ち<グラップル>で離さず、声を殺すことで
仲間の攻撃がより強力に繋がるように立ち回る
ソレイユや近くの仲間にはディフェンスを
呉守・晶
なんだ、これでお前は本気で自分はジェネラル級の中では弱いとか思ってたのか?
もしそうなら、こう言ってやるよ。流石ロベスピエール、断片の王候補に選ばれ、断片の王を目指しただけはある強敵だって、な!
チッ、ギロチンか。断頭革命は自動人形の方だろうに!
【未来予測】で数秒先を見ることと【飛翔】の速度を合わせて可能な限り避けながら突っ込むが、まぁ無傷で辿り着けるとは思わないな
急所と剣持つ右腕だけ無事ならそれでいい!そこだけ庇っていくぞ
魔晶剣アークイーターの封印を一部解除して呪いの黄金処刑剣に変異させて叩き斬るぞ!
お前のギロチンと俺の処刑剣、どっちが首を取れるか勝負といこうか!
首を断ち斬れ、アークイーター!
トロワ・パルティシオン
上半身の服を突き破り楽器の集合体たる胴体が露わに
腕は無く、また必要とせず稼働する自律演奏機構群
ネメシス形態、リトルオーケストラ
『ラウドファンファーレ』
僕自身で演奏を
同時に空中を見上げて降り注ぐ刃を回避
結界で相手の声は聞こえず回避に集中できる
…もうろくに聞こえないだろうけど言っておこう
君の周りを結界で囲ったよ
僕の殺人音楽がずっと響き続けているだろう
内部の音を閉じ込める結界さ
当然、君の声がこっちに届くこともない
君は優れた革命家だった、君の言葉は立派な脅威だったとも
だから敵として敬意を払いこの封殺を贈るよ
革命淫魔ロベスピエール
君という存在は最終人類史と相容れないけれど…思い出くらいは持ち帰ろう
約束だ
「見果てぬ夢とはいえ、貴方には志が確かにあった。共感できる境遇も」
それでも、とソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は断ずる。それでも自分はこの敵を討つと決めた。それは故郷たるパリを奪還するため。その夢を叶えんがため。
夢と夢が衝突すれば、そこには争いしか残らない。だから言う。だから願う。それが、自分の有様だからだ。
「この世界の可能性ごと消えてください、ロベスピエール!」
「はん! 目を逸らすな! 同志ソレイユよ! お前も知っていよう。この世界は消える! 何れ消えていく。ならば何故今、貴様らがそれを消そうとする? 奪おうとする?」
旋律の騎士が、馬上槍の一撃をロベスピエールへと叩き込む。それを受け、しかし、ロベスピエールの口は止まらない。パラドクスの反撃――ギロチンの刃はソレイユを襲うが、しかし、寸前で大きく逸れ、川岸を梳るのみ。だが、その代わりとばかりに非難の台詞だけが、彼を襲っていた。
「歴史を奪還する? ならばお前にこう言おう。ここはただ、オベリスクによって繋がれただけの世界。お前達の奪還する歴史などではない」
「……ええ。そうですね」
それもまた事実だ。だが、この世界が改竄世界史の一種なのもまた事実。事実は常に一つとは限らない。
そして、この世界が、この『1793年』の改竄世界史が異物として存在する限り、正しき歴史は還らない。ならばこれは必要な切除だ。
そう言うしか無かった。そう信じるしか無かった。そうでなければ、ロベスピエールを、革命淫魔を討つ意味が無くなってしまうのだから。
「貴方達革命淫魔を滅ぼした罪。ここで無辜の市民ごと、1793年を消滅させる罪。全ての罪を抱き、死を赦されるまで、歩き続けます。たとえ、それが貴方に自己欺瞞と糾弾されようと!」
そうすると決めた。そう生きると決めた。
それが、ソレイユ・クラーヴィアと言う男が示す生き様だった。
ほう、と呟くロベスピエールへ、更なる斬撃が重ねられていく。
友と戦うと走る美丈夫、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の偃月刀は、龍の闘気を纏い、ロベスピエールの血肉を穿っては梳っていった。
「俺自身この時代に縁が深いわけではない。だが、ソレイユが奪還を願った。戦う理由はそれだけで充分。全力の武でもって、弟分の悲願、果たさせてもらう!」
「成る程! 自分は戦う。だが、全ての罪は同志ソレイユが被れ。そう言いたいのかな?」
「――っ?!」
口から血を零し、それでも舌は止まらない。執念すら思えるそれは、まさしく舌先三寸の悪魔であった。
「来るならお前自身の殺意で来い! 同志ディアボロスよ! 革命淫魔が人々を襲っていたから仕方ない? 敵がクロノヴェーダだから、ディアボロスが滅ぼすのは当然だ? いいや、お前達が言うべきはただ一つだろう? 『お前が気に入らないからお前を殺す』。殺意を何かに置き換え、言い訳するなよ。殺人鬼共!」
斬撃を、刺突を受け、それでも言葉は絶えない。反撃の刃は届かずとも、それだけは叩き付ける。その意志のみは誰にも挫けさせない強固な物であった。
「――相変わらず、口が回りますね、ロベスピエール!」
むしろ呆れると、ソレイユは微苦笑する。成る程。心を強く持て、と助言されるわけだ。あの語らいの後でもここまで皮肉をぶつけてくるのだ。もしも会話が無ければ、何処までも責め立てて来たのだろう。
(「ジェネラル級の耐久力をそっちに振るのも、彼らしいと言えば彼らしいですが」)
最後の、否、最期だからこその悪あがきにむしろ、ほっとしてしまう。これこそがロベスピエール。ソレイユ達が討とうとした敵の名前だ。
そんな対峙する三者の中に、更なるパラドクスが飛び込んで来た。
ソレイユの凱歌に重なるそれは、凄まじい大音量のファンファーレ。トロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)による、音の波、音の圧壊だった。
「……もうろくに聞こえないだろうけど言っておこう。君の周りを結界で囲ったよ。僕の殺人音楽がずっと響き続けているだろう」
内部の音を閉じ込める結界。それがトロワが紡いだパラドクスの終点である。
「当然、君の声がこっちに届く事も無い」
それで終局。ロベスピエールの言葉は今後一切彼女達には届かず、ただ、終焉を迎える。
(「君は優れた革命家だった、君の言葉は立派な脅威だったとも。だから敵として敬意を払いこの封殺を贈るよ」)
葬送の言葉は、彼に対する最大限の敬意で、それこそが彼の終わりを彩る華になる。
――その筈だった。
「つれないことを言うな。同志トロワ」
にぃっとした笑いと共に、声が聞こえた。
音を閉じ込める結界を物ともせず、その声はトロワの耳朶を、そして鼓膜を打つ。無数のギロチン刃を携えたロベスピエールは、殺人音楽に包まれ、それでも不敵に笑っていた。
「これは逆説連鎖戦だ。時間、空間、世界法則全てを書き換え、私はお前達にパラドクスを叩き付ける。――ならば、私が滅ぶその刹那まで、私の糾弾はお前達へ届く。それもまた、我らの戦いだろう?」
如何にトロワの力が優れていようが、それを書き換えが行えるのがクロノヴェーダの強みだ。
そして、その言葉が向けられたのは、彼女のみではなかった。
「舌戦が得意か。だがそれに付き合う義理はない」
錬晏の一刀は、その喉すら穿つ物。龍の牙は喉そのものを破壊し、その膂力は断頭台を再現するかの如く傷口を広げていく。
肉を削られ、血を零し、しかしそれらを振り払ったロベスピエールは笑う。口角から血の泡を零すも、しかし、その声量だけは変わり無く響いていた。
「お前もつれないな。同志錬晏。だが、喉を斬り裂いた程度では、私を止められはせんよ。――先も言った筈だ。私の弁舌を止めたくば、滅ぼすのみだ。断末魔の最中まで、私はお前達を糾弾しよう。悪魔共」
常識的に考えれば、喉を斬り裂かれたロベスピエールが喋れる道理は無い。
常識的に考えれば、錬晏の刃がロベスピエールを止められない理由は無い。
だが、相手は常識を破壊し、非常識を体現する歴史侵略者だ。常識で図れる相手でもなかった。それは、外ならぬ、錬晏達ディアボロスが知っていた。
「そこまでやるのに、お前は本気で、自分はジェネラル級の中では弱いとか、思ってたのか?!」
刃を携え、飛び込んだ呉守・晶(TSデーモン・g04119)が非難のように叫ぶ。
だが、彼女も理解している。ロベスピエールは弱い。その証拠に、彼女を狙ったパラドクスは有効打にならず、皮膚を浅く切り裂くのみに留まっている。断頭台の面目丸潰れの攻撃に、しかし、ロベスピエールは微苦笑を浮かべるのみであった。
「すまんな。同志晶。これでも私は本気でお前を殺そうと刃を向けているのだ」
「マジかよ!」
斬り裂かれる覚悟はしていた。急所と腕、それだけでも守れれば良いとすら決意し、行った吶喊はしかし、軽傷にすら至らず、逆に拍子抜けさえしてしまう。
だが、ここに来て勢いを減じる事は出来ない。だから言った。言い放った。それは彼女なりの賞賛でもあった。
「ともかく! 俺はお前にこう言ってやる! 流石ロベスピエール、断片の王候補に選ばれ、断片の王を目指しただけはある強敵だって、な!」
「あー。なんだ。同志晶」
黄金の輝きを放つ処刑剣に再度喉元を斬り裂かれ、しかし、それでも言葉を発するロベスピエールは、そのまま己の頬を掻く。糾弾には糾弾を。攻撃には口撃で反撃する彼だが、その実、敵からの不意な賞賛には弱いようだった。だからこそ起きた言い淀みに、むしろ晶の方が面食らってしまう。
「この後に於いてのさすロベは流石に照れるな」
「ち、ちげーし! そういう意味で言ったんじゃないし!」
さすがロベスピエール。通称、さすロベ。
もはや紡ぐ者の居ない文句を聞いた郷愁に、何故かロベスピエールは遠い目をしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【断末魔動画】がLV2になった!
【液体錬成】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV4になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
笛島・他助
何れ敵対は避けられずとも、こうも語り合い、同志となれる奴は早々は居ねぇ。
ともすりゃ、俺もテキトーでやるのは無しだな。遊びが無さ過ぎて好きじゃねぇが、此処は真面目にだ(ネメシス発動。見た目変化なし、在りし日の仕事モードへ)
市街の物陰や皆の戦いに紛れて忍び足で慎重かつ素早く敵の死角に移動しつつ、隙を見てアサシネイトキリングを使用。仕込み杖による不意打ちを狙う。
深追いはせずに【エアライド】も織り交ぜてヒット&アウェイで戦う。
【未来予測】を補助に相手の動向を見てなるべく確実な一撃を叩き込む。
対反撃:恐怖に屈しちゃあ諜報員は務まらねぇ。何より今のあんたに失礼ってな(気合
俺からの敬意の刃だ。受け取りな。
「何れ敵対は避けられずとも、こうも語り合い、同志となれる奴は早々は居ねぇ」
笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)が放つ致命打は、ロベスピエールを穿ち、その命を梳っていく。
仲間達の攻撃と合わせれば、幾渡も致命傷を負っているのは事実だろう。だが、ジェネラル級淫魔の耐久力が彼に死を許さない。その都度、無理矢理に傷を癒やし、パラドクスが、否、糾弾の声が放たれている。むしろそれが主のようにも思えた。
「だが、それも無限というわけじゃ無いだろう? だったら繰り返し、あんたが力尽きるまでパラドクスを重ねる。それが、俺なりの敬意だ!」
「別に『あんたの心意気は理解した。ここは見逃してやる』でも私は良いのだがね」
全身を血に汚し、飛ばす原稿までも己の血で汚し、それでもロベスピエールは言葉を紡ぐ。そして、思いついたかのように更なる言葉を重ねていた。
「そうだな。その自負はある。我ら革命淫魔こそ、同志ディアボロスの最大の理解者になったはずだ、と言い残そうか」
種が違えば考え方も違う。全てが違う。
クロノヴェーダはディアボロスを理解出来ない。同盟を結ぼうとディアボロスに近付いた勢力は、その悉くがディアボロス達の思考を理解出来なかった。彼の吸血ロマノフ王朝のジェネラル級吸血貴族ラスプーチン然り、妖精郷のジェネラル級フローラリア『薔薇の戦士』スカアハ然り。
だが、堕落をエネルギー源とする淫魔達は異なる。近しい同志である革命淫魔達は異なる。
それがロベスピエールの出した結論だ。自分は、そして彼らならば必ず、ディアボロスの思考を理解出来た。否。理解していた。
「まあ、その上で、お前達の望まない事をやっていたのだがな」
「なお悪い!」
むしろ理解していたが故に質が悪い。
思わず零した他助の反論も、そして共に紡いだ刃もロベスピエールに吸い込まれるように消えていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
レイ・シャルダンです、同志ロベスピエール。
今更自己紹介。
長く戦ってきた相手なのに、こうして直接見えるのは初めてですね。
一方的に知って終わりだなんて、せめて名前だけでも…ただの自己満足なんだけどね。
『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】して上空へ。
構えるは煌剣『シュトライフリヒト』
自身を矢として機械魔導弓『ACRO』に番え、
アクロヴァレリアの最大出力を持って爆ぜ、
ロベスピエールに向かって突撃します。
戦いはいつだって恐怖そのもの
でも共に立つ仲間がいるから、信じてこの剣を振り抜く事が出来る。
この手で1793年に幕を下ろしましょう。
とても、とても楽しい冒険でした。
忘れませんよ。
レイラ・イグラーナ
今更こんなことを言うとお怒りになるかもしれませんが、貴方のことは嫌いではありませんでした。同志ロベスピエール。
ただ、私は私にとっての民のため。同志は同志にとっての民のため。
道を違えるのも必然だったのでしょう。
ネメシス形態で革命家としての姿に。
革命家レイラ・イグラーナ、参ります。
【天上奉仕・革命】を使用。
自身と仲間が流した血を踏み越えて前進します。演説原稿は切り払い、私の体に張り付き恐怖が頭を焼いても人民の為、そして革命家としての同志に無様な姿を見せないために歩みは止めず、「惨禍鬼哭血革針」を突き立てます。
その名前と『淫魔革命パリコミューン』の名、しかと胸に刻みましょう。
革命家ロベスピエール。
「初めまして! 同志ロベスピエール」
唐突に。本当に唐突に、戦場に快活な声が響く。
見れば年の頃15、6と言った処か。銀髪の少女が幾多の魔導兵器を構え、ロベスピエールへと対峙していた。蒼き光は重なり、一本の光条へと転じていた。それらは敵である彼を刺し貫く。それこそが本懐と、言わんばかりの輝きに、しかし、ロベスピエールは目を細める。
ディアボロスと革命淫魔ロベスピエールが邂逅して一年と三月。だが、この瞬間こそが、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)とロベスピエールの初邂逅であった。
「おお。そうか。同志レイ。初めまして、だな。噂はかねがね聞いている」
「どんな噂ですか……」
蒼き光と共に紡ぐ言葉に、しかし、ロベスピエールの返答は微笑のみであった。肉が焼かれ、苦悶を表情に浮かべ、しかし、それでも彼はただ、頭を振るのみであった。
(「さすがに、私達のことは把握していたようですね」)
おそらくパリ大学で直接面識無いディアボロス達も、彼は認識している。考えれば、1793年の改竄世界史内の何処かしろに淫魔の影はあった。それらが彼の諜報員だとしても、不思議は無い。
「初めましてで申し訳ない。致し方ない出来事でハンカチーフを無くしてしまってね。血塗れで失礼するよ」
「あ、いえ、お構いなく」
まるでジョギングの最中に出会ってしまい、汗まみれで失礼、みたいな挨拶であった。彼を汚す血肉の一部に、レイ自身も関与している以上、それ以外の言葉が思いつかない。
「そうだな。ともあれ、我が居城、パリ大学の門戸はいつでも開いている。遊びに来るといい。歓迎するぞ、同志レイよ」
「さらりと嘘を言わないで下さい!」
叩き付けられた言葉と細剣の一撃は、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が紡いだ物だった。
急襲にぐぬりと唸り、ロベスピエールは踏鞴を踏む。レイラの全力を受けてそれだけで済んでいるのだから、むしろ、僥倖と呼ぶべきか。
「オベリスクの実験で、パリ大学を訪れた際、貴方は不在でした。否、私は知っています。貴方は居留守を決め込んだ。不貞寝していた。メリクールに全て押しつけて!」
「……いや、流石に不貞寝はしてなかったぞ?」
さらりと居留守を使ったことを肯定しつつ、幾多のレイラの刺突を受け流す。まるで彼女のパラドクスをそよ風の如く受け止めては、そのまま往なしていた。
(「【天上奉仕・革命】が機能していない?」)
考えてみれば、この戦いで彼女は流血していない。むしろ、仲間の誰もが血を流していない。
まさかこんな特異な方法で、自身のパラドクスが破られるとは思っていなかった。この戦場以外ではあり得ない光景に、しかし、それでも内心の驚愕を禁じ得なかった。
ともあれ、とコホンと空咳。底上げが無くとも、最低限のダメージは与えている。それを是と捉えるしか無かった。
「今更こんなことを言うとお怒りになるかもしれませんが、貴方のことは嫌いではありませんでした。同志ロベスピエール。ただ、私は私にとっての民のため。同志は同志にとっての民のため。道を違えるのも必然だったのでしょう」
「何を今更、だな」
恐怖を与える原稿を振りまき、ロベスピエールが嘆息する。その悉くがレイラを逸れ、風に流されていく光景に、むしろ嘆息したいのはこちらだとレイラは頭を振ってしまう。
「私はお前達も愛していたぞ。同志、同類。我ら革命淫魔とお前達は同じ穴の狢だ。己の欲望に流され、大局を見失う。全く以ての同類だよ」
「減らず口を――」
レイの蒼光を、レイラの刺突を受け、それでもロベスピエールの舌は止まらない。叩き付けられる皮肉に、何処か寂しさすら感じるのは、それが終わりに近付いていることを悟るが故か。
「そうかも、ですね。でも、それでも、ですよ」
レイは破顔し、言葉を紡ぐ。それは口撃に挫けない、彼女なりの反撃であった。
「共に戦う仲間が居る。信じてこの剣を振り抜く事が出来る。それが欲望に流された結果だとしても、私には仲間を信じます。信じる仲間が応えてくれます。だから、戦います」
「答えになってないな。同志レイ」
呆れの言葉は、諦観と共に紡がれていた。
「同志ロベスピエール。とても楽しい時でした。楽しい冒険でした。ずっと、忘れませんよ」
「その名前と『淫魔革命パリコミューン』の名、しかと胸に刻みましょう。革命家ロベスピエール」
異なる口が紡ぐ同じ意図の台詞に、ロベスピエールは何を思うのか。ただ、仏頂面でむむっと呻く。頬が僅かに朱に染まっていたのは、二人の錯覚ではあるまい。
「忘れてしまえ同志よ。斃す敵を憶えておく意味など無い」
ようやくその台詞だけを口にする。
「ひねくれ者ですね。同志ロベスピエール」
「でも、きっと、それが貴方だ」
揶揄じみた言葉と交差するパラドクスの輝きのみが、木霊していた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV7になった!
【傀儡】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
演奏家の正装で向き合う
想う所は伝えた
苦笑は微笑に変えても苦笑
それでも微笑う
禁欲的で貪欲なのさ
音色で語るのみ
戦況を見つめ、チェロで叙事詩を演奏
ロベスピエール、
悠久の時の流れに、命は輝ける一瞬。歴史は語られて歴史となる
その生き様までが歴史だ
貪欲なる演奏者として
音色で語り、歌声に集中し、革命家とこの世界の歴史を紡ぎ描く
演奏のクライマックスまで、恍惚へ誘い、叙事詩の終幕にのせ果てるよう
反撃は魔力障壁で守り未来予測で観察、急所を外し受ける
罪深き身だよ
Adieu, ロベスピエール
淫魔革命パリコミューンの夢
お前は時の泡沫に消えるが、『歴史』はここに生まれる
俺は忘れない
1793年世界へ、一礼を
ラズロル・ロンド
最後だ…喋ろうか!
僕はこれが攻撃でもあるんでね〜
詭弁を聞く気は無いよ
君の要求はディヴィジョンを舞台に洗脳を施し操る事を良い事のように言ってのけ搾取する
そんなルールに付き合う気は無い
しかしそれでも…僕らは人々に寄添い続けたんだ
結局願いは叶わず
消える魂を見上げ
その声を聞くことしか出来なかったが…
恐怖、怨嗟もあった…が、仲間への言葉には新たに芽吹いた絆もあったんだ
やったことに後悔は無い
ココもエジプトもやることは同じ
人には寄添い、敵は倒す
欲深く良い未来を目指すよ
それが僕の答えだ
詭弁や話のすり替えには人差し指を口元に黙らせ攻撃を
反撃のギロチンは軽快に躱すも
受けても尚立ち上がる
最後だ同志よ
いいお喋りだった
「最期だ、喋ろうか!」
言葉を繰るのはロベスピエールのみの特権にあらず。自身もまた、そのパラドクスを使うぞと、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)がロベスピエールを強襲する。
「そうか。これが最後の機会だものな。同志ラズロル」
如何なる言葉が飛び出すのか。それを楽しみで仕方ないと笑うロベスピエールに、しかし、とラズロルは指を振る。
それは彼が紡ぐ宣言であった。
「でも、詭弁を聞く気は無いよ。君の要求はディヴィジョンを舞台に洗脳を施し、操る事を良い事のように言ってのけ搾取する。そんなルールに付き合う気は無い」
「成る程。つまり、詭弁で無ければ聞くつもりはある、と?」
「あ、確かにそうなる……い、いいや! 話のすり替えも然り、だ! 聞くつもりは無い」
ラズロルの言葉に、ロベスピエールはくくりと笑う。
「そうだな。詭弁とは間違った内容を正しく見せかける行い。ならば正論のみを口にしよう」
流石は正義の化身。ロベスピエールの名を騙るクロノヴェーダだ。その自信は虚栄などではないだろう。気概に圧されながら、それでもラズロルは言葉を紡ぐ。
否、言葉を紡がざる得なかった。それが彼の攻撃であるが故に。
「僕らは人々に寄り添い続けたんだ。結局、願いは叶わず、消える魂を見上げ、その声を聞くことしか出来なかったが……。恐怖、怨嗟もあった……が、仲間への言葉には新たに芽吹いた絆もあったんだ」
「ほう。その過ちをこの1793年でも繰り返す、と言う事か」
浮かび上がるギロチンの刃はラズロルに届かない。それを嫌と言うほどロベスピエールは知っていた。であれば、届く得物は一つしか無い。
それは言葉だった。
「繰り返すぞ。お前は私が死ぬことで1793年が滅ぶことを知っている。1793年が滅べば、無辜の市民が命を失うことを知っている。知らないとは言わせない。現にお前達は我らが敬愛する王妃のなり損ないに、そうはさせじと干渉したでは無いか」
呼吸のためか、言葉を句切る。だが、その刹那を感じる暇もなく、口撃は再開されていた。
「人々に寄り添った? 堕落を禁じただけだろう? そして寄り添ったから殺すのか? 大した勇者様だな。あのなり損ないも流石に、己の愛する王女、王太子をお前達に殺されるなんぞ思っていない。どう拐かした? 1793年が滅ぶ原因は自分達だと正直に打ち明けたのか?」
それは詭弁でも何でも無い。只の事実だった。所謂正論パンチ、或いはロジカルハラスメントと呼ばれる類いの言葉であった。
確かにディアボロス達が1793年のパリ市民達を直接殺すわけでは無い。彼らのパラドクスが市民を害するわけでは無い。だが、滅びの引き鉄を引くのは誰かと問えば、それはディアボロス達だ。
それを認めないのであれば、それこそロベスピエールの『厳命した。故に約束は守った』と言う詭弁を認めるのと同義だ。
「あんまりラズを虐めるなよ。ロベスピエール」
言い淀むラズロルに代わり、横から声が掛けられる。エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)。策士ロベスピエールを同類と呼んだ男はチェロを構え、朗らかに笑う。
そう、それは全てをやり尽くした男の微笑。苦笑も虚笑も全て微笑に変え、彼はただ、微笑んでいた。
「俺達は覚悟を決めた。悠久の時の流れに、命は輝ける一瞬。歴史は語られて歴史となる。その生き様までが歴史だ。……俺達はお前達を討ち、この1793年を終わらせ、そして、俺達が人と扱った無辜の市民の命を奪う。何れ消え行く命としても、それを奪う覚悟は持っている」
「ならば!」
「だが、申し訳ないが、それは伏せさせて貰おう。狡いと言うなら狡いと言え。俺達は聖人君子じゃない。罪深き身だ。お前を、全てを時の泡沫に消えることを見届け、正しい歴史が生まれることのみを喜びにしよう」
俺は忘れない。ただそれだけを断じ、エトヴァはパラドクスを紡ぐ。
勇壮な音楽は、それだけで巨大な鉄鎚と化し、ロベスピエールを打ち据えた。
「やったことに後悔はない。やることに後悔はない。此処でもエジプトでも、やることは同じ。人々に寄り添い、敵を倒す。僕は欲深く良い未来を目指すよ」
ラズロルの決意と、共に放たれた音もまた、ロベスピエールを打ち砕いていく。吹き飛ばされ、地面に転がった彼は、立ち上がると、はんと溜め息を零した。
「そうか。自身等の罪を自覚しているならば、言う事は無い。開き直られると正論は弱いからなぁ……」
何処かなげやりで寂しげな台詞に、思わずエトヴァとラズロルは目を見開く。余りに愁傷な台詞に、むしろその本意は何処だと、探してしまうくらいであった。
「Adieu、ロベスピエール」
「最後だ同志よ。いいお喋りだった」
「ああ、全くだ。……まだ語り尽きんが、閉幕の時間もある。ここで終わりだな」
十年来の悪友達が紡ぐかのような微笑だけが、男達の表情に刻まれていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
エレナ・バークリー
『淫魔革命パリコミューン』、ですか。ならばあなたをその改竄世界史の“断片の王”と思って、全力で挑ませていただきます。
魔法騎士エレナ・バークリー、参る!
私の使う術式の最高奥義で相対しますよ。
「全力魔法」「精神集中」「臨機応変」「爆破」で八門開き森羅渦巻きて滅びとなるべしを行使。複合精霊力で原初の混沌に還します。
反撃は「結界術」「風使い」で原稿を吹き散らし、抜けてくるものを魔法障壁とバックラーで防ぎ、精霊剣で切り裂いて。
後は、魔力が尽きるまで「連続魔法」でパラドクスを行使し、ロベスピエールを追い込んでいきます。
“王”になることを夢見た、理想家の革命淫魔。あなたのことはしっかり記憶に留めましょう。
一里塚・燐寧
パリコミューン……史実じゃ何十年も未来の話だよねぇ
王族の名を持つ淫魔大樹じゃなくて、きみが断片の王になった時の理想の世界、ってワケかぁ
……骨のある奴なのは認めるよぉ
でも悲しいかな、淫魔ってのは「徳なき恐怖」そのもの
本物のロベスピエールも認めないだろねぇ!
鎖鋸の尾を持つ巨大恐竜ネメシスに肉体改造
こんなナリだけど仲間とは密に連携し畳み掛けるよぉ
演説と張り合って咆哮を上げながら駆け抜ける
轟音で敵の精神集中を乱し、幻影の勢力を弱めつつ
彼らを蹂躙し、包囲網に穴を開けて駆け抜けるよぉ!
巨大な歩幅で距離を詰めたら、尾の鋸刃を振り上げて
『屠竜技:衝破轟震撃』として叩きつけ両断を狙う!
この刃がきみの断頭台だっ!
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
※ネメシス形態使用
『淫魔革命パリコミューン』ですか。
由来不明の名よりも、貴方達自身の意志で名付けた名の方が、余程敬意が持てます。
確かに、貴方はマリー王妃の後を継ぐに相応しかった。
さあ、貴方達と私達、どちらの意志が強いか勝負です。
機動力と射線確保のため、必要があれば飛翔。
攻撃手段は『聖槍』の投擲。
小細工は不要、私の全てを込めた『聖槍』の一撃を放ちます。
その際、他の味方とタイミングを合わせられるなら、連携して同時攻撃です。
もしその一撃で仕留められずとも、手は緩めません。
再び『聖槍』を具現化し、今度は突撃して直接刺し貫くまでです。
ギロチンの刃は切り払い、または受け流して防ぎます。
無堂・理央
引き続き無双馬『クロフサ』に騎乗してロベスピエールと対峙する。
パラドクスは言霊を引き金にするのでロベスピエールに掛ける言葉全てを言霊として呪詛の武器を呼び込み放つ。
ロベスピエール、貴方は断片にも至らぬ欠片の、それでも王だよ。
だけど、だからこそ貴方をここで倒す。
既に断頭革命グランダルメに多くを奪われてるだろうけど、貴方が属する1793年のパリ、淫魔革命パリコミューンの明日を全て奪う。
ボクが生きる2023年の最終人類史が持ってた全てを取り戻す為に。
反撃の恐怖は認めた上で呑み込み乗り越える。
敵が恐ろしいのは当たり前、その上でボクは戦い続けてるんだから。
そして、欠片の世界の終焉と消滅を立って見届ける。
「ロベスピエール、貴方は断片にも至らぬ欠片の、それでも王だよ」
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)の馬上槍は、そして呪詛の得物はロベスピエールを刺し貫き、血肉を周囲にまき散らす。その宣言と刺突に呻いたロベスピエールは、それでもと反撃の刃を紡ぐ。風に乗る原稿は、再度の刺突と身構える彼女に張り付き――そのまま、空へと流れていった。
それらを阻んだのはエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)の紡ぐ複合精霊による術式であった。原稿を、紙片を、そしてロベスピエールまでもを原初の混沌に還すべく、戦場を走り抜けていく。
「ええ。そうですね。貴方が言った改竄世界史『淫魔革命パリコミューン』。ならば、貴方をその改竄世界史の『断片の王』と思って、全力で挑ませて頂きます」
「そうだね。だからこそ、貴方をここで倒す。既に断頭革命グランダルメに多くを奪われてるだろうけど、貴方が属する1793年のパリ、淫魔革命パリコミューンの明日を全て奪う。ボクが生きる2023年の最終人類史が持ってた全てを取り戻す為に」
理央の宣言もまた、彼の言葉への言及だった。
突き進むため、全てを奪う。それは兵としての彼女達が成す事で、彼女達はそれしか成し得ない。進む為には目の前の物を全て破壊する。それが彼女達の在り方だ。
「ええい! 奪った人の夢を高らかに宣言してくれるな、同志達よ!」
対して放たれたロベスピエールの言葉は、むしろ恥辱に塗れたそれに対する抗弁そのものであった。
まあ、成し得なかった夢を語られるのは、彼にとって揶揄に近いのだろう。
だが。
「『淫魔革命パリコミューン』ですか。由来不明の名よりも、貴方達自身の意志で名付けた名の方が、余程敬意が持てます。確かに、貴方はマリー王妃の後を継ぐに相応しかった」
「パリコミューン……史実じゃ何十年も未来の話だよねぇ。王族の名を持つ淫魔大樹じゃなくて、きみが断片の王になった時の理想の世界、ってワケかぁ」
その言及は二人に留まらない。
フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は微笑を以て、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は感嘆を以てその名を口にする。
それがどうにも不快だった。と言うよりも、どうにも気恥ずかしかった。
「だから、辞めてくれっ! 餓鬼の頃の夢は警察官になってみんなを守る、だったねぇ、を親戚の伯母に言われるぐらいの気恥ずかしさを覚えるわ!」
「うら若き乙女を捕まえて、オバさんとは失礼だな!」
言いたいことは判らないでも無いが、と微苦笑した理央は再度、無双馬クロフサと共に吶喊。多大な刺突をロベスピエールに見舞い、苦悶の表情を紡がせていた。
「まあ、兎も角、貴方が骨がある奴だってのは認めるよぅ」
微妙になりかけた空気を正すのは、燐寧が奏でる緩やかな声だった。
共に咆哮する機械式鎖鋸――即ち、チェーンソー大剣の響きのみが、物騒ではあったけれども、それは場の空気を正すほどの静けさを以て、ロベスピエールに突きつけられる。
「でも悲しいかな、淫魔ってのは『徳なき恐怖』そのもの。本物のロベスピエールも認めないだろねぇ!」
転じるのは己のネメシス形態、巨大な恐竜であった。先程まで唸っていた鎖鋸は尾に収まり、ばしばしと地面を叩いては、樹木達を梳っている。もしも彼女がパリ市街に現れれば、多くの建屋がその犠牲になっていたことは、想像に難くなかった。
「はん! 違うだろう? 同志燐寧。お前も心の中では思っているのだろう。徳なき恐怖は淫魔の専売特許等ではない。クロノヴェーダも、そして、お前達ディアボロスもまた、そうだとな!」
「そうかもしれないねぇ。でも、本物のロベスピエールも言っていたでしょうぅ? 『徳なき恐怖はおぞましい。恐怖なき徳は無力だ』ってねぇ。その無力さ、噛みしめさせてあげるよぅ」
竜殺しの猛攻が、ロベスピエールを襲う。巨大な鎖鋸が、断頭台以上の斬撃を以て、ロベスピエールを斬り裂いていく。
それらを一身に受け、それでもロベスピエールは果てない。冗談みたいな体格差に渡り合いながら、否、一方的に嬲られながら、それでも不敵に笑う。
「そうだな! 今は己の無力さが恨めしい!」
肯定し、演説の手腕を振るう。生み出された幻想の聴衆達は、しかし、悲しきかな、全てが燐寧によって弾かれ、薙ぎ倒されていった。怪獣映画斯くやの光景に、しかし、それでもロベスピエールは演説の手を止めない。燐寧の斬撃をも押し返すと熱弁を振るい、次々と幻影の聴衆を生み出して行く。
「暁光の審判をここに、苦難に癒やしを、悪意に裁きを……!」
そこに差し込む光は、フィーナの喚ぶ聖槍であった。
語ることは語った。語り尽くした。ならば後は互いの意志の勝負。どちらが成し遂げることを力強く願うか。その意地の張り合いのみだ。
「さあ、貴方達と私達、どちらの意志が強いか勝負です」
「――『達』か。その殆どはお前達によって壊滅させられているのだがな、同志フィーナよ」
聖槍に貫かれ、呪詛の槍に貫かれ、複合精霊に焼かれ、鎖鋸に切り刻まれる。その全てを受けながら、それでも未だ敗北の時では無いと、ロベスピエールは笑う。
そう。弁舌と気概。それのみが彼に残された唯一の刃だった。
「『王』になることを夢見た、理想家の革命淫魔。貴方のことはしっかり記憶に留めましょう」
「お前達の記憶力に私が期待すると思うな! 同志エレナよ。……とまぁ、取り敢えず、それだけは告げておこう」
幾多も重ねる複合精霊術式に焼かれるロベスピエールは、そして、言葉を続ける。
「ああ。そうだな。この肉体が滅びようとも、意志は残る。お前達はいつか、思え。思い出せ。『こんな時、彼ならばどうするか』とな。それが私の残す呪いとなろう」
「……承りました、とだけお伝えしましょう」
捨て台詞じみたそれをフィーナは神妙に受け取る。
それがせめてもの鎮魂になれば良い。そう告げるかのように彼女は瞳を閉じ、そして更なる聖槍をロベスピエールへと突き立てていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】がLV3になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV5(最大)になった!
大崎・朔太郎
相手がちゃんと意志や感情を持つと理解するとやりにくいって本当かもですね。でも全力で勝たないと、初めてのネメシス形態に。僕自身なった事ないのでどうなっても知りませんよ。(子供姿に)
…ん、じゃあ行くよーぴえーる♪
この紙やだーと【飛翔】で高速移動しながら【掌中の希望】で撃ちまくり、子供の小ささで逃げ回る。
そして近づくと「みんなぴえーるの気持ちわかってくれなかったんだね、ひとりでがんばってたんだね、えらいえらい」と【恋人演技】で慰めて攻撃。「もうつかれたよね?お休みしていいんだよ、こんなにがんばったんだから」と囁く。
戦闘後、元に戻ったら「敵をよく分かってない自分にならないとキツかったなぁ」とぼやく。
「……ん、じゃあ行くよーぴえーる♪」
年端もいかない子供。それが大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)のネメシス形態であった。
身体どころか精神までも幼子に返った彼は、そのまま【飛翔】し、ロベスピエールへと肉薄する。それが、彼の選んだ戦法であった。
(「相手がちゃんと意志や感情を持つと理解するとやりにくいって本当かもですね」)
まして、本音を語り合い、言葉を交わしたのだ。その相手を今から討つと言う重圧は半端なく、故に、朔太郎はネメシス形態に縋った。己を転じなければ、ロベスピエールは倒せない。そう結論付けて。
「最後の最後に、己を放棄するか。同志よ」
対して零れたのは、寂しげな台詞だった。
「そうだな。お前達は只の人なのだな。苦しみもすれば悲しみもする。そう偽ることでしか私を討てないと、私に対する葬送はそれしかないのだと、理解しよう」
微苦笑と共に紡ぐのは、無数の紙片――自筆の演説原稿だ。それが織り成すのは精神汚染、即ち恐怖による精神への汚濁だ。如何に幼児退行しようとも、その恐怖からは逃れられない。
――しかし、それは、命中すればの話だ。
それら全てを回避した朔太郎は、そのままロベスピエールの頭を掌で捉える。生殺与奪を手中に収めた体勢で、彼は言葉を紡いだ。
「みんなぴえーるの気持ちわかってくれなかったんだね、ひとりでがんばってたんだね、えらいえらい」
掌はそのまま、ロベスピエールの天頂を往復する。所謂なでなで、と言う奴であった。
「同志朔太郎。一応言っておくが、私の名はマクシミリアン・ロベスピエールだ。ロベスでもピエールでもないぞ」
抗いの言葉はしかし、笑顔で黙殺される。
「もうつかれたよね? お休みしていいんだよ、こんなにがんばったんだから」
それは誘惑の演技で、そして生気奪取の安慰であった。
体力を、気力を奪われ、しかしとロベスピエールは頭を振る。今は未だ、その時では無い。それを断ずるかのように彼は朔太郎を引き剥がすと、ただ、言葉のみを紡いでいく。
「何。この程度、まだまだだ。断片の王を目指していた頃はこれより辛く、これより厳しかった」
だからと笑う。故にと笑う。
「まだ、全ては終わってないだろう?」
それだけを告げ、彼は朔太郎の手から離れていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【傀儡】がLV4になった!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
捌碁・秋果
私、絵画や美術館が好きなんです。
戦う理由も最終人類史にそれを取り戻したいから。自分の欲の為。
だから…、このパリの存亡の為に自分の欲を我慢して奔走したあなたに頭が下がります。
仲間が攻撃を入れやすいようにパラドクスでロベスピエールを捕縛。
我々を強欲だと言いましたね、その通りです。
これがその欲の形だ!
葡萄蔓で全力で締め上げる。
クロノヴェーダを排した世界で、一枚でも多くの絵を!
反撃の演説原稿には自筆の美術鑑賞同好会会報3号で対抗。
美術が好きな気持ち、情熱と追いつかない知識に悩みながら書きあげたことを思いだして恐怖に抗います。
お疲れ様、ロベスピエール。
さようなら『淫魔革命パリコミューン』
一ノ瀬・綾音
淫魔革命パリコミューン……いい名前だね。
じゃあ……始めようか。淫魔革命パリコミューンを賭けた、綾音ちゃん達の正々堂々の戦いを。
魔術師風のネメシス形態に変身
綾音ちゃんは本当にロベスピエールと友達になりたかった。
共生できる道がないか探したかった。
そうしたありえざる道を探りたがったのは、綾音ちゃんの『罪』だろうね。
ギロチンの刃は破竜剣で受け流し、受けても立ち上がる。
それでも、ここで負けるわけにはいかない。
だから……さよならだ、ロベスピエール。
全力魔法の【厄災の星光】――君との交流は、楽しかった!
君を綾音ちゃんが覚えている限り君は記憶の中で生き続ける!
――この革命は、綾音ちゃん達の勝ちだ!
「私、絵画や美術館が好きなんです」
唐突な捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)の宣言に、ロベスピエールはそうか、と短い首肯を綴る。彼女を見極めようとしているのか、それとも何か弁舌を叩き付けようとしているのか。その目は真摯そのもので、ただ、彼女の言葉を促すのみであった。
「戦う理由も最終人類史にそれを取り戻したいから。自分の欲の為。だから……、このパリの存亡の為に自分の欲を我慢して奔走した貴方に頭が下がります」
でも、と言う。だけど、と頭を振る。
その欲求の為に、欲望の為にロベスピエールを討つ。それが彼女の真意だ。
「我々を強欲だと言いましたね、その通りです。これがその欲の形だ!」
「――ぐぬ」
それは彼女の欲求その物。強欲の調べはそのまま葡萄の蔦と化し、ロベスピエールの身体を絡め、締め上げる。自身を括る拘束に、しかし、ロベスピエールは即座に原稿をばら撒いて反撃。ブチブチと蔦を切り破り、己の身を解放していく。
「クロノヴェーダを排した世界で、一枚でも多くの絵を!」
「他者を排してまでもそれを望むならば、確かに強欲だ。ならば迷うな、同志秋果。お前と私達は確かに同類だ。他者などどうでも良いなど、余りに刹那的。余りに快楽主義者! だが、私はそれを愛した! 私は淫魔の性を愛したのだ!」
「……私はリターナーなので、喜ぶべきか、悲しむべきか、良く判りませんが」
それはロベスピエールなりの賞賛なのだろうか。それとも小馬鹿にされているのだろうか。秋果にはそれすらも良く判らなかった。
だが、心意気だけは理解した気がする。彼は笑い、彼女の有り様を認めた。それだけは純然たる事実だった。
「綾音ちゃんは本当にロベスピエールと友達になりたかった。共生できる道がないか探したかった」
そんな道を求めたこと。それこそが私の罪だろうね、と一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)は嘆き、六芒星を振るう。災厄の星光はロベスピエールの身体を焼き、重傷以上の焼損を彼に刻んでいった。
だが、その極大な複合属性魔法を受けてもなお、ロベスピエールは倒れない。ただ、反撃のパラドクスと、言葉のみを紡いで迎撃の態勢を象っていく。
「お前が何を言っているか判らないな。同志綾音。私は以前言ったぞ。『我ら革命淫魔は同志ディアボロスの友であり続けよう。この約束、違えぬ事をここに誓おう』、と。聞いていなかったのか?」
「――っ?!」
言った。確かに言った。パリ大学で大仰に宣言していた。
そして同時に思う。この嘘吐き、と。
あの台詞は、オーストリアの譲渡が前提の話だ。それを為していないのだから、あの宣誓も無効の筈だ。
「撤回はしていない認識だ。私は嘘は吐かん。お前達と違ってな」
だが、稀代の策士はしれっとそんな事を言う。その気になれば大陸軍へディアボロスを売り渡したりすることを是としていた男の台詞とは思えなかった。だが、これこそがロベスピエール。全てを棚上げして自己を主張する彼に、どんな表情をすれば良いか、判らなかった。
「私が我慢ならんのはお前達が自身の欲望をエゴで飾ることのみだ。市民を守りたい。だが正しい歴史奪還の為に虐殺する。その矛盾を肯定するお前達が許せない」
だから、と言葉を続ける。それが詭弁だと判っていても、綾音は耳を傾けざる得なかった。
「だから、お前が共存する道を探りたい。その欲望は肯定しよう。欲望のみは肯定しよう。ただ一つ、お前の罪を言うならば、それはお前が無力だったことだ」
それは先程燐寧に叩き付けた言葉だった。
「……お前の存在が無ければ、我々とお前達の同盟はもう少し険悪な物になったやもしれん。それだけは伝えておこう。その上で言おう。その道を望むならば、お前はそれを主張するべきだった。仲間に認められるよう、働きかけるべきだった。それこそが交渉、根回しと言う奴だ。願うだけでは転機は訪れん。もっとも、色々やっても駄目なときは駄目なのだがな」
自虐の台詞に思わず苦笑してしまった。ああ、これが、彼なんだな、と少しだけ絆されてしまう。
「私は、ここで負けるわけに行かない」
だからさよならだと、別離を告げる。それが綾音の決意だった。
「君との交流は、楽しかった! 君を綾音ちゃんが覚えている限り君は記憶の中で生き続ける! だから、安心して果てるといい!」
秋果の葡萄の蔦がロベスピエールを縛り、綾音の星光が拘束ごと、彼を焼く。迸る悲鳴と肉の焼ける異臭は、ロベスピエールから放たれた物であった。
だが、それでも、ロベスピエールは屈さない。倒れない。ただ、黒い煙を吐き、己を覆う焼損を削っては投げ捨てていく。
「成る程。我が意志、我が主張がお前達の心に残るのであれば、……それも是と言うべきか」
その台詞に「むっ」と眉根を上げる者も居たが、だが、今更、それを意に介するロベスピエールでは無い。
ただ、何かを思案するよう、睨眼を虚空へと向けていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
マリアラーラ・シルヴァ
気持ちがない交ぜで
まだ迷いつつも立ちはだかりパラドクスなの
ゲームをしよう?
貴方とマリア
どちらの思い描くパリコミューン(夢)が
より素晴らしい世界なのか
貴方が王を目指したのは天啓とは別に
力ずくで大樹を奪われたせいで
何にも脅かされない強さと安心を欲したからだと思うの
だからジェネラル暴力とか
市民から力ずくで奪った物で釣るとかの
強引な手段で配下の支持を集める事を
無意識に避けたんじゃないかな
だからね
あの宴会で歌ったように
革命淫魔と市民と復讐者の気持ちが一つになって
何が相手でも大勝利
そんな世界がマリアの夢なんだけど
貴方も共感してくれるんじゃないかなって
…ならゲームは引き分けだね
共に歩めないのがとても残念なの
「……貴方が王を目指したのは」
パラドクスを紡ぎつつ、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は己の想いを説く。
それはむしろ、彼女が抱く願いであった。
「貴方が王を目指したのは、天啓とは別に、力尽くで大樹を奪われたせいで、何にも脅かされない強さと安心を欲したからだと思うの。だからジェネラル暴力とか、市民から力尽くで奪った物で釣るとかの、強引な手段で配下の支持を集める事を無意識に避けたんじゃないかな」
「どうだろうな」
一方でロベスピエールは只、肩を竦めるのみであった。否定はせず、だが肯定もしない。ただ、一つだけ、返事の語句を紡いでいた。
「同志マリアラーラは独創的だな」
褒められているのか、非難されているのか判らなかった。肯定してくれているようにも思えるし、否定されているようにも思える。そんな台詞だった。
故にマリアラーラは問う。パラドクスの輝きと共に放たれたそれは、ロベスピエールの何処に突き刺さったのか。投げつけたマリアラーラにも、判断は出来なかった。
「だからね。あの宴会で歌ったように、革命淫魔と市民と復讐者の気持ちが一つになって何が相手でも大勝利。そんな世界がマリアの夢なんだけど、貴方も共感してくれるんじゃないかなって」
共感して欲しい。その願いにしかし、ロベスピエールは首を振る。
「その夢は叶わなかった。だから、全ては終わりだ。同志マリアラーラ」
最早ロベスピエールに未来は無い。革命淫魔達は潰え、市民達は失われる寸前だ。少女の夢は素敵だが、それを成す材料は何処にも無い。
「そっか」
不満げに、マリアラーラが唇を尖らせる。頬も膨らましそうな勢いに、ロベスピエールはただ、苦笑するのみだった。
「そんな顔をするな。我らは滅ぶ。我らは消え行く。だが、お前達が気づかせてくれたぞ。私は只では滅ばない。お前達に楔を打ち込む」
喜べ、と笑う。それを素直に受け止めるべきか、否か。答えは出なかった。
だから、小首を傾げた。楔とは何かと問うた。答えは無く、只の独白だけが残っていた。
「案外同志は傍に居る。事を成せ。声を上げろ。皆で動けば大きなうねりとなるだろう」
少なくとも、そう願った者は他にも居た。それがロベスピエールの知る事実だ。
「そっか。なら、ゲームは引き分けだね。共に歩めないのがとても残念なの」
「ああ。その点なら喜べ。同志マリアラーラよ。……ゲームは私の勝ちだ」
不敵な笑いだけが残されていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】がLV2になった!
シャルロット・アミ
私、難しい話は苦手だったの
だから、貴方とは話をするのを拒んでいたわ
革命家、ロベスピエール
でも、パリが好き
その気持ちはきっと同じだったのね
ネメシスモード展開
(羽根や尻尾が薄緑になり、黒いドレス姿になります:イラスト無)
最後に全力で奏でるわ
パリを愛する者同士、最後の決着を
取り出したる愛器、バイオリン
革命家を誇るがごとく、高らかに響かせて
花の精霊たちを舞わせて
私の精神攻撃くらいじゃきっとあなたの精神は折れないわね
それでも気持ちがぶつかることで
初めてわかることも反発することもあると思うの
もっと、貴方と話してみればよかった
…復讐者としてあるまじきことね
アドリブ、連携、歓迎です
「私、難しい話は苦手だったの。だから、貴方とは話をするのを拒んでいたわ。革命家、ロベスピエール」
シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)の告白は突然だった。共に紡がれる花の精霊の音楽は、ロベスピエールの耳朶を打ち、精神を捻じ曲げていく。全身から流れる冷や汗は、おそらくその作用に寄る物だろう。
「そうか」
ギロチンの刃を紡ぎながら、ロベスピエールはぜいぜいと言葉を口にする。体力はとうに尽きている。今や彼を支えるのは、気力のみであった。
「でも、パリが好き。その気持ちは同じだったのだろうね」
「ああ。そうだ。同志シャルロットよ。同じ街を愛した友。それが私とお前達だ」
片や食餌として。片や芸術の街として。
だから負けないと、シャルロットは抱くバイオリンに力を込める。革命家を揺るがせる音は高らかと響き、再度、彼の精神を侵蝕していった。
もしも、ロベスピエールが只のクロノヴェーダであれば、もはや精神は壊れ、発狂していただろう。だが、ジェネラル級の矜持がそれを許さない。崩壊する精神は血反吐となって零れ、口元を、ボロボロのシャツを更なる朱へと染め上げていく。
それでも、ロベスピエールは倒れない。倒れる訳にいかないと口元を拭い、笑っていた。
「話を簡略化するのは弁士としての責務だったな。それが出来ず、申し訳なかった。同志シャルロット」
「もっと、貴方と話してみれば良かったね」
気持ちを衝突させることで見えてくる物もある。それは理解かもしれない。反発かもしれない。しかし、何かしらあった筈だ。
「そうだな。同志よ」
是とロベスピエールは首肯する。
「語り合えば、お前を知ることが出来た。お前の迷いを昇華することが出来た。お前達を、……そうだな。お前達の力を利用する事が出来た筈だった」
あくどい笑みだった。深謀遠慮。その言葉を示すような破顔に、しかし、シャルロットは笑う。
まったくもう。嘆息と共に、彼女は新たなる言の葉を零していた。
「この期に及んで、本心を見せてくれないのね。偽悪者さん」
もしかしたら、もっと語る機会を設けていられれば、彼の全てを知れたかもしれない。だが、その機会はもう二度と訪れない。
それだけが、何処か悲しかった。
「もしかしたら、復讐者にあるまじき事かしら」
「さてね。同じ台詞を別の同志から聞いた今、私はそれを否定する言葉を持たぬよ」
革命淫魔の返答は否定も肯定もなく、ただの事実のみを綴っていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】がLV3になった!
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
……ん。心残りはないよ。だから後は
逆理を以て命のビリヤードに興じる悪魔。きみたちの同志として
この世界で生存競争をする好敵手として!
ロキシア・グロスビーク。いざ、勝負
貫くのは、僕の意思
“魔槍”の穂を地へ向けた特有の構えをとり
Moon-Childを両脚に集中・活性化し弾かれたように【ダッシュ】
伝承、5種開放!
穂に剣呑なオーラを灯し。敵味方の攻防、その間隙を突くように
禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
必殺の槍撃を放つ!
反撃に際しては
……情けない話だけどね。僕は仲間にすら恐怖してるんだ
どう思ってくれているのか。一度考え出すと怖くてたまらなくなる
でも今は。信じて背中を預けられる
音羽・華楠
……あぁ、もう……感情がぐちゃぐちゃですよ、今。
本当に狡い男です、ロベスピエール……。
この感情の全てを以って――ネメシス形態へ!
種族特徴が消え、黒髪黒瞳の人間の姿に。
《雷幻想・瞬動》発動。
『フェアリーレイピア・ティンカーベル』を手に、雷速でロベスピエールへ斬り掛かります。
復讐者最速を自負する剣速と、その勢いを乗せた剣閃で、彼の命を絶ちにいきますよ!
刻み付けます、あなたに、私を!!
ロベスピエールの反撃は、幻想の民衆を《瞬動》由来の速度で強引に振り切って対処。
多少の傷は無視します!
……もしも、あなたが最初から本音を晒してたのなら、私は絆されてたかもしれません。
……ハンカチ、返しそびれましたね……。
エヴァ・フルトクヴィスト
貴方の窮鼠の牙は確かに私達に突き刺さりました。
戦闘的な部分は勿論、心にも。
支配に抗う解放を目指すという点は、私達と変わりが無かったことはお伝えしたいです。
敵の攻撃には精神を集中させてギロチンたちを観察。
斬撃を追跡して動きを看破。
飛翔や神速反応による緩急やフェイントで攪乱しながら回避を試みて。
難しい場合は勇気を以って刃の軌道へと入り、急所を避けつつ最小限の傷に。
浄化の力を込めた旋律の演奏で支配脱却の詩を歌唱し紡ぎます!
1793年というディヴィジョンを終わらせます。
この世界での出来事を全て受け止めて。
そして貴方たち革命淫魔を反面教師として。
ディアボロスはクロノヴェーダの支配からの解放を進めます。
マタ・クリスタニカ
・「全く。人の事を言えた義理ではないが、やはりずるい男だよ、ロベスピエール卿。何かが掛け違えば…そうだな、貴殿の剣として、動いているのも、悪くはなかったかもしれない、と思うくらいには」
・「いいじゃないか、淫魔革命。断頭革命というのは、いささか血に汚れ過ぎた表現だと思ってはいたんだ。その名は、悪くない。」
・「…このような私を同士と、それでも呼んでくれた卿へ。せめて、私に出来る最大限の賛辞と共に。我が名、マタ・クリスタニカ。かつての近衛兵として、今や人と魔の境界を彷徨う剣として」
・「『淫魔革命』パリコミューンへの手向けとしよう」
・「ゲンソウ(幻奏・現創)の剣を、知るがいい」
「ロキシア・グロスビーク。いざ、勝負」
逆理を以て命のビリヤードに興じる悪魔、革命淫魔達の同志として、この世界に生きる好敵手として討つ。それだけを告げ、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は魔槍を振るう。因果律を操作した赤棘の一刺しは、ロベスピエールを貫き、大量の血をシテ島の川岸へと降らせていった。
返す刀――大量の原稿は、しかし、ロキシアを大きく逸れ、セーヌ川の煌めきへと吸い込まれていく。ただ、河面だけが陽光に反射し、キラキラとした輝きを映し出していた。
「情けない話だけど、僕は仲間にすら恐怖しているんだ」
それでも、独白が零れたのは、ロベスピエールのパラドクスが多少の影響を与えていたのかもしれない。それとも些かの同情だったのかもしれない。
そのどちらとも取れない文言と共に、ロキシアは頭を振り、言葉を続ける。
そう。彼は恐怖している。だが、その恐怖を乗り越えたのもまた、彼自身の想いだった。
「どう思ってくれているのか。一度考え出すと怖くて堪らなくなる。でも今は。信じて背中を預けられる」
「それは――羨ましいな。同志ロキシア」
羨望の眼差しは、眼鏡の奥から紡がれていた。
「ついぞ、背中を預けられる相手に恵まれなかったんだね。ロベスピエール」
「よもや、だ。同志メリクールがその相手と思っていたのだけどな」
だが実際、愛の囁きメリクールは逃亡した。排斥力に侵された事を差し引いても、彼女がロベスピエールを裏切った事は明白だった。
(「それを告げたらそのままショック死してしまわないだろうか」)
決定打になりそうで、扱いに困っている。取り敢えず、代わりに魔槍の連打を叩き込むことで、その代弁とすることにした。
「全く。貴殿は狡い男だ」
幻奏、或いは現創の刺突を繰り出し、苦笑する者が居た。マタ・クリスタニカ(幻奏にして現創の剣・g04728)。己を剣と称する彼は、ただ、その言葉を紡いでいた。
「全く。人の事を言えた義理ではないが、やはり狡い男だよ、ロベスピエール卿。何かが掛け違えば……そうだな、貴殿の剣として、動いているのも、悪くはなかったかもしれない、と思うくらいには」
「おお。だったら、今からでも遅くない。私と手を組み、この悪鬼達を1793年から追い払おう。同志マタよ」
どこからが本気で、どこからが冗談なのか。或いは全て本気なのかも知れない。この期に及んでそんな戯れ言を口に出来る事に、マタは更なる苦笑を浮かべてしまう。全く、大したタマだと何処かで賞賛してしまった。
「いいじゃないか、淫魔革命。断頭革命というのは、いささか血に汚れ過ぎた表現だと思ってはいたんだ。その名は、悪くない」
その賞賛を葬送として。
マタの剣技に穿たれたロベスピエールはぐぬぬと唸りながら踏鞴を踏んでいた。
「かつての近衛兵として、今や人と魔の境界を彷徨う剣として。これが、私の送る手向けだ。同志と呼んでくれた卿に、この剣技を捧げよう」
「遠慮したい、と言っても無駄だろうな」
せめても、と幻影の民衆をマタにかざすが、それは些末な障壁にすら成り得なかった。たちまち幻影は斬り裂かれ、切っ先がロベスピエールを切り刻んでいく。血の霧がぱっと虚空へと、広がっていった。
「そうです。本当に、狡い男――!」
追い打ちは、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が発する叫びだった。その身をネメシス形態――妖狐から人型に変えた彼女は、そのまま、電光石火の勢いでロベスピエールへと斬りかかる。ディアボロス最速の自負から放たれる一閃は、全てを斬り裂く刃へと転じ、ロベスピエールを袈裟掛けに斬り裂いていった。
ましてや、彼女の相対する敵は、ロベスピエールだ。雷速の一撃を躱す術など持ち得ていない。華楠の一刀は、深々と斬り裂く感触のみを、彼女の腕へと残していた。
「刻み付けます、あなたに、私を!!」
「痛いのは御免被りたいが――まあ、痛みもそろそろ感じなくなってきた。せめても相打ちを狙わせて貰うぞ!」
大胆な台詞は、己の状態を知るが故か。それとも困惑狙いか。
ロキシアも、マタも、そして華楠も、それを後者と判断した。故に魔槍の輝きが、残像残す刺突が、精霊剣の一刀が次々とロベスピエールへと連なっていく。反撃に織り成す幻影が、そして原稿の嵐が現れ出でては、しかし、彼らから逸れては消えていった。
「もう、抗う力は残されていないようだね。流石に息切れ、って感じかな?」
「まだまだ、気力一杯だ! 同志ロキシアよ!」
挑発への返答は、精一杯の強がりのみ。ふらつく足も、上がった息も、全てが彼に後がないことを、ディアボロス達に伝えていた。
「貴方の窮鼠の牙は確かに私達に突き刺さりました。戦闘的な部分は勿論、心にも」
終わりを告げるのは、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)の呟きだった。
浄化の歌を歌い上げ、その歌を持ってロベスピエールの身体を打ち砕いていく。ミシミシと聞こえる響きは、彼の身体が崩壊を始めた兆しであった。
「支配に抗う解放を目指すという点は、私達と変わりが無かった。それだけは貴方に伝えたい」
「そうだな。私と、お前達は同志、同類。同じ足掻く物だった」
だが、その道は分かたれた。その切欠は今となっては過去の物だが、彼らを切り捨てると決めたのはディアボロス達だ。だから、革命淫魔達は滅びた。そしてロベスピエールの死によってこの1793年は終わる。革命淫魔の最期は、彼の終焉によって飾られるのだ。
「否。そうとも言えんぞ。同志エヴァ。我らの全滅が此度の勝敗ならば、お前達はそれを成し得ていない! いや、これからも成し得ないだろうよ!」
「は?」
血塊を吐きながらの台詞に、思わず声を上げてしまう。
「この後に及んで何を?」
華楠の台詞に、返ってきたのはいつもの口調、いつもの声量だった。
「我らには敬愛する王妃がいた。それが今、私の知りうる限り、もっとも強力で狂暴な侵略者に保護されようとしている。故に革命淫魔は終わらない! ここでマクシミリアン・ロベスピエールが終わろうとも、我々革命淫魔が敗した訳では無いと断じよう!」
大胆不敵にもそう断言する。
その末期に、ディアボロス達が浮かべたのは驚愕ではなく、むしろ苦笑であった。
「いや、ロベスピエール卿。それは」
マタですら思わず唸ってしまう。流石にそうせざる得なかった。
彼の言う王妃は、十中八九マリー・アントワネットの事だろう。確かに1793年が崩壊した後、彼女がどうなるかは判らない。だが、これから彼女をディアボロス達が保護しようとしているの事実だ。故に、確かに嘘は言っていない。嘘は。
「悪足掻きが過ぎると言うか、負け惜しみが強いと言うか、ゴールポストをズラし過ぎと言うべきか……」
呆れの言葉と共に、エヴァが嘆息する。まして、それをなり損ないと断じていたのは誰だ。その指摘は、しかし、ロベスピエールの嘆息によって封じられてしまった。
「そうだな。自分で言っていて難だが、私もそう思う」
相応の自覚があったのだろう。憮然とした表情に、僅かな赤みが差していた。
「単なる負け惜しみじゃないですか!!」
叱咤と共に舞ったのは、華楠の電光石火の一撃であった。それを胸に受け、しかし、ロベスピエールは言葉を紡ぐ。それだけは残そうとする意地が、彼の全てを支えていた。
「はんっ! だが私の言葉がお前達を作用し、お前達への楔となった。もはや1793年を滅ぼす前と同じではいられまい。それこそが、私の残す物、だ」
そして、すぅっと息を吐く。
短い吐息の末、ロベスピエールは最期の言葉を口にした。
「いやはや、私は此処までだったようだ。すまぬな。同志諸君。敬愛する王妃。そして……」
それが最期だった。トドメと振るわれた音楽が、無数の切っ先が磔の如くロベスピエールを刺し貫く。
断末魔の悲鳴は上がらなかった。ただ、代わりに溢れ出でた物があった。それは――。
光が溢れる。
それはシテ島が、そして、1793年のパリの街全てが放つ物であった。
「この光は――?!」
だが、その正体をディアボロス達は知っていた。故に、感嘆の吐息が零れた。それのみだった。
(「これは……奪還戦に勝利したときと同じ、光……?」)
あったのは心からの安らぎと安堵。ディアボロス達はただ、その光に己の身を委ねていた。
ぴちゃん、と音がした。
天頂からは陽光が差し、ディアボロス達を祝福するかのように照らしている。其処が海である事に気付いたのは、誰が早かっただろうか。
「もしかしてここ、2023年のパリ?」
ロキシアの言葉に、成る程とマタが頷く。1793年は消滅したが、断頭革命グランダルメが存在する以上、パリの奪還は成していない。ならば、ディアボロス達がパリの海に出現するのは道理であった。
「そうですか。やはり奪還とはなりませんでしたか」
エヴァの呟きに込められた想いは、誰もが抱く物であった。1793年の改竄世界史は消滅した。外ならぬディアボロス達の手によって。その事実を受け止め、しかしと頭を振る。
その全てを受け止めると誓った。革命淫魔達を反面教師とすると誓った。ならば、今はそれに従うのみだ。
「それにしても……どうしましょう? ドイツまで泳ぐと言うわけに行きませんよね」
生憎【水中適応】は有っても【水面走行】はない。奪還が終えている土地まで泳ぐわけにも行かず、新宿まで【飛翔】するしかないのかと、エヴァはただ唸ってしまう。
「その内、パラドクストレインが迎えに来てくれるんじゃないだろうか」
「そうだね。それを待とう」
マタの提案に頷くロキシア。初めてのケースだが、おそらく何とかなる。そんな予感だけはあった。
そして。
海に浮かぶ血に汚れた白いハンカチを前に、華楠はただ呟いていた。
「……ハンカチ、返しそびれましたね……」
改竄世界史の海は真水の筈なのに、今、口に入る水は何故か少しだけ塩辛い。そんな気がしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV2になった!
【避難勧告】がLV3になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2023年06月03日 |
| 宿敵 |
『革命淫魔ロベスピエール』を撃破!
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