リプレイ
朔・璃央
双子の妹のレオ(g01286)と
違う形ではあるけれども
望まぬ姿になることへの憤りはよくわかる
そうして憤る事が出来るからこそ
俺達の手で、此処は無くさなきゃいけないよね
その為にもまずは露払いからだね
相手も遮蔽物を上手く使ってくるだろうから
一角ずつ確実に切り崩していこうか
光学迷彩を使いながら遮蔽物に身を隠し周囲を観察
敵が不意打ちしてくるかもしれないから
レオと互いに死角をカバーし合うのも忘れずにだね
敵の姿を捉えたらタイミングを合わせて一気に仕留めにいこう
エアライドの力も使ってダッシュで敵までの距離を詰め
挨拶代わりに一発殴り込み
衝撃波で接近してくる敵は牽制出来るかな
位置さえ判れば次はそいつを狙っちゃおう
朔・麗央
双子の兄リオちゃん(g00493)と
機械化ドイツ帝国の技術、ちゃんと潰しとかないとね
じゃないとまた望まない姿に生まれ変わっちゃう人が
また現れちゃうかもしれないもの
その為に何度も頑張って来たんだよ、私たち
だから今度こそ、ね
だね!まずは道を開くことが肝要ってね
地の利は相手にあり、かぁ
でもそれを逆に利用したいね
光学迷彩を利用して遮蔽物に身を隠しながら情報収集
敵の不意打ちに備えてリオちゃんと互いの死角を
カバーし合うように気をつけておくよ
敵を見つけたらエアライドを活用して一気に詰めて
息を合わせて攻撃するよ
頭上からの攻撃に関してもエアライド活用して
最適な経路で遮蔽物の方へ避ける様に動くね
道を開けてもらうよ
フレイヤ・ネルトゥス
長き道程の果て、ようやく辿り着きました…。
機械化ドイツ帝国の残滓が齎す新たな火種と狂気。
二度と私達の様な姉妹たちが生み出されない為にも、これ以上自動人形たちに技術の利用をさせる訳にはいきません…ですので、その象徴足るあの戦車モドキへと至る塵芥たちは、此処で悉く潰させて貰います!
メフィストへの血路を抉じ開けるべく、兵装『ザミエル』を展開、パラドクス【第七の弾丸】を解放し、立ち塞ぐ敵群を粉砕します。
敵の反撃は、頭上狙いのようなので、そのを粒子盾『ムッシェル』を介した《結界術》で防御しつつ、勢いは《肉体改造》で耐え流します。
この地で彼の帝国の技術が役に立つというのも、なんとも皮肉な事ですね…。
マティアス・シュトローマー
会いたい顔ならたくさん浮かんでくるのに、目の前に現れるのはいつだって故国の暗い影
これ以上俺と同じ思いをする人を増やしたくはないんだ。どんな形で何度現れようとも一歩も退くつもりはないよ
さあ、道を開けてくれる?
密集する敵を足蹴に高く跳躍。さらに【エアライド】で宙を蹴り、衝撃波を伴う一撃をお見舞いするよ
狙うのは仲間の攻撃でダメージを受けている箇所か脆い関節部分。派手な陽動で敵を引き付け、続く仲間が動き易いよう立ち回ろう
敵の包囲網には要注意。エアライドを織り交ぜながら戦場を駆け、反撃を受けても致命傷だけは避けるようにしたい
A7Vメフィスト
一体どれほどの相手なのか、きっちりその顔を拝ませてもらおうっと
レイラ・イグラーナ
あの時は撤退する他ありませんでしたが、あの時この地の秘密工場を発見できたからこそ今がございます。
この機は確実にものにしましょう。
これまで自動人形たちはシテ島では対空に特化した陣地を構築していました。水中からの奇襲を何度も行ったため、そちら以外に意識が向いている可能性もございますが、陣地の性質は大きく変わらないでしょう。
地上から攻め寄せ、【パラドクス通信】で他の復讐者と連携を取り、敵の陣地を包囲するように仕掛けます。
戦闘は集団で接近してくる敵それぞれに雷の魔術を仕込んだ針を投擲。【既製奉仕・雷】で感電させ、破壊します。
意識の隙を突く攻撃には瞬時に反応して回避を行えるように常に気を張っておきます。
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用)
研究も人形どもも、残さず潰せばいいって事か
…ああ。ぶっ壊すんなら任せておけ
周囲のディアボロスと声を掛け合い、連携と情報共有を行う
集団で襲い掛かって来るのは想定内としても、背後を取られないように注意
自分や味方の位置を可能な限り把握し、互いの死角を塞ぐように立ち回る
接近してくる敵に【凍りつく災禍】を叩き込む
冷気で動きを鈍らせ、凍り付かせる
敵の攻撃は長ドスで受け止める
凍らせた敵も盾にしたり、尻尾で砕いて投げつけたり
お仲間を盾にされて怯んだり怒ったりする奴らでもなさそうだが
単純に硬そうだから丁度いい
負傷は然程気にせず、攻撃を優先
暴れ回って、ぶっ壊す
●Am Dom
ところどころ崩れた護岸と砕けて捲れた石畳は、シテ島を巡る侵略者と復讐者達の激戦の記憶を物語っている。
しかし今、荘厳なる大聖堂の周辺は驚くほどの静けさに包まれていた。騒がしい機械化ドイツ帝国研究員達の姿も近くにはなく、ただ吹く風と流れる川の奏でるノイズが連綿と続いている。転がる石畳の破片が爪先に当たって、フレイヤ・ネルトゥス(片翼の射手・g04483)は足を止めた。見上げればノートルダムの双塔が、刻々と傾いていく陽射しに照らされて赤らんで見える。
「長き道程の果て……ようやく、辿り着きました」
機械化ドイツ帝国という改竄世界史が潰えてから、凡そ一年。時空の彼方に消え去ってなお歴史に影を落とし続ける故国の残滓を、フレイヤは追いかけ続けてきた。かの帝国に生まれた者として、またその犠牲者の一人として、この手で滅ぼさねばならぬと走り続けた日々の果てに、伸ばした手は今ようやく届こうとしている。
「これ以上、自動人形達に帝国の技術を利用させるわけにはいきません。……二度と、私達のような存在が生み出されないためにも……」
呟くように口にして、フレイヤは黒い手袋に包んだ手首をもう一方の手で握り込んだ。こう見えて、彼女はサイボーグだ。一見、常人となんら区別がつかないその身体には、帝国の技術が今も息づいている。だからといってここに生きる自分自身を何ら恥じるわけではないのだが――ただ時々、胸苦しい。
抑えた声色に滲む想いを汲んでか、視線は前を向いたままで朔・璃央(昊鏡・g00493)がぽつりと言った。
「分かりますよ。違う形ではありますが……無理矢理、姿を変えられて気分のいい人なんかいませんから」
斜陽に染まった神々しくも美しい天使の翼は、彼が望んで手に入れたものではない。それは、隣に並んで歩く双子の妹――朔・麗央(瑞鏡・g01286)にとっても同じことだ。生まれた時代や世界は違っても、侵略者達への想いには通底するものがある。だからこそ。
「俺達の手で、ここはなくさなきゃいけないね」
「うん。そのために、何度も頑張ってきたんだもん……今度こそ、終わりにしなくちゃ」
緊張からか少し思い詰めたような面持ちで、麗央は頷いた。機械化技術の新たな犠牲者を生み出さないためにも、敗けることは許されない。そう思うと、責任の重さが肩に圧し掛かってくるような気がする。
少なからず緊張した様子の若者達を横目に見やって、伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)はぶっきらぼうに言った。
「まあ、そう気負うな。連中の研究も人形どもも、残さず潰せばいいって話だ」
暴力と欺瞞に溢れた裏社会を長らく渡ってきた年長者の言には、なんとも言えない貫禄があった。握り締めた鍔のない長脇差は、落ちる陽射しを受けてぎらりと獰猛な光を放っている。
「ぶっ壊すんなら、任せておけ」
一陣の風に吹かれて、枯葉がひゅるりと踊るように足下を行き過ぎる。入り口の目の前まで近づいてみても、大聖堂はやはり静かだった。しかし――ここへ来て、何も起きないはずがない。
「あの時は撤退するより他にありませんでしたが……」
注意深く周囲の様子に目を配りながら、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が言った。射抜くような紅い瞳は、恐らくは瀟洒な薔薇窓の向こう側に控えているのだろう、機械仕掛けの悪魔を見据えている。
「あの時、この地の秘密工場を発見できたからこそ今がございます。この機は、確実にものにしましょう」
がらんがらんと鐘の鳴る音がした。それが合図であったのか、石造りの建物の正面に三つ並んだ扉が一斉に開き、中から不気味な人形達が繰り出してくる。ハサミを擬人化したような機械人形は、『ヴォルティジュールドール』――その名の通り軽やかな、そして奇怪な身のこなしで躍り出た人形達は、刃となった両腕を振り翳して復讐者達へ襲い掛かってくる。
無機質なその群れを見つめて、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は辟易したような笑みを浮かべた。
「……ほんと、参っちゃうよな」
今はない世界にかつて存在したもの。頭の中にはいくらだって逢いたい顔が浮かんでくるのに、実際目の前に現れるのは故国の暗部ばかりだ。
さりとて、文句ばかり垂れているわけにもいかない。胸の前で上向けた両の掌に鋼鉄の籠手をまとわせて、少年は挑むように口にした。
「さあ――道を開けてくれる?」
退くつもりは、ない。彼らが何度、どんな形で現れようとも、やるべきことは一つだけ。これ以上同じ思いをする誰かを増やさぬように――故国の汚点を、拭うのみである。
金属の擦れる耳障りな音を伴って、不気味な人形が迫り来る。異形の四肢でカクカクと歩くその姿は、言い知れぬ不安と生理的な嫌悪感を掻き立てるようだ。数本の縫い針を扇の如く両手に広げ、レイラはすうと息を吸い込んだ。
「閃く轍が、晴天を打つ」
川風に靡く長い髪が、残照の中で燃えるような緋色に揺れる。胸の前で交差させた腕を一息に振り抜けば、雷を帯びた針は最前線の人形を二体、三体と貫いた。しかし弾ける電撃に仲間が痺れて固まろうと、人形達は鋭利な刃状の腕を振り回しながら前進し続ける。髪の一筋を散らして後方へ跳び退り、しかし臆することはなくレイラは言った。
「皆さん、これを」
掌に呼び寄せる小さな通信機は、復讐者達の耳元に随伴し、戦場内の通信を可能にする。範囲は限定的ではあるが、見通しが悪く分散を迫られるこの戦場では重要な役割を果たすだろう。耳元に寄せた通信機に向けて、娘は淡々とした口調で続けた。
「これまで自動人形達は、シテ島では対空に特化した陣地を構築していました。しかし、それに乗ってやる義理はありません――地上から包囲網を狭めて、確実に仕留めましょう」
「ええ。あの戦車モドキへと至る塵芥達は、此処でことごとく潰させてもらいます!」
まずはメフィストの待つ工場内部へ、血路を開かぬことには始まらない。勇ましい声音で応じて、フレイヤは兵装を展開する。可変式のリボルビング・キャノンに込めるのは、『第七の弾丸』――黒々とした砲門を人形達の集団へ向けて、娘は顔に見合わぬ力強さで咆哮した。
「制限解除、セブンス・コード起動! フライクーゲル・リミットブレイク――粉砕します!」
突きつけた指の示す先で、重力の魔弾が炸裂する。ただでさえ異様な姿形の人形達が捩じれていくさまを見れば少しは胸も透くかと思ったが、現実はそれには程遠い。苦い表情で眉を寄せ、フレイヤは言った。
「この地で彼の帝国の技術が役に立つというのも……なんとも皮肉なことですね」
しかし感傷に浸っている余裕は、ない。異形の身体をバネのように伸縮させて、一体の人形が飛び掛かってくる。突き刺す腕を翳した盾でからくも受け止めて、フレイヤは仲間達へと呼び掛けた。
「一体一体の力は、大したことはありません。押し切りましょう!」
「ああ、望むところ!」
落ちる陽射しを遮って、戦場を横切る影が一つ。灰色のジャケットを翻して、マティアスが前線へ躍り出る。向かってくる人形達の頭をもうひと蹴りして高さを稼ぎ、少年は太陽を背に鉄の拳を振り被った。
「A7Vメフィストってヤツの顔、拝ませてもらわなきゃだからね!」
祖国の技術の粋を集めて造られたというその人形が、いったいどれほどの相手なのか。この目で見極めずには帰れない。そうですねと肯いて、その傍らへ璃央が並ぶ。反対側には勿論、麗央の姿もあった。
「そのためにも、まずは露払いです」
「だね! 邪魔する悪い人形さんには道を開けてもらっちゃおう!」
合わせて行こう、などと、二人の間ではわざわざ口にするまでもない。黒々とした悪魔の翼を背に広げて、麗央は挑むように告げた。
「さあ、みんなどいてもらうよ!」
周囲一帯を照らす燃えるような赤光が、広げた翼に束ねられて一筋の刃と化し、一体の人形を焼き尽くす。まるで海の裂けるように人形達が左右に割れるのを見て取って、璃央とマティアスは即座に散開した。固めた拳は一振りの度に衝撃波を生み、ひょろひょろとした人形達を吹き飛ばしていく。その反撃は熾烈を極めたが、構うものか――後に続く仲間達のためにも、まずは道を開くのだ。
「援護は任せるよ、レオ」
「オッケー! 任せてリオちゃん!」
自分がどう動けば、相手がどう動くか。語らずとも分かるのは、双子の特権のようなものだろう。互いの死角を補い合うように位置どり、さらには散在する遮蔽物を隠れ蓑にして、兄妹は戦場を右へ左へ飛び回る。狙いを定めきれずに右往左往する人形達は、復讐者達のよい的である。
宙をひと蹴り一際高く跳躍して、マティアスは裂かれた頬をぐいと拭った。
「悪いけど、お呼びじゃないんだよ」
用があるのは、この壁の向こう側だけ。刺すように突き出した拳は極めて狭い一点に爆発的な衝撃を生み、破裂するような音と共に外れた人形の腕が宙を舞う。
「威勢がいいな」
無意識にかニヤリと口角を上げ、逸は右手の刃を握り込んだ。重たげな竜の黒翼は、羽ばたき一つで凍えるような冷気を運んでくる。若い者に負けてはいられない、などと年寄りじみたことを言うつもりはないが、わざわざ前線へ出向いたからには、有象無象の人形どもに一泡吹かせてやるとしよう。
「壊れたい奴から掛かってきな!」
地の底から響くような声色で、黒い竜は唸った。迫り来る人形の鋭利な腕を背中を屈めてやり過ごし、足下に転がる人形の残骸を力任せに叩きつける。
「お前らが今、どんな気持ちか訊いてみたいところだが」
仲間を砕かれて怒るような連中ならば、多分、世界はこんな風になってはいないのだろう。情け容赦は、一切無用――背に背を預けて互いを鼓舞し合いながら、復讐者達は次から次へと湧き出る人形達を蹴散らしていく。そして遂に、その切れ間が見えた。
「突入します!」
耳元の通信機に向けて、レイラは鋭く呼び掛ける。疎らになった人形達の間を突き抜けて、復讐者達は大聖堂の内部へ雪崩れ込む。その先で、彼らが目にしたものとは――。
「な……」
なんだこれは、と、零したのは果たして誰だったか。
美しいゴシック建築の内側には、その外観からは想像も及ばぬような光景が広がっていた。用途も知れない機械の群れと、ちかちかと明滅するランプの星。その只中には、二本角の悪魔にも似た姿をした巨大な自動人形が一体――『A7Vメフィスト』が佇んでいる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV2が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
【賽】
連携アドリブ歓迎
メフィストと研究員のハートフル会話が少し気になりましたが
彼らは諸悪の権化
見逃がす訳には行きません
飛翔し西へ全速力で追跡
西側のセーヌ川地形はかなり蛇行しているので
陸上を飛んでショートカットし回り込み、水上を追跡している仲間と挟撃したい所
どこかで上陸する可能性も視野に、ショートカットする間も研究員の気配や仲間との通信で見失わぬよう注意を
補足したら宙に展開した鍵盤で「月虹」を演奏
月の化身に攻撃を指揮します
仲間と連携し1体ずつ各個撃破
あのポンコツ兵器を作ったのは貴方ですね
どんなに強力なジェネラルと言い張っても、所詮はシテ島から出られぬ欠陥品
この親にして、あの子、という事でしょうか
弔焼月・咲菜
アドリブ・連携歓迎
どこに向かいてぇのか、この国をどこに向かわせてぇのか知らないけどな…
機械化ドイツは滅んだんだ。役者は1人残らず退場してもらわないといけない。例えそれが老害であれ、機械化ドイツの亡霊であれ…。
飛翔で飛行し、川の上空から敵を狙う。
特に作は無い。周囲の味方と連携を取りながら行動し、見つけた敵から一気に接近して首を跳ねる。サーチ&デストロイってやつさね。
反撃は致命傷だけ妖刀でいなし、僅かなダメージは無視。攻撃に専念。
今更逃げんなよ…そうやって生き延びて来たんだろ?ならさっさとくたばれ…。
メフィスト…見た感じかなり巨体だったな…。墓標にすれば、やつら皆でも不足にはならないだろう…。
シル・ウィンディア
【夜の帳】
メフィストを生み出した研究者たちは逃がすわけにはいかないよねっ!
災いの種が広がらないように、ここで刈り取るっ!!
東側へ逃げる研究員を水面を低空飛行の飛翔で追いかけるよ
敵の移動を妨げるために世界樹の翼type.Bから誘導弾を水面に向って連射っ!
水柱を発生させて敵の移動スピードを落とすように仕向けるよ。
反撃された場合は左手の剣で致命箇所を防御しつつ、姿勢制御を行ってふらつきを防止
誘導弾で怯まないなら天翔残影砲で移動手段ごと撃つ!
さて、あなたたちのメフィストはかなりの性能だよね。
パラドクスが効かないとかね…。
まぁ、完全無欠だから弱点もなさそうだよねー
とさりげなく褒めつつ誘導してみようかな?
エレオノーラ・アーベントロート
うふふ、愉しい愉しい追いかけっこですわね!
分かれて逃げるなら分岐が多いセーヌ川の東へ向かう研究員が多くなるでしょうし、わたくしはそちらへ。
【飛翔】を用いて空を駆け研究員たちを追いますわ。
上陸されてはどこへ逃げられるか分かりませんし、橋があればくぐれるくらいの低空を飛行、逃げる研究員を見失わないようにしながら追い、爆弾を投げてきたなら空中機動で回避。
長い直線へ入ったところで「第十三の魔弾【愛執】」。2発の内1発はボードへ。1発は研究員を狙いブチ抜きますわ。
機械化ドイツ帝国の残滓。
別に恨みなんて毛ほどもありませんけれど――わたくし、綺麗に掃除したと思いきや、ゴミが残っているのは許せない性質ですの。
笛島・他助
お~。研究員逃走中って訳か。盛り上がってきたな!
んじゃ此度はハンター俺、アクティブなじーさんどもと追いかけっこだ!
いやっほぉぉおおう!!(ダッシュ)
復讐の刃により手榴弾を取り出し、発見した研究員に投擲していく。
発見をしていなくとも、他の仲間が探索していくルートに逃げていくように別ルートで派手に爆破して回る。追い込み漁というものである。
おらっ!見つけたぞ爺さんども!薬品と手榴弾で雪合戦みたいに遊ぼうぜ!
つかなんだその乗り物は!かっけぇな、俺にも乗らせろ!(撃破後とか奪えたら奪って操作会得で動かせないか試す)
上手い事仲間たちの方へ行ってくれたかね~。完全に逃げねぇよう牽制して爆破して回んねぇとな。
夜明・瑠奈
ドイツ帝国で頑張ってた人達の熱い想いに触れちゃったらさ、その時のことよく知らなかったとしても協力してあげたくなるじゃない?
と、いうわけで悪い技術根絶に向けてもう一肌脱ぎますか♪
【飛翔】を使って追いかけてくよー!
技術根絶のために撃破を最優先だけどその前に♪
電撃を帯びた爪を見せながら
逃げてばかりでいいの~?ここで瑠奈を倒さないとメフィスト退治のお手伝いにいっちゃうぞ☆
って挑発してお相手さんの表情の変化とかの反応を見たいな!
必死に攻撃してくるようにもなったら電撃が弱点の可能性も視野に!
口は語らなくて想いからくる行動が語ってくれることに期待♪
攻撃はナイフでスパッと一撃で!
(アドリブ・連携大歓迎です)
●Westseite
一方その頃、シテ島西・パリ市街上空。
夕映えに染まった雲を背に、二つの影が一定の距離を保ちながら翔んでいく。
「メフィストと研究員のハートフル会話は、少々気になりましたが……」
文字通り飛ぶように過ぎていくセピア色の街並みを見下ろして、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は呟くように口を開いた。
「彼らは諸悪の根源です。どういった事情があろうと、見逃がすわけにはいきませんね」
「まあ、な。どこに向かいてぇのか、この国をどこに向かわせてぇのか知らないが……」
先を行く少年の背を茫洋と見つめたまま、弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)は気だるげに応じた。落ちかけた太陽と同じ色の瞳は何も見ていないようでいて、その実、消し難い怨嗟の焔に燃えている。
「機械化ドイツ帝国は滅んだんだ。役者は一人残らず退場してもらわないといけない……それが老害であれ、亡霊であれな」
今は彼方に潰えたとはいえ、帝国の技術が脅威であることには疑いの余地もない。末端のトループス級とはいえ、その技と意思を継ぐ者達が今もなお生きて存在しているというのは、なんとも薄気味の悪い話だ。多少手が掛かっても、これを排さない理由はない。
「ところで」
赤と黒が目を引くパーカーの肩をこきりと鳴らして、青年は言った。
「俺達はどこへ向かってんだ? とりあえずついて来たが、これって策があるわけじゃないぞ」
逃走中の研究員達を見つけ出し、撃破する――シンプルなサーチ&デストロイ。他に何かあるなら言っといてくれ、と、咲菜は顔に見合わぬぶっきらぼうな口ぶりで続ける。その姿を肩越しに一瞥して、ソレイユは応じた。
「シテ島から西のセーヌ川は、かなり蛇行しているんですよ」
「だから?」
「こうして市街地をつっ切れば、ほぼ確実に先回りができるということです。どこかで敵が上陸する可能性も捨てきれはしませんが……今のところは、怪しい動きもなさそうですし――」
行く手には既に、黄昏の光の中で千々に煌めくセーヌの川面が広がっている。巨大な黒い影と化したブローニュの森を越え、二人の復讐者達は幅広の川の中州へと降り立った。できればシテ島で交戦中の仲間達とも密に連絡を取り合いたいところだが、現在の残留効果レベルではこの広範囲はカバーしきれないだろう。つまり――こちらはこちらで、しっかりと仕事をするだけだ。
強い川風に金髪をばたばたと靡かせながら、ソレイユは続けた。
「敵があくまで水上を移動しているのなら、ここまでは一本道ですから。……ほらね」
すいと掲げた白い手袋の指先で、ボン、と白い水柱が上がる。風に吹かれて聞こえてくる汚いクレッシェンドの悲鳴は、逃走する研究員達のものだろう。川上へ目を凝らせばそこには、水煙を噴き上げて川面を爆走してくる白衣の研究員が二人――その後ろには、背中に光の翼を広げ、水面ギリギリを滑るように翔けるシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)の姿が見えている。
「メフィストを生み出した研究者なんて、逃がすわけにはいかないよっ! 全員、ここで刈り取るっ!!」
災いの種がこれ以上、広がることのないように。サファイアブルーの大きな瞳に確固とした意志を光らせて、シルは逃走する研究員達を猛追する。振り返りざま苦し紛れに投げつけられるフラスコを左手の剣で斬り払えば、寒天の如く切れた硝子からは謎の薬品が飛び散って、少女の白い膚を焼いた。
「熱っ! うー、やったなー!」
きりりと眉を吊り上げて、少女は続けた。
「そろそろ全力出しちゃうんだから! ――いくよ!」
光の翼をひと打ち、一段加速して放つのは魔弾による怒濤の連撃。全力で撃ち出すパラドクスは、研究員達の駆る円盤型のデバイスを木っ端微塵に吹き飛ばした。羽のように宙を舞った老人達は――そんなに綺麗な物ではないけれど――ソレイユらの待ち構える中州へ、頭から突っ込む形で着地する。
「あのポンコツ兵器を作ったのは貴方ですね?」
やれやれと肩を竦めて歩み寄り、ソレイユは地に伏して動けずにいるゾルダートへと問うた。
「どんなに強力なジェネラルと言い張っても、所詮はシテ島から出られぬ欠陥品……この親にしてあの子あり、ということでしょうか」
「なんだとう!」
いかにもといった挑発だが、老いた研究者達にとってはそれが覿面に効いたらしい。見た目にはほとんど区別のつかない老人達はがばっと勢いよく起き上がると、細い足を踏み鳴らして憤る。
「貴様らなんぞに何が分かると言うんじゃい!」
「儂らのことはいい。じゃがメフィスト坊やのことを悪く言うでない!」
「本当に調子が狂いますね……」
この茶番じみたハートフルはいったい何なのだろう。訝るように眉を寄せたソレイユに代わって、今度はシルが話し掛ける。
「そうだよね。実際かなりの性能だよね、メフィストって。パラドクスが効かないとか――」
「おお、そうじゃろそうじゃろ?」
「効かないわけではないけどのう、まあ弾くこともあるかも分らんのう、なんたって高性能じゃから」
「弱点もなさそうだよねー」
「勿論、儂らが丹精込めて作り上げたんじゃ。弱点などありゃしないわい」
「そうじゃ、オーバーロードユニットさえ完成しとったら完璧なんじゃがのー」
北風と太陽作戦は、どうやらそこそこ功を奏したらしい。褒めそやせば途端に饒舌に語り出す研究員達の言葉にウンウンと調子よく頷きながら、少女は続けた。
「なるほどねー。で、オーバーロードユニットの何が問題なの?」
「それは――おっとその手には乗らんぞ!」
「なんちゅうずるがしこい娘っこじゃ!」
「ちぇっ」
さすがに駄目かとシルは唇を尖らせたが、クロノヴェーダなどにずる賢いと言われてもそれはちっとも気にならない。――すると。
ヒュ、と風の鳴く声がした。次の瞬間、研究員の一人の頭と身体が泣き別れ、炎を噴いて爆発する。おう、と瞳を瞬かせる少女を一瞥して、刃の主――咲菜は事もなげに言った。
「これ以上喋らないなら、さっさと片付けて戻った方がいいだろ」
「待て待て待て待て話せばわかる!」
差し迫った身の危険に蒼褪めて、研究員の片割れはじりじりと後退る。見苦しいことこの上ない醜態に眉をひそめて、青年は言った。
「今更逃げんなよ……そうやって生き延びて来たんだろ? いい加減、くたばっとけ」
夕暮れの赤い光を浴びて、抜き身の刃がぎらりと光る。震え上がった研究員は踵を返して逃げ出そうとしたが、その背後にはソレイユが立ち塞がっていた。
「みすみす、あなた方を逃がすわけにはいかないんですよ」
機械化帝国の物語は、今日、この場を持って終わりにしよう。
光の鍵盤で奏でるソナタは淡紫の月光を呼び、老人を覚めない眠りへ誘う。動かなくなった研究員達には一瞥もくれることなく、咲菜は来し方を振り返った。
「……聞いたところじゃかなりの巨体らしいな、メフィストってのは」
屍の山に突き立てる墓標として、これ以上のものはない。戻ろうと呼びかけるシルの声に頷いて、復讐者達は川の中州から飛び立った。
●Ostseite
更に同時刻、シテ島東の水上にて。
「おい、おい、いったいどうなっとるんじゃ!」
「こんなに早くディアボロスどもがやってくるなんて――」
聞いとらんぞと喚き散らし、白衣の老人達がセーヌの川面を滑っていく。その後方百メートルほどの水上には、二人の復讐者達が迫っていた。一人は、夕陽に染まる銀髪の艶やかなエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)。そしてもう一人は、猫の尾を靡かせそれに追随する夜明・瑠奈(うそつきキャットウォーク・g09029)である。
「うふふ、愉しい愉しい追いかけっこですわね!」
「あは、追いかけっこ! 瑠奈追いかけっこ大好き☆」
逃げる老人達の背を追う二人は愉しげに、セーヌ川を遡って東進する。セーヌ川の東側は分岐が多い――故に、少なからぬ敵がこちらへ向かうだろうとエレオノーラは予想していた。実際、細かな分岐を多数擁する支流のマルヌ川に入り込まれたら、これを追うのは厄介だ。逃走の研究員達が最初の分岐に到達する前になんとか片をつけたいところだが、生憎ともうあまり距離がない。とはいえ上陸されてはそれこそどこへ逃げられるか分からない以上、今は見通しのいい水上で彼らの姿をしっかりと捕捉しておくことが肝要だろう。
時折現れる橋を時に潜り、時に飛び越えて、二人は色々と白い後ろ姿を追い続ける。そして数分も経たぬ内に、行く手にはマルヌ川への分岐点が見えてきた。
「加速しろ! 支流に入ればこっちのもんじゃ!」
「加速準備オーケー! 一気に行くぞい!」
追われながらも相変わらずのテンションで声を掛け合って、研究員達は足下の円盤を踏みつけた。扇状に後を引く波飛沫が一段と大きくなり、逃げる者と追う者の距離が少しずつ開いていく。
ち、と小さく舌を鳴らしてエレオノーラは言った。
「逃げ足だけはいっちょまえですわね」
確かに支流に入られたくはないが、何か手はないものか。素早く周囲に目を配った、その時――分かれゆく川の中心に突き出した陸地の角に一人立つ影が目に入る。その正体は。
「お~。研究員逃走中ってわけか。盛り上がってきたな!」
石造りの建物の屋根で額に手を翳し、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)はひゅうと口笛を鳴らした。ひらりと身のこなしも軽く屋根から川面へ飛び降りて、男は猛スピードで近づいてくる研究員達を正面に見据え、ニヤリと笑んだ。
「んじゃ今度はハンター俺! アクティブなじーさんどもと追いかけっこだ! いやっほぉぉおおう!!」
水面を走るように飛翔して、他助は一気に加速する。新たな追手の出現にぎょっと肩を跳ね上げて、白衣の老人達は足下のボードを力いっぱい踏みつけ、急ブレーキを掛けて静止する。
「なんじゃなんじゃ!?」
「新手のディアボロスか!?」
「おらっ! 見つけたぞ爺さんども! お前らの薬と俺の手榴弾で雪合戦みたいに遊ぼうぜ!」
「なんじゃお主! 遊んどる暇はなぞな――ギャアア!」
問答は無用。遠慮も無用。老人が言葉を終える前に、他助は掌に生み出した手榴弾を川面目掛けて投げつける。破裂音と衝撃に続いて白い水柱が噴きあがり、ひええと声を上擦らせて老人達は反転した。
「つかなんだその乗り物は! かっけぇな、俺にも乗らせろ!」
「ええい、右向け右! ルートを変更するぞ!」
とてもではないが、このままでは支流に入れない。しかし振り返って見れば来た道からは、瑠奈とエレオノーラが迫っている。正に八方塞がりの状況に老人達は顔を見合わせたが、無論、それで何かが解決するわけではない。
「えへへ、おにーさんナイスフォロー☆ よーし瑠奈も頑張っちゃうぞ!」
勝ち気に口角を上げて、小さなウェアキャットは一気に加速する。戸惑う研究員達は慌てふためき退路のある方へ走り出すが、逃がしはしない――復讐者の力に目覚めたばかりの彼女は、『機械化ドイツ帝国』とやらをその目で見たことはないけれど。
(「頑張ってた人達の熱い想いに触れちゃったらさ――それでも協力してあげたくなるじゃない?」)
悪しき技術の伝承を断たんがため、多くの仲間達が戦っている。ならば彼等の力になりたいと、瑠奈は思うのだ。
したがって諸悪の根源であるこの研究員達には、早々に滅びてもらいたいところだが――その前に、一つだけ。
「じゃん!」
逃げる老人達の眼前に颯爽と回り込むと、瑠奈は見せつけるように両手を高々と天に掲げた。その指先では、電撃を帯びるオーラの猫爪がバチバチと火花を散らしている。
「逃げてばっかりでいいの~? ここで瑠奈を倒さないと、メフィスト退治のお手伝いにいっちゃうぞ☆」
「……うん?」
小さな猫耳娘が何を言おうとしているのか理解できず、研究員達ははてと首を捻った。腐っても学者の端くれであろうに、なんとも察しが悪い――なんだと口を尖らせて、瑠奈は言った。
「電撃は弱点じゃない、ってことなのね」
「ハッ! しまったそういうことか!」
「この女子なかなかやりおるぞ!」
まあ、いい――一切と言っていいほど情報がない状態から、可能性を一つ潰せただけでも、成果としては十分だろう。もはや用はなし、と、飛び掛かる瑠奈の爪をぎりぎりのところですり抜けて、研究員達は進路を転換し、川の流れに逆らって南進する。猛スピードで逃げていくその背中を見つめて、呟くように他助が言った。
「頭がいいんだか悪いんだか分かんねえな、あの爺さんども」
「ゾルダートに頭のいいも悪いもありませんわ」
呆れ半分の溜息をつき、エレオノーラは長大なレールガンを構える。ここからしばらくは一本道――狙うならば、今だ。
「ブチ抜きますわよ。ドライツェーンテ・フライクーゲル」
装填するのは、『愛執』の魔弾。ひとたび放てばどこまでも獲物を追尾する弾丸からは何者も逃れられはしない。放射状に広がる衝撃波を伴って飛び出した魔弾は矢の如くに夕暮れの風を切り、足下の円盤ごと白衣の研究員達を吹き飛ばす。
肩にかかる長い髪をはさりと背に払って、エレオノーラは鼻を鳴らした。
「機械化ドイツ帝国の残滓。別に恨みなんて毛ほどもありませんけれど――わたくし」
燃えるような太陽と同じ色をした瞳に、揺れた想いは果たして。沈みゆく残骸を冷めた眼差しで見つめて、娘は言った。
「綺麗に掃除したと思いきや、ゴミが残っているのは許せない性質ですの」
後は、ノートルダムの悪魔を滅するのみ。交わした視線で頷き合って、復讐者達は水上を引き返し、一路シテ島へと向かうのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV5が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
荒田・誠司
アドリブ・連携など歓迎
【心情】
機械化ドイツ帝国の技術遺産ってなるのかね。必ず壊してやる
その前にオーバーロードユニットの弱点の見極めをやっていこうか
【行動】
俺が狙うのは味方の援護やオーバーロードユニットの弱点の見極めだ
敵の攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンで受け止めながら
パラドクスで製作した広範囲に敵が触れると凍る水を撒く爆弾を投擲する
飛び回っていても有効範囲が広ければ数で補えば当たるはず
電撃は弱点じゃないらしいから今度は氷結はどうなのか試してやる
上手く攻撃できれば御の字だがひとまず凍った敵をよく観察して見極めておきたい
【パラドクス通信】で仲間達と連絡を取りながら連携と弱点の情報の共有を行う
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用)
さて、このデカブツなあ。解体しちまっていいんだろう?
(「弱点を探る」という役割は承知の上で
悟られないように「正面から突撃して倒そうとしている」風を装う)
周囲のディアボロスと声を掛け合い連携
なるべく動き回り、敵の形状と反応を観察し、情報を共有
【禍竜の鉄槌】使用、敵の足元を崩して(泥濘の地)少しでも動きを鈍らせて観察しやすくする
どこかを庇うような動きはないか、接続部分等に脆そうな部分はないか
動き回る事で、オーバーロードユニットに変化はないか
自分の負傷には構わず、動ける限りは動く
(先に飛び出すからには、覚悟はある
少しでも多く、情報を引き出してやるさ)
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【夜の帳】班外連携・個別採用可
アドリブ歓迎
帝国の悪夢の再現か……眩暈がしそうな光景だ
……やあ、メフィスト「坊や」。再戦と行こう
戦いの中で、敵の様子を観察し情報収集
攻撃動作の溜めや四肢の動き、細い間接、ユニットの重心や動きの癖、エネルギー供給のタイムラグ等
PD通信で味方とタイミング合わせ
前回効果をみた【泥濘の地】で動き封じた直後
【飛翔】で頭部めがけて上から強襲、銃を頭部へ連射し弱点を探る。本命は跳弾が穿つ
上に注意が向けば、味方が脚部や背の弱点を探れる
どっちを庇うかな
体積比、頭が小さいのは気になってた
…俺はドイツ帝国出身
研究員達は倒れた。かの国の技術が伝わる事は二度とない
反撃には魔力障壁を張り防御
白水・蛍
アドリブ歓迎
連携積極的に
周囲の味方をSPDでディフェンス
……ドイツの技術。これを持ち出してしまったのですね。
とはいえ、付け焼刃みたいなものでしょうかね。
巨大なロボなら足元かしら。行きます!
飛翔・エアライドで駆動部分に急速に接近。飛び回る相手に動きを合わせて熱波の支配者を使用。
駆動部分に熱による負荷をかけつつ、駆動部分の付け根に爆発する弾丸を至近距離で叩きこみます!
実際に壊しつつ熱による負荷で動きを視ましょう。
弱点だったらいいのですけどね。
相手の爆弾は弾丸を遠距離でぶつけて遠くで爆発させましょう。
至近距離で来たら飛翔・エアライドで致命傷の回避を。
レオニード・パヴリチェンコ
メフィスト、あの悪魔を必ず倒さないと、だ
そのためにはまずあのオーバーロードユニットをどうにかしないと、だね
ボクは物理的な弱点が存在しないか、それを探ろう
まずは背中のユニットそのもの
次は関節部やユニットの周り
そのものじゃなくても、本体からユニットへエネルギーを供給している部分とかもあるかもしれない
敵が避ける、庇う動きをすればその部分は怪しい
防御力に任せて、受け止めるようならそこは問題ないということ
敵に負けないよう、小柄さを活かしてちょろちょろと動き回りながら魔弾を撃ち込む
乱射なら直撃さえ避ければ……!
ボクが動けなくなるまでに少しでも糸口を見つけ出して、皆に繋げてみせる、よ
「帝国の悪夢の再現……か」
高い天井を背にそびえ立つ『A7Vメフィスト』の道化のような、悪魔のようなシルエットを仰いで、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は苦々しい笑みを浮かべた。彼の地に生まれた者として葛藤しながら、それでも確かに息の根を止めたと思ったのに――潰えたはずの帝国の意志が、こんな形で再び現れるとは。
軽い眩暈を覚えるような心地で、蒼翼の天使は目頭を押さえる。その傍らに並んで、荒田・誠司(雑草・g00115)はぽつりと言った。
「機械化ドイツ帝国の技術遺産ってことになるのかね。……なんて、そんなにいいもんじゃないか」
「他所へ持ち出されていい技術ではありませんしね。付け焼刃の技術ならばまだいいのですが……」
抑えた声色で応じて、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は語尾を濁した。見た目こそコメディチックな研究員達ではあったが、これだけの自動人形を作り上げた技術は決して侮っては掛かれない。額のゴーグルを引き下ろして、誠司は決意を新たに言った。
「必ず、壊してやる」
しかし真正面からただぶつかったのでは、苦戦は必至だ。今は何より『オーバーロードユニット』とやらの弱点を見極めなければならない。勿論と小さく頷いて、エトヴァは黒いコートの内側から二丁の銃を取り出した。
「やあ、メフィスト『坊や』。再戦と行こうか」
皮肉めいた呼びかけに鋼鉄の悪魔は何を思うのか。足元の復讐者達へ仮面めいた顔を向けて、A7Vメフィストは応じた。
「貴様らに坊やと呼ばれる筋合いハ、ナイ」
史実では第一次世界大戦で用いられた戦車の名を称するだけあって、巨大な人形の靴のように見える足首には、キャタピラが仕込まれている。キュラキュラと音を立てて無限軌道が回り始めるのを確認して、エトヴァは耳元の通信機へ呼びかける。
「タイミングを合わせて畳みかけよう。何が効くかは分からないが」
既知の情報は決して多くないが、だとしても戦ってみないことには始まらない。動作の溜めや関節、重心や動きの癖――漫然と眺めていては気づかないようなヒントを見つけ出し、次につなげるのが彼らの役目だ。研究員達は倒れたが、帝国の技術はその一雫とて侵略者達の手に残してはおけない。
ぐにゃりとぬかるんだ不安定な石床に無限軌道が沈み込み、メフィストの巨体がわずかに減速する。生まれた一瞬に天井近くまで飛び上がって、天使は両手の銃を構えた。
「まずは、頭からだ」
左右交互に一発、二発、引き金を引けば白銀の弾丸が宙を裂く。縦横無尽に跳ね回る弾は祈りを以て敵を射抜くはずだった。しかし――。
ガン、ガン、ガァンと立て続けに、硬いもののぶつかり合う音がする。聖なる銃弾はメフィストの二本角を確かに捉えたが、その装甲を穿ち抜くには及ばない。わずかにめり込んではポロポロと落ちていく弾丸の行方を追って、エトヴァは唇を引き結んだ。
(「体積比、頭が小さいのは気になっていたが……」)
特に上を気にする気配もないところを見るに、特別に頭部が弱点ということでもないのだろう。些細な変化も見逃すまいと見つめていると、道化の胸で戦車砲が黒々とした砲門を開く。まずい、と咄嗟に思ったのと砲門が火を噴いたのとは同時で、エトヴァは追尾する砲弾に追われるように後退する。
だが、まだまだ――試すべき行動は、いくらでもある。代わって前に進み出たのは、誠司だった。
「電撃は弱点じゃないんだってな。だったら、こいつはどうだ?」
言うが早いか、青年はパラドクスで編み上げた小型の爆弾をばら撒いた。閃光を伴って爆ぜ散るそれは、周囲一帯に凍てつく水を撒き散らす。自動人形の装甲も例外ではなく、戦車のような鋏のようなメフィストの手足は飛び散る水に触れたところから凍っていくのだが――。
氷をまとった悪魔の腕をまじまじと見つめて、誠司はふむと唸った。
(「確かに当たったし、表面は凍ってもいる……が」)
凍っている、が、それだけだ。特別それで不具合を感じている風にも見えないメフィストは、動きを鈍らせるどころか平然と――それはまるで本物の道化師のように――跳ね回って、爆弾の雨を降らせてくる。咄嗟に翳した盾でどうにか直撃は防いだものの、連続的に弾ける爆発の衝撃は重く、堪える顔が思わず歪んだ。
「冷たいのが駄目ってわけでもなさそうだな」
不安定な地面を避けるように、自動人形は壁も使って戦場を右へ左へ跳ね回る。鈍重な見た目には似つかわしくないその光景は、軽業を見ているかのようだ。これに追随するべく、蛍は宙を蹴りメフィストへと肉薄する。
「ならば、熱ならどうです?」
今はただ、試行錯誤あるのみ。胸に抱いたソードハープを白い指がひと撫ですれば、滑らかな音階がぽろぽろと零れ出す。
「我が音に応えて、来たれ!」
溢れる魔力は奏でる音色に誘われて、無数のエネルギー弾に形を変える。巨大な敵を狙うなら、まずは足元から――狙いを定めて解き放てば、高熱に輝く魔力塊が人形の脚部に殺到する。しかし触れては爆ぜる魔弾が次々と熱波を浴びせても、人形が顔色を――まあ、顔色はそもそも窺えないのだが――変える様子はなかった。
「ソレで終わりカ」
温度を持たない機械音声は、必要以上に冷ややかに響く。投げ返される爆弾を相殺するほどの時間も距離もなく、蛍はその場で旋回した。辛うじて致命傷は避けたものの、細い身体は弾ける爆風に煽られて、強かに側壁へと叩きつけられる。
「くっ……熱でもありませんか。弱点だったらと思ったのですが」
「何かの属性に弱いってわけでもなさそうだな……」
舞う塵埃の中に肩を並べて、蛍と誠司は交わし合う。まったく効かないというわけでもないが、劇的に有効というわけでもない――だが着実に、前進はしている。一つ一つ事実を積み重ねて、目的の情報を探り当てるのが調査の基本だ。
囁き合う声に気づいたのか、人形は動きを止めて足元の復讐者達を見下ろした。
「何をコソコソ話してイル」
「そりゃあ、どうやってお前を解体しようかって話に決まってんだろうが」
なあ、と背にした仲間達へ呼びかけつつ、伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が進み出る。フィールドワークはまだ途中だ――弱点を探っていると気取られ身構えられては、分かるものも分からなくなってしまうかもしれない。ゆえにあくまで挑発的に、聞こえよがしに男は続けた。
「このデカブツ、解体しちまっていいんだろう?」
「……随分と大きな口を叩クものだ」
「何、お前さんほどじゃない」
全身の関節から白い蒸気を噴き出して、メフィストは黒い竜へと向き直る。あくまで正面突破する風を装い、仲間達が弱点を看破するまでは敵の注意を引きつけておきたいところだ。
(「まあ、時間稼ぎは任しておけ」)
前線で耐えて耐え抜いて、少しでも多く情報を引き出せる好機を作ってやる。
黒翼をひと打ち、天井近くまで翔け上がれば、顔のないメフィストの視線が追ってくるのを肌に感じた。紅と蒼の二本角を真下に見て、逸は鉄槌が如く『落下』する。石床を砕く衝撃にメフィストはふらりとよろけたが、すぐさま体勢を立て直すと全身の砲門を開き、無数の弾丸を射ち出した。
「ち……!」
貫く弾丸は顔を庇った腕に灼けるような痛みをもたらして、逸は思わず舌打ちした。だがこの程度は覚悟の上――彼らがここで耐えれば耐えるだけ、敵の情報を多く引き出すことができるのだ。
前線を守る仲間達の後方より敵の動きを窺いつつ、レオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)は首を捻った。
(「とにかくあのオーバーロードユニットをどうにかしないと、だけど……」)
あちらこちらと跳ね回って動いても、『オーバーロードユニット』なる装置に変化の兆しは見られない。必ずや双角の悪魔を討つという決意に変わりはないが、霜の精を宿した魔弾を打ち込んでも、想定していたほどの効果はないようだ。可能性を潰している段階とはいえ、これまでのところは弱点らしい弱点も見つかっていない。まったく消えた世界史の影とも言うべき残党が、厄介な存在を生み出してくれたものだと思う。
(「電撃でもない。冷気でも、高熱でもない。頭や脚を庇うのでもない。とすると――他に物理的な弱点があるのかな?」)
オーバーロードユニットが未完成の代物である以上、何もないとは考え難い。突破口は必ずあると信じて、少年は眼前で繰り広げられる攻防を食い入るように観察する。そして、あ、と小さく声を上げた。
(「――まただ」)
また、くるりと反転した。遠目に眺めている限り、メフィストは常に復讐者達を正面に捉えながら動いており、背中に装着されたオーバーロードユニットの様子はほとんど捉えることができない。頭部や胸部への攻撃をほとんど気にせず立ち回っていることに比べると、それは些か不自然であった。
(「ボク達に背中を見せたくない? ……と、いうことは」)
もし、背中に負ったユニットそのものがA7Vメフィストの弱点なのだとしたら?
思い付いたら、行動あるのみ。降り注ぐ弾丸を掻い潜って部屋の端まで移動すると、レオニードは機械の山に身を潜めながら敵の背面へ回り込む。追加されたユニットは人形の背中をほとんど覆うほどの大きさで、本体に比して細いため極めて分かりにくいが、よく見れば下部からケーブルが伸びている。そして筐体の表面にはご丁寧にも、『衝撃に注意』との記載が見て取れた。
(「衝撃に注意。……もしかして、強い衝撃を与えると……」)
爆発する?
少年は再び首を捻った。
動きに制約が生まれるにもかかわらずケーブルが無意味につながっているとは思えないから、これを断てばオーバーロードユニットへの動力供給を断つことができるかもしれない。ただこの場合、攻撃や移動の出力が落ちたとしても頑丈な装甲はそのままだ。
一方でもし、背中に密着したあのユニットが大爆発を起こしでもすれば、メフィスト自身も無傷では済まないだろう。もしかしたらそこから、攻撃が通りやすくなるかもしれない。しかし、爆発の規模によっては攻撃したディアボロスもまた危険に晒される可能性が極めて高い。
いずれも確たる証拠はないが、さて――どう動くべきか?
次なる一手は、復讐者達の判断に委ねられている。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【冷気の支配者】がLV2になった!
【泥濘の地】がLV2になった!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
シル・ウィンディア
さて、判明したからには…。
破壊行動あるのみっ!!
背中に回ろうとしたらこっちに注意が行くんだよね。
それならっ!!
パラドクス通信で味方と連携。
世界樹の翼type.Bで誘導弾を工場施設に片っ端から連射して撃ち込むよ。狙うはケーブルの繋がれている場所を中心に撃っていくよ
わたしの方に注意が向いたら、みんなへ背中に回るように伝えて、そのままパラドクスの攻撃を行うね。
味方が気を惹いてくれているなら、エアライドで背中までのルートを見出して、ジャンプと飛翔で高速移動
背中のユニットめがけて七芒星精霊収束砲っ!
爆発の恐れはあっても
確実に通すなら接近するしかないっ!
前に防がれた砲撃だよ
今度は遠慮せずもってけーっ!
夜明・瑠奈
衝撃に注意かー。書いててくれるなんてあの博士たちらしいっていうか。
それだけ大切に思いながら用意してたんだね!裏目になっちゃったけど☆
さってと。あれを壊すために瑠奈もちょっと気合を入れましょうか!
この状況だと気持ち程度かもだけど、願掛けの意味も込めて【光学迷彩】で身を潜めながら強襲するチャンスを窺うよ!
その時にメフィストに隙とかあれば【パラドクス通信】でご一緒する人に教えたりもしたいね♪
ユニット壊したら爆発する?上等!
例えそれで瑠奈が動けなくなったとしてもみんながメフィストに勝つための一手になればそれでいい。
あの時と一緒でさ、こういうのも仲間と戦うことの醍醐味でしょ☆
(連携・アドリブ大歓迎です)
ラズロル・ロンド
アドリブ連携歓迎
え、これオーバーロードユニットが弱点でもある?
親御さん、なんてもの坊やに載せてるんだ
と、こちらが気付いてる事を悟られないように
正面に対峙しデザートウォールで
地面から砂を出現させ立ちはだかるように砂の手を生やす
砂の手を挟んで後方で構え、手の形と連動するように攻撃を仕掛ける
巨大な砂の手でパァンと掌底打ち
衝撃ならこっちからだって揺さぶれるだろ?
どすこいと張り手やグーパンで
気を引くべく派手にダイナミックに惹き付けよう
反撃の砲撃も砂の手が受け止めつつも
ぶち抜かれる分は魔障壁を展開しながら身を低くし回避行動を
ユニット直接攻撃は頼もしい仲間に任せよう
僕は正面から重い衝撃を打ち込みにかかる
●Der Durchbruch
「え……と、ちょっと待って。それってつまり、オーバーロードユニット自体が弱点でもある……ってこと?」
伝えられた情報は俄かには信じがたく、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は訝るように眉を寄せ、A7Vメフィストの巨体を仰いだ。身のこなしも軽くその傍らへ進み出て、夜明・瑠奈(うそつきキャットウォーク・g09029)もまたまじまじと人形の背中の装置に想いを馳せる。
「衝撃に注意かー。わざわざ書いててくれるなんてあの博士たちらしいっていうか……それだけ大切に思いながら用意してたんだね! 裏目になっちゃったけど☆」
「うーん、大切にしてるんだかどうなんだか……」
注意書きはさておきそんな装置自体、『坊や』と愛でる子どもに背負わせる物ではない気がするが、まあ、そこはメフィストと研究員達の間にも色々なやり取りがあったのだろう。そこを深く追及すると頭が痛くなるような気がして、ラズロルは緩く首を振ると視線を逸らした。こちらが敵の弱点らしきものに気付いたと悟られて、対策を取られるのはあまり宜しくない。
とにかく、と努めて控えめな声でシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)が言った。
「とにかく、判明したからには破壊行動あるのみだね。なんとか背中に回り込むよ!」
とはいえ――先程からずっと、メフィストは常に復讐者達を正面に見るように立ち回っている。背後からしっかりと狙いを定めて弱点たるオーバーロードユニットを狙うには、多少工夫と連携が必要になるだろう。
手中の杖を握り締めて、シルはきりりと人形を睨んだ。
「それなら、これでどう!?」
掲げた杖の先から迸る魔弾が、メフィストを囲む装置の群れを目がけて飛んでいく。工場の設備が破損すれば、オーバーロードユニットの動力系にも影響が出るのは必至だ――と、思ったのだが。
「何をシテイル」
「!」
ぬうと立ち上がった人形の巨体は、天窓から落ちる夕映えを背に黒々として復讐者達の前に立ちはだかる。そう易々と壊させはしないということか、歯噛みをして後退したシルに代わってラズロルが言った。
「このままじゃ埒が明かない。手分けして掛かろう!」
まずは正面で、敵の注意を引き付ける役が必要なはず。次第に速く打ち始める心臓を鎮めるように大きく深く呼吸して、青年は人形の前に進み出るや褐色の腕を差し出した。
「砂塵よ、集え」
ひゅるり、吹き抜けた風がどこからか赤茶けた砂漠の礫を運んでくる。烈しく渦を巻き始めたそれはやがて巨大な手を象って、A7Vメフィストの正面に立ちはだかった。
「僕とも少し遊んでよ――坊や」
悪戯に笑った菫色の瞳に、巨大な人形は何事か口を開きかけたが、結局言葉にはならなかった。風を切って突き出したラズロルの掌底に合わせるように、巨大な砂の手がメフィストの胸を打ち据える。正面からの攻撃が敵の背面に与える影響は限定的だが、構いはしない――人形の両脚がじわりと押し返されるのを見て取って、ラズロルは敢えて挑むように呼びかけた。
「ほら、ほら! 掛かって来ないならこっちからどんどん行っちゃうよ!」
陽動は、できるだけ派手な方がいい。叩きつける砂の塊に向かい合うメフィストを一瞥して、瑠奈はぐるぐると黒いパーカーの肩を回した。
「さってと。それじゃ、瑠奈達もちょっと気合を入れましょーか!」
「そうだね。きっと今が、チャンスだから……!」
交わした視線で一瞬、頷き合って、シルと瑠奈とは動き出す。片やひしめく機械の間を縫い、片や天井近くへ飛び上がって人形の視界の外を行き、少女達はA7Vメフィストの背後をめざす。無意識にその影を追っていたことに気付いて、ラズロルは目の前の敵へ目を戻した。
(「頼むよ、みんな」)
人形の全身に組み込まれた砲門が、一斉に火を噴いた。いくつかの弾は砂の手の中で爆ぜ散ったが、それでもいくつかはその壁を突き破って飛んでくる。弾ける爆風に煽られてたたらを踏みながら、狐は素早く戦場を見渡した。先行した二人の姿は既に機械の海を越え、メフィストの背面に回り込んでいる。
壁を背に巨大な人形を振り返って、シルは杖を掲げ、そして一瞬息を詰めた。
(「衝撃を与えたら、爆発するかもしれない――けど」)
それでも、確実に攻撃を通すためならこうするしかない。気をつけて、と耳元の通信機に呼び掛けると、瑠奈の勝ち気な声が返った。
「爆発上等っ! 例えそれで瑠奈達が動けなくなっても、みんながメフィストに勝つための一手になれば……でしょ?」
相対するのは、ただの自動人形ではない。鋼の帝国の技術の粋を集めて造られた最強クラスの自動人形を相手にするのだから、活路を開くためにはリスクを厭わぬ覚悟が必要だ。
うん、とためらいなく頷いて、シルは掲げた杖に魔力を送り込んでいく。
「前に防がれた砲撃だよ! 今度は遠慮せず――もってけーっ!」
花開いた杖の先に青く輝く七芒星が展開し、くるくると回り出す。その中心を杖の先端で一つ叩けば、七色の光帯が一つの白い光となり、A7Vメフィストの背部に装着されたユニットを直撃する。背後からの一撃に一瞬動揺を見せながら、それほど慌てる様子はないメフィストであったが――。
「……ム!?」
大聖堂の高い天井に、ビービーとけたたましい警報音が鳴り渡る。A7Vメフィストのボディと同じ色をしていたはずのオーバーロードユニットは、熱を持っているのか明々としたオレンジ色に変色し、赤いランプを明滅させている。いかにも、これ以上の衝撃を加えれば爆発すると言わんばかりの様相である。しかし――銀色の猫は、迷わない。
「猫のキックは流星の如く、ってね☆」
壁を蹴って跳躍し、瑠奈は空中で反転する。そして自重に回転の勢いを乗せ、編み上げブーツの爪先を過熱するオーバーロードユニットへ突き刺した――瞬間。
「! 危な……」
叫んだのは、誰の声だったか。ランプの点滅の間隔が短くなり、ブザーが停止する。そしてわずかに遅れて、鼓膜も破れんばかりの爆音が響き渡った。
「グオオオオオ!?」
背中から巨大な火柱を噴き上げて、人形が悲鳴じみた声を上げた。爆風と衝撃波によって聖堂の壁へ強かに打ちつけられ、瑠奈は石床にずるりと崩れ落ちる。大丈夫、と叫んで駆け寄るシルの肩越しには、装甲が吹き飛び、焼け焦げたA7Vメフィストの背中が覗いていた。
「だい、じょぶ。だって、みんなが……一緒だもん」
共に戦う仲間がいてくれるから、無茶ができる。
後に続く友がいると、知っているから次を託せる。
新宿島へ流れ着いてまだ間もない彼女にとっては、そんな当たり前のことが少し眩しくて、そして何よりも温かい。
(「でも……ちょっと疲れたかな」)
目が覚めたら、きっとまた頑張るから――今は少しだけ、休ませて。
重い瞼を持ち上げるのを諦めて、少女は意識を手放した。
※重傷者:1名
『夜明・瑠奈(うそつきキャットウォーク・g09029)は重傷を負った』
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV3になった!
【水中適応】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
弔焼月・咲菜
さて…ケリをつけようじゃないか…。見せてみな、テメェの力をさぁ…。
オーバーロードユニットはぶっ壊したとは言え、腐ってもジェネラル級。そう簡単に落とさせてくれないだろう。味方と連携を取り、なるべく横及び背面を取るように立ち回る。
反撃は致命傷だけ避け、後の攻撃は基本的に無視。
敵の意識が味方に向いている隙に、妖刀を納刀。1番装甲が薄くなっている部分を熱波の支配者も仕様して一気に溶断し、そのまま身体を真っ二つに切断する。
機械化ドイツの亡霊風情が…真っ二つにして、グランダルメの土に還してやる…。冥土の土産だ。受け取って逝け。俺たちの……人間の底力を!!
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
ディアボロス達が身命を賭し招いた千載一遇の好機
ここでアイツをやっつけて、めでたしにしないと嘘ってものでしょ
だから。今度は僕が貢献する番!
“魔槍”を力強く握り締め
【パラドクス通信】で味方と戦法を擦り合わせ、
複数対象攻撃に巻き込まれないよう分散して
【泥濘の地】を行使。敵味方の攻防の間隙を生み出し、突きに征く
爆撃に晒され続けるのは、怖いけど!
飛び回る敵を追い、弾かれたように疾駆
伝承、5種開放!
“魔槍”の穂に剣呑なオーラを灯し
爆発を外骨格化したMoon-Childで減じるよう努めながら【ジャンプ】!
ぐ……ッ!足を止めるのは、もっと怖いから!
禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
エンデ・トロイメライ
研究員は全員排除、オーバーロードユニットも破壊した。
それじゃ、最後の後始末といこうか。
FLUGEL最大出力。【飛翔】の効果を上乗せした高速飛行を活かして攻める。
敵は装甲の薄くなった背部を庇いながら動くだろうね。そこを突く。
敵の背後に回り込むような動きを何度も見せながら一定の距離を保ち飛び回る。
急加速や急停止、急旋回など時折[フェイント]をかけ敵を[撹乱]。敵が背部への意識を集中せざるを得ない状況を作り出す。
だが、アタシの本命はその脚部の関節。
背中に回り込むと見せかけ脚を速度の乗った斬撃で破壊し機動力を削ぐ。
ドイツに思い入れとか全然無いけど、利用されっぱなしは癪だからねぇ……消えろ、今ここで。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【夜の帳】
連携アドリブ歓迎
青き炎纏うネメシスへ
……陽が落ちる
機械の軋む音に、ドイツ帝国の記憶が走る
それは夢か幻か
もうどこにもない帝国の残照
覚えているさ……だからこそ
この手で、皆と夜の帳を引こう
PD通信で味方と連携
戦況を観察
味方の攻防の最中、上や前へ注意を惹いてもらう間に
片足へ泥濘の地で足を取らせ
隙を看破し飛翔。最高速で足の間を抜けるか、注意の逸れや重心の崩れと逆から背へ回り込む
壁を蹴るか二段エアライドで角度を変えフェイントし背中へ連射
かの国への愛憎を胸に
反撃には魔力障壁で防御し
障害物に掠め当てつつ飛び回り回避
……逃しはしない。心中はしてやれない
さようなら、愛した地の残り火よ
その灯はこの胸に在れ
音羽・華楠
……私は、ヴィルヘルム2世個人にはともかく、機械化ドイツ帝国に深い思い入れはありません。
なので、A7Vメフィストにも思い入れは無かったんですが――
……味方のあの頑張りを見せられて、奮い立たないわけが無いでしょう!!
絶対倒します、あの巨大絡繰人形!!
メフィストを《雷幻想・斬鉄》で攻撃。
あちらの巨体に合わせ、変幻自在の《斬鉄》を伸長、一刀両断も狙える長さに。
振るう際は、無理にメフィストの装甲の剥がれた背面に回り込みはしません。
――《斬鉄》なら正面からでも、刀身を曲げてメフィストの背中を狙えます!
反撃の爆弾の雨はメフィストを倒せば止まるので無視!
雷は弱点じゃないそうですが――本当か試してあげます!!
エレオノーラ・アーベントロート
物々しいですわね。
自動人形なんて自称していますけれど、ゾルダートと名乗った方が分かりやすいのではありませんこと?
あちらが聖堂の中を縦横無尽に移動するのであれば、こちらは【飛翔】で縦横無尽に飛び回りましょう。
こんな狭いところで正気ではありませんけれど、それはお互い様ですわ。うふふ。
こちらに向いた戦車の砲門を回避しながら生身で電磁レールガン「フェアレーター」から放つ「第二十五の魔弾【惨劇】」での砲撃戦を行いますわ。
これもドイツ機械化帝国の遺産ですのよ。奇遇ですわね?
タイミングを見計らい砲弾の爆発に紛れて接近。
弱点狙いなんてせず、【惨劇】の魔弾で真正面から――スクラップにして差し上げますわ。
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
仲間が体を張って切り開いたチャンス
必ずメフィストを倒し、シテ島の開放を
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
白馬の騎士を喚び、場上槍を構えて突撃攻撃を指揮します
真正面から正々堂々、と見せかけ脇を駆け抜け
ぐるりと回り込むように馬を走らせ
狙うはオーバーロードユニットの爆発で装甲が剥がれた背面
当然相手も警戒するでしょうけれど、仲間と攻撃タイミングを合わせ
読まれづらくなるように動きます
反撃は魔力障壁を展開して多少でも軽減
この島は貴方にとっての家であるのと同じように
私にとっても思い出の場所
硝煙と油の匂いより、心地よい風と教会の鐘の音が似合う、あの場所を取り戻します
さようなら、帝国と革命の落し子
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
オーバーロードユニット自体が弱点になるだなんてね。
完成する前にこの場面に辿り着く事が出来て良かった。
道を切り開いた仲間の分まで戦いましょう。
『Boeotia』のテンプルをノックして起動
超視覚での【観察】による【情報収集】で敵の弱点までの道筋を割り出し
掌に灯す蒼き魔力の灯火を機械魔導弓『ACRO』に番えて引き絞りパラドクスを発動
放たれた矢は弓のそれでは無い起動を描きながら敵の背後へと周り込み敵の急所を撃ち抜きます。
敵の反撃は『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】し
爆弾が起爆する前に【一撃離脱】
ボクは嫌いじゃありませんでしたけどね。
いつか作って見せますよ、正義のロボット
フレイヤ・ネルトゥス
連携アドリブ可
装甲が剥がれた戦車は、戦場で潰えるのみ…機械化ドイツ帝国の残火は此処で消させて貰います。
オーバーロードユニットが破壊されたとはいえ、ジェネラルを名乗る以上、再度容易に背を取らせてくれません。
味方と連携し、正面から砲撃戦を仕掛けるように注意を惹き、味方の背部攻撃へと繋げます。また同時にその動きをも利用し、こちらのパラドクス、リボルビングキャノン『ザミエル』での『戦場の砲女神』の砲撃を叩き込む機会を狙います。
悪魔を称した兵器の名を与えられた戦う意義だけの存在。
哀れに思いますが、貴方が戦車として生まれた以上、私からは砲撃の礼を尽くしましょう…受けなさい、これが私のオーバーロードです!
ラズロル・ロンド
【夜の帳】
無茶しやがって…
だがその気持ちは受け取った!
ここで倒すぞメフィストっ
これで幕引きだ!
爆発した今、背面に痛烈なダメージが入る事は間違いない
なら僕のやる事は変わらないな…
今度はその背面、全て曝け出させる
しかし、ただ力押しじゃ芸が無い
こっちに怒りも溜まった頃合いだろう
正面より盛大に挑発「坊やだからじゃないかな?」
とデザートウォールと同じ構えをし
また打撃か?と思わせた所を
【泥濘の地】と共に砂塵海嘯の楔を使い
海嘯で足場を動かし崩そう
片足だけでもいい
その巨体ひっくり返れ!
更に楔の追撃で背面を穿ち一瞬でも動きを止める
やれる精一杯の事を!
反撃の爆弾の雨は魔障壁で防御を
マティアス・シュトローマー
誰かの為に、なんて高尚な事は言えないけど
メフィストを倒したい気持ちは俺も同じ
あの時ネイに持ち去られた技術は――その芽は、ここできっちり摘んでおかないと
【飛翔】に【エアライド】を織り交ぜながら、こちらの動きを先読みさせずに接近。そのまま通り過ぎたように見せ掛けてから宙を蹴り、敵の背後を取ろう
パラドクスを発動。七発の弾丸が狙うのは、装甲の薄くなった背面と四肢の関節部分。絶えず攻撃を仕掛ける仲間と共に畳み掛け、確実にダメージを与えたい
へえ、見た目の割に身軽なんだ
でも俺も足を止めるつもりはないよ
反撃は【飛翔】で飛び回る事で出来る限り躱し、間に合わないものは銃で迎撃
君にも祖国の影にも負けたくはないから
笛島・他助
仲間達が命懸けで暴いた弱点。倒れた仲間は他の皆に託したってんなら……それに応えなきゃ諜報員として、男として失格ってもんだ。
出し惜しみはしねぇぜ?
泥濘の地で動きが鈍ってるのを利用はしつつ、光学迷彩込みで静かに且つ素早く機械の影を移動。
敵の動きを情報収集しつつ、パラドクス通信で仲間と連携しながら背面側にて出来た隙を見たら、すかさずアサシネイトキリングで仕込み杖をぶっ刺す。
そしたら飛翔とエアライドを駆使して一撃離脱しつつ、爆弾の雨を弾いたり躱しつつ次のチャンスの為に機械の影で息を潜める。その繰り返し。
ヴィルヘルム2世の死と共に機械化ドイツ帝国は終わったんだ。いつまでも残り香に縋ってんじゃねぇっての。
アンネリーゼ・ゾンマーフェルト
【夜の帳】
技術は人を幸福にするためにある
そんな前提が機械化ドイツ帝国には存在しなかったわ
挙句に帝国が滅びた今も、尊厳なき技術は異国の地を蝕んでいる
……消し去りましょう。おぞましい忘れ形見を!
≪対ゾルダート電磁銃≫を手に≪ズィルバーナ・ラーベ≫に騎乗
低空を【飛翔】し、空中戦マニューバで旋回して敵の背後を取ろうと動くわ
仲間の攻撃に乗じたり、敵の攻撃後の隙につけ込めるようなら
機を逃さず背中に向けて攻撃を撃ちこみましょう
敵の業に対しては電磁銃を連射して空中で爆弾を誘爆させ対処
そして飛び跳ねた敵が着地する前に下を潜り抜け、背後を取ってダメ押しのパラドクスを放つ!
帝国の子として、同じ血を継ぐ悪魔を討つわ!
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用)
(ネメシスモード:背中の翼が竜の腕に変形)
スクラップ待ったなしってとこだなあ、デカブツ
(あのザマだ、背中をぶん殴れば効くだろうが
そりゃあ向こうもわかってんだろう)
周囲のディアボロスと連携
敵を挑発し、あえて正面から攻撃
自分を囮にして、他のディアボロスが敵の背中を狙う為の隙を作る
狙いを気取られないように、味方との会話は最小限に
デカブツの目の前を、砲撃を避けながら鬱陶しく動き回ってやろう
前のめりにスッ転んで背中を晒してくれりゃ一番いいが
長ドスと竜の爪で【禍竜の鋭刃】使用
関節や装甲の継ぎ目など、強度が低そうな箇所や
機動力を削げそうな箇所を狙う
アンゼリカ・レンブラント
追いつめているね、流石ディアボロス
最後の一押し、私も参加するよっ
仕掛ける機は仲間と合わせる
勇気を胸にダッシュで間合いを詰め、
力を込めてパラドクスの砲撃っ!
オーラも障壁も全開にして反撃を凌いだら一撃離脱、
小回りを生かし左右に走りながら隙を伺い最後攻撃っ!
自身の役割はめいっぱい前で攻撃を打ち込み隙を作ること
ここまでA7Vメフィストを追い詰めた人たちに
最後を決めてもらうべく、焼け焦げた背中をがら空きにする!
反撃を凌ぎつつ攪乱し、
時に前に引き寄せるよう周囲を飛び回り隙を作る
みんなのラッシュに合わせ、呼吸を整えた
全力の《終光収束砲》ッ!
機械化ドイツ帝国は1年前に滅びた
残滓も残さない――さぁ決着の時だよ!
●Gegenangriff
暮れなずむ空を衝いて建つノートルダムの双塔が、爆発の衝撃に震え上がる。淀んだ灰色の煙と塵埃が朦々と舞い上がる中で、ある者は石床を踏み締め、またある者は手近な機械の陰に身を潜めて、復讐者達は爆風を凌ぎ切る。
「まさかオーバーロードユニット自体が弱点になるだなんて……」
ぱらぱらと落ちる砂礫の下、顔を庇った両腕をやっとのことで下ろしてレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は言った。諸刃の剣、という言葉はあるが、それにしてもあまりにお粗末な弱点には科学者の端くれとして頭痛のする思いだが、もはや何も言うまい。それよりも、装置が完成する前にこの局面に辿り着けたことを幸運だったと思うことにする。
(「まあ、ボクは嫌いじゃありませんけどね、こういうの」)
これが正義のロボットならばなお良かったのだが――それはいずれ自らの手で生み出すとしよう。ここに至るまでの道を切り開いた仲間達のためにも、今は目の前の敵を倒すだけだ。
一つ深呼吸をして、レイはエメラルドグリーンの瞳を覆うゴーグルのテンプルを指先で叩いた。両膝をついた巨大な自動人形は背中から煙を噴きながら、不気味な沈黙を保っている。
「やったか? ……なんて、」
そんなわけないよな――と皮肉げに口角を歪め、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は慣れた手つきで拳銃に弾を込め直した。ヴン、と鈍い電子音がしたかと思うと、A7Vメフィストは片膝を立て、そのままゆらりと立ち上がる。生まれて間もないとはいえ、ジェネラル級に数えられるだけの大物だ。これで倒せる相手なら、最初から苦労はしていない。
「オノレ――やってくれたな」
ノイズの混じる人工的な声色で、人形は言った。表情のない顔からその感情を読み取ることはできないが、全身から放たれるプレッシャーは凄まじく、そびえ立つ巨体を実際よりも大きく見せるようだ。
呆れたように肩を竦めて、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は言った。
「物々しいですわね。自動人形なんて自称していますけれど、ゾルダートと名乗った方が分かりやすいのではありませんこと? ……まあどっちでもいいですけれど」
A7Vメフィストと名付けられたそれが何者であれ、彼女達の成すべきことに変わりはない。ダンと石床を踏み切って跳躍する自動人形の動きに合わせるように、娘もまた壁沿いに翔け上がる。
「こんな狭いところでよくやりますわね。けれど、そちらがそう来るのならお付き合いいたしましょう――うふふ」
鈴を転がすような声音で零した笑みは、どこまでも不敵だ。人形の両腕の砲門がこちらに向けて開かれるのとほぼ同時に、エレオノーラは黄昏の光に赤らむ銀の電磁砲を構える。帝国の技術によって生まれた者と、帝国の遺産を受け継ぐもの――その両者が相容れることのない侵略者と復讐者として対峙するとは、実に奇遇で、そして皮肉だ。
「さあ、スクラップにして差し上げますわ!」
黒々とした砲弾が人形の腕を飛び出したのと、エレオノーラが動いたのとは同時だった。高度を上げて砲弾の直撃を防ぎながら、娘は電磁砲のトリガーに手を掛ける。放つのは二十五番目の魔弾――すべてを貫く弾丸は最短距離で宙を裂き、真正面からメフィストの胸を刺し貫くはずだった。
しかし。
「!」
想定以上の反射だった。惨劇の魔弾は人形の胸に縦一文字の傷を刻みながら、そのまま表面を滑るようにして行き過ぎる。上体を逸らしたまま後方へ宙返りする人形の軌道を目で追って、エレオノーラは隠す気もなく舌打ちした。
「木偶の棒が、ちょこまかと!」
背部の損傷は極めて甚大ながら、A7Vメフィストの機動力にはさほど衰えが見られなかった。そこは腐っても機械化ドイツ帝国の技術の結晶といったところだろうが、一度で駄目なら二度、三度と畳み掛けていくだけだ。
「見た目の割に身軽なんだな。……でも、俺も足を止めるつもりはないよ」
落ちてくる爆弾の隙間を目がけて宙を蹴り、マティアスは飛び出した。誰かのために、などと高尚なことを掲げるつもりは毛頭ない――けれどそれでも、目の前の敵を倒したいという志は同じだ。あの時、『不滅のネイ』に持ち去られた技術がこの世界に暗い影を落としているのなら、徹底的に摘み取る。それが、機械化ドイツ帝国という過ちに生まれ、そして今なお復讐者として時を紡ぎ続ける者達の役目なのだ。
跳び回る人形と少年の影が大聖堂の天井に交錯する。通り過ぎた、と見せかけて瞬時に反転し、マティアスはその手の銃を構えた。
「俺は君にも、祖国の影にも負けたりしない!」
狙いを定めて発砲すれば、飛び出した七つの弾丸が放物線を描いて巨大な人形に襲い掛かる。ゴーグル越しにその光景を追い掛けて、レイは魔導弓を引き絞った。
「君は逃げられない。……ボクが狙ったんだ」
番える矢は、ただの矢ではない。狙いを違えず撃ち抜くための、光り輝く青雷の矢だ。立て続けに放つそれは不規則な軌道を描いて自動人形を追い掛ける。しかし――。
「煩わシイ……!」
再びばら撒かれる爆弾の雨が、戦場のそこかしこで破裂した。射撃もろとも吹き飛ばす爆風に煽られて、復讐者達は聖堂の壁に叩きつけられる。それはあまりに一瞬の出来事で、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は反射的に声を上げた。
「みんな、大丈夫!?」
大丈夫――大事はない。のろりと立ち上がる仲間達を横目にほっと胸を撫で下ろしつつ、少女のような少年は無意識に深紅の魔槍を握り込んだ。追い詰められても一筋縄ではいかないところが、目の前の敵が『ジェネラル級』自動人形たる所以だろう。
「……みんなで掴み取った、チャンスなんだ」
心臓の鼓動は、いつにない早鐘を打っていた。この島で戦ったすべての復讐者達が身命を賭して招いた好機を、無駄にするわけにはいかない。大きく息を吸い込んで唇を引き結び、少年は想う。
(「ここでアイツをやっつけて、めでたしにしないと嘘ってものでしょ」)
だから今度は、僕の番。
爆ぜる砲弾を潜り抜け、力いっぱい跳躍すると、ロキシアは壁を蹴って飛び回るメフィストの元へ肉薄する。降り注ぐ爆弾の雨が恐くないと言えば嘘になるけれど、ここで脚を止めるのはもっとずっと恐いから。
「ぐっ……! 伝承、五種開放……!」
後方で破裂した砲弾の爆風と破片を背に受けて、ロキシアは愛らしい顔立ちを歪めた。しかし問題はない――まだ動ける。禍々しいオーラを灯した槍の穂を、必ずや敵の懐へ送り届けよう。
「喰らえ――ゲイ・ボルグッ!」
貫くのは、必殺の一撃。時を同じくして爆ぜた爆弾は小柄な少年を聖堂の壁に叩きつけたが、矢の如く突き立てた槍もまた、人形の右脚を貫いていた。
●Die Tapferkeit
「ぐ、オオッ!?」
再び壁を蹴ろうとした右脚に、穿たれた穴が火花を散らす。咄嗟に前へ蹴り出した左脚で軽く壁を押し、A7Vメフィストはくるりと宙返りすると石の床へ降り立った。
「ようやく降りてきやがったか……」
「うんうん、追いつめているね! さっすがディアボロス!」
片膝をついて蹲った自動人形を前に、伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が呟き、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が重ねる。なお立ち上がる人形は徹底抗戦の構えを解いてはいないようだったが、片足に不具合が生じている今、これまでのように身軽に跳ね回ることはできるまい。
脇差の峰をスーツの肩へとんとんと跳ねさせて、逸は敢えて挑発するように言った。
「スクラップ待ったなしってとこだなあ、デカブツ」
「……この程度で、勝ッタ気になるとは」
言い返す人形の声音は無機質ながら、未だ見下すような響きを帯びていた。余裕じゃねえかと嗤ってみせながら、逸は敵に声を拾われぬよう、耳元の通信機へ囁くように呼びかける。
「あのザマだ、背中をぶん殴りゃ効くだろうが、そりゃあ向こうもわかってんだろう」
「ええ。仮にもジェネラルを名乗る以上、容易に背を取らせてくれるとは思えません」
同じく押し殺した声色で、フレイヤ・ネルトゥス(片翼の射手・g04483)が応じる。オーバーロードユニットは破壊されたが、だからこそ余計に、A7Vメフィストの背面への警戒は強まるだろう。どうしましょうか、と返す声に頷いて、逸は言った。
「俺らが囮を引き受けるぞ。……後は、言うまでもねえ」
損傷を受けた背部が、A7Vメフィストの弱点となっていることに疑いの余地はない。そこを着実に突くためには、誰かが敵の正面で注意を引きつけておかなければならないのは明白だ。
これ以上の会話はリスクになる。承知しましたと応じて通信を切り、フレイヤは男の隣へ並び立つ。そしてその反対には、アンゼリカが進み出た。
「装甲が剥がれた戦車は、戦場で潰えるのみ……機械化ドイツ帝国の残火は、ここで消させてもらいます」
「最後の一押しだね! もちろん、私も参加するよっ!」
タイミングを合わせるのに、言葉は要らない。すまし顔の自動人形がこちらに注意を向けざるを得ないよう、真正面からありったけをぶつけるだけだ。
ぱん、と力強く両手を打ち合わせ、アンゼリカは朗々と告げた。
「さぁ、決着の時だよ!」
今は亡い鋼の帝国のその残滓も、今日を限りに拭い去ろう。恐れはなく、あるのはただ胸を満たす勇気だけ――力いっぱい踏み切って跳躍し、少女は金色のオーラをまとって人形の懐へと迫る。呼吸を整えて放つのは、友より学び受け継いだ増幅魔法。邪悪なる者を吹き飛ばす『終の光』だ。
「撃ち抜けぇーっ!」
「グヌ……!」
金色の光が弾けた瞬間、人形がわずかにたじろいだ。ここで一気に、畳み掛ける――即座に離脱する少女に代わって、逸が敵の間合いに飛び込んだ。
「前のめりにスッ転んでくれりゃ一番いいんだがな」
頑強な人形の躯体は、損傷してはいても依然として二本の脚で地面を踏み締めている。だが今はまだと言うならば、その瞬間を引き寄せるためにできることをするだけだ。
「鬱陶しい、ディアボロスが……!」
「ったりめえだろ。鬱陶しがられるように動いてんだからよ」
恨み節を一蹴して男は砲撃を潜り抜け、人形の関節に異形の爪を突き立てる。背にした黒翼から変じた竜の腕の剛力は凄まじく、金属の継ぎ目がみしりと嫌な音を立てた。拙いと思ったのか人形は渾身の力で男を振り払ったが、その背には二の矢、三の矢が待ち構えている。
「貴方のことを、哀れに思わないわけではありませんが」
戦いのためだけに生み出され、悪魔の名を与えられた人形。その在り方は少しだけ自身に似ていると言えないこともない。同じく悪魔の名を冠したリボルビングキャノンを展開し、フレイヤは言った。
「貴方が戦車として生まれた以上、私からは砲撃の礼を尽くしましょう」
極北の氷にも似た双眸に、微かな憐憫が揺れた。けれどそれも、わずかに一瞬。過熱する砲門の正面にメフィストを捉えて、少女は鋭く吼えた。
「受けなさい。これが私の、オーバーロードです!」
怒濤の砲撃が人形の巨体へと降り注ぎ、小規模な爆発が連なっていく。撃ち返される砲弾が肉を裂いても、骨を砕いても構うものか――秘密工場を見いだし、メフィストを追い詰めたすべての仲間達のために、ここで好機を創るのだ。
●Der Wendepunkt
絶えず鳴り渡る爆音の度、荘厳な聖堂の天井がびりびりと震えて砂礫を零す。このまま戦闘が長引けば、建物への影響は免れないだろう。
(「崩落などは避けたいところですが……」)
揺れる天井を仰ぎ見て、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は複雑な想いで眉をひそめた。フランスに生まれ、フランスに育った彼にとって、ここは特別な場所だ。しかしだからといって、仲間が身体を張って切り拓いたチャンスをふいにするわけにはいかない。
少年の胸中を知ってか知らずか、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が口を開いた。
「私は――ヴィルヘルム2世個人にはともかく、機械化ドイツ帝国にも、A7Vメフィストにも、深い思い入れはありません。……ありません、が」
昂る想いに狐の耳を峙てて、娘はキッと顔を上げた。暮れ行く空と同じ色をした双眸には、二本角の悪魔を象る人形の姿がくっきりと映り込んでいる。
「味方のあの頑張りを見せられて、奮い立たないわけがないでしょう! こんな大きいだけの絡繰り人形、倒してみせます!!」
必ずと意気込んで、華楠は差し出した手の中に雷の力を凝集させていく。編み上げるのは、一振りの剣――伸縮自在の雷撃は鞭のようにしなって、巨大な人形の懐を目がけ伸びていく。
「雷は弱点じゃないそうですね。本当かどうか、試してあげます!」
多分、本当に有効なものなど何もないのだろう。炎も水も、風も氷も、この装甲はあらゆるものを撥ねつける。けれど条件が同じなら、許容量を上回る力で捻じ伏せるだけだ。
「何度やッテも、同じことダ……!?」
真正面から伸びてきた雷の剣は人形に突き当たるまさに直前、カクンと折れて進路を変えた。そしてその切っ先は人形が振り返るよりもわずかに早く、その身体の右側面に突き刺さる。背面を取るには至らずとも、それは正面だけを意識して身構えていたメフィストの動揺を誘うには十分な一撃であった。
爆弾を投げ返して飛び退くメフィストの見飽きた所作にわずかな『揺らぎ』を見て取り、ソレイユは雑念を払うように首を振った。
(「……今は、メフィストを倒すことだけを考えましょう」)
そして必ずや、この島を解放する。宙に浮かべた光の鍵盤に指を添えて、ソレイユは言った。
「ここが貴方にとっての家であるのと同じように、私にとってもこの島は思い出の場所です。貴方を倒してきっと、あの場所を取り戻します……!」
硝煙と機械油の匂いが立ち込める、薄気味の悪い工場などではない。
ここはノートルダム大聖堂――心地よい川風に吹かれながらカテドラルの鐘に耳を傾ける、ソレイユの居場所だ。これ以上、侵略者達の横暴を許すわけにはいかない。押し込んだ最初の一音は柔らかくも鋭く、高い天井に響き渡る。
「さようなら、帝国と革命の落し子」
奏でるのは、凱歌。駆け上がるピアノの旋律はやがて軽やかな馬蹄のリズムに取って代わり、白馬の騎士を呼び寄せる。馬上槍を携えた騎士は真っ向からA7Vメフィストに肉薄し――そしてわずかに進路を逸れて、人形の左側面へ回り込んだ。
「クッ!」
タイミングをわずかにずらした左右双方向からの速攻。メフィストは小さく唸って白馬の騎士へと向き直り、その槍を身体の正面で受け止めた。しかしその一瞬の乱れは硝子に穿たれた罅のようなもの――道化人形の刻むリズムは、そこから大きく狂い出す。
完全に意識を左側方に向けた人形の右側を苦もなく通り抜けて、アンネリーゼ・ゾンマーフェルト(シュタールプロフェート・g06305)と笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)が敵の後方へ回り込んだ。壁際に急カーブを描いてホバーバイクを停め、アンネリーゼは黒いゴーグルを額の上に押し上げる。その瞳は、今はもうどこにも存在しない遥かな国を見つめていた。
「技術は人を幸福にするためにある――なんて、そんな前提、機械化ドイツ帝国には存在しなかったわ。挙句に帝国が滅びた今も、尊厳なき技術は異国の地を蝕んでいる……」
「はは、まったく。ヴィルヘルム2世が死んで、もう一年にもなるってのにな」
へらりと笑って、他助はしかし眉を寄せた。深々と被り直した黒いハットの下、落とした視線にはわずかな苦さが滲んでいる。
(「嬢ちゃんが命懸けで暴いた弱点だからな。託されたってんなら……それに応えなきゃ、失格ってモンだ」)
諜報員として――否、それ以前に男として。だろ、と倒れた仲間の姿を振り返って、他助は仕込み杖の柄に手を掛けた。
生まれた場所が違っていても、見ている明日が同じでなくても、今目の前に立ちはだかる敵を討たねばならぬという想いは変わらない。再びゴーグルをしっかりと目元へ引き下ろして、アンネリーゼは毅然と言った。
「消し去りましょう。おぞましい、あの世界の忘れ形見を!」
「ああ、出し惜しみはしねぇぜ?」
二人が背面に回り込んだことに、自動人形は気づいていない。元より手数だけなら圧倒的に復讐者達の方が上なのだ。再び正面から浴びせられる猛攻にメフィストが手一杯になっている今なら、背部の抉れた装甲も十分に狙うことができる。
両手でしっかりと電磁銃を握り締め、アンネリーゼはその引き金に指を掛けた。
「帝国の子として、同じ血を継ぐ悪魔を――討つわ!」
バシュ、と空気の弾けるような音と共に、黒々とした銃口から電磁パルスが迸る。それは矢の如く宙を裂いて、A7Vメフィストの背中に潜り込んだ。
「ガガガッ!?」
思いもよらぬ方向から飛び込んできた電磁波が、全身を急速に加熱していく。しかし、それで終りではない。
一瞬、痺れたように動きを止めた人形の背中を目がけて、他助は石床を踏み切った。
「機械化ドイツ帝国は終わったんだ――いつまでも残り香に縋ってんじゃねぇっての!」
後になればきっと、『柄にもなく、熱くなった』と振り返るのだろう。いつになく語気を強めて、男は頭上高く抜き身の刃を振り被ると、内部構造の露出した人形の背部を目掛け突き立てる。体重を載せて捩じり込むように押し込めば、人形の口からは言葉どころか声にもならない、ノイズ交じりの音が漏れた。
「グオ、オ、オノ、レェ!」
おのれ、ディアボロス。
やっとのことで聞き取れたのは、そんな怨嗟の声だった。激昂したメフィストはがむしゃらに両腕の戦車を振り回し、背面に回った復讐者達を力任せに薙ぎ払う。しかし――一度崩れた均衡は、もはや元には戻らない。
●Der Tod des Teufels
「オノレ、オノレ、ディアボロス――オノレ――」
「あー、怒ってる怒ってる。いいのが入ったもんねえ!」
ノイズ交じりの音声で何事かのたまいながら悶絶するメフィストの姿を眺めて、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は言った。損傷の激しい背部への攻撃は、復讐者達の想定以上に効いているようだ。
(「ほんと無茶しやがって」)
爆発の瞬間、目も眩むばかりの閃光の中に倒れていった仲間がいた。それを間近に見ていた者の一人として、本音を言えば一抹の悔しさは禁じ得ない。けれど――『あの娘』から受け取った想いは、願いは。彼等が確かに継いでいく。
「ようし、ここで倒すぞメフィストっ! 幕引きにしよう!」
戦闘のフェーズが変わっても、彼のすべきことは変わらない。腕を前に、体勢を低く身構えて、ラズロルは悶える人形へ呼び掛ける。砂の手による掌底を再び繰り出すと思ったものか、メフィストは嘲笑した。
「バカめ! そう、何度モ、同じ手ハ」
「はは、でしょ? だから……同じ手は、使わないよ」
たとえ『坊や』が相手でも。
敢えて挑発するような言葉を投げて、青年はニヤリと口角を上げた。ただの力押しでは、芸がない――後に控えた仲間達のためにも、大きく抉れた人形の背中を曝け出させてやろうではないか。
「砂の海嘯、我が意のままに」
刺すように突き出した右手に誘われるように、渦を撒く砂塵が流れ込んだ。川を遡る潮波のように嵩を増して押し寄せる砂は、見る間に人形の足を取り巻いていく。
(「片足だけでもいいんだ――ひっくり返れ!」)
前のめりに倒れてしまえばもう、急所となった背部への攻撃を阻むものは何もない。しかし踏みとどまった人形は、降り注ぐ砂の楔の中でも微動だにしなかった。何か後押しするものがあれば、と、縋る想いで見渡すと。
不意に、視界を細い影が横切った。白銀に輝く髪を靡かせ戦場を突き抜けたのは、エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)である。
「それじゃ、最後の後始末といこうか」
研究員は全員排除し、オーバーロードユニットも破壊された。条件が整った今、成すべきことは一つだ。
ギュンと風を切って飛翔する少女が視界を横切る度、人形の視線が右へ左へ動き回る。一定の距離を保って翔けながら、エンデは紫色の瞳を冷ややかに細めた。
(「ドイツに思い入れとか全然ないけど、利用されっぱなしは癪だからねぇ……」)
既に痛手を被ったとあって、やはり敵は装甲の剥げた背部を庇うように位置取っている。ならば、それを逆手に取って仕掛けよう。
隙あらば背中を狙わんと仕掛ける復讐者達の攻勢に、敵はすっかり防戦一方だ。自身も急旋回・急停止を交えながら背面へ回り込む素振りを繰り返し、エンデは再び距離を取る。当然背中を狙うと見せかけて彼女が真に狙うのは、黒々と穴を穿たれた人形の右脚だ。
「消えろ、今ここで」
「!」
刺すような殺気が色を変えたと、気付いた時にはもう遅い。雷光の如く加速して、エンデはナノマシンで構成したブレードを一振り握り締め、人形の脚部に痛烈な斬撃を叩き込む。グオ、と呻くような声が上がり、人形の巨体が傾いだならば好機だ。
翼と同じ青い炎を身にまとい、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は万感の思いで目を伏せた。
「……時間だな」
太陽は地平に端を接し、大聖堂が黄昏の闇に染まっていく。耳を澄ませばより明らかに鳴り渡る機械の軋み、鉄と鋼の擦れ合う音に、帝国の記憶が走馬灯のように蘇る。それは夢か、それとも幻であったのか――否、いつか確かに存在した故国への愛憎を、忘れたことは片時もない。だからこそ。
「この手で、夜の帳を引こう」
右脚を破壊された人形は、もはや真っ直ぐに立ってはいられない。傾斜していく身体の反対側から最高速度で回り込み、エトヴァは壁を蹴りざま銃を構える。撃ち出す弾は、復讐の炎――撃ち尽くすまで引き金を引き続ければ、一つ、また一つ、着弾した個所から青い火の手が上がり、内部構造を伝って人形の中に燃え広がっていく。
血のように赤い炎をまとう妖刀を一度鞘へ納め、弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)は皮肉を込めて口を開いた。
「どうした? テメェの力ってのはこんなモンか? もっとよく見せてみな」
「ア、アア、ガア、ザザザ――」
響き渡る音は、もはや断末魔の悲鳴と言ってよいだろう。言葉を成さない雑音を撒き散らしながら、鋼鉄の悪魔は傾いていく。限界か、と呟いて、咲菜は酷薄に告げた。
「そんじゃあ、そろそろケリをつけようじゃないか」
もはや前後不覚。恐らくはこちらの姿も視認してはいないだろう帝国の亡霊が、四肢を軋ませ全身の砲門を開いた。しかし臆することはなく、片角の鬼は黒いパーカーの裾を翻し戦場を突き抜ける。
(「グランダルメの土に還してやるよ」)
灼けた鉛玉が腕を裂こうと、脚を抉ろうと構うものか――ただこの一撃を、あの人形の胴体へと届けることができるなら。手足など、吹き飛んだとて惜しくはない。
「冥土の土産だ、受け取って逝け。俺たちの――人間の、底力を!!」
灼熱する刃が、鮮血の如き朱を帯びた。居合抜きに叩きつける刀身は人形の背中にずぶりと沈み込み、勢いのままに溶断する。耳障りなノイズはふつりと途絶え、そして――上下二つに分かれたA7Vメフィストの躯体が、ずれ落ちた。
宵闇に沈む聖堂に白い光帯が交錯し、轟音と共に弾ける。真昼の如き閃光に包まれ爆ぜる人形の最期を見下ろして、エトヴァは静かに銃を下ろした。
「……悪いな。心中はしてやれない」
愛した地の残り火は、この胸に抱いたまま。彼らはそれでも、生きてゆかねばならないから。
さようなら、と、囁いたその足下で悪魔が形を喪っていく。月が昇り、そして沈み、次の朝日が夜明けのセーヌを照らす頃、そこに機械化ドイツ帝国の残滓はないであろう――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV2が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
【液体錬成】LV1が発生!
【一刀両断】LV2が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【アヴォイド】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV6になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV3になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2023年03月19日 |
| 宿敵 |
『A7Vメフィスト』を撃破!
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