リプレイ

●警備の一掃
　復讐者たちは木々や草むらの陰に隠れて洞窟の様子をうかがう。鎧を身にまとい機械槍を携え腰には刀を差した足軽天魔武者たちが洞窟の周囲を警戒している。この警備を排除しなければ生贄にされているヒルコの少女を助けられない。
「ヒルコはくろのべーだ強化のために生み出された種……でしたか。攻略旅団で聞いた話ではございますが、最初から贄とするべく、そう改竄されたなど……あまりにも非道。あまりにも、腹立たしい話でございますね」
　鬼人の硬化した拳をぎゅっと握って金刺・鞆（虚氏の仔・g03964）が小声で言う。人見知りであまり外向的ではない彼女もヒルコの出生には憤りを感じていた。
　菅原・小梅（紅姫・g00596）も神妙な表情でうなずく。
「ヒルコの方を生け贄とした『人柱の儀式』は聞けば聞くほど不愉快極まりない話ですね。この企みは何としてでも阻止せねばですよ」
　出身地である平安鬼妖地獄変奪還により荒事を好まない小梅も戦うことに少し前向きになった。そのため今回の依頼にも参加しようと考えたのだ。
「それに村人も一人も犠牲にできないわ。ここは頑張らなくちゃね、モラさん」
　シャルロット・アミ（金糸雀の夢・g00467）は自身のサーヴァントであるモーラット・コミュの『モラさん』とうなずき合う。
　峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）はサキュバスらしくいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「幸い村の方はこっちが顔を出すまで死人を出さないよう加減してくれるらしいしね。先に仕掛けを解かせてもらおう」
　クルエント・パトゥミエーラ（紅いゴミ箱・g03495）は女性アレルギーのため女性陣から少し離れた場所で不敵に笑う。
「松永久秀ちゃんったらぁそんなにアタシたちに会いたかったのねぇ、なら……その汚なぁい野望を悪ぅい頭ごと終了させてア・ゲ・ル🖤」
　そう言うとクルエントは茂みから飛び出した。
「曲者だ！」
　足軽が叫んだことも気にせず彼（彼女？）はパラドクスでコピー機型殺戮ＡＩ搭載式戦闘兵器『Dot Matrix』を生み出す。
「まずはぁ、あんたたちからねぇ……ブルァァァ！」
　女性口調から突然低音の雄叫びを上げてDot Matrixを洞窟の目の前にぶん投げた。
「真に強き全力の嵐の前では有象無象は無力なのですよ」
　それに合わせて小梅は父から贈られた龍笛を吹きシャルロットは愛用のバイオリン『シャコンヌ』を弾く。すると笛の音は嵐を起こして足軽たちを吹き飛ばしバイオリンの奏でる悲しいメロディが雨雲を呼び敵の精神を蝕む雨を降らせた。
「さあ、孤独に打ち震えて絶望しなさい？」
　和と洋の合わさった美しい演奏の最中の二人を排除しようと足軽たちは彼女たちへと機械槍から電撃を放つ。
　しかしその電撃は後衛を守ろうと立ちふさがったクルエントが受けた。
「ぐっ……！ 悪い子には、お仕置きだオルラァァァ！」
　彼（もしくは彼女）は手近な足軽の腕を掴むと背負い投げでDot Matrixへと放る。
　あらゆる武器や弾薬を搭載しているコピー機もどきは飛んできた足軽を巨大なハンマーで地面へと打ち落とした。
　さらに鞆が白木製の仕掛け扇を手に『八坂の舞』を踊る。その美しい舞に思わず足を止めた敵へと扇に仕込んだ針を打ち地に沈めた。
「抜刀！」
　舞の効果を受けなかった足軽たちが一斉に腰の刀を抜き鞆に斬りかかる。だが足元が突如泥濘に変わり動きが遅延した。
　そのため鞆は踊りながらも相手の攻撃を避けることができた。
　彼女が敵の注意を引きつけている間に恵は足軽たちの背後へと回っていたのだ。おかげで敵の足元を泥濘の地に変えるのも容易だった。敵がそこから抜け出す前に闘気を集めた足で地面を強く踏みつける。すると衝撃波が発生し残りの足軽たちをすべて打ち倒した。
「……ふう。これで爆破の儀式を止められるね。にしても、爆破が好きだね天魔武者の松永久秀は」
　恵は以前に逃げる妖怪を追撃した際に松永の爆弾を食らってしまったことがあった。嫌なことを思い出してしまい苦虫を噛み潰した表情になる。
「さあ、囚われしヒルコの方を救いに参りましょう」
　龍笛を懐に仕舞いながら言う小梅。
　バイオリンを弾き終えたシャーロットもうなずく。
「ええ。でも中にも敵がいるかもしれないから気をつけて進みましょう」
　そうして一同は慎重に洞窟へと入っていった。しかし幸いにも敵はおらず罠の類もなくヒルコの元へとたどり着く。
「仲間、外れ……仲間、外れ……！」
　うわ言のようにそう繰り返す彼女の首には装置へとつながる配線が取り付けられている。配線は赤、青、黄、黒、紫、橙、緑、藍の八本。この内の一本を切れば儀式を止めることができる。ただし間違った配線を切れば村は即座に爆発しヒルコも命を落とすことになる。
「な……仲間、外れ……」
　少女の言葉は正しい配線のヒントだという。
　間違えられないというプレッシャーを感じながらも復讐者たちは慎重に考えを巡らせた。




●仲間外れの一色
「なかまはずれ……」
　金刺・鞆（虚氏の仔・g03964）は思わずヒルコの言葉を繰り返した。この謎が解ければ彼女を助けることができるのだ。一生懸命に頭を働かせた。
　一方菅原・小梅（紅姫・g00596）は冷静に装置へと繋がっている配線を見つめる。
「ふむ、八つの色をした配線ですか。仮に陰陽五行に見たてた場合、いくつかは合いますが数は合いません。となると、うわごとの意味を素直に考えて、七つの色は仲間であると言うことを鑑みれば……」
　小梅はちらりと鞆を見た。
　すると自信がなさそうだった鞆の顔がパッと明るくなる。
「えと、えと、それならともにもわかります、です！ 黒だけひかり……虹に含まれない色、『仲間はずれ』、です！」
　それを聞いた小梅は少し微笑んでうなずいた。
「はい。虹にまつわる赤、橙、黄、緑、青、藍、紫は仲間。すなわち『黒』が仲間外れと考えるのが妥当でしょう」
　言うが早いか小梅は純白の刀身の大太刀『乱れ雪月花』で黒の配線のみを切り落とした。
　途端に地面に描かれていた魔法陣が消える。ヒルコに繋がっていた七色の配線もひとりでに外れていく。爆破の術の解除に成功したのだ。
　それを確認した小梅が倒れているヒルコを助け起こす。
「うっ……」
「おけがは、ありませんか？」
　鞆も駆け寄って少女の体にケガが無いかと目を走らせる。
「ない……です」
　かすれた声で答えた少女にアイテムポケットから飲料水を取り出し飲ませてあげた。
　小梅も苦し気な少女を慮って活性治癒を行う。
　すると青かった彼女の顔は見る見るうちに赤みを取り戻していく。おかげで頭が回るようになったのか少女は必死に訴えた。
「私のせいで、村が……！」
「もう大丈夫。大丈夫、です」
　彼女を安心させるように鞆が優しく声をかける。
　小梅も力強くうなずいた。
「爆破の術は解除しました。貴女が遠回しではありますが、必死に私たちへと答えを教えてくれたから、村を救うことが出来るのです。もう大丈夫ですよ、後は任せて下さい」
「えっ？ ……でも、そんなことをしたらあなたたちが天魔武者に……！」
　心配そうな少女に鞆は首を横に振って見せた。
「われらは天魔武者の圧政に抗わんとするもの、です。こう見えて、みなつよいのですよ。これから村のみなも助けてまいりますゆえ、その間ご自身の安全を第一に休んでいてくださいませ」
　少女は少し迷いながらも二人の真っ直ぐな瞳を見て頭を下げた。
「……どうか村を、お願いします！」
　彼女にうなずき返すと復讐者たちは安全になった洞窟にヒルコを残して村へと急いだ。
　彼らが村の入り口に現れたのを見て伊達成実は不敵に笑う。
「ようやく来たか復讐者どもめ。ここで引導を渡してくれるわ！」
　そして持っていたスイッチのボタンを押す。これで村ごと復讐者を爆破できるはずだった。しかしいくら待っても村が爆発する様子はない。
「……何！？ 一体どうなっているのだ！？」
　成実は混乱して何度もボタンを押すが当然結果は変わらない。
　上司の命令がないため闇尾咬たちもどうすればいいのかわからず顔を見合わせている。
　相手が混乱している今が絶好のチャンスだ。まずは成実の前でとぐろを巻いている闇尾咬を倒してしまおう。
　そう考えた復讐者たちは戦闘態勢を取った。




●村人を救うという事
　金刺・鞆（虚氏の仔・g03964）と菅原・小梅（紅姫・g00596）は村人の救助を最優先に考えていた。
「敵が動き出す前にまとめて動きを鈍らせようか」
　しかし恵の言葉を聞いてハッとした。
　成実の狙いは復讐者だ。ゆえに自分たちが村人にかかわればまた彼らを利用する作戦を企む可能性がある。相手が混乱している今の内に部下を倒してしまえばそんな事を考える余裕もなくなるだろう。何より毒は自然治癒しないので活性治癒では治せない。解毒の術がないためパラドクスを使った闇尾咬を倒しその効果を消すしかない。手早く敵を討伐することが結果的に村人を救うことになるのだ。
　そう考えなおした二人はバイオリンを構えたシャルロットに続いた。
　鞆は弓道用の和弓を実戦用に改良した『改良和弓』を構える。そして残留効果によって飛翔すると村人が敵の攻撃に巻き込まれないように人気のない場所へと移動する。これ以上地面が陥没すれば二次被害が出てしまうかもしれないと考えてのことだった。そしてパラドクスで生み出した神力の矢を和弓につがえ闇尾咬へと放つ。
「この大きさで外すわたくしではない、です！」
　神力の矢は二体の闇尾咬の頭部を貫き沈黙させた。
（「もぐらの様な、むかでの様な不思議な妖ですね。毒を持っているようですし、触れずに戦うのが上策でしょうか？」）
　そう考えた小梅は間髪入れず菅公の歌を詠み上げた。
「あめの下、逃るる人のなければや……」
　するとパラドクスが発動し因果律と空間をゆがめ敵を爆発させ断裂させた。
「いかに非道な作戦を立てようとも私たち復讐者が居る限りそのような事をさせはしないのですよ」
　上司からの命令がなく大人しくしていた闇尾咬たちもこれにより本来の獰猛さを取り戻した。混乱している主を放置して鞆と小梅に長大な尾と毒気をまとった角で反撃しようとしたのだ。しかし泳ごうとした大地はいつの間にか泥濘の地に変わっていてうまく泳げない。おかげで攻撃を放った場所にはすでに鞆と小梅はいなかった。




●先制の奇襲
　敵の周囲を泥濘の地に変えたのは峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）だ。恵は敵が混乱している内に接近し残留効果を発動していた。彼女の機転のおかげで鞆と小梅は闇尾咬の攻撃を受けずに済んだのだった。
「ボクらがここに来た以上、お前たちには何も奪わせない」
　凛とした声音でそう告げた。
　シャルロット・アミ（金糸雀の夢・g00467）の勇ましいバイオリンのメロディとシャルロットのそばでファイティングポーズを取っているモーラット・コミュの『モラさん』がそれを後押しする。
「ええ。ヒルコさんも救えたし、次は村人さんたちね。一人も犠牲は出させないわ。モラさんも応援してちょうだいね？」
　その音色に応えてどこからともなく大きな白い鳥が舞い降りる。鳥は大きく真っ白な翼を羽ばたかせると浄化の衝撃波が放たれる。それは泥濘の地でもたもたしていた闇尾咬たちを切り刻んだ。
　恵とシャルロットに反撃しようと地中から迫っていた闇尾咬たちも恵の誘導により泥濘にはまり動きが鈍る。
　その隙にシャルロットはバイオリンを弾きつつも飛翔で空へと退避した。
　恵は手の甲につけた発振器からピンク色の闘気の盾『LUSTオーラシールド』を発生させ防御。
「裂ッ！」
　そして闘気をまとった震脚により衝撃波を放ちそれを受けた闇尾咬たちは動かなくなった。
　これで闇尾咬は全て倒した。毒に侵されていた村人たちもその効果がなくなったため活性治癒で回復するだろう。
「村人さんたちの救助は後ね。まだボスが残っているもの」
　それでもシャルロットは油断することなくエメラルドグリーンの瞳で最後に残った天魔武者を見据える。
　一人残されたアヴァタール級天魔武者『伊達成実』は忌々し気に役に立たない爆破スイッチを投げ捨てた。
「まさかあの術を破るとは……少しはやるようだな。しかし貴様ら程度、この伊達成実が打ち倒してくれよう！」
　幸い村人への関心はないようだ。成実に引導を渡し村を救おう。
　復讐者たちは再び戦闘態勢を取った。






●救援とムカデ退治の歌
「やあやあ諸君！ 人手不足と聞いて支援に来たよ！ 共に頑張ろうじゃあないか！」
　成実との戦闘が始まろうとしていた所に場違いな明るい声が響いた。それは遅れてやって来た木庭・国男（デーモンの魔創機士・g03330）の声だった。
　一方彼と共に駆けつけたルフィナ・スローヴィン（吸血鬼のダークハンター・g07231）は静かに赤い瞳で成実をにらむ。
「……あいつが今回の司令官ね」
　ルフィナの言葉に菅原・小梅（紅姫・g00596）がうなずく。
「ええ。首魁は絡繰り仕掛けの天魔武者の様ですが、ムカデにも似た異形なのです。尋常のムカデであるならば後退は適わないので対処も楽なのですが……」
「ボクが敵を引き付ける」
　言うが早いか恵が飛翔して敵へと向かっていく。
「それじゃあその隙に連携攻撃といこうか！」
「はい」
　国男の提案に鞆もうなずき前に出た。
「闇に惑いなさい」
　更にパラドクスを発動させながらルフィナも敵に肉薄。儀礼的な装飾の施された魔剣『クォデネンツ』から闇のオーラを放ち成実の視界をほんの数秒だけ奪う。そしてその数秒で敵の視界外から斬撃を浴びせた。
「ぐぬ！？ しかしこの程度の攻撃……！」
「今よ」
「了解！」
　成実が体勢を崩した所にデーモンの翼で飛翔した国男が中折れ式ピストルグレネードランチャー風の魔導機械『カプリッチョくん』から魔力の誘導弾を撃ち出す。それは天魔武者の動きを追尾し爆破した。
「ぐうっ！ こざかしい！」
　成実が刀を抜くとその光る刀身はムカデの様に細長くうねって変形する。光刀を鞭のように振り回し国男とルフィナへと斬撃を放った。
「くっ……！」
「いてて……！ でも、次にはつなげたかな？」
　そこに響くのは小梅の菅公の歌。
「水ひきの、白糸延へて織る機は……」
　するとパラドクスにより三本の矢が出現。二本の矢は固い機械鎧に防がれてしまうが最後の一本は鎧の隙間に吸い込まれるように命中し敵にダメージを与えた。それはまるで伝承に残る俵藤太の巨大なムカデを退治した逸話を再現したかの様な見事さだ。
「非道な行いを成せばすべからく報いがあるのです。せめて最後ぐらいは武者らしく潔く討たれなさい」
　小梅は相手をにらみ据えながら冷静に告げた。
「……っ！ 討たれるのは、貴様らだ！」
　それに対して成実は叫ぶように言うとムカデ型の脚部が発光する。そこから小梅へと大量の光線を放とうとした。
「何ィ！？」
　だが天魔武者の足元はいつの間にか泥濘の地となっていた。それにより攻撃がわずかに遅れて小梅が負ったのはかすり傷だけだった。
　もちろん成実も無警戒だったわけではない。復讐者たちと闇尾咬の戦いをすぐそばで見ていたのだから。地面が泥濘に変えられると知っていたためそれを行っていた者とは距離を取って対応していたのだ。
　だが復讐者の方が一枚上手だった。今回その残留効果を使ったのは一人だけではなかったのである。




●抗う者
（「良かった……。やはり足場を崩すのは有効でした」）
　小梅に攻撃しようとしていた成実の足場を泥濘の地にしたのは金刺・鞆（虚氏の仔・g03964）だった。鞆も峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）と同様にそれで敵の隙を作ろうとしていたのだ。おかげで二人で挟み込むように泥濘の地を仕掛けることができた。
「われらはでぃあぼろす、この世の圧政に抗うもの！ ここにわれらがいる限り、天魔武者は絶対の存在などではない！」
　鞆が高らかにそう宣言すれば成実も憎らし気に怒鳴る。
「この世は我ら天魔武者のもの！ 貴様ら復讐者などに渡しはせぬぞ！」
　そして泥濘の地から抜け出した瞬間。
「視えた……そこぉっ！」
　飛翔で空から敵の背後に回っていた恵がドラゴンの素材で作られた魔剣『竜骸剣』に闘気を集中させて斬りかかる。研ぎ澄まされたその攻撃は再び光線を放とうとしていたムカデの脚部を両断した。
「隙だらけだよ」
「ぐああ！」
　激痛に絶叫しながらも一矢報いようと成実は半分になってしまったムカデの足で恵に突撃しようとする。
「鏡を、ここに！」
　しかし鞆のパラドクスが生み出した水鏡の幻影がそれを阻む。そして彼女の振るった仕掛け扇から暗殺用の針が飛び出し鎧の隙間から敵の首筋に刺さった。
「がっ……」
　成実は地に伏し動かなくなった。
「このいくさが、われらの存在がむこの民に反抗の意志を、ちからを芽生えさせることができるなら。ともはけして負けませぬ」
　一瞬の沈黙の後村人たちが一斉に歓声を上げた。
「有難う！ あんたたちのおかげで助かったよ！」
「まさか天魔武者を倒せる人間がいるなんて……！」
「あ、あの……」
　興奮気味の村人に囲まれて人見知りな鞆がおろおろしてしまう。
　恵はその様子を見て苦笑して割って入った。
「はいはい、話は後でね。ケガ人の治療をしないと。生き埋めだった人たちはみんな助けられた？」
「ああ。あんまり深く埋まってなかったから、頭だけでもすぐに掘り返せたよ」
　そこで復讐者たちは手分けして村人たちの手当や片づけを手伝った。それから洞窟に置いてきていたヒルコの少女を連れてきて村人たちに引き合わせた。
「この子、行く当てがないんだ。この村で面倒を見てあげてくれないかな？」
「彼女のおかげで、この村を救えたのです。だから……お願いします！」
　復讐者の頼みを村人たちは快く引き受けてくれた。ヒルコの少女もようやく安心できた様子で初めて笑顔を見ることができた。
　こうして復讐者たちは天魔武者の非道な作戦を打ち破り村とヒルコを一つの犠牲もなく救ったのだった。

最終結果:成功
完成日	2022年11月10日