リプレイ
ラウム・マルファス
ナセル湖は何度か来たからネ
何となく地形は把握してるヨ
念のため全知の魔法書で過去に探索した範囲を調べつつ、神殿近くの調べてない場所へ行こウ
防水だから水中でも大丈夫
水中メガネ装着
可能なら水中適応、ダメならスキューバーダイビングのセットで泳ぐヨ
汎用ドローンを水中スクーターに換装して移動手段にしよウ
遺体が多く折り重なってそうな場所をチェックしつつ、神殿方面へ移動
湖底に人工物の破片が落ちて無いか調査しよウ
ご遺体がある場所は、移動に使ってるのとは別の小型汎用ドローンを小魚に換装して、隙間に潜り込ませるヨ
カメラとライトだけ付けて、ご遺体の下に何か痕跡が無いか探ス
小魚ドローンの映像は、スマホで随時確認するヨ
冰室・冷桜
死体が山になってる湖とか少し気が滅入るわね……ま、やることちゃっちゃっとしちまいますか
えーと、地形的には元のナセル湖と大きく変わってるわけじゃねーわよね
新宿で地図を調べてから、神殿があったっぽい場所を目指していきましょうか
ウェットスーツを着込んでダイビング、だいふくを【召喚】して【水中適応】を発動
手持ちできる水中用ライトも持ってきましょ
もし、重要な場所てーんなら隠されてそうよね
んで、ここで隠すってーと死体の山を使うわよねー、たぶん
何にせよ死体からエンネアドを作ってるんだから重要な要素は死体に間違いねー
死体がたくさん重なり合ってるとことかクロノヴェーダ化が激しいとことかを怪しみながら探索するわ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ、協力歓迎
水中適応、あれば完全視界等も借り
ドライスーツ、マスク、フィン等潜水器材を装備
アブ・シンベルの痕跡を探索だな
再挑戦になる
防水コンパスと双眼鏡、地図を手に
周囲を偵察、観察しつつ
神殿から210m程度の距離……史実の場所を手がかりに
湖底を捜索
照明は目立たぬ程度に検討
時代性の齟齬を考えれば
神殿は大いなるトート辺りが新築したか
湖底にあるなら、エンネアド発生との関わりが深そうだ
死者の書の間と仕組みが似ている
【クリーニング】を相乗させ、広範囲に発動
建物や物品を探す
泥が浮くなど、痕跡、不自然な箇所あれば
PDの風使いと吹き飛ばしで泥を一気に剥がしたい
周囲、後方の襲撃も警戒
気づきは仲間に伝達
メルサンク・トトメス
死体は南下するたびに増えていくのかな?
ヌンとナウネトの加護を受けて(【水中適応】)着衣のまま湖に入って、聞いている人がいれば説明するよ
ここらへんは本来のクフ王の時代だとエジプトの外だね
アスワンの第一急流地帯で河川の交通が途切れてたもの
エジプトに組み込まれるのはあと…えっと、数百年先の中王国期だったかな
実はナセル湖に沈んだ遺跡も一つや二つじゃない
沈んだ遺跡が移動中に一つでもあれば希望が湧いてくるんだけど
移設前のアブ・シンベルの跡地は今のアブ・シンベル神殿から下に高さ60mくらい、ナイル川に210m下った場所にあるはずなんだ
【完全視界】【クリーニング】【パラドクス通信】【スーパーGPS】借りるね
水底へ、いくつかの影が静かに降り立つ。
それはむろん、ここナセル湖への調査にやってきたディアボロスたちだ。
すでにパラドクスによる残留効果・水中適応が発生しているため、湖上を移動して攻撃されるおそれのない、水底のルートを通ることができる。
水中適応により水圧などの影響も受けないため、普段の衣服のままのものもいるが、ドライスーツなどを準備してきたものもいた。フィンなどがあれば、素早い動きがとれるので、こうした準備もムダではない。
なかでも、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)はドローンを換装した水中スクーターを使用していた。
「じゃあ、神殿があったっぽい場所を目指していきましょうか。地形的には元のナセル湖と大きく変わってるわけじゃねーわよね」
と、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)。
暗い水中へ手持ちのライトの光を、行く先を指し示すように投げかければ、メーラーデーモンの「だいふく」もその先を見通すように目をこらす仕草を見せた。
「ここからなら、ひとまず南へ向かう形になるな」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が地図を見ながら言った。
ディアボロスたちが侵入を開始したのは、アスワン大城壁を超えた先、湖の北側のポイントだ。ナセル湖はここからアブ・シンベル神殿のあるあたりまで、南北に長い形状であるから、湖底を南下していく形になる。
「移設前のアブ・シンベルの跡地は今のアブ・シンベル神殿から下に高さ60mくらい、ナイル川に210m下った場所にあるはずなんだ」
メルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)の言葉に従い、一行はその場所を目指す。
進み始めてすぐ、それらは眼前に飛び込んできた。
「よくもこんなに……集めに集めたって感じだネ」
ラウムが感嘆をこぼした。
「気が滅入るわね……」
冷桜が眉根を寄せる。
見渡す限りの、それは屍の山だ。
まさに累々と、湖底を埋め尽くさんばかりの遺体、遺体、遺体……。
老若男女の骸が、水底に葬られ……いや、遺棄されている、というべきか。無造作に折り重なり、積み上がって山のようになっている箇所もある。
水底が露出している箇所のほうが少ないのではないかと思えるほどの数だった。
メルサンクは南下するほど、つまりアブ・シンベル神殿に近づくほどに死体の数は増えるのかと推測していたが、特段そういうわけでもないようだ。これほどの数になると、多少の偏りは誤差のうちである。
ラウムも道中、特に死体が多い場所などがあるか気を配っていたが、突出した場所というのはなく、多いと言えば、全体的にとにかく多いとしか言いようがない、それはあまりにも無情で、恐ろしい光景であった。
「ここらへんは本来のクフ王の時代だとエジプトの外だね。アスワンの第一急流地帯で河川の交通が途切れてたもの。エジプトに組み込まれるのはあと……えっと、数百年先の中王国期だったかな」
メルサンクがエジプトの歴史を踏まえて、地理について語る。
「時代性の齟齬を考えれば、あの神殿は大いなるトート辺りが新築でもしたか」
エトヴァが考えを述べる。アブ・シンベル神殿が移築されていないのなら、今、岸辺にある神殿は何者かが本来の歴史とは異なる場所に建造したということになる。すでに撃破されたジェネラル級クロノヴェーダが、かかわっていた可能性もあるのだろうか。
「実はナセル湖に沈んだ遺跡も一つや二つじゃないんだ」
「そうなの? それなら、問題の場所以外にもなにかあるかもしれないのかしらね」
メルサンクの言葉に、冷桜が応じる。
「でもここまで、はっきりした人造物の欠片は見つからなかったネ」
とラウム。
そうなのだ。目にするものは遺体ばかり。ディアボロスの道行きは、死だけがその風景だった。
そうこうしているうちに、件の調査ポイントへと到達する。
やはりこのあたりにも、人工物と思われるものは、その破片であっても、落ちている様子はなく、ラウムはかぶりを振る。
エトヴァはパラドクスで湖底の泥土を吹き飛ばして見たが、その底になにかが埋まっている、ないし、泥に覆われて隠れていた何かあったということもないようだ。
「もし、重要な場所てーんなら隠されてそうよね。んで、ここで隠すってーと……」
周囲を見回す冷桜の目に映るのは……むろん、遺体の山。
ラウムが小魚に換装した小型ドローンを放ち、遺体の山のなか、その隙間へと潜り込ませる。ドローンから送られてくる画像を確認するも、遺体の山は遺体がただただ積み上がっているに過ぎないようだった。
(「沈んだ遺跡が移動中に一つでもあれば希望があったんだけど」)
メルサンクは思索をたぐる。
史実とは大幅に異なる時期に出現したナセル湖。それはなにかを隠すための場所ではなかったのか――それともまだ、見つかっていない何かが、この広い湖底のどこかにいまだ眠っているのか。
(「何にせよ死体からエンネアドを作ってるんだから」)
冷桜はあらためて、遺体の山へ目を向ける。
(「重要な要素は死体に間違いねー」)
本来なら、水中で死体は腐敗して朽ちるか、死蝋化するはずだ。だがここの遺体はみな、ミイラ化している。まるで、生命を吸い取られたかのように……。
「!」
探索を行いながらも、周囲への警戒を怠らなかったエトヴァは、遺体の山のなかに、不気味なうごめきを見て取り、仲間に警告を発した。
ぬるり――、と、遺体を掻き分けるようにして這い出てくるいくつもの影。
それはトループス級エンネアド、巨大肺魚の群れだった。
ナセル湖に沈められた遺体から、トループス級エンネアドが生まれているということは、すでに報告されている事象だ。今まさに、これらも、遺体が変異して生まれ出でたのだろう。
生まれたばかりのエンネアドは、動きも鈍く、ただふらふらとさまようように水中をただよっている。
アブ・シンベル神殿にもほど近い場所だ。無用な戦いは避け、このままやりすごして遠ざかり、もうひとつの目的である弔いを行っても問題はあるまい。
むろん、一体でも多くのクロノヴェーダを仕留めておくことも有意義なことである。
水底にうごめく影と、息を殺すディアボロス。
こぽり、と、気泡が、場違いなほどのんびりと水面へと立ち上ってゆく。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【水中適応】LV2が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
リオーネ・クア
ナセル湖にたくさんの、たくさんの遺体が沈んでいるという情報を聞いて、この場所に来たいと思ってた
俺は攻撃で消滅させるような手段に秀でていないけど、どうしても人々のために祈りたくて
エンネアドに変じてしまった遺体も眠らせたい
そう思うから肺魚に挑む
(他のディアボロスの行動の障害になるなら行動しません)
手足を黒い悪魔のものに変じさせ刃を生やし、一体ずつ相手にして切り刻んでいく
敵の突撃は魔力障壁を展開してダメージを軽減しつつ刃の生えた体で受けるよ
これだけの命を奪ったエジプトのクロノヴェーダ
あまりの数の多さに許せない気持ちが高まる
俺は死体の消滅を手伝えないけど
どうか、これらの人々の魂に安らぎがありますように
テクトラム・ギベリオ
人が命を落としてもなお、異形のクロノヴェーダとして変化するのは見るに耐えないな…。
我々では元に戻せない。屠る事でこの場を鎮めるしかない。
【水中適応】を使って行動、海底の砂を操り巨大肺魚に攻撃する。
砂の中に潜るようなら、そのまま閉じ込めるようにして砂の弾丸を打ち込もう。
煙幕には【完全視界】で視界を確保して不意打ちに備える。
場所的にこいつらもここから生まれた者かもしれんな…。
色々考え出すと腕が鈍りそうだ。
今は戦いに集中し、全てが片付いたら鎮魂の祈りを捧げよう。
アドリブ連携歓迎
メルサンク・トトメス
アドリブ・連携可
残留効果は適宜使用
巨大肺魚を迎えうつために湖底の方に向かう
湖の外、アブ・シンベル神殿のクロノヴェーダに気付かれる前に片付けてしまえばそれでいい
ヌンとナウネトの加護を得て水塊による浄化攻撃(パラドクス)を行う
渦乞いの渦とは逆方向に水塊を放ち、泥に引き摺り込む力を弱めて防御する
仲間の援護として、煙幕は【完全視界】で凌ぐ
泥食みの泥は【浄化】する
せめてヌンとナウネトの元にお帰り
ヌンとナウネトの許しの神託を得て、原初の水、原初の混沌の領域に送る
そこはあらゆる存在の起源にして、復活することのない魂の行きつく先
それがトドメで、それが埋葬
メルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)は、遺体の山の影を、そっと歩み始めた。
仲間たちへ視線を投げ、自分は巨大肺魚を迎え撃つことを告げる。湖の外、アブ・シンベル神殿のクロノヴェーダに気付かれる前に片付けてしまえばそれでいい。
この場を離れ、弔いの場へ赴くディアボロスたちを見送る。
一方で、メルサンクと同じく、トループス級エンネアドと戦うことを選択したディアボロスもいた。
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)と、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)である。
(「あいつらもここから生まれた者なのか
……?」)
テクトラムは泳ぐ肺魚の姿を目で追いながら、その事実に思いをめぐらす。
色々考え出すと腕が鈍りそうになるが、気を引き締める。だとしても、すでにクロノヴェーダ化したものを元に戻すことはできない。ならば、屠る事でこの場を鎮めるしかない。
リオーネも同じ考えだった。
(「こんなにもたくさんの遺体があったなんて」)
あらためて、湖底の風景には目をみはるしかない。あまつさえ、これらの遺体からクロノヴェーダが生まれている。
(「あれも元は人の遺体だったなら……その遺体も、眠らせてあげるべきだ」)
そう。
戦いの形をとっていても、かれらの行いは、またひとつの弔いであったのだ。
「!!」
肺魚たちがその気配に気づいたとき、すでに、湖底の砂はテクトラムのパラドクスにより巻き上がり、渦を巻いて砂塊の弾丸を形成したところであった。創造された3つの弾丸はそれぞれ異なる方向で魚雷のごとく発射される。
水中ではあるが、パラドクスがその影響を受けることはない。
肺魚は慌てて砂に潜るものもいたが、砂の弾丸の軌道は敵を追って弧を描き、砂中のクロノヴェーダへと命中した。
さらに、相手の身体に喰い込んだところで、固められていた砂礫が四方に爆散し、いっそうのダメージを与える、それがパラドクス「裂衝砂弾」の獰猛な威力であった。
ぶわり、と、砂が煙幕のように舞い上がった。
砂弾命中の衝撃のせいだけではない、それが巨大肺魚の反撃だったのだ。
吐き出した砂の煙幕で視界を封じ、奇襲を仕掛ける。
しかしながら、このとき、戦場には残留効果「完全視界」が影響しており、肺魚の不意打ちへの備えはできていた。
飛び込んできた肺魚をテクトラムがかわすところへ、メルサンクがその機を逃さず、魚のように俊敏な動きで間合いへ踏み込んでくる。
砂まじりの濁った水を、浄化するかのように、澄んだ水の流れが凌駕してゆく。
メルサンクのパラドクスが生み出す水の攻撃だ。
それは「原初の水」ヌンとナウネトの加護の顕現。圧倒的な水圧に、巨大肺魚が吹き飛ばされた。かれらにとって地の利があるはずの水中で、ここまで翻弄されるとは、思いもしなかったであろうが、肺魚のどこかとぼけたような顔に、その感情の真なるところを読み取るのはなかなか困難であった。
メルサンクのパラドクスは、たしかにその敵を倒したはずだ。
それでも、反撃が生じるのが逆説連鎖戦の掟である。
肺魚がメルサンクの周囲を円を描くように泳ぐことで、渦をつくりだし、湖底の泥のなかへとメルサンクを引きずり込もうとする。
だがメルサンクは引き込まれようとする方向へさらにパラドクスを放ち、水圧で相殺することで、難を逃れたのであった。
「……」
まだ生き残っている巨大肺魚は、意志があるのかどうかもわからない虚ろな目で、ゆらゆらとただよっている。
それが人間が変えられた成れの果てだとするなら、あまりにも冒涜的だ。
その背後に、すっと立つリオーネの姿。
刃は、巨大肺魚のぬめぬめとした皮膚を、あまりにもたやすく、鋭く斬り裂いた。
リオーネの腕は、黒き悪魔のそれに変じており。
そこに生じた刃――パラドクス、魔骸連刃が、巨大肺魚を解体するかのように斬りつけてゆく。
ディアボロスとなったことにより、リオーネが得た悪魔の肉体。クロノヴェーダのわざにより、エンネアドとなったかつての人間。両者は似て非なるものであり、ある意味で対極だった。
急所を裂かれ、ぐらりと傾いでくずおれてゆく巨大肺魚に重なり、逆説連鎖戦により生じた反撃がリオーネを襲うが、瞬時に展開した魔力障壁でその勢いは削がれてしまう。
反撃の体当たりを刃で受け止め、その姿が溶けるように消えてゆくと、リオーネによって倒された肺魚の身体も、ぼろぼろと崩壊して水中に散ってゆく。
「せめてヌンとナウネトの元にお帰り」
メルサンクは、消えゆくエンネアドの残滓に、声を送った。
テクトラムも、どこか苦い表情で、倒したトループス級たちが崩れてゆくさまを見回すと、静かに頭を垂れる。
リオーネも、それに倣った。
湖底をどこまでも埋め尽くすほどの骸の山。これほど多くの生命が奪われたことには怒りしかなかった。
だが今は……せめて、その魂が安らかに眠れるように祈ろう。
ディアボロスは、暗い水底に、鎮魂の祈りを捧げた――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【水中適応】がLV3になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
冰室・冷桜
さーて……んじゃ、あとはここで眠ってる皆さんをーって感じなんですが
……弔い方って日本式で大丈夫なんかしら、いやそもそも日本式でーっていうても厳密にはできんわけだが
……こーゆーのは気持ちが大事っていいってことでいいかしらね
手を合わせて南無阿弥陀仏……安らかにお眠りください……
水中の中でしっかりと手を合わせて、沈んでいる遺体一人一人の冥福を祈りましょう
………ま、アタシの心の準備ってー意味もあるんだけどさ
弔いで心の準備ができましたら、だいふくを【召喚】
だいふくの攻撃で遺体を消滅させていくわ
……なるべく目を逸らさないように、ね
ラウム・マルファス
さて、ご遺体の埋葬……といってもボクに出来るのは消し去ることだけサ。
生まれてくるエンネアドはやり過ごしつつ、遺体の多かった場所へ移動。
完全視界で見通して、まずは手を合わせて冥福を祈るヨ。日本式で申し訳ないけどネ。ご遺体を清める意味でクリーニングも使っておこウ。
その後はパラドクス発動。ご遺体の配置を解析、湖底までの範囲全てを対象として、ご遺体を水に変換すル。体積単位で同じになるから溢れたりはしないヨ。
ホントは埋葬したいけど、時間も手段も無いからネ。恨まれてもイイサ。
折り重なった下も含めて変換できるけど上手くいかないなら複数回発動しよウ。
あとは体力と魔力の続く限り繰り返すヨ。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
水中適応、完全視界使用
この世界は理不尽だな
こんな事態が起きていること
知らされてもいないんだ……
ディヴィジョンの人々には、望まれていないのかもしれない……
だが、必ず、エンネアド達の支配を終わらせると誓おう
こんな理不尽を二度と起こさせない
誰かの親しき者達が二度と犠牲になる事のないように、尽くそう
どうか、安らかに眠ってくれ
手製の花輪を、湖底の遺体達へ捧げ、沈めよう
冥福の祈りを捧げる
パラドクスを発動
あなた方の信仰と異なるかもしれないが……
黄金の穂の実る楽園へゆけますよう
イアルの野の幻を映し
祈り、浄化し、眠らせていこう
繰り返し、なるべく多くのご遺体を弔おう
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
パラドクス詠唱不要
改めて思うんだよねぇ
死者の体や魂を好き勝手する奴らは、ほんとにクソだって
……皆の仇はあたし達が取るよぉ
【水中適応】と【完全視界】を借りて行動に不自由がないようにするよぉ
折り重なる死者たちに、手を合わせて黙祷を捧げた後
≪テンペスト・レイザー≫を構えパラドクスを発動
『屠竜技:光刃解放斬り』──稲妻と、水中でも燃え盛る炎の刃を武器に纏わせ、振るう
膨大な熱量と【斬撃】を叩きつけて、亡骸を跡形もなく【粉砕】する
体力と時間が許す限り何度も何度も武器を振るって、出来るだけ多くを消し去るよぉ
ごめんね、故郷の土の下で眠りたかったよね
せめて魂だけでも、還るべきところに戻っておいで
プターハ・カデューシアス
アドリブ・連携歓迎
有効な残存効果や技能は全て利用
クロノヴェーダに襲われた上で
死してなお、偽神の糧にされるとは…
やはり放っておく訳にはいきませんよね
遅ればせながら、死体を弔いましょう
桜散春風にて死体の消滅を
異国の地の美しき花を手向けに
安らかに散ってください
…クロノヴェーダとして生まれてしまったものは仕方ありません
せめてその手を汚す前に
ここで沈めておきましょう
ここの機構も謎ですね
今回、それらしいクロノオブジェクトがなかったとは
水中のミイラ化
エンネアドの発生
一体、どのような方法を取って成されているのか
弔いながら、ミイラとなった彼らの無念を思います
なにか、ヒントとなる物が見つかると良いのですが…。
テクトラム・ギベリオ
…トループス級は見届けた。
すでに仲間たちが始めてくれているかもしれんが、1人でも多くを弔いたい。
時間も限られているし、はじめようか。
【水中適応】を引き続き使用。そして戦闘で扱ったように再び湖底の砂を操る。
パラドクス【砂塵縛楼】を発動し、砂の楼閣をできるだけ広範囲に展開。
遺体を静かにすくいあげ、閉じ込めて圧縮し消滅させる。
ここに沈む者ひとりひとりの事を想うと胸が痛い。
せめて今際の際、安らかであったことを願うが…この数にこの扱いではそれすらも望めないか…。
このような形式でしか弔えない事を許してくれ。
そして魂だけはどうか安らかに。砂に還れ。
アドリブ連携歓迎
ジズ・ユルドゥルム
…あまりにも膨大な死だ。
彼ら一人一人に、日常が、大切な誰かが、願いを込めてつけられた名前があるはず。
今は…ただ「たくさんの遺体」として弔うしか無いことが、心苦しい。
…考えてしまうな。
もしも、彼らがもう一度目を開けて
再会を喜び合い、手を取り合って元の日常に戻って行けたなら。
どんなにいいだろう。
…そう思うのを、止めることができない。
今、この世界の機構である「死者の復活」を
壊そうとしている只中だというのに…
こんな思いは、何かに届くべきではない。
まして実体を持つ神などには。
ただ生者を慰める夢想としてあるべきなのだろう。
…弔いをしなければな
祈りの樹を発動し、揺蕩う葉と花の下で
遺体を静かに消滅させよう
メルサンク・トトメス
実はエジプトにも水葬の習慣はある。
死者はナイルを下り、ヌンの元に還る。
復活することはないって言ったけど、やがて朝日のようにヌンから現れるという神話もあるらしい。
これは文字を知らない庶民の習慣だ。
できれば、アスワン大城壁を壊して全て流してしまいたいのだけれど、さすがにいろいろ足りなさすぎる。
せめて手が届く範囲だけでも、葬るよ。
(パラドクスで【浄化】)
ディアボロスたちは神殿から十分に距離をとると、今回のもうひとつの目的である、遺体の弔いへ取り掛かる。
「……弔い方って日本式で大丈夫なんかしら」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は素朴な疑問を口にする。古代エジプトの作法にのっとるべきかもしれないが、よくわからないし、「こーゆーのは気持ちが大事っていいってことでいいかしらね」ということにさせてもらおう。もっとも、日本式にやるといっても、僧職でもない冷桜には正解は判じかねるのではあったのだが。
(「……安らかにお眠りください……」)
しっかりと手を合わせ、心のなかで祈る。
それは数多くの遺体の冥福を祈るものであると同時に、冷桜自身の心の準備の意味もあった。
ディアボロスたちの弔いは、これらの遺体を消滅させることで完了するものだからだ。
なんらかの作用により、自然に朽ちる様子のない遺体たち。いかに手厚く弔いの心を手向けても、遺体がここにあるままでは、いずれエンネアド新生の素材にされてしまう。
「だいふく」
冷桜に応えて、メーラーデーモンのだいふくが、槍をかまえる。
パラドクスの電波を帯びた槍とともに、メーラーデーモンは遺体の山へと飛び込んでいった。
その攻撃を受けて、遺体が崩れてゆくのを、冷桜は見つめる。
ある意味、それもまた心の痛む光景ではあったが、だからこそ目を逸らしてはいけない――そんな気がして、数多の遺体が湖水に散りゆくさまを、冷桜は心に刻みつける。
冷桜が遺体へ合掌していたとき、ほかのディアボロスたちもそれに倣うように手を合わせていたようだ。
心のあらわし方はさまざまあれど、やはり祈りの形として、わかりやすいものだったと言えるだろう。
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)もまた、手を合わせたあと、遺体を消滅させるべくパラドクスを行使する。
場には残留効果「クリーニング」もはたらいている。そのため、水中に遺棄されていても、遺体の状態は望む限りの清潔さを保たれていた。
ラウムの眼鏡に宿った悪魔の力が、うず高く湖底によこたわる遺体の山を、その配置から質量、組成までつぶさに解析してゆく。そしてありえざるパラドクスの効果によって、遺体を構成する物質が、まったく別の物質へと置き換えられていった。此度のそれはH2O――すなわち、水に。
現象としては、文字通り、遺体が消え失せたように見えただろう。
だが実際は、そこにあった遺体が、体積はそのまま、同量の水に置き換わったのだ。
(「ボクに出来るのは消し去ることだけサ」)
弔うというのなら、埋葬すべきだろう。
だがそれを行う時間的なゆとりや労力を、これほど大量の遺体を前にして、この敵地で行うことはできない。
たとえ、恨まれようが、その怨念は甘んじて受けるしかない、と覚悟を決めて、ラウムはパラドクスの行使に徹する。
体力と魔力の続く限り、一体でも多くの遺体を水に帰すために。
「実はエジプトにも水葬の習慣はあるんだ」
メルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)がそう言ったのは、弔いの方法がこれでいいのか、戸惑いを抑えられないディアボロスへ向けたものだったのだろうか。
「死者はナイルを下り、ヌンの元に還る。やがて朝日のようにヌンから現れるという神話もあるらしい」
ヌンとは原初の水と呼ばれ、あらゆるものの根源とされる神格をいう。
万物の根源が水という理解は、科学的にいってもあながち的外れではない。
エジプトの人々も、水に葬られることがあったなら、この湖底の弔いも、人々の意にまったくそぐわないとは言えないだろう。牽強付会と言われるかもしれないが、ディアボロスたちの、人々を悼む気持ちに偽りはないのだ。
メルサンクのパラドクスは、水を操り、その圧力と衝撃で遺体を消滅させる。
クロノヴェーダを圧し、滅ぼすのにも用いた力が、今は弔いのために行使されるのだった。
「できれば、アスワン大城壁を壊して全て流してしまいたいのだけれど」
本来の歴史であれば、この湖自体、この時代にはあってはならないものだ。
水をせき止めて湖をあらしめているアスワンの大城壁も、湖底に沈む遺体の山も、それが新たなエンネアドを生み出しているというおぞましい事実も……それらすべて、あってはならないはずの、歪められた歴史である。
さすがに、アスワン大城壁の破壊まで行うのは難しい。
だからこうして、地道な弔いをもって、遺体の数を減らすしかないのだ。
トループス級との戦いを終えた、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)が合流する。
さきほど生まれたばかりのエンネアドはすべて倒した。それもまた、テクトラムの、ひとつの弔いの形だった。獣神王朝エジプトの歪んだ摂理によって、エンネアドにされてしまった魂を送るための――。
そして、ここに眠る数多の骸をも、テクトラムは送ろうとする。
かれのパラドクスにより、湖底の砂が煮立つよう揺れ、暴れ、やがてあふれだす。
沈んでいた遺体が、天に導かれるように、静かに水中に浮かびあがるなか、津波のように立ち上がった砂の壁が、遺体を取り囲み、呑み込むように収束していったかと思えば、見る間に、楼閣をかたちづくってゆく。
砂塵楼閣――あたかも「砂の城」と見えて、そう呼ぶには、そのメタファーとかけ離れた堅牢さと豪奢さを見せる構築物が湖底に顕現したのだ。
それはしかし、悲しい遺体をその中に封じた、鎮魂のための霊廟であった。
敵に対して向けられたなら、悲鳴ひとつ漏らすことなく、敵をその中に閉じ込める死の棺となったであろう砂の楼閣は、湖底に沈む数多の遺体という悲しみを封じるかのごとく、その中にすべてを圧縮し、そして、遺体もろともに消滅した。
(「このような形式でしか弔えない事を許してくれ」)
テクトラムは、これほど大勢の人々が、どのように命を落としたのかに思いを馳せ、心に痛みをおぼえる。
おそらくは、クロノヴェーダの暴虐の果てに、理不尽に生を奪われたのであろうからだ。
せめて今際の際、安らかであったことを願うが……そうでなかったとしても、その苦しみはもはや終わったのだと、魂は安らかにあってくれと、砂の楼閣の残滓が湖底にただようさまへ、テクトラムは祈る。
魂よ、砂へと還れ―ー、と。
ディアボロスの弔いは、死者への悼みの気持ちを抱くほどに、その死をもたらしたクロノヴェーダへの怒りも呼び起こさずにはいられない。
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)も、また。
(「改めて思うんだよねぇ。死者の体や魂を好き勝手する奴らは、ほんとにクソだって」)
獣神王朝エジプトでは、死者が甦ることは自然の摂理とされる。
一見、死別の悲しみの少ない幸福のように思えるが、その摂理は、エンネアドへの信仰につながるよう、創り出された支配のための装置にすぎない。リターナーは、尖兵たるマミーとならんがために生み出されているのだし、この湖底に沈む遺体がエンネアドを生み出していると知れた今、エジプトのクロノヴェーダが、かれらの都合で生死の理を弄んでいることは明らかだった。
黙祷から、静かに目をあけた燐寧は、おもむろにチェーンソー大剣――テンペスト・レイザーを手にする。
「皆の仇はあたし達が取るよぉ。だから……」
燐寧の思いに応えるように、テンペスト・レイザーが唸りをあげる。
クロノヴェーダを滅するための、呪詛と怨念の叫びであるはずのその音も、心なしか、今日は声明のごとくに響く。
繰り出されるはパラドクス『屠竜技:光刃解放斬り』。
水中であってさえ、その刃には炎が燃え盛り、稲妻を閃かせる。
電光が湖底を照らしだすなか、轟音とともに振るわれた斬撃は、凄まじい力で遺骸を斬り……いや、ほとんど砕くほどの衝撃を与えて粉砕し、放たれた炎がその残骸を包み込んだ。圧倒的な衝撃と人智を超えた熱量により、切り裂かれた遺体は瞬く間に燃え尽きて消えてゆく。
これが燐寧の弔いだ。
チェーンソー剣を振るう姿が荒々しく、骸が斬り裂かれるさまは猛々しくとも、それまぎれもなく厳かな葬送なのであった。
「ごめんね、故郷の土の下で眠りたかったよね」
呟きさえ、チェーンソーの唸りはかき消して。
「せめて魂だけでも、還るべきところに戻っておいで」
燐寧は武器を振るい続ける。
桜の花びらが、ひとつ。
ふたつ、いや、みっつ……どころではない、ぱあっと視界を白く霞ませるほどの、桜吹雪だ。
水中のこととは思えない景色……、ましてやここはエジプトだ。いかに史実をゆがめた改竄世界史の世界といえど、エジプトの湖底に桜が咲くはずもない。
むろんそれはパラドクス。ありえない《矛盾》の象徴。
プターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)が杖より放つ攻撃によってつくり出された桜の花は、白昼夢のように美しく、ある意味で、今このときにふさわしいものであっただろう。
なにせ、その攻撃は湖底に眠る遺体を送るためのものであったのだから、花こそ手向けにしかるべき。古代エジプト人が知るはずもない遠い異郷の花であっても、その可憐な薄紅色は、きっとかれらの魂をやすらがせたに違いない。
(「クロノヴェーダに襲われた上で、死してなお、偽神の糧にされるとは……」)
プターハは憐れみを感じずにはおられない。
この悲しい骸たちが、いずれ新たな偽神となって、この地の災いを司るようになるならば、せめてその手が罪を犯すまえに、物言わぬ骸のままここで散り果てることこそ救いだ。それが幻想の花として散ってゆくなら、なお。
「それにしても」
ふと息をつき、消せども尽きぬ骸の山の連なりへ視線を投げる。
水中でありながら、ミイラとなった死体たち。
今回の探索では、神殿が移設されたかもしれない証拠や、遺体がミイラ化している根拠とおぼしきクロノ・オブジェクトなども見つからなかった。
ナセル湖がエンネアドの、いわば養殖場であろうことは確からしいが、その機構は謎のまま。
「この湖に……アブ・シンベル神殿……。一体、どんなたくらみに繋がっているのやら」
プターハの嘆息は、こぽり、と小さな泡になって立ち上ってゆく。
これまでの調査や、遺体の風体などから、湖に沈められているのはエンネアドを信仰しない砂漠の民であったことはわかっている。ならば、いっそうかれらの無念はいかばかりか。
そのことに胸を痛ませながら、プターハは再び杖をとり、葬送の続きに取り掛かるのだった。
湖底から、木が生える。伸びた枝に葉が茂る。
アカシアの樹のようだ。
それはジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)のパラドクスである。
その木陰で、累々とよこたわる骸の群れは、静かに浄化と消滅の時を迎えようとしていた。
「……」
ジズは、ひとりひとりへ、眼差しを注ぐ。
まるで、かれらの名を問うように。
そう――、かつてはかれらは、誰しも名前を……願いを込めて名付けられた自分だけの名を持ち、それぞれの日常を生きていた。
今ここにあるのは、名前も人生もすべて奪われたあとの冷たい骸でしかない。ジズがそれを知るすべもなく、ただ、「たくさんの遺体」としてしか、向き合うことができないのだ。そのことがジズには心苦しい。弔いというならば、そのひとの名を持って送られるはずなのに。
(「そうだ、もし……」)
ジズは夢想する。
もしもかれらが目をあけて、再会を喜び合い、手を取り合って元の日常に戻って行けたならどんなにいいだろう。
だがそれを願ってはいけないのだと思う。
生と死の境は揺るがされてはいけないもの。だからこそ、ディアボロスは今、ギザの地で生死の理をゆがめる「死者の間」の攻略に奮闘している。それなのに……。
(「そうか、だからクロノヴェーダは」)
死からの復活を願う心は、人間にとって自然にわき起こるものなのだ。死の理不尽、死の絶対性……愛するものとの別れの哀しさを知っているから。だからこの改竄世界史において、エンネアドは受け入れられ……いや、そこにやつらがつけこんだ。
死を超えたいという思いは、届くべきではないのだ。それが偽の神々であればなおさら。
ジズの思索は巡り、パラドクスが生んだ木は可憐な花を咲かせる。
その花影で、死者は真なる安寧の眠りのなかへと消えていった。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が、そっと花輪を手向ける。
頭を垂れ、静かに冥福の祈りを捧げる。
冥福とは、死後の幸福の意味だ。
人は死者が死者の世界で幸あれと願う。だが、死者は甦るものと知られているこの地ではどうなのか。
(「あなた方の信仰と異なるかもしれないが……」)
もしかすると、死者を死者として眠らせ、見送ることは、このエジプトの人々には望まれていないことなのかもしれない、とエトヴァは思う。
それはディアボロスたちがギザの「死者の間」で直面している困難から思うことだ。
獣神王朝エジプトの人々は、死者が甦るという摂理を受け入れてしまっている。それを礎とする信仰が、自分たちを苦しめる偽りの神々の力になっているとも知らずに――。
(「必ず、エンネアド達の支配を終わらせる」)
誓いとともに、エトヴァはパラドクスを解放する。
暗い湖底に、金色の光が広がった。
骸の山が連なる湖底が、優しく暖かな光のなかで、稲穂の揺れる豊穣の大地へと変わったゆく。
それは最終人類史の古代エジプト人が夢想したという、イアルの野の幻想だ。
黄金の穂が実る地で、死者は幸福な暮らしを続ける。……それが幻に過ぎないとわかっていても、ここによこたわる死者たちの信仰とは異なるものだったとしても、エトヴァはその夢幻の彼方へとかれらを送り出したかった。
死者との別れが永遠のものだったとしても、それを否定する心はエンネアドたちの奸計に絡めらとられ、結果、さまざまな理不尽と悲劇を生む。
リターナーとなって死者が家族と再会できるその影で、砂漠の民はこのように虐殺されて湖に沈められ……そのことを誰も知りもしなかった。そしていくらエンネアドを信仰しようが、クロノヴェーダはおのれの都合だけで容易く人々を犠牲にする。
(「そんな理不尽を二度と起こさせない」)
誰かの親しき者達が二度と犠牲になる事のないように。思いを込めて、エトヴァはパラドクスの行使を繰り返す。黄金色の幻のなかへ、ひとりでも多くの死者を導くために。
●
いったいいくつのパラドクスが放たれただろう。
それが戦いであったなら、逆説連鎖戦の苛烈な応酬のなかで、轟音と爆炎とが繰り返し、繰り返し炸裂し、爆散したはずだ。
だが、その日、ディアボロスのパラドクスはあまりにも静かに、そして厳かに為され続けた。
それは死者を悼み、弔うためのものであったから。
数多の骸がパラドクスにより消滅した。消え去った遺骸は、リターナーとして甦り、第二の生を生きることはない。だが、エンネアドと化して、この歪んだ歴史の支配者に加わることもなくなった。
その魂たちは、湖水をたゆたうことをやめ、水面の彼方、高い空へと旅立てただろうか。
今は、そう信じるしかないだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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