リプレイ
咲樂・祇伐
🌸樂祇
お兄様?!
桜蘭号で……いえ……
桜蘭号に騎乗したお兄様は常より気合が入っておりますから
私もさっと後ろにのって…鬼馬軍団の掃討致しましょう
……私、この世界が好きなの
故郷に似ていて
それに大切な人の故郷だもの
好き勝手なんてされたくない
お兄様の為の結界を張り、兄がぶつかる瞬間に重ねる全力の風魔法
──桜蘂降りて紅に染めし
周囲をよく観察し、囲まれないように注意
連続で放ち、飛びくる刃を跳ね除ける
複数を牽制し、一体ずつ確実に仕留めましょう
お兄様のことだって傷つけさせません!
私の大好きなお兄様です
ふふ、お兄様ったら
深追いは禁物です
私達の体力もそろそろ苦しいわ
増援が来る前に退却を
桜吹雪に紛れる離脱しましょう
咲樂・神樂
⚰️樂祇
ふふふ、あなたが馬で来るっていうならあたしは桜蘭号でいくわ!
ぶちかまし蹂躙し撥ねてその首、飛ばしてやるんだから!
これは意地よ
愛する祇伐も後ろにのってるだから気合いも入るわ!
……大切な人、ね
そう…
噫、本当に…鬱憤を晴らさせて貰おうか
守りの結界は全て祇伐を守るためにと張り巡らせて
ペダルを一気に踏み込み、衝撃波と共に馬ごと鬼を跳ねる!
撥ねて、斬撃を放ち両断よ
祇伐の魔法が追撃してくれてなんて頼もしいのかしら!
素早く撹乱するよう立ち回り、お前に落馬して死ぬ呪詛をかけるという勢いで薙ぎ払う
祇伐…キュンとした!
私の愛しい君よ
そうね、名残惜しいけど
ここらで撤退しましょう
あなたが傷つけられてはかなわない
●轟々(ごーごー)、桜蘭号
『な!?』
『怯むなっ、怯むなっ!!』
「知ってる? 怯むなっていう鼓舞は、怯んでいる証拠なのよ」
足並みの乱れた鬼馬軍団の真っ只中を、桜蘭号と称する自転車――前かご付きだ――咲樂・神樂(離一匁・g03059)は縦横無尽に疾駆する。
繰り返すが、神樂が繰るのは自転車だ。愛車ではあるが、自転車だ。しかも後ろには溺愛している最愛の妹・咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)を乗せている。
戦場に相応しい型からは、大きく外れたスタイルだ。故に、戦場慣れした鬼馬軍団は度肝を抜かれた。
(「驚いたでしょう?」)
刀剣兵らの心情を察して余りあるのは、桜蘭号を引いて現れた兄に対して、祇伐も思わず目を見張ったからだ。なれど、祇伐に神樂への不審は無い。
「――祇伐?」
妹が小さく笑ったのが背中越しに伝わったのだろう。神樂が僅かに巡らせた視線に、祇伐は信に満ちた微笑みを浮かべ、首を緩く振る。
「桜蘭号に騎乗したお兄様は、常より気合が入っておられるのを再確認しただけです」
「そりゃそうよ! 愛する祇伐も後ろに乗ってるんだもの!! 気合が入らないわけないじゃない――」
『っ!?』
「残念だったわね! 今日のあたしを止められると思わないことよっ」
兄妹が会話に耽る様を好機と踏んだのか。人馬一体の構えで突進してきた刀剣兵が、桜蘭号が纏う桜嵐に触れた途端、小石よろしく桜蘭号に撥ね飛ばされる。
『ああ、あああぁぁ……』
「おまけに落馬して死ぬ呪詛もつけてあげるわ!」
中空で錐もみ回転している刀剣兵の命運は既に決している。が、そこへ神樂は序とばかりに斬撃を閃かす。
ことり。
ばたり。
桜の花弁に彩られた刀剣兵の骸が、首と胴に別たれ地に墜ちた。
「さぁ、さあ! 次の獲物はどいつかしら!!」
執拗なまでの追撃は、半ば意地であり、憂さ晴らしだ。そのことを、他でもない神樂自身が自覚している。
(「……だって、」)
……私、この世界が好きなの。
故郷に似ていて――それに、大切な人の故郷だもの。
好き勝手なんて、されたくない。
(「……大切な人、ね」)
桜光る柘榴の眼に強い決意を浮かべた祇伐が紡いだ台詞が、神樂の脳裡に甦る。
祇伐の云う『大切な人』が誰のことか、神樂はよく知っていた。
もちろん、祇伐が神樂を蔑ろにしたことなどない。とは言え、とは言えだ――。
『退け、退け! 一度、陣形を整え直すぞっ』
「させるわけないじゃない!!」
内側で吹き荒ぶ嵐を桜の舞に変え、神樂は刀剣兵らを蹂躙する。逃げようとする鬼馬の尾にも追い縋ろうと、ペダルを一気に踏み込む。
と、その時。
「──桜蘂降りて紅に染めし」
「っ、!?」
いつの間にか右背後から肉薄されていた刀剣兵が、神樂のものよりやわい花吹雪に囚われ、鬼馬ごとゆっくりと頽れ逝くのを、神樂は見た。
「お兄様のことは、私が絶対に傷付けさせません!」
「……祇伐」
万が一にも祇伐がかすり傷も負わぬよう、彼女の身は神樂が結界で守っている。しかし想いは祇伐も同じ。
「私の大好きなお兄様に刃を向ける者は、相応の覚悟をしてください」
隙なく周囲へ目を配る祇伐の言葉に、神樂の胸は高鳴った。
「……どうしましょう。キュンとした! 物凄く、キュンとした!」
――噫、噫。
――私の愛しい君よ。
溢れてあまりある妹愛に、神樂は全力全霊で桜蘭号を奔らせる。
「ふふ、お兄様ったら」
そしてその轍に咲く花へ、祇伐は桜ノ領域を重ね征く。
「でも、お兄様。深追いは禁物です。増援が来る前に退却を」
「そうね。あなたを傷つけられたらたまらないわ」
夕刻の川べりが似合いの自転車二人乗りの兄妹は、自らの力量を見誤ることなく戦果を重ねる。
二人の駆けた軌跡には、胡蝶が夢の如き美しき桜景色が残った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
古城・雪凪
【古城】で連携
さあ、前哨戦…
多めに削りたいところ
派手にかまそうか、雪夜
弟の背を叩き花葬姫で前線に出て連撃で牽制
残像を交えて翻弄
序盤は相手の動きを観察、情報収集をして行動を把握、回避等に活用したいところ
敵が花葬姫や雪夜に気を取られてる瞬間、あるいは残像に翻弄されてる時を狙って、闇忌を操り終焉ヘノ導キを
暗殺、早業、連撃の技術を駆使して敵を追い詰め確実に仕留めてみせよう
雪夜の様子と戦況を常に気にかけ、敵の攻撃に割り込めそうならディフェンス
……可愛い弟に何してくれるんだい?
そんなに遊びたいなら俺が相手をしてあげる
弟もいるし無理はしすぎないでおこう
撤収時にはトラップ生成で、起動したら気を逸らせるように
古城・雪夜
【古城】で連携
うん、行こう
兄さんが一緒なら、俺も呪詛に呑まれることもない
俺はツキノハナで敵を削るのを主体に立ち回り
連携でも削り切れない場合は、適宜「水虎霊」に切り替え
絶対に逃がさない
纏う呪詛が形作る深淵の水虎を放ち、確実に息の根を止めます
兄さんの動きを常に意識に捉え、必要に応じて即座に補佐に回るなど臨機応変に対応
兄さんが戦い易いように、暴れ易いように
退路は必ず確保して戦場を広く意識しつつ
互いの体力も念頭に、引き際を見誤らぬよう状況を注視
兄さんに怪我なんてさせたら、許さない
兄に庇われたのならば、刃を向けた敵を全力で葬ろう
突出も深追いもしない
けれど、俺の大切なものを傷つける相手にだけは、確実な死を
●花園
荒々しい戦場に、甘やかな――けれども冴え冴えとした歌聲が響く。
否。
其れは歌声ではなく、バロック・チェロの音色。
「蠱惑に狂い、」
奏でる古城・雪夜(黒帝・g01145)十指は自在に駆けさせ、月光が如き旋律で刀剣兵らを染め上げて往く。
しかし紡がれるメロディーは美しいばかりではない。
「咲いて散れ」
『!?』
『な、なんだっ』
『ひいい、ぃ』
皮膚の内側を食い破って咲いた冷たい花に、鬼馬を繰る鬼たちの口から悲鳴が上がる。
ただの花でないのは一目瞭然。雪夜がパラドクスで咲かせた、命を喰らう花だ。
だが苦痛を味わうのはクロノヴェーダのみならず。バロック・チェロを奏でる雪夜の額にもまた、苛まれる狂おしさにうっすらと汗が浮かぶ。
長い時を歩んだバロック・チェロは、豊かに歌う奏器であると同時に、魔楽器だ。
(「――でも」)
「遠慮はいらないよ、雪夜」
そっと背中に添えられた手に、雪夜の内側に清風が吹き込む。そしてその風は現実にも吹き渡る。
「せっかくの機会だ、多めに削りたい。派手にかまそう」
「うん、そうだね――兄さん」
俯きかけた顔を上げた雪夜の視界にあるのは、しなやかな獣のように走り出した兄――古城・雪凪(繰創者・g01119)の背中。
(「大丈夫。兄さんが一緒だから、俺は呪詛に呑まれない」)
雪凪の毛先だけ月白の獣尾の揺れをタクトに見立て、雪夜はいっそう激しく、華やかにバロック・チェロを謳わせる。
「良い音色だね――……」
ひとつ、ふたつ、みっつ。
雪夜に花咲かされた刀剣兵を視野に収め、雪凪は柔らかく笑む。なれど、その金色の瞳の奥に息衝くのは破壊の狂気。
「まずは――お前」
雪凪の口振りに、歪みが生じる。それに呼応するよう、闇を纏う人形が目覚めた。
「確実に仕留める」
まるで意思を持つ生き物のように、人形が雪凪と並走する。もちろん人形は人形だ。とはいえ、雪凪に繰られる人形は、ひとりの戦士であって刃そのものでもある。
旋律に紛れて一人と一体は、獲物の背後をとった。そも、雪夜の氷花に足掻く個体だ。虚を衝くなど、雪凪にとっては呼吸するより容易い。
「君を彼の地へ導こう……」
狙われた刀剣兵は、新手に襲われる自覚さえなかった。
知らぬ間に張り巡らされた罠に鬼馬の足は止まり、慣性の法則に前へ傾いだ刀剣兵の身体からは、次の瞬間、頭が転げ落ちる。
「まずは、ひとつ」
余韻の風圧に、ゆるく編んだ刹那の髪が揺れた――違う。圧は名残ではなく、先触れ。
「兄さん!!」
「、っ」
雪夜の一声に、雪凪は反射で半歩の距離を跳ね退る。直後、雪凪の居た場所に、鬼馬ごと刀剣兵が降って来た。
『躱したか、だがっ』
「お前の相手をしている暇はない」
『――』
雪凪に突進からの跳躍を仕掛けた刀剣兵が、息を飲む。起死回生の反撃を躱されたことに驚嘆したのではない。
垣間見た、形容しがたき雪凪の笑みに、勝手に背筋が震えた。
瞬く間もなく残された質量無き像に、目は見開き、足が竦んだ。
そうして刀剣兵は、置き去りにされた。
「……可愛い弟に何してくれるんだい?」
『は!? どうしてお前がっ』
「どうしても何も。お前如きを雪夜と遊ばせるはずないだろう」
反転攻勢までは真実、一瞬。
眼前の敵を捨て置いた雪凪は、疾風よりも疾く雪夜の方へ駆ける鬼馬の進路へ割り込み、立ち塞がってみせた。
「俺が相手をしてあげるよ」
雪凪が躍れば、人形も踊る。
躍らせ、屠りながら、雪凪は退路確保の為の罠を周囲に撒く。これらが起動すれば、例え鬼馬軍団に包囲されたとしても、撤収のための道筋は開ける。
(「今日は雪夜も一緒だからね」)
雪凪ひとりであったらば、通せぬ無理をも力づくで押し通した可能性があった。
されど雪夜と共にあることが、雪凪自身をも守っている。
それに雪凪が雪夜を庇ったように、雪夜も己が力で雪凪を守ろうと、いっそう鮮やかにバロック・チェロを奏で上げる。
「兄さんに刃を向けたんだ。死を持って償ってもらうよ」
凍てつく花が、無数に咲いて。
咲かされた数だけ、首が堕ちる。
美しくも凄惨な光景は、蠱惑的な音色とともに戦場の一画に広がった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
鬼歯・骰
花柳(g07664)と
空の上に飛ぶ船ね、用意周到なこった
落ちねぇように気をつけて動こう
もし危なかったら拾ってくれよ
存分に暴れるには変わりないが
駄洒落みたいにすんのやめろ
統率が取れてんなら不意打ち急襲で乱そう
鬼の腕で馬上の敵を引っ掴んで
引き摺り下ろすついでに船内に叩きつけていく
敵の一撃も鋭いだろうが硬質化した腕でいなすか、多少なら食らっても無視だ
確実に一匹ずつ仕留め、多くの敵を倒す事を重点的にしていこう
花柳も小さいなりで随分と器用に暴れるもんだな
ナイスアシストと飛んできた一撃にはタイミング合わせ攻撃を
一通り暴れて敵を解体出来たなら
退路塞がれ囲まれる前にさっさと撤退
本番はまた後日、深追いは無しだ
花柳・細
骰(g00299)と
京都と奈良
張り切って取り返す為に
前哨戦も大事ーってね
あっは、いざとなったら任せなさいよ
引き上げたげると腕捲り
さー、暴れ倒すわよ、骰っ!
白もねっと無双馬小突き
鬼馬が鬼歯に喧嘩売ってるわよ?
どっちが強いか見せつけちゃって
引っ掴む鬼の腕にヒュウと口笛鳴らし
己も負けじと白馬に跨る
どいたどいた!邪魔よ!
向かってくるなら追わずで楽ね
馬上で槍振り回し
白には蹄で踏み蹴り駆けるを命じ
骰の側の敵に蹴り飛ばしぶつけたら
隙作る助けになる?
顔以外は傷付いても気にしない
顔狙われたら避け防ぎ抹殺の怒気
あーっと深追い厳禁!
退路を見失う前に退きましょ
退路塞がれそうなら
白の蹄で蹴飛ばし踏みつけ路作り
まーたねー
●人馬無双
――用意周到なこった。
空を飛ぶという異形の船を目にした鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)の脳裡に過ったのは、賞賛に近しいものだった。
確かにあれであれば、自力で羽搏けない鬼たちでも、新宿島へ攻め入ることが出来るかもしれない。
しかしひとたび、足を踏み外したらどうだ――。
「あっは、いざとなったら任せなさいよ。引き上げたる」
上から、下へ。
いつも通りに剣呑なのに、微妙な不安を醸す骰の双眸の動きを見て取ったのか。磊落な笑いとともに胸を叩いて請負を約束してくれた花柳・細(非花・g07664)へ、骰は短く「頼む」と口にする。
建前とか、意地とか、矜持などは関係ない。遥か見上げる高みからの落下は、想像だけで十分だ。ディアボロスの超常的な力を以てしても、実際に体験するのはご免被りたい。
故にこそ、開戦を前に翼を地に休めている今は格好の攻め時。
「京都と奈良。張り切って取り返す為にも、前哨戦って大事ーってね」
またしても絶妙なタイミングで細が言う。もちろん骰に否やはない――が。
「鬼馬が鬼歯に喧嘩売ってるわよ?」
お手本じみた陣を組んで迫りくる鬼馬軍団への言い様には、骰はゆるく肩を落とす。
「駄洒落みたいにすんのやめろ」
細へ放る視線へ、骰は不穏を混ぜる。なれど細はどこ吹く風だ。
「まぁまぁ、そんなこと言わずに。どっちが強いか、見せつけちゃって?」
「――まあ、存分に暴れるのに変わりはないか」
冗句を重ねた気安いやりとりに、骰の身も心も十分に解れている。ならば後は駆け出すだけ!
「じゃあ、先に征くぜ」
言ったからには、実行あるのみ。
力強く大地を蹴った骰は、さながら弾丸の如く鬼馬軍団の腹を目掛けて奔る。
(「統率が取れてるんなら、乱すだけだ」)
数に有利な刀剣兵らは、よもや真正面からの単騎突入など想定していまい。事実、骰の全力接近に馬上の鬼たちは色めきだった。
『怯むな!!』
『包囲してしまえば此方のものだっ』
「馬で人間ひとりを包囲すんのはキツくないか? しかもこんなに集まっててよ」
密集地なら、機動力は人間の足の方が上。そのことを見せつけるよう骰は鬼馬と鬼馬の狭間を駆け抜けると、目についた鬼の足をぞんざいに鷲掴む。
『――ひぃ、っ』
刀剣兵は鬼馬から引きずり降ろされるのを覚悟した。されど現実は、想像の遥か上。
『!?』
不意に回った視界に、刀剣兵は悲鳴さえも飲み込む。そのまま刀剣兵の体躯は、風を切った。
「こちとら素手なもんでな。金棒代わりに使わせて貰う」
鬼だけにな――という囁きは、骰の喉奥を震わせるに留まるのみ。だが鬼神のそれへと転じさせた骰の腕は、圧倒的な力で刀剣兵を振り回す。
「いやね。一人で大活躍じゃない」
――ヒュウ。
刀剣兵が刀剣兵に吹き飛ばされる様――正しくは、骰が振り回す刀剣兵に吹き飛ばされた刀剣兵だが――に細は口笛を吹く。
このままでは細の出る幕がなくなってしまう。それは、あまり面白くはない。
「こっちも暴れ倒すわよ」
ひらり。鐙を踏むことなく、細は無双馬――名は白――に跨った。
「さあ、白!」
じゃれるように小突かれたのを合図に、白は一息に加速する。
「どいたどいた! 邪魔よ、邪魔!!」
美しい白毛の無双馬が駆け抜ける様は、白南風めいて颯爽と。とはいえ、細が馬上から縦横無尽に繰り出す槍は尖鋭にして獰猛。
『くそう、小娘が!!』
『追え、追え! 馬勝負で引けを取ってはならぬ!!』
小柄な女性である細を、骰より与しやすいと刀剣兵は思ったのだろう。しかしその考えは見当外れも甚だしい。
苛烈な槍撃に胸を貫かれた刀剣兵は数知れず。が、突撃叶わず朽ちた刀剣兵はむしろ幸運だ。迂闊に細へ肉薄し、万が一にも花の顔にかすり傷でもつけようものなら、その刀剣兵は地獄よりなお地獄な憂き目に遭ったろうから。
「じゃあ、そろそろ撤収しましょうかー」
退路確保ついでに刀剣兵を白に足蹴にさせた細は、計った頃合いに手綱を緩めた。
「だな、深追いは無しだ」
放物線を描いて飛来した刀剣兵を「花柳、ナイスアシスト」と巨大な拳で粉砕した骰もまた、ゆるりと息を吐く。
目に見える範囲はあらかた片付けた。数にして、小隊一つを潰したといったところだろう。
空飛ぶ船までは届かなかったが、戦果としては十二分だ。
「――乗ってく?」
「落っこちたわけじゃねぇから、大丈夫だ」
白に踵を返させながらの細の洒落た誘いを、骰は口の端を上げて断る。
本番は、また後日。
その時にはスリリングな体験をするかもしれないが、大丈夫。ディアボロスたちは必ず、地に足をつけた勝利を掴み取るはずだから――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【スーパーGPS】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
亀甲・桐葉
――悲しい戦
私たちの『敵』でさえ、何も知らないなんて
それでも、甘んじる訳にはいかない
私たちにだって、護りたい明日がある
卑怯な手だとは思うけど、予測進軍ルートに予め、時間を止めた弾幕を貼るよ
鬼や馬たちが突っ込んで来たなら、勝手に鉛玉の雨を食らってくれるかな
失敗しても、そこはそれ。
私の目的は――みんなの撤退経路を確保すること
出来る限り戦況を把握出来るところに陣取って、可能な限りの味方に援護射撃
弾の射程外なら、射程を足せばいいだけ
銃も弾もありったけ、頭と物資のリソースを割く
前哨戦だろうと、――負けていい理由にも、誰かが傷付いていい理由にも、ならないから
――全力!
殿を務めるくらいの、覚悟だけはある!
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
陸が駄目なら空からですか、空飛ぶ船とは厄介です。
ですが簡単にはやらせません、ここで仕掛けて出端を挫かせてもらいます。
多勢に無勢、その上相手は刀で武装。
囲まれて至近距離での乱戦となればあまり良い事にはならないでしょう。
小規模の集団を狙い確実に戦力を削る事を目標に。
武器は『蛇花』、【飛翔】で飛び回り飛行速度と遠心力を利用した蛇腹刀で一撃離脱の攻撃を仕掛けます。
倒せそうな相手から確実に、常に飛び回り囲まれないように立ち回ります。
一撃離脱を繰り返し敵戦力を削っていきましょう。
何騎か討ち取れたら無理はせずに撤退、【飛翔】してる分離脱はしやすいでしょうから難儀している人がいたら支援を。
水上・瑠璃青
……これ以上、この土地が消えるのは御免なの
黙って奪われてゆくのを見過ごせはしない。
当主になって、初めての大きな戦ごとかもしれない
怖くないと言えば、嘘になる
……けれど、私が、やらなきゃ。
水上の当主として、瑠璃青として
喚び起こす刃の想像は、決まっている。
――来て。先々代の刀。青の当主の声に応えよ。
両刃造りの刀を抜刀
駆けて来る軍団目掛けて、駆ける!
その脚で此方を蹂躙することが目的なら
この刃で、貰い受けてみせる!
私の目的は、敵の数を減らして動きやすくする事
精神集中をして馬脚の急所を狙おう
一刀両断、地の心地は如何かな。
恐れない、負けない!
復讐者たちは立ち向かって行くと
そう知らしめたなら、撤退を選択しよう
金刺・鞆
拠点が空に――という洞察と対策はお見事でございますね。もっとも、その策を許すわれらでは、ない。
新宿島にはわれらに思いを託し、ともに戦地に在ろうとする強き民が……われらの味方がいるのです。早々に船を落とすためにも、まずは機先を制しましょうか。
味方と狙いを重ねて撃破を早めるべく、『青龍水計』にて多くの敵を攻めましょう。【水源】も最大限に巡らせて、馬の脚を鈍らせたいところ。騎馬の機動力を削ぐには多少の役にも立つ――と、よいのですが。
反撃の技は得物を振り抜く動作に警戒し、回避や防御を試みます。武器そのものが飛んでくるなら仕掛け扇にて弾いて防げるかと。
体力が半ばを下回るか、源頼光が出てきたら急ぎ撤退を。
青沢・屏
(アドリブ・連携大歓迎)
●目的
見事な前哨戦をするあと、みんなと一緒に無事に返します。
◆行動
「では、始めましょう。きれいな勝利をしましょう。」
鬼馬軍団は団体戦が得意である以上、「光使い」で光の槍作れ、「投擲」の技量をしっかり発揮する。一つ一つ精確にヒット。敵が多少鎧を着用していても「貫通撃」で確実に撃破する。
「汝らがどれだけ速くても……光を超える可能性があるとは思えませんね。」
【飛翔】あるなら、空から敵をねらう、鬼馬たちを爆撃しよう。
十分に効果的な打撃を確認すると後退したり離脱。
「長居無用、残されだモノは正面の戦場で叩き潰しましょう!」
セレスティア・リュミエール
絡み、アドリブOKです
戦闘ではパラドクスでヴェルソーを召喚
さあヴェルソー、その水流で敵を押し流して
水流の力で敵を足止めしつつ攻撃です
足場を悪くして混乱してくれたらうれしいですね
随分とやる気があるようですが…貴方たちの主はここを売り渡そうとしているようですよ?
嘘?ふふ、本当にそう思います?
等と心を揺さぶってみましょうか
効いてくれたら多少士気にも影響は出るでしょう
ある程度戦力を削れるか、体力が減りすぎたら撤退しましょう
半分ほど削れたら御の字でしょうか
撤退しますが残りはまた後日……覚悟めされよ、ということで
●明日の大輪
「来たれ、天の雨齎す、秀麗なる水神」
紡がれる澄んだ音色に添うように、碧月を思わす青白の輝きを帯びた銀髪がふわ、と背に広がる。
「逆巻く水流を呼び起こし、」
鬼馬軍団が広がる前面を見つめるセレスティア・リュミエール(碧月のソルシエル・g05430)の眼差しには、黎明の予感が息づいている。
其れは即ち、平安鬼妖地獄変の夜明け。不当に運命を操らんとするクロノヴェーダにとっての終焉の始まり。
「――大海の如く、飲み込んで」
詠い上げられた旋律に大気が張り詰めた直後、黄道十二宮の力で以て召喚せしめた水神が像をなし、手にした水瓶を大地へと傾けた。
――とぽり。
零れ落ちた聖なる雫は、まずは穏やかな水面を形作る。しかし静寂は波濤の胎動。
「さあ、ヴェルソー。その水流で敵を押し流して」
――ざあん。
激情は螺旋を模る水流となって巻き起こり、鬼馬軍団の先駆けを目掛けて迸った。
邪への道を、聖なる奔流が切り拓く。その真っ直ぐに伸びる途を青沢・屏(コーヒーアーティスト・g00202)は踏み出す。
「では、始めましょう。きれいな勝利をしましょう」
営む喫茶店で憩いのコーヒーを振る舞うにこやかな笑顔のままで、屏は疾く、疾く、征く。
星々を閉じ込めた夜天にも似た双眸には、セレスティアの聖渦に巻かれた刀剣兵が収められている。
苦痛に苛まれながらも、鬼馬を操り離脱しようとしているのは、敵ながらに見事な手腕だ――なれど。
「汝らの鬼馬がどれだけ速くても……光を超える可能性があるとは思えませんね」
『っ!?』
屏の接近を既の所で悟った――逆を言えば、直前まで悟れなかった――刀剣兵が、半ば反射で上体を仰け反らせる。だが屏は、そこに合わせきった。
「この一撃が、汝を貫いている」
宣言が過去形なのは、もはや命運は決しているから。
光の流れに換えられた屏の力は、一条の矢よりも鋭く刀剣兵の身を穿つ。
過ぎ行く光は一瞬だ。遺されたのは粉々に砕け散った、なれの果て。
『お前、よくも』
『囲め! 数で押せ!!』
眼前で同胞を滅せられた鬼馬軍団がいきり立つ。
突出したのは屏のみ。多勢に無勢だ。数の暴力で踏み潰そうと、編隊が割れる。そこを待ち侘びる影が、虎視眈々と好機を狙っているのにも気づかずに。
「ここです! 龍爪!」
斬撃は、少女の声と共に空から来た。振るわれたのは、おおよそ七尋の射程を有す蛇腹刀。
「空飛ぶ船は確かに厄介です。そのこと、あなた達にも味合わせて差し上げます」
蛇花の銘に相応しく、地面に血の花を咲かせた野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は、追撃の斬撃が来る前に身を翻す。
くるりと豊かな毛並の狐尾が、獲物を捕らえ損ねた刀剣兵の鼻先をくすぐる。
『このお、狐の小娘が!!!』
狙ったわけでもないのに、煽られてくれたクロノヴェーダに、裕樹はひそかに息を整え直した。
(「このまま、このままです。上手く挑発して、隊列を乱していけば――」)
敵の出鼻を挫くのに成功しているのは、疑いようがない。このペースを維持できれば、ディアボロス側に犠牲を出さずに、最大限の戦果を得られるだろう。
「捕まえられるものなら、捕まえてみてください」
慎重に慎重を重ね、裕樹は鬼馬軍団の統率を乱してゆく。
未だ雲霞の如く押し寄せる鬼馬軍団の向こうに、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は飛翔の時を待つ異形の船を見る。
(「狙いはたいそう、ようございました」)
ディアボロスの拠点が空に――とあたりをつけたのは、敵ながら見事な洞察力だ。立てた対策も、見事としか言いようがない。
だが。
「もっとも、その策を許すわれらでは、ない」
齢七つ。ともすれば鬼馬に容易に踏み潰されかねない小さな体躯を纏う覇気で大きくみせて、鞆は扇を振り上げる。
(「新宿島をおとさせるわけにはまいりませぬ」)
彼の地は、託されし想いの象徴。力を持たぬ人々が、それでもディアボロス達を支えようとしてくれる地。ともに戦地にあろうとする強き民にとって、唯一の安寧。
「われらが味方の在る島を、汝らなぞに穢させはいたしませぬ」
ざん、と。心の侭に鞆は一気呵成に扇を振り切る。その武士の斬撃もかくやという閃きは、膨大な水流を編む。
セレスティアの手によって、既に水気を含まされた戦場だ。さらなる流れは波濤と化して、四騎の鬼馬の脚をからげ、跨る刀剣兵へと襲い掛かる。
跳ねた飛沫が、雨のように一帯を濡らす。とはいえ刀剣兵も一撃では沈まぬが、散った滴が虹色に色付く時には、屏と裕樹が息を合わせていた。
「空からの光――まさに雷ですね」
「打たれると痛いですよ」
屏が迸らせた光が絶命の縁へと追いやって、裕樹が翻らせた歪な刃が三途の川を渡す。
ぬかるむ地面に頽れるクロノヴェーダの断末魔は、ディアボロスを呪う怨嗟。
なれど呑まれるわけにはいかない。
(「……これ以上、この地が消えるのは御免なの」)
繰り広げられる激戦に、水上・瑠璃青(縹の疆界/・g00530)は知らず唇を強く噛んでいた。
思えば、青の頂を襲名して初の大戦だ。当主となれども、瑠璃青は十八の娘。怖くないと言えば、それは嘘になる。
(「けれど……けれど」)
「私が、やらなきゃ」
渇きかけた唇を、瑠璃青は意思の力で懸命に解く。
(「私は、水上の当主。そして、『瑠璃青』だから――」)
「……奪われてゆくのを、黙って見過ごせはしな――
「るり」
「っ、きりちゃん!」
不意に傍らからかかった声に――馴染み深い亀甲・桐葉(みずいろ・g00109)の呼び声に、瑠璃青の貌から強張りが消えた。
「大丈夫。るりならできるよ」
慕わしき友の励ましに、瑠璃青の肩からは不要な力の一切が去る。残ったのは、強い意思。
「ありがとう」
――出来る。
――私たちになら、出来る。
――ディアボロスは何も恐れないし、負けないことを、知らしめることが出来る!
「来て――青の当主の声に応えよ」
気付くと、瑠璃青は鬼馬軍団めがけて疾駆していた。その手に握られていたのは、先々代――鉄紺青が生涯を共にした一世一代の刃。
両刃造りの刀は、扱いが難しい。されど腹を据えた瑠璃青は、それを容易く抜いて、足を止めることなく鮮やかに繰る。
『なっ』
『来るぞ、来るぞ!!』
『構えろっ』
「遅いよ。地の心地を味わって?」
一閃、二閃、三閃。
立て続けに払う刃に、反撃は当然あった。が、馬脚を狙った瑠璃青の刃に刀剣兵らは体制を崩し、思い描いた通りの力は出し切れず。
斯くして刀剣兵は瑠璃青へ致命傷を与えることなく地面へ転がり。そして顔を上げて、見るのだ。銃を構えた新たな娘の姿を。
「――悲しい戦」
既に虫の息の刀剣兵を、桐葉は静かに睥睨する。
「私たちの『敵』でさえ、何も知らないなんて」
『お、まえ……何、を……』
「それでも、甘んじる訳にはいかない――だって、私たちには護りたい『明日』がある」
銃声は刀剣兵たちへ真実を語らない。
しかし匂わされた違和は、鬼馬軍団へ細波をたててゆく。
「随分とやる気があるようですが……貴方たちの主はここを売り渡そうとしているようですよ?」
『そのような方便、誰が!!』
「嘘? 本当にそう思います??」
無駄に血気に盛んな刀剣兵の攻撃を、意味深な笑みでセレスティアは凌ぐ。
「貴方たちは、売られたのです――貴方たちの王に」
『そんなわけがあるかあああ!』
「ならばなぜ、武士の棟梁たる源頼光がこうまで窮していると思う」
刀剣兵の絶叫に、一喝を被せたのは鞆だ。
「誠があれば、我ら如き、容易く刀の錆に出来たろうに」
見るからに貴き子女の言葉の刃は、猜疑心を巣食わされた刀剣兵の裡を斬る。
『まさか、そのような……』
『そうだ。我等には、あの船が……』
「その船が。最大の罠かもしれませんよ?」
鞆の句を継ぐ碧き月の魔女たるセレスティアは、瞳の奥に憂いを滲ませ、なおも微笑む。
刃は力だ。言葉もまた十分に力ある刃と成る。
植え付けられた不審は、否定すれば否定する程、鬼馬軍団の士気を下げる呪いとなった。
「よい頃合いではないでしょうか?」
自身の裡に凝った疲労、そして同胞たちの足の鈍り具合。それらを具に見てとった鞆は、この場の最年長である屏へ判断を委ねる。
然して屏の応えも、是。
「長居は無用、退きましょう!」
軍師が如き即断で、屏は高く飛翔し転進の合図を告げる。
鬼馬軍団の数は減らせるだけ減らした。決戦当日の負荷は、それなりに軽くなるはずだ。
とは言え、目覚ましい戦果は妄執の種でもある。無駄に躍起な――同胞を屠られた怒りと、何かを否定したい我武者羅が所以だ――刀剣兵の追撃は激しい。
けれども対策は桐葉の手により成されていた。
「皆さん、こちらです」
船の位置と、敵の動き。加えて自分たちの挙動を余さず思慮に入れた上で、桐葉は退路用のルートに罠をしかけておいた。
知らず踏み込めば、鬼馬の重さで地は爆ぜる。
「走って下さい!」
全力を賭したディアボロスたちの息はあがっていた。相応の余力があるのは――かろうじて、の差ではあるが――この時に備えた桐葉のみ。
(「殿を務めるくらいの、覚悟だけはある」)
ほんの少し運の悪い、凡庸な娘――それが世界の終わりが始まる前の桐葉の姿。
今でこそ、鬼人の力を得はしたが、根本に大きな変わりはない。
(「皆を、生きて帰す。前哨戦であろうと、誰かが傷ついていい理由にはならない」)
歯を食いしばって、銃を握り締める。常に携えている懐剣を、桐葉が戦闘で抜くことはない。
「これが私の、ありったけ」
――さよなら、さよなら、またいつか。
『いつか』を謡いながら、その『いつか』を刀剣兵に与えるつもりのない桐葉は、雨の如き銃弾を意識下に収め、繰る。
全てに神経を行き届かせるのは困難だ。しかし罠に怯んだ刀剣兵を僅かも先へは進ませまいと、全力を出し切る。
そして。
「きりちゃん、もう大丈夫だよ」
頭上から降り来た優しい声に、桐葉は瞼をゆっくりと上下させた。
振り仰ぐと、空には一帯を見渡す瑠璃青の笑顔がある。
敷かれた罠と、追撃をも跳ね返す気迫とに、気圧された鬼馬軍団は完全に及び腰になっていた。そのことを瑠璃青は自分の目で確かめ、この上ない好機に友へ手を差し伸べる。
「帰ろう。そして本番も頑張ろう」
「――そうだね」
手を取り合い、少女たちは――この地へ至ったディアボロス達は速やかに、健やかに退く。
今日の勝利と、養う英気は、決戦の日により大いなる力となって花開くであろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【水源】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!