宿縁を断ち切る戦い

 クロノス級クロノヴェーダは「自分の存在を保ったまま、その時代に転移してくる」事もありますが、「その時代の生物や概念などに寄生して転生する」事もあるようです。
 後者の場合、一定期間、転生した生物として成長し、充分に成長した所で覚醒する事で、対象の能力などを奪い、より強い力を得られるようです。

 この事件では、上記の方法でクロノス級に覚醒したクロノス級クロノヴェーダと戦い、決着をつける事になります。
 そのため、宿敵であるクロノス級クロノヴェーダは、自分、或いは、自分に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスの血縁者や恋人など、親しい相手の姿をしています。

 クロノス級クロノヴェーダは、覚醒時に『悲劇的な事件を引き起こす』事で、より強い力を得られるため、様々な悲劇を引き起こします。
 ですが、覚醒する前の人格に訴えかける事で、行動を制限したり、クロノヴェーダ撃破後に寄生された対象を救出したりできるかもしれません。

通学路に潜む災厄(作者 baron
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#宿縁邂逅  #宿縁を断ち切る戦い 


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『そうそう。この道、この道だったわねえ~』
 取り込んだ記憶を探りながらクロノス級クロノヴェーダが街を行く。
 かつての所有者が訪れたこともある古い町並みと、未知の新しい町並みで構成されている。
 記憶と照合しながら、記憶の持ち主の教え子であったディアボロスの拠点……避難所を思い出そうとする。
『確かこの先に学校があったはずよね。避難所というならそこなのだけど……この辺にも誰か居るんじゃないかしら~』
『せんせー。俺が探してこようか?』
『私が探してくるのー』
 クロノス級クロノヴェーダであるビフロンスの周囲には無数のトループス級が居た。
 いずれも最近になって作り上げた部下であり、手駒の育成は重要な課題であろう。
 これからドンドン増やしていき、それぞれに鍛えておかねばならないのだ。
『じゃあ通学路を探検しながら歩きましょうか。でも、あんまり遠くに行っちゃダメよ~。理科やお料理の実験しながら行きましょうねぇ』
『はーい。ボーボー燃やすのー』
『はーい。ガス大爆発だー』
『はーい。お医者さんごっこ!』
 ビフロンスは作り上げた部下たちに色々な事を仕込みながら避難所である学校を目指していく。
 周囲の町並みからは既に人々は避難している筈だが、放置すれば火事や事故が起きるだろう。
 あるいは一時帰宅した人々や、物資を探しに商店街に訪れた人が殺されてしまうかもしれない……。

「新宿駅グランドターミナルに特別なパラドクストレインが現れました。目的の場所は麻布中学校になります』
 南河・緋奈子(人間の陰陽師・g03255)が地図と資料を手に説明を始めた。
 事件が起きる場所は中学校だが、途中にある十番街で色々と問題が発生するらしい。
 なんでもトループス級が通学路を荒らしながら移動するとの事だ。
「知っての通り、クロノス級はディヴィジョンよりも前の時間帯で事件を起こし、あるいは増殖して居ます。ここでクロノス級を撃破すれば、新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、敵ディヴィジョンを弱体化させることも期待できるでしょう」
 今回はクロノス級がこの時代で覚醒するために起こす最初、またはそれに類する事件に介入することができるそうだ。
 本当の意味で最初……クロノス級に存在を奪われた者が、クロノヴェーダに覚醒してしまうのを止める事は出来ないが、その魂に呼びかける事で、クロノス級の行動を阻害することが出来るかもしれない。もちろん何も言わずに倒すことも可能ではあるだろうが……。
「初期の状態とは言え、クロノス級の戦闘力は侮れません。協力しあって慎重に対処をお願いしますね」
 そう言って緋奈子は詳細の説明を行う。

「今回の敵は避難所を襲撃しようとしています。基本的には避難所の手前で待ち構えれば防げるでしょう」
「ということは、何か他に問題があるわけ?」
 緋奈子の言葉にディアボロスの一人が首を傾げた。
「クロノス級は部下を作ったばかりで鍛えたいのと、そういった教育も得意なタイプの様ですね。トループス級が子供の様な姿と知性であることから、道々色々な事件に起こせそうな指導をしながら歩くようです」
「……子供かあ」
「最悪っ」
 教育者タイプのクロノス級が、部下を鍛えながら移動する。
 それは色んな意味で放置できまい。
 子供の姿ゆえに心理的に倒し難いが、今ならばまだ訓練途中で経路も判っているからだ。
「クロノス級を倒せば歴史は糺されて無かったことになるかもしれません。しかし、避難所から一時帰宅した人も居るかもしれませんし、町で事件が起きるのも気分が良いわけではありません。事件を食い止めるため、町で戦うのも良いかもしれませんね」
「仕方ない。これも正義の為……と考えられなくもない」
 緋奈子はそう言って説明しつつ、一つ付け加えた。
 気分の悪い話ばかりでは気が滅入るだけだからだ。
「クロノス級がここで事件を超すのは、強くなるために避難所を守っているまだ弱い時期のディアボロスを倒し研究する事。その為に取り込んだばかりの記憶を整理し、再統合しようとしています。街中で出逢えば話しかけ、元の人格であったりクロノス級と会話することも可能でしょう。相手はディヴィジョンの時間軸を知らない上に賢いので、情報は得られないでしょうが、動揺を誘ったり元の人格を取り戻し易くすることは可能かもしれません」
 あくまで可能性であり、話す必要がある場合になるし、話すとしても仲間になるとは限らない。
 改竄されてない世界で普通に生まれる可能性もあるからだ。
 だがそれでも関りのある人にとっては一つの区切りにはなるかもしれなかった。
 また、覚醒時に強い衝動を起こし、能力を引き上げようとするクロノヴェーダは多い。それを防げる可能性はあるだろう。

「子供を倒す、んじゃなくて……中学校、体験ツアー? そう思えば、いいかも。近くに、高校も、あるって」
「あはっ。子供相手と考えるより、そっちの方が気が楽かもね。ウインドー・ショッピングしながら敵を探そっか」
 歴戦のディアボロスたちはそれぞれに折り合いをつけて、子供のクロノヴェーダと向き合う事にした。
 クロノヴェーダである以上は、子供であろうと危険であり、悲劇をまき散らすからだ。
「クロノス級を撃破する事は、ディヴィジョンを攻略する上で非常に重要な事です。しかし……それ以上に悲劇が起きる歴史を食い止めたいと思います。どうかよろしくお願いしますね」
「うん。わたし達みんなで頑張るよ!」
「そうだねー。あたし達にとっても他人事じゃないしね」
 緋奈子の言葉にディアボロス達は頷いた。
 そして資料を基に話し合い始める。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【悲劇感知】
2
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
3
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
4
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【神速反応】
2
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
2
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【避難勧告】
3
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
3
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【断末魔動画】
2
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【使い魔使役】
2
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
3
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【アイスクラフト】
2
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV7 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV5 / 【反撃アップ】LV4 / 【アクティベイト】LV3(最大) / 【リザレクション】LV1 / 【ラストリベンジ】LV2 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【ダブル】LV3 / 【ロストエナジー】LV6 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

baron
baronと申します、よろしくお願いしますね。
今回は一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)さんの宿敵と戦う事件となります。

●基本的な流れと選択肢
 即日は処理せず、1・2日ほど待ってから処理したいと思います。
例として最初の選択肢は即プレイングがあっても18日(土)朝締め切り分、場合によって19日(日)からとなります。
2つ目の選択肢も、1つ目終了が18日中で即プレイングがあった場合でも20日(月)となる予定です。

●選択肢②通学路に潜む災い
 敵は麻布中学校と隣接する高校への通学路である、十番街や神社が主要道路・逃走路であるとみなし、色々な仕掛けを施しながら移動して居ます。
後日起きる内容は放置しても良いのかもしれませんが、火災などは当日も問題があるので処理しておいた方が良いでしょう。
もちろん事件を防ぎながら、通学しているつもりで体験ツアーをする事も出来ます。

●選択肢④通学路に潜む禍い厄い
 敵トループス級が避難所である中学校・高校を目指して移動して居ます。
何処か広い場所で迎え撃つ、あるいは追跡して倒しましょう。
最終的には麻布中学校に攻め入りますので、面倒であればそこで待ち構えれば確実に出会えます。
なお、何処かで見た様な顔(成功して治った方)や忘れたい顔(失敗した方)に似ているかもしれません。

●選択肢①or③ヤヌス・ビフロンス
①クロノス級に文句を言いたい。あるいは誰かと共に話したい場合
②覚醒前の人格と話したい。個人的に話したい場合(宿敵主専用)
 新旧二つの顔を持つこの街では、ビフロンスが持つ双面の出逢いたい方と会話ができます。
愛・怒り・憎しみ・使命その他もろもろ、感情の望むままに選んでください。
もちろん、対話する必要が無ければ、この選択肢をクリアする必要はありません。

●選択肢⑤通学路に潜む禍い
 クロノス級であるビフロンスとの決着を付けます。
避難所である中学校の校庭で戦う事になるでしょう。
128

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


諷和・もこ
燐寧さんが大切な区切りをつけられるように
お友達として応援しに来たんだよ!

ボクは今の新宿島で通っている学校の制服で
えへへ…こんな時だけど、みんなと通学できるの、楽しいんだよ

妖精さんたちを【召喚】して、怪しいものとか燃えやすいものがないか確認してもらうんだよ
見つけ次第【アイテムポケット】にぽいぽい退避
もし一旦戻ってきちゃった人を見つけたら安全な場所まで妖精さんに送ってもらうんだよ

罠とかを見つけたら【臨機応変】に
解除できそうなら自分で、出来なさそうなら得意そうな人を呼んで
自分だけじゃ出来ないことでも、皆と協力し合えばなんとかなるんだよ!

(アドリブ・連携大歓迎なんだよ)


神田川・憐音
燐寧大人気じゃん。もちろんあたしも後方友人面して手伝い行くけど。
あたしは何処からどう見てもJKだから問題ないっしょ。
鼻歌交じりに登校しよっかな。鼻歌って言っても演奏には違いないから
【プラチナチケット】で一般人の学生と友達っぽく振舞って
怪しい奴見なかったとかいつもの通学路と違うトコない?
みたいな感じで駄弁ってる風を出しつつ情報収集して罠の発見を試みるわ
場合によっては他の連中と連携して、そのまま一般人の避難誘導するよ


ネリリ・ラヴラン
年齢は高校生で通るけど、学生服は準備しないといけないかな。
バラバラの制服だと違和感でちゃいそうだから、誰かのに合わせたいね。

道順は、燐寧ちゃんとか解る人に合わせるのが良いね。
先頭を歩く子に、こっそり【未来予測】の照準を合わせておいて、探し切れなかった罠があったらじゃれ合う感じの【演技】で庇ったりしてみるわ。

わたしには、燐寧ちゃんが今どんな気持ちで歩いてるのかは解らないよ。
でもね、電車に乗るって決めたなら、やるべき事があるんだと思うの。そのための露払いくらいは、お友達としてしたいわ。
というわけで真面目モードで頑張ってみるよ。

アドリブや連携は歓迎ね。


●TOKYO防衛部劇場版、りんねの一番長い日(前編)
「手伝いに来たわよ、燐寧!」
「燐寧さん」
「燐寧先輩」
「一里塚さん」
「燐寧ちゃん」
「燐寧!」
 りんねのSOSを感じ取ってみんなが駆けつけて来た。
 対決に際して平然としていたが、高熱を発したという噂を聞きつけてみんな心配になってやって来たのだ。
 大丈夫、あたしの心臓はまだ動いていない!
「燐寧大人気じゃん」
 控えめ笑みを浮かべて神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)は電信柱を背にしている。
 もちろん彼女もまた手伝いに来ていたのだ。後方友人面して最大の理解者のフリしているのはスルーしておこう。
「……にしても、みんなアレだね。セイガクの服でコーデだね」
「年齢は高校生で通るけど、学生服は準備しないといけないかな~って?」
 憐音の言葉にネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)が力のない笑顔を浮かべた。
 クルっと一回転して皆が来ている服と全身を比べて居る。
 バラバラの制服だと違和感でてしまいそうだから、誰かのに必死で合わせたのだ。なお憐音は自分は当然JKだという顔で澄ましていたそうな。
「えへへ……こんな時だけど、みんなと通学できるの、楽しいんだよ」
 その姿に諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)が申し訳なさそうな顔で微笑んだ。
 友人が大切な区切りをつけられるようにと応援に来たのだが、そんな中で愉しんでいるのが申し訳ないのだろう。
「まあ別に愉しんでも構わないんじゃない? 人生何事も苺一恵とかいうじゃん?」
「それを言うなら一期一会だと思う……にゃっ!?」
 憐音が鼻歌交じりに抱きつこうとすると、もこは慌てて回避した。
 JKおっぱいでかーい!? じゃなくて流石に同性とはいえスキンシップは恥ずかしい。眠気が一発で醒める事態である。
「ってかさ。パンピーに色々聞きながら登校しよっかと思てたのに、誰も居ないんですけどー? 怪しい奴見なかったどろか、いつもの通学路と違うコトない?」
「……えっとね、もうこの時間軸では悪魔や天使からの避難が始まってるのわけ。だから道順は、燐寧ちゃんとか解る人に合わせるのが良いね」
 憐音が不思議そうに周囲を眺めると、ネリリはそこからか……と頭を抱えた。
 なにしろ憐音は友人と一緒に、りんねりんね~♪ とか(彼女も友人もリンネと読む)唄いに来るつもりだったのであまり解説を聞いてなかったのだ。
「先頭を歩く子に合わせて未来予測掛けてるけど、探しきれなかったら……わたしたちで何とかしましょ」
「大丈夫、名案があるの! 妖精さん達にお願いしてみるんだよ。それでね、それでね。怪しい物とか、燃え易いものさがしてもらうの」
 ネリリの視線の先には他のディボロスが移っており、もこは頷きつつ上目遣いで確認する。
 いいよねいいよね? 妖精さん達、行っていいって! と嬉しそうに羽ばたく音なき羽ばたきを夢見た。
「問題があったらポケットにぽいぽいしちゃおうね~。もし一般人の戻って来たら安全な所までおくってもらうの。解除できそうなら自分で、出来なさそうなら得意そうな人を呼んで自分だけじゃ出来ないことでも、皆と協力し合えばなんとかなるんだよ!」
 もこがメンバーに慣れて来たこともあり、妖精さん達も安心して探しに行った。
 どうやら、もこが心配で離れられなかったようだ。
 ハイテンションに移行するにつれて、妖精さん達も踊る様に探検を始めた。トループス級と一緒になって悪戯しないかだけが心配だ。
(「わたしには、燐寧ちゃんが今どんな気持ちで歩いてるのかは解らないよ。でもね、電車に乗るって決めたなら、やるべき事があるんだと思うの。そのための露払いくらいは、お友達としてしたいわ」)
 そんな中でネリリは何時になく真剣な表情で友人の姿を見た。
 視線が合えば呼吸を一秒止めて笑い返す。そのタイムラグに気負った姿を隠そうとしているのが判るから。
「ちょっち広過ぎるかと思ったけど、全然いけるじゃん。燐寧大人気……お、レアな自販機発見! あとで差し入れに行ってやろ」
 なお、もう一人のリンネも世界を愉しみながら捜索を開始した。
 数々の仲間たちが支える姿に、良かったね良かったねと内心で祝福したのである。
 ギャル? そんなのは友人を救う前ではポーズに過ぎない。形から入る人なので心の中までギャルではないのだろう。
 いずれせよ、麻布の広大な町並みをディアボロス達は歩き続けた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV3が発生!

シル・ウィンディア
学校かぁ…。
ここのディヴィジョンとか新宿島だとこういうことできるだよね。
わたしにとっては、すっごく新鮮っ!
ちょうど、ディアコレで制服を仕入れたし、それを着ていこうかな?
学生カバンも持って、満喫しちゃうっ!

通学路をみんなでわいわいお話しながら登校だね
そっか、こういう風に学校に行くんだね。
なんか、いいよねー。

お仕事は忘れずにっ!
もちろん、トラップなんかは見つけて解除していくよ
火災なら、水撃連弾で火元に向かって撃つね

あれ?アンゼリカさん、どしたんだろ?ちょっとしんどそう…?
大丈夫、無理してない?
声をかけていくよ

大丈夫そうならいいんだけど…
あ、制服交換とかいいよねっ♪
今度やってみよー♪


一ノ瀬・綾音
燐寧にとって大事な方か。
だとすれば、綾音ちゃんが手伝わない理由はないよ。

十番街や神社方面ばかりかまけて有栖川公園あたりが手薄にならないか心配だね。
駅からの通学路なら有栖川公園をぐるっと半周するような通学路のはず。それを利用して通学路を辿りながら何か仕掛けが施されてないか探してみる。必要なら使い魔使役も使うよ。
向こう側の状況についてはパラドクス通信で情報を仕入れる。

…また通学路を歩いているってのが不思議な気分。
最後に通学路歩いたのが…あれ、いつだっけ…うう、なんか頭痛が…

一応黒い方の制服も着ておくか。史実だと麻布中学校は制服なしの男子校だったけど、この改竄世界史でどうなってるかはわかんないしね。


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します

手伝いに来たわよ、燐寧!
燐寧の区切りになるんだったら、アタシは協力を惜しまないわ!

アタシ高校に行ってないから本物は持ってないけど、衣装なら任せて!
ということで自旅団(芸能プロダクション)からブレザーの制服を見繕って着てみるわね!

通学路を歩くのってこういう気分なのね! あ、シルも綾音も似合ってるわよ!
あ、でも何が仕掛けられてるかわからないのよね!注意深く周りを【観察】してみるわ!
カラスとかの鳥が居たら【使い魔使役】で上からもチェック!
トラップは【アイスエイジブリザード】で無効化しておきましょ!火事もこれで消し止めるわ!

情報は逐一共有して、誰も被害に合わないようにするわね!


アンゼリカ・レンブラント
さぁて通学しているつもりで体験ツアー!
制服を着て臨もうかな
一応、現役の中2だしね

十番街や神社を仲間とわいわい巡り、
仕掛けを見つけて解除していこうかな
火災など被害が迅速に広がるものは優先して対処
必要あらば光泡輝槍で突っ込み、
氷雪使いを込めたパラドクスの水泡で消化するよー!
みんながいれば仕掛けなんて怖くないね

それにしてもみんなの制服姿もかわいいねー!
時々交換してみるのも楽しいかも?
なんだか一緒の学校にも通いたくなってきちゃったな
ん、通学路……誰かとずっと歩いていたような
なんてね、私の頭痛は置いといて

燐寧は大丈夫かな
今回の戦いのことを想うと無理してないかと心配
でも最愛の友がいるからきっと大丈夫だよね


●行く手は上上下下左右左右AコースBコース
「学校かぁ……」
 先頭集団が二つに分かれた。
 こう書くと競馬みたいに聞こえるが、方向が別れただけである。
 なお競馬は既に絶望的であり、この頃の馬で言うとラケシスという馬がレディオスなんとかという場所から出走して活躍する未来が奪われたころである。いや、もう少し先だったか? それはともかく……。
「よく考えたらここのディヴィジョンとか新宿島だとこういうことできるんだよね。わたしにとっては、すっごく新鮮っ!」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は調査活動を満喫していた。
 新しく仕立てた制服を着て学生カバンを抱えると楽しくなってしまう。
 おっとこれ以上はいけない! これ以上フワフワしてると彼氏の所に飛んで行ってしまいそうだ。
「本当にこっちも探した方が良いのね? 大変そうだけど燐寧の区切りになるんだったら、アタシは協力を惜しまないわ!」
「うん。駅からの通学路なら有栖川公園をぐるっと半周するような通学路のはず」
 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が確認すると一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)はウインクしながら答えた。
 少し綾音の顔色は良くないが無問題だ。片目を瞑って誤魔化すことに成功した(はず)。
(「燐寧にとって大事な方か。だとすれば、綾音ちゃんが手伝わない理由はないよ。……片頭痛って珍しいなあ」)
 綾音は先ほどからチラホラ襲ってくる片頭痛に悩まされていた。
 雨が降ると頭痛がしたり関節痛になる者が居るが、そういう体質では無かったはずなのだが……。
「ルートは十番街からだけど、みんな神社方面ばかりかまけて有栖川公園あたりが手薄になっちゃうと思う。こちはこっちで定番コースなんだよ」
 綾音は笑顔で片頭痛を押し殺し、頓服薬でも呑めばよかったかなーと思った。
 この時代には無いジェネリックで何度飲んでも良い(その分軽い)薬は未来の新宿にはあるのだ。技術の進歩ってすごいよね。
「そっか、こういう風に学校に行くんだね。なんか、いいよねー」
「通学しているつもりで体験ツアー! それはそれで良いよね」
 先行するシルとアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は神社を抜けると、指示通りにルートを変えていった。
 裏道を通って下へ、そして公園をグルッとめぐるコースへin。
「それにしてもみんなの制服姿もかわいいねー! 時々交換してみるのも楽しいかも?  なんだか一緒の学校にも通いたくなってきちゃっ……た……な」
 アンゼリカは想像の翼をはためかせる。
 誰かが隣にいる光景。その事を考えた瞬間に、軽い頭痛がした。
 この場に居る仲間ではなく、他の誰かとも歩いたかもしれない、服装を入れ替えて想像するように他の人物を考えているところで頭痛がしたのだ。
「そうだねー。最後に通学路歩いたのが……あれ、いつだっけ……うう、なんか頭痛が……」
 折り悪く綾音もまた、その話を聞いて通学光景を思い浮かべているうちに気分が悪くなった。
 片頭痛だったのが明らかに頭痛と成り、頭痛薬欲しいと自覚するに至る。
「通学路を歩くのってこういう気分なのね! あ、シルも綾音も似合ってるわよ! ……って、どうしたの!?」
「あれ? アンゼリカさん、どしたんだろ?ちょっとしんどそう……? 綾音さーん!? 綾音さんまでー!? 大丈夫?」
 その様子にソラとシルも大慌て。
 もしや敵の仕業かと思ったが、パラドクスの影響はなかった。
 ゲームをカスタムして実況する界隈では『孔明の罠』という奇妙な設置する動画も散見されるが、勿論そんな事も無い。
「何か仕掛けられていたのかしら?」
「判んない。お仕事は忘れてなんかいないし、トラップも見つけて来たのに……」
 一同は子供が仕掛けた様な罠を解除し、あるいは火災もどきのボヤを水をぶつけることで解決して来た。
 大きな重しが落ちて来る物など、元の持ち主には悪いと思うがパラドクスで一突きだ。
 しかしまさか、こんなことになろうとは?!
「大丈夫……何か思い出しかけたら、ちょっと頭痛がしたから。……みんながいれば仕掛けなんて怖くないね!」
「綾音ちゃんもかな? 忘れてるなら忘れてるままでも良いかと思ったんだけど……。後少しで思い出せそうになったら、ついつい考えこんじゃってね」
 アンゼリカと綾音は、何を思い出せそうだったのか判断に困った。
 症状としては『過去を思い出そうとした時』の症状に似ているので、その事だけを告げる。
 今は任務の最中、しかも友人の為に行動している時だ。頭痛などで止まってなどいられまい!
「大丈夫、無理してない? 大丈夫そうならいいんだけど……」
「大丈夫だって。それよりも、今度制服交換とかやらないか?」
 あ、制服交換とかいいよねっ♪
 今度やってみよー♪ ……とか言いつつシルはアンゼリカの言葉をひとまず通した。
 心配はあるが、強がりで我慢できる間は口を出すのも何だろう。それに、過去の事を思い出せるキカッケと言うのは重要なのだ。
「他の学校の制服とか必要なら言ってね? 幾らでも調達できるから。それと罠の方はカラスを見つけたからカバーしてみるわね!」
 ソラは心配させまいとする仲間達の為に、代わりに目となる存在を見つけた。
 カラスが天狗さんの周囲で何やらしてたので、利用させてもらう事にしたのである。
(「燐寧は大丈夫かな。今回の戦いのことを想うと無理してないかと心配だ。でも最愛の友がいるからきっと大丈夫だよね」)
 そんな中でアンゼリカは笑顔の裏で友人たちに思いを馳せた。
 現在進行形で焦燥している筈の友人の事を思えば、頭痛など大したことではないと拳を握り締めたのである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!


 麻布界隈と言っても結構広い。
 十番街から中学校までの道のりまでと判って居るが、そこは子供たちの様な性格のトループス級が居るのが問題だった。
 行くなと言ってるのにズンズン突き進むのが子供であり、正確な命令なら留まるだろうが……。
 アヴァタール級の方も面白がって『あんまり遠くに行っちゃだめですよー』と止める気はない。
 その結果どうなったかというと、ディアボロスはあちこちに右往左往する子供の影、それらの作り出した罠を求めて移動する羽目になった。
 流石にヒルズのある六本木まではいかないだろうが、公園や駅側などにも別れて移動する羽目になったのである。
 その影響で手薄になった場所に対して、カバーする様に向かう陰があった。

 それは空を飛び、悪を討つ。
 鳥か? フライトユニットか? いや、天狗さんと見守り隊かもしれない。
 ちょっとした爆発やら火災はあるが、パトカーのサイレンなど無いこの街を、飛び回っ、あるいはバイクでカバーしていたのかもしれないね。
飛鳥・遊里
ふむ、俺はいつもの作業服と工具をもって、通学路の見回りするか。リサイクル工房の主としては、破壊工作なんぞ到底許せるものじゃないからな

道中の危険物のチェックもそうだけど、なんかの拍子に壊れそうな構造物の修復とか補強もやっておくか。【マテリアルビルダー】と【修復加速】で都度、必要なものを作って充当しておけば問題ないだろう

あと、最も警戒すべき場所があるな。こういう場所なら河川があって、橋もあるはずだ。それが破壊されれば、最悪孤立して取り残される人が出てくる可能性もある。出来る限りの警戒と、補強、補修はしておくべきだろう

しかし、俺の工作技術がこういう形で活きることになるってのは何とも皮肉だな…


雅諒院・基経
普段の格好では目立ってしまうので現代の格好をして目立たないように工夫しながら通学する仲間達を支援する。

さてさて、こんな現代に飛ぶことになろうとは…誠不思議なものだな…。

と、とりあえずあのクロノヴェーダが仕掛けた罠を解除していかねばならぬな。何、水ならば出すのは得意だとも…少し水量は抑えねばならないが。さぁ【避難勧告】で一般人がいないとは思うが、ここから離れてほしいな。

しかし、童のクロノヴェーダ…分かっていたとしても、心に来るものがあるな…。

…彼女は、大丈夫だろうか…いや、そのために僕(やつがれ)達がいるのだろう。

支援をしながら後を追う。


●保護者会
「ふむ。僕(やつがれ)も当世風の装束を幾つか用意して見たが……どうであろうな?」
 雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)は何着かの洋服を着合わせてみた。
 最初は白スーツに羽扇、いや楽器か。
 次に黒スーツとブラックタイ。あるいは薔薇手裏剣に風車……と手持ちを適当に変化させていく。
「そいつが無難だと思うぞ」
「やはりこんな所か。自分では何が良いのか見当もつかぬ故、申し訳ない」
 飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)の指摘で基経が最終的に選んだのは、白地に若草色のシャツと萌黄色のカーディガンであった。
 地上を歩くならカーディガンは暑いが、空を飛ぶつもりなので上空なら丁度良い。
「俺の方はこいつで荷物を輸送するが、どっちはどうする?」
「探画に一回り年齢が離れていては目立って仕方あるまい。空を行くつもりだ」
 遊里は自前のバイクに様々な工具を載せていた。
 作業着だから工具を持っていても不思議はないし、そもそもリサイク工房の主人としては破壊工作など許せまい。
 妖しい所のみならず、手薄な所があれば走り抜けてあちこち修理する気であったのだ。

 こうして大人たちは町中を飛び回る事になった。
 そのうち一人は文字通り空の住人である。
「さてさて、こんな現代に飛ぶことになろうとは……誠不思議なものだな……。さりとて対抗者は無し」
 基経は麻布の町並みを飛びながら不思議な気分になった。
 ヘリコプターもフライトユニットもなく、宙を舞うのはカラスたちくらいのものだ。
 燕たちはシーズンというか天気の問題で見かけない。コンクリの山ばかりだが、どことなくお山を思い出した。
「この街を鞍馬の方々がご覧になればいかがか……。と、とりあえずあのクロノヴェーダが仕掛けた罠を解除していかねばならぬな」
 鞍馬の大天狗たる魔王尊は一説によると人類を教導する為に何万年も前に少年の姿で地球に降り立ったそうだ。
 本当かどうかは別にして、基経には都の守護として毘沙門天らと共に祀られた僧正坊の方が親しい。
 どちらにせよ京の都に関しても、東の都に関しても思う事はあろうなあ……と考えているうちに捜索範囲を過ぎてしまいそうになった。
「ちっ。橋は穴だけで大丈夫かと思ったら。マンホールだと? これだからガキは! 誰かいないか! 流石に一人じゃ手に余る!」
 遊里は最初、橋の方に行ってみた。
 しかしアスファルトを抉っただけで根気が続かずにどこかに行ってしまったようだ。
 橋が落ちたら大変だから注意していたのだが……。よりにもよってマンホールがボフン! と跳ね上がったのが見えた。
「僕ならばここに! 何、水ならば出すのは得意だとも……少し水量は抑えねばならないが。さぁで一般人がいないとは思うが、ここから離れてほしいな」
「悪いな。アスファルトの穴なら幾らでも何とかして見せるが、爆発が火気なのかガスなのかで結構違うからな」
 基経はマンホールであることもありコンクリと土砂をダメにしない程度に水を流した。
 これで遊里が言う様に火気であろうと、ガスの問題だろうと洗い流せるはずだ。
 もっとも補充剤ならば幾らでも用意できるので、一気に水を流して対処するのもアリかもしれない。マンホールに潜むこともある友人を思い出しながら、巻き込まれてくれるなよと冷や汗をかいていた。
「しかし、さっきは自販機壊されてたし……。俺の工作技術がこういう形で活きることになるってのは何とも皮肉だな……」
 遊里はこの日、あちこちに呼び出されて謎(?)の修繕マンとして大活躍することになる。
「この手の馬鹿馬鹿しい事をやるのは確かに童の価値観か。童のクロノヴェーダ……分かっていたとしても、心に来るものがあるな……」
 一方で基経は空から皆を助けるべく、お空の管制官をやって居た。
 その中でチラホラと見かけるトループス級を見てやるせない思いに捕らわれた。子供を倒すのは気分が悪いが、同時にクロノヴェーダであれば倒せなばんらないのだから……。

 こうして二人はおまわりさんなき麻布の町で、サイレンの代わりにパラドクス通信を添えて八面六臂に動くのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

エレナ・バークリー
今回のクロノス級は、以前に一度アヴァタール級として相対した相手ですか。
燐寧さんのためにも、禍根を切ってしまいましょう。

ええと、カレッジ、でしたっけ? そこに通う人がよくしている衣類で登校中のように見せかけましょう。

「罠使い」の視点から、どこにどんな仕掛けを用意してあるか「看破」します。
壊せば済むものなら剣で一刀両断。それがまずければ、慎重に仕掛けを解いていきます。
先生気取りのクロノス級は、生徒に何を教えているんだか。

瞬殺が必要な場合は『遍く翔る天上の息吹』でダウンバーストを起こして、周囲ごと破壊して発動を止めます。
いえ、私、壊し屋じゃないですよ? 罠の被害と術式の威力を秤にかけた結果です。


薬袋・明莉
絵描きとしても、燐寧サンの友人としてもほっとくわけには行かないなこの案件。

蛍サン、遊里サンと交じって大きめのトートを持った美大生の設定で通学、つーか実際似たようなもんだしな

今頃どうなってるのかね、新宿島に流れ着いて以来一度も会えてない俺の同級生らは……

にしても罠か。見つけたとしてどうにか出来る自信ないからせめて一つでも多く見つけてやろう
周囲をよく観察し少しでも違和感があるところは仲間と共有。パラドクスを使えば狭いところ入り組んだところも捜索できるし単純に探す手も増えるな

もし無力化が間に合わないなら最悪サイボーグとしての頑丈さと忍耐力生かして俺自身が盾になる捨て身の一撃で対処

アドリブ絡み歓迎


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok

旅から旅の生活でしたから、友達と通学路をって経験が実はあまりないのですよね。

日本だと、中学高校は制服の所が多いそうですから、制服を着るのも面白そうですが……。
私は大学生や一般人で通じる年齢ですし、普段着で散歩を装いつつ通学路を見回りましょう。

道中は、光の精霊さん達にも手伝って貰い、逃げ遅れたり一時帰宅してる人が居ないか確認です。
もし居たら、危険が及ばぬよう、速やかに避難して頂きます。

後は敵の仕掛けですが、特に危険そうなのは、火種やガス、水道周りでしょうか?
十番街には商店街もあるそうなので、店の裏路地なども確認して、もし異変があれば速やかに対処して後顧の憂いをなくしましょう。


●大学生チームも大忙し
「今回のクロノス級は、以前に一度アヴァタール級として相対した相手ですか」
「絵描きとしても、燐寧サンの友人としてもほっとくわけには行かないなこの案件」
 エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)と薬袋・明莉(情熱のアーティスト・g02002)は街中を走っていた。
 遠くで鈍い音がして、マンホールが一斉に飛び上がったのだ。
 穴の中は仲間が何とかするにしても、その周囲で起きているかもしれない二次被害は放置できまい。
 ましてはクロノヴェーダがあちこちを歩き回っているのだから。
「……にしてもマンホールかあ。つーことは犯罪者としての効率よりも、子供の感性だな」
 明莉飛び上がったマンホールの蓋を元に戻しつつ、この時代はあんまり絵が刻まれてない事を知った。
 近年は芸術的な絵が刻まれるのだが、この時代はまだだったのだろう。
 もっとも蓋にモンスターの絵が刻まれていたら、子供たちの事である。コレクションに持って行ったかもしれないけれど。
「狭い場所とか、裏口の方も怪しいかもしれねえなあ。人通りが多い場所が無いんだから、効率とか考えねえのかも」
「かもしれませんね。店の裏路地は私も怪しいと思います」
 明莉の言葉にフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)が頷いた。
 今まで通って来たのは効率問題もあり、十番街を中心に表が多い。
 しかし店と店の間などは、法令もあって1mくらいは開いている物なのだ(防火建築同士は除く)。
「家の中では特に危険そうなのは、火種やガス、水道周りでしょうか?」
 通学経験のないフィーナは話をシンプルに考えることにした。
 家に入って探検、店先やら店の裏手に色々と探検と言う風に、最初は目立つ場所だが次第に目立たない場所に目移りしているのではないかと。
「……引き返すのもアリかもしれません。私は念のために一時帰宅している人がいないかを重視して探します」
「そうですね。手間と言えば手間ですが、敵を見つける意味でも何度でも探すべきかと。燐寧さんのためにも、禍根を切ってしまいましょう」
 フィーナが精霊を呼び出しながら引き返すと、エレナは途中でしゃがんでみた。
 もちろん女の子の下着が見たいわけではない。
 罠の仕掛けという意味で、どこに『子供の目線』というファクターを加えたのである。
「っ! 店先の棚の隙間やゴンドラ(ワゴン状の移動棚)の下です! おそらくは火種かと!」
 エレナはとりあえずしゃがんで探せる物は探すが、剣で壊す方が早い物はぶった切った。
 どうせ避難しているから使わないし、何だったら修復が使える仲間を呼べば良いまである。
「先生気取りのクロノス級は、生徒に何を教えているんだか……あ……。ゴホン。いえ、私、壊し屋じゃないですよ? 罠の被害と術式の威力を秤にかけた結果です」
 そう言ってエレナは破壊活動に関して言い訳を付けた。
 彼女に悪気はないのだ。煙はあがってたし、ボヤで済むならば易い物だろう。
「避難勧告が出てるので、目的のない一般人は出ていくはずです。気を付けるとしたら、目的があって戻っている人。犬の猫の餌……あとは、商店街での物資の回収ですね」
 その姿を見たフィーナには、非常手段を見て見ぬフリをする情けがあった。
 どうしてもやり過ぎたと思ったら止める気ではある。
「今頃どうなってるのかね、新宿島に流れ着いて以来一度も会えてない俺の同級生らは……」
「あ。一応は法則があるそうですよ? 第一法則は歴史が切り離された場所と時間が重要なのだとか。例えば港区にいた人たちは港区が戻った段階で戻りますが、他の地域に出かけているとか、何らかの事情でロックされていれば、それが問題になるはずです」
 そんな中でふと明莉が漏らした話をフィーナが教えてくれた。
 例えば港区は解放されているので、基本的にここに居た住人は戻って居るはずだ。
 しかし仕事であったり遊びに行ったりすることで、港区に居なければ新宿島には居ないのである。それとは別に……クロノヴェーダによる干渉やら事件でロックというか、何かしらの事情があれば戻って居ない事もあるという。

 ディアボロスたちは町を走り回る事で、否応なく歴史の別離と向き合わされた。
 既に解放され戻っている地区、まだまだ戻って居ない地区とそこに居た筈の人々。
 それとは別に……何らかの問題に巻き込まれ、戻った地区に居る筈なのに居ない人々である。それは判っていても、やるせない問題であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎

燐寧ちゃんの先生の姿をしたクロノス級……いろいろと思うところはあるけども、まずはこれ以上の被害を防ぐことからね。
蛍さんや遊里さんと同じように大学生と言う体で、私服の白セーターとジーンズで一応カムフラージュしつつ。

ラツィーデバイザーによるシルトガーレを用いた遠隔スキャンで通学路の異常を感知させる。
クロッシング・ドミナスフィアによる【未来予知】を組み合わせて罠の類を見つけたらイオスラッガーないしはシェキルザッパーで物理的に排除するわ。

この辺りに住む人たちが当たり前に通るこの道を、悪意によって舗装された地獄への黄泉路にしちゃいけないよね、燐寧ちゃん。


白水・蛍
アドリプ/連携○

さてと……いきますか。燐寧の過去、助けれる人がいるならそこに参ります。
登校中という事なんで……大学に行くという体にして通学してるように見せましょうか。
仲間と一緒に仕掛けを解除していきましょう。
火事になりそうなものは<氷雪使い>で解除。
何かあったら【パラドクス通信】とかで相手に気づかれないように相談。
味方と力を合わせて対処する事で、被害をなしにできたら最上。
最低限に抑える事を最低限の目標としていきましょう。


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

及ばずながら、力となりましょう。
まずは道中の罠の排除ですね。

私は大学生のフリでもしておきましょうか
年齢的には丁度良さそうですし私服もないことはないので……

さて、土地勘はありませんし皆さんに付いて罠の探索に専念しましょう
【精神集中】し通学路に怪しい物体や仕掛けが無いか確認して進みます
仲間の通信や指示にも耳を傾けておき
罠となり得そうなものは【一刀両断】
あるいは【念動力】で遠ざけるか押し潰し【破壊】、無力化を狙います


●淑女たちは嫋やかに
「敵の位置はだいぶ絞れて来たわね。……いろいろと思うところはあるけども、まずはこれ以上の被害を防ぐことからね」
 メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は遠隔型デバイスを端末で操っていた。
 走り回っていたのだが、大人の女性としては静かに行動すべきだろう。
 白のサマーセーターにジーンズと、いざとなったら動き回れる格好ではあるが遠隔探知で情報を集めていたのだ。
「罠の方は下の位置が怪しいそうですよ。子供たちの目線だそうです」
「ああ……なるほど。道理で仲間たちが探したはずなのに見つかってない訳です。死角というやつね。逆に子供たちには高い位置にある物が見つけられない……だったかな」
 通信情報を拾った白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)の言葉にメルキディアは情報を追加した。
 生じた齟齬に合わせる為、急な軌道修正は念動力で補っておく。
「現時点で生じているのはボヤとマンホール問題くらいです。このまま味方と力を合わせて対処する事で、被害を無しにできたら最上。最低限に抑える事を最低限の目標としていきましょう」
「及ばずながら、力となりましょう。敵の排除は当然として、まずは道中の罠の排除ですね」
 蛍がパラドクス通信で情報をやりとりするのを見ながら、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は通学路に改めて向き直った。
 裏路地やマンホールといった場所も使ったようだが、あくまでこの道がメインだからだ。
 相手にも移動速度があるわけだし、テレポートが使えるはずもない。そういった都合の問題を考えれば、残った場所で怪しいのはこのルートだろう。
「……バリケード。家へ賊が侵入するのを排除するためかと思いましたが、思うに非常事態では無益ではありませんか? いえ、むしろそこまでする余裕があるとも思えません」
 アイネリスは道々を思い出して違和感を思い出しつつ、仲間からの情報を精査した。
 もしそれが、悪い奴が入らないように……ではなく『何も出入りしないように』であったらどうだろう?
「だとしたら怪しいのはガスの充満ね。引火性のガスと、呼吸以外に問題のないガスを両方対処しないといけないわ。間に合うかしら?」
「味方の行動速度を考えれば、後半はそこまで警戒しなくても良いのでは? ガスを撒く為にホースを切るので精一杯でしょう」
 メルキディアとアイネリスは相談しながら条件を次々に設定していく。
 手が空いた人には念のためにチェックしてもらうとして、自分たちが真っ先に調べる場所を選定して行くためだ。
「担当分けして仲間と一緒に仕掛けを解除していきましょう。必ず水や氷雪の使い手と、直接手段の使い手を配分する様に連絡を出します」
「私は物理手段の方ね。色々使い分けて対処させてもらうわ」
 蛍が窓を凍らせて火花が散らないように処理すると、メルキディアは光線を発する剣や銃で叩き割ってガスを抜くことにした。
「この辺りに住む人たちが当たり前に通るこの道を、悪意によって舗装された地獄への黄泉路にしちゃいけないよね、燐寧ちゃん」
 メルキディアたちは苦労しながらも、初期に隠された罠を解除して回った。
 あくまで子供たちが実行して、それを隠蔽したに過ぎない事が、何とかなった理由でもある。これまで見つけ難かった理由でもあるので何とも言い難いのだが。
「……敵を発見したそうです。追っているそうなので、我々は逃がさないようにしつつ、この辺りに隠れていないかもう一度探しましょう」
 アイネリスはあまりにも広い麻布と言う戦場を眺めた。
 敵はそう多くないが、一体でも隠れて居たら大変なことになる。
 全員で少数を倒すというよりは、数人ずつ隠れている相手を見つけながら倒す事になるだろう。
「さてと……いきますか。燐寧の過去、助けれる人がいるならそこに参ります」
 まだ完全に見つけたわけではない。だが蛍は仲間たちが必ず全ての敵を見つけてくれると信じて居た。
 そう信じてパラドクス通信で情報を繋ぎ、勝利に向かって……いや、友人の苦悩が無くなる事を祈ってゆっくりと戦場の死角を虱潰しに探すのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【未来予測】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV3になった!

一里塚・燐寧
こんなに沢山の仲間が来てくれるなんて
あの頃の「先生」が見たら、どう思うのかな

おっと、物思いに耽ってる場合じゃないや
麻布中も母校みたいに避難所になってるんだ
偽物の「先生」には手出しさせないよぉ!
……って、燐寧先輩っ!?

【スーパーGPS】を発動しとくよぉ
土地勘ない人が多いし、あたしもこの辺りの記憶は曖昧だからさ

制服のワイシャツの上にパーカーを羽織って、通学路を進んでいくねぇ
≪バードウォッチング用双眼鏡≫で細かく観察してトラップを見付けちゃおう
トラップは手持ちの武器で破壊したり
≪冥界の布≫で絡め取って廃棄するよぉ

……んふふ。何か、ほんとにみんなで通学してるみたい
この後に待っているのは、戦いなのにね


百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎

一里塚さんの先生か…
新宿島漂着前、港区の拠点にいた時に名前や話は聞いたことがある…一里塚さんの為にも…共にTOKYOエゼキエルで戦っていた仲間の供養の為にも。その死体を使うふざけた輩は潰さねばな。

とはいえ熱くなりすぎてもいかんな。まずは神社で手を合わせて思考は冷静に…
さて、それじゃあ学生らしく皆と道をぶらぶらしながら、罠を解除しようかな?ついでに避難勧告用に呪術符をこっそり配置だ。
敵の目的が一般人襲撃なら避難勧告の発動する場所で避難経路を誘導すれば、それを追う敵を迎撃しやすいルートへ誘導することも可能だろう

「さて一ノ瀬さんが何かダメージを受けているが…一里塚さんは大丈夫かな…」


ベアストリア・ヴァイゼンホルン
ふぅん……なるほどね……悪い子達ね……。

気分をそれっぽくするために、高校生の恰好をしていくわね。
通学路にあるトラップ?まぁ、質の悪い悪戯の品を解体しながら、のんびりと歩いていこうかしらね。

しかし、子供型のトループスって……しかも、それを教育していくの……はぁ……本当に嫌な奴ね……。

嫌悪感を全開にしながら、フライトドローンを偵察に使いつつ、危ない物を見つけたらそこまで行ってキッチリ処理させてもらうわ。
こんなものを作らせるなんて、本当に……本当に腹が立つわ……。

はぁ……子供には……もっと……可愛く……創造性を掻き立てるようなものを……。

とまぁ、ブツブツ言いながらやっていくわね。


瀧夜盛・五月姫
学校……? そういえば、TOKYOにも学ぶ場、あるんだった、ね。
とりあえず姫も制服、着てみよう、かな。ちょうど(怨霊が勝手にディアコレで仕立てていた為)知らないうちに持ってた、ブレザー、あった。
ど、どう、かな。燐、寧……先輩?
……や、学校は年功序列。そう呼ぶって、聞いた。違う?

通学路? を、燐寧先輩と歩みながら鳥の歌……じゃなかった、【悲劇感知】の歌に耳を澄ます。
“何か”起きるなら、きっと、そこから歌、聞こえる、はず。
クロノヴェーダの事件は、人にとって、須らく悲劇、だから。
燐寧先輩、みんな、あそこで何か、起きそうな気がする。
【パラドクス通信】があるならば、それで、みんなに連絡、するよ。


●りんねの一番長い日(後編)
「マンホールが爆発したー!?」
「ベア……ト……」
「おもし……惜しい人を無くした」
 その衝撃が走り抜けた時、仲間たちは一つの事を思った。
 それに対する本人の言葉は一つだ。
「ちょっと!? ボク……まだ死んで無いし!」
「化けて出た!?」
「ボクを魔女みたいに言わないで」
 ベアストリア・ヴァイゼンホルン(復讐者は狂気を纏うのか?・g04239)は珍しく早口でまくしたてた。
 調査中にマンホールの中には潜んだりしない。
 いや、穴を通って敵将の元に行くのは、別の人物の得意技だったりしないかな? かな?
「すまない。一里塚さんの為にも……共にTOKYOエゼキエルで戦っていた仲間の供養の為にも。その死体を使うふざけた輩は潰さねばな。とはいえ熱くなりすぎてもいけないと思ってね」
 百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は冷静さを保つべく、神社に行った時の様に手を合わせた。
 新宿島漂着前、港区の拠点にいた時に名前や話だと聞いた事がある。
 戦い抜いて来た戦士であり軍師格の一人として、平静ではいられなかったのだ。
「まあ、判らなくもない……わ。子供型のトループスって……しかも、それを教育していくの……はぁ……本当に嫌な奴ね……」
 最初は『ふぅん……なるほどね……悪い子達ね……』なんて言ってたベアストリアであるが……。
 詳しい話を聞くたびに不機嫌になっていった。
 罠自体はショボイ、それこそ子供が思いつく悪戯をエスカレートさせた程度であった。
 しかし恩師の姿を偽り、子供に悪い教育をする敵と聞けば気分も悪かろう。端的に言うと、おこである。
「それにしても、相手の動きが結構目立つようになってきたね」
「うん。……鳥の声……じゃなかった悲劇の歌も学校の方だけ……かな?」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は双眼鏡を構え、瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)は悲劇に耳を傾けながら敵の様子を探っていたのだ。
 しかしながら敵の大多数は足早に麻布中学に向かっており、町に隠れている数体を覗けば敵集団は集結していると言えた。
「ああ、それはね。避難勧告用の呪符を設置しておいたんだ。知っての通りアレが発動すると一般人は居なくなるし、獲物をという意味でも、目的の場所を目指すという意味でも学校に向かうんだよ。目的がある人には効き難いけれど、仲間の誰かが注意するだろうしね」
 運命は走る事でずれた眼鏡を戻しながら簡単に説明した。
 避難勧告はクロノヴェーダには効かないが、一般人には覿面である。
 しかも広範囲に機能するので、クロノヴェーダが人を追い込もうとする習性や、今回の目的からして場所を制限できると踏んだのだ。
「なるほど。目的のあって逃げない人は仲間が保護か……。はこんなに沢山の仲間が来てくれるなんてあの頃の『先生』が見たら、どう思うのかな
 燐寧は言いながら意外と冷静さを保っている自分に気が付いた。
 昔は同じことを思うたびに、激辛唐辛子とミントを同時に食べまくった時の様な思いをしたものだ。頼れる仲間がいるということ、傍に誰かが居てくれるという事が彼女の気持ちを安らかにさせてくれるのかもしれない。
「という事は……後は、決戦、だけ……だね」
 五月姫は事態を確認すると、ゴクンと喉を鳴らして唾を飲み込んだ。
 どうしてか判らないけれど緊張するからだ。
「ど、どう、かな。燐、寧……先輩?」
「誰かが送ってくれた服だっけ? 似合ってる……んふふ。何か、ほんとにみんなで通学してるみたい……って、燐寧先輩っ!?」
 五月姫はTOKYOにも学校があると聞いて制服を着ていたのだ。
 彼女に協力する足長オジサン(天狗さんではない)が送ってくれたらしい。
「……や、学校は年功序列。そう呼ぶって、聞いた。違う?」
「それは、そうだけど。先輩、先輩かあ」
 その言葉を聞いて燐寧は複雑な、それでいて赤い顔をした。
 先輩は友人ではないし、こ、こ、こ……この付くアレでもない。
 だが同時に、この付くアレ未満であり、友人以上であると海外の反応筋から聞いたことがある。既に『SENPAI』はアニメ用語として、甘酸っぱい単語だと世界共通らしいのだ。
(「もしかして、もしかする!? そういう意味なの?」)
 日本では年上の知り合いの事だが、海外では『私の思いに気が付いてくれない、鈍い人』みたいなニュアンスなのだ。
 同じ言葉が変化するなんて面白いなーとか燐寧はテンパった。
 思考回路はショート寸前で今すぐ行動で示したくなるが、ザウルスは紳士なのでそんなことはしない。単に頭の中で五月姫が二人並んで、十月姫になって読み方は『かんな』かなあとパニックを起こすだけだったという。
「あ、そのへん。その辺にある……はず」
「木で作った弓矢? 矢鴨事件? こんなものを作らせるなんて、本当に……本当に腹が立つわ……」
 天使とザウルスが頭の中で行き来している誰かさんは置いて置いて……。
 姫とベアストリアは公園でよろしくやって居た。
 悲劇の歌を追い掛けて居たら、公園の中を寄り道しながらハイキングと洒落こんでいるのを発見したのだ。
「おっと、物思いに耽ってる場合じゃないや。麻布中も母校みたいに避難所になってるんだ。偽物の『先生』には手出しさせないよぉ!」
 フリーズから解除された燐寧は、心臓がまだ動いているのを確認した。
 どうやらまだ驚いているらしいなあと双眼鏡を覗くと……。羽織っているパーカーの動きが止まる。
 双眼鏡が指からこぼれそうになり、普段は止まって居rう心臓がドキドキするのを不思議と耳で聞いたような気がした。双眼鏡なんか覗くんじゃなかった……と公開した瞬間である。
「どう……した……の?」
「さて一ノ瀬さんが何かダメージを受けているが…一里塚さんは大丈夫かな…」
 姫が効いても答えない。
 その様子を見ながら、運命は先ほど別の仲間が起こした反応を思い出す。
 人は重要な過去を思い出した時、何かしらのダメージを受ける物だ。
「はぁ……子供には……もっと……可愛く……創造性を掻き立てるようなものを……」
「子供……?」
 ベアストリアの言葉を聞いて五月姫が呟いた。
 事情が分からない。だが、ちょうど敵トループス級である子供たちの話になった時ではなかったか?
「嘘……あの子は……もう居ない筈。少なくとも東京からは離れて……。それにあの子は、もう生きては……」
 その時、燐寧が思い出したのは二種類の顔である。
 彼女は小さいとき、ずっと病気をわずらっていた。
 だから友人が少ないのだが、輪を掛けて自分からは作らなくした。
 だって治った子はもう病院なんて来たくない。だから居なくなった。
 だって治らなかった子は病院とは別の意味で居なくなった。
 どうして幸せだったはずのあの子が、生きている事が出来なかったあの子が……。
「マズイな。確か敵の能力は過去の記憶を暴いて投影させるはず……」
「っ!? 燐寧先輩!」
 運命が何事かを悟って説明し始めると、五月姫は脳内の会議を経ずして直列で稼働した。
 即座に燐寧の手を取ったのだ。
「さ……つ……。……ひめ……ちゃん?」
「クロノヴェーダの事件は、人にとって、須らく悲劇、だから。燐寧先輩、みんな、あそこで何か、起きそうな気がする」
 何故か、くじけそうになった燐寧の心に一つの顔が浮かぶ。
 ポロリと手から落ちた双眼鏡の重さが、首にかけていた紐から感じる。
 しかしそれ以上に感じたのは、燐寧の指先を握り締め、やるべきことを告げた五月姫の言葉だった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【避難勧告】がLV2になった!
【フライトドローン】がLV2になった!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

瀧夜盛・五月姫
似ていてもクロノヴェーダ、本物とは違う。
だけど――だからこそ、悪趣味。

確かに、知っている“気がする”顔。
誰そ彼、彼は誰。救えなかった、いや、見捨てた人たち、だろう。
残念。名も、声すらも知らない。
そして、姫はディアボロスに“堕ちた”。今更、今更なんだよ。
怨炎、撒き散らして、焼き捨てる、よ。

それよりも、先輩――燐さんが、心配。
姫の名、噛むくらいに動揺、してた。
あの反応……。きっとクロノヴェーダ、同じ様に、姫以上に酷いものを、見せたのかも、しれない。
燐さん、疵つけるなら、赦さない。
姫が燐さんを、護らなきゃ。護らなきゃ。


一里塚・燐寧
詠唱なし

敵は思い出の中の大切な人達の姿を次々と映す
あたしを庇って目の前で悪魔に消し去られたママ
後輩を守る為最期まで戦ったTOKYO防衛部の先輩
妻子を失い大天使の慈悲に溺れた父さん
──大天使に洗脳されたあたしが、自分の手で絞め殺した何人もの友達

ぜんぶ覚えてるんだ
あたしがいたからいなくなった人たちのこと
申し訳なくて、堪え難くて
ずっと、消えてなくなりたかった

孤独な想いに沈みそうになるけど
仲間の存在に気付いて踏みとどまる
消えたい程の苦しさは永遠に消えない
でも、それ以上に──生きてる今の自分を、好きになれてきたから

──過去だけで、あたしを語るなッ!!

叫びと共に振るう鎖鋸大剣
歪んだ思い出を砕いていくよ!


神田川・憐音
燐寧はリンネだけど憐寧じゃないし、憐音はリンネじゃなくてれのんだし燐音でもない。旅団や友人たちの混乱を巻き起こしつつ紛らわしいねって二人で笑う、誰が呼んだか燐寧憐音問題。そんな感じで仲良くやってまーす。
って訳で過去の事は知らんけど、今そうやって笑っていられる関係――もちろんあたしだけじゃなくて此処に居る友人連中のね――を踏みにじろうとするヤツは赦せないし、遊ぼうってならあたしが遊んでやんよ
あたしも特級厨師って奴だから、そっちが体の毒を解放してプレゼントって言うなら、友人たちの為に作った美味い飯を作る過程で余った毒を包丁にに乗せてトループス共にプレゼント返しするよ
ネメシス使うまでもないわて感じ?



 思いが混雑する。
 記憶が混雑する。
 混雑とは、何かが入り混じって無秩序化する事。
 混雑とは、何かが交じり合って思うように進まない事。
「……違う」
「違う違う違う!」
「違うよぅ……」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の記憶の中で光景が交じり合っていく。
 覚えても居ない入院時の顔、避難所で見た顔、新宿で、ディヴで見た顔。
 知り合いが居た、友人が居た、家族が居た。かつて恋人になりたかった人が居た。今の仲間が居て、今から……。
「それ、は……違うよ!」
「さつき……ひめ、ちゃん?」
 異議ありと瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)は口にした。
 燐寧指先を握る暖かさが悪魔の術よりも確かだと教えてくれた。
 同時に双眼鏡で覗き込んだだけなのに、この有様だ。それなのに至近距離でアレと挑むのか?
 そう思うと燐寧は背中に冷たい物を感じる。心の中を鎧が走れば良いのにと思わなくもない。心を単純化したい、もし恐竜に成れるならば成ってしまいたかった。
「それは違うよ、燐さん」
 五月姫は友人の指先を握り、双眼鏡を奪い取って覗きながら他愛のない事に気が付いた。
 以前は爪を少し延ばしてネイル何とかしていたはずだ。
 それなのに今はというか最近は短い。触れ合う機会が増えただろうか? 優しい人だと思う。最も本人に尋ねたらば、『肉体改造で幾らでも延ばせるから切ってるだけだよぉ』と緩く答えたであろうが。
「確かに、知っている"気がする『顔』。似ていてもクロノヴェーダ、本物とは違う」
 五月姫は印象深くない『顔』を見て悲しくなった。
 かつて大切だったはずの人々が、その笑顔が何とも感じられなくなっていた自分が悲しくなった。
 何時から人の死が記号になってしまったのか、新宿で知った写真の様になってしまったのか。
「だけど――だからこそ、悪趣味」
 誰そ彼、彼は誰。救えなかった、いや、見捨てた人たち、だろう。
 残念。名も、声すらも知らない。
(「……そして、姫はディアボロスに『堕ちた』。今更、今更なんだよ。それよりも……、先輩――燐さんが、心配」)
 新宿に来て五月姫は変わった。
 良い意味でも悪い意味でも。あえて言うならば、姫は姫だから民やら傍仕えの死に動揺しないように躾けられている。だからこそ、自分ではない……自分よりも大事な友人が心配であった。姫の名、噛むくらいに動揺してたのだ。
「だからこそ言うね。それは違うよ、燐さん」
「五月姫ちゃん……」
 二人はもう一度繰り返した。
 双眼鏡を落して首に反動が掛かり、両手の指先を握って暖かさを交換する。
 あの反応……。きっとクロノヴェーダは同じ様に燐寧へ、五月姫以上に酷いものを見せたのかも、しれない。そう思って両手を握り、大丈夫だからと判り易く伝えた。
「うん。あー何見たんか知らんけど、あんま気にしなくて良いんじゃない? ただでさえ、記憶とか認識って曖昧じゃん?」
 そこで笑って神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)が声を掛けた。
 他人の気持ちなんか察せるはずないし、察せたとしても体験でまるで変わる。
 憐音の気持ちを他人が察して上手く言い表せないように、彼女もまた燐寧の気持ちをいったん横に置いて話し始めた。
「曖昧?」
「そっ曖昧、ミー、マイ。燐寧はリンネだけど憐寧じゃないし、憐音はリンネじゃなくて『れのん』だし燐音でもない」
 燐寧と自分を交互に指さして、憐音は笑って名前の事を告げた。
 二人の名前は違うようで似ていて、似ているようで違う。
 漢字の造りは良く見ると違うし、読み方も違う。しかし説明しないと間違える者が居るし、説明しても間違える者や、説明するからこそ間違える時もある。
「旅団や友人たちの混乱を巻き起こしつつ紛らわしいねって二人で笑う、誰が呼んだか燐寧憐音問題。そんな感じで仲良くやってまーす」
 憐音の言う問題は紛らわしさや、説明の難しさから来たものだ。
 問題の事を教えないと間違える者が居たのだが、半端な説明をすると返って間違える者も居る。
 例えば前回の報告書を書く際でも、燐寧憐音問題院という言葉を聞いて燐寧をリンネと読まない人がいるから憐音が説明に行こうというネタかと思ってしまったらしい。全く申しわけない。そこで見たい物を見るバイアスがネタだとして、憐音を『レノン』と読むから違うんだよと言う忠告だとは思わなかったのだ。実に申し訳ない。
 要するに人間の記憶とは、それだけ曖昧であり……。
 見たい物を見て、見たくない物を見なくなってしまうのだと憐音は告げた。
「って訳で過去の事は知らんけど、今そうやって笑っていられる関係――もちろんあたしだけじゃなくて此処に居る友人連中のね。――を踏みにじろうとするヤツは赦せないし、遊ぼうってならあたしが遊んでやんよ」
 そしてそれらの問題ごと大切な人の顔を見てしまった問題を、憐音はまとめて笑い飛ばした。
 自分が代わりにやってやる、嫌なら見なくていい。
 でも、出来るならば一緒にやろうじゃないかと笑ったのだ。燐寧なら乗り越えられると信じて。

 そして三人はそれぞれの表情で中学校へ向かった。
『せんせー。誰か来たよー』
『せんせー。いっぱい居るよ』
『せんせー。ともだち何人できるかな?』
 敵トループス級の大多数を率いてクロノス級が避難所を目指したからだ。
『そうねえ。じゃあ、あの人たちとドッジボールや隠れんぼしましょ~』
『『『はーい』』』
 クロノス級の指示で一部はその場に残って戦い始めるが、別の場所に向かってるようなのが嫌らしい。
 だが、そんな事には惑わされたりしない。学校ではなく他に移動しようとする敵は仲間に任せて、因縁の決着を付けるために戦う!!
『ねえ、遊んで……』
「燐さん、疵つけるなら、赦さない」
 姫が燐さんを、護らなきゃ。護らなきゃ。
 五月姫はそう決意を固めると、薙刀を構えて『背後』に振るった。
 自分の腰を中心に回転を掛けてしまえば、近接戦を挑まれても対処できるのが薙刀の良い所である。
「頭巾の下、どんな顔があっても……。怨炎、撒き散らして、焼き捨てる、よ。……面!」
『きゃうー!?』
 子供のような敵は薙刀ごと五月姫に襲い掛かったが、遠心力と上段の攻撃ゆえに加速が速い。
 体格に見合わぬ剛力ではあるが、それを言えば五月姫だって同じことができる。パワーの変わりに呪詛を載せて戦えばよいのだ。
『いいものあえげゆ~』
「いいもんね。……じゃ、うまいこと料理してあげんよ!」
 敵が体から滲み出す毒を放出し始めると、憐音は大きな包丁で迎え討った。
 これまで様々な食材から抽出した猛毒を包帯に蓄えており、それを包丁に宿すことで対抗したのだ。もし足りなければ追加してやろうと、予備のタンク代わりの錠剤も準備万端だ!
『苦いの嫌い~』
「出されたものは全部食べなきゃダメでしょ、あんた。こんなんじゃネメシス使うまでもないわて感じ?」
 憐音の大包丁が先に敵へと突き刺さった。
 敵の攻撃は確実に広がっており避けれないが、それだけだ。
 傷みだろうが苦しみだろうが、その程度ならばドンと来い。友の代わりにぶちのめすと刃がジワリと突き刺さっていく。
『何でイジメゆの?』
 頭巾代わりのシーツが破れ賭け、体からは血とも病原菌ともつかぬ何かが零れている。
 シーツの間から見え隠れする顔は、見る者によって様々だろう。
 だがしかし!
「あたしを庇って目の前で悪魔に消し去られたママ。後輩を守る為最期まで戦ったTOKYO防衛部の先輩。妻子を失い大天使の慈悲に溺れた父さん」
 燐寧はそこに様々な痛みを見た。
 過去に彼女の体と記憶を通り抜けた傷みが苛み、肉体と心を痛めつける。
「──大天使に洗脳されたあたしが、自分の手で絞め殺した何人もの友達。ぜんぶ覚えてるんだ」
 燐寧は思う。痛い、イタイ、いたい。
 目を背けたい、顔をかきむしりたい、過去に戻れるならばやり直したい。
 でも、そうしちゃダメなんだと心の何処かで叫んでいる。
「あたしがいたからいなくなった人たちのこと。申し訳なくて、堪え難くて。ずっと、消えてなくなりたかった」
 言葉に出していく内に、ふと気が付いた。
 かきむしりたかったのは顔ではない。
 手術痕を拓いて施された施術を、もし移植されたならば内臓をこそかきむしりたかった。
 そのまま孤独な想いに沈みそうになるけど……。仲間の存在に気付いて踏み留まる。
 消えたい程の苦しさは永遠に消えない……。
「でも、それ以上に──生きてる今の自分を、好きになれてきたから」
 燐寧はまるでワンワン啼いているかのように痛かった。
 目が、喉が、心が。しかし止まるなと誰かが言っている。何処かで誰かが叫んでいた!
 愛も怒りも憎しみも……!
「面、メン、めーん!」
「毒を食えば皿までってね、食材くれるなら毒まで無駄にしない。それがサスティナブルってヤツでしょ。たぶんね」
 直ぐ傍で、彼方で……。誰かが叫んでいた。
 遠雷の様に、熱病の様に、体と心が叫んでいた。
 姫や憐音の声であったような気もするし、他の誰かの声でもあったような気がする。
「──過去だけで、あたしを語るなッ!!」
 体の中心から、心の中心から、世界の中心から叫びと共に振るわれるチェーンソー……。それは何時もより1オクターブ高い音を奏でる。
 回転し輪転し変転する心が現実とエンゲイジして、歪んだ思い出を砕いていく。
 砕くのは、敵の歪さ!
 砕くのは、己の弱さ!!
 脳のリミッターを崩壊させて、未来に得るであろう成長を先取りして。邪魔する物は神でも悪魔でも真っ二つ!

「燐さん!」
「……ケリ着いた? お代わりどころか今から本命なんよ?」
「少しだけスッキリしたかな? ……ちなみにぃ……何処まで聞こえてたかなぁ?」
 力なく笑う姿がどことなく力強い気がした。
 震える体が支え合って確かな気がした。暖かい気がしたのだ。
 そして最後の最後で恥ずかしく思うのだ。
 心の疵と、体の傷。全部語って笑える日が来るのだろうかと……。そう思った瞬間、先ほどまでの言葉が内心の叫びであったのか、現実に出した声だったのかが判らくなくなる。答えはまあ友人たちに聞くしかないよね。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!

薬袋・明莉
麻布中学校で待ち伏せ、学校の備品を【罠使い】として最大限利用し罠を仕掛ける
(机や椅子のバリケード、コートネットで廊下をふさぎ進路の誘導等)

燐寧サンを気にかけつつも目の前の敵に集中

不意に視界に双子の片割れが映り豹変

…気に入らねえ。彼奴の顔用意すりゃ止まるとでも思ったのか?てめえらの罪は三つ。
俺の前で彼奴の真似をしたこと、人の妹を勝手に死人扱いしたこと、俺や燐寧サンの、皆の思い出を踏みにじったことだ。
覚悟しろ。


静かな怒りと共にパラドクスにてガトリングを生み出しぶっ飛ばす(火炎使い、制圧射撃、突撃)
そこに躊躇いや容赦は一切無く

……クソが。とことん性根の悪い奴みたいだな今回の敵は……!


百鬼・運命
「誘導は順調だが、精神攻撃が厄介か…とはいえ長月さん共々こいつらと相対するのは二度目。パラドクスの種は割れている」

感情の抑制は慣れたもの。
また避難勧告用で既に呪術符は設置済み。それを転用して周囲一帯に呪詛返しの結界を張り、自分や味方への敵の精神攻撃に対して自動反撃(ロストエナジー)を仕掛けよう。動揺した仲間が立て直すためのフォローにもなるはずだ

「そもふざけた話だ。トラウマを抉る攻撃など…復讐者にとっては火種にくべる油にしかならないさ」

また周囲に仕掛けた符を使い、学校へ向かう敵集団の中団や後方を狙い攻撃。学校までに敵集団を縦に引き延ばして敵が此方の待ち伏せに戦力を逐次投入するような形へと誘導する


一ノ瀬・綾音
全く、なんて「教育」をしているんだよこの先生は。
クロノヴェーダ英才教育とかいらないから。
正直生徒をぶっ飛ばすのは気が引けるけどトループス級なっている以上しょうがないか。

麻布中学校の廊下で迎え撃つよ。
反撃で作り替えた顔は綾音ちゃんの――行方不明のお姉ちゃん。
刻逆以降行方不明で綾音ちゃんも生死を心配している存在……ああ、でも。そんなに大量に同じ顔作られても速攻バレるよ、全部違うって。それにどこか顔が「私ごと■して」って見える。だから――遠慮なく【綺羅星の星光】を撃つよ。

……本当に、今どこにいるんだろうお姉ちゃん。
おっと、こんなこと考えてる場合じゃない。燐寧を手助けしないと。


雅諒院・基経
…さて、子供のクロノヴェーダ…か。何、心は切り替えるとも。
敵の能力はわかってはいるが、…辛いものになりそうだな、皆が乗り越えてくれればいいのだが…
いや、今はともかく敵の殲滅だ、集中しなければな。

さぁ吹き飛ばそうという矢先、基経にも、着物姿の少女が現れる、顔をひどく歪めるが
…楓は僕(やつがれ)が殺したのだ、その罪は贖えん、顔を間違えたな。
羽団扇を使い薙ぎ払う
クロノヴェーダを倒した後に、少し顔を伏せる。

やれやれ、あれだけ偉そうなことを言っておきながら、僕が効いてしまうとはね…まだまだだな。と短く息を吐く。
一里塚さんには…いや、彼女には友がいる。ならば乗り越えられると…その縁(えにし)を信じようぞ。



「来やがったぞ」
 薬袋・明莉(情熱のアーティスト・g02002)は避難している人々には近寄らせないと待ち構えていた。
 流石にトループス級の数は多く、全員を足止めするのは難しいからだ。
 ひとまずバリケードを作り道を一本に絞る様に工夫をしながら待っていた。
「あんま来てねえなあ……。流石に全部倒したとは思えねえが……燐寧サン大丈夫かね?」
「綾音ちゃんたちとしては期待しておくしかないねー。色んな意味でさ、信じるしかないじゃん」
 明莉の言葉に一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)は肩をすくめる。
 敵を正面から迎え討った仲間の活躍を信じるという意味か、戦ったけど勝機を保っていると信じるという意味か。はたまたあちこちへ移動したトルーープス級を『他』の仲間が食い止めていると信じて居るというべきか。
「正直子供をぶっ飛ばすのは気が引けるけどトループス級になっている以上しょうがないか。準備は良い?」
「……うむ、子供のクロノヴェーダ……か。何、心は切り替えるとも」
 綾音の言葉に雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)は力なく頷いた。
 もし複数の部隊が敵に居て、選べるならば選んだかもしれない。
 しかしここには無数の避難民が居て、相手は四方八方に分かれて進軍して来る。わがままを言っている暇などないのだと基経は覚悟を決めた。
「敵の能力は判ってはいるが、……辛いものになりそうだな、皆が乗り越えてくれればいいのだが……」
「誘導は順調だが、精神攻撃が厄介か…」
 基経の呟きを百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)が拾って苦笑した。
 どれだけ屈強な仲間であろうとも、心はそう鍛える事が出来ない。
 精神攻撃をソレと判って、『相手の攻撃だから意味ナイナイ!』と笑って攻撃できる人間は少ないのだ。カラ元気で『こんなん本物じゃねえし!』と強がりながら戦う物は多いだろうが……。
「とはいえ長月さん共々こいつらと相対するのは二度目。パラドクスの種は割れている。対処できる奴がする、出来ない奴の代行を行う。それが仲間もんじゃないかな」
 運命は過去の戦い出しながらその時に備えた。
 呪符を袖口に仕舞いこみ、眼鏡を押し上げて気合いを整える。
 敵の大多数は避難民を脅かして連れ去り、あるいはいたぶって殺すことで力を得ようとしているのだ。それゆえに此処を目指すことは判っていたし、使う術が判って居れば対策は立てられるのである。
(「問題があるとすれば敵が散った事かな。まさか何体か分散するとは思わなかった。効率悪いはずなんだけどなあ……」)
 運命からすればむしろ困るのは、無意味に近い分散の方だった。
 計算上は避難所を目指す方が早く、分散・集合を効率的に行えるような組織で無ければ意味がないのだ。他のディブで言えば、ゾルダートや鬼馬軍団なら一体でも任務を成し遂げただろう。そういう相手でもないのに『子供の感性』だから想像しろという方が無茶かもしれない。
「全く、なんて『教育』をしているんだよこの先生は。クロノヴェーダ英才教育とかいらないから」
「……むしろ『かわいい子には曇らせよ』じゃないかな?」
「厭な教育方針だな。何考えてんだ」
「聞いている暇はなかろうな。さて、おのおの方。お覚悟めされよ。今はともかく敵の殲滅だ、集中しなければ」
 そう言って四人は軽口を叩きながら迎撃態勢を築いた。
 回り込んだ別の仲間が切り込み殲滅するまでの時間を稼ぎ、自分たちよりも後ろに進ませない事が役目である。

 見た感じ敵集団は敵将であるクロノス級の為に一つ大きなものが、それ以外が雑多に散らばった構成である。
 それほど学校外に出た個体はともかくそれほど散って居ないのは、椅子や机にコートネットで道を塞いだからだろう。
 例えパラドクスならば簡単に壊せる生涯であろうとも、面倒だと考えるのがオコサマーである。
『ねえ。僕を殺すの? そんなに僕が生きてるのが……』
「っ! だーってろ!!」
 敵の姿が見えた瞬間、明莉は攻撃される気配よりも先に動き出した。
 だがまだだ、双子の姿を模したアイツを確実に潰すにゃまだ早いと頭の何処かでブレーキを掛ける。
「……気に入らねえ。彼奴の顔用意すりゃ止まるとでも思ったのか? てめえらの罪は三つ」
 重いガトリングを片腕で持ち上げ射線を変更すると、ターゲットレンジが定まって昭星が合うまで少しだけ話をする。
 良かったま、まだ俺の頭はまだ正気らしい。
「俺の前で彼奴の真似をしたこと、人の妹を勝手に死人扱いしたこと、俺や燐寧サンの、皆の思い出を踏みにじったことだ」
 静かな怒りで砲口を定められたのはそこまでだった。
 覚悟しろ。……そう呟いた瞬間に、理性が蒸発して我慢の尾がオハイオまで吹っ飛んでいった。
 沸騰する。血が沸騰する。躊躇いや容赦が一片も消え失せて、トリガーを引き続ける自分が居た。
 車で言えばアクセルをベタ踏みのスタンピード。猛射を邪魔したのは、仲間の攻撃がそいつをぶっ飛ばしたに過ぎない。
「お姉……」
「はあ? あいつは妹で、俺が兄なんですけど!?」
 綾音の言葉を自分への揶揄だと感じてしまった事に気が付いて明莉の激昂は終わった。
 光の奔流を放ち続ける姿を見て、スゲーなと思える余裕が少しずつ出て来る。
「……ああ、でも。そんなに大量に同じ顔作られても速攻バレるよ、全部違うって。それにどこか顔が『私ごと■して』って見える。やだなー綾音ちゃんに本気出せって?」
 コキュっと音がして綾音の首が少し傾げていた。
 笑っていた、笑っていた、笑っていた。
 しかしその笑顔が何処か空々しく、空虚な事に気が付いた者も多い。
「この光は全ての穢れし存在を消し去る極光――さぁ、ゲームオーバーの時間だよ」
「オイオイ。足がふらついてんじゃねえか……クソが。とことん性根の悪い奴みたいだな今回の敵は……!」
 対軍用の殲滅魔術を迷わず行使する綾音。
 しかし明莉はそれを止める気にはならず、魔力の使い過ぎでフラフラするのを受け止めるのが精々だ。
 刻逆以降行方不明で綾音も生死を心配している存在だろうとは推測が付く。だからその存在を汚されて……まるでクロノヴェーダに存在を汚されたような気がして、怒りに震える彼女に少しだけシンクロしてしまったのだ。
『助け……』
「……楓は僕(やつがれ)が殺したのだ、その罪は贖えん、顔を間違えたな」
 傷ついた敵が命乞いをしているかのように見える。
 しかしソレが擬態でしかないからこそ、基経は悲しみとも怒りともつかぬ顔をした。
 目を閉じて思い返し、そのまま何も見なかった事が出来ぬと、耳鳴りにも似た焦燥だけが残る。
「これぞ天狗の神通力……。往来せよ。風の方角、我が道を塞ぐ、たわけものを吹き飛ばす!!」
 羽団扇を使い薙ぎ払う。
 万象一切を薙ぎ払いたかった。
 できれば己の後悔も迷いも薙ぎ払いたかった。
「見るが良い、これぞ天狗の大団扇! 叫べ、嵐! 呼べよ風牙烈破!!」
 森羅万象薙ぎ倒し、全て世は事も無しと笑いたかった。
 だがしかしそれが出来ぬ故に……。
 基経は泣き笑いの様な顔で目を開け、前を見開いたのだ。
 未来こそを切り拓き、人々の邪魔をするクノロヴェーダを、我が迷いを吹き飛ばすために!
「終わったかい? それが決意か禊かは知らないけどさ」
「やれやれ、あれだけ偉そうなことを言っておきながら、僕が効いてしまうとはね……まだまだだな。と短く息を吐く」
 目を開いた時、運命が張った呪符がポロポロと剥がれ落ちている所だった。
 基経が面持ちを上げ、周囲を確認した時には役目を終えた呪符が雪の様に飛び去って行くのが見えた。
 おそらくは皆が戦っている間も、術を跳ね返し、あるいは皆のフォローをしていたのだろう。
「そもふざけた話だ。トラウマを抉る攻撃など……復讐者にとっては火種にくべる油にしかならないさ」
 運命は自動反撃で敵の体力を削った呪符に、お疲れさまと声をかける。
 モノに宿る九十九がいるならば、呪符にだって宿るだろうと、仕掛けておいた呪符たちを労わり役目を終えた事でホっと胸をなでおろす。
「……本当に、今どこにいるんだろうお姉ちゃん。おっと、こんなこと考えてる場合じゃない。燐寧を手助けしないと」
「一里塚さんには……いや、彼女には友がいる。ならば乗り越えられると……その縁(えにし)を信じようぞ」
「まあみんな疲れてるしな。つーかいつもの敵よかよっぽど疲れた」
「ははは。それは仕方がない。符はまだまだ張ってあるから休んでていいよ」
 みんな疲れた顔でトループス級の残りを倒そうとするが、まるで空腹時の様に力が出なかった。
 そんな中で運命だけは平気な顔をしているのだが……。
 まあ手段は簡単だ。感情の動きをあらかじめ凍結しておけば大したことはないさと、周辺の捜索を始めるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【悲劇感知】がLV2になった!
【操作会得】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV4になった!
【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!

アンゼリカ・レンブラント
麻布中学校で待ち構えて倒そうか
敵戦列を崩せる場所
廊下等で迎え撃つかな
いずれ仲間と作戦を合わせ

【完全視界】で敵を視認し
仕掛けるタイミングを揃え不意打ちの強襲っ
敵が減っていくまでは一撃離脱を心がけ
突出を避けて倒せそうな相手
仲間と狙いを合わせられる敵を攻撃する
自身が深手を負わないなら近場の仲間にディフェンスして
消耗を減らしつつ戦線維持

戦う中を燐寧を気にかけ
彼女の笑顔が仮面だったとしても
いや、だからこそ彼女の姿は気高いんだ
めいっぱい大きな声で叫ぶよ

燐寧、私達は何があっても君の味方だよ!
君の友でいることは誇りだよ!
私達は傍にいるよ、大丈夫ッ!

言葉に合わせネメシス!
敵陣を最大火力の天輪輝星で吹き飛ばすっ!


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します

麻布中学校の廊下で待ち伏せようかしら!
廊下……渡り廊下……、なんだかアイドルの先輩を思い出す単語ね!

「レゾネイト」からの【誘導弾】で牽制しつつ、本命は【アイスエイジブリザード】!
【全力魔法】で対抗するわよ!

敵が象った顔は、刻逆前アタシが居た事務所のアイドル仲間たち。
皆忘れられない大切な人。でも……。
だからこそ、見てもらいたい!ディアボロスアイドルの道を進むアタシを!
顕れなさい、太古の氷精!皆氷漬けにしちゃうんだから!

燐寧が辛そうなら声を掛けたいわね!
皆、燐寧のために此処に居るわ!
過去の思いに囚われないで、アタシ達と一緒に未来へ進みましょ!


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok

避難所への被害を抑えるなら、校門前かその先の校庭で迎撃した方が良いですか。
取りこぼさず叩くなら他の方々とも協力したいですが、いっそ此方から他の方が居る所に敵を誘導するのもアリですね。
釣りとかトレインとか言うのでしたか?

基本的には、距離を取り『聖槍』で射撃戦。
優先すべきは弱った敵への止め。次いで前衛への援護射撃。その際、味方に誤射せぬよう注意。
また、移動時も他の味方を邪魔せず、孤立せぬよう立ち回ります。

それにしても、顔が変わる子供ですか。
私にも大切な人々は居ますが、旅人の日常は一期一会、出会いも別れもしょっちゅうです。
この記憶は、偽物に惑わされるほど、軽いものではないのです。


ノイン・クリーガー
[心境]
一理塚も何やら色々あった様子…。
俺にやれることは少ないが、多少なりとも助力しよう。

[行動]
この人数だ。一気に攻める。
【ダッシュ】で距離を詰めアームクローとカランビットにより敵を切り裂き、素早く【一撃離脱】する。
触れられると嬉しくないプレゼントがあるようだ。
【未来予測】と【神速反応】を用い、体に触れさせないように戦おう。



「避難所への被害を抑えるなら、校門前かその先の校庭で迎撃した方が良いですか」
「そこで止めると面倒だから、もう少し進ませるって言ってたわよ」
 これは少し前の事。
 フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)の言葉にソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が答えた。
「廊下……渡り廊下……、なんだかアイドルの先輩を思い出す単語ね!」
「なるほど。アイドルは判りませんが誘導して確実に倒しましょうか。釣りとかトレインとか言うのでしたか?」
 渡り廊下で待ち構えていたやソラやフィーナ達は、回り込もうとした敵を見つける。
 そして四方八方に移動する敵集団の一部を拘束し、別の仲間と共に倒しに掛かった。
 なおソラの言葉にフィーナは首を傾げ、フィーナの言葉にソラは首を傾げていたという。
「あまり時間は掛けてられない!」
「一理塚も何やら色々あった様子……。俺にやれることは少ないが、多少なりとも助力しよう」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は少しだけ不思議な気分になった。
 なんというかノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)と一緒に居ると、まるで自分が警察にでもなった気分だった。
 きっと軍隊経験のあるノインの動きを見て、アンゼリカが思い浮かべる身近な組織が警察だからだろう。
「行くわよ! 挟み撃ちにしちゃいましょ!」
「この人数だ。一気に攻める」
 ソラが牽制を兼ねて誘導弾を敵の足元に撃ち込み、そこへノインが三日月状のブレードを構えて飛び込んだ。
 奔り込んで刃を振り上げ、後ろ手に展開したクローを振動させ始める。
『プレゼントを……』
「悪いがドイツ語で頼む。ブロークン・イングリッシュは勘弁な」
 ノインは敵が受け取めたブレードから逆行する様にナニカを放つのを見て、柄から手を離しつつ隠しておいた高周波ブレード状の爪で切り裂いていく。
 その中で子供を使ったゲリラと死体に仕掛けたブービートラップの酷さを比較しつつ、亡命先で散々聞かされた英語を揶揄しながら飛びのいたのだ。
『どうして?』
「どうしても何も! そんな猫みたいなこと言われても困るわよ! ……顕れなさい、太古の氷精! 皆氷漬けにしちゃうんだから!」
 ソラはその時、刃に貫かれた子供の顔を垣間見た。
 刻逆前に彼女が居た事務所のアイドル仲間たち。皆忘れられない大切な人。だが……。
「だからこそ、見ていてね! ディアボロス・アイドルの道を進むアタシを!」
 ソラは後ろ髪惹かれそうな思いを振り切って呪文を唱えた。
 掴まりそうになる重い心を、今の事務所のメンバーの顔を思い出して何とか耐えた。
 そうソラは一人ではないのだ。泣いて済まされる立場でもないのだ!
 見ててよね、その先にスターダムが無かったとしても、後悔しない未来を掴んで見せると猛吹雪を放った! 初歩は即ち奥義の入り口、慣れ親しんだ確かな術であるがゆえに!
「燐寧は!?」
「大丈夫です! クロノス級を抑えるために動き出しました!」
 アンゼリカは打撃戦を挑みながらその場に敵を釘付けにし、フィーナは聖なる槍を放って射撃戦を敢行。
 誤射せぬようにこちら方面の敵を穿ち、あるいは動きを止めて他のチームの仲間たちと共に殲滅するために戦う。
「こっちに来てる敵の頭数が思ったよりも少ない……。無理して無きゃいいけど……。ううん、違うな! 彼女の笑顔が仮面だったとしても……。いや、だからこそ彼女の姿は気高いんだ」
 アンゼリカはいつもの笑顔が空元気であると知った。
 ではその事にガッカリするのか?
 そんなことはない。辛い事があって尚、それでも進み続ける心。
 それもまた勇気ではないのか? そんな友人の為に戦う事を何よりも誇らしく思う。もし正義の女神が居るとしたら、背中を押してくれるだろう。
「燐寧、私達は何があっても君の味方だよ! 君の友でいることは誇りだよ! 私達は傍にいるよ、大丈夫ッ!」
 アンゼリカは声を大にして叫びながら全力を出した。
 思わぬ剛力で傷ついた体を引き締め、筋肉で傷口を塞ぎながら……。
 まるで若返ったかのように小さくなり、代わりに光り輝く魔力で覆われ始める!
「我が手に集う裁きの光よ。全ての邪悪なる者を、焼き尽くせっ!」
 正義の女神が暮れる、裁きの光。
 それはアンゼリカの勇気の証、どんなに辛くとも、どんなに苦しくとも戦い続けると誓った魂の……勇気の結晶だ! 星型の光が周囲に展開し、敵を薙ぎ払う!
「それにしても、顔が変わる子供ですか」
 そんな中でフィーナは静かに呟いた。
「私にも大切な人々は居ますが、旅人の日常は一期一会、出会いも別れもしょっちゅうです。……この記憶は、偽物に惑わされるほど、軽いものではないのです」
 ディアボロスの行く手は、出会いと別れが何時も待ち構えている。
 それらは背中合わせで、旅先で仲良くなった現地の人々に忘れられ、思い出してもらえて泣き笑いするのは良くあることだ。また心が折れて戦えない仲間、立ち上がる仲間、協力し支え合う仲間。
「暁光の審判をここに、苦難に癒やしを、悪意に裁きを……!」
 フィーナの魔力を、心を糧として光の槍を具現化する。
 光の槍は周囲に心の輝きを振りまき、正しきことに使おうとする思いが周囲を照らすのだ。聖なるかな、聖なるかな。正しくあろうとする、正しさを貫こうとする想いこそが聖なるかな! 光を投げつけ敵を貫き、道を貫く為に光を解き放った!
「メインルートにへ潜む敵は居ない。後は面白そうな場所を選んだ連中と……」
「そもそも学校には向かってない個体でしょうか?」
 ノインが周囲を探って来るとフィーナは可能性を模索した。
「じゃあそう言うのを探しながら、燐寧を見守らないとな」
「そうね。燐寧が辛そうなら声を掛けたいわね! 皆、燐寧のために此処に居るわ! 過去の思いに囚われないで、アタシ達と一緒に未来へ進みましょ!」
 アンゼリカが動き始めると、ソラは誰に聞かせるでもなく……。
 自分を奮い立たせ、仲間を奮い立たせるために歩き出したのだ!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【照明】LV1が発生!
【使い魔使役】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

エレナ・バークリー
来ましたね、トループス級のアンファン・テリブル。クロノヴェーダである以上、容赦しません。
私は麻布中学校の屋上に陣取り迎撃します。風が、心地いい。

敵に見つかる前に先手を。
「全力魔法」「風使い」「不意打ち」「召喚」で『夜風語らうは冥府への至り道』。
さあ大鴉達、獲物の心身を啄んで喰らってしまいなさい。
反撃で見せられる顔は、ハイランド騎士団の仲間達。生き延びていた――はずがありませんね。あの戦いで死にぞこなったのは私一人。
これもビフロンス譲りですか?
あの悪魔を討滅したい理由が一つ増えました。
まずは目の前。大鴉達、もっと喰らいなさい。

燐寧さんは大丈夫でしょうか? そばにいる方達に任せるしかないですね。


ネリリ・ラヴラン
うん、そっか…。そうだよね。

エトランゼの姿には見覚えは無いよ。
投影されるって事は心のどこかには眠っているし
きっと忘れちゃいけない誰かなんだろうね。
でも今のわたしにはその記憶が無いわ。

(寂しい?)
ううん、今は…失ってくれていて、ありがとうだよ。

躊躇うことも無く【高速詠唱】される”星なき夜の交響曲”。
蝙蝠爆弾を叩きこんで爆音を響かせながら、矢面に立ちに行くね。
場所によっては【飛翔】も使って引き付けながら【連続詠唱】、みんなが迷いを振り切るまではわたしが相手をするよ。

卑怯な手は、通じないよ。
そのお顔の誰かさんより、燐寧ちゃんやみんなの方がずっと大切だものねっ。

アドリブや連携は歓迎だよ


ベアストリア・ヴァイゼンホルン
さてと……お仕置きの時間ね。

僕はフライトドローンに乗って空から攻撃させてもらおうかな。
パラドクスを全力で撃ち込んで、派手に散らしてあげようじゃない。
人の思い出を穢す者は何人たりとも許しはしないわよ。

アッハハハッ!!いい度胸しているじゃない!?

大切にしていた妹の姿を真似されたら、不快感を確実に爆発させる。
絶対に許さないし、執拗にパラドクスをぶち込んで一片の塵すらも残さないようにしてあげるわ。

いい?容赦無く……一片の塵すら残さないぐらい……吹き飛ばしてあげるわ!!

一理塚さんが攻撃を躊躇しているようなら、代わりにそれらを吹き飛ばすわ。
恨まれようが何を言われようが、手加減は無用。慈悲無くやらなきゃね?



「隠れているようですが、上から見れば丸わかりですね」
 エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)は屋上から眺めていた。
 もしかしたらこちらに遊びに来るかもしれないかと思ったが、流石に他の仲間が校舎への突破を許さなかったようだ。
 代わりに屋上からジックリ眺めることで、敵の動きがはっきりと判る。
「行きましょう。他の個体はみんなが何とかしてくれるはずです」
「でも逃げちゃわない? ああ、近くの名kまあが来てくれる……よね。うん、なら行こっか」
 エレナの言葉にネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)も飛行を開始した。
 見晴らしの良い屋上から飛び立って、隠れているつもりの敵へと降下していく。
「あれか。さてと……お仕置きの時間ね」
 ベアストリア・ヴァイゼンホルン(復讐者は狂気を纏うのか?・g04239)はフライトドローンに座って移動。
 その様子はまるで石臼に乗った魔女を思い出すなあ……と考えて、迎撃を受けない様にだけ気を付けた。
 三人がその敵に向かったのを見て、逃がさないように他のチームが蓋をして居るようなので大丈夫だろう。
『ひゃー。見つかったよー』
『きゃー。見つかったねー』
 空飛ぶディアボロスが訪れた時、敵は頭を抱えて逃げようとしたように見える。
 しかしその実態は被って居るシーツに手をやって、脱ぎ捨てるための前動作に過ぎない。
『あたしらも殺す気かい?』
『俺らの家族みたいに……か?』
 最初に見えたのは双子の男女だった。
 少しあどけない面持ちで、今よりも幾分か幼く見える。
 姿は子供というよりは少年と少女で……。
『おねえ……?』
 次に映し出されたのは、少女たちだった。
 一人はドイツで見かけられた敵アヴァタール級に似ており、隣にいる仲間に面影も……。
「アッハハハッ!! いい度胸しているじゃない!?」
 その時、ベアストリアは無表情なままに声が上ずった。
 最初に見えた二人の事は頭から消さねばならぬと、このタイミングで沸騰する。
 気が付かない、だってあの二人の家族を殺した相手なんかベアストリアは知らないからだ。
「いい? 容赦無く……一片の塵すら残さないぐらい……吹き飛ばしてあげるわ!!」
 ベアストリアはフライトドローンから身を乗り出すように滑り落ちると、その時にドローンを蹴って加速する。
 地面へ激突寸前に態勢を変更し、低空飛行で滑る様に地面をカッ飛ぶ!
「何か……見えたのかな? うん、そっか……。そうだよね。そういう攻撃……だもんね」
 ネリリから見えた敵の顔の内、片方の少女はベアストリアの知り合いらしい? 家族かな?
 ではもう一方は、わたしの関係者かもしれないね……。
 と観察しつつ、ネリリは思うのだ。あの自分に似た少女は誰だろう? 自分を淫魔では無くしたような? 誰? 後ろの正面だあれ?
「その姿には見覚えは無いよ。投影されるって事は心のどこかには眠っているし、きっと忘れちゃいけない誰かなんだろうね。でも今のわたしにはその記憶が無いわ」
 ネリリはそう思いながら高速で蝙蝠を召喚し、何故か制御できないほどの数に驚いた。
 しかし途中で必要な数のコントロールを取り戻し、蝙蝠の形をした爆弾を敵に向けて飛翔させていく。
 その時、不意に制御できてない飛翔体が……。自分ではなく、仲間の呼び出したナニカであることに気が付いた。
「踊れ踊れ! 人の思い出を穢す者は何人たりとも許しはしないわよ! さぁ……行きなさい……サーカスを……見せてあげましょう……」
 ベアストリアの表情は悲しい程に凍って変わらないが……。
 代わりにスカートの中からナニカが次々に飛び出していった。
 後ろに居るエレナが何も言わないのは、きっとスカートの中身は見えてないのだろう。
 それらは風船が中の空気を急速に抜かれたように、不規則な機動で滑空! 次々と敵へと炸裂していったのだ。きっと板野さんとかいう技術者が開発した技術でも参考にしたのだろう。
『助けてくれ!』
「……」
 その時、エレナは黙っていたのではない。
 思わず沈黙するような光景を見ていたのだ。もちろんスカートの中身に心動かされたりはしない。
「……生き延びていた――はずがありませんね。あの戦いで死にぞこなったのは私一人。これもビフロンス譲りですか? あの悪魔を討滅したい理由が一つ増えました」
 エレナは過去に共にあった朋友たちを思い出していた。
 改竄世界史になる前から表舞台には登場しない、陰の軍団。
 諸侯が全く協力しないため仕方なくゲリラ戦で戦う王を、人知れず支えるために結成された勇猛果敢な戦士たち、ハイランダー。
「ふふ。本格的に来ましたね、トループス級のアンファン・テリブル。クロノヴェーダである以上、容赦しません」
 今は失われて此処には無い王国を思い出していた。
 改竄前の世界史でも故国は失われる運命にあった。勿論この世界ではもっと酷い目に遭っている。
 その現実を突きつけられたことに、遠慮のない子供たちだと唇を嚙みしめながら爆炎の中で大剣を掲げる!
 彼女が刃を構える中、ミサイルが、蝙蝠爆弾が猛火で戦場を彩ったのだ。
「寂しい? ううん、今は……失ってくれていて、ありがとうだよ。『みんなの分も』相手できるからね。そのお顔の誰かさんより、燐寧ちゃんやみんなの方がずっと大切だものねっ」
 ネリリが魔法陣から呼び出した蝙蝠たちは、片手に付き一帯へと収束していた。
 その分だけ制御力が増し、威力が向上している。
『痛い。痛いよぉ』
「卑怯な手は、通じないよ。狙いは確り……ねっ」
 精密誘導で入り混じる敵味方を潜り抜け、敵に呑み迫って爆発!
 新しい蝙蝠を呼んでは炸裂させていった。
「風が鳴く。渺々と。先逝く魂をその腕に抱きしめ、迷い無く、取りこぼし無く、全てを永遠の冥府に連れ去らんと」
 エレナは終局を見て、大鴉を呼び出していった。
 大剣を地面に突き刺すと、周囲から魂を貪る鴉たちがやって来る。
「さあ大鴉達、獲物の心身を啄んで喰らってしまいなさい」
 鳥とは太古からソウルキャリアーとして考えられており、死者をあの世に連れて行く存在なのだ。ゆえに鳥葬という言葉があり、その威容は『一つにして大群=大群』であるレギオンすら食らい尽くすだろう。

「人の事を言えた義理ではありませんが、みなさん容赦がありませんね」
「みんなが迷いを振り切るまではわたしが相手をするよ」
「絶対に許さないし、一理塚さんが攻撃を躊躇しているようなら、代わりにそれらを吹き飛ばすわ。恨まれようが何を言われようが、手加減は無用。慈悲無くやらなきゃね?」
 こうしてまた子供の姿をした敵が倒された。
 死者は死者の国へと旅立ち、若者たちは過去と決別したのである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV3になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

ええ、ええ……覚えている。
私を慕ってくれた故郷の人達を、忘れる筈がない。
彼らが既に居ない事も知っている。
だからこそ、紛い物ごときに揺さぶられるものか。

《喰らいつく因果》。爆ぜる槍刃を【連続魔法】で幾重にも創り出しエトランゼを徹底的に【爆破】する。
剣刃を構え前線へ切り込み撹乱、敵を引きつけ囮に。
【念動力】で捩じ伏せ、押し込み、蹴り飛ばす。
強引に隙を作りながらパラドクスでの攻撃を続行。

燐寧さんは必ず立ち上がって来るでしょうが……。
少々時間がかかるかも知れませんね。
それまでこの不届き者は、こちらで引き受けるとしましょう。


飛鳥・遊里
さて…クソガキ共におしおきの時間だ。俺は…学校のある地域ならまず間違いなくあるであろう場所、子供の社交場…児童公園で迎え撃つ。あいつらがこういう場所をスルーするとは考えられないしな

ああ、たっぷり遊んでやるとも。まずは泥遊びとかどうだ?【泥濘の地】で地面をぬかるみに変えて、機動力をまず削ぐ

そして、【ケルベロスブレイド】起動。【マルチウェポンデバイス】が取る形は…野球のバットだ。

さあ、泥遊びの次は、野球の時間だ。バットで重力で形成した砲弾を連中に向けてどんどん打ち込む。地獄の千本ノック開幕だ。受け止めないと穴だらけになるぞ?

人様の思い出に土足で踏み込むような奴らに容赦なんぞするわけないよな?


ニア・マシュマリー
新しいTOKYO防衛部のメンバーとして……。
なにより……。りんねのともだちとして……。りんねを苦しめたり……。じゃまするならニア……。ゆるさないから……。

右腕を裂いて……。出てきたニアの血で大鎌を作る……。
これであとは倒すだけ……。あれ……。敵の姿がない……。どこだろう……。
……。なんとなくそうくると思った……。
いきなり振り向いて……。背後の気配に向けて大鎌を連続でふり回す……。

ニア……。こうして戦うことしかできない……。
だから……。りんねならどんな困難も乗り越えてくれるって……。信じて戦い続ける……。
でも……。やっぱり心配だから……。ニアより優しいみんな……。りんねのことよろしくね……。



 その時、戦場である麻布中学に居ないディアボロス達も居た。
 街を探す途中で、罠の様に残されたトループス級を見つけていたのだ。
 そこは公園の中でも子供が好きそうな場所であった。
「さて……クソガキ共におしおきの時間だ」
『見つかったー。逃げろー。びゅーん』
 飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)はため息つきながら追いかけた。
 せっかくここを探しに来て見つけたのに、逃げられては意味が薄い。
 クロノス級を倒して歴史が元に戻れば犠牲も消えるのかもしれないが、それで気分が良くなるはずもないだろう。万が一、歴史が変動したままだとしたら猶更である。
「面倒くさいが追い掛けるか」
「うん。新しいTOKYO防衛部のメンバーとして……。ニアがやらなくちゃ」
 遊里が追い掛け始めると同じように見つけたらしいニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)が合流する。
「なにより……。りんねのともだちとして……。りんねを苦しめたり……。じゃまするならニア……。ゆるさないから……」
 相手は子供の用ではあるがクロノヴェーダである。
 容赦は不要であるし……そもそも、人によっては害を持つ敵なのだ。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ……。ええ、ええ……覚えている。それでも……やらなくちゃね」
 遊里が声を掛けた仲間の中にはアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)も居る。
 彼女は既に青い顔をしているが、どうやら敵の姿を見てしまったらしい。
 完全に真似を始め精神を汚染するのは攻撃時だが、おそらくは予兆段階でも面倒な幻覚で記憶を漁っているのだと思われた。
「私を慕ってくれた故郷の人達を、忘れる筈がない。彼らが既に居ない事も知っている。……だからこそ、紛い物ごときに揺さぶられるものか」
 青い顔をしていたアイネリスは奥歯を噛みしめる。
 その時に鉄の味が僅かにするが……それは唇でも噛んで血が滲んだのか、あるいは彼女の力があふれ出したのかもしれない。

 やがてディアボロス達は敵を追い詰め、攻撃に移るところだった。
 パラドクスの準備をして、時間が無ければ牽制を放って時間を稼ぐ予定だ。
「んしょ。んしょ。出来た……これであとは倒すだけ……。あれ……。敵の姿がない……。どこだろう……」
 ニアは右腕を裂いて血を用いた大鎌を作り上げていた。
 しかし子供の姿をしたトループス級は素早く、そして周囲は公園ゆえに隠れる者がいっぱいだ。
『ねえ……あそぼ、ぼ?』
「……。なんとなくそうくると思った……」
 ニアはいきなり振り向いて大鎌を振った。
 周囲に隠れることができる相手が、自分を見失った相手にすることなんか一つきり。
 それにディアボロスが隠れても相手が対応できるように、クロノヴェーダが隠れてもディアボロスは対応できるのだ。
「ニア……。こうして戦うことしかできない……。だから……。りんねならどんな困難も乗り越えてくれるって……。信じて戦い続ける……」
 大鎌を操りながらニアは空虚な気持ちを覚えた。
 お腹が空いた、友達と一緒に居たい。できるならばこんな公園で、みんなで一緒にピクニック!
 足りない足りない、血も足りないし思い出も足りない。そんな気持ちのまま血の刃を振うのである。
『あそぼ! 遊ぼ! あ・そ・ぼ!』
「ああ、たっぷり遊んでやるとも。まずは泥遊びとかどうだ? こういう場所は大好きだろ?」
 遊里は周辺を泥濘に変えながら、段々とこのトループス級の性格が理解でき始めた。
 子供の様な性格ではなく、まさしく子供なのだ。
 あえて居るならば、クロノヴェーダだからクロノス級の言うが命令ならば確実に従う。要請ならば自分の都合を優先することもあるというところだろう。
「さあ、泥遊びの次は、野球の時間だ。地獄の千本ノック開幕だから。受け止めないと穴だらけになるぞ? ……グラビティコントロール、アクティブ! ケルベロスブレイド!!!」
 遊里は巨大変形システムをバットに変えた。
 それは重力制御部分と、実際にバットとして打撃を行うための装備だ。
 重力で砲弾を作ってはバットで飛ばし、砲弾の雨を叩き込んでいく。
『きゃー。どろどろー。穴を空けられちゃうの~』
「それはシルの真似事か? 人様の思い出に土足で踏み込むような奴らに容赦なんぞするわけないよな? とりあえずそこで死んどけ」
 遊里は妙な声が聞こえ始めた瞬間に、砲弾を叩き込む速度を増した。
 手に掛けた指で、シーツで造られた頭巾や衣服を脱がない内に仕留めてしまおうという算段だろう。理性は感情が爆発する前にケリを付けろと言っている。そこへ猛烈な殺意と槍が飛んで来た。
「貫き、爆ぜろ」
 アイネリスは記憶を漁られたことを自覚した。
 過去に大切だった人々の顔を映し出され、現在進行形で大切な人々の顔へと変化していく。
 苺やチョコミントが好きな友人に女装が似合いそうな少女……そして誰より大切な、一緒に出掛けるたびに嫉妬弾が追い掛けて来る恋人の顔をチラチラとさせる。
「Répéter……貫き! 爆ぜろ!! Répéter! 貫き!! 爆ぜろ!! Répéter!!」
 剣刃で敵の手足を貫き、爆破する。
 念動力でねじ伏せ、刃を押し込んで蹴り飛ばした。
 世間には生意気な相手に対する『判らせ』という言葉があるそうだが、友人の顔をしたクロノヴェーダを判らせる気はない。代わりに痕跡ごと吹っ飛ばし、跡形も無く爆破するだけである。

「気持ちは判るが……無茶、しやがって……。まあ、でもこっちは片付いたな」
「燐寧さんは必ず立ち上がって来るでしょうが……。少々時間がかかるかも知れませんね」
「りんねならきっとだいじょーぶ。でも……。やっぱり心配だから……。ニアより優しいみんな……。りんねのことよろしくね……」
 消し飛んだ敵を眺めた後……。
 三人は遠い空を見上げて大切な仲間の活躍……。
 いや、心の無事こそを祈るのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】がLV4になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!

メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎

……燐寧ちゃんの思い出を汚すなんて。許せないよねッ!
ジェスト、一本貸して。おいたが過ぎるガキンチョ達へ一緒にぶちかますわよ。

イオスラッガーをいったん籠手に収めて、ジェストから具現化した竜念の戦斧を1本借りる。
そしてジェストと同時に不安になってる仲間達を奮い起こすように叫びながらかますわ。擲斬殺法・鉞颪を!

戦斧を投げつけた後は燐寧ちゃんに倣って竜念を纏ったアーチクリーヴァーで粉砕しに突撃よ!
姿を変えるとするならば、私に力と夢をくれたメルキセデクかもだけど……既にトラウマは乗り越えている故に通用すると思わない事ね。

燐寧ちゃん、悲しみを力に変えて希望を燈そう!


シル・ウィンディア
燐寧さん苦しそうだけど
今できることは、声をかけること…
でも、それはふさわしい人がするから、わたしは…
まっすぐ、彼女たちの進む道を作るっ!!

最初っから全開っ!!
間合いが遠くても、高速詠唱で隙を減らしてから
ダッシュしながら、光精瞬殺剣を発動っ!
創世の光剣とエレメンタルブレイドの二刀流で踊るように切り裂いていくよ

敵陣に潜り込んだら、通常斬撃のフェイントを仕掛けつつ、パラドクスも適時使用していくよ。

いつも元気で、周りを明るくさせてくれる彼女だから…
立ち直るまで、前に立ってみせるよ。
今日のわたしは、いつもよりちょっと苛烈だから

人の心を抉るとか、そんなこと…
そんなの、許せるわけないでしょっ!


白水・蛍
アドリブ連携歓迎

全く、教育がなってないです。
教育学は専門じゃないのに、なってないって分かる程度には酷いですよ。
敵が近づいてくるなら好都合。
来るのが「視」えるなら、分かるなら、ええ。問題ございません。
私にはもう一人。頼れる相棒がいますもの。スパーライト!
近づいてきたところに【喚来観測魔砲撃】発動。
あなたが来るのは予想してましたよ。この砲撃は外しません!
その頭上から魔力の塊の破片からなる砲撃を落として殲滅します。

私は進む道に寄り添う事しか出来ません。
進む道は本懐を。今から、ですわ。


諷和・もこ
子供の姿の敵…でも、子供の姿だからこそ悪いことをしてるのをメッ!ってしなきゃダメなんだよ
だって、ボクはお姉さんなんだから

…?
あの子、少しだけ弟に似てるような
でもね、残念!
ボクの弟は絶対生きてる
だから、キミは「ニセモノ」
それがわかってるから手加減なんてしてあげない
悪い子にはお尻ぺんぺん(パラドクス)なんだよ!

燐寧さん!この子たちはみんな「ニセモノ」なんだよ
だから、いつもみたいにいっぱい煽って見せてほしいんだよ
それに…居眠りはボクの十八番なんだから
こんなところで真似っこしないでほしいんだよ
なんてね

ボクも燐寧さんに負けないくらい頑張っちゃうんだよ
まくらをブンブン振り回してどんどん強打しちゃうんだよ!



『あらあら、大変ねえ~。今日はもうお休みして帰ったら良いんじゃないかしらー? それとも先生の膝でおネンネしますかー?』
「……なんで……ょ。何で先生の顔で……」
 優しい声で言葉を投げるクロノス級クロノヴェーダ。
 その表情に思いを馳せても、呑み込んで二の句が継げない。
 無理やりにでも言葉を組み替え『なんでやねん』と冗談を言いたかったのに言い切れなかったようだ。
「燐寧さん苦しそうだけど今できることは、声をかけること……」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は伸ばしたくなる手をひっこめた。
 代わりに杖を握り、剣を握って踏み止まる。
 いや、踏み止まるのではない。踏み込むためのステップだ!
「でも、それはふさわしい人がするから、わたしは……。まっすぐ、彼女たちの進む道を作るっ!! 最初っから全開っ!!」
 シルがダッシュで光の刃を柄の先から発生させる。
 長大なブレードが閃き、同時に碧色の刃で切裂こうとするのだが……。
『だーめ。先生は、私たちの先生なんだもーん』
「どけー!」
 敵の元に残っていた最後の二体。
 護衛役らしきトループス級が転移に転移で割り込んで来た。
 シルは背中から魔力を噴出し、腕に強化を掛けて押し切ろうとする。
『私を守ってくれたの? いい子たちね~』
「いいえ。全く、教育がなってないです」
 そこで割って入ったのが白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)である。
「教育学は専門じゃないのに、なってないって分かる程度には酷いですよ」
『そうかしら~? 最大で二十人、話すだけの講義ならその倍。でも手元で育てるなら五人くらいが理想……だと思ったのだけど―?』
 蛍の言葉にクロノス級が抗議してきた。
 そう言う意味ではないのだ。教育原理の問題ではなく、子供を躾ける倫理の方である。
 しかし厄介なクロノス級の注意が自分の方に向いているというのは好都合だと考えられる理性が蛍にはあった。
「子供の姿の敵……でも、子供の姿だからこそ悪いことをしてるのをメッ! ってしなきゃダメなんだよ」
 反対側から諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)も参戦して来る。
 このままいけば、敵を抑えることができるだろう。
 まずは残るトループス級、そしてクロノス級を倒すために!
「だって、ボクはお姉さんなんだから……。あの子?」
 もこはその時、抑え込もうとした敵が弟の姿に見えた。
「でもね、残念! ボクの弟は絶対生きてる。だから、キミは『ニセモノ』それがわかってるから手加減なんてしてあげない」
『ボク……偽者なの?』
 弟にソックリな顔で、ソックリな声で語り掛けて来る。
 しかし自分の言葉に反応して『偽者なの?』と傷ついた顔をされると妙に悲しく、そしてムカムカしてきた。
 だってソックリと思う方がおかしい。何しろ、もこと弟が最期に会話……カットカットカット! 誓詞と改竄世界史の記憶が混線し、脱線し、そしてもこは何も無かったことにした。混乱をすべて上書きして、何も不都合などなかったことにする。
「……燐寧ちゃんの思い出を汚すなんて。許せないよねッ!」
 ここでメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)が押し込んで来た。
「ジェスト、一本貸して。おいたが過ぎるガキンチョ達へ一緒にぶちかますわよ」
 メルキディアは光線剣を籠手に収めると、代わりにミニドラゴンのジェストから斧を受け取った。
 それは竜の念で作り上げた戦斧である。
 今の状況に必要なのはキック(スマートな打開力)よりもパワー(破壊力)のある攻撃!
「ジェスト、今よ!」
 メルキディアは間髪入れずにミニドラゴンに指示を送ると『おうよ』とばかりにオーラで作られた戦斧が投げつけられる!
 七大竜念武装の一つ、これぞオーラトマホォォォォォク、ブゥゥゥメランッ!
『わたしたちも遊ぼ?』
「流石のパワーですがまだまだですね。それに来るのが『視』えるなら、分かるなら、ええ。問題ございません。私にはもう一人。頼れる相棒がいますもの。スパーライト!」
 その時、蛍は小さな年上の女性を思い出した。
 ディアボロスの中でもたぐいまれなパワーを誇り、それでいて影から影を渡るトリッキーな戦いも出来る女だ。流石に正体を知って少女とは呼べないが。それに比べたら、この子供型トループス級など児戯に等しい。オラトリオのスパーライト共々、敵を抑え込むために向かい合った。
「我が音に応えて来たれ、これ即ち全てを壊す魔力の砲撃! 狙いは外しませんわよ!」
 蛍はここで七つの音階(塊)を生み出した。
 叫びが地から持つ塊となり、魔力を帯びて突き進み、あるいは反射して攻め立てていく。
 掴み掛かる子供の動きに合わせて浴びせ、スパーライトがエコーを利かせる様に挟み込む。こうしてコーラスを浴びせることで、連打を繰り出していった。『あなたが来るのは予想してましたよ。この砲撃は外しません!』と時に正面から、時に低い体勢から立ち上がる動きに合わせて叩き落としたのである。
「悪い子にはお尻ぺんぺんなんだよ! 燐寧さん! この子たちはみんな『ニセモノ』なんだよ!!」
 もこは叫びました。
 良く判らないけれど叫びました。
 どうして叫んでいるのか判らなくなったので(改竄? なにソレ?)、不安を隠すために一層叫んだのです。
「だから、いつもみたいにいっぱい……煽って見せて……ほしいんだよ」
 もこは枕でペンペンと、ペンペンと叩きます。
 まるで啼いているようだと誰かが言った気がしました。
 しかし大好きなあの人は飛んで来てお話なんかしてくれません。もしかしたらもこなんて、両親みたいに……。そこで記憶は途切れ、もこは戦いに専念することにしました。
「そうだよ! いつも元気で、周りを明るくさせてくれる彼女だから……。立ち直るまで、前に立ってみせるよ!」
 シルはその間、両刀を構えて戦い続けた。
 病原菌を斬りさき、ジワジワと来る気味悪いナニカを魔力の風と光で切り裂いていく。
「今日のわたしは、いつもよりちょっと苛烈だから。人の心を抉るとか、そんなこと……そんなの、許せるわけないでしょっ!」
『なあ。良い物やるよ。確かこういうの欲しいって前に一度……』
 シルは激怒した。
 邪知暴虐を許せぬと何処かの物語で粗忽物が王様に怒りを抱いたらしい。
 それに匹敵するほどに他愛なく沸騰し、なぜ起こったのか理解するよりも早く転移しながら刃を振う!
「トドメです。みなさん、頭上に注意を!」
「ならばその上を取ればいい!」
 蛍が魔力の塊を砲撃として天より降らせ、メルキディアはその後を追い掛けて攻撃を仕掛けた。
 ダイナミックにマサカリが振り下ろされ、周辺の花びらが、まるで雪の様に散り始める。
「燐寧ちゃん、悲しみを力に変えて希望を燈そう!」
 メルキディアは言った。
 若さゆえの過ちは仕方がないと。これからが重要なのだと。
「私は進む道に寄り添う事しか出来ません。進む道は本懐を。今から、ですわ」
 蛍は道を示した。
 過去に何があるのか知りもしない、相談されれば答える程度だ。
 しかし、共にある事は出来ると告げたのだ。
「それに……居眠りはボクの十八番なんだから。こんなところで真似っこしないでほしいんだよ。なんてね」
 もこは何かあったのか少し忘れてしまったが……。
 忘れたという事は覚えてなくても良いのだと処理する事にした。いつか世界が戻通りに成れば、記憶も元に戻るだろう。
 再起動した意識は戦いに専念しろと訴えていて『ボクも燐寧さんに負けないくらい頑張っちゃうんだよ』と全力で枕を振るわせていた。この枕を握っていると、不思議と攻撃衝動も何もかもが消えるのだ。なんだか気分が良いよね(それも忘れるけど)。
「さあ、みんなと一緒にいこっ?」
 最後にシルはそういって手を伸ばしたのである。

 そして時は、思いは此処に収束する。
 分散した敵を追い掛け、待ち受けて各地で戦っていた名kまあ達が集い始める。
「少しだけスッキリしたかな? ……ちなみにぃ……何処まで聞こえてたかなぁ?」
 燐寧は笑って進み始めた。
 力なく笑う姿が……どことなく力強い気がした。
 仲間と共に震える体が……震えているのに支え合っているからこそ確かな気がした。暖かい気がしたのだ。

 こうして子供の姿をした悪鬼は過ぎ去り……。
 過去と決別するために、最後の一歩を踏み出すことになったのである。
 その相手はビフロンズ。あるいはヤヌス・ビフロンスとも言う。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【神速反応】がLV2になった!
【完全視界】がLV2になった!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV8になった!

シル・ウィンディア
生徒の不始末の後片付けは先生の仕事だよね?
さて、責任を取ってもらおうかな?

でも、始める前に、一つ、聞いていい?
子供のクロノヴェーダを教育していたけど…
その生徒達は、どこから来たの?
もともとクロノヴェーダだったの?
もし、それが人を使っているなら…
許さないよ

身勝手?子供を撃ったのはそっちだって?
好きに言えばいいよ

言い終えたアンゼリカさんの肩をそっと抱いて
大丈夫、そんな未来を生まないためにも、ここでしっかり決着をつけよう

ビフロンス、人の心に踏み込んだり、人の心を踏みにじったり抉ったり…
あなたは絶対に許さないからっ!

真の言葉は、ふさわしい人が掛けてくれるからね。
…想いを、しっかり伝えてあげてね


アンゼリカ・レンブラント
始まる前に1つだけ言わせて
あぁこれはディアボロスとしてじゃない
1人の子どもの言葉

呼吸をしてネメシス
この姿の方が――多分言いやすいから
失われた記憶のどこかに
自身に燐寧と同じ悲しみを、感じたから

学校はさぁ!平和に笑い合える場所だよ!
通学路はさぁ!友達と笑い合い、
いつまでも続くはずの楽しい日常を噛み締めるところ!

それをお前達はなんで奪うんだ!
なんで幸せな思い出も、未来への希望も、
こんな想い出で塗り潰すんだっ!

ビフロンス!その姿は燐寧の大切なひとのものだ!
返せよ。そのひとの声を、体を、想いを、心を、時間を!
返せっ!全部返せッ!!

ひとしきり言い終え
あとは、燐寧が必ず。
どうか、「ほんとう」の大切な人へ――



「生徒の不始末の後片付けは先生の仕事だよね?」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は仲間達と共に敵と向かいあった。
 その名はビフロンスと名乗る悪魔。この世界では号して墓を冒涜する者ビフロンス。
「さて、責任を取ってもらおうかな? でも、始める前に、一つ、聞いていい?」
『別に構わないわよ~。何でもは知らないから、先生に判る事だけですけどね?』
 ビフロンスとは双面の事を意味する単語であり、本質の一部である。
 ラテンの地にて始まりの王であり神を意味するヤヌス・ビフロンスに由来する悪魔であった。
 始まりという本質は、一月を示す言葉ジャーニーの語源であるためか、様々な学問を教えてくれる。
「なら……私にも。始まる前に1つだけ言わせて」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は相手の返事を待つ前から言葉を続けた。
「あぁこれはディアボロスとしてじゃない。1人の子どもの言葉」
 アンゼリカは一息吸うと全力を解放して子供の姿になった。
 光り輝き翼を持つが、武装も閃光も放ってはいない。
 この姿の方が――多分言い易いから。だから武威は発揮しないし、敵もまた殺気がないゆえに反応はしない。あえてこの姿で『心を解放した』のは、失われた記憶のどこかに自身に燐寧と同じ悲しみを、感じたからかもしれない。
「学校はさぁ! 平和に笑い合える場所だよ!」
「通学路はさぁ! 友達と笑い合い、いつまでも続くはずの楽しい日常を噛み締めるところ!」
「それをお前達はなんで奪うんだ! なんで幸せな思い出も、未来への希望も、こんな想い出で塗り潰すんだっ!」
 アンゼリカは一息に思いを吐露した。
 皮肉にもネメシスモード化し、全力を発揮したことで肺が強化されて一気に言い終える事が出来た。
 言葉に意思を込め、強大な相手に言い切る姿はまるで荒ぶる鷹のようだ。

 その言葉にビフロンスは頬に手を当てて答えた。
『どうしてって……そうねえ。最初は呼ばれたところが学校だったから。先生が先生になった所が学校だったからかしら』
 思案しているようだが、目線を動かすことも目を閉じる事もない。
 人間ならばあって当然の動きをすることなく、淀みなく言答える。
『次に此処に来たのは、単に先生の知り合いのディアボロスが此処を守っていたからよ? 他を守って居たら、そっちに行ったと思うわ~』
「なっ……」
 答えながら少しだけ嬉しそうな表情が見えた。
 アンゼリカが反応し。激昂して奔り出しそうに成ったのを何とか制御した時だ。
 まるでディアボロスの事を少し理解したことで、楽しくなったかのように見える。
「次、私ね? 子供のクロノヴェーダを教育していたけど……」
『そうだけど? それが何か?』
 そこまで見守ってたシルは、一通りの問答が終わったとみて質問を行った。
 先ほどアンゼリカが話始めた時、一瞬だけチラリとシルに視線を向けたのだ。
 おそらくはシルが自分を優先するか、それともアンゼリカに譲るかを確認したのだろう。思えばその時も少しだけ嬉しそうな表情だった気がする。
「その生徒達は、どこから来たの? もともとクロノヴェーダだったの?」
 シルは視線を倒されたトループス級に向け、問いながらもこの先の展開をある程度予想した。
 おそらくビフロンスは他愛のない問いをする事を、きっと不思議がるのだろう。
 きっと自分はそれを憤るのだろう。しかし、問わねばやって居られない。問わずにはおれなかった。
「もし、それが人を使っているなら……許さないよ」
『普通に死んでる子を使ったわよ? 死体はもう人では無いから……というのは駄目よね? どうしてか判らないけれど。ああ、でも出来るだけ『もう少し生きて居たい』という子の願いを叶えてあげたわ。その方が先生ね、得意なの』
 シルはその問いを聞いて怒るよりも呆れた。
 死んでいるから人間ではないとは詭弁だが、良い事をしたとでも言わんばかりだからだ。
 この敵はきっと、人間の思考を可能な限りトレースしているが、どこか理解していない様に見えた。形態模写よりは優れているが、別のナニカが人間を演じているに過ぎないのだ。
「……身勝手だとか、子供を撃ったのはそっちだって……言わないんだね?」
『だって意味がないでしょ? 事実は事実だし、先生だってそうするわ。それに貴方達がソレで動揺するとしても、戦力が落ちるとも思えませんからね』
 やはり言葉が通じない。
 言語としては通じているのだろうが、心の機微がまるで意味をなさない。
 SFに出て来るコンピューターとあまり変わりはあるまい。今会話に応じているのも、きっとディアボロスの行動原理を知る事が楽しいから応じているに過ぎないのだろう。
『他に質問はあるかしら?』
「ビフロンス! その姿は燐寧の大切なひとのものだ! 返せよ。そのひとの声を、体を、想いを……」
 アンゼリカはこの後……信じられない言葉を聞くことになる。
 激昂しながら必死に紡ぎ出した言葉。
 それがまさか、叶えられるとは思っても見なかったに違いない。
 それがあんなことになるとは……思いもしなかったに違いない。
『いいわよー』
「はっ?」
 まず聞こえたのは、能天気な了承の言葉。
 次に聞こえたのは、ベシャリという何か詰まったナニカが崩れ落ちた音である。
「え? あ? なに、これ……まさか……死んだ? 倒した? そんな馬鹿な。でも、死んで……」
『そうよ~? だってその体は死んでいるもの。もう要らないからあげるわ。大切なモノは此処にあるものね』
 そこに有ったのは崩れ落ちた死体である。
 半欠けで手足が欠損して居たり、顔は下面で見えないが……頭も何処か負傷しているように見える。

 代わりに声がするのは、今まで女の姿があった所にある不可思議な色彩であった。
 それが少しずつ形造り、明滅しながら……中央が輝いている。
 色彩が徐々に先ほどの姿を模し始めているのは悪夢でしかない。
『取り込んだのは良いけれど、随分前から壊れていたみたいで再現するのに困っちゃったわー。これでも苦労していたのだけれど、精神をベースに記憶も吸収したから、もう体は不要なの。今まで使ってたのは、契約みたいなものね。だから遠慮せずにどうぞどうぞ』
「先生……?」
 ビフロンスはアッサリと喰らっていた体を捨て去った。
 もはや不要とばかりに、至極あっさりと。代わりにメイメツするソレは魂の結晶なのだろうか?
「もしかして、こんなに無理を……させてた……の? ずっと私たちを守って無理して……」
「あ……違う! 違う違う! 燐寧ゴメン、そんなつもりじゃ……。心を、時間を! 返せっ! 全部返せッ!!」
 おそらくはリアライズペインターの力で偽る為に、欠損した体を繕っていたのだろう。
 その事実はきっと最後まで隠したかったに違いあるまい。
 アンゼリカは己のせいで、その事実を暴露してしまった事に戦慄した。
 同時にこんな理不尽を友人に突きつけたビフロンスに対して、これ以上ない激昂した。あふれ出す怒りが今にも飛び出しそうだった。その動きを友人が、肩を抱いて止めて居なければ。
「……あれも挑発の一種だと思って、我慢してね。大丈夫、そんな未来を生まないためにも、ここでしっかり決着をつけよう」
 吐き気のする邪悪とは、心の及ばぬ相手かもしれない。
 シルはその事を思い知り、胃の腑がひっくり返りそうになった。
 しかし限りない怒りが、むしろ一回転してシルを冷静にさせた。
 もしかしたら、自分よりも激昂する友人が、呆けているかのように見える友人の姿が己を冷静にさせたのかもしれない。
「ビフロンス、人の心に踏み込んだり、人の心を踏みにじったり抉ったり……。あなたは絶対に許さないからっ!」
 怒張するという言葉がある。
 怒りがはち切れんばかりに膨れ上がる事だ。
 しかし度を超えた怒りは、返って冷静になることをシルは知った。
「真の言葉は、ふさわしい人が掛けてくれるからね」
「そう……だね。あとは、燐寧が必ず。どうか、『ほんとう』の大切な人へ――」
 ……想いを、しっかり伝えてあげてね。
 シルとアンゼリカは、その目を大切な友人へと向けた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【照明】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

薬袋・明莉
アドリブ絡み歓迎
(冷静になるために煙草を一服)

ビフロンス。ネクロマンシーに関わりの深い悪魔だったか。なんで、燐寧サンなんだ。

お前のその姿、元は物凄くお世話になった恩人の姿、っていうじゃねえか。燐寧サンだけじゃない。他の奴らの大事な人を、そいつを上っ面だけ真似て、人の死を、大事な人との思い出を踏みにじって、火に油を注ぐようなマネして。お前は一体何がしたいんだ?
……なあ、答えろよ。

別に謝罪はいらねーよ。赦すつもりは、ハナからないしな



「……ビフロンス。ネクロマンシーに関わりの深い悪魔だったか」
 あまりにも無残な光景に、薬袋・明莉(情熱のアーティスト・g02002)は溜息を噛み潰した。
 代わりに煙草を一服つけて、できるだけ冷静に成れるように怒りを飲み込む。
 大切な友人は思考がフリーズしたのか、呆けて死体を抱きしめたまま動かない。
 代わりに悪魔は先ほどまでと同じ姿を作り上げた。まさしく、墓を冒涜する悪魔である。
「なんで、燐寧サンなんだ」
 時間を稼ぐ意味もある、言いながら明莉は何もかも無視した。
 どうせロクな答えではない。むしろ自分が自分の怒りにケリをつけ、本当の意味で冷静に成れるために口にしているかのようだった。
「お前のその姿、元は物凄くお世話になった恩人の姿、っていうじゃねえか。燐寧サンだけじゃない」
 そういって明莉は視線はトループス級に向ける。
 ある個体は死体が残り、ある個体は消えていく。
 クロノヴェーダは場合によって死体の扱いが違うそうだが、ここもでそうなのだろう。それぞれの事情か、それとも死体が持つエネルギーの問題なのか……。
「他の奴らの大事な人を、そいつを上っ面だけ真似て、人の死を、大事な人との思い出を踏みにじって、火に油を注ぐようなマネして。お前は一体何がしたいんだ?」
「先生……」
 明莉はここで一息に続けた問いを僅かに切った。
 友人が僅かに動き、心と体が動き出したように見えたからだ。
「……なあ、答えろよ」
『うーん。先生が先生になる前の状態から、今に至るまでの情報は無いわねぇ。何というか、体もだけど心も欠けて居るのよね。ただ推測は出来るわね』
 明莉は問いながらも、そんなことは知らないと言われて思わず呆然とした。
 理由なんか無いと言われたら、驚くだろう。
 しかし、推測からはもっと驚く回答であった。
『先生の元になった存在は、きっとディアボロスの事が知りたかったのよね。できればその能力も解明して見たいと思うわー。その上で……どうしてこの個体を選んだか? きっとソレは望まれたからよ』
「はっ? ふざけ……」
 明莉は危うい所で怒りを収めた。
 明滅する光は輝き、その一部が死体に降り注いだように見えたからだ。
『子供たちを救いたい。もっと先の人生を楽しく送らせてあげたい。そんな力と知識が欲しい……というところじゃないかしら? ほら、先生そういうの得意だからね。でも、上手くできてなかったらゴメンなさいね』
「先生が……そんなことを」
 ビフロンスは死体を操る力で願いを叶えたのだ。
 本当は死にそうな子供を助け、平和な時代に遊ばせてあげたかった。
 しかし絶望的な運命は変わらないので、改竄世界史で動く死体として活躍させている。おそらくビフロンスと名乗る存在は……それが正しいと信じており、皆が怒っている事を理解できないのだろう。
「別に謝罪はいらねーよ。赦すつもりは、ハナからないしな」
 明莉は怒りを抑える事に成功した。
 大切な友人の思考は再起動し、顔に表情が戻って居る。
 いつもの空元気はまだ見えないが、きっと復活すると信じて居た。
 だから、最後にこう断定することにしたのだ。
「後はてめえを倒せば、全部チャラだ。世界もその人も全部取り戻す」
 覆水盆に返らずとは、零れた水は元には戻らないことを指す。
 だが、今の世の中には『零れた水は、また汲み直せば良い』という意味の言葉で切り返した漢も居るのだという。
 明莉はクロノス級を排除することで、この時間軸の歪みごと奴の悪行を無くしてやろうと告げたのだ。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!

百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎

さて敵が気を取られているうちに仕込みだな
とりあえず煙幕と粘着弾設置。他に必要なら随時【トラップ生成】

しかし流石にみんなヒートアップしているな。無理もない。復讐者は成り立ちからしてそういうものなのだろうからな。

そういう意味では俺の様なタイプは少数派ではあるのだろうな。まあ復讐者の多くが感情を糧にして戦っている以上、感情を排して思考する役回りは必要だし、困った事にはらわたが煮えくり返っていても頭の芯が冷静なままの俺には、皆の様に感情を押し出して戦う様な戦い方は向いていないからなあ…

…まあ、だから俺の宿敵は嫉妬団なのだろうが…今は一里塚さんが宿縁を何とかするのが肝要か。頑張れよ。



(「一里塚さんは……大丈夫そうだな。さて敵が気を取られているうちに仕込みだな」)
 百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は大切な友人の為に、もし嫌われてもよいやと覚悟を決めた。
 情報を仕入れるチャンスだというのに、この機会に煙幕遣ら何やら色々と仕込んでいる。
 話が失敗していっきなり襲い掛かられても良いように、一触即発になっても良いように。それは彼女が望む結果ではなく、物別れに終わらせるかもしれない。
(「しかし流石にみんなヒートアップしているな。無理もない。復讐者は成り立ちからしてそういうものなのだろうからな)
 運命はその事を思って苦笑した。
 本来であれば、普通のディアボロスであれば、あの列の中に入って怒号を上げるのが正しいのだろう。
(「そういう意味では俺の様なタイプは少数派ではあるのだろうな。まあ復讐者の多くが感情を糧にして戦っている以上、感情を排して思考する役回りは必要だ。でも……困った事にはらわたが煮えくり返っていても頭の芯が冷静なままの俺には、皆の様に感情を押し出して戦う様な戦い方は向いていないからなあ……」)
 何処かで嫌われてしまうのかもしれないな。
 彼女に、他の誰かに。
 でも自分はこうやって援護する、最悪を避けるためだけに、無意味かもしれない努力を積み上げるのが自分なのだ。だってこれ以上誰かが啼く方が、もっと最悪の方向に転がる方が耐えられないのだから。
(「……まあ、だから俺の宿敵は嫉妬団なのだろうが……今は一里塚さんが宿縁を何とかするのが肝要か。頑張れよ」)
 現状を良くする者を支え、悪くはさせない者。
 それが運命の本質であり、軍師という存在の在り方だった。
 だからこそ現状を良くする者を恨み、現状を悪化させる者を許さないのもまた運命であった。

 それが運命の決断である。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!

一里塚・燐寧
先生はクロノス級に殺されたわけじゃない
あたしの心を取り戻すために、自分の意志で命を捨てた
無関係な悪魔を倒しても生き返らないんだ
それでも、一瞬だとしても
初恋の恩師と言葉を交わせる、奇蹟はあるのかな

先生の妖刀は≪追憶と別離の剣≫として今ここにある
命を犠牲に復讐者の力を託す絶技のトリガー
あたしが最初に使った武器
鎖鋸使いになって以来抜かずの刀を手に取り、繋がりを呼び起こすね

大好きな先生には、あたしのために死んでほしくなかったよ
ぶっちゃけ何で蘇らせたんだーっておかんむりなの
でも蘇れなかったら、今この瞬間もないよね
あたしは今がすっごい好きで、だから……

──ありがとう、先生
言えなかったこと、やっと言えたよ



「そうだよ……。先生はずっと子供たちの為に何かがしたかったんだ」
 泣きたいのに泣けない子供が言葉を思い出した。
 自分が子供であったこと、大切な人がずっと守ってくれたことを思い出した。
 そして大切な人の最後がどうであったかを、その生き様を思い出した。
「先生はクロノス級に殺されたわけじゃない。あたしの心を取り戻すために、自分の意志で命を捨てた」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は放置された死体を抱きしめながら呟いた。
 死体は死体であり、強張り始めており……少しずつ冷たくなっている。
 でもどうしてだろう、不思議と温かい気がした。きっと死体を回収した時に、状態を保存しただけなのだろう。
「無関係な悪魔を倒しても生き返らないんだ……。だけど、だけど、だけ……!?」
 溢れる怒りのまま、燐寧は力を振おうとした。
 もうこの死体をこれ以上に冒涜されないよう、自分が吸収してしまおうかと思った。
 しかし、その時……死体の腕が確かに動いた。
「嘘っ!? 先生、生きて……」
『そんなはずないわよー。死後硬直というやつね~。先生が状態維持を止めたからだと思うわー』
 燐寧はビフロンスの言葉など聞こえて居なかった。
 一瞬だけ、僅か一瞬だけ。
 魂の苦痛とか、地獄とか、天国とか、生まれ変わりとかを無視して……。
 一瞬だけ自分の為に舞い戻って来てくれたような気がしたからだ! あるいは単純に……この体には魂の一部が残っていたのかもしれない。あるいは、ビフロンスが取り込んだ精神や心の中に魂が残っていたのかもしれない!
「だとしても!」
「だとしたら!」
 燐寧はずっと使わなかった刀を手に取った!
 躊躇なく、自分が自分の為の武器を手に入れてからは、ずっと抜かなかった刀を手に取った!
 暴力ではなく、心と共に輝きが周囲を満たす!
「……だからこそ!」
 燐寧は命を犠牲にディアボロスとしての力を託す絶技を用いた。
 代償は呪われた刀に詰まった力、過去の思い出、後悔、消えゆくこの世界に詰まった何もかも。
 大切な思い出が無くなれば、もしかしたら、自分にはこの先、ずっと何かをしようと思う衝動が無くなるのかもしれない。

 だが、そんなことは知った事かと嘯いて……。
 ハッピーエンドを取り戻すために抜かずの刀を手に取り、繋がりを呼び起こす!
「あら。先生言わなかったかしら~。泣いてたらメーですよ」
 死体が動いたような気がする。
 何かを喋って居るような気がする。
 もしかしたら全部妄想なのかもしれないけれど、今なら何かを伝えられるような気がする!
 今なら嘘を、本当にできるような気がする!
「大好きな先生には、あたしのために死んでほしくなかったよ。ぶっちゃけ何で蘇らせたんだーっておかんむりなの」
 言葉が怒涛のように出て来る。
 その言葉を否定も肯定もしない。
 まるで反応がないのは屍だからだろう。死体だから当然の事だ。
 しかしその言葉を、行為を、やりたいことを認めてもらったような気がした。
「でも蘇れなかったら、今この瞬間もないよね。あたしは今がすっごい好きで、だから……」
「そう? 頑張ったのね」
 頭ので手が撫でてくれているような気がする。
 もしかしたら本当かもしれないし、妄想から来る勘違いかもしれない。
「──ありがとう、先生。言えなかったこと、やっと言えたよ」
 どういたしまして……なんて答える筈がない。
 命が無駄にならずに良かったというはずもない。
 だから……。
「幸せになるのよ~」
「うん。幸せになるよぉ! 先生も、幸せにね! 今度は、あたしが先生の代わりに頑張るから!」
 そこまで口にして燐寧は否定した。
 思いはそのままに、言葉尻だけを否定した。
 だって……。
「ううん。あたし『達』が。あたし『達』で頑張るから! 先生はずっと見ててね」
 そして時間が定刻通りに動き出す。
 止まっていた時と、思いを乗せて!
 後はあいつを、ビフロンスを名乗る悪魔を倒せば元通りだ!!
 怨念をすべて昇華して、未来へと送り出そう。
 そして未来に先回りして、迎えてあげよう。そこで出逢うか、共にあるかは別にして。

 さあ、明日への一歩を踏み出そう!!
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!

瀧夜盛・五月姫
クロノヴェーダ。貴女、姫の“親友”、傷つけた。
姫の、……掛け替えのない人、その歴史、穢した。
そして、もう一つ。燐さんの大切な、“先生”、死を発き、辱めた。

――黄泉比良坂。
死者とて生者と、再び逢わんと願う、だろう。
だけど往々に、死、塗れた、今の姿、見られたくない、モノ。
この再会は、“先生”が望んでいた、形、だろうか。
否、こんな不幸で不都合な、邂逅。あっていいはずが、ない。

許さない、緩さない、赦してなるものか。
言葉、交わしたことも、交わせることも、ない。
だけど、燐さんが大好きだった“恩師”なら、きっと姫も、好きになった優しい“先生”だろう。

燐さんと“先生”の為。クロノヴェーダとの“縁”、断つ、よ。



「クロノヴェーダ。貴女、姫の"親友"、傷つけた」
 暗い目で瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)は敵を見た。
 もはや此処に至って、敵の名前だとかクロノヴェーダとしての階級などどうでも良い。
「姫の、……掛け替えのない人、その歴史、穢した。そして、もう一つ。燐さんの大切な、"先生"、死を発き、辱めた」
 ……黄泉比良坂。
 その坂を下り、黄泉の国へ赴いたイザナギ。
 彼が最愛の妻に出逢って、何を為したか、何を為されたか。
「死者とて生者と、再び逢わんと願う、だろう。だけど往々に、死、塗れた、今の姿、見られたくない、モノ。この再会は、"先生"が望んでいた、形、だろうか」
 そんな筈はない。
 かけていく体をリアライズペインターの力で補って、無理やり形状を為していた。
 それをいきなり開放して、目の前に突き付けられて……。
 その原因は、守られていた自分たちなのだ。良く正気を保てていたと思う。
「否、こんな不幸で不都合な、邂逅。あっていいはずが、ない」
「許さない、緩さない、赦してなるものか」
「言葉、交わしたことも、交わせることも、ない」
 そこで初めて、死体を凝視した。
 不思議と臓腑が煮えくり返り、あるいは底冷えし、ひっくり返りそうになった。
 もし、もしの話だ。もし大切な友人が『一番大切なユジンをこっちの人にするねぇ』なんて言ったら耐えられるだろうか? 大切なモノがドンドン欠けて行く日々にようやく終わりが来て、耐性が付くよりも先にまた大切な物が出来たのだ。
「だけど、燐さんが大好きだった"恩師"なら、きっと姫も、好きになった優しい"先生"だろう。燐さんと"先生"の為。クロノヴェーダとの"縁"、断つ、よ」
 でも姫は決断した。
 大切な友人が大切にしていた人を取り戻すために決断した。
 大切な友人はきっとそれを望んでいるから。
『そうなの? じゃあ仕方ないわね。他に聞きたい事も無いようだし、調査でき事も無いようだから始めましょうか』
 ビフロンスはため息をつくかのようにして、ここで体の輪郭を濃くした。
 緩慢だった動きは鋭くなり、不可思議な色彩は濃くなっていく。
『残念だけど、最後の授業を始めましょうか~』
「違うよ。それは違うよ」
 過去のしがらみに憑く絶望を断ち切り……。
 さあ、明日への一歩を踏み出そう!
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【隔離眼】LV1が発生!

一ノ瀬・綾音
……なんというものを見せてくれたんだ。
これほどまで吐き気がするのは初めてだ。
あぁーー容赦はいらない。慈悲もいらない。闇に堕ちよ、この心ーーネメシス解放だ。

悪夢めいた怪物?それは貴様のことだ。
トラウマ?それは貴様の在り方そのものだ。

今の私に慈悲があると思うな。
焼き尽くせーーレーヴァテイン・零式。
もはやこの場が炎に包まれるようが関係ない、今の私には貴様を滅ぼす、その一心しかないーー!(膨大な殺気を振り撒き)

ダメージを受けるのも気にせず前衛でレーヴァテイン零式で攻撃していくぞ。

本来ならここで処刑するところだが、此度の処刑人には彼女が相応しい。
ーー行け。殺せ。貴様の、吐き気を催す邪悪を!


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します

人の心を踏み躙るってことに関しては天才ね!
残念なのはそれがどういう影響を及ぼすか、わかってないって所よ!

(ネメシス化により、四肢に赤い呪紋が浮かび翼も刺々しく変化する。
怒りは、ソラに好戦的な笑みを浮かべさせた)

【高速詠唱】で【情熱と氷結の清洌旋風!】を【全力魔法】で撃ち込み、凍らせてやるんだから!
皆が確実に決めるためにもね!

敵の攻撃はレゾネイト(マイク兼杖)から【勝利の凱歌】を歌ってかき消すわ!
ま、あんなもの見せられた後じゃ効果も薄いわよ!

此処がアナタのラストステージ!
だけどアナタの幕を下ろすのはアタシじゃないわ!
さあ燐寧! 思いっきりやっちゃって!


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトact1
 周囲から色彩が吸い上げられ暗転した世界の中で、極色彩の翼が輝いている。
 絵筆の周囲には『先生』を模した姿が描かれ、そして攻撃端末であろうか先ほど倒した『子供たち』に似た姿が描き出されている。
『残念だけど、これが最後の授業になるみたいですねぇ』
『アハハハ』
『ウフフフ』
 天空から口も開かないのにビフロンスの声が聞こえる。
 端末である子供たちの姿ではなく、翼や絵筆から笑い声が聞こえる。
 その姿に意味はなく、注意を引き付けると同時に、動きをイメージし易くする為だけに再現したのだろう。そこに有ったのは……ただの効率だけである。
「……なんというものを見せてくれたんだ」
 一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)は溜息を切り捨てた。
 無理やり止めた呼吸が胸に痛い。
 だけれど気にならないほどに心が燃えていた。
「これほどまで吐き気がするのは初めてだ」
「人の心を踏み躙るってことに関しては天才ね!」
 綾音の言葉にソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が同意する。
 許せない敵というのは一定数存在する。
 そもそもクロノヴェーダである以上は許せないのがディアボロスであるが、こいつはその中でも相当なものだ。
「残念なのはそれがどういう影響を及ぼすか、わかってないって所よ!」
 外道という言葉がある。
 道を外れるという意味は正しくないという事を挿すが、単純に悪を思考するより余程たちが悪い相手の事を告げる言葉である。外道ビフロンスに大して告げる言葉は、少なくとも『今後ともよろしくね』では無い事は確かであろう。
「あぁーー容赦はいらない。慈悲もいらない。闇に堕ちよ、この心ーーネメシス解放だ」
 綾音の周囲からは黒き炎で彩られ、力を籠めた部分からは紫色の獄炎が灯る。
 人であれば握った拳に宿り、竜へと転じれば吐息はあらゆるものを焦がすであろう。
「遠慮は不要って訳よね!」
 ソラもまた己の姿を変じた。
 四肢に赤い呪紋が浮かび、翼もまたトゲトゲしい物に変化する。
 普段は浮かべない様な好戦的な笑みを浮かべて今にも襲い掛かってやろうと身構えていた。
『悪意に満ちた顔というのかしら~。ネメシスっていうとアレよね。復讐……ああ、そうか。そうね。貴方たちはトラウマ対象への『怒り』を根源にしているのね。あれ、でも確か正しくは復讐でなく義憤を司る……そうか、先生判っちゃった。貴方達はみんなの怒りを吸収しているのね!』
 帰って来たのは何処までも能天気な答えである。
 その言葉はディアボロスを客観的に捉えている様であるが、どこか外れた調子だ。
「悪意めいた? それは貴様のことだ」
「トラウマ? それは貴様の在り方そのものだ」
「今の私に慈悲があると思うな」
 綾音は面差しを下に向けていたが、首をもたげながら天を睨んだ。
 天から色を奪い、空を埋める極色彩の翼を許さぬと睨みつける。
 敵を見つけたか、敵として認めたか。しからば吠えよ、天に唾するとも己の怒りに蓋をするなと吠え猛る!
「焼き尽くせーーレーヴァテイン・零式」
 綾音はこの戦場が怒鳴っても構わぬとばかりに炎を振りまいた。
 黒炎は破壊をもたらすために紫の獄炎へと移り変わっていく。
 しかして葬るのでは生温い、この世から消滅させる為にこそ。天に向ければ空を焦がせ、大地に向ければことごとくを焼き尽くせ。心の闇で染め上げ死と絶望で埋め尽くすために紫の炎が振るわれたのだ。
「もはやこの場が炎に包まれるようが関係ない、今の私には貴様を滅ぼす、その一心しかないーー!」
 現れよ炎の翼。炎の爪。灼熱の吐息。
 人の形をした竜、あるいは不死鳥。立ち塞がる全てを薙ぎ原いて……。

 そう思った時、あふれ出た焔は巻き上げられて天を目指す。
 真空断層が発生し、地上を焼くはずの炎が全て天空を目指したのだ。
「こーら綾音! アタシが高速詠唱使えなかったらどうする気なのよ! でも、もっとアツく行くためにアナタの熱も頂いちゃうわ! クールにもなれて一石二鳥よね!」
 ソラが放つ水の魔力と風の魔力が周辺の魔力を吸い上げながらビフロンスを目指す。
 本来は敵が持つ攻撃や防御壁を削りとり、利用するための物だ。
 だがこの時ばかりは溢れ出た炎を吸収することで、味方が全力を出せるように調整したのである。面倒見の良さは流石であり、伊達に仲間内で年上に見られる訳ではなかった。
『合体技というやつかーしらー。じゃあこっちも合わせていくわね~』
 これに対してビフロンスは子供たちを模した画像を突撃させた。
 三頭身で描かれた……まるで人形めいた図案。赤と黒のツートンカラーで描かれたカラフルな色彩が降り注ぐ。
「ま、あんなもの見せられた後じゃ効果も薄いわよ! 此処がアナタのラストステージ!」
 紫の獄炎を青緑の風が助長して天を焦がし、これに対して降り注ぐ赤と黒の子供はまるで血の雨であった。
 これぞまさしく地獄絵図。血河山屍の絵巻が拓かれようとしていたのである。
「だけどアナタの幕を下ろすのはアタシ達じゃないわ!」
「本来ならここで処刑するところだが、此度の処刑人には彼女が相応しい」
 ソラと綾音は敵ではなく友人に向けて手を伸ばした。
「ーー行け。殺せ。貴様の、吐き気を催す邪悪を!」
「さあ燐寧! 思いっきりやっちゃって!」
 手と手で繋ぐ回廊、その先はきっと未来へ続いている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV2になった!

ニア・マシュマリー
りんねの苦しみ……。悲しみをニアはわかってあげられない……。言葉じゃうまく……。伝えられない……。
だから……。一緒に戦うこと……。ニアにできることで……。りんねを支えてあげたい……。
これからもりんねが……。明日に向かって歩けるように……。

闇のもやを展開して……。赤い手のおともだち……。呼ぶ……。
今日は……。あの敵の動きを鈍らせるように槍で攻撃したり……。がしっと掴んだりして動きの邪魔をしてほしいの……。
真っ赤に染めるのは……。ニア達よりふさわしい人がいるから……。ね……。

ニアの怒りも……。託すから……。
だから……。あとは思いっきり暴れてね……。りんね……。

(アドリブ・絡み歓迎)


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

私には燐寧さんの苦しみを、きっと理解することは出来ない。
慰めにもならない余計な言葉はかけず
彼女がありったけをぶつけられるように
道を斬り拓くとしましょう。

怒りを押し留め前へ
《撫で摩る切先》、その夥しい数の剣刃を煌めかせ、ビフロンスが描き出す悪夢の絵を片端から斬り捨て
繰り出してくる全ての手札を叩き潰し真っ直ぐに追い詰めていく
自身の負傷など厭わず剣刃を振るい攻め続け強引に隙を作り、最後の一撃を待つ

その虫唾の走る、悪辣な行いはもう十分見せてもらった。
ただただ、報いを受けるが良いわ。


神田川・憐音
そっか。辛い過去は消える訳じゃない。今だって痛みはきっと消えはしない
でももう孤独じゃないから。苦しみにも堪えられる
燐寧は「強くなった」んだね
いいんじゃない? 誰かのために生きれば、いつか自分も愛せるさってやつ。

でもそれは多分お互いさまでしょ。燐寧が仲間の為に強くなったのなら、此処に居る皆だって燐寧から何か貰ってるってコト。
歪められた過去への皆の怒りは燐寧を守りたい気持ちの裏返しだしね
それ感じられたら、あたし自身のも含めてソイツを曲に乗せて叩き付けてやる
怒りと破壊の英雄の幻影を生み出す楽曲。つまりチェーンソーザウルスの幻影が先生を砕くでしょ

つまり鎖鋸獣での攻撃さえ前振りで、最後は二人で、でしょ?


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトact2
 周囲から色彩が吸い上げられ暗転したかのような世界の中で、極色彩の翼が輝いている。
『風景画がねぇ、先生の専門だったんですよぉ~』
 まるで天が落ちて来るような光景に、ディアボロス達は抗った。
「りんねの苦しみ……。悲しみをニアはわかってあげられない……。言葉じゃうまく……。伝えられない……」
「私には……私たちには燐寧さんの苦しみを、きっと理解することは出来ない」
 ニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)とアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は空を見据えた。
 極色彩の翼と絵筆、そして歪な子供たちの姿を模した攻撃端末。
 悪夢のような光景に二人は槍を構えた。ヤヌス・ビフロンスは始まりの門を象徴するが、それに交差する槍で蓋をしようとするかのようだ。
「だから……。一緒に戦うこと……。ニアにできることで……。りんねを支えてあげたい……。これからもりんねが……。明日に向かって歩けるように……」
 ニアが手にした赤い槍を落すと、足元から闇が広がっていく。
 その闇から無数の赤い手が湧き出て来たが、その手には先ほどニアが手にしていたのと同じ赤い槍を持つ。
「……」
 訥々としゃべり続ける彼女と違い、アイネリスは友人に対して掛けるべき言葉を持たなかった。
 慰めになるだろうか? 否。
 可能だったとして、舐め合って立ち止まる事を良しとするだろうか? 否。
「彼女がありったけをぶつけられるように道を斬り拓くとしましょう」
 アイネリスは黒鉄の槍を錫杖の様に地面に打ち付けた。
 さすれば無数の剣刃が生じ、それぞれ剣風が取り巻いて敵を切裂く。
「そっか。辛い過去は消える訳じゃない。今だって痛みはきっと消えはしない」
 そんな中で神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)は友人の苦悩、仲間たちの苦悩を理解した。
 感情の目方は増えたり減ったりはしない。
 辛さは辛さとして残り、ただ他の記憶に埋もれたり上積みされて耐えられるようになるだけだ。
「でももう孤独じゃないから。苦しみにも堪えられる。燐寧は『強くなった』んだね。いいんじゃない? 誰かのために生きれば、いつか自分も愛せるさってやつ」
 つらさの目方は減らずとも、成長する事で限界を越えられる。
 昨日までの限界を超え、新しい限界から見れば、過去一番の辛い記憶はそれこそ過去へと押し流されるのだ。
「でもそれは多分お互いさまでしょ。燐寧が仲間の為に強くなったのなら、此処に居る皆だって燐寧から何か貰ってるってコト」
 憐音が手の取るのはギターだ。
 戦うための武器ではないが、彼女によっては武器だ。
 何より、仲間たちが居るならばこれ以上ない武器となる。
『いっきまーす。先生、偶には凄いんですよー?』
「来るよ……今日は……。あの敵の動きを鈍らせるように槍で攻撃したり……。がしっと掴んだりして動きの邪魔をしてほしいの……」
 天から絵筆が槍の様に降り注ぎ、ニアはそれを押し留め……それどころか足止めするために赤い手に頼んだ。
 赤い槍がソレを砕き、即座に再生する槍を幾多の槍が縫い留めていく。
『あらら。お友達たくさんなのねえ。じゃあ先生も生徒の皆を呼ぶわー』
「邪魔よ。靡いて、斬り裂け」
 アイネリスは子供の形をした爆弾を切裂いていく。
 黒鉄の槍を指揮杖の様に振うと、剣刃が風を宿して切り裂いていった。
 戦いに子供を巻き込むのは確かに悪夢だろう。しかしそんな苦しみなどは既に乗り越えている。いや、愛し合う人、手を取り合う仲間が居れば耐えられる。数多くのディアボロスが居れば、そんな残酷な未来すら起こさないように出来るだろうと確信していた。
「そ……、これはあくまで偽りの光景。無かったことに出来る悪い思い出。……歪められた過去への皆の怒りは燐寧を守りたい気持ちの裏返しだしね」
 仲間たちが紡ぐ言葉を汲み取り、迸る思いを感じ取り。
 憐音はただビートを刻んだ。ギターが奏でる音で仲間たちの心を表現していく。
「その虫唾の走る、悪辣な行いはもう十分見せてもらった。ただただ、報いを受けるが良いわ」
「真っ赤に染めるのは……。ニア達よりふさわしい人がいるから……。ね……」
 ニアとアイネリスの言葉は友人の元へ。
 手を伸ばし、繋ぎ続けて作るチャンスが敵の妨害を砕いていく。
「さあ! せっかくだから未来を予言しようか。違ったら、未来は書き換わったって事でヨロシク!」
 憐音は音楽に載せて仲間たちが思い描く姿を紡ぎあげた。
 友人が持つ怒りの姿、暴虐に暴虐で対抗する荒ぶる姿。
 すなわち、それがチェーンソーザウルスの幻影である!
 さっきまでのシリアスどこ行った? いいや、これもまた未来を良い方向に改変する力なのだ(多分)。
「つまり鎖鋸獣での攻撃さえ前振りで、最後は二人で、でしょ?」
 ただ暴れるだけの力は置いて行け。
 憐音は溜まった鬱憤をここで晴らすべく、怒りの象徴を此処で使い切る事にしたのだ。
 もちろんノリに乗って本当にザウルスが暴れたってかまわないのだが。

 さて生徒諸君! みんなで一緒に明日を作ろうじゃないか!
 まずは友人がちゃんと存分戦えるように、その生涯を叩き潰す未来を掴みに挑んだのだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
【プラチナチケット】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV6になった!
【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!

メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連駅大歓迎

燐寧ちゃんの先生の"死"すらも奪い続けていたビフロンス……遺言はそれでOKね?
傍から見れば完全に目が笑ってないかもね私…。

マジギレしてる様子のジェストと一体化してネメシスモードへ移行。
使う武器は燐寧ちゃんに合わせて鋸刃閃機アーチクリーヴァーを。

太陽を背にするように【飛翔】し、燐寧ちゃんのトドメに繋ぐ天からの一撃(レッキング・メテオドライヴ)で具現化した絵画の化け物ごと奇襲・両断するわ。
私の役目は未来へ繋ぐ事。最期の引き金は燐寧ちゃん、貴女に!


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
※ネメシス形態使用

ここまで人の神経を逆撫でにしますか。
まぁ、死者への冒涜自体許し難いですが。
冒涜された死者達とその仲間達の無念はここで晴らします。
貴方はここで消えなさい。

基本的には、距離を取り『聖槍』で射撃戦、敵の足止めと前衛の援護に努めます。射撃は味方に誤射せぬよう注意。

敵の攻撃は、空間を利用した精神攻撃ですか。
人生の中で、不安や後悔なんていくらでもあります。
それらを乗り越えて行くからこそ、明日があるのです。そんな幻に、挫けるものですか。

これは死者への鎮魂の祈り、死者を踏み躙る悪魔への裁き。
この光が『先生』に届きますよう……。
燐寧さん、貴方の想い、全てぶつけていきなさい。


雅諒院・基経
…そうやって、姿を映しとっていたのか…悪趣味の極みだな。
外見と性格を写し取ろうとも、汝の腹の底にある汚らしい悪魔は変わらんよ。

…なるほど、手加減がいらぬ相手というのはかえって都合がいいものだ。
だが、皆々熱くなりすぎないようにな、怒りは動きを鈍らせる。
…彼女は、素敵な女性だったのだろうね、そんな気がするよ。

…あくまで冷静に、この戯け者を叩きのめすとしよう。
とはいえ、けじめは彼女やその友達が付けるだろう、僕(やつがれ)は支援に徹することにしようかな。

さぁ、神通力を見せようか…!さぁその絵の具ごと吹き飛ばしてくれようぞ!!


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトact3
 星すら見えない漆黒の空。
 夜にはまだ時間があるというのに、太陽も月も星も未来を見通せなかった。
 だがディアボロスはそんな暗闇の中で未来を掴む。
『みなさーん。もっと先生に教えてくださいね。その力を解析して、解明して、そのうち再現しちゃいますから』
 響き渡るビフロンスの声は先生の姿から、子供の姿から、極色彩の翼から。
 いいや、世界のすべてから聞こえて来るかのようだった。
「燐寧ちゃんの先生の"死"すらも奪い続けていたビフロンス……遺言はそれでOKね?」
 メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は笑顔のまま目が座っていた。
 もしかしなくても、微笑んでいる様には見えない。
「ここまで人の神経を逆撫でにしますか。まぁ、死者への冒涜自体許し難いですが」
「……そうやって、姿を映しとっていたのか……悪趣味の極みだな。それも力と思想をコピーするためだけに」
 フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)と雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)は嫌悪感を隠しきれなかった。
 攻撃端末が子供の姿をしているのも、大本である先生の姿もまた効率が良いからだ。
 こちらを苦しめようとして使っているのではなく、ただ効率が良いから使っているに過ぎない。
「外見と性格を写し取ろうとも、汝の腹の底にある汚らしい悪魔は変わらんよ。……なるほど、手加減がいらぬ相手というのはかえって都合がいいものだ」
 もはや基経に女性の姿をした相手や、子供の姿をした相手を倒すことに迷いはなかった。
 だが、皆々熱くなりすぎないように心がける。怒りは動きを鈍らせる。
 だから可能な限り怒りを鎮めて戦おうとするのだ。何よりこの怒りは彼自身のための怒りではないのだから。
「……あくまで冷静に、この戯け者を叩きのめすとしよう」
「私はそろそろ限界だけどね……。でもこれが燐寧ちゃんの戦いであるなら。これを使わせてもらうわ!」
 あくまで冷静に勤めようとする基経に対し、メルキディアは怒れるミニドラのジェストと一体化してネメシスモードへ移行する。
 そして手にする獲物はチェンソーの力を宿した機構兵器だ。
 まずは敵よりも遥か上へ飛び、闇色の空を抜けて太陽の方角へと昇って行った。
「援護するとしようか。神通力に寄りて! さぁその絵の具ごと吹き飛ばしてくれようぞ!!」
「そうですね。こちらも参ります! 冒涜された死者達とその仲間達の無念はここで晴らします。貴方はここで消えなさい」
 基経は羽扇を構え、フィーナは両手に集めた光を槍に変えて解き放った。
 対する敵は子供たちの絵が車に跳ねられたように砕け、血の海となって滝の様に降り注ぎ始めたのだ。
「敵の攻撃は、空間を利用した精神攻撃ですか。人生の中で、不安や後悔なんていくらでもあります。それらを乗り越えて行くからこそ、明日があるのです。そんな幻に、挫けるものですか」
 子供の画像が砕ける様は痛ましい。
 トラックに跳ねられたらそれは即死であろうし、手が届きそうで届かなければ後悔するかもしれない。
 しかしこれは偽りの光景。そして同じように手を伸ばし、届いた時も届かなかった時あるのだ。偽りでくじけてなどは居られないとフィーナは目を見開いた!
「これは死者への鎮魂の祈り、死者を踏み躙る悪魔への裁き。手を繋いだ過去へと送る未来からの一撃!」
 フィーナは血の海を越えて光の槍を放った。
 その輝きは赤を吸い込み、橙色に染まって敵を貫く!
「吹けよ風! 轟け嵐! 僧正坊より授かりし天狗の風を見るが良い!」
 ここで基経は大いなる風を吹かせ、山の緑を思い起こしながら烈風を吹かせた。
 それは橙色と化した槍と共に血の海を打ち砕く!
「「今だ(です)!」」
「その悪意に! 天辺に、彗星の如く叩き込むッ!」
 メルキディアは落下速度だけではなく、チェンソーに付属するブースターを吹かせながら降下していく。
 色彩を吸われて闇色の空は、むしろ極色彩の敵の羽を浮き彫りにしていた。
 再生中の絵筆を目指し、途中で迎撃する子供の幻影ごと切り裂いて行ったのだ!
「……彼女は、素敵な女性だったのだろうね、そんな気がするよ。これはそれを取り戻す戦でもある」
「そうですね。この光が『先生』に届きますよう……。燐寧さん、貴方の想い、全てぶつけていきなさい」
「私たちの役目は未来へ繋ぐ事。最期の引き金は燐寧ちゃん、貴女に!」
 基経が、フィーナが、メルキディアが思いを束ねて敵を切り裂いた!
 そしてその思いを友人へと託し、敵だけではなく道そのものを切り拓いたのである!!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【クリーニング】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

エレナ・バークリー
さすがに冒瀆者の所業ですね。しかも何が人の心を傷つけるのか分かっていない。
これは、生かしておいては駄目なモノです。必ずやこの場で討滅を!
皆が逸っている分、私は冷静に状況を把握します。

それでは始めましょう。
ビフロンスの周囲を「結界術」の八枚の石板で囲み、「捕縛」。地表を「爆破」して「火炎使い」で溶岩の噴出孔を作り『大地裂く地龍の爪牙』。逃がすことなく、焼き払いますよ。
私の瞋恚の炎だと思いなさい!

反撃はバックラーで受けて、即座に精霊剣で切り返します。
今更交わす言葉などありませんよ。

石板の囲いから出てきましたか。
このまま一閃してしまいたいところですが、あなたの処刑執行人は別にいますからね。
燐寧さん!


百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎

皆、俺とは違い感情のままに力をふるえているな。羨ましいものだ(苦笑)

さてしかし…これは宇宙人と話をしているようなものか(嘆息)…完全に思考回路が人間と別物。此方を怒らせる意図もなければ、皆の怒りも分析できても理解できてはいまい…

だが遺体を取り戻せたのは僥倖だ…おかげで「遠慮なく」攻撃できる。皆ネメシス化しているし、俺はフォローに回ろう

見えぬ物をも斬り祓う祓乃太刀。ビフロンスの様な幽霊じみた敵にはうってつけ。絵を悉く斬り払い、トラップ生成も使い敵攻撃を封じよう

それと一応ここは避難所。避難勧告の再発動もしておこう

他に警戒すべきは死体への憑依か?一里塚さんが対象にならなければいいが…


ノイン・クリーガー
嗚呼、こりゃあ何を言っても無駄だねぇ。
根本的に人間とは違いすぎる。
"怒るな、やり返せ"だ。

[行動]
正面から当たる者が多いな。
俺は奴を逃がさないように別の方向から仕掛ける。
遠ければG45Sによる銃撃で。
近ければカランビットで切り裂く。

そして隙を見せたらワイヤーショットで【捕縛】して動きを封じ、一理塚が攻撃するチャンスを作る。


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトact4
 黒天を彩る極彩の翼。
 散っては集い、集っては散る光の花がそこに有る。
 紫に青に緑に橙にと、ディアボロスたちの紡ぎ出す色彩が虹を築き始めたところで、ソレはふと興味を覚えた。
『さっきから託すとか貴女がとか言っているけれど……。燐寧ちゃんという事は貴方たちの指揮個体なの? それともトドメを刺すためのアタッカー・ユニットかしら?』
「なっ!」
 今更な話をさも不思議そうに尋ねるビフロンスの言葉に、ディアボロスたちの方が困惑する。
 今まで話を聞いていたのか? 過去に『先生』と出逢い、踏みにじられた思いをぶつけるために焦点となる友人に思いを託したのだ。
『だって燐寧ちゃんと言う個体は別に貴方達の上位個体でも無ければ、穢れを押し付けるような切り捨てる尻尾でもないでしょ? 先生、それが不思議なのよ。トドメを刺せるならば誰がやっても一緒なのだし』
「こいつ……」
 何の事情も寸借しない、ただの情報として列記するビフロンス。
 その視線は確かに平等かもしれないが、そこに思いというファクターを全く加えて居ないからとも言える。
「嗚呼、こりゃあ何を言っても無駄だねぇ」
「さすがに冒涜者の所業ですね。しかも何が人の心を傷つけるのか分かっていない」
 ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)とエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)はゲンナリした表情を浮かべた(ノインはガスマスクだが)。
 論点がまるで違い、こちらと向こうで勝ち雁がまるで異なっているのだ。
「こいつはアレだな。根本的に人間とは違い過ぎる」
「確かに……これは宇宙人と話をしているようなものか」
 ノインの言葉に百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)はテレビの宇宙人を思い出しため息を吐いた。
 特撮に出て来る宇宙人も、アニメに出て来る宇宙人も人間とは価値観がかけ離れていたのだ。
「……完全に思考回路が人間と別物。此方を怒らせる意図もなければ、皆の怒りも分析できても理解できてはいまい……」
 そういった創作物に出て来る宇宙人たちは、最初は人間と友好を結びたいというのだ。
 交渉には応じるし代価も素晴らしい事があるのだが、ニュアンスがまるで違うために大抵は大惨事となる。
 そして最後には『こんなはずじゃなかった』と人間が口にして、宇宙人は『訳が分からないよ』と返すまでが定番の流れであった。
(「だが遺体を取り戻せたのは僥倖だ……おかげで『遠慮なく』攻撃できる。皆ネメシス化しているし、俺はフォローに回るとするか」)
 これを言うと怒られそうだが……、運命はむしろやり易くなったと内心で胸をなでおろした。
 要救助対象の肉体を傷つけることを恐れ、戦いが進まないどころか追い込まれることもゼロではないのだ。そういう意味では死体から引き離す手間が省けたとすら言える。冷徹な立場で見ればどうしてもそうなるのだが、それを皆の前で口にしないだけの分別は備えていた。
「これは、生かしておいては駄目なモノです。必ずやこの場で討滅を!」
「怒るな、やり返せだ。攻撃自体は存分にすればいい」
 エレナは他の仲間に比べて冷静に成ろうとしているが、ノイン達に比べてまだまだ熱い。
 怒りに任せて突出しないだけで、心の中では猛っているのだ。
「正面から当たる者が多いな。俺らはフォローに回ろう」
「了解。皆、俺とは違い感情のままに力をふるえているな。羨ましいものだ」
 ノインは大人の観点からこの期に及んで敵が逃げないようにと回り込み、運命は熱く成れないからこそ援護に回る。
 本来であれば青年である運命も飛び出し換えない所だが、性格的に計算高く心が動き難いのが難点だと自覚している運命は、こんな時だけは利点だなと苦笑していた。

 そしてディアボロス達はそれぞれに総意を工夫して難敵に挑む。
「それでは始めましょう。終わりの始まりです」
 エレナが大地に精霊を呼ぶための小剣を突き刺すと、敵の周囲を分厚い石板で囲い始めた。
 八枚の板は現れるや、その内部に溶岩の噴出口が発生する。
「逃がすことなく、焼き払いますよ。私の瞋恚の炎だと思いなさい!」
『別に逃げたりはしないわよー。もうちょっとで貴方たちの事が理解できると思うわ~』
 かしガコンと音がしたかと思うと、石板と石板をこじ開けて絵筆が指先の用に突き出される。
 本来は一本であったはずのソレは、仲間たちの攻撃でへし折れて何本もあるかのように見えた。
「石板の囲いから出てきましたか。今更交わす言葉などありませんよ」
 エレナは籠手に付けた小さな盾で攻撃を受け流し、小剣で反撃を行う。
 その刃は小さくとも、無数の精霊が後押しして灼熱の剣を作り上げていた。
「いよいよ化け物じみて来たな。とはいえここで退くわけにもいかん」
 ノインは石板をこじ開けようとする絵筆を三日月形のナイフで弾き、中に向けてサブマシンガンを連射する。
 そして仲間が張り巡らせたトラップを見て……。
「借りるぞ?」
「どうぞどうぞ。元は足止めに配置した物だからね」
 ノインは運命が配置した粘着弾をワイヤーを使って巻き上げた。
 石板と石板をワイヤーで括り、巻き込んだソレで固定しようとしたのだ。
『駄目ですよー。先生たちはこんなんじゃへこたれたりしませんものー』
「兵士に重要な物を知っているか? そいつは奮起! 適応! 貫徹!」
 石板と石板の間から見えるは爛々と燃え、口は裂けて呑み込まんとしている。
 それでもノインは気にすることなく、ナイフで絵筆を弾きながら初志を貫徹しようとしている。
 兵隊にとってどんな状況でも、上から命じられるのは困難ばかりだ。ゆえに悪条件に奮起し、悪環境に適応し、最後まで作戦を貫徹するのであった。
「追加で火災注意発令~なんてね。流石にこんな状況に見に来る人はいないと思うけどさ」
 運命はもう一度避難勧告を行い、灼熱の窯と化したこの場から一般人を退ける。
 そして取り返した死体と……そして友人自身へと目を向けた。
「他に警戒すべきは死体への憑依か? 一里塚さんが対象にならなければいいが……。いや、それは心配する人が居るか」
 そういって運命は伝来の神刀を抜いた。
 最初の八つの方向に刃を向け、最後に上段へ。
 焔の中から湧き出て来る、人の形をしたナニカに向けて刃を振り下ろしたのである。
「乾・坤・震・巽・坎・離・艮・兌。我……八卦のモノより、離をまとう者なり」
 それは神刀の力を用いることで、人の技では無く神の技とする極意。
 そしてあらゆる形無き災いを退け、特に炎を用いて災厄を焼き払うのだと告げた。
 振り下ろす刃は仲間が放った炎を巻き込み、敵を切裂いたという。
「このまま一閃してしまいたいところですが、あなたの処刑執行人は別にいますからね。燐寧さん!」
「一里塚さん。ビフロンスの動きには注意を」
「ここまで来て逃がす訳にも、しでかす訳にもいかんからな」
 そう言って仲間たちは友人に手を伸ばし、その時を待った。
 それはそう遠くない事であろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【一刀両断】がLV3になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】がLV2になった!

アンゼリカ・レンブラント
分かったよ
お前たちがそういう相手だってことがよく分かった
うん、もう欲しがらない

返してほしいものは、お前たちから自分で勝ち取る
私よりもっと多くを失いながらも気高い
燐寧のようにだ!

引き続きネメシス状態で戦闘
体は熱くても頭は冷静に
連携を意識しパラドクスの攻撃を入れる

相手からの絵筆による反撃は光剣でいなし、
ダメージを受けても勇気を奮い立たせ動きを止めないよ
何か言われても「喋るなよ」とだけ小さく
話したいのはお前じゃない、潰す

敵の消耗に合わせ
やろう、シル
《天翼光輪舞》!
左右からの2人のコンビネーション斬撃で弱らせ
2つの収束砲を叩きこむ

ビフロンス、まだ自分は生きてるって?だろうね
真打ちはここから来るんだよ!


シル・ウィンディア
…さすがに、今回は冷静にはいられないから。
大切なお友達が泣いている
それだけで、理由は十分

ネメシスモード3解放…
黒髪赤目の堕天使モードで対峙します
口調も冷たく、冷徹に…

待たせたね。
…もう、あなたはしゃべらなくていいから。
頭は冷静に…

牽制?
そんなの必要ないでしょ。
最初から、全開で、「わたし」を出したことを後悔させてあげるから。
アンゼリカさん、いくよ、わたし達のコンビネーションを見せてあげよう

使うパラドクスは、天翼光輪舞。
生み出す光剣は闇色で、アンゼリカさんとコンビネーションを行いつつ、全力魔法で収束砲を撃ち放つよ

…最後の断罪は、ふさわしい人がするから
懺悔なさい、クロノヴェーダ


飛鳥・遊里
事ここに至って、俺からは何も言うことはない
あいつに対する怒りも、苦しみも、悲しみも、全部燐寧のもので、俺はそれを分かろうとなんてしちゃいけないからだ
それに…燐寧の傍にはもっと適任が居るしな

だから、俺のやることはいつもと変わらない
粛々と目の前のクロノヴェーダをぶっ飛ばすだけだ
燐寧が、思う存分悲しめるように、怒れるように

【ギガントマキア・オーバーパワー】起動…

さあ、鋼鉄の巨人がお相手だ。俺は敵をぶっ飛ばすことだけを考えてればいい。拳でぶん殴りながら、前へ、前へ。みんなの盾になりながら、ひたすら前へ。そうだ、俺たちは足を止めるわけにはいかない。何があってもただひたすら進み続けるしかないんだから


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトact5
 漆黒の空の元、二つの翼が相対する。
 一つは極色彩の翼、墓を冒涜するものビフロンス。
 一つは無数の力を束ねて戦う、ディアボロスの仲間達だ。
「分かったよ」
 少女は啼いていた。
 大切な友人を泣かせてしまった我が身の不甲斐なさに啼いていた。
 啼くという言葉を、怒ると言い換えても通じるだろう。
「お前たちがそういう相手だってことがよく分かった。うん、もう欲しがらない」
「返してほしいものは、お前たちから自分で勝ち取る」
「私よりもっと多くを失いながらも気高い燐寧のようにだ!」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は咆哮した。
 誰よりも幼い姿でありながら、その怒りは天にも及ぼう。
「迷惑かけちゃうかも……さすがに、今回は冷静にはいられないから」
「いいさ。事ここに至って、俺からは何も言うことはない」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)と飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は一瞬だけ見つめ合った。
 それだけで通じる。何もかもとはいかないが……いずれそうなれば良いねと苦い笑いを浮かべ合う。
(「あいつに対する怒りも、苦しみも、悲しみも、全部燐寧のもので、俺はそれを分かろうとなんてしちゃいけないからだ」)
(「大切なお友達が泣いている。それだけで、理由は十分」)
 遊里は友人の感情を理解することを止め、ただ力に成るべく黙って行動する。
 シルは友人の道を切り拓く為に、ただの暴力装置であろうと黙って戦に臨んだ。
 言葉にはせずとも、そのくらいはお互いに判り合っていた。
(「それに……燐寧の傍にはもっと適任が居るしな」)
 だから、俺のやることはいつもと変わらない。
 遊里は己がすべきことは二つだけだと悟っていた。
 一つは友人の為に戦う事、もう一つは恋人が暴走しそうになった時、ひっぱたいてでも止める事だ。自分が居ればこそ、彼女は最後まで暴走しかねない力を友人の為に振るう事が出来る。
「待たせたね」
 シルは全力を解放し、黒髪赤目の堕天使としての姿を現した。
 口調もいつもの楽しげなものではなく、冷たく冷徹に響いている。
「体は熱くても……」
「……頭は冷静に」
 アンゼリカの言葉をシルが引く継いだ。
 光り輝く天使と、黒く闇をまとう堕天使は対極に居る。
 しかしこれは力の使いよう、安定と特化と言う差はあれど思い合う友人としての意味合いは変わらない。まして遊里が暴走しないように見守っているのだから。

 睨みつけるその場所では、石板の封印に押さえつけられたまま……。
 ドロドロに溶けた人の姿の周囲に、極色彩の翼だけが歪に輝いている。
『もういいかしら~』
 そして皆の準備が整った辺りで、石板による封印が弾けて飛んだ。
 その力の象徴である絵筆が再生された時……。
「喋るなよ。話したいのはお前じゃない、潰す」
「……もう、あなたはしゃべらなくていいから」
 アンゼリカとシルは交差しながら空を翔けた。
 翼が羽ばたくたびに、光の羽と黒の羽が周辺に散って魔力となる。
 いわゆる『X』の文字を描きながら交差し、敵を光の剣で切り裂いていく。
『あら。いきなり全力なの? じゃあこっちもお相手してあげないと……』
「牽制? そんなの必要ないでしょ。アンゼリカさん、いくよ、わたし達のコンビネーションを見せてあげよう」
 最初から、全開で、『わたし』を出したことを後悔させてあげるから。
 そういってシルは斬撃を浴びせながら魔力を集中させていった。
 絵筆の先に輝く極色彩の剣を弾いた後、六つの精霊を集めていく。
「やろう、シル。わたし達の切り札を、コンビネーションを見せる時だね……」
 アンゼリカもまた反対側で光の剣を振い、邪悪なるものを吹き飛ばす力を集めていく。
 周辺に魔力の壁が作り上げられ、刃が消えるのと同時に魔力が一点に集うのが判った。
 まるで弓を弾き絞る様に、全魔力が一点に集中して放たれていく!
「「天翼光輪舞!!」」
 全身全霊の魔力を、力を貸してくれる精霊たちの力を一点に集める魔力砲撃。
 それを二門束ね、両サイドから砲撃する全力攻撃による挟撃だ。
 そこに……。
「俺たちは粛々と目の前のクロノヴェーダをぶっ飛ばすだけだ。燐寧が、思う存分悲しめるように、怒れるように。……ギガントマキア・オーバーパワー起動……」
 遊里は大型バイクを可変させた装甲を軸に、異次元に格納した追加パーツを呼び寄せる。
 作り上げたのは5Mものサイズの人型マシーン。
 その姿は……。
「さあ、鋼鉄の巨人がお相手だ」
 遊里はただ鋼のボディを持って仲間たちの壁に成りながら殴り続ける。
 本来であれば二人の攻撃の為の時間稼ぎをしたはずだった。
 しかし彼女たちが自分から果敢に攻撃したかったという事を止めたくはなかった。そして続く仲間たちがまだまだいる。であれば、それらを護ることで、心来啼く全力を振るえるようにしたのだ。
『先生からの忠告でーす。動きは止めちゃダメよ?』
「ワザと止めてるんだよ。俺ができるのはこのくらいだ。機械は……また直せばいいからな」
 ボンと音を立て、何かが突き刺された場所から爆発する。
 しかし受けたのは多少の衝撃だけ。
 力作が例え壊れる事があろうとも、恋人が傷つくよりは良い。
 共通する友人が傷つくよりは良いと、破壊に連なる修理を男は許容した。
「ビフロンス、まだ自分は生きてるって? だろうね。真打ちはここから来るんだよ!」
「当然だろ。ここで死なれちゃ俺も我慢した甲斐が無いってもんだ」
「……最後の断罪は、ふさわしい人がするから。懺悔なさい、クロノヴェーダ」
 三人もまた友人に向けて手を伸ばした。
 その手は友人に向いてはいるが、明日に、未来に手を伸ばしているという自覚が三人にはあったのだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【クリーニング】がLV3になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV4になった!

薬袋・明莉
アドリブ絡み歓迎
怒りが一周回って冷静になる、自分より滾ってる奴を見ると冷静になる、ってこういうこと言うんだろうな。

武器改造したGAクレヴェットで爆破特性の塗料弾をばらまき制圧射撃
ヒートアップ組をサポートするように動く

敵の攻撃は特殊な呼吸法で精神を落ち着かせ【未来予測】【神速反応】で回避しつつ一瞬の隙をついてダッシュで撹乱、先ほどの攻撃で塗っておいた塗料に点火。
赤い狂騒、その趣味の悪い絵ごと吹き飛ばす。

後は燐寧サン。あんたが前に進むためにも、バッチリこの因縁を叩き切ってくれ。それがきっと先生への弔いになるだろうから。


白水・蛍
アドリブ/連携○
ネメシス使用。

皆様の熱気が此処まで伝わってきますね。
良い事でもあります。強い感情は力を生む。
しかし、後ろを支える者も必要でしょう。
足元を支える人も必要ですから。足場も大事です。

ビフロンス。あなたは過去を見ている。そんな気がしますね。
誰かと歩む事を目的とせず、一人で只管に戻っているような。そんな気が。
しかし、我々は未来を見る。大切な人たちと共に未来を見る。
誉の歌を。共に見る未来への歌を。それを綴るのは私の役目。
我々は皆と共に未来を見ます。彼女は進みます。
彼女の師が願った通りかは分かりませんが、未来を進む事でしょう。
それを見守りましょう。


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトNo.6
 漆黒の空で、諸天を為すディアボロス達は戦い続ける。
 星さえ見えない空の中で、極色彩の悪夢に対して怒りを燃やす。
「皆様の熱気が此処まで伝わってきますね。良い事でもあります。強い感情は力を生む」
 白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は棚引く髪を手で押さえた。
 先ほどまでは気にならなかったのだが……。これは余裕だろうか、それとも何かしていないと気がすまなくなっているからだろうか?
「しかし、後ろを支える者も必要でしょう。足元を支える人も必要ですから。足場も大事です」
 そういって蛍は戦況を確認する。
 ディアボロス達は敵を包囲して順調だが、ここは避難か所ゆえに油断はできない。
 麻布中学校には高校も隣接しており、その燃え落ちれば何処まで被害が拡大するか判らなかった。
 それゆえに一部のディアボロス達は積極的な戦いよりも包囲を重視フォローに回っている。
「怒りが一周回って冷静になる、自分より滾ってる奴を見ると冷静になる、ってこういうこと言うんだろうな」
 薬袋・明莉(情熱のアーティスト・g02002)は燃え落ちた灰を見て、今更ながらに煙草を吸っていたことを思い出していた。
 所詮は精神安定剤、どちらかと言えばマインドセットの為だった。
 しかし今まで忘れていたという事は、思わぬところで自分も動かされていたのだろう。呼吸を整え今度は煙草無しでそれを再現してみよう。
「ビフロンス。あなたは過去を見ている。そんな気がしますね」
 そんな中で蛍は敵の行動に気が付いた。
 あのクロノス級はデータ収集に血道を上げているのだ。
 その成果が何をもたらすのか分からない。だがそれで満足することは確かであろう。あるいは改竄世界史が続くとしたら、また新しい計画を思いつくのかもしれなかった。その為にか能動的な攻撃はせず、反撃に徹することでダメージを抑えて戦い続けていた。
「誰かと歩む事を目的とせず、一人で只管に戻っているような。そんな気が」
「どっちだっていいさ。こいつは此処で終わる。終わらせる」
 蛍の言葉を明莉が遮る。
 どこか苛立ったようなトーンだが、視線は可能な限り冷静であろうと勤めている。
「ええ、我々は未来を見る。大切な人たちと共に未来を見る。幸せを求めて青い鳥が飛んでいくとされる様に。直ぐ近くにその青い鳥が居るとされている様に」
 蛍は楽器に指を這わせ、弦を爪弾いた。
 言葉を紡ぎ歌を唄い、誉の歌を唄うのだ。
 楽師の役目は恨み言を語る事でも、血道を上げて戦う事も出ない。何処かの誰かが未来を目指す歌を綴るのが役目であるがゆえに。
「そういうのは任せるよ。俺に出来るのは精々がこのくらいさ。案山子やブリキの真似にゃ遠いがね!」
 明莉はそういうと二丁拳銃を構えた。
 同じ方向には決して向けず、広範囲に弾丸をばらまいていく。
 どうして敵を撃たないのか? どうして同じ方向に集中しないのか? それは塗料弾であるがゆえだ。世界を染めながら敵の回避する場所を……違う。飛び出してくる絵筆を撃ち落ちし、敵が侵食する世界を染め直していく。
「案山子? ああ、オズですか。それも良いですね。少女は何時か故郷に帰るのです。……皆様と描く未来への希望。言の葉にて綴りましょう。その一端を此処に!」
 彼が世界を彩ると、蛍は歌で世界を満たしていった。
 絵師と楽師がユニットを組み、悪しき夢と向かい合う。
 ただし正面から戦うというよりは、敵の侵略を阻み仲間達に勇気を与えるためだ。
「回り込みなんざさせねえぞ! ドッ……カーーーーン!! ってな!」
 明莉は周囲にばらまいた塗料弾の内、敵の移動する部分を発火した。
 まずは自分に向かってくる刃の様な絵筆に対抗。
 次に仲間を襲おうとする趣味の悪い絵ごと吹っ飛ばし、赤い血の色の様な波を焼き焦がした。
「後は燐寧サン。あんたが前に進むためにも、バッチリこの因縁を叩き切ってくれ。それがきっと先生への弔いになるだろうから」
「彼女の師が願った通りかは分かりませんが、未来を進む事でしょう。それを見守りましょう」
 そして思うのだ。
 つらい傷みを越えたならば、いつか青い鳥に巡り合って欲しいと。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【避難勧告】がLV3になった!
【プラチナチケット】がLV3になった!
効果2【アクティベイト】がLV3(最大)になった!

ネリリ・ラヴラン
そうやって、人の心を踏みつけて歩くのは、作戦なのかな。
それともビブロンスさんの趣味?

でも、きっと無駄だよ。
燐寧ちゃんは強い子だし、あの子を支える子だっているんだから、何一つ折れないわ。
だよね?って五月姫ちゃんを見るよ、それだけで良いよね。

あとは前を向いて、戦うだけだよ。

【未来予測】でビブロンスさんを見据えて、機を伺うよ。
隙を探すつもりだけど、まだ何か語る口があるなら、彼女の声に【神速反応】して”凍える棺”を【高速詠唱】するよ。

もう誰も、貴女の言葉は聞きたくないんだよ…叫び声だって、許さないわ!
後悔も懺悔も、何もない、ただ罪を受けなさいっ。

アドリブ等々歓迎!


諷和・もこ
さ!これが最後の戦い
悪い縁を断ち切ったら、あとは前に進むだけ
燐寧さん、あと少しなんだよ!
これが終わったら…また、餃子、いっしょに作ろうね!

飛び散って襲ってくる絵具は【シーシープ】で【召喚】したもこもこの羊毛に吸い取ってもらっちゃうんだよ!
絵具は不規則な綿の繊維で思い通りに描けない
綿に広がった不安の色はこねて形を変えることで、キレイな希望の柄に変わる
きっと、燐寧さんの歩む道にふさわしいアーチになるんだよ

さあ、行ってらっしゃい、燐寧さん
おかえりなさいを言うために


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトNo.7
 やがて思いは届いた。
 ふと気が付いてみると漆黒の空は、決して不利をもたらしてはいなかった。
 落ち着いてみれば何でもない光景。むしろ極色彩の敵が作り上げる、怪しげな風景を判り易くしていたとすら言える。
「そうやって、人の心を踏みつけて歩くのは、作戦なのかな。それともビブロンスさんの趣味?」
『う~ん。先生は良かれと思ってやっているんですよ? 良く怒られるんですけど、相互理解が足りてないからですね。大丈夫、それも何とかしますから』
 その善意でやって居ますとでも言いたげな口調に、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は思わず腹が立ちそうになった。
「そういう所がワザとらしいんだけどね。……でも、きっと無駄だよ。燐寧ちゃんは強い子だし、あの子を支える子だっているんだから、何一つ折れないわ」
 でもネリリは僅かな時と共に、その怒りを飲み込んだ。
 宇宙人の様な、人間とはかけ離れた価値観。
 それを指摘した仲間の言葉を思い出したわけではない。悪意であろうと善意から来る禍であろうと、大切な友人ならば乗り越えられると信じて居たからだ。
「だよね?」
「ん」
 ネリリが微笑むともう人の友人が頷くのが見えた。
 それだけで良いよね。そう呟くと気合を入れ直して身構える。
「悪い縁を断ち切ったら、あとは前に進むだけ。燐寧さん、あと少しなんだよ!」
 諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は精一杯叫んだ。
 小さな体いっぱいに。敵ではなく大切な友人に向けて叫んだ。
「これが終わったら……また、餃子、いっしょに作ろうね!」
「うん。ありがとなんだよぉ」
 何かあったのかな?
 もこが首を傾げたのは、大切な友人の声が鳴き声に聞こえたからだ。
 でも不思議と痛みを感じない声だ。嬉しくて、それを説明できなくて、せつなさで啼いたのかもしれない。代わりに仲間が幻で描いたザウルスが、小さな手を揃えて何かしている光景を作ってくれた。
「それじゃあ……。いくんだよ」
「あとは前を向いて、戦うだけだよ」
 もことネリリは力を合わせてビフロンスと向き合った。
 反撃のみでダメージを負裂ているとはいえ、既に人間の形状を為してはいない。
 むしろ極色彩の海であり、そこに浮かぶ赤いプティングに見える。
「飛び散ってくる絵具なんて、こうしてやるんだよ!」
 まずはもこが呼び出した羊のように愛らしい妖精さん達の出番だ。
 ふわふわもこもこの毛が大量に召喚される、もこもこ雪崩。
 過ぎたるは及ばざるがごとしな分量ではあるが、今日ばかりは解禁で良いよねと、三段もこもこ雪崩の術である!
「きゅーしゅー開始なんだよ! こねこねこねこね、なんだろう。良く判らない形でもね、ちゃんとした形にすると不安じゃなくなるんだよ」
 もこは羊毛に吸収した絵具を形に変えた。
 ギューギューに絞れば天の川に架ける橋になるかもしれない。
 きっと、燐寧さんの歩む道にふさわしいアーチになるんだよ。とふんすと気合を入れて形に変えたのだ。
『あらあら。可愛らしい……ね。まるで……』
「気が付かなかった? さっき干渉したんだよね。もう誰も、貴女の言葉は聞きたくないんだよ……叫び声だって、許さないわ!」
 敵の声が歪に聞こえる。
 まるで壊れたラジオの様に、暑さで伸びたビデオテープの様に(なお最近の子供はビデオをしならない模様)。
 それはネリリが干渉し、ビフロンスの持つ精神を停滞させたからである。狂気の伝染を止めるための攻撃と言えるだろう。
「後悔も懺悔も、何もない、ただ罪を受けなさいっ。そして!」
「さあ、行ってらっしゃい、燐寧さん。さ! これが最後の戦い」
 おかえりなさいを言うために彼女たちは大切な友人を送り出す。
 誰もが望んだその時は、もはや目の前であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【アイスクラフト】がLV2になった!
【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV3になった!

●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトNo.8(夢幻)
 それは過去の出来事。
 死者のみが知る一分だけの光景。
(「そう言えば……先生は風景画が得意だったよね」)
 空に浮かぶ月が、まるで誰かの眼の様に思えたことはないだろうか?
 空に浮かぶ月が、まるで誰かを監視しているように思えたことはないだろうか?
 周囲を染め上げた漆黒の空は、星も見えない漆黒の空。

 あの日、あの時に限り、月の監視を遮断していた。
 漆黒の空は……監視者の目を盗むための結界であったのかもしれない。
「実は、先生……。似顔絵も、とくいだった……んですよ。覚えてる限りの表情……だけど。似ているかしら」
(「もうしゃべらないでよ先生。そんなにつらそうなのに」)
 ナイフで突き刺され、苦しそうな先生は何処か満足げな顔をしていた。
 流れる血で、少女の顔に朱を塗っている。
 無表情であるはずなのに、血で描かれた頬は笑顔で、唇は笑っているかのように艶やかであった。
「残念だ……け、ど。これが……先生の、最後の……授業になるみたいですねぇ。出席番号二番……いち……り……さん」
(「はい!」)
 最後に先生は、戦っていたはずなのに腰に佩いたままの刀を引き抜いた。
 少女の手に刀を握らせて、何かを告げようとして……それっきり動かなくなったのである。

 その光景は僅か一分きり。
 それ以上、何も語る事はなく、何も告げることはなかった。
 しかし、少女であったその子が忘れることはないだろう。
 そして夢幻は砕け散り、現実へと回帰する。
 その時には、漆黒の空の意味は逆転していた。
一里塚・燐寧
大天使の手駒と化したあたしを救う、先生最期の姿を【断末魔動画】に見た
……全くもー、微笑みながら死なないでよ
そーゆーとこだよ。あたしが憧れちゃいけなかったとこはさ

抱き締めた亡骸に弔いの鬼火を灯す
傷だらけの体は光の粒になり空に消えて行ったよ

待たせたねぇ、ビフロンス
先生ともう一度だけ会わせてくれて感謝してるよぉ
心づくしのお礼に──「痛み」ってやつを教えたげる

頭上に天使の輪が浮かび、力が漲る
泪で目が霞もうと視界全部薙ぎ払えば関係ない
『絶技:万象喰らいの刃』──最期まで味わいなよ

新宿島に帰った後のある日
街角に懐かしい顔を見た
その人は素敵な旦那さんと、お利口そうな娘さんと一緒で
……声はかけず、ただ見送るよ


瀧夜盛・五月姫
夜叉(鬼)の姿へネメシス化。

ネリ姉さん(g04086)の言葉に首肯する。
(“託されし願い”。この場にないことも、新宿島の民ではない先生の願いが数字として乗らないことも理解している。だけど――)
“先生”に託された想い、きっと、燐さん、強くさせてくれる。
だから、なにも。なにも心配、いらない。

クロノヴェーダ。
あなたには、みんなと――燐さんと引導、渡す。
薙刀にありったけの【呪詛】、籠めて、“すべての生者や死者との縁”、断たせてもらう。
覚悟、して。

何でもないある日、誘われたお出かけの途中。
不意に少し足早、なった気がする、彼女。
姫は人見知りだから、すれ違った人に会釈を返し、そして彼女と歩調を合わせるよ。


●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトNo.9(九曜)
 漆黒の空は守ってくれていたのだ。
 少なくとも少女であったその子はそう思う事にした。
 もはやどんな暗闇であろうと自分が恐れることはないと思う。
「……全くもー、微笑みながら死なないでよ」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は啼いていた。
 まるで笑う様にして啼いていた。もう届かない思いに啼いていた。
「そーゆーとこだよ。あたしが憧れちゃいけなかったとこはさ」
 そう言いながら燐寧は仲間がくれた忠告を思い出す。
 ビフロンスは死体を操る。取り返した先生の死体、そしてリターナーである自分の死体。その両方は守れない……だから。
「バイバイ。センセ」
 抱き締めた亡骸に弔いの鬼火を灯す。
 傷だらけの体は光の粒になり空に消えて行った。
「待たせたねぇ、ビフロンス。先生ともう一度だけ会わせてくれて感謝してるよぉ」
『い……え。構わ……ないわよ。……なのだから~』
 燐寧がむしろ晴れ晴れとした顔で告げると、返事は歪な声であった。
 もしかしたら仲間の攻撃で、再現する能力が失われたのかもしれない。
「心づくしのお礼に──『痛み』ってやつを教えたげる」
 頭上に天使の輪が浮かび、力が漲る。
 泪で目が霞もうと視界全部薙ぎ払えば関係ない。
 この戦いの前に感じていた凶暴さは不思議となりを潜めている。
「だよね」
「ん」
 戦場の向こうで託された思いに瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)は首肯した。
 そして決意を固める燐寧の手を掴む。
「燐さん。ちょっとストップ。姫、ここで……サプライズ、です」
「サプライズ?」
 五月姫は燐寧の胸元で手をちょいちょいやると、身長差を埋めてもらった。
 そして周囲に動画を流し始める。
『ディアボロスさん、頑張って!』
『がんばれ!』
『りんね!』
『リンネ!』
『燐寧さん!』
『燐寧ちゃん!』
『SOSがあればいつでも駆けつけるからな!』
『ボクは最後まで行けないからね、ここで見守り隊かな』
『ここに向かってしゃべればいいんですか? ディアボロスさんたち頑張ってください』
『お祭りじゃねえのかよ。でも、まあいいや。また一緒に騒ごうぜ。あんたらがいねえと楽しめねえからな』
『がんばえ~』
『頑張れ。よ。ディアボロスさんに頑張ってもらいましょうね~』
『ダブル・ザウルスだって見てるし大丈夫っしょ』
『ザウルスちゃうわ! 応援はしてるけどね』
『がんば、です!』
『帰ったらご褒美よー』
『苺パーティに温泉パーティに仮装結婚式に……あとあと何があったっけ?』
『なんでもいいじゃん。とにかく応援してようぜ』
『何でも良いのじゃ。終わりよければすべて良しと』
『見て居るぞ。敵ではなく味方がな。それもすぐ近くで……だ』
『今は効かないが、その関係性が万病に効くとやつがれは信じて居る』
『いっそのこと二人とも幸せにしちゃうというのもアリかと思います』
『間に挟まるの禁止!』
『フカヒレ天津飯蟹玉のせお待ち!』
『うふふ。笑顔が一番のお化粧ね』
『何だってできるし、何にでもなれるさ』
『一理塚さん。頑張れとは言わない。気分を晴らしてくると良い』
『りんねの……好きに……するといいよ』
『かならず届くと信じてる』
 それは新宿で撮影された光景だった。
 正確には撮影されたわけではない。一般人も居ればそれ以外も混ざってしまっている。
 五月姫が印象深かった一つの光景が、混濁して同時に映し出されただけ。

 雑然として他愛ない言葉のやり取り。
 だが……不思議とありがたい気がした。
「……いつの間にこんなの……。うん、いいよ! みんなの思いと共にやっちゃうよー』
「……だから、サプライズ。うん、やろう。燐さん」
 燐寧の言葉に五月姫は少しだけ逡巡しながら頷いた。
 先生ではなく自分での良いのかと燐寧は五月姫が遠慮したのだと判断した。
 しかし彼女が良い、いつも一緒に居てくれる親友。もしかしたらそれ以上のナニカに成れるかもしれない大切な相手。
(「あれ……いつの間にこんなに……。でも先生に託された想い、きっと、燐さん、強くさせてくれる。だから、なにも。なにも心配、いらない」)
 一方で五月姫の方は、自分の印象に深く入り込んだ連中に首を傾げていた。
 新宿の一般的な人々を記憶したつもりだったのに……。
 しかしそれが重要ではないので、目の前に向き合う事にした。重要なのは大切な親友を力つけてくれることである。
「クロノヴェーダ。あなたには、みんなと――燐さんと引導、渡す」
 五月姫はそう言って薙刀を握った。
 これまで以上に思いを込めて。
 敵に対する憎しみというよりは、大切な友人の為に載せられるありったけの思いを載せて。
「薙刀にありったけの呪詛、籠めて、"すべての生者や死者との縁"、断たせてもらう。覚悟、して」
「──最期まで味わいな」
 思いを呪詛としか表現できない、全てを果たしたら何も無いと感じていた五月姫。
 その傍でチェンソーを握るのは、自分を不要だと思っていた燐寧。
 二人は共に刃を敵に向け、肩を並べて声を合わせたのだ。
「「ビフロンス!!」
 そして全てを斬り裂き、絶つ(断つ)一撃が見舞われた。
 15mもの呪詛の炎は戦場に居た誰もが確認したという。
 あまりの衝撃に地平と時間軸が歪み予知に寄る記録が飛んだ。その場にいたディアボロスは最初で六名とも、最大で二十名を越えていたとも言れる。
「あ、歪んじゃったね。あの辺まだひずんで……どうしたの燐さん?」
「んー。何でもないよぉ。もしかしたら薬が切れちゃったのかな? あたしの心臓が動き出したのかもしれな……」
 泣き笑いで苦しそうにも嬉しそうにも見える不思議な表情。
 姫は思わず熱を測るために、おでことおでこをくっつけたのだ。

 時に2011年夏。
 この時間軸も新宿の時間軸も……クロノヴェーダの災いによってどうなるかは杳としてしれなかった。
 だが一里塚燐寧の隣には、常に瀧夜盛(平)五月姫が居たという事である。

●TOKYO防衛部劇場版、スターダスト・ナイトNo.10(いつか遠き日)
 新宿島に帰った後のある日。
 それは何でもないある日、誘われたお出かけの途中。どちらがどちらを誘ったのかなんて忘れた。
 不意に少し足早、なった気がする、彼女。
 街角に懐かしい顔を見た。後ろに回り込んだ彼女の気配に、押し殺した呼吸を再開する。顔見知りの彼女に心配は掛けられまい。それに……。

 その人は素敵な旦那さんと、お利口そうな娘さんと一緒だった。
 一説によると過去のクロノヴェーダを倒しても、未来は変わらないという。
 あくまで閉じていた過去が流れ出し、奪還と共に元に戻るだけとも言う。
 クロノヴェーダを倒したことで解放されたのか……。
 単に港区解放と共に戻って居て、目を背けていた事実に向き合う事が出来たのか。
 あるいは単純に他人の空似であったのかは分からない。だって、彼女は声をかけることも、詳しく見ることなんてしなかったからだ。
 会釈を交わして声もかけずに二人はただ見送ったのである。
「何か買って帰ろっかぁ?」
「ドーナッツ?」
「和三盆たっぷりの?」
「なんでも、いい、よ」
 そして景色は動き出した。
 同じ光景でありながら、印象によってクルクルと変わる世界。
 大切な人と一緒ならば、全てが終わったとしても歩いて行けるだろう……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
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最終結果:成功

完成日2022年07月02日
宿敵 『墓を冒涜する者・ビフロンス』を撃破!