リプレイ
ナディア・ベズヴィルド
破壊することなら任せてください。そんな脳筋な私…。
調査する仲間の動きを察される前に
トートたちの注意をこちらに引く為に大暴れしましょうか
日頃のストレス発散?ふふふ、まさかまさかそんなことは決して(棒読み)
これもまた敵の目的を阻害する為
為すべき必要な事なのですよ
何の遠慮もなく破壊に徹することができるなんて滅多にないもの楽しみましょう
PD通信で他の方と連絡を取り合いながら
調査する対象のクロノオブジェクト以外を中心に飛翔を用いてド派手にやりましょう
一般の人間には危害が行かぬように注意をしながら
愉悦、愉悦と暗い笑み浮かべて雷を放っていくわ
不知火・紘希
アレンジ・連携◎
僕も勉強はしてるけど、情報収集は苦手なんだよね。
調査や対話は頼もしいみんなにまかせて、僕は破壊作戦を手伝うよ。
排斥力強化のためのピラミッドや建築物は観たことある。
そこから学んだ歴史知識を使って、破壊するべき部分を観察するね。
調査するクロノオブジェクトは攻撃しないように注意しよう。
現場についたら、仲間とは情報を共有しながら行動。
【光学迷彩】で不意打ち攻撃を狙いつつ、靴を光らせてダッシュ!
一気に注意を集めながら、描き出した星たちを建造物にぶつけるよ!
一般人のみんなには被害が及ばないように、
的確に破壊工作していきながら避難の声かけはするよ。
敵がいたら流れ弾ならぬ流れ星をお見舞いだよ!
●準備運動
黄金のない黄金都市。
相変わらず街には活気があり、商人たちの明るい声が飛び交っている。
その街に侵入したディアボロス達は、早速それぞれの目的を遂行するため、素早く別れた。
光学迷彩を纏いながら、不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)と
ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は並んで歩いていた。
「僕も勉強はしてるけど、情報収集は苦手なんだよね」
「分るわ……破壊することなら、任せて貰って大丈夫なのにね。トートたちの注意をこちらに引く為に大暴れしましょうか」
「そうだね。まずは少し派手に見せた方がいいかな」
調査の状況は、パラドクス通信で連絡を取り合い。
この辺でいいかなと、紘希はインラインスケート型の〈ピカピカ光る靴〉で、一気に注目を集めながら無数の星を描き手近な建造物型クロノ・オブジェクトに降らせていく。
その光景は、さながら流星群のようだ。
建造物型クロノ・オブジェクトであるピラミッドの積み上げられた石を、星々が砕いていく。
「排斥力強化のための、ピラミッドや建築物は観たことあるからね。どこに落とせばいいか大体分るよ」
天を引き裂かん勢いで、凄まじい轟音をあげ落雷がオベリスクへと落ち。黒焦げになるまで、何度も雷を落とし、遂に真っ二つに折り粉砕させた。
「思ったより、手間取りましたね」
軽く息を付き、ナディアは飛翔すると、次なる建造物へと狙いを定める。
「来れり雷鳴轟かせし空を断つ雷よ。閃光纏いて暗闇を切り裂き裁きの雷を。ふふふふ……」
破壊する方は、殆ど任せても大丈夫だろう。それに、何だか今は触れてはいけない雰囲気だと紘希は察し、混乱する人達に声を掛けに向かった。
「日頃のストレス発散? まさか、まさか、そんなことは決して……これもまた敵の目的を阻害する為。為すべき、必要な事なのですよ」
愉悦と暗い笑みを垣間見させ、ナディアは終焉を思わせる落雷を次々と落としていく。
既に人々は、避難しており周辺にはいなかったが、ナディアの姿を目撃していれば破壊の女神か何かだと思ったかもしれない。
「何の遠慮もなく、破壊に徹することができるなんて滅多にないもの。楽しみましょう」
この日、黄金都市に来ていた商人は後程天変地異が起こったと語った。
流星が降り、凄まじい落雷が落ちたのだから。
それは、まるで神の怒りが降り注ぐような光景であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
冰室・冷桜
有名なのを狙い撃ちにするよか、アドバイス通りに効果を考えて探してみますかねー
アタシらの介入で排斥力や防衛力の強化を重点的にーっていうことみたいですけど
んじゃ、それまではどういう目的で作ってたのが多いのかしらってーと、素直に考えりゃ七曜の戦に向けたエネルギー集めってーのがメインだったんじゃないかしら
つまり、エネルギーの回収、生成、貯蔵
そこらへんのヤツ
やっぱ、そういうのって相応にでかくなったりするんじゃないのーと当たりを付けて、黄金都市内にある一番でかいミニチュア探してみましょ
ミニチュアがでかけりゃ、本物も当然でかいでしょって考えで
首尾よく見つけたら、こっそり調査用の機器を使って調査しますか
フルルズン・イスルーン
サフィーナ・ミウもここ産かな?
ま、とりあえず調査と言うか勉強に来たのだ。
さて、ラムセス二世の建築物はあるかな。
文字よ、我が前に現れ、その隠されし神秘を差し出せ!
まずはボクの推測。
割りと気にはなってたのがここの支配者。
各ディヴィジョンは戦争向きの時代なのに、ここはクフ王を断片の王としてる。
でも、七曜の戦に臨むなら、もっと戦争向きの存在を戴くのでは?
という推理の元、征服王としても名高いラムセス二世の有名な建築物カルナック神殿やアブ・シンベル神殿のミニチュアと、その扱いを探るのだ!
建築物って言うとこの王だしね。
という建前。
さて【モブオーラ】と【光学迷彩】つけてと。
【書物解読】で勉強だー!
●王達が残した物
この地を再び訪れた冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、前回と同じように行きかう人々に紛れ街を歩いていく。
(「サフィーナ・ミウもここ産かな?」)
フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は、前回発見した建造物型クロノ・オブジェクトもいくつか見える中、視線を彷徨わせていた。
さて……。
口の中で棒付きキャンディーを転がしながら、どこを調査するか冷桜は思案する。
(「有名なのを狙い撃ちにするよか、効果を考えて探してみますかねー。アタシらの介入で、排斥力や防衛力の強化を重点的にーって、いうことみたいですけど……」)
では、その前は?
(「んじゃ、それまではどういう目的で作ってたのが多いのかしらってーと……」)
戦争の為なのだろうか、それとも単にエネルギーの回収なのだろうか。
「ま、とりあえず調査と言うか勉強に来たのだ。さて、ラムセス二世の建築物はあるかな。割りと気にはなってたんだよねぇ、ここの支配者」
この獣神王朝エジプトの断片の王は、早くからクフ王であると分かっており、一般人にも広く知れ渡っている。
「他のディヴィジョンは戦争向きの時代なのに、ここはクフ王を断片の王としてるよね。でも、もっと戦争向きの存在を戴いてもいいのでは?」
偉大な王の一人として、クフ王の名は決して不足ではない。ただ気になるのだ、エジプトには戦を考えた際、征服王の名を持つ王もいたから。
そんなことを考えながら当たりを付け、まず真っ直ぐ足を向けたのは、一番大きなミニチュア建造物型クロノ・オブジェクト。
限られた時間の中で探すのだ。直ぐに見つけられるものから調査するのは、効率も良い。
それはギザに数あるピラミッドの中でも最大誇る、『クフ王のピラミッド』である。
やはりミニチュアとなっても、その大きさは他とは違う。
光学迷彩を纏い、直ぐに気取られないようこっそりと新宿島から持ってきた観測機器を設置し、データをとって行く。
しかし、10分の1以下のサイズでこの大きさ。既に目にしているアスワンダムの大きさから想像すると、途方もない大きさの様に思える。
そろそろデータは集められただろうか、向こうで始まっている破壊活動も激しくなってきている。
やはり後、調べられても一つが精一杯か……。
「というわけで、次は征服王としても名高いラムセス二世の有名な建築物のミニチュアと、その扱いを探るのだ!」
建築物って言うとこの王だしねと、フルルズンは付け足し光学迷彩を纏った。
「文字よ、我が前に現れ、その隠されし神秘を差し出せ!」
さぁ勉強の時間だーと、ハングドマン・ゴーレムを呼び出し、観測機器を目の前の『アブ・シンベル神殿』のミニチュア建造物型クロノ・オブジェクトのデータを回収し始めた。
「まだ他にもありそうなんだけどねぇ」
多くの建築物を残したラムセス2世関連の建物は、探せば何かしらか見つかりそうだが、時間が足りない。
騒ぎが神殿の奥まで伝われば、大きなるトートの力を削ぐ機会も失われるだろう。
調査はここまで、二人は収集したデータの入った観測器をその手に、そっと破壊騒動から逃げる人々に紛れた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
クィト・メリトモナカアイス
おぉ、たくさん来た。
ここは我のちてきなたたかいを見せつけねば。
そっちは任せたー。
クロノ・オブジェクトの破壊は他の人に任せて我は戦闘。
よーし『モナカ』突撃型、ゆくぞー。
1mあるおっきなモナカ突撃型に騎乗、衝撃波で我が吹き飛ばされないようにしっかり掴まる。走って槍を振ってくる相手に『突撃のラガマフィン』で正面衝突。跳ね飛ばせー。
んむ。ちてきな我のぶんせきによると……
でかい=つよい。はやい=つよい。
でかくてはやい=とてもつよい。
というわけで証明完了。我のモナカは負けぬ。つっこめー。
邪魔する鋭槍の守護者を跳ね飛ばしながら「大いなるトート」のいる神殿に突撃。
リオーネ・クア
クロノ・オブジェクトの調査と破壊活動に関して、以下のどちらかを行うよ
①クロノ・オブジェクトに向かう際にトループス級の妨害があったら応戦
②調査と破壊活動を仲間が開始したら防壁を探しに行きそこにいるであろう敵と交戦、クロノ・オブジェクトへの干渉に気付かれるのを遅らせる
接敵したら狙舞の槍を発動
ロッソを敵陣に突っ込ませ、めちゃくちゃに飛び回ることで陣を乱す
俺も魔力障壁を展開しながら悪魔の大鎌を振るい、敵を牽制しながら[情報収集]
敵の弱点を[看破]し、弱っている相手を狙って各個撃破を試みる
敵からの攻撃は魔力障壁で軽減
ロッソが受けた攻撃のダメージも俺に来るので、歯を食いしばって耐える
怯んでなんかいられない
一・百
アドリブ連携歓迎
耳先だけ金の漆黒狐に変身し
ジンのキューコンと槍兵の元へ
向かいながら様々な建造物のクロノオブジェクトを見つけては目を輝かせ興味深々
いかん目的を忘れそうだ…
ほんま好きやなー
キューと別々の方向に獣の速さで駆け回り狙いをつけにくいよう陣形を乱し
必ず敵の横側から飛び掛かる
誘いに槍を突き出してくるなら尚よし
キューを足場にそれより高く跳んで宙で変身を解いて紅玉姫を抜きPDで攻撃
行こう紅玉姫…
ここは通らせて貰うぞ
反撃は陣形を見抜き
狙いを少しでも反らすようにキューが受け直撃だけは避け耐える
死を待つ苦しみに比べたら大したことないな
街で破壊が始まったら
より敵を引きつけ逃さないよう動く
百は言葉少なめ
●護人の務め
騒ぎが広がる中、神殿の方へ人々の足下を擦り抜けるよう黒と銀の大きな狐が駆けていく。
黒狐に変身した一・百(気まぐれな狐・g04201)は、時折先だけ金色の耳を立てながら、興味深そうに建造物型クロノ・オブジェクトに目を輝かせては、目的を忘れそうだと頭を振り、誘惑を振り払い急いでいた。
『ほんま、好きやなー』
そんな百のようすに、銀狐の姿をしたジンの『キューコン』が、呆れたように視線を送っていた。
神殿を護る鋭槍の守護者らは、派手な音に防壁から飛び出し、周囲への警戒を強めていた。
「おぉ、たくさん来た。ここは我のちてきなたたかいを見せつけねば」
そっちは任せたーと、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、猫耳・猫尻尾付きの1メートル程の〈浮遊球形ガジェット『モナカ』突撃型〉に騎乗し、クロノ・オブジェクトの破壊は他の人に任せたと守護者らに向かっていく。
「よーし。モナカ突撃型、ゆくぞー」
「頼んだよ、ロッソ」
突撃していくクィトに続くように、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)のメーラーデーモン『ロッソ』が〈羊の着ぐるみ〉姿で槍を手に飛び込み。その両脇を黒と銀の狐が追いかける。
「何だあれは!」
「獣? 球体!?」
さすがに屈強な兵士である鋭槍の守護者も、この光景には一瞬度肝を抜かれたようで、対応が一手遅れた。
陣形を整える中、数体が迎え撃つよう槍を構え疾走し、パラドクス『突撃のラガマフィン』と正面でぶつかり合う。
「跳ね飛ばせー」
ビリビリと伝わる衝撃波に吹き飛ばされないよう、しっかりとクィトはモナカにしがみつき耐える。
「くっ、何て重さだ……」
僅かに競り勝ち、クィトは鋭槍の守護者らを跳ね飛ばした。
「んむ。ちてきな我のぶんせきによると……」
でかい=つよい。
はやい=つよい。
でかくてはやい=とてもつよい。
「というわけで証明完了」
押し勝った事にクィトは無表情だが、満足そうだ。
そうしている間に、鋭槍の守護者は前列で盾を構え後列が槍で狙う陣形を整え迎え撃つ体勢に。
後方より槍を突き出してくるが、百とキューコンは右へ左へと駆け回り狙いを定めさせないよう奔走しながら、槍を伸ばしたタイミングで陣形の横側よりキューコンを足場に百は高く跳びあがり鋭槍の守護者の頭上へ。
百は宙で変身を解くと、妖刀〈紅玉姫〉を抜いた。
「行こう紅玉姫……ここは通らせて貰うぞ」
妖気を帯びた刃は赤く紅玉のように輝き、百が斬り付ける度に妖気が花弁のように舞散り。魔力を高めた状態で陣に突っ込んだロッソが、槍を手に飛び回り内側から乱す。
着地と共に殺到する槍に百は後方へ跳び、間に割って入ったキューコンが攻撃を受け、その身体が霧散するように穴が開き。血こそ流れないが、そのダメージは主である百へ。
「死を待つ苦しみに比べたら、大したことないな」
痛みに表情を歪めるも刀は落とさず、再び斬り結び。
陣の中から弾きだされたロッソを受け止めたリオーネは、ダメージを歯を食いしばり耐えながら、追撃を防ぐよう〈魔力障壁〉を張りながら〈悪魔の大鎌〉で牽制し距離を取った。
「怯んでなんかいられない」
街の異変に彼らが気付き、邪魔をされるわけにはいかない。
「我のモナカは負けぬ。つっこめー」
助走十分に、百とロッソがそれぞれ鋭槍の守護者の体勢を崩したところに、クィトを乗せたモナカが再び突撃し、その勢いのまま神殿を護る防壁へと突っ込み押しつぶした。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
八百陣・葵漆
敵の陣営でそのまま戦うのは愚の骨頂だね
地勢を制するものが戦いの勝利者となる
決戦の前にしっかりと潰しておくとしよう
パラドクスで黄金都市の建築物型クロノ・オブジェクトを破壊して
ディアボロスに有利な戦場へと変えてしまおう
これで『地の利は我にあり!』
破壊するだけに留まらず
いろいろと『トラップ生成』でトラップを仕掛けておこう
直接攻撃するもので無くとも足止めなんかは役に立つし
スピーカーで気を引くのも、少しでも隙が出来れば御の字さ
準備を整えて、万全の体勢で『大いなるトート』との決戦に臨むとしようか
一里塚・燐寧
共闘アレンジ歓迎
いやー、合法的に建物をブッ壊せるとか、めっちゃワクワクするお仕事だよねぇ
さーて、燐寧ちゃんの大怪獣みたいな大暴れの幕開けだよぉ!
まずは【飛翔】を発動だよぉ
トートがあの翼で、自在に空を飛び回るのは簡単に想像がつくもん
今のうちに少しでも決戦を見越した残留効果を張っちゃおう!
【飛翔】の全速力で建造物型クロノオブジェクトに迫ったら
『呪式:空牙嵐墜』を発動
巨大鎖鋸剣≪テンペスト・レイザー≫を突き出し
怨念の鬼火の爆発力を【火炎使い】で増幅しながら
標的めがけて超高速でブッ飛び、【突撃】を仕掛けるよぉ!
凄まじい速度を乗せて放つ、回転する鋸刃の【斬撃】で
建造物の倒壊目指してゴリゴリ削っていくねぇ
ルチルーク・フレンツェン
調査、破壊、戦闘、会話とやるべき事が多いですね
人手ならぬ機械の手ですが当機も力になります
調査対象建造物は壊さない様に気を付けます
また建造物を壊す際に一般人の皆様にも危害が無いようにも気を付けます
黄金都市の外にも有触れてそうな細長いオベリスクを、飛ばした【ロケットフィスト】で掴んで【怪力無双】で持ち上げて、
これまた壊して良さそうな他のオベリスクや建造物にゴツンゴツンとぶつけて壊していきます
トートを弱体化させる意味を知らない一般人から見たら、此方が完全に悪役でしょうね……
いずれ誤解を解くとしましょう
クロノヴェーダに攻撃され負傷しても、敵を一旦気絶させる程度の反撃だけして建造物破壊を優先いたします
シアン・キャンベル
調査の方は既に『幾人』か存在(い)そうだ
ならば私は破壊に専念すべきだろう
奴等が造り上げた美しい『もの』を蹂躙する。
素晴らしい冒涜だと思わないか、貴様
成すべき破壊(こと)は単純明快、暴虐(ドール)を召喚し悉くを貪るのだ。この身、我が脳は一時破壊(けしん)と至り数多の栄光(ちしき)を嘲笑する――悪くない崩落だ、グロテスクの末路に丁度いい
黄金都市、黄金時代(ゴールデン・エイジ)の終焉だ
ソドムとゴモラの再現としよう、如何だ、気分が好いだろう
は、は、は
残った建築物は罠使いの応用、ドミノ倒しめいて叩くのも趣きがあって好い。実に愉しいものだ、実に楽しいものだ
蛆の糧と果て給えよ、二等辺三角形ども
ネリリ・ラヴラン
難しい事は正直にいって解らないからね。
肉体労働を任せて貰って、戦う準備を頑張るよっ。
一部を壊して倒壊させるとか、内側を狙うとか色々考えたけど、
ピラミッド型のは少し壊しても簡単には崩れなそうだし、細かいことは考えずに叩き潰すことにしたよ。
作戦が始まったら”終わらない祝祭”を唱えて、お空から建造物の真上へ投下していくわ。単純明快、質量で上から下まで壊してあげる。
数も多いみたいだから【連続魔法】で次々に魔法を唱えながら、黄金都市を走り抜けていくよ。
一ヶ所に留まってると敵さんが来てしまうかもしれないからね。
あと、調査に向かってる所は壊したくないから、事前に相談はしておきたいね。
アドリブ・連携は歓迎だよ
●破壊活動のススメ
建造物型クロノ・オブジェクトへの破壊が始まり、神殿の方でも戦闘の音が聞こえ始めていた。
「敵の陣営で、そのまま戦うのは愚の骨頂だね。地勢を制するものが、戦いの勝利者となる」
様々な地形の利を得るパラドクス『地の利は我にあり!』を、八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)は発動し、狙うオブジェクトに計を張っていく。
既に調査終了の知らせは入っているので、遠慮する必要はない。
「ならば私は破壊に専念すべきだろう。奴等が造り上げた美しい『もの』を蹂躙する。素晴らしい冒涜だと思わないか、貴様」
シアン・キャンベル(妖蟲・g01143)の投げかけた言葉に、オラトリオ『隣人』が静かに従う。
「成すべき破壊(こと)は単純明快、暴虐(ドール)を召喚し悉くを貪るのだ」
「状況把握しました。やるべき事が多いですね……人手ならぬ機械の手ですが、当機も力になります」
ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は、手近な細めのオベリスクを飛ばしたパラドクス『ロケットフィスト』で掴み地面から引き抜くと、そのままロケット噴射で振り回し、周囲の建造物型クロノ・オブジェクトに叩きつけ破壊した。
叩きつけた方が壊れても、叩きつけられた方が壊れても、結果として目的達成になるのは有難い。
研究用というだけあって、パラドクスによる攻撃には然程強くないようだ。
「住人の皆様にも危害が無いよう、気を付けます」
そう言って、ルチルークは傍らに見えた建物群に向って、容赦なくオベリスクを投げ込んだ。
この時点で街中の避難は殆ど住んでおり、商品を持ち出そうと逃げ遅れた数人の商人と事態の沈静化に駆け付けた一般人警備兵が居る程度であった。
「難しい事は正直にいって解らないからね。肉体労働を任せて貰って、戦う準備を頑張るよっ」
調査お疲れ様と、パラドクス通信越しに思いながら、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)はどうやって壊そうかと眺めていた。
「いやー、合法的に建物をブッ壊せるとか、めっちゃワクワクするお仕事だよねぇ」
「一部を壊して倒壊させるとか、内側を狙うとか?」
ピラミッド型のは少し壊しても簡単には崩れなそうだしと、悩んでいると一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が飛び立った。
「さーて、燐寧ちゃんの大怪獣みたいな大暴れの幕開けだよぉ!」
怨念の鬼火を爆発させ加速しながら、巨大鎖鋸剣〈テンペスト・レイザー〉を突き出し、ピラミッドの一つに突撃していく。
物凄い勢いでピラミッドに突き立てた刃が高速回転し、穴を開け燐寧は建造物型クロノ・オブジェクトの中へ。
内側でもテンペスト・レイザーを振るっているのだろう。大きな破壊音を上げながら、やがて鋸刃が顔を出し、再び燐寧が飛び上がった。
崩れていくピラミッドを見下ろし、ゴリゴリ削っていくねぇと上機嫌だ。
「うん。細かいことは考えずに叩き潰すことにしたよ」
ネリリは、建物群のある辺りに向かってパラドクス『終わらない祝祭』を唱えた。
上空より巨大な何かが迫る影が、一同の上に掛かる。
「単純明快、質量で上から下まで壊してあげる」
巨大な南瓜を作り出し、建造物の真上へと投下する。
一撃で壊れていくもの、頑丈なものなどあるが、連続で魔法を唱えれば、最終的には数で圧倒できる。
「一ヶ所に留まってると見つかるかもしれないよね」
発動場所を推測されないよう、ネリリは黄金都市の中を走り抜けながら魔法を唱え続けた。
「この身、我が脳は一時破壊(けしん)と至り数多の栄光(ちしき)を嘲笑する――悪くない崩落だ、グロテスクの末路に丁度いい」
シアンは、異常成長した蛆虫を召喚し、彼らを放った。
その暴食は果てしなく、強固なあご強固な顎でピラミッドや神殿に喰らいついていく。
「黄金都市、黄金時代(ゴールデン・エイジ)の終焉だ」
基礎に近い部分を狙い喰らえば、ルチルークの振るったロケットフィストで、ドミノ倒しのように連鎖し崩れていく。
「何も知らない一般人から見たら、此方が完全に悪役でしょうね……いずれ誤解を解くとしましょう……」
「は、は、は。蛆の糧と果て給えよ、二等辺三角形ども!」
「さぁ、次はどれを壊していこうかねぇ」
破壊活動に嬉々とする姿。それは完全に悪役であった。
とある別の商人はこの日の事を語った。
オベリスクが空を飛び、南瓜が降って来て虫が神殿を食べていたんだ。しかも女の子まで笑いながら降って来て……。
後程、この商人は幻覚を見るほど疲れていたんだろうと、友人達に労われる運びとなるのだが、それはまた別の話である。
「有利な戦場というのは、地形の利だけではないんだよ」
建造物型クロノ・オブジェクトの基礎にはトラップ生成済み。モノクルを輝かせ、葵漆が〈軍配羽扇〉を振るった。
「整いました。これで、地の利は我にあり!」
その瞬間、爆破解体のように仕掛けられたトラップが一斉に大爆発を起こし、建築物型クロノ・オブジェクトが崩壊していく。
勿論、形を留めている建物もあるが無事とは言い難い。
神殿から大いなるトートが出てきている気配はないが、この数分で荒廃した光景を見ていたら、ディアボロスへの考え方や対策も変わっていたかもしれないだろう。
これで、大いなるトートが利用できる建造物型クロノ・オブジェクトは無くなった。
後は道を開くだけ……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
残留効果を活用
味方と連携
黄金都市は実に興味深い
その主たる大いなるトート……ぜひまみえたい
破壊は任せられそうだ。俺は道を拓こう
【飛翔】し空中戦
敵の布陣と戦況を偵察、観察
外側の警護を不意打ち
その後攻撃の届きやすい相手から、仲間と狙いを合わせ各個撃破
飛翔で上下左右方向に飛び回り、狙いを絞らせにくくすると共に
射角を取り、盾や壁の死角から撃ち
フェイントをかけ
仲間と別角度から仕掛けて盾を引きつけ、味方同士で隙を作り合う
地形の利用し、防壁に対処
上空から強襲
攻撃し吹き飛ばし、防御体勢を阻止
中に籠るなら
一撃離脱で釣りだし、撹乱
反撃には魔力障壁と氷盾を展開
地形連動と集団の動きを観察
飛翔で回避
曖明・昧
調査は調査が得意な人に任せよう。僕にはよくわからない。
あとは破壊か戦闘か。どちらでもよいが……。
……。そうか。君は戦いたいか。
わかった。戦おう。
昧は赤い剣を振るう。
すると、剣は変形していき、生物のような形となる。
その姿は、妖精のようにも見えるが、妖精にしては余りに醜い。
いつ見てもやばいな、この剣は。
いつ見てもよくわかんないな、この剣は。
妖精もどきは敵に襲い掛かる。
敵の構える盾を喰らい、敵の首元に噛みつき息の根を止める。
妖精というよりは、獣だな。よくわかんないけど。
●神殿への道
各所で破壊活動が進む中、護りの乱れた神殿前に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)と曖明・昧(十星連・肆妖『無知蒙昧』・g06110)が向かっていた。
(「黄金都市は実に興味深い。その主たる大いなるトート……是非、まみえたい」)
建造物の破壊は、かなり派手になってきており、駆け付けていた一般人警備兵が再び街の外へと逃げていく程だ。
「破壊は任せられそうだ。俺は道を拓こう」
状況を確認するため、エトヴァは上空へと舞い上がった。
研究施設としての側面が強いのだろうか、残る鋭槍の守護者らの数はそう多くなさそうだ。
調査は僕にはよくわからないと、得意な人に任せた昧はあとは破壊か戦闘かと、呟くと赤い剣が答えたようであった。
「……そうか。君は戦いたいか。わかった。戦おう」
昧の手の中で剣が、喜んだようであった。
神殿を護る鋭槍の守護者は正面からの襲撃に備えており、他への注意は少なかった。
この黄金都市が狙われる。いや、大いなるトートを狙う者などいないと、思っていたのだろう。
両の手に〈Νέμεσις―β〉と〈»Paradiesvogel«〉の二挺の銃を携え、エトヴァは空を自由に踊るように銃撃舞を浴びせる。
どんな陣形を取ったとしても、それは殆ど地上での戦いを想定したもので上からの攻撃には比較的無防備であった。
しかし一度相手を理解すれば、鋭槍の守護者は新しい『衛槍陣』を生み出し強襲する。
黄金の茨の障壁を展開させ受けるも、その衝撃に大きく後方へと弾かれた。
入れ替わるように、側面から飛び掛かった昧が、赤い剣を振るう。
だが剣は既に剣に非ず。
鋭槍の守護者の肉を断ち切るのではなく、生物のような形となり首元に喰らいつき息の根を止めた。
その変貌した姿は、妖精のようにも見えるが、妖精にしては余りに醜く、凶暴さを感じさせた。
「妖精というよりは、獣だな。よくわかんないけど」
「何だ、その剣は!?」
「ただの剣だと思うけど」
「こんな得体のしれない者を、トート様に近付けるな!」
護りを固めるよう、鋭槍の守護者は盾を構え道を塞ぎ、鬨の声をあげながら突撃していく。
「いつ見てもやばいな、この剣は。いつ見てもよくわかんないな、この剣は」
昧は鋭槍の守護者に構わず、変貌した剣だったものを眺め、脇腹に突き刺さった槍に顔を上げた。
痛い、熱い……でも、良く解んないけど。
「君。逃げられないな」
何のことだと鋭槍の守護者が思った次の瞬間、昧と繋がった槍を駆け上り、妖精らしき何かは涎を垂らし牙を剥いた。
態勢を整えなおしたエトヴァは、建物を遮蔽物に風を切り、どこから狙うか翻弄しながら残る鋭槍の守護者に迫った。
得意の陣形戦術も、一対一では大きな効果は望めない。
鳥の様に自由に舞い撃ち込まれる銃弾を、鋭槍の守護者は大盾で防ぎ槍を突き出した。
だが銃は二挺ある。
「――Sei frei.」
輝ける光の軌跡を残し飛翔しながら、エトヴァは引き金を引いた。
気が付けば、既にクロノ・オブジェクトの破壊も終わっており、残すは神殿の中のみとなっていた。
この神殿の奥に、大いなるトートは居る。
開かれた道は、外の騒動など意に介さず静かに、そして奥へと誘っていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
八百陣・葵漆
貴殿が『大いなるトート』かい?
いやいや、これほどの黄金都市を建築するとは恐れ入ったね
見た目のみならず、機能美が素晴らしいね
いやいや、お世辞では無いよ
いくら敵同士とは言え、気分が良くなって貰った方が会話はしやすいという所は当然あるけどね
そう、僕らは敵同士だ
しかし、その僕らにもお互いの共通の敵というのも存在するのではないかな?
それは獣神王朝エジプトに隣接するディヴィジョンさ
隣接するディヴィジョンにディアボロスが侵攻することで
隣接ディヴィジョンは弱体化するし、
其方へ向いた分、獣神王朝エジプトへ向かうものも減るだろう
悪い話では無いと思うけれど、教えてもらえないかな?
有効そうなら会話時に【虚言八百】使用
クィト・メリトモナカアイス
おぉー……あたまがたくさん。
お話してくれると聞いて。
お互いに本当のことをしゃべる保証はなし。
だから勿体ぶって出した情報ではなく、ふと零した言葉から情報を組み立てるのだ。
例えば我が「フランスにある改竄世界史の話をしよう」と言えば、汝は我が「フランスの改竄世界史について何かを知っている」ことは推測できる。
情報の先出し。んむ、我ながらふとっぱら。
というわけでグランダルメ含む近場の欧州の改竄世界史の話をする。
あそこの情報なら出しても獣神王朝エジプトの不利にはならないだろうし、出し渋ったならたぶんそこには「獣神王朝エジプトにとって不利になるものがある」。
話した情報は他に漏れないよう【通信障害】。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
突然の訪問の非礼をお詫びする
大いなるトート、一度お会いしたかった
この都市は先進的だ……
賢者とお見受けして、お尋ねしたい
数々のクロノヴェーダを見てきたが……
なぜ人からでなければエネルギーを得られないのだろう
あなたはご存知か
この街のように
人とクロノヴェーダは協力しあえないだろうか?
豊かになれば信仰も増す
人々の暮らしに、オブジェクトを役立てる事はできないか
これは個人的興味だ
俺の出身地は海に面していた……
ディヴィジョン境界の海には、どんな役割があるのだろう
意図せず海から紛れ込んだ者がいた
海には、境界線の揺らぎ、時空の渦のようなものがあるのだろうか
そして……
七曜の戦をご存じならば、どこで知りえたのだろう
●大いなるトート
外の騒動とはまるで切り離された別世界かのように、神殿の中は静かであった。
他にクロノヴェーダが居ることも警戒されたが、どうやら護りは入り口にいた兵だけのようで、長い通路に罠が仕掛けられている形跡もなく。技術者や研究員も逃げ出したのだろうか、中はガランとしていた。
大いなるトートは最奥の部屋で、丁寧にパピルスを閉じ思案顔を浮かべていた。
「貴殿が『大いなるトート』かい?」
「何故、この黄金都市を見つけ出すことが出来たのか? それを考えていた」
部屋に響いた八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)の足音に、赤朱鷺の顔の一つが入り口へと視線を向ける。
静かなる威圧に、臆せず丁寧にお辞儀をし、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は静かな蒼の双眸で真っ直ぐに知神の名を冠する者を見つめた。
「突然の訪問の非礼をお詫びする。大いなるトート、一度お会いしたかった」
「おぉー……お話してくれると聞いて」
あたまがたくさんと、言いかけた言葉を飲み込み、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)が興味深そうに見上げると、大いなるトートの別の頭が探るように見下ろしてきた。
「……お前達は、人々の助けを求める声を聴いて駆けつけてくる……のだと推測していた。それゆえに、この都市では人々は皆、やりがいのある仕事を持ち、幸せに暮らさせていた筈」
まさか『エジプトって言ったら黄金!』というディアボロスの意志による提案から、パラドクストレインの行先などに影響し、ここまで辿り着いたとは、さすがの大いなるトートも思い至らなかったようだ。
「いやいや、これほどの黄金都市を建築するとは恐れ入ったね。見た目のみならず、機能美が素晴らしいね。お世辞では無いよ」
盛大に破壊したけどと心の中で、思いながら葵漆は大いなるトートの顔色を窺う。
鳥顔の上に三つもあり、表情は読みにくい。
「この都市は先進的だ……これだけ繊細で大規模な研究、祖国の方でも見られなかった」
機械などとは違う。大規模な建造物型クロノ・オブジェクトがこれだけあるディビジョンは他にあっただろうか。
広げてあった最後のパピルスを、大いなるトートは閉じていく。
エトヴァは、落ち着いた声色を保ち、問いかける。
「賢者とお見受けして、お尋ねしたい。この街のように、人とクロノヴェーダは協力しあえないだろうか?」
思いがけない申し出では、あっただろう。
だが大いなるトートは六つの目を軽く伏せ、全ての目でエトヴァを見た。
「我らは、お前達を知らぬ。お前達ディアボロスの目的を知らぬゆえ、その判断を下す事は出来ない」
「豊かになれば信仰も増すだろう。これだけの研究が成されているのだ。人々の暮らしに、オブジェクトを役立てる事はできないか?」
大いなるトートの手の中でパピルスを動かす音だけが、静かな神殿に響いた。
「……他のエンネアドに対しても、黄金都市の情報は秘匿してきた。お前達は、我らの知を越えて、今ここに立っている。交渉の席に着く価値はあるだろう」
その手にロゼッタストーンの書を手にし、だがと強く切り込み黄金の羽根を翻し告げる。
「お前達が、我らクロノヴェーダを敵対視し、断片の王を殺そうというのならば、協力は不可能。このディヴィジョンにとって、何が有益か考えてみよ。排斥力によって排斥される、それが答えだ。侵略者は、お前たちなのだよ」
大いなるトートは一つの問題を突き付ける。
この歴史で新しく生まれた生命も、歴史も奪い否定するのかと。
「……あなたと手を取り合うことは、無理ということだな」
先に歴史を奪ったのはクロノヴェーダに違いない。だがそういう見方もあるのだと、気付かされ、やり切れない気持が滲む。
「我らと協力をというのならば、まずは、侵略行為を停止するべきだ。右手で侵略を行いつつ、左手で協力を申し出るような態度では、信頼も強力も不可能であろう」
「そう、僕らは敵同士だ。しかし、その僕らにも、お互いの共通の敵というのも存在するのではないかな?」
モノクルの端を持ち上げ、今度は葵漆が話しかける。
話を続けるよう、頭の一つが見下ろす。
「それは、獣神王朝エジプトに隣接するディヴィジョンさ。勿論、知っているだろう」
隣接するディヴィジョンにディアボロスが侵攻することで、そのディヴィジョンは弱体化する。
その情報が欲しいと、大胆にも持ちかけていた。
「其方へ向いた分、獣神王朝エジプトへ向かうものも減るだろう。悪い話では無いと思うけれど、教えてもらえないかな?」
「ふむ、悪くない話だ。かつてナポレオンは排斥力を破り、エジプトへ侵攻してきた事実もある。だが、デメリットが無いからといって、教える理由にはならないだろう」
「おー、ナポレオン。ならば、我らからは、そのフランスや他のディビジョンで知っている事を教えようではないか」
フランスで起きている革命やオベリスクの話を提示すると、クィトが言うと大いなるトートはやはりと少し考え込むような仕草をした。
「ナポレオンもまた、歴史上『エジプトを領有した英雄』だった影響が大きいのだろう。結果的に我らが勝利し、撃退することに成功したが、オベリスク型のクロノ・オブジェクトを持っていかれたのは、実に惜しかった」
『別の歴史において、ナポレオンがエジプトからオベリスクを奪った』歴史があるが故に、奪うことが出来たのだろうなと付け足し。
「だが、あのオベリスクは片方だけでは不完全な代物だ。ナポレオンの力があったとしても、『改竄世界史内に、別の可能性の空間を生じさせる』くらいが関の山だろう」
その程度のことは推測できると一蹴し、他に有益な情報はないのかと問う。
「自動人形が、女王の処刑を再現するのに使ったりしていたな」
興味を持ったのか、僅かにトートの首がクィトに向けられ、いくつかグランダルメの話をそしてロシアに関する話をした。
「汝は我が知っていることは推測できる。んむ、我ながらふとっぱら」
当然、お互いに本当のことをしゃべっているか保証はないが、その得た発言の情報から何を推測するか、情報を組み立てるのが肝心なのだ。
クィトが丁寧に情報を提示したおかげか、はたまたエトヴァとの会話が楽しかったのか。それとも、敵だと断言しながら臆さない葵漆が気に入ったか。
大いなるトートの真意は分らないが、『特殊なクロノ・オブジェクトで垣間見た情報』を教えてやろうと口を開いた。
「この獣神王朝エジプトの南の果て、アブシンベル神殿の更に南には、巨大な体躯のクロノヴェーダが支配している地域がある」
「巨大なクロノヴェーダかい?」
エンネアドの神も巨躯のものは居るが、巨大というのはどれ程のものだろうかと葵漆は考える。
「人々は皆、踏みつぶされ、食い散らかされているようだ」
かなり過酷な地域が広がっている気配が窺える。
そして、もう一つ。
「これより東方、ヒッタイト・バビロニア側は、凶暴な亜人が群れをなしている。一体一体は些末な個体ではあるが、人の雌を攫って苗床にし無限に繁殖する力を有している」
東に広がる地も、話に聞く限り恐ろしい場所のようだ。
大いなるトートの語る様子を見る限り、嘘では無さそうだが、きっと全てでは無いのだろう。
情報の精査は、持ち帰ってから行うとして、どうやらお互い出せる手札は切り終えたようだ。
「さて、改めて問おう。お前達は、この侵略行為を停止するか?」
右と左に手を大きく広げ、大いなるトートは最後の問いかけをした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV2が発生!
【通信障害】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
御須統・昴
【十星連】
連携/アドリブ○
使える効果2は全て使用。
さてボスに倒しに行きますか。
置いてかれないようについてきてくださいよ曖明。
置いて行っても追いつきますから。
後は当たって文句言わないように。当てないようにはしますから。
さて、行きましょう。
――陸昴鏢。解放。(昴が持つ六連星の意匠がある鏢です。)
一つ、二つ、三つ……六つ。
さあ、全て避けれますか?
無数に増えた陸昴鏢を四方八方から投げてその逃げ道を塞ぎます。
逃げ道だけでなく幾重にも投げられる鏢で相手の攻撃の手も先に潰せるとよし。
我々は一番星。そのてっぺんで輝く者。
その糧になっていただきましょうか。
その首貰います!
曖明・昧
【十星連】
昧は先ほどまで持っていた赤い剣ではなく、二メートルほどの大きな鋏を持っている。
昧の持つ武器、天廻器『肆妖断』だ。
「お前の番だ。ダン、暴れてもいいぞ。」
肆妖断が姿を変える。元々は白銀のような色だった部分が黒くなり、禍々しい姿となる。
ダンとは、昧が肆妖断につけた愛称だ。昧はダンをペットとして飼っている。
「赤い剣もよくわかんないけど、ダンはさらによくわかんないよな。」
昧は肆妖断を両手に持ち、トートの翼を断ちにいく。
「翼があるやつはとりあえず翼を断っておくのがいいらしい。よくわかんないけど。」
風も炎も水も雷も、全て断ち切る。
「力を解放したダンに、断てないものはない。よくわかんないけど。」
●壱の万象
答えは決まっている。始めから、大いなるトートを倒しに乗り込んできたのだから。
大いなるトートの方も、ならば迎え撃とうと他の研究員達と共に逃げずに残っていたのだ。この状況は計算の範囲。
展開するディアボロス達の姿を回答と理解し、大いなるトートは美しい黄金の翼を広げた。
「さて、置いてかれないようについてきてくださいよ曖明」
置いて行っても追いつきますからと飛び出した御須統・昴(十星連・陸昴『六連星の守り人』・g06997)は、同じ【十星連】の仲間である曖明・昧(十星連・肆妖『無知蒙昧』・g06110)と向っていく。
「後は当たって文句言わないように。当てないようには、しますから。さて、行きましょう」
応じる昧は、武器を持ちかえ二メートル程の大鋏〈天廻器『肆妖断』〉を手に、斬りかかる。
「お前の番だ。ダン、暴れてもいいぞ。」
昧はダンという愛称で肆妖断に呼びかけると、白銀から黒へと禍々しい姿となり、パラドクス『勇猛果断(ユウモウカダン)』で斬り込む。
何も無い、故に躊躇なく踏み込めるのだろうか。
肆妖断を横薙ぎに一閃し、黄金の羽根が舞い散り。昧の手の中で、肆妖断がどことなく嬉しそうだ。
「翼があるやつはとりあえず翼を断っておくのがいいらしい。よくわかんないけど……」
「それは正しい判断といえよう。だが翼を持つものが、全て空を飛び交い仕掛けてくると思い込むのは浅はかだ」
大いなるトートは上空へ舞うと、周囲一帯黄金都市中から魔力を集め、更に美しく翼が輝きはじめる。
「――陸昴鏢。解放」
六連星の意匠がある〈陸昴鏢〉を手に、昴は次々と投影していく。
「一つ、二つ、三つ……六つ。さあ、全て避けれますか?」
例え逃げようとしても、脱せないよう四方八方から陸昴鏢を放ち飛ばしていく。
「我々は一番星。そのてっぺんで輝く者。その糧になっていただきましょうか」
その首貰いますと 強かに、攻撃の手も先に潰せればと、大いなるトートの魔力集めの妨害をはかり。
いくつか鏢が翼を貫くも、元より飛ぶつもりもないのか大いなるトートは動揺を見せず、神秘を見よと杖を掲げ、次々と魔法が放たれる。
神殿内を炎で焦がし風で全てを吹き飛ばし、水を放ち満たしたところへ雷を落とす。
実に嫌な順番で魔法を放つと感じながら、昧は全て断ち切るつもりで肆妖断を振るう。
「力を解放したダンに、断てないものはない。よくわかんないけど……赤い剣もよくわかんないけど、ダンはさらによくわかんないよな」
分からないことだらけだ。
攻撃魔法の一部を、昧は断ち切りながら攻撃を凌いだ。
まだ戦いは始まったばかり、大いなるトートは何かを思案師予測しながら、更に魔力を集め始めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
仲間と苦手属性はディフェンス
トートの作る建造物は厄介な物が多すぎます
これ以上の儀式による犠牲を増やすわけにはいきません
必ずここで、討ち果たしましょう
仲間とタイミングを合わせて攻撃
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
馬に乗ったエジプト風の幻想戦士を喚び突撃させましょう
狙うは黄金の翼
機動性を落として徐々に包囲網を狭めていければ僥倖
反撃のマミーは飛翔で飛びながら魔力障壁で攻撃を受け流します
時間稼ぎをしても助けは来ません
信仰を利用した生贄の儀式などという非道を悔いろとは言いません
ですが、その犠牲にを重ねた結果がこの事態に繋がったこと
その賢い頭で、よくよく考えてください
不知火・紘希
連携アドリブ◎
仲間の苦手能力はディフェンスだよ
僕たちが破壊作戦をしてる間に仲間が道を拓いてくれたね
あとは、トートさん、君だけだ。
会いたかったんだ。偽だったけど、時間を管理する神様なはずの君に。
戦闘の間、対話の間。
神砂時計をぎゅっと握って考える
気づいたら持っていたこの砂時計は
時間よ止まれって願ったあの日の、僕の心
いま、ここから思えば、あの日からの時間も大切なんだ
だから僕は描くよ。今まで見てきたすべてを思い出して
立ちはだかる君から目を逸らさずによく観て。
敵の攻撃は飛翔や残留効果でしっかり避けながら
目に映る君の姿と、その攻撃をそっくりに
例え夜になったって、朝は必ず来るんだ。
僕らはもうひとりじゃない。
●閏の王符
ピアノの音が、ターンと神殿内に響く。
「これ以上の儀式による犠牲を増やすわけにはいきません。必ずここで、討ち果たしましょう」
トートの作る建造物は厄介な物が多すぎると、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、グローブ型VR楽器〈Fonte de la musique〉を起動し、宙に展開させた鍵盤を弾く。
「あとは、トートさん、君だけだ。会いたかったんだ。偽だったけど、時間を管理する神様なはずの君に」
不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)が言うように、新宿島に伝わるトート神は知恵の神であり、時の管理人でもあり、楽器の開発者という側面も持っていた。
だからこそ、ソレイユと紘希に興味を持ったのかもしれない。
仲間が対話している間も、こうして目の当たりにした今も。紘希は神砂時計をぎゅっと握って考えていた。
「何を言いたい、人の子よ」
大いなるトートの問いかけに、紘希は頭を横に振った。
(「気づいたら持っていたこの砂時計は、時間よ止まれって願ったあの日の、僕の心」)
関係ないと分っていても、一欠けでもその側面があるのなら言葉にしたいと思っただけ。
「いま、ここから思えば、あの日からの時間も大切なんだ。だから僕は描くよ」
〈幸せペイント箱〉からクレヨンを取り出し、紘希は宙に描き始める。
「今まで見てきたすべてを思い出して、立ちはだかる君から目を逸らさずによく観て」
それに合わせ、ソレイユの奏でる曲は、速くさらに速く。
駆け抜ける馬のように音ははしり、激しく高らかに響く旋律は、騎馬に跨ったエジプトの幻想騎士を喚び出し突撃させる。
「信仰を利用した生贄の儀式などという非道を、悔いろとは言いません。ですが、その犠牲にを重ねた結果がこの事態に繋がったこと……その賢い頭で、よくよく考えてください」
「我は最良を選択するだけ。月光よ……」
神殿内に白い月が照らす夜が訪れ、トートの正面に21枚のエメラルドに輝くカードを展開させ、狒々の腕と朱鷺の翼を持つトリスメギストスの加護を持つマミーを召喚し突撃させる。
元々研究施設も兼ねた神殿だ、部屋の中は直ぐに飛び交う狒々腕のマミーで、次々と襲撃してくる。
幻想騎士が前線で狒々腕のマミーを散らし突き進む中、紘希の絵が描きあがる。
「目に映る君の姿と、その攻撃をそっくりそのままに!」
絵から現れたトートは『 月光照らす閏の王符』を発動し、突撃させた。
神殿内はたちまち狒々腕のマミーと絵のマミーで埋め尽くされ、あちらこちらで争い消えていく。
時を操り、配下へ号令を下す大いなるトートに抜かりはない。
マミー達はソレイユと紘希に襲い掛かり、消えていく。
やがて夜は晴れ、神殿内は元の光景に。
そして左右の翼に一撃ずつ、幻想騎士と絵のマミーによる攻撃が大いなるトートに届いていた。
「時間稼ぎをしても、助けは来ません」
「例え夜になったって、朝は必ず来るんだ。僕らはもうひとりじゃない」
まだ指も動き、気力も十分ある。それは、大いなるトートも同じだろう。
勝算はどちらにあるのか。思ったより力を削がれたと感じるも、やはりここで終わらせなければと大いなるトートは、次なる手を打ち始めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【液体錬成】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
逆叉・オルカ
あんたがトート……あのピラミッドで人を生き埋めにしようとしたクロノヴェーダか。
知恵が回るのは厄介だが、それ故にこの機を逃すではないな。
何よりあんな人命を奪う物を、これ以上造らせはしない。
仲間達が対話してる間に情報収集。僅でも気づいたことがあれば、情報を弾丸へと組み込もう。
仲間と連携しながら遠隔射撃で敵を攻撃。
鯱牙弾の効果で敵の防具を破壊をねらう。
反撃は防御ガジェットで水を操り、ガードしながら受け流す。
水対砂か、仲良くなれなそうだな。
察するに。あんたが亡くなれば、小ピラミッドや一部の建築物が砂と化すのだろうな。
だとしたら尚更。ここで命を頂戴しよう!
仲間はディフェンス。
アドリブ歓迎
一・百
ジンと神殿突入
トートリオで漫才するんちゃう
難しい話されそうで見たくないんだが
ネメシスモード発動
耳先より髪色が白金になり腰より長い髪に
ジンは焔のエネルギー風の姿に九尾の形を残し最大サイズに
尾は各属性の妖気を揺らす
悪いがこちらで語らせてもらおう
紅玉姫を抜き
お前の企みはここで終わりだ
最近首を落とすのが流行りのよう
どの首から狙えばいい
あぁ…神殿には神殿で対抗するというのも愉快か
俺の設計した物を見せてやろう
PD攻撃
刃が光輝な妖気となり天へ設計図を描き神殿を出現
キューの水の尾で砂に耐え怪我に怯まず攻撃を
ヘタに動かない方がいい
狐のイタズラだ
敵の周囲に地面から発射し絡めるアンカー付きワイヤー罠を仕込飛ばせない
アンゼリカ・レンブラント
さぁ勝負だ、大いなるトート!
踏み込むタイミングは仲間と合わせ
飛翔の効果を受けつつ宙を駆け接近戦を挑むね
小回りを生かし、攪乱するよう動きつつ
パラドクスの光剣で攻撃だ
反撃を受けても怯まず相手に食らいつくね
砂嵐も流砂も、私の勇気を止められないからっ
培った戦闘知識、積み上げた残留効果は全て使うね!
隙を作り出すようフェイントも駆使
共に戦う仲間が必殺の一撃を入れられるよう動くね
臨機応変に、連携を意識するっ!
相手が消耗していくのがわかれば
徐々に私自身も呼吸を整え、より力強く攻撃
相手の攻撃をいなし、時に障壁と鍛えた身で受け、
至近まで距離を詰めて
私の全てを込めた《光剣収束斬》で、勝利を掴むよ!
お前の先に行くッ!
ヴォント・クライヴ
そのパピルスよこせぇえええ!
ってトートの保管するパピルスを強奪しに行きます
光学迷彩でわずかでも存在感を消し近づいてからの影縫で攻撃…と見せかけてパピルスなど情報が記載されたものに影を巻き付けて強奪
失敗やフルボッコされるのは覚悟の上で、怪力無双の力技で盗みましょう
後はトートへの攻撃も…通じるかはわかりませんが!
何をするのも死に物狂い
自分の弱さは知ってますので!元盗賊としての意地です
侵略を止める事はできません!
僕はリターナーです
トート神とはいえその本性は偽りの神、人々を騙し戦力の為に苦しめた事実を僕は知り、怒りをもつ!
トート討伐には和平以上の価値がある!
この戦いは侵略ではなく、希望の奪還なのです!
●神の叡智
大きく神殿をが揺れ、周囲が砂漠と化す。
「あんたがトート……あのピラミッドで人を生き埋めにしようとしたクロノヴェーダか」
逆叉・オルカ(オルキヌスの語り部・g00294)は、小ピラミッドの儀式を彷彿させる光景に眉を寄せた。
「知恵が回るのは厄介だが、それ故に、この機を逃すべきではないな」
見た目よりも落ち着いた貫禄を漂わせる雰囲気に、大いなるトートはオルカを振り向き代わるがわる顔を動かし探るように目を細めた。
さすがの大いなるトートも、それが実年齢のせいだとは見抜けないようだ。
トートリオで漫才するんちゃうと突っ込みを入れつつ、一・百(気まぐれな狐・g04201)のジン『キューコン』が銀狐の九尾を揺らした。
「難しい話をされそうで、見たくないんだが……」
そうこぼす百に、抗議するようにキューコンが肩にのしかかり。
「悪いが、こちらで語らせてもらおう」
そう妖刀〈紅玉姫〉を抜き刃を向けた。
そんなやり取りを眺めながら、大いなるトートは粛々と砂を手繰りはじめる。
「さぁ勝負だ、大いなるトート!」
構築した身の丈以上の巨大な光剣を手に、宙よりアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が飛び込み、身体のバネを活かし豪快に振るった。
その鋭い一閃に、思わず大いなるトートはロゼッタストーンの書で受け止め砕かれた。
いくら強固な書といえど、強力な一撃の前には無力。
これ程までにディアボロスというのは力強いのか。否、集まれば力を発揮するのかと大いなるトートが驚愕していると。
「そのパピルス、よこせぇえええ!」
背後より、突然漆黒の髪に赤い瞳の青年、ヴォント・クライヴ(盗賊うさぎ・g06449)が姿を現すと同時に、槍のように鋭く尖らせた影が大いなるトートの身体を貫き。
その影の一端を伸縮させ、パピルスを絡め掴むと砂の上を転がった。
光学迷彩で身を隠し、仲間の攻撃に大いなるトートの注意が注がれてる間、必死に距離を縮め近付いたのだろう。
死に物狂いで飛び込み手にしたパピルスは解け、細かい部分は分からないが、何かの図面のようなものが記されてるのが見えた。
危ないと声がした。
ヴォントはたちまち砂嵐に包まれ蹂躙され、たちまちパピルスは散り散りに刻み消され。頭上より大きな柱と成した砂が、彼を串刺しにしようと迫っていた。
失敗やフルボッコされるのは覚悟の上、元盗賊としての意地で飛び出した。だがこれは、刺されば重傷間違いない代物だ。
「ヴォント、しゃがむんだ!」
水を纏った弾丸が柱を砕き、駆け込んだオルカが〈防御ガジェット〉を展開させ水のバリアを形成し、落ちてくる破片から護った。
「水対砂か、仲良くなれなそうだな」
ありがとうとオルカに短くお礼を伝え、砂嵐の向こうにヴォントは叫んだ。
「僕はリターナーです。トート神とはいえ、その本性は偽りの神。人々を騙し戦力の為に苦しめた事実を僕は知り、怒りをもつ!」
砂嵐の向こうからは、吹き荒れる風の音しかしない。
「この討伐には和平以上の価値がある! この戦いは侵略ではなく、希望の奪還なのです!」
「……ならば、奪還して。証明してみせよ!」
トートの声が、砂嵐の内より響いた。
「砂嵐も流砂も、私の勇気を止められないからっ」
その鍛えた身体に〈クラッシュ障壁〉を纏い、果敢にもアンゼリカは砂嵐の中、斬り込んでいく。
視界は悪く、体中に痣になる勢いで礫が当たってくるも怯まない。
先程から大いなるトートは、全く動こうとしていなかった。方向さえ間違えていなければ、そこに居る。
「私の全てを込めた『光剣収束斬』で、勝利を掴むよ!」
砂の向こうに姿が見えた瞬間、アンゼリカは巨大な光剣を一気に振り下ろす。
「お前の先に行くッ!」
大いなるトートは、杖で受け止めようとするも及ばずその一撃が左肩を大きく斬り付ける。
黄金の翼が赤く染まり、砂嵐が止まった。
焔に燃ゆるエネルギーの繭のようなものが砂漠に揺れている。
大いなるトートは、目を見張る。それが繭ではなく、主を護っていたジンであると気付くのに、そう時間はかからなかった。
驚いたのは先程見た時よりも、能力が上がっていると悟ったから。
計算が狂っていく。いや、始めから既に狂い始めていた。
「最近首を落とすのが流行りのようだが……」
一尾、二尾……と、それぞれ違う属性の妖気を纏う尾が解かれ、最後に水の妖気を纏った尾が解かれ、主である百が姿を見せる。
漆黒だった髪は、白金に染まり、腰より長く伸びている。ネメシス形態となったのだ。
「あぁ……神殿には神殿で対抗するというのも愉快か。俺の設計した物を見せてやろう」
紅玉姫の刃が赤く揺らめき、光輝な妖気となり天へと昇っていく。光が描くは、一つの設計図。そこより現出するのは武装した大いなる神殿。
「偉大なる業を、この地に示せ」
号令と共に神殿の巨大砲門より、轟雷のような一撃が大いなるトートに向って真上から放たれた。
怒号と共に落とされた一撃に、大いなるトートは膝をつき、砂漠が消えた。
自慢の黄金の翼も、あちこちが焦げつき、青白い電流がまだ迸っている。
まだ大いなるトートが動けないでいる内に、オルカはデータ粒子から銃と弾丸を具現化しながら解析した大いなるトートの情報を組み込み、特殊な銃弾を装填する。
「何よりあんな人命を奪う物を、これ以上造らせはしない。察するに。あんたが亡くなれば、小ピラミッドや一部の建築物が砂と化すのだろうな」
狙うは先程ヴォントが貫き、アンゼリカが斬りつけ、百が焦がした肩から胸にかけて身を護る装具。
大いなるトートは狂った計算をしなおし、この獣神王朝エジプトの為に有益か、何が最善か導き手元に纏めていたパピルスの全てを一瞬で燃やす。
始めから何も残さないつもりで纏めていた物だ。何があろうと、これ以上渡す知はない。
更に魔力を集めようと翼を広げるが、地面より射出されたアンカー付きワイヤーが翼を絡め取る。
「ヘタに動かない方がいい、狐のイタズラだ」
悪戯の成功に百が笑い、オルカが引き金を引く。
「ここで命を頂戴しよう!」
水の尾を引き飛んでいく弾丸は、鯱が獲物に食らいつくように、その輝く赤い石ごと装具を破壊し、大いなるトートの身体を撃ち抜いた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【断末魔動画】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
【エイティーン】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
白水・蛍
【陽翠】
連携・アドリブ○
さてと。参りましょうか。
あのような、あのような事は絶対にもう、させてはいけませんもの。
【飛翔】を使用し、上空へ。トートを仲間と共に包囲します。
上空から相手の動きを<観察>しつつ、
<演奏・歌唱>で音の魔力で攻撃したり、
<火炎使い・氷雪使い>で魔力で敵に攻撃して牽制します。
また、近場の味方にWIZでディフェンスに入ります。
トートが天井から脱出しようとしたときや味方に合わせて【パラドクス】使用。
逃げ出そうとするにしろ、何にしろ、逃がしません。
絶対に、この一撃は外さない。
音の砲撃を喰らいなさい!
ア・ンデレ
【陽翠】
アンデレちゃんはともだちパワーを使って空を飛び、友達と一緒に空中戦を繰り広げる。
アンデレメダルが赤く光る。
アンデレちゃんの体にともだちパワーが集まっていく。
世界中の友達から、少しずつパワーをもらう。
一緒に戦う友達から、いっぱいパワーをもらう。
ともだちパワーで作った翼で空を飛び、ともだちパワーを込めた拳で殴る。
「アンデレちゃんはすごいけど、アンデレちゃんのともだちはもっとすごいんだ。
ともだちパワーはすべてをふきとばす!」
砂嵐なんてともだちパワーで吹き飛ばす。
友達と連携して絶え間なく攻撃すれば、倒せない敵なんていない。
八百陣・葵漆
ディアボロスとして、その答えは否だね
その知性が失われるのは惜しいけれどキミを倒させて貰うよ
宿敵たる青行燈を倒して得たパラドクスのお披露目だ
僕流にアレンジして
呼び出すのは妖怪では無く精鋭の兵達だよ
さあ、精兵達よ!
車懸かりの陣で休み無くマミーを攻め立てるんだ
個々の強さはマミーの方が上だったとしても
優れた計略と陣形があれば
それを凌駕することは出来るのさ
僕の計略はまだ終わらないよ
兵の攻撃を隠れ蓑に、僕も『トラップ生成』で足を止めるような罠を仕掛けよう
準備が出来たら、兵達が崩れたように見せかけて敵を罠地帯に誘導
動けなくなったところを包囲殲滅だ!
マミーを倒したら、トートへ向けて兵を突撃させるよ
クィト・メリトモナカアイス
よいお話だった。
なので我も正直に答える。
我はこの地で戦ったことが多い。人と会ったことも助けたことも多い。
もう会えなくなるのは寂しい。とても寂しい。
けれど、我が真に護りたかった国はこの地ではないし、護りたかった人は彼らではない。
我はそれを奪還するために汝と戦う。
今日の我に遊びはない。
「モナカ」たちを停止させてモナカたちの操作に使ってた力も全部近接戦闘に注ぐ。
【飛翔】の力で大いなるトートと「空中戦」。
攻撃したら離れる「一撃離脱」戦法と黄金猫拳打棒で絶え間なく攻撃。魔法を回避しつつちゃーじはさせぬ。
上手く立ち回られてチャージされたら「勇気」を持って吶喊。被弾を最小限にしつつ接近して全力で殴る。
●黄金は静かに
神殿内に音が響く。
【陽翠】の白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が奏でる〈妖弓琴〉の音に後押しされるように、ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)が飛び出した。
「あのような、あのような事は絶対にもう、させてはいけませんもの」
弦を弾く一指の先まで、蛍は思いを込め爪弾く。
「それはお前達の正義であって、私にとって侵略行為であることに代わりない」
夜に包まれ、展開されたエメラルド色のカードより、一斉に狒々腕のマミーが飛び出し翼を広げた。
「宿敵たる青行燈を倒して得たパラドクスのお披露目だ」
八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)が開くは〈八陣図扇〉、妖力を練り陣を張り召喚す。
「僕流にアレンジして、呼び出すのは精鋭の兵達だよ」
モノクルの奥より、戦場を見据えパラドクス『幻妖英霊兵』を発動。
「軍略は精兵あってこそ為る。さあ、僕の指揮で存分に働いて貰うよ」
円状に精兵達を布陣させ、葵漆は車輪のように陣を回転させ狒々腕のマミー達を迎え撃つ。
「さあ、精兵達よ! 車懸かりの陣で休み無くマミーを攻め立てるんだ。その知性が失われるのは惜しいけれどキミを倒させて貰うよ」
前衛を狒々腕のマミーに任せ、大いなるトートは焼け焦げた翼を広げた。
大して上昇できずとも、魔力を集めるには十分。
この黄金都市にどれだけ無事なクロノ・オブジェクトが残っているか。例えその大半が壊されていようとも、ここで魔力を集め奮闘するのが最良と計算は出ている。
大いなるトートが魔力を集める邪魔が入らないよう、狒々腕のマミーらも、次々に炎や水を操り蛍や葵漆の攻撃を押し戻そうとする。
「よいお話だった。なので我も正直に答える」
周囲を警戒させるように浮かせていた〈浮遊球形ガジェット『モナカ』〉への供給を止めながら、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は真っ直ぐに大いなるトートを見上げた。
「我はこの地で戦ったことが多い。人と会ったことも助けたことも多い。もう会えなくなるのは寂しい。とても寂しい」
歴史が変わった中で紡がれた何かも、きっとそこにはある。だが……。
「けれど、我が真に護りたかった国はこの地ではないし、護りたかった人は彼らではない。
我はそれを奪還するために汝と戦う。今日の我に遊びはない」
――取り戻す、その為に。
〈黄金猫拳打棒〉を手に向ってくるクィトから距離をとるよう、大いなるトートは舞い上がり、クィトも続く。
これ以上魔力を集める暇を与えないよう、肉薄するようにパラドクス『震わすは鬣なき獣』で、全力を接近戦へと持ち込む。
叩き込む黄金猫拳打棒の絶え間ない攻撃は、大いなるトートの魔法発動を上回る勢いで叩き込まれ、自由に飛ぶことを許さなかった。
狒々腕のマミーを殴り飛ばしながら、〈アンデレメダル〉を赤く光らせ、アンデレは真っ直ぐ大いなるトートに向かっていく。
その赤く光る輝きはともだちから分けて貰ったパワー。
世界中の友達から、少しずつ。一緒に戦う友達から、いっぱいのパワーを。
そのパワーを翼に成し、そして拳へと集め。夜に吹き荒れる砂塵が砂漠を呼び、アンデレの前に強固な岩壁として立ち塞がり。
「アンデレちゃんはすごいけど、アンデレちゃんのともだちはもっとすごいんだ!」
勢いの止まることないアンデレは、壁を突き破り破片を受けながら、飛翔するスピードを加速させていく。
「絶対に、この一撃は外さない。音の砲撃を喰らいなさい!」
挟み込むよう周り込んだ蛍が奏でる音は魔力を増幅し、音の砲撃に。
パラドクス『喚願響鳴砲音』が、響き放たれた所にアンデレの渾身の一撃が大いなるトートに叩き込まれる。
「ともだちパワーはすべてをふきとばす!」
強烈な一撃に叩き落とされた大いなるトートは、神殿の床に叩きつけられ、絞められた鳥のような細い悲鳴をあげた。
恐らく骨の数本は折れた事だろう。
何とか上体を起こそうとする大いなるトートに、無数の精兵達の刃が向けられる。
落とされたそこは、葵漆の張った陣の中。無傷というわけではないようだが、あれだけ放った狒々腕のマミーもどうやら凌いだようだ。
「僕の計略はまだ終わらないよ。包囲殲滅だ!」
精兵達は一斉に、大いなるトートに刃を突き立てた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【断末魔動画】がLV3になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【陽翠】
近くの仲間をディフェンス
連携アドリブ◎
通信障害を
三面のエンネアドか……
知りたい事は多いが
この機に仲間と共に仕留める
【飛翔】し空中戦
敵味方の布陣と動きを偵察、観察
パラドクス通信で、敵の攻撃動作や好機を伝達連携
飛翔者と連携し、包囲の位置取り
トートの上空の動きを封じる
地に縫い留めるように
ライフルで牽制しつつPD攻撃
地上・空中の味方と立体的な挟撃を狙い
互いに敵の隙を創りあう
三面の視界は広かろうが
多方向から攻撃浴びせ、余裕を奪う
好機を看破し、畳みかけていこう
逃走の気配なら包囲で阻止
反撃はバイザーを暗視モードに
マミーの動きを観察
Eis-Spiegelを召喚方向へ撒きつつ
魔力障壁を展開し、飛翔で回避
一里塚・燐寧
アドリブ歓迎
面白い話を聞かせてくれたことには感謝するよぉ
メソポタミアもアブシンベルの南も、いつかあたし達が辿り着いて
きみが知らないものをたっくさん見てきたげる
知恵の化身にしてみたら──最期まで分からなかった秘密を敵が知っちゃうのが、一番悔しいでしょっ!
≪テンペスト・レイザー・バーストモード≫を手に
『屠竜技:急嵐の型』を発動
神速の【早業】たる踏み込みでトートへと一息に跳び
彼を取り巻く様々な属性の魔法ごと断ち切るよう刃を袈裟に振るうよぉ
反撃に出られても【勇気】と【精神集中】で怯まず
引き剥がされるか倒すまで、回転鋸刃を押し付ける!
さぁさぁ、知識と時間の神様……ここから先は、きみも知らない未来だよぉ!
ラズロル・ロンド
【陽翠】
近場の仲間にディフェンス
飛翔し周囲に目を配り連携
逃亡阻止
マミーを屠りトートに着実にダメージを
小ピラミッドみたいに死を糧に儀式に組込済みとか無いよね?
儀式的な物は有れば破壊を
ねぇ、僕に話してみてよ
とパラドクスで最後の会話に誘う
エジプトの知神
君が斃れたら神獣王朝エジプトはどうなるのかね?
いやぁ、君の存在は脅威だったから
こんなに早く機会に恵まれるなんて僕も驚きなんだ
世間話のように
好敵手との対話のように
油断無く相対する
トートには憧れみたいのがあったから…
まだ知恵比べをしたかった気もある
だが目的…奪還の為には必要な戦いだ
偽神は倒す
今が好機
それは逃さない
己の唇に人差し指を添えシーっと終焉を送ろう
●その知は永久に
一つの顔は、苦痛に歪み――。
一つの顔は、劣勢に思慮し――。
一つの顔は、堪えるよう口を閉ざした。
大いなるトートは、計算する。何が一番最善で、何が獣神王朝エジプトの為になるか。
その解は、本当は計算するまでもなく、きっと始めから決まっていたのだろう。
通信障害がディアボロス達によってもたらされており、外へ何かを伝える事は出来ない。
黄金都市からの魔力共有から察するに、かなりの建造物型クロノ・オブジェクトのミニチュアが壊されたことが分かる。
ならば……。
大いなるトートは、持てる力を振り絞り上空へと舞いあがり、黄金都市中の全ての魔力をその翼に。
神殿内に渦巻く風に翻弄されながらも、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)も飛翔し、両側から挟み込むように展開した。
(「三面のエンネアドか……知りたい事は多いが……」)
こちらの動きを見逃さないよう、顔の一つがしっかりエトヴァの動きを追って警戒している。
「小ピラミッドみたいに、死を糧に儀式に組込済みとか無いよね?」
だがクロノ・オブジェクトから力を得るこの都市の仕組みは、非常に良く似ている。
大いなるトートは返答の代わりに、ありったけの魔力を籠めた強力な電撃を辺りに放った。
無数の雷がディアボロス達を襲い、その一撃が鎖鋸大剣〈テンペスト・レイザー・バーストモード〉に落ちる。
「……ったぁ、ちょっとビリビリしたんだけどぉ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、刃を唸らせブレザースカートが腿まで捲れ上がるのも構わず、その細腕でテンペスト・レイザーを振り上げ飛び上がった。
「面白い話を聞かせてくれたことには、感謝するよぉ」
「あの程度、栓無きことだ。……ここで終わらせよう」
絶え間なく次々と放たれる雷撃の嵐の中を、燐寧が火薬の爆ぜるような音と共に、空を踏み込み一足飛びに大いなるトートの眼前に。
腕や足に激突する雷が容赦なく襲い掛かるが、紫暗の鬼火を纏うテンペスト・レイザーを振り上げ、放とうと大きく膨らんでいた火球ごと一気に斬り下げる。
袈裟に振り下ろした刃が、大いなるトートの血肉と翼を散らし朱に染めた。
「メソポタミアもアブシンベルの南も、いつかあたし達が辿り着いて、きみが知らないものをたっくさん見てきたげる」
そう燐寧が言った次の瞬間、断ち切られた火球の魔力が爆発し、弾ける魔力の強烈な爆風が全てを吹っ飛ばす。
壁に激突しないよう体勢を整え、燐寧は笑って見せた。
「知恵の化身にしてみたら……最期まで分からなかった秘密を敵が知っちゃうのが、一番悔しいでしょっ!」
神殿内を吹き荒れる爆風に煽られながらも、青き翼で姿勢制御しながら、落ちていく大いなるトートに向け、エトヴァがライフルで遠距離から牽制し反撃を誘い、月明かりの夜を広げさせる。
エメラルド色のカードは、既に周囲に散らばされており、神殿中に狒々腕のマミーが召喚され翼を広げた。
咄嗟にバイザー〈Allsehend〉の暗視装置を起動させ、エトヴァは無駄無く狒々腕のマミーを狙い撃ち落としていく。
儀式的な物が有れば破壊をと、襲撃してくる狒々腕のマミーと交戦しながら、ラズロルは周囲に目を配っていたが見た限り、怪しいものはない。
無いことが気に掛かり、終わりを告げた意味に、ラズロルは問い正すように大いなるトートへ視線を向けた。
薄っすらとした月明かりの中でも目立つ黄金の翼は、もう飛ぶ力は無いだろう。だが必死に広げ魔力を集め続けている。
戦闘が得意では無いクロノヴェーダ。
全てを計算し、予測したかのように、様々な手を仕掛けてきた相手。
だから油断せず、いつ逃げられてもおかしくないと警戒していたが、大いなるトートはディアボロスを迎え撃った。
ラズロルの視線の意図に、気が付いたかのように、二挺の銃を手に空を舞うエトヴァが、邪魔を排除し大いなるトートへの道を切り開き、鏡の如き氷片〈Eis-Spiegel〉をばら撒き狒々腕のマミーらの注意を自分に集めた。
言葉をかわした訳ではないが、エトヴァなら大丈夫と信じ、ラズロルは大いなるトートに近付く。
出血量も多く、立っているのもやっと。良く見れば、顔の一つは既に意識を耐えている。
「ねぇ、僕に話してみてよ」
パラドクス『トートの甘言』は、弱った大いなるトートに甘く語り掛ける。
皮肉にも、同じ神の名を冠した力が最後の会話に誘う。
「エジプトの知神。君が斃れたら神獣王朝エジプトはどうなるのかね?」
トートには、憧れみたいのがあったから……。
本心も織り混ぜ、残る顔を覗き込む。
「全ては王の為。我が欠けたとしても、それは変わらぬ」
「いやぁ、君の存在は脅威だったから、こんなに早く機会に恵まれるなんて僕も驚きなんだ」
それは、大いなるトートも同じであった。
ディアボロスの存在を警戒し、こうして街を豊かにし部下からもこの場所が漏れないよう秘匿し、研究を進めていたのだ。
どこで計算を違えたかと、振り返っても大いなるトートにはその答えは導き出せない。
「我らの為すことは決まっている……!」
大いなるトートとラズロルの間で、エメラルドの光が輝く。
カードを、まだ残していたのだ。
召喚され伸びてくる狒々の腕が、ラズロルに襲い掛かろうとするが風を切り放たれたエトヴァの弾丸が真っ直ぐ狒々の掌とカードを撃ち抜き、大いなるトートの胸に。
最初の召喚時に数を記憶し、大いなるトートが時間稼ぎしていることに気付いていたのだ。
「ぐっ、まだ……!」
残る魔力が大いなるトートに集められ、神殿のクロノ・オブジェクトとしての力も機能も停止し、最後の魔力が杖の先で輝くが、その魔法が放たれることはなかった。
周り込んでいた燐寧が片翼と腕を斬り飛ばし、空中でその魔力は散っていく。だが、それでいい。
「知識と時間の神様……ここから先は、きみも知らない未来だよぉ!」
「……我らが出来ることは、既に終えた。先の事は、進むものが見れば良い」
これ以上、何か仕掛けたとしても、大いなるトートは語らないだろう。
そして、このまま放っておいたとしても、この傷だ。ジェネラル級エンネアドといえど、息絶えるのは時間の問題かもしれない。
まだ聞きたい事も、知恵比べをしたかった気もある。だが、これは奪還の為には必要な戦いであることに変わりない。
だからラズロルは、己の唇に人差し指を添え、シーっと終焉を送る。
大いなるトートは胸を突く衝撃に襲われ、黄金都市全ての魔力を使い果たし。獣神王朝エジプトに関する殆どの情報をその内に秘めたまま、永遠にその口を閉ざした。
恐らく、この神殿の機能が停止したように、黄金都市内の全てのクロノ・オブジェクトは、その機能を失い単なるミニチュアの建造物と成り果てているのだろう。
大いなるトートと共に、黄金都市の役割も終わりを迎えたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
【一刀両断】がLV2になった!
【友達催眠】がLV3になった!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【アクティベイト】がLV3(最大)になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2022年06月16日 |
| 宿敵 |
『大いなるトート』を撃破!
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