リプレイ
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
奴崎・娑婆蔵
●SPD
そちらさん方にゃァ名乗り上げる手間も惜しゅうござんす
あっしが――あっしらが用があるのは、その奥に控えた大将でさァ
ちょいと御免よ
押し通らせて頂きやすぜ
・妖刀『トンカラ刀』抜刀、敵方の剣には己の剣で相対す
・【勇気】を以って剣閃の前へ真っ向立ち【トンカラ斬り】を打ち合わせる
・敵の剣と打ち合ったならば、【両断】技能で競り合い、その剣自体をブチ折ってくれる
・敵の剣を下段へ捌けたならば、その剣を【臨機応変】に足で踏んで押さえざまにこちらの剣を叩き込む
・敵の身へ刃傷を入れられたなら、己の操る【呪詛】たる包帯を繁茂させ、ぐるぐる巻きにしたり敵複数体を団子状にまとめ上げなどして動作の自由を片端から縛す
●任侠、剣とともに
「何奴!」
敗走の兵にあるまじき誰何。されど、無理からぬもの。
「そちらさんがたにゃァ、名乗り上げる手間も惜しゅうござんす」
鼻から下をくまなく包帯で覆い、白い着流しに白刃をぶら下げた男である。訝しんで当然だろう。
が、その怪人……奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は口早にそう言うと、瞬時に姿を消した。
踏み込んだのだ。間合いに!
「ちょいと御免よ」
「なっ!?」
妖刀がびょう、と不穏な風切り音を発した次の瞬間には、先の先を得た剣閃が白々とした残光を放っていた。
歪曲された時空において、攻撃と反撃は同時に訪れる。にも関わらず、蜀軍剣蟻兵は虚を突かれた。それほどの剣だった。
巨大な堤防をも叩き切るという蟲剣が応じる。が、まず一体目の剣は白刃と真っ向撃ち合い、結果としてべきんと音を立ててへし砕け、破片がわずかに娑婆蔵の頬を裂いたに留まる。
重く、疾い。無欠の剣だった。常より彼の剣に遊びというものは存在しない……殺人技巧を謳うその剣技は、まさしく『人』を『殺す』ために昇華されたひとつの道。心身を鍛え上げ、大悟を得んとする武のあり方に中指を立てるような邪剣である。
だが、左道もまっすぐに突き進み極めれば、それは正道をも凌駕するもの。娑婆蔵の剣は、そういうものだ。
斬鉄の威力と韋駄天の迅雷を両立しうる剣は、刃を砕いてそのままに敵の胴体を両断し、切り傷から繁茂した呪詛=包帯がさらに獲物を絡め取り、際限なく生長する枝葉めいて地をのたくった。
「くっ!?」
「押し通らせて頂きやすぜ。あっしが……いや、あっしらが用があるのは、その奥に控えた大将でさァ」
二体目はまた別の最期を迎えた。つまり放たれた反撃の剣は、先手によって下段に捌かれた。尋常の物理法則においては奇妙な話だが、先手に応じたはずの後手が先手に封じられたのである。逆説連鎖の戦いはそういう矛盾(パラドクス)を実現する。
捌かれた。そう思った瞬間には、娑婆蔵の草履が敵の足を踏んでいる。骨子術か。……動けない!
そうして白刃が「はね」を描くように折り曲がり、二体目の剣蟻兵もまた、呪詛の剣によって息の根を止められた。
残心すらもなく、剣風の残り香だけを置いて娑婆蔵は軽やかに地を蹴る。抜刀疾走。いつでも斬り込める前のめりな構えだ。
雑魚には目もくれない。彼の心は此処に来るより前から、ただ一騎の将をのみ、見据えているのだから。
成功 🔵🔵🔴
効果1 【腐食】LV1が発生! 効果2 【ダメージアップ】LV1が発生!
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
八栄・玄才
このオレ、八栄・玄才が三度会いに来たぜ、関羽
命の取り合いに挑む資格は前回示したつもりだ
さあ、雌雄を決そうか
まずは雑兵を片さないとだな
関羽を逃がすわけにはいかないんだ
多少キツくても複数対象のパラドクスで一気にキメるぜ
『万夫懼るる勿れ』の心得に従い、雷速で【突撃】
相手の斬撃が閃く前に、拳で、掌底で、膝で、爪先で、【強打】し、鎧ごと肉体を【粉砕】してやる
一撃入れたら、反撃を受ける前に目の前の敵からは離脱
次の敵に向かって【ジャンプ】して、また攻撃を浴びせ、離脱を繰り返す
戦場を雷のように駆けまわり倒せるだけの敵を倒そう
鍵になるのは≪グロリアス≫だな
敵を倒して回復することで消耗を抑えて関羽との闘いに備える
●三顧の礼
三度。
かの猛将と相まみえるのは、これで三度目……といっても八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)はまだ、関羽の眼前には届いていない。
目の前には雑兵が蔓延り、行く手を阻む。なるほど、これをすべて駆逐するのは現実的ではない。彼奴を討つとなればなおさら。
「このオレ、八栄・玄才が会いに来たんだ。雌雄を決する前に逃げるなんざ、期待外れなことはしないでくれよ」
玄才は雑兵を前にしながら、しかしてかつての戦いを脳裏に幻視する。
一度目。井の中の悪魔は、己の増上慢を完膚なきまでに叩き潰され、苦い屈辱と激しい闘争心を植え付けられた。
己の掌法を、上から目線で評価するあの言葉。今思い出しても苦々しい。苛立ちをサンドバッグに叩きつけた日々の、焦燥と無為は彼にとって敗北に等しかった。
二度目。彼にとっての敗北の経験を経て、一意専心の心得だけを胸に叩き込まれた一撃は、関羽に忘れ得ぬ傷を叩き込んだ。
己の名。己の武。それらを刻み込ませた。奴は忘れてなどいまい。忘れているようなら、思い出させるまでだ。
……だがそれで、屈辱は晴れたか? 否。断じて否。
「しゅっ!!」
眼前。雑兵が独特の呼吸法から、唸るような[斬撃]を繰り出した……いや、繰り出そう「とした」。
玄才はそれに先んじ、拳で関節を砕いた。ばちり、と拳の軌道に電光が火花めいて散り、鎧ごと砕ける肉の感触が脳に伝わる。
神経を伝わる電撃が認識をもたらした時には、身体がすでに動いている。次の敵へ。掌底。砕ける感触。さらに次。膝。砕ける感触。さらに次、爪先!
「な、なんだこいつは!?」
「動きに迷いがなさすぎる……!」
跳躍し、斬撃の起こりを潰し、また次へ。玄才は敵を見ながら過去を視る。そして未来を。関羽との戦いを。
その軌跡は稲妻に似ていた。消耗を残留効果で抑え、呼吸によって肚から力を引き出す。すべては決戦のため。
命の取り合いに挑む資格は、すでに示した。あれも分かっていよう。己の掌法に驚愕し、苦悶し、そして煮え滾るあの紅眼ははっきり覚えている。
「三度目で、これが最後だ。そうだろ、関羽」
崩れ斃れる屍を振り返ることもなく。若き稲妻は戦場をまっすぐに駆ける。
己の武で、涯ての先を目指すかの如く。
成功 🔵🔵🔴
効果1 【通信障害】LV1が発生! 効果2 【グロリアス】LV1が発生!
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
無堂・理央
蜀最強の将、関羽。
大戦乱群蟲三国志の攻略が開始された時から名前が出ていたジェネラル級。
何度も挑戦して、時には簡単にボク等が叩き伏されて、時には撤退まで追いやれた猛将。
遂に討てる可能性が掴めたんだね。
なら、その可能性を現実にするまで!
無双馬『クロフサ』に騎乗して現場に向かうよ。
クロフサにはパラドクスの力で空中を駆けて貰い、敵に見える形で攻めちゃえ!
上空から急降下しつつ、馬上槍の振り下ろしでまずは一体!
地上に降りたら、関羽目指して一直線に駆け抜ける!
進路上に居る敵は馬上槍で刺し貫き薙ぎ払い、クロフサが跳ね飛ばしたり蹄で踏みつぶしたりと歩みを止めずに蹴散らかす!
今更、居るだけの蟲将なんて雑魚だよ!
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
ア・ンデレ
「せいぎのヒーロー、アンデレちゃんが、きた!」
アンデレちゃんは腕を翼のように変形させ、空を飛び蜀軍剣蟻兵に突進していく。
そのままの勢いで頭突きをドン!
アンデレちゃんの鋭い角を喰らうがいい。
「いよいよかんうとのけっせん、わくわくするね」
今まで何回も戦ってきた関羽との決戦が控えているので、アンデレちゃんはテンション高めだ。
鼻歌なんか歌ったりしている。
倒したら次の蜀軍剣蟻兵へ向かい再び頭突き。
敵が攻撃してきたらアクロバティックにくるりと回転して避ける。
アンデレちゃんは「空中戦」が得意なんだ。
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
一里塚・燐寧
共闘・アレンジ歓迎
今更、雑魚に時間かける気もないんだよねぇ
邪魔者はぶった斬りつつ最速で駆け抜けるよぉ
それこそ「関羽の千里行」みたいにさぁ!
巨大鎖鋸剣≪テンペスト・レイザー≫を手に駆け抜けながら
『呪式:叛死犯生』を発動
拒絶の【呪詛】を使いあたし自身を物凄い勢いでブッ飛ばして
【残像】を曳く程の速度を出し
すれ違う敵を得物の回転刃で引き裂いて進むよぉ
視界の外から超速で突っ込んできた「何か」に斬られた敵が
状況を理解できず【攪乱】されてるうちに【一撃離脱】狙うねぇ
関羽の居所まで出来るだけ止まらず
反撃されても意に介さない捨て身の精神で突き進んでいくよぉ
んふふ、一番槍ならぬ一番チェーンソーを目指しちゃうねぇ!
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
結島・蘭杏那
ハイパーカッケーパイセンとして、ここでなんとしても関羽を撃破したいわ。最初に遭遇したときは圧倒的な力を感じたけど、今はそれほど差を感じない…私達成長してる!そして数に物を言わせて疲弊させて倒すなんて、数の暴力は最高ね!!まぁ流石に一対一で倒せるなんて思い上がってないからいいわよね♪
そのためにも先ずは蜀軍剣蟻兵の集団を突破しないといけないわね。あまり時間を掛けてられないからオキナに騎乗して一直線に突き進むわよ。蜀軍剣蟻兵は烏合の衆、勢いをつけて追い立てれば散っていくはず!『洛陽軍』の旗を振り回して蹴散らしていくわ。お得意の【貫通撃】で一点突破よ!(虫さんクッキーバリボリ
③👾烏合のトループス級『蜀軍剣蟻兵』
ブロス・ブラッドハート
へへ、思うことはいっぱいあるけど…それはあいつと会った時にとっておくぜ!
それにお前らも強いんだろ?雑魚なんて思わないし手は抜かねぇよ!
腕が四本で盾と剣が二つずつ…守りも攻めもすっげー強そうだなぁ。搔い潜るのは難しそうだけど、こっちは仲間と一緒だからな。少しでも相手をかく乱出来ないか試してみるんだぜ
相手の視界に入ってるようなら『ダッシュ』で左右前後にちょこまか動くぜ
にしし、逃げたいときに『時間稼ぎ』みたいなのは厄介だろ?
相手の注意が逸れたり、焦って攻撃してきたらこっちのもんだぜ。一気に距離を詰めて『不意打ち』だっ
鎧が守ってない関節とか胴を狙って相棒を振りぬく!!
アドリブ・連携歓迎だぜ!
●敗残の兵を越え
関羽との戦い。
それはディアボロスらにとって、ジェネラル級という「格上の存在」が、いかなるものなのかを痛感させられた戦いでもあった。
苦戦に次ぐ苦戦。ようやっと一矢報いたとしても、敵は最強の名に相応しい強大なクロノオブジェクトの力で逃げおおせ、ディアボロスを嘲笑い、あるいは褒め称え、あるいは憎悪し、あるいは愉悦した。
はたして、幾度の戦いが起きただろうか。
はたして、幾人のディアボロスが因縁を結んだだろうか。
もはや数えることも出来まい。だが、それも今日、この時。ついに、一つの節目を迎えようとしている。
そうした歴戦の強者たちの中でも、特に関羽との因縁深い少女がいる。
「せいぎのヒーロー、アンデレちゃんが、きた!」
ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)だ。彼女は仲間とともに肩を並べて関羽と戦うこともあれば、たったひとりで相争うこともあった。強者と褒め称えられたこともあれば、己の不足を痛みでもって味わわされたこともある。
だが、今の彼女の表情はどうだろうか。汚名を返上せんとする執念に満ちるか? あるいは、憎き仇への怨嗟に満ちているか?
……どちらも否。彼女はいつものように笑い、両腕を翼のように変形させ、空からやってきた。
「アンデレちゃんのするどいつのを、くらうがいい!」
「ぐおぉっ!?」
そして勢いそのまま、獲物を狙う猛禽のように斜めに滑空すると、腕翼によって得た加速に己の身体という質量を乗せ、猛牛じみたチャージで剣蟻兵を串刺しにしてしまう!
まさに、怒涛だ。敵をふっ飛ばしたアンデレは地上に降り立つと、着地体勢を取る暇もなく、ロケットのように駆け出す。
鼻歌なんぞを歌いながら、楽しそうに。まるで、ピクニックを心待ちにしていた、年相応の子供のように。
前へ。ただひたすらに、前へ。
彼女の……いや、彼女らの目的は、こんな敗残兵どもではない。本来であれば、かかずらう暇さえ惜しいのだ。
"ら"。然り。ここへ参着したのは、アンデレだけではない。関羽との激戦の数々が、因縁の多くを生み出したように、それに見合うだけのディアボロスがここへ駆けつけていた。
「クロフサ! ボクらも遅れを取るわけにはいかないよ、いまさら雑魚なんて踏み倒して進もう!」
空より再びの俊英。その名は、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)。そして、彼女の相棒にして愛馬、クロフサ。
彼女もまた、アンデレや他のディアボロスのように、蜀最強のジェネラル級の所以を身を以て味わった。
ましてや、騎兵である。赤兎馬という強大な一騎との撃ち合いは、今もってなお拭いがたい、激烈な戦いの経験だった。
時には簡単に叩きのめされた。
時には、奴を撤退にまで追いやった。
敗北に近い苦い経験もある。一矢報いた達成感を抱いたこともある。だが、それらも「今」とは一線を画す。
「ついに、討てる可能性を掴めたんだ。なら、その可能性を現実にしてみせる! ボクとクロフサと、みんなの力で!」
空より放たれた神の矢の如き槍の一撃で、まず一体を串刺しに。地面が陥没しひび割れるほどの威力は、そのまま地を駆ける勢いと化し、進路上の敵を文字通りに薙ぎ払いながら突き進む。自然、弾丸めいて低空飛翔するアンデレと並んだ。
「うん。いよいよかんうとのけっせんだよ。わくわくするね」
アンデレは相変わらず笑って、楽しそうに頷く。理央は彼女ほど無邪気ではなかったが、しかし、同じように不敵に笑った。
今回は、腕試しや苦し紛れの撤退を狙ってではない。追い払うために全力を振り絞るのでもない。
その首。その生命をもらい受けるために、ここへ来たのだから!
「んふふ、一番槍は持ってかれちゃったねぇ。けど、一番チェーンソーはあたしがいただくよぉ!」
さらに彼女らの後ろ。
巨大な鎖鋸剣を軽々と担ぎ、走るでもなく翔ぶでもなく、「弾き出されて」ぶっ飛んできたのは一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)。
いかなるメカニズムか。それは彼女が持つ膨大な呪詛の応用、すなわち呪式である。筋力でも敏捷力でもない、自棄の感情からくる反自然にして超自然たる斥力がもたらした不可解軌道。
言うなれば、ピンボールのようなものだ。斥力でもって自らの身体をボールに見立ててふっ飛ばし、コース変化はやはり同様に「弾き飛ばす」ことで行う。燐寧自身はというと、移動のすべてを斥力に任せたことですべてを攻撃に注ぎ、まるで回転する独楽、あるいは荒れ狂う原子じみた勢いでチェーンソーを振るい、砂埃を巻き上げていた。もちろん竜巻じみたその暴風の中には、乱舞する鋸刃でバラバラにされた剣蟻兵の残骸と血飛沫も混じる。すさまじい有様だ。
稲妻じみた軌道はまったく向かう先が読めず(多少語弊があるが、なにせ燐寧にも若干どこへ向かうか読めないほどの乱雑さだ)、さらにその速度自体もアンデレや理央に負けず劣らず、残像さえ生じさせるほどに疾い。そして何より、テンペスト・レイザーの破壊力たるや!
鎖鋸剣という物騒極まりない獲物は、呪式によって強化されており、剣蟻兵の振るうなまくら刃など一顧だにしない。鎧も、剣も、肉も骨も何もかもを力任せに食いちぎり、粉砕し、バラ撒く。その様は、無我夢中でおもちゃ箱をひっくり返す子供のようでもあり、あるいは好き勝手気ままに獲物を貪食する悪竜めいてもいた。つまりは、悪夢じみた強さだった。
「が
……!?」
剣蟻兵は、己が何に斬られたのかも、そもそも「何が起きた」のかもわからない。燐寧は止まりすらしないからだ。
ただ、わけもわからずバラバラにされる。捨て身である。すれ違いざまの斬撃(というよりも、燐寧が通り過ぎた場所に剣が置いてあったというのが正しいが)で受けた傷を顧みすらしない燐寧は、やはり笑っていた。好奇に満ち溢れた笑みで。
「いまさら、雑魚に時間かける気もないからねぇ。邪魔するならぶった斬っちゃうよぉ、跡形も残さずねぇ!」
地面に焦げ付いた稲妻の軌跡を刻み、桃色の風が破壊と殺戮を巻き起こす。目指す先は、やはり前だけだ。
「みんな滾ってるわね! まあ、無理もないわ。最初に遭遇したときのあの圧倒的な力……ようやくあれを、叩き潰せるんだもの!」
騎兵は理央だけではない。結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)もまた愛馬『オキナ』の鞍上にあり、戦騎疾駆のパラドクスでもって戦場を横断、圧倒的な武力で剣蟻兵を薙ぎ払う。
その手応えで改めて蘭杏那が思うこと……それは、「成長」だ。最初に関羽に遭遇した頃、およそ半年以上前のあの時から比べて、自分たちは成長しているという事実。
二度のディアボロス・ウォーでの完全勝利という、揺るぎない事実はある。ジェネラル級のことごとくを討滅し、断片の王すらも打ち倒し、ここまで来た。そうした自負はある。
だが、それだけではない。ディアボロスという総体としてではなく、蘭杏那という個の武人としての、己の卓越。積み重ねてきた戦いの経験が、五臓六腑に染み渡り、血肉となり、技に変わり力となっているという実感があったのだ。
「私たちは、成長してる! あの頃とは違うわ。そして、数の力もこちらにある。"ハイパーカッケーパイセン"として、ここでなんとしても関羽を撃破しないとね!」
「へへ! 思うこと、言いたいこと、たっくさんあるもんな。けど、これは全部、あいつと会った時にとっておくぜ!
おれがあいつをぶちのめすためにも、お前らは手を抜かずにぶっ倒してやる! さあ、強さを見せてみろよ!」
成長という意味では、蘭杏那に続いて走るブロス・ブラッドハート(意気衝天・g03342)こそその典型だろう。
アンデレに並ぶ年少のブロスは、はっきり言って向こう見ずだ。最初の関羽との接敵も、愚直に過ぎる捨て鉢なものであり……結果として、ブロスは大いに強者が強者たる所以を味わわされた。あの痛み、あの愕然、忘れようはずもない。
だが、今の彼はどうだろう?
……もはや記すまでもない。そう、笑っている。不敵に、大胆に。目の前の敵、そしてその奥に控える本命との戦いに、うずうずしてワクワクしていた。彼の性根は、猛将の戟でさえも変えられなかったらしい。
いやむしろ、増している。強い敵がいるということは、己もまた成長し、強くなれる。弱さを知っているからこそ。
そして現実に、彼はあの戦いを生き延びた。生きてここにあり、その経験をバネに成長したのだ。猛将に見合う戦士として!
「小僧! 我々を弱敵と侮るか!」
「そんなわけねーだろ! けど、負けるつもりはないぜ! おれ達の目当ては、お前らの先にあるんだ!」
憤る剣蟻兵の双剣が走る。が、そこに蘭杏那とオキナの突撃!
「よそ見はダメよ? なあんて、別にこちらを見てなくても失礼するけど。だってあなた、私たちの通り道にいるんだもの!」
「なっ!?」
銘無しの十文字槍が迸る! 鎧ごと肉体を貫通せしめる刺突が騎馬突撃の速度から放たれ、剣蟻兵を怯ませた。
間隙。それを逃すブロスではない。紅角刀一閃、少年でありながら鮮やかな剣閃が紅の一文字を刻み、まさしく十字を描いて剣蟻兵を四散せしめた!
「良い腕前ね! あの時よりずっと鋭く疾くなってるわ。なんて、ちょっと偉そうかしら?」
「へへっ、そんなことないぜ。ありがとな! 相棒とともに、おれはたっくさん成長してきたからな!」
蘭杏那の言葉にブロスははにかみ、気を取り直すと残心の暇さえ惜しんで前へ。時間があまりにも惜しいのだ!
そうして5人のディアボロスは、自然と並走する形になり、敗残の兵を越えてすさまじい勢いで猛進する。
もはや必要最低限の敵を打ちのめすどころか、見える限りの兵を喰らい尽くさんばかりの勢い。まさしく、怒涛!
「みんな、たのしそうだね。アンデレちゃんもおなじだよ。かんうとのたたかいがおわるのは、さみしいけどね」
「ははっ、すげー強気だな! でも、そのぐらいの勢いじゃないと、あいつは倒せないってのはたしかだぜ!」
アンデレの不敵極まりない言葉に、ブロスは快活に笑った。
「いつもなら倒した数比べでもするところだけど、その暇はないからねぇ。逃げられたりしたら、興醒めでしょ?」
「関羽の恐ろしいところは、退くときには躊躇なく退くことだものね。このチャンス、逃すわけにはいかないわ」
燐寧に蘭杏那が同意する。彼女らの顔のすれすれを、鎖鋸剣でバラバラにされた剣蟻兵の残骸、あるいは戦騎疾駆で串刺しにされた死骸が飛び散るが、彼女らは意に介さない。
「だからこそ、見せてやろうよ。ボクらがどれほどこの瞬間を待ち焦がれていたのか、そして……あの時から、どれだけ成長できたのかをね!」
理央は溌溂と言い、集団から二馬身ほど飛び出すと、最後の剣蟻兵をクロフサの蹄で以て踏み砕いた。
地が砕け、粉塵が舞う。それを悪魔の翼のはためきと、鎖鋸剣が起こす呪いの旋風と、紅角の剣風、そして銘無しの矛が切り裂く。ここが合戦場であれば、猛然と迫る彼ら彼女らの姿に、敵は肝を潰して瓦解していたことだろう。
「と、止められん、我々では……!」
生き延びた剣蟻兵でさえ、そうなった者がいた。さもありなん。彼ら彼女らの目当ては己らの将なのだ。ありえないはずの敗北の可能性をすら考えてしまうほどに、その勢いはすさまじい。
もはや、ディアボロスらを阻む敗残兵はいない。
待ち望んだ決着。屈辱をはねのけ、汚名を叩き返し、勝利と決着をもって首級を穫るその瞬間を求めて、復讐者たちは走る。
矢のように。あるいは流星のごとく。目指す先は、ただ一点! 怒涛の進撃は、けして止まらない!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1 【飛翔】LV2が発生! 【温熱適応】LV1が発生! 【スーパーGPS】LV1が発生! 【腐食】がLV2になった! 効果2 【アヴォイド】LV1が発生! 【ダメージアップ】がLV3になった! 【ロストエナジー】LV1が発生! 【反撃アップ】LV1が発生!
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
錣吹・しとら
虎衛兵だか知らねえが、こちとらしとら様じゃボケェ!
アタシと名前一部被ってるくせに悪さしやがって、ぶちのめしたらぁ!
カブトムシみてえに硬い殻に守られてようが関係ねえ!
この技はそういう奴にはよ~~く効くぜ!
突っ込んで行く奴らの更に前、ギリギリ相手の手の届かない位置から攻撃だ!
一切合切完砕破で纏めてぶっ飛ばす!衝撃波は殻の硬さなんざ関係なく伝わるし、振動で動きを痺れさせしまえばこっちのもんよぉ!
動けなくなったところで周りの仲間と攻撃だ!
安易に守りを固めたことを後悔させてやるぜぇ!
こちとらあの髭面に上等かましに行くんだ!
下っ端共はすっこんでな!
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
竜城・陸
【飛翔】して視界を広く取り交戦するよ
敵軍を追ってその只中の将に迫ろうというんだ
周囲の味方とは連携し、孤立しないよう留意していく
連携して守りを固め、反撃の機をうかがうというのなら
その機をずらしてやればいい
攻撃は主に、上空から氷の剣を投射して遠間から行う
序盤は他の味方の攻撃と前後するように、敢えてタイミングをずらし
「他の味方の動きに相手が反応した隙」を狙うか
或いはこちらの攻撃を先んじさせて「味方の攻撃が相手の隙を突く」ように
相手の隊列が崩れ、統率が乱れて足が止まったところで
今度はこちらが味方と連携して一斉攻撃
そうそう思惑通りにはいかせない
用事があるのはこの先だ
悪いけど、さっさと退場して貰うよ
●鬼と竜
敗残兵を蹴散らし、ついに旧本陣へと到達したディアボロスたち。
だが関羽へと届くその前に立ちはだかったのは、親衛隊として徴用された『魏軍虎衛兵』の集団だ。
無言の兵は己らの身体を肉壁とし、横列を組んで行く手を阻む。迂回も飛び越えることも許されない、それだけの気迫と技量を感じさせる歴戦のトループス級である。
「チッ。邪魔くせえな。虎衛兵だか知らねえが、こちとらしとら様じゃボケェ! あぁ!?」
錣吹・しとら(鬼門の姫・g00929)は舌打ちし、ギロリと敵を睨みつけた。
並のトループス級ならそれだけで射竦められそうな怒気だが、虎衛兵はぴくりとも反応を示さない。だが、無言の凝視はあきらかな敵対と反抗を物語っており、無視するには危険すぎることを示していた。
「敵軍を追って、その只中の将に迫ろうというんだ。簡単に行くわけがないことは、俺もわかっているさ」
竜城・陸(蒼海番長・g01002)はしとらの肩を叩き、その凝視に真っ向から相対した。
「けれど、俺たちが用があるのはこの先……つまり、お前たちの主人だ。悪いが、さっさと退場してもらうよ」
「へっ、お頭も言うじゃねえか。ああそうさ、ただで通してもらおうなんて虫のいいこた言わねえよ」
しとらは陸の言葉ににやりと笑い、肩に担いでいた金棒をずしんと地面に突き刺した。
「何より……アタシと名前一部被ってるくせに悪さしてるのが気に入らねえ、ぶちのめしたらぁ!」
「そこ、気にするところ? まあ、俺がドラゴンに対して思うことと似たようなものなのかな」
陸はしとらのいつも通りの調子にわずかに苦笑を浮かべ、翼を広げた。
再び敵を見据える鬼と竜の表情は、真剣なものだ。そして……どちらともなく、戦端を開いた!
敵の構えは、『虎衛堅牢陣』と呼ばれるパラドクスである。
守り、阻むことに特化したカウンター型の構え。これを代償なく突破するのは、極めて困難と言えよう。
しとらの剛力は、その守りをも粉砕するほどだが、届かせるには前に出なければならない。カウンターは避け得ない。
だが、ここで消耗しすぎてしまっては、肝心の関羽との戦いが不利になってしまう。難しい局面だ。
(「連携して守りを固め、反撃の機を伺うというのなら……その機をずらしてやればいい。しとらなら、わかるはずだ」)
ふたりはこれといって作戦を構築したわけではない。だが、彼らほどのコンビになると、言葉を交わさずとも互いの意図は読めるもの。
陸は敵の隙を突く、ないし隙を作り出すために、上方さらに遠間からの投擲攻撃を目論んだ。莫大な魔力により氷の剣を生み出し、それを弾丸めいて投射する十八番のパラドクスだ。
当然、しとらはその手管と強力さをよく知っている。彼の狙いが百発百中であり、どれだけの速度、勢い、範囲で放たれるのか・放てるのかも様々な意味で心得ている。
ゆえに、振り仰ぐ必要はない。まっすぐに突撃し、一切合切を完砕せしめる剛力を鬼伽藍に籠める。不幸を望む呪いが増幅され、籠められたパワーのあまりに鬼伽藍が不穏に震えるほどだ! 祈りを籠めた槌が、ずしりと重さを増して大気を張り詰めさせる!
「カブトムシみてえに硬い殻に守られてようが関係ねえ! この技はなぁ、お前らみたいな奴らによ~~~く効くぜ!!」
それをただ振るうだけであれば、激烈なカウンターがしとらを襲っていただろう。
だが、陸! ほとんど同時に……だが実際にはわずかに後の先を得た形で……氷の剣を生成、即座に投射する!
「自慢の装甲で、俺の刃を防ぎきれるかい? もっとも、防いだところで……後輩が、全部砕いてしまうけれどね」
降り注ぐ無数の氷の刃! 弾幕じみた氷の雨が否応なく敵の機先を削ぐ。そこへ、しとらという名の弾丸が……着弾!!
「こちとらあの髭面に上等かましにいくんだ! 下っ端どもは、すっこんでな!!」
SMAAASH!! 剛力が、敵装甲に突き刺さった氷刃もろとも地面をまるごと削り取るほどの一撃となって炸裂した!
完砕された敵の残骸が、バラバラに飛び散り、降り注ぐ。凍りついたそれらは地面に当たるとパキンと割れて砕けた。
「さっすがだなお頭! 合わせてくれると思ってたぜ!」
「そっちこそね。けど、まだまだ敵はいるみたいだ。消耗を抑えながら、進むとしよう」
鬼と竜は油断せず、次に備える。戦いはまだ、始まったばかりなのだ!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【建造物分解】LV1が発生! 【飛翔】がLV3になった! 効果2 【ダメージアップ】がLV5になった!
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
神山・刹那
いよいよ関羽との決戦か
思えば長かったもんだ
が、その前にこいつらを片付けるか
折角の勝負に水を刺されちゃ興醒めだ
漢の勝負に茶々入れる様な奴は、捻り潰してやる
虎衛覇王拳で拳を打ち出し衝撃波を打ち出すなら、残像で的を絞らせない様に動きながら、拳を引いて次の一撃を打つ前に懐に入り込み、斬り捨てる
「漁夫の利を得ようってか?やることがせこいんだよ。失せな。今の俺はお前らじゃ満腹にはならねぇよ」
●長かった決着
いよいよ関羽との決戦。天下の豪傑と敵ながら称賛し、苦戦を強いられたあの時から、どれほどの月日が流れたか。
一年に満たぬ時間も遠く思えるほどに、まさしく一日千秋の思いで待ち続けたこの時が、ついに来たのだ。
「せっかくの勝負に水を差されちゃ、興醒めだ」
神山・刹那(梟雄・g00162)はにやりと笑い、敵を見据えた。
「漢の勝負に茶々入れるような奴は、捻り潰してやる!」
そして、走る! 風の如くに颯爽と、そして涼やかに。それは、死地に赴く戦士とは思えないほどに軽やかだった。
対する虎衛兵はやはり陣を組み、反撃によるカウンターを前提とした守勢で迎え撃つ。
己らの身を壁として、なんとしてでもディアボロスを阻むというわけだ。敵ながら天晴な忠誠心ではある。だが!
「今は邪魔でしかねぇ。俺の動きを、お前らに見切れるかよ?」
刹那は速度から分身を生み出し、まっすぐ一直線に走るのではなく、ジグザグの軌道でフェイントを織り交ぜることで、敵を幻惑した。分身自体が敵の目を眩ませる上に、単純なスピードのせいでまともに捉えることは至難だ。
「……!」
疾い。無口な虎衛兵ですら、思わず驚嘆の吐息を漏らしそうになるほどのスピード。だが、それはただのフェイントではない。
「失せな。今の俺は、お前らじゃ満腹にはならねぇよ」
すでに刹那は間合いの中にいる! 示現流の技巧をアレンジして生み出された分身剣は、生み出した分身とともに斬撃を繰り出すという、超自然的なパラドクスに昇華されたのだ!
剣風が嵐じみて荒れ狂い、反撃をものともせず敵を蹴散らした。ざあっ、と乾いた風が吹き抜けると、バラバラにされた敵の残骸が地面に転がり、屹立するのは刹那ひとり。
「漁夫の利を得ようなんて、やることがせこいんだよ」
刹那は言い捨てて、前へと走った。次の敵を倒し、ごちそうにありつくために!
成功 🔵🔵🔴
効果1 【神速反応】LV1が発生! 効果2 【命中アップ】LV1が発生!
①関羽を挑発する
シエロ・ラヴィオン
・紅生匈湧
・真っ向から顔面を殴り、名乗りを上げた
久しぶり、とは戦に不釣り合いかな?豪将関羽殿
以前名乗りを挙げたが──ああいや、忘れているなら構わないよ?小石を忘れるのも無理は無い。尤も、その石に手痛く殴られたなんてのは、そりゃあ忘れたいだろうね?
それよりも随分と腰が引けているじゃあないか
いやいや以前の猛るような、あの戦振りは何処に行ったんだい?
まがりなりにも、あの強さに憧れもしたのだが、がっかりだよ
逃げたきゃどうぞ?
しっかり風評させて貰うさ、「関羽は小僧一人から弱腰で逃げていきました」とね
違うと言うならかかってきなよ
前よりさらに退屈はさせないから
──重力鎖、最大出力
さあ、…真っ向からやろうか!
●空を冠する者
勝てない、と。
あの時自分は、そう考えた。最初から勝つことを諦め、ただ襲い来る死を認識して、それでも拳を握った。
はたしてその結果は……言うまでもない。シエロ・ラヴィオン(Heir to the sun・g00146)は死なず、だが関羽を打倒することも出来ず、今日この時に至る。長かった決戦の時に。
然り。今、シエロは関羽と相対していた。
周囲では虎衛兵とディアボロスらの戦いが鬨の声めいて響き、奇妙な空白が生まれている。乱戦の中のわずかな間隙。
「貴様は……」
「久しぶり。とは、戦に不釣り合いかな? 豪将関羽殿」
涼やかな口ぶりに、関羽は目を細めるように紅眼をぎらつかせた。かつて相対したときとは別人のような落ち着きぶり。
死を恐れつつも、避けられないそれを覚悟しようとする少年は、成長した戦士として猛将の前に現れたのだ。
「どうやら、忘れていないようだね。小石を忘れるのも無理はないんだ、覚えていなかったとしても構わなかったけど」
シエロは関羽の様子から、己との戦いを覚えていることを察すると、そう冗談めかした。
「ずいぶんと卑下をするではないか。今度こそ、わしの軍門に降るつもりになったか?」
「まさか。腰が引けている割に、相変わらず強気なことを言うね」
「……何?」
関羽が、じとりと怒気を孕んだ。シエロは剽げた様子で続ける。
「以前の猛るようなあの戦ぶりが嘘みたいだ。まがりなりにもあの強さに憧れもしたのだが、正直、がっかりだよ」
……嘲笑を籠めて。
実際のところ、それは半分強がりで、だがもう半分は本音だ。
あれから、自分は成長した。しかしだからといって、凌駕したと嘯くほど、シエロは愚かではない。
だが、あえてそう振る舞う。それが奴に覿面効くことを、シエロは知っている。
「逃げたきゃどうぞ? しっかり風評させてもらうさ、「関羽は小僧一人から弱腰で逃げていきました」とね」
「……ほざくようになったな、小僧。その増上慢は、死を以て償うことになるぞ」
「なら、かかってきなよ。前より退屈はさせないさ」
重力鎖、最大出力。怒気と闘気がぶつかり合う!
「真っ向からやろうじゃないか、関羽!」
びりびりと、声が大気を震わせた。互いの殺意がうねり、見えない乱気流となって荒れ狂う……!
成功 🔵🔵🔴
効果1 【建造物分解】がLV2になった! 効果2 【ダメージアップ】がLV6になった!
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
平良・明
長かったような、短かったような、時の流れは不思議なものです
親衛隊というにはそこそこでしょう
油断なくいきます
守りが固いなら、それはそれでやりやすい
「凍火」の枝を伸ばして【捕縛】
堅固な鎧を持つならその隙間を這わせ
締め上げて熱を奪い、枝先で中身を貫いて黙らせます
関羽という火もいずれは絶える
動かないと、ほら、凍えてしまいます
虎を名乗るには少し足りないような
逸る気持ちを抑えて、まず根絶やしです
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
杏・紅花
周りの羽虫はお邪魔なだけ
アンタたちも「虎」なの?
んふ。じゃあ、どっちがつよぉい虎か、あたしと戦って
敵の攻撃に合わせて【神速反応】で残像残す程のスピード出して、回避すると見せかけて
フェイント、相手の拳に添わせるように鉤爪を突き出して、引っ掻き切り裂いていく
コブシなら、あたしもっとつよぉいの知ってるんだあ
あたしの仲間の拳。
それに比べたら、ねえ、豆腐みたいだぞっ
ついにホンモノの、関羽
あ、正史からしたら、これもニセモノかあ
でもいいの、待ってた、つよぉい敵
あのときの小虎の爪は
もお〜っと研がれてるぞお
アドリブ、連携歓迎っ
●少女と男
邪魔な羽虫が、杏・紅花(藤袴と浅葱斑・g00365)の行く手を阻んでいた。
関羽を守る親衛隊、虎衛兵。その由来や仔細は、今はどうでもいい。紅花にとっては、邪魔な虫であることに変わりはない。
「アンタたちも、「虎」なの?」
だが、虎の名を冠することは、少しだけ少女の興味をさらった。
んふ、と小悪魔めいた笑みを薄く浮かべ、目を細める。獲物を見定めるような、あるいはどう遊ぼうか思案する子供のような、矛盾した面持ち。そして何より、剣呑である。
「じゃあ、どっちがつよぉい虎か、あたしと……」
「親衛隊を相手に、ひとりで征くつもりですか?」
その時ふと、背後から声がした。
紅花はきょとんとして振り返る。平良・明(ダイヤのK・g03461)が、そこにいた。
「トループス級とはいえ、親衛隊を名乗るにはそこそこのものでしょう。油断は禁物だと思いますが」
「……なに、もしかして心配してくれてる?」
「戦術上の判断です。ここで消耗していたら、メインディッシュは楽しめないんじゃないですか?」
明が、関羽をそう捉えているわけではない。紅花の認識と嗜好に沿って発言したまでだ。
紅花はぱちくりと青い瞳を瞬かせ、意味ありげな笑みを浮かべた。得意げというか、「ふうん」と感心しているような、とにかくそういう表情だ。明はなんとも言えぬ表情を浮かべる。
紅花という少女は、とかく感情が読みづらい。無表情というわけではない、むしろ溌剌で感情表現が多彩だが……それゆえに、腹の底が見えがたいのだ。強すぎる光の中では、目が眩むように。あるいは、強すぎる花の香が、毒の気配を紛れさせてしまうように。つまりは……。
「じゃあ、頼らせてもらおうかな。強いつよぉい、あたしの仲間」
「……ご自由に。そちらにその気がなくても、私はそのつもりでしたから」
明はからかうような言葉に付き合わず、拳をゆるく握って身構えた。
敵は横列を組んで陣を張る。単純だが攻めにくい守勢である。いかにして砕くか……ふたりの間に言葉は不要。
「征くよ」
まず、紅花の姿が、かき消えた。それに応じて、明もまた動いていた。
強固な守りの陣を砕くには、相応の怪力が要る。ふたりはどちらも、そこまでの剛力には向いていない。
そもそも、そういうスタイルではない。付け加えると、正面から真っ向力で打ち崩すのはかなりの骨だ。それでは、関羽との戦いに備えられない。だから速さと技術で付け入る。
「あたしねぇ、コブシならもっとつよぉいの、知ってるんだがあ」
一瞬の間隙。すでに敵の前に「現れた」紅花はそれを逃さず、されどにこりと蕩けるように微笑んだ。
「それに比べたら、ねえ――」
小虎のじゃれつきに構わず、拳が走る。紅花は沿うように拳を躱し、鉤爪を突き出し、螺旋を描くように腕を切り裂いた。
「豆腐、みたいだぞっ」
言葉通りだ。堅固な外殻はずたずたに切り裂かれ、血が飛沫く。通すまいと敵が密度を増そうとするが、すでにその間には凍火の枝が蔓延っていた。
「守りが硬いなら、それはそれでやりやすいです。黙っていていただけますか」
明の声がした。枝先が矛のようになり、切り裂かれた外殻の隙間から「中身」を貫いて、霧氷でもって敵を染める。
ぱきぱきと、虎衛兵の身体が凍りついて、砕けた。爆ぜるように砕けた氷片は地に落ちるのを待たず、戦場の熱気で解けて崩れていく。はかない終わりだった。
「……ほら、こうやって凍えて終わってしまう。あなたがたのあるじ、関羽という火も、きっとこうなりますよ」
明は嘯いた。その横顔を、紅花は相変わらずの微笑みで見つめている。
「関羽、関羽。待ち遠しいね。つよぉい敵。ホンモノの……あ、正史からしたら、これもニセモノかなあ?」
「冗談を言ってる場合じゃないですよ。先を急ぎましょう」
「さっきは冗談、言ってたのに」
「そのほうがやる気になると思ったんです」
明は取り合わず先へ進んだ。紅花は、にんまり笑みを浮かべる。
小虎の笑みの理由は、研ぎ澄ませた己の爪を強敵に届かせる高揚感ゆえか。あるいは、はたして。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【避難勧告】LV1が発生! 【神速反応】がLV2になった! 効果2 【ダメージアップ】がLV7になった! 【命中アップ】がLV2になった!
①関羽を挑発する
錣吹・しとら
・紅生匈湧
・連携して最大技を撃つも一蹴される
・なので同じ技を撃つことを宣言して挑発する
おうコラご無沙汰してやがったな緑ヒゲ野郎
オメエは忘れてるかもしれねえがよお、アタシはちゃーんと覚えてんだ
アタシの渾身の技をぶっ壊してよぉ!ウチの組のお頭をモズの早贄みてえにしやがったことをなぁ!!?
お礼参りだこの野郎!今度は真っ向からぶちのめしてやらぁ!
いいぜいいぜ、逃げてもよお
そういえば前回はなんやかんや怪我してたもんなあ?
あれから成長したアタシの技を受けられる自身がねえってわけだ?
……ざっけんなコラァ!
テメエの前で盾になったお頭は逃げなかったぞゴラァ!
仮にも将軍だのカシラって言うなら来い!
ぶっ飛ばしたる!
①関羽を挑発する
竜城・陸
◆しとら(g00929)と
・紅生匈湧
・後輩の盾となり満身創痍になりながらも、連携して手傷を負わせる
・同じように戦い、次は打ち破ると宣言
どうも、久方ぶりにお目に掛かるね
覚えていないなどとは言わないだろう
手傷を負わされた相手の顔を忘れるなんて、戦士にあるまじきことだ
まして掲げたその矛で、殺しきれなかった相手のことだものね?
当然、此方も忘れたことなどない
――あの日の雪辱を晴らしに来たよ
同じように真っ向から戦い、今度はお前を地に這わせてみせる
受けて立つ自信がないのなら、逃げてもいいけれど
よもや一軍を預かる将が、一度殺し損ねた相手に背を向けるなんて
そんな無様な真似は、しないよね?
●再びの対峙
虎衛兵を乱暴に叩きのめし、踏み越えた錣吹・しとら(鬼門の姫・g00929)と竜城・陸(蒼海番長・g01002)は、怒気満面の関羽と相対していた。
親衛隊は、まだ尽きていない。戦いを任せ逃げるのは容易いこと。だが関羽はそうしない。ディアボロスの挑発が、それをさせていない。迷わせている。だが何よりも最たる理由は……。
「貴様ら、あのときの小僧っ子と小娘か。よもや、またしても揃ってわしの前に現れるとはな」
関羽は忘れていない。しとらと竜、揃って戦いを挑んできたあの戦いを。
戦いそのものは、関羽の優勢で終わった。ふたりでは関羽を地に伏せさせることは出来なかった。
それどころか竜は大きなダメージを受けた。しとらをかばい、盾となったのだから当然だ。生きているのが不思議なくらいのダメージだった。関羽にとっては、多くのディアボロスの中のひとりとひとりに過ぎぬはず。……「はず」、である。
だが、それがここにいる。こうして、己の前にいる。その事実が、関羽を苛立たせていた。
もうわかっているのだ。ふたりがどうして、わざわざ姿を晒したのか。戦うためではない。表情を見れば、わかる。
「おうコラ、ご無沙汰してやがったな緑ヒゲ野郎。忘れてたんじゃねえだろうな? アタシはちゃーんと覚えてんだぞ!!」
しとらは食ってかかるように吠えた。
「アタシの渾身の技をぶっ壊してよぉ! ウチの組のお頭を、モズの早贄みてえにしやがったことをなぁ!!?」
「……というわけで、どうも。久方ぶりにお目にかかるね、関羽」
陸は、ほとんど消耗していない自らの身体を、両手を広げて晒してみせた。
「覚えていてくれたようで、なによりだよ。だがまあ、それも当然か。
手傷を負わされた相手の顔を忘れるなんて、戦士にあるまじきことだ。ましてや掲げたその矛で、殺しきれなかった相手のことだものね?」
「……!」
びきり、と地面にひび割れが走った。乾いた風が膨れ上がるように吹いて、しとらと陸の頬を叩く。怒気である。
殺し損ねたという事実。陸が目の前に現れること自体が、それを千の言葉よりも雄弁に主張し、理解させる。関羽は見逃したのではない、「殺しきれなかった」のだ。ゆえに奴は憤っている。
その怒気を浴びて、ふたりはしかし一切表情を変えることなく、続けた。
「当然、こちらも忘れたことなどない。あのときの雪辱を、晴らしに来たよ」
「つまりよぉ、お礼参りだこの野郎! 今度は……」
二人の声が重なる。
「真っ向から戦って、ぶちのめしてやらぁ!!」
「真っ向から戦い、今度はお前を地に這わせてみせる」
と。
敵対の宣言。大胆不敵な打倒の意思表明。関羽が蟲将でなければ、額に青筋を立ててびきびきと骨を軋ませながら憤っていたことだろう。それほどに、効果的な挑発だった。
「受けて立つ自信がないなら、逃げてもいいけれど。よもや一軍を預かる将が、一度殺しそこねた相手に背を向けるなんて、そんなブザマな真似は、しないよね?」
「ああ、それともアレか? あれから成長したアタシの技を受けられる自信がねえってか?」
「ほざけ!! 貴様らごとき、わしが……」
「ざっけんな、コラァ!!」
関羽の罵声を、しとらが遮った!
「テメエの前で盾になったお頭は、逃げなかったぞゴラァ! 御託はいいんだよ、だったら逃げずにかかってきやがれ!!」
「……小娘が……!」
もはや互角に気迫をぶつけ合うしとらの背中を見て、陸は不敵に笑った。
「そういうわけだ。結末がどうなるか、とても楽しみだね」
関羽の中から、逃走の選択肢が消えていく。いかにしても、今度こそこいつらを殺さねばならぬと、武人としての魂、誇りが吠えている。それこそが、奴の足枷となる……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【勝利の凱歌】LV1が発生! 【活性治癒】LV1が発生! 効果2 【ラストリベンジ】LV1が発生! 【ドレイン】LV1が発生!
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
雅諒院・基経
…さて、元の歴史の話を繰ろうか。
この年代辺りで、関羽はこの世を去った。呉に背後を突かれた形だが、正史で言えば演技では書かれぬ関羽の横暴さが招いた末路であった。
…さて、あの関羽も同じようなことになるだろうさ。だが打ち取るのは僕(やつがれ)達ディアボロスだがな。
ただ現状では関羽には近づけん。守る兵たちを排除せねばな。
さぁて、虫は総じて火に弱いものだ。存分に焼き尽くして呉れようぞ。あの陸遜のようにな。とはいえ親衛隊だ。用心していくとしようぞ。
兵たちが集まる場所へ特大の天狗火を放つ。火だるまになりながら出てきた相手を錫杖や独鈷杵から出るビーム剣で叩き潰す。
さぁ関羽。お前の死が迫っているぞ。
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ
何度かやったですが
あの緑虫、異教徒ではねーですがムカつくです
アレに選ばれるってことぁ
アンタらもできる奴でしょ?その角っ柱折ってやるです
突出した相手を潰す陣形、上等です
自称天使戦でわたしだけ相手に連携組まれる事多くて慣れてるです
あえて捨て身で突出し十字架を投げつける
身の小ささを生かして甲虫の性質上狙い辛い足元を潜るようにして拘束を回避
十字架はカウンターで弾くと読み
一体目でなく拘束をできたときに制圧するであろう
二体目に目掛けて十字架を鎖で繰り本命と示す様に全力で叩き潰す
堅牢な守りは定石によって成り
何匹か欠いたら即興性を要求されるです
鎖で三次元軌道に飛ぶ超質量物体
即興戦術でどう潰すです?潰れるです?
②👾護衛するトループス級『魏軍虎衛兵』
リューロボロス・リンドラゴ
関羽……我らディアボロスが初めて相見えたジェネラル級。
あれから数多のジェネラル級を、断片の王さえ倒した倒した我らだが。
それでも関羽という存在が色褪せることはなかったよ。
だからこそ、今日ここで我らは関羽を超えてゆく!
ふん、とはいえ今は目の前の敵よな。
関羽の護衛が魏軍虎衛兵とはおかしな気分だが、まあ良い。
関羽を護ろうとするぬしらと、討とうとする我ら。
激突は必然だが……関羽の怒気に呑まれるぬしらに、その関羽をも討とうと闘志を滾らせる我らを止められるか?
止められまい! 止められてなどやるものか!
ぬしらが大地をひっくり返そうというのなら、我はその大地ごと、ぬしらを貫こう。
一足先に地獄で関羽を待っておれ!
●かくて、決戦の舞台は整う
「……さて。まずは、元の歴史の話を繰ろうか」
出し抜けに、雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)が呟いた。
「"この年代"あたりで、関羽はこの世を去った。呉に背後を突かれた形だが……そもそもの原因は、関羽の横暴さが招いた末路と言わざるを得まい。演技では、けして描かれぬことだがな」
「なるほど。横暴という点においては、"こちら"の関羽もなかなかのものよ。であれば、末路も似通うといったところか?」
リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)がそう指摘すると、基経はわずかに目を細めるに留めた。だが、彼が肯定、ないし同意を示したことは、言わずともわかろう。
「討ち取るのは僕(やつがれ)達であろうが、"あの"関羽とて同じことになるだろうさ。いや、"する"というべきか……」
「……よくわかんねーですが、あの緑虫はとにかくムカつくです」
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ(信徒兼学徒・g01233)は、けろっとした顔で言った。
「異教徒ではねーですが、何度やってもムカつきは消えないですよ。むしろ増してすらいるですね」
「さもありなん。最初の邂逅、我らディアボロスが初めて相まみえたジェネラル級。
あれから幾多のジェネラル級を、断片の王さえ倒してもなお、関羽という存在は色褪せることはなかった」
リューロボロスは腕を組み、頷いた。脳裏によぎるのは、仲間たちとともに挑んだ決死の戦い。
十重二十重に罠を張り巡らせ、連携を研ぎ澄まし、それでようやく一矢。かつては、そこまでの力量の差があった。だが、今は。
「だからこそ、今日ここで我らは関羽を超えていく! そしてそのためには……ふん、まずは目の前の敵を退かさねば、か」
リューロボロスは鼻を晴らし、けして向こうから挑みかかることはなく、城壁じみて堅固な守りの陣を固めた虎衛兵の残党を見やる。
3人がこうして会話出来ているのも、やつらのカウンターを前提とした守勢があらばこそだ。逆に言えば、それほど堅牢であり……虎衛兵は、文字通り捨て身ということ。
無視して関羽に襲いかかろうとすれば、瞬時に動きを変えて主従一体となり牙を剥くだろう。己らを兵士、いやさただの戦力とみなした、ある意味忠義篤き戦士だからこそ出来る戦術。
もっとも、そうした忠義に対し、感服は見せない。リューロボロスらの狙いは、あくまでも関羽にあるのだから。
「アレに選ばれるってことぁ、アンタらも"出来る奴"でしょ? その角っ柱、叩き折ってやるです」
「あるいは燃やし尽くすのはいかがかな? あの陸遜のように、我が天狗火で消し炭さえ遺さず焼いてくれよう」
アンクレアアニムスが超質量の十字架を担ぎ、基経は片手に錫杖、もう一方に天狗の羽団扇を携えて身構える。
「「「……」」」
敵は、無言。いかにしてもディアボロスを通さず、また好きにはさせないという、その敵対の意思だけを全身に満ちさせている。
「関羽を護ろうとするぬしらと、討とうとする我ら。激突は必然」
リューロボロスが、瞑想的に呟いた。彼女は徒手空拳だ……竜の獲物は爪と牙、そして炎である。
「されど、関羽の怒気に呑まれるぬしらが、その関羽を討とうと闘志滾らせる我らを止められるか?
……いいや、止められまい。止められてなどやるものか! 我らはぬしらを超えて、その先へ進むッ!!」
リューロボロスが吠えた! そしてばさりと翼を広げ、疾駆! アンクレアアニムスは跳んで、基経は滑るように地を駆けてそれに続いた!
「その戦術、都合がいいです。わたし、慣れてるです」
アンクレアアニムスは、"自称"天使との戦いの経験を生かし、破城槌じみた勢いで先鋒を担った。
猛るリューロボロスをさらに越える勢いで踏み込み、捨て身で十字架を……投げつける! 超質量!
だが、逆説連鎖戦において、質量や単純なスピードだけでは勝負は決し得ない。ましてや敵は、待ち構え陣を組んだ精鋭の親衛隊である。
十字架はカウンターで弾かれ、防がれる。アンクレアアニムスの狙いは、そこにある。彼女は潜るようにしてさらに懐、拘束を逃れてインファイト距離へ!
「堅牢な守りってのぁ、定石で成るものです。"こういうこと"されたら、アンタらはどうするです?」
本命の攻撃が来る。ぶん投げ、弾かれ、宙を舞った十字架を鎖で繰り……小柄な体躯には不釣り合いのパワーで振り回し、超質量にスピードと怪力という相乗効果を載せて叩きつけた!
KRAAAAASH!! すさまじい衝撃が地を砕き、土埃を舞い上げる。直撃した虎衛兵は断末魔どころか跡形さえも遺さず即死! 粉砕ですらない、完全な圧死だ。砕けた地面にはそのシミさえ存在しない!
「「「……!」」」
「と、すれば散開をしような。だからといって、その脇を進むことは許すまい? それは、当然見え透いている」
その隙を逃す基経ではない。ぎらりと、赤く紅を引いた目元が刃めいて眼光を放った。
「さぁて、虫は総じて火に弱いもの。防御に優れるお前たちはどうか? ひとつ、試してみるとしよう」
すぅ、と息を吸う音が響いた。取り込んだ大気は基経の肺を経由して全身を巡り、経絡から引き出された気の呼び水となる。そして気は血流よりも疾く全身を再び駆け巡り、増幅される……。基経の身体から陽炎めいた闘気が立ち上り、大気を揺らめかせるさまを。特殊な目を持たずとも、可視化されるほどのすさまじい気の凝縮!
それこそは天狗の神通力が一。炎の方角、天狗の怪異のそのひとつ! 基礎の技ながら強力無比、ましてや決戦に滾る今日となれば!
「――ふッ!!」
基経は肚に力を籠め、剣指を口元にかざすと、練り上げた気とともに息を吐いた。すると吐息は気によって燃え上がる天狗の火へ変じ、燃え広がりながら敵をめがけ、そして炸裂! 花火じみた爆発が悪夢のごとく虎衛兵を飲み込む!
すさまじい熱量は、堅牢なる外殻を蝋燭のようにどろどろに溶かし、融解させる。アンクレアアニムスの打撃で舞い上げられた土埃は霧散して消滅!
ならばと、虎衛兵は地面そのものをちゃぶ台返しし、盾かつ壁として利用することでディアボロスらを圧殺しようとする。
しかし、その苦し紛れの反撃こそ、奴らが窮鼠たる証。よしんばその目論見が達成されたとて、矢と化したリューロボロスは止められぬ!
「ぬしらが大地をひっくり返そうというのなら! 我はその大地ごと、ぬしらを貫くまでよ!!」
ばさり! 力強く翼がはためいた。はばたきは熱砂の風を生み、基経の生み出した熱を利用して燃え盛る鎖じみて敵を止める。
さらに、その体躯に相応しからぬ巨大な角。龍の名に恥じぬ槍を得たリューロボロスは、螺旋を描きながら超低空飛翔し、岩盤もろもと敵の守りを……貫き崩す!
KRAAASH!! 岩盤が爆ぜ、砕け、その向こうにいた瀕死の虎衛兵は、避けるどころか身構えることすらも許されず、四散!
「一足先に地獄で関羽を待っておれ! 我らを止めるには、ぬしら如きでは力不足よ!」
リューロボロスは猛然と言い、もう一度はばたいた。そのはばたきが起こした風が、死体を、残骸を、すべてを吹き飛ばして洗い流す。
「なんとも猛々しきこと。……ならば僕もまた、関羽にとっての「死」となって迫るとしよう」
基経はひとつ、頷いた。
「ムカつく虫はぶっ潰すに限るです。これでようやく本番です」
アンクレアアニムスはにんまりと笑って言う。赤い瞳には、剣呑な闘志がぎらついていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1 【熱波の支配者】LV1が発生! 【怪力無双】LV1が発生! 【土壌改良】LV1が発生! 効果2 【ロストエナジー】がLV3になった! 【ダメージアップ】がLV8になった!
①関羽を挑発する
水戸・宗一郎
美髯公、来襲:名ばかり武人呼ばわり
武神来々:面妖な術士として認知された
魏領侵攻~赤兎馬の脅威:舐めている軍師と取られ一方的にボコされた
いい気味だな
武人殿
いや
"名ばかり武人"と言った方が妥当かな?
そうだろう?
真の武人は相手を侮りはしない
非力でも立ち塞がる軍師や術士は確実に殺しておくものだ
こう言えばまた激高して私を攻撃するだろう
だが無抵抗に切られた前とは別だ
攻撃は散々間近で観察している
そして私は一切直接攻撃の手の内を見せていない
龍脈で強化した札束で斬撃を受け
札束握りしめてぶん殴ってやる
前にも言ったが私は軍師ではない
商売人は好機に全てを賭けるのだ!
これまで散々舐めて来たツケ
全額纏めて払ってもらうぞ!
①関羽を挑発する
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
・許昌の戦い、迫る:紅生憤烈
・開口一番挑発した
・前回の挑発を再現し更に煽る
いよいよボケちまったな関羽さんよ
後生大事にお仲間抱えて何処へ行く
蟲みてえに樹液でも啜ろうってか?
こっちは喧嘩売りに来てんだ、がっかりさせてくれるなよ
大局を見据えてっつーのも結構だが
散々ぶん殴られた挙句
『次は貴様らを八つ裂きにする』
みてえな捨て台詞を吐いてたな
——俺たちを、なんだって?
教えてくれよ関羽殿!
いい加減ハラワタ煮え繰り返ってんだろ
ここまで煽られて黙っちゃ居られねえよなァ!
さあて、どうする『万夫不当』の関羽様よ
俺を相手に三味線でも弾いてみるか?
やる気があんなら、さっさとかかって来な
遊んでやるよ!
①関羽を挑発する
樹・春一
・紅生匈湧
・許昌の戦い、迫る:紅生憤烈
それぞれ防御スタイルとジャマースタイルで戦闘し勧誘を受けた
ごきげんよう関羽さん!
もう僕のかわいいお顔はご存じですよね!
はい! 神と姉さんの御加護をバチバチに受けてるシスターです!
以前は盾の僕、攪乱の僕とお見せしましたがどうでしょう! 強かったですか?
でも僕ほんとはそれが専門じゃないんです
なんと拳の僕こそが一番得意なものだったんですよ! シスターは攻めてこそですからね!
一番を見ずに帰っちゃいます?
あの防御力やキラキラ、全部込めた拳見てからでも遅くないんじゃないですか?
せっかく勧誘までして頂いたのですから、余すことなく僕の魅力を!
是非! ご覧になってください!
①関羽を挑発する
シークローネ・メーベルナッハ
樊城にて一度相まみえて以来にございますね、関羽!
(『紅生匈湧』参照)
シークローネ・メーベルナッハ、今こそ先の戦いに決着つけるべく、此処にまかり越してございます!
先の戦の折より修練を重ね、此の身はより疾く、地を空を駆け得るものとなりました。
今ならば、貴方にもこの刃、届かせること叶いましょう。
故にこそ、関羽よ!
此処に再び、貴方との戦を所望するものにございます!
よもや、この挑戦を退け、逃げ帰るような事はございますまい。
斯様な狡知にて保身を図ろうなどとは武人の名折れ。
御身の武を誇るならば、その四つの刃もて拙を退けてみせるが其の証に相応しき筈にございましょう!
さあ、いざいざ参られませ!
●猛将、激憤す
虎衛兵、ついに全滅す。
「……これで残るはわしのみか。やってくれるな、ディアボロスども!」
関羽は吠えた。本来、将として考えるのであれば、一目散に退却すべき状況である。
事実、関羽にはそれが可能だ。ひときわ強力な『赤兎馬』の健脚をもってすれば、関羽のみに限れば瞬時に撤退出来る。
ここでディアボロスにかかずらう必要など、まったくない。瓦解し烏合の衆と化した剣蟻兵やその他の敗残兵のことは、リソースとしては勿体なくはあるが……。
「いよいよボケちまったな、関羽さんよ。この期に及んでまだ、後生大事にお仲間抱えて逃げるつもりかい?」
だが、そう出来ない理由があった。これまでのディアボロスらの……そして、菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)の嘲るような言葉が、関羽の武人としての誇りを刺激していたからだ。
「蟲みたいに樹液でも啜ろうってか? こっちは喧嘩売りに来てんだ、がっかりさせてくれるなよ」
「いかにも。樊城にて一度相まみえて以来、拙はこの時を待ちわび、そしてここに罷り越してございます」
シークローネ・メーベルナッハ(其は生ける疾風怒濤・g00007)が言葉を続けた。
「先の戦の折より修練を重ね、この身はより疾く、地を、空を駆け得るものとなりました。
今こそ、先の戦いに決着をつける時。あなたにもこの刃、届けさせる叶いましょう。ゆえにこそ、関羽よ!」
そしてシークローネは、不敵にも関羽を指さした!
「ここに再び、あなたとの戦を所望するものにございます! ……よもや、この挑戦を退け、逃げ帰るようなことはございますまい?」
「ぬうう
……!!」
関羽は唸る。苦渋? 否、苛立ちである。
関羽ははっきりと覚えている。己の前に不遜にも立ちはだかり、あるいは一矢報いてみせたディアボロスどものことを。
最初は、トループス級にも比さぬ弱敵と侮っていた。だが度重なる幾度もの戦い、撤退に追い込まれるほどの抵抗、そしてこの敗走に至るまでの横槍……そうしたすべての積み重ねが、関羽にディアボロスを敵とみなさせた。
敵。
関羽は最強のジェネラル級である。自他ともにそう認めており、そしてその自負に足るだけの実力と、けして油断しない用心深さを持ち合わせている。
その関羽が敵と認めるということは、すなわち、関羽にとっても「戦わなければならない相手」になるということだ。
この状況! ディアボロスらが、こちらを足止めするつもりで挑発していることなど、関羽にはわかりきっている。
だが、武人のプライド、強者としての自負は、理屈で解き明かせるようなシンプルなものではない。
強者「だからこそ」、関羽はかつて己が打ち倒し退けた者どもからの挑発を聞かずにはいられない。相手せずにはいられないのだ。
「いい気味だな、"武人殿"」
それゆえに出た呻き、あるいは唸りを耳にした水戸・宗一郎(金の亡者・g00253)は、ことさらに悪辣に言ってみせた。
「……いや、"名ばかり武人"といったほうが妥当かな?」
「何!!」
「文句でも? 実際そうだろう? 真の武人は、相手を侮りはしない。ましてや非力でも立ち上がる軍師や術士は、確実に殺しておくものだ。さて、かつての"武人殿"はどうだったか」
「……貴様ッ!!」
関羽は激昂し、青龍偃月刀を構えた。今にも食って掛かりそうな、鎖を引きちぎろうとする猛獣のごとき、すさまじい怒気である。
だがもしも襲いかかったとて、宗一郎は十分に備えていた。その斬撃を受け止め、反撃を叩き込んでやるだけの意気をもって、ここに臨んでいる。
「前にも言ったな。私は軍師ではない。商売人だ」
宗一郎は真っ向から関羽を見返し、一切怒気に臆することなく……いや、むしろ逆に飲み込まんばかりの凄烈さで返した。
「商売人は、好機にすべてを賭けるもの。それが今だ!」
「ぬう
……!!」
「これまでさんざん私を舐めてきたツケ、全額まとめて払ってもらうぞ!!」
関羽をして、アイデンティティを賭けた宗一郎の啖呵は、わずかに気圧されるほどのものだった。
術士。軍師。かつて関羽はそのように宗一郎をみなし、侮ったが、それが己の驕りであり、誤りであったことを認識させられる。
これは、敵なのだ。己の全力でもって、今ここで、完膚なきまでに叩き潰し打ち砕かねばならぬ「敵」なのだ。
脅威どうこうの話ではない。そうしなければ、己は武人としての己を保てぬ。これは名誉と誇りの問題なのだ。
そして宗一郎の、商売人としての自負は、関羽のプライドをも上回っている!
「ねえ関羽さん、僕のかわいいお顔は覚えていますか? 覚えていますよね!」
そこに、虚を突くように、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)が語りかけた。
「あ、答えはいりません! だってわかりきっています! なにせ、神と姉さんのご加護をバチバチに受けてる僕(シスター)ですので!」
すさまじい自己肯定感だ。自己肯定感に限って言うなら、春一も宗一郎らにまったく劣っていない。
「小賢しい餓鬼めが。わしの邪魔をしてばかりだった貴様が、いまさら戦士の面で吼えるか?」
「ええ、そうですね! 以前は盾の僕、撹乱の僕をお見せしました! ですが!」
春一はふふん、と不敵に笑った。
「でも僕、ほんとはそれが専門じゃないんです! 僕の一番得意なものは……拳(これ)ですよ!」
みしりと、握りしめた拳をかざしてみせる春一。
「シスターは攻めてこそ、ですからね!」
「……そういうものなのでしょうか??」
「商売人としてここへ来た私が言うのもなんだが、それは違う気がするな……」
後ろで、シークローネのきょとんとした顔に、宗一郎が苦笑めいて呟く。それはさておき。
「一番を見ずに返っちゃいます? あの防御力やキラキラ、全部を籠めた拳を見てからでも遅くないんじゃないですか?」
春一は優しく穏やかに語りかけた。だがその振る舞いこそが、関羽の癪に障る。彼にとってはいつものことなのだが。
「せっかく勧誘までしていただいたのです! 余すことなく僕の魅力! ぜひ! ご覧になってください!!」
「ふざけたことを……!」
「ふざけてなどいません! 僕は本気ですよ!!」
「ふざけてんのはてめえのほうだろ? 関羽さんよ」
すかさず、桐梧が言葉を次ぐ。
「たしか前に戦った時は、「次は貴様らを八つ裂きにする」みてえな捨て台詞を吐いてたよな。なあ、なんだったっけか? 教えてくれよ関羽殿!」
「……貴様ァ!!」
「ああ、ハラワタ煮えくり返ってんだろ? ならよ、"万夫不当"の関羽様よ。どうする? いまさら俺を相手に三味線でも弾いてみるか? それじゃ武人の振る舞いじゃねえだろ!」
桐梧の、シークローネの、宗一郎の、春一の言葉と眼差しが、関羽を引きずり出す。決戦の舞台へ!
「遊んでやるよ、俺たちがな!」
「今度こそ、お前に私のなんたるかを教えてやる」
「さあ、いざいざ、参られませ!」
「やりあいましょう、関羽さん!」
そして関羽が、吠えた。青龍偃月刀が、不穏にきらめく……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1 【書物解読】LV1が発生! 【勝利の凱歌】がLV2になった! 【飛翔】がLV5になった! 効果2 【命中アップ】がLV3になった! 【ラストリベンジ】がLV2になった! 【アヴォイド】がLV3になった!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
シエロ・ラヴィオン
『戦で最も大事な事は、激っているように見せながら、常に冷静であること』
言葉を噛み締め、挑む
とは言え相手との戦力差は天と地
普通に戦えば、順当に押し負ける、だから
ガジェットで猛攻を防ぎ、捌き、ショットガンをぶっ放して牽制しながら距離を保つ
敵に何と言われようと、好きに動かさせないのが戦いの肝だ
普段なら余裕だろうが、消耗し、憤怒してる今、冷静に頭を回しきれるかな?
焦れさせ、焦れさせ
飛び込んでくるタイミングで、切り札を切る
邪を断ち、悪を祓い、異形に特攻を持つ神なる刃
斬魔の力で、迎え撃ち、ブッた斬る!
現代じゃお呼びじゃないんだ、アンタみたいな思想や強さは
其れを破る存在を刻みながら眠れ
敵将、討ちとったり…!
●神なる刃
『戦で最も大事な事は、激っているように見せながら、常に冷静である』。
シエロ・ラヴィオン(Heir to the sun・g00146)は、心の中に強くその言葉を留め、噛みしめるように思い返した。
戦場では、冷静さを欠いた者から死ぬ。眼の前の関羽が好例だ。
関羽は強い。ディアボロスが成長した今でも、その事実は変わらない。消耗していてなお、奴は強大だ。
何よりも、赤兎馬という存在がある限り、奴は逃げられる。だが今奴は挑発で激昂し、その選択肢を忘れている。
そこに、隙がある!
「小僧! さきほどの大言壮語はどうしたッ!!」
すさまじい怒声を張り上げ、関羽が猛攻を仕掛ける。
シエロはひたすらに耐え、防ぎ、捌き、必要であれば散弾をばらまいてでも距離を保ち続けようとした。
当然、簡単に出来ることではない。その身は傷つき、消耗する。ダメージと疲労が蓄積し、気力が削がれていく。
(「まだだ、まだ焦らすんだ」)
シエロは心を強く保ち、待ち続ける。その瞬間を。
関羽が業を煮やし、間合いに飛び込んでくるタイミング。そこに、一撃を合わせる。
極めて危険な賭けだが、ゆえにリターンも大きい。ダメージに見合う効果は得られるはずだ。
一歩間違えば、己が死ぬ。だとしても、かつての捨て身とは違う!
「布留部 由良由良止 布留部――」
祝詞を唱え、黄泉に繋がるものをも斬り伏せ断ち切る神の刃と己を繋げる。
「わしをコケにしてくれた報いを! 今こそ支払ってもらうぞ!!」
関羽が仕掛けた! 無数の刺突が刃の壁のようにシエロに襲いかかる。だが!
「現代じゃ、お呼びじゃないんだ。アンタみたいな思想や強さは」
シエロは言った。その目は死んでいない。関羽の戦士としての本能が悪寒を告げる。だがもう遅い。降臨、抜刀!
「それを破る存在を、その身と心に刻め!」
雷神の振るいし斬魔の太刀が化身し、刃の壁を貫いて関羽の装甲を切り裂いた!
シエロが大きく負傷しているのは、かつてと同じ。異なるのは、関羽にも叩き込まれた歴然たるダメージの差だ!
「ぐおおっ!?」
関羽は吹き飛ばされ、傷口を押さえ、驚愕した。
あのときの小僧が、これほどまでの戦士に。感嘆と喜悦。そして……。
今この時、関羽に刻まれた名は、「見どころのある小僧」から、「警戒すべき強敵」へ意味を変えたのだ。
苦戦 🔵🔴🔴
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
神山・刹那
関羽、蜀が誇る五虎大将軍の筆頭
あんたの強さを肌で感じ、あんたを越えよう、倒そうと今まで俺はやってきた
呂布に挑んだのも、そのためにすぎない
けど、いざあんたとの勝負がもうできないと思うと、とどめを刺したくない。もっと闘いたい。そう思っちまう
きっと俺は、まともじゃないんだな
いざ、死に生くを問わず、死力を尽くさん
赤兎馬天駆で赤兎馬で空を駆け上がる前に神速反応で先手を取り、関羽の更に上から雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの全身全霊の必殺の一太刀を防御ごと斬り捨てる覚悟で打ち込む
関羽からの反撃は急所と致命傷を避ける程度の意識で、一撃が掠めようが構わず振り抜く
「関羽、あんたとの勝負は、楽しかったよ」
●雲耀の太刀
関羽。蜀が誇る五虎大将軍の筆頭。「正しい歴史」においても、このディヴィジョンにおいても、最強を恣にする男。
「あんたの強さを肌で感じてからずっと、俺はあんたを越えよう、倒そうと今までやってきた」
神山・刹那(梟雄・g00162)は剣を構え、敵を見据えて言った。
「呂布に挑んだのも、そのためさ。すべてはこの時のためにあったんだ」
「……まるで、わしがここで終わるかのようなことをほざく」
「俺はそのつもりさ。いいや、俺だけじゃない」
刹那は怒気に一切怯まずに続ける。
「ここにきたディアボロスすべてが、今日このときであんたとの因縁を終わらせるつもりでいるんだぜ。
……けどな、関羽。いざあんたとの勝負がもうできないと思うと、もっと闘いたいなんて思っちまうんだ」
刹那の声音には、どこか親しみ、あるいは名残惜しそうな感情があった。関羽は鼻で笑う。
「愚か者が。貴様はわしと同じ戦狂いよ。戦場以外に居場所のない、どうしようもなく戦いを求める修羅ぞ」
「……そうだろうな。きっと俺は、まともじゃない」
修羅は、薄く笑っていた。
「いざ。死に生くを問わず、死力を尽くさん。わが一撃、受けてもらうぜ」
「……よかろう。わしに届かせてみせよ、その大言壮語が嘘でないと言うのならばなッ!」
関羽が、赤兎馬とともに空へ駆け上がる。刹那の主観時間が、鈍化した。
上方からの一撃。反撃と攻撃が等価となる逆説連鎖戦において、位置的有利は存在しないに等しい。
関羽の天駆が恐ろしいのは、単純なスピードと破壊力にある。ならば!
「この切っ先に、一擲を成して……!」
刹那は、跳んだ。赤兎馬と関羽よりも高く! 先を得たのだ!
「ぬうっ!?」
捨て身。すべてを攻撃のみに賭けた、決死の一撃。関羽は目を細めるように紅眼をぎらつかせ、嗤った。
「面白い!」
「……乾坤を、賭せんッ!!」
刹那は、必殺の一太刀にすべてを賭けていた。致命傷さえ避けられればいいという気概で剣を振り下ろした。
両者の刃が交錯し、激甚たる衝撃と轟音が響く……そして落下! 大地が割れ、クレーターめいて砕ける!
「ぐはッ!?」
「……ッ!!」
斬撃を受けたのは、双方ともに! そして落ちたのもまた同じ!
刹那のダメージは、すさまじい。だが関羽もまた、雲耀の太刀をまともに受け、だくだくと血を流していた。
「……やっぱり、あんたとの勝負は楽しいな」
刹那は膝を突かず、薄く笑った。人でなしの、修羅の眼だった。
苦戦 🔵🔴🔴
①関羽を挑発する
エンデ・トロイメライ
さーて、せっかくのチャンスなのに逃げられたら困るもんねぇ。
まずは空中から見下すような位置で牽制射撃。こちらに意識を向けさせる。
こちらに気づいたら早速挑発しようか。
アタシの視界に入っておきながら、背中を向けて逃げようというのではあるまいね!、なーんて。
コレ、キミの受け売りなんだけどさぁ、まさか、逃げないよね?
それともこの前のアタシみたいに逃げる隙探して時間稼ぎしてみる?
――かかってきなよ。今度はキミが死ぬまで相手してあげるからさ。
ワザと舐めた態度で喧嘩を売る。まあこれっぽっちも舐めてかかれる相手じゃないけれど。
それでも、今度はそう簡単に負けるつもりは無いよ。
●命運、いまだ揺らぐ
関羽は消耗していた。対峙したディアボロスに大きなダメージを与えることこそ出来たが、奴自身もまた甚大なダメージを負っていたからだ。
「やはり、堪えるわ……! これは荷が勝つか……」
血を流したせいか、奴の頭は多少冷えたらしい。将としての理性が、この場は退くべきだと囁く。
奴らは以前よりも、はるかに力を増している。そして、己を討つため、命すらも賭けて挑んできている。
かつて自らが撃退されたときとは、わけが違う。今度こそ絶対に逃さず、完殺するという確定的殺意が宿っている。
機を見失えば、やられる。凄絶なまでの復讐者たちの覚悟と怒りが、生存本能を刺激していたのだ。
だが。
「アタシの視界に入っておきながら、背中を向けて逃げようというのではあるまいね!」
「ぬうっ!?」
上空。見下すような冷たい眼差しのエンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)の言葉に、関羽は睨み返した。
「なーんて、ね。ちなみにこれ、キミの受け売りなんだけどさぁ」
エンデは屈託なく微笑む……だがその瞳は、笑っていない。
「まさか、逃げないよね?」
瞳に浮かぶ色は、皮肉のそれだった。
エンデは続ける。
「それとも、この前のアタシみたいに、逃げる隙探して時間稼ぎしてみる?」
「……小娘、貴様……」
「……なら、かかってきなよ。今度はキミが死ぬまで相手してあげるからさ」
将としての理性が告げる。これは時間稼ぎだ。こちらを足止めして逃さないつもりなのだと。
奴の言葉は強がりだ。皮肉の奥にあるのは警戒の色。少なくとも一対一であれば、はるかにこちらに分がある。だが。
「今度は、そう簡単に負けるつもりはないよ。アタシ"たち"はね」
武人としての本能は、叫ぶ。こいつらに背を向けるなどありえないと。
アイデンティティの問題だ。奴らを殺さねば、己は最強の将ではいられぬ!
「ほざけェッ!!」
関羽は吠えた。退却の選択肢が、今一度消える。エンデは警戒しながらも薄く笑う。……戦いは、まだ始まったばかりなのだ!
大成功 🔵🔵🔵
効果1 【飛翔】がLV6になった! 効果2 【ダメージアップ】がLV9になった!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
一里塚・燐寧
五月姫ちゃんと連携
関羽の力は身に染みて分かってる
なのにさ、負ける気がしないよぉ
ここには強くなったあたしが、仲間が──大切な親友がいるもん!
濁流みたいに湧き出す【呪詛】で身を覆い
鎖鋸の尾を持つ巨大恐竜ネメシス形態『廻刃竜』に【肉体改造】
竜になると心に殺意と飢餓の炎が燃え盛る
自分諸共全て灼き尽くしそうな程に
でも大丈夫
寄り添ってくれる親友がいるから
背中、預けたっ!
赤兎馬を押さえ込もうと突撃
【神速反応】で動きを見切り、爪牙を駆使し人騎一体の猛攻!
最後は尾で地を擦り、生じる火花を火種に鬼火を刃に纏わせ【飛翔】全速力で猛進
勢い乗せた尾で『斬翼閃』──馬ごと裂断を狙う空中回転斬りを放つ!
一緒なら無敵だよぉ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
瀧夜盛・五月姫
燐さん(g04979)と連携、だよ。
とても大きな背中。これほどまでに、安心できる背中、父上以外に、姫は、知らなかった。
……ん、任された。いくよ、燐さん。
背中に騎乗し、薙刀、構えるよ。
会ったね。また、会った。関羽。
燐さんの突撃とともに、【呪詛】を込めた【斬撃】を一合。
赤兎馬、抑えられたら、易々と飛べまい。
騎上の関羽と、打ち合う、よ。
回避は燐さんに委ねて、攻撃に集中。
でも燐さんに、関羽の刃、届くならば【神速反応】、それを薙刀で振り払う。
――【戮力協呪『一乗連理』】
即席なんかじゃ、ない。
燐さんと姫の、協心戮力。これが親友の、力。
蜀のクロノヴェーダ、関羽。
姫たちの“復讐”を前に、狷介孤高に散ってゆけ。
●寄り添ってくれる親友がいるなら
ディアボロスは、クロノヴェーダに比べればひどく脆弱な存在だ。
だが、復讐者たちは次々と大地を奪還し、今ここで最強の将の首級に手を届かせようとしている。
何故か? それは、互いの力を連鎖(チェイン)させることが出来るから。
ひとりでは勝てない相手にも、仲間がいるなら勝てる。
たとえひとりひとりは、クロノヴェーダに比して脆弱だったとしても、力を合わせれば倍の、いや、それ以上の力を連鎖させることが出来る。
これまでの戦いで実践して、噛み締めて、痛感してきた当たり前の事実。
それが今、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)と瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)にとっては、この上なく頼もしく、そして嬉しいことだった。
「関羽の力は身に沁みてわかってるけどさ。負ける気がしないんだよねぇ」
燐寧は五月姫をちらりと振り返り、笑った。
「ここには、強くなったあたしがいる。そして仲間が……」
……大切な親友が、いるんだから。
「うん」
五月姫は、屈託なくこくりと頷いた。
燐寧は言葉少なな、だが千の言葉よりも雄弁な首肯に目を細め、応報(ネメシス)の力を解放する。
だくだくと湧き出した呪詛で己を鎧い、鎖鋸の尾を持つ恐竜じみたおぞましい形態へと変貌する。
禍々しい姿だった。だが、五月姫は、その大きな背中に安心感を覚える。
(「とても、大きな、背中。こんなに安心できる背中、父上以外に、姫は、知らなかった」)
知らなかったことを知れたのが、嬉しい。
強敵を前に、今、ふたりで挑めることが、嬉しかった。
「背中、預けたっ!」
「……ん。任された」
ふたりは言葉を交わして、敵と相対する。五月姫は燐寧の背に飛び乗り、薙刀を構えた。
奇しくもそれは、騎馬一体たる関羽と対称のようでもある。
「来るか、小娘ども。再びわしに挑むか!」
「もちろんっ!」
「いくよ、燐さん。姫と、ふたりで」
殺意がぶつかりあう。そして両軍は、同時に地を砕いて疾走した!
赤兎馬が空を駆ける。対して燐寧は、巨体でチャージを仕掛け、赤兎馬を抑え込もうとした。
竜の殺意と飢餓の炎を爪牙に乗せて、猛撃を仕掛ける。巨大な鎖鋸剣の質量を生かし立ち回る、人型形態の戦術とはまるで違う、だが根本的には同じ前のめりなファイトスタイルだ。
「ぬうっ!」
関羽ですらわずかに怯むほどの勢いである。二振りの青龍偃月刀が爪牙とぶつかりあい、鎬を削る。そこにさらに、五月姫の薙刀!
「即席にしては、やる……!」
「即席なんかじゃ、ない」
五月姫は薙刀を振り払い、青龍偃月刀と幾度も撃ち合いながら、はっきりと言った。
「燐さんと姫の、協心戮力。これが親友の、力」
「そうだよぉ! 一緒なら、あたしたちは無敵だからねぇ!」
趨勢が徐々にふたりの側へ傾く。互いにダメージは熾烈なものだが、負傷程度は関羽のほうが上か!
「バカな、わしと赤兎が、このような小娘どもに……圧される、だと!?」
「もらったぁ!!」
「蜀のクロノヴェーダ、関羽。姫たちの"復讐"を前に、狷介孤高に散ってゆけ!」
名乗りを上げ、五月姫が薙刀を突き出す。さらに尾で地を蹴った燐寧の、空中回転斬り! 鎖鋸刃が青龍偃月刀を弾き、ふたりの刃は関羽の緑色の装甲をずたずたに切り裂いた!
「がはぁっ!!」
関羽は血を吐き、落下! 天駆の一撃はふたりの身体に大きな傷を刻んでいたが、どちらが上回ったのかは言葉に示すまでもない。
たとえひとりでは、小さい灯火だとしても。信頼と友情によって累乗されたふたりの力は、最強の将の首級にすら届くのだ!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【飛翔】がLV7になった! 【一刀両断】LV1が発生! 効果2 【アヴォイド】がLV4になった! 【命中アップ】がLV4になった!
①関羽を挑発する
穂村・夏輝
シナリオタイトル:魏領侵攻~赤兎馬の脅威
関羽に「フフフ……面白いやつよ。ならば、此度の戦いで奪った力、次に出会った際には物にしておくがいい」と言われたので、その力をぶつける表明をする
「関羽。貴方の力を自分の物に出来たか、今こそ証明する時だ!」
『天晶剣』を青龍偃月刀に、『関羽の緑甲』を全身鎧へと変えて高らかに言い放つ。相手が乗ってこなければ
「なら、この勝負は俺の勝ちって事でいいか? 模倣が、借り物の力が本物を超えたって事でいいんだな?」
と挑発を仕掛ける。元々こちらは大天使の力を喰らったデーモンイーター。敵の力を利用することに躊躇はないさ
後、この力でドイツのジェネラル級を倒せたので感謝しておくかな
●毒を喰らわば
かつて、穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)は情けをかけられた。
奪えるものならば奪ってみよ、そしてものにしてみせよと、対等な戦士としてまったく見られずに一蹴されたのだ。
関羽は強大だ。それゆえに、自らの判断基準で一方的に他者を定める。
たとえディアボロスに幾度撃退されたとしても、己こそ最強であると言って憚らず、弱者と切り捨てれば興味を失う。
傲慢。それに見合うだけの力。だが因果応報というべきか、今の関羽は……。
「関羽」
夏輝はそんな関羽に対し、侮蔑も、皮肉も、ましてや屈辱に対する怒りも見せず、まっすぐに相対した。
「あなたの力を自分のものに出来たか、今こそ証明する時だ」
「何?」
夏輝が関羽を思わせる装備で己の威を誇示すれば、関羽は訝しむような間を置いて、喉を唸らせた。
「……貴様、あの時の男か。なるほど、わしの言葉を愚直に受け止め、ここに証明しに来たというわけらしい」
「ああ、そうとも。あなたが言ったことなのだから、当然だろう? 忘れていたのかい? あるいは……」
夏輝は首を傾げてみせる。
「……今自分が危機にあるからといって、勝負に乗らないつもりか?」
「……貴様」
「なら、この勝負は俺の勝ちってことでも、いいんだな? 模倣が、借り物の力が本物を超えたということでも」
関羽は煮え滾るような怒りをむき出しにした。夏輝は、臆さない。
「あいにく俺は、デーモンイーターだ。もともとからして、敵の力を利用することに躊躇はない。だからあなたに抱く感情は、なによりも感謝なのさ」
夏輝はふふ、と微笑んだ。
「この力のおかげで、ドイツのジェネラル級を倒すことが出来た。だが、あなたが勝負から逃げるというなら……」
「ほざけ! わしがおめおめと逃げる? 貴様に背を向けて? ありえぬ! ……あってはならぬことだ!!」
挑発は成功した。関羽はさらに退却の選択肢を遠ざけ、戦場にあり続けることを選ぶ。
「それでいい。そうでなければ、俺がここに来た意味もないんだから」
夏輝は闘志を燃やす。毒を喰らわば皿まで。その生命を喰らってくれようとばかりに!
成功 🔵🔵🔴
効果1 【士気高揚】LV1が発生! 効果2 【能力値アップ】LV1が発生!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
穂村・夏輝
関羽、これが俺たち復讐者との最後の勝負だ
【記憶術】で関羽の太刀筋を思い出しながら、青龍偃月刀の形にした『天晶剣』で【斬撃】し斬り結ぶ。その間にサーヴァントのアンジェローザの『オラトリオローズ』を伸ばしてもらい【捕縛】
「今だ、アンジェ!」
捕縛や味方の連携で隙ができたら【双龍天昇波】を叩き込む
「確かにただの猿真似なら、まだあんたに届かない。だから、ここからは俺の力も重ねる!」
天使の【浄化】の力、それ以外にもさまざまな戦場で食らってきた力の全てを【強打】で叩き込む
倒れても【ラストリベンジ】
いくら戦場とはいえ、戦の前に口汚く挑発した非礼は詫びるよ。関羽の名を持つ武人と刃を交えられた事、誇りに思うよ
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
シークローネ・メーベルナッハ
果たし合いに応じられし事、光栄の至り。
今この時の、拙の全てを以て、お相手仕りましょう――
シークローネ・メーベルナッハ、推して参ります!
地上の【ダッシュ】に【飛翔】からの急上昇・急降下を交えた三次元機動にて撹乱を試みます。
愛刀たる十屠は鞘の内、なれど隙あらば直ちに抜くべく手は柄に。
いつでも攻撃仕掛け得ると見せつつの急接近と離脱を重ね、仕掛ける機を窺います。
同時に、共に戦う方が仕掛ける隙を作れればと。
関羽の挙動に乱れを見出しましたらば『疾風、即ち無間絶影』発動、持てる最大速度を以て肉薄、斬り抜けて参ります。
御身を超えて、拙は尚疾く地を空を駆けましょう。
――此の世の全てを、人類史に奪還する為に。
●剣閃に誇りを賭けて
まったく同じ形をしたふたつの青龍偃月刀が、鏡合わせのように同じ動きをし、撃ち合う。
穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)が振るう、関羽のそれを模した剣閃。大見得を切っただけはあり、以前戦ったときとは比べ物にならない威力で食らいついていた。
「ぬうっ、やるな……!」
「そうでなければ、あんな大口は叩かないさ。けど、あんたはこんなもんじゃないだろう?」
夏輝はわざと強気に振る舞い、関羽の興味を惹きつける。ヤツの闘争心をさらに刺激し、撤退の選択肢を取り除く。
逆に言えば、そのぶん夏輝が激しい攻勢を受けるということだ。一撃ごとに威力と速度が増し、激しい衝撃が全身を駆け抜けた。
「拙のこともお忘れではございませんか? 関羽!」
そこへシークローネ・メーベルナッハ(其は生ける疾風怒濤・g00007)が加わり、猛スピードでの奇襲を仕掛ける。
飛翔を交えた三次元的軌道は極めて読みづらく、単純なスピードも驚異的だ。生ける疾風怒濤という二つ名は伊達ではない。関羽は、記憶の中のシークローネを凌駕する急降下撹乱攻撃に、目を大きく見開くように紅眼を瞬かせた。
「小娘……! なるほど、貴様も練達したと見える……! やってくれるわ!!」
関羽は双矛を4つの腕で縦横無尽に振るい、シークローネと夏輝、両方と同時に撃ち合い続けた。
(「隙を見てアンジェのオラトリオローズで捕縛するつもりだったが、そう上手くはいかないか
……!」)
夏輝の狙いは、サーヴァントの援護で関羽の動きを止めることだった。だが、関羽にはお見通しらしい。どれだけ撃ち合っても、アンジェローザが介入する隙は見当たらず、じりじりと体力を削られていく。下手にアンジェローザを介入させようとすれば、おそらく一瞬で切り裂かれ、消滅してしまうだろう。
(「今の拙のすべてを賭けて、必ず隙を作り出してみせます!」)
その代わり、シークローネの変則的な動きが、徐々に関羽のペースを崩していく。下手な牽制では効果がないと判断したシークローネは、愛刀・十屠の柄に手を掛けつつ鞘走ろうとはしない。「いつでも攻撃を仕掛けうる」と見せかけて、関羽の警戒を促す作戦だ。これが、関羽が夏輝を仕留めにかかれない理由だった。
「わしを相手に腹芸をするとはな。見違えたものよ……いいや、そもそもこうして、測っておる場合でもあるまいか」
関羽は苦々しく呟く。もはや、上から目線でディアボロスを褒め称えてやる暇など、今の関羽にはない。
全力と、最大の警戒をもって、確実に倒す。でなければ、自分がやられる。認めがたいことだが、純然たる事実だった。
「果たし合いに応じられしこと、光栄の至り。ならばこそ、シークローネ・メーベルナッハ、推して参ります!」
(「……来るか!」)
シークローネの眼光が細く鋭くなった。殺気が膨れ上がり、攻撃に移行する「起こり」を知らせる。
反射的に赤兎馬が地を蹴り、空を舞った。やはり騎馬一体たる関羽は強い。隙と呼べるものはほとんどない……「ほとんど」だ。今のシークローネと夏輝には、針の穴ほどの間隙が、見えている!
「小僧! 猿真似でわしを超えられるか!」
「たしかにただの猿真似なら、まだあんたに届かない。だから、ここからは俺の力も重ねる!」
空からはシークローネが、地上からは夏輝がすべての力を籠め、高速の斬撃と双龍天昇波の自己流アレンジを放った。
まともに受ければ、関羽とて無事では済まない。武人として、ここまで技を研ぎ澄ませたことと、命すら顧みぬ覚悟に対する、純粋な称賛の気持ちが湧いた。かつての関羽ならば、親が子を褒めそやすような調子で言葉を述べただろうが、今は欠片もない。そんな戯言を叩く余裕もないということが、逆にふたりの技と練度を最大限認めた証でもある。
「ぬうんっ!!」
「御身を超えて、拙はなお疾く地を、空を駆けましょう!」
「双龍、薙ぎ払い、喰らいつくせ!」
交錯は一瞬! 二頭の龍の如きオーラが無数の刺突とぶつかりあい、流星となったシークローネの斬撃が真一文字の軌跡を描いた。
破裂音にも似た奇妙な音が轟くと、三者はそれぞれに地面へ落着し、かろうじて転倒をこらえる。シークローネ・夏輝は言わずもがな、関羽さえも。
「……いくら戦場とはいえ、戦の前に口汚く挑発した非礼は、詫びるよ。関羽という武人と刃を交えられたことは、俺の誇りだ」
傷口を抑え、夏輝が振り返る。彼の天晶剣の刃には、関羽の血がべっとりとこびりついている。シークローネの愛刀も同様。
「拙らは、決して諦めませぬ。必ずや、御身を降し、この世のすべてを奪還してみせます」
シークローネは、己を強いて敵を睨んだ。斬撃を受け、深々と身を斬られ、馬上で苦痛をこらえる関羽を。
「……この関羽の首級、まだくれてやるには早すぎるわ……!」
負傷は双方甚大。無傷のままとはいかぬが、彼らの攻撃は、以前よりも格段に奴の命に届いている……!
苦戦 🔵🔵🔴🔴🔴🔴
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
一ノ瀬・綾音
【クロパラ】
関羽、君とは同行者を変えながら何度か戦ったね。
それを覚えているかは知らないけど…綾音ちゃんにとっては因縁がある。
ここで…終わりにしよう!
樹さんのアクションで関羽に隙がないかを観察しつつ【厄災の星光】を詠唱。隙ができたところでぶっ放す!
この魔砲を覚えてる?何度か君にやったけど何度も君は耐えて綾音ちゃんをぶっ潰してきたね。
馬鹿の一つ覚えかと思うかもしれない。けど、これが綾音ちゃんの魂で、そして君と因縁がある技だから!今回こそ、凌駕して見せる!
オーラを放ってきたら後退してオーラを飲み込むように調整しつつ…!
これで、終わりだーーーーっっ!!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
御守・樹
【クロパラ】
関羽と相対したのはたった一回切りだったけど確かに強かった。
だけどそれでも俺は楽しかったな。真っ向勝負ではなかったけれど、それもまた戦ってやつだろう?
関羽は好まないかもしれないけどな。
あの時と基本やる事は変わらんけど。
【光学迷彩】を纏い【忍び足】で移動。関羽の様子から行動を読み、死角からの無影での攻撃を。
攻撃後は【一撃離脱】で一旦距離を取り再び攻撃の隙を狙う。
以前の戦いで赤兎馬は馬とは思えない動きをするのは十分わかってる。だから俺の一撃が届いても届かなくても、俺の動きを追う事でそこでまた隙が生じるのなら十分だ。俺達は一人じゃないんだからな。
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
白水・蛍
【クロパラ】
さて、関羽との決戦ですか。
お久しぶりです関羽。覚えているかは分かりませんが再度お相手させていただきましょう。
真っ向勝負と参ります。私は逃げも隠れも致しませんわ。
武器を抜き関羽に<風使い>を使って突撃。
移動しつつ口上を述べ関羽に<演説・誘惑>でこちらに注目させます。
――我が名は白水・蛍!関羽将軍!いざ勝負!逃げてくれるなよ!
力では叶わないでしょう。でも、私にはこの『力』がある。この歌がある。<勇気>がある!
――我が声で紡ぐは未来!皆様と共に見る未来!その一端を此処に!
【パラドクス】を発動。もう一つ。狙いは……
綾音さんの一撃の加速!届かせますわよ!絶対に!
ダメージなんぞ気にしませんわ!
●変幻自在
関羽の緑色の甲殻は己と敵の血でまだらに染まり、すさまじい有様だ。かつてディアボロスらの決死の猛攻によって撤退を強いられた時と違うのは、奴が放つ闘気。戦いを愉しむのではなく、けして見逃せぬ敵をなんとしてでも殺すという殺意だった。
「次は、貴様らか」
ぎろりと、紅眼がふたりのディアボロスを睨む。一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)と白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)だ。
「関羽、君とは同行者を変えながら、何度か戦ったね。そっちはどうか知らないけど、綾音ちゃんははっきり覚えているよ」
「お久しぶりです。といっても、私のことを覚えているかは怪しいところですが、再度お相手させていただきましょうか」
「ふん。小娘どもめが。『魏を囲んで趙を救う』……貴様とて、その言葉を忘れたわけではあるまい?」
蛍の脳裏に、己の拘束を振り払い猛反撃を繰り出す関羽の姿が浮かび、今の関羽と重なった。
「……ええ、忘れておりませんとも。だから此度は、真っ向勝負と参ります。私は逃げも隠れもしませんわ」
「綾音ちゃんだって、そうだよ。やることは変わらない。だってそれが、綾音ちゃんの……ううん、私の魂だから」
「あの星の光のごとき術で、なおもわしを穿とうとするか。いじましき……と、かつてであれば褒めてやったろうが」
綾音を睨む関羽。称賛はない。かつて、ディアボロスと対峙してきた関羽であれば、彼女らの執念や覚悟をそれなりの言葉で認め、褒め称えた。自分が絶対的強者であり、撤退しなければならないほど追い詰められたとしても、討たれることはないという確信があったからだ。……だが、今は違う。
同等、いや、己の命にさえ手を届かしうる見逃せぬ強敵という認識からくる警戒と殺意こそが、ある意味で最大の敬意。
「しかし、わしも見くびられたものよ。同じ手が二度通じると思ったか? ましてや、この状況でだ」
「……そう簡単にはいかないか。まあ、それも覚悟の上さ」
気配を消し、様子を伺っていた御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は、関羽の言葉で気付かれていることを察し、おとなしく姿を表した。
光学迷彩は、ディアボロスが発見される確率を半減させる効果を持つ。あくまで「発見されづらくする」のであり、光学迷彩という効果そのものが、敵から身を隠すものではない。相手は強敵、しかもここは開けた戦場だ。ほぼ確実に発見されうる状況では、たとえ確率を半減させたとしても、残留効果だけで姿を隠すことは出来ないのである。
「俺はふたりと違って、あんたと戦ったのは一回きりだ。たしかに強かったよ。だけど、それでも俺は楽しかった」
「まるで終わったようなことをほざく。殺せるか? このわしが、貴様らに」
「……そのために、俺たちはここにいるんだぜ。あいにく俺は、ふたりと違って真っ向勝負はしないけどな」
なるほど、綾音と蛍が正面から斬りかかり、樹が死角からの攻撃を狙う算段か。関羽は、ぐるぐると唸るように嗤った。
すでに手を看破したのだから、通用しない……と、たかをくくるのは二流だ。樹が大人しく姿を表したのは、「戦いの中でこちらの虚を突いてみせる」という自信があらばこそだろう。あるいは、死角からの攻撃を狙っているとあえて知らせることで、そちらへの警戒を促すつもりか。そうすれば、隙が生まれ、綾音と蛍の攻撃が届きやすくなるというわけだ。残留効果の利点は得られないものの、樹の存在そのものが関羽の足枷となる点は変わらない。よく練られた作戦と言える。
「……ならば、来るがいい。わしの首級、安くはないぞ!!」
関羽が吠えた。3人はそれぞれに、怒号を切り裂くように地を蹴った!
「我が名は白水・蛍! 関羽将軍、いざ勝負! 逃げてくれるなよ!!」
最初に切り込んだのは、蛍だ。
大音声で名乗りを上げ、関羽を挑発する。それが、己に目を向けさせ、樹から注意を逸らすための揺動であることは、関羽にとっては火を見るより明らか。
となれば戦術としては、その逆を行くべきである。蛍を捨て置き、死角に回り込もうとする樹を最優先に叩く。これが最適解だ。だが、関羽はそうしなかった。何故か? 理由はふたつある。
「力では叶わなくとも、私にはあなたにはない『力』が、歌が、そして勇気があります!
だから、私はけして退きません。我が声で紡ぐは未来! 皆様とともに見る未来、その一端を、此処に!!」
ひとつは、蛍の気迫だ。
すべてを一撃に賭け、朗々と歌い上げる姿は、万軍を率いて先陣を切る勇将の如く雄々しかった。
これを無視して樹にかまければ、無事では済まない。関羽にそう思わせるほどのプレッシャーを放っていたのである。
「馬鹿の一つ覚えと思うかもしれないね。けど、君と因縁のあるこの技で、今回こそ凌駕してみせる!」
もうひとつの理由は、綾音だ。前方に展開された六芒星に炎・氷・水・土・光・闇の六属性の魔力が収束し、並のクロノヴェーダであれば足をすくませそうなほどの強烈なエネルギーが、風のように戦場に噴出していた。
関羽はそれをよく知っている。幾度も撃ち合い、ある時はなお屹立し、ある時は龍のオーラで喰らい、反撃を叩き込んだ。今はどうか。
(「一意専心とは、まさにこのことか」)
魔力の出力だけでも、以前とは段違い。それだけの死線をくぐり抜けたのだろう。直撃すれば、さしもの関羽とて以前のように仁王立ちで耐えきるとはいくまい。
逆説連鎖戦において、反撃にタイムラグはない。三方向から同時に攻め込んだとしてもすべてに、同時に完璧に対応できる。
だが! 大前提を置いてなお、ふたりの気迫は無視してはならぬほどに脅威だった!
「ああ、そういうことだ。俺たちは、ひとりじゃないんだよ」
関羽の思考と警戒を見抜いたかのように、樹が言った。すでにその懐に潜り込んでいる。
「だから、俺のこの一撃が届こうと届くまいと、どっちでもいい。お前は俺の動きを追わざるを得ない」
「……ぬうッ!!」
赤兎馬が嘶き、地を蹴る。心臓を狙って繰り出された一撃は急上昇でそらされる。鋭いナイフが以前よりも深く身を抉った。ぶしゃり、と新たな傷口から血が噴き出し、樹を汚す。赤い瞳は関羽を捉えて離さない。
「お前は好まないかもしれないけど、これもまた戦ってやつ、だろ?」
関羽は唸り声と斬撃で応じた。樹が一撃離脱を前提にしていなければ、彼は反撃で胴体を両断されていただろう。裂傷で留まったのは判断力ゆえ。
「これで、終わりだーーーっっ!!」
「届かせますわ、絶対に! 私たちの、力を!!」
「……!!」
光が、関羽を飲み込もうと迸る。龍のオーラが溢れ、ぶつかり合い、拮抗……いや、超えた! 星光の軌道上から意図的に外れ、ふたりを狙ったもの以外は、星光に喰らわれるようにして霧散した! そして光芒が、関羽を襲う……!
真昼の晴天を思わせる光が途絶え、傷だらけの四者の影法師が地面に伸びる。
樹。腹部に横裂傷。はらわたへはかろうじて届いていない。
蛍。全身に火傷めいた負傷。龍のオーラが命中した箇所は爛れ、焦げている。
綾音も同様。だが、その表情は達成感で不敵な笑みを浮かべていた。
……関羽。脇腹に新たな創傷、さらに全身のあちこちに焦げ跡じみた火傷を負い、負荷を受けた両目からは血の涙を流す。
星の光は、ついにその姿を煌々と照らし出した。命運尽きし時が、いま近づいているのだと、傲慢なる猛将に思い知らせるかのごとく……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1 【クリーニング】LV1が発生! 【光学迷彩】LV1が発生! 【友達催眠】LV1が発生! 効果2 【ドレイン】がLV2になった! 【アヴォイド】がLV5になった! 【先行率アップ】LV1が発生!
①関羽を挑発する
袁・雀蜂
※アドリブ歓迎
・行動
「紅生匈湧、紅生憤烈」の二度の戦いでかわした言葉をもとに
挑発して決戦を挑み、武将としての誇りを刺激して引けない様に仕向ける
・セリフ
二度だ、二度までは戦の上での作戦だったと認めよう
だが三度目も引くのならば、関羽よ!
貴様は我々を恐れて尻尾を巻く臆病者だと自ら認めることに成るぞ!
軍師孔明に泣き付きに帰るのならば止めはしない、
蜀の武神の看板を下ろしてその赤兎馬で千里を駆けて逃げ帰るがいい!
それを恥じる心があるならば
去るのはこの袁・雀蜂と最後の戦いを果たしてからにしろ!
●臆病者
「二度だ」
「……!」
袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)は、決然と、はっきりと言った。
「二度までは、戦の上の作戦だったと認めよう。だが、三度目も退くならば……関羽よ!」
がしゃりと、穂先が関羽を指し示した。関羽は無言で、血の涙を流す。ディアボロスの猛攻による負傷だが、奴の纏う怒気を見ると、まるでやるかたない憤懣が熱血となって溢れ出たかのようだ。
「貴様は我々を恐れて、尻尾を巻く臆病者だと自ら認めることになるぞ!!」
「……小娘、が……!」
関羽は食ってかかろうとした。が、馬上でふらつき、荒く息をつく。
認めざるを得ない。奴らは強い。そして今、自分はたしかに「ここで撤退せねば機を見失う。逃げねばならない」と本能的に考えていた。雀蜂の挑発は、それを見抜いたかのように的確だった。
だからこそ、関羽には覿面に効いた。
「軍師孔明に泣きつきに帰るのならば、止めはしない」
雀蜂は、不遜に胸を張る。かつて二度、関羽と相対した己がそうされたように。こちらが見逃してやるのだ、と言外に態度で示す。どちらが上なのかを、わからせてやる。
「だがそうするならば、蜀の武神の看板は下ろすことだ。そして、その赤兎馬で千里を駆けて逃げ帰るがいい!!」
「……言ってくれるな、小娘。わしを相手に名乗りをしてみせた不遜は、こうも膨らんだか」
「はたして不遜かどうかは、今の貴様ならばはっきりわかっているはずだ」
くくっ、と関羽は喉を鳴らした。
「いかにもその通りよ。……さあ、ならば名乗れ、小娘。貴様の文句、続きがあろう」
威圧感が膨れ上がる。雀蜂は肚に力を入れて睨み返し、言った。
「己が今だ武神であると標榜し、逃げることを恥じる心があるならば……」
がつん! と石突で地面を叩く。ばちばちと、稲妻の残滓が地を転がった。
「去るのは、この袁・雀蜂と最後の戦いを果たしてからにしろ!!」
「……よかろう。認めざるを得まい。この関羽、貴様らを置いて逃げ帰れば、もはや蜀最強の名は掲げられんだろうよ」
関羽はぐわらぐわらと、山が揺れるように嗤った。
「皆殺しにしてくれるわ! 来い、ディアボロスども!!」
関羽、決死。もはや後退のネジは外された。この戦い、どちらかが斃れるまでは決して終わらぬ……!
大成功 🔵🔵🔵
効果1 【飛翔】がLV8になった! 効果2 【アヴォイド】がLV6になった!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
守都・幸児
【鳳】
直接切り結んだのは二度、かな
てめえの強さは知ってる
これまではてめえを引かせるために戦ってたが
今日は、倒すためだ
小細工無しの真っ向勝負、やってみたかったんだよな
俺が使う技は「悪鬼粉砕撃」
武器は藍鬼拐
無謀でもいい、一番威力の出せる技で正面から関羽と力比べをしたい
だって今を逃すともう出来ねえんだろ
喩嘉の夜の力と
【飛翔】と【神速反応】の力を借りて
関羽の懐に飛び込み、【捨て身の一撃】をぶち込むぞ
力比べをしてえのは本当だが
狙いはもう一つ、これまで戦ったときと同じ
俺自身を囮にして、仲間が攻撃する隙を作る
俺がふっ飛ばされても
次に誰かが続いてくれるはずだ
俺たちは一人じゃねえんだよ、関羽
※アドリブ、連携歓迎
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
喩・嘉
【鳳】
軍神の名を冠する蟲将
本当の関羽と、元の世界の俺であれば
一撃入れることすら出来なかっただろう
だが俺は今ここにディアボロスとしてやってきた
今のお前は「倒せる敵」だ
ようやく決着がつけられるな
「如法暗計」を使用
辺りに闇の水を満たし、夜を呼ぶと間者の幻影を放つ
青龍偃月刀を掻い潜り、
幸児が懐に飛び込むのと同時に合図を送って
背後から幻影に関羽を急襲させる
※アドリブ、連携歓迎
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
シャムス・ライラ
【鳳】
仲間と情報共有、連携
以前合間見えた時は、腹を刺されて引き剥がされたが…
乞度はそうはいかぬ
関羽よ
束ねた刃の重さを知れ
地形の利用、情報収集で戦場の概要を把握
今まで関羽と赤兎馬の動きを見てきた
関羽の力と赤兎馬の機動力
ならばその機動力を押さえこんで隙を作る
馬の飛ぶタイミング、飛距離、着地地点
今までの情報を分析し、落とし穴、窪み、泥土等
足元を崩す罠を複数仕掛け
馬の足元を崩して攪乱、関羽に隙を作る
辺りは喩嘉殿の闇や幻影もある
これならば!
幸児殿が懐に飛び込んだら
二人と呼吸を合わせ
多方向から攻撃
「ピラミッドコンバット」使用
敵からの攻撃は神速反応、一撃離脱で間合いを取り直し可能なら再戦
アドリブ等歓迎
●刃を束ね
これまでは、関羽を退かせるための戦いだった。
だが、此度は違う、倒すため、終わらせるための戦いだ。そして関羽にもう、戦いを愉しむような余裕は、ない。
つまり、本当の意味での全力が来る。追い詰められた獣のごとき、生き延びるための最大の抵抗が。
「直接切り結ぶのは、これで三度目かな。一度やってみたかったんだよな、小細工なしの真っ向勝負ってやつをさ」
守都・幸児(祥雲・g03876)がどこか浮かれた様子で言うと、関羽の紅い眼がぎらりと光った。
「貴様は……ふん、許昌では闇を操り、あれこれと小賢しい真似をしてくれた。その貴様が、いまさら正面勝負だと?」
「ああ、そうさ。だって、今を逃すともう出来ねえんだろ? だったら、力比べをする最後のチャンスじゃねえか」
くるくると『藍鬼拐』を回転させ、身構える。言葉ぶりは軽薄、だがその言葉を言葉通りに受け取ってはならないことを、関羽は知っている。幸児は、己を囮にすることを厭わぬ男だ。
「お前が「本当の関羽」であれば、それは無謀と止めるところだが……」
喩・嘉(瑞鳳・g01517)は、関羽に挑発的な笑みを向けた。
「たとえ軍神の名を冠していたとて、お前は本来の歴史の関羽ではない。そして、俺も「元の俺」ではない。
今の俺は、ディアボロスとしてここにいる。クロノヴェーダであるお前を、倒すためにな。だから、止めはせんよ」
「ほざきよるわ。次の一太刀は、今度こそ貴様の首を刎ねるやもしれぬぞ。軍師よ」
脅すように、青龍偃月刀が鈍く光った。かつては紙一重で躱した刃。次は薄皮では済まないかもしれない、だが。
嘉の笑みは変わらない。どうあれ、今の関羽は倒せる敵だ。次はない……いや、与えない。その気概で望まねば殺せぬ。
「腹を刺され引き剥がされたこともあったが、此度はそうはいかぬ。私は、今までお前の戦いをしかと観察してきた」
シャムス・ライラ(極夜・g04075)が、代わりに応じた。
「この身斃れるまで、何度でも挑んでくれる。我らの束ねた刃の重さを知れ、関羽よ。
それがお前の首を堕とし、この戦いに決着をつける。我々復讐者の、すべての力と思いが」
「よかろう」
関羽はシャムスの言葉を茶化すことなく、正面から受け止め、認めた。
ディアボロスの気概、執念を、関羽は身に沁みて知っている。今この瞬間の決戦を引きずり出したのだから。
「ならばその言葉の如くに、死ねィッ!!」
ゆえに迸る殺意は最大。ぶわりと、向かい風じみた圧を浴びながら、3人の男は修羅場に身を投じた!
関羽の最大の強みは、あえて言うならばその機動力にある。
もっとも力も技も、知恵も判断力も何もかもが最強に相応しい水準なので、あくまで「あえて」の話だ。
そのため、赤兎馬の脚を抑え、関羽の隙を作ろうとしたシャムスの判断は、正しい。
パラドクスの力によって無数のトラップが生まれ、なんの変哲もない地面が落とし穴や窪み、泥土といった、足止め用の難所と化した。
ひときわ強力な赤兎馬にとって、これ自体が決め手になることはない。だが煩わしさはある。平坦で歩きやすい道と、デコボコした悪路のどちらを選ぶか……つまりはそういう話だ。人も、選択の余地があるなら、前者を選ぶのは当然のこと。その「選択」自体が、コンマ秒に満たぬ程度の猶予を生む。
すると罠のない場所には、とぷん、と昏い水が溜まっていた。
いや、逆だ。闇のように昏い水ではなく、地から湧く水のごとき揺らめく闇である……質量化されるほどに凝り固まった、深く、光を通さぬ闇の淀み。ヘドロめいた夜の闇は、赤兎馬の蹄に散らされるとぶわりと立ち上がり、まるで地から天を飲み込もうとしているかのように広がった。夜が、来たのだ。
「この計略は初めて見るか? だが、狙いはわかるぞ、小賢しき軍師よ!」
関羽は、『如法暗計』の仕組みと本懐を一瞬で看破した。このパラドクスの本命は、暗闇に紛れ死角から襲いかかる間者の一撃だ。
「俺の攻撃だけならば、なるほどお前には通じなかろう。だが言ったはずだ、俺たちはひとりではないと」
「……そういうこった! 俺を忘れるなよ、関羽!」
「!」
幸児が、すでに懐に飛び込んでいる。疾い。そして迷いがない。関羽が青龍偃月刀を振らなかったのは、反応出来なかったからか? それは否。闇雲に薙いでも、最大の威力を発揮できないとわかっていたからだ。敵が捨て身であることを、関羽は察している。であれば、その瞬間に殺す算段である。
他方、シャムスが回り込んでいることも、関羽は知っている。狙いはピラミッドコンバットによる同時攻撃であろう。
幻影も合わせ三方同時攻撃。真正面からの力比べが目論見などとは、ずいぶん口を叩いたものだ。まったく油断ならぬもの!
「かかれ!」
「これならば……!」
「力比べをしようじゃねえか!!」
3人は息を合わせ、同時攻撃を仕掛けた。まったく同時である。パラドクスという異能でなければ、防ぎきれぬシンクロ。
「ぬうんっ!!」
関羽は張り詰めた力を解き放った。裂帛の気合とともに無数の刺突を繰り出し、刺突から溢れたオーラが龍となって闇を食らう。
遊びのない全力の反撃だ。右側の青龍偃月刀が拐と激突し、弾かれ、続く悪鬼粉砕の一撃が関羽の脇腹を砕く!
その反対側では、ピラミッドの力を纏ったシャムスの攻撃が突き刺さり、龍のオーラに呑まれる寸前、間者の幻影の刃はぐさりと関羽を串刺しにしていた。
「ぐ、は……! なるほど、これが貴様らという刃の重さ、か……!」
「……そうさ。俺たちはひとりじゃねえんだよ、関羽」
反発力で弾かれ、地を転がった幸児が、頬の泥を拭って立ち上がった。
三者ともに、健在。ダメージ程度は関羽が上だ。身を抉られ、悪鬼を砕く剛力で甲殻を砕かれ、だくだくと血を流していた。
「我々は、決着をつけにきた。もはや此度は、腹を刺されようとも、首を刎ねられようとも、引き剥がされはしない」
シャムスは口元からこぼれた血を拭い、敵を睨む。彼が頼みにしていた【神速反応】は、あくまで他のすべての行為を放棄するほどの集中によってのみ効果を発揮する。仲間と息を合わせ、敵の反撃を躱すためには、どうしても集中が足らないのだ。
とはいえ、以前の立ち合いで受けたダメージに比べれば、圧倒的に軽く、対して与えたダメージはさらに歴然である。
「ようやく、決着の時だ。お前も武人ならば、嬉しいだろう? お前が、本当に軍神の名に足る将ならば、な」
「……よくよく挑発してくれる。わしのこの名が虚仮威しに過ぎぬかどうか、確かめてみるがいい
……!!」
関羽の身から、さらなる闘気が湧き出る。追い詰めれば追い詰めるほど、反撃は苛烈になろう。
だがそれは、奴の命数が尽きつつあることを示している。3人は、着実に関羽を追い詰めている……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1 【隔離眼】LV1が発生! 【液体錬成】LV1が発生! 【トラップ生成】LV1が発生! 効果2 【命中アップ】がLV5(最大)になった! 【反撃アップ】がLV2になった! 【ガードアップ】LV1が発生!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
平良・明
【虎】
思うに、復讐者の復讐者たるゆえんは、勇気
奪い合う蟲にはわからないでしょう
大切なひとの燃える怒りを背負うこと
大切なひとと分け合うこと
大切なひとを信じること
勇気とは瞬き燃える爆発みたいに
全くの暗闇の中で一歩踏み出すこと
これが人の業、その爆発と共にある
踏み込めば届く
なら次は隣を信じること
虫人間は皆殺し、悪くないんじゃないかな
きっと紅花さんは全力だから、私も全力です
支え合いつつ庇い合いつつ関羽と向き合います
闘気の「重門」を展開して、刃を見切り懐へ
とくべつな事なんて無い、勇気の賜物
ただの本物の拳を、かち入れます
倒れるものが大きければ、開く道も大きい
私の道が私達の道になります、なので押し通る
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
杏・紅花
【虎】
目の前にすれば肌が思い出す、闘気
そわりとするのは、あの時浴びた、赤い熱を思い出すからかなあ
それとも、となりのひとの、明サンの、爆発が見れるからかな
あたしも負けてらんない
となりに立ちたいから、自分に勝たなきゃ
【飛翔】して赤兎馬で空を駆ける関羽を迎え撃つ
欢迎。これはアナタを葬送するための舞
見ててね
敵のスピードも利用して突撃、舞やダンスは流れがだいじ
精神集中してオーラ操作で気の流れをくみ取りつつ、残像で翻弄しながら脚技と鉤爪組み合わせて連撃
圧されるあたしなんてすきじゃない
喰われそうなら、喰いかえすだけ
このおおきな壁、あたし食べ尽くしたいの
越えたら、きっと爆発のあとの道が見えてくるから
●奪うか、与えるか
復讐とは私的な行為だ。過去にケリをつけ、前に進むための儀式と嘯く者もいるが、その本質は独善であり私憤だ。
どんな経緯があろうが、高潔な意思を有しようと、エゴで他者を害する行為に優劣はない。
では、復讐者とも呼ばれるディアボロスはどうか。
ディアボロスとは、他者の怒りを背負う者。
その根底には怒りを晴らすという決意とエゴがある。その点では復讐者らしい。
だが、彼らの復讐とは、分け合うことでもある。力を、大事なものを、命を分け合う。
彼らの戦いには、常に他者がある。奪われた歴史の重さよりもそれこそが、ただの復讐と彼らとを分かつ線だった。
「あなたには分からないでしょう?」
出し抜けに、平良・明(ダイヤのK・g03461)は言った。
「私たちが、ここまで戦う理由。奪い合い、殺し合うあなたたちを、是が非でも殺そうとする理由が」
「……貴様は、戦いを愉しむ性分ではあるまい。であればたしかに、わしには理解出来ぬ思考よ」
「ええ、そうでしょう。あなたに、私たちを私たちたらしめる勇気(もの)は、わからない」
わかってもらうつもりも、ない。この、瞬くように燃える思いを。爆ぜるように、暗闇の中に踏み出す力をくれるものを。
復讐とは人の業。踏破とは未知を殺すこと。この勇気こそが、復讐者を復讐者たらしめる。彼はそう考えていた。
そわりと。
杏・紅花(藤袴と浅葱斑・g00365)は、細い身体を揺らした。少女の身体の熱は、はたして目の前の強敵から溢れる闘気のせいだろうか?
あるいは、隣に立つ男の、煌めくような爆発を早く見てみたいから?
両方かもしれない。だって、こんなに負けていられないという気持ちが逸る。隣に立ちたいと。
「アナタは、強いね。うん、こうして前に立つと、なおさらそう思うよ」
でもね、と瑞々しい唇が形を作った。……笑みを。
「あたしは、おとなしく喰われるのなんて、つまんないんだ。おおきな壁(あなた)も、食べ尽くしたくて仕方ないの」
「……畜生の眼をしよるわ。かつて見えた折とは別人の如くよ」
関羽の声音には侮蔑の色があった。奴は、紅花の爛々とした蒼い瞳に浮かぶ飢えを、浅ましいものと見たらしい。
紅花は、くしゃりと笑った。敵を前にはにかむふてぶてしい自分が、紅花の一番好きな自分だったから。
「行こっか、明サン」
「ええ。全力で」
声が支え合う。軽薄に思えても、揺らがぬ信頼を礎に。だが届かせるまでの一歩は、近いようで果てしなく遠い。
足が重い。見えない泥のように、闘気が纏わりつく……それでもふたりは、軽やかに、一歩を踏み込んだ。
闘気が陽炎をどよもすように結実し、ぐにゃりとかすかに景色を歪めた。
雷鳴のように、大気を震わせる大音声が轟く。次いで地を砕かんばかりの蹄の音が響いtえ、騎馬は一瞬にして上方へ。
昇る速度よりも疾く、刃が落ちてくる。滑車に沿って首を落とさんとするギロチンを思わせた。
「ごめんね。向かってくるのなんて、あたし、待ってられないの」
すでに紅花はその上にいた。きらきらと、彼女の跳躍の軌跡が輝いている。残光が見せるオーロラのような輝き。
「そして、どうか見ててね。これは、アナタを葬送するための舞だから」
一挙一動が眩かった。ゆるりとした、だが鋭い蹴撃の連続。1つ目の足は次の踏み込みであり、累乗するように速度と威力が増す、不可思議な舞踊だった。
関羽は強い。その闘気には圧倒されそうだ。だが、圧倒される紅花(じぶん)は、紅花は好きではなかった。
ふてぶてしく、不敵に微笑み、惑わせて喰らう。死地をも愉しむ。そういう自分を愛していた。そしてもうひとつ。
くるりくるりと流れる視界の下で、当然のように踏み込む彼が見えた。
なんの変哲もなく、衒いもなく、当然のように踏み込み、これまで何度も繰り返してきたように拳を握る。
爆発的な速度。後押しするものは、このディヴィジョンで苦しむすべての人々の願いか、あるいは怒りか、それとも。
「ぬうっ!?」
「あなたも結局は、私たちが倒してきた敵と同じになります。特別なことなんて、何もありません」
敵は強大だ。だから勇気が奮い立つ。困難だからこそ、力が湧いてくる。明も大概に向こう見ずな性分だった。
握りしめた拳に宿すは、勇気。ただ本物の拳。奪い改竄されたものでも、模倣したものでもない。己だけのオリジナル。
青龍偃月刀が滑るように踊る。蹴撃が刃を弾く。活路がそこにある。まっすぐに、歪みを纏いながら、拳が!
大気が爆ぜた。
「がはッ!!」
次いで、関羽と赤兎馬が地を転がる。そして血がぽたぽたと垂れる。衝撃が、明の足元をクモの巣状にひび割れさせていた。
「私の道が、私たちの道になります。押し通らせてもらいますよ」
健在である。ふわりと紅花が隣に降り立つ。……やはり、健在。地を舐めた関羽と、立ち続けるふたり。差は歴然。
紅花は、屈託なく笑っていた。好ましいものがそこにあったのだから、当然だった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【託されし願い】LV1が発生! 【壁歩き】LV1が発生! 効果2 【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
錣吹・しとら
陸(g01002)と
あん時はアタシの術だけじゃあ足りなかった。
ならわかるな?二人で思いっきりをぶつけんぞお頭ぁ!
挑発に合わせ前回の戦いをなぞるようにして、さらにその上を行くぞ!
前衛をお頭に任せてアタシは術の制御に集中する。
ただし今回使うのはアタシの術だけじゃねえ。
お頭が生み出した停滞の魔力でできた氷剣をアタシが再構築する!
他人の魔力を扱うなんざ、ミスればアタシが自爆しかねねえが、お頭から貰った『影灼く刃』を核にして五重塔を形成してぶち抜いてやる!
「名付けて霜葬槍式五重塔!その身で受けてみやがれクソミドリがぁぁぁぁああああ
!!!!」
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
竜城・陸
しとら(g00929)と
ん、オーケー
少し危険だけど……なんてのは言うまでもないことか
やろう、しとら
“停滞”の魔力――あらゆるものを眠らせる氷の権能を載せた氷剣を
間断なく相手へと向けて降り注がせる
触れれば相手の力を奪い
当たらず砕かれようとその破片はしとらの術の糧になる
あとは、その完成まで俺が耐え抜くだけ
あの時と同じ?
……違うね、あの時よりも俺たちは力を付けてきた
友から授かった鋼薪塔は剣の形を成して、真っ向から相対
相手の攻め手に合わせた受けと守りの手段は
親友たちから嫌と言うほど叩き込まれた
何よりこの背に大切なものがあるのだから
唯の侵略者如きに負ける道理などない
さあ、今度こそ地に伏してもらうよ――!
●地伏
「あん時は、アタシの術だけじゃあ足りなかった」
錣吹・しとら(鬼門の姫・g00929)が、ちらりと竜城・陸(蒼海番長・g01002)を見る。
挑むような不敵な面持ち。金色の瞳の奥にあるのは、信頼という輝きだ。
「だから、わかるな? 今回はふたりで思いっきりをぶつけんぞ、お頭ぁ!」
「……ん、オーケー。少し危険だけど、なんてのは言うまでもないことだしね」
陸は紫色の瞳を綻ばせて頷いた。
「やろう、しとら。あそこまで啖呵を切ったんだ、有言実行しないと色々沽券に関わる」
かつては、ただ防ぎかばうしかなかった。
敗北とは言いがたい。だが勝利したとも言いがたい、苦い記憶。関羽が挑発に応じたならば、言葉を真実にするのが次の仕事だ。
問題は、相対する敵のすさまじい闘気。追い詰められた関羽の殺意は、かつての戦いとは比較にならぬ。しかし……!
「さあ、どう来る! どうわしに挑むッ!!」
関羽は銅鑼のようにすさまじい怒声を張り上げ、騎馬一体となって突っ込んできた。
陸は翼を広げわずかに浮かび上がり、停滞の魔力を宿した氷の剣を生成、即座に降り注がせる。
あらゆるものを眠らせ、停める力。氷の権能がもたらすものは死であり、終わりであり、絶対零度という行き止まりだ。
雨のように氷の剣が降り続ける。関羽は両手の青龍偃月刀で薙ぎ払い、弾き、突き進む! 速度が減じることはなし!
「どうした、それで終わりか龍よ! これではかつてと何も変わらぬぞ!?」
「何も変わらない? ……いいや、それは違うね」
片手、刃のない柄が赤熱する剣を生成し、陸は地面を滑るように低空飛翔して氷の雨の中を翔んだ。
あっという間に騎馬との相対距離が縮まり、無数の刺突が停滞の雨の中を切り裂いて襲いかかる。刃の壁と呼ぶべき数!
「あの時よりも、俺たちは力をつけてきた。ただ戦いを愉しみ、奪うために殺してきたお前たちとは違ってね!」
間隙なき刺突。陸は燃える剣を振るって刺突を弾く。切り払う。交錯する! 火花が散り、透き通る氷が光を散らして銀河のような輝きを生んだ。激突! 激突! 激突!!
「ぬう……! わしの矛を、ここまで凌ぐか
……!!」
氷の剣が降り続ける。関羽の身体を、停滞の魔力が斬り裂く。ダメージは与えている。だが仕留めきれぬ。凌がれている!
「親友たちから、受けと守りの手段は嫌というほど叩き込まれたんだ。そして何よりも」
射抜くような紫の瞳が、見開かれた。
「この背に守るべきものがあるなら、"ただの侵略者ごとき"に負ける道理など、ないんだよ」
「貴様
……!!」
「さあ、準備完了だ」
しとらが微笑んでいた。瞬間、きらめく光が……いや、光を反射していた無数の氷剣が一斉に砕け、溢れたエネルギーが冷たい煌めきとなり、陸と関羽を包み込んだ。
「これは!?」
関羽は理解する。奴は己のパラドクスで、陸が降り注がせた氷剣の魔力を再構築したのだ。力を合わせるとは、そういうことか!
しとらは笑う。不敵な微笑みの端を汗が伝う……力加減を誤れば、自爆しかねない危険な賭けである。集中で眼が血走った。
「こいつが、アタシとお頭の力だ! かつてと同じ、かつてと違う、とっておきの一撃だ!!」
五重塔が形成される!
「名付けて、霜葬槍式五重塔!! その身で受けてみやがれ、クソミドリがぁぁあああ!!!」
関羽は本能的に危険を感じ、退こうとした。が、させぬ! 陸が一歩踏み込む! 受け太刀から攻めの剣に!
「貴さ――」
「今度こそ、地に伏してもらうよ!」
質量が、降り注ぐ。轟音、衝撃、そして土煙……!
もうもうと立ち込める土煙が晴れた。翼を広げた陸が、しとらの隣にばさりと降り立つ。
「ぜぇ、ぜぇ……どうだコラァ……あぁ!?」
しとらが吼える。関羽は……苦労して赤兎馬とともに立ち上がろうとした。膝ががくりと崩れ、地を舐める。
宣言は果たされた。大質量の一撃は関羽と赤兎馬を地に伏せさせ、甚大なダメージを与えた。かつての雪辱を、かつて以上の力とコンビネーションで、ふたりは拭い去ったのだ!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【勝利の凱歌】がLV3になった! 【光学迷彩】がLV2になった! 効果2 【ラストリベンジ】がLV3になった! 【ダブル】LV1が発生!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
戦闘中は適度に煽って【挑発】
【奴崎組】
関羽だ呂布だと持ち上げちゃあいるが
何処の誰だろうと興味はねえ。
武人なんてな理由付けて闘いたいだけの連中
てめえも剥いでみりゃ俺と同じ
只のゴロツキって訳さ。
さあ名無しの誰かさんよ、仲良く喧嘩と行こうぜ!
折角やる気になってんだ
こっちも全開で付き合ってやる
【ダッシュ】で真正面から【突撃】だ
パラドクスで一気に仕掛ける
武器を【破壊】するつもりで加減無し
奴の反撃ごと一切合切ぶん殴る!
他を無視してる暇も無いぜ
隙を見せりゃ逃さず叩く
どっちを気にするか見ものだな
徹底的にぶん殴ったら肉薄
トドメに【捨て身の一撃】をお見舞いだ
こいつでぶっ潰す!ぶち抜けえぇぇッ!!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
無堂・理央
ここで終わらせる!と意気込んで関羽の前まで来たけど、ここに来てボクの心が凪いでる?
闘志は限界まで燃えてるけど、それに突き動かされもしない。
けど、ここは往くだけ。
引き続き無双馬『クロフサ』に騎乗して真正面から関羽に挑む。
馬上槍による突き払い斬り薙ぎ、ボクが持つ全てを出し切って関羽とぶつかる!
騎兵として、関羽と赤兎馬の組み合わせは絶対に超えて見せる!!
あ、そっか
誰かの娘さんじゃないけど、ボクにとって関羽は目指す頂の一つで一種の師なんだ。
師を超えようとする戦いだから、関羽を越えたい激情と関羽に挑戦できる安心感が同居してるんだ。
なら、ボクの全てを出し切って皆で関羽を、我が師を真正面から超えていこう。
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
ア・ンデレ
【奴崎組】
「アンデレちゃんのともだちのみんな、アンデレちゃんにパワーをちょうだい。
アンデレちゃんは、そのパワーで、せかいをすくってみせるよ。」
アンデレメダルが赤く光る。
アンデレメダルを通じて、友達パワーがアンデレちゃんに集まってくる。
復讐者も一般人も皆がアンデレちゃんの友達だ。
友達パワーが翼となり、アンデレちゃんは空を飛ぶ。
「なんかいもころしそこねた。なんかいもころされそこねた。
でもそれもこれまでだ。ほんとうのけっちゃくをつけよう。かんう。」
世界がアンデレちゃんを祝福している。
今のアンデレちゃんの拳は世界中の何よりも強い。
アンデレちゃんは、関羽に最後の一撃を放つ。
アンデレちゃんは、笑顔だった。
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
良いことを教えてやる。
自ら退路を絶った貴様は、貴様史上一番強い。
だが。
我らもまた奴崎組史上最強である。
征くぞ、関羽!
仲間たちと共に《飛翔》し《空中戦》よ!
空の王者は虫でもなければ、馬でもない。竜よ!
《戦闘知識》も活かし《追跡》し食らいつき続けてくれるわ!
貴様を空で自由にはさせぬ。
貴様のその速さ、縦横無尽っぷり、我が殺す!
それこそが仲間たちの助けにもなるであろう!
業を煮やして着地して斬ろうものならその時こそ勝負よ。
我が突撃は、貴様の斬撃を超えていく!
かつて貴様は言ったな。
我らの名を刻むと。
その言葉、返させてもらうぞ。
我ら、歴史の奪還者。
貴様の存在は刻んでやる。
関羽よ、我らの歴史となれ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
薬袋・透
【奴崎組】あの時(紅生匈湧)の借りを返しに来たわよ、関羽!
あの時はただ強さに圧倒された…決死の足止めと撤退がやっとだった…けど、今は違う!さあ、覚悟はいいかしら?
基本【飛翔】状態
薙刀を薙ぎ払い風使いの斬撃を飛ばし攻撃、死角からパラドクスの魚を召喚し不意打ち。今度こそ爪を食い込ませ噛みついて捕縛してやる!続けて自分も最高時速の【飛翔】で接近、両断し一撃離脱のヒット&アウェイの繰り返し、魚との連携による絶え間ない連撃で撹乱し関羽のリソースを僅かでも割く、きっとそこに隙は生まれる
関羽の攻撃は【神速反応】で見切り回避、急所は結界術の高速詠唱、防御結界術式で集中防御
アドリブ絡み歓迎
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
奴崎・娑婆蔵
【奴崎組】
[紅生匈湧]
[許昌の戦い、迫る:紅生憤烈]
初め戦った時は、先読みに先読みを重ねてようやっと一刺し
次に戦った時は、影業を用いた不意討ちにて
であれば此度は真ッ向勝負
組の面子と共に高めに高めた地力の多寡、見せてやりまさァ
『八ツ裂き娑婆蔵』、参る
・ネメシス解禁、その態様は手の包帯を解きパラドクスの出力を上げるというもの
・右に『トンカラ刀』、左に『鉄鞘』、変則二刀流で関羽の百烈撃を正面から受け捌き凌がん
・味方の仕掛けで、敵攻撃の内に「出端を潰されるか」「狙いを反らされるか」を見込める一撃を察知次第、守勢を切り攻勢に出る
・【ティアーズリッパー】一閃、胴を抜きに行く(両断)
八ツ裂きにしてやりまさァ
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
エレオノーラ・アーベントロート
【奴崎組】
次はわたくしたちを八つ裂きにする――そう言っていましたわね。
うふふ、もちろん試して頂けるのですわよね?
「フェアレーター」を手に【飛翔】で空中戦。上空からの砲撃で関羽の足を止め、他の仲間が接近する隙を作りますわ。
他の仲間が接近したなら「第十三の魔弾【愛執】」。「誘導弾」で誤射なく関羽を狙いましょう。
以前はろくに反応もできずただ貫かれるしかなかった槍の攻撃、今ならば多少は反応・回避や「魔力障壁」による防御もできるはずですわ。
あなたの知らないところでも、こちらは死線をくぐっていますのよ!
これまで何度も申し上げたことをようやく果たせそうですわね。
今日こそは――ブチ殺して差し上げますわ。
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
八栄・玄才
許昌の戦いの時より、オレは強くなった
今なら、唯、闘争の中へ落ちる、あの領域に狙って入れる!
【呼吸法】で息を整えて、関羽の前へ
パラドクスを発動しての極限の集中状態で、四本の腕、二振りの青龍刀、その動きを【看破】
少しでもかわす必要のある突きを減らすため、一気に【突撃】して懐へ
そこから頭部に蹴り上げを、胸に掌打と正拳の二発を放つ
どれも闘争機関にまで衝撃を届ける【貫通撃】
そして、ダメ押しに雷を纏った拳で【強打】
お前はなかなか人の名前を憶えないが、オレの胸には初戦の時からお前の名前が刻まれていたよ
"関羽"
史実のおっさんと違っても、オレにとってはお前が関羽だ
お前から学んだ武で、オレはさらに先へ行くッ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
雅諒院・基経
【奴崎組】
…前は砂煙で逃げることしか出来なかった。…だが、ようやく、相対せるな関雲長…
前は速すぎて見えなかった突きも見える、前はなすすべなく蹂躙された風も打ち消せる。…さもありなん、我らが成長をした証よ。不思議な感覚だ。
この胸にあるのは一種の尊敬の念よ。お主があの時我らに煮え湯を飲ませたからこそ、我らは主の前に立てるのだ。
さぁ、受け止めてみろ関羽…!
パラドクスを放ち、関羽が青龍偃月刀で受け止めるだろう、だからこそ、俺は錫杖を捨て、素手で独鈷杵をぶん殴る。そして、武器が砕け、腹に風穴を開ける。
…その首は忘れず持っていけ、歴史上では泣き別れになったが…こちらでぐらいは、持ち帰ってもよかろうて。
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
黄泉王・唯妃
【奴崎組】
アドリブ&出血描写歓迎
効果2全使用
幾度の戦場での邂逅を経て、今此処で関羽を討つ!
さあ参りましょうか、奴崎組のお歴々。今この瞬間が決着の時です!
【精神集中】でじっと身を潜め、動きを【観察】し続ける。
乱戦混戦のこの中で我武者羅に攻めるのは他の方々に任せます。
これだけの人数がいればいかに関羽と言えど意識が同時に複数へと向く瞬間があるはず。そこを狙い【不意打ち】で【早業】【捕縛】。
全身を縛り上げるほどの大量の糸で動きを拘束――だがそれもすべて【フェイント】。
無数の糸の中で1本だけ赤く染まりし糸、これがとっておきの1本。他の全てすらこのための【罠使い】の【計略】。
その首、獲らせていただきます!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
椋井・矢一
【奴崎組】
■因縁:紅生匈湧
■アドリブ・連携歓迎
「久しぶりだな、覚えているか?――今日こそ、お前が思い知るその刻だ」
行動は味方の助けとなるよう配慮しつつ、仕掛ける。
全霊の〈殺気〉で放って、〈挑発〉。注意を惹き、迎え撃つ。
図るは根性〈忍耐力〉任せに敵の一撃を無理やり耐えつつ繰り出す、莫迦が余って〈不意討ち〉じみたカウンター。即ち恐れ知らず〈勇気〉の〈捨て身の一撃〉。
行使するパラドクスは【幽鬼の剣】。
戦場に渦巻く負の感情。
復讐の意思の下、ソレらを集めて形と為すは暗黒剣。
一撃に全てを込めて。
俺達の勝利を引き寄せる為の一手となろう!
嗤い告げよう。
「省みろ、此処がお前にとっての末期の戦場――応報の時間だ」
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
樹・春一
【奴崎組】
※使えるものはネメシス含んで全部使う
というわけで戦いましょう関羽さん!
拳と拳のぶつかり合いこそ! シスターの本分です!
神よ! そして姉さん! 僕に力をお貸しください!
とはいえこちらも鎧装備というわけではありません。一撃貰えば立っているのは難しいでしょう
ですが! 正面から勝負しなくてなにがシスターですか!
【精神集中】【神速反応】で隙を狙っていきますよ
どこを狙うかというとそうですね。やはりディアボロスらしく連携を挟めそうなところでしょうか!
僕たちはひとりではないということを! お見せして差し上げましょう!
【誘惑】で気を引き【全力魔法】の神槌!
今こそ高らかに讃美しましょう! ハレルヤ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
結島・蘭杏那
オキナありがとう、私の足の代わりになってくれたおかげ二度目、三度目に相対した時集中して関羽の動きを観る事が出来たわ!そして、見極めた今こそ放つ『千変万化の舞』を!!
狙うは『赤兎馬天駆』で地面に着地して攻撃に移る瞬間よ!その瞬間に隙が出来るわ!!早ければ赤兎馬に踏み潰され、遅ければ二本の青龍偃月刀に薙ぎ払われ、仕損じれば二度と同じ隙きはつけない…でも疲労してるこの機を逃すわけにはいかない!今ここで、この地で蟲将に虐げられた人々の想い、過去から続く復讐者達の想い、そして関羽をここで倒すという私達の想い全てを【託されし願い】としてこの一撃に賭けるわ!!
今代が剣の舞姫が魅せる一閃、とくと御覧あれ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
ブロス・ブラッドハート
へへ、またお前と戦えるなんてな
楽しみで体が震えてくるぜ、関羽!
竜の血が騒ぐままに…いくぜっ
低空を【飛翔】して間合いを詰める。味方の動きで隙が出来れば一気に直進だ!
こっちに攻撃がきた時は障害物を足場にして『ジャンプ』で急旋回したり、相棒で防ぐか相殺狙い!味方が突っ込む時間をつくる
こっちはしょーしんしょうめいの紅竜だ!龍とはいえオーラには負けられねーぜ
懐に入ればこっちの間合い!
ありがとよ関羽。一分一秒一刹那、お前がくれた時間がおれを強くしてくれた
今度は勝ち逃げさせねー
おれの真紅の牙、お前に届かせてみせる…!
伝えたいこと全部詰め込んで
強く鋭く踏み込んだ全身全霊の一撃をぶつけるぜ
アドリブ連携大歓迎だ!
④👿許昌の戦い・決戦:蜀『関羽』
袁・雀蜂
※アドリブ歓迎、共闘希望
・行動
此処に至るまでの戦いで顔を合わせたディアボロスたち
その目に焼き付けた戦いを踏まえ共闘して決死の攻撃を仕掛ける
・戦闘
残留効果で【飛翔】して上空を旋回し機を伺う(「偵察」)
今までの戦いで見せた技(飛燕空翻)と同じ
鋭く軌道を変化させた突撃を仕掛けると見せ
背の翅から急激に気を放出し空力を無視するジェット推進で
体への負担を無視して空中で鋭角に曲がり(いわゆる空中ダッシュ)
渾身の【飛竜噴進突】を仕掛ける
(「不意打ち、空中戦、オーラ操作、一撃離脱」)
・心情
他のディヴィジョンでジェネラル級を討ち果たし
手に入れたこの技を見よ!
いつかすべてを取り戻すまで、我らは常に成長し続けるのだ!
●紅生命尽
壮絶だった。
これまでのいかなる戦場、いかなる戦いよりも、関羽は傷つきそして追い詰められていた。
「……認めざるを得まい」
関羽が土を払い、青龍偃月刀を構えた。
「貴様らは、強い。そしてわしは、今、追い詰められておる。この首級、いよいよ貴様らの指先が触れつつあると」
紅眼が、ぎらつく。もうすぐ討たれそうな者の目ではない。
「わしは見誤っておったわ。貴様らという脅威を、最初に刈り取るべきであった。この関羽、一生の不覚よ。
臣下に招くなどと寝言を言わず、素っ首刎ねて後顧の憂いを断つべきだったというに……そのざまが、これか」
「あら、ずいぶんと弱気ですわね? "次は八つ裂きにする"と叩いていた口は、なくしてしまったのかしら?」
エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)が、嘲るように言った。関羽は煮え立つように笑う。
「うふふ。そんなわけがないのでしょう? だってそれでは、張り合いがありませんもの。なにせ今日は、念願の日。
これまで何度も申し上げたことを、ようやく果たせるのですから。最期まで相応しく、足掻いて足掻いてくださいまし」
「……そう、ようやくだ。ようやく、相対することが出来るぞ、関雲長」
雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)の声には、万感が籠もっていた。想起するのは最初の戦い。
ジェネラル級という未知の存在。砂煙で逃げるのが関の山だったあの戦いを。だが、今は。
「不思議な感覚だ。僕(やつがれ)は、別人になったわけではない。だが、あの時とはまるで別のような世界がここにある。
我らが成長した証、ということなのだろう。お主があの時煮え湯を呑ませたからこそ、今の我らがここにいるのだ」
「く、くくく……わしが貴様らを育てたと? 自ら命数を縮めたとでもいうのか?」
皮肉なものだ。基経はある種の尊敬の念でもって述べたが、それが逆に関羽にとっては痛烈に突き刺さる。
弄ぶように戦い、戯れた己が、見下していたはずの復讐者に膝を突かされ、追い詰められているのだ。
己を幾度も撤退に追い込んだ復讐者どもが、この首を落とそうとしている。痛快であり、痛烈でもあった。
「久しぶりだな」
帽子で目元を隠し、椋井・矢一(マグマ・g04848)が笑う。愉悦、皮肉、どちらとも違う。吊り上がるような笑み。
死神の笑みだ。運命を突きつけ、収奪を告げる者の笑み。応報の女神がこの世におわすのならば、同じように微笑むのかもしれない。
「覚えているか、俺を。俺たちを。……そして、かつて俺が言った言葉を」
「……」
「今日こそ、お前が思い知るその刻だ。長かったが、な」
関羽は唸った。否定できる材料などなく、もはやすでに奴は思い知っていたからだ。
矢一が軽く顔を上げれば、帽子の下、射抜くような視線が関羽を突き刺す。心臓を握りしめられるような心地だった。
「我ら奴崎組としての邂逅は、これで4度目ですね。関羽」
黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)が言った。
「ですがディアボロスとしては、各々違いましょう。私にとっては四度でも、もっと多く、あなたと戦った方もいる。
ですが、それも此処で終わりです。幾度の邂逅を経て、今此処であなたを討ちます。私の糸は、縛るだけでは終わりませんよ」
きりりと、爪先に張られた糸がしなって音を立てる。
細く強靭な糸は、刃に勝る。今日この時、唯妃の糸は刃となりて、かの軍神の首級を狙っている。勝利のために。
「初め戦った時ァ……そうそう、先読みに先読みを重ねて、ようやっと一刺しでござんした」
奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は明後日の方を見て、最初の戦いを思い出し、次いで二度目の戦いを思い出した。
「その次は、不意討ちにて相手をいたしやしたかね。あれからあっしらは、組の面子総出で地力を高めて参りやしたぜ。
そいつを今日、見せてやりまさァ。そのためにわざわざ来たんだ、いまさら尻尾巻いて逃げ出すなんてのァ……」
ぎらり。赤い瞳が、言葉尻を告げる。そんなことはありえないだろう、否、許しはしないと。
娑婆蔵は殺人技巧の使い手、殺すことに特化した生命体だ。殺すと決めたならば、殺す。ここで殺すと決めた。ならば、そうする。それだけのこと。
「そうね。あの時の僕は、ただ強さに圧倒された」
薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)が頷いた。
「決死の足止めと、撤退がやっと。それが、あの時の僕の精一杯だった。
けど、今は違う!今日の僕は、借りを返しに来たのよ。さあ、覚悟はいいかしら、関羽!」
別人のような面持ちに、関羽は射竦められた。溌溂とした青い瞳は揺らぐことなく、臆さずに関羽を睨んでいる。
余裕ある常であれば、戦士の貌になったと褒めそやしたかもしれない。だが、今の関羽にそんな余裕はない。あれは親が子を褒め称えるような上から目線のもの、超越者としての慈悲に似た称賛であって、対等な殺し合いにおいては逆に言葉が消え去る……翻って、関羽が脅威と認めた証になりうる。生半な言葉よりも、透の成長と実力の伸びを認めていたのだ。
「関羽だ呂布だと持ち上げちゃあいるが、正直なところ、俺はどこの誰だろうと興味はねえのさ。
てめえもそうだろう? 武人なんてな、理由つけて闘いたいだけの連中……俺と同じ、ただのゴロツキってわけさ」
菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は、巌のように握りしめた拳をがつんと胸の前で叩きつけて、ふてぶてしく笑った。
「さあ、名無しの誰かさんよ。仲良く喧嘩と行こうぜ。そっちがせっかくやる気になってんなら、こっちだって全開だからよ」
「ええ、そうです! いえ、僕はゴロツキではなくシスターですが! そのご意見には同意しますとも!」
樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)が声を張り上げた。
「拳と拳のぶつかり合いこそ! シスターの本分です! だから闘いましょう、関羽さん!
あなたは強い! ですが僕も強いですよ! 神と、姉さんの力と! なにより皆さんがおりますので!」
なんとも腕白で、まっすぐで、向こう見ずなものだ。血の気が多いというのも少々憚られるほどの愚直ぶりである。
だが、それゆえに気持ちがいい。やることは明白。つまりこれは生存競争であり、力比べであり、なるほど喧嘩なのだ。
ディヴィジョンの命運。歴史の奪還。虐げられた人々の怒りの応報。そういった大義や理由、目的はあろう。
しかし、やることは変わらない。殺し合い、敵を倒す。突き詰めればシンプルな理屈に行き着く。戦いはそういうものだ。
「うむ。まったく頼もしい限りよ。……そしてせっかくだ、関羽よ。ひとついいことを教えてやろう」
リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)が、びしりと関羽を指さした。
「自ら退路を絶った貴様は、貴様史上一番強い。我らは地を舐め、膝を突き、傷ついて斃れる者もいようぞ。
だが。我らもまた、奴崎組史上、ディアボロス史上最強である。最強と最強の戦いならば、龍が打ち克つは必然よ!」
龍とは傲慢なもの。リューロボロスの物言いは、まさにドラゴンに相応しい。
簒奪者に与えられた銘ではない。おとぎ話に現れ、恐れられ、最期には討たれる……そうすることで、めでたしめでたしという幸福を逆説的に証明し、子を笑顔にする龍のそれだ。
これは物語などではない。ゆえに、リューロボロスが負けることはない。彼女の緑色の瞳は、燃えるように輝いている!
「もう、なんかいたたかっただろうね。なんかいもころしそこねて、なんかいもころされそこねたよ」
ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)は、満面の笑顔だった。
ともだちが、たくさんいるのだから、当然である。
何よりも殺し合った敵(ともだち)が前にいるのだから、当然である。
奴崎組の面々だけではない。アンデレの知る者、知らないがともに戦った者、みんながともだちで、みんながここにいる。
「でも、それもこれまでだ。ほんとうのけっちゃくをつけよう、かんう。アンデレちゃんと、みんなで」
みんな。組のみんな。ディアボロスのみんな。
みんなが、ともにいる。だからアンデレは、楽しそうに笑っていた。
……そう、組の面々だけではない。
最後の戦場、最期の舞台、決着の瞬間に立つディアボロスは、さらに5名。
「我らは、すでにいくつものジェネラル級を討ち果たし、力を得て成長してきた。お前の知らぬ将、お前の知らぬ技を超えて」
袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)は、胸を張り、応報の力で蟲の相を増したその瞳で、敵を見据えた。
「それをこれから、身を以て味わわせてやろう。そしてお前を叩き伏せ、引導を渡し、その先へ進もう。
我らの旅は、すべてを取り戻す「いつか」まで終わらない。我らの成長も終わらない。これかでも、これからも続くんだ!」
「……そうね。これは終わりじゃない。私たちの戦いの道程のひとつ、いずれ振り返る過去の一部になるべきものなんだわ」
雀蜂の啖呵に、結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)は首肯して同意した。
彼女の跨る無双馬が、勇ましく嘶く。その首筋を、蘭杏那は優しく撫ぜた。
「ありがとう、オキナ。そして行きましょう。ここまで見極めて、研ぎ澄ませてきたものを、叩きつけて、前に進むために」
「……前に、か。そうだね、往くしかない。結局のところ、何を言ったって、やることは変わらないんだから」
轡を並べた無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)の面持ちは、不思議と凪いでいた。その心もまた同様に。
理央は、自分で自分の現状を不思議に思う。恐怖しているわけではなく、燃え尽きたわけでもない。
いやむしろ、闘志はさらに強く、限界まで燃えている。だが、それに突き動かされるわけでもないのだ。
「びっくりするぐらい、落ち着いてるよ。この理由が、勝てばわかるのかな。なんだか少し、楽しみかもしれない」
「楽しみ、か。へへっ、それならおれだって、おれの身体に宿る竜の血が騒いでしょうがねえ。楽しみで身体が震えるんだ!」
と、震える拳を握りしめて、ブロス・ブラッドハート(意気衝天・g03342)がニッと笑った。
「また、関羽と戦えるっていうのが、嬉しくてさ。もしここでおれが倒れたとしても、立ち上がる時、おれはもっと強くなれてる。でもだからって、倒れるつもりで戦ったりしないぜ。
だっておれも、みんなと同じように、お前をぶっ倒しに来たんだからな! おれの真紅の牙、届かせてみせるぜ、関羽!」
「……わしを、倒せるか。貴様らが」
血の涙を流しながら、関羽が言った。大気を破裂させるような大音声ではない、底冷えするような、地の底から響くような声である。叫んでいないからこそ、逆に恐ろしい。
「倒せるさ。そうでなきゃ、二度もお前と戦って、鍛えて、練り上げてきた意味がねえ」
八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は、落ち着いていた。焦ることも、意気がることもなく、ただ泰然自若とそこにある。
明鏡止水、というべきだろうか。凪いでいるという意味では理央のそれとよく似ているが、彼女が引き絞られた弓矢だとすれば、玄才の落ち着きぶりは揺るがぬ大山の如し。
「あの時より、オレは強くなった。今ならお前の全部を見て、お前と戦える。捨て身でも、食い下がるんでもなく。
……お前が学ばせてくれたってのは、その通りさ。オレはその武で、さらに先へ行く。刻みつけるだけじゃなく、斃すんだ」
玄才が、拳を握りしめる。ばちりと、拳に稲妻が散った。
「さあ、始めようぜ、関羽。オレ達と、お前の、最後の戦いだッ!」
「……ふ、ふ」
ふふははは、ははははははは!
どろどろと、黒雲の中で身を捩る稲妻のような笑い声だった。
晴れ晴れとした、曇り一つない、これまでディアボロスたちが聞いてきた同じような哄笑と同じ……だがひとつだけ決定的に違うところのある笑い声だった。
……死相である。
「よかろうッ!!」
関羽が赤兎馬の腹を蹴った! 全身の傷口から噴血し、血の霧を切り裂いて、騎馬が怒涛の如く駆ける!
砕けた土が赤に混じり、赤黒の靄めいた土埃が晴れ、総勢十六の闘志の炸裂でさらに散り、爆ぜ、そして戦いが始まった!
1対15。
数だけ見れば圧倒的な差だ。並のアヴァタール級であれば、この差を覆せるような輩はいまい。ジェネラル級も同様。
数は力である。それぞれが一騎当千たるディアボロスであり、連携を前提にして動くとなればなおのことだろう。
しかして挑みかかる彼らに、慢心・油断はない。同時に関羽にも、臆する心は一欠片とてなかった。
理由は何故か? パラドクスは百の攻撃にすら反撃を可能とするから? なるほどそれもたしかだろう。
逆説の理によって歪められた時空において、攻撃と反撃は等価であり、時間は意味をなさない。先手と後手は等しく、一と百も同じ。襲いかかれば同じだけの攻撃が必ず返る。返せる。
だが、そうではない。それは大前提だが、そういう理屈の話ではなかった。
「征くぞ、関羽!!」
「さあ参りましょうか、奴崎組のお歴々。そしてディアボロスの皆さん。いまこの瞬間が、決着の時です!」
リューロボロスと唯妃の叫びが、鬨の声めいて仲間たちを戒めた。
ディアボロスたちはかけらとて油断していない。
数の利だけで戦いが決まるなどとはハナから思っていない。
なぜならば、敵が関羽だからである。
関羽はかけらとて臆していない。
数の利をあざ笑うことも、無視することもしていないが、恐れてもいない。
なぜならば、敵がディアボロスだからである。
互いに互いの力量を知り、ある種の信頼を置いていた。そして正確に、驕ることなく、見くびることなく認めていた。
ゆえにこの戦いは対等であり、互角である。差を決めるとすれば、あとは意気と心根の問題だ!
「真正面から相手してやるぜ! せっかくの喧嘩なんだ、いまさら逃げるなよ!?」
「オレの拳の重さ、もう一度思い出させてやるッ!」
初手は桐梧と玄才。武器を破壊しそうなほどの加減のない、一切合切を叩きのめし砕くという全力を乗せた弾幕(バラージ)! 捨て身の連撃が恐ろしい速度で叩き込まれる!
その隙間! 極限の集中で敵味方の動きのすべてを五感六感で受け止め咀嚼した玄才の掌法が稲妻じみた速度で奔る! 重さ! 速度! 双方それぞれに極まった淀みない連続攻撃!
「おおおおおおッ!!」
関羽、吼える! 無数の刺突を繰り出し払い叩きのめし激突させ受け防ぎ捌き凌ぎ喰らいつく! 刃の壁? 否、もはや奔流、色ある流れが渦巻いているようにしか見えぬ! 合間に煌めく稲妻は玄才に宿る悪魔が生み出す文明破壊の灯火だ!
激突激突激突激突……拮抗? いや、しかと見よ! 圧している! 猛攻が! 関羽の反撃を! 力と技で圧している!
「神よ! そして姉さん! 僕に力をお貸しください!」
「――『八ツ裂き娑婆蔵』、参る」
さらにそこへ春一と娑婆蔵が加わった! 春一は拳! 娑婆蔵は刀と鞘を両手に構えるという変則二刀流による連打だ!
加えて娑婆蔵は応報(ネメシス)の力により、両手のみ包帯の拘束を解除。無骨な指先がさながら超絶ピアノ奏者めいて巧みに鉄鞘とトンカラ刀を手繰り、馬鹿げた量の百烈撃を受け止め、凌ぐ……いや、それどころではない! 捌いている! 自らの殺人経路を、熟練の外科医がメスで臓腑を割り開くかのように! 一手一手を着実に重ね! こじ開け、誘導し、配置し直し、整えている! 必殺の一撃への道を!
「おの、れ……! 小癪なッ!!」
関羽は千日手を予期し、膠着を嫌った。死角、潜むようにしてこちらを伺う唯妃と透の殺気は見ずともわかっている。
「やはり翔んだな! 空の王者は虫でもなければ馬でもない。竜よ! 貴様を空で自由にはさせぬ!」
「なら、おれだってしょーしんしょうめいの紅竜だ! この騒ぐ血の熱さ、教えてやる!!」
リューロボロス、ブロスが追従! 双翼ふたつ、合わせ4つの翼がばさりと大気を弾くようにして開き、関羽が頂点から急降下へ転じる一瞬前に猛追を仕掛けた!
ガ、ガ、ガガガガガッ!! 龍の爪と牙が蹄そして双刀と激突! 褪せた空に火花が散り、星空を思わせた。だがそれらは指も届かぬ彼方で燃える間際の断末魔などではない、今ここでぶつかり合う命の煌めき! 致命を激突させ凌ぎ合う死線の証明だ!
「へえ、馬では竜に勝てないのかしら? そんなことはないのだと見せてあげましょうか、オキナ!」
「ボクらも往くよ、クロフサ! 空の王者でなかったとしても、翼がなくとも、地の果てまで駆ける蹄はあるんだからね!」
蘭杏那、理央、および両者の騎馬嘶く! 二騎が飛翔し、竜の双爪双牙に合わせる形で矛を振るう! リューロボロスとブロスが懐に潜り込めば、関羽はそれを嫌って退き、長柄を突き出す。ここに矛が加わるのだ。双槍が交差する形で偃月刀の断頭斬撃を相殺、次いで速度を乗せたチャージで関羽を突き飛ばす! 重く、鋭い! 赤兎馬が苦しげに泡を吹いた!
「わしと赤兎を、凌駕するだと!? 馬鹿な!」
「こうなったら、虫(インセクティア)のウチも黙ってられないよね? ……我も続くぞ! 覚悟せよ、関羽ッ!!」
そこへダメ押しの雀蜂! 稲妻のようなジグザグ軌道で一度大きく距離を開け、さらに多段変節加速を伴って突撃を仕掛ける! その技を関羽は知っている、ゆえに受けきれる!
……否!
(「違う! あの技は、"識らぬ"!」)
関羽の武人としての本能が告げた。同じように見せかけている。だが違う。翅の動き。構え。意気! 狙い! 眼と身体の動きでそれをかろうじて看破した関羽、偃月刀を振るう、が!
「これこそが! 我らが手に入れた新たな技ッ!」
驚くなかれ、雀蜂は偃月刀の刃の0.01mm手前で垂直に飛翔! 関羽の直上を取り、さらに180度反転! あまりにも物理法則を無視したジェット推進により、身体が悲鳴を上げあちこちから血が飛沫をあげた! これこそ……!
「飛竜、噴進突ッ!!」
「がはァアッ!?」
地を貫く稲妻のごとき垂直加速突撃、炸裂! 闘気を推力にした全力怒涛の一撃で、関羽は地に叩きつけられた!
「もらったわ! 行きなさい、うろこちゃん!」
「……食らうがいい、帝釈天の一撃を……!」
すかさず透と基経がインタラプトをかけた! 振り上げられた偃月刀は、基経が全力で叩きつけた独鈷杵を受け止めるためにクロスガード状態で抑えられる! そこへ死角から透の召喚した魚型人造魔物が食らいつき、爪を食い込ませ、噛みつき、関羽を捕縛!
「ぐ、ぬう……!」
「今度こそ! 抑えたわよッ!」
透の猛連撃! 圧し、しかし反撃しようとすれば退き、そして空いた距離をまた反転して叩きのめすヒットアンドアウェイ! 関羽は反撃しきれぬ、なぜならば!
「見えるぞ。お前の突きも、風も、オーラすらも。その動き、ゆらぎ、闘気! そして、これが僕の……いや、俺の!」
基経! 錫杖を捨て、光纏う独鈷杵を……自らの拳で、叩きつけた!?
「ぐッ!?」
「これが俺の、全力だ。受け止めてみろ、関羽!!」
光が眼が眩まんほどに煌めく! 後押しされた独鈷杵の威力を受け止めきれず、関羽の防御が弾かれた! 透の援護が構えを許さぬ、弾かれたところへがら空きの胴に巨大化した独鈷杵が槌の如く突き刺さる!
腹に風穴を開けかねないほどの一撃を受け、巨大質量とそれを追った透の怒涛によって関羽は赤兎馬ごと吹き飛んだ。
ごろごろと地を舐める関羽は、しかし安心していられぬ。間髪入れず、軌跡を追ってきた魔弾の雨が降り注いだからだ!
「この! 魔弾はッ!!」
わかっている。エレオノーラだ。遠間に不敵な笑み、それを貫いて斬り裂くのは容易い……はず、だった。ああ、だが!
「第十三の魔弾、【愛執】。そうですわね、この感情はある意味、銘に相応しいものかもしれませんわ」
エレオノーラは言った。くぐり抜けた死線が彼女を高めた。魔弾射出、射出、射出! 関羽が獰猛な獣じみた雄叫びをあげ魔弾を切り裂き猛追する! エレオノーラは無数の刺突を受け、だが避けた! 身体を切り刻まれてはいるがダメージはかつてのそれよりもはるかに低い!
「今日こそは――ブチ殺してさしあげますわ」
ダメ押しの、魔弾! 独鈷杵を叩きつけられた傷口を、ついに愛執の魔弾が撃ち抜く! 関羽、吐血!
「が、ほ……おお、おおおッ!! まだだァッ!!」
赤兎馬が地を蹴った! なんたる強引な急上昇、しかしそれこそが上空組の狙い! 突くべき間隙は……無数!
「今代が剣の舞姫が魅せる一閃、とくと御覧あれ!」
最初に蘭杏那が躍った! 千変万化の舞から繰り出される願いを籠めた一撃は、斬首双刀をくぐり抜け関羽の胸部を砕く! 破裂噴血!
「……ああ、そっか」
理央は地を駆けながら、思った。関羽とは、己が目指す頂のひとつであり、一種の師などだと。
これは、師を越えようとする戦い。だから己の中には、激情と安心感が同居している。それが凪の正体だった。
(「なら、ボクはすべてを出し切ろう。みんなで関羽を、我が師を正面から、超えていこう!」)
かくて騎兵は風となる。疾駆せし馬上槍が、突き出される! なおも足掻く双刀、だが理央の速度と膂力はこれをこじ開け、勝った! 赤兎馬が悲鳴じみて嘶く、クロフサが喉を食い破らんばかりに吼える! 矛先、到達……!
「かつて貴様は言ったな、我らの名を刻むと。その言葉、返させてもらうぞ!」
関羽はのけぞり、空を見た。空より竜が見下ろしていた。
「我ら、歴史の奪還者なり。貴様の存在は刻んでやる。……関羽よ、我らの歴史となれ!」
「伝えたいことは、全部全部、おれの真紅の牙に決めてやる! けど、この言葉だけは、言わせてもらうぜ!」
リューロボロスと並ぶ形で、ブロスは速度を乗せて落ちた。おのれの牙を掲げて。
「……ありがとよ。一分一秒一刹那、お前がくれた時間が、おれを強くしてくれたんだッ!!」
翠竜の爪が! 紅竜の牙が! バツ字を描くようにして関羽を交差点に捉え、そして切り裂き、削り、穿った!
「ごぼ……ッ!!」
関羽の視界が、揺らぐ。赤く染まるその視界、濁った中に見えたのはあの笑みと煮え滾るような暗黒剣。
「来いよ、関羽。俺を殺してみろ」
武人は反射的に動いた。だがそれこそが幽鬼の狙いだった。
矢一は双刀による斬撃を受けながら、不意討ちじみたカウンターを繰り出していた。
「省みろ」
暗黒剣が、風穴の空いた胴を真一文字に斬り裂く。
「此処が、お前にとっての末期の戦場――応報の、時間だ」
時間が現実に追いつく。すさまじい激痛! 関羽は燃えるように轟く雄叫びを上げ、そこへ殺到した近接組の猛撃に反撃した! 反撃、反撃、反撃――が、停まる。
「何?」
関羽は訝しんだ。己の全身を糸で戒められていると気づくのには一瞬が必要だった。唯妃。射殺すように睨む。糸を引き裂く。だが一本だけが切り裂けない。赤く染まりし糸。とっておきの一条。
他のすべて、味方の動きすべて、何もかもがこのための布石。罠。狙い済ませた蜘蛛の糸。絲妃(アラクネ)。
「その首、獲らせていただきます!」
今度こそ完全に、関羽の身体は雁字搦めにされた。もはや身じろぎすらも出来なかった。
そして、終わりがやってきた。
「こいつで、ぶっ潰す! ぶち抜けええええッ!!」
これまでで最大、もっとも向こう見ず、傷さえ厭わぬ桐梧の全力殴打!
「今こそ高らかに賛美しましょう! ――ハレルヤ!!」
神の槌の如き、光り輝く春一の拳! 完全なる連携!
「八ツ裂きに」
暗黒剣の傷を逆になぞるように、娑婆蔵の剣が滑った。空間すらも斬り裂くような斬撃だった。殺という一念が形になったような、不気味で、無機質で、ぞっとするほどに美しい一閃。
「して、やりまさァ」
にも関わらず、斬撃は無数! 全身に傷! 噴血!
「"関羽"」
声がした。返り血を吹き飛ばし、頭部に蹴り上げ。脳が揺れる。同じ瞬間、胸に掌打と正拳。衝撃が体内で爆ぜた。
「史実のおっさんと違っても、オレにとってはお前が関羽だ。最初のあの時から、オレは名前を刻んでいたよ」
「……八栄、玄才……ッ!!」
ごぼごぼと血の中から吹いたあぶくに、玄才は笑った。
ダメ押しの、雷拳。……関羽の血が、雲に届きそうなほどに噴き上げた。
そして。
「アンデレちゃんは、このパワーで、せかいをすくってみせるよ」
空。
好敵手を見下ろす笑顔があった。
すべての友達、仲間たちからパワーを得たアンデレの翼は、空を覆うように関羽からは見えた。
「そして、かんう。さようなら」
最後の一撃。それはやはり、笑顔。世界中の何よりも強いと信じて、アンデレは握りしめた拳ごと、落ちる。
何度もぶつかりあい、何度も殺し合い、殺しそこね、生き延び、そして、今。
終わりが訪れる。関羽は溌溂と笑い、悔しげに叫び、断末魔を上げ……そして。
「……見事、なり……ディアボロス
……!!!」
蜀最強のジェネラル級、蟲将関羽。
ここに堕つ。
ディアボロスによって、その首級、ついに獲られたり!!
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1 【建物復元】LV1が発生! 【スーパーGPS】がLV2になった! 【飛翔】がLV11になった! 【トラップ生成】がLV3になった! 【怪力無双】がLV2になった! 【狐変身】LV1が発生! 【活性治癒】がLV3になった! 【託されし願い】がLV3になった! 【未来予測】LV1が発生! 【水中適応】LV1が発生! 効果2 【反撃アップ】がLV4になった! 【アヴォイド】がLV7になった! 【ドレイン】がLV5(最大)になった! 【能力値アップ】がLV2になった! 【ガードアップ】がLV2になった!
最終結果:成功
完成日 2022年05月18日
宿敵
『関羽』を撃破!