リプレイ
一里塚・燐寧
共闘・アレンジ大歓迎
へぇー、砂漠の狐ロンメル
ミリタリーに詳しくないあたしでも知ってる人だよぉ
確かに戦車部隊使わせるならこれしかない、って名前だぁ
……所詮、ニセモノだけどね。ニセモノの部隊なんか、ザクザク倒しちゃうよぉ!
『呪式:腐朽腑滅』を発動して
巨大鎖鋸剣≪テンペスト・レイザー≫に
触れるものを崩壊させていく【呪詛】の鬼火を纏わせるよぉ
この状態の得物を盾代わりにして機銃弾を消し去るねぇ
防御も回避もしきれない弾の傷や痛みは
【肉体改造】がもたらす頑強さや傷の治りの速さで耐えちゃう!
一歩も止まらず最短ルートで敵群に迫り
巨大鎖鋸剣をブン回し頭や心臓を破壊するように攻撃
あとは包囲される前に逃げちゃうねぇ
●偽りの勇名、その鍍金を削り取らん
「へぇー、砂漠の狐ロンメル……ミリタリーに詳しくないあたしでも知ってる人だよぉ。確かにアフリカで八面六臂の活躍をして、戦車部隊を使わせるならこれしかない、って名前だぁ」
砲声轟くチェコ方面、対フランス防衛線。混迷極まる戦場を眺めながら、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はそう独り言ちる。経歴、容姿、戦績。後にアフリカ軍団を率いた男の名は非常に有名だ。しかし、とは言えだ。
「……所詮、名前だけを掠め取ったニセモノだけどね。ニセモノの部隊なんか、ザクザク倒しちゃうよぉ!」
所詮はその銘に胡坐を掻く盗人に過ぎない。なれば恐れるに足りず。燐寧は躊躇なく飛び出すと、機兵と淫魔が相乱れる最前線へと身を投じてゆく。
と同時に、巨大鎖鋸剣を構えながら己が異能を起動させる。それは鬱屈した自殺願望と褪せぬ後悔の具現。外部から破壊するのではなく、触れた相手を自ら崩壊させる呪い火だった。
「尤も、こんな所でまた終わりを迎える気なんて更々ないけどねぇ! やっちゃおう、テンペスト・レイザー!」
「ッ、なんだアイツは? 淫魔では無いぞ……いや、まさかっ!」
相手も肉薄する燐寧の姿を認めるも、既に彼女は敵を攻撃圏内へと捉えている。振り被られた回転刃はがっちりと機甲兵の装甲へ食らい付くや、そのまま内部機構ごと食い破ってゆく。
「ディアボロスだ! 遂に連中までやって来たのか!?」
「ええい、迎撃せよ! 照準ヨロシ、feuer!」
しかし、敵の反応もまた早かった。戦力の一部が旋回すると、両腕部から機銃掃射による弾幕を形成。それに対し、少女は得物を盾に防御を試みる。持ち前の耐久性ではなく銃弾側を自壊させる為、存外に遮蔽力は高い。無論それで全てを防げる訳では無いが、そこは持ち前の頑丈さでカバーしてゆく。
「もう二回も死んでいるんだから、これくらいの傷はへっちゃらだよぉ!」
燐寧は黒猫の様な機敏さで銃弾を掻い潜りながら、敵陣中央へと躍り出る。こうなれば後は単純だ。頭なり心臓なり、当たるを幸いに薙ぎ払う。敵は射撃戦主体のゾルダートだ、乱戦では本領を発揮出るはずもない。
「皇帝陛下の仇だ、絶対に逃がすな!」
「流石に対応が早いねぇ。本番はこの後だし、これくらい暴れれば上出来かなぁ?」
斯くして散々に戦線を掻き乱した燐寧は、体勢を立て直した敵部隊によって包囲される前に戦場から離脱してゆくのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
一角・實生
欠けた記憶では祖国奪還という願いは願いでしかないけれど
これから正しく進み始めるであろう世界で、願いは悲願だったのだと思う時がきっと来る
敵の横っ腹を叩ける位置の瓦礫や設置物などに身を潜めるよ
近寄られると脆いは耳が痛いなあ
ライフルスコープで情報収集しパラドクス発動
狙うのは射撃準備中の敵群
攻撃間隔を更に広げ仲間の攻撃チャンスを作り出そう
敵の機械部分にも悪い影響を与えられたら
パラドクス発動中にはグラナトゥムでも銃撃し、敵の目が眩んでいる間に他の遮蔽物へ移動
元居た位置に俺がいると誤認識させ機銃掃射を分散させたい
囲まれたり突出する仲間が出ないよう観察・偵察能力で機を見極め【パラドクス通信】で撤退を促すよ
●記憶無くとも心に従え
(欠けた記憶では、祖国奪還という願いは飽くまで願いでしかないけれど……これから正しく進み始めるであろう世界で、その願いは悲願だったのだと思う時がきっと来る)
砲弾と鋭刃がぶつかり合い、無数の爆発が轟く激戦地。それを丸く区切られた狙撃眼鏡越しに見つめながら、一角・實生(深潭鷲・g00995)はそう胸中で独白する。
新宿島に流れ着くまでの記憶は未だに曖昧だ。この改竄世界史で何かに関わっていたという朧げな輪郭しか思い出せない。だがそんな状況でもそれだけは表層へ浮かんでくると言う事実が、逆にその切実さを表していると言って良かった。
(その為にもこの前哨戦を成功させなくてはね。此処なら、敵陣の横っ腹を叩く事が出来る……けど、近寄られると脆いは耳が痛いなあ)
いま實生が身を潜めている場所は倒木の陰だ。砲弾痕と上手い具合に組み合わさり、良い狙撃地点となっていた。だが、まずは見に徹し情報を集めるのが狙撃手の鉄則である。
(やはりあの砲撃が厄介だね。対地にも対空にも使えるとは。アハト・アハトが出て来るには少しばかり早いんじゃないかな)
機甲兵は互いに射撃間隔をズラす事で、砲身の冷却を行いつつ間断ない砲撃を実現している。となれば、まずがそのリズムを崩すことが第一目標となるだろう。實生は異能を起動させて周囲に漂う残留思念より情報を得ながら、それらを束ね纏めてゆく。
狙うべきは砲撃の直前。敵部隊が砲の仰角を調整し終えた瞬間を見計らい、狙撃手は詠唱を口遊む。
「強い想いは留まり、伝播し――時に他者へ牙を剥く」
刹那、紺青色の稲妻が迸ったかと思うや、次々と砲弾が不発を起こす。突然の機能停止に機甲兵たちも俄かに慌てふためき始めた。
「なんだ、急に光が見えたと思ったら砲が作動しないぞ!」
「早く復旧させろ、でないと砲撃間隔に穴が……がぁっ!?」
そして、そんな隙を見逃す義理も無し。實生は大型狙撃銃より弾丸を立て続けに叩き込み、浮足立つ敵を沈黙させる。だが敵も無能ではない。欲を掻き過ぎれば痛手を被るのは此方だ。青年は程々に切り上げると、別の狙撃地点へと移動してゆく。
(今は威力偵察程度で十分だ。俺の得た情報が後々仲間の役に立つはずだ)
「おのれ、何処に隠れている! 撃て、撃て!」
身を隠していた倒木が吹き飛ぶも、もう狙撃手の姿は其処にない。斯くして實生は時間の許す限り、己が役目を果たすのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
ユエト・ミナヅキ
アドリブ/連携◎
戦争に向けてディアボロスとクロノヴェーダの総力戦が始まったか
まぁ、ウォーミングアップと資金集めには丁度良いかもな
トールプス級とは言え頭数が揃えば十分な脅威と成るのは明白
敵の戦力を減らし、決戦の舞台を整えるぞ
前準備として身体強化術式[ハヤブサ]を発動
スピードを上げ、回避を意識した近接戦を仕掛ける
得物は魔導刀[雪牙花]、装填するカートリッジは[雷電]を使う
電撃を利用して高速斬撃を繰り出す
準備が出来ればあとは単純
他の前衛ディアボロスと共に敵陣に突撃
ガントレットと装甲でガードしつつ白兎星連舞をお見舞いする
戦いは始まったばかり
体力が残っているうちに引き上げ次の戦場に挑みたいところだな
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
残留効果は相互活用
ついにロンメルの本隊に会うか
ここにもグランダルメの尖兵が……難儀だな
誰のものでもない。必ず還してもらう地だ
……取り戻す為。翔け抜けよう
【飛翔】し空中戦
戦場を偵察、観察し敵の布陣と数を把握
また、引き際の見極めも行う
高射砲に注意し高度を低めに維持
機動力を活かし移動、的を絞らせない
味方と連携し、可能なら敵部隊の一部を包囲か集中攻撃
隙を看破した相手から撃ち
味方と狙いを合わせて数を減らす
反撃には魔力障壁を展開し、攻撃動作を観察、看破し
飛翔で立体回避
・撤退
程良く戦力削減するか、囲まれるなどの不利の気配、または味方が深手を負う前に撤退
撤退時は負傷者の移動を補助し援護を行う
●蒼空の翼、霧中の兎
「戦争に向けてディアボロスとクロノヴェーダの総力戦が始まったか……まぁ、今はまだ正面切っての戦いじゃなくて、戦力の漸減がてらに横槍を入れる程度だ。ウォーミングアップと資金集めには丁度良いかもな」
領土を巡る四つ巴の戦い。混迷極まる奪還戦を少しでも優位に始めるべく、復讐者たちも順次行動を開始しつつあった。野兎の如く茂みに身を潜め、機兵と淫魔の激戦を窺っているユエト・ミナヅキ(weißer Hase・g05751)もまた、そんな者たちの一人である。
今までとは打って変わった素の口調からも、彼の意気込みが伺えると言うもの。とそんな時、ふと傍らに人の気配を感じて視線を上げると、いつの間にかエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が姿を見せていた。
「ついにロンメルの本隊に会うか。そして、ここにもグランダルメの尖兵が……更に別の場所ではドラゴンまで来ている、と。全く難儀だな」
彼もまたドイツ皇帝との決戦や、それに関連した増援阻止作戦に参加した復讐者だ。しかし、直属の主戦力となれば話は別。その練度と士気はこれまでの比ではないだろう。蒼き天使の言葉に、兎面の傭兵も同意を示す。
「姿を見せているジェネラル級も厄介だが、トールプス級も頭数が揃えば十分な脅威と成るのは明白。予め敵の戦力を減らし、決戦の舞台を整えるぞ」
「ああ。誰も彼もが領土拡張を狙って蠢いているが、此処は誰のものでもない。必ず還してもらう地だ……取り戻す為、翔け抜けよう」
ともあれ、頭数が二人になっただけでも取れる戦法は大きく増えると言うもの。此処はそれぞれの長所を活かすべきだと判断を下すと、彼らは己が役割を果たすべく動き始めた。
「まずは空から敵陣を偵察し、戦力を把握するとしよう。本来は戦車と言うよりも高射砲としての役割を担っている様だが、この状況なら火力も分散されるだろうからな」
エトヴァは翼を一打ちして飛び上がるや、そのまま敵陣上空を旋回してゆく。歴史改竄者同士の戦いは今のところ拮抗状態と言う所か。火力と耐久性で優る機兵に対し、淫魔は小回りの良さで対抗しているといった所か。
(どちらも統制が取れており、目立った混乱は見られないな。淫魔は兎も角、ロンメルの名は伊達では無いという事か……っと、これは)
「Achtung! 頭上に航空戦力を認む、煙幕欺瞞を展開後に対空迎撃を開始せよ!」
とその時、青年は眼下で濛々と白煙が立ち込め始めた事に気付く。次の瞬間、幾つもの砲弾が己目掛けて飛翔して来るのが見えた。此方の存在を察知した敵部隊が自らの動きを隠蔽しつつ排除に乗り出したのだろう。
宙空で次々と炸裂する砲弾を巧みに避けつつ、エトヴァはギリギリまで敵の動きを目に焼き付ける。確かに煙幕は厄介だ。しかし、それが利するのは何も敵ばかりではない。
「ある程度だが、相手の陣形は把握できた。こちらで問題はないか?」
「勿論だ。こっちは地を跳ねる兎でね、空征く鳥の視点を得られるのは有難い」
仲間から齎された情報を頭の中で整理し直しつつ、ユエトは修復が完了した得物を鞘走らせた。視界が不明瞭になれば当然ながら敵味方の判断もし難くなる。軍対軍であればまだ影響は少ないのだろうが、単騎で切り込んで来る相手にはそうもいかないだろう。
兎面の傭兵は身体機能を強化する術式を起動させながら、疾風の如く草原を駆け抜け煙幕の中へと飛び込む。
(完全視界の残留効果は無いが、これだけ喧しく砲撃音が鳴り響いているからな。位置の特定なぞ、耳を閉じていても出来ると言うものだ)
既に電撃を内包したカートリッジも装填済み。なれば後はもう、為すべき事を実行するだけだ。叢雲の中で雷光が瞬いたかと思うや、凄まじい連続斬撃によって機甲兵たちが解体されてゆく。
「っ、敵が紛れ込んでいるぞ!? 使っているのは炎じゃない、まさかディアボロスか!」
「高射砲では捉え切れん、機銃掃射で追い散らせッ!」
敵軍も侵入者の存在を察知するや、曳光弾交じりの機銃弾をばら撒き始める。狙いも何もない盲撃ちだが、頭数を揃えた射撃は正しく弾幕と言って良い。更には隠蔽よりも視界確保を優先し始めたのか、徐々に煙幕が薄くなりつつあった。
「っ、流石に数が多いか……!」
「居たぞ、射線を奴に集中させろ!」
この火力が正確に叩き込まれれば、如何な復讐者とて無事では済まない。果たして、煙幕に生じた濃淡から垣間見えたユエト目掛け、敵の一斉射が放たれる……。
「煙幕が薄まれば、上空からも狙いをつけやすくなる。当然だろう?」
寸前、頭上より降り注いだ光輪が砲身ごと敵を輪切りにしてゆく。その主は上空で攻撃の機を窺っていたエトヴァである。こうなれば火力を集中どころでは無い。統制の乱れに乗じ、ユエトは悠々と敵中から脱する事に成功した。
「戦果としてはこんなものだろうか?」
「だな。戦いは始まったばかり、体力が残っているうちに引き上げておくべきだろう」
斯くして、蒼き天使と兎面の傭兵は己が戦果を確かめつつ戦場から離脱してゆくのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
光道・翔一
…予兆通り、早々に殺り合ってるか。
……大将の人(?)となりも気にはなるが、今は前線の敵に集中すべき、か。
(ちらとロンメル軍側の遥か後方を見やりながら)
パラドクスを用いた闇討ちによる敵戦力の漸減、攪乱を主眼に置く
パラドクスを発動して姿を隠し、前線に『忍び足』で接近
戦乱、或いは他の復讐者の襲撃による混乱に生じ、闇討ちし易そうな敵個体を『看破』した後、該当個体の死角に潜り込んで『不意打ち』を仕掛ける
攻撃は原則『一撃離脱』
攻撃時の接近と後退は『ダッシュ』で行う
敵の深追い等は絶対にせず、包囲されない様『精神集中』して常に気を張っておく
最終撤退は余力を持った上で、可能なら他の復讐者と連れ立ってを心掛ける
●砲声に紛れ影は走る
「……予兆通り、早々に殺り合ってるみたいだな。双方ともにディアボロスの横槍を受けつつも、統制に大きな乱れは無し……大将の人となりも気にはなるが、今は前線の敵に集中すべき、か」
戦場へと降り立った光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)は戦況を一瞥しつつも、ちらりと戦線後方へと視線を向ける。今のところ、指揮官であるジェネラル級が前線に出て来る気配はない。まずは目標である敵の漸減を優先すべきだと翔一は思考を切り替えてゆく。
「多勢に無勢なんてもんじゃないしな。混乱に乗じさせて貰うとするか……これも戦場の倣いってやつだ」
第三勢力として堂々と殴り込むのも良いが、折角敵同士が相争っているのだ。それを利用しない手はない。復讐者は姿隠しの魔術を己に施して気配を消すや、足音を殺しながら敵陣へと忍び寄ってゆく。
幸い、周囲は砲声が轟き爆風で木々や草原が薙ぎ倒されている。人ひとりの動き程度、気に留められはしなかった。
「不味い、淫魔共が食い込んできているぞ! このままじゃ戦列が分断される!?」
「ええい、一時後退し陣形を立て直せ!」
どうやら相手は戦線の再構築を図るらしい。集団ごとに纏まって下がっていくものの、それでも落伍してしまう者というのはどうしても出て来る。履帯の損傷や主機出力の低下などで動きが鈍った相手へ狙いを定めると、翔一は死角より一気に距離を詰めてゆく。
「Scheiße! 早く下がらなければ、淫魔共の追撃が……ぐぅっ!?」
「……まず、一つ」
敵の懐へと潜り込むと、手にしたナイフを装甲の隙間より刺し入れる。動力炉、伝導パイプ、主要なケーブル類。それらを一息に掻き切り、機甲兵を手早く沈黙させた、が。
「貴様、よくもっ!」
「っ、同じように逸れた手合いか……」
一撃離脱の鉄則に則りその場を離れようとした瞬間、風切り音と共に頬へ焼ける様な痛みが走った。ハッと見れば、擱座し取り残されたと思しき機甲兵がこちらに銃口を向けている。放置していても良かったが、背中を撃たれたくはない。
多少の掠り傷は許容の範囲内と割り切りながら、ばら撒かれる銃弾を掻い潜り手にした得物を投擲する。それらは相手の喉元へ突き立つと、此方も無力化に成功した。
「……本隊は後退に成功したか。なら、俺も一旦仕切り直すべきだろう」
一先ず、戦果としては十分か。翔一は再び姿を消すと、音も無く離脱してゆくのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
峰谷・恵
「戦車の装甲は下面が一番薄いように出来ているものだけど…ゾルダートはどうかな?」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
敵集団の端に位置する相手へ攻撃を仕掛け、闘気塊が敵の下で炸裂して跳ね回るように炸裂気功撃を叩き込む。同時に通信障害で敵の通信を遮断して敵の連携を遮断、対応を遅らせる。
敵の反撃は地形の起伏に飛び込んで隠れながら回避。避けきれないものはLUSTオーラシールドで受け流す。
敵の数を確実に減らすようダメージを与えた敵を倒しきってから次を狙う。
体力が4割を切るか敵に囲まれそうになったら撤退。
「仮にも砂漠の狐の名前を使っているジェネラル級、他のクロノヴェーダに合流されるとまずいかな」
●脆きを探りて
ロンメル配下の軍勢は本来、高射砲としての役割を付与されたトループス級である。しかし火力、機動力は戦車に優るとも劣らず、それ故に彼らを配下としたのだろう。
「戦車の装甲は下面が一番薄いように出来ているものだけど……なら、似た様なゾルダートはどうかな? 上手い具合に狙えれば、一気に倒せそうだけど」
そんな敵の能力を観察しながら、峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)はさてどう攻めるべきかと思考を巡らせていた。戦車と言えば攻守走が揃った陸戦の主役。しかも頭数まで揃っているとなれば、真っ向から打ち破るのは骨が折れる。
「……狙うべきは敵部隊の端、他からの援護を受けにくい相手を確実に仕留めよう。念には念を入れて、通信障害で連絡が飛ばない様にして、と」
今はまだ前哨戦なのだ、無理をする必要は無い。恵は淫魔とぶつかり合う最前線へ狙いを定めるや、地を蹴って一気に仕掛けてゆく。幸い、相手の意識は眼前の敵へ向いたままだ。
彼女は掌に闘気を集中させるや、拳撃に乗せてそれを打ち出す。やや下方向に角度を付けたその一撃は敵の直前で一度地面へぶつかると、跳ね返りながら無限軌道の下へと潜り込む。
「ん、なんだ? いま車体の下に何か入り込んだような……うぉおおっ!?」
瞬間、炸裂した衝撃波が勢いよく機甲兵を突き上げた。読み通り、下方向からの攻撃にまでは装甲を回していなかったらしい。突如として吹き飛んだ戦友に目を剥く機甲兵たちだったが、それが復讐者の攻撃によるものだと瞬時に悟る。
「ちぃ、フランス軍の相手をしているだけで手一杯だと言うのに……!」
「分隊は右九十度回頭、高射砲の直接射で耕してやれッ!」
淫魔軍を相手にしている状況なのだ、余り時間を掛けられないのだろう。最大火力で邪魔者を排除せんと砲口を向けてきた瞬間、幾つもの榴弾が放たれた。
「っ、身を隠す場所はあるけど、攻撃の密度も凄まじい……!」
直撃コースの物は闘気の盾で受け流しつつ、近くの砲弾痕へと飛び込み伏せる。刹那、凄まじい轟音が轟きパラパラと小石や砂が降り注ぐ。直撃を受けた場合を考えるとゾッとしないものだ。
「仮にも砂漠の狐の名前を使っているジェネラル級……この戦力を抱えたまま他のクロノヴェーダに合流されるとまずいかな」
故にこそ、今の内に一体でも多くの撃破しなければ。恵は土埃を払って身を起こすや、次なる敵へと挑み掛かってゆくのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
ネリリ・ラヴラン
まずは準備運動。なんて言うほど、気は抜けないよね。
全力でぶつかって、全力で逃げてあげましょ。
姿からしてお空は危なそうだし、今回はずっと地上かな。
射程も長そうだから、レンジ外から攻めるのは期待しないで、身を隠しながら、横やりできるタイミングをはかるよ。
先手で動ける機会を見流さないようにして、”蠱惑の追走曲”を【高速詠唱】するわ。先行させた陽動の蝙蝠爆弾を敵さんの手前に落として起爆、爆風で一瞬でも視線を塞いでみるよ。それを隠れ蓑に本命の爆弾で狙う撃つわ。
蝙蝠爆弾を飛ばしたら、反撃の狙いを付けにくくしてる間に、場所を変えながら【未来予測】ね。砲身正面をひたすら避けていくよ。
アドリブと連携は歓迎ね。
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
自分で言うのもなんだけど、信者無き神なんて滑稽その物!
民ごと国土を吹き飛ばすなんてどうかしてるわ
皇帝崩御に他国の侵攻…泣きっ面に蜂のドイツ軍も各々思惑はあれど、最悪を防ぐ為に等しく痛い目を見て貰うわよ
【飛翔】は目立つから出来る限り地上から接近
淫魔退け再編中の部隊を横から【雪獄光牢】で黒竜に変じて襲撃よ
煙幕を使うなら丸ごと氷雪ブレスで飲み込むわ
履帯を凍らせ移動と旋回封じ
頭部の角の魔法陣から放つ光線をブレスの氷結晶に反射
煙幕を貫く光条の牢獄にしてあげる
淫魔に目を奪われてる暇は無いわよ、魔法の竜神の息吹を喰らいなさい!
将軍の有無に関わらず、氷結晶と光条を足止めと目晦ましに転用
機動力活かして離脱よ
●竜の光檻、蝙蝠舞いて爆ぜ散りゆく
復讐者たちが攻撃を仕掛け始めてから、既に短くない時間が経過している。しかし、敵戦力は未だ膨大だ。以前の東京奪還戦は単位が区だったが、こちらは複数の国家を含む地方。やはり各軍勢の戦力自体がかなりの数に上るのだろう。
「……まずは準備運動。なんて言うほど、気は抜けないよね。本当に国と国との戦争レベルなんだもん。全力でぶつかって、全力で逃げてあげましょ」
だからこそ、この前哨戦が大きな意味を持つことになるはずだ。ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)の言う通り、本番でないからと侮る事は出来ない。しかしかと言って無理をし過ぎれば決戦に響く。それこそ戦闘も離脱も全力で、だ。
「土地の消失に占領ね……自分で言うのもなんだけど、信者無き神なんて滑稽その物! 民ごと国土を吹き飛ばすなんてどうかしてるわ! そんな自己満足な自殺行為に人々を付き合わせるなんて言語道断よ!」
そしてもしこの戦いに敗北すれば、ヨーロッパ地域の大半がこの地に住まう人々や歴史ごと永久に失われてしまうのだ。その様な暴挙に憤るツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)からすれば、手加減と言う選択肢自体が端から眼中にない。
「皇帝崩御に他国の侵攻。泣きっ面に蜂のドイツ軍も各々思惑はあれど、最悪を防ぐ為に等しく痛い目を見て貰うわよ」
「それじゃあ、その為にもどうしようか……普通は上を取れたら有利だけど、相手の姿からしてお空は危なそうだし、今回はずっと地上かな?」
意気込む仲間に頷きつつ、ネリリはさてどうしたものかと思考を巡らせる。地上戦力に対し、航空優勢を取れるアドバンテージは非常に大きい。しかし、今回の相手は単純な戦車では無く高射砲なのだ。防空戦闘などお手の物だろう。
「そうね。空を飛ぶと悪目立ちしそうだし、何か隙があれば良いのだけれど……?」
となれば、やはり同じ地平に立っての戦闘が次善となるか。しかし、闇雲に攻め立てても要らぬ反撃を受けるだけだ。仕掛けるならば機を窺う必要がありそうだが、奇しくもその好機は直ぐに訪れた。
ツィルニトラの視線の先では、一部の部隊が後退しつつあった。察するに部隊の再編を行うのだろう。それは裏を返せば、疲弊し無防備な状態という事でもある。
「後方を掻き乱すのも一興かしら。となればいっそ、派手に暴れるのも良さそうね。貴女はどうする?」
「ん~、相手の射程は長そうだから、レンジ外から攻めるのは期待できそうに無いし。だったら陽動をお願いして、わたしは援護に回らせて貰おうかな」
そうして方針が決まれば後は早かった。ツィルニトラが戦旗を構え切り込みの準備を整える横では、先制攻撃を決めるべくネリリが魔力を練り上げてゆく。そうして紡がれるは翼持つ獣の追走曲だ。
「それじゃあ……まずは陽動隊のみんな、頼んだよ!」
術者の周囲に無数の蝙蝠が現れたかと思うや、それらは二手に分かれ音も無く敵陣へと飛翔してゆく。無論、近づいてくる黒い影に気付かぬほど敵も間抜けではない。
「なんだあれは? 昼間に蝙蝠とは奇妙な」
「淫魔かディアボロスの手妻やも知れん。どちらでもいい、全て叩き落せ!」
用心してそれらを排除しようとする機甲兵たち。だが敵の銃火器が火を噴く前に、ネリリは自ら蝙蝠たちを起爆させた。撒き散らされる土埃により、一瞬だけだが敵の視界が遮断される。
「よし、今だよ!」
「ええ、こっちも始めるわよ!」
その機に乗じ、ツィルニトラが猛然と飛び出す。彼女が戦旗を一振りするや、その肉体は人型から異形の龍へと変じてゆく。見る間に巨大な体躯の黒竜へ変ずると、顎を開いて凍てつく息吹を敵部隊へと浴びせかけた。
『淫魔に目を奪われてる暇は無いわよ、魔法の竜神の息吹を喰らいなさい!』
「な、なんだ! こんな所にまでイギリスの連中が侵入していたのか!?」
先の爆発も相まって、これには機甲兵たちも面食らうしかない。極低温の冷気により履帯は凍り付き、各種動作にも不具合が生じ始めてしまう。こんな状態では戦えぬと、相手はせめてもの抵抗として煙幕を展開しながら、迎撃射を開始してゆく。
『無駄よ! 魔を司りし竜の名の元に命ず! 世界を閉ざせ、我が極光!』
しかし、竜人の攻撃もそれで終わりでは無かった。角の間へ魔方陣を展開するや、そこから光線を放つ。輝きは煙幕と混じりあった氷結晶によって乱反射し、瞬く間に光条の牢獄を作り上げる。
「触れれば装甲が焼き切られる!? これでは身動きが取れんではないか!」
「もうこうなっちゃえば、逃げられないよね? さぁ、こっちが本命だよ!」
身動きは愚か、射角を調整する事すら覚束ない敵部隊へ、先に放った蝙蝠群の片割れがピタリと張り付く。先程は飽くまでも目晦ましだったが、今回は違う。ネリリが意を籠めた瞬間、それらは次々と爆発し機甲兵たちを吹き飛ばしてゆくのであった。
「ここら辺は粗方片付いたね。怪我はない?」
「ええ、掠った程度ね。でも、すぐに他の部隊が駆けつけるはずよ。一旦退いて、私たちも仕切り直しましょう」
戦果としては上々だろう。二人は敵の二の轍を踏まないよう、周囲を警戒しながら後退してゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
エレオノーラ・アーベントロート
かつての戦いもゲリラばかりでしたし、戦場にはあまり縁がありませんでしたけれど……うふふ、火薬の香りが心地よいですわね。
ちまちまと遊んでいないで、わたくし達のお相手もしていただけませんこと?
あれは高射砲……となると地上から接近して戦うのがよさそうですわね。
それでは、接近まではわたくしが引き付けますわ。
高射砲に対し【飛翔】で敢えて空中戦を仕掛けますわ。敵の得意な土俵に乗る&目線を上空に向けさせることで他の復讐者が接近するのを援護。
攻撃は無理をせず遠距離からの「第十三の魔弾【愛執】」の誘導弾で確実に。
上空から敵陣を見据え、包囲されそうなら撤退。
仮にロンメルが出てきたら砲撃で足止めを試みますわ。
マリー・ルートヴィヒ
欧州情勢は複雑怪奇、って言うらしいわね
複雑はともかく怪奇って何よ。失礼しちゃうわ
でも、我が祖国もおかしくなって集結中とは……
……悪い夢、じゃないのよね、ハァ
とにかく、召喚した部隊を統率して一気に叩くわ
コウノトリ大隊、出撃する!
高射砲の釣瓶打ち! 厄介すぎるわ――けどね
各機散開し空中戦、敵の砲撃を散らせ
敵の弾幕を薄くすれば逆襲の機会は必ず作れる!
第一小隊は私の直掩に。火線が退いた間隙を突くぞ!
相手の砲撃間隔を忍耐力でつぶさに観察し
確実に手が緩む所で直掩の弾幕
私は加速して一撃離脱、37㎜と噴進式破城槌を喰らわせてやろう
先の時代の戦闘知識――急降下爆撃とか言うらしいな?
ここでは私が先に使わせて貰う!
乾・玄辰
巨獣もひとたび地に臥せば他の獣に貪り食われる……
かつて列強が繰り広げたグレート・ゲームさながらだね。
ロンメルの名を冠する将の麾下となれば、兵の練度も精鋭の筈。
故に、その正確無比な射撃を利用させて貰うよ――孫武曰く、兵は詭道なり。
敵前に敢えて身を晒し、一斉射撃で蜂の巣にされるという因果を
【八卦鏡・因果転身】でそのまま相手に反射させ応報しよう。
敵が張った煙幕の中で八卦鏡の術式を仕込み、後は結果を御覧じろだ。
味方の銃弾が自分達を襲えば多少は動揺も生じるだろうか?
ロンメルの指揮と部隊の動きを注視して頃合いを図り撤退する。
何しろ相手が相手だ、少しでも引き際を誤ると得意の機動力で退路を断たれかねない。
●斯くして狐は前線に立つ
「欧州情勢は複雑怪奇、って後世では言うらしいわね。複雑はともかく怪奇って何よ。失礼しちゃうわ……でも、我が祖国もおかしくなって集結中とは」
依然として交戦が続く東欧チェコ方面。ゾルダートと淫魔の戦闘を窺いながら、マリー・ルートヴィヒ(シュヴァリエ・g06578)は歯噛みする。フランスを故郷とする彼女にとって敵であるドイツも厄介だが、淫魔だの自動人形だのに支配された祖国も苦々しいのだろう。
「どこもかしこも乱痴気騒ぎ……悪い夢、じゃないのよね」
「それならどんなに楽だったことか。わたくしのようなレジスタンスも必要なかったでしょうね。さて、そういう訳でかつての戦いもゲリラばかりでしたし、戦場にはあまり縁がありませんでしたけれど……うふふ、火薬の香りが心地よいですわね」
溜息を吐く仲間とは対照的に、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は上機嫌と言った様子である。先の皇帝討伐戦で一矢報いる事が出来た上、こうして領土の奪還を狙えるまで状況が好転したのだ。長年抵抗して来た者の一人として、追い風を感じているらしかった。
「しかし、連中が担いでいるのは高射砲……となると、地上から接近して戦うのがよさそうですわね」
「だけど、あれは対地攻撃にも有効だね。馬鹿正直に挑めば苦戦は必至。となれば……」
「ええ、それまではわたくし達で気を惹くと致しましょうか」
エレオノーラもマリーも、空中戦は決して不得手ではない。となれば、敢えて危険な役目を買って出るのも一手だろう。二人は敵に気取られぬ様に上昇すると、太陽を背にする位置へと陣取る。
「まずは相手の火力を分散させるのが先決ね……コウノトリ大隊、出撃するッ!」
斯くして先制攻撃を仕掛けたのはマリー。彼女の号令一下、赤き鴻鵠を抱いた航空突撃兵たちが召集されるや、鏃の如く一団となって奇襲を仕掛けてゆく。
「ぐぁっ!? 敵機直上、機影複数! 淫魔じゃないぞ、ディアボロスだ!」
「我らを相手に航空戦とは舐め腐りおって……!」
頭上からの不意打ちに面食らう機甲兵たちだったが、元は高射砲としての機能を付与された者たちである。対空戦闘こそが彼らの本領、すぐさま苛烈な応戦射が撃ちあがって来た。
「高射砲の釣瓶打ち! 厄介すぎるわ……けどね、そんなのは覚悟の上よ。各機散開! 敵の弾幕を薄くすれば逆襲の機会は必ず作れる! 第一小隊は私の直掩に着け。火線が退いた間隙を突くぞ!」
次々と炸裂する砲弾に怯むことなく、航空兵たちは小隊ごとに分散。狙いを散らす事で砲撃密度の低下を狙ってゆく。そうして弾幕の間隙を縫って、エレオノーラが得物の銃口を地上へと差し向ける。
「ちまちまと遊んでいないで、わたくし達のお相手もしていただけませんこと?」
トリガーを押し込んだ瞬間、磁力によって加速された弾丸が放たれた。愛執の名を持つ、十三番目の魔弾。それは射手の意志に応じ、複雑な軌道を描きながら敵中を駆け巡る。
敵の装甲は生半可な攻撃を跳ね返す程に頑強だが、隙間が全くない訳ではない。其処を狙えば、小さな鉛玉でも十分に敵を倒し得た。
(敵の総数からすれば些か非効率ですが、目的は飽くまでも陽動である以上、これで問題ありませんわね)
爆発の轟音と衝撃に顔を顰めつつ、抵抗者は眼下の敵軍を見やる。案の定、飛んで火にいる夏の虫とばかりに意識がこちらへと集中している様だ。これならば地上からも攻撃を仕掛けやすいだろう。
「少数の航空兵になぞかかずらってはおれん。喫緊の脅威は淫魔の軍勢だ」
「煙幕用意! 連中から我らの姿を隠蔽せよ!」
だが、敵も無能ではない。頭上からの攻勢に業を煮やすと、煙幕を張って自軍の陣形を覆い隠し始めた。このままでは上空からの攻撃効果は半減してしまう、が。
「……巨獣もひとたび地に臥せば他の獣に貪り食われる。かつて列強が繰り広げたグレート・ゲームさながらだね。いや、正に今この瞬間こそがパイの切り取り合いなのだろう」
そんな状況下で姿を見せたのは乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)であった。彼は仲間たちの陽動により、安全に敵勢との距離を詰める事に成功していた。しかし、何を考えたのか魔法使いは身を隠すどころか、寧ろ注目を浴びる様に姿をドイツ軍の眼前へと晒してゆく。
(ロンメルの名を冠する将の麾下となれば、兵の練度も精鋭の筈。故に、その正確無比な射撃を利用させて貰うよ――孫武曰く、兵は詭道なり)
このまま敵を放置すれば、白煙の中に身を隠してしまう。それを回避すべく、今度は自らを囮としたのである。問題は相手が食いつくか否かであったのだが、玄辰は砲口が自らへ向けられるのを見て己の狙いが成功した事を悟った。
「二時の方向に所属不明の兵士を認む!」
「大方、ディアボロスの別動隊だろう。煙幕が張り切る前に切り込まれても面倒だ、排除せよ!」
水平に照準される高射砲に両腕の機関砲。それらを前にしても青年に焦りはない。寧ろ、これこそが望んだ状況だった。斯くして、一気に放たれた弾丸が玄辰へと殺到する。それらは人ひとりを吹き飛ばして余りある鉄量だ。が、しかし。
「両儀廻りて四象八卦、因果巡りて六十四卦。明鏡遍く天地の所業を映さば、止水稗史の汚濁を悉く清むべし――急急如天帝律令、勅!!」
剣指を結んだ玄辰が祝詞と共に呪符を放るや、それは巨大な八卦鏡へと変ずる。鏡面が迫り来る砲嵐を映し出すと、不意に直進していたそれらがフッと掻き消えた。思わず目を剥く機甲兵たちだったが、次の瞬間、敵目掛けて撃ったはずの攻撃が自分たち目掛けて襲い掛かって来る。
「極東に伝わる因果転身の呪術だ……味方の銃弾が自分達を襲えば、多少は動揺も生じるだろう?」
敵の力を利用したカウンター、その効果は極めて大きかった。ドイツ軍は自分たちの火力をそっくりそのまま返された上、煙幕発生装置も幾つか打ち壊されている。こうなれば隠蔽処置も不完全となり、煙幕にも濃淡が生じてしまう。
「今が好機だ、一気に叩くぞ! 先の時代では確か、急降下爆撃とか言うらしいな? ここでは私が先に使わせて貰う!」
陣形が崩れ、煙幕にも隙間が出来た。となれば、ここは一気に畳みかけるのみ。直掩を引き連れたマリーがほぼ垂直に降下。37㎜モーターカノンを叩き込みつつ、噴進式破城槌を以て敵を打ち砕いてゆく。
「敵の足並みが乱れていますわね。深追いは禁物ですが、これなら今暫くは……」
仲間の突撃を援護しつつ、エレオノーラは更なる戦果拡張を狙わんとする。敵がこの調子であれば、それも決して希望的観測ではなかった。そう……。
「――うろたえるな、お前達は機械化ドイツ帝国の精鋭である事を思い出せ」
そのままの調子であれば、だが。戦場に響いた声は決して派手でも、大きくも無かった。しかし、それは驚くほど鮮烈に兵士たちの間を駆け巡る。ハッと抵抗者が照準器を覗き込んだ先に居たのは、漆黒の巨躯。それが何者かなど、今さら確かめるまでも無い。
「これまで経てきた訓練を思い出すのだ。訓練通りにあのカトンボを撃ち落とせば良い」
「Ja、ロンメル将軍ッ! これより砲撃を通常に切り替え、カトンボを撃ち落とします!」
有能な指揮官に率いられれば羊の群れも獅子の軍勢に変貌すると言うが、今がまさにそれだった。敵軍の動揺は瞬く間に収まり、統制を以て対空砲撃を再開する。その精度、発射間隔は先程の比ではない。
「史実でもフットワークの軽い人物と聞いておりましたが……まさか、姿を見せるとは」
「これでは此方の被害が増えるばかり、か。頃合いだな、撤収する!」
これ以上の継戦は明らかに不利だ。地上に居る玄辰の撤退を援護しつつ、エレオノーラとマリーも戦闘空域から離脱を試みる。幸い相手は淫魔との戦闘を優先しており、追撃はそこまで激しくない。
「あれがロンメル……成る程、一筋縄ではいかなさそうだ」
仲間からの支援射撃に乗じ、踵を返して速やかに後退してゆく魔法使い。彼は悠然と兵士を鼓舞する将の姿を、己が瞳へしっかと焼き付けるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【隔離眼】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【先行率アップ】LV1が発生!