リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
飛翔を重ねる
ヒンデンブルクは墜ちた。ただ手回しは流石というか
あの情報が早々に役立つとはな……
レジスタンスが軍の精鋭と渡りあうか
俺も戦場に染まった、数多の経験を積んできた
精鋭といえど、遅れは取るまい
何より、仲間がいるからな
相手の戦術と連携を妨害しよう
【飛翔】し空中戦
戦場を偵察、敵の布陣を把握
動きを観察し、攻撃動作や編隊の狙いを戦闘知識も用いて看破
俺は味方の僚機として死角のフォローに入る
狙いを合わせて確実に落としていこう
ただし、仲間の死角を狙う敵があれば積極的に撃ち
敵の陣形の要となる者を看破すれば攻撃、連携を崩していこう
反撃は魔力障壁を展開しつつ、飛翔の最高速度で高低差つけ回避
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
『史実』では英国本土爆撃まで敢行した飛行船隊……。
新進気鋭の気風の彼らなら、『未来の』戦史の用兵の先取りも然もありなんと言う所か……。
私も元は同じく海軍航空隊の出。妙な巡り合わせね。
●行動
【飛翔】し敵飛行船を【追跡】。【戦闘知識】も併用。
足が長く、積載量に優れ、艦艇よりも速力に勝る、そこに目を付けたのは慧眼だったけど、戦闘機の発展により過去の遺物となった。
船体そのものは脆弱だから、致命傷を避けるにはキャビンとの接続部や、方向舵を狙って、撃墜はしないが航行は困難な状況に追い込むべきかしら。
降下猟兵に対しては【一撃離脱】を念頭に【空中戦】で掃討。
【偵察】技能の応用で視野を広く、奇襲に警戒。
●
「あれか……ヒンデンブルクは墜ちた。ただ手回しは流石というか」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は彼方に浮かぶ黒塗りの飛行船を眺めた。
ディアボロスたちは参謀総長であるヒンデンブルクを倒し、情報を入手していたのである。
「あの情報が早々に役立つとはな……」
「アムスの軍団はイギリスへの備えでしょうしね。来る事さえ判って居ればコースを予想するのは難しくないわ」
エトヴァの呟きをエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)が拾った。
王宮での戦いに間に合わせるために、快速部隊だけを先に送り出し、主力部隊自体は後から軍団長が率いるという構成であるとか。
と言う事は高い山と風向きで修正するくらいなので判り易いという。
「なるほど。レジスタンスが軍の精鋭と渡りあうか……。俺も戦場に染まった、数多の経験を積んできた。精鋭といえど、遅れは取るまい」
何より、仲間がいるからな。
そうエトヴァは口にして頼もしそうな視線を同じ軍事企業に所属する仲間に向ける。
「爆撃では無くエアボーン? 『史実』では英国本土爆撃まで敢行した飛行船隊……。新進気鋭の気風の彼らなら、『未来の』戦史の用兵の先取りも然もありなんと言う所か……」
エリザベータは空中を進む漆黒の船を見て感慨に耽る。
本来の歴史であれば爆撃隊を構成してイギリスを目指すのだ、このカラーリングはありえまい。
すなわちアレは味方に対し此処にいるぞと告知する色彩であり、敵を威圧するための恐怖の具現だ。奇襲では無く強襲用であり、その運用方針に奇妙と言うよりは、隔世の感を覚える。
「私も元は同じく海軍航空隊の出。妙な巡り合わせね」
しかしソレは護衛を引き連れ打撃に向かう艦隊の思想である。
海軍から空軍が枝分かれしていった時期であり、『空駆ける海軍』という取り合わせに奇妙な親近感を抱く。
戦いに正義は無いと言うが、この間の参謀長といい殺意だけを抱ければどれほど楽か。
そんな中で彼方で鮮烈な光が回転しているのが判った。
『敵騎発見。敵騎発見。各騎、可及的速やかに行動せよ』
『ヤー!』
敵はかなりの距離でこちらを発見し、二人一組で即座に展開し始める。
奇妙なのは即座に陣形を組むでもなく、フワリと気流に乗って周辺へと揺蕩う所だ。
「あれはどういうことだ? せっかくスクランブルをかけたのに……」
エトヴァの戦術から言えば、速やかに行動しつつこちらの総戦力を図るべき段階だ。
分隊一つを先行させ他は見守っても良いし、包囲陣を掛けて圧迫しても良い。あのように飛行船の周囲で陣地戦を行う必要はない。
「おそらく対ドラゴン用に迎撃と、厄介な場所への降下を主軸にしてるんじゃないかしら? 要するに空中要塞であるドラゴンと殴り合う前提で、ボンバー・エスコートの護衛を前提にしてないんだわ」
エリザベータから見るとむしろ判り易い。
この時期の戦術は過渡期であり、急激な進歩の途中なのだ。
「足が長く、積載量に優れ、艦艇よりも速力に勝る、そこに目を付けたのは慧眼だったけど、戦闘機の発展により過去の遺物となった」
しかもこの後で急激に進化する為、彼らが用意したマニュアルは即座に意味がなくなる。
ベルケやリヒトホーフェンたちが苦心惨憺して飛行戦術を組み上げるように、各国が盛んに開発した影響もあるだろう。
「なるほど意味は分かった。では空中戦の先任であるユサールに尋ねよう。我々はどうするべきかな?」
「船体そのものは脆弱だから、フェーデルは致命傷を避けるにはキャビンとの接続部や、方向舵を狙って。撃墜はしないが航行は困難な状況に追い込むべきかしら。降下猟兵に対しては一撃離脱を念頭に引き離して空中戦で掃討」
そこまで言われればエトヴァも即座に理解できる。
エリザベータに主導権を渡して攻めるべき場所を即座に把握し、コードネームで呼び合う。
「ユサール吶喊。五秒後に射撃を二連」
「フェーデル了解。射撃後位置を移動する」
エリザベータが先行して敵陣を突破に向かい、その背後を守るべくエトヴァは狙撃銃と短銃を用意した。
援護射撃して攪乱の構えをとる事で、天頂に達したエリザベータが引き返してくるのを待つ流れだ。
『敵騎来襲。ラッシュラッシュ!」
『ヤー!』
これに対して敵部隊は二人一組で応戦を行い、突破した相手を追い掛ける分隊とそのまま射撃する隊に分かれる。
「させるわけにはいかないな」
エトヴァが狙うべきは前者であり自分に向かう弾を無視してでも、仲間がフリーハンドで攻撃できるタイミングを確保。
光り輝く羽根が仲間の死角を補うべく飛んでいく。
「助かったわ。一度振り切ってから再強襲しましょう。本命はそれからよ」
「了解!」
敵チームの分隊指揮官を潰しつつ、集団戦を継続はしない。
一度目の戦闘で状況を測り、この期に飛行船へ一撃を与える作戦だ。
二人は敵集団を引き付けつつ、飛行船へと攻撃を掛けるのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
八千草・実
えらいことになってるみたいやねぇ…
あんまりお役に立てへんかもしれへんけど…がんばりましょ
【飛翔】して飛行船に乗り込みますえ
敵さんがいはったら、お仲間さんらと戦いたいね
船に被害出さへんように…やったら
壊れたらあかん場所とか危なそうな場所を見つけて、お知らせしましょか
敵さんだけ倒せるように、やるときはざっくり一息にやりましょ
【翠玉楽園】を使って、蔦を広げて敵さんを縛ります
敵さんの攻撃が危ないとこに当たりそやったら、自分のお船壊してはりますえ…怒られませんの?て挑発してみましょ
もし壊れた箇所があったら【修復加速】で直せますやろか
うちも足引っ張らへんように、身の安全を確保します
※アドリブ連携歓迎です
無堂・理央
飛空艇で移動ってゲームの終盤では結構無かったかな?
現実で見るのは初めてだけど、のんびり見てる訳にはいかないか。
無双馬『クロフサ』に騎乗して、クロフサにはパラドクスと【飛翔】の力で空中を駆けて貰うよ。
そして、天馬騎兵隊を召喚して襲撃しちゃえー!
技能とか能力的に天馬騎兵単独で敵単独とやり合ったら負けそうだし、天馬騎兵には三騎一組で対応していって貰おう。
三騎だと某手ごわいシミュレーションのトライ〇ングルアタックっぽいかも?
敵が飛空艇内部に引っ込むなら、天馬騎兵隊も突入させて戦場で騎兵に近い形で戦わせちゃおう。
兎に角、敵を飛空艇から離さないように注意しないとね!
●
「えらいことになってるみたいやねぇ……」
八千草・実(温室の管理者・g05182)はパラドクストレインから少し離れた場所で飛翔した。
万が一にも列車が見つかってはならぬと気を付けて空へと飛んでいく。
「あんまりお役に立てへんかもしれへんけど……がんばりましょ」
ベルリンには無数の敵増援部隊が派遣されており、思わぬ所で見つかった困るわ~とか思いながら。
鍛えはしたがこれから初の実戦とあっては緊張するのも仕方あるまい。
「飛空艇で移動ってゲームの終盤では結構無かったかな?」
一方で無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は無双馬を走らせると、適当な所で飛翔し始めた。
この辺は歴戦のディアボロスと新人さんの差であろう。
列車が見つからぬようにと言う意味では同じだが、趣味であり日常である騎乗を行いたかっただけとも言う。
「ゲームどすか?」
「うん、人気があって中古屋でも余ってるくらいだから探せば見つかるよ。さて、現実で見るのは初めてだけど、のんびり見てる訳にはいかないか」
そんな感じで話しながら二人は空を翔け登る。
そして残る敵が飛行船の近くでガードしているのを見て一思案。
このままでは船を巻き込んで、そのまま市街地に落下しかねないからだ。
「あの位置のままやったら困りものやねえ。せや、うちが壊れたらあかん場所とか危なそうな場所を見つけて、お知らせしましょか」
「そうだね、そんな感じでお願い。ボクは正面から引き付けて堂々と戦う感じで行くからよろしく」
実が絡め手で動きながら支援を口にすると、理央は被害担当と主戦力を請け負った。
闘い慣れない内は下手に狙い撃ちするよりも、援護の方が安心できるし、監視ならば戦闘力は関係ないからだ。
そして二人は飛行船を守るつもりで、実は巻き込みそうになってる敵兵と相対することになったのである。
「幻想の果て、あり得ざる騎兵達、我が呼び声に応え、この地に影を落とさん。コール!」
理央はペガサスに乗った騎兵を召喚した。
敵は二人が一単位で構成され、それぞれの分隊が連携するので侮れない。
こちらも三位一体で突っ込ませ、自身がそれを補い指揮する構えだ。
『来たぞ! 本船を守れ!』
「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ。乙女と共にあれと古事記でも言っている(かも)。いま必殺の! 三騎! アターック!」
理央はとあるゲームで有名な攻撃を思い出した。
三人のペガサス乗りの少女が捕まってるのだが(うへへ禁止)、全員助け出すと凄い攻撃を出せるのだ。
同じことを敵もやるゲームもあるし、場合によっては地上で魔導師が炎と風と雷で行う系譜もあるそうな。
「引付けと言うより攪乱みたいやね。ならこのまま一息にざっくりやりましょ
実は剣を構える角度と反射で理央にサインを出していたが、敵集団と殴り合い始めたことで援護することにした。
ドックファイトならぬホースファイトを始めている様なので、その隙に魔力で急速成長させた緑の蔦を一帯に広げて敵を縛りあげていく。
「緑、栄えて」
放り投げた種から急激に蔦が伸び、それらが複雑に絡みついて網となる。
絡んだ蔦は生気を吸い上げて、少しずつ敵の動きを削いでいったのだ。
そして剣を掲げて、植物から逃げ出そうとする敵に斬りつけつつ仲間に声を掛けた。
「今のところ順調ですえ」
「そっか。じゃあ早めに決めないとね。……そろそろ指揮官がしびれを切らしたみたい。さっきから殺気がガンガンするんだ」
実は理央の言葉に頷くと、自分の役目と力量を思い出して作戦を伝える。
相手の体力を考えればどちらか一人で十分だからだ。
「せやったら、うちは船の修復を用意しときますわ。あの人らから奪った魔力で潤っとります」
「そういう事ならお願い。じゃっ、みんな突撃だよ!」
こうして敵集団を撃破し、指揮官が増援に訪れる前に態勢を整え直したのである。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【修復加速】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
●
『我が飛行船軍団の、我が降下兵団の栄光はやらせはせぬ!』
扉を開けて緊急出動した敵指揮官は、部下が全滅する前に援護しようとした。
だが彼が降下する順番の前最初のチームが壊滅、出たところで残りが全滅してしまい指揮を取る前に単騎となってしまう。
『結果として私の出撃を守ったか……いずれヴァルハラで逢おう』
ロタール・フォン・アルノーは普段部下へと向けている言葉ではなく弔意を示した。
侮蔑の言葉は叱咤激励の言葉、鍛える先任軍曹など居なので指揮官自身がソレを補ったに過ぎない。
なればここに来て、役立たずと罵る言葉など貴族の風上にも置けまい。ゆえにやるべきことはただ一つ!
陣・頼人
トループス級との戦いもじきに決着がつくだろう。
だとしたら、僕は早期決着を狙ってアヴァタール級を攻撃する。
【飛翔】と【戦闘知識】で空中戦を挑み、突っ込んで来る相手を迎え撃つべくこちらも【突撃】で相手に突っ込み、向こうの注意が僕に集中しているところで【トラップ生成】と【罠使い】でワイヤートラップを張り巡らせて敵を捕縛、竜骸剣の【インベイデッド・ユア・テリトリー】を叩き込む。
アヴァタール級を撃破した後は飛行船が市街地へと墜落しないように推進部を【破壊】する事で進路を変え、市街地の外に不時着するようにする。
●
『苦難を共にした我が降下猟兵どもの仇! やらせてもらう!』
「おっと! そうはいかないよ!」
体をひねって急降下しようとした敵に向けて、陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)が横から割って入った。
空を滑って突撃し、一時的に下がろうとする仲間への攻撃を防いだのだ。
(「トループス級との戦いもじきに決着がつくだろうと思って様子を伺ってたけど、ドンピシャだ。このまま抑えてこいつの動きを拘束する」)
頼人……いやジンライは少し前の段階から敵陣の様子を伺っていたのだ。
敵前衛を倒せるだけの戦力が居たことで、手を貸すよりも見守って敵議に介入する方が建設的だと判断したのである。
「お前を倒して早期決着をつけてやる!」
『こちらこそそうはいかんと言ってやろう!』
振りかざす大剣に、回し蹴りやら膝蹴りが交錯する。
その一撃一撃が剣と同じ重さを持っており、流石にアヴァタール級は侮れまい。
単純な戦闘で言うならば、むしろジンライの方が押されつつあった。
『……む!? 勢いのまま来た割りに気勢があがらない? いかん!』
「ちっ気が付かれたか。流石に潜水艦乗りは読みが違う! でも!」
現状のままなら有利どころか圧倒できる。
そう思っていたはずの敵は、回し蹴りの態勢から追撃を行わずに後退した。
その瞬間に展開していたワイヤーの一部が絡み、抜け出す前にジンライは積極的攻勢をかける。
「ちょっとだけ遅かったようだね! まだ間に合う!」
大剣を斜めに構えて身を小さくすると、ジンライは敵の再突入に合わせて迎え撃った。
相手はワイヤーを切った分だけ動きを鈍らせており、僅かにタイミングが遅れたのだ。
それを見逃すジンライではなく、カウンター気味に全力で大剣を振り切ったのである。
「結構食らったな。……ここは下がって飛行船の処理に回ろう」
そしてジンライは一度離れると、戦いを仲間に任せて飛行船内部へ入り込む為に様子を伺う事にした。
そうすれば戦いが終わった時に、不時着させることは難しくないだろう。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
ロタール・フォン・アルノー・ド・ラ・ペリエール……潜水艦のトップガンが空を飛ぶか。
……いえ、三次元機動と言う意味では同じくね。
空中戦の応用で水中戦を戦ったディアボロスも居たそうだし、それなら逆もまた然り、か……。
空をこちらの土俵と思わず、気を引き締めて掛かるわよ。
●行動
【飛翔】し、【空中戦】を挑む。
【偵察】技能の応用で敵の奇襲攻撃を【看破】し対処。
周囲の味方機とも連携し、死角をカバーしあって警戒を喚起し合う。
同じ三次元機動でも質量で勝る艦船型を相手に単純な力比べでは不利。
機動力を活かした立ち回りで【一撃離脱】に専念し、分厚い耐圧殻は爆撃槌の成型炸薬弾頭で打ち抜く。
●
「ロタール・フォン・アルノー・ド・ラ・ペリエール……潜水艦のトップガンが空を飛ぶか」
敵騎は大空を滑り降りるようにこちらへ向かってくる。
エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)はその姿を見つけて奇妙な思いと、同時に納得の両方を抱いていた。
「……いえ、三次元機動と言う意味では同じくね。空中戦の応用で水中戦を戦ったディアボロスも居たそうだし、それなら逆もまた然り、か……」
敵の動きは軽やかで淀みがない。
かといって全てが直截かと言うとそうではなく、時折に手足を曲げることで急減速をかけたり、こちらの動きに合わせてターンを行っていた。
「この動き、気流が見えている!?」
『その通りだフロイライン』
一瞬の邂逅でエリザベータは上を取られそうになり、体をひねって脇へとスライド。
交わされた言葉へピクリと眉を動かした。
故郷奪還のために女であることなど捨てた身、それを指摘されれば怒りも覚える。しかし、それ以上に不思議なのは、どうして軍装の状態……しかも相対距離が瞬時に離れるこの一瞬で理解したのか?
「まさか……」
そういえば思い当たる事がある。
あの男は潜水艦乗りなのだ。そして手には常に軍艦の資料があったという。
猟師が雪山であろうと彼方から獲物を見分けるのは何故か、神経痛持ちが雨になるたびに予言するのは何故か? それは何度もその身で味わった感覚があるからだ。そして潜水艦と言う物が登場した初期に、『アレ』を聞き分ける事が出来たならば!?
『そう、正確には音も重要だがね』
「……空をこちらの土俵と言う訳ではないという事ね。気を引き締めて掛からせてもらうわ!」
ロタールは音を聞き分けている!?
例え雲に隠れて視界を遮ろうとも、むしろその音のパターンでこちらの位置を見抜かれるだけだ。
ならば正面からのドックファイトであったり、追いつ抜かれつのデットヒートにこそが勝負の分かれ目であろう。
エリザベータがパラドクスの段階を積み上げ加速しようとも、気流にのって情報を奪い、音で後方からの奇襲を探知してこちらに対抗して来た。
「近く反応が異常に広いっ。このまま機動戦をやっても勝てない……同じ三次元機動でも質量で勝る艦船型を相手に単純な力比べでは不利。ならば!」
同じ装備でもエリザヴェータが飛行機をモデルにした装備なのに対し……。
ロタールは艦船をモデルにした重装型だ。それなのに動きで負けているのは、相手の方が異常に読みが鋭いからに他からならない。いや、読みと言うよりは体験から来る音と目測で行動を事前に把握されているのだろう。
「飛び抜ける! そして……」
『む。逃げる? 違う……これは……遠間で勝負する気か!』
エリザベータは一度離れて一撃離脱に専念するとUターンして速力と旋回半径の差に掛けた。
敵は先読みして彼女自身ではなく、こちらの襲撃ポイントを捉えているのであり、巴戦で戦おうとするのではなく、すれ違いながらの突撃戦……まるで馬上試合のように戦い始めたのである。すれ違いながら拳銃弾で撃ち合い、煉瓦を投げて爆撃に変える初期の空戦を思い起こさせる。
『よかろう、正面と正面の戦いならば私にも分がある。その勝負……乗った!』
「はあっ!」
ロタールは体を広げるようなポーズから、腕を伸ばして主砲を向けながらドルフィンキックの態勢へ。
それは風を目いっぱい受けての巴戦スタイルではなく、空気抵抗を減らして突進しつつ被弾面積を少しでも下げる動きである。まるで潜水艦を体で体現する突撃態勢! 機動力主体のエリザベータと同じ勝負を挑める上に、火力と装甲ではこちらの方が上! 彼女が勝てる確率は五分の一以下だろう。
『ちっ! 避けられたか。もう一勝負……』
「いえ、私の勝ちよ!」
すれ違いざまに主砲とマシンピストルが飛び交い、お互いに被弾無しで通り抜けた。
しかしエリザベータは僅かに上へと上昇して、クルリと上へ一回転しつつ体を縮こまらせて体育座りののような格好になった。そして体を伸ばしてまるで飛び込み台を蹴る水泳選手の様に、ロタールの上に飛び込んだのである。勝てる確率が五分の一以下? それだけあれば十分過ぎる! 例え5%以下であろうとも彼女は勝負を決して捨てまい!
『まるで木の葉!』
「でいやああ!」
手にしていたのはマシンピストルではなく爆撃槌!
殴りつけながら起爆してロタールに強烈なダメージを与えたのである!!
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
遠遠・忽
絡み・アドリブ歓迎や!
音には音!
ヒャッキセイショウ!行くで!
ってまあ別に音で攻撃するわけじゃないけどなー
音ってのは混ざり合うもんや、叩きつけて使う武器やないで
空を飛ぶ妖怪で迎撃!
受け止めてや、ぬりかべ!!
使える効果は全部使って戦うで
ルチルーク・フレンツェン
人々や歴史を侵略する為の力には屈しません
歴史を奪還する為に断片の王の元には行かせません
敵は魚雷や砲撃など遠距離攻撃が得意でしたら、当機やルシグーナは敵の懐に入り込んでグラップルに持ち込ませていただきます
残留効果の飛翔とトラップ生成をお借りして、トラップで敵の砲撃を多少でもそらし魚雷の爆破の威力を減衰させて、飛翔で一気に接近します
当機が殴り蹴りニードルガンカタと敵の邪魔をしている間に、ルシグーナの本命のもちもちメテオを当ててみせます
敵を撃破後は急ぎ飛行船に乗り込み、ハッキングツールで機器をハッキングして、安全な場所へ不時着させます
一般人の被害を出さないのもディアボロスの務めです
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
……見事だ
仲間の動きに声援を
……飛行船、乗ってみたかったのだよな
ロタール・フォン・アルノー、お初にお目にかかる
……そしてさようなら
音を聞き分けるなら、挑発も届くか
【飛翔】し空中戦、敵を観察
軌道を変えて飛び回り、動きを予測させず
急旋回で距離を詰め
急降下で離れる
逃げれば追う、追われれば逃げる
距離が詰まる時に変則の動きで矢を番え、狙い澄まして放ち
周囲ごと爆破
但し飛行船に当てない事を最優先に注意し立ち回り
特に危険部位は避け、破損あれば修復加速を
反撃は魔力障壁で防御、ドローン一基を盾に軽減
急降下で離れて減衰を
撃破時は
市街地の位置を偵察し注意
慎重に飛行船を制御して、広い場所に不時着させよう
●
「……見事だ」
その空戦の冴えは新人のネメシスモードにすら匹敵した。
もっと詩的な表現はないかと思ったが、不思議と表現が思いつかない。
いや、仲間の活躍に声援を送るというならばこんなもので良いのかもしれない。
「……飛行船、乗ってみたかったのだよな」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はポツリと呟いて、彼方に居る敵へと言葉を投げた。
叫ぶでなく吠えるでなく、届くと信じて口にする。
「ロタール・フォン・アルノー、お初にお目にかかる。……そしてさようなら」
彼方で発生する気流の変化を聞き分ける耳。
ならば挑発の一つも届こう。
「人々や歴史を侵略する為の力には屈しません。歴史を奪還する為に断片の王の元には行かせません」
彼の言葉が長髪であるとするならば、ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)の言葉は決意である。
せっかく仲間たちが断片の王に届き、倒そうとしているのに……。
ここで援軍を届かせて苦戦させるわけにはいかない。場合によっては苦戦どころか敗北して撤退する羽目になるのだから。
『お互いに引けぬは当然のこと。我らの王、ヴィルヘルム二世が御ために! 通らせてもらおうか!』
敵は猛烈な推進力で一度ディアボロス達を引き離すと、腕を振るうように音波を解き放つ!
全体を撹乱し、同時に隠れ潜んでいる相手が居ないかという判断だろう。
その威力は低く、むしろ周囲全体を揺らす程度である。
「おおっと! そうはいかの何とやらや! うちを感動させたかったら、オーケストラでももってこんかい!」
「まだパラドクスじゃない? 攪乱戦をクロノヴェーダが行うのは珍しいな」
遠遠・忽(抜きっぱなしの伝家の宝刀・g00329)はハリセン広げて迎撃というかツッコミを入れて、エトヴァは相手の動きに着目する。
クロノヴェーダとディボロスはパラドクスを用いた逆連鎖戦でなければ深く傷つかないのだ。
剣戟の様に連続攻撃の中から、突如本命の一撃を放つような状況でもなければ、攪乱攻撃を行う意味はあまりない。
(「そうか。ロタールもまた飛行船を傷つけまいと戦っているのか。この期に及んで? いや、大した覚悟だと賞賛させてもらおう。そして、だからこそその気概を利用させてもらう!」)
敵は飛行船をディアボロスにぶつけるとか、レジスタンスは町を守ろうとするだろうから巻き込んで……などという女々しい考えがないのだ。
最新鋭の装備である飛行船を守り、自分達を撃破した後で、周囲の警備隊でも回収して援軍を送るつもりだろう。
これに対してエトヴァは飛行船を盾にする……のではなく、『奪いたいから引き離す』ように離れた角度で挑む。お互いに少しずつ離れて行き、二等辺三角形で飛行船を置き去りにしていく。
「音には音! ヒャッキセイショウ! 行くで! ってまあ別に音で攻撃するわけじゃないけどなー」
忽はセルフツッコミを入れながら妖怪たちを呼びだした。
うわーんと落下し、べとべとと落下し、小豆取って食いやしょうかと落下していく。
なんや自分ら空飛べひんのか!? と音を鳴らす妖怪たちの天丼芸に突っ込みを入れて行った。
「音ってのは混ざり合うもんや、叩きつけて使う武器やないで。出でや攻撃の本命は木霊ちゃん! 受け止めてや、ぬりかべ!!」
忽は姿なき木霊妖怪によって音波攻撃を反射して混ぜ合わせ、相手の攻撃自体は塗り壁に防がせた。
やっぱり塗り壁は落下していくのだが、まあ受け止めてくれたので無問題!
「あーあー。木霊ちゃん以外はぜーんぶ落っこちてもうたな。うち受験生やのうてホンマよかったわ」
「……飛翔のパラドクスを彼らの分も借りてあげれば良かったのでは? 召喚物は主人の一部扱いでしょうし」
忽はルチルークの冷静な指摘の前に、目を閉じて少しばかり考えた後……。
テテペロでその場をごまかしたという。
『このアルノー! ただではやらせはせぬ。いや、ドイツの栄光をここでやらせはせぬ!』
「……でも今がチャンス、です。打撃戦から、接近戦に持ち込ませていただきます」
ディアボロス全体に放つ音の攪乱とは別に、ガンガンと撃ち込まれる主砲や魚雷。
ルチルークはこれを迎撃し、あるいは避けながら接近していく。
全てを防ぐことはできないが、接近して攻撃するには十分だ!
『こいつ、私の攻撃を受けながら!?』
「……っ。もうちょっと、もうちょっと。……今のルシグーナの毛並みはもちもちです」
ルチルークはニードルガンで牽制したり、格闘で白兵戦を挑んで少しずつ相手の余裕を奪っていった。
そして余裕が出来たところで、モーラットのルシグーナに突撃させる。
いつものモフモフ状態から変質し、弾力性を増して威力を底上げして体当たりを掛けさせたのだ。
「ここまで追い込まれても一歩も引かぬとは流石だな。しかしそろそろケリをつけさせてもらおうか」
『ぬかせ!』
エトヴァは離れれば狙撃銃、接近すれば大型の銃と空中戦を行うに際して武装を適宜に変更して戦っていた。
仲間たちと共に追い詰める為、時には牽制に徹し、あるいは今から本命を放つぞと飛び込む姿勢を見せていたのだ。
敵が囲まれまいと離れれば追い、こちらを先に倒そうとすれば離れて様子を見る。そんな流れの中で……初めてクロスボウを取り出して急襲を掛けた。先ほどまでは銃で行って居た流れと姿勢から魔力を込めた矢を放つ!
『いかん!』
「これで終わりだ――Bluhe」
エトヴァの攻撃の差に気が付いた時、敵は顔色を変えた。
黄金色の塗料は魔力が籠っており、周辺に四散していく。この反応と攻撃パターンは爆発系。
ソレを察して音波法を叩きつけながら、自身は飛行船から離れていったのである。二射目の矢による大爆発から本船を逃すために。その覚悟にエトヴァは敬意を持って見送るのであった。
「これで終わりやな? このゴッツイ戦利品はどないする?」
「別にクロノオブジェクトじゃないみたいだし、当初の予定通りに不時着で良いと思うよ」
「ではハッキングして制御をこちらに移します」
こうして飛行船軍団によるベルリンへの援軍は絶たれたのである。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!