機械化ベルリン王宮大乱戦、断片の王を狙え
機械化ベルリン王宮強襲作戦の成功により、ベルリン王宮の地上部分への突入が可能になりました。
機械化ベルリン王宮には、陸軍参謀総長『パウル・フォン・ヒンデンブルク』、さらには断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』がおり、断片の王と戦う千載一遇のチャンスとなります。
機械化ベルリン王宮で暴れまわり、敵を撃破し、皇帝ヴィルヘルム2世の命を狙うべく派手に戦いを仕掛けてください。
襲撃が大規模になれば、特別な作戦が実行可能になります。
●実行可能になる特別な作戦と条件
(1)陸軍参謀総長暗殺作戦
シナリオが1本以上成功すると、ジェネラル級ゾルダート、陸軍参謀総長『パウル・フォン・ヒンデンブルク』との決戦シナリオが公開されます。
さらに、条件を満たした時点でこの事件の8本以上のシナリオに参加者がいると、敵側を混乱させ、有利な条件で戦えます(選択肢が本来よりも有利なものになります)。
『パウル・フォン・ヒンデンブルク』は、両肩に装備した補助頭脳二基による並列演算により、機械化ドイツ帝国軍を手足のように操る、機械化ドイツ帝国の頭脳です。彼を撃破できれば、機械化ドイツ帝国軍は、その頭脳を失い大混乱に陥るのは間違いありません。
(2)ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世暗殺作戦
シナリオが8本以上成功すると、断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』との決戦シナリオが公開されます。
さらに、条件を満たした時点でこの事件の24本以上のシナリオに参加者がいると、敵側を混乱させ、有利な条件で戦えます(選択肢が本来よりも有利なものになります)。
断片の王の戦闘能力は非常に高く、歴史の奪還戦になっていない状況での撃破はほぼ不可能と予測されていすが、奇跡的な勝利の可能性は0ではありません。
また、勝利が出来なくても、断片の王との戦闘により、重要な情報が得られるかもしれません。
※特別シナリオのスケジュールについて
公開される特別シナリオの攻略期限は、オープニングの公開日時に関わりなく『4月12日』となり、攻略旅団の提案による【期限延長】も行えません。
戦況によっては、特別な作戦が実行できなくなる場合もあります。ご了承ください。
Wie ein Drang - 怒濤のように -(作者 月夜野サクラ)
#機械化ドイツ帝国
#機械化ベルリン王宮大乱戦、断片の王を狙え
#ベルリン王宮
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「ええい――どういうことだ! 侵入経路は不明。敵の規模も不明。地下の警備部隊は何をしていた!?」
「恐れながらヒンデンブルク閣下、地下部隊はいずれも全滅でありまして……!」
敵の正確な情報が入って来なかったのだと、下級兵士は平身低頭に詫び続ける。もういい、と紫煙を吐いて捨てた葉巻を踏み潰し、機械化ドイツ帝国陸軍参謀総長、パウル・フォン・ヒンデンブルクは言った。
「動かせる戦力はすべて迎撃に向かわせろ。各国境の主力部隊が戻るまで、我々だけで持ち堪えねばならん」
「はっ! ただちに!」
背筋を伸ばして応じると、兵士は逃げるように指令室を飛び出していく。まったく、実に由々しき事態だ――苛立ちを露わに室内をかつかつと歩き回って、鉄仮面の男は重々しく口にした。
「陛下の御身に何かあってからでは遅い。万が一があってはならんのだ……!」
●ACHTUNG!
吹く風の温かさが日に日に春めく三月の半ば。しかし街並みが輝き出すような晴れやかな陽気とは裏腹に、新宿駅グランドターミナルはどこか張り詰めた空気に包まれている。
一編成のパラドクストレインを望むプラットフォームに復讐者達を集めて、ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)は前置き抜きに切り出した。
「機械化ベルリン王宮強襲作戦が成功した」
ベルリン市内に張り巡らされた地下通路を辿り、王宮地下を警備する部隊を強襲した電撃作戦は記憶に新しい者も多いだろう。地下の防衛線を突破し、ベルリン王宮の地上部分の攻略が行えるようになったのは、機械化ドイツ帝国と戦うディアボロス達にとって大きな前進だ。首尾よく地上部の敵を突破することができれば、王宮内に控える断片の王『ヴィルヘルム2世』の喉元に刃を突きつけることも夢ではないだろう。
「だけど、皇帝もいきなり前線に出てくるほど馬鹿じゃない。だから王宮内で暴れ回って、奴を戦場に引きずり出す。条件はかなり厳しいが……」
ここに集まった者の中にも、機械化ドイツ帝国出身、あるいは現代ドイツ連邦の出身の者はあるだろう。奪われたものを取り戻し、侵略者達の悪逆に一矢を報いるまたとない好機――これを逃すわけにはいかない。突き刺すようなユークレースの瞳で握った拳を睨みつけ、ハルトヴィヒは続けた。
「今、王宮では中にいるゾルダートを総動員して防衛態勢を敷こうとしてる。そこで時間を稼いでる間に、王宮の外や国境に散ってる精鋭部隊を呼び戻そうって腹だ。だから俺達は、そいつらがベルリンへ帰投する前に王宮を叩かなきゃならない」
各地の戦力が結集してしまえば、戦局は一変するだろう。敵陣営に短期間でどれだけ多くの損害を与えられるかが勝負の鍵を握っている。
具体的な作戦は、と誰かが尋ねると、少年は訝るように首を捻った。
「作戦は特にない」
「特にない?」
鸚鵡返しに聞き返せば、もう一度『ない』と繰り返してハルトヴィヒは続けた。
「どうせもう、戦いは始まってるからな。敵も俺達が向かってくるのは分かってる。だったら、小細工は要らねえだろ」
正面から突っ込んで、一人でも多く敵を倒せばそれでいい。と、いうのはあまりに身も蓋もない説明だが、最前線で防衛ラインを敷くトループス級と、それを指揮するアヴァタール級一体を撃破するのが最低目標となるだろう。皇帝を守るべく戦う彼らは士気も高く、かなりの難敵だが、複数個所を同時多発的に襲撃することでベルリン王宮に混乱をもたらせば、断片の王との直接対決の目も見えてくる。
「王宮内で指揮を執ってる陸軍参謀総長ヒンデンブルクも、もう前線に出てきてる。もしかしたら本当に、俺達の国を取り返せるかもしれない。……奴らを倒せるなら、俺はなんだってするつもりだ」
だから、できれば手伝って欲しい――そう言って、少年は踵を返した。
彼らに与えられた時間は多くない。帝国各地に散らばった精鋭部隊がベルリンへ集結する前に、なんとしても王宮地上部の防衛ラインを突破して、敵の懐へ斬り込むのだ。
リプレイ
レイ・シャルダン
【首都解放戦線】
連携、アドリブ歓迎
この先に通じる道を行けば…
また、ママとパパに会える…!
家に帰る事が出来る!
この期を逃さない!絶対に、取り返すんだ。
…だから、…どれだけ手を汚そうと…
この弓を引く事に躊躇いは無い。
【アクロヴァレリア】を点火し"空中戦"を行います。
【Boeotia】により戦場を"観察"し"情報収集"を行い
敵の攻撃に対しては、空中での回避行動を基本に
被弾する場合は超常結界式【アルヴァーレ】と【ナノマギア】による
2重の障壁でダメージを抑えます。
この絶え間ない銃撃の中にも必ず好機はある。
…無くても私が、心を共にする仲間が、作ってくれる。
この空は私達が制する!スカイレイダーの名に懸けて
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【首都解放戦線】
連携アドリブ歓迎
……誰もが何かを失った
……同じ、想いならば
どこまでも、翔け抜けよう
この身、心、焔と変えて、皇帝の首を貫くまで
失った仲間たち……どうか、俺を赦してほしい
必ず、果たしてみせるから
飛翔を共有し空中戦
敵方を偵察・観察し情報収集
陣形のほころびや弱点、隙を看破し的確に攻撃
僚機としてレイさんと死角をフォローしあう
地上と立体的に連携
魔力障壁、不規則軌道で回避
仲間を狙う敵を仕留める
良い心意気だ
好機を作り出す仲間へ、全弾で援護しよう
思い出せない頃から、いつかまで、戦い続けていくのだろう
……けれど、一人ではなかった
いつも、いつも
俺はそれを――希望と呼ぼう
ああ、この空は何者にも渡さない
ノイン・クリーガー
【首都解放戦線】
あれは航空部隊か。
厄介だが、ここでは本領を発揮できんはず。こちらにも勝機はある。
奴らも高度に連携しているようだ。
それを崩すべきか。
まずは【地形の利用】により上空から撃たれにくい位置を確保する。
そしてパラドクス通信で飛翔する味方に敵の位置を教えながら、味方の死角を狙う敵や、突撃に続く後続機に対してMk45/Sの【弾幕】による対空射撃を行う。
こちらが狙われた時は死角に引っ込んで味方に援護を求める。
負けられないのは我々も同じ。
ここは必ず突破する。
機械化ドイツ帝国首都・ベルリン。無数の砲門で武装した異形の宮殿は、混乱の只中にあった。駆けつけたディアボロス達は宮殿内部への侵入口を目指して、銃声と剣戟の飛び交う戦場を駆け抜ける。
ふと、頭上から聞こえてくる排気音に気づいて、ガスマスクの男――ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は足を止めた。
「あれは――航空部隊か」
厄介だなと呟いて、男は銃を手に空を仰いだ。見ればまだ少し距離はあるが、トループス級であろう敵の航空部隊が列を成し、真っ直ぐこちらに向ってくるのが分かる。一糸乱れぬその動きは、航空兵達の練度の高さを窺わせた。
「だが、奴らの技量がどんなに高くとも、ここでは本領を発揮できんはずだ」
本来、航空部隊とは広範囲への爆撃を担うものだ。この極めて狭い範囲に敵と味方が密集している状態では、彼らもむやみやたらと攻撃することはできないだろう。
こちらにも勝機はある――そう、口にした男の声を耳に留め、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は一歩前へ進み出る。その両手は、指先まで包む戦闘服の布地が軋むほどに固く握り込まれている。
「この先に通じる道を行けば……また、ママとパパに会える……!」
祖国を取り戻すことができる。家に帰ることができる。あの夏の日以来、この日の訪れをどんなに待ち侘びたかわからない。偶然に偶然を重ねたような、正に千載一遇のチャンスだ――彼女達は何がなんでも、この期をものにしなければならない。
整った銀の眉をきりりと吊り上げて、少女は言った。
「絶対に、取り返すんだ!」
そのためならばどれほどこの手を血に染めようと、弓を引くことにためらいはない。行きましょうと声を掛け合って、レイは上空へ舞い上がる。そのすぐ後を追って、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もまた空の只中へ飛び出した。眼下では、多くのディアボロス達が敵の群れと激しい攻防を繰り広げている。
(「誰もが、何かを失った」)
何一つ失うことなく、この戦場に立っている仲間などありはしない。理不尽に奪われたものを取り返す、その想いが同じであるならば、彼らはどこまでも共に翔け抜けられるはず。そう――今度こそは。
かつて喪った仲間達の微笑みが胸裏に過り、青年は無意識に眉をひそめた。彼らの命に贖うために、彼にできることは一つしかない。
(「どうか、俺を赦して欲しい」)
この身も心も焔に変えて、必ずや果たしてみせるから。空と同じ色の瞳で敵部隊を睨みつけ、エトヴァは誓う。狙うのは、皇帝の首ただ一つだ。
ピピ、と耳に装着したインカムが音を立てた。
『正面から十機。隊列を組んで来るぞ』
もう一度足元へ視線を落とせば、建物の陰に身を潜めたノインがサブマシンガンを構えるのが見えた。了解と応じて前方へ目を戻せば、通信機越しにも緊張が伝わったのだろうか――インカムの向こうで、男の声が続けた。
「あちらも必死なのだろうが、負けられないのは我々も同じだ。……ここは必ず突破する」
「ああ、分かってる」
短く答えて、エトヴァは天使の翼で宙を打った。それに並んで、レイは青く輝くゴーグルの画面に映し出される情報を素早く確かめる。その向こう側で、敵の一団が二つに割れた。
「来ます!」
一糸乱れぬ動きで構えたライフルが一斉に火を噴いた。急速に高度を落とすことで、レイは浴びせられる第一射を回避する。しかし銃口は執拗に、彼女の行く先を追ってくる。
「っ、しつこい……!」
ゴーグルの弦の部分を素早く操作すると、幾何学模様の光環が展開し、雨と降り注ぐ銃弾を弾いた。銃撃は絶え間なく続いているが、好機は必ずあるはずだ。それに――もし、そんなものはどこにもなかったとしても。
(「チャンスは、みんなが作ってくれる」)
彼女には、奪還の志を共にする仲間がいる。彼らがチャンスを作ってくれるなら、彼女もまた、彼らのためにチャンスを作るまで。急降下から一転、猛スピードで上空へと翔け上がると、レイは銀色に輝く魔導弓に矢を番え、声を上げた。
「この空は私達が制する! スカイレイダーの名に懸けて!」
勢いよく放たれた光の矢は幾重にも分裂して、敵機の翼を射ち抜いていく。そうして足並みを乱された機体は、地上から狙うノインのマシンガンの格好の餌食だ。
立体的な連携に一体、また一体と撃墜されていく敵機の向こうに頼もしい仲間達の姿を見て、エトヴァは知らず知らずのうちに微笑を浮かべていた。
(「良い心意気だ」)
あの時から今ままでも、これからも。理不尽に抗おうと前を向く限り、戦いは続いていくのだろう。けれど彼は――独りではなかった。時代や場所が違っても、そこには必ず、同じ理想のために並んで歩く仲間がいた。それをこそ――希望と呼ぶのだと、エトヴァは思う。
(「この空は、何者にも渡さない」)
ひと振りした腕の先、生み出した無数の光環は容赦なく、鉄の翼を斬り裂いていく。
彼が愛した街は炎の中に崩れたが、それは彼と仲間達が抗った証左だ。あの日の炎は揺るがぬ信念に形を変えて、今も胸に燃えている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
クラーラ・シャーフ
小細工なしの真っ向勝負
そういう単純なのは大好きよ
私の翼Nachtstraumはきらきら煌めいて目立つ筈
【飛翔】を活用して目を惹けば仲間が付け入る隙を作れるかしら
狙いを定めさせないよう飛び回りながら機を見て急降下突撃
一撃離脱を繰り返して敵陣を引っ掻き回してあげる
二度と歯向かおうなんて気を起こさないくらい徹底的にしないとね
小さい頃は羊を追って草原を駆けていたのに
今は敵を追って空中を翔けているなんて想像もしなかったけど
全てをあるべきところへ円滑に、根底は変わらない
羊飼いは襲い掛かる狼の退治もお仕事だもの
奪われたなら報復を
夢も見ない眠りの底へご招待しましょう
*連携・アドリブ歓迎
エルマー・クライネルト
積み重ねた結果が生み出した好機、逃す訳には行くまい
皇帝陛下へ謁見の際は貴様等の首を手土産にしてくれよう
味方と連携し攻撃を行うか、ならばその信頼関係を崩すのみ
パラドクスを発動し、死角を庇い合う2機へ互いを憎み合う【呪詛】をかける
『お前が背中を預ける者は、果たして本当に信頼に値する者か?
奴の銃口はお前を狙っている、やられる前にやってしまえ』
派手に同士討ちする様を見せ付けて部隊の士気低下を狙おう
……王宮が揺れている。
祖国が蹂躙されていると言うのに、その光景に高揚すら感じてしまう
私は、私が思っていた以上にこの国に対して怒りを覚えていたらしい
国賊と呼ぶのなら呼ぶがいい、だが先に私を見捨てたのは貴様等だよ
「とうとうここまで来たのだな……」
荒れた石畳を踏んで、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は言った。昨年の八月、異郷の地へ流れ着いてから半年強。そんな時間はないと分かってはいるのだが、長いようで短かった今日までの歩みを思えば、不思議な感慨を禁じ得ない。そうでなくとも、名家の出来損ないの自分がかの皇帝の居城に足を踏み入れるのだ――目の前に広がる光景に何も思わない方が難しいというものだが、いずれにせよ確かなのは、積み重ねた結果が生み出した好機をみすみす逃すわけにはいかないということだ。
「皇帝陛下へ謁見の際は貴様らの首を手土産にしてくれよう」
上空に展開する航空兵達を仰ぎ、踏み締める革靴の先は砂礫を踏んで音を立てる。その一歩後ろで青年の視線を追い、クラーラ・シャーフ(白日夢の陥穽・g06521)は口を開いた。
「小細工なしの真っ向勝負ね」
そういう単純なのは、大好きよ――そう言って彼女は口許を綻ばせたが、その瞳は決して笑ってはいない。
「二度と歯向かおうなんて気を起こさないくらい、徹底的にやらないとね」
軽やかに地を蹴って、クラーラは輝くフライトデバイスを操り、空の高みへ舞い上がった。その輝きは青空の中にあってなお眩く、敵味方の視線を惹きつける。
(「小さい頃は、羊を追いかけてばかりいたのに」)
朝と夜を分ける黄金の時間。広大な草原を風が渡っていくさまを、羊達と共に見るのが好きだった。それから何年もの時を経て今、こんな風に空を翔ける日が来るとは想像だにしなかったけれど。
(「これだって、羊を追いかけるのと一緒よ」)
在るべきものを、在るべき場所へ還すこと。それは正に、彼女が今向き合っているものと相違ない。大事な羊を守るためならば、羊飼いは時に狼退治さえやってのけるのだから。
金色に光る翼で一直線に空を裂き、クラーラは遥か空の高みから告げた。
「夢も見ない眠りの底へ、招待しましょう」
奪われたという事実には、報復が必要だ。眼下に見やる無骨な航空兵達が一斉に銃を構えたが、構わないし、恐れない。前後左右に絶えず軌道を変えながら、クラーラは黒髪を靡かせ、敵機に向けて降りていく。カンテラを揺らす羊飼いの杖は打ち付けると同時に爆発を引き起こし、敵の翼に風穴を開けた。
「おやすみなさい」
囁く声の主に恨めしげな目を向けて、兵士達が墜ちていく。しかし撃墜された仲間には見向きもしないまま、航空兵達は残った者だけで隊列を組み直すと、執拗に復讐者達を狙い続ける。
石畳を穿つ機銃掃射の間を縫って、エルマーは銃口を向ける敵の足元へ滑り込むと、死角よりその翼を仰いだ。伸ばした右手の先には、異国の人形が茫洋と光を放っている。すかさず体勢を変えて狙いに来る敵を真っ直ぐに睨み、エルマーは不気味な人形を宙に浮かべた。
『お前が背中を預ける者は、果たして本当に信頼に値する者か?』
その声は、滞空する航空兵達の脳裏に直接、語り掛ける。
『奴の銃口はお前を狙っているぞ――』
やられる前に、やってしまえ。
囁いた一言が合図であったかのように、航空兵達が互いに銃口を向けた。軽やかな砲声が幾重にも連なり、同胞によって翼を蜂の巣にされた兵士はあえなく地に墜ちる。そのさまを見て、エルマーは笑みの形に口許を歪めた。
「大した連携があったものだ」
さすがは王宮詰めのエリートだなと皮肉めかして、男は同士討ちを始めた敵兵の向こうに聳え立つ王宮を見る。物々しく武装した宮殿はその堂々とした佇まいに反して、揺れているかのように見えた。
(「国賊と呼ぶのなら、呼ぶがいい」)
祖国が蹂躙されているというのに、その光景に高揚すら感じてしまう自分がいる。沸々と胸の底から湧き上がる怒りは、エルマー本人が自覚しているよりもずっと強く、激しいものらしい。
だが、と静かに口を開いて、青年は続けた。
「先に私を見捨てたのは、貴様らだよ」
この国が是とするものを、否定する。そのためならば、どんな労をも厭わぬだろう。胸の裡より込み上げる激情はまさに、復讐と呼ぶに相応しい。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【腐食】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
ジュジュ・テネブラルム
ドイツ奪還ももうすぐだね
ドイツは故郷フランスのお隣さんだもの
私も全力で頑張るよ
そしてきっといつかフランスも…
こんなの愛じゃない!
愛って相手を傷付けるものじゃなくて慈しむものでしょう?
弾丸は障害物を利用したりTu solus(鴉の形の黒い影のオーラ)で防ぐ
こんなに無差別にばらまくのが愛なんて笑っちゃう
ずいぶん安っぽいね
貴方の愛はいらない
私が欲しいのは兄様の愛だけ
兄様がいなくても戦えるって証明したい
そしたら自信を持って兄様の隣に立てると思うの
守られてるだけじゃダメ
兄様に相応しく在りたい
Sanctusでパラドクス演奏
この演奏の間だけは貴方に慈愛を
その魂に安寧を
穢れが浄化されて天国に逝けるよう祈るよ
アイネズ・レーヴェ
※アドリブ歓迎
アイゼルネ……あなたにこんなところで会うとは思いませんでした。……ええ、わかってます、あなたはあのアイゼルネとは別です。
……それでもお前を見ると吐き気がするよ。ドイツを取り戻すために、行きましょう。
右手に刀、左手にショットガンを構え近づきます。相手の弾は避けるか刀で弾きます。そのためのスピードが足りないのなら……人形から一度糸を切り離し俺の体に絡ませて操り人形のように動かします。俺の体は傀儡となる、通常の活動限界を超えたスピードで自分の間合いにまで近づき【捨て身の一撃】を与えます。
糸に操られた体がきしみ悲鳴を上げますが……関係ありません。お前を倒し、今後の糧にさせてもらう。覚悟を
レイア・パーガトリー
私はここの出身ではないけれど、電撃戦には人手が必要でしょう?
ええ、助太刀するわよ
そのうち幻想竜域を攻略するときに手を貸してくれると嬉しいわね
竜翼翔破で【飛翔】しつつ一撃離脱スタイルで攻撃
抱きしめられる前に振りほどくわ
振りほどきが駄目なら、私を抱きしめたり噛んだりする間は味方を攻撃できないから
噛みつかれても尻尾や腕で逆に拘束して味方の攻撃のチャンスを作るわ
気高き騎士は悲鳴なんて上げな、痛ったぁぁ――!!!
(即フラグ回収)
どうせなら鱗のとこ嚙みなさいよ!
もし味方が手一杯ならリンバスを呼んで攻撃させるわね
標葉・萱
王手を掛けるまであと一歩
長いか、それともすぐ傍か
どちらにせよ躊躇う分だけ無駄だろうから
仰る通りの速攻と、いきましょう
前行く方へ合わせて時間差で攻撃へ
ご立派な兵器に比べれば拳銃一つ、脅威にもならないでしょうが
気を逸らす一矢にはなるかしらと
駆ける方の斜線を遮らぬように留意しながら
遠いばかりでは飽きるでしょう
飛び込む時には銃器のカウンターも意識して躱そうとは試みるけれど
……先約があるので踊れはしない
外套も身も、傷がつく程度ならば、約束ひとつに比べて軽いもの
その手に戻す、願いのためならば
一度朽ちた身のひとつ
動かす意味となりましょう
轟音と共に墜落した航空機の残骸が、炎を連れて四散する。戦場と化したベルリン王宮の様相は、時間が経つに連れて凄惨さを増していた。しかしたとえ目を背けたくなるような光景が広がっていたとしても、彼らは前に進まなければならない。
「……行きましょう」
指揮官を討ち取らぬことには、この戦いは終われない。標葉・萱(儘言・g01730)の言葉に応じて、復讐者達は再び走り出す。あはは――と甲高く笑う声が聞こえてきたのはその時だった。
勝ち気なペリドットの瞳でぐるりと周囲を一望し、レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)は王宮の門を指差した。
「! あそこに、誰かいるわ!」
黒煙の燻ぶる前庭の向こう側に続く、石段の上。航空兵達の残骸を見下ろして立ち、軍服姿の女がひとり、こちらを見て笑っていた。その姿を一目見るや、アイネズ・レーヴェ(薄汚い実験台・g00773)ははっと息を詰める。
「アイゼルネ……」
暗い眼窩に異様な赤い目を光らせる女。身体中の裂け目から、牙を覗かせたおぞましき異形。どことなく自信なさげで定まることのない男の視線が、その時ばかりは目の前の女の姿に引き寄せられる。たっぷりとした藤色のツインテールを傾けて、レイアは訊いた。
「知り合いなの?」
「んん……」
肯定とも否定ともとれぬ声を返し、アイネズは表情を歪めた。あの姿形をした者を知っているという意味では知り合いと言えなくもないが、そこに好意は存在しない。在るのは一種の懐旧と、そして自分ではどうすることもできない嫌悪感のみだ。
「こんなところで会うとは思いませんでした。いえ――違うというのは、分かってるんです。……あれは、あのアイゼルネとは別物だと」
けれど、それでも。
ぐっと拳を握り締めて俯けていた顔を上げ、男は言った。
「それでも、お前を見ると吐き気がするよ」
絞り出すような声が、知らず知らず震えていた。たとえ影法師に過ぎない存在だとしても、あれは忌避すべきモノだ。しかし絶対に討ち取らなければと気負うほど、心臓は早鐘を打ち始める。
口を噤んだ男の姿を見かねて、レイアはポンとその背中を叩いた。
「え?」
「そういうの、一人で抱え込むものじゃないわ。私はここの出身ではないし、事情は分からないけど……ちゃんと助太刀するわよ?」
電撃戦には人手が必要でしょう――そう付け加えて、少女は笑った。
「だからそのうち幻想竜域を攻略する時には、手を貸してくれると嬉しいわ」
「私も全力で頑張るよ。ドイツはフランスのお隣さんだもの」
一歩前に進み出て、ジュジュ・テネブラルム(影纏う白薔薇・g05884)もまた口を開いた。地続きの欧州においては尚のこと、他人事では済まされない――この地の奪還が叶えば確実に、彼女の故郷にも近づくことができるのだ。
「……ありがとう、ございます」
力強い言葉に、気づけば自然とそんな言葉が口を衝いていた。強張った表情を微かに和らげて、アイネズは深呼吸する。胸に蘇った不快感はそう簡単には消えそうもないが、それでも今の彼は独りではない。
「ドイツを取り戻すために、行きましょう」
「ええ。王手を掛けるまで、あと一歩です」
小型の拳銃を顔の横に構えて、萱が応じた。ここが本当の正念場――可及的速やかにここを突破して、断片の王に迫るのだ。
「仰る通りの速攻といきましょう」
交わした視線で頷き合い、復讐者達は一斉に走り出す。先頭へ躍り出たのは、レイアだった。赤紫に輝く竜翼を広げて地を蹴ると、少女は一気に軍服の女に肉薄し、輝く槍をその胸へと突き入れる。
「ふふん! 捕まえられるものなら捕まえてごらんなさ――ふぁっ?」
風のように翔け、一撃を加えて即離脱。ヒット・アンド・アウェイが彼女の流儀だ。しかし離脱しようとした瞬間、突き入れた槍が抜けないことに気づき、少女は声を上ずらせる。見れば光り輝く槍の穂先は、女の胸でざっくりと裂けた『口』に捕まえられて、ぴくりとも動かせなくなっていた。慌てふためく少女の身体を槍の柄越しに一気に抱き寄せると、女はにたりと不気味に笑う。
「い、いいわよ。こうしてる間は、あなたは他の人を攻撃できないもの」
抱き締める腕は妙に優しく、しかし強固でとても振りほどけそうにない。一瞬ひぇっと声を上げたものの、レイアはあくまでも強気に続けた。
「噛みつかれたってそんなのちっとも、痛ったぁぁ――!!」
トラバサミのような歯が青いドレスの肩口に突き刺さり、竜の娘は絹を裂くような悲鳴を上げて悶絶した。気高き騎士たる者、苦痛を受けようと易々と顔に出してはならぬもの――と、頭で思ってはいても、年端もゆかぬ少女にそれは過酷というものだ。
咬合する力が緩む一瞬を狙って力いっぱい女の腹を蹴り、離脱して、レイアは涙目になりつつ敵を睨んだ。
「うう~どうせ噛むんなら鱗のとこ噛みなさいよ!」
「鱗のところなら痛くないの……?」
鱗がないから分からないけれどと、ジュジュは少しだけ戸惑った様子で口にする。しかし、のんびり問答している時間はない。見れば女は無数の重火器を背に負って、依然として余裕の表情で此方を見つめている。そして耳元まで裂けた口でニタニタと笑いながら、黒手袋の両手を差し出した。
「さあ――私の愛を受け取って?」
その言葉が合図であったかのように、敵の銃口が火を噴いた。反射的に目を瞑って、ジュジュは防御の姿勢を取る。瞬間、その身体から立ち昇った黒い影は鳥の翼の形を成して、娘の身体を守るように包み込んだ。
「っ、こんなの愛じゃない!」
それでもいくらかの弾丸が白い手足を掠め、痛みに顔をしかめながらもジュジュは吼えた。
「愛っていうのは――相手を傷つけるものじゃなくて、慈しむものでしょう?」
こんなに無差別にばらまくものが、愛だなんて笑っちゃう――そう言って、娘はフンと鼻を鳴らした。これが愛だというのなら、目の前の彼女のそれは安っぽいにも程がある。一挺のヴァイオリンを構えて弓を添え、ジュジュは大きく息を吸い込んだ。
「貴方の愛は、いらないの」
彼女が望む愛は、ただ一つだけ。
最愛の兄は今ここにいないけれど――彼がいなくとも、独りでも戦えると証明したい。自分こそが彼に相応しいのだと、胸を張って言えるようになりたい。守られているだけの妹じゃない、ちゃんと戦えるのだと証明できたら、今までよりももっとずっと、自信を持って隣り合えると思うから。
「あなただって、逝くなら天国に逝きたいでしょう?」
だから、祈ってあげる。
囁き、奏でるのは慈愛の調べ。聞く者の魂に安寧をもたらし、その穢れを浄化する清らかな音色が鉄の女の耳に鳴り渡る。そして忌々しげに顔を歪めて動き出すその足元に、突き刺さる銃弾が一つ――また一つ。
ニイとギザ歯を見せて女は笑い、弾の飛んできた方向へ目を向けた。その先では、硝煙の昇る拳銃を手に萱が立っている。向けられる銃口にも臆することなく正面から向き合って、萱は言った。
「すみませんが――先約がありますので」
鳴り響く銃声がリズムを刻んでも、彼女とダンスは踊れない。
絶えず動き続けることで銃弾の直撃をかわしながら、青年は巧みに女を引きつける。弾の掠めた手足が赤い血を流しても、あの日の約束に比べたら軽いもの。一度は朽ちたこの身なれど、すべてをその手に取り戻せる、その可能性がある限り――まだ、動かす意味がある。
「もう、眠る時間ですよ」
囁くように告げて、萱は硝子でできた一枚のカードを取り出した。力を込めれば儚い音と共に砕け散るそれは、無明の夜を連れてくる。溢れ出した暗闇はたちまち女を飲み込んだ。そして膝を追った女の元へ、アイネズがすかさず距離を詰める。
「覚悟――」
女は何事か口を開きかけたが、もうそれだけの余裕もない。残った力を振り絞って引いた引き金はその手の銃から大粒の弾丸を吐き出したが、アイネズはそれさえ斬り払って仇敵へ突進する。操る糸の速さにその身体が軋んでも、彼女をその手で屠れるならばためらいはなかった。
「せいぜい、今後の糧にさせてもらうよ」
壊れた絡繰り人形のようにぶつかった刃は、女の胸を深々と貫いていた。力任せに薙ぎ払えば、機械仕掛けの女の躯体は脆くも壊れ、その場に崩れ落ちる。やったわ、と両手を握り締めて、レイアはその場で跳ね上がった。
「後は、突入あるのみね!」
「そうですね。しかし――この戦い、どう転ぶのやら」
拳銃を下ろして路の先を見据え、萱は眉を寄せた。未だその姿は見えぬ『断片の王』。その姿を覆い隠す秘密のヴェールが剝がれた時、復讐者達は何を見るのだろう?
それは、まだ誰にも分からない明日のこと。しかし玉座の間へと続く扉は、今まさに開かれようとしている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV2が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!