リプレイ
朔・彗藍
【星明】
💎
チョコも魅力的ですけれど
ずうっとかたちに残る想い出を
欲張ってしまっても好い?千景
ふふ、じゃあ甘いのは改めてね
千景の作ったのも食べてみたいから
オーダーメイドのアクセサリーに
宙彩を瞬かせ手招きする
折角ですから、お揃いにしたいなぁ、なんて
イメージ……そうですね、
夜空の星から、私の瞳の薄紫を
経て、千景の瞳の明ける空が
繋がる様なグラデーション……
空は何処までも繋がっている証なのです
千景の希望は有ります?
……まあ、対に、
えへへ、凄く素敵です
勿論!欲張っちゃうのですよ
あのね、お友達とこういうの
一緒に持ってみたかったの
だから、交換、ね
夜が明けても貴女が待つ安心感
だから私は夜に浸れるの
紫空・千景
💎星明
チョコならば私が何時だって作ってやるさ
共に欲張ろう、彗
ふたりなら…許されるだろう?なんてな
オーダーメイドのアクセサリーとは心惹かれる響
招かれた先、紡がれた愛らしい言の葉に
お揃い…彗は魅力的な誘いばかりだ
私の描いたイメージは彗の唇が紡いでくれる
夜空の星から、彼女の眸――薄紫を経て
私の明ける空色の眸へ繋がる様なグラデーション
眸で絆がってゆく空は変わらず来る巡り
私の希望は今、あんたが全部言ってくれた
追加で片方に白、片方黒と
互いの髪色モチーフの飾りを対で入れて欲しい
揃いも、対も
欲張るんだよな?と咲う
噫、私も友達と持てるのは嬉しい
交換は宝だ
柔らかな白を融かした夜が在るから
朝は何時も通り訪れるんだ
●同じ空のいろ
甘い香りに甘やかな心地。
乙女心を大いにくすぐるチョコレートはとても魅力的なもの。
「ねぇ、千景」
「どうした?」
朔・彗藍(ベガ・g00192)はそっと紫空・千景(暁の切り札・g01765)を呼び、甘い香りがする方向とは違う場所に目を向けた。その視線の先には煌めく光がある。
「チョコも魅力的ですけれど、ずうっとかたちに残る想い出を欲張ってしまっても好い?」
彗藍が願ったことで千景は意図を理解した。
何故なら、眼差しの向こうにあった光景は千景にとっても興味があるものだからだ。
「チョコならば私が何時だって作ってやるさ。共に欲張ろう、彗」
「ふふ、じゃあ甘いのは改めて。千景の作ったのも食べてみたいから、今度にお願いね」
「ああ。ふたりなら……どんな欲でも許されるだろう?」
なんてな、と付け加えた千景は何処か悪戯っぽく、紅と紫の混じる双眸を細めた。きっとね、と返した彗藍は先程から見つめていた場所に進んでいく。
其処はオーダーメイドの装飾品を作って貰うことが出来るコーナーだ。
宙彩を瞬かせた彗藍は千景を手招きする。
「オーダーメイドのアクセサリーとは心惹かれる響きだな。彗はどんなものが欲しいんだ?」
「まだ考えている途中ですが、折角ですからお揃いにしたいなぁ、なんて」
「お揃い……彗から受けるのは魅力的な誘いばかりだ」
彗藍の答えを聞いた千景は一度だけ瞼を瞬き、静かに笑んだ。招かれた先で紡がれた愛らしい言の葉は不思議と心に響いていく。快さを感じながら、千景はオーダーの席についた彗藍を追っていった。
オーダーアクセサリーはまず、イメージを伝えるところから。
二人の品の制作を担当する女性は、それぞれにどのようなものが欲しいのか問いかけてきた。
「イメージ……そうですね」
よろしくおねがいします、と伝えた彗藍はこれまでに思い描いていたものを言の葉にしていく。
先ず形にしたいのは、夜空の星。
そして――。
「私の瞳の薄紫を経て、千景の瞳の明ける空が繋がる様なグラデーション……」
自分達の眸を示した彗藍はふわりと微笑む。
作家の女性は並べられた天然石やビーズなどを見比べながら、話を聞いてくれていた。
「空は何処までも繋がっている証なのです。千景の希望は有ります?」
「私の描いたイメージは彗の唇が紡いでくれた」
千景もまた、夜空の星を想起させるものを、と思っていたようだ。
彗藍の眸である薄紫を経て、自分が持つ明ける空色の眸へ繋がる様な色彩。眸で絆がってゆく空は変わらず来る巡りであり、同じ心と想いを抱く印でもある。
「私の希望は今、あんたが全部言ってくれたから……そうだな、追加で片方に白、もう片方には黒を加えて欲しい」
「……まあ、対に。えへへ、凄く素敵です」
互いの髪色モチーフの飾りを対で入れて欲しい。千景が語った追加オーダーを聞き、彗藍は嬉しげに口許を緩めた。
千景の願いを受けた作家はさっそく作業を始めていく。
「揃いも、対も欲張るんだよな?」
「勿論! 欲張っちゃうのですよ」
二人はアクセサリーが出来上がるのを待ちながら、浮き立つ気持ちを抱く。
彗藍は組み合わされていく石やパーツをそっと眺めながら、千景に待ちきれない思いを伝えた。
「あのね、お友達とこういうの一緒に持ってみたかったの」
「私も友達と同じものを持てるのは嬉しい」
「だから、交換、ね」
「噫、交換は宝だ」
彗藍が黒入りのものを、千景は白入りのものを持つことで交換になる。
そして、出来上がったのは――パワーストーンをひと粒ずつ繋げて作られたブレスレットだ。
どちらもベースは星の煌めきを映したような金鎖。其処に紫水晶と朱瑪瑙の石が繋げられている。アゲートとアメジストとも呼ばれる石が並んでいる様はまさに彗藍と千景の色彩。
千景に渡されたのは留め具、淡雪という名の艶消し真珠が入ったもの。
同じく彗藍が受け取ったのは留め具にブラックオニキスが入れ込まれたもの。
「綺麗……」
「オーダー通りだな」
二人は互いのアクセサリーを見て感心しながら、其々の気持ちを言葉にしていく。
夜が明けても貴女が待つ安心感。柔らかな白を融かした夜の色。
「この彩があるから、だから私は夜に浸れるの」
「噫……私もだ。この色が在るから、朝は何時も通り訪れるんだ」
彗藍と千景はとびきりの微笑みを交わし、腕に金鎖を重ねた。
大切な色を宿して、しゃらりと揺れるブレスレット。それは、二人が紡いだ想いの証。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
鵙目・隆尋
やひろ(g01885)と✨
とりあえず、焼きそばも作れないやひろが
初心者向けとは言えチョコ作りとか
止めた方がいいと思うんだ、俺
あ、自覚あったんだね、良かった
じゃあ、折角だもの……アクセ作りしてみよ?
俺宛じゃなくて
おねこさま(やひろのスフィンクスの呼び方)に作ってあげたらどう?
チョーカー風の首輪とか……
俺?俺はブレスレットかな
黒、藍、オレンジ、の三色をメインで
ちょっとしっかりした造りのをね?
え?誰かにあげるかもしれないし、あげないかもしれない
でもそこ重要じゃないでしょ?
え?重要?
でも相手が居たら、やひろと一緒に今ここにいないよ、俺
ね、おねこさま?
夜に同意を求めて
『ねー?』なんて笑いながら手は動かす
九条・八尋
たかひろ(g00735)と夜(スフィンクス)と行動
✨
安心しろ、菓子作りに手を出すつもりはねーぞ失敗する自信がある
ん、そうだな、アクセ作る
ああ、夜に送るアクセか、それもいいな!
たかひろはどうするんだ?
渡す相手がいるかいないか曖昧な割には、アクセのイメージ具体的じゃね?
まー、深くは突っ込まねーけど
夜がたかひろに同意するみたいに鳴いてるが……「いつもうちの主人が世話かけさせてすみません」みたいなニュアンスを感じたぞ
俺の気のせいってことにしとこ、うん
センスが無いので苦戦しながらチョーカーぽい首輪作り
色の組み合わせとか分かんねー
何かこう夜空っぽくしたい
星形の小さい飾り何個かと、三日月的な飾りねーかな……
●イメージの結晶
チョコレート作りとアクセサリー。
一階と二階の会場に用意されたコーナーを見比べながら、鵙目・隆尋(幼年期の終わり・g00735)は肩を竦めた。
まだ階段は登っておらず、目の前には装飾品のパーツが並ぶテーブルが見えている。
「とりあえず――」
隆尋は二階に続く方向から目を逸らす。
その隣に立っていた九条・八尋(流れるままに・g01885)も倣って視線を一階の内部に向けた。
「焼きそばも作れないやひろが、初心者向けとは言えチョコ作りとか止めた方がいいと思うんだ、俺」
「安心しろ、菓子作りに手を出すつもりはねーぞ」
隆尋の懸念を感じ取った八尋は、勿論だと話す。その様子にほっとした様子の隆尋は胸を撫で下ろした。
「あ、自覚あったんだね、良かった」
「失敗する自信がある」
自信満々に答える八尋も八尋だが、これで大惨事が起こるかもしれない未来は回避できる。隆尋は目の前を示し、絶対に爆発も焦げもしないアクセサリー作りコーナーの方に歩いていった。
「じゃあ、折角だもの……アクセ作りしてみよ?」
「ん、そうだな、アクセ作る。こういうのって一緒にいる相手に送るのがいいのか?」
頷いた八尋は何を作るべきか考えている。
せっかくのバレンタインイベントであるのだから、自分用に作るよりも誰かに――今回の場合は隆尋に贈るのがいいのだろうか。そんなことを考えていると、隆尋が八尋の横にいるスフィンクスの夜を指差した。
「俺宛じゃなくて、おねこさまに作ってあげたらどう?」
「ああ、夜に送るアクセか、それもいいな!」
八尋は金の眼と黒い毛並みのスフィンクス、夜に目を向ける。普段からの感謝を贈るに相応しい相手だ。
「そうそう、チョーカー風の首輪とか……」
「それに決めた。たかひろはどうするんだ?」
八尋は上機嫌に双眸を細め、隆尋に問いかける。すると彼は並べられているアクセサリーパーツの中から、基本土台になるブレスレット素材を手に取ってみせた。
「俺? 俺はブレスレットかな。ちょっとしっかりした造りのをね?」
黒、藍、オレンジ。
この三色をメインにしていくのだと語った隆尋に対し、八尋は次々とパーツを選んでいく。
「渡す相手がいるかいないか曖昧な割には、アクセのイメージ具体的じゃね?」
「誰かにあげるかもしれないし、あげないかもしれない」
「まー、深くは突っ込まねーけど」
「でもそこ重要じゃないでしょ?」
「いや、それなりに重要な部分だろ……」
「え? 重要? でも相手が居たら、やひろと一緒に今ここにいないよ、俺。ね、おねこさま?」
二人が会話を重ねる最中、夜に視線が向けられる。
八尋の横に座っている夜は隆尋に同意するかのように何度か鳴いていた。だが、その様子は『いつもうちの主人が世話をかけさせてすみません』という雰囲気に満ちている。主人である八尋もそんなニュアンスを感じていたが、首を横に振って思いを振り払った。
「夜……。いや、まぁ俺の気のせいってことにしとこ、うん」
そんなこんなで二人と一匹の楽しいアクセサリー作りが始まっていく。
当初の予定通り、隆尋はブレスレット。八尋は夜の為に首輪を作っていった。革のベルトにそれぞれがイメージした色のパーツを組み合わせていくだけの簡単な作業だ。
しかし、その中でも難しいと呼べるのはパーツの配置具合。
隆尋は最初からばっちりイメージが固まっていたので、パーツを重ね合わせて調整に入っている。
「うまいな、たかひろ」
「それなりだけど、やひろよりはね。ねー、夜?」
八尋に褒められたことで、隆尋は夜に同意を求めた。そんな風に笑いながら手を動かし続ける隆尋はてきぱきと作業を進めていった。その横で八尋は四苦八苦している。
センスが無いのは自覚しているので、八尋はかなり苦戦しながらチョーカーめいた首輪作りを続けた。
「色の組み合わせとか分かんねー」
「やひろはどんな感じにしたいの?」
「何かこう、夜空っぽくしたい。夜が身につけるものだからな」
「じゃあこれは?」
「いいな。あとは三日月的な飾りねーかな……」
悩む八尋に隆尋が星形のちいさな飾りを何個か取ってやる。それを受け取った八尋は更にパーツを探した。夜はそんな彼をじっと見守り、出来上がりを待っている。
こうして、隆尋と八尋の手作りタイムはまだまだ続いていく。
それから暫しの時間が経った頃。
二人の手にはきっと――自分で作り上げた、世界でひとつのアクセサリーが握られているのだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
曖明・昧
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
「料理か……。今回は失敗しないようにしなければ。」
クリスマスの時の失敗を思い出す。
パンリースに飾り付けをしたが、トッピングしすぎて失敗してしまった。
「今回はシンプルにしよう。」
型にチョコを流し込んで固めるだけ。
これなら失敗しようがない。
ディアボロスの種族をモチーフにした型にチョコを流し込んで固める。
角の生えた人型(鬼人)、コウモリの羽が生えた人型(デーモン)など11種類。
最後にチョコペンで笑顔を描いて出来上がりだ。
「今回は、なかなか上手くできたんじゃないか。」
周りの人に見せても反応が悪くなさそうので一安心だ。
矢木・真輝
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
「料理は、できない。けど、これなら、できるかな?」
「どれも、美味しそう」
面白そうだからと参加したが、誰かにあげる予定はなく、自分で食べる気満々です。
抹茶クッキーでホワイトチョコをサンドしてみたり、イチゴチョコとホワイトチョコを混ぜてみたり。
星形の型にはバナナのチョコを流し込んで、チョコスプレーでカラフルにしてみたり。
真人を見て、チョコを塗ったクッキーでマシュマロをサンドしてみたり。
クロや八千代を見て、狐の型を使ってみたり。
「味見……?」
苦いのは得意でないので他の人の反応を見て食べるか決めます。
「ほっとちょこ。甘くて、おいしい」
「ん。楽し、かったね」
クロスタール・ガイゼル
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
料理に関しては毎回不可思議な事が起こるクロスタール
何故か味が変化したり、用意した材料が勝手に何かに置き換わったりと…
果たして今回は!?
失敗しない様にご一緒する皆様の手際をよく拝見
へえ、色々な型があるのですね…曖明さんのそれはディアボロス型ですか
四十万さんは狐さん!僕もそれ使わせてもらいましょう
矢木さんもご一緒ですね!
(大丈夫ですよね、何も起きませんよね…)
用意されたビターチョコを使います
目のところはホワイトチョコで糸目をちょんちょん…
味は…皆様味見してもらえませんか?
ビターが甘くなったりしてませんか?
天原さんレベル高いですね…もし【解体】されるなら手伝いますよ
四十万・八千代
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
チョコは食べたい、だが凝ったものは作れる気がしない
初心者向けで頑張ろう
形はどうしようか……
昧のはそれ、ディアボロス型?
どんな顔描くのかわからないが子供に人気出そうだな
妖狐が二人もいるし狐の形と、もこみたいな羊の形にしてみよう
ホワイトチョコ流し込んで
目の所に小さく切ったドライマンゴー乗せたらほら、妖狐の二人とちょっと似てないか
目にドライベリー、角部分レーズン乗せたらもこ羊だ
真人のはその、ぜ、前衛的っていうのかな……食べたら絶対美味いとは思う
味見は頼まれたら勿論喜んでするが、味が変わるなんて事は……ない、よな?
ほら、いざとなったら【おいしくなあれ】使えば平気さ
天原・真人
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
お菓子を作ればいいんですね
煮るのと焼くのはやった事がありますから大丈夫です
この際だから一緒に参加した皆とは別のものでも…
クッキーをチョコでコーティング
いや、クッキーやマシュマロをチョコで繋げてコーティングすれば…
チョコで菓子同士を繋げ、上からチョコでコーティングする
うん、思ったよりもちゃんと繋がる
チョコを変えてやれば色も形も色々出来そうだ
動物とかそういう形にすれば喜ばれるかもしれない
つなげてつなげてつなげてチョコでコーティング…
…途中から楽しくなりすぎた
なんだ、これ
完成した巨大な名状しがたきものを前に【解体】するかを考える
…まぁでも美味しいですよ、多分
諷和・もこ
【コンステラション・ヴィラ/🐤】
(八千代さんのみやちよお兄さん呼び)
んん…ボク、鬼人の怪力が制御できないし
指も上手く動かせないから上手く作れるか自信がないんだよ…
参考にみんなの作るお菓子を見て回る
わ、皆のきつねさんやひつじさんの形チョコ、かわいいなぁ
昧さんのはボクたちの形?わぁ、すごいんだよ!
…真人さん、すごくおっきいんだよ…
よし!ボクも皆みたいに頑張るんだよ!
でもやっぱり湯煎や型抜きで失敗したり、チョコペンを握りつぶしちゃったりで上手くいかない…
…うぅ、やっぱりボクにはお菓子作りなんて無理なのかなぁ…
…ホットチョコレート?
これなら作れるかも!
みんな、おつかれさま!
これを飲んで一息ついてね
●ぴよぴよ初心者クッキング
バレンタインの催しがひらかれているクッキングスペース。
此処に集った者達をたとえるならば、生まれたてのひよこのようなもの。何故なら、皆が料理初心者であるかたいへんな特性の持ち主であるからだ。
材料や道具が用意されているキッチン前に立ち、一行はそれぞれに思いを馳せている。
「料理か……。今回は失敗しないようにしなければ」
曖明・昧(無知蒙昧・g06110)はクリスマスの時分を思い出していた。
味は問題がなかったが、あの時は個人的に失敗したと感じている。飾り付けをしたパンのリースにトッピングを乗せすぎており、見た目が大いに賑やかになってしまったからだ。
しかし、失敗もまた大切な経験のひとつ。昧の決意はきっと良い方向に向かうはず。
昧の隣には、矢木・真輝(風を奏でる放浪者・g04665)と四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)が立っている。会場の人から渡されたエプロンを装着した真輝と八千代は、目の前に並ぶチョコレートや型を眺めた。
「チョコは食べたい、だが凝ったものは作れる気がしないな」
「同じく料理は、できない。けど、これなら、できるかな?」
「互いに初心者向けのこの場で頑張ろう」
八千代から掛けられた言葉に頷きを返し、真輝は琥珀色の瞳を静かに輝かせる。そして、二人は色とりどりのチョコレートをひとつずつ確かめていく。
ミルクにビター、ホワイト、ストリベリーにピスタチオ。その他色々。
「どれも、美味しそう」
面白そうだからと感じて今回はこうして参加したが、真輝自身は誰かにあげる予定はない。作ったものは自分で食べる気満々でいるので期待も高まっていく。
「やちよお兄さん達、エプロンにあってるね」
皆の様子を見つめ、自分もお揃いだと示した諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)はそっと微笑んだ。
されど、もこには懸念がある。
「んん……ボク、鬼人の怪力が制御できないし、指も上手く動かせないから上手く作れるか自信がないんだよ……」
心配なのは自分の力のこと。
紅の掌を見下ろしたもこはチョコレートと自分を見比べた。どうしようかと迷っている、もこの近く。同じくエプロンを身に着けているのはクロスタール・ガイゼル(良い狐・g01139)だ。
「さて、どうしましょうか」
穏やかな表情をしているが、この少年は曲者だ。
何せ料理に関しては毎回必ずといっていいほど不可思議な出来事が起こってしまう。クロスタール自身に何か悪いところがあるわけではないのだが、何故か味が変化したり、用意した材料が勝手に違うものに置き換わったり、とにかく本当に大変なのだ。さぁ、果たして今回は――。
一抹の不安もありつつも、クロスタールはやる気だ。
寧ろ自分がこうなのだから、もこも心配ない。彼はそのように背中で語っているように見えた。そんなクロスタールの反対隣には、天原・真人(Unknown Apollon・g03172)がいる。
「なるほど、お菓子を作ればいいんですね。煮るのと焼くのはやった事がありますから大丈夫です」
真人もどちらかといえば初心者だが、今回は簡単な調理だけだ。
失敗の可能性は低いと感じた真人は拳を軽く握り締め、これから始まっていく時間に思いを馳せた。
そして、彼らのクッキングタイムが幕開ける。
まずは昧が人形の型を調理台に運んできた。
「今回はシンプルにしよう」
料理を綺麗に作る秘訣は何でも盛り込みすぎないこと。そう学んだ昧は型にチョコレートを流し込んで固めるだけの方法を取ることに決めていた。
これなら失敗しようがない、と頷いた昧は角のある鬼や、翼の生えた天使の型を集めていた。
ジンジャーマンクッキーなどで使われる人形の型を並べて少し加工すれば、それぞれのディアボロス種族のような形にも出来るだろう。コウモリの羽を固めて背に付けたりと工夫していく昧は黙々と作業している。
その様子に気付いたクロスタールと八千代、もこは昧が作っていくチョコレートに感心していた。
「へえ、色々な型があるのですね……。曖明さんのそれはディアボロス型ですか」
「昧のはそれ、ディアボロス型?」
「昧さんのはボクたちの形なんだね? わぁ、すごいんだよ!」
「ああ、そうだ」
「どんな顔描くのかわからないが子供に人気が出そうだな。俺のチョコの形はどうしようか……」
八千代は暫し悩み、周囲を見渡す。
其処で思いついたのは仲間に妖狐が二人もいることから浮かんだアイディアだ。まずは狐の形、次はもこのような羊の形にしてみようと考えた八千代は、持ってきた型にホワイトチョコレートを流し込んでいく。
次は目に当たる部分に小さく切ったドライマンゴーを乗せた。
「ほら、妖狐の二人とちょっと似てないか。それから、こっちはもこだ」
「きつねさんやひつじさんの形チョコ、かわいいなぁ」
もこチョコの目はドライベリー。角の部分にレーズンを乗せたならば、もこ羊チョコレートの出来上がり。もこがふわりとした気持ちを覚える中、クロスタールは失敗しないように皆の手際をしっかりと確認していった。
「四十万さんは狐さん! 僕もそれ使わせてもらいましょう」
「クロと八千代が使うなら、僕も狐の型を使ってみようかな」
「矢木さんもご一緒ですね!」
「早速やってみよう」
真輝はそっと気合いを入れ、抹茶クッキーでホワイトチョコレートのサンドを作っていく。更にはイチゴチョコレートとホワイトチョコレートを混ぜて桜色の愛らしい色を生み出す。
また、星形の型を見つけた真輝は其処にバナナのチョコレートを流し込み、スプレーでカラフルに飾る。
たくさんのチョコレートを作り出していく真輝の隣では、真人がせっせと作業を続けていた。皆が狐や羊、人型のチョコレートを作っているならば自分は違うものを。
「これをこうして、と」
そう思って真人が作っているのは、クッキーをチョコレートでコーティングしたお菓子。
「いや、クッキーやマシュマロをチョコで繋げていけば……」
ふと思いついた真人は菓子同士を繋げていき、更に上からチョコレートの装飾を施していった。思ったよりもちゃんと繋がるので真人は自分の考えが正しかったことを知る。
「チョコを変えてやれば色も形も色々出来そうだ」
「それ、いいかも」
動物などの可愛い形にすれば喜ばれるかもしれない。そう考えている真人の作業を見ていた真輝はヒントを得たらしく、チョコレートを塗ったクッキーでマシュマロを挟んでいく。
つなげて、つなげて、更につなげて。
様々な色彩や味のチョコレートでコーティング。或いはサンド。
「……真人さんの、すごくおっきいんだよ」
もこはこれからの参考として皆の作るお菓子を見て回っていたが、真人の作るものが更に大きくなるのではないかと予感していた。そうして、もこは決意する。
「よし! ボクも皆みたいに頑張るんだよ!」
「その意気です、諷和さん」
クロスタールはもこに応援の言葉を送り、自分も調理をはじめていった。
用意されたビターチョコを使い、仕上げていくのは狐型のチョコ。顔の部分にホワイトのチョコレートペンで糸目を引き、慎重に絵を描いていく。
(「――大丈夫ですよね、何も起きませんよね……」)
目は上手く出来ているが、やはりクロスタールは心配だった。
見た目は綺麗に出来ているが、味はどうなのか。それはもう少し後に判明することになる。
そんな中でもこは苦戦していた。
湯煎は手伝ってもらって何とか出来たが、型からチョコレートを抜き出すときに力を込め過ぎてしまった。崩れたハート型のチョコレートは真っ二つ。チョコレートペンにおいては握り潰してしまう始末。
「うぅ、やっぱりボクにはお菓子作りなんて無理なのかなぁ……」
肩を落としたもこはしょんぼりしている。
しかし、近くで作業をしていた誰かが「ホットチョコレートつくろ!」と楽しげに語っている声が聞こえた。
「……ホットチョコレート? あれなら作れるかも!」
ぱっと表情を輝かせたもこは、他の調理器具が置いてある一角に駆けていく。
それから、暫し後。
「最後にチョコペンで笑顔を描いて――出来上がりだ」
昧はディアボロス型のチョコレートに笑顔を描いていた。どのチョコレートも個性が光る一品になっており、昧はとても満足した気持ちを抱いている。
「今回は、なかなか上手くできたんじゃないか」
周りの仲間の反応も悪くなかったので一安心。昧は深い安堵を抱き、辺りを眺めてみる。今まで気付いていなかったが、一行の中央には真人が作り続けていたものが完成していた。
「……途中から楽しくなりすぎた。なんだ、これ」
「真人のはその、ぜ、前衛的っていうのかな……食べたら絶対美味いとは思う」
「そう……ですね。美味しいですよ、多分」
完成したのは巨大な名状しがたきもの。八千代のフォローを受けた真人は、味は悪くないはずだと頷く。どう解体するかを考えていると、クロスタールが手伝いを申し出た。だが、クロスタールとしてはその前にやることがある。
「皆様、こちらを味見してもらえませんか?」
「味見……?」
真輝はクロスタールから受け取ったチョコレートをまじまじと見つめた。実は苦いのが得意ではないのだが、クロスタール作のものからはビターチョコらしからぬ甘すぎるほどの香りがしている。
「ビターのはずだったのですが、甘くなったりしてませんか?」
「ん、あまい」
「味が変わってなんてことは…………ある、のか」
真輝がチョコを齧り、八千代はどうしてビターがとんでもなく甘いのか悩んだ。やっぱりですか、と肩を落とすクロスタールだったが、昧と真人が甘くて悪いことはないと言ってくれた。
其処へ、人数分のカップを用意したもこがやってくる。
「みんな、おつかれさま! ホットチョコレートだよ。これを飲んで一息ついてね」
「ほっとちょこ。これも甘くて、おいしい」
もこが持ってきたカップを受け取り、真輝は口許を緩めた。仲間達ももこに礼を告げ、菓子作りで少しばかり疲れた身体を甘味で癒やしていく。
やや波乱めいたこともあったが、たくさんのチョコレートに囲まれる時間は悪くない。
新たな経験を経たことで、ぐっと仲も深まった気がして――仲間達はそれぞれに穏やかな眼差しを交わしあった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【クリーニング】LV2が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
恒星・沙織
【コンステラション・ヴィラ/✨】
ヴィラの皆さんとオリジナルアクセサリー作り
カズネちゃん先生に習いながらみんなとも相談して
素敵なゴールドのバングルを作っていきましょう
イベントを通じて皆さんとより仲良くなりたいです
ライオンをイメージした感じに作りましょうかね
ゴールドと合わせるなら宝石が良い感じでしょうか?
わぁっ! それは素敵ですね とアドバイスを聞いたり
こういうのはどうでしょうか と周りのお手伝いをしたりと
仲良く素敵なアクセサリーに出来ればいいです
経験は皆無なのですが手先は器用なほうですので
苦手としている方が居るならお手伝いをして回りましょう
最後はお星様に関係するようなワンポイントを入れて完成
斑鳩・燈子
【コンステラション・ヴィラ/✨】
バレンタインといえばチョコ、というイメージがあったけれど
アクセサリーとかも、いいね。上手につくれるかしら
わたしは、オレンジのファイアオパールとラピスラズリで、ブレスレットを作ろうかな
朝焼けのイメージで作る
金色の細いチェーンと、台座を使おうかな。…ちょっと、大人っぽい、かしら
アクセサリーってあまり付けないから、ちょっと気恥しいかも
一緒に作ってるみんなは、どんなイメージで作っているのかな。余裕があれば聞いてみる
工具、つかうのが難しいね…。石を傷つけないように、んん…
完成品はみせあいっこができたらいいな
…楽しい思い出ができちゃったな
これを付けるたびに、思い出せそう
橘樹・六華
【コンステラション・ヴィラ/✨】
カズネ先生の助言を聞いてバングル作りするよ。
動き回っても邪魔にならないんだって。イヤーカフも気になったけど、いただいたチョーカーがあるしバングルがいいかなって。
金属製の、あ、これ多分そのままでもシンプルなデザインとして使えそう。
ええと金属製の二連バングルを土台にして、青いビーズとピンクのビーズを交互に通した細いワイヤーでその間を、埋めるように編み込むようにしてみようかな。青いのはサファイヤの代わりでピンクはクンツァイトって石の代わり。
もっと詳しかったら交互じゃなくてお花にしたりとかできそうだけどもううん。慣れない事をぶっつけ本番でやるもんじゃないよね。
梼原・彩葉
【コンステラション・ヴィラ/✨】
ヴィラのみんなとアクセサリー作り、とても楽しみだわ!
カズネさんを先生にして、いろいろ教えてもらいながら作るわ。
カズネさんのいつもしているイヤーカフ、可愛いなと思っていたからそれを作ろうかしら。
さいは、料理はできるのだけれど、細工はあまり得意ではないのよね…。
ええっと、ここをこうして…?む、難しいわね。
あっ、さいはの使っている大剣にあるみたいな、青い細長い線をモチーフに入れたいのよね。
何かいい案はあるかしら?
完成したらみんなと完成品を見せ合って、実際につけて帰るわ。
ヒュー・ハルウェル
【コンステラション・ヴィラ/✨】
ヴィラの皆様とアクセサリー作りに参加致します。
作るのは初めてですが、頼れるカズネ嬢…先生がいらっしゃるので、安心ですな。どうぞよろしくお願い致します。
月長石とアンティークシルバーを使って、『お嬢様(スフィンクス)』へバレンタインの贈り物を作ります。
カズネ先生のイヤーカフを参考に、猫柳をモチーフにした耳飾りに致しましょうか。
ドラゴニアンの手では細かい細工は難しいですなぁ。
皆様、お上手ですな。とてもお似合いでございますぞ。
カズネ・ヤーセル
【コンステラション・ヴィラ/✨】
ヴィラのみんなと一緒にアクセサリー作りだって!
私アクセいっぱいしてるし、作るのも教えられるよ。
えへへ、先生って呼んでもいいからねー。
って、ちょっとえへんと胸張ってみたり。
てことで困ってる人がいたら手助けするよ。
私のイヤーカフとかバングルとかアクセを見せてみたり、こういうパーツどうかなって見せてみたりとか。
みんなに教えつつ、私もアクセサリー作るよ。
何にしようかなー。ラピスラズリ使ってるアクセ今無いからこれにしようかな。
これに、この土台を合わせてブローチかな。
うん、キレイ!
みんなと出来たの見せあって、着けて帰るよ!
宮生・寧琥
【コンステラション・ヴィラ/✨】
バレンタインドキドキのねーこなのである
色気のある意味では…ない!
アクセ作りがんばる、ぞぉー!
ねーこはねぇ、パパとママにあげるんだぁ
ぃへへ、戻ってきたらびっくりするかもぉ
ママにはバレッタ、パパにはブローチ
アクセ作り初めてだから、他の人のをこそっと覗き見したり、カズちゃんせんせーにこそっと聞いたりして進めるよぉ
鈴と肉球の跡でネコっぽく…子どもっぽぃかなぁ?
星入れるのもまねっこしちゃおっ
うーん…ねーこ、へたくそかもぉ…
いや、これはヘタかわ…!
完成したみんなの見て、わぁわぁはしゃぐよぉ
すごぉい!みんなじょーずだねぇ…!
それどぉやったの?とか
終わった後も、たのしぃねぇ
エヴァ・フルトクヴィスト
【コンステラション・ヴィラ/✨】
ヴィラの皆さんとの思い出作り、今回はアクセサリー作りですね!
作るのはイヤーカフと悩んだのですが。
私の髪型も鑑みるとイヤリングの方が見えますのでそちらで!
カズネさんはご自身でも作られている熟練者。
分からない所は教えを乞いながら作っていきますよ。
雫型の蒼と紅の宝石を用意して、金のフレームで形作りますよ。
最後に妖精さん達に力を込めて貰って、中に光の珠が揺らぐ、
神秘性を持たせてみましょう!
最後に実際につけてみて感想を聞いたり、
皆さんのアクセサリーを見て、素敵ですね!と笑顔で感想を述べたり。
貸し借りして誰が似合うか試してみたりと、
皆さんとの楽しいひと時を過ごしますよ!
●きらきらハンドメイドタイム
甘やかな香りが薫るバレンタインイベント会場。
今日の一番の目的はオリジナルアクセサリー作り。とろける食感の美味しいチョコレートも素敵だが、ずっと残り続ける思い出の形もいいものだ。
「バレンタインといえばチョコ、というイメージがあったけれどアクセサリーとかも、いいね」
上手につくれるかしら、と会場を見渡した斑鳩・燈子(行先照らすランタン・g01965)。燈子の視線の先にはテーブルの上に用意された色とりどりの天然石やパーツがある。その近くでは宮生・寧琥(まよえる いきもの・g02105)と梼原・彩葉(夢追いクレイモア・g06256)がわくわくした気持ちを抱いていた。
「バレンタイン、ドキドキのねーこなのである。もちろん、色気のある意味では……ない!」
「みんなとアクセサリー作り、とても楽しみだわ!」
「すごいよね、こんなにいっぱいパーツがあるんだね」
カズネ・ヤーセル(宝飾アルアブラージ・g03152)も楽しみだと話し、皆に視線を向けた。此処に集まった者の中には手作りに慣れていない仲間もいる。
えへん、と胸を張ったカズネは皆に笑顔を向けた。
「私アクセいっぱいしてるし、作るのも教えられるよ。えへへ、先生って呼んでもいいからねー」
「カズネちゃん先生ですね。頼りにさせてください」
恒星・沙織(夢砂に想いをこめて・g01008)が穏やかに微笑み、仲間達に何も心配はないと語った。普段から共に過ごす皆と一緒にこうして何かを作る機会が訪れるのは楽しいこと。
このイベントを通じて皆とより仲良くなりたいと考えた沙織は、賑わいを優しく見守る。
「カズネ先生、助言よろしくね」
「私も作るのは初めてですが、頼れるカズネ嬢……先生がいらっしゃるので安心ですな。もちろん先生だけではなく、皆様もどうぞよろしくお願い致します」
橘樹・六華(常葉雪片・g03430)とヒュー・ハルウェル(猫狂いの老執事・g04975)もカズネや仲間に挨拶を告げ、これから始まる時間を思う。
「カズネさんはご自身でも作られている熟練者なのですね。分からない所があったら聞かせてください」
「ふふ、カズネさん先生にお任せね」
エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)と彩葉も色々と教えてもらいたいと願い、穏やかに笑んでみせた。きっと今日はアクセサリーと一緒に思い出を作っていけるはずだ。
「アクセ作りがんばる、ぞぉー!」
「頑張ろうね!」
寧琥が意気込み、皆の期待を受けたカズネも明るく笑む。
一行はどんなアクセサリーにしようかと想像を巡らせていった。そして、此処から楽しい時間が始まる。
「困ってる人がいたら手助けするからね!」
カズネの元気な声と共に、それぞれがパーツを選んでいく。
イヤーカフやバングルなどのアクセサリーを見せていくカズネは、迷っている子達にアドバイスをしていった。
わいわいと賑わっていく様子を確かめつつ、沙織はバングルのパーツを手に取った。煌めくゴールドが印象的なバングルは何だか凛とした雰囲気が見える。
「そうですね、私はライオンをイメージした感じで作りましょうかね」
このゴールドと合わせるなら宝石めいた輝きを宿す天然石がいいだろう。カットされたストーンが並ぶコーナーで自分の好きな色のパーツや石を選んだ沙織は手際よく作業を進めてゆく。
彼女の向かい側では燈子が丁寧にパーツを繋げている。
「わたしは、朝焼けのイメージで作ってみるよ」
燈子が選んだのオレンジのファイアオパールとラピスラズリ。これらでブレスレットを作ろうと決めていた燈子の手元には金色の細いチェーンと台座があった。
「……ちょっと、大人っぽい、かしら」
燈子は普段、あまり装着品を付けない。少し気恥ずかしい気もしたが一緒に皆がいてくれることがとても快い。後で他の皆がどんなイメージで作っているのか聞いてみようと決め、燈子は真剣に作業に集中していった。
「工具、つかうのが難しいね……。石を傷つけないように、んん……」
「なかなかの器用さが求められるのね。さいは、料理はできるのだけれど、細工はあまり得意ではないのよね……」
彩葉は燈子をそっと応援しながら、自分が作ると決めたイヤーカフをじっと見つめる。カズネがいつも装着しているものが可愛いと思っていたので、彩葉としても良い機会だと感じたようだ。
「ええっと、ここをこうして……? あっ、パーツが落ちちゃった」
「大丈夫ですか?」
「む、難しいわね。でも、なんとか……!」
彩葉の様子に気付いた沙織が手助けに入る。ありがとう、と嬉しげに伝えた彩葉は着々と作業を進めていっている。
「そうだ、さいはの使っている大剣にあるみたいな、青い細長い線をモチーフに入れたいのよね」
「わぁっ! それは素敵ですね」
「何かいい案はあるかしら?」
「それでしたら、こういうのはどうでしょうか」
彩葉と沙織が相談をしながらアクセサリー作りに没頭していく中、六華もバングル作りに励んでいた。
六華は動き回っても邪魔にならないものが欲しいと願っていたようだ。彩葉のようなイヤーカフも気になったが、既にいただいたチョーカーがあるので顔まわりのアクセサリーよりも、バングルがいいと思ったらしい。
「金属製の、あ、これ多分そのままでもシンプルなデザインとして使えそう。ええと……それから金属製の二連バングルを土台にして、青いビーズとピンクのビーズを交互に通した細いワイヤーで……」
間を埋めるようにして編み込んでいく六華は真剣だ。
青い部分はサファイヤの代わり。そして、ピンクはクンツァイトという石の代わりにした。
「もっと詳しかったら交互じゃなくてお花にしたりとかできそうだけども……ううん。慣れない事をぶっつけ本番でやるもんじゃないよね」
今回は簡単に済ませようと考えた六華はしっかりと作業をしていく。
その近くの席では、ヒューがスフィンクスのお嬢様に贈るアクセサリーを作っていた。
「お嬢様、如何でしょうか」
ヒューが選んだのは月長石とアンティークシルバーを使った装飾品だ。それはいつも傍に居てくれるお嬢様への感謝の証であり、世界にたったひとつのアクセサリーとなるものだ。
カズネのイヤーカフを参考にして、ヒューは猫柳をモチーフにした耳飾りを作り上げていく。しかし、人間サイズの道具やパーツが多いのでヒューには少しばかり小さい。
「いやはや、ドラゴニアンの手では細かい細工は難しいですなぁ。パーツも転がっていきそうで……」
「だったらね、ねーこがパーツを並べていくねぇ」
「私も細かな部分をお手伝いしますね」
ヒューが困っていることを知った寧琥とエヴァは道具を並べ直したり、小さな連結が必要な部分を手助けした。ヒューは深く礼を告げ、横で見ていたお嬢様も上機嫌に尻尾をぴんと立てた。
そして、ヒューは彼女達の作業台に目を向ける。
「お二人は何を作っているのですか?」
「イヤーカフと悩んだのですが、私の髪型も鑑みるとイヤリングの方がよく映えるので、こちらです」
エヴァは雫型の蒼と紅の天然石を用意していた。
そのふたつを金のフレームで纏めたエヴァのイヤリングは完成目前。あとは最後に妖精達に力を込めて貰えば、中に光の珠が揺らぐ神秘的な一品の出来上がり。
煌めくイヤリングを眺めながら、寧琥は嬉しそうに笑う。
「ねーこはねぇ、バレッタとブローチ! パパとママにあげるんだぁ」
「お父様とお母様に……実に素敵な計画ですな」
「ぃへへ、戻ってきたらびっくりするかもぉ」
「はい、きっと喜んでくれますよ!」
寧琥が懸命に作っていたバレッタとブローチを見つめ、ヒューとエヴァは微笑ましい気持ちを抱く。
アクセサリー作りは今回が初めてな寧琥はこれまで、皆の作り方をそっと覗き見したり、カズネにこっそりと作り方のコツを聞いて失敗しないように頑張っていた。
「カズちゃんせんせー」
「どうしたの?」
「鈴と肉球の跡でネコっぽくしてみたけど、子どもっぽぃかなぁ?」
「ううん、すごく可愛い!」
寧琥に呼ばれたカズネは、気持ちが込められていて良いと答えた。嬉しくなった寧琥は作業を進める。そのとき、沙織が星を思わせるワンポイントを入れている姿が見えた。
「星入れるのもまねっこしちゃおっ! でも、うーん……ねーこ、へたくそかもぉ……」
「そんなことないよ。可愛いのは間違いないから大丈夫」
寧琥が首を傾げているところへ燈子がフォローを入れた。カズネや沙織もにこにこと見守っており、仲間達から優しい眼差しを感じた寧琥は自信を持つ。
「ほんと? そっか、これはヘタかわ!」
「さぁ皆様、仕上げてしまいましょうか」
「そうですね!」
「よし、何にしようか迷ってたけどこれに決めた!」
ヒューとエヴァが皆に呼び掛け、カズネも教えながら作っていた自分のアクセサリーの仕上げを行い始めた。
カズネはラピスラズリを手に取り、ブローチの土台と合わせてみる。使っている装飾品にはまだラピスラズリはなかったという現状が決め手になったようだ。
「うん、キレイ!」
「仲良く楽しく、素敵なアクセサリーが出来上がりましたね」
カズネが満足気にブローチを光に翳す中、沙織も星を宿すアクセサリー達を瞳に映した。
そうして、仲間達は出来上がった装飾品のお披露目会を始める。
沙織が作ったのはライオンを思わせるゴールドのバングル。
燈子は細身のチェーンが美しい朝焼けをイメージしたブレスレット。
六華はビーズをあしらった金属製の二連バングル。
彩葉は自分の大剣を思わせる青い細長い線を入れ込んだイヤーカフ。
ヒューはお嬢様に贈る、猫柳めいた耳飾り。
カズネはラピスラズリが美しく煌めくブローチ。
寧琥は鈴と肉球を可愛く飾った、パパとママにいつか渡すためのバレッタとブローチ。
どれも個性が星のように光り、想いが籠もった世界にひとつしかない特別な一品だ。沙織はさっそく自分の腕にバングルをはめてみせ、皆に披露していく。
「どうでしょうか、煌めく星の色みたいにしてみました」
「皆様、お上手ですな。とてもお似合いでございますぞ」
ヒューもお嬢様に耳飾りを装着してやりながら、仲間達のアクセサリーをひとつずつ褒めていった。同じように寧琥も完成した皆の品を眺める。
「わぁわぁ、すごぉい! みんなじょーずだねぇ……!」
それどぉやったの? と皆に問いかけていく寧琥は目を輝かせている。終わっても楽しい時間が続いていることが嬉しくて堪らないといった様子だ。
「みんな可愛いんだよ!」
「素敵ですね! どれも綺麗で、少し付けさせて貰いたいくらいです」
「だったらちょっと交換してみる?」
「さいはのも、つけてみていいわよ」
六華とエヴァが感想を伝えると、カズネと彩葉が自分のブローチとイヤーカフを差し出してくれた。色合いや雰囲気を知れば、いつかまたアクセサリーを作ったり選んだりするときの参考になるかもしれない。其処に沙織と燈子も加わり、和気藹々とした楽しいひとときが巡っていった。
「……楽しい思い出ができちゃったな。これを付けるたびに、思い出せそう」
燈子は煌めくアクセサリーを見つめる。
今日の特別な記憶はきっと装飾品達にも宿ったに違いない。この輝きや光、色彩を見る度に思い返されるであろう楽しい時間を想いながら、燈子は静かに微笑んだ。
そして――其処からもまた、暫しの賑わいの時間が続いていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【照明】がLV2になった!
【エアライド】がLV3になった!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
鳴守・陽葵
🐤
ちょこれーと!
甘くて、おいしい。陽葵がすきなおかし
おかあさんから、もらったことあるおかしなの
いまはプレゼント、できないけど
でも、でも。おかあさんとおとうさんに作ってあげるんだ
パパのチョコレート、つくる…!
パンダさんのかたち、白と黒色のチョコレート
甘い香りにそわそわ
そーっとつまみ食いした味は甘いミルクで
! おいしい
他のチョコも気になるけど、パンダさんのチョコ作らなくちゃ
型からはみでないよう真剣に
冷やし固まるまでそわそわうろうろ
ちゃんとできてるかなぁ
型から外すときはドキドキ
パンダさんが顔を覗かせると笑顔が咲いて
あとは青いお花の飾りあるかな
パパの帽子と同じお花
おひげもね、ちゃんと描かなくちゃ!
●ひよこさんとパンダさん
甘く薫る暗褐色のミルクチョコレート。
甘酸っぱさが心地いいストロベリーに鮮やかな緑色のピスタチオ、爽やかな橙色のオレンジピール入り。
真っ白な雪のようなホワイトや、大人の味わいが不思議なビターチョコレート。
「ちょこれーと!」
目の前に並ぶ色とりどりのお菓子の中で、ミルクチョコレートと同じ色をした瞳を輝かせ、鳴守・陽葵(星渡り・g04972)はぎゅうっとぬいぐるみを抱きしめる。
チョコレート。それは甘くておいしい、陽葵が好きなお菓子。
「パパもコスモス、みて。おかあさんから、もらったことあるおかしなの」
陽葵は傍に寄り添う白黒パンダと、腕に抱く小さなパンダのぬいぐるみに語りかける。もし自分でうまく作れたならば、お返しをしたいと思えた。
「いまはプレゼント、できないけど……。でも、でも。おかあさんとおとうさんに作ってあげるんだ」
どこかにいるはずだけれど、まだ逢えない両親を思った陽葵は甘い香りがするクッキングスペースに入ってみる。
其処ではみんなが楽しそうに菓子作りに興じている。
「わぁ……!」
ドアのすぐ側で様子をうかがっていた陽葵。その様子に気付いた新宿島の人が、おいでおいでと手招いてくれた。
「いらっしゃい。君も何か作っていく?」
「いいの? パパのチョコレート、つくる……!」
パンダ達を示した陽葵はぱたぱたとキッチンに駆けていく。用意されたのは可愛いパンダの形をした型と白と黒の湯煎チョコレートだ。甘い香りにそわそわしてしまい、陽葵がちょこっとつまみ食いしたのは甘いミルク味。
「! おいしい」
これならおとうさんとおかあさんも喜んでくれるはず。苺やオレンジも気になったが、今はパンダさんチョコを作らなくちゃ、と決めた陽葵は渡されたエプロンをしっかりと着た。
「こうして、こう?」
「そうそう、上手だよ!」
先程の人に教えて貰いながら、陽葵は一生懸命にチョコを型に流していく。
陽葵は目や耳の部分が型から零れないよう真剣に作業を進めた。体にあたるホワイトチョコレートは少しはみでてしまったけれど、ふっくらとしたパパのようで逆に上手くいったかもしれない。
陽葵はチョコレートが冷やし固められるまで、冷蔵庫の近くをそわそわうろうろしていた。
「ちゃんとできてるかなぁ」
出来ていなかったらもういっかい。簡単だけれど、お菓子作りの楽しさを知った陽葵はわくわくした気持ちを抱きながら、他の人々の様子を眺めていた。
そうして、暫し後。
型からチョコレートをそうっと外していった陽葵は、調理台の上を見つめた。
パンダが顔を覗かせたことで陽葵に笑顔が咲く。それはチョコレートクッキングが大成功した証。パパチョコレートのお供として添えるための、ちいさなひよこ型チョコレートもいっぱい作ることが出来た。
「あとは青いお花の飾りあるかな。おひげもね、ちゃんと描かなくちゃ!」
パパの帽子と同じお花を用意して、更に髭も描きたいとして、陽葵は意気揚々と腕まくりをしていく。
少女の様子は実に楽しそうで、その笑顔はきらきらと輝いていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
朔・冥夜
【狐兎】
🐈
今年は直接渡せそうだし
何作ろうか
傍らでも何やら悩む声音
聴こえた単語に、首傾げ
……なあ、もしかして、彗と知り合い?
へえ、友達。
何かの縁かな、俺は兄の冥夜だよ
妹にも作ってくれんの
それじゃ是非御一緒させて
宜しく頼むぜ、雪璃?
俺はアイシングクッキーに
まあ、絵心とかは無いけど
拙いなりに星や猫の絵をカラフルに彩る
マカロンも可愛いもんだな、って
手元覗き込んで感心する
妹の好みが詰まってる
雪色の箱に星屑リボンを結び出来上がり
え、俺にも?
サンキュ、……ふは、かーわい。兎じゃん。
俺も……狐のクッキー、食ってくれる?
差出すのは和柄のラッピングに
赤リボンを結んだもの
コン!のポーズで瞳眇めて
ああ、きっと喜ぶさ
茜來・雪璃
狐兎
🐈
んー、何がいいかな
マカロン、ガトーショコラ…フォンダンショコラもいいなあ
彗はどれが好きだろう…?
ん?彗は友達だけど…
え!?彗のお兄さん!?
ぁ、私は雪璃っていうの
ね、ね。一緒に彗に渡すチョコ作らない?
こちらこそよろしく、冥夜
よし、マカロンにしよ!
鼻歌を歌いつつ手際良く
チョコの耳挿してー…チョコペンでお絵かき!
じゃん!猫マカロン!
こっちは雪の結晶にしよ
あとはラッピングだ
ん!我ながら良い出来!
青地に雪の結晶模様のリボンを結び満足げ
はい、こっちは冥夜のね
彗は猫で、冥夜は兎にしてみたんだ
紫に星模様のリボン付き
わあ、狐!
いいの?ありがとう!
コンコンとお返事
ふふ、楽しかった
彗、喜んでくれると良いねえ
●狐と猫の甘い縁
甘やかな雰囲気と薫りに満ちた会場。
訪れた人々が楽しげにチョコレートや菓子を作るクッキングスペースにて。
「今年は直接渡せそうだし、何作ろうか」
朔・冥夜(星朧・g06409)は調理台に並べられた器具や材料を眺め、暫し考えを巡らせていた。その近くでは、同じく菓子作りに訪れた茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)が悩みに悩んでいる。
「んー、何がいいかな」
マカロン、ガトーショコラ。フォンダンショコラもいいなあ、と言葉にしている雪璃は真剣だ。
傍らでも何やら悩む声。何だか本気の子がいる、と感じていた冥夜は微笑ましさを覚える。すると、その子の方から聞き覚えのある名前もとい愛称が聞こえてきた。
「彗はどれが好きだろう……?」
「……なあ、もしかして、彗と知り合い?」
「ん? 彗は友達だけど」
首を傾げた冥夜が問いかけると、雪璃は自分の友達のことを話す。どうやら同じ呼び名の別人だというわけではなく、二人とも一緒の人物のことを話しているようだ。
「へえ、友達。何かの縁かな、俺は兄の冥夜だよ」
「え!? 彗のお兄さん!? ……ぁ、私は雪璃っていうの」
図らずも兄と友人として邂逅した二人は自然に名乗りあった。雪璃は驚きながらも快い笑みを向け、偶然の出会いに嬉しさを抱いている。その証拠に尻尾がふんわりと揺れていた。
そして、雪璃は名案を思いつく。
「ね、ね。一緒に彗に渡すチョコ作らない?」
「妹にも作ってくれんの」
「もちろん!」
「それじゃ是非御一緒させて。宜しく頼むぜ、雪璃?」
「こちらこそよろしく、冥夜」
冥夜が名を呼んでくれたことで雪璃も名前をしっかりと呼び返す。互いに交わした眼差しと笑みは快く、二人は大切な相手へ贈るお菓子を作っていく。
材料と調理器具が揃っていれば、二人はある程度のものならば作ることが出来る。
揃えられたものを眺めていた雪璃は作る菓子を決めた。
「よし、マカロンにしよ!」
「じゃあ俺はアイシングクッキーにするか。まあ、絵心とかは無いけど」
雪璃に続き、冥夜も自分が作るものの方向性を定める。絵心がないとしても、こういった手作りの菓子は心が籠もっていることが大事だ。見た目がどうなったとしても美味しければ良い。
そうして、冥夜は用意されたクッキーにアイシングを施していく。拙いなりにもしっかりと、星や猫の絵を描いてカラフルに彩る作業は楽しいものだ。
その横では雪璃が鼻歌を歌いながら、手際良くマカロンを作り始めた。丁寧にメレンゲを作っていき、クッキングシートを敷いた天板に絞っていく。ここでちゃんと全部が同じくらいの丸になっていることが可愛くみせるためのコツ。
絞り終えたら後はオーブンで焼いていくだけ。
焼き菓子を作っているときの楽しみは、美味しそうな香りが焼き上がりに近付く度にふわりと広がっていくこと。
雪璃はマカロンのガナッシュを用意しながら、オーブンの様子を確かめる。
暫し後、雪璃の菓子が焼き上がった。
ふわっとまんまるなマカロンを見遣った冥夜は楽しげに笑う。
「マカロンも可愛いもんだな」
「ふふ、まだまだここからだよ。これにチョコの耳を挿してー……チョコペンでお絵かき!」
「へぇ、もっと可愛くなるのか」
雪璃の手元覗き込んで感心する冥夜が双眸を細めた。そして雪璃は次々と可愛いマカロンを仕上げていく。
「じゃん! 猫マカロン! こっちは雪の結晶にしよ」
「すごいな、妹の好みが詰まってる」
その間に冥夜はアイシングクッキーを雪色の箱に入れ、星屑リボンを結んでいった。これで出来上がり、と箱を眺めた冥夜の様子に気付き、雪璃もラッピングを開始する。
「ん! 我ながら良い出来!」
雪璃がマカロンを入れたのは青地の箱。其処に雪の結晶模様が可愛いリボンを結わえて、ばっちり完成。
満足げな雪璃は箱をふたつ用意していた。片方は友人のため。もう片方の紫に星模様のリボン付きの箱は――。
「はい、こっちは冥夜のね」
「え、俺にも? サンキュ、開けていい?」
「ぜひ見てみて。彗は猫で、冥夜は兎にしてみたんだ」
「……ふは、かーわい。兎じゃん。実は俺も……狐のクッキー、食ってくれる?」
そういって冥夜が差し出すのは和柄のラッピングに包まれたクッキー。赤いリボンを結んだ袋を受け取った雪璃は嬉しそうに口許を緩めた。
「わあ、狐! いいの? ありがとう!」
冥夜も雪璃も、同じ相手を思う者同士で贈り合う菓子を用意していたようだ。雪璃はコンコンと返事をして喜ぶ。その姿を見た冥夜は瞳を眇めた。
「ふふ、楽しかった。彗、喜んでくれると良いねえ」
「ああ、きっと喜ぶさ」
雪璃が微笑み、冥夜も大切な人を想う。
今日という日に作り上げたお菓子は、きっと――心に残り続ける素敵な想いの証になる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV2になった!
エリル・ウィスタリア
【ミント】🐤
ちょこれいと、ちょこれいと、甘くてとろとろー。
皆にはたくさんお世話になってるし、頑張って作るわよ。
…なに、翠。大丈夫よ。クリスマスの時みたいな失敗はしないんだから。
私不器用じゃないもん。
型に流すだけでしょ?簡単簡単…猫さん型から少し溢れたけど大丈夫問題ないわ。
固まってきたら可愛くしてー、チョコペン?私もなにか書く!
ぐりぐり可愛い模様を描いて、縁にも違う色のチョコペンでラインを…難しい。
皆のイメージで完成よ。
麻緒はピンクの猫さんで、オリヴィエは少し苦い黒猫さん。
莱は白猫さんで蕙は甘い茶猫。
す、翠にないのかって…見て笑わない?うまく、出来なかった緑の猫さん、なんだけど。
食べてくれる?
三苫・麻緒
【ミント】で🐤
チョコの甘い香りっていいよね
友チョコづくり、頑張るぞー!
…こっそり「全部自分用にしそう」とか言った子は誰かなー?
私はもう少し難しいやつでも大丈夫だけど、小さい子とか心配な人とかいるからね
小さめのハートの型にミルクチョコを流し込んで思いっきりデコレーションする感じで、小学生とかが作りそうなのを量産しちゃおうっと
表面にカラースプレーをまぶしたり、縁のところをアラザンでデコったり
あ、中心にピンクのチョコペンでハートを書くのもかわいいかなー
ちゃんとみんな用に5個をラッピングして寄せておいて、あとは自分用に!
やっぱり自分用のチョコは必要だよねー!
みんなのチョコも力作でおいしそう!
五百雀・翠
【ミント】🐤
バレンタインねえ。そんなのやれる余裕が出来たのは良い事だな。モテない狐には無関係な話だが。
友人達の様子を窺いながらチョコ作り。麻緒はそれ全部自分で食いそう…いや、何でもない。
宝石の型を6個借りて、さくさくチョコを流していく。2種類混ぜて、マーブルにすっか。
あとは小さなチョコ型にも。これはあとでパーツに使うやつ。
固まるのを待ってる間に皆が大丈夫か一応確認。戦場チョコ作成や耐久テストしてるやつはいないな?
良い感じに固まったら、宝石型の上に小さなチョコをくっつけていこう。
それぞれ友人達イメージのチョコ完成。我ながら良い出来だ。
…で、エリルは俺の分ないのか?不格好でも笑いやしえねよ。
葉古森・莱
【ミント】で🐤
バレンタインの起源は実は怖いとか、チョコが主役なのは日本だけとか、少し聞いただけじゃ難しいことも多かったけれど、素敵な行事だってことは覚えたよ!
チョコづくり、難しそうだけど…頑張るね
麻緒さんはいっぱい作っても全部一人で食べちゃいそう…ぴぃぃ!?
ど、どうしよう…色々あって迷っちゃうよう
チョコのお花ならプレゼントにしても大丈夫、だよね?
小さめのお花の型をいっぱい使って、色々な味のチョコをそれぞれに流してっと…
こんなにたくさんの味があるってはじめて知ったから、味違いで楽しめたらいいなって思ったの
みんなに配る用と、お墓にお供えする用
どっちもなんとか完成
あとでみんなと交換できたらいいなぁ
オリヴィエ・ルー
【ミント】で🐤
菓子を贈り合う日か
手間ひまかけた手作り品を貰う、渡す……なるほど、その嬉しさは何となく分かる気がするな
料理は得意とは言えないけれど、5人にはいつもお世話になっているし、ボクも頑張ってみるね
作り方も教えてもらえるし、食品に対する加減というのは心得たつもりだから大丈夫だよ
ほら、マシュマロに色々なフレーバーのチョコをかけて固めるだけ
これなら失敗のしようもないし、何か言いたげな視線を向けられることもない
あとで飾りは嫌という程つけるとして、このぐらいシンプルなものが安全だよね
凝ったものや難しいものは、もう少し料理に慣れてから
こういう経験、もっと積んでいきたいな
枸橘・蕙
【ミント】のみんなと🐤
ちょーこれいと、ちょーこれいと、ちょこれいとーはーふんふんふん♪
ウマくて見た目スゲーおやつもらうと、元気でるよな!
おれのゲージュツ、おやつでも見せてやるぜ!
おれ、アレがいい!ちっさい入れ物にチョコながして、固めるヤツ!
見た目ぜんぶ同じ形だけど、この上に木の実とか、きらきらした銀色のやつとか、砂糖のかざりとか、どんどん乗せてくんだ
みんなにあげるおやつだし、なんか『みんなっぽい』かざりがいーな
色とか、形とか……チョコの味もかえたら、個性でるよな?
あとあと、おれもチョコほしーし、おれ用のも忘れないで作っとく!
毎日ちまちま食べるんだーへへへ
●皆の想いと甘い形
「ちょこれいと、ちょこれいと、甘くてとろとろー」
「ちょーこれいと、ちょーこれいと、ちょこれいとーはーふんふんふん♪」
賑わうイベントが開催されているクッキングスペースに可愛らしい歌が響いている。その声の主はエリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)と枸橘・蕙(そらを描く・g02980)だ。
上機嫌にお菓子作りの準備を進めていくエリル達。
その近くでは、オリヴィエ・ルー(青を宿す・g01610)は周囲の賑やかさを眺めていた。
「菓子を贈り合う日か」
手間暇をかけた手作りの品を貰う。或いは渡す。互いに贈り合う人々もいるという。
「……なるほど、その嬉しさは何となく分かる気がするな」
オリヴィエは甘い香りが満ちるキッチンを見遣った。オリヴィエとしては料理が得意だとは言えないが、これを機に普段から世話になっている相手に感謝の形を贈ってみるのもいい。
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)も調理器具を運びながら、甘い匂いを楽しんでいる。
「チョコの甘い香りっていいよね」
普段からチョコミントの色彩に惹かれている麻緒はラッピング用品にも目を奪われていた。どのような包装にしようかと考えるのもまた贈り物作りの醍醐味だ。
「友チョコづくり、頑張るぞー!」
「う、うん……。チョコづくり、難しそうだけど……頑張るね」
麻緒に続き、葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)が気合いを入れる。モーラット・コミュのけだまは邪魔にならないように椅子の上でぴょこぴょこしていた。
そうして、少しばかりバレンタインの風習を調べてきた莱は気を取り直す。バレンタインの起源は実は怖いものだとか、チョコレートが主役になっているのは日本だけだという情報もあって、難しいことも多かった。
けれども、此処で行われるイベントが素敵な行事だということはしっかりと覚えている。
五百雀・翠(天つ風・g03977)はやる気でいっぱいな少女達の様子を見守りつつ、様々なチョコレートをひとつずつ確かめていた。カラフルなチョコレートは見ているだけでも面白い。
「バレンタインねえ。そんなのやれる余裕が出来たのは良い事だな」
モテない狐には無関係な話だが、と付け加えた翠はふとあるものに目を留めた。自分の髪と似た色をしている抹茶味のチョコレートを手に取ってみると独特の良い香りが薫る。
エリルとオリヴィエもチョコレートを選びながら、これからへの思いを抱いていた。
「皆にはたくさんお世話になってるし、頑張って作るわよ」
「そうだね。皆にいつもお世話になっているし、ボクも頑張ってみるね」
此処では作り方も教えてもらえる。それにこれまでの経験から、オリヴィエも食品に対する加減を心得たつもりでいる。きっと大丈夫だと感じているエリルとオリヴィエの傍で、麻緒も必要な材料を集めていた。
「よーし、こんなものかな!」
「それだけ用意しても、麻緒はそれ全部を自分で食いそう……」
「麻緒さんはいっぱい作っても全部一人で食べちゃいそ――」
翠と莱が麻緒に対する素直な感想を言葉にする。しかし、それが全て紡がれる前に麻緒本人が察知した。二人の方に向き直った麻緒は笑顔で問いかける。
「何だかおかしなことを言ってる子は誰かなー?」
「いや、何でもない」
「ぴぃぃ!?」
その笑みに威圧感を感じた翠と莱が、さっと視線を逸らす。彼らの様子を見ていた蕙は明るく笑い、今から巡っていく時間が賑やかで楽しいものになる予感を抱いた。
「ウマくて見た目スゲーおやつもらうと、元気でるよな! おれのゲージュツ、おやつでも見せてやるぜ!」
蕙の狐尾が嬉しげにぱたぱたと揺れている。
そうして、それぞれの思いと共にバレンタインクッキングが始まっていった。
湯煎したチョコレートとマシュマロ。
そのふたつを用意したオリヴィエは一番簡単な菓子作りを行っていく。
「ほら、これでどうかな」
真白なマシュマロにミルクやホワイト、ストリベリーやブルーベリー、抹茶などの色々なフレーバーのチョコレートをかけて固めるだけの一品だ。
「これなら失敗のしようもないし……うん、上出来」
それに何か言いたげな視線を向けられることもないから、と語ったオリヴィエは次々とマシュマロをチョコの海に潜らせていった。もちろんこれだけではなく、あとで飾りは嫌という程につける。
「このぐらいシンプルなものが安全だよね」
凝ったものや難しいものは、もう少し料理に慣れてからがいい。オリヴィエが安心安全な調理を行っていることにほっとした麻緒は、こくこくと頷いた。
「私はもう少し難しいやつでも大丈夫だけど、小さい子とか心配な人とかいるからね」
それゆえに麻緒も今回は簡単なものに挑戦している。
まずは小さめのハートの型を用意していき、其処に溶かしたミルクチョコレートを流し込んでいく。土台をシンプルにいしているのはこれから思いっきりデコレーションを行うからだ。
たとえるならば小学生がバレンタインに作りそうなもの。
「いい感じ! 量産しちゃおうっと。ふーんふふふーん、ちょっこれいーとー」
麻緒は鼻歌を口遊みながら、ハートチョコの表面に色とりどりのカラースプレーをまぶした。それから縁の部分を銀のアラザンで色付けていく。
「あ、中心にピンクのチョコペンでハートを書くのもかわいいかなー」
くるくる、っと。
そんな風に麻緒は楽しみにながら作業を進めている。其処にひょこりと顔を出したのは蕙だ。
「おれもコレがいい!」
小さい入れ物にチョコレートを流して固めるヤツ、と主張した蕙は麻緒の隣で型を並べていった。
見た目は全て同じ形だが、蕙には考えがあるようだ。
「この上に木の実とか、きらきらした銀色のやつとか、砂糖のかざりとか、どんどん乗せてくんだ」
芸術を志す者として蕙の想像は広がっていく。
自分で食べるのも楽しみだが、これは皆にあげるおやつ。少し工夫をした方がきっと良い。
「なんか『みんなっぽい』かざりがいーな。色とか、形とか……チョコの味もかえたら、個性でるよな?」
蕙は楽しく悩みながらチョコレート作りを進める。
そんな中で翠はてきぱきと作業を行っていた。彼は六個分宝石の型を借りてきていた。湯煎されたチョコレートをさくさくと型に流していく翠。次第に慣れてきたのか、彼の手際はだんだんと良くなっている。
「二種類混ぜて、マーブルにすっか」
あとは小さなチョコ型にもチョコレートを入れ込み、あとでパーツとして使うものを作り上げていく。翠はチョコレートが固まる時間を使い、他の皆が大丈夫であるかを確認していった。
「戦場チョコ作成や耐久テストしてるやつはいないな?」
「……なに、翠。大丈夫よ。クリスマスの時みたいな失敗はしないんだから」
彼の問いかけに反応したのはエリルだ。
不器用じゃないもん、と呟いた彼女は過去を思い返していた。イメージが上手く着地しなかっただけであり、美味しいものを作った自信はある。元の食材が良かったというのは、さておき。
「型に流すだけでしょ? 簡単簡単……猫さん型から少し溢れたけど、大丈夫。問題ないわ」
「さっそく問題が……まぁ、いいか」
「いいの! 固まってきたら可愛くしてー……あ、これってチョコペン? 私もなにか書く!」
エリルは皆の様子を知り、チョコレートペンを手に持つ。気持ちの赴くままにぐりぐりとチョコレートに可愛い模様を描いていき、縁にも違う色のペンでラインを引いていく。
「……難しい」
意外と思い通りにはいかないのだと感じながら、エリルは懸命にデコレーションを続けた。
翠も宝石型チョコレートが良い感じに固まったことを確かめ、その上に小さなチョコをくっつけはじめる。そうやって皆が作業をしていく最中、莱は悩んでいた。
「ど、どうしよう……色々あって迷っちゃうよう」
チョコレートを固めるだけとはいえ型も方法もたくさんある。けだまは可愛い星の型を気に入っているらしく、オリヴィエと麻緒に頼んでチョコレートを流し入れて貰っていた。
けだまがわくわくした様子で固まるのを待っている隣で、莱は花の形をした型を持ち上げた。
「チョコのお花ならプレゼントにしても大丈夫、だよね?」
よし、と気持ちを引き締めた莱は、たくさんの小さなの花の型を調理台いっぱいに広げた。白、褐色、緑にピンク。色々な色と味のチョコレートをそれぞれに流していけば、カラフルな花が咲いていく。
「こんなにたくさんの味があるんだ……」
莱にとっては、日常そのものがはじめて知るものばかり。新鮮な思いを抱いた莱は色と味が違う花をめいっぱい作っていった。こうして目でも楽しめたらいい。少年の思いは深く、手作りチョコレートに込められていく。
「――出来た!」
「我ながら良い出来だ」
そして、エリルや翠達はそれぞれのチョコレートを完成させた。
エリルが作ったのは皆のイメージを重ねた愛らしい猫チョコ。麻緒はピンクの猫、オリヴィエは少し苦い黒猫。莱は白猫で蕙は甘い茶猫だ。翠も友人達を模したものを仕上げていた。
「……で、エリルは俺の分ないのか?」
「す、翠にないのかって……見て笑わない?」
「不格好でも笑いやしえねよ」
「うまく出来なかった緑の猫さん、なんだけど。食べてくれる?」
「当たり前だろ」
エリルと翠が交わすやりとりを微笑ましく感じつつ、麻緒はラッピングした袋をテーブルに並べた。ちゃんと皆に渡す用に五個。各自に違うリボンを結んで寄せておけば、あとはすべてが自分用のチョコレートになる。
蕙も同じ考えだったらしく、しっかりと贈り物以外の包を用意していた。
「おれもチョコほしーし、おれ用のも忘れないで作ったぜ!」
「やっぱり自分用のチョコは必要だよねー! みんなのチョコも力作でおいしそう!」
「毎日ちまちま食べるんだー、へへへ」
笑みを交わしあった麻緒と蕙の隣で、莱とけだまもチョコレートをラッピングしていた。莱もまた皆に配るものと自分用――詳しく語るならば、お墓にお供えするものを作っていた。
「どっちもなんとか完成。あとでみんなで、まとめて交換できたらいいなぁ」
「そうしようか。こういう経験、もっと積んでいきたいな」
莱が願った言葉に頷きを重ね、オリヴィエが楽しげに双眸を細める。
仲間を思って作り上げたチョコレートは特別なもの。これから巡っていく交換の時間もまた、楽しくて賑やかで心地良いものになっていくはず。
甘い香りが満ちるバレンタインの日。
今日もまたこうして、大切な思い出が形になってゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV3になった!
【完全視界】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
エレノア・グローア
🌞🌙
✨
アクセサリー作りができるのね
あ!それなら交換こしない?
ライラにプレゼントしたいの
わたしもストラップにしようかな
彼女に似合うもの、なんでも似合うから迷うわね
あの瞳のように優しくて吸い込まれそうな石ってあるかしら
手に取ったのはアメトリン
紫と黄色が合わさった不思議な色
まるで黄昏みたい。これに決めたっ
たくさん選びたくなるけどダメダメ!
ライラにプレゼントするんだから
水晶とロンデルを交互にワイヤーに通し
だっ大丈夫!
ライラにとびきり似合うものを作るから
ああっ!ぜ、ぜんぶバラバラに…
う、うぅ。諦めないもん
だからライラ……応援して?
桜色した翼のチャームを付けて完成
いつでもわたしの元へ来てくれますように
ライラ・ロスクヴァ
🌞🌙
✨
わたしからエレノア様へ、アクセサリーを作りましょう
……ふふ、交換こですか?ありがたく。楽しみですね
作るのは、すまーとふぉん、につけるストラップです
煌くビーズに目移りしながら、彼女に合う彩を探しましょう
桜が似合うご主人様ですが、夜明け前のブルーモーメント色
タンザナイトもとても似合うのと思うのです
小さな粒と、大きな粒を選んでワイヤーへ通しましょう
手先は器用なほうなので問題は無く進めていきましょう
…エレノア様?大丈夫ですか?
ええ、エレノア様なら必ず出来ます、わたしは信じておりますよ
環を作ったら蒼い蝶のチャームを飾りましょう
可憐な華に、わたしの彩を
この華に止まるのはわたしだけでありますように
●花に彩を、翼に願いを
互いに抱く想いを何かに譬えるなら。
それは太陽と月。或いは静かでありながらも眩く光る、宝石のように煌めく心。
決まった型のない想いの欠片を少しだけ形にしてみたい。お互いに言葉にはしないが、同じ思いを抱いているエレノア・グローア(ソレイユ・g00058)とライラ・ロスクヴァ(セレーネ・g00843)は人々で賑わう場に訪れていた。
「見て、ライラ。ここでアクセサリー作りができるのね」
「良い雰囲気ですね。わたしからエレノア様へ、アクセサリーを作りましょう」
エレノアが示した先には色鮮やか数々のパーツや様々な天然石、ジュエリー風のストーンなどが並べられたテーブルがある。その輝きを見ているだけでも心が躍り、わくわくしてきた。
「あ! それなら交換こしない?」
「……ふふ、交換こですか?」
ライラにプレゼントしたいの、と語ったエレノアは満面の笑みを浮かべている。断る理由などあるはずもなく、主であり幼馴染でもある少女に向けてライラが頷いた。
「それでは、ありがたく。どんなものが作れるか楽しみですね」
そして、二人は会場に入っていく。
案内された席に座ったライラ達は何を作ろうか考えていき、使いやすいものがいいと思い至った。
「すまーとふぉん、につけるストラップなどがいいでしょうか」
「いいわね、わたしもストラップにしようかな」
「では、決定です」
基本の形を決めたならば、後は何を組み合わせていくかだ。
二人は目の前に並んでいるたくさんのパーツを見渡していく。完成するまでは何を選ぶか内緒だとエレノアに言われたので、ライラは密かに気合いを入れていた。
煌くビーズに天然石。チェーンや留め具なども様々で目移りしてしまう。
それでも、今のライラの重要任務は彼女に合う彩を探すこと。
(「ご主人様に似合うのは桜ですが……」)
ライラはちらりとエレノアの横顔を見つめた。きらきらと煌めいている瞳が愛らしい。きっと、今の彼女は自分のことを考えて作業をしてくれている。そう思うとライラの胸にあたたかな感情が巡る。
そんな主に似合うのは――。
夜明け前のブルーモーメント色。タンザナイトもとても似合うだろう。
小さな粒と大きな粒のビーズを選んだライラは、それらを丁寧にワイヤーに通していく。ライラは手先の器用さにはそれなりの自信があり、難なく作業を進めていった。
対するエレノアは、楽しげに悩んでいた。
ライラに似合うもの。それをずっと考えているのだが、如何せん彼女はなんでも似合ってしまう。
「うーん、あの瞳のように優しくて吸い込まれそうな石ってあるかしら……」
思わず考えを口にしてしまったが、ライラは聞こえていないふりをしてくれている。エレノアはライラが作業に集中していて聞いていないと思っているようだ。
やがて、エレノアが手に取ったのはアメトリン。それは紫と黄色が合わさっている不思議な色をした石だ。
「綺麗……まるで黄昏みたい」
これに決めた、とアメトリンを見つめたエレノアの口許が穏やかに緩められている。ついつい他にもたくさん選びたくなってしまうが、エレノアはぐっと堪える。
「ダメダメ! ライラにプレゼントするんだから、とびっきりお洒落にしないとね」
「エレノア様……」
「どうしたの?」
ライラはついに耐えきれず声を掛けてしまった。自分の思考が全て零れ落ちていたとは気付かず、エレノアは不思議そうに首を傾げる。その手には交互にワイヤーに通された水晶とロンデルがあるのだが――。
「大丈夫ですか?」
「だっ大丈夫! ライラに似合うものを作ってみせ……ああっ!」
心配そうな従者に平気だと答えようとしたエレノアの手の中で、ロンデルが滑り落ちていく。途中まで出来ていたものが全部バラバラになってしまったことでエレノアの瞳に涙が滲む。
「拾い集めておきました、どうぞ」
手際よく落ちた石を拾ったライラはさっとエレノアに材料を渡した。出来の良い幼馴染を持てたことに感謝しながら、エレノアは気合いを入れ直す。
「う、うぅ……ありがとう。諦めないもん。だからライラ……応援して?」
「ええ、エレノア様なら必ず出来ます、わたしは信じておりますよ」
そうして、少女達はアクセサリー作りを再開していった。
ライラは最後に環を作り、蒼い蝶のチャームを飾る。それから少し遅れてエレノアが桜色をした翼のチャームを添え、互いへの贈り物とするストラップが完成した。
微笑みを重ねた二人は手の中で揺れるストラップに願いを込める。
「無事に出来たわ!」
――いつでもわたしの元へ来てくれますように。
揺れる翼を見て明るく笑ったエレノアに続き、ライラも蒼い蝶を見つめる。
「はい、完成です」
可憐な華に、わたしの彩を。
――願わくは、この華に止まるのはわたしだけでありますように。
互いの想いを込めて願いを宿した翼と蝶。ふたつの思いはきっと、心を飾る彩となる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
咲樂・神樂
⚰️樂祇
🐈
祇伐、幼い頃によく食べた黒薔薇のジャムと黒すぐりのタルトにしましょ!
懐かしの味を再現するでなくチョコレート仕様…私達の味を
それこそ、想い出を重ねて塗り替えるように
言葉にせずに微笑んでからかぁいい妹を撫でる
それは名案だわ!
黒薔薇の森に、桜が咲く
そんなタルトになりそうね
祇伐がジャムを作ってくれるなら、あたしは土台になるチョコタルトを作るわ!
しっとりと、さっくりと
少し苦めのチョコがいいかしら
とろりとかして手際よく
あなたの咲顔を想像すれば胸も高鳴る
薔薇のいい香り……!チョコレートの香りも混じって酔いそうね
完成した私達のタルトに桜琥珀糖を散らす
ほら、闇の中でもあえかに誇る
あなたのように美しい
咲樂・祇伐
🌸樂祇
🐈
わぁ、それは素敵ですね!お兄様!
黒薔薇のジャムと黒すぐりのタルト…のチョコレート仕様!
小さな頃から、大好きなおやつだったタルトを二人で作る……懐かしくて…嬉しくて
心に浮かんだ光景にしんみりとしてしまいます
折角だから、宝石の様な桜シロップを使った琥珀糖も散らしましょう?
今の私達のタルトにしましょ!
お兄様がタルト生地を?なら私はジャムを作ります!
黒薔薇は同じものは無いので、近しい薔薇で代用を
くつりとろりと蜜と共に煮詰めて作ります
華やぐ薔薇の香りが心地いい
お兄様はやっぱりお料理上手ね
しっとり美味しそうなタルトに黒すぐりとジャムを乗せて…じっくり焼いて
できた!絶対おいしいわ!
今から楽しみね
●黒を重ねて、塗り潰して
甘い香りと蕩けるような心地。
大切な人や、想いを向ける誰かを思って作られていくお菓子は特別なもの。
想いが巡る楽しくて賑やかな会場を見渡した後、咲樂・神樂(離一匁・g03059)と咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)はキッチンスペースに踏み入った。
此処で何を作るかは既に神樂が決めている。
「お兄様、準備はしてきたと仰っていましたが……何を作るのです?」
「祇伐、幼い頃によく食べた黒薔薇のジャムと黒すぐりのタルトにしましょ!」
「わぁ、それは素敵ですね!」
神樂はかねてから考えていたことを妹に披露した。祇伐は兄が秘密にしていたレシピを見て瞳を輝かせる。黒薔薇の花弁と黒すぐりだけではなく、今回はこの会場にあるチョコレートも使うつもりらしい。
「今日は懐かしの味を再現するだけじゃなくて、私達の味を作るの!」
「黒薔薇のジャムと黒すぐりのタルト……のチョコレート仕様!」
神樂は材料台にチョコレートを取りに行こうと誘い、祇伐の手を引いた。嬉しそうな妹の顔が見れたことで神樂の口許も自然に緩んでいく。たくさんのチョコレートや食材が並ぶ中、神樂と祇伐はひとつずつ材料を手に取っていった。
自分達だけの味をつくる。
(「それこそ、想い出を重ねて塗り替えるように――」)
そういったことは言葉にせずに微笑み、神樂は一度だけ瞼を閉じる。わくわくした様子の祇伐は兄の考えには気付けていない。そもそも彼女が微塵も考えてもいないことなので気付けるはずがなかった。
それに、加えて塗り替えるということがどういった意味なのか。彼女がそれを知る必要はまだない。
「小さな頃から、大好きなおやつだったタルトを……!」
兄と二人で作る。それは祇伐にとって、懐かしくて嬉しくて堪らないことだ。
けれども、同時に心に浮かんだ光景が遠いものだと実感してしまう。少しだけしんみりとしてしまったことを押し隠しながら、祇伐はテーブルに並べられていた桜風味のシロップを指差した。
「折角だから、宝石のような桜シロップを使った琥珀糖も散らしましょう?」
「それは名案だわ! 黒薔薇の森に、桜が咲く。そんなタルトになりそうね」
祇伐の提案にぱっと表情を輝かせた神樂は、出来上がりを想像していく。まさに自分達らしいと感じた神樂はいいこいいこ、と妹を撫でた。
「えへへ、お兄様に褒められました」
「流石は私の妹! 天才……いえ、天才を越えた大天才だわ!」
「それは言い過ぎですよ、お兄様。だけど今の私達のタルトにしましょ!」
喜びと嬉しさを重ね合った兄妹はさっそく調理に取り掛かっていく。担当するのは神樂が土台となるチョコタルト、祇伐が味の要となるジャムだ。
「しっとりと、さっくりと。少し苦めのチョコがいいかしら」
ブラックとビターチョコレートを合わせて湯煎していく神樂の手際は実に良い。とろりととかされて、混ざりあっていくチョコレート。それはきっと深い味わいになっていく。
隣でジャムを煮詰めていく彼女の咲顔を想像すれば、胸が高鳴る心地だ。
「じゃーむ、じゃむじゃーむ、じゃじゃーんとじゃーむー」
(「噫、妹の歌……祇伐が尊いわ……」)
隣で調理を始めた祇伐は上機嫌に鼻歌を口遊んでいる。神樂はその声に蕩かされてしまうような気分になっていたが、何とか耐えてタルトを仕上げていく。
ブラックとビターに薫るチョコレートタルト。
黒薔薇に近しい薔薇を食紅で色付け、くつりとろりと蜜と共に煮詰めるジャム。
華やぐ薔薇の香りは心地よく、祇伐は始終笑みを浮かべている。
「お兄様はやっぱりお料理上手ね」
「薔薇のいい香り……! チョコレートの香りも混じって酔いそうね」
「ふふ、酔う前に合わせてしまいましょう」
祇伐は神樂が作った、しっとりとして美味しそうなタルトに黒すぐりとジャムを乗せる。そうして、オーブンに入れてじっくり焼いていけば、完成直前。
最後に黒薔薇のタルトに桜の琥珀糖を散らせば、二人だけのお菓子の出来上がり。
「できた! ふふ、絶対おいしいわ!」
「ほら、闇の中でもあえかに誇る――」
あなたのように美しい、と神樂が語れば、祇伐はくすぐったそうに微笑んだ。兄妹にとって、黒は秘色や桜色と同じくらいに大切な色。深い黒に染まったタルトからは甘い香りと共に懐かしい匂いもした。
「今から食べるのが楽しみね」
「祇伐みたいだと思ったら少し勿体なく思えてきたけれど……食べないってことにしたらあなたが悲しむものね!」
「もう、お兄様ったら」
兄の姿をした者と、無邪気な妹は淡く微笑みあう。
大切な記憶の品を新たな思い出のひとつへと変えていく二人。その未来は、きっと――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【リザレクション】LV1が発生!
花塚・夜壱
Nox4人で🐤クッキング
皆、エプロンは付けたな?手は洗ったな?(清一郎を二度見しつつ
思い出に残るような、豪華なチョコを作ろう
出来上がったら、楽しくチョコパーティだ
チョコの種類が豊富で、既に美味しそうな匂いが…!
バレンタインらしく、俺はイチゴのチョコにしよう
型はハートと迷うが…可愛すぎるから、動物にしよう
清一郎、君はどれにするか決めたか?
おぉ…!クランチチョコか!
レジーナは、こう言った細かい作業も得意そうだな
カラフルで、表情豊か…見ていてるだけでも楽しい
ステラは星、イメージぴったりだ
初心者らしい彼の作業を見守り、上手にできたら拍手を送る
所で、皆…つまみ食いはしないタイプか?
少し食べてみないか?
レジーナ・ネイサン
NOXの皆で参加🐤
はーい、手洗いエプロン準備万端
(清一郎の頭が布で厳重な事に…!)
楽しいチョコパの為に頑張ろう
沢山作ればお土産にもしたいね
甘い良い香り
既に溶かしてくれてるのは有難い
夜壱のは動物か、かわいい
苺味って聞くと更に可愛い感じがする不思議
大豆チョコとは珍しいけど美味しそう
四角く…板チョコの様な感じかな?アリあり
私はマシュマロを色々なカラーチョコレートでコーティング
ついでにチョコペンで顔を描いていこう
(>▽<)とか(=ω=)とか
得意、かは分からないけど、ペイントみたいで楽しいよ
時々歪んでるのはご愛敬
ステラはどう?
お、キッチンに星が昇ったね!形も色もきれい
つまみぐい?
大の得意デスヨ?賛成!
稲荷・清一郎
Nox 🐤クッキングに参加
手も洗ったし、耳も三角巾でばっちりであるよ!
(面布に三角巾で頭が布だらけになっているが気にしない)
旅団のみんなのお土産にいっぱい作ろう
夜壱殿、稲荷のちょこれーとは白いこれにしようと思う
これに大好物の大豆をごろごろ (大豆クランチチョコ風)
む、細かい型に入らなくなったであるな。四角く固めて折ってもよいであろうか
夜壱殿の桃色も可愛くて素敵であるな
レジーナ殿のは、ましゅまろが生きているようであるな
食べようとしたら動いたりしないであるか?
ステラ殿の形は五芒星であろうか?
果物の味のちょこれーともあるのか……出来上がりが楽しみであるな!
つまみ食い?(大豆を既にぽりぽり食べてる)
ステラ・アシュビー
『Nox』
髪はしっかり束ねて、っと。
手洗いにエプロン、バッチリだよ!
完全防備な清一郎、レアな気がする…!
味も型も沢山で迷っちゃうね。
お菓子作りは初めてだけど
夜壱が見守ってくれるならとっても心強い!
ボクは星の形にしようかな。
味は果物系が好き!マンゴー味なら色もぴったりだ。
夜壱は苺のチョコだ!
ハートでも良いと思うけど…でも動物も可愛いね!
清一郎のは発想が素敵だし美味しそう!
食感も楽しめちゃうね!
わ、レジーナのすっごく可愛い!
食べるのが勿体ない位だ…!
ボクにもできるかな。
そっと型に流し込んで……ん、いい感じ!
上手にできたらお店の皆へのお土産にしたいな!
つまみ食い?任せて!
ボクはこの道のプロだからね!
●分け合う甘さ
人々で賑わうクッキングスペースにて。
今日は超がつくほどのお料理初心者でも、とても可愛くて美味しいお菓子を作ることが出来る日。
「皆、エプロンは付けたな? 手は洗ったな?」
調理台の前、しっかりと三角巾を締めた花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)は仲間達を見渡しながら問いかける。その声を聞いたレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)とステラ・アシュビー(スターリーパレード・g02155)は髪を束ねながら明るく返事をする。
「手洗いにエプロン、バッチリだよ!」
「はーい、手洗いエプロン準備万端!」
それぞれに違う色合いのひよこさんエプロンをしている二人に続き、稲荷・清一郎(小祠の稲荷狐・g00640)も準備が出来たことを主張する。
「手も洗ったし、耳も三角巾でばっちりであるよ!」
「そうか、それなら始め――……ん?」
夜壱は思わず清一郎を二度見してしまった。面布に三角巾という出で立ちの彼の頭が布だらけになっていたからだ。
「完全防備な清一郎、レアな気がする……!」
「清一郎の頭が布で厳重な事に!」
レジーナとステラも驚いていたが、清一郎が本人は気にしていない様子。
気を取り直した夜壱は、色違いでお揃いになっている皆のひよこ柄エプロンを微笑ましく感じながら呼びかける。
「思い出に残るような、豪華なチョコを作ろう。出来上がったら、楽しくチョコパーティだ」
「楽しいチョコパの為に頑張ろう。沢山作ればお土産にもしたいね」
「旅団のみんなのお土産にいっぱい作ろう」
「どんな味があるのかな」
レジーナと清一郎も意気込み、ステラはさっそく材料のコーナーに向かっている。仲間達もその後に続き、わいわいと賑わうひとときが始まっていく。
定番のミルクチョコレートにホワイトチョコレート。
抹茶や苺などの素材の風味を強く感じられるものや、ベリーやピスタチオ、バナナなどの変わったものもある。
様々な材料が用意されたテーブルは色鮮やかだ。
「おお、チョコの種類が豊富で、既に美味しそうな匂いが……!」
「甘い良い香り。既に溶かしてくれてるのは有難いね」
夜壱とレジーナはまず香りを楽しみ、何の味にしようか考えを巡らせる。
「バレンタインらしく、俺はイチゴのチョコにしよう。型はハートと迷うが……可愛すぎるから、動物にしよう」
「夜壱は苺のチョコだ! ハートでも良いと思うけど……でも動物も可愛いね!」
「桃色も可愛くて素敵であるな」
「動物型か、かわいいね」
どうやら夜壱はすぐに味と型を決めたらしい。ステラと清一郎は楽しげに笑い、ウサギやネコなどの型を眺めた。其処に苺味と聞くと更に可愛い感じがする不思議さを感じながら、レジーナは更に考える。こうやってたくさん悩みながら決めていくのも物作りの醍醐味だ。
「清一郎、君はどれにするか決めたか?」
「夜壱殿、稲荷のちょこれーとは白いこれにしようと思う」
彼らの傍では清一郎が颯爽と何の味にするか決定していた。一目見て香りと味のイメージが固まったらしく、清一郎は夜壱にそれらを示す。
「これに大好物の大豆をごろごろと入れれば……」
「おぉ、クランチチョコ風か!」
「大豆チョコとは珍しいけど美味しそう」
良いな、と笑顔で話す夜壱とレジーナ。その反対側ではステラがチョコレートを流し込む型を選んでいた。
「味も型も沢山で迷っちゃうね。お菓子作りは初めてだけど、夜壱が見守ってくれるならとっても心強い!」
ステラも満面の笑みで夜壱の名を呼ぶ。
先程に皆にエプロンの確認をしていたように今日は彼が先生役だ。大きな信頼を抱いたステラは上機嫌に材料棚を眺め、ある型を手に取った。
「ボクは星の形にしようかな。味は果物系が好きだから、マンゴー味なら色もぴったりだ!」
「じゃあ私はこのマシュマロとこの辺のチョコレート全部!」
ステラに続きレジーナも自分の材料を集めていく。カラフルなチョコレートを少しずつ貰うことにしたレジーナはわくわくした気持ちを感じていた。今日はこの真白なマシュマロがキャンバスだ。
「レジーナは、こう言った細かい作業も得意そうだな」
「得意、かは分からないけど、ペイントみたいで楽しいよ」
そして、一行はチョコレート作りを開始した。
まずは夜壱がお手本代わりに作り上げていく、動物の型にストロベリーチョコレートを流し込んだもの。
湯煎したチョコレートを入れていくだけでお手軽な可愛さが生まれる。
「よし、後は皆の様子を見るか」
夜壱は手早く自分のチョコレートを仕上げ、固まるまでの間を有意義に使おうと決めた。
次はレジーナのマシュマロ菓子。溶かした材料をくるりとコーティングしたマシュマロが次々と作られていった。それだけではなく、レジーナが表面にチョコペンで顔を描いていく。
(>▽<) (=ω=) (´✪ω✪`) (*゚▽゚*) (。ӧ◡ӧ。) (*・ᴗ・*)
たくさんの可愛い顔が描かれていき、テーブルの上はすっかり賑やか。時々顔が歪んでいるのはご愛敬。どうかな、とレジーナが皆に聞くと、三人が感想を告げていく。
「カラフルで、表情豊か……見ていてるだけでも楽しい」
「レジーナ殿のは、ましゅまろが生きているようであるな。食べようとしたら動いたりしないであるか?」
「わ、レジーナのすっごく可愛い! 食べるのが勿体ないくらいだ!」
それぞれの言葉を聞き、嬉しそうに微笑んだレジーナはステラの方に視線を向けた。
「ステラはどう?」
「ボクにもできるかな。今からやってみるところだよ」
ステラはドキドキしながら、溶かされたチョコレートを型に流し込み始める。最初はそっと、次からは綺麗に整えられるように静かに――。
「……ん、いい感じ!」
「ステラ殿の形は五芒星であろうか? そのような綺麗な果物の味のちょこれーともあるのか……」
「お、キッチンに星が昇ったね! 形も色もきれい」
「ステラは星か、イメージぴったりだ」
流し込む作業は上々。皆の声を受けたステラは双眸を細め、後は冷やし固めるだけのチョコレートを見つめる。
「上手にできたらお店の皆へのお土産にしたいな!」
「出来上がりが楽しみであるな!」
清一郎も期待を抱き、自分のチョコレートの仕上げを行っていった。途中までは小さな型に入れていたのだが、大豆を入れている関係で収まりきらなくなってきた。
「む、細かい型に入らなくなったであるな。四角く固めて折ってもよいであろうか」
「四角く……板チョコのような感じかな?」
アリあり、と答えてくれたレジーナの後押しを受け、清一郎は作業を進めた。星型チョコを作り終えたステラはじっとその様子を見守り、感心の言葉を向ける。
「清一郎のは発想が素敵だし美味しそう! 食感も楽しめちゃうね!」
「皆、なかなかの出来だ」
夜壱は初心者らしい彼らの作業を見守り、上手に作れたことに拍手を送った。
そうして、暫しの時間が過ぎる。
チョコレートが固まった頃、夜壱は型から動物達を取り出していった。その最中、彼は少し悪戯っぽい笑みを浮かべながら仲間達に問いかける。
「所で、皆……つまみ食いはしないタイプか? 少し食べてみないか?」
「つまみ食い?」
「……つまみぐい?」
「むぐ、つまみ食い?」
夜壱からの声を受けた三人が同時に反応する。清一郎は既に大豆をぽりぽりと食べていた。吹き出しそうになった夜壱よりも先に笑ったステラとレジーナは、めいっぱいに片手を上げて主張する。
「任せて! ボクはこの道のプロだからね!」
「同じく大の得意デスヨ? 賛成!」
ストロベリー風味のアニマル型チョコレート。カラフルな顔入りマシュマロ。
大豆入りのホワイトクランチチョコ。星の彩と形をしたフルーティーなチョコレート。
どれも気持ちや想いが込められた一品だ。
それから仲間達は、少し形が崩れてしまったものを摘み食い――もとい、味見していった。
楽しい笑い声が響き、甘くて美味しい味わいと幸福が広がっていく場。其処に満ちていく空気はとてもあたたかくて、優しい心地良さが宿っていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV2が発生!
【書物解読】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
ノスリ・アスターゼイン
✨
【猫星】
砂糖菓子みたいな材料達
選ぶに彷徨う手
こんな迷いも擽ったい甘やかさ
皆は何作るの
俺はストラップ
未だ使い方に慣れない端末も愛着が湧くだろうか
藍から桜色へと移り変わる彩りを
天然石で繋いで
琥珀をひとつ添えれば
宵の
曙の
明星に見えるかな
紐の端にはタッセル
空奔る一条の光のようでしょ
ルルの黎明は親近感、写真ドウゾ
黑猫サンは流石「美味」を見つける才覚
紬へは今日は酔っていないみたいね?との揶揄、梅花の清らかさから
ウルリクは太陽の高潔さがよく似合う
「らしい」と思わせてくれる装飾
そう思える程に皆へ親しみを覚えていることもまた
擽ったい心地
見渡す会場の賑わい
皆々の笑顔
忘れずに居たいと思う
この何気ない日々の、温かさ
ルル・ムル
✨【猫星】
ルルは、ルルは、はて、何をつくりましょう
視線を移ろわせてルルはきめるのです
マスターも悩みますか?
よきものがたくさんあると目移りもしてしまいますね
ノスリはストラップ
なるほどー、その手もありました
ブレスレット
黎明の空を思わせる宝石はあまたとありますので
ルルはそちらを使ってブレスレットをつくります
金の鎖をわっかに、宝石をひとつぶこぼしましょう
シンプルなのがよいですね
みなみなさまのお手元もはいけんいたします
ウルリクのカーネリアンもたいへんうつくしく
ルルのものとはまた違ってすてきです
紬のピアスもたいへんおしゃれで、はい。ルルのもどうぞ
のちほどみなさまの手作りをカメラにおさめてもよいでしょうか?
ウルリク・ノルドクヴィスト
✨
【猫星】
こうまで豪勢な品揃えだと
目移りもすれば、欲も張ってしまいそうだ
繊細なものを手に収めることも
あまり慣れない己には
成るべく簡単に紡げるものが良い
ブレスレットに荒目のチェーンを使い
太陽の色を宿したような
カーネリアンの珠を幾つか繋ぐ
ルルの選ぶ淡い色は
彼女自身の醸す佇まいにも似ていて清らかな
ノスリのストラップは、
…君の見る空は、そうした色なのだな、美しい
紬は――随分凝ったピアスを
其れを着けて粧した姿も、いずれ目にしたいもの
黑猫のは…香りを纏う天然石?
果実を模したものに合わせるのか、楽しい発想だ
装飾品、なんて
着ける機会もあまり無かったな
何処となく面映い心地だが
…そうだな、仕舞っておくには惜しい
狗尾・黑猫
✨
【猫星】
色取り取り並ぶ材料は
普段と違い食べられないものばかり
自由なようで悩みます
味が無いものは、文字通り味気ない
どうにも、形に残るものは苦手なようで
同じく迷う様子のルル様に微笑み
何を作りましょうねえ
細かな作業をする紬様は、ほんと手先はお器用で
ウルリク様の力強いパーツは実にらしい
お贈りする予定は無いのですか?
なんて、揶揄う合間にも視線は迷い
ふと目を向けた先に手を伸ばす
成る程、アロマストーン
味は無くとも香りを楽しめますか
天然石と組み合わせて、小さな果実のペンダントに
ノスリ様は色彩感覚豊かでいらっしゃる
移り変わる色は目を楽しませてくれますね
形に残すというのは何とも落ち着きませんが
まあ、良い記念です
織乃・紬
✨
【猫星】
侭で十分綺麗とあるから
伸ばす手が野暮に思えども
何を作るかの問い掛けに
そうねエ、何て捻る首を
皆の計画に成程と頷かせ
俺はピアスでも作ろッかな
特別な御粧し用の二つ揃い
ピアスパーツに五片の金花
それぞれの中心に一粒だけ
オニキスとスピネルを飾ろう
煌めく梅花、目出度いね
手先はも、今日はも、余計だッて!
贈る予定がありゃココに居ませ~ん
狗尾ちゃんとノスリちゃんに舌出し
明星に黎明、太陽と果実
何処か近しいものばかりで
同じ店に集うのも納得だな
洒落て粧した姿も見せッから
仕舞い込むなよ、ウルリクちゃんも
ルルちゃん、イイモノ持ッてンね
俺にもスマホで撮らせて頂戴よ
装飾に写真と残る物が沢山の
やア、実にイイ日じゃないの
●絆ぐ色彩
煌めく天然石に輝く金や銀の鎖。硝子細工のビーズ。
耳飾りに腕輪、指輪。並ぶパーツや材料は様々で、それぞれが美しい耀きや色彩を宿している。
パステルカラーで彩られたビーズは譬えるなら、まるで砂糖菓子のよう。
ノスリ・アスターゼイン(共喰い・g01118)は材料達を眺め、腕を伸ばした。されどその指先は何にも触れず、緩やかに彷徨うだけ。その隣でウルリク・ノルドクヴィスト(永訣・g00605)が言葉を紡ぐ。
「こうまで豪勢な品揃えだと目移りもすれば、欲も張ってしまいそうだ」
「確かに」
ノスリは頷きを返し、その通りだと答えた。しかし、こんな迷いも擽ったい甘やかさを運んできてくれる。
織乃・紬(翌る紐・g01055)も同意を示し、暫しパーツが並ぶテーブルを眺めていた。
普段の侭で十分綺麗とあるから、伸ばす手が野暮に思えども、紬はこの時間を心地よく感じている。何故なら、此処では皆が誰かのことを考えているから。
特定の誰かを想い続けるなんてことは、自分には縁遠い。それでも紬はその感情を忌避しているわけではない。
「随分と色々有るンだなァ」
「自由なようでいて、これだけあると悩みます」
紬の声を聞き、狗尾・黑猫(シルバーナイフ・g00645)は双眸を緩やかに細めた。
色とりどりに並ぶ材料。それらは普段と違い、食べられないものばかり。なかには美味しそうだという感想を向けられる色合いのビーズやストーンもあったが、本当には食せない。
「マスターも悩みますか? よきものがたくさんあると目移りもしてしまいますね」
ルル・ムル(花頭蓋・g02918)も黑猫と同じ思いを抱いていた。そうですね、と頷いた黑猫は近くにあったチョコレート色のストーンを手にしてみる。味が無いものは文字通り味気ない。
「どうにも、形に残るものは苦手なようで」
同じく迷っている様子のルルに微笑みを返し、黑猫はストーンを一度テーブルに置いた。ルルと黑猫のやりとりを眺めていたノスリは、ふと皆に向けて問いかける。
「皆は何作るの」
「何を作りましょうねえ」
「ルルは、ルルは、はて、何をつくりましょう」
視線を移ろわせたルルはしゃらしゃらと揺れるチェーンをつついてみる。そうしていると、ノスリが自分の選んだパーツを見せながら要となる金具を示してみせた。
「俺はストラップ」
「ノスリはストラップですか。なるほどー、その手もありました」
感心するルルに向け、ノスリは語る。未だ使い方に慣れない携帯端末も、自分で作ったアクセサリーをつければ愛着が湧くかもしれない。ルルはどうやらブレスレットを選んだらしく、他の皆も様々なパーツを手にしていく。その声を耳に留め、仲間の指先を見遣った紬は少し考え込み、結論を出す。
「そうねエ、俺はピアスでも作ろッかな」
首を捻った紬は、皆の計画に成程と頷いた後に耳飾りの台座を摘んだ。
そして、それぞれの作業が始まっていく。
ウルリクは荒目のチェーンを使い、ルルと同じようにブレスレットを作ることを決めていた。
正直なことを言えば、繊細なものを手に収めることはあまり慣れていない。そんな自分には難しいものではなく、なるべく簡単に紡げるものが良いと考えたからだ。
「……此れが良いか」
ウルリクは太陽の色を宿したようなカーネリアンの珠を集め、それらを幾つか繋いでいった。
その隣では、黑猫が或るものを手にしている。
ふと目を向けた先にあったのは、黑猫の感覚を満たしてくれる石だった。
「成る程、アロマストーン」
これならば味は無くとも香りを楽しめる。五感を刺激してくれる代物を見つけられたことを嬉しく感じながら、黑猫は別の天然石を組み合わせていった。其処から繋がれていくのは小さな果実のペンダント。
ルルは金の鎖を手にして、暫し合わせるための石を見繕っていた。
黎明の空を思わせる宝石はあまた。一番イメージに近い石を探すべく、金の鎖とかざして合わせていく。
「鎖が綺麗なので、シンプルなのがよいですね」
ゴールドの煌めきが美しいブレスレットにひとつぶ、天然石を繋げたルルはこくりと頷いた。
皆が順調に手を動かしている様を見遣りつつ、紬もピアスを組み上げてゆく。
それは特別な御粧し用の二つ揃い。ピアスパーツに五片の金花をそれぞれの中心に一粒だけ添えるつもりだ。オニキスとスピネルを飾った紬は揺れる石を眺めた。
「煌めく梅花、目出度いね」
「今日は酔っていないみたいね?」
ノスリは梅花の清らかさを見て揶揄う。そうして彼は藍から桜色へと移り変わる彩りを天然石で繋いでいき、その中に琥珀をひとつ添えた。
宵と曙。明星に見えるかな、と言葉にしたノスリは紐の端にタッセルを結ぶ。
「空奔る一条の光のようでしょ」
「……君の見る空は、そうした色なのだな、美しい」
ウルリクの答えに静かな笑みを返したノスリは、次々と出来上がっていくアクセサリーを見渡した。皆、現時点で完成しているか、完成間近である装飾品の最終調整に入っている。
「細かな作業をする紬様は、ほんと手先はお器用で。お贈りする予定は無いのですか?」
「手先はも、さっきの今日はも、余計だッて! 何か言いたげだけど、贈る予定がありゃココに居ませ~ん」
黑猫が口を挟んだことで、ノスリも紬に視線を向ける。其処に含みがあると感じた紬は舌を出しておどけてみせた。
ルルはぱちぱちと瞼を瞬き、皆のアクセサリーを眺める。
「みなみなさまの作品も素晴らしいものです。ウルリクのカーネリアンもたいへんうつくしく、ルルのものとはまた違ってすてきです。まあ、紬のピアスもたいへんおしゃれで――」
「ルルの選ぶ淡い色はいいな」
彼女自身の醸す佇まいにも似ていて清らかだと感じたウルリクは、別の仲間が作ったものにも感想を送っていった。
「紬は――随分凝ったピアスを。其れを着けて粧した姿も、いずれ目にしたいものだ。其方の黑猫のは……香りを纏う天然石? 果実を模したものに合わせるのか、楽しい発想だ」
「だね。黑猫サンは流石『美味』を見つける才覚。ウルリクは太陽の高潔さがよく似合う」
ノスリも皆に感じたままの思いを伝えている。
黑猫は自分も感想や思いを告げるべきだと感じて、それぞれの装飾を瞳に映した。
「ウルリク様の力強いパーツは実にらしい。ノスリ様は色彩感覚豊かでいらっしゃる。どれも移り変わる色は目を楽しませてくれますね」
ふ、と目を細めた黑猫は自分の作ったものと皆の作品を見比べた。
倣って視線を巡らせた紬は其処に共通点を見つける。
「明星に黎明、太陽と果実、か」
どれも何処か近しいものばかり。同じ店に集うのも納得だな、と紬が紡げば、ノスリもルルの選んだ色彩に親近感を覚えたのだと話した。
どれも、皆らしいと思わせてくれる装飾だ。
そう感じるほどに皆へ親しみを覚えていることもまた、擽ったい心地がした。やがて、あることを思いついたルルが皆にひとつの提案を投げかけた。
「みなさまの手作りをカメラにおさめてもよいでしょうか?」
「ルルちゃん、イイモノ持ッてンね。俺にもスマホで撮らせて頂戴よ」
「勿論、写真は遠慮なくドウゾ」
「ありがとうございます」
そして、ルルと紬による写真撮影の時間が始まっていく。その中でウルリクは何だか不思議な気持ちを覚えていた。
「装飾品、なんて着ける機会もあまりなかったな」
何処となく面映い心地を覚えていると、その様子に気付いた紬が口端を緩めて笑う。写真に作品を収めていく紬は、今日だけのお披露目になるのが勿体ないと告げた。
「洒落て粧した姿も見せッから仕舞い込むなよ、ウルリクちゃんも」
「……そうだな、仕舞っておくには惜しい」
「装飾に写真と残る物が沢山の――やア、実にイイ日じゃないの」
ウルリクが頷きを返したことで、紬は上機嫌に語る。黑猫は少しばかり落ち着かない気分だったが、仄かに薫るアロマが気持ちを落ち着けてくれた気がした。
「形に残すというのは何とも落ち着きませんが……まあ、良い記念です」
その言葉を聞き逃さなかったノスリは静かに笑む。
此処には様々な思いがある。
見渡す会場の賑わいは快く、皆々の笑顔が花の如く咲いているようだと感じられた。思いは其々で、みな違っていてもいい。大切なのは同じ時間を過ごしたということ。
ただ、忘れずに居たいと思う。
この何気ない日々の尊さと、あたたかさを――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【落下耐性】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV6になった!
津・リビト
【無稽】🐈
皆で一つの巨大チョコケーキを作るのはどうだ?
分量は大雑把に
どうした?お菓子はかがく……なるほど(分かってない)
棕櫚も手伝ってくれ
俺は食べることが好きだ
棕櫚はあまり甘いものは好まないのか?
ならば、骰と一緒に沢山食べよう
骰より甘いもの好きはいるのだろうか
スポンジが出来たら後はデコレーション
絞り袋を持って真剣に
魚の形に絞るのは難しいな
力加減を誤って良く分からない形が完成
誰が何と言おうとさかなだ
――さかなだ!
紅花が作ったこれはお金か
凄い、きらきらしている
これも食べれるのか?
細長いお菓子を釣り竿の様に挿して
魚クッキーを飾り誤魔化そう
ふ、誰がどの部分を作ったのか直ぐ分かるな
完成だ!早く食べたい
鬼歯・骰
【無稽】🐈
この面子で作っての完成形は想像つかねぇが
でかいのは食いごたえありそうでいい
手順正しく混ぜて焼いて
紅花はそういやカフェやってんだっけ
菓子作んのも慣れてたりすんの?
ツリガネ残すんなら俺とリビトで食べるからいいぞ
とは善意ではなく食い気から
甘い方が美味いだろ
虫歯には…まぁ気をつけとく
リビトのそれ何…そうだな、魚だな
勢いに思わず頷けど
釣りの飾りは上手く出来てんじゃねぇかと誉め
俺は動物型のチョコクッキーをケーキ側面に貼り付け走らせとこう
賑やかな方が美味そうだろ
果物とコインも入ったら随分楽しげな自由演技のケーキだ
思わずと笑って写真に一枚収め
人と菓子作るなんて初めてだが、案外旨そうに出来るもんだな
杏・紅花
【無稽】🐈
みんなでひとつのケーキ作るの初めて!
うん、お店で出すからケーキは作るよお。けど、おっきいのは作ったことないや
骰サン甘いもの好きなんだもんね
リビトサンも甘いの好きなんだっ?
んふ、ふたりがたくさん食べられるようにでっかくしよお
虫歯にはならないようにねっ
スポンジは焼きすぎず、かつ生焼けにならないようにようく見張って
棕櫚サン手際いいなあ
くりーむ!食べる!
濃くてなめらかで、もう、さいこう
これは罪のあじ
さかなと、どうぶつと、果物!
それじゃ〜…
お金があるとごーじゃすな感じになるんじゃないかなっ
溶かしたチョコに、金粉散らしてコイン風
食べられるおかねだあっ!
んっふふ!大満足の出来
いっぱい食べよお〜!
鐘堂・棕櫚
【無稽】🐈️4人
いいですね、合作
立派なチョコケーキを作っ…
あっリビトさん分量は大事ですお菓子は化学です…!
思わずちょっかい出しつつに
焼けたスポンジにガナッシュクリームを挟んで塗って
紅花さん、クリームの味見してみます?
一緒になって一掬い口に運びながら
つまみ食いの美味しさは格別ですよね、なんて
甘いものは作る方が好きなんで
沢山食べるのは他の男子に任せましょう
骰さんジュースにガムシロ二つ入れる甘党ですもんね…
飾りは各自好きなものを乗せるフリースタイルですか
じゃあ俺は色んな果物をマジパンで作って置きましょう
お魚に動物にお金に果物
混沌とした感じがこの面子らしくて面白く
手作りならではのバレンタインですねえ
●世界でひとつの甘やかさ
甘い香りと同時に感じたのは穏やかな心地。
クッキングスペース内に満ちる楽しげな雰囲気を確かめれば自然に笑みが浮かぶ。チョコレートの薫りと甘やかさを感じながら、四人は用意されていたエプロンに身を包む。
此処で何を作るか。それは津・リビト(釣人・g00145)の一言で決定された。
「皆でひとつの巨大チョコケーキを作るのはどうだ?」
「みんなでひとつのケーキ! すごい、作るの初めて!」
杏・紅花(金蚕蠱・g00365)はすぐにリビトの案に同意を示し、鐘堂・棕櫚(七十五日後・g00541)も頷く。
「いいですね、合作」
「この面子で作っての完成形は想像つかねぇが、でかいのは食いごたえありそうでいい」
鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)も、大きいことは良いことだと語り、仲間達を見渡した。皆、料理の腕や調理器具の扱いは申し分ないだろう。器用さにばらつきがあるとしても其処は問題ではない。
「よし、それじゃあ始めるか」
リビトは白猫さん柄のエプロンが緩んでいないかを確かめて腕まくりをする。ちなみに今回、メンバーにはそれぞれ違う柄のエプロンが配られていた。
骰が三毛猫、紅花が黒猫、棕櫚が茶虎猫という配分だ。
最初は骰が少しばかり難色を示していたが、調理時にエプロンをしないという選択はなかった。他の三人は割と早く受け入れたのでそういうものだと感じたらしい。
そして、意気揚々と材料を用意したリビトがボウルに小麦粉を投入していく。
「こんなもんか?」
「立派なチョコケーキを作っ……あっリビトさん!」
「どうした?」
「分量は大事ですお菓子は化学です……!」
その大雑把な様子を察知した棕櫚が慌てて止める。もし此処にミルクや卵を入れられていたら手遅れかもしれなかったが、まだ粉だけだったのでギリギリセーフだ。
「お菓子はかがく……なるほど。それなら棕櫚も手伝ってくれ」
なるほどという言葉を使ったリビトだが、実はまったく分かっていない。食べることが好きなリビトは魚をよく食しているが、魚の菓子はなかなかないのでお菓子作りの経験があまりなかったらしい。
わかりました、と答えた棕櫚はリビトの監視役、もとい手伝いに回った。その間に骰と紅花が正しい手順でケーキ生地を作って混ぜていく。
「紅花はそういやカフェやってんだっけ」
「うん、お店で出すからケーキは作るよお」
「手際がいいから、菓子作んのも慣れてたりすんだな」
「けど、おっきいのは作ったことないや」
だから楽しみ、と話す紅花は明るく笑う。今回はゆっくりする時間もあるので、合間に色々と語り合うことも出来る。そんな中でリビトは棕櫚に問いかけた。
「そういや棕櫚はあまり甘いものは好まないのか?」
「そうですね、甘いものは作る方が好きなんで沢山食べるのは他の男子に任せましょう」
「ツリガネ、もし残すんなら俺とリビトで食べるからいいぞ」
棕櫚が遠慮がちであることを知り、骰は何のことはないように答える。それは善意ではなく単なる食い気ではあるが棕櫚にとっては有り難いことだ。リビトは明るく笑み、食べるのが楽しみだと話した。
「ならば、骰と一緒に沢山食べよう」
「骰サン甘いもの好きなんだもんね」
「骰さんジュースにガムシロ二つ入れる甘党ですもんね……」
紅花と棕櫚は骰の甘党ぶりを思い出す。
「俺もそれなりに甘いものは好きだが、骰より甘いもの好きはいるのだろうか」
「リビトサンも甘いの好きなんだっ? んふ、ふたりがたくさん食べられるようにでっかくしよお」
紅花はリビトにも視線を向け、これくらいかな、と両手を広げてケーキの完成予想図を語る。スポンジは焼きすぎず、かつ生焼けにならないように。楽しい会話の最中でも、紅花がしっかりとスポンジを見張ってくれている。
話を聞いていた骰は頬を掻き、シロップを足すことがそんなに悪いことかと考えた。
「甘い方が美味いだろ」
「美味しいけど、虫歯にはならないようにねっ」
「……まぁ気をつけとく」
そうしているうちにケーキが焼き上がり、あとはクリームやデコレーションを施すだけとなった。リビト達が素材を用意している間に、棕櫚はポンジにガナッシュクリームを挟んで塗っていく。
「棕櫚サン手際いいなあ」
「紅花さん、クリームの味見してみます?」
その様子を紅花がじっと見ていたので、棕櫚はクリームを軽く絞って渡してやった。
「くりーむ! 食べる!」
喜ぶ紅花に棕櫚が微笑み、一緒になってクリームを一掬い。先にクリームを味わった紅花は袖で両頬を押さえた。
「濃くてなめらかで、もう、さいこう」
「つまみ食いの美味しさは格別ですよね」
これは罪のあじ、と語る紅花に頷きを返し、棕櫚もとろける味わいを楽しむ。
そして、次はいよいよ個々の腕前を見せる時。
リビトは絞り袋を持ち、真剣にクリームを絞っていく。
「魚の形に絞るのは難しいな」
うっかり力加減を誤ってしまったリビトの前には、よく分からない形が完成していた。しかしリビトは前向きだ。彼は次に細長いお菓子を釣り竿のように挿し、魚クッキーを飾りにして誤魔化した。
「これは誰が何と言おうとさかなだ」
「リビトのそれ何……」
「――さかなだ!」
「そうだな、魚だな」
問いかけた骰は勢いに思わず頷いてしまったが、その横にある釣り風の飾りは上手く出来ている。やるじゃねぇか、と誉めた骰は何をしているかというと、動物型のチョコクッキーをケーキの側面に貼り付けていった。
「こうやって走らせとこう。賑やかな方が美味そうだろ」
「飾りは各自好きなものを乗せるフリースタイルですか。じゃあ俺は色んな果物を置きましょう」
棕櫚はマジパンで形作ったフルーツをたくさん乗せていった。動物と相俟って、まさに賑やかな雰囲気のケーキになっていく。それを見ていた紅花は或ることを思いついた。
「さかなと、どうぶつと、果物! それじゃ~……お金があるとごーじゃすな感じになるんじゃないかなっ」
紅花は溶かしたチョコレートに金粉を散らし、コイン風のデコレーションを作った。
「これはお金か。凄い、きらきらしているな。これも食べられるのか?」
「もちろん、食べられるおかねだあっ!」
紅花が得意げに胸を張ったことで、リビトと棕櫚と骰が小さく笑む。
「ふ、誰がどの部分を作ったのか直ぐ分かるな」
「個性豊かですからねえ」
「そろそろ作業も終わりだな」
「と、いうことで……最後のおかねをどーんっ!」
紅花が天辺に一番キラキラしたコイン型チョコレートを飾ることで、ケーキ作りは完了。
「――完成だ!」
実食の時間が待ちきれない、という気持ちを抱いているリビトの瞳には巨大ケーキしか映っていない。
「んっふふ! 大満足の出来!」
「早く食べたいな」
「いっぱい食べよお~!」
紅花も両手を天高く掲げ、合作ケーキの出来栄えを喜んでいる。
「随分楽しげな自由演技のケーキだ」
骰は思わず笑い、完成したケーキを写真に収めた。これで思い出の保存は完了。
写真画面を覗き込んだ棕櫚も穏やかに笑む。お魚に動物、お金に果物と並ぶ様子は賑やかだ。混沌とした雰囲気ではあるが、それこそまさにこの面子らしくて面白いと感じた。
「手作りならではのバレンタインですねえ」
「人と菓子作るなんて初めてだが、案外旨そうに出来るもんだな」
「どうやって分ける?」
「思いっきりフォークを刺して欲しい分だけ取るとか? 二人はどう思う?」
骰と棕櫚が話していると、リビトと紅花が意見を求めてきた。次の課題はこの巨大ケーキをどのようにして切り分け、食べるかどうかになっていく。
「それは……」
「また難しい問題だな」
はたとした棕櫚と骰は、其処までは考えていなかったとして思考を巡らせる。紅花とリビトもどうすべきか悩み、真剣にケーキを見つめていく。やはり豪快に食べてしまうべきか。もしくは完璧な切り方を編み出すか。
楽しい悩みは尽きない。
そして――どうやらもう少しばかり、四人で過ごす賑やかな時間が続いていくようだ。
甘くて心地良い安らぎの時間。
チョコレートに彩られたひとときはこうして、平穏に巡っていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV3になった!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV8になった!
エリル・ウィスタリア
【ミント】
バレンタインの贈り物って色々な意味があるのね。
私には恋とか愛とかよく分からないけれど、今を生きている人達が大切にしているのは分かるの。
すごくドキドキするの。
ただ作ったチョコを渡すだけなのに、変なの。
作ったチョコは不器用ながら可愛くラッピングして友人たちへ。
溶かして固めただけだけど喜んでくれるかしら。
少し不格好だけど笑わないでね。
麻緒のはすごく綺麗な紫色。初めてみた。綺麗。
莱のは可愛い。あ、私もけだまの分ある!あげゆ!
翠のって、イチゴじゃないの?じゃあこれ、チョコの色?面白い。
貰えるのはすごく胸がぽかぽかする。
1つ1つ大切に食べなくちゃ。どれも心が籠ってるのは分かるもの。ありがとう。
五百雀・翠
【ミント】
ちゃっかりチョコおねだりしちまった…まあ、くれるならOKOK。
ところで、麻緒、あの大量のチョコ…いや、なんでもない。
ほらよ、これは皆に俺から。
腐るもんじゃないけど、手作りだし早めに食えよな?
麻緒にはチョコミントの宝石の上に白い星型を散りばめて。
莱はけだまの分と一緒に。ピスタチオとホワイトチョコのマーブルにドライフルーツを乗せて。
エリルはピンクの宝石チョコにラズベリーの花を。そのピンク、イチゴじゃないんだぜ?さっき面白いチョコ見つけたから実験台な。
帰ったらチョコケーキもあるから期待しとしとけよ?
うん、もらうのも嬉しいけど、皆の笑顔を見ているのが一番、かな。
俺、尽くす狐だから。なんてな。
三苫・麻緒
【ミント】
デコレーションもりもりチョコも無事完成したことだし、交換タイムといっちゃおー!
そのためにちゃんと分けておいたんだからね
…だから食べてないったら!
袋の中にはさっき作ったチョコをいくつか入れてあるんだー
とりあえずミルクチョコにカラースプレーをまぶしたチョコは全員に
数個はちょっとだけ人に合わせて
翠さんにはチョコを抹茶味に変えてシンプルめなものを
エリルさんにはラベンダー色のチョコペンでハートを描いたものを
莱くんにはけだまの分も一緒にしたから、少し多めにいれてあるよ
渡すときはこの一言に限るよね
ハッピーバレンタイン!
ひゃー、みんな力作揃いだねえ
ぺろっと食べれる量だけどちょっとそれはもったいないや
葉古森・莱
【ミント】
麻緒さんが全部自分用にしてない…あっ、なんでもないよぅ!
ええとええと、告白じゃないのにやっぱりなんか…どきどきするね
味見したときは大丈夫だったけども、気に入ってもらえるかなとか、色々考えちゃう
えっと、ミルクチョコのお花は全員につけて、
翠さんには抹茶とビターチョコ
エリルさんにはイチゴとホワイトチョコ
麻緒さんにはバナナとキャラメル
よ、喜んでくれると嬉しいな…!
えへへ、こうして交換できるのって楽しいね
次はみんなみたいにもっと凝ったチョコを作れるようになりたいな
…けだまってば、いつの間に作ってたの?自分用?
じゃあ、あとで一緒に食べよっか
貰った分も作った分もきっと甘くておいしいよね
●いろとりどり、チョコレート色の思い出
楽しく仲良く、賑やかに。
ときにはじゃれあいながら順調に進んだお菓子作り。
あとは出来上がったものを贈れば、バレンタインの行事を恙無く終えられたと言える。それぞれにチョコレートを作り終えた仲間達はほっと一息をついていた。
「バレンタインの贈り物って色々な意味があるのね」
エリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)は、いわゆる友チョコレートについて考えている。バレンタインといえば愛や恋を伝えるのが定番だが、必ずしもそうでなくてもいいと知れた。
お菓子を渡して恋を示す人。花を贈って愛を告げる想いの証。
大切な相手に、これからもよろしくね、という思いを伝えるための形。
「私には恋とか愛とかよく分からないけれど、今を生きている人達が大切にしているのは分かるの」
素敵なことね、と語ったエリルは上機嫌だ。
そんな彼女の様子を見遣った五百雀・翠(天つ風・g03977)は、先程の自分の言動にやや複雑な気持ちを抱いていた。
「ちゃっかりチョコおねだりしちまった……」
あれで良かったんだろうか。
そんな思いが浮かんでいたが今回はバレンタインだ。貰わない方がおかしいとも言える。
「まあ、くれるならOKOK」
悪くはないはずだと合点した翠は仲間達を見渡してみる。其処では張り切った様子の三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)が元気よく皆に呼び掛けていた。
「デコレーションもりもりチョコも無事完成したことだし、交換タイムといっちゃおー!」
「ところで、麻緒。あの大量のチョコ……いや、なんでもない」
「麻緒さんが全部自分用にしてない……あっ、なんでもないよぅ!」
翠に続き、葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)が麻緒の持っているプレゼント用のチョコを眺めた。つい思いを言葉にしてしまうのは、彼女の普段の食べっぷりを知っているからだ。
「何でもなくないよね? 食べちゃわないためにちゃんと分けておいたんだからね」
「……う、うん」
「だから食べてないったら!」
びくっとして尻尾を下げた莱に向けて麻緒が念押しの一言を告げた。しかしその口許は緩められており、楽しそうな笑みが浮かんでいる。本当に怒られたわけではないと知った莱は、けだまと一緒に皆がラッピングしたチョコを見つめた。
自分が包んだものも皆にあげると思うと、何だか気持ちが浮き立つ。
「ええとええと、告白じゃないのにやっぱりなんか……どきどきするね」
きっと皆は喜んでくれる。
味見をしたときの具合は大丈夫だったが、本当に気に入って貰えるかどうかを考えると少しだけ不安になる。莱の様子から気持ちを察したエリルは、分かるわ、と語りかけた。
「すごくドキドキするわよね。ただ作ったチョコを渡すだけなのに、変なの」
「変だけど、うれしいね」
エリルと莱は視線を交わし、自分だけの思いが籠もったチョコレートに目を向ける。
初めて作ったチョコレートは不器用ながら、エリル自身が可愛くラッピングしていた。きっと手間をかけたということがただのお菓子を心の籠もったものに変えてくれるのだろう。
たとえ、溶かして固めただけでも手を加えたことには間違いない。喜んでくれるかしら、と考えながらエリルは仲間達にそっと贈り物を渡していく。
「少し不格好だけど笑わないでね」
チョコレートで作った猫達は少し歪んでいる。
ピンク猫に黒猫、白猫に茶猫に緑の猫。皆のイメージや合う色で彩られたチョコレートキャット達はひとつずつ、それぞれに配られた。
「ありがとな。じゃあ次は俺か。ほらよ、これは皆に俺から」
続いて翠もチョコレートを手渡していく。
麻緒にはチョコミントの宝石の上に白い星型を鏤めたもの。莱にはけだまの分と一緒に、ピスタチオとホワイトチョコのマーブルにドライフルーツを乗せたもの。エリルにはピンクの宝石チョコにラズベリーの花を添えたものを贈った。
「腐るもんじゃないけど、手作りだし早めに食えよな? そうそう、エリルのそのピンクはイチゴじゃないんだぜ?」
「翠のって、イチゴじゃないの? じゃあこれ、チョコの色?」
「さっき面白いチョコ見つけたから実験台な」
「面白い……って実験台!?」
エリルと翠のやりとりを見守りながら、麻緒はラッピングした袋をひとつずつ確かめる。全員分ちゃんとある、と頷いた麻緒は皆にチョコレートを配り始めた。
「この袋の中にはさっき作ったチョコをいくつか入れてあるんだー」
ミルクチョコレートにカラースプレーをまぶしたTHE小学生風の定番チョコは全員に。
其処に添えるものを変えることで個々のイメージチョコを贈る作戦だ。翠には抹茶味に変えたシンプルなチョコレートを。エリルさんにはラベンダー色のチョコペンでハートを描いたものを入れてあり、莱とけだまはふたりでいっぱい食べられるようにチョコレートを多めに入れてある。
「渡すときはこの一言に限るよね。ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう、麻緒さん」
「きゅ!」
「麻緒のはすごく綺麗な紫色。初めてみた。綺麗!」
莱とけだまが嬉しそうに受け取り、エリルもラベンダー色のチョコレートを見て喜んだ。翠の手には様々な緑色のチョコレートが収まっている。
そうしてチョコレートの交換会は進んでいき、最後は莱が皆に渡す番となった。
「えっと、ミルクチョコのお花だよ。それぞれに色を変えてみたんだ」
「莱のは可愛いわ。あ、そうだ。私からけだまの分がある! あげゆ!」
エリルは莱から貰ったイチゴとホワイトチョコ入りの袋を見て、モーラットの分があったことを思い出す。とても嬉しそうに飛び跳ねたけだまは自分宛のチョコレートを大切そうに小さな手で握っている。
そうして莱は翠に抹茶とビターチョコ入りの袋を、麻緒にはバナナとキャラメルのチョコレートを渡す。
「よ、喜んでくれると嬉しいな……!」
「喜ばないわけがないだろ」
「私達に別々の味を選んでくれたんだよね。みんな力作揃いだし、嬉しい気持ちでいっぱいだよ!」
莱の言葉に翠と麻緒が快く答え、笑みを向けた。莱も嬉しくなって尻尾をふわふわと揺らす。交わした微笑みも眼差しも、とても優しくてあたたかかった。
エリルも穏やかに微笑み、弟にも用意したチョコレートをそっと抱く。
「貰えるのはすごく胸がぽかぽかするわ。ひとつひとつ大切に食べなくちゃ……みんな、ありがとう」
どれも心が籠っていることが分かる。
エリルが礼を告げると、翠が双眸を細めて笑ってみせた。
「うん、もらうのも嬉しいけど、皆の笑顔を見ているのが一番、かな」
「えへへ、こうして交換できるのって楽しいね」
次は皆のように、もっと凝ったチョコを作れるようになりたい。未来への展望を抱いた莱は向上心を持っている。その姿を微笑ましく感じながら、麻緒は抱えたチョコレート達を大切そうに見つめた。
「ぺろっと食べられる量だけど、ちょっとそれはもったいないから……私も大事に食べるよ」
麻緒がさらりと語ったことが実に彼女らしいと思いつつ、莱はけだまを抱き上げる。するとモーラットは見覚えのないチョコレートを持っていた。
「……けだまってば、いつの間に作ってたの?」
「ぴきゅ!」
「自分用? じゃあ、あとで一緒に食べよっか」
少年とモーラットはふわりとした甘やかな気持ちを抱いている。貰った分も作った分もきっと甘くておいしい。贈りあった皆が幸せになれるのが今日という日だ。
そうしていると、翠が仲間達に呼び掛けた。
「そうだ、帰ったらチョコケーキもあるから期待しとけよ? 俺、尽くす狐だから」
なんてな、と語った翠の言葉に皆の表情が輝く。
「翠のチョコケーキ? やったわ、楽しみ」
「よかったね、けだま。もっとたくさん食べられるよ」
「大きいケーキなのかな。もしかして、遠慮なくいっぱい食べられる?」
喜ぶエリルにけだまを撫でる莱、どれだけ食べられるかを確かめるため、ケーキの大きさを聞く麻緒。仲間達の個性ある反応に笑みを浮かべ、翠はくすぐったいような不思議な思いを抱いた。
どうやらこれからまだまだ、退屈しなさそうな時間が続いていくようだ。
🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤ 🍫 ❤
こうして、バレンタインのひとときは賑わいに満ちた。
想いを贈りあい、気持ちを重ね合う。その心は何よりも尊くて失いたくないもの。
これから紡ぐ未来が明るくて素敵なものになるように。願いと共に、甘い日の幕は閉じていく。
――Happy Valentine!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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