リプレイ
シアン・キャンベル
この場合――人間と答えるのは正解なのか間違いなのか――深く深く、ぐるぐると考えた私は、軽いめまいを覚えている?
横になりたいが眠るのは全てを片付けてからにしよう
兎も角、ゆりかごから墓場までを指で伝えば謳歌と謂えよう
今回、頭の中に蔓延るべきは謎への真摯な態度だ。冷え切った脳内で手繰り寄せた結果は――ふむ。この砂と水の重さで如何だ。私を奥底へと導き給え
四つん這いになり二足で歩み、杖の力を借りたなら証明完了、この不愉快なマッチ・ポンプに終幕の一手を齎すのだ――この罠を外す方法は熟知している、何故ならば私は『使う側』故な
開けた場所はそのままにしておこう。次の復讐者が動き易いように――!
平良・明
謎解きはそんなに得意ではないのですが、やりましょう。
簡単そうで、むずかしい、そんな雰囲気を感じます
言い換えれば王道かつ邪道、そういえばこの迷宮の奥には蛇がいるらしいです
ぶん殴るのが楽しみでしょうがありません
さて、思いつきました
最初、次、最後と並んでいますが、物事は循環していくもの
最後の次は最初になるのです
つまりこれは繰り返される日々の出来事を表しています
と、するならば
朝、四つん這いで寝床から這いだし
日中、昼飯の時間も取れず外回りエイギョウをこなし
夜、胃酸の溜った腹を片手で押さえながら玄関に倒れこむ
答えは社畜……いいえ、人間です
分かれ道ではよく観察して人間の形をした紋様が描かれた道を進みましょう
●
『最初に四本足で、次に二本足、最後に三本足になる生き物は何だ?』
岩窟墳墓迷宮の入り口にこんな文言が刻まれていた。
「謎解きはそんなに得意ではないのですが、やりましょう」
平良・明(時折の旅行者・g03461)はその文言を見て『うむむ』と唸った。
どんな難問であろうとも、人々を救いクロノヴェーダを倒すためには解かねばならない。
「簡単そうで、むずかしい、そんな雰囲気を感じます」
「その通り……だ」
明の言葉にシアン・キャンベル(妖蟲・g01143)は頷いた。
設問そのものは難しい問題ではないのだ。
哲学上の問題でこの問いに対する回答はあまりにも有名である。
だがしかし……。
(「この場合――人間と答えるのは正解なのか間違いなのか――あまりにも深いな」)
問題なのは哲学上の質問に限りは無いという事だ。
答えが正確な答えとは限らない。
迷宮を塞ぐ罠であるならば、引っかけ問題である可能性すらあり得た。
(「深く深く、ぐるぐると考えた私は、軽いめまいを覚えている?」)
シアンは言葉も出さずにその場で眩暈を起こしそうになっていた。
閉ざされた思考の中で千も二千も考えたような気がする。
出口のない問い、なんとカロリーを消費する事だろうか。
「シンプル過ぎて奥行きが深い。言い換えれば王道かつ邪道、そういえばこの迷宮の奥には蛇がいるらしいです……」
明もまた思い悩んでいた。
邪道イコール蛇の道。なんて洒落を思いついてしまうくらいだ。
「ぶん殴るのが楽しみでしょうがありません。とりあえず先行するリターナーを追いかけながら考えましょうか」
「ああ。横になりたいが眠るのは全てを片付けてからにしよう」
やがて二人は考えるのを止めた。
そして先行するリターナーを追い掛けながら視線を巡らせる。
思考を巡らせるのは情報を得てからだ。少しでも多くの情報を集め考える材料を集めていく。
(「兎も角、ゆりかごから墓場までを指で伝えば謳歌と謂えよう。冷え切った脳内で手繰り寄せた結果は……」)
シアンは歩くことで思考を整理し、余計な考えをすっ飛ばして必要な部分だけを揃えた。
今回、頭の中に蔓延るべきは謎への真摯な態度だ。
「上へ、下へとまるで蛇のようだな。――ふむ。この砂と水の重さで如何だ。私を奥底へと導き給え」
余計な事を取り除き、冷え切った脳内に幾つかの心理がやって来る。
心理は真理。四つに這い、二足で歩行し、杖を借りて証明を完了しよう。
そんな風に体が動く生き物は何だ? そんな思考に辿り着いた後、もう一人もまた口を開いた。
「さて、思いつきました。最初、次、最後と並んでいますが、物事は循環していくもの。最後の次は最初になるのです」
「ふむ? 言われてみれば上下を何度か繰り返したな」
明の言葉にシアンも頷いた。
とある『答え』を頂いたまま歩けば同じ結論に至ってもおかしくはない。
此処での体験が……。
「つまりこれは繰り返される日々の出来事を表しています。と、するならば」
「するならば?」
おお、実に学術的で哲学的な会話では無いか。
これにはきっと、シアンもにっこり。
……かもしれない。少なくとも此処まではの話である。
「朝、四つん這いで寝床から這いだし。日中、昼飯の時間も取れず外回りエイギョウをこなし。夜、胃酸の溜った腹を片手で押さえながら玄関に倒れこむ……」
「いや、ちょっと待て」
いえ、待ちません!
明の脳内は駆け巡る。もしかしたら上下する移動が、通勤中の階段を思い起こさせたのかもしれない!
あるいは地下鉄に乗ったり電車に乗り換える通勤ラッシュが?!
「答えは社畜……いいえ、人間です」
「あのな」
思わず出たのは苦笑である。
辿り着いた答えは同じながら、どうしてこうズレた思考になるのか。
いや、ズレているのか? この答えもまたこの迷宮を通ったことで辿りついた答えなのかもしれない。
「この不愉快なマッチ・ポンプに終幕の一手を齎すのだ――この罠を外す方法は熟知している、何故ならば私は『使う側』故な」
シアンはここで青銅の扉に行きついた。
門は四つ、鷹・虎・飛蝗そして人。
この中で四つ足・二本足・三本足を駆使できる生物は人間のみだ。
もし次にイーグル・シャーク・パンサーと来て人間が描かれて居たら完璧だろう。
「いきますか」
「ああ。油断するなよ」
二人は開けた場所はそのままにして門を潜った。
次の復讐者が動き易いように――!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
『生きて、死んで、を繰り返す。終わりの次は始まり、色々な形の神の力を借りても再び戻るのは人間である』
ならば答えはきっと人間だろう。
四つ足、二本足、三本足を繰り返すのは人間だけだ。
迷宮はまるで脱皮を繰り返す蛇の様に蠕動している。
上下上下と移動しつつも、徐々に上の方へ移動する。
そういえば砂の重みと水の重みで迷宮の形は変わるそうだ。
ならば行先を変え易いのは下であり、間違った方向は下側なのかもしれない。
そして両側に待合室の様な場所に出た時、誰かが歩くような……羽ばたくような物音が聞こえた。
『何か聞こえないか?』
『勘違いじゃないか? 迷宮はこの先。墓泥棒もこの先に……それとも迷宮は繰り返して、盗賊は後ろから?』
判らない。
リターナーには判らなかった。
彼らに判るのは、ナニカに導かれるように行き先が判るだけなのだから。
そして謎を解くために、二つに分かれた待合室の片側へと向かっていく。
ディアボロス達が追いついたのは、実にその時である。
陣・頼人
古典的なリドルだね。
正解は「ボンボエリカ虫」だっけ?
冗談はさておき。
正解は「人間」。
幼い頃は四つん這いで歩き、成人になれば二本足で、老いれば杖を借りて三本足に。
ただ、分かれ道に色々な生物の紋様が描かれてるのが気になるんだよね。
だからストレートに「人間」が出て来なければダーウィンの進化論を思い出しながら「人間」に至るルートを選び、奥へと進む。
●
「古典的なリドルだね」
陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)はその文言を見た時、懐かしそうな顔をした。
そして歩きながらワザと間違った答えを呟く。
「正解は『ボンボエリカ』だっけ?」
もちろんそんな生き物は居ない。
しかしサーガの中で魔神と契約した女魔導師はこう言ったのだ。
何の規定もされてない人間が変身することはない。変化の魔法を使えば誰でも変化できるし、高尚な例えだという前提条件も告げられてはいない。
そもそも知恵ある魔物でありながら、変身することで有名な虫一匹すら知らないのかと平然と偽りを述べた。
リドルなど前提条件で、まったく意味が変わってしまうのだ。
「冗談はさておき。正解は『人間』だよね。幼い頃は四つん這いで歩き、成人になれば二本足で、老いれば杖を借りて三本足に。ただ……」
頼人は哲学的な答えを口にしつつ、歩き続けて青銅の扉に辿り着いた。
そこには四枚の扉があり、仲間が空けて行ったのは人間の扉である。
他の扉は鷹・虎・飛蝗が描かれており、おそらくは次以降も別の生物が描かれていると思われた。
「ただ、分かれ道に色々な生物の紋様が描かれてるのが気になるんだよね。だからストレートに『人間』ってわけじゃなく、『人間に至る道』って意味なんじゃないかなあ」
ダーウィンの進化論では人間に至る進化の系統樹が語られていた。
生きて、死んで蘇る……のではない。
生まれて、育って産み、死んだ後に次の世代に引き継ぐ営みである。
すなわちこの迷宮は蛇を示しているのではなく、母の胎内による生まれ直しを示しているのだ!
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
この迷宮は母の胎内、○○を表している。
暗き道筋を体内に例え、生まれ直す行程を辿って神秘と巡り合うというのは古い神道にも通じる概念だった。
よってここでは左右の分かれ道でナニカと出逢い、元に戻って中央へと戻って来るのが正解なのである。
だが、待ち受けるナニカとは?
『……ああ、早く戻って畑を耕さないと』
『俺はこの巡礼が終わったら結婚するんだ……俺は、おれれれはあ……』
そんな風にリターナーが呟くと、別のリターナーであったモノが怒りのを声を上げる。
『何を言っている我らは神に選ばれたのだ! 我らの使命は神に仕える事が使命だ!』
『神に仕えても畑は耕しても良いんじゃあ?』
『この巡礼が終わったら、神に仕えて、かみかみかみに!』
少しずつ少しずつ、変化は続いていく。
最初はリターナーであったものが、徐々に異形化し始める。
元の生活を覚えている者が少しずつ減り、やがては全てが染まってしまうのかもしれない。
だが今ならばまだ、その思想も意見も目的も……統一されてなどいなかった。
シアン・キャンベル
漸く眩つきが治まったかと思えば妄信的な連中との戯れか。構わない、貴様等が死体で、人間で在る事は問答(きゆう)と同じだ。此処からは忌々しいマッチ・ポンプを破壊する作業だろうよ
慌ただしい両翼(はね)を休ませつつ話を聞き給え。そもそも神が守護している場所なのだぞ。それが、たかが有象無象に侵されると本当に信じているのか? 神は絶対、そうなのだよ
で、在れば其処に集うものこそが真の墓守か? 否、違うとも。貴様等と同じく『盗賊から守ってくれ』と説かれた愚者でしかない。これで理解出来るな? 悉くは狡猾な蛇の仕業なのだよ
それでもオカタイ貴様等には心地の良いアイデアを贈物(プレゼント)だ。クリアな視界に感謝し給え
平良・明
くっ……!生とは苦しみ……
そんな事より装備の缶コーヒーを一気飲み、効き目は後からやってくる
思うに、彼らは病んでいるのでしょう、私は医者では無いので治せやしない
できる事はその心に言葉の針を刺し、気を留め苦しみを和らげるだけ
何に相対しても私にできる事は一つしか無いのです
大声でリターナー、元リターナーに言葉を突き刺しましょう
あなた達は助かる
生老病死にしかと目を向ける、その苦しみを、私は強要します、許さなくてもいい。
ただ、救われて下さい
後はなるべく、殺してしまわないように、殴って気絶させます、まだまだ生きましょうよまだまだまだ苦しみ足りないでしょううふふふまだまだまだまだまだまだまだ人生これからです。
●
「今ならばもう一方のリターナーとの接触前に説得可能ですね」
平良・明(時折の旅行者・g03461)たちは謎の岩窟墳墓迷宮に挑む。
その中で出逢ったのは、かつて普通の人間で在ったリターナー達だ。
しかし彼らは更なる変異を行う最中であり、やがてはマミーとなり果てるのかもしれない。
「漸く眩つきが治まったかと思えば妄信的な連中との戯れか」
リターナーに歩み寄りながらシアン・キャンベル(妖蟲・g01143)は苦笑した。
歩み寄っているのは物理的な状態で、心理的な状態ではない。
そして二人の言葉を聞いたリターナーや、そうであった者たちは首をもたげて言葉を放つ。
『だ~れ~だ』
『盗賊なのか?』
のそり、のそりとこちらをぎらついた目で見つめる。
腕を羽の様に動かし、ある者は既に翼として羽ばたかせていた。
「思うに、彼らは病んでいるのでしょう、私は医者では無いので治せやしない。できる事はその心に言葉の針を刺し、気を留め苦しみを和らげるだけ」
何に相対しても私にできる事は一つしか無いと明は告げた。
大声でリターナー、元リターナーに言葉を突き刺すだけだと。
「だが構わない、貴様等が死体で、人間で在る事は問答(きゆう)と同じだ」
シアンはあえて、人間で在る事を杞憂だと断じた。
まともな人間で在るのか、それとも狂信者であるのか。それをどうやって判断するというのだろう。
どちらかであるとしてその保証は誰がするのか、それが解決して人間としたいとリターナーの差はどうであるのか?
そう言った問答は全て杞憂だと言ったのだ。なぜならば……。
「それは! くっ……! 生とは苦しみ……」
明はここに来る前に缶コーヒーを飲み干していた。
しかし歓呼の声でヒーヒー言われたりはしない。だがブラックな労働もここにはない。
ただ生きることはそれだけで荒波だ、明は山河乱世の駆流を駆け抜けて此処にある。
時間という黄金の砂は時にヤスリのように身を削り、時に財貨の様に経験を積み上げる。それが幸せであるかどうかに関わらず、苦しみは常にやって来るのだ。まるで缶コーヒーの味の様に。
そんな中で『彼ら』の中には即座に襲い掛かって来る者も居た。
『神の敵はハイジョ!』
「慌ただしい両翼(はね)を休ませつつ話を聞き給え。此処は……」
シアンは襲い掛かれ『彼ら』の中で、頷き首を傾げる様に攻撃を避けた。
偶に避けれない攻撃もあるが、致命傷ではない程度に紙一重で押さえておく。
そして語り掛けるのだ、『彼ら』もまた考えたであろう可能性を。
「そもそも神が守護している場所なのだぞ」
『あ?』
囁くように、ただ真実だけを告げた。
既に起きた事象であり、同時に矛盾でもある。
此処からは忌々しいマッチ・ポンプを破壊する作業だ。
「それが、たかが有象無象に侵されると本当に信じているのか? 神は絶対、そうなのだよ」
『かかか、神は正しい』
シアンは決して『神そのもの』を『強大さ』を否定はしなかった。
多数神であれば絶対性などないが、既に変異してる『彼ら』に通じる筈もない。
ならば狂信にこそ付け込む隙はある。いや、真実をもたらすだけだと口にする。
「で、在れば其処に集うものこそが真の墓守か? 否、違うとも。貴様等と同じく『盗賊から守ってくれ』と説かれた愚者でしかない。私の言葉を疑うのであれば彼らにも尋ねてみると良い」
シアンはただ、『彼ら』が行く予定だった先を示した。
そこには『彼ら』と同じモノが存在している。そして両者に掛けられた言葉は同じなのだから、向こう側に聞かれてもこちら側に話しても意味はない。
「これで理解出来るな? 悉くは狡猾な蛇の仕業なのだよ」
神を名乗った蛇が居る。真実だけを口にすることで、その矛盾だけを突いた。
混迷した状況に真実だけを示し、矛盾を頭に叩き込むだけだ。
それはきっと心地良いアイデアであろうし、紐解かれたソレはシアンからの贈り物である。
『ウゴゴゴ!? 神は、神は!』
「あなた達は助かる! 生老病死にしかと目を向ける、その苦しみを、私は強要します、許さなくてもいい」
明は頭を抱える彼らに、言葉という名の暴力を叩きつけた。
時折に鉄拳も叩き込むがそのくらいは御愛嬌、暴れる彼らを好きにさせてやることで、心の整理をさせてやるだけだ。
殴って殴られて、ただ解きほぐそう。
「ただ、救われて下さい」
後はなるべく、殺してしまわないように。
まだまだ生きていよう。生きることは苦しみ。苦しみ足りないだろうと微笑む。
大丈夫、まだまだ人生これからだと生と言う名の苦境に堕とした。
辛い事を告げる明も苦しそうだが、口の中に広がるコーヒーの味だけが彼の味方であったという。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【現の夢】がLV2になった!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
陣・頼人
リターナー達の『心』を取り戻すために彼らを説得する。
【トラップ生成】と【罠使い】で蜘蛛の糸の様な粘着性トラップを上空に展開し、彼らの動きを封じる。
そして鳴き声が止まった隙に【情熱】を込めて彼らに残っている魂に呼びかける。
強い衝動でリターナーとして蘇ったのなら、それはまだ残っているハズだから。
「思い出して、あなた達の居場所を! 帰るべき場所を! そして、あなたが『誰』なのかを!」
「そして、迷宮の入り口に書かれていた言葉を! 今のあなた達は『人間』なの!?」
思想が統一されていない今なら「それぞれの答え」を思いつけるはず。
もし正気に戻らない個体がいたら【インベイデッド・ユア・テリトリー】で撃破。
●
『な、何が正しいのか』
『神の、神の命を果たすことが!』
『それが正しいのか……?』
ある者は悩み、ある者は断じ、ある者は迷い続ける。
リターナーは既に変異した個体と違って理性が残っているし、変異した者もまた完全ではない。
「思い出して、あなた達の居場所を! 帰るべき場所を!」
陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は仲間が語り掛ける間、罠を張っていた。
それらは蜘蛛の糸の様な粘着性を持つトラップであり、動きを封じるための仕掛けだ。
そして鳴き声が止まった隙に、彼らに残っている魂に呼びかける。
「そして、あなたが『誰』なのかを!」
それは厳しい問いかけだった。
変異しつつある者にとって、変異したモノにとって、自分が何かであると見つめるのは厳しい。
しかし彼らはリターナーであり、強い衝動があるからこそ蘇った存在なのだ。
頼人はその事を信じて説得を続ける。
「そして、迷宮の入り口に書かれていた言葉を! 今のあなた達は『人間』なの!?」
『あ?』
『お、おで……』
ここで更に厳しい現実を突きつけた。
この迷宮は人が訪れ、人が生まれ直すことを体験して元に戻るべき場所なのである。
ゆえに訪れるのは人間であるはずであり、そうでないという事は論理の矛盾を生じる。迷宮の奥に行けば行くほど、そんな思いがする場所である。
それなに、彼らは変異しつつあり、既に変異しているのだ。何という矛盾であろうか?
だからこそ彼らの一部は止まり、彼らの一部は否定を始め……。
彼らの一部は狂乱して襲い掛かって来た!
『う、う、アアアア!?』
「気づくのがちょっとだけ遅かったみたいだね。……でも大丈夫。僕の仲間が言ってたよね? あなた達は生きる。これから生の苦しみを続けるのだと」
既に変異した者を中心に襲い掛かって来た。
そこで頼人は、全身が滅びない程度に殴り倒したのだ。
もしかしたら正気に戻って、元の存在に戻ることを祈りながら……。
それぞれの答え、それぞれの道を見つけて欲しいと思いながらディアボロス達は道を進んでいった。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ゴゴゴ……と何処かで音がする。
おそらくは十分な時間が経った為か、それとも道行に十分な重さが加算されたことで最後の道が開いたのだろう。
一度奥まで行って戻る工程で最後の道が開く。
ならば戻ればアヴァタール級が居る場所へと移動できるが、その前にやらねばならないことがある。
残ったもう一グループのリターナー達を倒さねば、彼らはやがてトループス級のクロノヴェーダになってしまうのだから。
その前に説得し、あるいは倒さねばならない。
『あーあー』
『神の、神の敵を……倒さねば。守らねば』
のっそりのっそり、ワニのようなゆっくりとした歩みで『彼ら』もまたこちらに向かって来た。
それは戦う為であり、あるいは救われる為なのであろうか?
願わくば、彼らが人として元の道を戻らんことを。
その事はこの墳墓に描かれた紋様にも示されているのだから。
風早・覧導
アドリブ・連携◎
ああ、スランプの作家の前に現れるという紙・・・いえ、神ですね。白いワニ。
自分達の姿を見てください、貴方がたは今鰐です、故郷へ帰りたいならば、どうか本来の自分を見失わないでください!
短式光子槍で光源を確保して
「光よ舞え、舞え 僕と舞え」
光に紛れる事でホワイトクロールに対抗、攻撃対象は説得に応じない者で。
敵に隙を作るために、ゴトーさんと明滅しながら飛翔し残像で撹乱しましょう。
フォトンスフィアで致命的な攻撃を防御、それ以外は多少通っても仕方ないでしょう。
ゴトーさんは食べられちゃうといけないので一撃離脱方式で僕のところへ帰ってくださいね。
光子槍連射銃は味方の援護にも使用します。
●
「ふむ。あれは……」
風早・覧導(ブライトネス・デーモン・g04361)が奥へ奥へと進むと、そこにはナニカが居た。
低い体勢でのっそりと歩き、こちらに向かって牙で威嚇して来る。
「ああ、スランプの作家の前に現れるという紙……いえ、神ですね。白いワニ」
這いつくばってるものではない、四本足のワニがそこに居たのだ。
2mというのはそれほど大きくはないが、元がリターナーだからだろうか?
このまま変異しきれば、もっと大きくなるのかもしれない。
「自分達の姿を見てください。貴方がたは今、鰐です。故郷へ帰りたいならば、どうか本来の自分を見失わないでください!」
『う……ごご』
『侵入者を、コロセ!』
覧導の言葉に足を止めた者も居るが、他のワニ……。
クロノヴェーダに変異しかかっている個体の指示で攻撃を掛けようとする。
覧導はその一部を避け、避けられない攻撃は受けて致命傷だけは避けた。
「仕方ありませんね。気絶させることにして、ダメならリターナーとして蘇ることを期待して倒しますか」
覧導は光り輝く槍を構えて攻撃を防ぎ、あるいは牽制攻撃を掛ける。
そして一定距離を離し、できるだけ傷つけないように攻撃し始めた。
『シネ!』
「光よ舞え、舞え 僕と舞え」
覧導は槍を振って光に紛れることで、飛び掛かって来るワニを回避。
光を集めて放つことで攻撃を加え始めた。
狙いはまずクロノヴェーダになり掛かっている個体である。
「ゴドーさん。大きな力を使うので暫く牽制をお願いしますね。ただ食べられない様に注意を。一撃離脱方式で僕のところへ帰ってくださいね」
覧導はメーラーデーモンのゴトーさんに注意を促しながら、急所を光のバリアで覆いながら槍の先に集めて強化していく。
「すみませんが、蘇ることに期待してください」
『ぐあっ!?』
そしてバリアが割れてしまう前に、積極的に攻撃して来るワニを反撃で倒すのであった。
その後は光線銃で味方を援護しつつ戦い抜くのである。
成功🔵🔵🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
陣・頼人
今度はもう片方のグループの説得に向かう。
ワニの姿になってるのは神獣を模してるんだろうけど、ワニにとっては居心地のいい場所じゃなさそうだね。ここ。
だからそこを指摘して彼らに疑問を抱かせる。
「あなた達はワニなのに何故ここにいるの? こんな水もない場所に」
「侵入者を倒すため? だったらあなた達はどこから来たの?」
そして、【情熱】を込めて。
「思い出して! 『あなた達がいた場所』を! そもそもあなた達はワニだったの?」
あとは目を覚まさない個体を大人しくさせないとね。
【トラップ生成】と【罠使い】でワイヤートラップを作り出し拘束して尻尾の攻撃を封じ、【インベイデット・ユア・テリトリー】の一撃をお見舞いする。
●
「ワニであることを指摘するだけじゃ効果が薄いのか……」
陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は仲間と共に戦いつつも、少しだけ考えを巡らせた。
既にワニと成り掛かり、人間であることを忘れかかっているのかもしれない。
「ワニの姿になってるのは神獣を模してるんだろうけど、ワニにとっては居心地のいい場所じゃなさそうだね。ここ」
頼人は仲間が行った幾つかの説得を思い出していた。
今、目の前で起きた説得は聞いているが効果が薄い。
だがコレに少し前に、他の仲間が行った説得を混ぜたらどうだろうか?
「あなた達はワニなのに何故ここにいるの? こんな水もない場所に」
仲間は敵の知っている情報を否定しなかった、だから頼人もまたワニであることを最初は否定しない。
代わりに『ワニであると仮定すると、おかしな矛盾』を突いたのである。
その矛盾を指摘して彼らに疑問を抱かせるというわけだ。
『ああ……?』
『だまされ、るな。わ・れ・わ・れは……この地を守る……。侵入者を……』
その言葉は先ほどよりも効いている様だった。
頼人はワイヤーや罠で動きを止めて避けつつ、必死で説得する言葉を探す。
「侵入者を倒すため? だったらあなた達はどこから来たの?」
そして先ほどよりも熱意を込めて、ワニではない事を示すための、そのために必要なキーワードを先に思い出させることにした。
「思い出して! 『あなた達がいた場所』を! そもそもあなた達はワニだったの?」
『お、おでは……』
何体かが戦闘を止め、あるいは傷ついたらもう攻撃するのを止めて逃げ始めた。
正気に戻ったのかは別として、戦うほどの狂信性は無くなったのだろう。
『に、にげるな。戦え。神の為……に。カミかみ神!』
「あとちょっとポイんだけどな……。そのちょっとだけ遅かったみたいだね。……もらったよ。ゴメン!」
頼人は少しだけ悲しそうにしながら、最後まで襲い掛かって来る個体を罠で拘束。
それでもワイヤーを引き千切りながら迫るそいつを、できれば気絶して欲しい、あるいは蘇って欲しいと思いながら大剣で殴りつけるのであった。
こうして守護者をの役割をあてがわれたリターナー達も動きを止めた。
何人かは気絶し、何人かは怯えてそのまま、何人かは正気に戻り……何人かは蘇る可能性を信じて倒されたのだ。
ディアボロスは彼らをそそのかしたアヴァタール級を倒し、リターナー達を解放できるだろうか?
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
プニ・プティフルニエ
■外見
笑顔(糸目)のシスター
一人称は「プニ」
■心情
(敵を見つけて)おっきなヘビさんだ!
いっぱい殴っても、丈夫そうだね!
だから、耐えてね♪
■行動
パラドクス【罪と罰】で呼び出した巨大な鎚で、殴りかかります。
「プニ、意外とやるんだよ!ほらね♪」
■その他
アドリブや連携歓迎です。
シアン・キャンベル
ネメシス形態
文字通りの蝿人間
私の名はシアン・キャンベル――その名は滅ぼされた、喰い散らかされた惑星を冠し、我が身はグロテスクな蝿(もの)と化していく。最早、何も謂うまい――貴様のような冒涜者に慈悲など不要だ
為すべき事は至極単純、蛆(ドール)どもを召喚し蛇の生齧りを悦ぶのだ。嗚呼、頭の中身は残し給えよ――其処は私の糧なのだ
飛んでくる毒は特に異常発達し巨大化した蛆を盾にして受けよう。もしも私に向かってきたら退く他にない――肥えに肥えた蛆どもの貪食さを観察しながら狡猾な輩の最期を眺めるのだ
実に美味そうな汁気だろうよ、はは、は――!
残り滓は他の復讐者に任せよう。私はアイデアを改めねばならない
●
「おっきなヘビさんだ!」
プニ・プティフルニエ(クジャク蜘蛛・g06025)は部屋の中に巨大な影を見つけました。
そこは財宝のプールです。蛇さんは財宝の中で何かをムシャムシャゴクン。ゴキゲンで笑っています。
「いっぱい殴っても、丈夫そうだね!」
『何という不遜な。我はカミなり』
プニもつられて笑うと蛇さんも一緒になって笑いました。
お腹が空いたのだけれど、ご飯を見つけた時の様な笑顔です。
一緒になって笑いました。全部終わったらお腹いっぱいだと良いですね。
『貴様たちは何者だ? カミの計画を邪魔するなどと』
「プニはプニだよ」
挨拶は大事です。
プニはご飯をくれるカミさまに自分の名前を教えます。
「私の名はシアン・キャンベル――その名は滅ぼされた、喰い散らかされた惑星を冠し、我が身はグロテスクな蝿(もの)と化していく。最早、何も謂うまい――貴様のような冒涜者に慈悲など不要だ」
『冒涜者などと。不遜なり。我は……』
シアン・キャンベル(妖蟲・g01143)は名乗りはしたが、相手を最後まで行儀よく待ちはしなかった。
正確には彼女の呼び出したナニカは、待っているだけの思考力を持たない。
「顕現せよ蛆虫、掘り進めマントルの虚へ」
シアンの言葉によって暗闇から白いナニカが進み出る。
それは蛇にも似ていたが似て非なる者だ。
蠕動し貪り食うが、似ているのはそれだけ。 白い蛆虫がそこらかしこから現れ出でる!
今宵のシアン・キャンベルは文字通りの蝿人間。巨大な蛆どもを操り、あらゆるものを食いつくす暴力と暴食の化身である。
『おのれ。汚らしい真似を! 死んだぞ貴様!』
「……貴様だろう? それともこやつらかな?」
シアンがブブブと答えれば、天井からボトボトと蛆虫が落下して来る。
そいつらは毒蛇を食らい、体当たりして食い止めようとする。
「届かんよ。貴様の何もかもが水泡……いや腸の中に消えていく。嗚呼、頭の中身は残し給えよ――其処は私の糧なのだ」
シアンが望むのは至極簡単。
蛆どもが蛇に食らいつき、智慧の実(脳髄)以外を食らい尽くすことだ。
『ええい。うっとおしい! 毒の川でおぼれさせてやろうか!』
「ふむ。これは食いでがありそうだ。さすがに食い切れるかな?では代わりにこいつらに食らわせてやろう 実に美味そうな汁気だろうよ、はは、は――!」
シアンの元に体力の毒液が飛んでくる。
ただシアンとしても無策に避けるつもりはない。
敵の攻撃を蛆に止めさせつつ、自身は軽やかなステップで後退する。
吐き出される毒液を蛆に食らわせつつ、巧みに避けて、仮に当たるとしても致命傷だけは避けるために。
「だめだよ。プニも参加するの。だから、耐えてね♪」
『なに?』
ここでプニが割って入った。
祈る様に静かにしていたのだが、両手を抱えて飛び掛かって来た!
「ああ……我が主……恵みに報ゆるすべなきこの身……身と魂捧げ……額くほかなし……」
プニは重厚な十字架を振り回して鉄槌のように使った。
もしソレが普通の鉄槌と違うとしたら、呪いで構成されていた事だろうか?
祈りの言葉を唱えれば、強大な力が振るわれる!
「プニ、意外とやるんだよ!ほらね♪」
肉を磨り潰し、洞穴すら砕きかねない勢いで振り回していく。
「ふむ。こんなところか。残り滓は他の復讐者に任せよう。私はアイデアを改めねばならない」
その様子を見ていたシアンは、一番うまい所を食らうために闇の中から追加の蛆を召喚しつつ援護に回るのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
陣・頼人
リターナー達は強い想いを持っているからこそ自我を保っていられた。
だから、それを踏みにじるこいつだけは許せない。
彼らの魂を開放するため、アポピスに戦いを挑む。
【地形の利用】と【ジャンプ】でパルクールの要領で壁を足場に跳び回りながら腐毒の弾丸を回避し、【トラップ生成】と【罠使い】でその全身をワイヤーで縛り上げて動きを妨げる。
そして死角から【突撃】し、【デストロイスマッシュ】を叩き込む。
信じる心を裏切り、踏みにじる事は重い罪だ。
俺の知ってる『神様』はそう言ってたよ。
時惣・継
(サポート)
平和に暮らしたい、一般の人はそれを願っているはずだよね。
現代地球を元の姿に戻すためにも、俺はその手助けがしたい。
情報収集や支援活動、偵察などは率先して行う。
戦闘では戦況や敵を考慮し、最も効果的なパラドクスを使用。
接近戦は可能な限り避け、主に銃や手榴弾等で攻撃を行う。
利用できそうな物があれば何でも使い、残留効果も有利になるものは躊躇無く使う。
他のディアボロスがいれば協力、可能な限り支援。
どこにでもいそうな中学生の少年。性格も地味で目立つことは余り好まない。
よって支援活動、潜入工作、情報収集、斥候等の裏方的な行動が多い。
戦闘行為は未だに怖いが、いつか家族に再会できる日を夢見て戦うことを選んだ。
●
「リターナー達は強い想いを持っているからこそ自我を保っていられた」
陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は静かに、それでいて強い怒りの声を上げた。
「だから、それを踏みにじるこいつだけは許せない」
「平和に暮らしたい、一般の人はそれを願っているはずだよね。それは何処の土地でも、何処の時代でも変わらない」
頼人の言葉に時惣・継(半影蝕・g04161)が応じた。
リターナー達を手当てし、今度は狡猾なる扇動者にして邪悪なる毒蛇を倒すために現れたのだ。
「この地に生きる人々を助け、現代地球を元の姿に戻すためにも、俺はその手助けがしたい」
継は幾つかの装備を用意したが、頼人が大剣とワイヤーを持っているのを見て銃を選んだ。
腰だめに構えて命中率重視の態勢で、反動を抑えて誤射せぬように読者を狙ったのである。
「当たれ!」
『……効かぬ!』
継の放った弾丸は現時点では牽制に過ぎなかった。
時間稼ぎの為であり、当てはするが本気ではない。
重要なのは仲間がワイヤーを仕掛ける為の時間を稼ぐことだ。
『我が目を見よ! そして自らを撃ち抜いて……』
「ありがとう! 終わったよ!」
毒蛇が複数ある目で睨んだところを、頼人がワイヤーで釣り上げた。
即座に千切られて解かれたが、その間に継は目線を反らして脱出!
「助かったよ。お互い様なのかもしれないけれど……。これはどうかな? 百発百中っていきたいところだけれどね」
継は敵の視線をかわしつつ、銃弾をその目に向けて撃ち込んだ。
今度は先ほどと違ってパラドクスであり、仲間たちの放った力をも上乗せしてその目を抉る!
『おのれ! だがまだ目を一つやられただけだ!』
「……配下がやられても気にしないのに、目がやられただけで怒るんだね」
頼人は洞穴の中を足場に飛び回りながら接近し、もう一度ワイヤーを手繰り寄せる。
だが今度は束縛するためと言うよりは、逃がさないためだ! そして目の潰れた死角に回って思いっきりぶっ叩いた!
「信じる心を裏切り、踏みにじる事は重い罪だ!」
『クオオアア!?』
頼人は大剣を思いっきり叩き付け、床が崩れそうな勢いで斬撃を浴びせた。
毒蛇は血潮とも毒液ともつかぬ液体をまき散らしながらのたうちまわる!
「俺の知ってる『神様』はそう言ってたよ」
頼人はそういって大剣を空中で振り、ベットリとついた液体を落しつつ退路を塞ぐために入口へ回り込むのであった。
この墳墓は一度奥へ入り込み、同じ場所から出て行くのが正式なコースなのだ。
それゆえに入り口を塞げば、毒蛇もまた逃げ出すことはできない筈だ。
そして仲間のディアボロスと共にトドメを刺すべく包囲網を築く!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!
平良・明
巡り巡ってたどり着いたここは朝か夕か、私は三本足か四本足か
断然、よちよち歩きの四つ足ぴちぴちベイビーです
銃という杖をついて挑むのもありと言えばありですが
見ればわかる偽物を砕くに、両の拳と進む脚があれば十分でしょう
未だ人は老いに足らず獣の性を引きずって、頭の中の蛇との戦いに終わりを見ていない
畜生同士、醜い戦いをしようじゃありませんか
壁を前に尚、進む、殴る、ぶち壊す、これさえできれば人間一丁前です。
この旅の果てはまだ遠くこの墳墓は終わりにあらず
では、左様なら。
アイネリス・レナリィ
(サポート)
戦闘では近距離から遠距離まで無難にこなしますが、近距離戦闘を好みます。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、他のディアボロスを援護するように立ち回ります。
公序良俗に反しない行動を心がけています。
細かい部分はおまかせ。どうぞよろしくおねがいします!
●
「巡り巡ってたどり着いたここは朝か夕か、私は三本足か四本足か」
平良・明(時折の旅行者・g03461)は歌う様に入り口の文言を思い出していた。
時は巡り、出逢いは巡り、子は大人になり、子供のを残し、老人になって死んでいく。
では自分は何か?
「断然、よちよち歩きの四つ足ぴちぴちベイビーです」
明はソレがどんな意味であるかはあえて口にしなかった。
子供を作って育てるという意味なのか、それとも自らが生まれ変わるという意味なのか?
あるいは弟子を育てるという暗喩なのかもしれない。
「銃という杖をついて挑むのもありと言えばありですが……見ればわかる偽物を砕くに、両の拳と進む脚があれば十分でしょう」
明は老獪さを捨てて、暴力に頼ることにした。
力に頼る者は二十で、技に頼る者は三十で全盛を負えるのだったか? 確か智慧でも四十何だよね。
そんな言葉を思い出しながら、まだまだ続くかもしれない毒蛇との……。
「未だ人は老いに足らず獣の性を引きずって、頭の中の蛇との戦いに終わりを見ていない。畜生同士、醜い戦いをしようじゃありませんか」
老成した人は交渉を持って終わらせる。
あるいは人の団結で倒すというのに、知恵を駆使して狡猾にナニカを成そうとする。
そんな事態に対し、明はただ力のみで十分だと言い切った。少なくともこの毒蛇を倒すためには十分だと告げたのだ。
『貴様! そこを退け! あるいはシネイ!』
「どっちも厭ですよ。壁を前に尚、進む、殴る、ぶち壊す、これさえできれば人間一丁前です」
そう言って明は向かってくる毒蛇をぶん殴った。
怪しい目を輝かせる前に、真っ直ぐ行ってぶっ飛ばすとばかりに殴り倒したのだ。
『シネイシネイ! 我が目を見てシネイ!』
「そういうのは困りますね。ですので、こういうのはどうです?」
アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は魔術で周囲にある副葬品を操った。
金属を操るのは彼女の得意技だ。
邪悪な視線を遮るなど容易い事である。
「おお助かります。窮地に味方の援護。なんだか自分も大人になった気分です。少しお任せしても?」
「ええ。魔女の役目を果たしましょう」
明の言葉にアイネリスは頷いて腕を掲げた。
片手に槍を取り出し、もう片方の手に副葬品の青銅の剣を取り魔術で鋳込まれた時の輝きを取り戻させる。
知っているだろうか? 青銅は製造された時だけは黄金の輝きを持っているのだ。
一瞬だけの煌きは、神の輝き。黄金の鎧を着ているとされた英雄の中にも、実は青銅の鎧だったのかもしれない。アイネリスならば元の黄金の輝きを取り戻すのが難しくない様に。
『ええい、貴様もシネ!』
「何度も見ました。……弾いて、砕けろ」
アイネリスは槍と剣で戦っていたが、毒蛇の魔眼に対して鉄塊を出現させた。
これが神話の戦いであれば、鏡でも用意するのだろう。
しかしこの程度の的ならばこれで十分だと、視線を遮るための鉄塊を蹴り飛ばして押し潰したのである。
「ナイッシュー。さて、これが番組ならそろそろ終わり。時代劇なら印籠の出番、刑事物なら白波のく砕ける岸壁です。しかし、それはあなた。私の、この旅の果てはまだ遠くこの墳墓は終わりにあらず」
明はそう言って、この運命を解きほぐしに掛かった。
それは寄って、殴る。
ただそれだけ、時として狡猾な蛇の智慧を、ただの拳が打ち砕いたのである。
「では、左様なら」
トドメを刺した後、明はふと気が付いた。
誰かがここに居た様な、そうそう。まだまだ未来のある活きの良いリターナー達がいたはずなのだ。
「えーと他のみなさんは?」
「リターナー達を拾って戻ってる所だと思いますよ」
明の質問にアイネリスは手当し、置いて置いたリターナーたちを回収したと告げた。
全員が無事な訳でもないし、正気を取り戻せず倒すしかなかった個体は、手加減こそしたが全員が蘇生できるわけでもない。
それでもクロノヴェーダの陰謀を砕き、また明日へと挑むことができると告げたのである。
朝、昼、晩。それぞれに輝くような人生を送れるかどうかは、リターナー自身に掛かっているだろう。
ディアボロス達はそれを見守ることはできないが、その運命を取り戻す事には成功したのである!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【クリーニング】がLV2になった!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!