🚊死の歴史を覆せ

 宿敵主、あるいは、宿敵主に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスが、クロノス級(宿敵)に殺された時に戻り、クロノス級を撃破して死の歴史を覆します。
 なお、クロノス級を倒して死の歴史を覆しても、宿敵主のディアボロスとしての能力に悪影響が出ることはありません。

『襲われる被害者と、宿敵主が同一人物』で、『宿敵主が宿敵との戦闘の現場に現れる』と、襲われている被害者(この時代の宿敵主)が消え、その位置に宿敵主が瞬時に移動してしまいます。
 上記の現象が発生した場合、戦闘終了後に宿敵主がパラドクストレインに乗った時、被害者(この時代の宿敵主)がパラドクストレインの外に出現します。ですので、比較的安全に被害者を救出することが出来ます。
 宿敵主が同一人物では無い場合や、シナリオに参加しなかった(またはプレイングが採用されなかった)場合、この現象は発生しません。

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東京虚歪アルパガス(作者 凪未宇
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#宿縁邂逅  #🚊死の歴史を覆せ 


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#宿縁邂逅
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#🚊死の歴史を覆せ


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 TOKYOエゼキエル戦争は天使と悪魔の手に墜ちた――。
 長きに渡るディアボロスとクロノヴェーダの争いも、間もなく起こるであろう決戦で恐らくクロノヴェーダの勝利が決まる事だろう。
 2013年8月に入ったばかりのTOKYOに、白と黒の翼が舞う。
 追い詰められつつあったディアボロスは、大勢の人間と共に渋谷迷宮の隠れ家に潜んでいた。
 ここであれば、複雑な地形と複数の秘密の出入口があるので、襲撃があっても逃げやすい構造である。
 だが、このまま隠れ待っているだけでは、恐怖心が強まるばかりで好転しない。

 ――ならば、先手を取る。

 狙われるのなら、初めから囮に。
 目立つだろう駅ビルランドマークのアーバン・コアの1つ。覗き込めば、吹き抜けを繋ぐエスカレータが幾つも重なり。それらを見下ろせる3階デッキへと、ネリリは踊り出ると魔術を空に放った。
 ここにディアボロスが、私が居ると知らせるように。
 隠れ家を告げるように。

 一刻。恐ろしいほどの静けさが訪れ、巨大な悪魔の手が圧し潰さんと振り下ろされ、壁とエスカレーターが派手に破壊されネリリの身体は数フロアアーバン・コアの中を落ち、中ほどでエスカレーターの1つに着地することに成功した。
 その上へとガラスと瓦礫が降り注ぎ、肌を幾つもの傷が撫でていくが構わない。
 耳障りな高笑いと共に『メフィストフェレスの契約者』が思い知ったかと騒ぐ姿を睨み上げ、反撃の魔術をぶつけると、ネリリはその更に奥へと視線を向け身構える。
「ポーン、先走るな。ビショップのように落ち着いて、レディを追い込め」
「すみません、キング」
 メフィストフェレスの契約者同士で助け出したのか、若い男を落ち着いた雰囲気の美男子が救い、もう1人が魔術を切り裂きネリリへと睨みを利かせている。
 カツーン、カツーンと靴音を響かせ、ホストのような美しきメフィストフェレスの契約者に己をエスコートさせ、彼女は現れ愉悦の笑みを浮かべる。
 映し取ったネリリの姿で、彼女らしからぬ妖艶さを漂わせ、『簒奪者サルガタナス』は。
「ようやく現れたわね。ここで決着をつけるわよ!」
「そうね……だったら、いっぱい遊びましょ。ナイト、ルーク行きなさい」
 サルガタナスの取り巻きのように仕えていた、ナイト、ルークと呼ばれた美しきメフィストフェレスの契約者が一斉にネリリに襲い掛かる。
 悪魔の力と魔術がぶつかり合い、その戦いは辺りを震撼させた。
 何度かの攻防が続き、疲弊し始めたネリリの様子にずっと傍観を決め込んでいたサルガタナスが微笑む。
 例えどんな強者であっても、複数の悪魔を相手どれば消耗は避けられない。
「お相手してくれるのかしら?」
 そう言いかけたネリリの言葉は、地下から沸き起こる悲鳴と爆発音に掻き消された。
 程なくして、『ガーゴイルガンナー』に追い立てられた大勢の人々がランドマークの中に溢れてくる。
 ある者は、上階から落下し。
 ある者は、悪魔に撃ち抜かれ。
 ある者は、ネリリに絶望と怨嗟の言葉をぶつけ。
 彼らは渋谷地下3階にあった、隠れ家に逃げ込んでいたはずの人々。
「あはっ! ねぇ、わたしがあなたのこと、気付いていないと思ったの?」
 美しく歪むサルガタナスの唇は『オ・ミ・ト・オ・シ』と、微笑み。
 たちまちネリリはメフィストフェレスの猛攻と、逃げ惑う人々の波に飲み込まれる。
 サルガタナスは気付いていたのだ。
 ネリリが自分を誘い込もうとしていることに。
 その為には偽物の隠れ家ではいけないと、本物の隠れ家を使うことを。
 だから、サルガタナスは渋谷迷宮に配下を送り込み、他のディアボロスと人間を襲い狩りだしこの場へと誘導した。
 ネリリ自身をここに留め置く為に、自らは姿を晒しその間に。
「悪い子ね。あなたがみんなを見捨てたのよね」
 甘く囁くサルガタナスの言葉はネリリの中に入ってくる。
 人々の悲鳴が、お前のせいだと叫ぶ声が、ネリリを傷つけ。
 やがて、ネリリの心はサルガタナスの手に墜ちた。
 力なく崩れたネリリの身体を愛おしそうに抱き、サルガタナスはその全ての輪郭を撫で、うっとりと微笑み胸の上で指先を止めた。
「やっと、あなたの全部が手に入るわ」
 光りを失ったネリリの瞳に、妖艶な笑みを湛えるサルガタナスの姿が映り込み。
 全てが真っ赤に染まった――。

「特別な、パラドクストレインの案内なのです」
 そう言って、蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)はスケッチブックを開く。
 場所は、渋谷駅とその地下一帯。
「ここは過去のTOKYOエゼキエル戦争が、一度目の終結を迎え歴史改竄が最終段階に入った時なのです」
 つまり、ディアボロスが負けた歴史。
 そして、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)が死を迎えた戦いの歴史でもある。
 今回のトレインは、ネリリの死の歴史を覆すものである。
 クロノス級が活動していた過去の時代に向かい、クロノス級と決着をつける事が出来る。新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、敵ディヴィジョンを弱体化させることも期待できるというものだ。
「皆さんが相手するクロノス級は、『簒奪者サルガタナス』。ネリリさんとはずっと交戦していた相手のようで、彼女の姿を模倣している悪魔のようなのです」
 もしかすると本当の姿はあってないのだろうか。ネリリの姿を映していても、身体を奪ったなどではなく、相手は完全な悪魔ということだと珠萌は説明する。

「皆さんが辿り着いた時には、ネリリさんはサルガタナスを倒すべく単独行動を始め魔術を放った後、襲撃の瞬間になるのです」
 トレインは渋谷地下5階にある駅に止まる。
「住民の皆さんが現地のディアボロスと一緒に逃げ込んだ隠れ家は地下3階の商店に紛れており、単独行動で飛び出したネリリは地上3階にいるのです」
 この渋谷迷宮は上下の移動もさることながら、平面の移動も複雑で心得の無い者が迷い込めば目的地につくのは難しい構造になっている。
 珠萌もスケッチブックに描いていくが、既に数ページ渡る説明となり地図だけで大掛かりだ。
 地下への出入口も複数あり、本来であれば隠れるにも逃げるにも相応しい場所であった。
 だがネリリの行動を読んでいたサルガタナスは、ネリリを襲撃しながら同時に部下を地下の複数の出入口から侵入させ、隠れ家の人々を襲わせるようだ。
「当時のディアボロスの人達も奮闘するんだけど、その頃は力も弱かったし、護りながらの戦いは難しかったのです」
 このまま放っておけば隠れ家が襲撃され、人々が犠牲になってしまうので上手く避難させてあげて欲しい。
「この辺りは、現地のディアボロスと上手く協力出来たらいいかもしれないのです。きっと彼らも一緒に戦おうとすると思うけど、下手にクロノヴェーダを刺激すると大惨事になるのです」
 ここは手出しさせないよう説得したり、自分達との力の差を理解して貰う必要もあるかもしれない。
 無事に避難が間に合えば、地下へと飛び込んでくるガーゴイルガンナーを迎え撃つことも出来るだろう。
 もしも時間が掛かってしまえば、住民を護りながら戦うことになるので、気を付けて欲しい。

 そして、問題となるのは過去のネリリだ。
 彼女はこの時点で既に3階デッキに居る。
 もし彼女を手助けしようとするなら、急ぐ必要があるかもしれない。
「この過去のネリリさんは、現在のネリリさんがこの歴史に辿り着くと消えてしまいその位置に、現在のネリリさんが瞬時に移動してしまうのです」
 つまり彼女だけ、単独で敵が襲撃してくる場所に立つことになるという。
「直ぐに助けに駆け付けることは出来ると思うけど、最初の1撃はネリリさんだけで受けることになると思うのです」
 最初に襲撃してくるのは、5人の美しきメフィストフェレスの契約者。ホストやアイドルのような美男子である。
 サルガタナスは、配下が住人を襲いネリリの前で殺し苦しめようとしているので、彼らが不利になっても高みの見物を決め込んでいる。作戦の失敗が分かるまでは、愉しむつもりのようだ。

 巡ってきたサルガタナスを撃破できるチャンスだ。この機会を、是非とも活かして欲しい。
「ネリリさんを死の歴史から救うためにも、どうか力を貸して欲しいのです」
 そう言って、珠萌はスケッチブックを閉じた。


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POW  phobia

技能:精神攻撃/時間稼ぎ/情報収集 (各28LV)

対象の心に干渉し、恐怖の感情を探り出す。その感情を湧き上がらせると共に、対象の者にとって畏怖する人や生き物に似た姿に変化し、戦意を失わせる。
(元パラドクス:リドルウェーブ)

SPD  traumatize

技能:計略/演技/挑発 (各28LV)

対象の心に存在する、耐えがたい記憶を呼び覚ます。影響下にある者は、その記憶を、現在目の前で起こっているかのような錯覚に陥り、精神に深い傷を負う。
(元パラドクス:流言飛語計)

WIZ  lack of memory

技能:残像/歴史知識/観察 (各28LV)

対象の心に干渉し、自らを敵視する者が心に浮かべた技や魔法といった攻撃手段を探り出す。姿や癖、武具をも模倣した姿に変化し、同質のパラドクスを撃ち返してくる。
(元パラドクス:リピートベイン)

特殊ルール 【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。
👑11

●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【プラチナチケット】
2
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
4
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【防衛ライン】
2
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV3 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

凪未宇
皆様、こんにちは。凪です。
宿縁邂逅によってTOKYOエゼキエル戦争に起きた、宿縁を断ち切ってください。

ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)様の宿縁邂逅です。
執筆順は、①④>(②)③⑤となります。
※宿敵主様が参加された場合、過去の自分と入れ替わります。ご注意ください。

①:避難誘導
 この時代のディアボロスが居ますが、彼らは戦力になりません。
 彼らも含め、一般人を避難させてください。
②:サルガタナスとの会話
 何か情報を得ることなどはできません。想いをぶつけたりできます。
③:一般人を襲う敵
 選択肢1の結果で開始状況が変わります。
 地下に入ってくる敵を撃破してください。
④:メフィストフェレスの契約者を撃破。
 ポーン、ルーク、ナイト、ビショップ、キングの5人を倒してください。
⑤:サルガタナスを撃破。

※どの選択肢でも、自分が一番活躍したい場所にプレイングを絞り、作業分担することをおすすめします。

※技能はLVが高くとも特別な効果は得られません。
例)×【氷雪使い】で足元を凍結させ、滑らせる。→発動しない。描写されません。
  ○氷雪系のパラドクスで攻撃し、足元を凍結させ、滑らせる。
※どんな台詞や心情で参加しているのか、キャラらしさを多く書いてあると嬉しいです。

作業日や状況等は、マスターページにてご確認くださいませ。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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 現在、挑戦者はいません。
 シナリオに挑戦してみよう!


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


システムメッセージ  9月8日11時
ネリリ・ラヴラン(g04086)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日11時
ア・ンデレ(g01601)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日13時
百鬼・運命(g03078)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日13時
メルキディア・セデクリエル(g03132)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日16時
イリヤ・レダ(g02308)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日16時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日17時
薬袋・透(g02087)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日18時
クィト・メリトモナカアイス(g00885)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日19時
高遠・葉月(g04390)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日19時
シル・ウィンディア(g01415)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日20時
一里塚・燐寧(g04979)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月8日21時
フィーナ・ユグドラシア(g02439)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月8日22時
ソラ・フルーリア(g00896)が、④👾護衛するトループス級『メフィストフェレスの契約者』に参加しました。

システムメッセージ  9月9日00時
アンゼリカ・レンブラント(g02672)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月9日04時
サティニフィア・ネイバーライト(g00008)が、①住民の避難と義勇軍に参加しました。

システムメッセージ  9月9日08時
百鬼・運命(g03078)、イリヤ・レダ(g02308)、薬袋・透(g02087)、クィト・メリトモナカアイス(g00885)、シル・ウィンディア(g01415)、フィーナ・ユグドラシア(g02439)、アンゼリカ・レンブラント(g02672)、サティニフィア・ネイバーライト(g00008)、ネリリ・ラヴラン(g04086)、ア・ンデレ(g01601)、メルキディア・セデクリエル(g03132)、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)、高遠・葉月(g04390)、一里塚・燐寧(g04979)、ソラ・フルーリア(g00896)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、ネリリ・ラヴラン(g04086)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、ソラ・フルーリア(g00896)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、一里塚・燐寧(g04979)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、高遠・葉月(g04390)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、メルキディア・セデクリエル(g03132)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、ア・ンデレ(g01601)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、百鬼・運命(g03078)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月11日13時
マスターが、サティニフィア・ネイバーライト(g00008)のプレイングの採用を宣言しました。


新しい50件を見る


リプレイ


●月灯
 新宿の灯りは煌々と夜を照らし奪っていく。
 星々の光りを奪い、いつか見上げる月の灯りすら。

 わたしは、出会った事を忘れていた。でも、逃げない。
 過去はどこまでも追いかけてくるから。

 ――だから、いつか本物の貴女に会いに行くよ。

 だから、奪わせない。
 巡る時、還る歴史。その日、東京を照らしていたのは月だけだった――。
百鬼・運命
【月灯】
ネリリさんの宿敵か
知り合いの宿敵というのもあるがエゼキエル出身者としても放ってはおけないよな

まず迷宮化で時間を稼ぎつつ、地下三階の避難民へと接触し港区へ避難するように説得
港区の本拠地から救援に来た復讐者と名乗れば信用されるだろう
実際、新宿島漂着前の俺の最終所属もそこだしな

脱出は地下五階の地下鉄線路で
パラドクストレインが停車した場所だし、比較的安全だろう
それにもし避難が間に合わず敵が突入してきても、敵は各階へ複数の入り口から突入しているので包囲網は薄くなっている
何人かで避難民の脱出に先行してルートを確保に動けば、包囲網の突破は問題ないだろう

あとは避難民への追撃阻止とトレインの防衛のため、地下五階に防衛戦を張って突入してきた敵を順次撃破して行こう
敵の作戦は上層への避難民を誘導しようとしているので、下層から時間差をつけて突入してくる
地下五階で迎撃すれば敵は戦力を逐次投入する形になるので迎撃しやすくなる

ネリリさんの作戦を利用しようとした敵に、その作戦を利用した意趣返しを食らわせてやろう


イリヤ・レダ
【月灯】
※アドリブ・連携歓迎

オレもエゼキエル出身。
ネリリさんが立ち向かうモノの大変さ、理解できるよ。貴方が救われるのは、オレを救うも同義なんだ。手伝わせて欲しい。
かつて、オレ達は力及ばず散った。
けれど、今なら為せる事もあるよね。覆していこう。

住民やディアボロスと出会ったら、頭上の光輪と翼に魔力を込めて緋色に。
不安そうなら「オレは人類を虐げる天使達と決別した。貴方達の味方だ」と告げるよ。
目覚めたてのディアボロス達には「オレ達は歴戦のディアボロス。戦闘は任せて欲しい。貴方達は住民の護衛と先導を。貴方達にしか任せられない大切な役割だ」と真摯に伝え、頭を下げる。


パラドクス通信を用いての連携役に。スマホに表示した地図を元に皆が迷ったりはぐれたりしない様に気を配ろう。事前に地形をチェックしておいて目印なども絞り込んでおこう。
仲間が様々な仕掛けを用意しているし、全体を見渡す役割はきっと機能を円滑にする。

パラドクスは「緋閃の爆雷」を。
敵陣営に出会ったら目くらましで先制しよう。

皆の無事の為に力を尽くそう。


薬袋・透
【月灯】ネリリちゃんが過去に立ち向かう覚悟をしたなら、僕達はそれを応援するわ
友達だからね

とにかくまずは急いで隠れ家の人達と合流ね

説得かぁ
僕だと足手まといは要らないとかそういうきつい感じになっちゃいそうだしクィトちゃんと反対の方向を見張りでもしてようかしら

脱出のときになったら
パラドクスで召還した【軍曹】を避難民の護衛につけて
大丈夫、彼見た目は怖いけど頼りになるから

避難民にもディアボロスがいるなら残留効果使えるわよね?
【トラップ生成】置いとくわ
【迷宮化】と合わせて避難時の足止めに使ってね

アドリブ絡み歓迎


クィト・メリトモナカアイス
【月灯】
んむー、逃げてきた人たちはちょっと上の方で。
ネリリはその更に上に居るはず。
民を守るために、獣神王朝エジプトで民を守るために戦ってくれた仲間のために。急ぐべし。

急ぐべし……なのだけど。
ここがしぶやちかだいめいきゅう……んむ、どっちがどっちでなんだか全然分からぬ。
そんな時のための【過去視の道案内】。
ディアボロスだけでは数も少ないし、この中での見回りとかは一般の人もきっとやってる。
それなら、見回りにきた民の足跡を辿れる……はず。
日にちが経っているとかで一般の人の足跡がなければ手分けをして探し、見つけたら【パラドクス通信】で連絡を取り集合。

みんなの説得中は我は周辺を警戒してる。
説得が終わったら避難場所へ。
一般人と現地のディアボロスを先導し、ばったりクロノヴェーダに出くわさないように耳をそばだて、先行して敵の居ない道を行こう。


シル・ウィンディア
【月灯】
地下三階の隠れ家へ急ぎ向うよ。
早めに行かないと敵が襲ってくるから…。

隠れ家についたら、当時のディアボロス達と一般の人へ言葉をかけるよ。
みんな、無事?無事ならよかった…。

まずは一安心だね。

いま、上でわたし達の仲間が敵を食い止めているけど、ここも安全ってわけじゃないから、早めに移動をしないといけないんだけど…。

移動する時にお願いしたいことは、あなた達には、一般の方の護衛をお願いしたいの。

例えば…。
ここを襲ってくる敵がいて、一切被害を出さない状態で一般の人達を守りながら、切り抜けることはできる?
敵は容赦ないよ。
守りながら、斬り抜けるって、本当に難易度は高いからね。
だからこそ、ここの人達をよく知っているあなた達に、一般の人達の守りを任せたいの。

そっちの方が一般の人達にも安心だと思うしね。
大丈夫。
あなた達の方へは通すつもりはないから。

小さいから心配っていう声もあると思うけど。
大丈夫、伊達に修羅場は潜り抜けてきてないからっ!

後は、みんなの避難指示に動いてもらえたらいいよ。
…絶対に助けるから。


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※【月灯】同行

彼女が過去と向き合うというのなら、そして人々を助けられるというのなら、その道程を整える一助となりましょう。

まずは迅速に、避難場所に向かわねばなりませんね。
敵に隠れ家を悟られぬよう注意しつつ、最短距離で隠れ家直行です。
怪しい気配があれば、道を変えるか気配元を排除するかで追跡を断ちます。

隠れ家に着いたら、最初に私達が味方である事を信じて貰いませんとね。
プラチナチケットも使いますが、私達の素性を明らかにするのが先ですね。

私達もディアボロスであり、ネリリさんとその仲間を含む隠れ家の皆さんを助けに来たこと、またここが襲撃直前であり、急いで他の安全な所に避難する必要があることを説明します。
現地のディアボロスの方々には、最適な避難ルートなど土地勘もあるでしょうし、一般人の方々と共にここから避難しつつ、皆様の力で一緒に避難する方々を護って頂けるようにお願いします。
後は、襲撃してくる敵は私達が迎撃することと、ネリリさんも救出することも伝えて、人々の不安要素をなくしますよ。


アンゼリカ・レンブラント
【月灯】
「辿り着いた本物の私」
――私も本当の名前と、本当の私を思い出した時
「アンゼリカ」の名前とあるべき姿との乖離に苦しかったよ
復讐者の戦いは、時に過去に行くものではあるけれど
無いことにすることはできないなら

地下三階の隠れ家へ急ぎ向うよ!
辿り着いたならばプラチナチケットを使用し、
復讐者である旨を認識してもらおう

説得の際は共に行う仲間に合わせ、
救援に来た復讐者と名乗り声をかける
当時「私」の所属は北区だったけど、応援にきていたとかで
港区の復讐者として合わせようかな

・上で私達の仲間が敵を食い止めている旨
・ここも安全ではないので早々に避難する必要がある旨
・一般の方の護衛を頼みたい旨を説明・お願いする

敵を倒すことは、どうか私達に任せて。
命を守ることは、倒すことより難しい
ここの人達をよく知り、
土地勘もある貴方達にならお願い出来ると真摯に訴える

…どうか、人々を護ってください

言葉が届いたなら、避難指示は
まとまって動いて包囲のどこかに穴をあける方向に誘導かな
其方はお願いして、私は迎撃の準備を行おうと思うよ


サティニフィア・ネイバーライト
【月灯】
目的
一般人の避難誘導

目標
当時のディアボロス達も含め被害を出さず目的達成

心情
過去の世界…アタシ達が負けた『ハズ』の東京か…
この人々を救ったとしても、『今』を生きる人達に繋がってるとは限らねぇ
いや、これはもう『無かった』ことになった過去だ、救う事に意味が無ぇのかもしれねぇ
だけど、それでも…意味が無いとしても、目の前の人々を、今のアタシ達なら救えるはずの人々を見捨てるねぇ
そいつはディアボロスがしちゃいけねぇ事だ
じゃねぇとネリリにも悔いが残っちまう
なぁにサッちゃんは元からドンパチやるよかこういう方が慣れてっからな!任せとけ!

行動
この時代の一般人とディアボロスに合流したら増援を連れてきた事を告げ安心材料を定時してこちらの話を聞きやすくなってもらう
その上で悪魔達が迫ってるのが見えたと、うかうかはしてられない状況である事を教えて移動を促す
現地ディアボロスにはこの一般人の顔を少しでもわかってる方が一般人の護衛と避難補助についた方が逸れたりした場合に気づき易いからと一般時へ随行してもらうように促す


●迷宮
 誰も居ない地下鉄渋谷駅のホームに、歴史を越えパラドクストレインが到着する。
 ドアが開くとほぼ同時に、ディアボロス達はトレインから駆け降りていく。
 全員が降車したのを見届けるかのようにトレインは発車し、歴史の向こうへ。迎えの時間まで暫しお別れである。
 そうしてディアボロス達の目の前に広がるのは、渋谷地下迷宮。
 それも工事途中であったり、襲撃に備え塞がれた通路があったりと、複雑さは倍増しているが止まるわけにはいかない。
 共に新宿駅を出発した仲間の一人は、既にトレインの中より姿を消し、ここにはいない。
 彼女は一人で敵前へと飛ばされたのだ。
(「ネリリさん……」)
 自然とイリヤ・レダ(はぐれ天使刃傷派・g02308)の視線は、遥か上方へと吸い寄せられる。
(「ネリリさんが立ち向かうモノの大変さ、理解できるよ」) 
 オレもエゼキエル出身。かつて、オレ達は力及ばず散った。
 それは、一部のこのディビィジョン生まれのディアボロスが抱く苦い記憶。
 ――敗北の記憶。
 力が及ばず戦争に負けた。最後の刻だ。
 手伝わせて欲しいと乗車したからこそ、イリヤも強く願う。この結末を変えたいと。
「んむー、逃げてきた人たちはちょっと上の方で。ネリリはその更に上に居るはず」
 地下五階から地下三階へ。
 アーバンコアを一気に抜けるまでは良かったが、そこでクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は難しい表情を浮かべた。
 ネリリからある程度地下の状態を聞いていたが、恐ろしいことに地図や道順が分かっていても分からない。
 しかも機能していない駅地下は、照明も殆ど落ちかなり薄暗い。
「民を守るために、獣神王朝エジプトで民を守るために戦ってくれた仲間のために。急ぐべし。急ぐべし……なのだけど」
 何故だろう、事前に聞いていたより早く良く分からないドアや通路が横にあったり開いているはずの道がバリケードなのか、シャッターで閉ざされて居たり、土嚢が積まれていたりする。
 早めに行かないと敵が襲ってくるからとシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)が案じるように、立ち止まっている暇はないが、敵に隠れ家を悟られても困りますねとフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)が言うように、住民達が築いたかもしれないバリケードを壊せば危険も高まってしまうかもしれない。
「ここがしぶやちかだいめいきゅう……んむ、どっちがどっちでなんだか全然分からぬ」
 だが、そんな時の為に準備してきたと、クィトは人が歩きやすい場所で過去視の道案内を発動させた。
 すると先程まで何も無かった通路に、影が出現し歩き出す。
「んむ。これで民の足跡を辿れる……はず」
 この時のディアボロスだけでは数も少なく、一般人も見回りとかやっていただろうという予測は的中したようだ。
 影は不安そうに、ゆっくりと移動していく。
 何度も止まり、何度も周囲を確認して。
 そうして地下二階へと一度出てから傾斜を下り再び地下三階へ。
 イリヤはその間もスマ―トフォンを広げ、どこが塞がれ外へ繋がっていそうか、地図に印アップデートしていく。
 事前にある程度当時の地図や情報を仕入れていたが、戦争が起きたせいであてにならないというのは良く分かった。
 襲撃のせいか、それとも防備の為か。地図以上に複雑になった渋谷地下迷宮を急ぎながら、イリヤは出来る限りマッピングしていく。
 これでネリリからの事前情報が無かったら、完全に迷子になっていたことだろう。
 所々に落盤して積もった瓦礫を見れば、当時の記憶が蘇りそうだ。
 この場所に限った事ではない。そこら中が、戦場だったのだ。
 そういう意味では、このTOKYOに本当の意味で安全な場所というのは、無いのかもしれない。
 だが、今は救いたい。
(「貴方が救われるのは、オレを救うも同義なんだ」)
 どんなに未来へ進んでも、過去はそこにある。
「今なら為せる事もあるよね。覆していこう」
 もう直ぐ隠れ家に到着するのだろう、警戒心が強くなった影の緊張を感じ取り、イリヤはパラドクス通信越しに呼びかけた。
 もうすぐみんなが着くから。君は一人じゃないと。
 彼女が過去と向き合うというのなら、そして人々を助けられるというのなら、その道程を整える一助となりましょう。
 フィーナだけではない。集まりトレインに乗車した誰もが同じように、近い気持ちを抱いていただろう。
「きっとネリリも苦しんでいるよね」
 私もとアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は、思い出し口にする。
 本当の名前と、本当の私を思い出した時。『アンゼリカ』の名前と、あるべき姿との乖離。――『辿り着いた本物の私』。
 私だった過去。
「復讐者の戦いは、時に過去に行くものではあるけれど、無いことにすることはできないなら」
 必ず追い付いてくる過去と、どう向き合うのか。そして、どう進んでいくかはディアボロス次第。
 あの時、自分が受けたように。
 仲間は時には支えてくれ、引っ張てくれ、押してくれる。
 そうある為に、アンゼリカもここへ駆け付けた。
 そして今は、ネリリが過去と決着を付けられるよう残してきたものの一つを救いに向かっている。
「過去の世界……アタシ達が負けた『ハズ』の東京か……この人々を救ったとしても、『今』を生きる人達に繋がってるとは限らねぇ」
 ふと、そんな言葉がサティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)の口から零れた。
「そうだね。もう奪還したから、助かった人は生きてるってことになるのかな」
 今を生きてる人には繋がってないかもねと、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)が軽く言う。
「いや、これはもう『無かった』ことになった過去だ、救う事に意味が無ぇのかもしれねぇ。だけど……」
 意味が無いとしても、目の前の人々を、今のアタシ達なら救えるはずの人々を見捨てる。
 そんな選択が出来るだろうか。
「そいつはディアボロスがしちゃいけねぇ事だ。じゃねぇとネリリにも悔いが残っちまう」
「そうだな。それにもしかすると本当に助けられる人も居るかもしれない」
 説明は複雑なんだがと、百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)が小さく笑む。
 奪還戦によって殆どのものを取り返せたと思うが、もしかすると特異な歴史に捕らわれ続けている人は、まだ戻っていないかもしれない。
 それは、クロノヴェーダに身体を乗っ取られそうになっていた人などが分かりやすいだろう。
「まだ助けられる人は居る」
 アンゼリカが確信を持ったように言った。
「それに、居ないって思うより居るって思った方がいいよね」
「ネリリさんの宿敵というのもあるが、エゼキエル出身者としても放ってはおけないしな」
 天使と悪魔に捻じ曲げられた人は、何も一般人だけではない。ディアボロスだって救う事ができる。
 アンゼリカと運命の言葉に、他の一同も大きく頷いた。
 途中侵入避けに配置されたバリケードを越え、東口の広場へと抜けると、ディアボロス達はいきなり複数の銃口を向けられた。
 この時代のディアボロス……避難する一般人の護衛といったとこだろうか。
 こうして近付いて来れば、警戒されるのは当然のこと。
「みなに説明は任せる。我は、周辺を警戒しておこう」
「僕だと足手まといは要らないとかそういうきつい感じになっちゃいそうだし、クィトちゃんとは反対の方向を見張りでもしてようかしら」
 説得かぁと微妙な表情を浮かべる透に、サティニフィアは胸を張ってみせる。
「なぁに、サッちゃんは元からドンパチやるよか、こういう方が慣れてっからな! 任せとけ!」
 適材適所。こういうのは得意な人に任せておこうとクィトと透は、周囲の通路を確認しに向かった。
 予知では、彼らが襲われるという。
 地上に向かう出入り口は大きく二つ。気にはなるが、改札口は大丈夫だと信じ二人は分かれた。
 自分達がこの時代の、この状況下の人達であったなら。
 アンゼリカとフィーナはプラチナチケットを使い、護衛のつまり彼らと同じディアボロスとして接することにした。
 そういう意味では嘘は言っていないし、信じられやすいだろう。
「みんな、無事? 無事ならよかった……まずは一安心だね」
 奥の方、喫茶店の店内などに集まってるのが一般人だろうか。その姿にシルが安堵を素直に口にすると、僅かに彼らの警戒が弱まった。
「俺達はディアボロスだ。港区の本拠地から救援に来た」
 実際、新宿島漂着前の俺の最終所属もそこだしなと真実を交えつつ運命が護衛の一人に話しかけ。私は北区からの応援だよとアンゼリカも話しかけながら、敵意がない事を充分にアピールする。
 まだ俺達以外に生き残りがいたとは思わなかった。
 そんな驚きが浮かぶのも無理ない。それだけ、この時は劣勢だったのだから。
 天使と悪魔が入り混じるエゼキエル。見た目だけでは、全ての種族を素直に判断できないのがもどかしい。
 半信半疑といった様子の彼らに、プラチナチケットの効果を重ね、更に言葉を紡ぐ。
「私達もディアボロスであり、ネリリさんとその仲間を含む隠れ家の皆さんを助けに来ました」
「ネリリだって!?」
 フィーナが彼女の名前を出した途端、彼らの空気が変った。
 そういえば姿が見えないじゃないかと、護衛の何人かが騒めく。
 またかと言う声があがるところを見ると、この頃のネリリが一人で動くのは決して珍しく無かったのかもしれない。
 それがまさか彼らを囮にしようとしてるとは、さすがにまだ気付いてないようだが。
 彼らの興味がそちらに向かないよう、サティニフィアは続ける。
「上の階にも増援が来てるんだぜ。だけど、ここは危ねぇ。悪魔達に知られちまったみたいだぜ。うかうかしてられない状況になっちまったようだ」
 危険が迫ってると聞けば、再び緊張が高まる。
 同じディアボロスと言っても、彼らの装備品は一般の物ばかり。見渡す限り、疲労の色も濃く負傷者も居るようだ。
 恐らくこのまままともに悪魔と遭遇すれば、彼らはもれなく全員が倒れることになるだろう。
「いま、上でわたし達の仲間が敵を食い止めているけど、ここも安全ってわけじゃないから、早めに移動をしないといけないんだけど、他に彼らを隠せるような場所はあるかな?」
 恐らく彼らの方が、避難先は分かるだろうとシルが投げかけて見れば、候補はあるようだが、この人数を移動させるのは目立つと護衛たちは唸り声をあげる。
「それなら、地下から線路沿いに逃げるのはどうだろう?」
 敵が上からくるなら下からと、運命が地下五階の線路を示すと、なるほどと護衛の人達が頷く。
「池袋まで行けば、向こうの仲間と合流できるかもしれない」
「しかし、池袋だって安全な場所なんて……」
 そういう意味では渋谷だって同じだ。
 最悪、埼玉に逃れることも考えた方がいいのかもしれない。
 そんな話を地図と路線図を広げ確認すると、やはり気になるのはアーバンコアだ。
 天使も悪魔も翼を持っており、自在に飛翔し追ってくる。
 例え地下深くを逃げていたとしても、たちまち追いつかれてしまうのではないだろうか。
「そこは私達に任せて欲しい。命を守ることは、倒すことより難しいんだ。ここの人達をよく知り、土地勘もある貴方達には彼らを護って欲しい」
「守りながら、斬り抜けるって、本当に難易度は高いからね。一切被害を出さない状態で一般の人達を守りながら、切り抜ける自信はある?」
 敵は容赦ない。それは貴方達も良く知っているだろうとアンゼリカとシルは言う。
「大丈夫。あなた達の方へは通すつもりはないから。伊達に修羅場は潜り抜けてきてないからっ!」
 絶対に助ける、足止めして見せると想いを込め。人々を護ってくださいと真摯に伝えれば彼らも無理は言わない。
 これは貴方達にしか頼めない事だと。
「皆様の力で一緒に避難する方々を護ってあげてください」
「もし逸れた者がいても、今まで一緒にいたあんた達だったら直ぐに気付けるだろ」
 それに何より知った顔というのは安心感を与える意味でも大事だ。
 フィーナとサティニフィアの言葉に、護衛たちは強く頷いた。
 それに薄々気付いていたのだ。駆け付けたという彼らが、全く負傷してない事に。この戦時下の中、無傷ということは実力は自分達より上なのだろうと。
「オレ達は歴戦のディアボロス。戦闘は任せて欲しい。貴方達は住民の護衛と先導を。貴方達にしか任せられない大切な役割だ」
 お願いするとイリヤに頭まで下げられ、恐縮したのは護衛たちのほうだ。
 本当にお任せしていいのだろうかと、最後まで彼らは心配していたが、そこは押し切るしかない。
 地下五階まで一般人と護衛たちを送りだし、途中まで先行して安全を確保してきたクィトが戻って来たところで最後の仕上げだ。
 地下五階への出入口を閉じるように、運命が地下四階から地下三階にかけて迷宮化を発動させ、透がトラップ生成で、地下五階へ進む道を更に閉ざす。
 これで他の出入口や、地下三階の線路からクロノヴェーダの侵入があったとしても、その下に降りさせることは無いだろう。
 集まったディアボロス達が、全てここで倒れるようなことが無い限り。
 後は……。
「ネリリちゃんが過去に立ち向かう覚悟をしたなら、僕達はそれを応援するわ。友達だからね」
 きっと、向こうも上手くやっていると信じて。
 透は更に迷宮化した渋谷ダンジョンを眺め、天へと視線を送る。
「ネリリさんの作戦を利用しようとした敵に、その作戦を利用した意趣返しを食らわせてやろう」
 運命の言葉に、ディアボロス達はフロアの出入り口に対して身構える。
 もうすぐ敵が飛来して来ることだろう。
 ここから先は、過去とぶつかるだけ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV2が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!

ネリリ・ラヴラン
【月灯】

トレインから飛び降りた次の瞬間
飛び込んで来るのはきっと見覚えのある光景

悪魔達の手で多くの仲間を失った恐怖と
生き残っていたが故に背負わされる責任に
押しつぶされた私の最期の場所

その場所に再び立った今なら解る
とうの昔に心が負けていたんだよ

例えサルガタナスを討ったところで
決まりきった運命を先延ばしにするだけと頭では理解しながら
形振り構わず目先の安息を求め、結果に飛びついてしまう
だから、一つ計画が狂ったくらいで取り乱してしまうんだよ

ただ、それが私…
昔の事でも自分の事なのだからいくらでも思い出せる
唯一違うのは、今はそんな自分を演じようとしてることだよ

思い切り動揺してみせよう、苦し紛れのようにPDを放とう
必死に思考を巡らせ、至らずに、ただ身を隠す…フリをこなしてみせるんだよ

巧くいったとほくそ笑まれる間にパラドクス通信を繋ぎ
あの時捨てた本当に守るべきだった皆へ、仲間の手が届くまで
あの時踊らされた私が、逆に躍らせてあげるんだよ

私の罪は変わらずとも
結末だけは変えなくちゃいけない

だからお願いだよ、皆!


ア・ンデレ
【月灯】
大切な友達のネリリちゃんを護るために、アンデレちゃんはやってきた。
ディアボロスの救援機動力を用いて、何よりも早くネリリちゃんのもとに駆け付ける。
ネリリちゃんをディフェンスして、ネリリちゃんへの攻撃の一部を肩代わりする。

「ネリリちゃん、アンデレちゃんが、てつだいにきたよ! いっしょにたたかお!」
『繋がり護る重ねた掌』により増えた拳で友達のネリリちゃんを護りつつ戦う。
調子に乗ったムカつく顔にアンデレちゃんの友達を思う『ともだちパワー』を込めた拳をめりめりとぶち込んであげよう。

ネリリちゃんは大事な友達の中でも特に特に大事で特別な友達だから。
絶対に傷つけない。絶対に悲しませない。絶対に全員で笑顔で終わらせてやる。


メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
【月灯】

(ネリリさんの過去を知り)
自分の強さを信じることは簡単じゃない
だけれども、積み重ねてきた勇気を掲げて舞い戻ることを決意したネリリさんの為に、私達は駆けつけるッ!

アンデレちゃん達と一緒に救援機動力で駆け付けて壁閃機ベイルマウアーを構えながらネリリさんを庇う
「颯爽とヒーロー登場ってね。さぁ、ここからはどんでん返しの時間と行きましょう!」

チェスの駒に準じた護衛たるメフィストフェレスの契約者…ホントに借りてるだけの力で私達を消せるとは思わない事ね!
その巨大な悪魔の両手……白銀(しろがね)の三光剣でぶった切ってあげるわ!
そう言って攻撃を防ぐために構えているベイルマウアーの影でシルトガーレとアガートツヴァークを接続して念動力制御し、
シルヴァリオ光輪を発動
その巨腕を文字通り真っ二つよッ!

黒幕は駆け付けたディアボロスが私達だけだと思ってるみたいなら思わせぶりな反応で揺さぶるのもありかな
「それはどうかな?」ってね


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【月灯】
連携アドリブ歓迎

ネリリさんの下へ、駆け付けよう
折れないように、負けないように
一人では、ないのだから
共に戦う

事前に建物の構造を把握し、ネリリさんから居場所を聞いておく
パラドクス通信を駆使し連携

救援機動力を駆使し、最短距離で合流する
適時、エレベーターシャフトや、アーバン・コアの吹き抜けなども利用し、上層階のネリリさんの下へ急行し
移動には適時飛翔を活用し、地形を利用し翔け上がる
合流以降ネリリさんをディフェンス

戦況を観察しつつ把握
基本は仲間と狙いあわせて攻撃、襲い掛かるナイト、ルークから集中して落とす
ネリリさんを狙うそぶりがある敵を確認
他の3体について、フリーになりそうなら順次攻撃を加えていく
倒せる敵から倒し
残りであえて順番を定めるなら、ネリリさんを狙う敵から倒す

敵の攻撃には、タワーシールドを構え、悪魔の両手を防ぎ
魔力障壁やコートで負傷を軽減
出現位置を観察し把握


高遠・葉月
【夜灯】
アレンジ、絡み歓迎

あたしはあたしの大事な人の味方でそれを仇なすもの全てがあたしの敵よ
たとえ世界や死の運命だとしても

救援機動力の感覚のままネリリの許へ
邪魔になるような倒壊物や壁は構わず【怪力無双】でぶちぬいてく

ネリリを見つけたらまず叫ぶ
お前の敵はこっちにいるぞ!と敵の気をひく事とあたしがきたぞとネリリに伝える
「ネリリッ!」
ただ名前だけ呼びまっすぐそのままネリリのもとに突撃

敵はネリリに近い順から斬りかかり色々状況に応じて多様な武器を生成し敵の前衛から切り崩していく

ネリリへ向かう攻撃はディフェンス。生成した大盾で受けかばう
かばった後は受けたダメージと自身の魔力を上乗せしたエネルギーを大盾から大斧に武器を形態変化させてパラドクスを叩きこむ

「片っ端に叩き伏せてやるわ!来なさい!」
パラドクスの反動で金髪を黒くしつつ大きく叫ぶ

しゃけはあたしの目に徹する
戦場を後方から俯瞰し大きな攻撃やネリリに詰めてくるような動きがあったら知らせるように命令
知らせがきたら周囲に警告

しゃけは狙われたら逃げ隠れること


一里塚・燐寧
【月灯】
ネリリちゃん(g04086)をディフェンス

獣神王朝がまだあった頃に少しだけ聞かせてもらったっけ
ネリリちゃんが過去に置いて来たものと向き合うか、迷ってる気持ちを
……あたしは戦う気になってくれるって信じてたよぉ。あの時から、ずっとさ

【パラドクス通信】でネリリちゃんの位置を把握し、救援機動力で合流
途中でエレベーターや階段が封鎖されてたり、撃ち落とされる危険がないって状況だったら、【飛翔】で階を移動するよぉ

いやー、主演女優賞ものだねぇネリリちゃん。あいつらを逆に嵌めてやるなんてさぁ
こっからは加減ナシ。全力でブッ殺してやろーじゃん!

≪テンペスト・レイザー≫の斬り上げに豪快に床を巻き込み、『屠竜技:地砕きの剛剣』を発動!
一番手近な敵を直接斬ると共に、回転鋸刃に切り裂かれた床の破片を巻き上げ、後ろの敵に叩きつけるよぉ
あははぁ!高みの見物を決め込んでる女王様に、きみ達がズタズタになるところを見せたげるよぉ!

今頃、あっちも上手くやってくれてるとこかなぁ?
この世界は文句なしの結末で終わらせなきゃねぇ


ソラ・フルーリア
【月灯】の皆と一緒に!
※連携アドリブ歓迎します!

過去に立ち向かう選択をしたのね、ネリリ!
それなら所属事務所の社長として、そして同じアイドルとして応援しない手はないわ!
あのネリリにそっくりなアークデーモン、前から気になってたのもあるしね!

救援機動力や有用そうな残留効果を使って、皆と一緒にネリリの元にいち早く駆けつけるわ!
たどり着いたら、不意打ち気味に【心動と先見の低音圧撃!】を放って襲いかかる敵の邪魔をしつつ、ネリリに到着したことを知らせるわね!

さぁ、ネリリ!ここからはアタシ達も一緒よ!
アナタの望む最高のライブにしちゃいましょ!

敵は皆と狙いを合わせ、各個撃破の方針ね!
ネリリをディフェンスしつつ、戦場を大きく動き回り敵を撹乱!
所々で【低音圧撃!】を放って敵の動きを制限し、味方の次の攻撃に繋げるわ!

敵の攻撃はアイスシールドと手に持った『レゾネイト』で防御よ!
ダメージを喰らってもそれを感じさせない笑顔の演技で動揺を狙うわね!
あら、そんな借り物でアタシ達を倒せると思った?正に虎の威を借る狐ね!


●襲会
 そこは見覚えのある場所だった。
 明るいパラドクストレイン内から一転。暗くあかりの消えたビルの外に放り出される。
 本来なら街灯りが輝き、夜でも明るい東京の街が広がっていたはずだが、今は全てが停止したかのように真っ暗だ。
 おかげで、見上げた先には東京では見たことないくらい美しい星空が月明りの元優しく広がっていた。
 綺麗だと感じた次の瞬間にはネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)の中で、記憶が繋がり身構える。
 ――!?
 巨大な悪魔の手が、無粋にこの景色を覆い隠し彼女に降りかかる。
 ここは、忘れてはいけない分岐点。
 悪魔によって多くの仲間を失った、恐怖。
 生き残っていたが故に背負わされる、責任。
 押しつぶされた、私の最期の場所。
 衝撃が全身を襲うと同時に、乾いた笑みが零れる。
 さあ、ここからは盛大な騙し合い。見事に道化を演じれるか。
 生み出された無数の魔法陣と攻撃を越え、獲物を捕えたとネリリと同じ顔がほくそ笑む。
 
 さあ、繋げよう。新しい歴史を。
 さあ、塗り替えよう。過去を――。

 とうの昔に心が負けていたんだよ。だけど今度は違う。
 デッキから転落していたネリリの身体は、フワリと叫びと共に高遠・葉月(猫・g04390)に受け止められる。
「あたしはあたしの大事な人の味方で、それを仇なすもの全てがあたしの敵よ。たとえ世界や死の運命だとしても」
 パラドクス通信を繋ぎ、救援機動力が導くままに駆け付けたディアボロス達の姿に、高見の見物を決め込むはずであった『簒奪者サルガタナス』の表情が強張った。
「独りじゃなかったのかよ!」
 吼える『メフィストフェレスの契約者』であるポーンの焦る声に、間に合ったとディアボロス達の胸に笑みがこぼれる。
 この場に再び立った今ならわかる。
 ネリリは、仲間に囲まれながら真っ直ぐサルガタナスを見上げた。
 例えサルガタナスを討ったところで、決まりきった運命を先延ばしにするだけだ
と頭では理解しながら、あの時は形振り構わず目先の安息を求め、結果に飛びついてしまった。
 だが、今は違う。
 ほくそ笑んでたサルガタナスの顔色が変る。
 きっと彼女は、ネリリが独りで動くと思い込んでいたのだ。
 召喚された大型スピーカーから放たれる『心動と先見の低音圧撃!(インパクトステージ・ロートーンプレス)』が、アーバンコアに響き、追撃しようとしてきた契約者らを重低音の衝撃に巻き込む。
「あのネリリにそっくりなアークデーモン、前から気になっていたのよね!」
 過去に立ち向かう選択をしたのねと嬉しそうにソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)はネリリに並び、マイクとスピーカーを兼ね備える〈拡声杖『レゾネイト』〉を構える。
「所属事務所の社長として、そして同じアイドルとして応援しない手はないわ! それにあなた達二流ね」
「なんだと!?」
 挑発に乗るように斬り込んだ契約者のナイトが、巨大な悪魔の両手を召喚し飛び込んでくる。
「お前達は、サルガタナス様に不要な異物だ!」
 斬り込むように鋭く振り下ろされた爪を、〈タワーシールド〉を掲げたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が受け止める。
 ここまで飛翔し翔けあがってきた勢いものせ、青き翼を大きく羽ばたかせ弾き返すと両の手の銃を構える。
「彼女は折れない。そして、折れさせない」
 負けないように。一人ではないと広げた翼で護るように前に出ながら。
 続くルークの攻撃を、階下から飛び出したア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)と一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が抑え込み横のフロアへと叩き込む。
「ネリリちゃん、アンデレちゃんが、てつだいにきたよ! いっしょにたたかお!」
「……あたしは戦う気になってくれるって信じてたよぉ。あの時から、ずっとさ」
 大切な友達のネリリを護るために、やってきたとアンデレは笑み。
 獣神王朝がまだあった頃に少しだけ聞かせてもらったっけと、燐寧は契約者のルークをチェーンソー大剣〈テンペスト・レイザー〉で斬り抑え込みながら、軽く振り返る。
「過去に置いて来たものと向き合うか、迷ってるって言ってたけど決めたなら、全力でブッ殺してやろーじゃん!」
 こっからは加減ナシと偽物悪魔に笑い、一気に『屠竜技:地砕きの剛剣(スレイヤーアーツ・グラインドトゥダスト)』で斬り下げる。
 借り物の力に過ぎないせいか、悪魔というにはお粗末なほどルークはみっともなく、悲鳴をあげ喚き散らした。
 そちらに注意が注がれている隙に、ネリリを狙おうと動いた契約者のビショップが悪魔の両手を伸ばすも、白銀(しろがね)の三光剣の剣閃が滑る。
「チェスの駒に準じた護衛たるメフィストフェレスの契約者……ホントに借りてるだけの力で私達を消せるとは思わない事ね!」
 油断も隙も無いとメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は、〈輪閃機シルトガーレ〉に飛剣型の遠隔攻撃端末〈アガートツヴァーク〉を接続し、『シルヴァリオ光輪』を発動させる。
「颯爽とヒーロー登場ってね。さぁ、ここからはどんでん返しの時間と行きましょう! ぶった切ってあげるわ! 文字通り真っ二つよッ!」
 どんな巨大な腕であろうと、押し切ると。
「アイオンコード:ラファエル、ゲットセット……銀の刃に息吹を乗せて、唸れ光の大車輪!」
 光り輝き回転する光輪に、ビショップは成す術無く腹を何度も斬り刻まれる。
 こんなはずではなかった。
 表情を歪ませるサルガタナスが、思惑とは違う展開に強く唇を噛む。
 彼女はきっと単独で出てくるだろうと、目論み勝負を仕掛けたのだが、それが外れたのだから。
「自分の強さを信じることは簡単じゃない。だけれども、積み重ねてきた勇気を掲げて舞い戻ることを決意したネリリさんの為に、私達は駆けつけるッ!」
「……っ!! 何をしているの。その程度の相手蹴散らしなさい!!」
 お前達が授かった力はその程度ではないでしょうとサルガタナスが叱咤する。
 その瞬間、契約者たちに緊張がはしり悪魔の手も鋭くディアボロス達を捕え襲おうとする。
 だが彼らは既に向き合った瞬間から負けていたのかもしれない。
「私達だけと思っているなら、それはどうかな?」
 メルキディアの言葉に、サルガタナスがは訝しむものの彼女は知らない。
 未来のディアボロスが、パラドクストレインによって無尽蔵に戦力を送り込めるようになっていることを。
 この時代のこの状況下で、戦力を分散させれる程集められるとは思いもしてないのだ。
 だから、今浮かべている薄っぺらい余裕が転落するとは彼女は思っていない。
 ――私の罪は変わらずとも、結末だけは変えなくちゃいけない。
 パラドクス通信越しにネリリへ、避難の状況は伝わっていた。
 あの時捨てた本当に守るべきだった皆へ、仲間の手が届くまで。
 さぁ、道化の時間はもう終わり。
 お願いだよ、みんな!
 ありがとうの言葉と共に、これで思いっきり戦えると避難が進んだ報告にネリリは顔をあげる。
 それは他のディアボロスも同じ。もう遠慮する必要はないのだ。
 何だか他悪魔の力を我が物顔で振るっていたチャラチャラした調子に乗ったムカつく顔があったので、アンデレが容赦なく「ともだちパワー」を込めた『繋がり護る重ねた掌(イツモヨリニホンオオイコブシ)』をルークの顔面にめり込ませた。
 たぶんイケメンであっただろう顔は偉いことになっていたが、力を求めた末路だ仕方ない。
「あははぁ! 高みの見物を決め込んでる女王様に、きみ達がズタズタになるところを見せたげるよぉ! 今頃、あっちも上手くやってくれてるとこかなぁ?」
 燐寧が可哀想なルークの首を落とし見上げれば、サルガタナスはヒールを鳴らし表情を固まらせたままだ。
 見下ろしているはずなのに、見下されている。そんな気分だったのではないだろうか。
「この世界は文句なしの結末で終わらせなきゃねぇ」
「叩き伏せてやるわ! 来なさい!」
 大盾で受けたダメージを魔力変換し、スフィンクス『しゃけ』の視界も我が物に。
「ふざけんな! 『悪魔になった俺達は無敵だぜぇぇっ!』」
 勢いで飛び出すポーンは、その力の根源を忘れていた。
 悪魔の力は借り物。集団で集まってこその力だということを。たった一人の力ではないということを。
 撃ち込まれた一撃を、羽月は『カウンターグリム』に。黒騎士の狂気と怒りを大斧の刃へと変え。
「Only blood and madness can exact this vengeance.(倍返しよ)」
 受けた痛みはそれ以上に。
 生意気なポーンを内下し、天から地へと叩き落し。
「――Sei frei.」
 ただ闇雲に力を振るうナイトの頭上を取るように翼を広げ、エトヴァは彼の頭上から背後へと身体を翻しながら、『Null-Gravitationsfliegen(ヌル・グラヴィタツィオーンスフリーゲン)』の銃弾を浴びせ。
 刻む軌跡は確実に悪魔の命を摘み取る。
 次々と倒れる仲間に、『これがメフィストフェレス様の力だぁぁぁっ!』思い知れと、叫び形振り構わずキングがネリリを狙う。
 だが、襲撃に押しつぶされそうになっていたネリリは、彼らを油断させるまでの芝居。
「さぁ、ネリリ! ここからはアナタの望む最高のライブにしちゃいましょ!」
 私達なら出来ると、ソラが笑いかければネリリも笑顔を浮かべる。
 ありがとうは一番最後に。今は最高のパフォーマンスで答えると。
「アタシの魅力に動けなくなること請け合いよ!」
「よーし、みんな……散開!」
 響くソラの重低音にのって、『偏屈なリフレイン(ルナティック・エコー)』は飛び立ち次々とキングに突撃する。
「あら、そんな借り物でアタシ達を倒せると思った? 正に虎の威を借る狐ね!」
「あの時踊らされた私が、逆に躍らせてあげるんだよ」
 幾つもの爆弾蝙蝠が、音の衝撃で連鎖的に思いがけない爆撃を浴びせ床を破壊しながらキングを呑み込み奈落へと落としていく。
 地に落ちるのは悪魔、お前達だと。
 そして、サルガタナスの企みも全て仲間が食い止めてくれるだろうと。
 悪魔は倒れていった仲間の姿を笑い、彼女は力強く潰されまいと見上げる。
 交差する二つの赤が混じり合う。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【防衛ライン】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【グロリアス】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※【月灯】同行

人々の安全確保は一先ず良し。
ならば後は、襲撃者達の迎撃です。
人々の元には、誰1人として行かせません。

万一にも人々が居る地下5階に敵を到達させる訳にはいきませんから、敵を迎撃するなら今居るフロアの出入り口が最適でしょうか。
他に地下5階に降りるルートがないなら、ここに防衛ラインを張って良さそうですが、要確認ですね。

照明は復旧していないようですし、完全視界で暗闇を見通せるようにしつつ、敵集団を待ち伏せです。

敵が来たら、まずは『陽炎』で光の精霊達を召喚。
同時に、武器やユリウスに精霊の加護を籠めてパラドクスの一撃とします。

戦闘では、光の精霊達と共に敵を包囲して、光の矢による全方位攻撃に面制圧射撃を混ぜて、強行突破の余地を消しましょう。
私も弓による射撃とユリウスの魔弾で追撃します。
最優先は強行突破を試みる敵、次いで弱った敵。
ここから先には誰1人通す気はありません。

敵の急降下突撃には、光の精霊達で進路妨害しつつ、突撃を受け流し、地面に激突させてから追い打ちの一撃です。


シル・ウィンディア
【月灯】
避難してもらう人たちに約束したんだ。
ここから先には通さないって。
だから、行かせてもらうよ全力でっ!!

防衛で残る人もいてくれるから、わたしは上に駆け抜けつつ、手当たり次第にトループスを攻撃していくよ。
発見次第、高速詠唱で隙を減らしてからの天翔残影砲で攻撃だね。
さぁ…乱れ撃たせてもらうよっ!!

味方が攻撃した個体がいるようなら、その個体を中心に巻き込む形で攻撃を仕掛けるよ。
いないのなら、手近なところから攻撃だね。

敵の攻撃は、パラドクス発動時に背中に発現する光の翼で体を覆って防御態勢をとるよ。

こんなの痛くないよっ!
こんな攻撃でわたしを止められるとは思わないでねっ!!

移動を行いつつ、攻撃対象を味方と合わせて攻撃を仕掛けて、確実に数を減らすようにして攻撃行動を行っていくよ。
取りこぼしは…。
防衛の皆に任せるよ。

一人じゃないんだ。
みんなを信じているから、だから前に進めるんだ。

まっててね。もうすぐそっちに行くからっ!!


マティアス・シュトローマー
【月灯】
過去と、そして、自分自身と向き合う事を決めた友達の勇気に恥じぬように
この場を託してくれた信頼に応えるために
――勝つ、以外の選択肢なんてある?

【完全視界】の効果を借りて視界を確保し、この場に留まる防衛班として敵を迎撃

悪魔を出迎える際の礼儀作法には疎くてね
これで合ってる?
仲間と息を合わせてパラドクスを発動。ダッシュで地を蹴り、速攻の勢いそのまま衝撃波を伴う一撃をお見舞いするよ
戦闘中は吹き飛ばした敵がこちらの陣形を突破し、奥へと向かわないよう、常に立ち位置を計算しながら行動する
また、仲間とは【パラドクス通信】を介し、敵集団の中で孤立しないよう声を掛け合い連携したい

これならまだ弾丸を放たれた方がマシなんだけど…!
敵が上空へと舞い上がる予備動作を確認次第、その軌道を目視しながらライオットシールドを構え、不意を突かれないよう攻撃を往なす。加えてガードアップの効果を纏い受けるダメージを軽減しよう
さらに敵が離れる前に至近距離からのカウンターをもう一発

この一撃がネリリの背中を押す力になりますように


レオ・レーラー
【月灯】
※アドリブ・連携歓迎

こっちを任せてくれたネリリさんの信頼に答える為にも一匹も通すわけには行かないよね。

敵を地下5階に向かわせ無い為の防衛班として同じく防衛目的の仲間と連携しながら、敵を迎撃。

【完全視界】の効果で視界を確保して、敵の姿が確認出来たら、脚部のローラーダッシュで敵に向かって突撃しながら『炎舞』で全身に炎を纏って手近な相手に『ダメージアップ』諸々で強化された一撃をお見舞い、同時に周囲の敵には炎と【ロストエナジー】の瘴気をばら撒いて、ジワジワとダメージを受けてもらおうか。

敵の銃弾は胸部の動力炉や戦闘に支障が出る部位への攻撃は防御、そうでなければ【ガードアップ】を頼りに無視して距離を詰める。
爪による攻撃は防御しながら【未来予測】を使ってカウンターも狙うよ。


イリヤ・レダ
【月灯】
※アドリブ・連携OKです。

ネリリさんも心配なんだけど、彼女には多くの頼れる仲間がいるのも分かった。

だから、オレはトループス級の相手になるよ。時に顧みられる事無く消え行く存在。一般人の安全も守りたい。オレの原点でもあるし、彼女が守ろうとした人々だ。憂いを減らす事がネリリさんへの援助にもなるだろうからね。

パラドクス通信で連携を取りながら移動。各自の位置関係を意識して自分の立ち位置を判断していこう。敵を攪乱してからの各個撃破、殲滅が理想だね。地下三階に釘付けにする事でクロノス級との合流は阻みたい所だ。

パラドクスは「掃乱の双射」を。
刻印銃による弾幕だけでなく、剣も刀身射出モードに切り替えての二丁式による火力で圧倒していこう。
神速反応を活かしての攪乱が第一だけれど、もし包囲を抜けそうな敵がいたら阻止を最優先としたい。

未来予測に基づいた位置取りを心掛け、時には飛翔も活用する事で仲間との挟撃や不意打ちも積極的に狙っていこう。

きっと。一騎打ちに近い状況を作れれば、彼女はやり遂げるだろう。


アオイ・ダイアログ
【月灯】
ネリリさんの邪魔はさせませんし、その想いを踏みにじるような真似はさせませんよ!
ここから先は、通行止めです!

【完全視界】【パラドクス通信】で動きと連携は万全
【通信障害】であちらの連携は分断
ならあとは蹴散らしてくだけですね!
轟け声月ッ!敵を惹き付けるように!
大音量の稼働音ではぐれもこちらに呼び寄せてみましょう

向こうの攻撃は多少の被弾は許容して、出来るだけ声月で弾きながら……思いっきり振り回して切り裂きます!

彼女の笑顔を曇らせる奴らは全員ぶっ叩くしかないですよねぇ!
絶望は、より強い希望で塗り返す!
その為に……あなたたちは、邪魔です!


アンゼリカ・レンブラント
【月灯】
さぁ想いは託された
気張って敵を倒していくしかだよね
想い託してくれたこの時代のディアボロスと避難する人々
過去と向き合う勇気を示したネリリの為にもさ

パラドクスの剣を振るいつつ、攻撃と共に上に
地上3階目指し駆け抜けていく
同じ選択を採る仲間とは連携を意識し、攻撃を合わせ確実に数を減らす
【ダメージアップ】等で攻撃力も上がっているんだからね!
速攻で倒していき上へと駆ける

相手の鋭い爪は障壁で凌いで
――あぁ、そう
本物の「アンゼリカ」なら傷1つ負うはずない攻撃も私は違う

私が本物じゃないと
記憶を取り戻した時分かった時、正直に言えば過去に蓋をしたいって思ったよ

でも、ね
歩んできた「これまで」は、確かに私自身のもので
友との絆に、愛する人の温もりに、偽りなんて何1つない
だから今も、胸張ってこの名前で歩みを止めないんだよ

ネリリが
……ネリリさんがどんな答えを出すかは分かりません
けれど過去からけして逃げず、向き合うことを決めた貴女なら
強く、気高く壁を超えていくってことは分かります
それを見届け、力となりたいですっ!


白水・蛍
【月灯】
アドリブその他諸々歓迎

さてと。友人が覚悟を決めたのなら、それを支えるのもまた友人の役目。
白水蛍、参ります。

完全視界の効果を借りて視界確保し、この場にとどまる防衛班として敵を迎撃します。

敵の姿を確認しつつ、こちらに全部招き入れてしまいましょう。招き入れたら相手の退路を塞ぐのも兼ねて防衛ラインを。
ただ、他に降りてくるルートがないかどうかは事前に確認しておきませんとね。ないなら敷きます。逃がしません。全て我々で殲滅します。

そして、敵を前にパラドクス発動。
――我が音に応えて来たれ。全てを切り刻む風の壁を此処に。
敵全てを風の壁にて切り刻んで差し上げます。

相手の攻撃を防ぐのも兼ねた風の壁です。
それを乗り越えてきた相手は少し消耗しているでしょう。
攻撃を防具と魔力障壁、反撃アップ等で防いで、反撃しましょう。


百鬼・運命
敵は地下の避難民を地上に誘導するのが目的
避難民が地下側に逃げないように地下から上へ順番に時間差をつけて突入せざるを得ない
なので地下三階以下で避難民の脱出路を守って待ち受ければ、いくら大軍でも突入してくる時間差で一度に相手をする敵の数は限られる。建物全体を【迷宮化】して踏破にかかる時間を増やせば、なおさらだ

さてこれで待ち受ける鍋の『底』の準備は良し
残った敵の勝ち筋は避難民追撃を諦めてのサルガタナスとの合流
ネリリさんに合流する味方が道中で敵を蹴散らしてくれるけど、留まって敵を逃がさない『蓋』も必要だ

【完全視界】で視界を確保し【パラドクス通信】で味方と連絡を取りつつ連携を確保したら、エレベーターシャフト内を【飛翔】して、こっそり上層階へ移動
【光学迷彩】で姿を隠しておき、アーバンコアを登ろうとしたり、ネリリさんに合流しようとしている味方を妨害する敵に「不意打ち」で【光王刃】の雨を降らせていこう

さて悪魔諸君。見下ろされる側になった気持ちはいかがかな?
ネリリさんの邪魔をさせない為にも此処は通さんよ


サティニフィア・ネイバーライト
【月灯】
目的
ガーゴイルガンナーの撃滅

目標
当時のディアボロス達も含め被害を出さず目的達成

心情
よし、作戦第一段階は完璧だな!
何とかこれで人々の被害を出さない様に立ち回るのは楽になったぜ
この時間軸のディアボロス達にゃ後からやってきておいてデカい顔しちまったが…
今まで人々を守ってきたのはこの時間のディアボロスだ、彼らが戦ってくれたおかげなんだ
そしてアタシ達が間に合った
まぁ正面切ってヤリ合うのはサッちゃんのガラじゃねぇんだが…アんだけ啖呵切ってきちまったんだしっかりキッチリ仕事は仕上げねぇとな!

行動
アタシはゴートリッパーと連携、相手のコミュニケーションは妨害しつつ、こっちは通信しあって相手の出方を共有
地下だけあって突入位置はエレベーターやエスカレーター部分が大半で大体検討付けられるし、曲がり角や物陰だってそこら中にあんだから迎撃のための待ち伏せはしやすい
数が居ようとこんな地下じゃ活かせねぇし、その先頭を潰せば後続の動きは詰まる
銃弾は自動飛盾で受けつつ、電磁波を帯びた斬撃で叩き切る!


●激震
 渋谷の地下は静まり返っていた。
 嵐の前の何とやら。どこかで雨水か何かが漏れているのか、水の滴る音がする。
 薄暗く広がる地下鉄は、争いが終わりを迎えようとしているのか電車が走らなくなった暗い道が不穏に開いている。
 それは全てを呑み込みそうな程深く、奥の方で微かに騒めいているようにも感じた。
「よし、作戦第一段階は完璧だな! 何とかこれで人々の被害を出さない様に立ち回るのは楽になったぜ」
 この時間軸のディアボロス達にゃ後からやってきておいてデカい顔しちまったが。なんて言いながら、サティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)は仲間を振り返る。
 今まで人々を守ってきたのは、この時間のディアボロスだ。彼らが戦ってくれたおかげなんだ。そして、アタシ達が間に合った。
「ネリリさんも心配なんだけど、彼女には多くの頼れる仲間がいるのも分かった」
 だから護る。オレの原点でもあるし、彼女が守ろうとした人々だと、イリヤ・レダ(はぐれ天使刃傷派・g02308)は〈緋弾刻印銃〉と〈逢魔の緋刀〉を手にし張りつめる気配に身構え。
 メーラーデーモン『ゴートリッパー』と連携しながら、突入位置はエレベーターやエスカレーター部分が大半で大体検討付けられると待ち構える。
 空気が重くなったと感じたのは、きっと気のせいではないだろう。
「敵を攪乱してからの各個撃破、殲滅が理想だね。地下三階に釘付けにしたいとこだけど」
「まぁ、正面切ってヤリ合うのはサッちゃんのガラじゃねぇんだが……アんだけ啖呵切ってきちまったんだ。しっかりキッチリ仕事は仕上げねぇとな!」
 クロノス級との合流は阻みたい所だと、その時をディアボロス達は待った。
「人々の安全確保は一先ず良し。ならば後は、襲撃者達の迎撃です」
「こっちを任せてくれたネリリさんの信頼に答える為にも、一匹も通すわけには行かないよね」
 地下四階でフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)に、レオ・レーラー(記憶喪失のサイボーグ・g04422)が応じながら構内図を確認し二人は地下の構造を確認する。
「他に地下5階に降りるルートがないなら、ここに防衛ラインを張って良さそうですが……」
 構内両端に中央に分布する階段とエスカレーターの数は8つ。そして地下2階から続くエレベータが2基。
 この時点で全ての道を塞ぎ護るのは絶望的だったが、百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)が渋谷駅地下を迷宮化してくれたおかげで、現在の地下五階への出口は1つに集約されている。
「敵は地下の避難民を地上に誘導するのが目的……ということは、避難民が地下側に逃げないように地下から上へ、順番に時間差をつけて突入せざるを得ないよな」
 恐らく、何れかの出入口より地下へと突入してきた敵は、まず人を探して一定の方向へ人々を追い立てようとするのではないだろうか。
 その為には、まず最初に深く潜っていくのでは。
「なので地下三階以下で避難民の脱出路を守って待ち受ければ、いくら大軍でも突入してきても、一度に相手をする敵の数は限られる。して踏破にかかる時間を増やせば、なおさらだ」
 まさか、更に渋谷迷宮が複雑になっているとは悪魔でさえ思いよらないだろう。
「さて、これで待ち受ける鍋の『底』の準備は良し。次は……」
 サルガタナスとの合流路を断とうと、運命が視線をあげた時だ。
 地下を揺るがす衝撃に、展開してたディアボロス達は警戒を強める。
 渋谷マークシティ側から飛び込んできた『ガーゴイルガンナー』は、獲物の姿を探し各階層へ。更に下の階へと広がり地下迷宮へと次々と迷い込む。
「おい、妙だぞ。こんなに複雑だったか?」
「何で行き止まりがあるんだ!?」
 迷宮化した地下は、まさに巨大迷路。
 しかも平面的な迷路でなく、上へ下へと複雑に振り回される構造に。
 思惑通りガーゴイルガンナーを呑み込み、惑わせる。
 通路で右往左往しながら、何とかガーゴイルガンナーの一部が地下五階のホームへと抜け出すと、『精霊達の円舞曲・陽炎』の光の矢が次々と浴びせられる。
 待ち伏せかとガーゴイルガンナーは声をあげるも暗い地下では、相手の姿を捕えるのは難しい。
「精霊達よ、我が元に集って踊れ」
 集まる光の精霊に灯され、僅かにフィーナとダンジョンペンギン『ユリウス』の姿が浮かびあがるだけ。
 撃ち込まれた場所に、翼を広げ『ガーゴイルダイブ』で反撃するしかない。
 それに対し、潜むディアボロス達は完全視界で彼らの姿をしっかりと捕えている。
 滑空するガーゴイルガンナー目掛け、鋭い衝撃波が横から飛び出す。
「過去と、そして、自分自身と向き合う事を決めた友達の勇気に恥じぬように。
この場を託してくれた信頼に応えるために」
 撃ち込まれたマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)の『アイゼンハント』によって、ガーゴイルガンナーは線路へとたたき落される。
「悪魔を出迎える際の礼儀作法には疎くてね。これで合ってる?」
 涼しい笑顔と共にマティアスはホームから見下ろし、その拳に纏った具現化した鋼鉄の拳を合わせ掛かってこいと鳴らせば、飛び起きたガーゴイルガンナーが直ぐに翼を広げ線路上スレスレを飛行しホームへと舞い戻る。
「轟け声月ッ! 敵を惹き付けるように! うりゃりゃりゃりゃりゃー--ッ!!」
 声を燃料に動くチェーンソー〈ハウリングボイス・声月〉を構え、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は『HV:タツマキチェーンソー』に声をぶつけ唸らせ、地下に大音量を響かせながら豪快に斬り込んでいく。
「ネリリさんの邪魔はさせませんし、その想いを踏みにじるような真似はさせませんよ! ここから先は、通行止めです!」
 こうも立ち塞がる者が居るのならば、狙う一般人はその先だと、音とディアボロスに誘われるように大群が動く。
「この奥か!!」
 更に通信障害を発動させ、途中で他の仲間に状況を伝えられないよう連携を断ち、銃弾と共に『ショットアンドクロー』で飛び込んでくるガーゴイルガンナーに身体ごと回転させ、アオイは刃をぶつけ。
 入れ替わるように、〈高速戦闘兵装『烈風』〉の脚部のローラーダッシュを稼働させ突撃しながら、レオは『炎舞(フラム・バル)』で炎を纏う。
「胸部動力炉『獅子心王』超過駆動開始、コード『炎舞』!!」
 ガーゴイルガンナーが銃から爪へと切り替え振るうも、炎纏うレオの拳の方が一手早く振り上げられ燃え上がり、ロストエナジーの瘴気を吹き荒れさせた。
 その手際と力はガーゴイルガンナーらが知るディアボロスより強く、こんなはずではないと動揺し始めた頃には手遅れ。
 迷宮で迷い、地下五階に溢れたガーゴイルガンナーは飛んで火に入るなんとやら。
 先に避難させた人々は、きっと副都心線の線路を進み今頃はどこかから地上に脱し、違う隠れ家に移っているのではないだろうか。
 例えそれがこの時代での一時の安寧だったとしても、無事でいてくれと誰もが願い、彼らを逃がしたのだ。
 かなりの数のガーゴイルガンナーが騒動に誘い込まれ、地下五階ホームに突入したところで、嵐が過る。
「友人が覚悟を決めたのなら、それを支えるのもまた友人の役目。白水蛍、参ります」
 音を奏で、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は『パシフィックストーム』による風の壁を起こし、ガーゴイルガンナーを斬り刻み、上階との移動を断つように防衛ラインを引く。
 迷宮化で地下五階への到達を遅らせ、飛び込んだ先で待ち伏せし、この場を閉じるよう挟撃すれば敵は、この場の全員を倒すしか他への移動は出来ない。
 上階のどこかで戦闘音が響いたので、全てのガーゴイルガンナーを誘き出せなかったのは残念だが、これだけ集められれば十分だろう。
「逃がしません。全て我々で殲滅します」
「あとは蹴散らしてくだけ。彼女の笑顔を曇らせる奴らは全員ぶっ叩くしかないですよねぇ!」
「――我が音に応えて来たれ。全てを切り刻む風の壁を此処に」
「絶望は、より強い希望で塗り返す! その為に……あなたたちは、邪魔です!」
 蛍が巻き起こした風の中を滑りアオイが突撃し、ガーゴイルガンナーを斬り刻む。
 入口を閉ざされれば、突き進むのみ。
 もとよりガーゴイルガンナーは、この先に居るであろう人々の惨殺と上階への追い立て。
「人々の元には、行かせません。ここから先には誰1人通しませんよ」
 飛んでくるガーゴイルガンナーの目を引くようフィーナは周囲に光りの精霊を漂わせ、ユリウスと共に光りの矢と魔弾とで撃ち落とし。
 すり抜けた敵は、レイとマティアスが拳を振るい、炎と衝撃波で直接叩き落す。
「こっちを任せてくれたネリリさんの信頼に答える為にも一匹も通すわけには行かないよね」
「Leck mich am Arsch! (吹っ飛べ)――なんてね。これならまだ弾丸を放たれた方がマシなんだけど……!」
 上昇しようとガーゴイルガンナーが体勢を変えるのを逃さず、マティアスは踏み込みながら〈ライオットシールド〉で受け止め堪え。
「――勝つ、以外の選択肢なんてある?」
 この一撃がネリリの背中を押す力になりますように。そう願い、反対の拳を叩き込んだ。
 凄まじい衝撃が、渋谷駅を震わせる。
 地上から飛び込み、地下一階と二階へと広がったガーゴイルガンナーは、その震動は仲間が起こしたものだと感じ余裕を浮かべた。
 だがその顔は、次の瞬間には光りに撃ち抜かれ、消し飛ぶ。
「避難してもらう人たちに約束したんだ。あなた達を進ませない。だから、行かせてもらうよ全力でっ!!」
「想いは託された。この時代のディアボロスと、避難する人々。過去と向き合う勇気を示したネリリの為にもさ!」
 シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)とアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が白い翼を広げ、階段を一気に駆け上り。
 すれ違いざまに、『光剣閃波(セイバーフラッシュ)』を振るい、アンゼリカがガーゴイルガンナーの翼を閃光で切り落とし。
「さぁ……乱れ撃たせてもらうよっ!!」
 墜落して来る敵に、シルが『天翔残影砲(シルエット・ブラスト)』を浴びせ、そこを抜けたガーゴイルガンナーは地下3階で待ち受けてたサティニフィアのゴートリッパーが繰り出す『雷槍乱れ突き』が仕留める。
「数が居ようとこんな地下じゃ活かせねぇし、その先頭を潰せば後続の動きは詰まる」
 好き勝手にはさせないと、昇ってく仲間をサティニフィアは援護し戦線をあげていく。
 更に上階へと繋がるアーバンコア内では、銃弾と光が激しく飛び交う。
 残った敵は、サルガタナスとの合流を目指すだろう。ならば、『蓋』も必要だと運命は、飛翔しエレベーターシャフト内を抜け二階から階下と繋がるアーバンコアに先回りした。
 エレベータの扉は申し訳ないが、自分達が壊すか遅かれ早かれ敵が同じように利用していただろう。
 物陰に潜み、油断し飛んでくるガーゴイルガンナーに向け、運命は周囲に生み出した『光王刃』を一斉に飛ばし降らす。
「さて悪魔諸君。見下ろされる側になった気持ちはいかがかな? ネリリさんの邪魔をさせない為にも此処は通さんよ」
 しまったとガーゴイルガンナーが焦り退がるも、下からはイリヤが『掃乱の双射』を放ってくる。
 緋弾刻印銃と刺突剣の織りなす、二式の光弾はアーバンコアの壁で跳ね返り、複雑な軌道で敵を追い込む。
「この間合いで、好きにはさせない」
 イリヤは飛翔し、上下から運命とガーゴイルガンナーを挟むようにし、逃さず追い込んでいく。
 ガーゴイルガンナーの放つ、『石化の魔弾』を放つ暇がないよう、柱やエスカレーターを遮蔽物にし常に動き回り続け。確実に相手の仕留め、数を削ぎ落していく。
 はじめは通路を埋め尽くさんばかりのガーゴイルガンナーが溢れて来たが、気が付けばその数もまばらに。
 やっと劣勢だと気付いた彼らは、運命が予測した通りサルガタナスの元へ何とか合流しようと別の通路を求め急に横の階層へと飛び込んだ。
 だが、彼らを待ち受けていたのは光剣と魔法の光弾。
「気張って倒していくよ!」
「光よ、我が手に集いて、すべてを撃ち抜く力を……!」
 薄暗い1階フロアまで上がって来たアンゼリカが斬り込み、2対の光翼を広げたシルが光りの魔法を放ち撃ち落とす。
「こっちも来やがった! 下に降りた奴らは、まだ見付けられないのか?」
「連絡がつかないぞ!?」
 ガーゴイルガンナーも、この事態は予測していなかったのだろう。動揺が広がる中、更に仲間が削られていき。
 銃弾を撒き散らしながら、ここぞと放った反撃の石化弾も、シルの翼に阻まれ一部を石化させたに過ぎず。
 形振り構わず繰り出された爪も、障壁を越えアンゼリカに届いたもののそれは浅く傷をつけるだけ。
「――あぁ、そう」
 彼女にしては冷たく言葉が零れるも、その意味を知らないガーゴイルガンナーは恐怖だけを感じ取る。
 それはガーゴイルガンナーに向けたものではなく。アンゼリカが『アンゼリカ』に、そして彼女の過去と現在に向けたもの。
「本物なら傷1つ負うはずないだろうけど、私は違う。でも、ね。歩んできた『これまで』は、確かに私自身のもので、友との絆に、愛する人の温もりに、偽りなんて何1つない」
 だからネリリの力になる為に来た。
 記憶を取り戻し過去に蓋をしたいって思っても、今も胸張って歩みを止めずにここにいる。
 そんなアンゼリカだから、今もここでアンゼリカとして戦う。
(「ネリリが……ネリリさんがどんな答えを出すかは分かりませんけれど」)
 ガーゴイルガンナーに向かって、アンゼリカは手摺を蹴り、宙へと跳んだ。
 アーバンコアを満たす光撃の数々が、敵を包む。
 イリヤと運命が挟み込む光刃と光弾が激しさを増し、閉じ込めるよう距離を縮め。ガーゴイルガンナーを蜂の巣にし斬り刻み。
「こんな攻撃でわたしを止められるとは思わないでねっ!! 一人じゃないんだ」
 斬り込む仲間を応援するように、シルの放った魔法がガーゴイルガンナーを撃ち落とし。
 決して通さないと運命の降らす光刃が激しさを増し、残るガーゴイルガンナーは1体、2体……4体。
 誰もがガーゴイルガンナーを逃さないと、攻撃を重ね叩き込み、彼らを奈落へと墜落させて。
 走る光りの軌跡が、追い込んでいく。
「みんなを信じているから、だから前に進めるんだ」
「過去からけして逃げず、向き合うことを決めた貴女なら。強く、気高く壁を超えてくれるはず」
 その声が、彼女に届くように。
 ガーゴイルガンナーを斬り臥せ、アンゼリカは3階を見上げ。
「まっててね。もうすぐそっちに行くからっ!!」
 敵をかたずけたシルも、3階を見上げた。
 彼女の元まで、後少し。
 サルガタナスが待つ場所まで、後少し――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【エアライド】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【通信障害】がLV4になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV2が発生!
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ネリリ・ラヴラン
皆を犠牲にしてきたことも
そんな選択した心の弱さも、醜さも、全部正しい
記憶を読む力に偽りはなかった…貴女は勝っていたんだよ

はっきりと伝えて微笑む
歴史の改変を都合の悪いものへの蓋に使う
それでは悪魔達と変わらないのだから

今の貴女には届かないのだけれど
少しだけ感謝の気持ちもあるんだよ
誰かを勇気づけようとか、救おうとか
言っていい人間ではないって深く刻んでくれた…

正直ね、忘れたい気持ちは今でもあるよ
新宿島で手を取って貰って、戦って、時に悩んで、涙して…
そうして積み上げてきたわたしを全部壊された気持ちになったからね

でも、知らないまま嘘を吐き続けるよりずっと良い

偽りのわたしで皆を騙して、安らぎを得たいっていうのだったら
やり直す時間まで与えられておいて、昔と何も変わっていない

だから、この傷は残す

それは私が育て、彼女が刻んだ Traumatize
自身で越えるべき記憶の傷

皆が変えてくれた未来に、相応しいわたしになれるまで
嘘のわたしを、胸を張って本物と言えるまで…
ここから歩き始めたい

その決心を、皆に伝えよう


●印傷
 歴史に揺らぎを感じ侵入者に気付いた時に、こたびの策を変えるべきだったと『簒奪者サルガタナス』の内に後悔が広がる。
 彼女の目論見では、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は単独行動し今頃手中にし完全な勝利を手に出来たはずだ。
「……あなたは、本当にあなたなのかしら?」
 ネリリに良く似ているが、冷たく艶を帯びた疑問がこぼれた。
 小さく首を横に振り、ネリリは目をそらさず言葉を紡ぐ。彼女の中にずっと刺さっていた傷と向き合いながら。
「記憶を読む力に偽りはなかった……貴女は勝っていたんだよ。皆を犠牲にしてきたことも
そんな選択した心の弱さも、醜さも、全部正しい」
 微笑むネリリの言葉の意味に、サルガタナスは不快そうに眉をひそめた。
 歴史は変った。
 だけど、改変を都合の悪いものへの蓋に使う。それでは悪魔達と変わらない。
「今の貴女には届かないのだけれど、少しだけ感謝の気持ちもあるんだよ」
「感謝? 何を言っているのかしら。あなたは今、計画を壊し私の顔に泥を塗ってくれたのよ」
 感謝してるというなら殺されてくれないかしらと、美しい唇をサルガタナスは歪め敵意を強めた。
 この時は、始まりでもあり終わりでもある。
「誰かを勇気づけようとか、救おうとか、言っていい人間ではないって深く刻んでくれた……正直ね、忘れたい気持ちは今でもあるよ」
 知りたくなかった過去の自分。
 現在の自分を否定されたかのような、嘘だったと突き付けられたかのような。
「新宿島で手を取って貰って、戦って、時に悩んで、涙して……そうして積み上げてきたわたしを全部壊された気持ちになったからね」

 ――でも。

 ネリリはサルガタナスから目をそらさない。
 これはネリリが死んだ時でもあり、ネリリが生まれた時でもある。
 だったら、ここで断ち切り一つに。
「知らないまま嘘を吐き続けるより、ずっと良い。偽りのわたしで皆を騙して、安らぎを得たいっていうのだったら。やり直す時間まで与えられておいて、昔と何も変わっていない」

 ――だから、この傷は残す。

 この時、ネリリが何を判断し、何が起こったか。
 忘れない。
 それは私が育て、彼女が刻んだ『Traumatize』自身で越えるべき記憶の傷。
「皆が変えてくれた未来に、相応しいわたしになれるまで。嘘のわたしを、胸を張って本物と言えるまで……」
 ここから歩き始めたい。
 ネリリの覚悟を感じ、サルガタナスはつまらなそうに息を吐く。
「そう……良く分からないけど、私がやることは変らないわ。あなたがこうして、私の目の前に出てきたことを後悔させ、絶望させてあげる」
 そうして、ネリリへと仲間の恨みが、亡くなっていく者達の怨嗟が集まればいい。
 その為の犠牲は、一般人でもディアボロスでも、何でもいいのだから。
 サルガタナスの目が細められ、周囲にネリリの仲間の姿が現れる。
  memoryから彼女の傷を抉るように、美しくサルガタナスは微笑む。
「私は私だけでもあなたを殺せるけど……折角だから、もう一度お友達を殺してあげるといいわ」
 記憶は彼女の武器。傷は彼女の好物。
 だとしても、決めたのだ。
「私は、逃げない」
 静かに、だが揺ぎ無い彼女の声がその場に響いた。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!