時を紡ぐ者たち ―パテーに芽吹く希望と脅威―(作者 そうすけ
3


#火刑戦旗ラ・ピュセル  #パテーの拠点化とオルレアン方面威力偵察  #パテー  #オルレアン 


 新宿駅グランドターミナルの喧騒が遠ざかる一角で、『時先案内人』月乃・光(White Rabbit・g03208)が静かに口を開く。「解放したパテーの拠点化を行うことになったよ」
 光の声は穏やかだが、その言葉には重みがあった。
「パテーの拠点化が完成すれば、火刑戦旗ラ・ピュセルの戦いを次の段階に進めることができるんだ」
 光は、他の任務に向かうディアボロスたちが行き交うコンコースに目を向ける。
「パテー住民の生活を支援しつつ、防衛の準備を行ってくれるかな。でも、キミたちにやってもらいたいのはそれだけじゃないんだ。パテーの異変を察知したクロノヴェーダ―側が、状況を確認すべくキマイラウィッチの偵察部隊をパテーに派遣しているらしいから、その対策……できれば見つけて撃破してほしい」
 遠くでパラドクストレインの到着を告げるアナウンスが響く。
「まあ、とりあえずホームに降りようか」


 光は停車中のパラドクストレインの前に立って腕を組み、思慮深げな表情で説明を続けた。
「パテーは、ディアボロスの拠点として使用する為、ディアボロスの誰かが現地にいることが多くなるだろうね。ディアボロスが常駐すれば、排斥力の影響を受けにくくし、現地住民がディアボロスのことを忘れることもなくなるはずだ」
 一瞬目を閉じ、考えを整理するかのように続ける。
「ただ、精密機械などは、少しの影響でも故障の原因になってしまうので、使用は難しいかもしれない。キミたちが常に使用するものであれば問題はないけど、設置型の監視カメラなどは使い物にならない可能性が高いから気をつけて」
 光の目が遠くを見つめる。
「これは大事なことなんだけど、パテーを探る偵察部隊を放置したまま返してしまうと、現在のパテーの状況が敵側に知られてしまうことになる。だから、可能な限り見つけ出して撃破、情報を敵に渡さないようにしてほしいんだ」

 光の目が真剣な光を帯びた。
「素早くパテーの拠点化を終わらせ、火刑戦旗ラ・ピュセルの攻略を軌道に乗せたいところだね」
 言葉を切って、深く息を吸う。
「まずは、敵の数を減らしていくことが重要かもしれないが、キマイラウィッチを追い詰めれば、その分、復讐の念が強まってしまうデメリットもあるから、そう単純にもいかないかもしれないけど。キミたちの知恵と勇気が、この困難を乗り越える鍵となるのは間違いないよ」
 頼んだよ、といって、光はディアボロスたちにパラドクストレインへ乗車を促す。


 パテーの外れ、小さな浜辺から少し上がったところにある静かな森の中。
 木々の間を、優雅な姿をした『アラストルの乙女』たちが滑るように進んでいく。
 その姿は美しく、しかし同時に危険な雰囲気を漂わせていた。
 彼女たちが立ち止まり、周囲を警戒するように見回す。
「怪しい、この島でディアボロスの気配がするわ」
 『アラストルの乙女』の声は低く、しかし鋭い。
 風がキマイラウィッチの長い髪を揺らす。
「いるといいわね。ディアボロスを見つけて、報告すれば、褒美は望みのまま……」
 別の『アラストルの乙女』が薄く微笑む。
「ルールに従い、正義の名のもとに……パテーの真実を私たちで暴くのよ」
「ええ、楽しみだわ。行きましょう」
 キマイラウィッチたちは再び動き出す。
 その姿は森の中に溶け込むように、静かに、しかし確実に拠点へと近づいていた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1

●マスターより

そうすけ
 奪還したパテーを拠点をディヴィジョンの攻略の足掛かりとするため、住民たちをケアしながら物資を増産し、防衛施設を作っていきましょう。
 選択肢1をクリアする必要はありませんが、撃破せずにシナリオを完結した場合、パテーの情報がキマイラウィッチ側に伝わって以後の展開に影響がでます。
 『パテー住民の支援と防衛力の強化』が完結選択肢となっているので、これだけクリアすればシナリオは完結です。

 よろしければご参加ください。お待ちしております。
15

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ラズロル・ロンド
エトヴァ(g05705)と
森に向い、偵察部隊を倒して来よう
情報は大切なものだからね
盗み見はダメダメ
しっかり見つけて撃破するよ

森に合った色の迷彩外套でフードも被って隠密行動
見つけ次第ドカーンと撃破も考えたけど…他のキマッチが、仲間がヤラレター悔しー…なんて復讐心募らせるのもイヤだし
いつの間にか仲間が消えてた!
みたいな感じに出来たらいいな〜

アラストルの乙女達が潜む森へ向かい草陰、木陰に潜みながら、敵を見つけたら
砂塵海嘯の楔を波紋状に広げ
波紋に触れた敵の足元を掬うと共に楔で地面に縫い付け攻撃するよ
周りに居る仲間も一緒に攻撃
他にも居ないか周りに注意しつつ
エトヴァにハンドサインで確認できた敵の位置と数を伝えよう
視線や頷きでだいたいの意思疎通は出来る

反撃の剣の雨は横跳びに射程外へ逃れたり
魔障壁で受け流しダメージ軽減

他も見て回り敵の気配が無くなるまで作戦を続けよう
パテーに近付くと痛い目見るってしっかり学習してもらわないとね
ま、戻って報告出来るキマッチは居ないと思うけど〜


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と密な連携を
連携アドリブ歓迎

オルレアンからの距離を思えば、偵察部隊に見つかる事もあるだろうが……妙な感じはするな

迷彩コートを纏い、森に紛れつつ
予知された場所を元に、パテーの島の外縁部から拠点へ向かっていくルート上に潜む
樹木や地形の陰を伝って忍び足で移動しつつ、周囲を観察

敵発見時は、人数や配置をハンドサインや無言の合図で報せ合い
ラズとタイミング合わせ、PD攻撃

おや、奇遇だな
キマイラウィッチは、復讐には鼻が利くのかな
ディアボロスを探し出す能力でもあるのかい?
……それともジル・ド・レ元帥からのご褒美のためかな?

戦況を観察把握し、敵の動きを把握
PD通信も駆使し連携
仲間と死角を護りあうように立ち回り
狙いを合わせ、一撃で倒せる>消耗した敵の順に倒す
逃亡する個体がいれば優先

敵の攻撃には魔力障壁で身を護り、体の動きを全体で把握し
四肢から繰り出される攻撃を、タワーシールド構えて防ぐ

偵察部隊全ての撃破を確認するまで気は抜かない
……本当、近づけるとロクな事をしないのだろうな



 夏の陽光が木々の間を縫って森の地面に落ちる。
 その光の筋を避けるように、二つの影が静かに進んでいた。
 ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)とエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)だ。
 ラズロルは身を低くして、エトヴァは迷彩コートを纏い、拠点から離れた森の奥深くへと向かっていた。
 木々のざわめきに耳を澄ませながら、ラズロルが囁くように言う。
「エトヴァ、この先に何かいる気がするよ」
 エトヴァは無言で頷き、ハンドサインで「3」の数字を示した。
 二人は息を潜め、さらに慎重に前進する。
 突如、木立の向こうから声が聞こえた。
「ディアボロスの気配……確かにこの先よ」
 ラズロルとエトヴァは素早く身を隠す。
 視界の隅に、三体のアラストルの乙女を捉えた。
 エトヴァが魔法銃を構え、ラズロルが攻撃の口火を切る。
「ゆけ、砂の海嘯!」
 ラズロルの声と共に、森の地面が揺れ動く。
 落ち葉と土砂が舞い上がり、渦を巻をまく。
 渦は瞬く間に鋭い砂の楔へと変化し、木々の間を縫うようにアラストルの乙女たちの周囲に降り注いだ。
 周辺の小動物たちが驚いて逃げ惑う中、森全体が魔力に震える。
 ほぼ同時にエトヴァのパラドクスが炸裂。
 凍てつく魔力を帯びた弾丸が、木々の間を縫って空気を切り裂いていく。
 弾丸の軌道に触れた葉や小枝が瞬時に凍りつき、凍気が敵の周囲に広がっていった。
 ラズロルに飲み込まれたアラストルの乙女は、悲鳴を上げる間もなく砂の楔に貫かれ、エトヴァが放った魔弾の冷気に凍りついていて倒れた。
 残る二体は倒れた仲間の屍を跳び越え、瞬時に反撃する。
 一体が腕を振り上げると、稲妻の剣群が空を覆い、砂塵の楔を打ち砕きながらラズロルに降り注ぐ。
 もう一体は四肢に地獄の炎と雷を纏い、エトヴァめがけて猛然と突進する。
 森に雷鳴が轟き、木々の間を稲光が走る中、二つの脅威がディアボロスに迫っていた。
「くっ……」
 ラズロルは横跳びでかわそうとしたが、服の裾が焦げてしまった。
 地面を転がり、立ち上がると同時に再び砂塵を操る。
「砂塵よ、敵の視界を奪え!」
 エトヴァは冷静に状況を分析し、銀色の盾を体の前で構えた。
 白銀の光が森の薄闇を一瞬照らし出す。
 四肢に地獄の炎と雷を纏ったアラストルの乙女が猛然と襲いかかってきた。
「地獄の業火で、焼き尽くしてあげるわ!」
 叫び声と共に、手足に纏った炎と雷が激しく渦巻く。
 エトヴァは白銀の盾で攻撃を受け止めた。
 衝撃で彼の体が後ろに押し戻される中、盾の表面で炎が爆ぜ、雷光が走る。
 歯を食いしばりながら踏ん張って激しい衝撃に耐え、ラズロルに指示を送る。
「ラズ、左側に回り込め!」
 ラズロルは頷き、木々の間を縫って素早く移動した。
 『アラストルの乙女』の死角に回り込む。
「我が意のままに……!」
 再び砂塵が渦巻き、二体目のアラストルの乙女を包み込む。
 そこへエトヴァの氷の弾丸が追い打ちをかける。
「――凍て、響き渡れ」
 悲鳴と共に、二体目が倒れた。
 その瞬間、最後の一体となったアラストルの乙女が、怒りに満ちた叫びを上げる。
「地獄の炎と雷を!!」
 四肢に燃え盛る炎と稲妻を纏ったアラストルの乙女が襲いかかる。
 ラズロルとエトヴァは互いの背中を守るように立ち、迫り来る脅威に対峙する。
 エトヴァが白銀の盾で攻撃を受け止め、ラズロルが敵の隙を突く。
「砂塵の楔、貫き縫い留めその身を晒せ!」
 砂塵が渦を巻き、アラストルの乙女の周りを包囲した。
 しかし、炎と雷に包まれた敵は、ダメージを受けつつ砂塵の壁を強引に突き破ろうとする。
「エトヴァ、今だ!」
 ラズロルの声に呼応して、エトヴァが魔法銃を構えた。
「――凍てつく天罰よ」
 エトヴァの冷たい声と共に、凍結の弾丸が放たれる。
 砂塵と氷の魔力が交錯し、アラストルの乙女が纏っていた炎と雷を消した。
 一拍の間を置いて、アラストルの乙女の体が粉々に砕け散る。
 森に静寂が戻った。
 二人は警戒を解かず、周囲を確認する。
 エトヴァが低く呟いた。
「ラズ、終わったようだ」
 ラズロルはほっと息をつき、答えた。
「うん、でも油断は禁物だね。さぁ、こっちの仕事は終わり。拠点に戻ろう」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と共に
連携アドリブ歓迎

土木用のツルハシや運搬用の道具、工具等はトレインで持込を
俺は備蓄方面を担当しよう

地下室を作って、液体錬成の支度をしよう
荷物に詰めたワイン、ビール、シードル、油、ハチミツなどを持込んで【液体錬成】
備蓄しつつ、常駐の復讐者に交代で番をしてもらえれば、必要なだけ増やせるだろう
甕や樽等があれば借りる

教会や集会所の地下があれば、拡張を
冷暗所ならば、備蓄にも向いているし
地下室は、有事の際の避難所にもなるだろう
地下がなければ、地面を掘って作ろう
小規模に幾つあってもいい
怪力無双で作業

余裕があれば、周囲の海が淡水なら、生活用水を運びやすくロープやレール等を設置

住人たちにも有志を募り、手伝ってもらおう
前に、仲間が酒場を作ってくれたので
酒はあっても良いだろう?
美味い葡萄酒やビールを持ち込んでおいた
心にも潤いは必要だ

ラズや住人の皆に、それいいな、これはどう、と相談し交流しつつ作業
ちょっと味見しない?
自分たちの街を護る備えをすることで、自信と安心感を持ってもらえればいいな


ラズロル・ロンド
アドリブ歓迎

エトヴァ(g05705)と
パテーの住民達と協力して防衛拠点作りに取り掛かろう

僕は、今回みたいにパテー来るキマッチに気付けるような仕掛けと住民の避難場所を作りたいな
今は偵察で済んでるけど
これからもちょっかいはかけて来るだろうし
僕等が常駐してるとは言え、住民達が積極的に避難してくれれば僕等も守りやすい
避難訓練もやろうと提案

仕掛けづくりは
パテーの外側周辺、浜辺などに鳴子よろしく、踏む、引っ掛けるなど、張ってあるロープに触れると街の鐘が鳴る仕掛けを作るよ
キマッチが上陸してきそうな場所に見つかり難く隠すようにロープを張り
ロープの先に釣鐘を設置
一般法則破壊で破壊されても
衝撃でロープの先の鐘が鳴ればOK

鐘が鳴ったら住民は避難するんだよ
避難場所は地下室などの隠れられる場所
見つからない事が最重要に思うので
ディアボロスが応戦するまで隠れてて欲しい

地下室は教会や集会所の下に作る
【怪力無双】でスコップ片手に崩れないよう掘ろう
エトヴァに、広さこの位?など相談しつつ頑丈な地下室を作っていこう



 パテー島の海岸線に、陽光が煌めく波が寄せては返す。
 古びた家々が立ち並ぶ路地には、活気に満ちた人々の声が響く。
 パテーの住民たちは、穏やかな笑顔を浮かべながら、日々の暮らしに勤しんでいた。
 しかし、その平和な日常の中にも、まだわずかな緊張感が漂っている。
 その緊張を和らげるため、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)とエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は森から拠点に戻ってきた。
 二人の姿を見た住民たちが安堵の表情を浮かべる。
「よぉ、みんな! この島にちょっかいをかけに来たキマッチは、僕たちが倒したから」
 ラズロルが陽気に手を振ると、住民たちは感謝の言葉と笑顔で応えてくれた。
 エトヴァが住民たちに静かに頷きながら、「我々と共に、この島を守る準備をしよう」と告げる。
 年配の女性が二人の前に進み出てきて、温かな笑顔を浮かべながら言う。
「ディアボロスのみなさまと共に、この美しい島を守れることは私たちの誇りです。どうか、お力をお貸しください」
 周囲の住民たちも頷きながら賛同の声を上げる。
 じゃあ、とラズロルは早速、みんなを集めて説明を始めた。
「僕たちと一緒に、パテーを守るための仕掛けを作ろう。島の周りに警報システムを設置して、危険が近づいたらすぐに分かるようにするんだ」
 エトヴァが補足する。
「それに避難場所も必要だ。地下室を作り、そこに備蓄品も用意しよう」
 住民たちは2人の話に熱心に耳を傾け、すぐさま協力を申し出た。
 若者たちは工具を手に取り、年配の者たちは知恵を出し合う。
 ラズロルは浜辺に向かい、巧みな手つきでロープを張り始めた。
「ここを誰かが通れば、鐘が鳴るようにするんだ。敵が来ても、みんなにすぐ分かるようにね」
 漁師たちが丈夫な網を提供し、大工が巧みな手つきでロープと鐘を繋ぐ仕掛けを作り上げる。
 子供たちは小石を集め、仕掛けを隠すのに一役買う。
 ラズロルは皆の協力に感謝しながら、砂浜に巧妙に仕掛けを設置していった。
 一方、エトヴァは教会の地下室で作業を始めていた。
「ここを拡張して、避難所にしよう。食糧や水も備蓄できる」
 住民たちは即座に行動を起こした。
 強靭な男たちがツルハシを振るい、女性たちは土砂を運び出す。
 老人は昔ながらの知恵を出し、壁の補強方法を指南する。
 子供たちが小さな手で石を運び、隙間を埋めていった。
 夕暮れ時、ラズロルとエトヴァは作業の合間に、海が見える小高い丘に腰を下ろした。
「ねぇ、エトヴァ君。みんな、本当に頑張ってくれてるよね」
 ラズロルが感慨深げに言う。
 エトヴァは静かに微笑んだ。
「ああ。彼らの故郷を守りたいという思いが、我々の力になっている」
「そうだね。僕たちも、もっと頑張らなきゃ」
 ラズロルは立ち上がり、拳を握る。
 エトヴァも立ち上がり、ラズロル親友の肩に手を置いた。
「ラズ、お前と共に戦えることを誇りに思う」
 二人は互いの目を見つめて頷き合った。
「そろそろ戻ろうか」

 数時間後、海岸線には巧妙に隠された警報装置が張り巡らされ、街の要所には避難用の地下室が設けられていた。
「いいね。上出来だ」
「みな、よく頑張った」とエトヴァが住民の労を労う。
 ラズロルは住民たちを集め、避難訓練を行うことにした。
「鐘が鳴ったら、すぐに地下室に向かってね。焦らず、でも素早く」
 エトヴァは備蓄品の管理を指導する。
「水と食糧は定期的に確認し、補充することが大切だ」
 訓練を終えた後、住民の一人が二人に近づいてきた。
「あなたたちのおかげで、私たちは安心して暮らせそうです。本当にありがとう」
 ラズロルは照れくさそうに頭を掻く。
「いやいや、みんなが協力してくれたからこそだよ。僕たちだけじゃ、ここまでできなかった」
 エトヴァが微笑む。
「この島の力は、住民の団結にある。我々は、その力を借りているだけだ」
 その言葉に、周りの住民たちが感動の表情を浮かべた。

 海風に乗って、塩の香りと焼きたてのパンの香りが混ざり合う。
 夜、ラズロルとエトヴァは酒場で一杯やっていた。
「ねぇ、エトヴァ。この島、本当に良い場所だと思わない?」
 ラズロルがエールを傾けながら言う。
 エトヴァはワインを口に運びながら答えた。
「ああ。平和な日常と、それを守る覚悟。両方を持ち合わせている」
「うん、だからこそ、僕たちはここを守らなきゃいけない」
「ラズ、お前の熱意は人々の希望になっている。俺もそれに応えたい」
 二人は杯を合わせ、静かに誓いを立てた。
 パテー島を、そしてここに暮らす人々を守ると。
「まだまだやることはあるけど、少しずつ前に進んでいこう」
 エトヴァが頷く。
「ああ。これからも、この島と共に成長していこう」
 パテー島は、まだ完璧な拠点とは言えない。
 しかし、ここには強い絆で結ばれた人々がいる。
 ラズロルとエトヴァは、その絆を糧に、これからも島の防衛を強化し続けていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

四葩・ショウ
※年上の住民相手には敬語使用

こんにちは、わたしはショウです
街の暮らしを良くする手伝いに来ました

パテーの人々に挨拶をしたら
街を歩きながら【建物復元】を使って
これまで皆が作った防壁を中心に、
防衛用の設備が壊れにくくなるようにしておきたいな
もしもの時には
防壁を壊されちゃうのだって作戦のうちとして活かせるけど、
なるべく時間を稼げた方がいいだろうから
でも、防壁の外側(オルレアン方面)には
わざと魔女に襲わせて、時間を稼ぐための蔵を
仲間が作ったってことも聞いてるから
そこはなるべく効果範囲に含まないように、
距離を調整しながら使っていけたらいいかも

丈夫な斧も持ってきたから
復讐者の身体能力を発揮して
森から木を切り出してきて、薪割りをして薪を確保しよう
これからの季節(冬)に備える準備を手伝いたいな

運搬には【怪力無双】も利用して
皆の生活に役立てて貰えるように、頑張るよ
これくらいあれば暫くは大丈夫、かな?

他にもたりないものがあったら、教えてくださいね



 陽光が柔らかく降り注ぐパテー島。
 その岸辺に、金色の髪を風に揺らす一人の少女が佇んでいた。
 四葩・ショウ(After the Rain・g00878)である。
 彼女の瞳に映るのは、中世の息吹を残す古めかしい街並み。ところどころデコボコした石畳の道、木造の家々だ。
 ショウは軽やかな足取りでディアボロスの拠点が気づかれつつある場所へと歩を進める。
「こんにちは、わたしはショウです。街の暮らしを良くする手伝いに来ました」
 微笑みながら住民たちに挨拶を交わす。
 人々はショウに温かな眼差しを向けた。
 拠点の周りを巡りながら、これまで住民たちが築き上げてきた防壁に目を向ける。
「もしもの時には、壊されることも作戦のうち。でも、なるべく長く持ちこたえられるように」
 呟くと同時に、ショウの指先から淡い光が放たれた。
 パラドクスの力が城壁を包み込んでいく。
 【建物復元】のスキルで防衛設備をより強固なものへと変えたあと、ショウは森へ足を運んだ。
「ここの木がいいかな」
 幹に手を触れて、ごめんね、と呟いたあと、持参した斧を手に取る。
 その姿は、か弱い少女のものではない。
 太い幹に向かって斧を振り下ろすと、まるで雷鳴のような音が森の中に響き渡った。
 切り倒した木を軽々と持ち上げ、拠点に運んで行く。
 住民たちが運び込んだ木の周りに集まってきた。
「これからの冬に備えて、暖を取る準備です」
 何人かの住民が手伝いを申し出る。
「ありがとうございます。では、一緒に薪を作りましょう」
 薪割りの音が街に響き渡る頃、ショウの額には汗が滲んでいた。
 一息ついたショウは、住民たちに問いかける。
「このぐらいあれば十分でしょう。他にもたりないものがあったら、教えてくださいね」
 すると、一人の老婆が歩み寄ってきた。
「お嬢ちゃん、実はね……」
 老婆は少し恥ずかしそうに話し始める。
「最近、塩が足りなくてね。魚の保存にも困っているんだよ」
「わかりました! 任せてください」
 ショウは海岸へ向かった。
 大きな平たい岩を見つけると、それを窪ませて浅い器のような形に整える。
 次に、海水を汲んでその器に注ぎ、太陽の下で蒸発させる準備を整えた。
「これで天日塩が作れるはずです。時間はかかりますが、きっと美味しい塩ができますよ」

 パテー島は、ショウの到来によって単なる要塞ではなく、文化と生命力に満ちた豊かな防衛拠点へと変貌を遂げつつあった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2024年09月06日

パテーの拠点化とオルレアン方面威力偵察

 火刑戦旗ラ・ピュセルの飛び地であった『パテー』の解放に成功した事で、ディアボロスの拠点として活用することが出来るようになりました。
 とはいえ、パテーは(このディヴィジョンでは)沿岸の小島にあるごく狭い街で、防衛のための設備などはありません。まずはパテー住民の生活を支援しつつ、防衛の準備を行ってください。
 パテーの異変を察知したキマイラウィッチも、状況を確認すべく偵察部隊を派遣しているようなので、その対策も必要です。
 また、パテーの南東20km程の場所には、ジャンヌダルクに縁の深い『オルレアン』があるので、その方面への偵察活動も行ってください。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#火刑戦旗ラ・ピュセル
🔒
#パテーの拠点化とオルレアン方面威力偵察
🔒
#パテー
🔒
#オルレアン


30




選択肢👾敗走するトループス級『アラストルの乙女』のルール

 なんらかの理由で敗走しているトループス級に対して追撃戦を仕掛けて、戦果の拡大を目指します。
 逆説連鎖戦の反撃は発生しますが、敗走しているトループス級は弱点を晒している状態で、戦闘力は大きく低下していますので、追撃側の有利を生かして戦う事が出来れば、ほぼ無傷で撤退する敵を蹂躙できる可能性があります。
 敗走する敵戦力を大きく削ることが出来れば、その後の戦局を有利にするなど、良い影響があるでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『パテー住民の支援と防衛力の強化』のルール

 パテーの住民はディアボロスに友好的ですので、彼らの協力も得て、パテーの防衛力の強化に努めてください。
 パテー住民に対する食糧援助や、インフラの整備なども同時に行うと、より信頼関係を深めることが出来る筈です。

 パテーは、火刑戦旗ラ・ピュセルにおけるディアボロスの拠点となる為、ディアボロスの誰かが駐在している状況になるので、排斥力によって、ディアボロスの事を忘れるといった事は無いので、それも踏まえて、支援を行なうと良いでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。