破壊兵器内蔵型天魔武者を撃破せよ

 攻略旅団の方針により、相模国の攻略を開始する事になりました。
 相模国での現代兵器の工廠跡の調査からは既に4ヶ月以上が経過しており、天正大戦国側は技術の革新を推し進めていたようです。

 現在、相模国では『体内に現代技術を用いた破壊兵器を組み込むことに成功したアヴァタール級』率いる部隊が、最終人類史の『横須賀市』との境界付近に展開しています。
 TOKYOエゼキエル戦争から伝わった技術を元に造られた破壊兵器は、特殊なクロノ・オブジェクトではありませんでした。
 そのため、ディアボロスやクロノヴェーダには一切ダメージを与えられない上、使用すれば巻き込む予定の全員から反撃を受けてしまう、逆説連鎖戦では『無意味どころか使う側に有害』な兵器となっています。

 この問題を解決する為、アヴァタール級の体内に組み込まれた破壊兵器は『アヴァタール級の死亡を引き金に作動し、その発動が一般法則破壊で止められない』という形で、クロノ・オブジェクト技術が応用されています。
 つまり、アヴァタール級が死ぬと同時に、周囲数百メートルの建物が破壊され、一般人を死傷させる爆発が引き起こされるのです。
 現状では現代技術の最先端よりも効果範囲が狭く、威力も低いのですが、さらに研究が進めばトループス級にも搭載可能になったり、より強力な兵器を組み込むことが可能となったりすることも考えられます。

 もし、より強力になった大量破壊兵器を内蔵した天魔武者の大軍が、東京23区や横須賀市に攻め込む事になれば、甚大な被害は免れません。
 それを未然に阻止するためにも、横須賀市への侵入を目論む天魔武者を撃破しましょう。

静かに霧を待つ、あるいは敵を待つ(作者 秋津透
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「…………」
 天正大戦国ディヴィジョン『相模国』の山中から横須賀の境界海を見下ろす簡易拠点。ここに籠もるアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』は、赴任して以来一言も口をきいていない。
 そして配下の卜ループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』たちも、ただただ押し黙って控えている。
 一方、境界海近くでディヴィジョン境界が往来できる兆候となる霧の発生を観測しているトループス級天魔武者『井芹党』は、前方の霧一つない境界海を見やって呟く。
「静かだな……」
「ああ、静かだ……まだ、ディヴィジョン境界の霧とやらは発生しないのかな?」
「さあな……俺にはわからん」
 本来おしゃべりな個体が多い『井芹党』にしては、ずいぶん少なめに言葉を交わすと、彼らは境界海の観測を続ける。しかし、霧らしきものの気配はまったく見受けられず、そよぐ風も微かに、海は静かに波打つばかり。
 境界が揺らいだ証の霧が出次第、ディヴィジョンを越えて敵地への自爆特攻を仕掛けるという凄絶な任務とは裏腹に、その地はあくまで…奇妙な緊張を孕みつつも…静かだった。

「腹が減っては戦ができぬ。喰いながら話を聞いてくれ」
 時先案内人の陳・修賢(人間の特級厨師・g03221)が、いつものように手製の饅頭を配りながら告げる。
「天正大戦国ディヴィジョンで攻略旅団の方針により「相模国」への侵攻が決定した。以前は誰が「相模国」の国主かわからなかったが、どうやらジェネラル級天魔武者『北条氏政』らしい。だとすると、居城は「小田原城」の可能性が高いだろう」
 本来の歴史では、北条氏は関東の広い範囲に支配力を及ぼしていたが、どうやら天正大戦国ディヴィジョンでは「相模国」一国の国主に留まるようだ、と、修賢は思案顔で唸る。
「言うまでもなく「相模国」は最終人類史に奪還して住民帰還が済んでいる東京23区と横須賀市に接している。ここを制圧できれば最終人類史の一般人にとって侵攻を受ける懸念が大きく下がる。そして一方、最終人類史から放逐された大天使・アークデーモン勢力が「相模国」に高威力の大量破壊兵器を持ち込んでいるという情報もある。いずれにしても、放置はできん」
 というか、前に「相模国」に強行潜入工作を仕掛けてから今まで、ずいぶん長いこと放置されていた気もするが、まあ、攻略旅団の方針だから仕方ないな、と、修賢は少々微妙な表情で呟く。
「まずは「相模国」と最終人類史を隔てる境界海付近に展開する敵部隊を撃破。境界海沿岸を制圧した上で、本格的な侵攻を開始する事になるだろう」

 そして修賢は、メモを見ながら言葉を続ける。
「予見によれば「相模国」では卜ループス級天魔武者『井芹党』が横須賀市との境界海付近で観測を行い、ディヴィジョン境界の霧が自然発生するのを気長に待っているようだ。しかし、ひとたび霧の発生が観測されれば、待機しているアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』と卜ループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』の集団が横須賀市に突入する準備を整えて待機している。『尼子勝久』には高性能爆弾が内蔵されていて撃破すれば大爆発を起こすらしいので、横須賀市に突入されたら目一杯厄介なことになる。幸いというか何と言うか、通常兵器の高性能爆弾はディアボロスにダメージを与えることはできないので、突入される前に先手を打ってパラドクストレインで遠征し、心置きなく撃破して天正大戦国ディヴィジョン内で自爆させてやってくれ」

 更に修賢は、一同を見回して告げる。
「正直なところ『北条氏政』や「相模国」の天魔武者たちが何を意図しているのかはさっぱりわからん。ただ、下野国日光に座す『徳川家康』が断片の王を継承した以上、その側面援護を命じられているのは間違いないだろう。戦力を最終人類史に片道突入させ自爆特攻させるという無茶苦茶な作戦が『北条氏政』の自発的意図によるのか『徳川家康』の無茶振りなのかは不明だが、どちらにしても未然に潰すに越したことはない。よろしく頼むぜ」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

秋津透
 どうも、秋津透です。
 例によって《七曜の戦》以降の新システムが適用される、敵の観測部隊と待機している自爆特攻部隊を先手を打って襲って潰すシナリオです。自分が記載している以外の他プレイヤーとの共闘や、MSの勝手なアドリブは許容できないという方、行動を改変されるよりは不採用の方がいいという方は、その旨明記してください。

 選択肢1:クロノヴェーダとの対話
 クロノヴェーダと戦闘せずに対話する選択肢で、アヴァタール級、卜ループス級、それぞれに対し、原則として「戦闘選択肢が選択可能になってから実際に選択されて戦闘開始する前まで」選択することができます。「会話が成立した」と判定された場合のみ採用されますが、相手はクロノヴェーダなので残留効果は一切効果がなく、会話で有用な情報を得られる可能性もあまり大きくありません。なお、この選択肢を解決しない、あるいはまったく選択しなくてもシナリオそのものの解決には支障はありません。

 選択肢2:護衛するトループス級『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』
 アヴァタール級『尼子勝久』とともに横須賀へ片道特攻する予定の卜ループス級『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』と交戦、撃破する選択肢です。選択肢3が解決(観測部隊の『井芹党』が全滅)するとアヴァタール級に命じられて簡易拠点から飛び出してくるので、会話するなら選択肢1、戦闘するなら当該選択肢(選択肢2)を選ぶことができます。ただし卜ループス級『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』は目一杯融通の効かないタイプで、どう話しかけても「我、使命二服スノミ」以外の返答はほとんどありません。なお、戦闘進行上不適切な行為があると判定されたプレイングは採用されません。

 選択肢3:作戦行動中のトループス『井芹党』
 境界海に霧が発生しないか観測しているトループス級天魔武者『井芹党』と交戦、撃破する選択肢です。通常、最初に選択される選択肢となりますが、この選択肢が選択される(交戦開始)までは選択肢1を選んで『井芹党』と会話することができます。『井芹党』はトループス級としては狡猾で職務待遇に不満があり「交渉を匂わせる会話」が可能ですが、しょせん下っ端でたいした情報は持たず、また嘘をつく可能性も高い相手です。一応警戒態勢を取って観測をしているので、たとえ会話を試みなくても奇襲することはできません。なお、戦闘進行上不適切な行為があると判定されたプレイングは採用されません。

 選択肢4:アヴァタール級との決戦『尼子勝久』
 横須賀への片道自爆特攻を命じられているアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』と決戦する選択肢で、選択肢2が解決(『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』が全滅)すると選択できますが、選択肢1を選んで会話することも(枠が残っていれば)可能です。ただし『尼子勝久』は寡黙で口が重く、機密に属するような事項にはほとんど関心がありません。将としての才はあまりありませんが個体としての戦闘力は高く、高レベルのディアボロスでも一対一で戦うと「善戦」以下の結果となります。撃破できれば大爆発(ディアボロスには影響皆無)を起こしてシナリオは解決し、同時に排斥力が発動して作戦参加者が全員パラドクストレインへ強制移送されます。なお、戦闘進行上不適切な行為があると判定されたプレイングは採用されません。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


伊藤・真九郎
最終人類史への特攻、物的被害以上に、民に与える動揺が深刻だろう。
断固阻止せねばなるまい。

物陰に隠れつつ、霧の発生を観測する部隊の死角に回る。
敵の作戦を知る為にも会話なりすべきやも知れんが、彼奴等からは大した話も聞けまい。
気取られる前に奇襲を仕掛けよう。
鉄鞘に納めた太刀を構え、【不弓之射】にて不可視の矢を射掛ける。
仲間と攻撃開始の機を合わせ、初撃にて最大効果の打撃を与えよう。
反撃に襲い掛かってくるならば、即座に太刀を抜き放ち、両手に構えた太刀と鞘にて受け払う。
一つ所に居着かず、戦場を駆け回り包囲を避けつつ、片端から撃ち倒してくれよう。


(「最終人類史への特攻、万が一にも成されてしまったら、物的被害以上に民に与える動揺が深刻だろう。断固阻止せねばなるまい」)
 言葉には出さずに呟きながら、伊藤・真九郎(剣客・g08505)は霧の発生を観測するトループス級天魔武者『井芹党』の陣へと忍び寄る。
(「……敵の作戦を知る為にも会話なりすべきやも知れんが、彼奴等からは大した話も聞けまい。連携する仲間がいればよかったが、迂闊に躊躇していて霧が出てしまったら厄介だ。単身とはいえ、ここは先手を利して仕掛ける」)
 腹を据えると、真九郎はパラドクス「不弓之射(イラズノユミ)」を発動。鞘に納めた太刀を弓の如く構え矢を射る動作をする事で、視界内の複数の対象を不可視の矢で穿つ弓術の極意を放つ。
(「南無八幡大菩薩!!」)
 むろん言葉には出さず、真九郎は気合を籠めて不可視の矢を連射する。櫓の上で境界海を観測していた『井芹党』のうち三体が、何が起きたのかもわからず、反撃もできないまま倒れ伏して絶命する。
「こ、これは!?」
「敵襲だ! 妖しの技で攻撃してくる敵がいるぞ!」
「ディアボロスだ! 霧は出ていないが、ディアボロスが来ているぞ!」
 さすがに警戒はしていたようで、残りの『井芹党』はすぐさま口々に騒ぎ立て、何体かが詰め所らしき建物から飛び出してきて、刀を抜いて油断なく周囲を見回す。まだ発見されてはいないようだが、次の攻撃に対してはおそらく反撃があるだろう、と、真九郎は顔面を覆う兜の面頬の下で改めて表情を引き締める。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

嵐柴・暁翔
なんというか、最近は随分と井芹党と縁がある気がするな
……欠片程も嬉しくないのはお互い様だろうけど…

さて、戦端が既に開かれているなら俺に気付いていようがいまいが攻撃すれば反撃が飛んでくるのが逆説連鎖戦だし、どう攻撃した所で極端な有利不利はないだろう
今回は残留効果を優先するとするさ

まずは先行している方々に【パラドクス通信】で状況を確認します
そして《うにうに召喚》を発動
井芹党を纏めて蹴散らします


(「…なんというか、最近は随分と井芹党と縁がある気がするな……欠片程も嬉しくないのはお互い様だろうけど…」)
 戦場に駆けつけた嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は言葉には出さずに呟き【パラドクス通信】で戦況を確認する。そして、基本的には見ての通りであるという返答を得て、パラドクス「うにうに召喚(ウニウニコーリング)」を発動する。
「う~にうにっ! う~にうにっ!」
「うわああああああああ、な、なんじゃこりゃあああああああっ!」
 暁翔が召喚した動く巨大プリンのような謎の存在「うにうに」を前にして『井芹党』はちょっと意外なほど狼狽恐怖した叫びをあげ、反撃のパラドクス「背水の陣」を発動。対抗策のつもりなのだろうか、タコだのイカだのイソギンチャクなどを召喚して「うにうに」にぶつける。一応それでもパラドクス攻撃なので、多少のダメージは生じるが「うにうに」は平然として(?)全ダメージを召喚者の暁翔へと流す。
「いててて…しかも、なんかぬめぬめしいな…」
 顔を顰めてぼやく暁翔を尻目に「うにうに」は『井芹党』と召喚された水産物(?)を無雑作にまとめて容赦なく触手で絡め取り、叩き潰す。トループス級の中には必死で刀を振るって「うにうに」の触手に切りつけるものもいたが、そのダメージもすべて暁翔へと流される。
「いててててて…少しは躱すとか何かしろよ…」
 暁翔は更にぼやくが、結局ダメージはさほど深刻なものではなく「うにうに」は果敢に(?)触手を振るってトループス級を全滅させると、用は済んだとばかりに姿を消した。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

伊藤・真九郎
さて。井芹党どもを倒せば本隊が出て来るという事だったか。
未だ某の姿は捉えられていない様子だが、最早奇襲は通じまい。
真っ向から突入し、迅速に護衛共を薙ぎ払うが良手と見た。

【パラドクス通信】で仲間と交信、連携し突入致す。
駆け込みつつ、鉄鞘に納めた太刀を構え【鉄風迅擂法】にて鉄砂混じりの旋風を巻き起こす。
現れる白山共を纏めてなぎ倒し、削り払ってくれよう。
降り注ぐ火箭、何するものぞ。鉄風で軌道をそらし直撃を避け、【ガードアップ】で強化した武者鎧で爆風に耐え抜く。


「……来たか」
 霧の発生を観測するトループス級天魔武者『井芹党』が全滅した直後。山側に見えている急拵えの砦から、トループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』の一群が飛び出してくるのを認め、伊藤・真九郎(剣客・g08505)は小さく呟く。
「……護衛のみか。主将のアヴァタール級は出てきておらぬか。もしかすると、物見なのかもしれぬな……いずれにしても、迅速に薙ぎ払うが良手と見た。出るぞ」
 真九郎は【パラドクス通信】を通じて味方へと告げ、パラドクス「鉄風迅擂法(テップウジンライホウ)」を発動。掲げた鉄鞘を中心に、砂鉄の嵐を巻き起こす。
「地霊土尊御助力御願い奉る!」
 気合を籠めて言い放つと、真九郎はパラドクスの効果で大地を抉り土砂を巻き上げながら、トループス級の集団へと突入する。
「!!!!!」
 パラドクスの力が籠められた砂鉄の嵐に接した途端に、強固なはずの全身をみるみるうちに削られ『白山』はたちまち爆発して粉微塵になる。しかし、自爆寸前に反撃のパラドクス「肩部ミサイルランチャー拡散発射」を発動。砂鉄の嵐に削られながらも、こちらもパラドクスの力が籠められたミサイルは拡散して飛び、そこらじゅうで爆発を起こす。
「降り注ぐ火箭、何するものぞ!」
 広範囲に放たれる多数のミサイルを真九郎は敢えて躱そうとはせず、砂鉄の嵐で直撃、至近のみを防ぎ、それ以外は強化した武者鎧で耐える。ミサイルの数が多いので相応のダメージは受けるが、深刻に受け止めるほどの事態ではない。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

嵐柴・暁翔
本日の天気は晴れ時々ビーム、午後からの激しいミサイルの雨の後は突然の雷に注意しましょう…なんてな
昔なら天気予報は外れてばかりだったから気象庁気象庁と唱えておけば被弾しないとかいう胡散臭いお呪いもあったとか聞いたような気もするけど、昨今なら天気予報は結構当たるし、そんなお呪いをすれば逆に危なそうだな…

《伝承顕現》で雷霆を作り出して攻撃します
見るからに分厚い装甲だし寒冷地仕様なら水や温度変化には強そうだけど、電撃には耐えられるのかな?
……まあパラドクスにはそういう理屈は通じない場合が多いんだけどな…

相手のミサイルの弾幕や爆発の余波を全て避けるのはまず無理だろうし、相手の懐に飛び込んで被害を減らします


(「本日の天気は晴れ時々ビーム、午後からの激しいミサイルの雨の後は突然の雷に注意しましょう…なんてな…昔なら天気予報は外れてばかりだったから、気象庁気象庁と唱えておけば被弾しないとかいう胡散臭いお呪いもあったとか聞いたような気もするけど、昨今なら天気予報は結構当たるし、そんなお呪いをすれば逆に危なそうだな…」)
 っていうか、新宿島というか最終人類史の天気予報って、今、誰が管轄してどう予測してるんだっけ、と、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は首を傾げる。いくら世界を奪回しても気象観測衛星とかは(たぶん)回復してないはずだし、富士山レーダーのある静岡県・山梨県もまだ未奪回…いや、富士山レーダーは刻逆前に廃止されたんだっけ?
 などと、いささか迂遠というか場違いな思いを巡らせながら、暁翔は目の前に殺到、展開してくるトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』に対しパラドクス「伝承顕現(レジェンダリーウェポン)」を発動。実に皮肉なことに、つい先日新宿島を狙ってクロノヴェーダが発動させた超越的に強力無類なクロノオブジェクト兵器とまったく同名同設定のゼウスの雷霆「ケラウノス」を顕現させて投擲する。
(「見るからに分厚い装甲だし寒冷地仕様なら水や温度変化には強そうだけど、電撃には耐えられるのかな?
……まあパラドクスにはそういう理屈は通じない場合が多いんだけどな…」)
 声には出さずに暁翔が投げつけた雷霆は、凄まじいパラドクスの雷電を放って複数の『白山』を粉砕する。しかし粉砕される寸前に、トループス級は反撃のパラドクス「肩部ミサイルランチャー拡散発射」を発動し、多数のミサイルを四方八方へと発射する。そのほとんどは雷電に巻き込まれて爆発するが、パラドクス効果を持つ爆発の余波が暁翔にも及び、多少のダメージを与える。
(「…まあ、やたらに広範囲に余波が飛んでるからなあ。これは、避けようにも避けられないよな」)
 爆発する『白山』にヘタに近づくと余波が強まりそうなので、暁翔はやや後退気味に動きながら声には出さずに呟く。見るところ、ごく少数だが山側の砦から出てきたばかりの『白山』が残っており、その一方、アヴァタール級はまだ砦の中にいるのか、姿を現さない。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

零識・舞織
まだ敵は残り大将は未だ出て来ずとなればその残敵処理を行うまでです。

天魔武者に作用されるかは不明ですが機械と云えば水に弱い。
ということで此度は水のパラドクスでもってあの者らに引導を渡すとしましょう。

貴方方を呑み込むのは蛟が生み出す激流、暴れ河とも言います。
いかに寒冷地仕様とはいえ耐える事は出来ないでしょう。

相手の波動エネルギーは避ける術も無いので受けるしかないですがあの大槌で直接殴られエネルギーを叩き込まれるよりかはマシだと割り切りましょう。

ここまですれば籠りの大将も引きずり出せるはずです。


「まだ敵は残り大将は未だ出て来ず。となれば、その残敵処理を行うまでです」
 言い放って、零識・舞織(放浪旅人・g06465)がパラドクス「妖怪写蛟暴流陣(ヨウカイウツシミズチボウリュウジン)」を発動。戦況が見えているのかいないのか、山側の砦から突進してくる残り少ない生き残りのトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』に向かって、パラドクスの激流を叩きつける。
「貴方方を呑み込むのは蛟が生み出す激流、暴れ河とも言います。いかに寒冷地仕様とはいえ耐える事は出来ないでしょう……妖に落ちぶれし水神よ。その哀しみを激流に変え妨げる者を流し尽くせ!」
「グオオオオオオーン!」
 激しい水流に巻き込まれた『白山』は、物理的な水の勢いではなく包含するパラドクスの力によって破壊され、一体も残さず爆散、全滅する。しかし潰れる寸前に反撃のパラドクス「波動鎚」を発動して、波動エネルギーを舞織へと放つ。激流に翻弄されて潰れる寸前の攻撃なので狙いは定まらず、舞織をまともに直撃することはなかったが、攻撃波動の余波が掠めて多少のダメージを生じる。
 そして『白山』が全滅すると同時に、山側の砦からアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』とおぼしき、細身ではあるが凄まじい殺気…いや、むしろ静かではあるが触れたらそれだけで斬れそうな「剣闘気」を帯びた天魔武者が姿を現す。
 そして『尼子勝久』は、激流でどろどろぐしゃぐしゃになった山道を一跳びで跳び越え、ディアボロスたちの近く…ではあるが一閃で攻撃を届かせることは難しい、絶妙の間合いへと降り立つ。 
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

嵐柴・暁翔
尼子勝久に話しかけてみます
戦国武将も戦端を開く前に口上を述べたりするし、相手方にしてもこうなってしまえば即座に戦おうが多少の無駄話をしようが大した違いもないだろう

まずは一応このまま戦うのか確認してみます
境界を越えて突入して自爆するという作戦は襲撃されている以上既に破綻しているのは分かっているだろうしな

後は本当に無駄話にしかならないかもしれないけど、自爆特攻についてどう考えているのか聞いています
どこかの傾奇者みたいに乗り気なのかそうでもないのか、或いは工廠で爆弾を取り付けられていた方々のように既におかしくなっているのか…


「一応、尋ねる。このまま戦うつもりか?」
 声は通るが、パラドクス攻撃を除く刀槍の攻撃は躱されそうな位置へ降り立ってきたアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』に対し、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が警戒しながら声を掛ける。
 すると『尼子勝久』は、物憂げな口調で応じる。
「無論だ。それともお前たちは、戦うつもりでもないのにここまで押しかけてきて、雑兵どもを薙ぎ払ったのか?」
「そういうわけじゃないが…俺達の目的は、あんた方がこっちの領土に飛び込んできて、一般人相手に自爆特攻するのを防ぐことだからな。あんたが引き上げると言うなら、追うことはしない」
 まあ、引き上げる気など毛頭なさそうだけど、と、内心呟きながらも、暁翔は言葉を続ける。
「そもそも、あんた、帰還手段無しの片道自爆特攻なんて無茶苦茶な作戦、どういうつもりで引き受けたんだ? 命令だから仕方なく、か?」
「いや。我は戦うことが好きなのでな。強敵相手に引くことなく死ぬまで戦うしかない死地というのは、命じられればいつでも赴くところだ」
 物憂げにぼそぼそと、しかし話したくないことを無理に話している様子ではなく、意外に流暢に『尼子勝久』は応じる。
「我が倒れた後で自爆する絡繰りが仕込まれたなどというのは、我の知ったことではない。そこで民が巻き添えになるかどうか、などもな。我はただ、強敵との戦いを求めるのみ。……他にすることもないしな」
「…そうか」
 史実の尼子勝久は、出家していたのを山中鹿介たちに懇願されて還俗し、尼子家再興に身を投じたわけだけど、この世界では山中鹿介が勝手に(?)豊臣秀吉麾下の国主になってるわけで、アヴァタール級の『尼子勝久』は最初から立場ないよなあ、と、暁翔は声には出さずに呟いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV2になった!

嵐柴・暁翔
まあクロノヴェーダの中でもアヴァタール級は特性や立場が特殊だし、刹那的な方が多くなりそうではあるけど、なんというか、随分な武闘派というか任務に合った性質を持っているんだな…

無駄話に意味があるのかは知らないけど、ただ見敵必殺だけを繰り返すというのも味気ないだろう
此方は自爆特攻なんて物騒な真似は見逃せないし、其方も引くつもりがない以上この後殺し合いになるのは確実なんだし、その前に少し位は刃以外でも語り合ってもいいだろう


「…他にすることがない? そんなふうには見えないけどな」
 一見無雑作に、しかし実際にはけっこう慎重に語彙を選びながら、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)はアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』に向けて言葉を継ぐ。
「あんたの技量は、相当なもんだと思う。そこまで腕を磨くには、並ならぬ研鑽があったんじゃないか? それをたった一回の無謀な作戦で完全に無に帰していいのか?」
「買いかぶりだ。天魔武者に研鑽などない。生まれ出た瞬間に、既にこの技量を持ち、既に強敵への渇望を植え付けられ、他のことをする意志を持たされていない」
 面白くもなさそうに『尼子勝久』は応じる。
「そして我にとって、今日の戦いが初の実戦だ。九州の方では天魔武者同士が戦っていると聞くが、北条の殿は配下にそんな真似はさせない…良くも悪くもな」
「…そうなのか」
 まあクロノヴェーダの中でもアヴァタール級は特性や立場が特殊だし、更に天魔武者は自動人形とかに近い「理屈も理由もなく、そのように作られた存在」なのかもしれないけどな、と、暁翔は声には出さずに呟く。
 そして暁翔が更に言葉を継ごうとした時『尼子勝久』はぼそぼそとした口調のまま指摘する。
「どうやら、待ちに待った霧が出てきたようだ。我はお前たちを斃し、お前たちの領域に乗り込み、命じられた使命を果たす。阻めるものなら、阻んでみせるがよかろう」
「…もちろんだ」
 ここでディヴィジョン境界が揺らぐ霧が出るとは間が悪いと言うか、むしろ霧の発生前に妨害が間に合ったと言うべきか、と、暁翔は声には出さずに呟きながら身構える。いや、もしかすると、ディアボロスたちがパラドクストレインでディヴィジョン境界を突破し妨害に来たからこそ、このタイミングで霧が出たのかもしれない。 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

伊藤・真九郎
成る程、後も先も無く誰此時の斬り合いのみを求めるか。
それもまた剣の道。自体を否定はせぬよ。

鞘に納めた太刀を居合に構え、対峙致す。
最早語る事もあるまい。寧ろ、迂闊に語り合えば術中に嵌まる悪寒がする。
一刀に専念すべしと見た。

【天龍抜刀術】にて参る。
刹那の居合で、斬り込むという過程を飛ばし、切断という結果のみをもたらす奥義。
先読みや防御を抜き、逆袈裟に斬り裂いてくれよう。

反撃は、糸を伝い刃を届ける必中の技か。
ならば、糸を見切れば其れを辿って来る刃を捉えられるやも知れぬ。太刀筋を見切り、己が太刀で受け止め威力を抑えよう。


神山・刹那
尼子勝久か
中国地方の大名だったか?まぁ、良いか。元がなんであれ、お前らは俺たちの敵で、俺たちはお前らを討たずにはいられない
闘う理由としてはそれで十分だろ
さぁ、闘ろうか。俺かあんた、勝った方の総取りだ。ガチで行かせてもらう!

月下氷刃で赤い糸が繋がって攻撃してくるのなら、繋がろうが攻撃が後から来ようが勇気で被弾を恐れず、残像が残る速さで最短距離を一気に駆け抜け、間合いに入ったら跳躍し雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの渾身の一太刀で斬り捨てる
「なかなか面白い技だった。楽しい勝負だったぜ。またやろう」


フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok

話には聞いていましたが、何とも無茶苦茶な事を考えたものですね。
実用間近みたいですが、ここで止められたのは僥倖でしょう。

遅れ馳せながら、私もお力添えしますね。
最終人類史へは踏み入らせません。

戦闘ではリュカと力を合わせて攻撃です。
魔力を集中して『重唱』の術式を発動、遠距離からリュカと一緒に砲撃して、敵をその場に足止めします。
敵の動きを止めれば、それだけ味方も攻撃をし易いでしょうしね。
接近戦を行う味方が居たら、此方の砲撃に巻き込まぬよう注意しつつ、援護射撃です。

しかし、怨嗟の声を自分の武器にする、ですか。
戦場である以上、怨嗟の声は消えないでしょうが、死後まで利用される謂れはないでしょう。
敵を倒す確固たる意志、魂の死後の安息を願う意志、それぞれを籠めて魔力障壁を張り、敵の呪詛に対抗です。

敵の剣技は、距離を詰めるなら居合いの類でしょうか?
ならば下手に受け止めるより、長杖で受け流して刃の勢いと軌道を逸らし、直撃を避けた方が良いですね。
空いた背中には、リュカのブレスをお見舞いです。


嵐柴・暁翔
やれやれ…
旅団『風の団』も『TRPG同好会』も横須賀に旅団出張所があるから、このまま境界を越えられると真っ先に駆り出される立場なんだよな…
……まあ、どちら側にいたとしてもやることは変わらないにしても、こちら側で戦った方が被害を気にする必要がない分だけましか…

生まれた瞬間から植え付けられている技量と借り物の技量、どちらもどれだけの価値があるのかは相手次第だろうけど、この場での決着だけは直ぐにつくだろうさ
《天元突破冒険者》を発動させて全力で突っ込み『風牙』で斬りつけます

戦う相手と糸を繋ぐというのはお互いに逃げられなくなるし狙いも分かり易くなるけど、その分必中な訳か…
どうせなら運命の赤い糸的なものをどこかのかわいい女の子とでも繋いで欲しいもんだ


(「やれやれ…旅団『風の団』も『TRPG同好会』も横須賀に旅団出張所があるから、このまま境界を越えられると真っ先に駆り出される立場なんだよな……まあ、どちら側にいたとしてもやることは変わらないにしても、こちら側で戦った方が被害を気にする必要がない分だけましか…」)
 声には出さずに呟きながら、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)はアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』を見据え、パラドクス「天元突破冒険者(ランディ)」を発動する。
「……俺の太刀に、斬れぬもの無し。……全てを斬れ……雷光烈斬牙…!」
「ほう…これは…」
 凄まじい雷撃を帯びた愛刀「風牙」を振るって真っ直ぐに突っ込んできた暁翔を『尼子勝久』は反撃のパラドクス「月下氷刃」を発動させて迎え撃つ。お互いに、相手のレベルが低ければ一撃で両断して斃すことができる必殺のパラドクスだが、双方ともにパラドクスの力が強すぎて「刃で斬って断つ」という現象が生じない。目に見える状況としては、アヴァタール級はどこも斬られていないが全身を雷電で灼かれて黒焦げになり、暁翔は肩口から脇腹にかけて着衣と皮膚と筋肉を切られ、瞬時、激しく出血するが、骨や内臓に損傷はなく筋肉を引き締めて出血を止める。
(「…戦う相手と糸を繋ぐというのはお互いに逃げられなくなるし狙いも分かり易くなるけど、その分必中な訳か…どうせなら運命の赤い糸的なものを、どこかのかわいい女の子とでも繋いで欲しいもんだ」)
 声には出さずに暁翔は嘯く。生まれた瞬間から植え付けられている技量と借り物の技量、どちらにどれだけの価値があるのかは相手と状況次第だろうが、少なくともこの場では互角だったようだ。
 そして暁翔の一見無謀とも思える突撃と相討ち(?)は救援機動力を発動させたようで、フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)と神山・刹那(梟雄・g00162)の二人が戦場に飛び込んでくる。
「話には聞いていましたが、何とも無茶苦茶な事を考えたものですね。実用間近みたいですが、ここで止められたのは僥倖でしょう」
 言い放って、フィリスが『尼子勝久』を見据える。
「遅れ馳せながら、私もお力添えしますね。最終人類史へは踏み入らせません」
「言葉や意気込みだけでは我は止められぬぞ。力を見せるがよい、ディアボロスよ」
 ぼそぼそと応じるアヴァタール級に向け、フィリスはパラドクス「術式『神竜と精霊に依る息吹の重唱』(アンサンブルブレス・ブレイカー)」を発動する。
「リュカ、本気で行きましょう。……私に続いて下さいね……!」
 フィリスの声に応じてサーヴァントのミニドラゴン『リュカ』が一時的に巨大化。フィリスの氷の精霊魔術と光の神竜と化した『リュカ』の息吹を混合した合体魔法が『尼子勝久』に向かって放たれる。それに対してアヴァタール級は反撃のパラドクス「月下哭刃」を発動。本来は、戦場に流れた血や命の数だけ怨嗟の声を集めて敵対者を呪縛して斬るパラドクスだが、相手が
複数、かつ(主として巨大化した『リュカ』が)見るからに手強いと判断したらしく、怨嗟のオーラをむしろ防御的に使い、ドラゴンの息吹をいなして間合いを詰め、フィリスではなく『リュカ』へと斬りつける。
「!」
 瞬間、フィリスは『リュカ』の召喚を解き、サーヴァントが受けたダメージを引き受けながら、精霊魔法を『尼子勝久』へと叩きつける。『リュカ』への斬撃は痛手ではあったが致命傷にはならず、結果的に『尼子勝久』は(初見だから仕方ないが)外見に惑わされて「強そうなサーヴァント」に気を取られて「弱そうな召喚者」から手痛い攻撃を受けたことになる。
 そしてアヴァタール級が自分のミスに気づくより早く、刹那がタイミングを図って巧みに割って入る。
「尼子勝久か。中国地方の大名だったか? まぁ、良いか。元がなんであれ、お前らは俺たちの敵で、俺たちはお前らを討たずにはいられない。闘う理由としてはそれで十分だろ。さぁ、闘ろうか。俺かあんた、勝った方の総取りだ。ガチで行かせてもらう!」
「望むところだ!」
 大義名分とか命を受けたとか何かを守るとかではなく、ただ純粋単純に闘って決着するという刹那の姿勢に何か強く感じるものがあったのだろうか。『尼子勝久』は不意に鋭く激しい闘志の籠もった叫びを放つ。刹那はパラドクス「雲耀の太刀(ウンヨウノタチ)」を発動し、委細構わず全速全力の一撃を叩き込む。
「この切っ先に一擲を成して乾坤を賭せん!」
「受けて…立つ!」
 咆哮とともに『尼子勝久』はパラドクス「月下氷刃」で反撃。刹那の、雲を斬り大地を裂く一撃を受けて身体を半壊させられながらも、天魔武者ならではの頑強さで踏みとどまり、赤い糸を通じて必中の斬撃を返す。しかし刹那の頑強さもアヴァタール級の想定を遥かに超えており、斬撃は届いたものの両断には遠く至らず、暁翔を切った時と同様に装束と皮膚と筋肉を多少傷つけるに留まる。
(「肉を斬らせて骨を断つ…か」)
 内心思ったものの口には出さず、刹那は筋肉を引き締めて瞬時に出血を止め『尼子勝久』へと告げる。
「なかなか面白い技だった。楽しい勝負だったぜ。またやろう」
「ああ……また、やりたいな…次はもっと…もっと強く…強く…」
 半壊した身体からバチバチと激しく火花を飛ばしながら、アヴァタール級は半ば譫言のように応じる。
 そこへ、静かに戦況を見ていた伊藤・真九郎(剣客・g08505)が進み出る。
「成る程、後も先も無く誰此時の斬り合いのみを求めるか。それもまた剣の道。自体を否定はせぬよ」
 相手に告げるというよりは、半ば独言のように呟き、真九郎はパラドクス「天龍抜刀術(テンロウバットウジュツ)」を発動させる。
「……因と果の理以て此の世の全てを斬る」
 因と果の理を破るのがパラドクスではあろうが、それがしには理外の理を操るほどの鬼才はない。斬らずして断つ境地には至らぬが、能うる限りの迅速にて斬って断つ、と呟き、真九郎は神速の居合で『尼子勝久』を見事に両断する。しかし同時に『尼子勝久』はパラドクス「月下氷刃」を発動。赤い糸を通じて必中の斬撃を真九郎へと届かせるが、もはや力が足りず、鎧の一部を割り皮膚の表面を浅く裂く程度に留まった。
「必中、必ずしも必殺ならず…」
 真九郎が呟いた時、両断されたアヴァタール級天魔武者『尼子勝久』の身体ががらりと崩れて粉々に砕ける。同時に、アヴァタール級の消滅により排斥力が発動。作戦に参加したディアボロス全員が新宿島へ帰還するパラドクストレインへと強制移送される。
 そして、境界海に発生しそうになっていた妖しい霧は、一陣の突風に吹き散らされてあっけなく消えた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【一刀両断】LV2が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年08月30日