巨大湖、地下大空洞貫通作戦

 攻略旅団から、巨獣大陸ゴンドワナの断片の王『最強巨獣キングゴンドワナ』の拠点である『地下大空洞』の内部を調査する作戦が提案されました。
 しかし、現在判明済みの地下大空洞の入り口がある巨大湖の島には強力な巨獣の群れに守られており、ディアボロスの総力を挙げた決戦で排除しなければ、再調査は不可能でしょう。

 そこで別の侵入方法が最終人類史の専門家から提示されました。
 その方法とは『地下大空洞まで貫通する縦穴』を掘り、新たな侵入経路を設けてしまうことです。
 地下大空洞への侵入時に確認された「洞窟を降った距離」「地下大空洞の空(天井)の高さ」などの情報から、地下大空洞は物理的に繋がった空間であり、地表からその天井まではそこまで深くない(数百m程度)であると判明しています。
『地下深くにある温泉や油田等を掘る』技術を応用すれば、地上から地下大空洞に至る縦穴を造り、短期的に維持することは不可能ではありません。
 地下大空洞自体は『超巨大なクロノオブジェクト』であると想定されるため、最終的に地下大空洞の天井に『パラドクスでの攻撃』で穴を開ける必要があると思われます。ですが少なくとも、そこに至るまで人一人が通れるだけの普通の土や岩を掘る道筋は、現代技術で実行可能なのです。

 地下大空洞の直上となる『湖から少し離れたジャングル』にディアボロスが機材を持ち込んで工事を行い、巨獣に見つからないような狭小な経路を確保できれば、決死隊を潜入させての地下大空洞調査が実行可能となります。
 まずは、この工事を行う為に、湖近くの一角を制圧し、周囲の巨獣を駆逐し安全の確保を行って下さい。

●侵入経路の完成時期

 侵入経路は、この事件の成功後「1ヶ月の土木工事期間」をおいて完成します。
 もし、この方法での侵入が不要であると判断する場合は、攻略旅団で『地下大空洞貫通作戦の中止』を提案して下さい。

Back door approach(作者 つじ
12


#巨獣大陸ゴンドワナ  #巨大湖、地下大空洞貫通作戦  #ゴンドワナ巨大湖  #地下大空洞 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#巨獣大陸ゴンドワナ
🔒
#巨大湖、地下大空洞貫通作戦
🔒
#ゴンドワナ巨大湖
🔒
#地下大空洞


0



●Drill Drill Down
 今回攻略旅団から提案された案件は、『ゴンドワナ巨大湖の地下大空洞の調査』である。巨獣大陸ゴンドワナの断片の王『最強巨獣キングゴンドワナ』に迫るためにも、是非進めたい内容ではあるのだが。
 招集されたディアボロス等に、現状確認を兼ねて盾祀・楓(人間の風塵魔術師・g03193)が映像を示す。
「皆さんも御存知の通り、地下大空洞に繋がる湖の島は、ジェネラル級に匹敵する巨獣が多く集結している状態です。以前より強化された皆さんの力を以てしても、正面突破は不可能と言わざるを得ないでしょう」
 状況からして潜入も現実的ではない――が、それは飽くまで『正面』に限った話だ。
「最終人類史の有識者に意見を募ったところ、『裏口』についての提案がいくつか挙がりました」
 正面突破できないのならば、正面から突破しなければ良い。目的が地下の大空洞である以上、そこまで掘れば道は通じるのでは、と彼等は言う。
 力技にしか聞こえないが、地下大空洞の位置関係については調査隊から報告が得られている。それを元に検証を行った結果、巨大湖近くのジャングルの地面を掘り抜けば、地下大空洞に到達する事が可能なはずだとの結論が出た。
 距離にして数百メートル、固い地盤を迅速に、そして計算通りの方向へ確実に掘り進む、もっとも適切な方法……専門家によると、それは。
「土木工事です」
 やはり力技だった。
 ボーリング工事――井戸や温泉、油田などを掘ったり、地質調査などで行われるそれを応用すれば、地上から地下大空洞に至る縦穴を造り、短期的に維持することも可能である。幸い、機材などは分割して、パラドクストレインの貨物車両で運ぶことができることもわかっている。
「とはいえ、工事を行うにはそれなりの準備が必要になります。そこで皆さんには、工事スペースと準備時間の確保をお願いしたいのです」

 工事を行う予定地点は、巨大湖からほど近いジャングルの中となる。
 まずは、予定地点のジャングルを切り開き、工事が行える場所を確保する必要がある。ゴンドワナ特有と言うべきか、ここのジャングルもまた、鬱蒼とした巨大植物から成っているが、ジャングルを切り開くのに有効なパラドクスで攻撃すれば、更地にしてしまうのは難しくないだろう。
「切り拓く面積は……概ね東京ドーム3,4個分、といったところですかね」
 当然ながらその範囲にも巨獣が居ると思われるが、それについては戦闘し、撃退する必要がある。
 工事区域と安全の確保ができれば、その後は貨物車両のあるパラドクストレインで、資材などをピストン輸送するので、資材を運び込んだり、機材の組み立てなどを行うことになる。機材の組み立ては、新宿島の技術者がマニュアルを用意してくれているので、それを参考にしつつ、足りない分は【操作会得】なども駆使すれば、専門外のディアボロスでも作業を進めることができるだろう。
「貫通までは工事開始から1か月程度を予定しています。工事の開始を確認すれば、今回のところは作戦完了とし、一時帰還してください」
 その後は、現代の機械類の排斥力による故障を防ぐ為ディアボロスが常駐することになる。工事の音に刺激された巨獣の襲撃も考えられるが、その際は都度依頼の形で戦力が招集されることになるだろう。

「このような無茶が利くのは、敵の知能が低く統制が取れていない『巨獣大陸ゴンドワナ』ならでは、でしょうね」
 他のディヴィジョンであれば、こんな工事を展開すれば真っ先に、そして組織的に潰しに来られてしまう。そうなれば、クロノオブジェクトではない機材など一瞬で破壊されてしまうだろうから。
「とにかく、地下大空洞への潜入方法を確立してしまえば、ヴィクトリア湖の探索の必要もなくなるでしょう。その後は地下遺跡の探索に向かうことになりますね」
 とはいえ、断片の王の存在もある以上、これは片手間に行える作業ではない。ゴンドワナの地下遺跡の探索を実行する場合は、現在運営中の事件の中止提案などが必要になるかもしれない。攻略旅団での話し合いも必要になるだろう。
「何にせよ、工事区域を確保しないことには始まりません。それでは皆さん、本日もゼロ災で参りましょう」
 ご安全に。珍しく冗談めかしてそう締めくくり、楓は一同を現地へと案内した。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【温熱適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【操作会得】
5
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV4 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

つじ
 どうも、つじです。今回の舞台は『巨獣大陸ゴンドワナ』。敵の拠点である地下街空洞まで、裏口を作っていきましょう。
 本日の作業は現場確保、工事機器の敷設までです。がんばっていきましょう!

●選択肢進行
 ①→③→②

●補足情報
 特にありません。オープニング本文と、各選択肢の説明、あとは都度のリプレイをご確認ください。

 以上、皆さんのご参加お待ちしています。
119

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ルーリレイア・シャットルワース
巨大植物の生い茂る地での土木工事、なるほど、それはとても冒険ですわね!
冒険お嬢様メイドとして、それは見逃せませんわ、下準備はおまかせくださいませっ。
優雅に、そしてきらきらな感じでやっていきますわ。
そんなわけで、森を、未来を切り開いてまいりましょうっ。

それではまずはお嬢様七つ道具を駆使しましょう。
お嬢様パンプスで道も安全ですわ、邪魔な木はお嬢様キックもできますし。お嬢様シャベルで地面を掘り掘りして、お嬢様棒で地面を地ならししていきましょう。
こう考えますとやっぱりお嬢様ってすごいですわね!

さて、周りの安全にも気を使いながら、お嬢様のオカリナで合図を送り、お嬢様指差呼称もばっちりですし、本格的に森を切り開いてまいりましょうっ。
馬手にお嬢様オーラ、弓手に冒険お嬢様オーラ、混ぜ合わせれば大山お嬢様撃の大完成、大山鳴動してお嬢様が出るくらいにぶちかましていきましょう!
後に続く皆様にバトンを渡せるように、どんどんじゃかじゃか切り開いてしまいましょう。

冒険お嬢様メイドの初陣、ド派手に参りましょうねっ!


月下部・小雪
わわっ、穴を掘ってキングゴンドワナさんのお宅にこんちには大作戦、です!
まずは工事のためにジャングルを切り開いていきましょう! こ、今回の目標は東京ドーム4個分、です!

ジャングルを切り開くため、コダマが【太陽光砲台型モーラット・コミュ】に変身、です。
強力な攻撃を繰り出すためにも限界まで太陽さんのエネルギーをチャージ、しちゃいましょう。

そういえば、広さを表す時に東京ドームさんがよく出てきますが……
ド、ドームをモーラットでいっぱいにするには、何匹くらい必要なん、でしょうか?
ぽんぽんぽんとコダマが増えてドームをいっぱいにしている場面を想像してしまいましたが、はっ、いけません。
コダマ、そろそろエネルギーは満タンになった、でしょうか?

準備ができたら、さっそく工事開始、です。
周りの安全を確認して……エネルギー充填120%、ツインソーラーキャノン発射、です!
ビームを放射したまま砲身を振り回して、ビームでジャングルを切り裂いちゃいます!

※アドリブ連携大歓迎


イシュア・アルミゴス
すごい、シンプル土木工事だ!普通のディビジョンだったら間違いなく
邪魔されるよ。壁があるなら壊せばいい。いやー実に僕好みだ。ワクワクだね。

森を切り拓けばいいわけね。ゴンドワナの森林破壊は得意だよ。
んー、ぶっ飛ばすか。効率化とか隠密とか考えたけどもうね。いいかなって。
東京ドーム3個だか4個だかの広さってなると一気にやっちゃったほうが良いよね。
むしろ集まってくれたほうが都合がいいと考えよう。

目標ポイントに着いたら少し離れて集中開始。
力を溜めて、気合を入れて地面に向けて勢いよく。根こそぎ焼き切り大爆発。
それじゃあいっちょ、ぶちかまし!パラドクスを発動させて地面ごと吹き飛ばそう。
電撃を地面に伝わせ木を文字通り根こそぎ焼き払い!

こいつは本来は巨獣を内側から吹き飛ばすパラドクスなんだけど
地形に使うことになるとは思わなかったよ。いやー、気持ちがいいねえ。
さて重機を使えるようにちょっと地面均しておかないとね。
と、その前に。招かれざるお客さん、お相手する余裕は全然あるから歓迎しなきゃね!


クィト・メリトモナカアイス
と、いうわけでー、掘る!たくさん掘る!
んむ、地下大空洞に繋がる洞窟を探すべきかとか思ってたけど、掘るのは盲点だった。

んむー、まずは準備をしなければ。
木を切り倒すのは我とモナカたちにお任せ。「斬撃のセイロンキャット」で「モナカ斬撃型」たちをふよふよと呼び出そう。
普段は多数のクロノヴェーダを攻撃させるモナカ達の連携攻撃でジャングルの木々を攻撃。
まずは枝を払って落とし、切り倒した後の運搬をしやすく。
その後に根本へと攻撃を行い、切り倒す。
我は枝を集めて運んでおく。モナカ達がきょうのしゅやく。
スパスパと切り裂く斬撃攻撃でジャングルの木を切り倒していこう。

んむ、とうきょうどーむ3,4個分を切り開かねばならぬのでー……あとどれくらいだろう。
ここだけのひみつ。東京ドームの大きさが我には分からぬ。
ピラミッドいくつぶんくらい……?


ガンドラ・ブラッディア
身を以て、分かっていたが、確かにあれだけの、ジェネラル級に、匹敵する巨獣の、群れの相手は、厳しいだろうな。
ふふ……力技、良いじゃないか。このシンプルな、ディヴィジョンに、相応しいやり方だ。

さて、ジャングルを、切り開こうか。
自然を愛する、我輩からすれば、心が痛むが、どの道これらは、奪還と共に、多くが消える。
遅かれ早かれなら、世の平和が為、成すが先決。

竜呪剣『焔渦』を精製。紫炎の竜巻を、複数放って、一気に焼き尽くそう。
広範囲の植物群を、更地にするには、うってつけだ。
他者だけは、巻き添え無いよう、方向や発動位置は、気をつけつつ……焼き払え、灰旅路……!

我輩も実は、東京ドームの単位、理解していない。最終人類史の新宿で、勉強しておく、べきだったか。
まぁ多分、凄く広いのは、違いない。雰囲気で、やっていこう。

これだけ派手に、やっていれば……いや、慎重にやっても、限界はあるな。
もうそろそろ、野生の巨獣が、姿を現す頃合い。
出現確認次第、仲間達に声かけだな。


一里塚・燐寧
わーお、大規模森林伐採?
こりゃ生粋のチェーンソー使いとしちゃ見逃せない仕事だねぇ
普段敵ばっかり斬っといて何言ってるんだって思われるかもだけど、チェーンソーは元々は木を伐る道具!
たまにはその原点に立ち返ってみるのも一興ってやつだよぉ

今回は材木を現地調達しなきゃいけないよーな工事じゃないし、パワーとスピード重視でいっちゃうよぉ!
『絶技:界を絶つ巨剣』を発動し、《テンペスト・レイザー》を超巨大化
岩塊のようなドデカい刀身が鋭い回転鋸刃がびっしりと纏った、森ごと伐採する勢いの必殺チェーンソーを形作るよぉ
全身の力で横薙ぎにチェーンソーを振るい、一気に眼前の木々をぶった斬る!
さらに返す刀で横倒しになった丸太を巨大な刃に巻き込んでザクザク粉砕
文字通りの大鋸屑(おがくず)が絨毯のように敷き詰められた道を作っちゃおう
いやー、爽快爽快~。この調子でどんどん行っちゃおっか?

ド派手にやる分、敵の足音や気配は警戒するよぉ
【モブオーラ】は常時展開
作業中に襲われそうなほど敵が近いなら、一旦迎撃に集中した方がいいかもねぇ



「巨大植物の生い茂る地――なるほど、それはとても冒険ですわね!」
 肌に纏わりつく湿り気の強い風に、色濃い緑の匂いが混ざる。ディヴィジョン特有の巨大植物が絡み合い、ルーリレイア・シャットルワース(冒険お嬢様メイド・g02243)の前には今日も緑の海が広がっていた。
 雄大な大森林、とでも言うべきこの場所を訪れた理由は、勿論このディヴィジョン攻略のため。断片の王が拠点としている地下大空洞への道づくりである。まあ本来であれば、例の『巨大湖』が正面入り口に当たるのだろうが。
「身を以て、分かっていたが、確かにあれだけの、巨獣の群れの相手は、厳しいだろうな」
「んむ、それなら他の入り口になる洞窟を探すべきかと思っていたけど――」
 ガンドラ・ブラッディア(黒矛・g03101)の言葉にクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)が頷く。ジェネラル級に匹敵する敵戦力の集中したそこを抜けることが現実的でない以上、裏口を見つけるのが順当ではあるが、まさか自分達で掘ることになろうとは。
「穴を掘ってキングゴンドワナさんのお宅にこんちには大作戦、ですね!」
「普通のディビジョンだったら間違いなく邪魔されるだろうに……」
 月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)に続いてイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が感心したような呆れたような声を出す。極めてシンプルな土木工事、壁があるなら地道に壊せと言うのもある意味わかりやすいもので。
「いやー実に僕好みだ、ワクワクだね」
「ふふ……力技、良いじゃないか」
 何もかもが巨大で力が物を言うこのディヴィジョンには、きっと相応しい方法だろう。そうと決まればまずは下準備である。
「まずは工事のためにジャングルを切り開いていきましょう!」
 小雪の目の前に広がるのはお馴染みの大森林、当然ながら土木工事には適さない地形だ。ここを更地にするとなると、やはり木々をどける必要があるだろう。
「こりゃ生粋のチェーンソー使いとしちゃ見逃せない仕事だねぇ」
 ということで、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が愛用の武器を構える。昏い炎を纏わせて敵をガリガリ削っている印象の強い得物ではあるが。
「知ってた?チェーンソーって元々は木を伐る道具なんだよぉ」
 原点に立ち返る、的な意味も込めて、一行はそれぞれに伐採作業に取り掛かっていった。

「森を、未来を切り開いてまいりましょうっ」
 きらきらと輝かしい雰囲気を纏わせながら、ルーリレイアは大森林の中を行く。お嬢様パンプスで下生えを踏み締めて、お嬢様キックで低木を蹴り倒し、冒険の歩みを進めた彼女は、密集する木々の辺りでお嬢様七つ道具のひとつ、お嬢様オカリナを取り出した。
 謎の指運びでピィ~、みたいな音色を響かせて周辺に合図。場所よし、方向よし、攻撃方向に仲間の姿なし。お嬢様指差呼称で安全確認を行ったところで、お嬢様オーラと冒険お嬢様オーラをそれぞれの手に宿らせる。
「冒険お嬢様メイドの初陣、ド派手に参りましょうねっ!」
 お嬢様ならではの雰囲気と冒険お嬢様にしか持ちえない気迫、その両者を体の正面で合わせ、混ぜ合わせると、なんかすごい輝きが生じていく。
「大山鳴動してお嬢様が出る――つまり、そういうことですわ!」
 何にもわからないが生じた波動、『大山お嬢様撃』の光が正面に放たれて、立ち塞がる巨木の群れをまとめて吹き飛ばした。豪風と共に粉々になった木々が飛び散り、抉れた茂みが宙を舞う。力強さを纏いながらもきらきらと優雅な気配を漂わせたオーラが、切り拓かれた空間を染めていった。
「やっぱりお嬢様ってすごいですわね!」
 ついでに吹き飛んだ地面を整地していくべく、ルーリレイアはお嬢様シャベルとお嬢様棒を取り出した。
 そうして少しばかり平らになった森のもう一方、そこではクィトの呼び出したガジェット、斬撃型のモナカ達が仕事に勤しんでいた。まずはその鬱蒼と茂り、絡み合うように伸びた枝を払って、降り積もった枝々の上から幹の根本へと斬撃を加える。パラドクスによるそれは引っ掛かる気配もなく太い幹を両断し、まとめて横倒しにしていく。
 大樹が倒れ、地を打つ轟音と、地響きを伴う振動が広がっていった。
「んむ、後はこれを除けていこう」
 拾えるサイズの枝を集めるクィトの横で、枝を落とされ丸太のようになった幹を、モナカ達が運び出していく。あれはあれで材木として使い道があるか、とその様子を眺めていた燐寧だが。
「今回は材木を現地調達しなきゃいけないよーな工事じゃないんだよねぇ?」
 それはそう。となれば可能な限り、パワーとスピードを重視しても良いはずだ。そう判断した彼女はチェーンソー、テンペスト・レイザーを高く掲げる。
 『絶技:界を絶つ巨剣』、彼女の得物は集めた怨念を纏って巨大化、岩塊のような巨大刀身に鋭い回転鋸刃をびっしりと纏った、禍々しい姿へと変わる。天を突くようなそれを、刃を寝かせて振り切れば、重苦しい唸りを上げた刃が、燐寧の目の前の木々を纏めて薙ぎ払っていった。
 鋭さと力と、その両者を併せ持つ刃は巨木を難なく両断し、支えを失った木々がまとめて崩れ、地を叩く。そこに返す刀でもう一振り、高速回転する刃の列がそれを巻き込み、今度は切り裂くのではなく粉々に引き千切っていく。シュレッダーかウッドチッパーのように倒れた木々を粉砕し、巨大な鋸が通り過ぎた後には、大漁のおがくずで出来た絨毯が広がっていた。
「いやー、爽快爽快~。この調子でどんどん行っちゃおっか?」
 振るわれた刃を構え直して、彼女はさらに道を広げるべく、狙いを定める。
 伐採作業もある程度進み、砕けた木々の破片を運び出したクィトは、出来つつある『空地』を振り返り、モナカ達と仲間達の仕事の様子を確認する。
「んむ、視界も開けてきたが……」
 休憩を挟みつつではあるが、まだまだ作業は続けていく必要があるだろう。何しろ――。
「今回の目標は東京ドーム4個分くらい、ですから!」
 小雪がそう後を継ぐ。言葉にすると広大に聞こえるが、ディアボロスの手にかかればいずれは達成できる領分か。んむ、ともっともらしく頷いて返しつつ、クィトは平然と言葉を返した。
「ちなみに、それはあとどれくらいだろう」
「えっ」
「ここだけのひみつ。東京ドームの大きさが我には分からぬ」
「我輩も実は、東京ドームの単位、理解していない」
 近くで聞いていたガンドラもそれに応じる。最終人類史の新宿で勉強しておくべきだったか、と問われるが、小雪も明確な数値を理解しているわけではない。
「ピラミッドいくつぶんくらい……?」
「ええっと……?」
 その単位は小雪の方に実感が湧かない。どうしようかと頭を悩ませるが、思い返せばそもそもオーダーが『概ね東京ドーム3,4個分』とかいうアバウトなやつである。三人の知恵を合わせてみても、正確な解法は浮かばなかった。
「まぁ多分、凄く広いのは、違いない」
 最終的な結論はその辺り。まあ正確な数値が出たところで測量して範囲を絞るわけでもなし、雰囲気で良いだろう。
「ド、ドームをモーラットでいっぱいにするには、何匹くらい必要なん、でしょうか?」
「並べるか詰め込むかにもよる……?」
 などと思い付くままに会話を交わしている内に、コダマのチャージしていたエネルギーが満タンになったようだ。
 増殖してドームを埋め尽くすモーラットの姿を思い浮かべていた小雪も、その様子に我に返ったようで。
「――エネルギー充填120%、ツインソーラーキャノン発射、です!」
 照り付ける太陽の光をソーラーパネルで受け、溜め込んだエネルギーを背負った二つの砲塔から解き放つ。光の奔流を、そのまま薙ぎ払うように展開し、小雪は一帯の樹木を破壊していった。
 効率的な破壊、開拓、今回の任務内容を考えれば順調と言って良いのだが、その光景はガンドラにとっても少々引っ掛かるものだった。自然を愛する彼女からすると、これはその反対を行く、冒涜的な光景に他ならない。そこに手を貸すのも躊躇われる部分はあるのだが――。
「いずれ奪還に至れば、多くが消える、か」
 ディヴィジョンと最終人類史の関係を思えば、その帰結は必然。遅かれ早かれ消え行くものであるのなら、今は世の平和の為、手を下す決意が必要だろう。
「……付近には、誰も、居らぬな?」
 念のため侵攻方向に仲間の姿はないことを確認、呪剣をその手に精製し、赤熱したその刃を横薙ぎに振るう。反り返った刃がそこに紫炎の竜巻を呼び起こし、燃え盛りながら正面の森を呑み込んだ。
「焼き払え、灰旅路……!」
 竜呪剣『焔渦』、暴虐の竜が蹂躙して進むように、灰の積もった更地が広がっていく。
「なるほど、やっぱりあれくらい一気にやっちゃった方がいいよね」
 仲間達の手で切り拓かれていく森を見遣り、イシュアが呟く。最終的に目指す工事区域を考えれば、やはり手早く進めるに越したことは無い。
「んー、ぶっ飛ばすか」
 良くも悪くも森林破壊には自信がある。集中し、力を溜めて、その身に電撃を纏わせて。
「それじゃあいっちょ、ぶちかまし!」
 乾坤一擲、高く飛び上がったイシュアは、気合の声と共に地へとその一撃を叩きつけた。
 パラドクスに伴う電撃が地を伝い、根の張る大地に紫電を走らせた次の瞬間、地表を抉る爆発が巻き起こった。文字通りの根こそぎ、本来は巨獣などの巨大な敵を内側から吹き飛ばすための攻撃だが、今回はそれを応用した形だ。
「まさか地形に使うことになるとは思わなかったよ。いやー、気持ちがいいねえ」
 結構な面積を一度に破壊できた半面、同時にド大規模な爆発が発生した。先程からパラドクスによる騒音はかなりのものになっているはず。圧し折れる木々、倒れ行く大樹による地響き、その中に混ざるそれを、燐寧は確実に聞き分けていた。
「んー、いくつか足音が近づいてるかも?」
「まあ、これだけ派手に、やっていればな……」
 当然の帰結だと頷くガンドラに、イシュアもまた首肯する。
「今回の場合は隠密とか無理だろうし?」
 慎重にやったところでバレないはずがない作業だ、これもまた遅かれ早かれ、と言ったところ。というかこの後に資材の運び入れを行い、掘削が終わるまで工事区域を守り続ける事を考えれば、周辺の巨獣は今の内に減らしておいた方が理に適っているだろう。
「招かれざるお客さんであることに間違いはないんだけどね」
 巨獣の咆哮と巨大な足音、森の中に居たのであろうそれらのいくらかは、ディアボロス達の攻撃の余波を喰らったためか、既に傷を負っているようにも見える。
「とりあえず、一旦迎撃に集中した方がいいかもねぇ」
「お嬢様として、歓迎せねばなりませんっ!」
「んむ、仕方あるまい」
 燐寧の提案に地面を均していたルーリレイアが同意し、クィトもモナカ達の作業を止めさせて、更地部分に姿を現した巨獣達を見遣る。幸いと言うべきか、この近辺に居たのはトループス級程度。これならば、ここの人員のみでも対抗できるだろう。
「では、打ち払うと、しよう」
 こちらを威嚇し、飛び掛かろうと構えている巨獣を前に、ガンドラは率先してその呪剣を構え、開戦の合図を告げた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV3が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!

奴崎・娑婆蔵
【力仕事】
ふふん、上等でさァ
こちとらハナから腹ァ括ってシマを獲りに来ておりやす次第
現地の輩にピーチクパーチク言われるくらいは織り込み済よ
(悪い地上げ屋さんみたいなノリ)

ここからは『こっち』の力仕事でござんすね
参りやすぜ、各々方


●春一へ
むむっ、バチバチ光りやがる上に巻いた角――
おう春一の、ありゃお前さんの知り合いでござんすか?
ちょいとナシ付けて来て下せえよ

●小鳥遊に
所々モフモフしちゃァおりやすが、さて
よう小鳥遊のお嬢、愛でる対象としちゃあれはアリか?それともナシで?

●舞剣に
おうおう、解禁されるや否や盛大に飛びやしたねえ
感情を失って久しいとは聞きやすが、ありゃァ絶対、鬱憤溜めたりウキウキワクワクしたりしておりやすぜ

●由乃に
ハッしまった!
木々を切り倒し、道を拓き、土地の獣を狩る……
ユノの姉御的にはむしろ向こうを擁護しそうな――アッいや大丈夫でござんしたね
へい仰せのままに!(抜刀し前衛に出る)


●戦闘
・【血河飛翔・濡れ燕】発射
・由乃の仰せ通り、太刀筋を巧みに描き一斬の軌跡で敵群の目を片端から射る


小鳥遊・英
【力仕事】
盾祀さんが冗談をおっしゃるって、つまり明日は異常気象になる……ってコト?!
明日の天気予報は、晴れ所により巨獣かぁ
がんばって生き抜いてほしいですね、我々はすぐに帰りますので

ウーン、もふもふは認めますが
山羊さんのおめめって実はちょっと苦手なんですよね、なのでノーセンキューです
沢山あるのでさらにちょっと気持ち悪い……
きゃわたんなくりくりおめめが沢山だったら……有りだったかも?

今回の相手はお馬鹿さんぽいので飛んでも良さそうですよ、舞剣さん
……お、ちょっとイキイキしました?

さてさて、お仕事ですね
今回もぬくぬくさせていただきますよっと
自分より遠いところで爆発するように座標を指定
撹乱にもなるしわたしは見つから……
アッーーーーー!!捕捉が早い?!足も早いィィ?!?!
拙者の装甲は!!!紙ぃぃぃぃ!!!
お助けをーーー!!
パチパチッとするのは確かに慣れてますがパソコンオタクとしては非常に遺憾!慣れたくない!
イヤーーーーッッッ!!


樹・由乃
【力仕事】
いやこれは人間が悪い
当たり前でしょうが人間が悪い
逆にこれで人間が悪くない状況あります? ありませんね?
というわけで私は今回あちら側として参戦痛っ電気いった

害悪です。滅ぼします
今日も箒が血に飢えているんですよ

ほう、なかなかのジャンプ力。それで踏み潰そうって魂胆ですね
しかしそれは上から行きますと予告しているようなもの。この箒でもう一度打ち上げて差し上げましょう
ビリッとする? 細事です。むしろこの細事を怒りとパワーに変えて食らわします
細事なのに怒りとパワーになるのかですって? 当たり前でしょう私に痛い思いをさせたんですから
それはそれこれはこれです

でも鬱陶しいですね。小僧、あいつらの目という目を全て潰してきなさい
数が多そうですね。白いの、加勢なさい
春一、眩しい。いやもしかしたら正解に近い……?

青いの。余計に食らいたくないなら相手の視線切った方がいいですよ
とてもバチバチします。ヤギの視界ってほぼ360度あるらしいですけど
白毛玉で慣れてましたっけ。じゃあいいです。遠慮なく食らってください


樹・春一
【力仕事】
開拓と野生動物との衝突。避けては通れないものです
野生動物ですよね? 敵とはいえなんだかかわいそうな気もします
でもだめです! 僕たちの歴史の礎になるのですー!

ふむふむなるほど確かに! ツノと光り具合で交信や対話などができるかも!
やってみましょう! こんにちは!

さようなら!!!(パンチ)

いやなんか 言葉通じないっぽいフォルムをしていたのでつい。光り方もなんか違いますし
でも効いてますよ! やはり拳こそが最大の言語なのです!
ヤギともわかりあえる万能な言語! 利用しない道理がありません!
敵の雷撃とて視野内広範囲。ならばひとりあたりのダメージは多少分散されるはず! ヤギの視野は広いから注視も難しいでしょう!
この拳の回復効果でゴリ押させていただきます!
なんならちょっとその雷撃借りますね。更に光るのです僕の拳ー!
眩しくて視線切れそう? であればもっと光るのです拳ー!!!

そういえば荊さん見ませんけど白すぎてついに光に同化しました?
上? ジャンプ勝負するヤギさんもなかなかやりますね!


舞剣・荊
【力仕事】
盾祀ニキ体調悪ぃの?大丈夫そ?
まいーや
踏んだり蹴ったりは任しとけ!
パンチははるーち担当な🤘

☆戦闘
ちわーす
エーチャバタケ不動産でーす

んじゃいつも通り前張って……
え飛んで良いの?
よっ(屈む)
しゃ(翔ぶ)

うーーん
ゴンドワナの地面ぜんぶ森で草
いや草越えて木?
まいっか
たかなしが今日はイジョーキショーつってたし
空から【百歩穿楊】カマしてキック降らしてやんぜ

地上げ屋風味りょーかい
オラ山羊ども
ちょっとジャンプしてみろや……
うわたっか隕石じゃん
組長はるーち落石事故キタぜ
たかなし踏まれてペラペラになりそーだし
最大速度で【飛翔】して
突き飛ばして肩代わりしてみっか
うーーん
怪我してっけど皆元気ぽいし
はるーち光ってるし……ヨシ!

なぁに姉ーち
加勢?オッケー👌
カミサマの言う通りってね
姉ーちのハンパねぇ追撃はノリで避けたり当たったりしつつ
組長が敵の視界を潰す隙にパラドクスで毛皮の薄そうなトコを蹴り抜く

コッチもケツが決まってんだ
突貫工事だオリャー!
あ、お詫びは小鳥遊がします



 深い森の一角はまとめて切り倒され、パラドクスによって吹き飛ばされた木々の破片が風に乗って舞う。ディアボロス達の開墾作業の成果によって、そこには抉れ、均された大地が広がっていた。これから工事を行う上では十分な更地であろうそこには、生息域を破壊された巨獣が何体か迫り、怒りの目をこちらに向けている。
「ふふん、上等でさァ」
 工事が進んでここからはある種の『力仕事』が必要なところ、進み出た奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は、不敵な笑みで刃を抜く。
「こちとらハナから腹ァ括ってシマを獲りに来ておりやす次第、現地の輩にピーチクパーチク言われるくらいは織り込み済よ」
「いやでもこれは人間が悪いですよ」
「ユノの姉御……?」
 反対意見は身内から出た。樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)の言葉に、娑婆蔵が小さく呻く。この手の行為、所謂自然破壊は彼女にとって地雷、こうなるのは半ば予想出来ていたけれど。
「せめて中立くらいにはなりやせんか?」
「なるわけがないでしょう。逆にこれで人間が悪くない状況あります? ありませんね?」
 無難な落としどころに済ますことはできなかったようだ。どうしたものかと頭を悩ませる娑婆蔵に対し、由乃は巨獣達を庇うように、ディアボロス等に立ち塞が痛ッッたいなんですか今の電撃?
「この害悪どもが……」
 巨獣に帯電していた静電気がバチッといったらしい。由乃の鋭い瞳が巨獣に向けられるのを見て、娑婆蔵は安堵の息を吐いた。
「所々モフモフしちゃァおりやすが、さて……愛でる対象としちゃあれはアリか? それともナシで?」
「ウーン、もふもふは認めますが、山羊さんのおめめって実はちょっと苦手なんですよね」
 ははあ、と頷く娑婆蔵に対し、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は悩まし気に敵を見遣る。
「きゃわたんなくりくりおめめが沢山だったら……有りだったかも?」
「そりゃ残念。しかしまぁ、バチバチ光りやがる上に巻いた角……既視感がありやすね」
「師匠、野生動物に知り合いが居るんですか?」
 よく光って巻角を生やしたディアボロス、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)に二人の視線が集まる。しばしそのまま見つめていると、「ああ、僕のことですか」とようやく思い至ってくれたようだ。
「春一の、ちょいとナシ付けて来て下せえよ」
「なるほど! ツノと光り具合で交信や対話などができるかもしれませんね! やってみましょう!!」
 お任せくださいと請け負って、春一は現れた巨獣の方へと駆けていった。
「……通じると思います?」
「いやもしかしたら、もしかするやも……」
「通じたとして、説得できると思います?」
 それは無理かも。英と娑婆蔵の懸念通り、「こんにちは!」と元気よく挨拶をした二秒後には、春一は拳を振るっていた。
「お、やっぱはるーちはパンチ担当?」
「いやなんか言葉通じないっぽいフォルムをしていたのでつい! あと光り方もなんか違いますし!!」
 そういうもんかなと頷いて、舞剣・荊(Thorm・g02226)は彼の援護に回る。
「ふーん、じゃ踏んだり蹴ったりは任しとけ!」
「今回の相手はお馬鹿さんぽいので飛んでも良さそうですよ、舞剣さん」
「え、ホントに?」
「あれ? 改めて聞かれると正直……」
 いくら統制が取れていない巨獣でも、敵が飛んでいるのを見つけたらとりあえず攻撃するだろう。敵地での飛翔が危険行為なのはこのディヴィジョンでも一切変わらない。だが今回は、一帯を更地にした流れで付近の巨獣は一通り集まっている。運が良ければ横槍を入れてくる個体もいないだろう。多分。きっと。
「やっぱりやめといた方が――」
 若干日和ったことを言いかけたが、英の言葉が届く前に荊は上空へと飛び上がっていった。
「おうおう、盛大に飛びやしたねえ」
「イキイキしてません? 感情無いんですよね??」
「ありゃァ絶対、鬱憤溜めたりウキウキワクワクしたりしておりやすぜ」
 飛翔する荊に対し、巨獣もまた蹄で大地を蹴り付けて、その巨体を空へと浮かせる。
「めっちゃ跳ぶじゃんこの山羊!」
 踏み付けにしてやろうという荊の蹴撃と、巨獣の帯電した脚部がぶつかり合い、ゴンドワナの上空に火花が散った。
「やはり拳こそが最大の言語なのです! わかりあうにはこれが最適ですね!」
「まじで? これ通じ合えてんの?」
 雷鳴にも似たそれに春一の輝く拳が付け足され、天より光が降り注ぐ。双方に打撃を与えあい、落下するディアボロスと巨獣、その足元に、箒を構えた由乃が待ち構えていた。
「少なくとも落下位置はわかりやすいですよ」
 では、もう一度打ち上げて差し上げましょう。今日も箒が血に飢えているんですよ。振りかぶった彼女の箒は暴力的な魔力を宿し、フルスイングで巨獣を襲う。巨獣の宿した雷撃と魔力の爆発が衝突し、衝撃波が周囲の空気を揺るがして。
「はいはい、そこ動かないでくださいねー」
 さらに英の展開した魔法陣が巨獣を囲み、さらなる爆発で追い打ちをかける。黒焦げになった巨獣の一体が倒れ、大地を揺らした。
 同族を仕留められたものの、生き残りの個体はまだまだ怯むことなく向かってきている。さすがに反撃は避けられないだろう。
「青いの。余計に食らいたくないなら相手の視線切った方がいいですよ」
「言われなくともぬくぬくさせていただきます!」
 見つかる前にさっさと隠れる、由乃の言に従うなら、遮蔽物の影にでも駆け込むのがいいだろう。例えばそう、深い森林の巨木とか。
「えーっと、何でここ更地になってるんですか?」
「工事中ですけど知りませんでした?」
 盾になりそうなものは粗方粉砕するか焼き尽くされた後である。東京ドーム数個分の平地はとても見晴らしが良い。
「ああッ、捕捉されてる!?」
 疾走する巨獣達の足音と地響き、背を向けた英の方にも、それらは容赦なく迫っていた。
「拙者の装甲は!!! 紙ぃぃぃぃ!!! お助けをーーー!!」
「やかましい、電撃なら白毛玉で慣れてるでしょう」
「落雷も静電気もパソコンの大敵ですよイヤーーーーッッッ!!」
 今日一番の大きな悲鳴に、由乃が溜息を一つ。
「小僧、あいつらの目という目を全て潰してきなさい」
「へい仰せのままに!」
「あと白いの、加勢なさい」
「オッケー👌」
 カミサマの言う通り、といったところか。速やかに飛び来た荊が英の身体を突き飛ばすようにして、両者の間に割り込む。
「たかなし今日天気悪いってさ」
「晴れ所により巨獣……ってコト?!」
 転がっていく英に代わり、荊が上空からの踏み付け攻撃を受け止める。その間に、抜刀した娑婆蔵がその巨獣へと迫っていた。
「ここらで大人しく、立ち退いていただきやしょうか」
 今日の仕事はほぼほぼ地上げ、ドスの利いた声と共に振るわれた刃から、斬撃が飛ぶ。巨獣の多数の瞳をなぞるように一太刀、その視界を大きく切り取った。続けて飛来した春一が拳を掲げて、光放つ一撃を見舞う。
「はるーち今日も光ってんなー」
「眩しい……いやでももしかして正解に近い……?」
 目を細めながらも「もっと光っていいですよ」と由乃が煽ると、喜び勇んだ春一がさらに光の出力を上げる。そうして注意を逸らしたところで、由乃は再度箒を構えた。
「さて、私に痛い思いをさせたんですから――わかっているでしょうね?」
「コッチもケツが決まってんだ、突貫工事だオリャー!」
 先程の電撃で痺れた手で、さらに固く箒を握って、怒りを込めた一撃が巨獣を穿つ。さらにその爆発で抉れたそこを、飛び込んだ荊が貫いていった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【腐食】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

イシュア・アルミゴス
音に誘われ、あーその傷…巻き込んじゃった?
ま、警告はしてなかったけど言葉が通じないんじゃしょうがない。
縄張り荒らされご不満かい?怒りは分かるが立ち退きのお時間だ。
ここはしばらくディアボロスが使わせてもらうから。手早くくたばって頂戴な!

機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』に跨りヘルメット着用。こいつは荒地でも問題無し。
全力全開、全速力で駆け抜ける!ハンドルを握り、一気に加速。装着したセルケトクロウから凍結弾を発射。
氷漬けにした巨獣は纏めて轢き壊していこう。砕けることでしか味わえない爽快感を味わってくれ。
僕だったらお断りだけど。敵のジャンプアタックは落下地点を予測し、バイクを更に加速させることで
範囲から高速退避。

よーし、前座は終わり。ここからが本番、土木工事。ちゃちゃっと始めちゃおうか。


月下部・小雪
せっかく穴掘りのための広場を作ったのです。
巨獣さんに邪魔されるわけにはいきません。きょ、今日からここはボク達ディアボロスの縄張り、です!

せ、攻めてきたのは山羊さんの巨獣、ですね。
むむむっ、雷が得意みたいですが、電撃ならコダマだって負けて、いません!

【電気推進飛翔型モーラット・コミュ】になったコダマがお空を駆け巡ります。
コダマを狙って跳躍してきたところをレーザー砲のカウンターで叩き落としちゃいましょう。
ボクを狙ってきた方は、ふ、踏みつぶされないように「魔力障壁」を張りつつ【飛翔】で回避行動をとりますね。

も、もし敵わないと悟って逃げ出そうとするのがいても、に、逃がしません。
この巨獣さんはお話できないみたいですが、他の巨獣にここのことがバレると大変、です。
の、逃さずに全部殲滅しちゃいます!

これで山羊さんは全部、でしょうか?
安全になったら、そろそろ機材の搬入、ですね!

※アドリブ連携大歓迎


ガンドラ・ブラッディア
●連携・アドリブ歓迎

お前達の生活圏、土足で踏み入り、騒がしくした事は、詫びておこう。
しかして此処は、弱肉強食が主となる、ディヴィジョンなのだ。
罷り通るは、勝者のみ。我輩らは、お前達を喰らい、成すべき事を、成させて貰う。

竜呪剣『砂奪』を精製し、高めた残留効果を、注ぎ込んで、呪詛砂の奔流を、一気に叩き込む。
呪いの渇剣よ、奴らに乾きを。干殻日……!!

【エアライド】も駆使し、常に位置を移動しつつ、隙を見て戦おう。
他の仲間が、狙っている個体を、此方も狙いつつ、他個体も巻き込んで、数減らしと、【ロストエナジー】で、じわじわと削り、全体的に倒しやすく、していくのだ。

山羊の巨獣よ、ミイラになりたくなければ、退くが良い。
ドラゴン化を、してるでもない、その知能では、聞く耳を、持たないだろうがな。
砂の顎(アギト)に、引き裂かれよ……!

帯電した蹄も、可能な限り、致命打を防ぎ、【能力値アップ】で、高めた能力も補助に、継戦を狙おう。

奴らを倒しきったら、工事再開だな。
実に波瀾万丈な、工事現場な事だ。



 残った森の中から現れ、吠え猛る巨獣の姿を観察し、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が苦笑する。どこか怒りを孕んだ敵の眼光、それが意味するものは、彼にもすぐに察しがついた。
「あーその傷……巻き込んじゃった?」
 先程から散々派手にやってきた、パラドクスの余波を食らったのだろう。
「ま、確かに警告はしてなかったけどさ」
 そう肩を竦めてみせる。そうは言っても言葉が通じないのだから仕方がない、というか言葉が通じたところで聞きやしないだろう。遅かれ早かれ、こうなっていたことは間違いない。
「きょ、今日からここはボク達ディアボロスの縄張り、です!」
 何にせよここで引き返すわけにはいかない、躊躇いがちながらも、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が前に出る。言葉は通じないが敵対の意思は恐らく伝わっているのだろう、巨獣は姿勢を下げて、脅すように低く唸り声を上げた。
「ご不満かい? まあ怒りは分かるが――立ち退きのお時間だ」
 早々に襲い来る敵を、ディアボロス達はそれぞれの得物を手に迎え撃った。
「お前達の生活圏、土足で踏み入り、騒がしくした事は、詫びておこう」
 先頭の一体の前に進み出で、ガンドラ・ブラッディア(黒矛・g03101)が五指を開く。
 森を破壊することにも思うところのあった彼女としては、やはりこれも見ない振りで進むことはできなかったのだろう。だが詫びの言葉こそ口にすれど、退く気はない。そもそも弱肉強食こそがこのディヴィジョンの在り方なのだから。
「罷り通るは、勝者のみ。我輩らは、お前達を喰らい、成すべき事を、成させて貰う」
 なればこれもまた自然の摂理、その瞬間には、彼女の手には砂色の呪剣が握られていた。渇いた刀身は砂を呼び、呪詛を纏った砂嵐を形作る。
「呪いの渇剣よ、奴らに乾きを。干殻日……!!」
 森の合間の抉れた平地を渇いた風が駆け抜けて、巨獣に絡みつくように舞う砂が、その水分を吸い取っていく。たまらず悲鳴を上げた巨獣達だが、彼等は体力に物を言わせ、砂の中を突き破るように上空へと跳び上がる。
 雷鳴と共に踏みしめるような蹴りの一撃、体躯を活かした巨大な蹄から、ガンドラは素早く身を躱す。一方の小雪も、わあわあと慌てながらも、魔力障壁を展開しながら敵の攻撃を凌いでいた。
「むむむっ、雷が得意みたいですが、電撃ならコダマだって負けて、いません!」
 彼女のモーラット・コミュ、コダマはフライトユニットを装備して、巨獣のさらに上空を駆け巡る。雷撃の影響を巧みに躱し、迫る敵へとレーザーで迎撃、見事に相手の攻撃を捌いていった。
 手傷を追いながらも落下した巨獣が、巨大な足音を立てながら着地したそこに、待っていたと言わんばかり一台のバイクが駆け込む。
 荒れ地にも関わらず速度を維持した機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』、イシュアの操るそれは、巨獣の複数の視線の合間を駆け抜けて、凍結弾を射出する。そして氷漬けにした脚部へと急加速、速度を乗せた体当たりで粉砕した。
「どうぞ、砕けることでしか味わえない爽快感を味わってくれ」
 まあ僕だったらお断りだけど。一撃離脱で駆け抜けるイシュアの後方、片足を失い倒れ込んだ巨獣を、ガンドラの展開した呪詛砂が呑み込んでいく。
 力尽きた巨獣が動かなくなるのを確認し、彼女は後続の巨獣達へと刃を向ける。
「山羊の巨獣よ、ミイラになりたくなければ、退くが良い」
 しかしながら、ドラゴン化による知能の向上も無い、野生の獣に等しい彼等に、その言葉は通じない。構わず襲い来る巨獣達に、ガンドラは呪詛砂を解き放った。
「砂の顎に、引き裂かれよ……!」
 砂嵐と雷鳴がとどろく戦場、その後方には、負傷し逃れようとする巨獣も居る。だがそこには、飛行ユニットを付けたコダマと共に、小雪が回り込んでいた。
「に、逃がしません……!」
 彼等は言葉を操れないとはいえ、何かの拍子に他の巨獣に伝わらないとも限らない。それに、傷を癒した巨獣がまた戻ってこれば、今度は工事機器を守りながらの戦闘という厄介な状況に陥ってしまうだろう。
「の、逃さずに全部殲滅しちゃいます!」
「そういうわけだから、手早くくたばって頂戴な!」
 バイクを駆るイシュアもそれに手を貸して、一行は巨獣達を順に片付けていった。

 冷凍弾やレーザーによる攻撃を受け、ホォンゴートが地に倒れる。巨体が大地を揺るがす音がしばし響き、その後には、俄かの沈黙が待ち受けていた。
「これで山羊さんは全部、でしょうか?」
「恐らく、な」
 周囲の気配を探る小春の言葉に、ガンドラが頷く。巨木の森の中まで見通すことはできないが、これだけの戦闘をやって動きが無いのなら、周辺の巨獣は駆逐できたと考えてもいいだろう。
「よーし、前座は終わり。ここからが本番だ」
 バイクから降りて、イシュアが工事現場を確かめる。巨大な山羊が跳ねまわり、落雷とパラドクスが行き交った戦場ではあるが、幸い工事に大きな影響が出そうな破壊跡はなさそうだ。これならば、目的の作業を進めることができるだろう。
「土木工事、ちゃちゃっと始めちゃおうか」
「ついに機材の搬入、ですね!」
 そろそろ資材を乗せたパラドクストレインも到着する頃か。とりあえずの安全確保は完了、後は掘り進む用意をするのみ。
 一時的にとはいえ静まり返った広場を見渡して、ガンドラは小さく呟いた。
「実に波瀾万丈な、工事現場な事だ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【温熱適応】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

月下部・小雪
ふぅ、十分な広さは確保、できました。
周りの安全確保もとりあえずは完了、です。
そ、それではそろそろ工事のための機材を搬入、です!
ど、どんな機材が届くのでしょうか? コダマ、楽しみですね。

パラドクストレインで届けられた機材を【怪力無双】を使ってどんどんと運んで、いきます。
えっと、こっちの組み立てはこの作業マニュアルを読めばいいの、でしょうか? 【操作会得】も使って、コダマと一緒に組み立てていきますね。
な、なんだかプラモデルを作っているみたい、ですね。
機材の搬入が終わったら、資材などを保管しておく場所やディアボロスが滞在するための小屋なんかも用意、しておきましょう。

一通り作業が終わったら、これでボーリング工事を開始、できるでしょうか?
まだまだ先は長いですが、キングゴンドワナさんを退治するための大きな一歩になるに違い、ありません。

※アドリブ連携大歓迎


ガンドラ・ブラッディア
●連携・アドリブ歓迎

この安全が、保たれている内に、工事を進めよう。
人類の叡智、開拓の機材。今こそ力を、見せる時だ

トレインにより、届いた機材は、恐らく多くは、物凄い重量だ。
故に【怪力無双】を、用いて運び、マニュアルを見ながら、分別して纏め、組み立てるとしよう。
無論我輩は、専門外だ。【操作会得】も、駆使しての作業。……神像分解以来の、ワクワク作業だな。此度は、組み立てる方だが。
組み上がれば、ちゃんと稼働するか、試運転もせねば。不具合あっては、困るからな。確かこういうのは、指差し確認を、すると聞く。……よし!(現場竜は随所を確認している)
各資材の保管場所、ディアボロスの滞在小屋、作成を手伝おう。
一応目立たないよう、外面を迷彩風に塗り、草木を付けたりと、しておくか。
定期的な襲撃で、資材や小屋を、狙われづらく、する為にな。気休めだが

いよいよ、以前足を踏み入れた、あの大空洞へ、開通工事が、行われるか。
繋がってからが、本番だ。キングゴンドワナの、300mを越える巨体と、戦って勝たねば、ならないのだから


クィト・メリトモナカアイス
断片の王、キングゴンドワナの住む地下大空洞まで穴を掘ろう。
攻略旅団の提案から始まった、一見無謀とも思える作戦。
しかし、復讐者たちの熱意がそれを可能にした。
とうき……東京ドーム?なんこか分の広場を作るべく木を切り開き、騒音をかぎつけてやってきた巨獣を倒し、そして今、最後の仕掛けに取り掛かる――!

というわけでいつもおなじみ。
不定期、ゴンドワナチャンネルー!わーわー。
んむ、実は特に新宿島に持ち帰って研究することもないし、放送機材は用意していない。
というわけで気分だけ。わーわー。

【怪力無双】で貨物車両から採掘の為の機械を下ろして組み立て。かわいいモナカたちにも運び出し作業を手伝ってもらおう。えっさ、ほいさ。
組み立てが終わったらマニュアルと他の復讐者と一緒に重ねた【操作会得】で作業開始しよう。
んむー。これぞぶんめいのちから。

今から1か月とするとー……10月の最初くらいには開通するかな?
来月の提案はそれを見据えてがきっとよき。


イシュア・アルミゴス
突撃地底のゴンドワナの最終段階!んー、壮観。やってみるもんだ。
それじゃあディアボロスの力を見せつけた所で人類の叡智を見せよう。
土木工事のお時間だ。まさかゴンドワナで人力以外を使うとはなぁ。

えーっと、これが機材で…マニュアルがこれか。結構サイズあるね。
量も多いし怪力無双を使ってじゃんじゃん運んで行っちゃおうか。
ここらでいいかな。しっかりと地面に固定していこうか。
カモフラージュとかあった方が…まあ、こんな場所自体が不自然だし今更か。
操作会得も機械知識もばっちりそろってるしちょっと試運転して、と。
えーっと、これがこうで。こいつが、なるほどなるほどOKOK。完全に理解した。
万が一が無いようきっちりメンテナンスして、問題なければ本格稼働!

さて、こっから開通するまで1か月。場所が分かってる分他より楽だけど時間がかかるなあ。
着実に一歩ずつ。待っててねえ、じゃんじゃん掘って裏口作っちゃうから。


ルーリレイア・シャットルワース
周囲の安全も確保していただきましたし、区画の整理もしておきませんとね、ロープで大体の資材や残土や何やらをわかりやすく区画して置けばきっとわかりやすくて作業も捗りますわ!

そうしたらパラドクストレインが来るのをお嬢様のオペラグラスで見守りましょう
物運びは冒険お嬢様メイドの得意技、【怪力無双】も使ってどんどん運びますわよー
これはここですの? これはどこに置くのでしたっけ?

組み立てマニュアルを見てわたくしも首をかしげ、後ろのでっかいオーラも首をかしげているような気もしますが、頑張っていきますわ!
まあ、【操作会得】の残留思念さんに教えを請えばきっとだいじょうぶですわね!
あれやこれやと迷いながら組み立てて行きますわ

実際に採掘を始める前に、お嬢様のシャベルで土を採取しておきましょうか、柔らかさとか何かわかるかもしれません。

採掘ついでに何かがとれたりするのでしょうか、楽しみですわね。
新しい冒険の香りがしますわ!
なんにしても、良い感じで未来にバトンタッチできると良いですわね!



 巨大樹の森の一角に生じた空白、それはディアボロス達の勝ち得たある種の領地と言っても良いだろう。広大ではあるが、このディヴィジョンの規模から言えばほんの一握りの領域、ここから断片の王へと続く道を作り上げるのだ。
 攻略旅団の提案から始まった、一見無謀とも思える作戦。しかし、復讐者たちの熱意がそれを可能にした――。
 と言った感じのナレーションを、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)が自分で読み上げる。内容的には新宿島でやった配信の続きみたいなものだろうか、まあさすがにここにはカメラもないし、記録映像を残しておく意味もないので特に配信も行っていないのだが。
「とうき……東京ドーム?なんこか分の広場を作るべく木を切り開き、騒音をかぎつけてやってきた巨獣を倒し、そして今、最後の仕掛けに取り掛かる――!」
 では何のためにやっているのかと言えば、単純に気分の問題である。単純作業に当たってテンションは上がるに越したことはない。
「あっ、早速パラドクストレインの到着ですわ!」
「ど、どんな機材が届くのでしょうか? コダマ、楽しみですね」
 オペラグラスで周囲を見回していたルーリレイア・シャットルワース(冒険お嬢様メイド・g02243)が発見したそれを指差して、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)がコダマと一緒にそちらに向かう。安全が確保されたのを確認して到着したトレインの、貨物車両には、事前に新宿島で準備されていた様々な機材、工事に必要な機械の材料が積載されていた。
「こ、これがボーリング工事用の機材、ですか?」
「で、マニュアルがこれか。機材はどれも結構サイズあるね」
 小雪に続いてイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)がそれらをざっと確認する。要約すれば資材を使って工事基礎を作り、ドリルを上下動させるための櫓を組み、歯車を重ねて絡めたような歪な金属部品――ドリルビットを先端に付けたパイプを組み合わせ、下へ下へと掘っていくことになる、といった流れである。勿論地層にドリルを突き立てる場合は刃の潤滑、冷却、掘削くずの除去を行うための泥水をポンプで循環させて云々かんぬん。
「さっぱりわかりませんわね」
「我輩も、専門外だ」
 背負ったオーラと一緒にルーリレイアが首を傾げて、ガンドラ・ブラッディア(黒矛・g03101)もそれに同意する。だがまあ、その辺りは【操作会得】を駆使すれば。
「きっと大丈夫ですわ! 何とかなるでしょう!」
「そうだな。他の巨獣が、寄ってこない内に、工事を進めよう」
 というわけまずは資材の移送。【怪力無双】効果を発揮して、ディアボロス達は送られてきた資材を運び始めた。
「ではモナカたち、引き続きよろしく」
 伐採のために動いていたクィトのゴーレム達も運び出しに参加し、たくさんの資材を順に現場へと送っていく。
「これはどこに置くのでしたっけ?」
 自分の身体よりも大きな資材を抱えたルーリレイアが、工事現場に辿り着いたところで首を傾げる。普通に荷下ろししたいところだが、無秩序に置くと多分後が大変だ。
「まあ、とりあえずここら辺に……」
「……区画の整理もしておきましょう!!」
 こんなこともあろうかと資材の中にトラロープが入っていましたわ。というわけでルーリレイアが一時的な物の置き場をざっくりと区分けして、物資の運搬は滞りなく進んでいった。
「できればカモフラージュとかあった方が……いや、今更か」
 これだけの規模の更地と工事音をどうにかするのは不可能だろう。荷を運んできたイシュアがそんなこと考えている内に、現場近くには機材が揃い始めている、そろそろ組み立てに着手しても良い頃合いだろう。
 新宿島の技術者の用意したマニュアルは素人にもわかりやすいよう図解が多め、初見では面食らった者達でも、作業は可能に見える。
「……神像分解以来の、ワクワク作業だな」
 ガンドラにとっては機能不明という意味ではクロノオブジェクトと同じ楽しみ方ができるもの、図に示された部品を探して、怪力を活かして組み上げにかかる。
「な、なんだかプラモデルを作っているみたい、ですね」
 説明書通りに組むという意味では所感として正しい。巨大な模型を形にしていくように、小雪はコダマと協力して作業を進めていった。この森で最初に切り拓いた更地、工事区域は十分な面積を持っており、時間こそかかれど機器の組み上げ自体は滞りなく進んでいく。
「これが……開拓機材、人類の叡智か」
「んむー。これぞぶんめいのちから」
 そんなこんなで無事形を成したボーリング工事機、掘削リグやドリルリグと呼ばれるそれを前に、ガンドラとクィトが頷く。
「まさかゴンドワナで人力以外を使うとはなぁ」
 やってみるものだな、と感嘆の息を吐いたイシュアも、完成したその姿にどこか満足気な表情を浮かべている。
「これでボーリング工事を開始、できるでしょうか?」
「検収を上げる前に軽く動きは確認しておきたいな」
「確かに、良い感じで未来にバトンタッチしたいところですわね!」
「では、ちゃんと稼働するか、試運転といこう」
 不具合があっては工事は先に進まない、自信をもって後続に工事を任せるため、一行は早速組み上げた機器の動作確認に入った。通常ならば専門家の知見や熟練の手腕が必要なシーンを、特製マニュアルと操作会得で乗り越えて、リグの起動準備を行う。
「えーっと、これがこうで。こいつが――なるほどなるほどOKOK。完全に理解した」
「新宿島から工事メットも送られていましたわ!」
「なるほど、こういう時は、作法として、指差し確認を、すると聞く」
 ルーリレイアからそれを受け取りながら、ガンドラは人差し指を立てる。指差し呼称は安全作業の基本、ということで。
 機材設置ヨシ、目標設定ヨシ、安全装置正常ヨシ、周囲に敵影無し。
「……よし! 起動だ!」
 火を入れられた機械が震え、低い唸りを上げ始める。ドリルの回転速度が上がるにつれて、その音は徐々に主張を強めていった。ビットを据え付けたパイプが下方向に押し付けられ、工事用の泥水でぬかるんだ地面を抉り始める――!
「とりあえずは問題なさそうか?」
「念のため、このままもう少し掘ってみよう」
 万全を期してクィトとイシュアがドリルの先端を落とし始める。妙な軋みや異音は聞こえない、とりあえずは大丈夫そうかと判断して、ガンドラ達は少し離れた場所へと向かう。そこには余った予備の資材、それから伐採した木々の残りが置かれていた。
「ではこちらは、資材置き場でも、作っておくか」
「ボク達の滞在小屋なんかもあったら嬉しいですよね」
 恐らくは交代制になるとはいえ、これから一ヶ月はこの工事現場に張って、襲い来るであろう巨獣を迎撃し続けなくてはならない。そうなるとやはり待機場所が欲しい……と小雪が申し出て、二人は残りの資材で出来る限りの備えを施し始めた。
「一応目立たないよう、外面を迷彩風に塗り、草木を付けたり、しておくか」
「掘削機が先に狙われるのとどっちが困りますかね……?」
 うーん、どうだろう。少々悩ましい部分もあれど、この辺りは所詮気休め、あまり迷っていても仕方ないと、見切りで作業を進めていく。
 こうして簡易な待機施設と、新宿島謹製の掘削機が完成した。
「採掘ついでに何かがとれたりしないでしょうか!」
「んむー、ついでに役立つものが出てくればいいが」
 ルーリレイアの言葉にクィトが首肯する。何にせよ動作確認に関しても問題はなし、本命の目標、地下遺跡への掘削作業の目途はついた。
「いよいよ、開通工事が、行われるか」
「新しい冒険の匂いがしますわね!」
「で、こっから開通するまで1か月だっけ? 場所が分かってる分他より楽だけど時間がかかるなあ」
「そうすると……10月の最初くらい?」
 ルーリレイアやイシュアに続いてクィトが首を傾げる。その見立てで間違いはないだろう、同時に「ことが順調に進めば」という注釈もつくだろうが。
 これから工事完了までの期間、ディアボロス達は迫り来る巨獣を退け続ける必要がある。
「まだまだ先は長いですが、キングゴンドワナさんを退治するための大きな一歩になるに違い、ありません」
「待っててねえ、じゃんじゃん掘って裏口作っちゃうから」
 そう、ここからは着実な一歩を積み重ねていくターンだ。その後に待ち構える『本戦』、キングゴンドワナとの戦いに思いを馳せて、ガンドラが目を細める。
 準備完了、機器を本格稼働。彼女等の意志を乗せて、ドリルが唸り――大空洞へと続く、ボーリング工事が開始された。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV5が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年09月01日