リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
速く、一刻も速く
救わなければ
誰しもが夢に描くだろう、豊かな作物、黄金の実りの大地
ロマノフの希望……
そこに希望を燈す人々の生命を
零れ落ちるままにはさせない
状況を偵察、観察しつつ敵の配置と共に把握
火勢の強い箇所、人が悲鳴を上げている箇所に向かって流れるよう【水源】を発動し
清流水計で膨大な水量をもってPD攻撃する
【悲劇感知】も頼りに
悲劇だらけだろうが、聞こえる場所と歌の内容も手掛かりに
その悲劇の下に敵がいるだろう
畑を駆け、速やかに敵を倒す
救助は仲間と手分けしつつ
今まさに襲われたり、火を放たれている人々の救助を優先しつつ近くの敵を掃討
声を上げ挑発、自身に狙いを引く
ディアボロスが来たぞ! 卑しいルサルカの手先は逃げ出すか?
仲間と可能なだけ連携を取り、狙い合わせる
青龍水計を的確に放ち続け、畑を膨大な流水に巻き込んで
ダメージアップと技能で威力を研ぎ澄まし、反撃を抑える
敵の攻撃には、魔力障壁で身を護りつつタワーシールドを構え
押し流されないよう忍耐を
水よ、どうか
人々の命を、希望を救いたまえ
レイラ・イグラーナ
間に合い、ませんでしたか……!
いえ、悔いるのも悲しむのも後。
まずは一秒でも早く蛮行を止めましょう。
【悲劇感知】を用い、悲劇が起きる場所へと急行。
【水源】で燃える畑を消火し、人民の皆様を襲うロマノフ白軍精鋭兵へと攻撃を行います。
この村全てが悲劇に包まれているようなもの。歌は終わることなく、また各所から聞こえるでしょう。
火傷も傷も疲労も厭わず歌の方へと動き、少しでも多くを救えるように。
本来ならば助け出した方々のケアもしたいのですが……今は、後にするしかないでしょう。
敵と会話をしている時間などございません。
敵に対しては迫撃砲による一斉砲撃を乗り越えて接近、銀の針による【フェイタルストライク】と【命中アップ】で急所を穿ち、最短、最速で撃破を行います。
どれだけこの手から零れ落ちようと、今手の中にある命を諦める理由にはなりません。
一人でも多く、一粒でも多く……未来へとつないでみせます。
括毘・漸
おいおい、追い込まれた末に大地を焼くか……!
ここに住む人々の努力を灰にするには飽き足らず、傷つけるとは………その身に報いを受けさせてやりますよ。
こうも火の手が強いと人々の避難にまで支障をきたしますからね、【水源】を使い、火の手が回らないようにするのと消火を同時にこなしましょう。
この炎の中で敵の白い装束は目立ちますからね、そこに向かって走り抜けましょう。
幸いこの炎は効きませんからね、炎の中を突っ切って敵に向かいます。
人々に手を掛けようとする敵に向かって【呪われし魔手】を貫き手の形にした手を突き出し、その身を呪詛で満たし穿ちます。
これ以上の暴挙は許しませんよ。
まだ息のある人々を見つけたら、炎の中から救出して避難させます。
避難させる時に人々には【水源】で出した水を被ってもらい炎から身を守ってもらいましょう。
安心してください、あの敵共は討ち取りますし、この大地も必ずや奪還しますからね。
だから、今は避難を。
人々に避難を呼びかけて、ボクは敵の掃討に取り掛かります。
確実に一人一人を討ち取りましょうか。
白石・明日香
いやあ、すごい惨劇だねぇ。血が飛沫炎が辺りを赤く染め上げる・・・・
狩りの時だね。
覚悟しなさいな!
消火とか生き残りの救出は他の人に任せてワタシは敵の排除を優先しようか。敵の狙いをかく乱するために残像で攪乱しながらダッシュで接近。
弾丸は武器で受け逸らしながら懐に入り込み早業呪詛、捨て身の一撃でその首纏めて薙ぎ払う!
これ以上染めたいなら貴方達の血でお願いね。狩る者が狩られるのも覚悟しておかないとね。
パラドクストレインの扉が完全に開き切るのを待ちきれないとばかりに。
ディアボロスたちは、開き始めたドアの隙間に体を捩じ込ませて、ウクライナの冷たい夏の夜に飛び出した。
だが、直に。冷たいはずの夏の夜が、灼熱の炎に包まれているのが見えてくる。
その火災の規模に、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は思わず橙色の目を細め、顔を顰めてしまう。
「おいおい、追い込まれた末に大地を焼くか……!」
この土地に住む人々の努力を灰にするには飽き足らず、傷つけるとは……。
憤る漸の隣で白石・明日香(弔いの狩人・g02194)も、その惨状に眉間に皺を寄せる。
「いやあ、すごい惨劇だねぇ」
至る所で血がしぶき、叫び声が闇を裂き、炎が辺りを赤く染め上げる。
「間に合い、ませんでしたか……!」
その炎がなおさらこの銀髪を赤く染めるので、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は悔しさから眉間に皺を寄せて歯を軋ませる。
だがここで気持ちを崩すわけにはいかない。
悔いるのも悲しむのも後でできる。
「まずは一秒でも早く蛮行を止めましょう」
闇夜に穹色の髪を靡かせながら走る、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の澄んだ空のような瞳には、目の前の焔のゆらめきしか映っていなかった。
自分が心に描く情景は、こんな悲劇ではない。
誰しもが夢に描く豊かな作物と、黄金の実りの大地だ。
それは、ロマノフの希望。
人々のやりがいや、生き甲斐であった。
希望であった。
その希望を燈す人々の生命を、こぼれ落ちるままにはさせない。
――速く。
一刻も速く救わなければ……!!
逸る気持ちを抑えることすらままならないディアボロスの耳に、さまざまな情報が飛び込んでくる。
小麦がばちばちと弾ける音を立てながら燃える音。
人々の呻き声や断末魔。
そして響き渡るのは【悲劇感知】により、さらなる殺戮を示唆する悲しげな楽曲。
焼ける小麦の香ばしい匂いと裏腹に漂う焦げ臭さと、咽せ返るほどの血の匂い。
だが、目を塞ぎ耳を覆いたくなるこの状況を覆すのが、――人々の無念を晴らせる唯一の存在こそがディアボロスだ。
赤赤とした炎に金色の髪を揺らす漸は、敵を見据えるなり不敵に笑んで見せる。
「……その身に報いを受けさせてやりますよ」
「――水よ、どうか。人々の命を、希望を救いたまえ――!」
エトヴァと漸が、赤赤と燃える小麦畑や水を求める人々に向かって祈れば、【水源】の効果によって足元から水が渾々と溢れ出し。
清らかな流れとなった大量の水が、炎に抱かれた小麦を押し倒して燃え盛る火を消していく。
そんな中、明日香はいち早く敵軍を排除すべく動き出した。
「狩の時間だね!」
水飛沫をあげながらも敵を撹乱することを目的に、ジャンプや横移動、加速を駆使して一気に『ロマノフ白軍精鋭隊』に近づくなり、
「覚悟しなさいな!」
と、すれ違い様に、両の手に構えた『彼岸・此岸』でその病的に白い体を一気に斬り裂いていく。
先ほどまでは人々の血が吹き上がっていたが、今度はヴァンパイアノーブルが血を吹き上げる番。
だが、斬り裂かれた『ロマノフ白軍精鋭隊』は、明日香を徹底的に弾圧べく、血で生み出した弾丸を撃ちはじめた。
明日香はその赤い弾丸を武器で受け逸らしながら、接近するタイミングを見計らう。
【水源】で水を湧き出させながらエトヴァが穹色の鋭い目線を向ければ、その膨大な流水は今まさに村人を打たんと剣を振るう『ロマノフ白軍精鋭隊』たちをその懐に抱き、飲み込んだ。
だが、その流水は人々を押し流すことはない。
「遅くなってしまい申し訳ない。お怪我は?」
敵の反撃が来る前に、襲われていた人の手を取って土の上まで誘導したエトヴァ。
対して村人は、何が起こったのか分からずに呆然としている。
本当ならば、自分たちの足で安全な場所へと逃げてほしい。だが、今の彼らにそのような力は残っていないだろう。
「ここは我々ディアボロスに任せてくれ」
エトヴァは人々を安心させるために声をかけると、彼らに背を向け敵軍を見据えながら穹色の翼を大きく広げる。
「ディアボロスが来たぞ! 卑しいルサルカの手先は逃げ出すか?」
声を出してクロノヴェーダを挑発したエトヴァは、人々に被害が及ばないように別方向へと駆け出す。
すると『ロマノフ白軍精鋭隊』から次々と繰り出されるのは、赤い血の津波。
「……逃げ出す? バカな。我々は精鋭ぞ?」
骨ばった老兵はダメージを負ってはいるものの痩せ我慢か。ニヤリと笑う。
立ち止まったエトヴァが左右中指の指輪『Dornenengel』に願いをこめれば、展開された障壁がエトヴァの体を覆う。さらに銀色のハワーシールドを構えて、赤く重い激流を耐えてみせる。
漸はさらに戦場を駆け回り、火の手が及んでいない箇所も水で満たしでいたが。その白い軍服の影が視界に飛び込んでくれば、すぐさまそちらに意識を向ける。
「その白い装束は、目立ちますね」
水飛沫をあげて炎の中を走り出すと、見えてくるのは村人に手をかける直前のサーベルを振り上げんとする最中。
漸は目標を見据えるなり、何かモゴモゴと口にする。
それは悍ましき呪文。
呪文に誘われて現れる不気味な触手は、まず『ロマノフ白軍精鋭隊』の腕を掴んでサーベルを叩き落とすと、その体全てを触手で覆い、呪詛に侵していく。
「これ以上の暴挙は許しませんよ」
鋭い目線で呟いた漸は、『ロマノフ白軍精鋭隊』に襲われていた村人の手を引いて立たせると、
「動けますか? 安心してください、あの敵共は討ち取ります。だから今は、避難を」
と村人を安心させるように微笑むと、敵の間に割って入る。
背に水を跳ねさせて逃げる音を聞きながら、漸はふと笑顔を消した。代わりに見せるのは、鋭く荒れ狂う狂犬の表情。
これ以上、人々を殺させやしないし、ウクライナも蹂躙させない。
そしてこの広大な大地も、必ずや奪還してみせる。
燃え上がる復讐心は、『ロマノフ白軍精鋭隊』の血で生成された弾丸の連射をも凌ぐ忍耐力すら漸に与えるようだった。
人々を救えど救えど、この村一体が悲劇で包まれているためか、歌は絶えず響きわたる。
その歌をひとつひとつ潰すべく、レイラは火傷も傷も疲労も厭わず歌が聞こえる方へと向かっていた。
少しでも多くを救えるように――。
時間さえあれば、命に別状のない人々の手当てやケアも行いたいが、今は後にするほかない。
レイラは火傷を負って意識を朦朧とさせる村人を、川の流れが緩やかな場所まで連れていくと、その人が溺れないようにだけして銀の針を手にスカートを翻した。
なぜなら、敵の魔の手がすぐそこに迫っていたから。
今は敵に言葉を投げる一秒も惜しい。
振り返りざまに無数の針を一斉に投擲すれば、『ロマノフ白軍精鋭隊』の心臓を射抜いた。
だが、絶命間際にも奴らは反撃を繰り出してくる。
口から血を吐きながらも、その血さえ弾丸に変えてしまう『ロマノフ白軍精鋭隊』。その迫撃砲には身を固くし、背後に守る村人に流れ弾が向かわないように耐える。
「……っ!」
水の流れに浸けた両の足で元は畑だった大地を捉え、レイラは赤く燃える瞳を敵に向けた。
(「どれだけこの手から零れ落ちようと、今手の中にある命を諦める理由にはなりません。……一人でも多く、一粒でも多く……未来へとつないでみせます……」)
こうしてディアボロスたちは、虐殺の現場に介入するなりあっという間に状況をひっくり返していく。
明日香は最後の『ロマノフ白軍精鋭隊』の亡骸を切る捨てると、
「これ以上赤く染めたいなら、貴方達の血でお願いね。狩る者が狩られるのも覚悟しておかないとね」
と、独りごちた。
それは、この戦場に集るすべてのヴァンパイアノーブルへの声かけでもあったし、『血の乙女ルサルカ』ただ一人に向けた宣言でもある。
とにかく。
未だ悲しみの歌が流れるこの戦場から悲劇を消し去るには、『血の乙女ルサルカ』を撃破する必要があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV2が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
●
せっかく大きく育った炎をあっという間に鎮火され、皆殺しにしてやろうと思った人間たちも、命あるものはほぼ掻っ攫われてしまった。
先ほどまで赤赤と明るく美しかった世界が一瞬で闇に包まれてしまい、『ノーブルメイド』を伴った少女はうんざりと言わんばかりに大きなため息をついた
「あーあ、興醒め……。せっかく赤くて綺麗だったのに……」
その少女は『血の乙女ルサルカ』。
この虐殺の首謀者だ。
『血の乙女ルサルカ』は、ありったけの憎悪を持って自分を睨み各々の得物を構えるディアボロスを見るや。
「ご挨拶が遅れてしまったわ。ようこそ私の舞踏会へ」
と、微笑みながらスカートを広げて軽くお辞儀をしてみせたが、次の瞬間。
「……よくも私の舞踏会をダメにしてくれたわね」
憎悪に満ちた表情へと変わった。
「……でもね。ひとついいことがあったわ。ディアボロスが釣り出されたんですもの! ……やっぱりお前たちを誘き出すには、畑を燃やし、人間を殺すのが一番だと思ったのよ♪」
饒舌に声を跳ね上がる『血の乙女ルサルカ』だったが、彼女の周りでトゲめきながら煌めく氷と雪の結晶が饒舌に語る。
私の計画をことごとく潰してくれたお前たちを、絶対に許さない。
「――わたしが直々にお仕置きしてあげるわね♪」
イシュア・アルミゴス
やぁはじめまして血の乙女。
赤が映えて白いロマノフも華やかだ。誰の血かな?君の部下?
誰のだろうと血と苦しみは心地良いね。主催の君が直々に。
盛り上げてくれるって言うんだから、愉快愉快。
さてと、絶望を振りまくのがお好きなようで、結構なことだ。
恐怖と絶望による従属、ヴァンパイアノーブルらしい。
まさに体現したような所業、いや君ら中立派こそヴァンパイアノーブルだ。
分かりやすくてむしろ好ましいよ。結構好きな方だよ?
だけども、最近じゃ亜人とかいう野蛮な奴らが来てるらしいじゃないか。
横からかすめ取られるような事を許していいのかい?
一般人が苦しんじゃいるが、それは君らの中立派のトップ。
竜血卿ドラキュラの与える恐怖による従属の対象を奪ってるってことだ。
それを許すなんて。中立派は寛大だ。
少し煽りを入れ表面上は賛同するフリをして情報を得れるか試してみよう。
考えてなくてもトップの名前を出されれば多少はね?
こういう輩は大抵知らないってのが多いけどこいつはどうかな?
ただの強いヴァンパイアノーブルであってくれるな?
「やぁ、はじめまして血の乙女」
ウクライナの冷たい夜風に紫色の髪をそよがせるイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が踏んで跳ね上げたのは、赤黒い血飛沫ではなく、清らかな水飛沫。
だけど目の前のヴァンパイアノーブルのドレスには、血飛沫の花が赤々と咲き乱れていた。
「君のドレス、赤が映えて白いロマノフも華やかだ。誰の血かな? 君の部下の?」
尋ねてみると、先ほどまでディアボロスを睨みつけていた『血の乙女ルサルカ』の表情が一変する。
年頃の少女が自分のお気に入りに目を落とすかの如く、白いドレスに咲いた血の花を愛おしそうに広げてみせる。
「これは人間の血よ。さっきまでは地面も美しい赤で染まっていたの。でも、あなたたちがみんな水で押し流してしまったわ……。だから今この世界で、ドレスのこの花だけが美しいのよ」
そう告げる彼女の声が心底残念そう。
本来であれば、人々の返り血を美しいだのと言い放つクロノヴェーダに憤りをあらわにするところだ。
しかしイシュアは、この後の重要な情報を聞き出すため、あえて彼女の言い分に賛同の意を表す。
「そう。誰のだろうと、血と苦しみは心地良いね。それにこの舞踏会も、主催の君が直々に盛り上げてくれるって言うんだから、愉快愉快」
目を細めてふふと笑ったイシュアは、さらに続ける。
「さてと、絶望を振りまくのがお好きなようで、さぞ結構なことだ。――恐怖と絶望による従属、ヴァンパイアノーブルらしさをまさに体現したような所業。君ら中立派こそヴァンパイアノーブル。分かりやすくてむしろ好ましいし、僕は結構好きな方だよ?」
「そう? それはよかったわ」
ディアボロスからの褒め言葉に『血の乙女ルサルカ』も、嬉しそうに赤い目を細めた。
『竜血卿ドラキュラ』の良さを理解し好いてくれるディアボロスに、まんざらでもない様子。
こうなれば少しは情報が引き出せるだろうか。
こういう輩は大抵知らないってのが多いけどこいつはどうかな?
ただの強いヴァンパイアノーブルであってくれるなよ。
イシュアは閑話休題とばかりに、『血の乙女ルサルカ』を琥珀色の煌めきで見据えた。
「だけども、最近じゃ亜人とかいう野蛮な奴らが来てるらしいじゃないか。横から土地や人間をかすめ取られるような事を許していいのかい?」
片眉を下げて伺ってみる。すると『血の乙女ルサルカ』の表情が僅かに曇った。
「は? 横からかすめ取られる? ――私たちが亜人如きに臆すると思っているの?」
まるで『なんのことを言っているのかわからない』といったリアクションだ。
イシュアはさらに言葉を重ねる。
「実際、亜人の侵攻によって一般人が苦しんじゃいる。それは君ら中立派のトップ『竜血卿ドラキュラ』の与える恐怖による従属の対象を、奪ってるってことだ。……それを許すなんて。中立派は寛大だ」
意地悪く目を細めて伺えば、『血の乙女ルサルカ』も腕を組み顎をあげてイシュアを見据えた。
「何を言ってるのかしら? 私やドラキュラ様がそんなバカなことを許すと思って? 確かにクリミアから亜人は来たわよ。でもね、私たちが痛い目を見せてやったのよ。その後はあの醜い姿をこのウクライナに晒しに来ていないから、こっちへの侵攻を諦めたのではないかしら?」
憮然とした表情を見るに、この件に関しては嘘はついていないように見える。
現状を整理するなれば。
タウリカ半島の亜人はウクライナにも来ていた。しかし『血の乙女ルサルカ』をはじめとする中立派ヴァンパイアノーブル達に追い払われたので、ノヴォロシースク近郊に向かった。
……という見立てで、ほぼ間違いはなさそうだ。
「それに私たちは別に、このウクライナを支配している訳では無いの。誰も支配するものがいないから、しょうがなく私たちが手を出してるの。それに、私たちから亜人のディヴィジョンに攻めるつもりは無いわ。面倒くさそうですし」
ため息まじりに溢れた情報を、ディアボロスたちは聞き逃さなかった。
ということは、蹂躙戦記イスカンダル奪還戦に、竜血卿ドラキュラ派の介入は無さそうだ。
『血の乙女ルサルカ』は今一度ため息をつくなり、広げた腕に雪と氷の結晶をトゲめかせ、煌めかせ、ディアボロスに挑発的な笑みを向けた。
「さぁ、馴れ合いは終わり。躾けのなってないディアボロスには、罰を下してあげなくてはね♪」
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
イシュア・アルミゴス
OKOK、理解した。亜人の軍勢でも中立派は盤石ってことだね。
強いことはいいことだ、感心するよ。ホント、だから見せてみなよ。その強さ!
機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』に跨りヘルメット着用。
足場の悪さはテクで補う!ハンドル握り、一気に加速。全速力で駆け抜ける!
走らせながらセルケトクロウから凍結弾を連続して発射し攻撃。
敵を氷漬けにし、纏めて轢き壊し!血で盛り上げるのは十分だろう?。
ここはきれいに砕けてくれ。敵の鞭は車体で受けて被害を減らそう。
追いついてみなよ、その鞭で!
さあ、舞踏会も終りが近いよ。フィナーレと行こうじゃないか。
主催は君だ。盛り上げてくれよ。君の血はさぞ、盛り上げるだろうね?
括毘・漸
ある種、亜人の侵攻を食い止めいたのは中立派と………下手に手を組まれるよりかはマシですが、焼き討ちされては貴方がたを討ち取るしかありませんよ。
銀のサーベルを咥え牙とし、両手にナイフを握り爪とする、異形の三刀流を構える。
これにて猟犬の、爪牙が揃いました。
水源にて泥濘んだ地面にしっかりと足をつけ、更に地面にナイフを突き刺し四肢として、猟犬が獲物を追い込む寸前のように身体を低く屈めて、泥濘んだ地面を蹴り飛ばす勢いで飛び出し、三振りの刃を次々と振り回し致命の斬撃を繰り出す【猟犬之斬・惨斬禍】を発動させ、敵を斬り伏せ地面へ沈める。
敵の攻撃に対しては、コチラを縛ってくる鞭に刃を向けて斬り捨てて鞭を外しますが、それでも迫るなら【吸血】で以て、その鞭に宿る血を吸い尽くします。
お嬢さん方、武器を向ける相手は選んだ方がいいですよ。
無作法に振るえば、利用される事もありますよ!
鞭を外した隙に入り込み、更なる斬撃で敵の血を散らせます。
次に血を散らすのは貴女ですよルサルカ。
安心しろ、死化粧は綺麗に仕上げてやりますよ。
レイラ・イグラーナ
どこかで見覚えが、と思っていましたが、得心がいきました。
頭のベールに白と赤のドレス姿。冠を模した髪飾りと短杖。
二度目のエルミタージュ美術館潜入。あの時死妖姫カーミラのパーティに呼ばれておりましたね?
派閥はドラキュラのものですが……人民を害すことを喜びとし、周囲の勢力も見下し、自分からは動かない。貴女は死妖姫カーミラに似ておりますね。
カーミラ同様に……その傲慢さが貴女たちの命取りです。お覚悟を。
銀の針を手に戦闘を行います。
【手製奉仕・雨】を使用し、跳び上がり、雨のように銀の針を降らせることでノーブルメイドたちを貫きます。
【水源】を用いて周囲の火を消し、足場となる場所を増やすことで逃げ場を増やして立ち回りの自由度を上げ、振るわれる鞭に縛り上げられないように戦場を駆け回ります。
この場所には、人民の皆様にはご支援が必要です。戦いばかりにかまけてはおられません。
ですので貴女たちが人民の皆様に行ったように、徒に苦しめることはいたしませんが……その罪は、血で贖って頂きます。
ヴェルチ・アリ
そうかい。そんなに燃えるものが見たいんなら、見せてやるよ。
燃料は、あんたたちそのものだけどね。
【火炎使い】を使い、相手の火炎を上回る火炎をもって呑み込み、焼き払う。
【計略】と【追跡】を使い、味方と連携し、確実に相手を追い詰める。
【温熱適応】を使い、相手の火炎攻撃による味方への被害を、無いよりマシ程度だとしても抑え込む。
まずは周囲の掃除と行こう。他の仲間達が一気に接敵してくれるみたいだから、自分は中~遠距離でひたすら燃やし尽くしていけばいい。味方の撃ち漏らしがいるのであれば、そいつを優先的に。じっくり焼いて、確実に相手を燃やし尽くす。
燃やそうとしてきている存在に限って、自分が燃やされようとするときに、結構いい悲鳴をあげたりするもんだよね。…さて、お前たちはどうかな?この燃え盛る業火の中で、どんな風になるのか、しっかり、目に焼き付かせてもらうよ。
…勿論。そこで見ている、貴族様にもね。
アドリブ、絡みを歓迎します。
「ある種、亜人の侵攻を食い止めたのは中立派と……」
下手に手を組まれるよりかはマシだった。その点に関しては安堵はしたものの、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)の胸で燻る炎はさらに大きく燃え盛る。
ウクライナの人々が大切にしていた畑を焼き、あまつさえ彼らの命にまで手を出したなら、話は別。
「畑を焼き討ちされては、貴方がたを討ち取るしかありませんよ」
「は? 人間を絶望させて何が悪いの? それに、今までわたしの邪魔をしてきた罰を受けてもらうのはあなたたちだわ!」
その姿を捉えたレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は小さく息を呑んだ。
頭のベールに白と赤のドレス姿。冠を模した髪飾りと短杖――その姿に見覚えがあったのだ。
あれは、二度目のエルミタージュ美術館潜入。
あの時、確かにそこにいたのだ。
このヴァンパイアノーブル、『血の乙女ルサルカ』は。
「――得心がいきました。死妖姫カーミラのパーティに呼ばれておりましたね?」
ご機嫌斜めの乙女は問いかけには答えずレイラを睨みつけたまま。
「派閥はドラキュラのものですが……人民を害すことを喜びとし、周囲の勢力も見下し、自分からは動かない。――貴女は死妖姫カーミラに似ておりますね」
レイラが赤い目を細めてその名を出せば、『血の乙女ルサルカ』が目をわずかに見開いた。
「……あなた、『死妖姫カミーラ』を殺したディアボロスなの……? ――ならなおさら、あの子の仇を討つためにも、ここで殺すしかないわね!!」
疾呼の声を上げる『血の乙女ルサルカ』の剣幕に、呆れたように嘆息をついたレイラがスッと構えるのは、得物である銀の針。
「カーミラ同様に……その傲慢さが貴女たちの命取りです。お覚悟を」
「覚悟するのはどっちかしら? あなたたちも麦や人間たちみたいに燃やしてあげるわ。私たちを敵に回したら怖いわよ?」
そんな『血の乙女ルサルカ』の煽り文句に「そうかい」と呆れた声をあげたのは、ヴェルチ・アリ(GE-■■・SOL■■×××・g03614)。
「そんなに燃えるものが見たいんなら、見せてやるよ。――燃料は、あんたたちそのものだけどね」
万が一のための【温熱適応】も効かせながら、告げて身体中に激らせるのは溶岩の炎。
イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は『血の乙女ルサルカ』の言葉の数々に「OKOK、理解した」と呆れたように両手を緩く振る。
「亜人の軍勢でも中立派は盤石ってことだね。強いことはいいことだ、感心するよ。ホント」
琥珀の瞳で標的を見据えたイシュアの傍に現れたのは、紫と黒を基調とした機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』。
そのシートに跨ったイシュアはヘルメットを被ると、ブレーキはしっかり握ったまま右手のグリップを回した。すると紫色の電光が走ると共に、空吹かしの爆音がウクライナの夜を劈いていく。
「――だったら見せてみなよ。その強さ!」
こっちはこっちで、壊していくから!
吠えて『ライドスコルピオ』と結合させるのは、装甲剝離生体鋏『セルケトクロウ』。
そのマシンの危険性を察知して、赤い鞭を手にした『ノーブルメイド』が一斉に『血の乙女ルサルカ』の前に出た。
「っ、ルサルカ様、お下がりください!」
だが、イシュアの狙いは『血の乙女ルサルカ』ではない。
配下の『ノーブルメイド』だ。
今一度エンジンを吹かせば、紫と黒を基調としたマシンから発せられるのは、紫色の稲妻。その勢いでブレーキから指を離せば、滔々と流れる水をモノともせずに全速力で戦場を駆け回る。
確かに足場は悪い。けどそこはハンドルテクとクラッチテクを駆使して駆け抜ければ、あまりのも凄まじいマシンの動きに『ノーブルメイド』たちの視線が追いついていないのがわかる。
イシュアは彼女達の注意が散漫になった一瞬の隙を見計らい、鋏からロマノフの氷よりも冷たい氷結弾を撃ち放った。
ドドドドッと鈍い音を立て、次々と『ノーブルメイド』を氷漬けにしていく氷結の連撃。
そのままその氷漬けの『ノーブルメイド』へと躊躇なくスロットルを回せば、厳ついフロント部分と前輪で容赦なく引き壊していく。
『血の乙女ルサルカ』は寸でのところで地を蹴って宙へと逃れたが、それでいい。
砕け散る氷と弾ける血飛沫が、そのパラドクスの威力を物語っているのだから。
「血で盛り上げるには、十分だろう?」
上空に逃れ際、悔しそうに歯を軋ませた『血の乙女ルサルカ』に聞こえるように声をかけたイシュア。
だが、敵を壊しても反撃が伴うのが逆説連鎖戦。『ノーブルメイド』たちの砕け際の腕からふるわれるのは、赤い血の如き魔力を宿した鞭。
イシュアは『ライドスコルピオ』に乗ったまま、またハンドルを握りフルスロットル。
「追いついてみなよ、その死にかけの鞭で!」
姿勢を低く保ち、自身に迫る鞭はマシンを傾け躱していく。
ウクライナの夜を切り裂く爆音と同じ空間で、静かな狩が始まろうとしていた。
銀のサーベルを歯でしっかりと咥えて牙とし、両の手にはナイフを握って爪とする。
これが漸の戦闘スタイル――異形の三刀流。
これにて猟犬の爪牙が揃った。
漸は足で泥濘んだ地面をしっかりと捉え、地面に両の手に握ったナイフを突き立てた。
これが猟犬の四肢となる。
さらに姿勢を低く屈めて獲物をしっかりと燃える瞳で捉えれば、あとは泥濘んだ地面を蹴り飛ばす勢いで飛び出すのみ。
足元の砂はジャリリと漸の足を掬うようだけど、自分には二対の爪がある。その爪の補助を受けて前へ飛び出せば、心の中で唱える。
斬撃連結――壱頭・弐顎・参首―――慚愧は戦慄の眼光となり、意志を剣と成せ!
すると漸の背から発現するのは、血と炎で形作られた二頭の猟犬の頭。それらにはそれぞれ銀のナイフが咥えられている。
三対の牙で襲いかかるは、空中から降りてきた『血の乙女ルサルカ』を取り囲んだ『ノーブルメイド』。
唸りと咆哮を上げるのは、血と炎の猟犬か。はたまた漸自身か。
三連の斬撃は『ノーブルメイド』の首を掻き切り、血飛沫を吹き上げさせ、水が揺蕩う地面へと伏せさせた。
だが、まだ油断はできない。漸は一旦地面を蹴って後ろへと飛ぶなり、敵軍と距離を取る。すると、倒れ際のその手に握られた赤い鞭が、まるで「しつけのなっていない犬は調教する」とばかりに大きく振るわれてきたのだ。
その数、三本。
口に咥えていた銀のナイフを離した漸。今度は手に握る刃でその鞭をいなしていく。
「お嬢さん方、武器を向ける相手は選んだ方がいいですよ。作法に振るえば、利用される事もありますよ!」
だが漸の声を彼女達が認識できているかはわからなかった。
続くレイラは水で満たされた畑の土を蹴って飛び上がるなり、近くに建っていた小屋へと足をかけた。
炎の魔の手を逃れた小屋は、しっかりとした造り。
ここからならもっと高く飛べる。
「この場所には、人民の皆様にはご支援が必要です。戦いばかりにかまけてはおられません。
ですので貴女たちが人民の皆様に行ったように、徒に苦しめることはいたしません」
いたしませんが。強調して赤い瞳を輝かせれば、全てのクロノヴェーダが自分を見上げる。
「……その罪は、血で贖って頂きます」
レイラが屋根から飛び上がると、銀糸のような豊かな髪とたっぷりとしたスカートがふわりとウクライナの風に揺れた。
「因果の滴、注ぐ応報。神域の歔欷が廃都に落ちる――」
天高く掲げた腕を高速で振り下ろせば、銀の針はまるで、人々の生きがいをや命を奪う者への裁きの雨となりて『ノーブルメイド』たちに降り注ぐ。
「……っ!!」
鋭い銀色の雨に打たれた敵群が呻き怯んだ隙に、さらに【水源】にてまだ燻っている炎を消して足場を増やしていけば、ほらすぐに、瀕死の『ノーブルメイド』が己が血で作り上げた赤い鞭で、レイラを叩き落とさんと唸りをあげさせた。
レイラは水に浸かる焼け焦げた麦わらを次々と踏み、振るわれる鞭から逃れるために先行を駆け回る。
かろうじてまだ息がある『ノーブルメイド』たちを狩るのはヴェルチ。
「……燃やそうとしてきている存在に限って、自分が燃やされようとするときに、結構いい悲鳴をあげたりするもんだよね。――さて、お前たちはどうかな?この燃え盛る業火の中で、どんな風になるのか、しっかり、目に焼き付かせてもらうよ。……勿論。そこで見ている、貴族様にもね」
目を細めて少し口角を上げながら冷酷に告げれば、次の瞬間、笑顔のかけらもない。
「迸れ、迸れ…奔流よ、炎よ、閃光よ、ホトバシレッ!!」
自分に発破をかけるように叫べば、魔力と熱エネルギーが体内で凝縮。それが緑色の瞳のレンズを通れはさらに凝縮され。蒼炎のビームとなって目視で捉えた『ノーブルメイド』を次々と焼いていく。
炎は赤よりも、蒼の方が温度が高い。
ヴァンパイアノーブルが好んで使う赤よりも苛烈で、残酷だ。
断末魔の叫びすら、燃やし尽くす。
ヴェルチが『ノーブルメイド』を蒼炎のビームで焼き殺すたびにその地肉が鞭となって唸るが、燃え盛る気持ちで躱していく。
そしてとうとう最後の一体も、ウクライナの地へと臥せさせたのだった。
侍女が次々とディアボロスによる攻撃で倒れていく様を、『血の乙女ルサルカ』は目を丸くして見ている他なかった。
「そ、そんな……!」
ディアボロスとは、これほどなのか。
いや、そんなはずはない。
たった一人になってしまった『血の乙女ルサルカ』。一瞬は気弱な表情を見せたが、自分を取り囲まんとするディアボロスを強気に睨んでみせる。
漸は両手に握られたままの刃をギラリとギラつかせて、
「次に血を散らすのは貴女ですよルサルカ。安心しろ、死化粧は綺麗に仕上げてやりますよ」
そう告げれば、『ライドスコルピオ』に跨ったままのイシュアもメットの中から『血の乙女ルサルカ』を見据えて片方の口端を上げる。
「さあ、舞踏会も終りが近いよ。フィナーレと行こうじゃないか。主催は君だ。盛り上げてくれよ。君の血はさぞ、盛り上げるだろうね?」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV2が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
レイラ・イグラーナ
弁解も謝罪も贖罪も貴女には求めません。
貴女が流した人民の血は、ただ貴女の血によってのみ贖われる。
お覚悟を。
呪詛を込めた針を手に戦闘。
【水源】を使用して水の流れを作り出し、ルサルカの周囲の燃える麦を消火。また、残る熱は【温熱適応】で踏破して接近、【天上奉仕・七星】の呪詛の針を撃ち込みます。
元々が高慢なヴァンパイアノーブル、1本刺さったところで大きな効果を発揮しない呪詛の針で侮ってくれると楽ですね。
その後も呪い針を投擲し、着実に体に呪詛を刻んでいきましょう。
反撃の炎の竜巻と荒れ狂う吹雪はパラドクスですし、【水源】はあてにできそうにありませんね……
魔術強化繊維のコート「Chat Noir」で顔など体の露出部分も覆い、致命的な傷は負わないようにして、竜巻や吹雪の中でも【命中アップ】で的確に呪詛の針を突き刺しましょう。
8本目の針を突き刺したところで「死兆」の呪詛を発動、ルサルカの生命力を刈り取ります。
人を絶望させて何が悪いのかと問いましたね。
貴女が理解できずとも因果は応報します。これが報いです。
「弁解も謝罪も贖罪も貴女には求めません。貴女が流した人民の血は、ただ貴女の血によってのみ贖われる」
静かに語るレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の手に添えられたのは、得物の銀の針。
だがその針に宿るのは、深い深い呪詛の念。
「お覚悟を」
レイラが赤い瞳を細めれば、同じような血の色の瞳を動揺でゆらすのは『血の乙女ルサルカ』。
「……はぁ? 弁解? 謝罪? 贖罪? しないわよ! 人間を絶望で支配して何が悪いのよ! 私は間違ったことをしていないわ!!」
怒号を飛ばした彼女の周りに現れるのは、びゅうびゅうと荒れ狂う吹雪と、彼女の激情を表すかのような炎の竜巻。
相反する吹雪と竜巻は周囲の小麦や水を対消滅させ、舞う火の粉がさらに周りの小麦に再び火を灯していく。
レイラは魔術強化繊維のコート『Chat Noir』で体を覆うが、対消滅を狙うパラドクスの威力は凄まじく、足元で消滅していく麦の帆を踏む足の踏ん張りもままならない。
「……っ!」
銀の髪を靡かせて一旦後ろへ飛んだレイラは、『血の乙女ルサルカ』の攻撃が止んだのを見極めるなり、反撃しがてら今一度、【水源】にて再び引火した麦の炎を消していく。
残る熱は【温熱対応】を借りて『血の乙女ルサルカ』に迫れば、この今度はレイラが攻撃手となる。
「冥き天蓋、漆黒の導。忘失の幽星が死を兆す」
呟いて呪詛が乗った針を一本、『血の乙女ルサルカ』の右肩に刺せば、ただの鋭い痛みに見舞われただけの彼女は鼻で笑ってレイラを見据えながら、後ろへと飛んだ。
「なぁに、この程度なの? やっぱりディアボロスなんて大したことないわね」
そんな挑発や侮りにも動じず、
「それは如何でしょうか」
とレイラは、二本目、三本目……と針を投擲していく。
針は回避行動に出る『血の乙女ルサルカ』を追いかけて、その雪のような肌や血に塗れたドレスの向こうの肉体を貫き、それぞれが『貪狼』『巨門』『禄存』『廉貞』『廉貞』『武曲』『破軍』の刻印を刻んでいく。
なぜ逃げているのに針がまっすぐ自分を貫くのか。理解できない様子の『血の乙女ルサルカ』。
それは、まだレイラの攻撃が終わっていないから。
「此方が最後の針です」
彼女を追いかけて追いかけて、今までの七本よりも殺意と鋭さとのせた針を投げ込めば、発動するのは『死兆』の呪詛。
今の攻撃一撃では『血の乙女ルサルカ』の命は狩れない。
だが、これから仲間たちと一撃一撃を重ねていくことで、確実に死へ追いやることは大いに可能。
「な、なにこれ……!」
焦り呟いた『血の乙女ルサルカ』が針を抜き取り、反撃の吹雪と炎の竜巻を巻き起こしたとしても。
呪詛は彼女の体を蝕んでいくだろう。
レイラは今一度『Chat Noir』でしっかり体を守れば、攻撃時より威力のないパラドクスを払い、再び『死兆』の呪詛に侵され始めた『血の乙女ルサルカ』を、血のように赤い瞳で見据えた。
「『人を絶望させて何が悪いのか』と問いましたね。――貴女が理解できずとも因果は応報します。これが報いです」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
燃やすにはあまりにも儚く
培われた物はあまりにも重く
貴女に理解など及ぶまい
無知蒙昧の姫君よ
貴女はあまりにも、人について知らない
仲間と連携を取り戦う
【水源】を戦場を囲う様に流し、PDの水流をぶつけて消火
行動するたびにPDに巻き込んで消火していく
防具で火勢を払いつつ、身はコートで守る
温熱適応は周囲の熱気対処とし、身動きをしやすく
戦況を観察しつつ、敵味方の動きを把握
仲間となるべく包囲の位置を取りつつ、隙を作り合うように仕掛ける
後背を狙いつつ、こちらに注意が向けば惹きつけ
誰かの好機となそう
絵筆に水流を描き出し、PDで攻撃
ルサルカに蔓のごとく絡みつかせ、身動きを封じ力を奪う
大地に鎮火を、植物に潤いを
ルサルカの攻撃には、タワーシールドを正対に構えることで、矢の勢いが見えずとも対処
避ける・防ぐよりも方向を逸らし、急所を外すように
荊の魔力障壁を展開して身を護り、負傷の軽減を
貴女が感じる痛みは、貴女が踏み躙った者達の痛み
燃やしたものの重みは、……わかる事を願うよ
動き回る回るたびに湧き上がる水が跳ね、その底に沈む土と、もう誰に役にも立てない麦の尊さに心を痛め。
それでもなお【水源】の力を求めてやまないのは、『血の乙女ルサルカ』に炎を操るパラドクスがあるから。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はレイラに続く。
「燃やすにはあまりにも儚く、培われた物はあまりにも重く……。――貴女に理解など及ぶまい、無知蒙昧の姫君よ」
穹色の瞳に軽蔑の色も混ぜて『血の乙女ルサルカ』を見据えれば、
「そんなもの、理解したくもないわ」
かの姫君は頬を膨らませてプイッとそっぽを向いてしまう。
「だろうな。……貴女はあまりにも、人について知らない」
その態度にわずかに落胆はするが、傷つくことはない。
エトヴァは、ディアボロスは知っている。
人間には、こんな絶望の淵に立たされたとしても、また希望を見出し立ち上がる強さがあることを。
「――躍り、歌え、清らの流れに」
その姿を強く思い描いて『Das TOR Der Gedächtnisse』を空間で踊らせ遊ばせれば、筆先から生み出されるのは青みを帯びた透き通る、聖なる水流。
だがこの水流はただの水の流れではない。
まるで自由意志を持つかのようにたぷんとうねり、その様は躍動する蔦植物の如く。
その本流は確かな鎖のように『血の乙女ルサルカ』を絡め取った。
「っ!! 何、これっ!」
水の流れはぐっと『血の乙女ルサルカ』を縛りつけ、身動きを封じる。
その間に支流はさやさやと音を立てながら、新たに炎に抱かれ燃える麦の穂を優しく包み、眠りに落とす。あるいは、今もそこに力強く立つ麦の穂に雨の如く潤いを与え、これから襲うであろう業火に倒されない恩恵を与えた。
だが『血の乙女ルサルカ』は、甲高い叫びをあげたかと思ったらその水の蔦を引き千切り、渾々と沸く水源の上に倒れ込んだ。しかしすぐに、その気の強そうな表情をエトヴァに向けると、スッと立ち上がるなり弓を引く動作をとってみせる。
すると、その過程でチリチリと小さな音を立てて生み出されるのは強靭な氷の矢。
「私は間違ってなんかいないのに、……ディアボロス如きがこの私にお説教なんて身の程知らずだわ!!」
夜を劈く叫びと共に撃ち放たれたそれは、ウクライナの冷たい夏の空気をさらに凍らせながらエトヴァに迫った。
エトヴァはすぐさま荊の魔力障壁を展開して自身の身を守りつつ、銀色のタワーシールドを正対に構えると、その矢の軌道を逸らして告げる。
「貴女が感じる痛みは、貴女が踏み躙った者達の痛み。燃やしたものの重みは、……わかる事を願うよ」
今は傲慢な彼女だが。その生が終わるその瞬間にわずかでも自分が犯した罪の重さを理解してくれたら。
青水晶の絵を持つ絵筆を構えながら、エトヴァはそう願わずにはいられなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】がLV3になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
括毘・漸
邪魔をしたぁ?
そりゃあ邪魔をするでしょうよ、人々が住む大地を焼き、生きるために必要な麦を踏み潰し、命を奪う所業をみすみす見逃す訳いかないでしょ。
それを邪魔というならば、ボクらも人々の安寧を『邪魔』する貴女を討ち取らねばなりません。
銀のサーベルを咥えなおし、両手のナイフを更に強く握り込み、姿勢を前傾させ、猟犬が地を駆るかのように焼けた大地を駆け抜ける。
距離を詰めていく中で、【ティフォンの子】を発動させ、どこまでも伸びて獲物を追い詰める炎の竜を呼び起こしルサルカの周囲を囲むようにし、燃え盛る炎の中から強襲し身に携える三振りの刃で斬り裂き、その血を散らせる。
どこに居ようが、追い詰めます。
どんな手を使おうが討ち取ります。
それを成すのがディアボロスです。
敵の攻撃に対しては、炎と吹雪の対消滅が起きる前に炎の竜巻の方に炎の竜を突っ込ませて、対消滅のバランスを崩して威力を下げさせます。
【反撃アップ】の力を借りて、対消滅を受ける中でも足を動かして、炎の竜が残した軌道をなぞり、斬撃を放ち、敵を斬る。
「忌々しいディアボロス……わたしの邪魔をした報いは必ず!!」
「邪魔をしたぁ?」
夏の夜風に響く『血の乙女ルサルカ』の言葉を遮って声を上げたのは、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)。
「そりゃあ邪魔をするでしょうよ、人々が住む大地を焼き、生きるために必要な麦を踏み潰し、命を奪う所業をみすみす見逃す訳いかないでしょ」
何を言ってるんだ? と言わんばかりに蔑んで、漸は続ける。
「それを邪魔というならば、ボクらも人々の安寧を『邪魔』する貴女を討ち取らねばなりません」
そう告げるとオレンジの瞳を細めて再び銀のサーベルを咥え直し、今一度両手のナイフをさらに強く握り込むと、姿勢を前傾させた。
鼻腔を刺激するのは、ディアボロスが湧き出させた水の柔い香り。
だが、確かに混じっている。
焦げた麦の香ばしさの中に焦げ臭さを纏わせる匂いに、人の肉体の焼けた嫌な匂い。
そして、噎せ返りそうな血に匂いが。
両手に握ったナイフを沸き立つ水底に突き立てて駆け出せば、その姿はまるで猟犬。
――我が牙は三首だけに非ず。我が殺意は刃だけに非ず。
水飛沫を上げて距離をつめる最中で唱えれば、背から後ろに立ち上るのは尾――いや、巨大な炎の竜。
竜は『血の乙女ルサルカ』をぎろり睨み、逃すまいと囲い追い詰めるけど。
暴虐の姫君を狩るのはこの炎の竜ではない。
いつの間にか水辺から飛び上がり、三本の刃をその喉元へ突き立てる猟犬こそが真の狩人。
漸は燃え盛る炎の中を潜り抜け、荒々しくも研ぎ澄ました三振りの刃の斬撃をお見舞いする。
刃は確実にその白い肌を斬りドレスを割くと赤い血を吹き出させ、彼女の喉から激痛の叫びを引き出した。
その叫びを背に水の中へと着地した漸は口に咥えていた銀のサーベルを外すと振り返り、自身の体を抱き痛みに震えるその背に告げる。
「どこに居ようが、追い詰めます。どんな手を使おうが討ち取ります。それを成すのがディアボロスです」
その言葉を聞いた『血の乙女ルサルカ』は、身震いを起こしながら吹雪と炎の竜巻を発生させる。
「……ディアボロスの分際で、私を討ち取ろうなんて……身の程が過ぎるわ!」
叫びに呼応して威力を増す武武器と炎。
だが漸が取ったのは、自身の炎の竜を竜巻の方へ突っ込ませることでバランスを崩させ、対消滅を発生させることを防ぐ作戦。
パワーバランスが崩れた炎は天を焦がし、吹雪だけが轟々と吹き荒れる。
漸はそれを防御体制でぐっと耐えてみせる。
それが未だ聞こえる悲劇の歌を消す唯一の方法ならば――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
イシュア・アルミゴス
OKOK、熱くなるなよルサルカ。君は何も間違っちゃないよ。
やりたいようにやっただけだろ?だから僕もやりたいようにやる。
痛めつけるのが好きなんだろう?僕も大好きだ。クロノヴェーダ相手だと、特にね。
さあ踊りなよルサルカ。付き合えないなら…分かるだろう?
ライドスコルピオを走らせ敵の周囲を回りながら攻撃の機会を伺う。
仲間と連携し隙を見せたら急接近し、前輪を浮かせ勢いよく叩きつけ拘束。
電撃を纏ったタイヤを回転させ敵を削りながらセルケトテイルを取り出し串刺しに。
赤が好きなんだろう?染めてあげるよ、君の血で。
敵の攻撃はアヌビスの守護で体を守り被害を減らそう。
炎と吹雪が接触する僅かな隙を走り抜け可能なら範囲外に
離脱したいけどそこまで甘くはないよね。
終幕は近いよ血の乙女。恐怖による従属、だっけ?
今君が感じているのは怒り?それとも恐怖?足掻いて藻掻いて乗り切ってみせな。
君の場合、その先に居るのはディアボロスだけどね?
猟犬が駆け回れば、機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』もまた、ウクライナの夜を吠えながら戦場を駆け回る。
「OKOK、熱くなるなよルサルカ。君は何も間違っちゃないよ。やりたいようにやっただけだろ? ――だから僕もやりたいようにやる」
紫と黒を基調としたマシンに跨るイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は、彼女の意識の乱れを攻撃の契機とし、その時を待っていた。
「痛めつけるのが好きなんだろう? 僕も大好きだ。クロノヴェーダ相手だと、特にね」
「……ディアボロス如きに、私が倒されると思って!?」
イシュアに血のように赤い視線を投げながら怒号をあげる『血の乙女ルサルカ』に、
「思うよ」
と短く、嘲笑を含んだ言葉を送り。
イシュアはマシンの前輪を浮かせる。
「さあ踊りなよルサルカ。付き合えないなら……分かるだろう? ―― 蠍の一撃ご覧あれ!」
唱えれば浮き上がった前輪に雷撃のスパークルが宿り、スロットルを回せば一瞬でそのお綺麗な体を叩きつけてやる。
「……ぐっ……」
雷撃と重みで声も出ない『血の乙女ルサルカ』。
イシュアは構えていた対物貫通生体槍尾『セルケトテイル』を天高く掲げると、その鋒一点を凝視するその姫君の腹めがけて思い切り突き立てた。
『血の乙女ルサルカ』の声にならない声と血が吹き上がるが、そんなのはどうだっていい。
「赤が好きなんだろう? 染めてあげるよ、君の血で」
メットの中で目を細めるが、すぐに地面に倒している相手の目線がぎろりと鋭く光ったが刹那、吹雪と炎の竜巻がイシュアをマシンごと吹き飛ばした。
ゆらり立ち上がる『血の乙女ルサルカ』は自身の腹から滲む赤を愛おしく撫で、フィールドバリア『アヌビスの守護』で体を守るイシュアを見据える。
「……赤は好きよ。けど、わたしが好きなのは、人間とディアボロスの血の赤よ!!」
彼女の激情は冷たく熱く激しく燃え盛り、炎と吹雪のわずかな隙を見出すイシュアの皮膚さえ切り裂き焼いた。
流石に反撃から離脱はさせてくれそうもない。
イシュアはなるべく致命傷を喰らわないように耐えながら、
「……けど、終幕は近いよ血の乙女。『恐怖による従属』だっけ? 今君が感じているのは怒り? それとも恐怖? 足掻いて藻掻いて乗り切ってみせな」
と、告げるが。
こうも予言する。
「君の場合、その先に居るのはディアボロスだけどね?」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
ヴェルチ・アリ
ふぃー、ようやっと届いた。まったく、こっちは貴方の綺麗な炎が貰いたいだけだってのに。綺麗な赤い炎、素敵ですよね。わかりますよ、ウチだってよくそういった炎は使うもんですから。
だけどまぁ…ちょっと趣味が悪いかなー。折角の綺麗な炎なのに、そこが残念過ぎる。いやほんとに。
だからこそ。寄越せ、お前のその炎を。お前には、ちょっともったいない。
【火炎使い】を使い、相手の火炎を超える灼熱をもって呑み込み、焼き払う。
【殺気】と【薙ぎ払い】と【両断】を使い、炎の刃を操り、確実に相手を斬り裂くタイミングを見計らい、高熱をもってぶった斬る。
【熱波の支配者】を使い、相手の氷雪攻撃に合わせて対抗使用、少しでもその被害を減らす。
チェルノボグ…えぇと、この土地の神話の、死神さんだっけ?いいね、その名を冠するのも納得の、好い炎だ。
だけどさぁ…うん、やっぱなっちゃいない。
本当の炎を、教えてやろう。
紅に燃え盛る炎の刃を、蒼に染め上げ、一気に斬り伏せる。
アドリブ、絡みを歓迎します。
実力では明らかにジェネラル級ヴァンパイア『血の乙女ルサルカ』の方が上であった。
しかし、確実に押されている。
それを『血の乙女ルサルカ』は理解できずにいた。
イシュアに貫かれた腹はもうすっかり赤の色しか無くなった。
「……なぜ? なぜなの? 私がディアボロス如きに負けるわけないじゃない!!」
叫びの呼応する荒れ狂う吹雪と炎の竜巻は、また対消滅を発生を狙う。
が、巻き起こる炎にポーズだけ防御して見せながら、ヴェルチ・アリ(GE-■■・SOL■■×××・g03614)はグリーンのレンズの瞳を嬉しそうに細める。
「ふぃー、ようやっと届いた。綺麗な赤い炎、素敵ですよね。わかりますよ、ウチだってよくそういった炎は使うもんですから。チェルノボグ……えぇと、この土地の神話の、死神さんだっけ? いいね、その名を冠するのも納得の、好い炎だ」
だが、嬉しそうな表情はやがて軽蔑に変化していく。
「だけどまぁ……ちょっと趣味が悪いかなー。折角の綺麗な炎なのに、そこが残念過ぎる。いやほんとに。……うん、やっぱなっちゃいない。まったく、こっちは貴方の綺麗な炎が貰いたいだけだってのに」
自分の思考を口に出しながら、ヴェルチの利き手に現れるのは、高熱度の青い炎の刃。
それは『血の乙女ルサルカ』が操る赤よりも熱い。
「……さっきから何を言っているの……? 私の対消滅とやり合おうっていうの?」
信じられないとばかりに顔を顰める『血の乙女ルサルカ』に対し、【熱波の支配者】を纏ったヴェルチは冷徹に微笑んだ。
「――あぁそうさ。だからこそ。寄越せ、お前のその炎を。お前には、ちょっともったいない。本当の炎を、教えてやろう」
対消滅の衝撃が、ヴェルチの体を痛めつけていないわけではない。実際衣服は破れ、機械の体に大きく傷が入っている。
だがそれ以上に、敵の紅を青で染め替えている快感が勝る。
「――焼き、斬る!」
それを大きく振り下ろせば、青い炎は『血の乙女ルサルカ』の体を灼く業火へと変わるだろう。
灼熱の炎に斬られ金切り声をあげた『血の乙女ルサルカ』は、咄嗟に吹雪と足元を流れる水に体を浸した。
そして焦げた顔を上げるなり、言葉なくヴェルチをぐっと睨みつけた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
イオナ・ガルバローゼ
連携アドリブなど歓迎です
言葉は通じても会話はできそうにありませんね。
どのような悪党にも一抹は敬意を払って来た積もりでしたが
ただ破滅を楽しむだけの者は真に度し難い
軍神の名を唱えてする事が弱者をいたぶる事とは
トリグラフも哂っているでしょう
一応【寒冷適応】を使用
防御を無視する氷の矢と言うなら防御はするだけ無意味
攻撃を受けようとせずに、最悪致命的なダメージのみ受けないよう
相手に攻撃を届かせる事を考えて行動します
【命中アップ】を掛けた【Explorer Series】に【ダメージアップ】を乗せて使用
【ロストエナジー】で少しでも体力を奪います
たとえクロノヴェーダが落ちる地獄があったとしても
貴女はどうせ償いを理解できない
せめて焼かれた人々と同じ苦しみを味わって死になさい
「……もう許さない、許さないわよディアボロス! 私を怒らせたことを、本当に後悔させてあげる!! ―― 勇敢なるトリグラフよ!」
ヴェルチの放った熱で溶けたティアラとベールを、乱暴に掴んで水の中へと叩きつけた『血の乙女ルサルカ』は、今一度、弓を引く仕草をして見せる。すると、また創造されるのは、強靭な氷の矢。
鮮やかなピンクのインナーカラーの長髪を冷たい夜風に靡かせながら、イオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)は絶望を望むその姫君の主張を聞いていたが。
「……言葉は通じても会話はできそうにありませんね」
と、心底嫌悪したように赤い瞳を細めた。
どのような悪党にも一抹は敬意を払って来たつもりだ。だが。
「――ただ破滅を楽しむだけの者は、真に度し難い」
呟きながら効かせるのは【寒冷対応】。これでこの肌寒いロマノフの気候にも少しは耐えられるようになった。
しかしもう一つ、この効果を効かせる狙いがある。
「それに、『軍神』の名を唱えてする事が弱者をいたぶる事とは、トリグラフも哂っているでしょう」
呆れた呟きは、『血の乙女ルサルカ』の鼓膜を揺るがした。
「っ、うるさいうるさいうるさーい!!」
叫びながら弦を離せば、氷の矢は空地を凍らせながらまっすぐにイオナを射抜きにやってくる。
防御を無視する氷の矢。しかも攻撃であるならば防御は無意味。ならばせめて致命傷を喰らわないように極力矢を躱すように立ち回った。
すると、氷の矢はイオナの腹を掠めて血が吹き出る。しかし、激痛は感じど冷たさをあまり感じないのは【寒冷対応】のおかげだろうか。
その脇腹から吹き出た血を紅蓮に燃える薔薇の花に変えながら、イオナは『血の乙女ルサルカ』を見据えて告げる。
「――わたくしの血の最後の一滴まで、ご主人様の薪となります」
すると、イオナの血でできた炎の薔薇はさらに激しく咲き誇るとともに、灼熱の花弁を吹き上げる嵐が巻きおこり。
「……こ、こんな炎は認めないわ。私の炎より美しいなんて
……!!」
と狼狽える『血の乙女ルサルカ』を翻弄し、火で囲んでいく。
イオナは叫びをあげる彼女が炎に包まれていく様を赤い瞳で静かに見据えた。
「たとえクロノヴェーダが落ちる地獄があったとしても、貴女はどうせ償いを理解できない……」
ならばせめて。
イオナは水に横たえられている農民の遺体に目を落とし、また炎の只中を見つめた。
「――焼かれた人々と同じ苦しみを味わって死になさい」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
フルルズン・イスルーン
氷のゴーレムくん投入!
うーん中立派閥は質の差が激しいのかな? 未だディアボロス如きと言われているのだ。
断片の王の方針が放任だからなのかどうなのか。明確なビジョンが薄いからねぇ。
まあ、より肝を冷やしてやろう。グレイシャー・ゴーレム!
【アイスクラフト】設置!
このゴーレムくん接近戦仕様だからね。このように三次元機動力の高さを稼ぐのだ。
ジャンプ台を用意して、飛んで引き撃ちできる遠距離系ヴァンパイアノーブルに対抗だ。
このジャンプ台もゴーレムくん専用でもなく、味方への支援にも使えるしね。
そして、氷河のゴーレムくんは盾を構えて突撃!
どう見ても至近戦向いてなさそうな嗜好とパラドクス構成だし、近接攻撃役を数揃えて距離詰めて追い詰めていくのが堅実と見た!
それに盾を構えててもこのゴーレムくんは遅くはないのだ。
躯体が氷だからスケートのように滑って進める。消火や【水源】なりで周りが水浸しだしね、速度を出せる条件は整っている!
速度を載せた氷の剣で滑らかに刃を差し込もう。
ボクは畑の保全かな。苦労のないお嬢様は全く。
イオナや仲間たちと『血の乙女ルサルカ』の激闘を目の当たりにしながら、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は一つの可能性を考察していた。
「中立派閥は質の差が激しいのかな?」
呟きの発端は、『血の乙女ルサルカ』が未だ、『ディアボロス如き』と口走ってることに由来する。
ほら、いまだに、
「私がディアボロス如きにやられるはずないわ……!」
と、喚いている。
「断片の王の方針が放任だからなのかどうなのか。……明確なビジョンが薄いからねぇ」
うーんと悩んでいても仕方ない。
今はこの暴虐の姫君を倒さねば。
「まあ、より肝を冷やしてやろう。グレイシャー・ゴーレム! ――氷のゴーレムくん投入だ!」
紫色の緩い三つ編みを揺らしながらフルルズンが声をあげると、氷結魔法の構築から具現化されるのは、氷の剣と盾を携えて複合装甲の鎧を纏った永久凍土のゴーレム。
同時に出現させるのは【アイスクラフト】由来の氷の立方体。
これを踏み台やジャンプ台にして、グレイシャー・ゴーレムが『血の乙女ルサルカ』と戦いやすくしたのだ。
「いくよ、ゴーレムくん!!」
ゴーレムの方に乗り、青い瞳で『血の乙女ルサルカ』を見据えたフルルズンが意気揚々と声を上げれば、グレイシャー・ゴーレムは氷の立方体を上り、その巨体からは想像もできないほど素早い動きで『血の乙女ルサルカ』に接近していく。
躯体が氷でできているので、滑って進めるのだ。その上、ここ一体は消火作業て使用された【水源】により、大量の水が湧き出ている。
故に、グレイシャー・ゴーレムの速度はいつもの比ではない。盾を構えながら振り上げた氷の剣で『血の乙女ルサルカ』に迫れば、その赤く傷だらけの体に氷の刃を突き立てた。
「……!!」
その衝撃で口から赤い血を吐いた『血の乙女ルサルカ』。さらにゴーレムが氷の刃を引き抜けば、腹からも大量の血が水に流れ落ちる。
「……っ、ありえない……。私が、ディアボロスに、殺されるなんて……!」
重傷を負いながらも弓を引く仕草を取った『血の乙女ルサルカ』の標的は、グレイシャー・ゴーレムの方に乗るフルルズン。
「ゴーレムくん、このままここに止まってて!」
フルルズンはグレイシャー・ゴーレムに指示を出すなり、その体と盾の間に入り込んで氷の矢をやり過ごす。
万が一守りが無視され、盾が崩れた時は、ゴーレムの股座から後ろへ回ろう。
「……苦労のないお嬢様は全く……」
猛攻の中で呟いたフルルズンだったが、『血の乙女ルサルカ』の撃破を終えたらやりたいことがあった。
それは、ここの畑の保全。
決戦は、その目標まであともう少しという段階まで来ていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

白石・明日香
いかにもな典型的なお貴族お嬢様か・・・まぁ、やることは相手が誰だろうと変わらない。
それじゃあ、行こうか。狩りの時間だよ。
狙うはルサルカの首、それを目指して一直線に行く!
先手を打つ為には彼女が反応する前にダッシュで懐に潜り込み周囲の死者の呪詛を取り込んで強度と切れ味、リーチを伸ばす感じで武器改造して捨て身の一撃でその首を叩き落す!
巻き起こる吹雪の渦は流れる血を炎に変えて斬り祓い続けるよ!
気休めだろうけど直撃を食らうよりはましだしね。
血の雨は綺麗だよねぇ・・・流すのが誰であれ鮮やか赫は変わらない。
貴方もそう思うでしょ?
半ば発狂乱でフルルズンに反撃する『血の乙女ルサルカ』を、白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は愛刀を構えながら紫の瞳で冷静に見つめていた。
「なるほど、いかにもな典型的なお貴族お嬢様か……」
人々を絶望で統べることに執着し、ディアボロスを罰することに躍起になる、我儘娘とは、まさに彼女のことだろう。
だがやることは相手が誰だろうと変わらない。
「それじゃあ、行こうか。狩りの時間だよ」
自分に発破をかけるように言葉にして、明日香は桃色の髪を靡かせながら水を跳ね上げ走り出した。
明日香が狙うのは、フルルズンへの反撃を終えてゴーレムの盾を蹴って後ろへ飛んだ『血の乙女ルサルカ』。
いや、彼女ではない。
彼女の『首』だけ。
それしか目指してはいない。
先手を打つためには『血の乙女ルサルカ』が自分を認識し、攻撃体制に入る前に懐に入り込む必要がある。明日香はさらに走る脚に力を込めるが、その殺意と狂気と絶望で爛々と輝いた赤い瞳が、ぎろりと自分を見据えた。
間に合うか――?
否。間に合わずとも、一直線に行く!!
明日香が、今まさに吹雪を生み出さんと腕を広げた『血の乙女ルサルカ』の懐に入り込めたのは、半ば執着と言えよう。
その上で自分の腹を愛刀で突き刺せば、刀は明日香の血を纏いさらに強靭な刃へと姿を変えた。さらに『血の乙女ルサルカ』に虐殺された人々の呪詛も取り込めば、愛刀は明日香自身も驚くほどに強靱に凶悪に大きくなった。
だがこれで、この絶望を終わらせることができる。
自分の得物を目の当たりにして絶望の表情を見せる、このヴァンパイアノーブルの死を以って。
「……この私が、ディアボロスなどに……! そんな事があって良い筈が無い……! ……ドラキュラ様ぁっ――
……!!」
そう叫びながら『血の乙女ルサルカ』は首を横に振るけど、明日香は口端から血を垂らしながらも口角を上げると、さらに伸びた刀を迷いなく横へと一気に振り抜いた。
肉と骨を断ち切る感覚が、柄を握る手に、腕に、脳に伝わってくる。
しかしその首を落としてもなお、反撃の荒れ狂う吹雪の渦は、『血の乙女ルサルカ』の首から噴き上がる血と共に明日香を敵を飲み込まんと吹き荒れた。
それを自分の腹から流れる血を炎に変えて、愛刀で斬り祓い続ければ。やがて彼女の体が斃れることを以て、ウクライナの夜空は晴れていく。
「血の雨は綺麗だよねぇ……流すのが誰であれ、鮮やか赫は変わらない。貴方もそう思うでしょ?」
もう反応すらできないか。
傷を負いながらも明日香は、愛刀を振り下ろすと水の中に伏したその亡骸に目を落とし、また口角を上げて微笑んだ。
この戦いに尽力したディアボロスも彼女の死を確認すると、向かうのは先ほど救助した人々の元。
先ほどまで赤赤とした炎に包まれていた畑に響くのは、清らかな水が流れる音だけ。
【悲劇感知】による悲しみの歌はもう、誰の耳にも聴こえなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【断末魔動画】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
最終結果:成功 |
完成日 | 2024年08月31日 |
宿敵 |
『血の乙女ルサルカ』を撃破!
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