リプレイ
クロエ・アルニティコス
アルタン・ウルク。三国志の奪還戦でも辛酸をなめさせられましたね。
ヤ・ウマトの報告では1匹の侵入を許すと集まってきて群れを成す、単体、あるいは少数の内に発見して撃破するのが肝要……ということでしたか。
既にある程度群れを作られているのは面倒ですが、あの時に見た「超大型」のような個体がいないのならば、倒せない相手ではないはずです。
亜人型は新たな能力もあるかもしれません。
敵の性質は詳細不明ですが【光学迷彩】はいずれにせよ役立つはずです。
パラドクストレインを降りたら哨戒を開始、進む方向は前回の偵察と同じく北東、アルタン・ウルクの領域へ向かって。
一面が土色の地域です。同じ色のマントを着てフードを被り、体を低くして哨戒を行います。
少なくとも前回は隠れて奇襲などは行わず堂々と闊歩していました。
近くにある細かな隠れ場所よりも周囲の地平線を注視し、遠くからアルタン・ウルクを発見できるように努めます。
報告書は読みましたが……さて、実戦はどうでしょうか。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
新しい姿のアルタン・ウルクか。特殊な能力とかないとありがたいが、そうも言っていられないよな
できるだけ静かに気づかれないように移動しよう
【行動】
仲間とは先に見つけた際の合図を決めておき積極的に連携していく
残留効果も使えるものは全て使う
外套を地面と同じ色に揃え
非常時には被って隠れられるように盾も同色に塗って背負い
逆に敵から見つからないように体勢も低くし注意する
光学迷彩を借りて行動し
完全視界も発動させて周囲の哨戒に当たる
定期的に地面に耳を当てて
音や振動でも探すようにしよう
音は空気上を進むと減衰するが
地面ならあまりないはずだ
大型亜人の体躯と同等なら伝わる音も大きいはずだ
仲間から発見の合図があれば
盾をジェットボードに変形させて急行する
必要なら臨機応変に対処する
喩・嘉
幸児(g03876)と共に行動する
※アドリブ・連携歓迎
土色のマントにフードを被り、【光学迷彩】を活用させてもらい、敵から一方的に発見される確率を下げる。
最終的には敵はわらわらと集まってくるだろうから、向こうから寄ってきてくれるのならば手間が省けるかもしれないんだけどな
さらに【完全視界】を使わせてもらい、周囲をよく観察して敵を見つけよう
羽扇を振るって「王佐土砂計」を使用し、【泥濘の地】を活用。
『亜人型アルタン・ウルク』の移動速度を下げる。
一帯の敵の動きを阻害すれば、向こうの行動範囲が狭まる分見つけやすくもなるだろうし、今後敵に囲まれにくくもなるだろう。
俺たちが先に敵を見つけた場合、仲間を呼ぶための時間も稼ぐ。
仲間への連絡は幸児に任せる。
……しかし、人型になったことでいっそう醜さが際立つ見た目をしているなと思う
とっとと倒してしまおう。掃討戦だ。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に行動するぞ
※アドリブ・連携歓迎
亜人型のアルタン・ウルクかあ
嫌な予感しかしねえが、どんな連中なんだろうな
事前に【パラドクス通信】の通信機代わりの紙符を
同じ電車に乗る皆に配っておく
喩嘉とおそろいで土色のマントにフードを被り、【光学迷彩】の力も借りて敵に先に発見される確率を下げておくぞ
皆と情報を共有して手分けして哨戒しながら
【完全視界】の力も借りて周囲を注意深く観察するぞ
ときどき地面に耳をつけて、振動を感じたり足音が聞こえねえか確認しよう
連中は群れで移動してるし、身を隠すつもりもねえみたいだからな
敵群を発見したら、すぐパラドクス通信で仲間たちに連絡だ
それから喩嘉と一緒に【泥濘の地】を使って連中の行軍を遅らせながら、皆と合流するまで時間を稼ぐぞ
実際に亜人型アルタン・ウルクの姿を目にしたら
思わず顔を顰めちまう
きっと、想像してたよりもっとずっと嫌な感じがするだろうから
ああ、とっとと倒しちまおう
…あいつらは
どのディヴィジョンにも、どんな土地にも、踏み込ませちゃいけねえ存在だ
飛鳥・遊里
【動力甲冑装備】
「さてさて、やっこさん達はどう動くかな…」
俺の知る限りの、どの生物とも類似性が見られない…つまり、どんな行動をし何に反応するか推測できない。厄介だな
まず荒野の砂塵の対処として、【マルチレーダー】と【完全視界】の効果を合わせ索敵を快適にし、荒野の岩陰に隠れながら連中を捕捉するための網を張りつつ、連中の行軍の痕跡を探す。あわせて、【スーパーGPS】を使いながら荒野で迷子にならないように地図のマッピングも担当。レーダーと地図の情報は仲間と常に共有できるようにしておく
足跡を辿るのが一番手っ取り早いだろうが、砂塵で薄くなってるか消えてる可能性もあるので、別のアプローチとして、何かを破壊した痕跡がないかを探してみる
具体的には、行軍の障害となるような大きな岩とかが破壊された跡がないかを探してみる。もちろん、避けて進めば済むようなものも多いだろうけど、目につく障害は些細なものでも徹底的に排除するような連中なら痕跡が見つかる可能性は十分ある
鬼が出るか蛇が出るか…あるいはもっと悍ましいものか
イラン北東部、ホラーサーンの地。
融合世界戦アルタン・ウルクの侵攻が行われた激戦地に広がるのは、見渡す限りの荒野であった。
一面が土色に染まった大地に生物の気配はおよそ無く、北東から吹く風は濁った空気を帯びている。その先に居るであろう異形どもの群れを、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は先程から探っていた。
「ふむ……流石にまだ、それらしい敵影は見えませんね」
周囲の景色に溶け込むマントとフードに身を包み、身を低くした態勢で周囲を哨戒するクロエ。
そんな彼女が探しているのは、先の調査において存在が確認された未知の敵――アルタン・ウルクの亜人形態である。
「アルタン・ウルク。三国志の奪還戦でも辛酸をなめさせられましたが……」
「奴らも大概、訳の分からん連中だよな。《七曜の戦》の頃に比べれば分かって来た情報も多いとはいえ、まさか新しい姿に進化するとは……」
クロエと共に周囲を哨戒しながら、荒田・誠司(雑草・g00115)が眉を寄せる。
これから彼らが向かうのは、アルタン・ウルクの領域に近い北東のエリアだ。蹂躙戦記と融合世界戦の境界に近づくほど、遭遇する確率は上がる可能性は高い。そうして敵をいち早く発見、襲撃を仕掛けることが復讐者たちの目的だった。
(「時先案内人の話じゃ、奴ら、進化の途中かもしれないって話だが……特殊な能力とか無いと有難いな」)
未知の要素が多い敵だけに、誠司は常以上に慎重だ。
哨戒活動においても、出来得る限り気づかれない工夫は欠かさない。直に刃を交えてこそいないが、アルタン・ウルクとの戦いは既に始まっているのだ――そう彼は考えている。
「さて。そろそろ、他の面子も準備が出来た頃合いか?」
残留効果で出現した紙符型の通信機を取り、回線を開く誠司。
そこから流れて来たのは、パラドクス通信を発動した守都・幸児(祥雲・g03876)の声であった。
「こっちはいつでも行けるぞっ。途中までは別行動になりそうだけど、よろしくなっ!」
「了解だ。連絡が取り合えるのは、此方としてもありがたい」
そうして別動隊の仲間と連絡を取り終えると、誠司はクロエに視線を向けた。
「よし、こちらも行くとするか」
「そうですね。敵を見逃さず、着実に進みましょう」
景色に溶け込む衣服に身を包み、復讐者たちは荒野を歩き出す。
その先に待つ、未知なるアルタン・ウルクの群れを探し出すために――。
照りつける太陽の下、延々と続く静寂の大地。
殺風景な景色に満ちたホラーサーンの荒野を、復讐者たちは気配を殺しながら進み続けた。
クロエが発動した光学迷彩で身を隠し、砂嵐が起これば誠司の完全視界で視野を保ち、未だアルタン・ウルクの姿は見えぬまま、時間だけがじりじりと流れていく。
「さてさて。やっこさんたち、どう動くかな……」
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は動力甲冑に身を包み、道中の岩陰に身を隠しながら地上を進んでいた。
彼が手にした地図にはスーパーGPSの効果によって、現在位置がリアルタイムで表示されている。示された情報をもとに仲間たちを通信機でナビゲートしながら、足並みを揃えて哨戒を続行する遊里。誠司同様、先程から発動している完全視界の効果もあって、周囲の景色はクリアな状態を保っている。
「地面に足跡でも残ってればと思ったんだが……さすがに、そうすぐに手掛かりは見つからないか」
どこまでも続く平らな大地を見渡して、遊里の口から小さな溜息が洩れた。
哨戒の道中、岩などにも破壊の痕跡がないか丹念に調べる彼だが、一見してそれと分かる痕跡は無い。どうやらこの作戦、思った以上の長丁場になりそうだ。
「亜人型のアルタン・ウルクか……相手が相手だけに、動きが推測できないのは厄介だな」
紙符型の通信機に遊里が呟きを洩らせば、返って来たのは誠司の声であった。
「全くだな。現状で分かっていることと言えば、放置すれば奴らがイスカンダルに押し寄せること……くらいか」
「せめて動きの規則性でも分かればな。哨戒ももう少し楽になりそうなんだけどな……」
そうして誠司と会話を交わしつつ、遊里は再び地図に眼を落とす。
すでに出発からそれなりの距離を移動しているが、怪しい異変は無い。念のために動かしているレーダーも、敵らしき影は一切映らないままだ。
(「鬼が出るか蛇が出るか……あるいはもっと悍ましいものか」)
熱砂をはらんだ風が吹き抜ける荒野、その地平線を凝視しながら、遊里は静かに牙を研ぎ澄ます。
情報のない敵は、時として明白に強大と分かる敵よりも恐ろしいものだが、怯むことは無い。いかなる相手であろうとも、クロノヴェーダである以上は排除するのみであった。
ナビを務める遊里から少し距離をあけた地点では、クロエもまた哨戒を行っていた。
目立つような変化は、いまだ周囲に見て取れない。警戒の目で全方位を見澄ましながら彼女が想いを巡らせたのは、今までに戦って来たアルタン・ウルクに関する情報である。
(「ディヴィジョン境界から侵入した類似のケースと言えば、ヤ・ウマトの作戦がそうでしたか」)
かつて朝鮮半島海域に出現した際の報告書の内容を思い出し、クロエは更に思考を巡らせる。
一体の侵入を許すと集まってきて群れを成す、アルタン・ウルクたち。彼らの撃退で肝要なのは、頭数が雪だるま式に膨れ上がる前――すなわち極少数のうちに始末することだった。
翻ってホラーサーンの場合、ある程度の群れが形成されていることは間違いない状況だ。面倒な戦いではあろうが、よほどイレギュラーな個体が居なければ、倒せない相手では無いはずだと彼女は考える。
(「前回の戦いで判明している敵の情報と言えば……集団戦法を利用した戦いでは、従来のアルタン・ウルクより強力らしいという点ですね。やはりそれも、進化によって得た力なのでしょうか」)
明滅する眼や鳴き声の特徴は亜人型も変わらないようだが、新たな能力を有していても不思議ではない。
進化中の可能性が指摘されているということは、いずれ更なる力をつける恐れも否定できないということだ。
(「奴らが亜人どもを何匹食い殺そうが知ったことではありませんが……巡り巡って最終人類史の災いになり兼ねない敵は、確実に始末しなければ」)
異形なるアルタン・ウルクの掃討は、確実に果たす。
その決意を胸に秘めて、クロエはさらに北東の方角へ進み続けた。
「こちら守都、異常なしだ。引き続き哨戒を続けるぞっ」
「飛鳥、了解。気をつけてな」
遊里との通信を終えた幸児は紙符を懐に仕舞い込み、後方の喩・嘉(瑞鳳・g01517)に頷きを送った。
今のところ、仲間たちの哨戒網にかかったアルタン・ウルクはいない状況だ。未だ収穫が無いのは幸児と嘉のチームも同様であったが、その点について幸児はさして悲観していなかった。
「朝鮮半島の時は、けっこう待ったからな。体が動かせるぶん、気も晴れるぞっ!」
「ああ。これで、もう少し涼しければ最高なんだが……な」
幸児に同意を返しつつ、嘉が額に滲んだ汗をぬぐう。
彼は今、他の仲間たちから少し離れた場所で、幸児と共に哨戒を行っていた。土色のマントとフードで身を隠し、光学迷彩で周囲に溶け込む行動も、むろん忘れてはいない。複数の敵が警戒しているような状況で潜伏しつづけるのは困難だが、それでも有ると無いとでは雲泥の差だ。
「亜人型のアルタン・ウルクかあ。嫌な予感しかしねえが、どんな連中なんだろうな」
「状況からして、融合世界戦から仲間を呼んでいることは明らかだろう。意思疎通が図れるか否かは……報告書を読んだ限りでは怪しいところだな」
「うーん、ますます気になるなっ。奴らがこれ以上好き勝手出来ないように、しっかり倒さないとな!」
そうして会話を交わしながらも、二人は着実に哨戒を続けていった。
完全視界を発動し、周囲に眼を光らせる嘉。その傍らで幸児は地面や岩に耳をつけ、足音が聞こえないか確認をしていく。群れで行動し、身を隠す気もない相手であれば、出現の兆しそのものを把握することはそう難しくない。後は、復讐者たちとアルタン・ウルクの根競べといったところだろう。
「つまり、こちらがしくじることはない――そういう訳だ」
羽扇を手に、嘉の眼が不敵な光を宿す。
アルタン・ウルクが強力な敵であることは、無論彼と幸児も承知の上だ。その上で最後に勝つのが自分たちであることを、嘉は毛ほども疑ってはいない。そのための罠も、嘉は既に用意してあった。
(「奴らの武器が数なら、俺たちの武器は作戦と連携だ。どちらが勝つか力比べといくか」)
地平線の彼方へ目を凝らしながら、嘉はその時を静かに待ち続ける。
ホラーサーンの地を今も跋扈する異形の怪物たちとの戦いが、遠からず始まることを半ば確信しながら――。
そうして、更に哨戒を続けること暫し。
前方から伝わって来た微かな異変に、先頭を行く誠司の足がふと止まった。
「待ってくれ。微かだが……声が聞こえる」
聞き耳を立てる、聴覚に神経を集中させる誠司。
程なくして遠方から風に乗って聞こえてきたのは、自然の動物には発し得ない、悍ましい唸り声であった。
『……ォォォ……』『……シュゴォォォ……』
(「引き当てたようだな。クロエ、見えるか?」)
(「ええ。間違いありませんね」)
そう言ってクロエが指さした先に見えたのは、群れを成して移動する怪物の群れだ。
地平線に映った影は、全部で5つ。その姿が、先の作戦においてホラーサーンで遭遇したそれと同型の個体であることを、クロエは即座に悟る。
アルタン・ウルク亜人形態――復讐者たちが探していた撃破目標に間違いない。誠司はいつでも攻撃態勢に移れるように、盾の『フェイク・プリドゥエン』を高速移動用に変形させると、仲間たちに連絡を送った。
「こちら荒田、準備OKだ。いつでも行ける」
「飛鳥、右に同じくだ。群れは今のところ一つか……応援が集まる前に、手早く撃破していきたいところだな」
岩陰に身を隠しながら襲撃のタイミングを計り、作戦の流れを組み立て始める遊里。
一方、嘉と共に行動していた幸児も、誠司たちに連絡を届けていた。
「守都だ、こっちでも確認したぞっ。どうだ嘉、見えるか?」
「ああ、見える。……何とも正視したくない見た目をしているな。人型の所為で、醜さがいっそう際立つ」
幸児の横で苦笑を浮かべながら、嘉は静かに羽扇を振るった。
間を置かず、彼を始めとする復讐者たちの周囲が、ふいに泥濘に変わり始めた。飛行できないアルタン・ウルクたちの速度を落とすべく、嘉が発動したのは泥濘の地。多数の群れを相手に戦う際、運用次第で大きな効果を発揮する残留効果だ。そうして泥濘が広まったことを確認すると、嘉は幸児にサムズアップを送ってみせる。
「これで、敵に囲まれにくくなるだろう。とはいえ効果レベルは1の段階、過信は禁物だがな」
「凄いなっ! この戦い、最初から有利に進められそうだっ!」
「戦いは、刃を交わす前から始まっているもの。それに気づかない連中が敵だったのは、ある意味で幸いだったな」
「だなっ。よし、泥濘の地のこと、他の皆にも伝えておくぞっ!」
そうして幸児が通信機で連絡を送る中、残る三人の復讐者たちも着々と襲撃準備を終えていった。
敵は現状5体のみだが、戦闘が始まれば応援が続々と現れるのは間違いない。遊里の言うように、いかに迅速に撃破できるかは今後の展開を大きく左右するだろう。
「どうやら、敵は私たちに気づいていない様子……この分であれば、うまく襲撃をかけられそうですね」
仲間たちと連絡を交わしながら、クロエは遠方のアルタン・ウルクたちを見遣る。
哨戒活動の成功によって敵を発見できた今、後は襲撃をかけるのみだ。程なくして全員の準備が整ったことを確認すると、クロエは仲間たちと息を合わせ行動を開始した。
「報告書は読みましたが……さて、実戦はどうでしょうか」
「どんな強敵だろうと負けはしないさ。トラップメーカーの力、伊達じゃないぜ!」
「初めて戦うタイプの敵か……少し緊張するけど、ここで退くって選択肢はないよな!」
「よし、準備OKだっ。喩嘉、いつでもいいぞっ!」
「では、とっとと倒してしまおう。――掃討戦の始まりだ」
嘉の言葉を合図に、復讐者たちが敵の群れへ向かっていく。この地から、お前たちを一掃すると告げるように。
ホラーサーンの地を跋扈する異形のアルタン・ウルクたち。彼らを掃討する戦いが、いま幕を開けようとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
飛鳥・遊里
【動力甲冑装備】
先手を取れたのは大きなアドバンテージだ。まずは派手に開戦の狼煙を上げるとしよう
「絶対零度弾、セットアップ!まずは面制圧を行う!」
パラドクス通信で味方に告げ、動力甲冑のウェポンベイからミサイルコンテナを展開する。【マルチレーダー】と動力甲冑の火器管制システムを連動させ、敵の群れをロックオンする
ロックオンが完了したら即座に【絶対零度弾】をぶっ放す!
狙いは、敵の殲滅よりも敵の行動を阻害、あるいは誘導することだ
凍結弾で凍り付いた対象はそのまま障害物となる。敵の先頭集団が氷の彫像になればそれを破壊するにせよ迂回するにせよ後続の行動を制限できる
仮に凍結に至らずとも、絶対零度にさらされて普通に動けるとは思えない。敵の反撃を【迎撃ビット】で対処しつつ、味方の行動機会を増やし、少しでもこちらの優位になるように動こう
「みんな聞こえるか?援護が必要なら要請してくれ。危ないところは優先処理する!」
敵の戦闘力は未知数だ。慎重に慎重を重ね、こちらの勝率を少しでも高めるるために最良の手段を考え続けよう
喩・嘉
幸児(g03876)と共に行動する
※アドリブ・連携歓迎
【泥濘の地】の活用を維持し、敵との位置取りに気をつけ、囲まれないように戦う。
周囲への警戒も怠らないようにし、新たな敵群が近づいてきていれば仲間に情報を共有。
羽扇を振るい、「氷紅華」を使用。
戦場の様子を見つつ、基本的には最も近い敵に対し
氷の花を放って確実にダメージを与えて倒していく。
侮れない相手だ。手を広げて被弾を増やすより、確実に仕留めて行ったほうがいい。
幸児がWIZかSPDで狙われていたらディフェンス。
単体攻撃を活かして、反撃でも敵を倒していく。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に行動するぞ
※アドリブ・連携歓迎
【泥濘の地】が途切れねえように気をつけながら
敵の動きに気を配って戦うぞ
目の前の敵を倒しても新たな敵群がいつ現れるかわからねえから気を緩めねえでおく
新たな敵群が出現したら【パラドクス通信】と大声ですぐ皆に報せるぞ
俺の使う技は「凍土氷槍」
敵の足元から氷の槍を生やして貫く技だ
氷の槍で敵の動きを乱して、包囲蹂躙を使おうとするところを妨害してやるぞ
連中は再生するから、なるべく千切るんじゃなくて貫くことを意識して攻撃する
敵も槍を使うから、間合いはあっちのほうが広いかもしれねえ
多少刺されるのは覚悟の上だ
食われそうになったら俺の硬い腕でも齧らせておいて時間を稼ぎ
とにかく氷の槍で連中の動きを止めてやる
止めておけば、喩嘉が仕留めてくれるはずだからな
喩嘉がPOWで狙われていたらディフェンス
反撃でも敵にダメージを与えてやるぞ
…こいつらの中にまだ亜人が入ってるのか
ただ形を真似てるだけなのか
どっちにしても気分が悪い
体が動く限り、目に映る敵を残さず殲滅してやる
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
取り込んだ亜人の姿を真似るだけでなく、亜人の意識は残っている、か
正直、気持ちの良い相手ではありませんね
更なる進化を遂げる前に掃討させて頂きますよ
宙に展開した鍵盤で「白の舞踏」を演奏
骨を鳴らして嗤う死神を喚び、ダメージアップの加護も纏わせ
先頭の亜人アルタンから地面へと引きずり込んでやりましょう
初撃は仲間とタイミングを揃え一斉攻撃
以降は体力の低い者を優先し撃破して数を減らすことを最優先します
包囲されぬ様、泥濘の地を展開し
撃破スピードが敵の補充に間に合わない場合は、徐々に後退して包囲を避けつつ掃討していきます
反撃には魔力障壁を展開して凌ぎます
以前は一人で戦いましたから、こうして此方も集団で戦えるというだけでも心強い
庇おうとする個体がいれば横やりをいれるように攻撃を仕掛けるなど、敵の連携を断つように心がけましょう
一番嫌なのは、亜人アルタンの情報が司令塔で集約されて、通常アルタンでも共有されること
指の動く限り、目につくアルタンは全て撃破できるよう踏ん張りましょうか
クロエ・アルニティコス
遠目では亜人に見える個体ですがこれも「アルタン・ウルク」。
トループス級が数体程度と侮れば痛い目を見るのはこちらです。
全員で確実に仕留めましょう。
【ハルピュイア・ヒペリカム】を使用、ハルピュイアを象った植物の怪物を作り出し、アルタン・ウルク亜人形態を襲わせます。
他の復讐者と標的を合わせ、ハルピュイアの鉤爪でアルタン・ウルクを引き裂かせましょう。
温存を考えてこの5体を倒さぬうちに次に合流されるのが最悪のパターンです。この場にいる復讐者全員でかかり、まずはこの5体を早期に。後続が現れたならまたそちらにも全力でかかり……という流れを狙いましょう。
【能力値アップ】に【命中アップ】【反撃アップ】で攻撃、防御バランス良く残留効果を残せています。
あとは敵の多さで押し切られないよう、【グロリアス】を準備。敵を撃破することで傷を癒し、なるべく多くの敵と戦い続け、撃破できるように。
飛来する盾のような部位はハルピュイアたちを盾にし、三相の杖で受け直撃を避けてダメージを軽減します。
気味の悪い動きを……!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
普通のアルタン・ウルクとは違って武器っぽい器官で攻撃するようになってるな
取り込んだ敵の攻撃方法以外まで真似るとしたら驚異的だぞ
復讐者が取り込まれたらとか考えたくもないな。
それじゃあ、これも喰らって味の感想を聞かせてくれよ!
【行動】
仲間とパラドクス通信で連絡を取り合いながら積極的に連携していく
残留効果は使用できるものは全て使用する
まずはパラドクスを使用して銃の形をしたバブルメーカーを製作する
そこから放たれるシャボン玉や泡は敵が触れると爆発する
仲間が触れても爆発はしないので乱戦になっても問題ないはずだ
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンで防ぐ
そのまま受け止めると衝撃が強く盾の耐久も持たない可能性があるから
攻撃が盾に当たった瞬間に大きく後方へ跳んで勢いを殺そう
必要なら臨機応変に対処する
柳・凛風
あーやだやだ、こんなのが大挙して押し寄せて来るなんて。
それにしてもほんとに真っ当な生き物なのかネ、コイツら。
擬態してるのか合体してるのか知らないけど、触るのヤだヨ。
お酒でも飲まないとやってらんないネ、景気付けヨ。
さて、とは言え嫌がってないで真面目に戦わないとこれはふつーに死ぬネ。
真面目にやってもワタシに出来るのはぶん殴る事だけだから、見つけ次第破軍衝で攻撃するヨ。
これなら触らなくても良いってワケ。
まぁどうせ反撃を受けるから同じだけどネ。
そこは扇とガードアップかなんかで受けて、なるべく傷付かないように頑張るヨ。
アイツに噛まれたら変な病気になったりしそうだもんネ。
ところで槍っぽい所や盾っぽい所にも目があるって事は、あそこも本体なのかネ?
どこ殴っても効くならありがたい話ヨ。
何にせよせっかく索敵してもらったんだし、合流して大きな群れになる前に絶滅させないとネ。
あ、ちょっと酔ってるけど判断力は落ちてないヨ?
酔拳ってヤツネ。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と密に連携
連携アドリブOK
先行の味方に合流し、敵が一群の間は攻撃を集中
周囲の警戒も気を配り、新手の群れが現れたらPD通信で報せよう
泥濘の地で僅かでも侵攻速度を落とさせつつ、距離を取り
PD通信で味方と連携
狙いを合わせ、一撃で倒せる>消耗した個体の順に仕留める
常に敵の動きを観察、誰かが孤立しないよう隙を埋めるよう位置取り
敵に連携の兆しあれば、注意を散らすよう角度を変えてPDの銃撃
ダメージ・命中アップで威力を研ぎ、確実に数を減らそう
敵の攻撃には、盾の巨大化をみたら
射出に備え魔力障壁で身を護り、タワーシールドを構えて弾き飛ばすように受け流す
盾を投げて生やすとは滅茶苦茶だな
盾の何たるかをわかっていない気もしてしまう
速攻で目の前の敵を片付ける事を重視しつつ
複数の新手が出現の際は、戦況を観察し、死角を護りあうように位置取り
泥濘の地で新手の群れの動きを鈍らせ、移動線をずらすように下がりつつ分断
挟撃や不意打ちを受けないように対処
いまだ変化の途中
姿形を真似ながら……性質もまた真似るものか
ラズロル・ロンド
亜人型アルタンと初顔合わせ
どんなやつかと楽しみ半分、恐れ半分
油断なく亜人型アルタン掃討の為に尽力しよう
エトヴァ(g05705)と密に連携を取り、補い合う行動を意識
亜人型の連携を崩す事に注力して戦闘
これまでのアルタンと違うなら
新たに応じた戦いをするのみだ
メイン行動は掃討だが、戦いの中からその特徴を観察
応援が続々と現れては困るので
【泥濘の地】でアルタンの集合を遅くする
減らすより集まる方が多くては直に不利になる
抑えれるものは抑えておきたい
エトヴァとタイミングを合わせ攻撃を仕掛け着実に数を減らそう
王佐土砂計でアルタンを分断するように押し流し
連携の阻害と合流も阻む
また阻まれたアルタンは何処を目指すのか指向性も気になる
戦闘集団の大小で鉾先は変わる?
反撃の巨大盾は正面からの直撃は避け横に受け流す動作と魔障壁でダメージを抑える
このアルタンはこの先どうなるんだろうな?
新たな形になるのか?それとも融合世界戦のアルタンになってくのか?
気になるね
蹂躙戦記イスカンダル、イラン北東部にて。
哨戒活動を成功に導いた復讐者たちは、出現したアルタン・ウルクへの襲撃を今まさに開始せんとしていた。
「……奴らが撃破目標か。しかし何というか、気味の悪い姿だな……」
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)の視線の先、動力甲冑のモニター越しに映るのは不気味に蠢く五つの影である。
全身を覆う触手と明滅する赤眼、そして全身のあちこちには鋭い角と大顎。加えて目を引くのは、獣めいた巨体の背から生える人型のシルエットだ。
人型の両腕は剣と盾のごとき形状に変形しており、武装した亜人のそれを彷彿とさせるもの。生物と呼ぶには余りに悍ましい怪物たち――それが、『アルタン・ウルク亜人形態』であった。
「何にせよ、先手を取れたのは大きい。まずは奴らを速攻で撃破しないとな」
「そうしましょう。温存を考えて倒し切れず、次の群れに合流される……というのは最悪のパターンですから」
遊里と共にアルタン・ウルクの群れを見遣り、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は頷いた。
敵の数はトループス級五体と少ないが、それを侮る者はクロエを含め一人もいない。敵群を上回る頭数を活かして初手で全力攻撃を浴びせ、速攻で撃破。そうして現れた後続へ、ふたたび全力攻撃を浴びせて撃破……というのが、復讐者たちの理想とする流れだった。
「アルタン・ウルクは数を活かした戦いを得意とする敵。である以上、その強みを封じながら戦いたいものです」
「同感だ。使える手は積極的に使わないとな」
クロエの言葉に、遊里が同意を返す。
ホラーサーンの一帯では、すでに亜人型のアルタン・ウルクが群れ成して跋扈している状況だ。戦闘を始めれば、増援は必ず現れるだろう。新手の合流を許さずに勝負をつけられるか否かは、この作戦における勝負どころと言って良い。
かくして遊里は動力甲冑のウェポンベイからミサイルコンテナを展開し、火器管制システムを連動。敵群のロックオンを開始しながら、通信機を介して仲間たちへ連絡を送った。
「援護は任せてくれ。アルタン・ウルクどもに、派手な奴を仕掛けてやろう!」
「頼りにしている。俺もひとつ、派手に暴れさせて貰おう」
トランク型発明品『トラップメーカー』を開けた荒田・誠司(雑草・g00115)は、パラドクスによって生成された銃型の武装を中から取り出した。
ラッパ型の発射口を持つそれは、バブルメーカーと呼ばれる特殊武装。クロノヴェーダにのみ影響を及ぼす爆発性の泡を大量に放射するものであり、集団戦闘で大きな威力を発揮するのだ。
「この武器なら、乱戦にもってこいだ。奴らを泡まみれの粉微塵にしてやるさ」
「私も加勢させて貰います。しかし、亜人型アルタン・ウルク……何度見ても悍ましい姿ですね」
救援機動力で戦場に駆け付けたソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、これより戦う敵の姿を眺めながら、その心中を吐露した。
彼は、イラン北東部で最初にアルタン・ウルク亜人型と接触した復讐者の一人だ。取り込んだであろう亜人の姿を真似た異形のアルタン・ウルクは、何度見ても生理的嫌悪感を拭いされるものではない。
これ以上跋扈を許さぬためにも、あの異形どもは確実に排除したいところだ。ソレイユは通信機を手に取ると、戦闘準備を終えたことを仲間たちへ伝える。
「更なる進化を遂げる前に掃討するとしましょう。皆さん、宜しくお願いします」
「よろしくだっ! 心強い仲間が沢山で、心強いぞっ!」
通信機から届く仲間たちの言葉に、守都・幸児(祥雲・g03876)は足元の地面をしっかりと踏みしめる。彼の脚部を保護する装甲ブーツ『黒曜履』は、あらゆる地形で動きやすさを保証してくれるのだ。それは無論、いま幸児が立っているこの戦場も例外では無かった。
「敵の動き、気を配らないとな。速攻でぶっ飛ばすぞ、喩嘉!」
「ああ、承知している。一体残さず始末させてもらおう」
羽扇『瑞鳳凰扇』を手にした喩・嘉(瑞鳳・g01517)は、敵が闊歩する戦場を俯瞰するように見渡した。
戦いの流れを冷静に把握することは、軍師たる嘉にとっては無意識下で行っている、なかば本能的な行動に等しい。周囲への警戒、味方と敵の位置取りの把握、紙符型通信機による情報共有の準備。それらをリアルタイムで進めながら、彼の心には微塵の油断も無い。
かくして――戦いの始まりを告げるように、嘉の羽扇が天高く掲げられる。
「さて、行こうか。今の俺たちにとって、一秒は値千金だ」
「よーしっ、攻撃開始だなっ!」
「援護は引き受けた! 思い切り暴れてくれよ!」
異形なるアルタン・ウルクめがけて、淀みない動きで襲撃を開始する復讐者たち。
展開されていくパラドクスの輝きが、荒涼たるホラーサーンの大地を綺羅星のごとく照らし始めた。
「絶対零度弾、セットアップ! 開戦の狼煙、派手に上げるとしようか!」
戦いの火蓋を切ったのは、遊里が発動する『絶対零度弾』の一斉発射であった。
通信機を介して攻撃の開始を告げると同時、敵群をロックオン完了。復讐者の襲撃に身構えるアルタン・ウルクめがけ、パラドクスの凍結弾を雨霰と発射していく。
狙いは敵の撹乱――即ち、後に続く仲間たちの助けとなるよう、敵の連携を阻害することであった。
「まずは面制圧を行う! Bandit in range.Salvo!」
盛大にばら撒かれた弾幕が、アルタン・ウルクの群れに降り注ぐ。
巨体にめり込んだ弾はパラドクスの力で冷気を放出し、バキバキと不快な音を立てて敵の体を凍結させていった。一方、襲撃を受けた敵も負けてはいない。全身の眼を激しく明滅させながら、構えるは槍型の右腕である。
『シュゴォォォ……!!』
逆説連鎖戦の力で距離を詰め、繰り出すのは右腕の刺突だ。ギン、と響く鈍い音。動力甲冑を穿った傷口が悍ましい異形の口に変じ、貪るように甲冑へ牙を突き立てる。
早々に迎撃に転じてきたアルタン・ウルクだが、万全の準備と人数を揃えて襲撃を成功させた復讐者たちに対して、その足並みは未だ完全には揃っていない。それを見て取った遊里は、なおも肉体を苛む痛みに耐えながら、通信機を介して仲間たちに告げる。
「足並みが乱れ始めたぞ! 敵は五体とも健在、流石アルタン・ウルクというべきかな……!」
「やはり、そう簡単には斃れてくれませんね。それなら、これで!」
遊里に合わせ、ソレイユは両手の『Fonte de la musique』で鍵盤を宙に展開、指を躍らせ始めた。
奏でる曲名は幻想独奏曲「白の舞踏」。パラドクスを帯びた音色で召喚した黒衣の死神が、アルタン・ウルクたちを次々に取り囲み始める。狙うのは、遊里の凍結弾で負傷した敵だ。骨を鳴らして嗤い声を響かせる死神が、一体、また一体と、アルタン・ウルクに傷を刻んでいく。
「死を、忘ることなかれ」
『シュゴォォォ……!!』
その時、遊里の弾丸を浴びたアルタン・ウルクの一体が、全身の口から断末魔の絶叫を洩らし始めた。
ダメージアップを秘めたソレイユの旋律が響き渡る中、死神の手は万力のごとき力をもって敵の脚部を鷲掴み、そのまま地獄へと引きずり込んでいく。それを嚆矢に、続く復讐者たちのパラドクスが牙を剥いて襲い掛かる中、敵の足並みは想像以上に乱れを見せつつあった。
その理由は、彼らの足元にある。
戦闘開始から四本脚が踏みしめていた泥濘。それが今、更に深さを増して彼らの動きを阻害し始めていたのだ。泥濘の地の更なる追加――それを為したのはソレイユである。逆説連鎖戦にこそ影響しない泥濘の地だが、連携を得意とする敵群にとって、速度を奪うそれが少なからぬ不利をもたらすことは自明だった。
「このまま、大人しくしていて貰いましょうか……!」
『シュゴォォォ……!』
唸り声を上げてアルタン・ウルクが射出する盾を魔力障壁で受け止めながら、ソレイユが不敵に笑う。
敵を撹乱し、動きを鈍らせ、頭数を減らし――状況はゆっくりと確実に、復讐者側の優勢に傾きつつあった。一斉攻撃の好機を感じ取り、ソレイユは遊里と声を合わせるように通信機を介して仲間たちへ告げる。
「敵の動きが鈍り始めました。皆さん、今がチャンスです」
「流れはこっちにある。このまま、どんどん攻撃だ!」
その言葉に続くように、復讐者の攻撃が怒涛の如くアルタン・ウルクに降り注ぎ始めた。
敵の長所が頭数と連携にあるならば、まずはそれを封じるべし――復讐者たちの試みは完全に成功し、アルタン・ウルクは今や罠に捉われた獣さながらだ。復讐者たちが放つパラドクスを浴びた異形どもは満足に抵抗も出来ぬまま、連携を阻まれて撃破されていく。
「遠慮せず、この泡を食らいな。それで奇麗さっぱり消え失せろ!」
「逃がしはしません。お前たちクロノヴェーダは、残さず殲滅します」
誠司のバブルメーカーで更なる傷を刻まれ、クロエの撒いた種から芽吹いた怪物の鉤爪に切り裂かれ、一体、また一体と斃れていくアルタン・ウルクたち。そこへ嘉は鳳凰の羽扇『瑞鳳凰扇』を振るい、吸血の氷花を追撃に見舞いながら、油断を排した眼差しで戦場を俯瞰し続けていた。
「まだ戦いは序盤も序盤だ。速攻の撃破は前提として、ある程度の余力も残さねばな」
目の前の敵群は既に二体を残すのみだが、一帯のアルタン・ウルクが五体だけの筈はない。襲撃を行った以上、敵増援が来るのは時間の問題であり、一刻も早く撃破を終えて次に備えねばならなかった。嘉は注意深く周囲を警戒しつつ、通信機を介して幸児に合図を送る。
「残る二体、どちらも手負いだ。……決めてやれ、幸児」
「よし、任せとけっ!」
嘉の言葉に応えると、黒曜履で地面を踏みしめて幸児は駆け出した。
彼が駆使する『凍土氷槍』は、読んで字のごとく土を凍らせ槍と為すパラドクスである。当然、泥濘の地によって多量の水分を含む地面を用いるとなれば――その威力もまた、折り紙付きだ。
「くらいやがれっ!!」
幸児の勢いよく踏みつけた地面が、パラドクスの力によって瞬時に凍結する。
瞬く間に広がった凍結の領域は、アルタン・ウルクたちの足元へと至り、地面から突き出る鋭い氷槍となって彼らの腹部を刺し貫いて行った。
『シュゴ……』『オォォ……』
最期の息を吐き切り、絶命する二体のアルタン・ウルク。
死してなお悍ましさを感じさせる彼らの姿に、幸児は思わず眉を寄せた。
「……こいつらの中にまだ亜人が入ってるのか、ただ形を真似てるだけなのか……どっちにしても気分が悪いな」
「確かにな。だが……どうやら考えている時間は無さそうだぞ、幸児」
そう言って嘉が羽扇で示した先、荒野の彼方に見えるのは濛々と立ち上る土煙であった。
新手のアルタン・ウルクたちの襲来に、復讐者たちは休む間もなく迎撃態勢を取り始める。序盤の戦いで受けたダメージは六名とも軽微に留まっており、継戦が困難な仲間は一人もいない。接近してくるアルタン・ウルクの群れを見澄まして、クロエは即座に敵群の総数を把握する。
「全部で五体。問題ありません、引き続き殲滅しましょう」
「そうだな。体が動く限り、残さずぶっ潰してやる!」
あの異形どもは、一体たりとも残す訳には行かない。
敵群の足元を泥濘の地で捉えながら、幸児はふたたび地面を踏みしめた。
最初の戦闘を速攻で制した六名の復讐者たちは、早くも次なる敵群との戦いに臨もうとしていた。
行動方針は序盤戦と同じ。泥濘の地で足を捉え、敵の連携を乱しての一斉攻撃による短期決着だ。
「みんな聞こえるか? 援護が必要なら要請してくれ、優先処理する!」
敵群の先頭に狙いを定めた遊里が、勢いよく凍結弾をばら撒いていく。
隊列を組み、突撃してくる敵群の蹄を狙って弾幕をばら撒く遊里。その狙いは、凍結を利用した敵群の撹乱だ。果たして被弾によって蹄を凍らせたアルタン・ウルクたちが、泥濘の効果も相まって足並みを次々に乱し始める。
『シュゴ……!』
「お前たちが進化するように、俺たちだって学習するんだよ。皆、今だ!」
「任せろ、コイツで吹き飛ばしてやる!」
遊里の合図と同時、誠司は凍結した先頭集団めがけてバブルメーカーの泡を放射していく。
『特殊爆:泡沫』で散布するそれは、敵が触れることで爆発する起爆性のパラドクス。大小様々な透明の球体が、放物線を描くように噴射され、敵群をフワフワと取り囲み始めた。
「アルタン・ウルクども! これも喰らって味の感想を聞かせてくれよ!」
『シュゴォォォ!!』
亜人型の上半身をよじらせ、泡の群れを振り払おうともがくアルタン・ウルクたち。
次の瞬間、一体が振るった槍の先端によって割られた泡が弾け、一斉に生じた連鎖爆発が敵群を飲み込んだ。立て続けに浴びた被弾のダメージに耐え切れず、先頭の一体が粉みじんに爆散する。怒りも露わに飛んでくる反撃の盾を、同じく盾のフェイク・プリドゥエンで受けながら誠司は歯を食いしばった。
(「この威力、やはり甘くは無い……最初に倒したアルタンどもと合流してたらと思うと、ぞっとしないな」)
体の芯まで響く衝撃をガードアップで殺しながら、誠司は後方へ跳躍。受け身を取って即座に跳ね起きながら、敵の群れを凝視した。
背中から亜人型の体を生やした異形どもは、いずれも槍や盾に似た器官で攻撃を行っている。もしかすると、取り込んだ亜人の攻撃方法を習得したのかも――そこまで考えて、誠司は身を震わせた。
(「復讐者が取り込まれたら……止めよう、考えたくもない」)
新たなバブルメーカーを作成すべくトラップメーカーとゴーグルに接続しながら、誠司は戦場を見遣る。
戦いの流れは依然として復讐者側にあるが、いまだ状況は予断を許さない。五体を超える敵群が現れれば、あるいは増援との合流を許してしまえば、流れが敵に傾くのにそう時間はかからないだろう。それをねじ伏せて優位を維持できるだけの戦力が、復讐者側には僅かに足りていないのだ。
いまだ盤石ではない、綱渡りの優勢。それは誠司のみならず、戦場の全員が共有する実感でもあった。
「……何とも歯痒いですね。この状況は」
敵群にハーピーをけしかけながら、クロエが眉を寄せる。
仲間があと数人いてくれれば、あと少し足止めをはかれれば、戦いはどれほど有利になるか――。
と、その時。クロエの呟きに応えるように、通信機を介して七人目の声が届けられた。
「――遅くなった。俺たちも、助太刀させて貰おう」
気配を感じて後方へと向いた六人の視線の先、戦場の彼方から三つの人影が駆けて来る。
先頭で手を振るのは、声の主であるエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)であった。
彼の後ろを駆けるのは、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)と柳・凛風(柳家風心拳修行者・g04711)。いずれも戦いに加勢すべく参じた復讐者たちだ。
「あれが亜人型アルタン……いやはや、実に個性的な姿だね。ここはひとつ、僕らも掃討に尽力させて貰うよ!」
「ほんとに真っ当な生き物なのかネ、アイツら! あんなのが大挙して押し寄せて来るなんて、真っ平御免ヨ!」
初めて対峙する亜人形態のアルタン・ウルクを見澄まして、ラズロルと凛風が眉をひそめる。
全身を夥しい触手で覆った姿。そこに加えて、背中から生えた亜人と思しき人型。それは彼らに甚だしい嫌悪感を齎すに十分なものであった。未知なる異形どもを一刻も早く殲滅する決意を新たに、三人は敵群めがけ疾駆していく。
「まずは奴らの妨害が先だな。ラズ、準備はいいか?」
「ああ、いつでも大丈夫だよ!」
そうして頷きを交わし合ったエトヴァとラズロルは、息を合わせ、戦場の周囲に泥濘の地を展開し始めた。
嘉、ソレイユの発動したそれに重ねた効果は、いまや四つ。その力で大地には更なる水気が加わり、アルタン・ウルクの蹄がずぶずぶと音を立てて沈んでいく。もはや連携どころか、まともな移動さえ困難にする規模の効果は、異形どもの連携を大いに阻むものだ。
抵抗する猶予など与えはしない――そう告げるように見澄ました敵群へ、二丁拳銃を突き付けるエトヴァ。息を合わせ、ラズロルもまた攻撃準備を完了する。
「よし。行こう、ラズ」
「OK、エトヴァ。まとめて吹っ飛ばしてやる!」
力強く頷くラズロルに微笑みを返すと、エトヴァは『混沌の黒』を発動した。
九人に増えた戦力と、連携を阻む深い泥濘の地。五体のアルタン・ウルクに、抵抗の猶予などは与えない。手負いの個体を狙い、愛用の拳銃から発射するのは漆黒の塗料を込めた銃弾である。
「――闇夜に沈め」
立て続けに響く、軽快な発砲音。アルタン・ウルクにめりこんだ弾丸は次々に炸裂し、敵の巨躯を漆黒に塗り潰した。
ダメージアップを帯びた猛攻は、深手の異形を幾百もの肉片に変えて、その命脈を断ち切る。エトヴァがそのまま流れるような動作でタワーシールド『Hushed Audience』を構えた次の刹那、飛来した盾の激突が衝撃となって彼を襲った。
『シュゴォォォ……!』
「盾の殴打ではなく投擲、そのうえ投げた後に生えてくるとは滅茶苦茶だな……ラズ、今だ!」
「任せて、きっちり埋めてみせる!」
トラックの激突にも似た衝撃に踏ん張って耐えながら、エトヴァがラズロルに合図を送る。
そして、次の刹那。更なる追撃を浴びせんとアルタン・ウルクが盾を振りかぶった一瞬を狙い、ラズロルがパラドクスを発動した。敵の行動を先読みして土石流で埋め尽くす『王佐土砂計』による奇襲だ。雪崩のごとく殺到する土砂は異形どもを捉え、その肉体を跡形もなく飲み込んでいく。
復讐者の猛攻は今や圧倒的で、敵に真面な抵抗を許さない。
飛来してくる盾を障壁で受け流し、瀕死の二体と対峙するラズロル。もはや眼前の敵の撃破は秒読みと思われた、しかし次の瞬間だった。
「こちら嘉。全員気をつけろ、新手が来た。北東の方角から六体だ」
「なんだって……!?」
通信機から届いた嘉の言葉にラズロルが視線を向けた先、果たしてそこには地響きを立てて迫る敵群の姿があった。
戦いの気配を感じ取ったか、あるいは同胞の信号を受け取ったか。不気味な唸り声を響かせて疾駆してくる敵の襲来に、凛風はパラドクスを注ぎ込んだ拳を固めると、瀕死となった二体を狙い定める。
「合流されたら面倒ネ! さっさと叩き潰すヨ!」
アルタン・ウルク亜人形態が高い連携力を誇る敵である以上、頭数の増加は復讐者の不利に直結する。
であれば、いま優先すべきは死にかけの敵を速攻で撃破することだ。凛風は『破軍衝』を発動すると、逆説連鎖戦の力で彼我の距離を瞬時に詰め、衝撃波を湛えた拳をアルタン・ウルクたちに向けた。
『シュゴォォォ……』『シュゴォォォ……!』
「うう、気持ち悪……! けど、大きな群れになる前に全滅させないとネ!」
敵の戦意は深手を負ってなお旺盛で、凛風を威嚇するように全身の牙をガチガチと打ち鳴らしている。込み上げる嫌悪感を振り切って、凛風は意を決したように破軍衝の拳を振るった。
突きに乗せて放たれた衝撃波がアルタン・ウルクの上半身へ立て続けに直撃し、傷だらけの巨体を立て続けに粉砕する。かくして合流を間一髪で阻んだ復讐者たちは、息つく間もなく、次なる戦いを開始するのであった。
『シュゴオオォォ……!』『シュゴオオォォォォ!!』
戦場に木霊する、アルタン・ウルクの雄叫び。
六体という頭数を誇る異形どもへ襲い掛かるのは、九人の復讐者が繰り出す怒涛の如きパラドクスの猛攻だ。
泥濘の地に捉われながら突撃してくる先頭集団を、遊里と誠司の弾幕が迎え撃つ。凍結弾による凍結と、起爆泡の爆発に阻まれて敵の足並みが乱れる。
そこへ続くように、ソレイユと幸児がアルタン・ウルクの群れへ更なる追撃を開始した。VRピアノの旋律で奏でる死神の舞踏と、氷の鋭槍による、息もつかせぬ連続攻撃である。ダメージアップを帯びた猛攻は異形どもの連携をさらに断ち切るように、恐るべき勢いで傷を刻み込んでいく。
「包囲蹂躙なんてさせるか! まとめて串刺しにしてやるぞっ!」
「此方も集団で戦えるだけで、こうも心強いなんて……私も、皆さんに負けてはいられませんね」
ソレイユは宙の鍵盤をたたき続けながら、じわじわと追い詰められていく敵群を見遣った。
アルタン・ウルク亜人形態は謎の多い敵だけに、どのような力を秘めているかも未だ不明な部分が多い。下手をすれば、彼らの集めた情報が司令塔となる個体に集約、通常型のアルタン・ウルクでも共有される――そんな事態があっても不思議ではないとソレイユは考えていた。
そうしたリスクの芽を摘む術は、すなわちただ一つ。一体も残さぬ早急な殲滅のみだ。
「指の動く限り、目につくアルタンは全て撃破させて貰いましょうか!」
『シュゴオオォォォォ!!』
不動の決意を胸に告げるソレイユ。対するアルタン・ウルクも上半身から生えた盾を、槍を、反撃で放ち続ける。
既に戦闘開始から相応の時間が経過しているにも関わらず、しかし復讐者たちの中に深手を負った者はいない。初手からの襲撃で掌握した戦いのペースを維持し、更には敵の連携を妨害したことも大きい。だがそれに加えて無視できないのは、クロエが発動したグロリアスの効果であった。
敵を攻撃するたび、栄光ある戦いで傷を癒す力。復讐者たちの受けるダメージを、それが更に低く抑えることに成功していたのである。
九人がかりで攻撃を集中し、重ねに重ねた泥濘の地で連携を阻み、更には敵を倒せば負傷は癒えて――六体という頭数を誇るアルタン・ウルクの群れは奮闘も空しく、次々と溶けるように消えていく。気づけば残り二体となった敵を狙い定め、クロエはオトギリソウの種に魔力と怨恨を注ぎ込み始めた。
「種子に宿るは我が怨恨、芽吹け『ハルピュイア・ヒペリカム』!」
魔女の力を存分に吸った種が、残らず大地へばら撒かれる。
そうして芽吹き、生まれ出るは空飛ぶ植物の怪物たちだ。ギリシャ神話の怪物『ハーピー』を象ったそれらは、満身創痍となったアルタン・ウルクたちを狙い定めると、次々に大空から滑空。パラドクスを秘めた鉤爪をもって、亜人型の上半身を跡形もなく切り割いていく。
「気味の悪い動きを……! 見るのも不快です、死になさい!」
『シュ……』『ゴゴ……』
触手に覆われた異形共の口から、末期の呻きが洩れる。
歴史侵略者である彼らに、しかし魔女たるクロエは一切の慈悲を示すことなく。ハーピー型植物たちの鉤爪で、その命を断ち切るのであった。
それからも九人の復讐者たちは、襲い来るアルタン・ウルクたちを来る傍から撃破していった。
通常のトループスより高い戦闘力を誇る五体前後の群れ――それは確かに普通であれば脅威であったろう。だが、復讐者の豊富な人数と徹底的な役割分担、更には周到な残留効果の準備、そして泥濘の地による連携の阻害という諸々の有利は、彼らに大きな有利をもたらしていた。
「凍って――」
「弾けろ!!」
襲来する異形の群れを弾幕で迎え撃つ遊里と誠司は、死闘を経るごとに動きを研ぎ澄ましていった。
全身を凍り付かせ、爆発に巻かれ、足並みを乱したアルタン・ウルクは全部で六体。それを、続く七人の復讐者たちは息の合った動きで撃破していく。
「自由は与えません。ここがお前たちの死に場所です」
『シュゴオォォ……!』
復讐者たちの側面に回り込もうと異形どもが泥濘を駆ければ、先回りして待っていたクロエのハーピーに阻まれた。
それでも強引に突っ切ろうとすれば、それを出迎えるのはエトヴァが発射する漆黒の弾丸だ。致命傷を刻まれて悶絶する敵を狙い定め、ラズロルは土石流を放って着実にとどめを刺していった。
幾度にも及ぶ戦いで、エトヴァとラズロルを始め、復讐者たちは誰もが傷だらけ。しかし、彼らの口が弱音を吐くことは決してない。今この瞬間が戦いの佳境であることを、誰もが肌で感じているからだ。
「残り三体。いい感じだ」
「ええ。この調子なら、もう一息ですね……!」
優勢に奢らず、周囲を油断なく警戒するエトヴァの視線の先で、ソレイユの旋律に踊る死神が敵を地獄へ引きずり込む。既にアルタン・ウルクたちは完全に連携を断たれており、エトヴァの言葉通り決着は時間の問題であった。
「ワタシに出来るのはぶん殴ることだけだから……ネ! どこ殴っても効くならありがたい話ヨ!」
『シュゴォォォォ……!』
悪あがきするように敵が放つ槍を、ガードアップで守りを増した体で防ぎながら、凛風もまた拳を振るい続けた。
気色悪い体に進んで触るなど御免だが、衝撃波で攻撃出来るなら問題ない。明滅する赤眼に、盾に槍――触手蠢く巨体に叩きつけるような衝撃を浴びて悶絶する異形たちが、間を置かず地面から突き出る氷槍によって串刺しにされていく。
『シュゴ……ゴゴ……』
「よし、これで残り一体だなっ。押し切るぞっ!」
幸児は力強い頷きをひとつ、背後の嘉に合図を送った。
「喩嘉、今だっ!」
「任せろ。逃がしはしない」
五色に輝く瑞鳳凰扇をかざし、『氷紅華』を発動する嘉。
朱色の扇から生成された氷花はアルタン・ウルクへと命中し、その巨体を瞬時に凍結させていった。人間の血液とは似つかぬ色の体液を一擲残らず吸い上げられた敵が絶命し、地響きを立てて倒れ伏す。
『シュ……ゴ……』
「撃破完了。結果は上々、といったところか」
羽扇で口元を覆い、目元を細めて微笑む嘉。
かくして、復讐者たちの完全勝利を告げるように――異形どもの咆哮が絶えた戦場に、静寂の気配が訪れ始めていた。
「どうやら、周辺の敵は狩り尽くしたようですね。お疲れ様です、皆さん」
新たな敵群が出現しないことを確かめて、ソレイユはほっと安堵の息を洩らした。
これで、ホラーサーンに蔓延るアルタン・ウルクたちは、確実に数を減らしたことだろう。完全撃退にはいまだ至らずとも、今回の勝利で得られた戦果は大きい。
仲間と共に帰還準備を終えると、エトヴァは一度だけ背後を振り返り、そこに転がるアルタン・ウルクの亡骸を見遣る。亜人型へと進化を遂げた異形のそれは、もはや動くことも無く、巨体を風化させ始めていた。
「いまだ変化の途中……姿形を真似ながら、性質もまた真似るものか」
「気になるね。新たな形になるのか、それとも融合世界戦の形になっていくのか……」
エトヴァに頷きを返しながら、ラズロルはふと考える。
亜人型のアルタン・ウルクたちが完全に進化を果たしたとして、その時、彼らはどのような存在になるのだろうと。
その問いに応えられる者はいない。荒野にはただ戦いの終わりを告げるように、乾いた風が吹き抜けていくのみだ。
「よし、作戦成功だね。帰ろう!」
蹂躙戦記イスカンダル、融合世界戦の境界線に程近いホラーサーンの大地。
その地を舞台に行われた戦いの一つは、こうして復讐者たちの勝利で幕を下ろすのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV3が発生!
【泥濘の地】がLV4になった!
【飛翔】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!