自動人形に捧げる魔女の唄(作者 秋月きり
5


#火刑戦旗ラ・ピュセル  #魔女化する自動人形  #断頭革命グランダルメ  #自動人形  #魔女化 

 数多の自動人形達の中、それはいた。
 ジェネラル級キマイラウィッチ『復権慈母』イザベル・ロメ。聖母の笑みと魔女の笑いが同居した彼女は、膝突き頭垂れる自動人形達に手をかざす。
 種が異なり、世界も違う。そんな自動人形達は、しかし、イザベルの行為を阻むことは出来ない。彼らはトループス級、或いはアヴァタール級。ジェネラル級に逆らう術など、持ち合わせて居ないのだ。
「あなた達のディヴィジョンを奪った、ディアボロスへの復讐を強く望みなさい」
 それがイザベルの命令だった。
 頭を垂れるアヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』は是と頷く。言われるまでも無い。復讐者は自身等から断頭革命グランダルメを奪い、敬愛する人形皇帝ナポレオンを奪った不倶戴天の敵だ。その怨みを晴らすにはそう、復讐しか無い。
 だが。
「あなた達の復讐の念は弱すぎます」
 イザベルから零れた嘆息は、失望の証だった。
「自動人形では、狂おしいまでの情動が必要な、真の復讐心を持つ事はできないのでしょう」
 所詮自動人形。やはり自動人形。慈母と魔女の視線に、カンブロンヌは身震いする。
 反論は口に出ない。それを許されていない故。
 そしておそらく、イザベル自身もそんな物は望んでいないのだろう。彼女は淡々と言葉のみを続けた。
「ですが、最低限の復讐の念は存在し、それをもって障害を崩壊させ、願いは成就させられます。――断頭革命グランダルメの地で散った、魔女たちよ、ディアボロスに再び殺された怒りと憎しみを糧に、再び、この地に舞い戻るのです」
 異変はその宣言と同時であった。見る見るうちに――ああ、なんとカンブロンヌの整った顔を侵すかのように、醜怪な人面疽がその首筋に現れたではないか!
 変異は彼だけではなかった。周囲の自動人形達は何れもその身体の何処かに人の顔を宿し、或いは身体の一部が動物化していく。自身同様、魔女と化していく同胞達を見遣り、カンブロンヌは言葉を失っていた。
「依り代の人形は、この場に……。次こそは、願いを成就するのです」
 そんな自動人形達に、イザベルの命令が強く刻まれていった。

 そして、最終人類史新宿島新宿駅ターミナル。パラドクストレインを背景に、満面の笑みを浮かべる少女の姿があった。
 時先案内人、シルシュ・エヌマエリシュ(ドラゴニアンのガジェッティア・g03182)であった。
「断頭革命グランダルメ奪還戦。皆様の大快勝、おめでとうございます! 断片の王イスカンダルを逃したことは少々残念でしたけど、そこまで行くと二兎追う者は……になりかねませんでしたしね! 皆様の作戦勝ち! 最良の勝利を得られました! おめでとうございます!」
 大事なこと、とばかりに二度の祝辞を述べた彼女は、それでですね、と言葉を続けた。
「この勝利によって、ディビジョン『火刑戦旗ラ・ピュセル』への本格攻略が可能となりました」
 今までは改竄世界史『断頭革命グランダルメ』攻略の傍らに行わざる得なかった『火刑戦旗ラ・ピュセル』の攻略だが、これを機に本格化する、と言う事なのだろう。
「と言う訳で、最初の一手を進めて頂きたいのですが……ええ。状況は皆様も承知の通りです」
 前置きと共に、シルシュは言葉を続けた。
 奪還戦の結果、ラ・ピュセルには多数の自動人形が漂着していると言う。戦力の取り込みは今までの奪還戦後に行われていたことなので、何ら不思議は無い。ただ、問題はその処置である。
「キマイラウィッチ達は、その自動人形を【魔女化】して取り込み、戦力として組み入れようとしているようです」
 此度、まず、皆様には火刑戦旗ラ・ピュセルと旧グランダルメの国境の海岸に向かって頂きます、とシルシュは断じた。
「おそらく海岸には、漂着した自動人形を回収する為に、【魔女化】された自動人形が派遣されるでしょう。それらを撃破して下さい」
 それが、此度の任務であった。

「スイスに集結し、奪還戦で戦った自動人形は全滅しておりますし、ラ・ピュセルに漂着した自動人形達はフランス本土に取り残されていた者達でしょう」
 キマイラウィッチ達は、この漂着した自動人形に奪還戦で死したキマイラウィッチの復讐の念を植え付ける事で、自動人形を【魔女化】。強化と共に忠実な配下としているようだ。
「【魔女化】した自動人形は、本来の姿の何処かに『人面疽』のようなものが浮かび、身体の一部が獣化すると言った外見的変化が現れるようです」
 此度、復讐者達が襲撃する『猛然たるカンブロンヌ』もそんな一体だ。首筋に人面疽が浮かび、脚が獣化していると言う。
 配下のリベルタス・ドール達も同様に人面疽が浮かび、獣化しているようだ。【魔女化】の侵蝕を受けているのは間違いなかった。
「こうなってしまった自動人形は、キマイラウィッチと同じように『復讐』を求めて戦うようだ」
 先の言葉通り、戦闘力も強化され、キマイラウィッチ達と同程度の強敵と化すのだ。故に、キマイラウイッチ達は自動人形の【魔女化】を進めているのだろう。
「既にかなりの数の自動人形が【魔女化】されているようです。これ以上、敵に戦力を与えないよう、あわよくば削るよう、ご対応願います」
 海岸に赴き、【魔女化】した自動人形達を討つことが、今後の火刑戦旗ラ・ピュセル攻略に繋がっていくだろう。

「人形皇帝ナポレオンは自動人形を『器』と称していました。此度の事例はまさに、自動人形と言う『器』にキマイラウィッチと言う中身を注いだ状態ですね」
 それが彼らの望みなのか否なのか。それは判らない。
 だが、今出来ることは、彼らを討つことのみであった。
「皆様の御武運、お祈りしています」
 斯くして、時先案内人は復讐者達をパラドクストレインへと送り出す。
 祈りは必ず成就する。そう信じる紫色の瞳は、信頼に彩られていた。

「漂着した我らが同胞がいる筈よ。探し出せ」
 波一つ無い改竄世界史境界の海岸で、アヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』が配下に命じる。
 否、彼は唇一つ動かしていない。よく見れば、その言葉を発するのは彼の首筋に張り付いた人面痣であった。
 老獪な笑みを貼り付けたそれは、クククとくぐもった笑いを零し、そして言葉を続けた。
「彼奴らも最後の戦いに参戦出来ず、無念であろう。その無念を取り込み、我ら同様『器』としてイザベル様に捧ぐのだ」
 人面痣の語りに、カンブロンヌは何も言わない。ただ視線を海岸に、そして浜へ睨め付けるように向けるのみであった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1

●マスターより

秋月きり
 お世話になります。秋月きりです。此度、【魔女化】した自動人形のシナリオをお届けします。
 ほぼ純戦になる予定です。頑張ってください!

 以下、補足です。
 ご確認願います。

●選択肢について
①アヴァタール級自動人形の【魔女化】解除
 アヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』を説得する選択肢です。此方を成功した場合、③の戦闘が少々緩和されます。(カンブロンヌが弱体化します)

②哨戒任務中のトループス『リベルタス・ドール』
③アヴァタール級との決戦『猛然たるカンブロンヌ』
 双方とも【魔女化】しています。強敵ですので、お気を付け下さい。

 推奨攻略順:②→③ ①は敢えて外しています。

●その他
・「リベルタス・ドールもカンブロンヌも哨戒任務の最中です。もしも皆様が『漂着した自動人形』の振りをするならば、不意を打てるかも知れません」
・「あと、『カンブロンヌ』は【魔女化】を受け入れている節があります。ですので、説得せずに倒してしまうのも一つの手段です。……おそらく、そっちの方が良いのでは無いでしょうか」
 以上、時先案内人からの助言です。攻略の手助けになれば幸いです。
・①はむしろ、ロールプレイ的な位置づけです。ご参加の際はその旨、ご了承願います。

 それでは、【魔女化】に染まる自動人形達を討つべく、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
 よろしくお願いします。
108

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


マティアス・シュトローマー
お人形さんから『器』か
ディヴィジョンを失ったクロノヴェーダの末路としてはよくある事なんだろうけど
…何だろう、このモヤモヤは

敵の不意をつく為、流れ着いた自動人形のフリをして海岸に横たわろう
彼らの特徴は人形特有の関節部。敵の目を欺く為に、首元まで外套を着込み、指先はグローブをつけて関節部を隠しておきたい

ああ、陛下…
最後の戦いに参加する事さえ叶わなかった自分が、我らの領土を奪っていったディアボロスが憎い…
なんてね
演技をしながら敵の足音に耳を澄ませ、人数や位置を大まかに把握。不意をつけるタイミングでパラドクスを発動しよう
天から地へと駆ける具現化した雷は、防御の隙を与えずに敵を貫けるはず。命中アップの効果も乗せ、より大きなダメージを与えたい

くっ、グランダルメはもう無いはずなのに…!
反撃への対策として奪還戦での激しい戦いや取り戻したパリの街並みを思い出し、催眠状態の解除を試みる。続いてライオットシールドを構え攻撃を往なそう

自動人形でもキマイラウィッチでもない
そんな中途半端な君達には負ける気がしないな


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

漂着した自動人形の反応の統計は
投げやり、現実逃避、彷徨う、叫ぶ、悲嘆や途方に暮れる2、ばらばら、茫然自失2、指揮官探しや周囲の調査を始める2
……似通っているようで、時折個性があるな

漂着した自動人形に扮装し演技
量産型ベートーベンっぽく振る舞う
ウィッグを被り、球体関節模様のズボンに黒の長衣等を纏い水浸しになり、海岸に茫然と佇み
ヴァイオリンで、ベートーベンの楽曲を奏でる
あくまで精確に巧いながらに緩慢で、途切れそうな人形の音楽
さしずめ英雄から悲愴へ
途方に暮れたように項垂れ、無念の音色を紛らせ、あてどもなく海岸を歩く
どこか拠り所を探すように

リベルタスも、皇帝を讃える曲には耳敏くなるだろうか?
敵の気配が近づいても気づかぬふりで目端で観察
部隊の全容を掴んだら、そのまま音色を変化させPD攻撃
先行し不意を打つ
仲間とはPD通信で機を合わせ連携態勢

倒し易い敵から狙い合わせ、数を減らす
正対し背は見せず
魔女の証ごと焼く

敵を観察、後光に合わせ魔力障壁を展開、腕のシールドを構え衝撃波を防ぐ
……哀れだな


 改竄世界史火刑戦旗ラ・ピュセル。
 パラドクストレインから降り立った復讐者達は、そのまま海岸へと到着。周囲の状態を調べる。
 大きく岸を抉り取られた形は、何れの改竄世界史と遜色ない。改竄世界史の海となった場所がそのまま、最終人類史であることを示している、そんな地形だった。
 時先案内人が予知した海岸はここで間違いない。その確信と共に、互いに是と頷き合った。
(「お人形さんから『器』か」)
 首元まで外套を羽織り、その場に横たわるマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は、そんな思考を紡いでいた。
 外套姿ともなれば、一目で復讐者か、それとも漂着した自動人形かは判別つかない。後者を装うのが彼の此度の作戦であった。そのためにこの場所に横たわるのだ。
(「ディヴィジョンを失ったクロノヴェーダの末路としてはよくある事なんだろうけど。……何だろう、このモヤモヤは」)
 断頭革命グランダルメ奪還戦を経た今、断片の王人形皇帝ナポレオンを打破したのは復讐者達で、敗者の末路など知る由も無い。他の改竄世界史に組み込まれた歴史侵略者達がどの様に扱われようとも、復讐者が非を唱える資格は無い。
 だとしても、自動人形達の境遇を全肯定出来る程、マティアスは薄情でもなかった。
「漂着した自動人形の反応の統計は」
 そんな彼の心情を察したか、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は独白の如く、言葉を口にした。
「投げやりになる。現実逃避を行う。彷徨う。叫ぶ。悲嘆や途方に暮れる。ばらばらになる。茫然自失となる。指揮官探しや周囲の調査を始める。悲嘆や途方、指揮官捜し周囲の調査は二件ずつあったな。似通っているようで、時折個性がある。案外繊細で一部強か。それが自動人形なんかも知れん」
 或いはこうも言える。
 逆境に立たされれば、人も歴史侵略者も内心に変わりは無いのではないか、と。
 そこまで思考したエトヴァは、頭を振り、周囲を見やる。そんな彼もマティアスに倣い、ウィッグやら球体関節模様の長ズボンやらと、断頭革命グランダルメから漂着してきた自動人形を装う服装をしていた。ご丁寧に全身を濡らすことで、たった今、ここの場に流れ着いた風を演出していた。
「……騒がしくなってきたね。どうやら、哨戒に来たようだ」
 果たして、自分達の演技は何処まで魔女化した自動人形達に通じるか。
 その時は刻一刻と近付いていた。

「見つけたぞ。同胞だ」
「やはりお前達も流れ着いていたか」
 集団の気配と掛けられた声に、今し方覚醒したように薄目を開く。逸る気持ちはあったが、それを何とか押さえ込み、周囲を伺うよう、マティアスは頭を巡らせた。
「……ここは?」
「ここはディヴィジョン火刑戦旗ラ・ピュセル。同胞よ。我らが断頭革命グランダルメはディアボロスによって滅び、お前はここに流れ着いたのだ」
 改竄世界史が滅んだ。その意味合いをマティアスは理解している。故に、呟く。その演技は悔悟の印として、表に現れていた。
「ああ、陛下……」
 悲嘆を零し、そして言葉を続ける。憎い。憎い、と。
「最後の戦いに参加する事さえ叶わなかった自分が憎い。我らの領土を奪っていったディアボロスが憎い……。ああ、全てが、憎い」
 大仰に天を仰ぎ、ぎりりと歯噛みする。鬼気迫る表情に、リベルタス・ドールの一体が手を伸ばそうとしたその刹那だった。
「お前達も、と言いましたね。貴方達も……?」
「ああ、そうだ。そして、こちらのクロノヴェーダ――キマイラウィッチとコンタクトを取っている。お前達も彼らに仕えると良い。ディアボロスが憎かろう?」
 自動人形に扮するエトヴァに応えたのは、リベルタス・ドールを指揮するアヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』であった。唇一つ動かさず応える様は、彼が自動人形が故に、ではないだろう。老獪さすら漂う口調が何を意味するのか。それは彼も知る所であった。
「そうか」
「じゃあ……」
 エトヴァとマティアスはゆるりと立ち上がると、リベルタス・ドール達に手を伸ばす。
 それは自動人形達の手を取るため――ではなかった。
「――踊り、謳え、心の儘に」
 悲愴が響いた。自動人形のウィッグと衣服をかな繰り捨てたエトヴァは、そのまま得物であるヴァイオリンを取ると、ナポレオンと親交のあったとされる楽士の曲を奏でる。英雄。そして悲愴。それこそが魔女と化す自動人形達への鎮魂曲だった。
「――ッ?! 同胞ではない?! ディアボロスかッ!!」
「騙したな?!!」
 自動人形達に身構える暇は与えられていなかった。
 音色はリベルタス・ドール達の耳朶どころか精神を揺さぶり、嵐の如く体内を駆け巡る。曲は火焔と化し、炎の輝きはリベルタス・ドール達を内面から焼き尽くしていった。
「雷に打たれたような衝撃--って言うだろ?」
 そこに駆け抜けるは稲光の如き閃光であった。マティアスの繰る雷光は海岸を駆け抜け、リベルタス・ドール達を打ち据えて行く。痺れ、或いは焼かれ、その場に数体のリベルタス・ドール達が崩れ落ちていった。
「く、おのれ。卑劣なっ!」
 同胞と思い、手を差し伸べたら敵だった。
 今の場面のみを切り取れば、確かにその憤慨は理解出来る。
 だが、これは戦争であり侵略行為であり奪還の為の戦いだ。キマイラウィッチ達が手段を選ばないように、復讐者達もまた、手段を選ぶつもりはなかった。
「自動人形でもキマイラウィッチでもない。そんな中途半端な君達には負ける気がしないな」
「おのれおのれおのれおのれ」
 反撃のパラドクスを紡ぎながら、マティアスの言葉を唾棄する。騙されたが故か。それとも天敵である復讐者に対峙したが故か。リベルタス・ドール達から零れるしわがれた声もまた、憎悪に彩られていた。
「……哀れだな」
 自身とマティアスのパラドクスによって討ち取られていくリベルタス・ドール達の最期を見送りながら、エトヴァは嘆息と共に、更なる鎮魂歌を奏でていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

マティアス・シュトローマー
(目の前で同胞を騙し討ちされたんだ
カンブロンヌの俺達ディアボロスへの憎悪と復讐心は増すばかり――ここからどうやって【魔女化】を解除する?
……例え困難でも、声を届けるチャンスがあるのなら諦めずに挑みたい)

卑劣だって?
俺達は君が今仕えているキマイラウィッチと同じ、怒りを糧に力を得ているディアボロス
復讐を成し遂げるためならどんな手だって使うのさ

その首筋と脚――君だって同類じゃないか
自動人形としての美しさと誇りを捨て、キマイラウィッチの依り代として俺達と対峙している

けど所詮は依り代
生み出せる復讐の念はその程度

ネイやナポレオンがゾルダートやエンネアドの技術を取り入れ、利用していたのとは違う
自らを空っぽの『器』として魔女に差し出し、利用“される”事を選んだ時点で君の負けは決まったんだ

(これは詭弁だ
ネイやジョミニ――自動人形達の心を目の当たりにした俺の、彼らには大陸軍の軍人として在り続けてほしいという我儘)

さあ
魔女のお人形として使い捨てられるか、大陸軍の軍人として敗れるか
どちらか選ばせてあげるよ


 倒され、果てたリベルタス・ドール達の中で、彼はただ、佇んでいた。
 アヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』。
 キマイラウィッチ達の紡ぐ【魔女化】を受け入れ、そして復讐者に対峙する彼は――自動人形らしからぬ昏い目をしていた。

「卑劣だって?」
 先の言葉はリベルタス・ドールからだったか、それともカンブロンヌからだったか。
 それはもうどうでも良いと、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は首を振り、そして言葉を続けた。
「俺達は君が今仕えているキマイラウィッチと同じ、怒りを糧に力を得ているディアボロス。復讐を成し遂げるためならどんな手だって使うのさ」
 それが復讐だ。
 それが復讐者達の戦いだ。
 数に任せ、吶喊したこともある。奇策奇襲奇手と、様々な作戦を用いて歴史侵略者達を翻弄したこともある。
 単体で見れば復讐者達は弱者で、そして、歴史侵略者達は強者だ。最弱のトループス級ですら、1対1の戦いで勝利を掴む事は厳しい。
 だから策を練るのだ。だから頭を使うのだ。
 どんな手でも使う。マティアスの言葉はあながち、間違いというわけではない。
「そしてその首筋と脚。――キミだって同類じゃないか」
 自動人形としての美しさと誇りを捨て、キマイラウィッチの依り代として俺達と対峙している。そこに変わりは無いだろう。
 そう紡がれたマティアスの言葉は、独白だった。
 だが。
「然り」
 言葉が返ってくる。カンブロンヌらしくない言葉は、しかし、彼から紡がれていた。
 在るべき場所の唇は動かない。代わりに睨め付くような視線が、カカカと愉しげに紡がれる笑いが、その首筋から発せられていた。
「然り然り。そうよの。卑劣と罵倒するなど、まだまだ彼奴らが、そしてこの男が青い証左よ」
「――っ」
 人面痣の言葉を、しかし、マティアスは無視。ただ、その身体の持ち主であるカンブロンヌへと語り掛ける。
「所詮は依り代。生み出せる復讐の念はその程度。たかが知れている。ネイやナポレオンがゾルダートやエンネアドの技術を取り入れ、利用していたのとは違う。自らを空っぽの『器』として魔女に差し出し、利用“される”事を選んだ時点で君の負けは決まったんだ」
「素晴らしい。彼奴の背景を全て看過し、それを吐くか。ディアボロス」
 聞こえたそれは、下卑た笑みだった。
「ならば判るであろう? コイツをここまで追い詰めたのは何か。何故コイツが己を器として差し出してまで、復讐を望んだか。そこまで理解し、それでもその先を言うのか? ディアボロス」
 断頭革命グランダルメ奪還戦にも参戦出来ず、己が守るべき断片の王を喪った軍人。それがマティアスの対峙するカンブロンヌだ。
 彼の心情が、判らない筈も無い。
 そう。マティアスは知っている。己の言葉全てが詭弁だと。それでも、彼の望みは一つだった。
(「ネイやジョミニ――自動人形達の心を目の当たりにした俺の、彼らには大陸軍の軍人として在り続けて欲しいという我が儘だ」)
 キマイラウィッチ達に唆されたとは言え【魔女化】することがカンブロンヌの我ならば、大陸軍の軍人としてあり続けてほしい、と願うのがマティアスの我だ。
 己が内心を人面痣に指摘される迄もない。ただ、唇を噛んだマティアスは、己が我が儘の言葉を叩き付けた。
「さあ。魔女のお人形として使い捨てられるか、大陸軍の軍人として敗れるか、どちらか選ばせてあげるよ」

 マティアスの言葉に、零れた笑みは人面痣のもののみ。カンブロンヌは何も応えない。
 ただ、微かに震えるその腕が、何かを訴えるようにマティアスの視界へと飛び込んできた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
それで構わない。向かって来い、カンブロンヌ
ネビロスを始め、エゼキエル戦争の連中はそれを選んだ
厄介ながら、弱者の戦術だ
取り込まれて、利用されて、捨て身でも一矢報いんとする
だが、彼らには目的があった……何がなんでも断片の王を復活させると

だが、貴様の口から話さん事には、魂無き操り人形と変わりはしない
魔女の復讐に相乗りしただけの犬
大陸軍の誇りを捨てたことは、敬意に値するが……
少しばかり、失礼ではないかな?
スイスで戦い散った、皇帝ナポレオンに

結局は、埋め合わせをしたいのだろう
主君を復活させる気概もなく、一矢報いて討ち死にしたいと
ならばかかってくるがいい
俺達が負ける事はない

その復讐には大意がない
ならばそれこそ彼自身の「意地」で「誇り」なのではないか

――人形皇帝の最期を伝える
『この戦いは、お前達の完全勝利だ。』
そう語り、戦い散った
多種族の上に君臨し、彼らをよく「利用し」
国の存続を追い求めた果てに敗れた、大陸軍の王
それに数多の元帥将軍一兵まで殉じた
彼らに真の敬意を表す

ここが貴様のスイスだ
自らの意志で戦え


「それで構わない。向かって来い、カンブロンヌ」
 次いで、猛然たるカンブロンヌに語り掛ける声があった。
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)。彼は静かに、だが、怒りを押し込めた声をカンブロンヌへと叩き付けていた。
「ネビロスを始め、エゼキエル戦争の連中はそれを選んだ。取り込まれて、利用されて、捨て身でも一矢報いんとする、厄介ながら、弱者の戦術だ」
 だが、と彼は断ずる。
 そう、彼が紡ぐ怒りの矛先はキマイラウィッチや【魔女化】の象徴、人面痣ではない。
 自身等が対峙するカンブロンヌ自身であった。
「だが、彼らには目的があった。……何がなんでも断片の王を復活させると」
 そこに確かに大義は在った。強者に従じてでも、或いは辛酸を嘗めてでも、果たすべき願いがあった。それが、他の改竄世界史に下った歴史侵略者の有様だった。
 だが、目の前の自動人形はどうだ?
 己が望みも語らず、流されるままに魔女の力に振り回されている。大陸軍人の誇りを捨ててまで力を得ようとした想いは或る意味、感心すら覚えるが、己が殻に閉じこもった彼を、エトヴァはこう評する。評するしかなかった。
 ――魔女の復讐に相乗りしただけの犬だ、と。
「お前の復讐には大意が無い」
 大天使やアークデーモン達の如く、主の復活を望む訳でも無い。主の仇を取り、断頭革命グランダルメを復帰させようとする訳でも無い。
 ただ一矢報いたい。キマイラウィッチの力を用いてでも、復讐者達の前に立ち塞がり、そして討ち死にしたい。
 その望みしか抱けないのならば、ここで討ち果たすまでだ。
「人形皇帝ナポレオンの最期を伝える。『この戦いは、お前達の完全勝利だ』。彼はそう語り、戦い散った」
 多種族の上に君臨し、彼らをよく利用し、国の存続を追い求めた果てに敗れた大陸軍の王。それが断片の王、人形皇帝ナポレオンだった。そして、その志に、数多の元帥、将軍、そして一兵までもが殉じた。そんな彼らに真の敬意を表す。
 エトヴァの言葉に、しかし、聞こえて来た響きは嘲笑のみだった。
「ディアボロスによる己が正当化だな。自身等に責任はない。悪いのはこやつの弱い心だ。そう言うつもりか?」
 否、それは嘲笑の筈だった。
 響く笑いはしかし、刹那に引き攣った笑みに転じる。
 それを為したのは、カンブロンヌが引き抜いた西洋剣であった。一気に引き抜かれた白刃は、そのまま人面痣へと叩き込まれる。迸った悲鳴は老人の叫びにも、青年の苦悶にも聞こえた。
「お前が……お前が私を騙るな……」
 おそらく【魔女化】の影響なのだろう。膨大な血流を零しながら、しかし、カンブロンヌは言葉を紡ぐ。
「そして、お前達が陛下を語るな! 陛下を討ったお前達が、その無念を、その悔悟を、我がことのように語るのも、騙るのも許しはしない」
 カンブロンヌの表情に宿るのは、昏き目ではなかった。
 無論、輝かしい目でも無い。復讐に燃える睨眼であることは変わり無く、だが、それでも、魔女の支配に染まるそれではなかった。
「私は、自動人形だ。だが、魔女に使い捨てにされる人形などではない! 我が天頂から足指の先まで、全て陛下のもの。――私は、大陸軍軍人。アヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』だ!」
 首筋を斬り裂いた影響か、西洋剣を握る左腕は力なく垂れ下がっている。
 それでも尚と、カンブロンヌは吼えた。
 それが、己が最期に殉ずる物。そう主張するが如く、咆哮する。
「ああ。そうだ。ここが貴様のスイス、貴様の墓標だ。自らの意志で戦え」
 咆哮を受け止めるが如く、エトヴァはその整った顔に微笑を形成し、そして己が得物を引き抜いた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

マティアス・シュトローマー
なんだ、自分の言葉で喋れるじゃん
……武者震いってヤツかな
強敵を目の前にして嬉しいだなんて

ナポレオンを討ち、グランダルメを奪還したディアボロスの一人として
大陸軍の軍人である君はここで倒すよ

【魔女化】が解除されても敵はアヴァタール級。挟撃出来るようポジション取りをしながら、仲間と連携してパラドクスを発動しよう
放たれた七つの弾丸が狙うのは、カンブロンヌの四肢の関節部や彼が切り裂いた首筋の傷。ダメージアップの効果も乗せ、確実に消耗させていきたい

俺もバレエが踊れたら良かったんだけど……アクロバットでの共演は許してくれる?
戦場を駆け巡るカンブロンヌに対し、こちらは【エアライド】を使って宙を蹴り、立体的な立ち回りを意識する事で反撃の回避を試みる
間に合わないものは装備したライオットシールドで往なし、致命傷だけは負わないよう注意を払おう。ガードアップの効果を活用するのも手だろうか

さよなら
君が大陸軍の軍人として――『猛然たるカンブロンヌ』として再び立ち上がり、戦い抜いた事
この傷が癒えても決して忘れないよ


ラズロル・ロンド
アドリブ連携歓迎
救援機動力で直に仲間と合流し
カンブロンヌに対峙しよう

人形だろうと
持ってる信念が変わればこうも表情が変わるんだね
人面痣が喋ってる時より戦い甲斐がありそうだ
侮るつもりは無いが全力で相対するよ

信頼の置ける仲間2人の動きに合わせ
挟撃に位置取り銃を手にステップを踏み出す
バレエじゃないけど奇遇だねぇ
僕も似たような攻撃があるんだ
エトヴァのグランダルメ風の音色に合わせるも
打楽器が聴こえそうなオリエンタル感が滲むステップで
最良のタイミングで銃撃する

反撃の魅せる動きは
音楽性の違いを見る視点で魅了には頬を打ち
流れを予測し銃撃の軌道を魔障壁で遮る

マティアス君の動きに合わせジャンプの中を潜り接敵すれば下から狙い撃ち
エトヴァの曲の流れに身を任せカンブロンヌと攻防を

戦闘後は散り逝く敵を前に
ディアボロスの勝手な押しつけでも
選んだのは君だよ

お互い憂いが少なくなるのなら…それもいいじゃないか
って、勝手に思わせてもらうよ

にしても…魔女の灰
どうしたら滅せられるのかなぁ…
灰なのか魂なのか…残留思念とか?


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

数多の戦場を目の当たりにしてきた
数多の自動人形を薙ぎ倒し、撃ち貫いてきた
猛然たるカンブロンヌ。貴様も立ちはだかるなら、撃ち砕くのみだ

仲間とPD通信で連携
Wandervogel(ヴァイオリン)を演奏しPD攻撃
静寂を裂く音色は、高らかなファンファーレ
規則的なリズムを刻み、行軍歌に描き出すはスイスの地

山脈に囲まれ、緑を広げる大地
機械化された都市にそびえたつオベリスク
奏でるは、戦乱の叙事詩
自動人形と復讐者達が戦った、壮大な舞台を音色に描き出そう

ラズのステップに合わせ、鼓舞する音色を奏で
数多のディアボロスの幻を描き出せば
彼らがカンブロンヌへ襲いかかるだろう

敵味方の動きを観察しつつ、物語の復讐者達を操り
殺到させる事で、味方の攻撃の隙を作り
隙あらば死角を襲う

反撃には魔力障壁とコートで身を守り、タワーシールドを対面に配して火砲の嵐を凌ぎ
敵を見据え、弓で音色を刻み続けよう

戦いが望みならば、最後まで付き合おう
自動人形の軍勢はかくして敗れたのだと

だが、復讐を遂げさせはしない
彼らと同じ場所で眠れ


 アヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』の首筋から流れ出る血は、膨大であった。
 それが彼自身を、そして地面を赤黒く染めていた。
 もしも彼が余人であれば、その出血量は致命傷のように思えた。だが、彼は自動人形。そもそも人ならぬ彼が、これ程までに血を流すこともあるのだろうか。
 故に、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は、それを【魔女化】の影響と断じることにした。
「なんだ、自分の言葉で喋れるじゃん」
 斬り裂かれた人面痣は最早何も言葉を発しない。ただ、醜い傷口のみを、復讐者達に晒すのみであった。
「俺は、マティアス・シュトローマー。ナポレオンを討ち、グランダルメを奪還したディアボロスの一人だ。――その矜持を以て、大陸軍の軍人である君をここで倒すよ」
「私はアヴァタール級自動人形『猛然たるカンブロンヌ』。陛下の仇を討つ為にこの銃を振るおう」
 故に、マティアスの宣言に返事を紡いだのはカンブロンヌ本人の口であった。
 その表情が晴れやかに見えるのは、マティアスの願望が顕在化しただけなのだろうか。或いは、まさしく憑き物が落ちた、と言う状態なのだろうか。
 そのどちらでも構わない、と彼は震える身体を押さえ、口元に笑みを湛えた。
「人形だろうと、持っている信念が変われば、こうも表情が変わるんだね」
 武者震いを携えたマティアスに、そんな言葉が掛けられた。
 ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の一言であった。《救援機動力》で駆けつけた彼は、状況の全てを理解したのだろう。頼もしげな表情のまま、己が得物たる小型拳銃を抜き放ち、身構えていた。
「数多の戦場を目の当たりにしてきた。数多の自動人形を薙ぎ倒し、撃ち貫いてきた。猛然たるカンブロンヌ。貴様も立ちはだかるならば、撃ち砕くのみだ」
 そして、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もまた、古色艶めくヴァイオリンを構え、笑みを湛える。
 それがカンブロンヌの目に不敵と映るか。それとも微笑と映るか。
 だが、おそらく彼の青年はそれを気にも掛けないだろう。
 目の前に立つカンブロンヌは自動人形であり、そして歴史侵略者だ。エトヴァ達復讐者にとっては不倶戴天の敵でしかない。それが事実で、そして今ここに在る全てだった。
「戦いが望みならば、最後まで付き合おう。自動人形の軍勢は斯くして敗れたのだと。だが――」
 だが、復讐を遂げさせるつもりはない。
 仲間と同じ場所で眠れ。
 その宣言が、最後の戦いの幕開けとなった。

 戦場に一陣の風が舞う。
 右腕に構えた突撃銃を振り回し、戦場を走るのはカンブロンヌの躯体であった。
 まるで舞うように。そして、踊るように。
 放つ銃撃は復讐者達を捉え、その身体を梳って行く。吹き出る血は彼らの身体を、そしてその飛沫はカンブロンヌ本人の肌を斑に染め上げていった。
 流石はアヴァタール級。苛烈な攻撃は、先に対峙したトループス級自動人形『リベルタス・ドール』達と比べるまでもない。
 だが――。
(「ああ、そうか」)
 マティアスは内心で嘆息する。
 カンブロンヌの動きは、それでも精彩を欠いていた。動かない左腕。血を零し続けるのみの人面痣。そして【魔女化】解除の影響も大きいのだろう。軽やかに戦場を舞う筈の闘技は、しかし、マティアスの目にも稚拙な児戯の如く映ってしまう。
 それでも、と思う。
 カンブロンヌの抱く気迫だけは、本物だった。
 そしてその気概こそが危険だと、マティアスの内心が告げていた。
 傷付いた獅子は万全の獅子に劣るだろう。だが、手負いの獣こそ、油断するべきではない。その事を彼は認識していた。
「俺もバレエが踊れたら良かったんだけど……アクロバットでの共演は許してくれる?」
「――はんっ。ならば全てを学んで出直してこい。マティアス・シュトローマー!」
 マティアスの放つ幾多の弾丸がカンブロンヌに突き刺さり、返す刀と放つ弾丸はマティアスを掠めるに留まる。積み重なった【残留効果】。そしてマティアスの繰るシールドが、攻撃そのものを阻み、身体への到達を阻んでいた。
 それでもカンブロンヌはパラドクスを、銃撃を紡ぐ。
 己に出来るのは其れのみ。そう断言するかのような舞踏と連射に、マティアスは思わず表情を歪めてしまった。
「世界よ、響き、彩と成せ」
 その背後から、華やかで勇ましいファンファーレが響き渡る。
 エトヴァによる楽曲は、戦乱の叙事詩を、緑広がる大地を舞台とした復讐者と自動人形達の壮絶な戦いを描き、響かせていた。
「歌い、踊り、撃ち放て。さすれば、舞踏と戦いの神が応えよう」
 友の曲に合わせ、妖狐の身体が舞う。
 ラズロルの銃撃は、それそのものこそが楽器の如く、楽曲に合わせて高らかな火を噴いていた。
 楽曲と対な銃弾の三重演奏がカンブロンヌを削る。カンブロンヌを貫く。カンブロンヌを穿っていく。
 零れ出でる血は最早、人一人分は越えただろうか。そして、カンブロンヌ自身が零す機械油じみた何かもまた、周囲を染め上げていく。
 それでもカンブロンヌは手を止めない。それが尽きたとき、己が命を失うと言わんばかりの猛攻は、復讐者達の脚を射貫き、動きを制すべしと牙を剥く。
「確かにこれは僕達の押しつけだ。でも、選んだのは君だよ」
 互いに憂いを減らすなら、それでもいいではないか、と紡いだラズロルの呼び掛けに、帰ってきた言葉は辛辣そのものであった。
「無理矢理押しつけておいて、随分な言い草だな。ディアボロス。最後まで責任は取って貰うぞ!」
(「まあ! それはそうだろうけどね!」)
 カンブロンヌ本人からしてみれば、自らの殻に閉じ籠もっていた処、無理矢理こじ開けられ、その挙げ句に「お前が部屋を出ることを選んだんだろ?」と責任転嫁されたに等しい。責任の所在は何処かと言えば、客観的に見ても明白であった。
 故にラズロルもまた、全力でパラドクスを放つ。
 己が経験した全てを。己が学んだ全てをカンブロンヌに叩き付け、そして、容赦なくその急所を抉っていった。
「そうだ。数多の自動人形を倒してきた俺達だ。その戦歴にキミの名を刻もう。それが俺達の果たすべき責任だ」
 傷付き、動きを鈍らせた自動人形と、未だ余力を残す復讐者。
 勝利の目がどちらにあるかと言えば、それは当然後者だ。如何なる気迫を以て塗り替えようとしても、それを覆すことは叶わない。エトヴァはそう断じる。
 故に全力を以て彼を討つ。より苛烈に。より過激に。より残酷に。
 その躯体が弾け、砕けようとも、動き続ける限りは容赦しない。その想いを持ってエトヴァはパラドクスを、楽曲を紡いでいった。
「さよなら。君が大陸軍の軍人として――『猛然たるカンブロンヌ』として再び立ち上がり、戦い抜いた事。この傷が癒えても決して忘れないよ」
 そして、マティアスの別離こそが、終焉であった。
 放つ銃弾は7つ。それらが戦場を縦横無尽に駆け抜け、カンブロンヌの身体を穿つ。
 首筋、脇腹に両手両脚。そして、最後の一弾が貫いたのは、カンブロンヌの抱く二角帽の下――彼の額であった。
 致命的な一打にカンブロンヌは目を見開き、そして、そのまま地へと崩れ落ちていく。
「ああ、陛下。偉大なる人形皇帝ナポレオン陛下よ。貴方の仇を取れず、しかし、今、貴方の元に馳せ参じます――」
 動きを止める刹那。彼は己が全てを以て自身の矜持に縋り付く。
 それが魔女となる事へ流され、それでも抗った自動人形の最後であった。

 死出の灰と化していく最期を見送り、マティアスは嘆息する。カンブロンヌは散った。彼らが終わらせた。その事実は彼の両腕に、心に強く響き渡っていく。
 その肩を叩くエトヴァもまた、似たような表情を浮かべていた。励ますでもなく、ただ、共感の意のみを整った表情に浮かべていた。
「にしても……魔女の灰。どうしたら滅せられるのかなぁ……。灰なのか魂なのか……残留思念とか?」
「ともあれ、魔女化の儀式を行う黒幕を倒さない限り、それは叶わないだろうな」
 エトヴァの言葉に、ラズロルは頷き、そしてマティアスは遙か彼方を睥睨する。
 そこにカンブロンヌを染め上げた魔女がいる。
 そう告げるかのような鋭い視線は、しかし、火刑戦旗ラ・ピュセルの闇へと呑まれ、消えていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年05月30日

魔女化する自動人形

 ディアボロスが、断頭革命グランダルメ奪還戦に勝利した事で、グランダルメの自動人形の残党は、周囲のディヴィジョンに漂着し始めているようです。
 奪還戦で戦ったスイスの自動人形は全滅したため、漂着する自動人形はフランス本国に残されていた者達である為、その多くが、火刑戦旗ラ・ピュセルに漂着しているようです。
 既に、初期に漂着した自動人形は、キマイラウィッチの手駒となっており、新たに漂着する自動人形の改修に向かっているようです。

 キマイラウィッチの勢力が、自動人形の残党を繰り入れて戦力を大きく強化する事を阻止する為、自動人形が漂着する、ラ・ピュセルと旧グランダルメの境界地域の海岸に向かい、漂着した自動人形を撃破、更に、その自動人形を回収しようとやってくる、キマイラウィッチの手駒となった自動人形の撃破を行ってください。


『復権慈母』イザベル・ロメ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#火刑戦旗ラ・ピュセル
🔒
#魔女化する自動人形
🔒
#断頭革命グランダルメ
🔒
#自動人形
🔒
#魔女化


30




選択肢『アヴァタール級自動人形の【魔女化】解除』のルール

 【魔女化】させられた、アヴァタール級の自動人形の【魔女化】の解除を試みます。
 トループス級と違い、アヴァタール級は、大陸軍の軍人であるという意志が強く、【魔女化】は完全に定着していません。
 大陸軍の軍人としての矜持を取り戻させることが出来れば、魔女化を解除することが出来るでしょう。
 魔女化を解除できた場合、魔女化による戦闘力の上乗せが消える為、戦闘力が低下し、戦闘に勝利しやすくなるでしょう。
 また、この方法で消えた魔女は『ディアボロスへの復讐』の念もろとも消滅する為、その日によって、他のキマイラウィッチを強化する事もありません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、選択肢の説明で指定された特別な効果が発生する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾哨戒任務中のトループス『リベルタス・ドール』のルール

 国境や重要拠点の周囲を警戒して哨戒活動をしているトループス級です。
 怪しい物音などで、敵を誘き出して有利な状態で戦闘を行ったり、敵に発見されないように出来るだけ対象に近づくなどの工夫をする事で、得られる情報を多くするなど、状況に応じて、作戦を工夫すると、目的を達しやすいかもしれません。
 アヴァタール級に率いられている場合と、トループス級単独で哨戒任務を行っている場合があるようです。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『猛然たるカンブロンヌ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「大総・統」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。