黒衣の宰相、復讐者を学ぶ(作者 七尾マサムネ
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#天正大戦国  #忍城決戦~太原雪斎の策略  #武蔵国  #太原雪斎  #忍城 

●宰相、出陣
 ディアボロスとの攻防が続く、忍城。
 天守閣にて戦況をうかがっていた太原雪斎だったが、松平信康に一礼すると、その場を辞去した。
「さて、金熊童子は出陣したようじゃな。やれやれ、次は儂の番というわけじゃ」
 引き連れたトループス級達に、雪斎は告げる。
「お前達、勝つ必要は無いから、そう気負うでない。儂らは、時間を稼ぐだけで良いのだからな」
「では、我々の任務は」
 天魔武者・豪傑型の問いに、雪斎はふむ、と思案する素振りを見せた後、こう指示した。
「そうさのう、お前達は、忍城に繋がれているヒルコを集めて、城外に連れ出すように」
 クロノ・オブジェクトのエネルギー源であるヒルコを? 豪傑型が怪訝そうにする。
「どうやら、ディアボロスはヒルコ趣味があるようじゃからな。ディアボロスがヒルコの救出に向かえば、それなりの時間が稼げるじゃろうて」
「ですが、もしも、奴らが来なかった場合は、いかがいたしましょう?」
「邪魔されなかった場合は、ヒルコは、下総の服部殿にでも下げ渡せば良かろう。服部殿ならば、うまく使ってくれるじゃろうて」
 どちらに転んでも、少なくとも損はない、そう雪斎は言った。
「他のものは、儂とともに、ディアボロスを迎えうつ準備じゃ」
「ははっ!」
 今川弓足軽隊を引き連れ、出陣する雪斎。
「来るがよい、ディアボロス。せいぜい、ゆるりと戦うとしようぞ」

●忍城決戦、第二陣
 王・天花(人間の無双武人・g03356)は、『天正大戦国』における忍城攻略戦、その進捗状況を、ディアボロス達に報告した。
「今のところ、攻略は、順調に進んでいます。その証拠に、既に出撃してきたジェネラル級鬼『金熊童子』に続き、ジェネラル級天魔武者『太原雪斎』が、こちらの迎撃に現れたようです」
 城主『松平信康』の守役でもある雪斎の目的は、ディアボロスの足止めと時間稼ぎのようだ。
 その一環として、忍城で使われて来たヒルコを集め、配下のトループス級に城の外へと運ばせてもいる。
「あからさまな時間稼ぎの策とはいえ、ヒルコ達を見捨てるわけにはいきません。忍城へと急行し、ヒルコを救い出しつつ、太原雪斎の撃破を行って欲しいのです」

 天花によれば、太原雪斎は「ディアボロスが何を考えて行動しているのか」等に興味を抱き、この戦いを通して、理解を深めようとしているらしい。
「時間稼ぎも兼ねて、積極的に会話を行ってくるようです。とはいえ、策士である雪斎が、真に重要な情報をディアボロスに漏らしてしまう事は無いでしょうが……」
 得られるとしても、雪斎が「ディアボロスとの会話の対価として支払っても良い」と判断したもの程度になるだろう。
「多少なりとも情報を得たい場合には、質問を工夫する必要があるでしょう。もっとも、会話に時間をかけてしまうと敵の思うつぼですので、お気をつけください」
 それでは皆さん、ご武運を。
 天花が、決戦の地へと、ディアボロス達を送り出す。

●城外にて
 城の裏手から、脱出する複数の人影がある。天魔武者・豪傑型だ。
 皆、大きな袋を担いでいる。ちょうど人間が入りそうなその袋の中身こそ、捕えられたヒルコである。
 囚われ、城のエネルギー源とされていたため、ひどく消耗している。袋の中からは、時折、うめき声が漏れてくる。
 せっかくなら、出来るだけ城から離れた方が良かろう。そう考えた豪傑型達は、先を急ごうとするあまり、袋の扱いが乱雑になってしまう。
「おい、大事な『荷物』だぞ」
「構うものか、死ななければよかろう。しょせんこいつらは、ディアボロスを引き寄せる餌に過ぎん」
 豪傑型達は、ヒルコを担ぎながら、ディアボロスの襲撃に備えるのであった……。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【冷気の支配者】
2
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【リザレクション】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

七尾マサムネ
 忍城ジェネラル級決戦、二体目、太原雪斎との戦いです!

 攻略の順序としては、③「移送されるヒルコの救出」→①「太原雪斎との会話」→②「護衛するトループス級」→④「忍城の決戦『太原雪斎』」という流れを想定しています。

 選択肢①では、雪斎が、ディアボロスの性質などを知るためと、時間稼ぎのため、世間話をしてきます。
 雪斎からは重要な情報こそ得られませんが、会話に応じてくれたディアボロスへの返礼として、一応質問には答えてくれるようです。

 選択肢③では、『天魔忍軍・豪傑型』を倒すことでヒルコを救出することが出来ます。
 敵に囚われているヒルコは、8人ほどです。いずれもひどく衰弱しており、意識がない者もいます。

 それでは、皆さまのご参加、お待ちしております!
65

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


六藤・鈴鹿
さーて、ヒルコの救出に行きますか
……ヒルコを救う事を『ヒルコ趣味』と考えている辺り、やはりガラクタ人形か
人が人を救う、という真理に気が付けぬ辺り……貴様らを救う悪役は現れぬよ
故に正義の元に滅ぼされるだけだ

奇襲を仕掛ける際、まずは『宙を自在に舞い剣の豪雨を降らせる無数の妖刀へと分裂する剣』を射出して弾幕を
次に奇襲に気が付いた天魔武者に『情報処理能力の強化と高速思考により瞬間ごとに最適解を思考して立ち回る剣』を用いて相手の行動に対して最善手と最適解を
攻撃する際は『他者の心を見通す神通力により敵の行動を読み切る剣』を用いて相手の攻防を読み切って痛烈な攻撃と華麗な回避と防御を用いてアクロバティックな体術を捌いていくよ

これから徳川は大打撃を受けるんだ……タヌキの名を奪った大罪人
この『織田信長』が比叡山の如く地獄の業火で焼き尽くしてやろう

そんな風に己の名を明かし、挑発効果をもたらした後に冷静さを欠いた所で三つの剣で切り刻んでいく


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

ヒルコ趣味って……
まあ言い方はさておいて、策としては痛いところを突いてくるね。
流石は太原雪斎の名を奪った者と言ったところか。
でもディアボロスは一人じゃないし、救援機動力もある。
仲間と分担して事に当たれば、城から離そうとしたところで意味は薄い。
こんな時間稼ぎは無駄であったと、思い知らせてやろうじゃないか。

仲間と連携し、急ぎヒルコ達の救出へ向かおう。

襲撃の際は勿論、ヒルコ達の安全確保が重要だ。
【活性治癒】で少しでも体力を回復して貰いつつ、
敵が盾として使ってくる事も想定して対処する。
敵の動きを見極めつつ、『爆裂怨讐波』のパラドクス使用。
ヒルコ達に攻撃が当たらない様に注意して敵を攻撃し、
【命中アップ】な攻撃で素早く仕留めて、
抱えたヒルコ達を奪い取って救出する。

しかしこの敵、今回は囮役だし目立つのも理にかなってはいるけど、
端から隠密性皆無な豪傑ぶりは、
忍びというアイデンティティとしてはどうなんだろうね。

救出後はヒルコ達の消耗具合を確認し、
仲間と協力して安全な場所まで避難させよう。


エヴァ・フルトクヴィスト
忍城でのジェネラル級出陣も二体目。
ジェネラル級もですが、決戦も時間を掛けずに決着をさせていきたいですが……。

しかしながら太原雪斎も時間を掛けさせる嫌な一手を打ってきますね。
ヒルコ達をこの段階で逃がしに掛かろうとは。
見逃すのは人道的にも、今後の事を考えてもあり得ませんね。
ならば、素早く奪還させて貰いましょう!

逃げている相手は時間稼ぎの囮という役割。
警戒はしていると思いますが、平穏結界などを使って出来うる限り接近。
その後は蒼炎流星嵐を発動させて制圧射撃を行いつつ突撃。

敗走の兵こそ、情報の塊でもあります。
ヒルコの方々の事が無くとも。逃がす訳に行きません!

敵からの攻撃は精神を集中させ、殺気から相手の攻撃を察知、致命傷を貰わないように回避を試みつつ一気に接近。
グラップルの技能や斬撃でヒルコの方々が入った袋を奪い取って、飛翔で脱出!

ヒルコの方々を人質として使おうなど、させませんよ!

距離を取ったら全力魔法で高めていた第二陣の蒼炎流星嵐で追撃を阻止しますよ!

さあ、極温の炎の嵐に呑まれて溶けて消えなさい!


 ひそかに、しかし忍び過ぎぬよう、ヒルコを移送する豪傑型を追って、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)が急行していた。
「さーて、ヒルコの救出に行きますか」
 そして、この任にあたるのは、鈴鹿だけではない。
 忍城におけるジェネラル級の出陣も、二体目。エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)も、時間を掛けずに決着させていきたい……そんな思いとともに、豪傑型の……ヒルコ達の元へと急ぐ。
「しかしながら、太原雪斎も時間を掛けさせる嫌な一手を打ってきますね。ヒルコ達をこの段階で逃がしに掛かろうとは」
 相手の策に乗っかるのは、しゃくではある。だが、ここでヒルコを見逃すのは、人道的にも、今後の事を考えても、あり得ない選択だというのは、エヴァも認めるところであった。
「ならば、取り掛かる以上、素早く奪還させて貰いましょう!」
 文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)もまた、エヴァ達と足並みをそろえ、ヒルコ救出に動いている。その心中は。
「ヒルコ趣味って……まあ言い方はさておいて、確かに策としては痛いところを突いてくるね。流石は太原雪斎の名を奪った者と言ったところか」
 ヒルコ達を見捨てた方が、迅速に城攻めできるとわかっていても、ディアボロスは救出に向かうであろう……雪斎はそう確信しているのだ。
「ディアボロスを割と理解している証拠じゃないかな? でも、やっぱりまだまだかな」
 雪人は苦笑する。
 ディアボロスは1人ではないし、救援機動力も有している。分担して事に当たれば、城から離そうとしたところで、意味は薄い。
「こんな時間稼ぎは無駄であったと、思い知らせてやろうじゃないか」
 一方、鈴鹿達の追走を、今かと待ち構える豪傑型達。
「まだディアボロスどもは現れぬか。雪斎様の読みが外れたのか?」
「いや、こうなる場合も織り込み済みであろうよ……むッ!?」
 ヒルコを運ぶ豪傑型達は、突如、奇襲を受けた。鈴鹿の降らせた、剣の雨である。
「ぬおッ!?」
 いきなりの範囲攻撃に、豪傑型は浮足立つ。雨粒を為す妖刀群は、豪傑型の視界を埋め尽くさん勢い。
「まさか、人質を巻き込む事も厭わぬつもりかディアボロス!?」
 しかしそれは、豪傑型が看破した、鈴鹿のパラドクスの一側面に過ぎない。
 正確には、弾幕を構成するのは、『宙を自在に舞い、剣の豪雨を降らせる無数の妖刀へと分裂する剣』。
 つまり、豪傑型のみを標的とする事も可能、ということだ。
「この攻撃、我らの足止めが第一の目的か!」
 気づいた豪傑型は、迎撃態勢に移った。視界に収めた鈴鹿へと、奇声とともに技を繰り出す。
 しかし、鈴鹿が繰り出したパラドクスは、三つの剣から成るもの。続いて鈴鹿は、『情報処理能力の強化と高速思考により瞬間ごとに最適解を思考して立ち回る剣』を披露した。
「何っ、こいつは……!」
 忍びの本分を投げ捨てた敵の攻勢を、最善手と最適解を用いて、切り抜けていく鈴鹿。
 相手の攻撃を乗り切った鈴鹿は、再び攻めに転じた。次は、『他者の心を見通す神通力により敵の行動を読み切る剣』。
 痛烈な攻撃と華麗な回避、そして防御。それらを巧みに使い分け、敵のアクロバティックな体術を捌き、刃を届かせる。
「我らの技を見切っているだと!?」
「これから徳川は大打撃を受けるんだ……タヌキの名を奪った大罪人。この『織田信長』が比叡山の如く地獄の業火で焼き尽くしてやろう」
「世迷言を! 信長様はあのお方ただ一人! そして、次の王となるのは、我らが家康様よ!」
 鈴鹿の、自信にあふれた、不遜ともいえる宣言に、豪傑型は憤慨した。
 しかしそれは、鈴鹿の思うつぼ。挑発を真に受け、豪傑型は、冷静さ……忍びの割には、元々あまり冷静ではないような気もしたが……を捨て、一層がむしゃらに攻めかかった。
 しかしそうした感情は、技の切れを鈍らせる異物であった。
 こちらの策にはまり、乱れた敵の技を見切ると、三つの剣で切り刻んでいく鈴鹿。
「くそっ、加勢したいが、こちらも手ごわい……!」
 豪傑型がのけぞった。襲撃者は鈴鹿だけではない。エヴァからも攻撃を受けていたからだ。
 警戒していた分、対応自体は遅くなかった。一応は忍びの端くれ、というところか。
「だが、良い塩梅に復讐者が釣れたと思えば僥倖よ!」
 エヴァの追撃に、豪傑型の声は、どこか弾んでいた。損な役回りを押し付けられた形ではあるが、エヴァ達が策にはまったのを見て、留飲を下げているのだろう。
 だが、攻撃に移ろうとする豪傑型の視界を、蒼色が染め上げた。
「なんだ、この妖術はッ!?」
 エヴァの生み出した蒼い炎が、嵐の如く襲い掛かってきたからだ。
 光の尾を引いて、飛び交う蒼炎に、必死に耐える豪傑型。
 万が一、この場を切り抜けた場合、ヒルコは逃亡先への手土産となる。雪斎から授かった使命のためにも、自ら率先してヒルコを巻き込むようなことはない。
 無論、エヴァもそれを見越しての攻撃だ。
「おのれ……だがこの地に来た時点で、貴様らは雪斎様の術中にはまっているのだ! はははッ……!」
 躯体を溶解させながら、哄笑を残し、倒れていく豪傑型。
「敗走の兵こそ、情報の塊でもあります。ヒルコの方々の事が無くとも。逃がす訳に行きません!」
 その時、機能停止した躯体の影から、飛び出す豪傑型。構えた蝦蟇銃の側面が、フルチャージを示す。
 豪傑型と銃口から、同時にあふれた光が、エヴァへと炸裂する!
「狙い撃つ……何ッ!?」
 豪傑型は、自弾が虚空を貫いたのを見た。
 射撃の瞬間、こぼれる殺気を察知し、エヴァは、射線から逃れていたのだ。そしてそのまま、足を止める事なく、敵の懐へと一気に接近。
 素早く、かつ巧みな体術を駆使して、ヒルコの閉じ込められた袋を奪取。そのまま飛翔し、敵の間合いから離脱する。
「ヒルコの方々を人質として使おうなど、させませんよ!」
「ぬぅっ! だとしても、我らに撤退の二文字はない!」
 覚悟を決め、銃把に力をこめる豪傑型へと、エヴァは、再び魔力を高めた。その濃度は、第一陣の比ではない。
「さあ、極温の炎の嵐に呑まれて溶けて消えなさい!」
「ぬ、おお……!」
 次弾のチャージもむなしく。豪傑型は、エヴァの魔嵐に呑みこまれ、焼滅していくのであった。
 仲間達が、次々と敵を討ちとっていく中、雪人もまた、敵と相対していた。
 いまだ、袋に囚われたヒルコ達に呼びかける。
「安心して、すぐに助け出すから」
 ちゃんと聞こえているだろうか? また、聞こえていたとしても、こちらの言葉を信用してくれるだろうか?
 だが、雪人の訴えに応えるように、小さな呻き声が返ってきた。まだ命の灯は消えてはいない。
 雪人は、既に【活性治癒】を用い、ヒルコ達の体力が少しでも回復するよう努めている。
 盾として使用される事も想定していたが、敵と仲間達との攻防を見た限り、敵はヒルコを積極的に利用するようすはないようだ。
 かといって、自らのアクロバティックに巻き込むことに対しては、何ら躊躇するわけでもない。
「疾く決着するのが吉、だね」
「飛んで火にいる夏の虫とはこのことだ。たっぷりと俺達と遊んで行ってもらおうか!」
 ヒルコ袋を仲間に押しつけた豪傑型が、技を放つ。もはや忍の枠を超えた、ニンジャ・ムーブメント!
「しかしこの敵……」
 手どころか足までも駆使して武器を振るってくる敵に、雪人は思った。
 今回、豪傑型が与えられた任務は囮役。ディアボロスに発見してもらうためにも、目立つ事自体は理に適っている。
 けれど。
「端から隠密性皆無な豪傑ぶりは、忍びというアイデンティティとしてはどうなんだろうね」
「敵を仕留めてしまえば認識されぬ! 隠れたも同じよ!」
 雪人の疑問に、豪傑型は、豪快な返答をくれた。それを人は口封じという。
 しかし、それはあまりに乱暴な論であり、現実的ではなかった。
 雪人は、超人的な敵の動きを見極めつつ、ここぞという好機をとらえた。
 恩讐の波動が、敵を撃つ。ヒルコ達に攻撃が当たらない様、最善の注意を払って。
 果たして、研ぎ澄ました狙いは、豪傑型の胸を貫いた。
「な……松平様、徳川様に栄光あれ!!」
 雪人が、素早くヒルコを奪い取って離れると、直後、敵の躯体が爆散した。
「ヒルコを救う事を『ヒルコ趣味』と考えている辺り、雪斎も、やはりガラクタ人形か」
 最後の敵を屠りながら、鈴鹿は呟く。
「人が人を救う、という真理に気が付けぬ辺り……貴様らを救う悪役は現れぬよ。故に正義の元に滅ぼされるだけだ」
 そして、敵が全滅したことを確かめるエヴァ。逃走者や、ヒルコの不明者もいないようだ。
 何より、ヒルコが皆存命している。その事がエヴァを安堵させた。
 皆で確保したヒルコらの容体を確認する雪人。やはり、消耗している。
 雪人達は、最低限の治療を施しながら、城外の安全な場所へとヒルコ達を避難させていくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

野本・裕樹
最終人類史の安全のために思い付く限りの一計を。

会話を通じてTOKYOエゼキエル戦争残党を警戒させ暗躍を妨害することを狙います。

「僅かな間とはいえ停戦もした間柄ですし、忠告だけはさせてもらいます。
TOKYOエゼキエル戦争の残党をあまり信用し過ぎないことです。
貴方方天魔武者は仲間を売るような真似はしないかもしれませんが、彼らは必ずしもそうではありません。
いつかの復讐のために私たちディアボロスの目を一時逸らせるならば、平気で情報を渡してきます。」

相模国の兵器工廠跡で遭ったアークデーモンは事実、小田原城のことを教えてきました。
ここに一つ彼らが捨て置けないだろう嘘を混ぜましょう。

「何故ディアボロスは初手から忍城を攻める前に堤防を築き上げたのか、忍城の仕掛けをまるで知っていたかのように。
おかしいとは思いませんでしたか?」

「彼らはこうして天魔武者とディアボロスの戦いを煽ってくるのです。
貴方方を捨て駒のようにして。
もう一度言います、TOKYOエゼキエル戦争の残党をあまり信用し過ぎないことです。」


 他のディアボロス達が、ヒルコ救出に動いている間に。
 野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は、太原雪斎との対面を果たしていた。
「よくぞ来た、ディアボロス。ヒルコの方は見捨てたのか? いや、戦力を分散させたわけか、抜け目ないのう」
 そういって迎えた雪斎は、トループス級に目配せをした。裕樹の側にも、すぐさま刃を交える様子がないのを察したようだ。
「では、1つ、この爺と語らおうではないか」
 最終人類史の安全のために、一計を。裕樹は、雪斎に語り掛けた。
「僅かな間とはいえ停戦もした間柄ですし、忠告だけはさせてもらいます。TOKYOエゼキエル戦争の残党を信用し過ぎないことです」
「ほう?」
 首をかしげてみせる雪斎に、裕樹は熱弁をふるう。
「貴方方天魔武者は、仲間を売るような真似はしないかもしれませんが、彼らは必ずしもそうではありません。いつかの復讐のために、ディアボロスの目を一時逸らせるならば、平気で情報を渡してきます」
 裕樹は、相模国の兵器工廠跡で遭ったアークデーモンが、小田原城に関する情報を教えた事を明かす。
 そして、揺さぶりをかける。嘘を交えて。
「何故ディアボロスは、初手から忍城を攻める前に堤防を築き上げたのか、まるで忍城の仕掛けを知っていたかのように……おかしいとは思いませんでしたか?」
 裏には、TOKYOエゼキエル戦争の入れ知恵があった……言外にそう匂わせる裕樹。
 雪斎もそれを読み取ったようだが、裕樹はもう一押し。
「彼らはこうして天魔武者とディアボロスの戦いを煽ってくるのです。貴方方を捨て駒のようにして。もう一度言います、TOKYOエゼキエル戦争の残党をあまり信用し過ぎないことです」
「それをわざわざ伝えるとは、敵に塩、というわけか? それとも……」
 雪斎へと、裕樹は問いかけた。
「どうでしょう、ご一考いただけますか?」
「まあまあ、そう急くこともなかろうよ。若者との語らいは、爺の数少ない楽しみでの。桜の季節は過ぎたが、なに、愛でるべき花など、この日の本にはいくらでもある……」
 裕樹への即答を避けるように、雪斎はのらりくらりと話を続けた。
「お前達は、そうやってどのディヴィジョンにも忠告して回って居るのか? お節介じゃのう」
「……時と場合によりますが」
 当たり障りのない答えを返す裕樹。
 そうして、しばし会話を続けた後、雪斎は不意にこう言った。
「ところで、先ほどの忠告じゃが……案じられるまでもなく、他のクロノヴェーダを信用する理由などあるまいよ」
 だが、戦力は戦力、と雪斎は言った。
「あやつらの抱く、お前達ディアボロスへの憎しみが真である事だけは、疑いない。ならば、ディアボロスとの戦いにおいては、利用し合う事も出来るであろう」
 もっとも、ディアボロスを滅ぼした暁には、粛清する事になるかもしれぬがな。雪斎はそう締めくくった。
「つまり、クロノヴェーダの間に信頼関係などあるはずもなく、天魔武者側も、向こうに利用価値がなくなれば、いつでも切り捨てる用意があるということですか」
 裕樹の理解を肯定するように、雪斎は、ホッホ、と笑いを返すのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

文月・雪人
雪斎は家康を王にしたい筈
復讐者を利用するなら状況次第と伝えつつ
大阪城の弱点を教える様に揺さぶりだけでもかけてみたい

復讐者について興味があるのは、駒として使う気があるという事かい?
それは此方も同じ事、天魔武者には興味がある
戴冠の戦に向けて外には敵が多いからね

先の協定は破棄になったけど、それは仕方のない事だ
リスクの割に此方にメリットが無さ過ぎた
王の交代で方針が変わって一気に攻めて来られても困るしね
待つ事のリスクを重く見る者が多かったというだけだ

元よりクロノヴェーダと復讐者は敵同士
仲良く手を組める訳ではないのだろう
それでも共通の敵があるならば
互いを利用出来る事はあるかもしれない

断片の王の後継者はまだ決まっていないのだったね
摂津国へ攻め込まれた秀吉よりも
下野国を守る家康の方が優勢と見ているのかもしれないけど
大阪城の守りが固過ぎてね、真面目に撤退も考えているよ
悔しいが、秀吉にとっては復讐者を撃退した功績となるのだろう
王もそれで決まりそうか

大阪城攻略のヒントが見つかればその前に攻め切りたいのだけどね


 野本・裕樹に続き、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が太原雪斎との会話に臨んだ。
「次に儂の茶飲み話に付き合ってくれるのは、お主かの?」
 雪斎は、家康を王にしたい筈。であれば……雪人は、話を切り出す。
「復讐者について興味があるのは、駒として使う気があるという事かい? なら、それは此方も同じ事。戴冠の戦に向けて、外には敵が多いからね」
 雪斎の反応をうかがいつつ、話を進める雪人。
「先の協定は破棄になったけど、それは仕方のない事だ。リスクの割に此方にメリットが無さ過ぎた。王の交代で方針が変わって、一気に攻めて来られても困るしね」
 待つ事のリスクを重く見る者が多かったというだけだ、と雪人は付け足した。
「元よりクロノヴェーダと復讐者は敵同士、仲良く手を組める訳ではないのだろう。それでも、互いを利用出来る事はあるかもしれない。共通の敵があるならば」
 雪斎が、こちらの話に耳を傾けているのを確かめ、雪人は続けた。
「断片の王の後継者。摂津国へ攻め込まれた秀吉よりも、下野国を守る家康の方が優勢と見ているのかもしれないけど、大阪城の守りが固過ぎてね、真面目に撤退も考えているよ」
「ほう」
 聞き手に徹し、うなずく雪斎。
「悔しいが、秀吉にとっては復讐者を撃退した功績となるのだろう。王もそれで決まりそうか」
 それはつまり、家康がレースから脱落する、という事。
「まあ、大阪城攻略のヒントでも見つかれば、王決定の前に攻め切りたいのだけどね」
 揺さぶりをかけることで、大阪城の弱点を聞き出せれば。それが、雪人の狙いであった。
「ヒント、ヒントか。ディアボロスは、秀吉殿が断片の王となることが、より不利益につながると考えているという事かのう?」
 はぐらかすつもりかな? 雪人はそう思いつつも応じた。
「どちらが王となろうと、戦いが楽になるとは思っていないよ。雪斎老は、家康公を推すのだろうけど」
「どうじゃろう、土壇場になればわからぬぞ? ディアボロスも勝ち馬に乗りたいものじゃろう?」
「復讐者としての本懐を果たせるのなら、少しは考えなくもないかな」
 両者とも、かわす言葉は虚々実々。
 しばしのやりとりの後、雪斎は、少しばかり居住まいをただした。
「さて……先ほどの問いじゃが。儂が答えたとして、儂が真実を話しているか否か、どう判断するつもりじゃな?」
「こちらも、幾度か天海大僧正との交渉を経験しているからね、少しはその方法を心得ているつもりだよ。具体的にそれを話すのは、遠慮させてもらうけど」
「ふむ、そう来たか……なるほど興味深い」
 ならば聞くがよい。そういって、雪斎は語り始めた。
「大阪城を攻め滅ぼしたいならば、城取合戦とやらを仕掛け、正面から攻めてもなんとでもなるだろうて。あの淀殿を先に撃破したという情報が真であるのならば、それで問題は無い」
「ディアボロスの武力をもってすれば、大阪城に対しても、正攻法が通じると?」
 雪人には答えず、雪斎は、話を続けた。
「それでもなお心配だというのならば、摂津の神社をしらみつぶしに探してみると良い。神社の一つに、大切に育てられたヒルコがいるはずじゃ」
 そのヒルコが、秀吉殿の重要な兵器の鍵となろう。雪斎は言った。
「鍵無くして扉は開かれぬ……当然の道理じゃな」
 返答を胸に刻む雪人の様子を、雪斎は興味深げにうかがっていたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

園田・詠美
お茶会の時間は終わりでしょうか?
それでは、今度は口ではなく……こちらで言葉を交わしましょうか!
会話が終わったのに合わせて、護衛に対しての攻撃を開始します!

高速で移動するのは敵の得意分野
わざわざそれに付き合う気はありません
それにこちらも一人ではないのですから!

会話後に一撃叩き込んだ後は、駆ける敵に対してこちらは足を止め、展開した【魔力障壁プログラム:"Leyak"】で攻撃を受ける構え
直撃を避け、ダメージを抑えつつ、敵の動きを予測して魔力砲弾の反撃をお見舞いです!

会話直後を狙った攻撃し、足を止めて攻撃を続ける敵……真っ先に狙うには丁度良い標的ではないでしょうか?
私を狙ってくれればくれるほど、他の方が動く隙も多くなるというもの
敵の攻撃を引き付けることで皆さんを援護しますね

勿論、すぐにリタイアするつもりもありませんが
できるだけダメージは稼がせてもらいますよ!
魔法陣展開、魔力装填!
業務、執行ーーー!!


音無・サカハ
アドリブ、連携歓迎

護衛隊か、体を温めるにしちゃ丁度いい、行くぞ
あのジェネ級が見ているんだ、ここで手札を切る訳にはいかない、でば久しぶりにあれを使うか
「コード:DAWN FALL展開、ジェネレーターモードリンク完了、フリージングミサイル、発射用意、ターゲット、マルチロック」
目指すのは彼らと、その陣形の隙。
いくら空中戦とは言え、必ず隙が居るはず、そこを目指せばいくら当たらなくでも、冷気で破面の動きを一時的遅くなることができるはず、あとは仲間立ちを信じで...動くだけ!
「ロック完了、全弾発射!いけぇぇーー!」


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

正直興味は尽きないし、もっとじっくり話してみたくはあるのだけどね。
だが断片の王の交代までのタイムリミットももう近い。
これ以上時間稼ぎをさせる訳にもいかないさ。
配下の今川弓足軽隊もまだ健在だ、急ぎ倒していかなければ。

ここにいる今川弓足軽隊はトループス級だが、通常のアヴァタール級達以上の強さがある。
油断ならない精鋭相手、素早く倒すには仲間との連携は重要だろう。
【パラドクス通信】で仲間と確と連携し、フォローし合って戦いたい。

【能力値アップ・命中アップ】で敵の動きを確と見極めながら、『幽玄の霧』のパラドクスを使用する。
有明月の名の竜笛を吹き鳴らし、生み出した幻の中に敵を捕らえよう。
当然反撃もあるだろうが、幻で狙いを狂わせつつ、飛来する矢を刀で弾いて【ガードアップ】。
敵の意識が幻の中から脱する前に、
【命中アップ・ダメージアップ】なパラドクスの力を込めた、雪月花の刀で敵を薙ぎ払う。

可能なら攻撃する相手を仲間と合わせ、ダメージを一気に蓄積させて、
なるべく急いで敵数を減らしていきたい。


ミシェル・ラークリーズ
実はこの天正大戦国はかなり関わってるんだよね。ヒルコ趣味?あれだけ酷い扱いされたら助けるのは当然だよ。僕達も人だし。まあ、所詮カラクリだね。人らしい心持ってない。まあ、期待してないけどね。


まあ、僕達の救助を悪趣味と捉えるぐらいだから幾ら学んでも無駄だね。これ以上戦力固められても困るので、まず何気にとっても手強い弓兵隊片付けておくか。戦場は飛び道具の部隊の支援が趨勢を決めるというし。

僕、剣術は心得あるんだけど、飛び道具は慣れてないんだなあ・・・。【パラドクス通信】で仲間と連絡を取り合い、仲間の隙を埋めるかのように【高速詠唱】でライオニックサンダー発動!!【ガードアップ】【残像】で追尾する矢に耐えながら雷の獅子で一気に押しつぶす!!追尾する矢が面倒なら矢を放つ本体潰せばいいよね?流石に頭部は無防備なはずだ!!

何気に雪斎に更に戦闘データ送られても困るから、【通信障害】が効けばいいけど。黎明のソードハープと明星の剣で矢を叩き落としながら耐える。

正直しんどい。でも僕は一人で戦ってる訳ではないから。


 ディアボロスと太原雪斎の会話がひと段落ついたのを見計らい、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)が前へと進み出た。
「お茶会の時間は終わりでしょうか? それでは、今度は口ではなく……こちらで言葉を交わしましょうか!」
 いうなり、詠美は、戦いの火ぶたを切った。
 既に虚空には、描き出された魔法陣。それは照準が如く、雪斎を護る弓足軽隊をロックオン。
 詠美の合図とともに、魔力弾が射出され、敵兵を貫通する!
 機能を停止し、倒れる足軽。詠美による、わかりやすい宣戦布告を目の当たりにして、雪斎は嘆息した。
「今しばらく長話に興じたいところであったが、まあ良い。次は武力で時間を稼ぐとしよう。ゆけ」
 雪斎の命令に従い、弓足軽隊が構えた。
 詠美と共に、決戦に臨む音無・サカハ(流星の風来坊・g10149)へも、弓足軽隊の弓が向けられる。
「護衛隊か、体を温めるにしちゃ丁度いい、行くぞ」
 本丸である太原雪斎がすぐに待ち構えているのだ。サカハ達の奮闘が、次の戦いへの布石となる。
 この戦いを力として連鎖させるべく……サカハは、まずは露払いに臨む。
 一言だけいいかな、と、ミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)が、弓足軽隊の後方に控える雪斎にモノ申した。
「ヒルコ趣味って言ってたけどね? あれだけ酷い扱いされたら助けるのは当然だよ。僕達も人だし。まあ、所詮カラクリだね。人らしい心持ってない。期待なんてしてないけどね」
「ゆえに知りたいのじゃよ、ディアボロスの心というやつを、の」
 雪斎の発言は、偽りではないだろう。知り得たものの用途について、ミシェル達にとって歓迎すべきものでない可能性が否定できないだけで。
「まあ、僕達の救助を悪趣味と捉えるぐらいだから、幾ら学んでも無駄だね」
 ミシェルは、ささやかな会話を打ち切った。これ以上、戦力を固められても困る。
 まずは、本丸、雪斎を攻める前に、手強い弓兵隊を片付ける。
「戦場は、飛び道具の部隊の支援が趨勢を決めるというし」
 そして、雪斎とのやりとりを終えた文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)も、3人とともに攻勢に転じる。
「正直興味は尽きないし、もっとじっくり話してみたくはあるのだけどね。だが断片の王の交代までのタイムリミットももう近い。これ以上時間稼ぎをさせる訳にもいかないさ」
 名残惜しさと決別する雪人。今は、敵配下の殲滅こそが急務だ。
 雪人達と交戦する今川弓足軽隊は、階級こそトループス級。だが、それ以上の強さを発揮しているようだ。
 ジェネラル級である雪斎が、直々に出陣しているのだ。勝利が必ずしも目的でないとしても、無様な戦いは出来ぬという面もあるのだろう。
 油断ならない精鋭相手だ。これを素早く倒すため、雪人は、仲間達と連携を図った。
 速やかに【パラドクス通信】で、仲間との伝達路を確保。本格的な交戦を開始した。

 詠美は、弓足軽隊の戦法を知っている。陸海空、いずれの戦場であっても、対応ユニットを用い、機動力を発揮する事を。
 足軽隊は、機械馬に騎乗すると、詠美の包囲に取り掛かった。
 戦場を駆け回ることで、魔砲弾の標的になることを避けつつ、詠美の退路を封じる構え。
「高速移動は敵の得意分野……ですが、わざわざそれに付き合う気はありません。それに、こちらも一人ではないのですから!」
 馬上の射手から、一斉に矢が放たれる。弓本体には、『雷』の文字。その名の通りの魔力を付与された矢だ。
 詠美は、とっさに展開した『魔力障壁プログラム:"Leyak"』で、攻撃を受けた。矢がまとう魔力を、障壁が減衰する。
 雷を霧消させてダメージを抑えつつ、敵の動きを予測すると、貫通力を高めた魔力砲弾の反撃をお見舞いしてやる。
 それは、機動力の源である機械馬もろとも、足軽を貫き、爆散させる。
 次第に、敵の狙いが、詠美に集中していく。
 何せ、会話の直後を狙って真っ先に攻撃を加えてきたうえ、足を止めて反攻を続ける標的だ。真っ先に狙うには丁度良い。
 しかしそれも、詠美の策のうち。こちらを狙ってくれればくれるほど、他のディアボロスが、自由に動く隙も増えるというもの。
 その分、被弾が増えるが、それもやむなし。だとしても、敵に損害を与えずしてリタイアするつもりもない。
「にしても、上司と違ってずいぶん無口ですのね!」
 確かに、おしゃべり好きの雪斎と違い……目的があって会話していたのだろうが……足軽隊は、黙々と、詠美の迎撃に専念している。まあ、兵とは本来そういうものであろうが。
「少し愛想が足りないなんて思ってしまいますわね……ともあれ、魔法陣展開、魔力装填!」
 敵の陸戦布陣をしのぎながら、詠美は新たな詠唱を完成させた。
「業務、執行ーーー!!」
 炸裂した魔砲撃が、敵群を爆砕していく。
 詠美に引きつけられ、戦力を分散した敵に、サカハが仕掛けた。
 地上戦では優勢が取れないと悟ったか。サカハの目前で、足軽隊が、武装を変更する。
 虚空より召喚された空戦用ユニットが、背部にドッキング。脚部にも補助推進器が追加され、その身を空中へと押し上げた。
「距離を取り、こっちの頭上を押さえたうえで、蹂躙しようってつもりか」
 同様の戦法を取った足軽隊が、空中に布陣する。
 陣形を整えると、一斉射撃で、サカハを攻める。もっとも、このまま座して、ハチの巣になるのを待っているサカハではない。
 こちらも、連携して事に当たっている。全力を出せば、敵兵を蹴散らすのは、難しいことではない。ただ、それをためらう理由が、サカハにはあった。
 太原雪斎だ。
 今も、サカハ達の戦法を注視している。会話同様、戦闘行動を観察し、ディアボロスを理解する一助とするつもりだろう。
(「ここで手札を切る訳にはいかない」)
 では、久しぶりにあれを使うか。サカハは決断した。
「コード:DAWN FALL展開、ジェネレーターモードリンク完了、フリージングミサイル、発射用意、ターゲット、マルチロック」
 サカハの手にしたカメラが、内部機構を展開し、ガジェットウェポンとしての本領を発揮する。
 目指すのは空中の敵兵力と、その陣形の隙。いくら、数をそろえた空戦布陣とは言え、必ず付け入る糸口があるはず。
 そこを捉えれば、仮にクリーンヒットとはならずとも、発した冷気が機体を蝕み、動きを一時的にでも遅延させることができるはず。
 あとは仲間達を信じて……動くだけ!
「ロック完了、全弾発射! いけぇぇーー!」
 サカハの決意を乗せた無数の氷弾が、敵群へと解き放たれた。
 機動力の上昇は、こうした攻撃に対処するため。一斉に、回避行動に移る足軽隊。
 しかし、サカハの氷弾は、それを容赦なく追撃する。味方との通信で、敵の動きはある程度把握済み。牽制弾が相手を追い込み、本命が確実に敵を捉える。
 冷気の塊が、空の敵を一機、また一機と撃滅していく。そこに、ミシェルが加勢する。
「僕、剣術は心得あるんだけど、飛び道具は慣れてないんだなあ……」
 その不足を補うのは、手元の通信機……【パラドクス通信】。仲間達との連携を密にする。情報も、力だ。
 敵の矢が、仲間を狙う。乱戦中ゆえ回避は困難……だが、その隙を埋めるように、雷が迸った。
 ミシェルの放った、獅子の電撃塊だ。
「……!!」
 駆け抜けた雷獅子が、電撃の牙で、敵を食いちぎる。
 その攻撃力を脅威と判断したのであろう。ミシェルに対処する弓足軽達は、兵装を交換した。
 召喚された追加武装、選択されたのは、海戦ユニットだ。
 ここは地上。にもかかわらず、敵がこの装備を選んだのには理由がある。海戦兵装に備わった、優れた防御力だ。すなわち、ミシェルの雷撃に対する備え。
 そして、敵兵は、ミシェルへの反撃を開始した。追加ユニットにより追尾性能を付与された矢で、ミシェルを狙う。
 上昇させた守りの力と、回避時に生じる残像を駆使して、矢の猛攻に耐えるミシェル。
 味方の声掛けの力も借りつつ、敵の射撃をしのぎきったミシェルは、再び攻撃に回る。
 頭上に招来した雷の獅子が、戦場じゅうに咆哮を轟かせる。
「追尾する矢が面倒なら、矢を放つ本体を潰せばいいよね?」
 ミシェルの意志を汲んだ雷の獅子が、一気に敵に飛び掛かる。頭部を狙い、問答無用で圧し潰す!
「ふむ、力と策の合わせ技というわけか……」
 弾ける雷の中、戦いをうかがう雪斎が、ミシェルの視界の端に映る。
 この戦いも、貴重な情報として、利用するつもりだろう。もったいない精神である。
(「何気に戦闘データ送られても困るし」)
 ミシェルは、ひそかに【通信障害】を展開していた。敵の狙いを潰す効果があればいい、と期待して。
 なおも続く敵の一斉射。黎明のソードハープと、明星の剣を振るって、矢を叩き落としながら耐えるミシェル。
「正直しんどい。でも僕は一人で戦ってる訳ではないから」
 ミシェルは、仲間達をうかがった。
 うなずく雪人が連携する相手は、何もこの場にいるディアボロス達だけではない。残留効果……ディアボロス達の戦いの歴史が、雪人達に、勝利へと導いてくれている。
 その力をまとい、敵の動きを確と見極めた雪人は、竜笛を構え、奏でる。
「……!」
 弓兵達の動きが、束の間、止まる。
 その反応こそが、有明月の名を持つ竜笛を吹き鳴らし、雪人が生み出した幻の中へと、囚われた証拠である。
 幽玄の内へと誘われたトループス級は、困惑する素振りを見せつつも、粛々と反撃行動に移った。
 召喚した空戦用ユニットを、装着。空中へと戦場を移すと、雪人へと長距離射撃を浴びせかける。その矢は、鮮やかに雪人を貫いた。
 だが、弓兵は幻の中。実際の矢は、虚空を駆け抜け、壁へと突き立っている。
 まがいものの戦果に満足し、再度射撃する弓兵。だが、現実ではその狙いもまた外れ、雪人を捉える事は叶わない。
「武力のみならず、術でもディアボロスはあなどれぬな。その連携力、我が兵と何が違うものか」
 雪人達の戦いぶりを、吟味する太原雪斎。部下の脱落も、情報収集のためならば厭わぬとみえる。
「あいにく、これ以上知識欲を満たさせるわけにはいかないんだ。先刻良いことを教えてもらったのに悪いけれど」
 引き続き飛来する、狙いの甘い矢を刀で弾きつつ、雪人は前進した。
 守りの力を高めると、敵の意識が、幻の魔手から脱する前に、刀を振るった。
「……!?」
 研ぎ澄まされた雪月花の一太刀が、敵を薙ぎ払う。
 残敵は僅か。仲間と狙いを合わせ、集中攻撃。可及的速やかに、敵数を減らしていく雪人だった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【動物の友】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

神山・刹那
太原雪斎、確か今川義元の軍師だったはず
そいつがなんでここにいるのか分からんが、大将首だ。もらっていくぜ

臨済真言で周囲をエネルギーの結界で覆って押し潰そうとするのなら、下手な小細工はかえって不利になるので残像が残る速さで最短距離を一気に突っ込み、結界で四方を覆われても、結界を両断して破壊し、自身の進路を邪魔するありとあらゆる物を斬り捨て、真っ直ぐに雪斎の首を目指し、目前で跳躍し、雲を裂き大地よ砕けよと言わんばかりの渾身の一太刀で斬り捨てる
「所詮は軍師か。どの程度の技か興味はあったが、俺の飢えが満足するほどじゃなかったな。さっさと次に行くか」


 ディアボロス達の連携が、決着への扉をこじ開けた。
 残るは、本丸……黒衣の宰相。神山・刹那(梟雄・g00162)は、乱戦の残滓漂う戦場に立つ。
「太原雪斎、確か今川義元の軍師だったはず。そんなやつがなんでここにいるのか分からんが、大将首だ。もらっていくぜ」
「人に歴史あり、じゃな。儂の首の1つや2つ、くれてやっても構わんが、対価は支払ってもらわねばのう」
 しゃらん。
 雪斎の機械錫杖が奏でた、不可視の圧が、刹那を襲った。
 雪斎は、武人ではない。軍師であり僧であり、しかしジェネラル級。その戦力は、当然あなどれぬ。刹那が期待を抱く程度には。
 それに呼応するように、愛刀・覇龍が、身じろぎしたように思われた。
「仲間が茶飲み話に付き合ってやったんだ、その分、少しは楽しませてくれないとな」
「真の楽しみを得たいのなら、互いを知る事も肝要。それには時間が必要なのじゃがな」
 この期に及んで、のらりくらりとした言葉を返す雪斎。命を懸けたやり取りに臨む者とは思われぬ。
 何せ敵の目的は、時間稼ぎ。城主・松平信康を延命させ、徳川家康戴冠の時を少しでも手元に引き寄せるが望み。
「しかし、最早対話が望めぬのなら……こうじゃ」
 雪斎の口元から、詠唱がこぼれだす。
 紡がれるのは、真言。雪斎の呪力に応え、臨済真言が、文字として視覚化されていく。それらが連なり、生成されていくのは、高密度のエネルギーの結界だ。
 それを雪斎は自身の防護ではなく、相手の制圧に用いる。
 下手な小細工はかえって不利になる。そう考えた刹那は、あえて、敵へと突撃を決断した。
 その速さに遠慮はない。相手の視覚と戦場に、己の残像を焼き付けながら、雪斎への最短距離を一気に突撃する。
 そして遂に、刹那の周囲に、結界が成立する。それは、エネルギーの檻だ。
「我が術、簡単には破れぬよ。もっとも、武を示したいのならば、望むところであろう?」
 雪斎が笑うと、結界が、収縮を始めた。こちらを圧し潰すつもりだ。
 雪斎の真言、ジェネラル級の力そのものが、刹那に押し迫ってくる。
 だとしても、破る。
「……ほう」
 雪斎が、思わず、といったふうに、声をこぼした。刹那の太刀が、結界を両断したからだ。
 何ものが立ちはだかろうと、進路を邪魔するものならば、ありとあらゆるを斬り捨てる。目指すは、雪斎の首1つ。
 一層加速した刹那は、標的の直前で、跳躍。愛刀に、有らん限りの力を込め、振り下ろす。
 竜爪の渾身が、雪斎をたがわず捉えた。その威力、まさに雲を裂き、大地を砕く。呪力の残滓が吹き飛び、城内が震動する。
「くう、これは老体には堪えるのう」
「ぬけぬけとよく言う。けど、ジェネラル級とはいっても、所詮は軍師だな。勝つつもりのないヤツなら当然か」
 勝利、そして戦いそのものへの飽くなき欲求。
 それが、刹那と雪斎との差か。
「太原雪斎の真言、どの程度の技か興味はあったが、俺の飢えが満足するほどじゃなかったか。さっさと次に行くか」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎

『天海僧正』との会談のように話だけをして終わりとはいきませんよね。
話すべきと思ったことは話しました、ならばこれ以上の時間稼ぎをさせるわけにはいきません。
雌雄を決するとしましょう。

使う刀は《廻刃刀『竜顎』》です。
接近して『太原雪斎』自身を遮蔽とすることでドローンによる包囲を不完全なものとし武器の強みを押し付ける戦いを狙いましょう。
『竜顎』を地面を削る程に低く構え低姿勢のダッシュで接近。
地面に刺したまま勢いよく弓なりに斬り上げ『竜顎』の回転する刃を叩きつけます。
地面を鞘に見立てた抜刀術です、地面から抜き放たれた剣速と鎖鋸の威力をぶつけましょう。

レーザーをどうこうするのは難しいかもしれません、ならばレーザーを撃つドローン本体の方を斬り落とすことでレーザーを減らし残りを躱せるだけ躱すことで防御としましょう。
その間にも当てるだけで威力の発揮できる『竜顎』なら反撃も狙えるはずです。

『太原雪斎』、貴方のような策は私には使えませんけれど……その策を越えて先に進ませてもらいます。


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

部下の戦いもまた情報収集の一環であると。
それは職務である以上に、生来の好奇心のようにも思えて、少なからず親近感も感じていたり。
だが油断ならない相手であるのは間違いない。
紛う事なき強敵相手、撃破まで数度刃を交える必要性も想定し、気を引き締めて対峙しよう。

出来れば【パラドクス通信】で仲間と連携して戦いたい

予め、密かにクダ吉を放っておき
俺の方は囮として、陰陽師らしく呪符を構えて対峙する
刀ではなく呪符を構えるのは、呪符の方が動きを読まれ難いからだ
どんな術を使うのか、向こうもまた此方の動きを警戒しているに違いない
その性質も利用して注意を引きつつ
【反撃アップ】で雪斎の動きを読みながら
『管狐影縛法』のパラドクスを使用する

臨済真言の結界は厄介だけれど
防御の印を結ぶ振りをしながら【ガードアップ】
更に呪符によって反撃すると見せかけて
此方へ注意の向いた隙を突いて、本命はクダ吉の攻撃だ

クダ吉が死角から雪斎の影へと牙を突き立てる
【命中・ダメージアップ】な攻撃で動きを縛り
更に仲間の攻撃へと繋げよう


 神山・刹那の強力な一刀に、圧倒されつつも、なお健在なる黒衣の宰相。
 文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、こちらの動きを探るような戦法をとる太原雪斎と、改めて対峙する。
 配下トループス級の戦いもまた、情報収集の一環だというのか。
 それは雪斎の職務である以上に、生来の好奇心のようにも思えた。と、なれば、今、雪人が雪斎に抱いている感情は、親近感と呼ぶべきものかもしれない。
 だとしても、油断ならぬ相手。かの【七曜の戦】を経た雪人達をも圧倒する、ジェネラル級の存在感。これは、紛う事なき強敵とみて間違いなかった。
(「これを制するまでに、何度刃を交えればいいのだろう」)
 再戦の必要性も想定し、一層、気を引き締める雪人。
 幸い、この場には、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)も共闘している。【パラドクス通信】が機能している事を確認し、共に、雪斎に挑む。
 通信端末を携え、裕樹も、廻刃刀『竜顎』を構えた。
「『天海僧正』との会談のように、話だけをして終わりとはいきませんよね」
「いいや、ディアボロスが退いてくれるというのなら、今すぐにでも終わらせても構わんぞ?」
 雪斎が、裕樹をからかうように告げる。
 雪斎の目的は、ディアボロスの殲滅ではない。最良で撃退、最低でも時間稼ぎなのだから。
 しかし、それを、裕樹達ディアボロスが許すことはない。
「話すべきと思ったことは話しました。ならばこれ以上の時間稼ぎをさせるわけにはいきません。雌雄を決するとしましょう」
「名残惜しいのう。これもディアボロスとクロノヴェーダの定めか」
 雪斎の残念は、真か偽りか。しかし、その言葉通り、裕樹が刀を納める道理がないのも事実だった。
 ぎんっ。雪斎の機械眼が、雪人の方へと蠢いた。雪人が、呪符を手にしたのを察して。
「なるほど、陰陽師らしいやり方よのう。しかし、先ほどは刀も振るっていたようじゃが」
 雪斎の言葉に、雪人は、はぐらかすような笑みを返す。
 刀ではなく、呪符を構えるのは、こちらの方が相手から動きを読まれ難いという考えからだ。
 符からどのようなパラドクスを使うのか、探るようなまなざしの雪斎。一手で積みとなるような力が、ディアボロス単独に存在しない事は、当然、わかっているだろう。
 だとしても、その一手が最悪へとつながる布石になる可能性は捨てきれない。
 そもそも、呪符自体がフェイクで、刀で来るかもしれない。それくらいのことは、相手も想定しているに違いない。
 相手の警戒を誘うように、術の行使タイミングを見計らいながら、相対する雪人。
 そんな雪人に余裕を与えるように、裕樹が仕掛けた。一気に敵に接近し、『竜顎』を振るう。
 敵が、近接戦闘を得手とするタイプでない事は見越していた。それ以上に、敵兵装への対策の意味合いが強い。
 雪斎の体を遮蔽とすることで、ドローンによる包囲を不完全なものとする。反対に、裕樹の武器の強みを押し付ける戦いへと持ち込むのが狙いだ。
 『竜顎』を、地面を削らんばかりに低く構え、低姿勢の疾走で相手に迫る。
 地面に刺したまま、勢いよく弓なりに斬り上げ、『竜顎』の回転する刃を叩きつける。
 裕樹が繰り出したのは、地面を鞘に見立てた抜刀術。地面から抜き放たれた剣速と鎖鋸の威力が、雪斎にぶつけられる。
 大きく後退する雪斎。距離を取らせまいと、裕樹はすぐさま追いすがる。
「これは痛打をもらってしまったのう。密着しておれば、儂が自傷を嫌い、攻勢が鈍くなると読んだか。じゃが、この爺にも多少の覚悟というものがあるでな」
 雪斎の数珠が、個別に分離し、宙を舞う。1つ1つが攻性ドローンだ。
 雪斎の四肢同然たるドローンが、レーザーを照射した。裕樹を削り取ろうとする光線が乱舞する。このレーザー自体に対処するのは、確かに、難しいかもしれぬ。
 ゆえに、裕樹が取った対策は、別のものだった。
「む」
 裕樹の刃が狙ったのは、雪斎でもレーザーでもなく、ドローンそのもの。
 発振器自体がなければ、レーザーも放てぬ。残る光線は、裕樹の身体能力を駆使して、躱せるだけ躱し、損傷を抑えた。
「やるのう。さて、そちらもいつでも攻めてもらって構わんのじゃぞ?」
 雪人を誘うように、雪斎が、真言を唱えた。
 それは、見えざる筆となって虚空に文字を描き出し、雪人の周囲に結界を編み上げる。
 結界は、それ自体が武器だ。雪斎の合図で収縮を始める。その身を圧し潰そうという算段だ。
 雪人は、素早く、防御の印を結んでみせる。しかしそれは、あくまで『振り』に過ぎぬ。
 【ガードアップ】の効果を纏い、なんとか結界の圧に耐えきった雪人は、すぐさま反攻に転じた。
「さて、素直に呪符で来るか、刀で来るか……?」
 そのどちらでもなかった。
「おおっ、これは」
 雪斎が、声を上げ、硬直した。
 管狐のクダ吉が、雪斎の死角から、その影へと牙を突き立てている。
 呪符による反撃と見せかけ、雪人へ注意の向いた隙を突き、本命役のクダ吉が飛び掛かっていたのだ。
「なるほど、なるほど。ディアボロスは、よほど頭を働かせるのが好きとみえる」
 影を束縛され、雪斎本体の動きもまた、止まる。これは願ってもない好機。
 雪人に託された裕樹が、周りのドローンを切り抜け、『竜顎』で敵を削り返す。
 火花を発して金属質の僧衣を砕き、本体を断ち割る。
「おお、これがディアボロスの連携というものか」
 破片を散らしながらも、雪斎は、何処か喜々とした声を上げた。
 そんな強敵を、裕樹は、きっ、と睨む。
「『太原雪斎』、貴方のような策は私には使えませんけれど……その策を越えて先に進ませてもらいます」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

音無・サカハ
※アドリブ連携歓迎

いよいよ本命だ
さすがジェネラル、面白くって強い、そして癖が強い奴ばかりだ
さって、ここまだ来たら、もう手札を隠す必要がなくなったま。
ここからは手加減なし、全力で行くぜ!デジタルサマナーの力、見せてやる!
パラドクス起動!来い、プロミネンス・ドラグナー!お前の出番だ!

『ほう、ジェネラル級の天魔武者か、面白い、歯答えありそうだ…行くぞサマナー!』
気合入ってるな、じゃ久しぶりにあれを使うか!

俺たちのコンビ技、受けてみやがれ!蒼炎を身に纏ったこの剣の切り味は、ちょっと違うぜ。
結界があるかどうか関係ねぇ!俺たちの剣で切り裂いてやる!

さぁ、蒼炎に焼かれて、無に帰れ!


宇佐美・アリス
アドリブOK
他の人達とも積極的に連携していくわね

現代川越市民
奪還まであと少し、もう少しで家に帰れると良いんだけど
兎も角、武蔵七党からずっと、時間稼ぎばっかり、全部、貴方が企てたんでしょ!ホント苦労したんだから!
でも、時間稼ぎもここで終わらせてあげるんだから

兎行進曲で攻撃よ
兎ぽいモノを召喚してそれらに紛れたり、残像を作って撹乱しつつ、隙を伺うわ
味方の攻撃に畳み掛けたり、攻撃の隙をついたり連携をしていくわよ
攻撃は、敵の結界に捕まらぬよう一撃離脱を心掛けて、一箇所の留まらない
私の攻撃なんてたかがしれてるもの、ガンガン動いて他の人達の攻撃の隙を作るわよ

敵の攻撃は、概念障壁とピーター君で収縮を少しでも遅らせて、こっちの結界術を干渉させて少しでも早い脱出を試みるわよ
もう少しだから、ピーター君頑張って!


八百陣・葵漆
※アドリブ・連携歓迎

金熊童子は討伐したよ
次は雪斎、キミの番だ!

『幻妖英霊兵』で召喚した兵を指揮して戦うよ
召喚する兵種はバランスよく
遠距離攻撃できる弓兵を僕の傍に置いて
近接メインの兵は少し離して展開するよ

あの遠近両用の機械錫杖の攻略が鍵になりそうかな
前衛は攻め込ませず、回避、防御重視。可能なら回り込んで包囲するように動かすよ
そして弓兵と僕自身(絡繰りのボウガンとか)の遠距離攻撃で攻撃していくよ

雪斎が錫杖を飛ばして僕や弓兵を狙ってきたらそこがチャンスだ
弓兵に捨て身で錫杖を押さえさせ、その間に前衛の兵を一気に突っ込ませるよ
さあ、そのまま包囲してやっつけてしまえ!

いくら遠近両対応でも、同時に両方を倒せるわけではない
そこをついた指揮で、雪斎を追い詰めていくよ!

武蔵国を攻略した後にちょっと行きたい令制国があるからね
雪斎にはさっさと退場してもらおうか


エヴァ・フルトクヴィスト
私達がヒルコ趣味……、もとい救出活動を行うのも当然では?
兵器の鍵や断片の王の交代の儀式にもヒルコ……。
ヒルコの存在は天魔武者の大いなる力となっているなと感じていますからね。
そんな理屈の前にクロノヴェーダに蔑ろにされた人々を救うのは当然ですが。
貴方が忍城から送り出そうとしたヒルコの方々の救出も終らせてきました。
太原雪斎、貴方を撃破して、忍城攻略を成功させてみせます!

パラドクス通信で皆さんと連携して波状攻撃。
敵の攻撃には高速詠唱で数多の光の槍を生み出しつつ、手に一つ持って。
飛翔の加減速による残像のフェイント、未来予測や敵の動きから攻撃を看破して。
直撃を喰らわず、動けるように槍でいなしつつ、結界術やオーラ操作でダメージを最小限に。
その後光の槍の弾幕で制圧射撃で動きを制限、そこに飛び込んで本命の斬撃を喰らわせます!

私達の戦い方を情報収集する動き、どこかへと送ろうとでもしている?
通信妨害はしていますが……。
ですが、例えデータがあろうとも、成長と戦術・戦略で上回れば良い事!
この先へ行かせて貰います!


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

どうだい雪斎老
復讐者の多彩な戦いぶりには飽きる暇もないかい?

ゆるりと笑顔向けつつ
【反撃アップ】で油断なく動きを読む

元より俺達は一人で戦っている訳じゃない
仲間と共に戦場に立ち
託したのは、託されたのは
決して揺るがぬ勝利への道

復讐者は刃を交える毎に強くなる
雪斎もまた、積み重ねられた【残留効果】に気付くだろうか
だが家康や天海達に伝える余裕は渡さない
黒衣の宰相は、今こそ打ち破る時

仲間と連携しつつ
『管狐影縛法・閃』のパラドクス使用
先の術と同じ構図に、クダ吉も警戒されるだろうがそれでいい
クダ吉の牙の攻撃に備えて反撃を狙ってきたとしても
今度はクダ吉ではなく、此方の攻撃が本命だ

瞬時にネメシス形態へ移行
瞳を赤く染め、額に2本の赤い角を生やし
【ガードアップ】で結界を打ち破りつつ
【能力値・命中・ダメージアップ】の力を込めて
仲間と共に、雪月花の刀で斬り祓う

誰が断片の王となろうとも
日本も世界も俺達復讐者が必ず奪還する

その未来の先に、いつかあの世で会う日が来たならば
改めてお茶でも飲みましょう、雪斎老


ミシェル・ラークリーズ
アドリブ・連携歓迎

あ、大分追い詰められてるね。僕もこの戦に関わった一人としてとどめの片隅にはいたいな。失礼、僕は本命じゃないからびっくりしたでしょ?でもお前の姿を見た一人には間違いないしね。

それにお前の通信妨害の策の張本人は僕だしね。さあ、どこまで興味深く観察できる余裕保ってられる?残留効果気づいてない様子から言っても無駄っぽいけど。

僕の盟友に軍師がいる。若いから、今のお前に比べればまだ未熟だけど、発展性のないお前に比べれば。今の僕で策超えられる自信はないけど、皆と一緒であれば。行くよ、絆の力、見せてやる!!


【反撃アップ】【ガードアップ】で攻撃に耐えつつ、【衝撃波】【結界術】で遠距離攻撃しつつ目眩しをする。

正直僕遠距離タイプと思ってるでしょ?まあ前は正面から強引に遠距離から押し潰したし。でも、僕は戦場を多く経験してきた。状況によっては近距離の斬り合いもできるんだよ。


皆と一緒ならタイミングを合わせれば斬撃一回ぐらいできる。その斬撃に氷紅華を仕込む!!

お前らが強大でも必ず打ち破ってみせる!!


 宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)は、現代川越市民である。
「奪還が叶えば、家に帰れると良いんだけど」
 忍城の三ジェネラルを全て打ち倒せば、アリスの悲願が叶う日も近づく……はずだ。
 文月・雪人と野本・裕樹により追い詰められた太原雪斎を前に、苦難の日々を思い出し、アリスは、溜まった感情をぶつけた。
「兎も角、武蔵七党からずっと、時間稼ぎばっかり、全部、貴方が企てたんでしょ! ホント苦労したんだから!」
「儂にも事情があるでな。謝るべきは謝っても構わぬが」
 まるで、やんちゃな孫をいなすように、軽い口調で応える雪斎。
 でも、とアリスは、怒りを真剣へと引き締め直した。
「時間稼ぎもここで終わらせてあげるんだから」
「まあそう言うてくれるな。儂は純粋にディアボロスに興味があるのじゃよ」
 アリスと雪斎、両者の言葉の刃が切り結び、火花を散らす。
 そんな雪斎へと、ミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)の声が掛けられる。
「あ、大分追い詰められてるね」
「ほう、お主も儂の相手をしてくれるのか」
「失礼、僕は本命じゃないからびっくりしたでしょ? でもお前の姿を見た一人には間違いないしね。さあ、どこまで興味深く観察できる余裕保ってられる?」
 雪斎は、ミシェルの仕掛けた【通信障害】の存在には、気づいていないようだ。
 無論、ディアボロスにも何か策があるだろうと疑ってはいるだろうが、正体にはまだ至っていないはず。ならば、今のうちに総力を以て、叩きのめすまで!
「僕の盟友に、軍師がいる。若いから、今のお前に比べればまだ未熟だけど、発展性のないお前に比べれば」
 決意を口にするミシェルも、雪斎討伐戦に関わった一人。決着を見届けなければ。
「今の僕にお前の策を超えられる自信はないけど、皆と一緒であれば。行くよ、絆の力、見せてやる!!」
 雌雄を決する前に。
 エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は、雪斎に対して一言モノ申した。
「私達がヒルコ趣味……もとい救出活動を行うのも当然では?」
 そもそも、その言い方もどうかと思いますが、と、エヴァは付け足した。
「兵器の鍵や断片の王の交代の儀式にもヒルコ……。ヒルコの存在は天魔武者の大いなる力となっているなと感じていますからね」
 その1つは、ほかならぬ雪斎自身がもたらした情報でもある。
「そんな理屈の前にクロノヴェーダに蔑ろにされた人々を救うのは当然ですが。貴方が忍城から送り出そうとしたヒルコの方々の救出も終らせてきました。太原雪斎、貴方を撃破して、この城の攻略を完遂させてみせます!」
 エヴァの答えを聞き、ふむ、と雪斎が鼻を鳴らす。
「まあ良い、多少なりともディアボロスの戦力を分散させられたのなら御の字じゃ」
「ヒルコの解放だけじゃないよ!」
 更に飛び込んでくる声。
 八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)が、雪斎攻略部隊へと加勢した。
「金熊童子達も討伐したよ。次は雪斎、キミの番だ!」
「なんと、ならば儂が一層働かねばならんな」
 微かに、金熊童子を悼む声音になった雪斎は、すぐさま迎撃態勢へと移行した。
 機械僧衣に備わりし、全ての兵装を起動し、葵漆達を阻む構え。
 それを打ち破るべく、音無・サカハ(流星の風来坊・g10149)も加勢する。
 いよいよ本命だ。並みのアヴァタール級なら、とうに絶命している深度の損傷にも、この雪斎は、平然。
「さすがジェネラル、面白くって強い、そして癖が強い奴ばかりだ」
「敵を賞賛するとは、ディアボロスは随分と寛容じゃのう。しかし同時に、容赦せぬ苛烈さも併せ持つ。まこと興味深い」
 強敵の戦いに胸躍らせるサカハに、雪斎も、好奇を隠さない。
「さって、ここまで来たら、もう手札を隠す必要がなくなったな」
「ほう、まだ力を隠しておったとは。ぜひ拝見したいものよ。さて……」
 雪斎が視線を動かしたのは、仲間達とともに、雪斎を包囲する文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)。
 連戦の疲労をにじませるどころか、むしろ、術も動きも、冴えを増しているようだ。
「どうだい雪斎老、復讐者の多彩な戦いぶりには飽きる暇もないかい?」
 ゆるりと雪斎に笑顔を向けつつ、油断なく動きを読み取る雪人。
「元より俺達は一人で戦っている訳じゃない。仲間と共に戦場に立ち、託したのは、託されたのは決して揺るがぬ勝利への道」
「なるほど、トループス級などとは違い、異なる特性を合わせることであらゆるクロノヴェーダに対抗してきた、というわけかの」
 思わず膝を打つ雪斎。
 自身の言葉を証明するように、仲間達と連携しながら、雪人は黒衣の宰相への傷を重ねていく。
 復讐者は、刃を交える毎に強くなるもの。相対ごとに力を増す雪人達に、雪斎もまた、積み重ねられた力……【残留効果】に気付いているだろうか。
(「だが、家康や天海達に伝える余裕は渡さない」)
 黒衣の宰相、今こそ打ち破る時。

 ディアボロスの一斉攻撃に備えていた雪斎は、ふと、周囲の変化に気づいた。それは、トループス級の援軍……というわけではない。
「兎、とな?」
 兎だ。アリスの呼んだ大小さまざまな兎、あるいは、兎めいたモノ達が、戦場を行進している。
「忍城、こんなじゃったか?」
 この異様な光景にも動揺することなく、泰然自若の態度で応じる雪斎。パラドクスもまた、ディアボロスを知る一助となると考えているのか。
 だが、アリスの目的は、あくまで雪斎の討伐。
 白ファーベースのバニースタイルで残像を生み出し、かく乱しながら雪斎に挑む。敵の攻撃に捕まらぬよう。
「見えておるよ、この爺のまなこにもな」
 が、雪斎がそう告げた途端、アリスの姿が消えた。兎ぽいモノ達の間に紛れ込んだのだ。
「全く、ディアボロスは、臆病なのか勇敢なのか、わからぬな。少しでも生存確率を高めるための戦略というわけか?」
 アリスのもたらす兎の混沌風景の中、雪斎が、機械錫杖で、地を突いた。
 ぐるん、と向き直るは、後方から攻め来るミシェルだ。
「なるほど、合力こそディアボロスの真骨頂というわけか。じゃが、儂とて一騎当千の端くれ」
 ぶうん。
 鈍い振動音とともに、機械錫杖から、ビーム刃が構成される。
「ゆくぞ」
 ディアボロス達の連携を逆手に取り、同士討ちさえ狙いながら、応戦する雪斎。
「確かにこの武力は本物だ」
 ミシェルに肉薄すると、光刃を振り上げる。
 思いのほかの重さを持ったそれを、ミシェルは、残留効果で高めた守りで受け止めた。
 衝撃波を放ち、その反動も生かして雪斎の斬撃から脱する。結界術も用いて、更に相手から距離を取っていく。
「結界で攻撃する技は、お前も使っていた。それには及ばないけど、態勢を立て直すくらいの時間は稼ぎ出せる」
 雪斎の視覚を狙って攻撃を繰り出しながら、敵の注意を引き付けるミシェル。反撃の機会もうかがいながら。
 【パラドクス通信】の力を用い、ミシェル達と隙を補い合いながら、攻撃を続けるエヴァ。雪斎は、手にした錫杖を撫でた。
「実のところ、あまり荒事は得意ではないのでな。老体には堪えるゆえ」
 肩を揺らして笑いながら、錫杖をかざす雪斎。
 振るうたび、鈍い音を発する光の刃にて、エヴァを狙う。だが、ただのビーム錫杖ではない。
「自動追尾機能がついておるでな、坊主の儂でも剣の達人というわけじゃ」
 雪斎に投じられた錫杖は、自立浮遊して、エヴァへと斬り込んできた。
 武は得意分野ではない、とは言ったものの、これはパラドクス。その狙いと威力は、通常の物理法則を超越している。
 エヴァは、光刃の襲来に対し、高速詠唱。数多の光の槍の列を生み出すと、そのうちの1つを手に取った。
 相手の上を行くように飛翔し、空中戦を仕掛けるエヴァ。
 加減速による残像のフェイント、未来予測。そして、仲間との声掛けも加え、敵の動きから攻撃を看破していく。
 光刃が、エヴァを幾度もかすめていくが、深手を負うのを避け、足を止めないよう光槍でいなしていく。結界術やオーラ操作も重ね、ダメージを最小限に押しとどめる。
 護衛のトループス級達は、先行したディアボロス達によって壊滅している。今度は、葵漆達が、数で攻める番だ。
 葵漆の呼びかけに応え、英霊達が、戦場に結集してくる。彼らが武を奮うための器は、用意されている。
 妖の力で実体を得た『幻妖英霊兵』達が、一軍を為した。葵漆が選抜した兵種は、遠近のバランスを考慮されたもの。前衛は歩兵に槍兵、後衛に弓兵と、隙が無い。
 遠距離攻撃を担う弓兵は、自身の傍に置き、近接メインの兵は、距離を置いて展開する。
「パラドクスによる兵を用いて、儂を制圧するつもりか。なれど、策でも武力でも、後れをとるつもりはないぞ?」
 実際、雪斎が多くの分野に秀でた存在である事は疑いない。
 雪斎は、エヴァと切り結んでいた錫杖を、今度は葵漆に向けた。死神の鎌の如く、光の刃を形成する。
(「あの遠近両用の機械錫杖の攻略が鍵になりそうかな」)
 雪斎の意を汲んだ錫杖が、葵漆軍の元へと飛来した。その斬撃力は、仕込み杖などというレベルではない。
 従って葵漆は、前衛を無暗に攻め込ませる事はしなかった。あくまで、刃の回避、防御に専念させる。
 英霊兵もパラドクスによって生み出された存在ゆえ、簡単には倒れない。防御の布陣を継続しながら、敵側に回り込んで、包囲網の構築を試みた。
 もっとも、葵漆も、防戦一方ではない。
 随伴させた弓兵と、葵漆の絡繰りボウガンによる遠距離攻撃で、雪斎へと反撃していく。
「儂ばかり歓待されているのもしのびない。今度は此方から参ろう」
 サカハの耳に、何やら呪文のようなものが届く。雪斎の唱えた、臨済真言だ。
 雪斎は、軍師であると同時に、高位の僧侶でもある。操る真言は、法則を支配する、超常の力。
 その成立として、サカハの周囲を、結界が覆った。これは、守りをもたらすものではない。収縮することにより対象を圧し潰す、破壊の力だ。
 いや、雪斎からサカハという脅威を隔離する、と考えれば、翻って守りの力といって差し支えないかもしれぬ。
 だが、肉体を物理的に制圧できたとしても、サカハの闘志までは潰せない。
「ここからは手加減なし、全力で行くぜ! デジタルサマナーの力、見せてやる!」
 サカハが、ここぞと構えを取った。
「来い、プロミネンス・ドラグナー! お前の出番だ!」
 サモンデバイスが、光を放つ。
 呼び出されし蒼き龍……契約獣:蒼炎星龍:プロミネンス・ドラグナーが、戦いへの歓喜とともに、咆哮した。
『ほう、ジェネラル級の天魔武者か、面白い、歯応えありそうだ……行くぞサマナー!』
「気合入ってるな、じゃ久しぶりにあれを使うか!」
 蒼炎星龍と、視線をかわし、頷いたサカハは、自らも武器を抜いた。時空光剣『クロノバイザー』!
 その刀身が、燃え上がる。プロミネンス・ドラグナーとの同調が、蒼炎を生んだのだ。
「さあ、俺たちのコンビ技、受けてみやがれ! 蒼炎を身に纏ったこの剣の切り味は、ちょっと違うぜ」
「だが、お主らは今にも潰されそうなのじゃが、それは如何にする?」
 雪斎の問いに、サカハは光剣を突きつけた。
「関係ねぇ! 俺たちの剣で切り裂いてやる!」
 パートナーたちが、共に結界へと立ち向かう。
 2つの蒼炎は、一つとなり、雪斎の結界をも断ち切る!
「おお、儂の真言が、破られようとは……此処まで付き合ってくれたお主らを葬るのは、心苦しいのじゃが」
 味方、そして管狐のクダ吉と、波状攻撃を仕掛ける雪人へと、真言が唱えられた。封印、潰滅の力持つ、結界術。
 発生した高密度のエネルギーが、雪人を容赦なく圧し潰す。
 だが、雪人もまた、仕掛けた。瞳が赤く染まったのを皮切りに、額から、赤き双角がそそり立つ。
 残留する守りの力を結集させ、結界を抗ってみせた。
「おお、これは初めて見るわい」
 ネメシス形態。雪人の披露した奥の手に、雪斎が歓喜する。
 しかし、雪斎の注意は、雪人以外のところにあった。
 雪人が変容により注意を惹き、その間にクダ吉が、動きを止める……これは、先の術と同じ構図。雪斎は、クダ吉への警戒を怠っていなかった。
 だが、雪人としても、それも組み込んだうえでの攻撃だ。
「残念、その技は見知っておる。影を縛られようとも、発動した結界がお主を潰すまでよ」
 余裕の態度で、雪人のパラドクスを受ける雪斎。
 しかし、雪斎は、なおも力の高まりを感じた。クダ吉以上にパラドクスの力が集まっていくのは、雪人の刀の方だ。
「今度はクダ吉ではなく、此方の攻撃が本命だ」
「なんと、同じ技とあなどったか……!」
 自身の能力、命中力、そして損傷力を雪月花の刀に注ぎ込む。
 共に城攻めを担った仲間達とともに、雪斎を斬り祓う!

「まこと、ディアボロスとは興味深い……!」
 雪人の一刀にて隙を生じた雪斎に、アリスが、ここぞと攻撃を加えた。首切りウサギとタイミングを合わせて繰り出す、渾身の一撃!
 確かな手ごたえを感じると、即座に離脱。
 都度の威力よりも、手数を重視する。仲間達に必殺のチャンスを与えるのも、アリスの狙いであった。
「良い勉強をさせてもらった。ささやかながら、これは返礼じゃ」
 雪斎が、再び、真言を唱えた。
 その技は、既にみた。何がどのような規模でくるかは、アリスも承知している。
「ピーター君!」
 アリスが呼びかけに応えたのは、謎の金属板だった。その正体は、アリスのサポート妖精である。
 同時に、アリス自身も概念障壁を展開。こちらからも結界を張り巡らせ、抵抗の一助とする。
「もう少しだから、ピーター君頑張って!」
 圧と圧のぶつかり合い。雪斎が、むんっ、と気合を込めると、一気に結界がアリスを潰した。
 甲高い音を響かせ、結界が割れる。
 果たして、結界戦を制したのは、アリスの方であった。
「なんと、続けて二度も破られようとは」
 無事なアリスとピーター君の姿を見て、雪斎が感嘆した。いっそ拍手でも送りそうな勢いで。
「カカカ、全く、ディアボロスどもはしぶといのう。もっとも、さもなくば、ここまで儂らを追い詰められはしなかったであろうが」
 ミシェルの技を受け流しながら、雪斎が前進する。
「正直、僕の事、遠距離タイプと思ってるでしょ? でも、僕は戦場を多く経験してきた」
 仲間との情報共有で、敵に対する好位置を目指しながら、ミシェルが言う。
 一見、雪斎に距離を詰められているよう。しかし、実際には、勝利へと近づいている。
 雪斎の覇気に屈せず、ミシェルは秘策を繰り出した。
「ぬお……!!」
 突如、雪斎が、斬撃傷を生じた。眼前にまで追い詰めたミシェル、その振るった竪琴剣の一撃を浴びて。
「状況によっては近距離の斬り合いもできるんだよ……お前らが強大でも必ず打ち破ってみせる!!」
 距離を詰められた絶好のチャンスを、ミシェルはつかんだ。そしてこれは、ただの斬撃ではない。
「これは……パラドクスか!」
 低下する温度、白く染まる外装。
 雪斎の体が、氷結に囚われる。ミシェルの生み出した好機を逃すなと、ディアボロス達が攻めかかった。
 エヴァは、よろめきつつも、焦り1つ浮かべない雪斎に、違和感を覚えていた。
 確かに目的は、時間稼ぎ。勝利を最低目標に定めてはいないとはいえ、負けることが喜ばしい事ではないはず。
 となれば、たとえ負けても、得るものがあるという事か。
(「私達の戦い方を情報収集する動き、どこかへと送ろうとでもしている? 通信妨害はしていますが……」)
 だが、例えデータを得ようとも、エヴァ達はリアルタイムでそれを更新していく。成長と戦術・戦略で、上回れば良いだけだ。
「この身朽ち果てるまで、お主らを食い止めて見せようぞ」
 防御に徹するエヴァに、雪斎は容赦なく錫杖を振るい、ジェネラル級の威を示す。
 しかし、仲間との連携で、雪斎は、いつの間にか壁際へと追い込まれていた。
 エヴァが攻撃側に転じる。控えていた光の槍群に、遂に指示を下す。
 光の弾幕で雪斎の動きを封じる。相手の活力をも己の力に変換し、本命の斬撃を成立させる!
「この先へ……行かせて貰います!」
 エヴァの決意の槍撃とまなざしが、雪斎を圧倒する。
「うぬぬ、少しばかりお灸をすえてやることも必要か」
 雪斎が、錫杖を手元に戻した。次なる狙いは、葵漆隊。ただしその前衛ではなく、司令塔である葵漆、そして、ちくちくと攻撃を行う弓兵達だ。
 だがそれは、同時に葵漆にとって願ってもないチャンスでもあった。
 弓兵が捨て身で錫杖を抑えこむと、その間に、前衛の兵を一気に突撃させる。これまで耐え忍んでいた分、反撃の機運は高かった。
「さあ、そのまま包囲してやっつけてしまえ!」
 いくら遠近両対応でも、攻撃力が高かろうとも、錫杖自体が分身するわけではない。前衛と後衛を、同時に対処できるわけではない。
 そこをついた葵漆の指揮が、雪斎を苦境に追いこんでいく。
「武蔵国を攻略した後に、ちょっと行きたい令制国があるからね。さっさと退場してもらおうか、黒衣の宰相」
「む、む……!」
 英霊兵に集中攻撃を一身に浴び、損傷していく雪斎に、葵漆の言葉が突き刺さる。
 今だ。散り行く天魔武者の破片を突っ切り、サカハと星龍が、走る。
「さぁ、蒼炎に焼かれて、無に帰れ!」
 2人の力を合一した一閃は、雪斎の機身を、鮮やかに斬り裂いたのであった。
 ぐらり。
 天をも斬り裂く、サカハ達の合体技、遂に雪斎の体が、その場に伏した。
「誰が断片の王となろうとも、日本も世界も俺達復讐者が必ず奪還する」
 瞳の色を戻しながら、雪人が告げた。朽ちゆく強敵に対し。
「その未来の先に、いつかあの世で会う日が来たならば。改めてお茶でも飲みましょう、雪斎老」
 雪人の口調には、まことの名残惜しさがにじんでいた。

 遂に末期の時を迎えた雪斎は、最後の力を振り絞り、天を仰いだ。
「家康様、雪斎が集めし情報、どうぞお受け取り下され!」
 ここまでの対話、そして戦闘記録を、家康の元に転送するつもりか。これこそが、雪斎の狙い。
 だが。
「……なに? 届かぬ、だと?」
 【通信障害】……戦いの中刻まれた残留効果の1つが、雪斎の思惑を阻んだのだ。
「やってくれたなディアボロス……ここまで備えた上で会話に応じたか。カカカ、策士策に溺れる、とでも笑うが良いわ……。信康殿、ご容赦くだされ……」
 死出の旅、供とするは、無念と僅かな満足。黒衣の宰相は、ここに命脈を断たれた。
 太原雪斎、討ち取ったり!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【傀儡】がLV2になった!
【冷気の支配者】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2024年05月17日
宿敵 『太原雪斎』を撃破!

忍城決戦~太原雪斎の策略

 忍城に攻め込んだディアボロスは、出陣してきたジェネラル級鬼『金熊童子』を迎撃しつつ、更に、城の奥へと攻め込みました。
 そのディアボロスの前に、忍城の松平信康の守役、ジェネラル級天魔武者『太原雪斎』が、姿を現します。
 太原雪斎は、天海僧正とも親交があったようで、ディアボロスに対する時間稼ぎとして、忍城の防衛クロノ・オブジェクトの核であった、ヒルコを集め、家康の元に送り届ける作戦も行っています。
「どうやら、ディアボロスはヒルコ趣味があるようじゃからな。ディアボロスがヒルコの救出に向かえば、それなりの時間が稼げるじゃろうて」
 移送されるヒルコを救出しつつ、太原雪斎と決戦して、撃破してください。

!特殊ルール!
 この事件は攻略旅団の提案による『期限延長』が行えません。



太原雪斎

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🔒
#天正大戦国
🔒
#忍城決戦~太原雪斎の策略
🔒
#武蔵国
🔒
#太原雪斎
🔒
#忍城


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選択肢『太原雪斎との会話』のルール

 ジェネラル級天魔武者『太原雪斎』との会話を行います。
 太原雪斎は、ジェネラル級天魔武者『今川義元』の配下でしたが、史実の徳川家康の師でもあった事から、徳川家康によって、徳川信康の守役を任されたようです。
 徳川家康側の謀臣『天海僧正』とも親交があるようで、ディアボロスへの理解を深めようと会話を仕掛けて来るようです。
 太原雪斎との会話した内容は、なんらかの方法で、家康や天海に伝わる事が予測されるので、下手な情報を出さない為に、会話を無視して撃破する選択もあるかもしれません。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『登場人物(NPC)との会話に専念する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『今川弓足軽隊』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾移送されるヒルコの救出『天魔忍軍・豪傑型』のルール

 太原雪斎の命令により、忍城から移送されようとしている、ヒルコの救出を行います。
 トループス級は、城の内部をヒルコを連れて移動し、松平信康からディアボロスを引き離すように、城の外を目指しているようです。
 敵は、ヒルコを人質に取ったり殺したりはしないようなので、トループス級を撃破すればヒルコの救出は可能でしょう。

 救出するヒルコは、忍城のクロノ・オブジェクトのエネルギー源として利用されており、本来ならば生命力を使い果たして死ぬ予定でしたが、ディアボロスが短期間で突破した事で、命を長らえたようです。
 ヒルコは消耗しており、自力で動けないようですが、暫く療養すれば、日常生活を送れるくらいに復帰する事も出来る筈です。
 今回、救出したヒルコについては、とりあえず城から離れた場所に匿まい、武蔵国解放後、近隣の村落に世話を頼む事になるでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿をクリアするまでに、この選択肢の🔵が👑に達すると、捕らえられた対象の救出は成功する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿忍城の決戦『太原雪斎』のルール

 忍城攻略によって発生するジェネラル級との決戦です。
 金熊童子、太原雪斎、松平信康と順に戦っていく事になります。
 全てのジェネラル級を撃破する事が出来れば、武蔵国を解放し、ディアボロスの勢力圏とすることが出来るでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「冰室・冷桜」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。