リプレイ
イツカ・ユメ
ダッシュで現地に向かって、ラミアと村人達の間に割って入るよ。
生きている人達も、亡くなった人達も、
あなた達の玩具にさせてたまるか!
皆の悲鳴や鳴き声を、明るい笑顔に変えたいから。高らかに勇気と希望を奏で、歌いながら切り結ぶよ。
大丈夫、もう怖くないよ。だから安心してこの場から離れて。
わたし、こう見えて結構強いんだよ?
近くの敵から一撃入れて、囲まれないうちに離れる、を繰り返して一体ずつでも確実に倒していくよ。
他のディアボロスさん達がいたら協力して、臨機応変に立ち回るね。
歌って踊って挑発して目立つのは得意だから、必要そうなら敵の注意を引き付けて時間を稼いだり
、皆が攻撃しやすい位置に誘導したりするよ。
ほらほら、ノロマな蛇さんこっちだよー。
…彼女達が作ったオブジェは、なるべく傷付けない方向で。
戦いが終わったら、ちゃんと眠らせてあげたいもの。
●先陣
誰よりも早く、とイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は戦場となった町へと駆ける。
「絶対に助けるからね!」
やがて聞こえてきたのは人々の悲鳴とキマイラウィッチの哄笑、イツカは迷うことなくそちらに向けて走る速度を上げた。
「そこまでよ!」
『何者……ディアボロスか!』
歪んだ笑みを憎しみの表情に変えた『グリーディラミア』達が弄んでいた人々を放り出す様にして、イツカへと向く。作り出したオブジェにも、もう興味はないというように。
「何て惨い……」
グリーディラミアと人々の間に位置取り、グリーディラミアの背後にある人体を使ったオブジェにイツカが眉を顰め、けれどすぐに人々を安心させるかのような笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。
「大丈夫、もう怖くないよ。だから安心してこの場から離れて!」
安堵の表情を浮かべた人々がありがとうございます! と口にしながら避難していくのを視界の端に収め、イツカが集まり出したグリーディラミアに口元を引き締めた。
『小娘風情が、大口を叩くものねぇ』
『さっさと片付けて、続きをしなくちゃ』
「……生きている人達も、亡くなった人達も、あなた達の玩具にさせてたまるか!」
くすくすと響く笑い声を斬り伏せるように、イツカが叫ぶ。そしてその思いを乗せるかのように、今を生きる命の歌を高らかに響かせて目の前のグリーディラミアへ一撃を放った。
『グゥッ、ディアボロス風情が!』
グリーディラミアが怨嗟の声を吐きながら、全身を蠢かせる。蛇の胴体がうねり、イツカを蛇身で縛り上げようと迫った。
「遅いよっ!」
踊るようにその攻撃を躱し、イツカがグリーディラミア達に囲まれぬようにと距離を取る。ひらりひらりとグリーディラミアを躱し、時に一撃を食らおうともチャンスを逃さず一体ずつ撃破していく……その姿は舞台の上で踊る舞姫のようでもあり、響く歌声は歌姫のようでもあった。
イツカの意識はグリーディラミアにしっかりと向きつつも、できるだけ町の人々から引き離し、そして誰かの大切な人であったであろう人々で作られたオブジェから敵を引き離すべく攻撃しやすい場所に誘導するように動く。
「ほらほら、ノロマな蛇さんこっちだよー」
パンパン、と手を打ち鳴らし、子ども達の無邪気な遊びのような仕草でグリーディラミアを誘うと、追って来たグリーディラミアを一体、また一体と滅ぼしていく。
「あのオブジェはなるべく傷付けないように……それから」
イツカが捌ききれなくなってきたグリーディラミアをそれでも一体でも多く倒そうと動きながら、オブジェへと視線を向ける。
「戦いが……この戦争が終わったら、ちゃんと眠らせてあげるから」
そう言葉を零し、町から撤退すべく最後の一撃をグリーディラミアに決めると戦線を離脱した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
笛島・他助
連携・アドリブ歓迎
キマイラウィッチの連中、癖はあるが断片の王を初めとしてセクシーな美女もちらほらいるし外見は嫌いどころか好きな部類なんだがなぁ。
如何せん好戦的すぎるし罪のねぇ人を愉しんで殺すってのもな。その中には素敵なレディも居るかもしれねぇのに。
……と来れば。うん、殺すか!
【光学迷彩】で連中の居る町の建物の影に隠れながら忍び寄って手身近な奴に迷彩撃で不意打ちしてやるとすっかね。
俺ぁ諜報員だからよ、ド派手な技なんざありゃしねぇ。
ちまちまと仕込み杖で刺したり銃で撃ったり手榴弾で爆破したり、地道に各個撃破してくだけなのさ。
っと、セクシーな蛇女さん、見た目通り蛇の部分から刃飛ばすのか。
迂闊に触れたくは無ぇし、仕込み杖や銃撃で弾くとか建物とかの壁でやり過ごすとかを【アヴォイド】込みでなんとか少しでもダメージ軽減なり出来るようしておくかねぇ。
長く立てればそれだけ多くあいつらをやれるしな。他の仲間に便乗してやるのも良さげだ。その際は攻防共に残留効果活用するぜ
オブジェのパーツはお前らのがお似合いだぜ?
●ぶれない心
キマイラウィッチの進軍を受けなければ、子ども達の笑い声が聞こえていたのかもしれない――そんな事を思わせる程に、笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)が駆け付けた町は素朴な場所だった。
今は惨劇に人々の悲鳴とキマイラウィッチ『グリーディラミア』の嘲笑だけが響いているけれど。
「キマイラウィッチの連中、癖はあるが断片の王を初めとしてセクシーな美女もちらほらいるし、外見は嫌いどころか好きな部類なんだがなぁ」
こう、ボンキュッボンってな感じで、と他助が両手でラインを描く。セクシーな女性は好きだ、美女なら尚更。だがなぁ、と他助がサングラスの奥の瞳を細める。
「如何せん好戦的すぎるし罪のねぇ人を愉しんで殺すってのもな。その中には素敵なレディも居るかもしれねぇのに」
未来のレディや美女も居たかもしれない、グリーディラミアの後ろに見える醜悪なオブジェの中にも。
「まったくいやはや、こればっかりは許せるもんじゃないねぇ」
中折れ帽を深く被り直し、他助が唇の端を持ち上げる。
「……と来れば。うん、殺すか!」
単純明快、わかりやすいことこの上ないと光学迷彩に身を包んだ他助がグリーディラミアの死角を狙い建物の影から影へと移動しつつ、背後からトカレフ型の引き金を引いた。
パラドクスの力をのせた銃弾はグリーディラミアの胸を貫き、不意打ちを受けた敵が振り向きざまに他助に刃を撃ち出す。呪詛を帯びたそれは他助の生命力を僅かに奪うけれど、ダメージとしては微々たるもの。
「幸運の女神は俺の腕の中、なんてな」
残留効果を僅かながらに感じつつ、他助が迫りくるグリーディラミアに仕込み杖の刃を突き刺した。
「俺ぁ諜報員だからよ、ド派手な技なんざありゃしねぇ」
こうやって、ちまちまと各個撃破が性に合ってるのさと笑い、グリーディラミアが群れを成す前にと再び駆けだす。他助が言う通り派手さはないかもしれないけれど、裏を返せば確実に仕留めるということだ。
「さぁ、次のレディはどなたかな」
軽口を叩きながらも、他助の動きは素早く次々とグリーディラミアを相手に立ちまわっていく。
『チョロチョロとネズミのようねぇ、ディアボロス!』
「おっと、蛇に睨まれた蛙ならぬ、ネズミってか? だがな、窮鼠猫を嚙むって言葉もあるくらいだぜ。ネズミの一撃、喰らってみな!」
相手の不意を突くような動きの中、他助が繰り出す多彩な攻撃はグリーディラミアを翻弄し怯え竦む人々を逃がす退路を作っていた。
『小癪な!! お前もオブジェのひとつにしてくれる!』
「ははっ、小癪? 分かる!! だがな、オブジェのパーツはお前らのがお似合いだぜ?」
敵が小癪という動きほど、他助が得意とするものもない。褒め言葉だよと笑いながら、他助が辺りを見回して引き時を探る。
「長く立てればそれだけ多くあいつらをやれるってもんだが、そろそろ潮時だな」
敵の数は多く、全滅は無理な話。戦場を引っ掻き回せれば御の字だと、他助は退路を確保するように影へと消えるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
雪定・千草
また、ですね…どれだけ敵の悪趣味な行いを見てきた事か
兎に角こんな事、今直ぐ止めさせなくてはいけません
ほら、お前達が憎むディアボロスが来たぞ
利用できる残留効果は使わせていただき、仲間との連携を重視して戦います
先ずは勢いを押さえないとです
仲間とタイミング合わせてパラドクス発動
重力の波動を放ち、泥濘の地で更に動きを鈍らせます
奴等の憎悪を受け止めながらも、砲口を向け冷たく見下ろし
…こんな悪趣味なオブジェを俺達は作らない
捻り潰して、跡形もなく倒す
呪詛で侵されても戦い続けられるように
急所と利き手である右手は魔力障壁で出来るだけ守ります
十分に敵の動きを鈍らせたら、仲間が攻撃した敵や弱った敵を優先的に攻撃し
効率良く数を減らしていきましょう
敵に囲まれたら砲撃のフェイントをかけ、距離を置いてから反撃
逆に仲間が敵に囲まれていたら、助太刀してカバーします
戦闘終了後、可能であればご遺体の回収・埋葬を手伝います
元通り…は難しいかもしれませんが
オブジェとしてではなく、人の身体として眠らせてあげたいです
どうか、安らかに
嵐柴・暁翔
相変わらずキマイラウィッチは愉快な真似をしているな
復讐心を得る為の行動なのかもしれないけど、そのやり方が悪趣味で品性の欠片もない
ましてそれを楽しむとは既に手段と目的が逆になっていそうだし、まさに獣の残酷さと人間の悪意を掛け合わせたような方々だな
速やかに現地へ向かい《悪魔合体》を発動
大天使姉妹の力を借りてグリーディラミア達に雷撃魔法を叩き込みます
剣でグリーディラミア達を仕留めるという手もありますが、近くにいる町の住民の中には身内をバラバラにされた方もいるだろうし、いかにその下手人とはいえ誰かが身体を斬られるのを見て気分がいいとは思えませんので斬撃は避けます
蛇身で締め付けられればこれはまさにコブラツイストだな、と軽口を叩きつつ土魔法で岩の杭を作り出して締め付ければその分だけ内側から貫かれるように仕向けます
戦闘後に住民達に怪我人がいれば【活性治癒】で可能な限り治しておきます
悪趣味なオブジェは住民の方々の同意を得られれば火炎魔法で焼きます
せめて遺族の負担にならないように高温の炎で一瞬で灰にします
●その行いを止める為に
パラドクストレインから同時に降り立った二人は、そのオブジェを前にしてほんの僅かに表情を曇らせる。
「相変わらずキマイラウィッチは愉快な真似をしているな」
溜息交じりにそう言ったのは嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)で、言葉とは裏腹に何ひとつ愉快ではないと言外に告げていた。
「また、ですね……どれだけ敵の悪趣味な行いを見てきた事か」
隣に立つ雪定・千草(霞籠・g03137)は過去に見たキマイラウィッチの凶行を思い出し、その瞳を細める。
「全くだな……復讐心を得る為の行動なのかもしれないけど、そのやり方が悪趣味で品性の欠片もない。ましてそれを楽しむとは既に手段と目的が逆になっていそうだし、まさに獣の残酷さと人間の悪意を掛け合わせたような方々だな」
千草と同じく、キマイラウィッチの残虐極まりない行いを見て来た暁翔が唾棄すべき行いだと厳しい目をして言えば、その通りだと千草も頷いた。
「兎に角こんな事、今直ぐ止めさせなくてはいけません」
「同意だな。それに……丁度よく向こうからやってきたようだ」
ディアボロスの気配を感じ取ったのか、残る人々を蹂躙し醜悪なオブジェをより醜悪にする為に戻って来たのか、キマイラウィッチ『グリーディラミア』が数体姿を見せる。
『あらあら……ディアボロスがのこのことやってきたようねぇ!』
『お前たちもあたしたちのオブジェにしてあげるわ!』
ふっと顔を見合わせ、千草と暁翔が戦闘態勢を取りながらグリーディラミアに向かって口を開く。
「ああ、お前達が憎むディアボロスが来たぞ」
「オブジェにもならないように消し去ってやろう」
『減らず口を!』
蛇身をくねらせ、グリーディラミアが威嚇するように吼える。けれどそれに怯える様なディアボロスではない、まばらに残る町の人々が逃げ出せるように背に庇いつつ、千草が広範囲に向けて重力の波動を放った。
僅かに敵の動きが鈍った瞬間を狙い、暁翔がパラドクスの力を開放する。
「悪魔合体プログラム、起動」
その身に契約した大天使の姉妹の力を宿し、一時的に金髪碧眼の大天使のようにも見える姿となった暁翔がグリーディラミアに向けて鋭い雷を叩きこんだ。
二人のパラドクスの力によって襲い掛かって来たグリーディラミアが塵と消えたのを境に、他のグリーディラミア達が群れを成し口々にディアボロスへの憎しみを零しながら二人へと押し寄せる。
『ああ、憎んでも憎み足りない! 八つ裂きにして、特別なオブジェに仕立ててやるわ!』
『そうだ、そうしてお前達人類が作るオブジェのように、町の入り口にでも飾ってやろう!』
「……こんな悪趣味なオブジェを俺達は作らない」
死体を弄ぶようなお前達と一緒にするな、と千草が砲口をグリーディラミア達へと向ける。
「それが敵であろうとも、だ」
僅かに緑を帯びた薄藍の瞳が冷たく光り、『C-xxgkd8』の引き金を引けば再びグリーディラミアに向けて重力の波動が放たれた。
『こんなもので!!』
動きが鈍ったまま、グリーディラミアが千草に向かって骨と化した右腕の蛇が蠢く。それは異様なまでに長く伸び、呪詛を纏って襲い掛かった。
「……っ!」
利き手であり、急所でもある右手を守りつつ、千草が攻撃を避けるように横に飛ぶ。その後ろから暁翔が激しい雷光を轟かせ、確実に一体を仕留めていく。
「来な!」
腰に剣を差したまま暁翔が魔法の力を繰り出せば、激昂したかのようにグリーディラミアが全身を蠢かせ、詠唱と共に長大な蛇身で暁翔を締め上げた。
「大丈夫ですか」
「ぐ……っ、はは、これはまさにコブラツイストだな!」
駆け付けようとした千草に軽口を叩きながら、暁翔が土魔法で作り出した岩の杭を自身の周囲に展開し、締め付ける力を利用して杭が蛇身を貫く様に仕向ける。
『シィィィィ! 小賢しい真似を!』
「小賢しいのはお前達だ」
千草が砲口を向け、重力波を放てば蛇身に突き刺さった杭がグリーディラミアの息の根を止めるかのように食い込んだ。
「大丈夫そう……ですね」
「ああ、まだまだいけるぜ」
「剣は使わないのですか?」
ちらり、と腰の剣に視線をやった千草に暁翔が頬を掻きながら笑う。
「その手もあるんだが、町の人々の中には身内をバラバラにされた人もいるだろう? その下手人とはいえ、誰かが身体を斬られるのを見て気分がいいとは思えなくてな」
「なるほど……お優しいのですね」
「はは、ただの自己満足さ」
そう、事も無げに言うけれど、彼の気遣いによって立ち止まる事無く逃げおおせた人もいるだろう。
「あのオブジェ……いえ、人々のご遺体、どうにかして差し上げたいですね」
「そうだな、住民達の怪我も気になるところだ」
でも、と二人は徐々に増えていくグリーディラミアを前にして、それは戦争が終わってからだと頷き合う。ここは戦場、少しでも多くの敵を倒し、引き上げねばならない。
「もう少し、頑張ってみましょうか」
「ああ、もうひと暴れしていこうぜ!」
撤退するその時まで、二人は魔法と砲弾によって敵を倒し続けたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
田淵・あゆみ
グロいのヤだし、絶望と血反吐混じった叫びなんざ聴きたくもないし。
センスはどうあれ、やりたきゃ自分達を材料にしてやりゃ良いんだ
【金色スパーク】発動、複数のコネクタを敵近くの地上と空中に生やし、そこから電撃を放つ
派手な音と光、あちらさんの気を引くにゃ充分だ
村の人達から離れるように場所を変える
万が一、何か闘いの情報でも伝えられたら厄介だ、通信障害で遮断させてもらうよ
発射先はランダムに、眼前にコネクタ生やしてそちらを意識させておいて死角から、とか
上から下へ、下から上への逆流とか、
フェイント混ぜながら闘うよ
反撃は身体の中心、大事な所は腕や脚でカバー、それ以外はダメージ上等で突っ込むよ
お互い声掛けあって連携する
戦闘終了後は、オブジェとして使われてた人達の遺体を埋葬する手伝いをしてそっと手を合わせる
もうこれからこんな事は起きない、起こさせないから。
●誓い
町に入り、それを目にした瞬間に田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)は嫌悪を露わにし、喜々としてオブジェを彩るキマイラウィッチ『グリーディラミア』に向けてパラドクスの力を発動させた。
何もない空間から複数のコネクタが敵近くの地上や空中に現れ、電撃を放つ。油断していたわけではないだろうが、電撃を受けたグリーディラミアは悲鳴を上げる前に塵と消えていく。
「ほんっとさ……俺はグロいのヤだし、絶望と血反吐混じった叫びなんざ聴きたくもないし」
遠くで聞こえる悲鳴にあゆみが僅かに眉を顰め、駆ける。
「センスはどうあれ、やりたきゃ自分達を材料にしてやりゃ良いんだ」
それならば誰にも迷惑かけないだろうにと、あゆみが町の人々とグリーディラミア達の間にコネクタを生やし、意識を自分へと向けるように派手な音を立てて電撃をお見舞いする。
「逃げて」
短い言葉でそう告げて、あゆみが人々を庇うようにして立つ。その背に希望を見出したのか、人々が天の助けだと口々に言いあゆみの言う通り逃げる為に走り出した。
「天の助けなんかじゃないけどね」
けれど彼らにとっての救いとなれるのであれば、どう呼んでもらったって構わない。
『ディアボロス……、ディアボロスか!!』
『取るに足らない人間などどうでもいい、お前でオブジェを作ってあげるわ!』
「冗談じゃない、あんなセンスのカケラもないようなオブジェにされるつもりはないね」
心底嫌そうに言いながら、あゆみが万が一に備え通信障害を発生させて再び電撃をグリーディラミア達に向かって放つ。
『ギャアア!』
『この、ディアボロス風情が!』
怨嗟の声を滲ませて、グリーディラミア達があゆみに向かって骨と化した右腕の蛇を蠢かせ攻撃を仕掛けた。四方より襲い来るそれらから急所のみを庇うようにして、なるべくダメージが少ないようにとあゆみが立ち回る。少しの傷であれば残留効果であるグロリアスが癒してくれる、そう踏んであゆみはダメージ上等! とばかりに敵陣へと突っ込み、電撃を放ち続ける。
それはオブジェとなった人々の無念を晴らすかのような奮迅ぶりで、撤退を余儀なくされるまで続けられた。
「そろそろ引き時、かな。でも、きっと戻ってくるから」
オブジェとして使われた人々の遺体をなんとか埋葬してやりたい、今は無理だとしても――。
「……ごめんね、もうこれからこんな事は起こさせないから」
願いは誓い、己の言葉を胸に刻み、あゆみは戦場から撤退するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
レジーナ・ネイサン
《灰桜》
連携・アドリブ◎
ルリラが村人たちに寄り添う間
関心を此方に引くべく
私はグリーディラミアの前に立とう
ははあ
これがオブジェ、…ははァ
いや、ね?これがオブジェ――アートだッてンなら否定しないさ、私はね
けど、そう、まるで好みじゃない
音もそうだ
もっと素晴らしい歌を知ってるんでね
ルリラの言葉に目を伏せ
…かれらにとっちゃァ
この町に住まう人々は画材
イヤ、それ以下なんだろう
良く解ったよ
やろう、ルリラ
全部塗り潰してやる
『暁譜Repetition』
朝焼け空と糸雨を描こう
町に本当の朝が来るように
悲劇が洗い流されるように
五線譜の雨垂が結界術となって敵を囲み捕らえる
僅かでも蛇身の動きが阻害出来れば十分
すぐ光の雨が降る
ルリラの光粒と雲間からの薄明光線
極力敵からは視界は避け、彼女との目配せは確りと
麻痺呼ぶ声の鳴る方へ標的を合わせ確実に仕留めにいく
町の人が戦いに巻き込まれないよう立ち位置には注意
ルリラをディフェンス
彼女がこの町を想う気持ち
その心色にも添いたいから
ここから先は私達のアトリエだ
歌と絵の合作
確とご鑑賞あれ
ルリラ・ラプソディア
《灰桜》
連携・アドリブ◎
恐怖している村人達の前に降り立ち膝をつく
「だいじょうぶ。もう怖くない
ここでじっとしていて、ね」
安心させるように微笑し
すぐに敵に向き合う
気にいらない
ここは穏やかな町と聞いた
きっとあたたかくて、優しいところ
赤くつめたい色も音も似合わない
あなたのアートは、好きじゃない
氷のような眼でグリーディラミアを射る
わたしの故郷も小さな村だった
この町のように優しい生活が広がっていたから
その想い出と重なってより赦せなさが心に広がる
うん、レジーナさん
…優しい町の色を取り戻す
人々に被害が出ないよう
Salut Épéeで『春譜リピテーション』を演奏
音の波紋が結界を展開し
臨機応変に仲間を護るよう立ち回る
時は奏でる
天使の輪から広がる光粒が音に乗り
敵掃う力となりて注ぐ神秘の音楽領域
聖なる光刃の如く鋭く――降る
敵を怯ませ1体でも多く撃破を狙う
レジーナさんに目配せ連携
往く道を護りディフェンスを心掛ける
さぁ、わたし達の作品もご覧になって
――雨上がりのように優しい福音を鳴らす
音と色が奏でる夜明けのアートを
●朝焼けを呼ぶ
怒号、悲鳴、嘲笑、哄笑――混沌とした声が響く中、ルリラ・ラプソディア(Ⅻの子守歌・g00784)は音もなく人々の前に降り立ち、膝をついた。誰かが天使様、と呟いたのは彼女の背に真白の翼があったからだろう。そして確かに、彼女の背にあるのは天使の翼だ。
「だいじょうぶ。もう怖くない……わたしたちが来たから」
ルリラがそっと視線をキマイラウィッチ『グリーディラミア』と人々の間に立ち塞がるようにしたレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)へと向けると、泣き叫ぶばかりであった人々の瞳に希望の光が宿る。
「危ないから、ここでじっとしていて、ね」
安心させる様にルリラが微笑み、人々を戦いの巻き添えにせぬように安全な場所にいるようにと促す。
『くく、あはは! ディアボロスが如何ほどのものか! すぐに殺して、オブジェの一つにしてあげる! その後で、またゆっくりお前達もオブジェの飾りに仕立ててやろうねぇ!』
ひ、と怯えた人々を背にして、レジーナがくくっと笑う。
『何がおかしい!』
「ははあ、これがオブジェ、……ははァ」
まるで面白くもない冗談を聞いた時のように、レジーナの瞳は酷く冷めていた。
「いや、ね? これがオブジェ――アートだッてンなら否定しないさ、私はね」
こう見えて、というのもおかしな話だが、レジーナはアーティストだ。それも、知る人ぞ知るウォールペインターで、レジーナの作品を見た者は運がいいと言われる程の。それにはまた理由があるのだが、グリーディラミアが知る由もないこと。
「けど、そう」
ゆるゆると首を横に振り、きっぱりと声を張り上げる。
「まるで好みじゃない」
『アッハハハ! お前達にはわからないだろうねぇ、矮小な人間には到底わからないのさ!』
「わかりたくもないね。音もそうだ、私はもっと素晴らしい歌を知ってるんでね」
そう言ってレジーナがルリラに視線をやると、ルリラが僅かに笑みを浮かべて立ち上がり彼女の横に並び立つ。
「わたしも気に入らない」
戦火に巻き込まれる前は穏やかな町だと聞いていた、きっとあたたかくて優しいところなのだろうとルリラは思う。
「赤くつめたい色も音も、この町には似合わない。それに――あなたのアートは、好きじゃない」
人々を恐怖に陥れる事しか出来ぬものを、アートだと認めるわけにはいかない。射るような眼差しはまるで氷のように冷ややかで、それでいてルリラの燃えるような心を映し出していた。
「わたしの故郷も小さな村だった」
この町のように、人々が寄り添い優しい生活が広がっていたのだと、言葉を零す。
「だから……ってわけじゃないけど」
どうしたってその想い出と重なって、より赦せなさが心に広がる。ぎゅっと握りしめられた拳に、彼女の言葉に、レジーナが目を伏せた。
『お前達が理解する必要はないねぇ、赦される必要もないのさ!!』
「……かれらにとっちゃァ、この町に住まう人々は画材。イヤ……それ以下なんだろうね、良く解ったよ」
「レジーナさん」
こちらに牙を剝くように蛇身をずるりと蠢かせ、グリーディラミアが二人へと迫る。
「やろう、ルリラ。全部塗り潰してやる」
「……優しい町の色を取り戻す」
こくり、と頷いたルリラがソードハープ『Salut Épée』を手にすると、弦をしゃらりと掻き鳴らす。
「時は奏でる。春風のように温かく、雨上がりのように優しい福音を鳴らして」
紡ぐは夜明けを彩るような、奇跡を体現するかのような歌声。それは空気を伝い漣のように響き、人々を――仲間を護る結界を展開していく。
「ほら、素晴らしいだろう?」
この歌声、とレジーナの瞳が雄弁に物語る。
「ようこそ、私達のアトリエへ」
何もない空間、それはレジーナの為のキャンバス。何ものにも囚われない自由を描く様に彼女の筆が躍る。描かれるのは朝焼けと糸雨、この町に本当の朝が来るように、夜明けはすぐそこなのだと伝えるかのように。
「悲劇をあなた達ごと洗い流そう」
五線譜の雨垂がグリーディラミアを囲めば、すぐさま光の雨が聖なる光刃の如く、鋭く降りそそいだ。
『こんな、こんなもの!!』
グリーディラミア達が憤怒と苦痛の声を上げながら、全身を蠢かせ麻痺呪文を詠唱し、蛇身をもって締め付けようと迫る。
「ルリラ!」
彼女を守るように、そして万が一にも町の人が戦いに巻き込まれないようとレジーナが前へ出ると、ここぞとばかりにグリーディラミア達が蛇身で締め上げる。
「この程度で、私達は止まらない……ルリラ!」
「うん、レジーナさん」
ますます彼女の紡ぐ歌は途切れる事無く高らかに響き渡り、ルリラの天使の輪から広がる光粒が音に乗って敵を一掃していく。それはまるでルリラがこの町を想う気持ちのようにも思え、その心色にも添いたいとレジーナが筆を走らせる。
「ここから先は私達のアトリエだ」
「さぁ、わたし達の作品もご覧になって」
いつか雨は上がる、そう知らしめるような優しい福音をルリラが鳴らせば、レジーナの描くキャンバスは夜明け色に染まっていく。
「歌と絵の合作、確とご鑑賞あれ」
グリーディラミア達の姿が夜明けに飲み込まれるように、二人のパラドクスの力によって塵へと消える。力の限り歌い、描き、人々の心を救い――撤退のその時まで、二人は唯一無二のアーティストであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!