グランダルメに向かうキマイラウィッチ

 断頭革命グランダルメ奪還戦に介入する為、火刑戦旗ラ・ピュセル内のキマイラがグランダルメ境界の霧地帯に向かっている事が、攻略旅団の提案によって判明しました。
 この増援のキマイラウィッチを、グランダルメに向かう前に撃退する事ができれば、奪還戦でのキマイラウィッチの戦力を減少させることが出来るでしょう。

 キマイラウィッチは、決戦に備えて『復讐』の力を研ぎ澄ませるべく、一般人を蹂躙・虐殺しつつ、霧地帯に向かっているようです。
 攻略旅団の方針に従い、被害に遭う住民の避難誘導を行った上で、キマイラウィッチの増援を阻止してください。

※補足
 このシナリオの成功数に応じ『断頭革命グランダルメ奪還戦』におけるキマイラウィッチの敵残存率が減少します。
 該当する戦場の敵残存率が、合計で「『この事件の成功本数×10%』÷『キマイラウィッチの戦場数』」だけ減少します。
(例)8シナリオ成功し、キマイラウィッチの戦場が4つであれば「8✕10÷4」で各戦場の敵残存率が20%減少します。

断頭に赴く火刑の乙女(作者 大丁
4


#火刑戦旗ラ・ピュセル  #グランダルメに向かうキマイラウィッチ 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#火刑戦旗ラ・ピュセル
🔒
#グランダルメに向かうキマイラウィッチ


0



「復讐……! わたくしたちは、復讐に目覚めたのです」
 黒い水着のような格好に、コウモリの翼を生やした女性たちが、一般人の村を襲っている。
 鞭を振り、家屋を焼いて、人々を広場に狩りたてるのだ。
 ここは火刑戦旗ラ・ピュセル内の南部。特徴のない、平凡な村だ。ただ、進軍中の彼女らの前にあったというだけで、蹂躙をうけるはめに。
「怖れなさい、存分に。死の寸前まで!」
 女性が手をふると、空から刃が降ってくる。
 ストン、コン。
 軽い音で、いくつもの生首が広場の方々に転がった。まるで、断頭の処刑である。

 依頼参加のディアボロスたちは、パラドクストレインの車内で時先案内人を待っていた。
 ロングシートのうち、ホームの向い側に座っていた者は、窓越しに珍しいものを見ることになる。
 ぬいぐるみを抱えたまま全速力で走っている、ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)の姿だ。
「……ハァ、ハァ、ハァ。急ぎの作戦にお集まりいただき感謝いたしますわ。火刑戦旗ラ・ピュセルから、決戦間近の断頭革命グランダルメに対して、増援が行われている事が判明したのです」
 荒い呼吸は、すぐに整った。
「皆様の活躍によって途絶えていたラ・ピュセルからの増援が再開されれば、奪還戦の戦いが不利になるかもしれません。攻略旅団の作戦によって出現した当列車でラ・ピュセルに行き、グランダルメとの境界である霧地帯に向かおうとしている、キマイラウィッチの集団に対して攻撃を仕掛け、撃退してくださいませ。キマイラウィッチのグランダルメへの移動を阻止する事で、グランダルメ奪還戦におけるキマイラウィッチの軍勢の数を減らす事ができるでしょう」
 案内も駆け足気味だが、必要事項に漏れはない。

 掲出された地図によれば、ラ・ピュセルの霧地帯付近、キマイラウィッチが進軍して来る村の近くに到着できるようだ。
「キマイラウィッチは、ディアボロスと決戦を控えている事で、気分が高揚しているのでしょう。一般人の集落を発見すれば、決戦の景気づけだと、住民の虐殺をはじめてしまいます。この悲劇は回避可能ですわ。キマイラウィッチが到着する前に、住民の避難を行った上で、村を襲撃しようとするキマイラウィッチを迎え撃ち、撃破してください」
 トループス級は、アヴァタール級に先んじて現れる。
 種族はアークデーモンだが、習性はキマイラウィッチと同じとのことだった。
「すなわち、『アラストルの乙女』は復讐を力に変えて戦うのです。特に、自己の復讐心を雷の剣として実体化させ、空から降らせる技は、あたかもギロチンのような鋭さで、注意が必要です」
 遅れて同じ戦場にやってくるのは、『ビューロー兄弟』。
 亀から二本の首が生えており、それが兄と弟なのだ。
「こちらは、キマイラウィッチの指揮官です。亀の甲羅に備えた大砲を撃ってきますわ。村人の避難が滞りなく進めば、この砲撃で家屋に被害がでることはありません。できれば、村の外で戦えるとイイですわね」

 発車の直前に、ファビエヌは申し添えた。
「ラ・ピュセルがグランダルメと密約を結んでいるのは間違いないでしょう。グランダルメ奪還戦の勝利の為に、キマイラウィッチの戦力を減らしておくのは、イイコトですわ」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、火刑戦旗ラ・ピュセルにて、村を襲撃から救って敵と戦うシナリオとなっております。

 場所はラ・ピュセルの南部になりますので、村人たちもキマイラウィッチのことを知っています。避難させるのに説得などは必要ありません。
 トループス級アークデーモン『アラストルの乙女』は、ほぼキマイラウィッチのような存在です。
 アヴァタール級キマイラウィッチ『ビューロー兄弟』は指揮官ですが、戦場への到着はトループス級よりも遅くなるので、おそらく別々に戦うことになるでしょう。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

可能なら、予め、案内人さんに襲撃のある方角を尋ねておこう

キマイラウィッチは、本当に自国民にもなりふり構わずだな……
虐殺などさせない。救おう

住人の服に外套を羽織り
村に入り、状況をさりげなく偵察し確認
時間に余裕があれば村長を紹介してもらい先に事情を伝えてから
村全体に語りかけ
装備の携帯スピーカーで、大声程度に声を拡散
住民が家屋から出てくるように【避難勧告】を発動

「キマイラウィッチが来るぞ!」
「家族や隣人に声を掛けて、一塊の集団を作って逃げるんだ」
誘導先は、キマイラウィッチが来ない方へ。不明な場合は、境界のある方角へ
自然の中に隠れる場所があれば尚良い
「動きにくい者には、肩や背を貸してやってくれ……助け合って全員で逃げるんだ」
「動けない方がいれば手伝おう、声を掛けてくれ」
「逃げたら、しばらく隠れていてほしい。奴らが通り過ぎるのをじっと待つんだ」

動きがとりづらい方には、応援をお願いしつつ、俺も背負うなどして運び出し避難を手伝おう
全員脱出を確認したら、キマイラウィッチを村の外で迎撃する


アルトゥル・ペンドラゴ
(連携アドリブ歓迎)

「……ひどい有様だな……」

駆けつけた先の状況に、思わず顔をしかめる
何故このような一般市民が、彼等の刃を受けねばならないのだ。平穏としたありふれた、穏やかな街並みだったはずなのに
……いや、この場で嘆いても何も始まらない。まずは市民の安全を優先せねば

「まだ動ける者は速やかに撤退を! ケガ人がいるならば、彼等を安全な場所に誘導してくれ!!」
ケガ人を最優先に、それ以外なら女性・子供→老人→男性を優先して避難誘導を行う

ひとしきり誘導が行えたならば、旗を掲げ【蒼き氷炎の陣】を発動する
……この時ばかりは、攻勢に長けた計略ばかりの自分を嘲りたいものだ

「『――さぁ、反撃の刻(とき)だ』」

護るための戦いを、始めさせてもらう


 村の周囲には、城壁どころか柵のようなものさえなかった。
 そのかわり、建物は接し合いながら円形に配置され、石組みの一階部分の堅牢さだけが頼りになっている。木造の二階、あれば三階まではひょろ長く、板葺き屋根の勾配も急角度で、全体に痩せた印象がある。
 状況を探るため、ディアボロスたちは時代に寄せた服装で村に近づいた。
 入口にあたるのは、建物どうしの間に差し渡されたアーチだった。門扉のようなものはない。そこから中の様子がうかがえる。
 地面には石畳が敷かれ、玄関口側に囲まれた部分が、おそらく事件の起こるはずだった広場だ。
 集められた一般市民にむけて、刃が降ってくるという。
「平穏としてありふれた、穏やかな村であるな」
 アルトゥル・ペンドラゴ(篝火の騎士・g10746)が、ホッとしたようにもらす。
 予知にあった虐殺は、案内人から聞いているあいだも顔をしかめてしまうような、ひどいものだった。はたして、避難に割ける時間はどれほど残っているのか。
「民の安全を優先せねば」
「ああ。キマイラウィッチは、本当に自国民にもなりふり構わずだな……」
 外套のフードのなかから、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がうめく。
「虐殺などさせない。救おう」
 誰にも咎められずにアーチをくぐる。
 できれば、村長などの代表者に話を通してから行動を起こしたかったが、また曇っていくアルトゥルの表情を見たエトヴァは、手順をとばしたほうがいいと判断する。仲間も同意した。
 装備の携帯スピーカーの電源をいれ、村全体に拡散するように大声をだした。
「キマイラウィッチが来るぞ!」
 いきなりだったが、広場中央の井戸を使っていた女性がすぐに振り返り、いくつかの玄関扉が開いた。
 まだ、村人全員ではない。『避難勧告』も発動させる。
 赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。
 この効果が発揮されるということは、やはり危険は間近だったのだ。
 トレイン内に掲出されていた地図によれば、自分たちが入ってきたアーチ側の道が、キマイラウィッチの来る方角である。エトヴァはマイクでそう伝え、アルトゥルは避難のための手助けにまわった。
 はぐれる者がでないよう、病人やケガ人がいないか確認する。
「動ける男性は、女性と子供に付き添ってくれ。老人にもだ!」
 村の外では耕作が始まっていたものの、隠れられるような場所ではない。森の中に木こり小屋があることも判っていたので、そこを逃げる目印にしてもらう。
 エトヴァの音声も続いていた。
「家族や隣人に声を掛けて、一塊の集団を作って逃げるんだ。しばらく隠れていてほしい。奴らが通り過ぎるのをじっと待つんだ」
 避難は大きな障害も起こらずに済みそうだ。いっしょに森まで行くような必要もない。
 最後にアルトゥルが、残った村人がいないことを仲間に伝えてくる。
 ディアボロスたちはもう一度アーチをくぐり、キマイラウィッチ迎撃の準備をはじめた。戦闘の巻き添えで損害が出ないよう、村から距離をとる。あの、ほっそりした屋根では、アヴァタール級の砲弾ひとつでポッキリと折れてしまいそうなのだ。
 陣を決めると、アルトゥルは戦旗を掲げた。
 まだ曇った顔をしているので、エトヴァが大丈夫か、と声をかけると。
「……この時ばかりは、攻勢に長けた計略ばかりの自分を嘲りたいものなのだ。いや、気にしなくていい。護るための戦いを、始めさせてもらう」
 仲間は頷いて、それ以上は追及しなかった。
 キマイラウィッチの気配がしてくる。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

ヌル・バックハウス
(連携アドリブ歓迎)

……そんじゃ、周りが避難勧告進めてるし。こっちは荒事の方に備えるかね
少しでも避難の時間稼ぎに【偽真の自由(ギシンノジユウ)】を と

「――『迷って道を踏み外そうが……それで答えに辿り着くなら、ソイツが答えなんだよ!』」

様々な道を提示した疑似的な迷宮を敵の進路に展開して、これで時間稼ぎはオッケー
その間にこっちは少しでも数を減らすためにちょいとつついておく、っていうね
いやぁ、相手の格好はヒトによってはとっさの攻撃に迷いそうでまぁ……アタシは特段こういうの気にしないんだけど、目のやり場に困るってのはありそうだよなぁ
なんて思いながら両手に斧引っ提げて一回二回と斬りつけていく

復讐とかそんなの知ったこっちゃねぇっての。こっちは今ある自由を謳歌したいってもんよ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブOK

村の外で、キマイラウィッチとアラストルの乙女を迎え撃とう
双眼鏡で偵察し、接近を確認
可能なら敵の姿を視認次第先制攻撃

やあ。そんなに楽しげに、どこへ行くのかな
もしかして、ディアボロスを探してる?
念のため、村へ意識を向けさせない

PD通信で仲間と連携を取り
戦況を観察しつつ、敵の位置を把握
仲間と死角を補いあえるように立ち位置を取り
敵とは正面側から対峙するように

両手の銃でPD攻撃、煙幕弾を交えて敵の視界も撹乱しつつ、連携の分断を仕掛け
隙を看破し、狙い撃っていく

仲間と狙いを合わせ
死角から狙ってくる敵は優先しつつ
一撃で倒せる敵>消耗した敵を目安に、着実に撃破

敵の動きを観察しつつ、攻撃後の反撃に備え
四肢を使った格闘や体術はタワーシールドを掲げて面で防ぎつつ
魔力障壁とコートで全身を護る

この先へは行かせない
懸命に暮らす人々を踏み躙ることも
グランダルメへの進軍も
何一つさせはしない
復讐を叫びながら、虐殺を生むその姿、禍以外の何物でもない
ここで討ち果たそう


エイレーネ・エピケフィシア
あなた達が何者であろうと、キマイラウィッチと同じ振る舞いをするなら、われらも同じように遇します
無辜の民を害する怪物を待ち受ける運命は、死をおいて他にはないと心得なさい!

敵の発見については仲間と方針を合わせて行動します
茂みや物陰や藁山の中など身を隠せる場所に潜んで待ち伏せするか、もしくは【エアライド】で高台に登って偵察するか
周囲の地形や建造物を確認して適切な方を選びましょう

敵を発見したなら《神護の長槍》を投げつけると同時に、『降り注ぐ影の槍』を発動
突如として生じた幻影の槍が周囲の敵に降りかかり、その身体を串刺しにしていきます
【命中アップ】の助けを借りて直撃を狙いつつ、仕留めきれなくても槍で地に縫い止めて翼を活かせない状況に追い込みましょう

反撃の鞭は手元に戻した槍を振るって打ち払うか、《神護の輝盾》を構え防御
撒き散らされる炎に包まれて逃げ場を失いそうな時は、【エアライド】の二段跳躍で炎を跳び越え危機を脱します

これで残るはあなただけですね
魔女の名を瀆した蛮行の罪は、命を以て償っていただきます!


「……そんじゃ、アタシも荒事の方に備えるかね」
 ヌル・バックハウス(名も無き自由・g10747)が合流してきた。避難誘導を担当したディアボロスたちにひとこと礼を言う。エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)によれば、敵との遭遇まではあとわずかとのこと。
「偵察や奇襲の猶予もなさそうですね」
 エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)も、『神護の長槍』と『神護の輝盾』を構えて隊列に加わる。
 この陣は、村へと続く道を遮るようにして組んだものだ。地形の起伏で見通しは悪いが、音は聞こえていた。
 集団の揃った靴音である。
 黒い水着のような恰好のアークデーモンたちは意外にも、きっちりと行進してきた。
「全体、止まれ! ……武装した者たちが、前方を塞いでいます」
「軍旗のようなものも見えます。出迎えの自動人形(オートマタ)でしょうか」
「いえ、境界を越えた様子はありません。それに、『断頭革命』にはまだ距離があるはず……」
 リーダー格はいるが、指揮官のキマイラウィッチの姿は見えない。
 トループス級『アラストルの乙女』は、予知での残虐な行いに反して静かで落ち着いている。まだ、村を発見していないからかもしれない。
 エトヴァは、仲間に目配せした。
 あらかじめ決めておいたことだ。念のため村へ意識を向けさせないよう、話しかける。
「やあ。そんなに楽しげに、どこへ行くのかな。もしかして、ディアボロスを探してる?」
「ディアボロス?!」
 トループスたちはざわめきだした。
「やはり、私達はすでに境界の霧地帯をまたいでいたのでしょうか?」
「『火刑戦旗』が侵攻されているのかもしれません」
「どちらでも構わないでしょう。決戦に備えて、かの者たちを襲って『復讐』の力を研ぎ澄ませては?」
「ディアボロスが相手なら、かえって好都合。私たちの復讐を早めても、それは軍規違反とはなりません!」
 口調は丁寧だが、彼女らの会話は不穏な方向へと流れていく。
 もし、予知のとおりに村を見つけたのなら、なされていただろう残虐な相談を思わせる。エイレーネは眉をひそめた。
 合図も連絡もないが、ディアボロスたちは呼吸を合わせられる。アラストルの乙女のリーダーが、エトヴァに返事をしようと一歩踏み出したところで、『神護の長槍』が投げつけられた。
「聖なる槍よ! 悪しき者どもを一人たりとも逃すことなかれ!」
 エイレーネが、『降り注ぐ影の槍(ドーリ・スキオン)』の詠唱をした。投擲した一本の周囲に、幾つもの幻影の槍が出現する。
 敵隊列の前面に直撃し、こちらにまで聞こえていたお喋りたちの身体を串刺しにしていく。
「お、おのれ、この恨みは……!」
 リーダー格には実体の長槍が突き立つ。が、それはすんでのところで避けられたもので、しかし穂先はアークデーモンの翼を貫通していた。
「あなた達が何者であろうと、キマイラウィッチと同じ振る舞いをするなら、われらも同じように遇します。無辜の民を害する怪物を待ち受ける運命は、死をおいて他にはないと心得なさい!」
 『神護の輝盾』をかざして走り出す、エイレーネ。
 仲間たちも同時に突撃した。
「殺されるのはお前たち。ディアボロスのほうです!」
 『復讐乙女』により、敵の二列目以降の足元から、炎の鞭が飛び出した。エイレーネたちはあえて撒き散らされる炎にむかっていき、鞭のしなりを飛び越すようにして接敵した。
 おされた敵トループスは、陣形が乱れる。
「――『迷って道を踏み外そうが……それで答えに辿り着くなら、ソイツが答えなんだよ!』」
 ヌルは、『偽真の自由(ギシンノジユウ)』を展開する。
 様々な道を提示した疑似的な迷宮に、あぶれた敵を誘い込む。
「これで時間稼ぎはオッケー。その間にこっちは少しでも数を減らすためにちょいとつついておく、っていうね」
 クロノヴェーダの関心はじゅうぶんにひいていたが、敵隊列を乱したかわりに村へとまわりこむ個体が出ないとも限らない。エトヴァらの話では、完全な避難までには時間がかかりそうだった。
 見通しの悪い地形に、ヌルの迷宮は効果的だ。
 会敵時のきっちりとした行軍は見る影もなく、いまは水着の女性がうろうろするだけである。迷うと言えば。
「いやぁ、相手の格好はヒトによってはとっさの攻撃に迷いそうでまぁ……目のやり場に困るってのはありそうだよなぁ」
 炎の鞭にだけは気をつける。
 策略にイラつき復讐心は高まり、鞭の温度も高まっているから。
 ふたたび長槍を手にしたエイレーネは、リーダー格に打ちかかっていた。
「魔女の名を瀆した蛮行の罪は、命を以て償っていただきます!」
「私たちをキマイラウィッチと認めてくださったじゃありませんか」
 高熱鞭のしなりと槍のすばやい突き。
 互いに恨み言を吐きながら、攻撃に緩むところなどない。
「今回は、目のやり場に困るヒトはいなさそうねぇ。……アタシも特段こういうの気にしないんだけどっ!」
 ヌルは両手に斧を引っ提げ、迷宮に捉まったアラストルの乙女たちを一回二回と斬りつけていく。
「地獄の刑執行長官の名の下に!」
 抵抗する彼女らは、四肢に地獄の炎と雷を纏った。
 復讐を司る魔神に準ずることで隊列も戻っていく。アークデーモンたちが口にした規律や、丁寧な口調もその長官とやらに由来するのか。
 迷宮を破るいきおいに、タワーシールドを掲げたエトヴァがフォローに駆け付ける。
「この先へは行かせない」
 細い手足で繰り出される炎の打撃も、魔力障壁とコートで防ぐ。
「懸命に暮らす人々を踏み躙ることも、グランダルメへの進軍も、何一つさせはしない。『Wunderfarber-β(ヴンダーファルバー・ベータ)』!」
 シールドは浮かせ、両手に銃を構えると煙幕弾を放った。
 敵の視界を塞いで攪乱しつつ、連携の分断を仕掛けるのだ。
「復讐を叫びながら、虐殺を生むその姿、禍以外の何物でもない。ここで討ち果たそう」
 エトヴァは、敵味方の双方にむけて宣言した。
 両手の銃からの弾丸と、ヌルの両手斧の斬撃とで狙いを合わせ、消耗したトループス級から撃破していく。
「ああ、アラストルよ、私に復讐のエネルギーを……!」
「これで残るはあなただけですね」
 エイレーネの眼前にいる火刑の乙女は、さすがリーダー格だけあって初撃からずっと戦い続けてきた。だがそれも、ディアボロスたちのより緊密な連携によって打倒される。
 長槍と斧、そして銃弾の。
「復讐とかそんなの知ったこっちゃねぇっての。こっちは今ある自由を謳歌したいってもんよ」
 ヌルはいったん迷宮を解くと、アヴァタール級が追いついてくるであろう方角を睨む。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

クロエ・アルニティコス
エイレーネ(g08936)をディフェンスし、共に戦います

村の外で敵の指揮官を待ち受け戦闘開始。
来ましたか、「魔女」どもの指揮官。
人形皇帝とお前たちの間に密約があったか、それともただ暴れにきたのかは知りませんが。
お前たちが感情のままに暴虐を尽くすというなら、私も私のやりたいようにするだけです。
お前は殺します。

赤薔薇の種に魔力を注ぎ、【ラードーン・ローザ】を使用。
ラードーンの百の頭を模した茨をビューロー兄弟へと絡みつかせ、茨で締め上げましょう。
手や足など甲羅から露出した個所を狙い、茨の棘を食い込ませます。
敵の砲撃は砲塔の向きや敵の視線から射線を読み、【反撃アップ】を込めたラードーンを遮蔽とすることで直撃を避け、砲撃後の隙を狙って反撃を行い、その首を縊りましょう。

何も導かず、何も生み出さない。
お前たちに相応しい呼び名は魔女ではなく怪物です。


エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンス
期日がギリギリの場合を除き②執筆後の行動を希望

誉れなき人形皇帝は国土を護らず、ただ己の命脈を保つために異邦の怪物をのさばらせています
グランダルメの地を襲う亜人と、キマイラウィッチ……どちらにも無辜の民を傷つけさせはしません
魔女の名を穢す忌まわしき怪物よ、覚悟なさい!

敵が砲撃の狙いを付けづらいように、敢えて懐に飛び込んで戦います
『舞い降りる天空の流星』で急加速し、≪神護の長槍≫を突き出しながら突撃
甲羅の隙間に槍をねじ込んで長い首を深々と貫きます
2本の首を引っ込められるかは分かりませんが、出来るとしてそうされる前に素早く攻め立てましょう
そして前線で戦うわたしが注目を惹くことで、仲間の更なる技に繋げられれば最良ですね

砲撃は≪神護の輝盾≫を構えて防御
耐え凌いだら素早く攻勢に転じ、今度はもう1本の首を狙って槍を突き立てます

民を護らぬ暴君の領地であれば、好き勝手に暴れられると考えたのでしょうが……
地上に悪がはびこる限り、わたし達復讐者が見逃すことはありません!


アンゼリカ・レンブラント
救援機動力で駆け付け参戦するね
グランダルメ奪還戦の勝利の為に。
目指すは全土奪還、さぁいくよっ

接近戦を挑む仲間を援護するように
同じく遠距離攻撃の仲間と挟み込むよう位置取って
力いっぱいパラドクスの砲撃をお見舞いだよっ
【命中アップ】を積み上げ、確実に当てていくね

敵からの反撃の大砲も痛いけどね!
ガードアップの恩恵を受けた盾でしっかり受けられるし、
何より奪還戦前の熱いハートはこの身を強くするからねっ
お前たちの復讐には負けないよ!

気を張り、足を止めずに撃ち込むポイントを探り
接近戦の仲間が痛撃を打ち込む助けとなるよう撃ち
注意がこちらから逸れるようであれば、
全力で撃ち抜くっ!臨機応変に動いていくね

みんなで協力し、追い詰めていく
いつだってそれが私達の強さだからね!

敵が弱るのがわかれば
仲間のラッシュに合わせ呼吸を整え、
最大までパワーを溜めた一撃を放つよ
今こそ最大まで輝け心の輝き
《終光収束砲》、人々を護る光となれぇーっ!

無事に撃破したら、
仲間が避難誘導した住民にもう大丈夫って
声をかけにいける時間があるといいな


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

奪還戦も間近。ここで増援を仕留めきる
キマイラウィッチは相変わらずだ
この先に、行かせる訳がないだろう
復讐がしたいなら、ここで存分に力を振るえ
ただし、こちらも手加減はしない

村の方角を護るように位置取り、注意を惹きつつ戦闘
戦況を観察しつつ、敵味方の動きを把握
仲間と連携し、包囲の位置取りへ動き
両手の銃からPD攻撃
なるべく甲羅よりも首や脚、柔らかい部分を狙い
看破した隙を見逃さず、狙い澄ました弾丸を、十字に撃ち込んでいく
味方を援護しつつ、こちらに隙があれば逃さず撃ち抜こう

大砲の炸裂弾には、魔力障壁と耐衝撃コートで全身を護りつつ
タワーシールドを構えて直撃や爆風を防ぐ
復讐は、ここでおしまいだ

これ以上、キマイラウィッチに力をつけさせる訳にはいかない
グランダルメへの増援も、ラ・ピュセルの増強もさせないから
いつかこの地の人々にも、安らぎと日常が訪れるように

戦闘が終わったら、村の人達を呼びに行って、安心してもらおう
安心して、もう大丈夫
怖い魔女が来ても、ディアボロスが守るから


 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は慎重だった。
 村の方角を護るような位置取りを続ける。救援機動力で駆け付けたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)も、敵を引き付ける方針をすぐに理解した。
 待ち受けていると、敵指揮官は道をたどってのそのそと現れる。
 陸亀の甲羅に何本もの大砲を積み、首は二本。
「来ましたか、『魔女』どもの指揮官」
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は眉根をかすかに寄せた。エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)も同意して頷く。
 このアヴァタール級は、ふたつある頭部のそれぞれに意識を持つ。
 右のやつが叫んだ。
「ガスパール兄さん! アークデーモンの女たちがぜんぶ、やられちまってるぜッ!」
「なんだとぉ。おい、ジャン。自動人形(オートマタ)が言ってたのと、話が違うよなぁ?」
 左のやつがうつ向いたまま、目だけを上げて睨みつけてくる。
 兄と弟だから、『ビューロー兄弟』だ。クロエは静かな怒りで、亀兄の眼力を弾き返した。
「人形皇帝とお前たちの間に密約があったか、それともただ暴れにきたのかは知りませんが。お前たちが感情のままに暴虐を尽くすというなら、私も私のやりたいようにするだけです。お前は殺します」
「誉れなき人形皇帝は国土を護らず、ただ己の命脈を保つために異邦の怪物をのさばらせています。グランダルメの地を襲う亜人と、キマイラウィッチ……どちらにも無辜の民を傷つけさせはしません。魔女の名を穢す忌まわしき怪物よ、覚悟なさい!」
 エイレーネは、『神護の長槍』の穂先をさしむける。
 激昂してくる亀弟ジャン。
「お前らこそ、なんだかわからねぇが、ぶっ飛ばして『断頭革命』への道をあけてやるぜッ!」
「キマイラウィッチは相変わらずだな……」
 エトヴァは両手の銃を構えつつ、ため息だ。
「先に行かせる訳がないだろう。復讐がしたいなら俺たち相手に力を振るえ。ただし、こちらも手加減はしない」
 敵勢力の増援を、ここで仕留めきりたい。
 亀兄は悟ったようだ。
「ディアボロスなのか……。ジャンよ、弾をケチることはない。戦いはもう始まっていたのだ」
「そういうこと! グランダルメ奪還戦の勝利の為に。目指すは全土奪還、さぁいくよっ」
 アンゼリカは宙に、六芒星を描きだす。仲間たちも一斉に動いた。
 そこへ、兄の合わせた照準どおりに、ビューロー弟は背中の大砲から炸裂弾を放ってくる。
「全部燃えるがいいや!」
 たちまち、辺り一面が火の海となる。クロエは、その兄の視線から、砲塔のねらいを読む。
 赤薔薇の種に魔力を注ぎこんだ。
「種子に宿るは我が抑圧、芽吹け『ラードーン・ローザ』!」
 負の感情を注ぐことで急成長させ、ギリシャ神話の怪物『ラードーン』を象った植物の怪物を作り出した。二本の首どころではない。この怪物には百本の首を模した茨が絡み合っている。
 エイレーネは地を駆け、敵が砲撃の狙いを付けづらいように、敢えて懐に飛び込もうとする。やがて、旋回していた砲台に、ラードーンの百の頭が絡みついた。
 茨で締め上げ、さらに狙いをつけさせない。
 キマイラウィッチの姿は亀だ。手や足など甲羅から露出した個所も狙い、茨の棘を食い込ませる。
「イテテテテッ! ガスパール兄さん助けてくれッ!」
「ジャンよ、痛いのは私も同じだ。狙いは正確ではないかもしれんが、大砲ならまだある。一斉に撃て」
 でたらめな砲撃をされたら、重い一発をくらわないとも限らない。接近したエイレーネは、『神護の輝盾』を構えて防御姿勢をとった。
 クロエは射線を読むだけでなく、兄弟のやりとりも聞いている。
 ラードーンの茨を遮蔽とすることで直撃を避け、砲撃後の隙を狙って首をくびりにいく。
「痛い痛い痛いッ!」
 弟の泣き言は大きくなり、代わりに砲撃は小規模になった。耐え凌いでいたエイレーネは、素早く攻勢に転ずる。
 兄のほうの首に、槍を突き立てた。
「この身を燃え盛る流星と化してでも、人々に仇なす者を討ちます! 『舞い降りる天空の流星(ペフトンタス・メテオーロス)』!」
 強い信仰心が生み出す加護によって物理的な推進力を生みだす。
 纏う、燃え盛る炎は、炸裂弾の熱を上回る。槍の穂先は、甲羅の隙間にねじ込まれ、長い首を深々と貫いた。
「二本の首を引っ込められるかは分かりませんが、出来るとしてそうされる前に素早く攻め立てましょう」
「よっし!」
 接近戦を挑む仲間を援護するように、アンゼリカは同じく遠距離攻撃の仲間と挟み込むよう位置取っていた。
「こっちも力いっぱいパラドクスの砲撃をお見舞いだよっ」
 『命中アップ』を積み上げ、照準を助ける光の導きを増やしていく。エイレーネはその間も前線で戦い続け、注目を惹くことで仲間の更なる技へと繋いでくれている。
「ガスパール兄さん、生きてるかッ? ディアボロスは結構強いぜッ!」
「ああ、ジャン。私たちは命を共有しているのだ。復讐心もな。砲撃は任せる」
 囮役は当然のこと、茨の防壁も無傷とはいかなくなってきた。
「当たれば痛いけどね!」
 亀の甲羅とはいかずとも、アンゼリカは肉体を強固にする『ガードアップ』を重ねる。
「何より奪還戦前の熱いハートはこの身を強くするからねっ。お前たちの復讐には負けないよ!」
 気を張り、足を止めずに撃ち込むポイントを探る。
 魔法の六芒星は、常にアンゼリカの前へと追従してきた。挟み撃ちの相手を務めているエトヴァは、魔力障壁と耐衝撃コートで全身を護りつつ、タワーシールドを構えて直撃や爆風を防いでいる。
「ああ、『魔女』の復讐は、ここでおしまいだ」
 戦況を観察しつつ、包囲の位置取りへと動いていく。エトヴァは、なるべく甲羅よりも首や脚、柔らかい部分を狙い、看破した隙を見逃さずに狙い澄ました弾丸を、十字に撃ち込んだ。
 いっぽうでクロエとエイレーネは、巨亀の甲羅によじ登っている。
「何も導かず、何も生み出さない。お前たちに相応しい呼び名は魔女ではなく怪物です」
「民を護らぬ暴君の領地であれば、好き勝手に暴れられると考えたのでしょうが……地上に悪がはびこる限り、わたし達復讐者が見逃すことはありません!」
 茨と穂先で、大砲をひとつずつ潰す。
「みんなで協力し、追い詰めていく。いつだってそれが私達の強さだからね!」
 アンゼリカは、仲間のラッシュに合わせ呼吸を整えた。
 パワーを溜めた一撃を放つために。
「今こそ最大まで輝け、心の輝き! 『終光収束砲(エンド・オブ・イヴィル)』、人々を護る光となれぇーっ!」
 増幅魔法『六芒星増幅術(ヘキサドライブ・ブースト)』を使用し、収束させた光の砲撃。
「ガスパール兄さんー!」
「弟よぉ!」
 二本の首が悲鳴をあげているあいだに、クロエとエイレーネは百本首の茨に抱えられて、甲羅の上から脱出していた。
 そこへアンゼリカの『魔砲』が命中して、破片が周囲に散らばる。
 露呈した弱点だ。
 エトヴァは、敵の背後から正面へとまわる。
「これ以上、キマイラウィッチに力をつけさせる訳にはいかない。グランダルメへの増援も、ラ・ピュセルの増強もさせないから」
 静止した状態で二丁銃の狙いを定めた。ビューロー兄弟は、どちらの首もぐったりしている。
「いつかこの地の人々にも、安らぎと日常が訪れるように。……結束を力と成せ! 『Sternenkreuz(シュテルネンクロイツ)』!」
 急所を目掛けて十字型に5つの銃弾を連射した。
「ぐ、ぎゃあああ!」
 火刑を再現するかのようにキマイラウィッチの胴体は燃え上がる。兄弟の悲鳴は同じものだった。かれらがもう、『断頭革命』にたどりつくことはない。
 ほぅ、と息をついたエトヴァは、避難させた村の人たちを呼び戻すと申し出た。
「怖い魔女が来てもディアボロスが守るからと、安心させたいんだ」
 アンゼリカや他の仲間も賛成し、クロエとエイレーネもそうした。ただ、最前線で砲撃に耐えたふたりにはまだ、戦闘の影響が残っていた。その場で休んで、パラドクストレインを待つことにする。
 ただ、排斥力はまだ高い。
 迎えがくるまで、行けるところまでいってみるかたちだ。エトヴァは木こり小屋へと向かった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年04月20日