孤島は暗躍と黒翼に揺れる(作者 朝下万理
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#吸血ロマノフ王朝  #コトリン島、黒翼卿・ウピル暗殺作戦  #コトリン島  #黒翼卿・ウピル 


 海がやけに騒がしい。
 コトリン島の司令施設の一室。
 紅茶が入った陶磁器のカップから唇を離し、机上に乗せていたソーサーの上にそっと置いた『黒翼卿・ウピル』は、室内に飛び込んできた配下の報告と外の喧騒に騒音に、モーヴの瞳を細めて小さくため息を吐いた。
「やはり、ディアボロスは大軍勢での侵攻を仕掛けてきたようですね」
 重く閉じられた黒いカーテンを長く伸びた爪で、微かに開けて外を伺えば。島の外周を警備させていた配下たちとディアボロスたちが激しい戦闘を繰り広げている。
 気持ち、いや、確実に、ディアボロスが優勢か。
 カーテンから指を離すと『黒翼卿・ウピル』は苛立ちも焦りもなく平然とした様子で、黒薔薇の刺繍があしらわれた光沢のある黒いドレスを翻す。そして黒翼のケープを直すと密集した羽がかすかな風を生んだ。
「今攻めてきている戦力は先遣隊に過ぎないでしょう。露払いが終われば、主力となる部隊が前進してくる筈……。こちらも防衛を強化しなければなりませんね」
 そう分析してテーブルに立て掛けていた金を基調としたロッドを手にすれば、なお一層彼女を包むのは血の香りが漂う赤黒いオーラ。
「最低限の防衛部隊を残し、出撃の準備をするのです」
 彼女はそう告げると、紫がかった銀髪を靡かせながら部屋を出た。そして施設内にハイヒールの音を響かせながら配下たちに告げる。
「精鋭部隊は私についてきなさい。まずは、前線で、敵の動きを確認します。敵の出方が判らなければ、防衛は成しえませんからね」


「このたびはお集まりいただき、ありがとうございます」
 新宿駅のプラットホームに停車しているパラドクストレインの傍。愛らしいオラトリオを連れたロジオン・リヴィンスキー(奇蹟使い・g07163)はディアボロスたちに恭しく頭を下げると、アイスブルーの瞳で皆を見据えながら告げる。
「先の『コトリン島近海水中戦』、それに続く『大陽動作戦』の成果により、コトリン島を護るジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』を撃破するチャンスを得ることが出来ました」
 これも皆様の尽力のおかげです。と微笑みを持ってディアボロスたちに感謝を伝えた。
「『黒翼卿・ウピル』は、ディアボロスのコトリン島への大攻勢を警戒していたようで。先の『大陽動作戦』にまんまと乗ってくれたみたいですね」
 これは攻略旅団の提案によって、敵の警戒心を逆手にとることが出来た形となった形で、この絶好の好機を逃す手はない。
 先ほどまで微笑んでいたロジオンは、いつもの精悍な顔つきをさらに険しくして、はっきりとした口調で皆に告げる。
「したがって皆様には、前線の指揮を取るために姿を現した、『黒翼卿・ウピル』の暗殺を行っていただきたいと思います」

 だがしかし、『黒翼卿・ウピル』もコトリン島という要衝を任される優秀な大領主の一人。一筋縄では行かないことは確かだ。
「ですので、先の作戦が敵に『陽動』であることが見破られては本末転倒。故に皆様には、迅速に水中よりコトリン島に向かっていただきたく思います」
 なお、この暗殺作戦は攻略旅団の作戦。『黒翼卿・ウピル』が前線に現れる場所やタイミングついても詳しい予測が立っている。
 これは奇をてらわずに整合法で作戦――暗殺が可能なタイミングで実行地点まで移動し、奇襲の勢いを殺すことなく『黒翼卿・ウピル』撃破を遂行することが肝要であろう。
「その後は『暗殺作戦』という意味合いからも、早急にコトリン島から撤退してください」
 と、ロジオンは作戦開始から撤退まで道筋をはっきりと示し。

「断片の王の拠点であるサンクトペテルブルクを護る防衛ライン・コトリン島の指揮官『黒翼卿・ウピル』が撃破されれば、ヴァンパイアノーブルたちの心胆を寒からしめる事が出来るでしょう」
『黒翼卿・ウピル』は、首都サンクトペテルブルクの西の守りを担当する重要なジェネラル級ヴァンパイアノーブル。彼を倒す事が出来れば、戦況が大きく動くことは間違いない。
 ただし、この作戦の成功後はコトリン島方面の防衛は更に強化される事になるだろう。
「それによって首都サンクトペテルブルクにいるヴァンパイアノーブルたちがコトリン島の防衛に戦力を集中させれば、その分他の方面が手薄になると予測されます。その状況をうまく利用しつつ別ルートからのアプローチも考えねばなりませんが、この作戦は間違いなく『吸血ロマノフ王朝』にとっても私たちにとっても、大きな分岐点になりましょう」
 皆様のお力で、この好機をモノにしていただければ。そう続けたロジオンは、ディアボロスの勝利と無事の帰還を祈り、胸の前で手を組むとそっと目を伏せた。
「どうか、ご武運を……」


 寒風吹き荒ぶコトリン島。
 司令施設から外に出た『黒翼卿・ウピル』の目に飛び込んできたものは、島を警戒していた配下たちを撃破し灰色の海の上を対岸へと走り去っていくディアボロスの後ろ姿だった。
「……敵の第一陣の撃退には成功したようね……」
 ひとまず安堵の息をついた『黒翼卿・ウピル』だったが、この状況に何か引っ掛かるものを感じて顎に手をや離、眉間に皺を寄せた。
 敵は整然と最小限の被害で撤退している。もし仮に第二陣の進軍があれば、このコトリン島の防衛は難しいかもしれない。
 そして島への襲撃がサンクトペテルブルク攻撃の陽動である可能性がある以上、大幅な増援も期待できない。
「……残念ながら、海上での機動力はディアボロスが有利のようね……」
 顎に触れていた指の爪を噛みながら『黒翼卿・ウピル」は、この島を護る術は何か模索をし始める。
「……まずは、海岸部で水際作戦を行って時間を稼ぎ、あとは島内にディアボロスを引き込んで持久戦を展開した方が無難かしら……」
 海岸の奥に自生する木々は極寒の空気に全ての葉を落とし、司令施設がある要塞から姿を現したその美しい指揮官の姿を隠してはくれない。
 ところどころに氷塊が浮かぶ灰色の海を見渡すべく、精鋭部隊を後ろに従えた『黒翼卿・ウピル』はドレスの裾をつまみ上げて整備された岸壁へと進み行った。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
2
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【水中適応】
5
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【防衛ライン】
3
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV8 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2

●マスターより

朝下万理
 こんにちは、朝下万理です。
 吸血ロマノフ王朝、ジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』暗殺作戦のシナリオです。
 よろしくお願いいたします。

 サンクトペテルブルクを護る西の要塞・コトリン島の指揮官を暗殺する好機がやってまいりました。

選択肢①:水中からコトリン島を目指します
 暗殺作戦ですので目立たず密やかに、かつ迅速にコトリン島へと向かってください。

選択肢②:バンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』と会話ができます。
 基本的に重要情報は引き出せません。
 何かきっかけがあれば話し始めるかもしれませんが、タイミング次第でしょう。

選択肢③:ヴァンパイアジョーブル『黒翼卿・ウピル』を護衛する精鋭ヴァンパイアノーブル『血影猟兵』と戦います。
選択肢④:ヴァンパイアジョーブル『黒翼卿・ウピル』を暗殺します。
 言わずもがな、ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』はジェネラル級なので、一筋縄ではいきません。
 が、この作戦は攻略旅団提案作戦であるため、『黒翼卿・ウピル』の動きを先読みしての奇襲が可能(先手を取りやすい状態)となっています。

 その他の状況についてはオープニングや『情報』をご覧ください。
 皆様の熱の籠ったプレイングをお待ちしております。
30

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


音羽・華楠
ここからが、黒翼卿・ウピル暗殺作戦の本番ですね……。
大陽動作戦に引き続き、微力ながら私もお手伝いします。

【水中適応】を用い、コトリン島を目指して海中を潜行します。
出来る限り深い所を泳いだ方が、ウピルやその配下に発見され難いでしょうか?
また、可能な限り現地の風景、海中の環境に溶け込み易い色合いや柄のウェットスーツを新宿島で見繕い、着用しておきましょう。

海中移動の際は、直上の海面に浮いてる氷塊がより多い道程を選んで進むように心掛けます。
氷塊が遮蔽となって、海中を進むこちらの動きを海上に居る敵から隠してくれるかもしれませんし。

そして、敵に発見されないことが最優先ですが、ウピルに先の作戦が陽動だと気付かれない内に仕掛けなければならない以上、海中での移動速度も重要です。
海中における敵の監視が薄い時に限りますが……新宿島の書物などで『人類に出来る最速の泳法』とされてた『ドルフィンクロール(腕はクロール、脚はドルフィンキックという泳ぎ方)』を実践してみようかと。

とにかく、私に出来ることを全力で!


括毘・漸
はてさて、やっとこさ奥に引っ込んでいた親玉が重い腰を上げて出てきましたね。
奥で偉そうにふんぞり返っているものかと思いましたが、自分の目で現状を確認し、現場に出てきて指揮をとる…そりゃあ現場の士気も上がって堅牢な要塞になりますよ。
勤勉であり手堅い相手ですが、その勤勉さに付け入りましょうか。
全てはこの大地を奪還するためにです。

【水中適応】を使い、極寒の海に潜り込みます。
敵は海での機動力について注視していますからね、警戒網があると考えてもバチは当たらんでしょう。
幸いにも氷塊が浮かんでいますから、氷塊の影を利用しつつ【光学迷彩】も併用しつつ周辺環境と同化して敵の目を欺きましょう。

海中での移動に際して、仲間達との連絡はハンドサインにしといた方が良さそうですかね。
敵の陣地に潜り込もうとしているのです、どこに目や耳があるのかわかりませんからね。
隠密して潜行するなら、敵に悟られる要因は無くしたほう良いですからね。
なに、ここで我慢した分はきっちりと黒翼卿・ウピルにぶちかましましょうとも。


シル・ウィンディア
コトリン島、この機会の為に頑張ってきたんだ。
せっかくつかんだチャンスは活かさせてもらうからっ!

水中適応で海中へ。
障害物や遮蔽物に身を隠しながら、コトリン島へ向かって接近していくよ。スピードも大切だけど、隠密も大切だから…。
焦らず、でも、スピードをもって移動を行うよ。

障害物や遮蔽物のところに辿り着いたら、一旦停止して周りの状況を観察して確認。
海上の戦闘で上に警戒はいっているとは思うけど、海中がノーマークっていう保証はないからね。
敵がいたならやり過ごして…。
居ないなら、次の障害物や遮蔽物に移動。
それを繰り返してコトリン島へ向かっていくよ。

コトリン島の上陸ポイント付近に到着したら…。
速度をもって、一気に水面に上がって奇襲を仕掛けるような形で地上へ向かっていくよ。

黒翼卿・ウピル、ディアボロスが来たよっ!
あなたの首、取らせてもらうからっ!!

到着と共に戦闘体勢を取るよ。
…さぁ、やりましょうか。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

ロマノフへ向け、極寒の海を渡ったのが一昨年の春
フィンランド湾の突破を狙ったのが、昨年の春……長い道のりだな
コトリン島は、体制が刷新されてなお、サンクトペテルブルクの西の堅固な護り……
今こそ、刃を届かせよう

水中適応使用、光学迷彩もあればお借りする
インナーで防寒し、装備のドライスーツに水中迷彩を施し、視界確保にマスクとバイザーを使用
水中適応し、静かに海中を移動する
波立てずに移動し、敵の気配が近ければ底のほうを潜行

なるべく先行し【完全視界】で周囲を偵察しつつ、耐圧コンパスで方角を確認
敵の気配や危険があれば味方にハンドサインで知らせ、物陰に潜むなど対処し
奇襲に向かうルートを外れないように迅速に移動

島の岸壁が近づけば、目視(必要に応じ潜望鏡)で海中から岸壁側の様子を確認
氷塊の影に隠れつつ
敵方の足音や声が聴こえたり、水面に影が落ちるなど、岸壁に接近する兆候を掴んだら
ハンドサインでタイミング合わせ
ウピル達へ一気に奇襲を仕掛ける

逃がさないよう立ち位置を取り
狙いを悟られる前に戦闘に移行する


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

心情
コトリン島を攻略すればニコライが住まうというサンクトペテルブルクを攻める足掛かりにする事も出来る
ノーヴルの犠牲者の無念を晴らし今なお傷つき苦しめられている人々を奴等の支配から開放する
其の為にも此の機会は絶対に逃す訳にはいかないからな


事前に可能な限り此の周辺の水深が深い場所を通ってコトリン島に向かうルートを最終人類史の海図や依頼の情報を基に算出した
最終人類史との地形の差もあるし完全合致しないだろうが参考はなるだろう

フィンランド湾は平均水深やや浅い方だし少しでも深い所を選んで進まないとな

事前に目立たない色合いの服装を着用する他、最終人類史のフィンランド湾の資料や依頼の報告書に記載された情報を基に可能な限り水深の深い場所を通るルートを算出

其の上で残留効果の〇光学迷彩と〇水中適応、後あるなら〇完全視界も使用し算出したルートを基に周囲を警戒しつつ海底を移動
実際の海底の地形が想定していた地形と其処迄違わない場合は想定したルートに基づいて、そうでないなら水深が深い場所を探りつつ移動


薬袋・透
アドリブ絡み歓迎

この地を抑えることが出来ればロマノフ奪還がぐっと楽になる
なんとしても成功させなければ

【水中適応】を使用し海中を泳いでいく
水中故の視界の悪さは【完全視界】で対処
極寒の海は栄養豊富で魚にとっては案外楽園、●地形を利用して魚群や大きな魚の影に隠れつつ近づきましょう
泡を立て目立たないよう●呼吸法と泳ぎ方にも工夫を
【光学迷彩】も使い隠密度をなるべく上げて

島一つを任されているだけあって相当頭のキレる人物らしいわね
そして警戒心も強い
でも、だからこそつけ入る隙があるはずよ


レイラ・イグラーナ
コトリン島の防衛ライン攻撃から繋げた陽動作戦は皆様のおかげで早期に完遂できました。
ウピルの現れる場所やタイミングを把握でき、護衛もそう多くはありません。絶好と言っていい機会でしょう。
次の作戦も考えていく必要はありますが……まずはこの絶好の機を活かしましょう。

陽動の前段階となる作戦で、コトリン島海中の防衛ラインはほぼ壊滅しています。機会を逸することのないよう迅速に動きましょう。
トレインを降りたら【水中適応】を使用。水上の敵から見つかりづらい水中深くを進みます。【完全視界】もあればより光が差しにくい深さまで潜りましょう。
ラスプーチンから得た情報では彼女は使い魔の鳥を介した情報収集を得意としているという話でした。今も飛ばしている可能性を考えると、上空から見つかりづらい水面近くは危険でしょう。

目的地近くまで泳ぎきったらゆっくりと水上の様子を伺い、予知通りにウピルと護衛たちが来るのを待ち構えます。
暗殺もまたサンクトペテルブルク攻略、そして革命への一歩……確実に成し遂げましょう。



 コトリン島近海で陽動作戦を行なっていた部隊が全て引き返し始めた頃。
『黒翼卿・ウピル』の暗殺部隊もコトリン島の対岸に到着し、作戦の最終確認を行なっていた。
 この色彩の少ない世界に紛れられるように彩度の低い服を着たルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、過去の依頼の情報や最終人類史に残っていた資料から、フィンランド湾内の地形を算出し、推進が深い場所を辿る道筋を示し、
「コトリン島を攻略すれば、ニコライが住まうというサンクトペテルブルクを攻める足掛かりにする事も出来るし、ヴァンパイアノーブルの犠牲者の無念を晴らし、今なお傷つき苦しめられている人々を、奴等の支配から開放できる」
 と、皆と想いを共有する。
 サンクトペテルブルクに攻め入るためにも、まずここ、コトリン島の司令官を撃つ必要がある。
 その為にも、此の機会は絶対に逃す訳にはいかない。
 ルィツァーリはその光輝く金色の瞳で、灰色の空と灰色の海に囲まれた孤島を見据える。
 ショートカットの赤髪と竜の翼を風に受けながら、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)も同じ想いを抱き、
「この地を抑えることが出来ればロマノフ奪還がぐっと楽になる。なんとしても成功させなければ……」
 と、決意を新たにすれば、ドライスーツに身を包み、防寒対策万全のエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はコトリン島が浮かぶフィンランド湾を臨み、ポツリと呟いた。
「……長い道のりだな」
 吸血ロマノフ王朝への道が開かれて、パラドクストレインが極寒の海を渡ったのが一昨年の春。
 フィンランド湾の突破を狙ったのが、昨年の春。 
 そしてこの春、ディアボロスたちはとうとうコトリン島の喉元に刃を突きつけようとしている。
「コトリン島は、体制が刷新されてなお、サンクトペテルブルクの西の堅固な護り……今こそ、刃を届かせよう」
 その蒼穹色の瞳が望むのは、コトリン島の指揮官撃破のさらに向こうだ。
 エトヴァの決意に「うん」と頷いたのは、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)。
「海中戦も、大陽動戦も、この機会の為に頑張ってきたんだ。せっかくつかんだチャンスは活かさせてもらうからっ!」
 と、青い瞳で島を見据えた。
 新宿島で見繕った暗い色のウェットスーツに身を包んだ音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)も、寒風にも負けず大きな狐耳をピンと立てながら、ふっさりとした尻尾を揺らして、灰色の景色に覆われた縞を望む。
 ここからが黒翼卿・ウピル暗殺作戦の本番。
 一人一人の力は微力。だが、皆の力と知恵が集まれば寝し遂げられない作戦ではない。
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)も気合いを入れ直すように、今一度金色の髪を結び直すと、風に揺れる銀色の髪を押さえながらレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が皆を見据えた。
「コトリン島の防衛ライン攻撃から繋げた陽動作戦は、皆様のおかげで早期に完遂できました。『黒翼卿・ウピル』の現れる場所やタイミングも把握でき、今は護衛もそう多くはありません」
 これは絶好と言っていい機会。
『黒翼卿・ウピル』を撃ったあとの作戦も考えていく必要はあることは、あの時先案内人も言っていた。しかし。
「……まずはこの絶好の機を活かしましょう」
 レイラの力強い言葉に、ディアボロスたちは各々の顔を見合わせてしっかりと頷き合った。
 ルィツァーリの情報によれば、フィンランド湾は一般的な湾に比べたら水深やや浅い方。なので目立たず進むには少しでも深い所を選んだ方がいい。
 レイラが示すのは『怪僧ラスプーチン』による、『黒翼卿・ウピル』は使い魔の鳥を介した情報収集を得意としているという情報。
『黒翼卿・ウピル』はもうすでに使い魔を飛ばしているとするなら、上空から見つかりやすい水面近くよりも海底近くを進む方が安全だ。
 それらを皆で確認し、まず【水中適応】を発揮した華楠と透、レイラとシルが冷たいバルト海へと潜り込んだ。すると周囲が水圧を感じず呼吸もできる世界に変わる。
 これだけでも随分楽に行動ができる。
 続いてエトヴァも海に入り【完全視界】を展開させると暗い海の中の見通しが効き始め、ルィツァーリと漸も【光学迷彩】を効かせると、ディアボロスの体が水の色に溶け込んでいく。
 これなら海底近くを潜っても、この極寒の栄養豊富な海を力強く泳ぐ魚たちが巻き上げる砂も苦にはならなず、それどころか海面を浮いている氷海や大きな魚、巻き上がる砂に紛れて進むことができそうだ。
 あとは海中が冷たいことは気になるが、この冷たさがディアボロスのパフォーマンスに影響を及ぼすようなことはない。
 それに、海中は陽動作戦の前哨戦、近海水中戦において敵の一掃が完了している。故に、目立つような行動さえとらなければ、この進軍は安全に遂行できよう。
「……陽動もですけど、海中戦において尽力してくれた仲間たちにも感謝ですね」
 漸はここまで道を切り開いてくれた仲間たちを思う。だがしかし、すでに敵の警戒網が張られていると考えて不足はない。
 ディアボロスたちは周囲を警戒し、時折物陰に隠れながら海を進んでいく。
 ルィツァーリが隊の先頭に付き、自身が算出した海底近くのルートを臨機応変に辿っていく。
 そのすぐそばを、周囲を偵察しながら時折耐圧コンパスで方向を見定めているエトヴァが泳ぎ。
 その後ろは、群れすぎてあまり大きく水流が乱れないように、華楠、漸、透、レイラ、シルが続くが、問題があるとするなら、前進する速度がやや遅いことだろうか。
 だがこの速度問題について、対策を講じていた人物がいた。
 華楠だ。
 華楠は腕を回して水を掻口と同時に足を揃えて水を蹴り出すと、瞬く間にルィツァーリとエトヴァの隣へと並んだ。
「……腕はクロール、脚はドルフィンキックの『ドルフィンクロール』という泳法が、人類のできる最速の泳法らしいです……」
 華楠は声を潜めて指南すると、その説明を聞いたルィツァーリとエトヴァが実践し、その後ろについていた漸と透、レイラも彼女の泳ぎを真似てみる。
 すると、泳ぐ速度が早まった。
「……本当だ、早くなった……」
 シルもドルフィンクロールを実践しながら、驚きの声を小さくあげながら、思う。
 本当はもっとグイグイ進みたい。
 だけど、隠密行動も大事。
 このままならない状況に若干ジレンマを感じてはいるが、これも暗殺の第一刃を成功させるため。
 今はじっと我慢で、シルは皆のあとをついていく。
 フィンランド湾の海底は穏やかで、魚たちが悠々と泳いでいる様を見ると、敵の警備が及んでいないことが窺える。
 これは先の海中戦において仲間たちが敵を一掃してくれたおかげだろう。
 華楠が頭上を伺うと、たくさんの氷海が海面に漂いディアボロスたちを隠す手助けをしてくれているかのよう。
 この隠密行動、もしバルト海に太陽光が差し込んでいたら、また状況は変わっていたのかもしれない。
 このディヴィジョンの気候がディアボロスに味方してくれているからこそ、先の作戦が暗殺の陽動だと気付かれては本末転倒。
 とにかく、私に出来ることを全力で!
 華楠の信条は、今回も彼女を果敢に強く前進させる。
 ディアボロスたちが陸が近づくにつれて海底も徐々に浅くなっていき、コトリン島に整備されたの岸壁がディアボロスの肉眼でも確認できるようになっていた。
 ここからはいよいよ敵の陣地。どこに敵の目や耳があってもおかしくない。
 隠密で侵攻するなら、敵に悟られる要因は極力無くしたほう良い。
 ここから先は囁き声も含め発声禁止。物音も極力立てない方向で。
 漸が指の前に人差し指を立てるジェスチャーを行うと、仲間たちも小さく頷き合い、事前に決めておいたハンドサインでやり取りを行う。
 今はじっと我慢の時だが、ここで好機を活かすべく我慢した分は、きっちりと『黒翼卿・ウピル』にぶちかましてやるつもりだ。
 そう心に誓う漸がゆっくり浮上すると、エトヴァと透もそれに続き、二人は近くに漂う大きな氷塊の陰に身を潜めた。
 ふと顔を見れば灰色の雲が世界を覆い、今にも雪が降り出しそうな空に鳥の気配はない。
 海面組の三人はそのまま氷塊に身を隠しながら、徐々に岸壁へと進み行く。
 そんな最中でも漸は、これから撃つべき相手の行動原理について熟考する。
 ……正直、奥で偉そうにふんぞり返っているものかと思っていた。だけど敵は、自分の目で現状を確認し、現場に出てきて指揮をとるというのだ。
 そりゃあ現場の士気も上がって堅牢な要塞になりますよ。
 漸はそう感心し、敵の手堅さと勤勉さに敬意を払うが、今回はその手堅さと勤勉さに付け入らせてもらう。
 一方、華楠とルィツァーリ、そしてレイラは水中にいて、岸壁間際まで泳いで進んでいた。
『黒翼卿・ウピル』暗殺もまた、サンクトペテルブルク攻略、そして革命への一歩。
 ……確実に成し遂げましょう。
 レイラの決意は、この作戦に参加しているディアボロス――いや、水中作戦から陽動まで身を粉にして動きまわっでィアボロスたちの総意だ。
 海面組が岸壁の先を至近距離に捉え、海中組も岸壁際まで差し掛かった頃。
 耳を敧てなくても、遠くからコツコツと硬質で規則正しい音が響いてくる。
 この音は、ヒールが硬い地面を叩く音。
 ディアボロスたちに緊張が走る。
 エトヴァは一層身を屈め、その貴婦人が海を伺う間際までじっと身を潜めた。
 透も水音を立てないように氷塊と氷塊の間に身を埋めると、その近づいてくる足音に耳を澄ませ、思う。
 島一つを任されているだけあって『黒翼卿・ウピル』は相当頭のキレる人物らしい。
 そして、こうして間を置きながら岸壁を進みいる様にも、警戒心の強さが伺える。
 だからこそ、つけ入る隙がどこかに必ずあるはず。
 シルは足場になり得る氷塊に身を隠しながら、ぐっと自分を律していた。
 本当は今すぐ飛び出して、あの首を掻き切ってやりたい。
 だけど、ここで自分が自分のタイミングで飛び出してしまったら……。
 前へ前へと逸る気持ちをシルは、この言葉で鎮める。
 全てはこの大地を奪還するため――。
 早鐘を打つ心臓の音が煩わしいと思う余地もなく、ディアボロスたちはその時をじっと待つ。
 その貴婦人が岸壁の際までやってきて海を覗く、その時を――。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV4が発生!
【光学迷彩】LV2が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

冰室・冷桜
さーてさて、暗殺計画始動っと
お家にお邪魔するとしましょうか、慎ましく、ね

現地に到着したら【水中適応】を発動して海中へ
防寒仕様にスイムスーツ、ゴーグルなども用意して水中での行動しやすさを少しでもあげましょう、寒波が緩んだといってもそもそも冬の海は寒いですしね
基本は海底まで潜行しつつ、岩陰や物影などを可能な限り利用しながら進みましょう
海上から海中まで奴さんらの警戒範囲ですし、水音や気配を悟られないように慎重に、ゆっくりと進んでいきましょう

海上の様子を確認しつつ、敵の目や気配を感じないようなら浮上し、海上から島の様子を確認
氷塊の影を利用して身を隠し、防水仕様の双眼鏡で島を観察
レンズの反射には気を付けて、双眼鏡は長時間覗き込まんように

目的地付近まで無事に到着しましたら、周囲の様子も確認
奴さんからすれば、すぐ傍には強固な防衛ラインに兵が控えた拠点……暗殺狙いを悟られたら、撃退よりも撤退を狙う筈
撤退を封じるためにも周囲の地形も確認しないとですからね


 時は準備まで遡る。
 冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)も仲間たちと共にコトリン島へ向かう準備をしていた。
 直線距離で数キロメートル先のあの島に、『黒翼卿・ウピル』の司令施設――『家』がある。
「早速お邪魔するとしますか」
 慎ましく、ね。
 防寒対策にスイムスーツ、水中での行動のしやすさも考慮してゴーグルなども装着して、いざ水中へと潜り込んだ。
 水中に潜るなり【水中適応】を効かせると、スイムスーツのおかげで極寒のバルト海の冷たさが少しはマシになる。
 ディアボロスのパフォーマンスに暑さ寒さの影響はないとて、やはり少しでも快適に行動したい。
「やっぱり用意して良かったですね」
 金の髪を水面に揺らしながら冷桜が進むのは、岩陰や沈没した物陰。
 海上から海中まで敵の警戒範囲であるこの海域では、先に海中戦が行われたとて、油断して損はない。
 冷桜は、立てる水音や発せられる気配が敵に悟らないように慎重にゆっくり進んでいく。
 他のディアボロスが【完全視界】を効かせてくれているおかげなのだろう、海面を伺えば大小様々な氷塊が浮く様がはっきりと見えル。
 しばらく岩陰や物陰に身を隠しながらコトリン島へと進んでいた冷桜だったが、一旦海面へと顔を出した。
 氷海に身を隠し島の様子を確認すれば、まだ大きな動きはないように見えた。
 双眼鏡を覗き込んでも動きはない。
 と、双眼鏡を下ろそうとした時、堅牢な建物から出てくる人物の姿が見えたので、今一度双眼鏡を覗き込んだ。
 薄紫がかった銀の巻き髪にティアラを戴き、全身を黒のドレスで覆った『黒翼卿・ウピル』が姿を現したのだ。
「……慎重になりすぎたかもしれません」
 冷桜はすぐさま海底深くまで身を潜めると、ここから全速力でコトリン島へと泳ぎ始めた。
 奴さんからすればすぐ傍には、強固な防衛ラインに兵が控えた拠点。
 ……暗殺狙いを悟られたら、撃退よりも撤退を狙う筈。
 確実に討つためには、戦力は一人でも多い方がいい。
 自分が到着する頃には戦闘が始まってしまうだろうか。
 ……いや、必ず間に合わせる。
 海の底、翼の炎を靡かせて冷桜はコトリン島へと急ぐのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【水中適応】がLV5になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!


 岸壁付近に身を潜めるディアボロスたち
 コツ、コツ、とゆっくりとした足取りで近づく足音は徐々に大きくなり、独り言を呟く声も聞こえてくる。
「……まずは、海……水際……稼ぎ、あとは島内……を展開した方が無難かしら……」
 呟く声は途切れ途切れで、まだ距離があることを物語る。
 コツ、コツ。
 繊細な足音はまだ近づいてくるが、精鋭部隊の物だろうか。遠くから無骨な足音が何重にも轟き始め、あるポイントで一斉に止まった。
 すると繊細な足音がその場で止まり、先ほどとはまた違うコツンという音を響かせて、はっきりとした声がする。
「第二陣に備え、あなたたちは海岸部で待機。ディアアボロスを見つけ次第応戦しなさい、あとは――」
 どうやら『黒翼卿・ウピル』は精鋭部隊に向けて指令を発しているようだ。
 氷海に隠れるディアボロスがふと岸壁の上を覗けば、薄紫色の巻き髪に黒い羽のケープを掛けた後ろ姿が窺えて。
 ――今だ。
 誰とでもなく出した『GO』を表すハンドサインを皮切りに、ディアボロスたちは一斉に動き出した。
金森・椿
【夢椿餅】
アドリブOK

無事にウピルのもとまで辿り着けましたね。
とはいえここからが本番です。
精鋭に守られた強力なジェネラル級を時間制限がある中で撃破しなければなりません。
さしあたっては名将に指揮能力を発揮させることなく護衛を討ち取りましょう。

海中から飛び出して即座に【分身の術】で血影猟兵に斬りかかります。
多数の分身で暗殺者の戦力を一瞬でいいので敵に誤認させ不意をつければ御の字。
そして真の狙いは敵陣に斬り込みウピルと要塞の間に【防衛ライン】を引くこと。

ウピルの退路は断ちました。
あとは討ち取るのみです!

血影猟兵との剣戟で忙しいですがこういうのは勢いも大事ですから。
ウピル自身ではなく相手が血影猟兵であれば残留効果が残しやすいという目論見もあります。
こういう時は護衛の存在が仇となりますよ。でも護衛をつけたいのが人情ですよね。
計算通りです。(にっこり)


小沢・真理
【夢椿餅】
アドリブ歓迎!

本物の大貴族👸だー!
気品🌹も権力💍も財力💴も凄いんだろうけど、若さ✨と笑顔🤗の可愛さ❤️じゃ負けないんだから!
行くよヘル君!

🎖️将を🎯射んとする者はまず🐎馬を🏹射よ、賢く戦う🧐魔法使いは頭を使うんだからね。
どう👀見ても馬じゃないけど🥷黒づくめをやっつけちゃうよ。
ヘル君に🤺対峙してもらってその隙に呪文🪄を詠唱。
そーれ⚡️薙ぎ払えーー!
ってキモいゾンビ犬🐕みたいなのが向かってきた!
うわ💩腐ってる! 放つのが早すぎたんだよ!
🤞えんがちょ! ヘル君任せた!

うーヘル🕺君が汚い💩血まみれに……戦いが終わったらちゃんと🚿クリーニングしてあげるからね!
さああの👵おば……じゃなかった、黒翼卿🐦‍⬛をやっつけるよ!


ラトリア・ブルーアローゾ
【夢椿餅】
アドリブOK

戦国で戦ったジェネラルは指揮官の風上にもおけないようなヒステリーバカだったがロマノフのジェネラルはどんな奴かね。
事前情報だと結構な切れ者のようだがそれはそれで楽しみだ。
ほんじゃあいっちょ行くか!

こんな吹きっさらしの寒空までようこそ、黒翼卿閣下!
さあ大領主様のお出ましだ! 歓迎の用意はいいか? プレータ――ファイロ!

両手の機関砲の全力射撃にアプラウドの水瓶も投げつけてヴァンパイアノーブル様のための大歓迎セレモニーを開催。
吸血鬼の主賓のために盛大に血飛沫を飛ばそうじゃないか!

こっちの攻撃で血影猟兵の血飛沫が飛んだり血影猟兵の血飛沫攻撃が飛んだり回避しきれずに被弾して俺の血飛沫が飛んだり。

大領主様のお気に召せば何よりだ!
おっとまだセレモニーは始まったばかりだぜ!
途中退席はどうかご遠慮を!

【防衛ライン】をさらにドン!
さてそろそろ主賓にご登壇願おう!


 氷塊を蹴って飛び上がったのは、自動人形『ヘルくん』を伴った小沢・真理(夢の続き💫・g10299)とくノ一装束の金森・椿(薬売り・g02220)、そしてパワードスーツに身を包んだラトリア・ブルーアローゾ(餅が好きすぎて上官にコールサインを『餅』にされた男・g10730)の、【夢椿餅】の三人。
 無事に『黒翼卿・ウピル』の元まで辿り着けたが、ここからが本番。
 精鋭に守られた強力なジェネラル級を、時間制限がある中で撃破しなければならない。
 ならばさしあたり、この名将に指揮能力を発揮させることなく護衛を討ち取ろう。
 と、椿は敵に姿を見せる前に自身の幻影を多数出現させると、一斉に忍者刀を抜き『血影猟兵』に向かい、幻影と共に『血影猟兵』に斬りかかった。
「どの刃も痛いですよ。さあ躱しきれますか!」
 血飛沫上がる中、幾重にも重なる椿の声や存在は、おそらく敵の脅威となったであろう。
 何せ、暗殺者の人数を倍近くに見せることができたのだから。
 その証拠に『黒翼卿・ウピル』は突然のことにひどく驚き、訓練された精鋭『血影猟兵』はすかさず彼女を守るべく前に出た。
 ラトリアが戦国で戦ったジェネラルは、彼曰く『指揮官の風上にもおけないようなヒステリーバカ』だった。
 この『黒翼卿・ウピル』、事前情報だと結構な切れ者のようだが、ディヴィジョンが変わればジェネラルの風格も変わるのだろうか。
 それはそれで楽しみだ。とラトリアはメットの中でニィっと勝気に笑んだ。
「こんな吹きっさらしの寒空までようこそ、黒翼卿閣下! さあ大領主様のお出ましだ! 歓迎の用意はいいか? プレータ――ファイロ!」
 両手の機関砲から全力一斉射撃を行えばオラトリアの『アプラウド』も水瓶を投げつけて、『黒翼卿・ウピル』を護衛する『血影猟兵』を蜂の巣にする。
 これはヴァンパイアノーブルに対しての大歓迎会。
「主賓のために盛大に血飛沫を飛ばそうじゃないか!」
 意気揚々と連射を繰り広げるラトリアの隣。
 岸壁に降り立った真理は右手にスパークを発生させながら『黒翼卿・ウピル』を見て声を上げた。。
「わぁー、本物の大貴族👸だー!」
 気品も権力も財力も凄そうで、自分とは真逆の存在かも。そう思う真理だけど。
「だけど、若さ✨と笑顔🤗の可愛さ❤️じゃ負けないんだから! 行くよヘル君!」
 と、『血影猟兵』に目線を移した。 
「🎖️将を🎯射んとする者はまず🐎馬を🏹射よ。賢く戦う🧐魔法使いは頭を使うんだからね」
 まぁ、あの黒いのはどう見ても馬じゃないけどね。と自身で操ってるヘルくんに前に立ってもらう。
「ヘルくん、ちょっと抑えてて!」
 そうお願いして詠唱するのは、『スヴェルシステム』発動の文言だ。
「――全てを焼き尽くす焔から母なる大地を護り賜う偉大なる楯よ! その不破の力にて悪虐なるクロノヴェーダの炎の如き侵掠から我等を護り給え!」
 ヘルくんを操って後ろへと引かせ、地面に降り積もる雪も真理の長い髪も巻き上げるほどの強風と巨大なスパークと共に真理の指から発射されるのは、高圧のレーザービーム。
「そーれ⚡️薙ぎ払えーー!」
 ビームは一瞬で『血影猟兵』を吹き飛ばしてしまった。
 だが『血影猟兵』の反撃は容赦なく彼らを襲う。
 呪われた黒き血の刃を精製した『血影猟兵』はその凶刃で椿へと容赦無く斬りかかり、抜刀した刀に闇の魔力が満ちた血を纏わせた『血影猟兵』はその刃をラトリアへと振りかざした。
 血の斬撃を躱し続けるラトリアの一瞬の隙。利き腕と反対の腕を切り裂いた血の斬撃は、ラトリアのパワードスーツを貫通し腕に深傷を負わせる。
 思わず痛みに顔を顰めたが、腕に走る激痛も飛んだ自身の血飛沫さえも大歓迎会のエッセンスとなることに喜びを感じ、攻撃的な笑顔を浮かべた。
 真理を襲うのは、『血影猟兵』の体内から吹き出した血で生成された無数の黒き猟犬。
「うわ、キモいゾンビ犬🐕っ! 放つのが早いんだよ!」
 思わず身を引いて顔を顰めた真理に向かい、血の猟犬たちは凄まじい速さで駆けてくる。
「わぁ、向かってきた!! えんがちょ! ヘルくん任せた!」
 真理はヘルくんを巧みに操り、その攻撃を躱していく。
 なぜこの三人が手前にいた『黒翼卿・ウピル』ではなく、『血影猟兵』を撃つことを選択したか。
 それは、護衛を残しておくと妨害に遭う可能性があるから。
 だがそれだけではない――。
『黒翼卿・ウピル』は咄嗟に、『血影猟兵』の後ろ――退路を伺った。しかし、司令室がある要塞へと伸びる道に横たわったあの白線はなんだ?
 眉間に皺を寄せた『黒翼卿・ウピル』を目の当たりにし、三人は顔を見合わせて満足げに頷き合う。
 椿と真理、ラトリアの狙いは、もちろん精鋭部隊を撃つこと。
 しかし真の狙いは、残留効果を残しやすいトループス級を攻撃することで効率よく残留効果を発生させ、『黒翼卿・ウピル』の退路を完全に断つこと。
 10メートルの【防衛ライン】なら、少し迂回しただけで越えられてしまう。が、椿と真理、ラトリアが示し合わせて引いた30メートルならどうだ。
 おそらく、越えようと迂回した途端に、すかさず他のディアボロスの凶刃がその身を襲うだろう。
「大領主様のお気に召せば何よりだが、まだセレモニーは始まったばかりだぜ! 途中退席はどうかご遠慮を! さてそろそろ主賓にご登壇願おう!」
 自分の血も敵の血も浴びたラトリアは陽気に声を跳ね上げる仲間たちを呼ぶ隣では、血の猟犬から真理を守ったヘルくんが血まみれになっていた。
 白い髪も白い衣装も穏やかな微笑みも赤く染まってしまっている。
「うー、ヘル🕺君が汚い血まみれに……戦いが終わったらちゃんと🚿クリーニングしてあげるからね!」
 そう嘆く真理はまだ拳にバチりと光るとスパークを握り、
「さあ、あの👵おば……じゃなかった、黒翼卿🐦‍⬛をやっつけるよ!」
 と高らかと宣言し、呪われた黒き血の刃を鮮やかな身のこなしで颯爽と躱した椿は『黒翼卿・ウピル』に告げる。
「こういう時は護衛の存在が仇となりますよ。でも護衛をつけたいのが人情ですよね。――計算通りです」
 苦々しい表情で振り返った『黒翼卿・ウピル』に対しにっこりと微笑んだ椿は、仲間たちに向けて声を張った。
「『黒翼卿・ウピル』の退路は断ちました。あとは討ち取るのみです!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV3が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

音羽・華楠
……ウピルのあの無防備な背中……。
攻撃を叩き込めそうですけど――
……いえ、私は焦りません。
ウピルへ攻撃を叩き込む仲間が居ても、それは、今はそちらにお任せします。
私は堅実に、ウピルの護衛を潰しましょう!

――《雷幻想・瑞鳳》!!

雷の鳳凰の式神を喚び出し、岸壁の上へ飛翔させます。
雷の化身たる《瑞鳳》の飛行速度は、文字通りの雷速!
その速さを活かして一気に血影猟兵たちへ肉迫させ、電光石火の勢いを乗せた爪と嘴で彼らを引き裂かせます!!
ウピルは鴉を操るそうですが――私の《瑞鳳》もなかなかのものですよ!
雷の鳳凰の力、ウピルに、その配下に、見せ付けてやりましょう!!
……そうやって己を鼓舞し、パラドクスに力を籠めます。

先行させた《瑞鳳》が敵側を混乱させてる隙に、私も岸壁の上へ。
やや離れた、戦場を俯瞰出来る地点へ陣取って戦況を把握。
危機の味方への救援や弱ってる敵への追撃など、《瑞鳳》に的確な指示を飛ばせるように努めます。

血影猟兵たちは血を操るみたいですが……その血液ごと《瑞鳳》の雷で沸騰させてあげますよ!


シル・ウィンディア
目の前にはターゲット。
でも、焦って仕損じたら逃げられちゃうから確実に行くよ。
そう、急がば回れってねっ!

上陸して、敵群を視認したら高速詠唱からの時空精霊収束砲!
ターゲットは、味方が攻撃した後ならば、その対象を狙っていくよっ!
ターゲットを重ねて、確実に仕留める速度を上げていくっ!

わたしの攻撃が初撃の場合は、味方から一番近い位置の敵に対してパラドクスを撃っていくよ。

初撃後は、動かずに固定砲台みたいに行動を行うよ。
狙いやすいと思ってもらったらこっちのもの。
わたしの方に注意を向けているなら、他の人への注意は少なくなるしね。
逆ならば…。
遠慮せずにその隙をパラドクスで撃ち抜いていくだけだからっ!!

敵パラドクスは、左手に持った創世の光剣で切り払うようにして防御を。
致命的な箇所を避けられたらそれでいいからね。
体が動くうちはまだまだいけるっ!

仕留め切れなかったね。
それじゃ、反撃を全力で行くよっ!

…さ、ウピルさん。
ディアボロスがやってきたよ。
それじゃ、覚悟を決めてね。
ここで終わらせるからっ!


 ハンドサインと共に氷塊を足がかりに飛び上がったのは、青い髪を靡かせたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)。
 ここに到着してからと言うもの、逸る気持ちを抑えるのに精一杯だった。
 目の前にはターゲット。
 でも、焦って仕損じたら逃げられちゃうから確実に行くよ。
 急がば回れってねっ!
 シルは待ってましたとばかりに岸壁に降り立つなり、敵の配置を確認する。 
 一方、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)はまだ海の中にいた。
 海に背を向けた『黒翼卿・ウピル』の、あの無防備な背中に攻撃を叩き込めようと思えば、この体はすぐに動く。
「……いえ、私は焦りません」
『黒翼卿・ウピル』へ攻撃を叩き込む仲間がいても、止めやしない。
「私は堅実に、ウピルの護衛を潰しましょう……――《雷幻想・瑞鳳》」
 手で印を組みながら小声で唱えても、華楠のそばにそれはくる。
 雷の化身である鳳凰の姿の式神――瑞鳳が。
『黒翼卿・ウピル』は鴉を操るそうですが――私の瑞鳳もなかなかのものですよ!
 雷の鳳凰の力、『黒翼卿・ウピル』に、その配下に、見せ付けてやりましょう!!
 華楠が己を鼓舞し力を籠めれば、瑞鳳は自ずと自分が召喚された理由を理解し、放電の火花を纏わせながら空中へと舞い上がった。
 ハンドサインと共に一斉に岸壁へと飛び上がった【夢椿餅】の三人やシルを含むディアボロスの後ろ。
 彼らと共に飛翔した瑞鳳は冷たい空気に漂う塵をも焼きながら、雷の化身に相応しい雷速で奥側に控えていた『血影猟兵』たちに肉迫し、電光石火の勢いを乗せた爪と嘴で燻銀の鎧の内側に秘めたる肉体を引き裂いていく。
「――なら、あとは撃ち抜いていくだけ。遠慮はいらないね!」
 シルは華楠の式神・瑞鳳が攻撃している敵軍に狙いを定めると、このディヴィジョンに存在する四界の精霊に呼びかけながら、手のひらを敵軍に突き出した。すると、シルの手のひらの前に現れるのは、4つのエレメンタルを象徴する光を宿した魔法陣。
 さらに時を司る精霊の力も借りれば、魔法陣から発射されたのは青白い光のビーム。
 ビームはまっすぐ標的を灼く。
 瑞鳳の活躍を感じながら華楠も大きな尻尾でバランスをとって岸壁の縁へ飛び上がると、自分を灼くこの式神の主人を瞬時に見抜いた『血影猟兵』が、本能のままに血の猟犬を嗾けた反撃を繰り出してきた。
「《雷幻想・瑞鳳》、戻って!」
 華楠はすぐさま瑞鳳を自分の元へと呼び戻すと、その力を自分に宿し血の猟犬を灼きながら躱していく。
 もちろん血の猟犬はシルにも迫っていて、シルは聖剣『創世の光剣』を左手に構えると血の猟犬を切り払い防御しながら躱した。
 が、しばらくすると血の猟犬はその姿を極寒の空気に帰す。『血影猟兵』が雷と4つのエレメントのビームに灼かれ消滅したためだ。
 
 華楠は衣服に付着した血を払い、また、シルは『創世の光剣』に付着した血を払い落とすと、二人は揃って『黒翼卿・ウピル』をキッと見据えた。
「……さ、『ウピル』さん。ディアボロスがやってきたから、覚悟を決めてね。――ここで終わらせるからっ!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

レイラ・イグラーナ
焦らず、逸らず、他の方と同時に水上に飛び出し、不意を打って護衛へと攻撃を仕掛けます。
有利な状況は作れています。
今あるべきは慎重、堅実な戦いではなく――立て直すことを許さない大胆かつ苛烈な戦いです。

【ダメージアップ】を重ね、複数の敵を攻撃するパラドクスで攻撃的に立ち回ります。残留効果として残されている【先行率アップ】【命中アップ】も使用し、早期撃破を第一に考えましょう。
護衛の敵の只中へと飛び込み【手製奉仕・舞】。舞うようにしながら周囲へと投擲する銀の針で血影猟兵を貫きます。
まずは貴方たちからです……お覚悟を。
他の復讐者が攻撃した相手に対象を合わせつつ、自分が攻撃をし、傷を受けた敵に味方が追撃してくれると信じて無傷の敵にも積極的に攻撃を仕掛けていきましょう。

反撃の黒い刃は【ガードアップ】で身を固めた上で足を止めずに動き続け、致命傷を避けます。

えぇ、そしてここからが作戦の最終段階……
黒翼卿・ウピル、お覚悟を。


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

心情
正直、黒翼卿に思いっきりぶちかましてやりたくはあるが逃げられたら厄介極まるしな
其れに此方の勢いが強ければ強い程、黒翼卿は兵の指揮に集中して自身の護りも疎かになる

だから今は……その分派手に暴れさせて貰う!

さあ、お前達の死が来たぞノーヴル共!
我が魔弾を喰らいて朽ち果てろ!


敵を見ずとも当てるのには自身が有るんでね!
(誘導弾技能)
大まかな位置さえ分かれば当てるのなんて容易い事さ

貴様を逃すつもりは毛頭ないぞ黒翼卿!
こいつ等を倒せば後は貴様だ覚悟しておけ!

海から上がると同時に◯誘導弾としての特性を強化した◯双翼魔弾を周囲に撃ち放つ
そのまま自分達の襲撃に早期に反応出来た敵を最優先に近づく敵に双翼魔弾で攻撃
可能な限り派手に立ち回り此方に意識が向くように動く
又、黒翼卿の意識を逸らし指揮に集中させる為に黒翼卿の近くで戦う血影猟兵も定期的に攻撃し危機感を煽る

敵の攻撃の対処はガードアップで護りを固めるに留め、兎に角攻立てる事を優先する


 焦らず、逸らず。だけどこの好機を掴むべく。
 シルと華楠の式神と共に水上に飛び出したのは、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)と、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)。
 レイラは『黒翼卿・ウピル』の軍勢を見据えて考える。
 おそらく『黒翼卿・ウピル』は海を注意深く確認したのちに、現時点で海に異変は見られないと判断し精鋭部隊に司令を飛ばしたはず。
 ならば有利な状況は作られているし、逆に、ここで撃たなければ今後は不意を打つことはできない。
 今あるべきは、慎重、堅実な戦いではなく――立て直すことを許さない大胆かつ苛烈な戦いだろう。
 ルィツァーリもまた、海面から飛び上がるこの一瞬で目まぐるしく頭と心を働かせていた。
 正直、黒翼卿に思いっきりぶちかましてやりたくはある。
 が逃げられたら厄介極まる。
 其れに此方の勢いが強ければ強い程、『黒翼卿・ウピル』は兵の指揮に集中して自身の護りも疎かになるだろう。
 だから今は……その分派手に暴れさせて貰う!
「さあ、お前達の死が来たぞノーヴル共! 我が魔弾を喰らいて朽ち果てろ!」
 雷を模した悪魔の翼を大きく広げたルィツァーリは、翼から発せられるスパークで極寒の空に漂う塵を灼きながら空へと舞い上がると、敵軍に向けて手のひらを突き出し、
「敵を見ずとも当てるのには自身が有るんでね。大まかな位置さえ分かれば当てるのなんて容易い事さ!」
 と、見据えるのはコトリン島の司令官『黒翼卿・ウピル』。
「貴様を逃すつもりは毛頭ないぞ『黒翼卿』! こいつ等を倒せば後は貴様だ覚悟しておけ!」
 宣言して手のひらの前に生み出された魔力の弾丸を打ち出せば、『黒翼卿・ウピル』の前に出た『血影猟兵』を薙ぎ倒していく。
 ルィツァーリが放った魔力が爆ぜて白い雪とどす黒い血を宙へと舞わせる中、衝撃音と共に一際硬く噴き上がる血があった。
 敵の反撃による血の斬撃だ。  
 ルィツァーリは咄嗟に腕をクロスさせ、護りを固める。
 兎に角今は、攻立てる事が優先だ。
 そう自分に言い聞かせて猛反撃に耐える、そんな中。
 ディアボロスが次々と配下の精鋭部隊『血影猟兵』に攻撃し撃破していく様を目の当たりにした『黒翼卿・ウピル』は、まだ生存している配下に対して指揮を取り始めた。
「っお前はわたしの護衛をし、残りは直ちに応戦なさい――!」
 その声にすぐさまレイラが反応する。
 このまま司令室がある要塞へと戻るつもりか?
 立て直しも逃走も、断じて許されない。
「弾む律動、焦がす熱情。揺蕩う瞳が心意を射貫く」
 岸壁に降り立ったレイラはそう唱えながら、雪の如き銀髪を靡かせながら岸壁を舞うように駆けり、『血影猟兵』の只中へ飛び込むと得物である『銀の針』を縦横無尽に投げ放った。
「まずは貴方たちからです……お覚悟を」
 冷徹に告げるや銀の針は『血影猟兵』の身を軽やかに貫き、岸壁に積もった清らかな雪にどす黒い血が落ちる。
 が、その血すら『血影猟兵』の得物になる。飛び散った血は即座に刀と変わり、レイラに襲いかかった。
 ここで足を止めては刃の餌食。レイラは身をぐっと硬くしながら、『血影猟兵』が絶命し血の刃が雪を染めるまで躱し続け――。
 ディアボロスたちは全ての『血影猟兵』を撃破することに成功した。
 ルィツァーリがその雪の地面に足を下ろすとレイラも足元の雪を踏んで、目前で自分たちを睨むジェネラル級ヴァンパイアノーブルを見据えて告げた。
「――えぇ、そしてここからが作戦の最終段階……『黒翼卿・ウピル』、お覚悟を」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

括毘・漸
ああ、絶好のチャンスです。
あの後ろ姿にこの刃を振り…下ろすわけないでしょ。
あんな見え見えの隙、怪しすぎますし、難攻不落の砦の指揮官が安々と背中を敵がいる方向に見せるもんですか。
立ち位置も巧妙ですね、あの後ろ姿に誘われて襲撃すれば護衛たちにすぐにバレますよ。
護衛の姿も氷の下じゃ見えませんし。

ホントに頭がキレる手合ですこと…ここで飛び出せば幾重にも巡らされた策が出迎える事でしょう。
なら、その策を正面から喰い破る。

奴の強みは、指揮能力の高さ。
配下いれば奴には刃が届かない。
けれど、配下を崩そうにも今いるのは精鋭部隊ですし、ウピルの指揮があればその力も増すでしょうからね。
ウピルと護衛は完璧に噛み合った歯車のようですが、それがズレた時の衝撃は如何様なものか…。

仲間達が護衛に仕掛けている間も心苦しいですが海に潜伏し、ウピルを観察する。

まだ、まだだ…奴の指揮と護衛の動きが完璧噛み合ったときを狙え。
その時こそ奴の意識は海から離れる。

派手さはいらない、今は奴の策を喰い破る一撃を放ち、奴の指揮を狂わせる。


 あんな無防備な後ろ姿にこの刃を振り……下ろすわけないでしょ……。
 と、誰とも言わず出されたハンドサインと共に飛び出していく仲間を、興奮と冷静をもって見送った者がいた。
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)だ。
 岸壁に立つ『黒翼卿・ウピル』が海に背を向け精鋭部隊に命令を下したあの『絶好のチャンス』を、あえて外したのだ。
立ち位置も、まるで『この背中を穿ってください』と見せた後ろ姿も、全てが巧妙で。
 あんな見え見えの隙を怪しすぎる――護衛の姿も氷塊や岸壁の際からはまず見えないし、あの後ろ姿に誘われて襲撃すれば、護衛たちがすぐに立ち回るだろう。
 第一、難攻不落の砦の指揮官が一瞬だろうと安々と背中を敵がいる方向に見せるものか――。
 あんな見え見えの隙は怪しすぎる。罠だ――。
 ホントに頭がキレる手合だとしたら、ここで飛び出せば幾重にも巡らされた策が出迎える。場合によっては返り討ちに遭う可能性も否定できない。
 配下いれば奴には刃が届かない。
 けれど、配下を崩そうにも今いるのは精鋭部隊。ウピルの指揮があればその力も増すだろう。
 ウピルと護衛は、完璧に噛み合った歯車のよう。
 だがそれがズレた時の衝撃は如何様なものか……。
 なら、その策を正面から喰い破る。
 漸はそう読み、自身の勘を信じ、あのタイミングをあえて外したのだ。
 だが、事実として、あのタイミングが一番の隙だったのだ。
 おそらく『黒翼卿・ウピル』は、司令室がある要塞からこの岸壁に辿り着くまでの間、足元の雪よりも遠くの海を――対岸からこちら、視界に入る全ての海面を穴が開くほどに注視していたはずだ。
 陽動作戦を終え対岸の向かうディアボロスの背も、海面の浮かぶ氷海の影も、海中の僅かな揺らぎも、魚が翻ってできた水跳ねでさえも、自分の目で確かめながらここまで進んできた。
 そしてなんの異常もないことを一旦は確認して精鋭部隊を振り返って生み出た『隙』が、まさに、水中を慎重にかつ迅速に進んできたディアボロスの行動の賜物。
 けど、漸にとってあのタイミングは、全くと言っていいほど満足できるタイミングではなかったのだ。
 だけどほら、思ったとおり。
 海中から次々と現れるディアボロスという刺客が配下である『血影猟兵』と戦闘を始め、『黒翼卿・ウピル』は指揮を取り始めた。
「お前はわたしの護衛をし、残りは直ちに応戦なさい――!」
 どうやら極少数のとともに、避難を図るつもりか。
 無骨な足音と共に甲高い靴音が踵を返したその時――ほら、奴の意識は海から離れた。
 派手さはいらない。
 今は奴の策を喰い破る一撃を放ち、奴の指揮を狂わせる。
 氷塊を足がかりに岸壁に飛び上がり、二つの得物を構えて標的を見据え――漸は息を呑んだ。
 もうすでに配下を全て失った『黒翼卿・ウピル」は、そのモーヴの瞳で真っ直ぐに漸を凝視していたのだ。
 ディアボロスが海中から上陸してきた以上、海から意識を離すこと自体が生じ得ない隙である。
 だとすれば、あの一瞬が唯一の隙であり『奇襲のチャンス』だったのだ。
 だが、もう無い隙をも喰い破ってこその暗殺計画だろう?
 狂犬の如く片側の口角を上げて笑った漸はその強靭な刃を標的目掛けて突き立てると、咄嗟の後ろへと飛んだ『黒翼卿・ウピル』のを追いかけて追いかけて。ついにそのベルベットのドレスを破る。
 刃はパニエやクリノリンも突き破り太ももを掠めたのか、はたたと鮮血が白い地面に落ち、ケーブにあしらった黒い羽が宙を舞った。
 だが、舞ったのはケープの羽だけではない。刃の如き硬さと鋭さを翼に宿した烏型の使い魔が舞い、漸を襲ったのだ。
 その鋭利な翼の羽撃きを両の腕でガードしながら漸が見たのは、赤黒いオーラを漂わせ何か考え事をするように手を顎に置いて自分を見据え笑う貴婦人風のジェネラル級ヴァンパイアノーブル。
「……私の予想よりもだいぶ早かったですが、きましたねディアボロス。そして私を狙うタイミングは思っていたよりも遅かった……」
 脚に負った傷など意に介していない様子を見るに、やはり、皆とタイミングを合わせるべきだったのか。
 そうしたらもっと深い部分にこの刃を突き立てられたのだろうか。
 だが、漸は思う。
 これだから頭のキレる敵と殺り合うのは面白い。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

シル・ウィンディア
ふふ、そうかもしれない。
でもね、あなたほどの人を相手にするのに、取り巻きが居たら…。
間違いなく、壁にして逃げようとするでしょ?
それの憂いを断つことも大切だしね。

…それに、ここで倒せればそれに越したことはないからっ!
それじゃ、いきましょうかっ!

ジェネラル相手に牽制は悪手だから、ここは一撃必殺っ!
高速詠唱からの七芒星精霊収束砲を撃つよ。
わたしの全力をあなたにあげる。
さぁ、遠慮せずにもってけーっ!!

撃った後は、足を止めずに移動を開始。
気を付けるのは、相手の動き。
離脱しようとしているそぶりを見せたら、抱き着いてでも動きを止めるよ。
ダメージが無くても、まとわりつかれたらめんどくさいでしょっ!

敵のパラドクスは、世界樹の翼type.Aを回転させて防御。
ガードアップの効果も乗せて防ぐよ。
痛いけどね。でも、耐えきるよっ!

さすがジェネラル級だよね。
全然堪えてないんだもん。
でも…。
いつかは崩れるときが来るから。
それまで、わたしは撃ち続けさせてもらうよ。

それに、一人じゃないからっ!絶対に勝てるっ!


音羽・華楠
……あの無防備な背中を見た瞬間、ウピルに攻撃していれば――
――そんなもしもの話、今は不要です。
私たちが血影猟兵たちを殲滅することにまず注力したこと。
それが正しい判断だったと戦いが終わった後に言えるように、今は全力を尽くすのみです!

ウピルは本当に鴉の扱いに長けてるようですが……私も式神の扱いには自信があります。
あなたの使い魔である鴉と私の式神、どちらが上か勝負と行きましょう――

――《雷幻想・天狼》!

雷の狼を顕現させ、ウピルに襲い掛からせます。
私の《天狼》は文字通りの雷速で疾駆し、その鋭い嗅覚と、最終人類史でいうところのレーダーと同じ感覚で以って、対象を捉えます。
ジェネラル級といえど、その雷纏う牙からはそう簡単には逃れられませんよ!
……自らを鼓舞する意味でも敢えて強気に振る舞い、《天狼》へ力を注ぎます。

ウピルの反撃の鴉の使い魔に《天狼》を真っ向からぶつけて打ち破ることで、さらに精神的優位に立つことも狙いましょう。

《天狼》の実戦投入は今回が初めて――
その記念すべき戦い、勝利で飾りますよ!!


 奇襲開始時には少し驚いていた様子だったが、今はもうすっかり冷静さを取り戻した『黒翼卿・ウピル』は、不敵な笑みを浮かべるなり刃のように切れ味鋭い翼を持つ烏型の使い魔を召喚して、ディアボロスたちを翻弄する。
 ディアボロスたちはそれぞれの技で反撃するが、戦闘開始間際とあって敵は反撃を優雅に躱す余裕も見せる。
 そんな中、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)の頭の中でリフレインするのは『黒翼卿・ウピル』の「私を狙うタイミングは思っていたよりも遅かった」という言葉だった。
「ふふ、そうかもしれない。でもね、あなたほどの人を相手にするのに、取り巻きが居たら……間違いなく、壁にして逃げようとするでしょ? わたしは、配下による妨害の憂いを断つことを優先したの」
「ですが、貴女方でなくとも混乱に乗じて一人でもあの一瞬に私を狙っていたら、この胴に傷をつけることくらいはできたとは思いますけど」
 ガータベルトをぎゅっと結んで止血した『黒翼卿・ウピル』は体を起こすとシルと華楠に向けて強気に微笑んだ。
 その言葉と様子に、シルはぐっと言葉を飲み込んでしまった。
 シルの隣に並ぶ音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)も目の前の敵を見据えながら、あの戦闘開始時を振り返る。
 ……あの無防備な背中を見た瞬間、私が『黒翼卿・ウピル』に攻撃していれば――。
 ――だけど、そんなもしもの話は今は不要。 
 ジェネラル級決戦において、先に配下を倒すことで得られるメリットは、先ほどシルが訴えた通り。
 配下を先に倒すことで、ジェネラル級との戦闘時に妨害される可能性をゼロにでき、残留効果も残しやすい。そしてジェネラル級逃亡という最悪のシナリオも潰すことができる。
 あの時点で『黒翼卿・ウピル』を相手取るか取らないかは、箇所は置いといて、傷を一本二本増やすか増やさないかの誤差でしかないのだ。
 シルと華楠は確信する。
 自分たちの選択は間違ってはいないし、今は前に進むしかない。
「私たちが『血影猟兵』たちを殲滅することにまず注力したこと。それが正しい判断だったと戦いが終わった後に言えるように、今は全力を尽くすのみです!」
 華楠が力強く告げると、シルもしっかりと頷いて。
「ここで『黒翼卿・ウピル』――あなたを倒せればそれに越したことはないからっ!」
 拳をぐっと握れば、早速この世界の精霊が彼女の決意に応えるかのように光り輝きながら集う。
「……それじゃ、いきましょうかっ!」
 と掌を『黒翼卿・ウピル』に突き出したその時。
 突如として現れた七芒星の魔法陣から放たれたのは、四大エレメントに光と闇、時を加えた超高出力型複合魔力砲撃。
「わたしの全力をあなたにあげる。さぁ、遠慮せずに持ってけーっ!!」
 魔力砲は瞬く間に『黒翼卿・ウピル』を包みこみ、激しい爆発音と共に雪が舞い上がる。
 四対の翼で反動を抑えながら後ろに飛んだシルだったが、爆発の最中から飛び上がってきたのは、烏の群れ。
 シルはそれを確認するや、ウィザードロッド『世界樹の翼type.A』を回転させて烏たちの猛攻を抑えていく。
 が、さすがジェネラル級の反撃。先ほど戦ったトループス級の反撃の比ではない。
 それどころか、上からも後ろからも迫る黒い鳥は、容赦なくシルを引っ掻き啄んでいく。
 カラスの群れの向こうに見える『黒翼卿・ウピル』は身体中傷付いてはいるものの、ドレスについた埃をぱっぱと叩き落とす余裕すら見せる。
「っ、さすがジェネラル級だよね……全然堪えてないんだもん……っ! だけどわたしだって耐え切るよっ!」
 一人で戦っているわけじゃない。
 仲間と共に協力し合って戦っているんだから。
「諦めない……絶対に勝てるっ!」
 気合一閃。『世界樹の翼type.A』で空を薙げば、舞う雪と共に烏の群れは血と還り、はたたと雪に落ちた。
 烏が消えるや否や、シルは雪の岸壁を駆け始めた。
『黒翼卿・ウピル』が少しでも撤退のそぶりを見せようものなら、しがみついてでも足止めをするためだ。
 そんなシルに代わり敵を見据える華楠は、先ほど攻撃、そして反撃を目の当たりにしてひしひしと感じることがあった。
 それは、ジェネラル級が故の使い魔の統制力。召喚する烏たちは命令がなくとも主人の意を汲み攻撃、反撃していた。
 それは使い魔の扱いに長けている証左。
「……ですが、私も式神の扱いには自信があります。あなたの使い魔である鴉と私の式神、どちらが上か勝負と行きましょう―― 彼の地より現れよ、《雷幻想・天狼》!!」
 華楠が印を結んでその名を呼べば雷の化身である狼――天狼が現れ、雪積もる岸壁へと降り立った。
「ジェネラル級といえど、この雷纏う牙からはそう簡単には逃れられませんよ!」
 自らを鼓舞する意味でも強気に笑んで、天狼に力を注げば、その口元からバチバチとスパークが起こり始めた。
 天狼は鼻を一度だけひくんと動かして周囲の空気を嗅ぐや否や、瞬時に敵の匂いと方向を察知して、雪を巻き上げながら真一文字に標的に駆けていく。
『黒翼卿・ウピル』は咄嗟に後ろに一歩飛んだが、天狼の方が早かった。
 飛びかかると雷を抱く牙で、烏の種をあしらったケープの上からその肩口に喰らいついた。
 大量の黒い羽と血が舞う中で、激痛がにより顔を顰めながら「うっ」と声を上げた『黒翼卿・ウピル』の様子を確認し、華楠はまた強気に笑んで見せた。
 天狼の実戦投入はこれが初めてのこと。なのにうまく立ち回ってくれて、一気に勝機を見出せた気がした。
 が、ここからは華楠の正念場。
『黒翼卿・ウピル』が召喚したのは、刃のように切れ味鋭い翼を持つ烏型の使い魔。使い魔は華楠を確認するや、大きな翼を広げて迫り来る。
 華楠は自身の元に戻った天狼を今度は使い魔の烏にぶつけとうと試みた。だが、それよりも早く烏は華楠に迫り――。
 華楠は咄嗟に顔の前で腕をクロスさせ、身を固くする。
 自身の周りで羽撃く烏の向こう。『黒翼卿・ウピル』はケープに乗った黒い羽を叩き落としながら、未だ涼しい表情を浮かべている。
 これがジェネラル級の力。実力ではあちらの方は上。
 けど、気合いでは負けていなかったし、天狼も頑張ってくれた。
 こんなところで傷付いてはいられない。
 華楠が全身を使い烏を追い払うと、目前の『黒翼卿・ウピル』は。
「7つのエレメントの魔法と、雷をいただく狼……実に面白い技ですね」
 そう言うと、目を細めて微笑んでいた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV4になった!

レイラ・イグラーナ
黒翼卿・ウピルですね。どうぞお覚悟を。
短く告げて戦闘を始めます。
奇襲のタイミングの良し悪しなど、ここで論ずるつもりはございません。
私がウピルを言い負かそうと、ウピルが私を言い負かそうと、時間はウピルに利するだけ。
良し悪しを決めるのはただ一つ。貴女の生死のみです。

銀の針を手に【手製奉仕・縫】。防刃機能を持つ魔術強化繊維のコートChat Noirで深手を避けながらウピルが放つ鴉型使い魔の群れの合間を縫ってウピルへと接近、銀の針を突き立てます。
ウピルの武器は使い魔、逆説連鎖戦でもありますし、彼我の距離は重要ではありません。反撃に放たれる使い魔に囲まれないよう、足を止めずに動き続けることを意識。
もしあれば【パラドクス通信】も用いて連携を取り、他の復讐者とともに戦い確実にダメージを蓄積させていきましょう。

ここで貴女を排したところで、次が送られてくるのみ。
サンクトペテルブルクへ攻め込むことは叶わないでしょう。
ですが、それでも……一歩は一歩です。
私たちはそうして積み重ねてきました。


「貴女が『黒翼卿・ウピル』ですね。どうぞお覚悟を」
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)はメイド服のスカートをつまんで一礼するや、早速とばかりに『銀の針』を手に走り出した。
 奇襲のタイミングの良し悪しなど、ここで論じていても仕方のないこと。
 それに、レイラと『黒翼卿・ウピル』、どちらかがどちらかを言い負かそうとも、時間は相手に利するだろう。
 全ての良し悪しを決めるのはただ一つ。
 それは『黒翼卿・ウピル』の生死のみだ。
 行く手には攻撃や反撃で召喚された使い魔が彼女の進む道を妨害しようと飛び交うが、パラドクスを発動させたとて、まだ『黒翼卿・ウピル』に傷の一本もつけていないレイラを襲う個体はいない。
 この体に傷がつくのであれば、自分があの翼や鍵爪、嘴を掠めた時だ。と、防刃機能を持つコート『Chat Noir』の前開き部分をしっかり抑えながら、戦場を駆ける。
 それに、レイラの赤い瞳がまっすぐ捉えるのは、残留する使い魔ではない。
 コトリン島の司令官、『黒翼卿・ウピル』だ。
 レイラは烏の群れを掻い潜るなり、防御体勢をとった『黒翼卿・ウピル』の白い首元に針を突き立てた。
 まさに、銀の野薔薇が狭間を透かす。
 すれ違いざまからの後ろから鋭い衝撃を受けた『黒翼卿・ウピル』が小さく呻き声を上げる中、レイラはその足を止めない。
 なぜなら、ほら。また新たな烏の使い魔が一体召喚され、刃のような鋭い翼の羽撃きで、レイラに迫り来るから。
 だが、新たな刺客は容赦なくレイラに襲いかかる。その足を止めようと乱暴に羽撃けば岸壁を覆う雪もレイラの足を縺れさせた。
 顔に額に小傷が走る感覚がある。けれどもレイラは動き続け、ついに烏の使い魔を追い払う。
『黒翼卿・ウピル』の表情がやや険しくなってき始めたか。額に汗を滲ませ始めながら、首筋に突き立てられた銀の針を抜き去るや地面に放って、彼女は口を開いた。
「私を暗殺したところで、何も変わりませんでしょうに……」
 その言葉に応えようとレイラはふと足を止め、頬に垂れる鮮血を手の甲で拭いながら彼女と対峙する。
「……そうですね。ここで貴女を拝したところで、『次』が送りこまれてくるのみ」
 この島を足がかりにサンクトペテルブルクへ攻め込むことは、叶わない。
「ですが、それでも……一歩は一歩です。私たちはそうして積み重ねてきました」
 雪を抱いた寒風が、彼女の長い銀髪を揺らす。
 それと裏腹に、気だるげなレイラの瞳は光に満ち溢れていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

シル・ウィンディア
アンゼリカさん(g02672)と一緒に出撃ですっ!

あら、興味を持ってもらえた見たいかな?
でも、全力で撃ったのに…。
あんまり痛くなさそうだからなぁ…。
…それじゃ、ちょこっと限界超えてみましょうか。
ネメシスモード開放っ!
銀目銀髪の天使モードですっ!

7つのエレメントだけと思ったら大間違い。
次はこちらをプレゼントしちゃうからねっ!

アンゼリカさんと挟撃になる位置に移動。
但し、ウピルの動きには注意して、離脱をさせないような立ち回りで動くね。

ウピルを挟んだら、高速詠唱で隙を減らしてからの九芒星精霊収束砲っ!
限界を越えた全力を…。
わたしの一撃、遠慮せずに持っていけーーーっ!!

敵パラドクスは世界樹の翼type.Aを回転させて防御を。
背中の白銀の翼を羽ばたかせても弾いていくよ。
敵への反撃は、パラドクスの中を接近して放つよ。

ディフェンスは、WIZでアンゼリカさんへ。
そうそう簡単に攻撃を通すつもりはないよ。

痛いけどね。でも、わたし達は一回喰らいついたら離さないから。
まだまだ付き合ってもらうからね。覚悟してっ!


アンゼリカ・レンブラント
相棒のシル(g01415)と共に挑むよ
護りの硬いコトリン島、指揮する貴女はそれに相応しい傑物だ
だからこそ攻撃を重ね、確実にここで倒す!
気合い十分、挑んでいくよっ

パラドクス通信を駆使し共に戦う仲間と動きを合わせ
シルと挟撃になる位置に移動して光焔剣で斬りこむっ!
友の築いた残留効果で命中力、ダメージ力も向上している、
敵の反撃には変化をつけた動きに惑わされない
ガードアップで高まる護りの力を頼みに障壁で受けたら

再度相棒と挟撃を取れるよう脚を使って動き光焔剣で
ダメージを重ねていく
攻撃からの一撃離脱の腕はこっちは負けてないっ!
時に遠距離の仲間のため隙を作り出すことに終始したり
変化をつけながら斬りこんでいくね!

ディフェンスは、POWでシルを。
しっかり盾で受け、反撃の機会を得て全力のお返しだっ!

1人で、1回で届かなくてもみんなと、何回でも
そうして戦ってきたんだ、今日も必ず勝つよ!
相手の消耗が分かれば、皆のラッシュに合わせ
最大まで力を溜めた《神焔収束斬》を叩き込む
ロマノフ最大の護りの要、ここで、沈めぇーっ!


 ディアボロスは少しの手抜きもなく、『黒翼卿・ウピル』に攻撃を加え続けるが、やはり相手はジェネラル級。一筋縄ではいきそうにない。
 初手からしばらく戦場を駆け回っていたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)だったが、海を背に足を止める。
「さっきも全力で撃ったのに、あんまり痛くなさそうだからなぁ……」
 さてどうしようかと口を尖らせたその時。
 背にしていた海から水飛沫と硬質なものを蹴る音がした。
 振り返ると、水中から氷塊を足がかりに飛び出てきたのはアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)。手には【パラドクス通信】用の小型無線機が握られている。
 レイラが【パラドクス通信】を使い戦場内における連携のほか、戦場の音声や状況を対岸まで送っていたのだ。
「間にあってよかったー。シル、助太刀にきたよ!」
「アンゼリカさんっ、ありがとうっ!」
 相棒の参戦に、シルの固かった表情もふわっと綻ぶ。
 アンゼリカはシルの隣に降り立つなり、輝く金色の瞳で『黒翼卿・ウピル』を見据える。
 おそらくここまでも激闘があったはずだ。しかし目前の敵はロッドの先を地に付けることなく、涼しい表情を浮かべてそこに居た。
 さすがはこの島を守護するジェネラルというべきか。
「護りの硬いコトリン島、指揮する貴女はそれに相応しい傑物だ。だからこそ攻撃を重ね、確実にここで倒す! 気合い十分、挑んでいくよっ」
 アンゼリカが声を張って気合を入れると、シルにも彼女の気合いが流れ込んでくるかのよう。
「……それじゃ、ちょこっと限界超えてみましょうか。ネメシスモード開放っ!」
 すると、青い髪と瞳がキラキラと銀の光を帯び、一対の大きな翼がシルの背から広がった。
「わたしのパラドクスが7つのエレメントだけと思ったら大間違い。次はこちらをプレゼントしちゃうからねっ!」
 シルはアンゼリカと顔を見合わせ頷き合うと、呼吸を合わせて『黒翼卿・ウピル』へと走り出す。そして、自分たちが迫ると否や後ろへステップ踏んで逃れようとする『黒翼卿・ウピル』へと迫った。
「裁きの光と共に輝け、生命の焔よ――」
 アンゼリカが叫べは、その手に現れるのは魔力とオーラで構築された巨大な光の剣。
 それを彼女が灰色の空に大きく振りかざせば、まるでロマノフに太陽が現れたかのよう。 
「――絆を力とし、未来への道を拓けぇーっ!」
 それを大きく振り下ろせば、光の軌跡と共にどす黒い血と黒い羽が空を舞う。
「っ……!」
『黒翼卿・ウピル』が怯み身を退け反らせるが、その瞬間をシルは見逃さない。
 突き出した手のひらの先に浮かび上がらせるのは、先ほどの7つの力に月と星の魔力を戴く魔法陣。
「限界を越えた全力を……わたしの一撃、遠慮せずに持っていけーーーっ!!」
 シルの掛け声と共に七色に輝きを放つ九芒星の魔法陣から繰り出されたのは、虹色の超高出力型複合魔力砲撃。
 砲撃は爆ぜるとともに、さらにどす黒い血と黒い羽、そして雪を宙に舞わせた。
 ネメシス化したことにより、『黒翼卿・ウピル』にさらに深傷を負わせただろうか。しかしまだ安堵はできない。
「……光なんて、この世界には不要。来なさい、烏たち」
 と声が聞こえたかと思った刹那。宙を舞い雪に落ちた血は無数の烏と化し、同時に召喚された大鴉は『黒翼卿・ウピル』を背に乗せる。無数の烏はシルに向かい、灰色の空へと飛んだ大鴉は急滑降を開始した。
 シルは『世界樹の翼type.A』を回転させながら、白銀の翼も羽撃かせて烏の群れを吹き飛ばしていく。
 一方のアンゼリカは魔力障壁を展開するなり大鴉の羽撃きを受け止めた。が、あまりにも重い羽撃きに体がぐんと押されて圧倒されそうになる。
 やはり、手負でも相手はジェネラル級。こちらの思い通りには行動させてはくれない。
 これは大鴉の猛攻に耐えるほかなさそうだ。
 アンゼリカは防御体制をとりながら、痛みに耐えつつも自分を鼓舞する。
「……1人で1回で届かなくても、みんなと何回でも……そうして戦ってきたんだ。今日も必ず勝つよ! ……ここでロマノフ最大の護りの要を沈めるんだ!」
「わたし達は一回喰らいついたら離さないから。まだまだ付き合ってもらうからね。覚悟してっ!」
 相棒を助けるためにシルも翼を羽撃かせて風を起こせば、バランスを崩した大鴉から飛び降りた『黒翼卿・ウピル』は、未だしっかりした足取りで岸壁のコンプリートに降り立った。
 薄い紫の銀髪は大きく乱れ、纏めていた髪はすっかりおりてしまっている。その舞いた毛先が触れる黒いドレスの胸元は大きく裂け、自身の血で徐々に赤黒く染まっていた。
 あとどれだけ攻撃を加えれば、コトリン島の護りを破れるのか?
 その答えは決まっている。
 何度も――だ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

心情
こうも油断がない敵は厄介だが……だが、だからこそ討ち取る意味は大きい!
全力でぶつかって……討ち取ってやる!


空からの攻撃か!
だが、攻撃の時に此方に向かってくるなら……そのタイミングで反撃すれば良い
肉を切らせて骨を断つ、だ!

本当に油断がない敵というのは厄介だな
だが、だからこそ討ち取ればロマノフにとって大きな痛手になる
あんたは自分が変わりが効くと思ってるが……俺達にとっては全力で討ち取らねばならない強敵さ!

俺の全身全霊の一撃……我が神の焔矢、其の身で受けよ!

さあ、我慢比べといこうか!
俺が倒れる迄の間にあんたをどれだけ削れるかの、さ!

連携を重視し◯パラドクス通信で味方と攻撃のタイミング等を合わせ、負傷の程も適時確認

攻撃は先ず初手で◯ダメージアップで威力を高めた◯ペルーン神の焔矢をぶちかまし其の後も倒れる迄、焔矢を撃ち続ける
敵の攻撃は◯ガードアップで護りを高め対処

又、連携を重視し可能な限り長く味方が戦場に立ち続けられる様に味方へのPOWの攻撃は自分が倒れるギリギリ迄ディフェンス


薬袋・透
アドリブ連携歓迎

貴方に誇りがあるように、こちらにも人類史奪還の意地がある

それに守りに長けた指揮官としての能力、優れた召喚と使役の腕前…同じ召喚師として是非ともお相手願いたかったもの!故に通して見せよう、我等が意地!

電撃使いと火炎使いの連撃、派手なスパークや爆炎で撹乱
殺気を込め急所を狙いこっちが本命だと思わせるよう立ち回り

全ては影に潜む彼の不意打ちを成功させるため
一瞬できた隙にねじ込んで足元から奇襲させパラドクス攻撃

【トラップ生成】、彼女には封印と捕縛の全力魔法、烏にはトリモチの罠にて足止め、続けて彼女の体に食い付かせ噛みついて骨を粉砕

相手パラドクスは動きを看破し急所をかわし腕等で【ガードアップ】、結界術での相手とこちらの両断、更に忍耐力で被ダメージを最小限に抑える


「私を討ったところでどうなるというのです。……私を討ったところで、すぐに増援と共に新たな指揮官がこの島防衛を強化することは、貴方方でも理解できるでしょう……」
ディアボロスたちの猛攻を受けた『黒翼卿・ウピル』は苛々愚痴ると、ロッドヘッドを灰色の空に翳し、大きく円を描いた。
 円は徐々に黒い光を帯びた魔法陣へと変わり、そこから召喚されたのは鋭い翼を持った大鴉。
『黒翼卿・ウピル』がその大きな背に飛び乗ると大鴉は雪を巻き上げながら数度羽撃き、灰色の空へと飛び上がった。
「空からの攻撃か!」
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は金色に輝く瞳で空を見上げ、灰色の中の黒一点をじっと見据える。
 あの大鴉の翼は鋭く強靭な刃の如き鋭さを持っている。あの大きな翼で叩かれたらディアボロスとてひとたまりもないだろう。
 だが、攻撃の時に此方に向かってくるなら、そのタイミングで反撃すれば良い。
「こうも油断がない敵は厄介だが……だが、だからこそ討ち取る意味は大きい! 肉を切らせて骨を断つ、だ!」
 稲妻の翼を広げたルィツァーリは大鴉が急降下してくるタイミングを見定めていると、いよいよ大鴉がこちらへと向かってくるのを確認できた。
 コトリン島の指揮官『黒翼卿・ウピル』を討ち取れば、この吸血ロマノフ王朝に激震が走るとともに、ヴァンパイアノーブルたちにとっては大きな痛手となるであろう。
「……あんたは俺達にとっては全力で討ち取らねばならない強敵さ! 全力でぶつかって……討ち取ってやる!――空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ! 我が敵を討つ為に御身の焔矢を降らせたまえ!」
 滑空してくる大鴉がこちらに到達する前に唱え終えれば、ルィツァーリの傍に現れたのは巨大な大砲。
 本当は今すぐ撃ち放したい。
 けれどまず肉を切らせることが先決だ。
 ルィツァーリの思惑をよそに。
 大鴉はその鋭い刃の如き翼で、すれ違いざまのルィツァーリを切り裂く。
「……ぐっ……!」
 ジェネラル級の攻撃は一撃がとても重く、激痛でルィツァーリの小さな体はぐらりと揺らぎ。同時に雪の上に鮮血が垂れ落ちた。
 けど、ここで倒れるわけにはいかない。
 骨を断たなばならないのだから。
「……さあ、我慢比べといこうか! 俺が倒れる迄の間にあんたをどれだけ削れるかの、さ! 俺の全身全霊の一撃……我が神の焔矢、其の身で受けよ!」
 両の足で雪の大地を踏みしめ叫べば、大きな轟きとともに巨大な大砲から放たれたのは誘導弾。
 弾は放物線を描いたかと思った刹那、ぐいんと方向を変えて標的を追いかけ始めた。
 上空では大鴉の背に乗った『黒翼卿・ウピル』が後ろを振り向き誘導弾を確認するや、方向転換を試みるが。
 大鴉と、誘導弾。どちらが早いかなど火を見るよりも明らかだ。
 被弾による激しい閃光と爆発音が周囲を包み込むと、爆炎の中から黒く大きいものが墜落してくる。
 大鴉だ。
 その背にしがみ付いているのは『黒翼卿・ウピル』だろう。
 だが大鴉は地面スレスレのところで大きな翼で羽撃いて、落下の衝撃から主人を見事に守ったのだ。
 逆説連鎖戦において落下でのダメージは受けないとはいえ、仮に地面に激突していたらディアボロス側に大きな隙を見せることになる。
 これは『黒翼卿・ウピル』は常に能力の高い烏たちを召喚している証左でもあるだろう。
 それを目の当たりにした薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)はこんな状況ではあるが、感心してしまい息を呑んだ。
 聞き及んではいたが、さすがはこの島を守る指揮官。召喚士としての腕も凄まじいとは。
 落下激突の危機があったことなどものともせず、大鴉の背から優雅に飛び降りた『黒翼卿・ウピル』。
 ぐっと握る拳に電撃や炎の如き闘志を纏わせながら、ドラゴンの翼と赤髪を風雪に揺らして透は声を張った。
「『黒翼卿・ウピル』よ!」
 名指しされて『黒翼卿・ウピル』は、チラと透を伺う。
 その氷のように冷たい視線はまるでこちらの力を値踏みをしているようで、一瞬怯んでしまいそうになるけど。
 透には彼女に宣言しておきたいことはあった。
「コトリン島の指揮官の貴方に誇りがあるように、こちらにも、この吸血ロマノフ王朝人類史奪還の意地がある!」
 殺気を込めて握る拳にさらに燃え爆ぜる闘志を宿し。
「それに守りに長けた指揮官としての能力、優れた召喚と使役の腕前……同じ召喚師として是非ともお相手願いたかったもの! 故に通して見せよう、我等が意地!」
 と青い瞳も殺気立てて、己の拳を振り翳した。
 対して『黒翼卿・ウピル』は、その拳が透の攻撃――もしくは、その拳から何物かが召喚されるのだと認識したようで、
「野蛮な。貴女方は、自分の手でコトリン島を難攻不落にする手伝いをしているに過ぎないのです」
 と、おのれの腕をクロスして防御体制に入った。
 その一瞬の足元への隙を、透は見逃さない。 
 おいで!
 透が心の中で呼べば、ぬらりと尾鰭を揺らし現れたのは、魚型人造魔物。
 異様な気配に気づいて足元を伺っても、もう遅い。
「うろこちゃん、思いっきりいっちゃって!」
 透は突き出した拳の先から封印と捕縛の全力魔法で『黒翼卿・ウピル』を縛ると、うろこちゃんと呼ばれた魚型人造魔物は、人ひとりを軽々と飲み込めるほどの大きな口を開けて標的に迫った。
「……っ!!」
 封印と捕縛魔法のかけられた『黒翼卿・ウピル』は、足元に迫り来る得体の知れない魔物から逃れようと必死に抵抗し身を捩る。使えるならば今まで召喚した烏どもを身代わりにしようと考えた。だが烏は、突如として建物や木々に仕掛けられたトリモチに捕まり身動きが取れない。
 そして、やっとの思いで岸壁のコンクリートを蹴って薄色へ跳ねたが――。
 戦場に、何かが砕ける鈍い音が響いた。
 魚型人造魔物・うろこちゃんが、『黒翼卿・ウピル』の左足の太腿に喰らいつき、その白く華奢な脚を噛み砕いたのだ。
「ぐっ……!」
 激しい痛みにひどく顔を顰めた『黒翼卿・ウピル』は、目的を果たし透の影へと帰っていく魚型人造魔物と、自分に深傷を負わせた召喚師を眉間に皺を寄せてぐっと睨みつけた。
 だがその口角は上がっている。
「……ディアボロスにもいるのですね、召喚に長けた者が……。だけど、私の烏も負けていませんよ」
 と、ロッドに力を込めれば、新たに召喚するのは烏型の使い魔。
 あの使い魔の攻撃方法は今まで目の当たりにしてきたからわかる。ディアボロスの周囲で激しく羽撃き、あの鋭い翼で肉体を切り裂いていくのだ。
 ならば急所に届かないよう利き腕とは反対の腕でガードしよう。
 透が腕で頭と体を守れば、使い魔の烏は容赦ない羽撃きで透の腕を切り裂き始めた。
「っ!」
 痛みとともに岸壁に積もる雪に落ちる自分の鮮血を睨み、透は思う。
 反撃は永遠に続くわけではない。
 それに僕は、うろこちゃんと共にあのジェネラル級に脚を砕いた。自由を奪ったのだ。
 利き腕ではない腕で済むなら痛み分け――いや、それ以上だ。
 だから今は耐えろ!
 そのうちに凶暴な烏は灰色の空へと羽撃いて行き、透は傷だらけの腕を見ることなく、目前の敵を見据えた。
 目前の敵『黒翼卿・ウピル』はというと、大腿骨を砕かれたことにより支えなくして立つこともままならず、金色のロッドを杖代わりに生き残った足で踏ん張り続けている。
 撃破も近いか。
 だが、まだ闘志は消えていないようにも見えた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【動物の友】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ドレイン】がLV2になった!

レイラ・イグラーナ
私たちは諦めることはございません。
例え一度引くこととなったとしても、何度でも繰り返し……この島の守りを穿ちましょう。

ウピルがこちらの言葉に対して反応を見せたらそのまま会話を続けます。
確かに、貴女を倒せたとてすぐに次がやってくる。その次は貴女よりも更に皇帝の信任厚いものとなるでしょう。
仮にリヴォリャーツィヤやラスプーチンが生きていれば彼らだったでしょうか。今ならば軍の上層部かバアル・ゼブルか……それらが後任となるのでしょうね。
と、皇帝の信任やコトリン島の防備の後任の話に持っていきます。

情報収集をしたいというこちらの意図は分かりやすいでしょうし、隠しもしません。容易に見抜かれるでしょう。
ですが、敢えて言葉には出しませんがこれは取引のようなもの。
こちらの興味を惹ける言葉を語ればその間こちらの攻撃は止まり、増援によりこちらが退かざるを得ない可能性は高まります。
情報と時間の取引……そのつもりで会話を行います。

ある程度語れば戦闘を再開。
それでは貴女を討った未来を得るため、成すべきことを成しましょう。


 今ならば、有益な情報の一つくらいは引き出せそうか。
「皆様」
 銀の針を構えていた手を下ろし、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が『黒翼卿・ウピル』との会話の意思を示すと、戦場にいるディアボロスたちも足を止め、手にしていたそれぞれの得物を下げる。
 対して『黒翼卿・ウピル』は、ロッドに体を預けつつも自分に一歩近づいたレイラをチラと伺った。
「どういうつもり? まさかここで私を討つことを諦めてくださるの?」
「いえ、私たちは諦めることはございません。例え一度引くこととなったとしても、何度でも繰り返し……この島の守りを穿ちましょう」
 『黒翼卿・ウピル』の問いに銀髪を寒風に靡かせながらレイラが静かに答えれば、彼女もまた、薄い紫銀色の巻き髪を風に揺らし、今度はまっすぐレイラを見据え、こう告げる。
「何度も言うようですけど、私を討ったところで、すぐに増援と共に新たな指揮官がこの島防衛を強化するでしょう」
 話を聞く気が……会話をするつもりがあるということか。
「確かに、貴女を倒せたとてすぐに次がやってくる。その次は貴女よりも更に皇帝の信任厚いものとなるでしょう。……仮にリヴォリャーツィヤやラスプーチンが生きていれば彼らだったでしょうか。……今ならば軍の上層部かバアル・ゼブルか……それらが後任となるのでしょうね」
 レイラの言葉を聞いて、『黒翼卿・ウピル』は不意に口端を上げた。
 情報収集をしたいというレイラやディアボロスの意図は分かりやすい。
 それをレイラも隠しはしない。
 実際、『黒翼卿・ウピル』に容易に見抜かれている。それはあの上がった口端が物語っている。
 だが、これはこれは取引だ。
 こちらに――ディアボロスにとって興味を惹ける言葉を語れば、その間戦闘は攻撃は止まり、要塞内に潜むヴァンパイアノーブルによる増援の可能性が高まる。
 万が一、ディアボロスが『黒翼卿・ウピル』に留めを指す前に援軍が塞に扉を開け放てば、ディアボロスは必然的に引かざるを得ない。
 これは情報と時間の取引……。
 レイラはそのつもりで会話を行ったのだ。
『黒翼卿・ウピル』は、レイラの赤い瞳を見据えに見据え、勿体ぶりながらもゆっくりと口を開く。
「…… 『リヴォリャーツィヤ』はともかくとして、『怪僧・ラスプーチン』が生きていたとして皇帝陛下が防衛拠点を任されることは無かったでしょうね。それに……貴女方が『バアル・ゼブル』を知っているなら、コトリン島の司令官になどとは思わないでしょう」
『終点のバアル・ゼブル』は東京エゼキエル戦争から流れ着いたアークデーモン。ということは、ヴァンパイアノーブル以外が司令官になることは、ないということか。
 ディアボロスたちが各々の考察を巡らせる中、『黒翼卿・ウピル』は「まぁ、」と言葉を紡ぎ始める。
「……私の後任であれば、『マンネルヘイム』あたりでしょうか」
 おそらく、初めて聴くジェネラル級の名。
 だが、史実に同名の偉人は確かにいる。
 僅かに反応したレイラや他のディアボロスを他所に、『黒翼卿・ウピル』は「……けど……」と視線を海の方へ流し、口の端を上げながらこう続けた。
「もっとも、私に後任など必要ありませんけど」
 と、海から司令室がある要塞に目線を移した『黒翼卿・ウピル』。
 ディアボロスを要塞を伺い耳をすませば、内部が俄かに騒がしくなってきた。
『黒翼卿・ウピル』の戻りが遅いと、要塞に控えていたヴァンパイアノーブルたちが騒ぎ始めたのだ。
「左様でございますか」
 レイラは『黒翼卿・ウピル』の言葉をそう受け止め、再び得物を構える。
 戦闘再開だ。
 他のディアボロスたちも再び得物を構え、臨戦体制に入るとレイラも赤い瞳で『黒翼卿・ウピル』を見据え、告げる。
「それでは貴女を討った未来を得るため、成すべきことを成しましょう」
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

要塞には優秀な指揮官
それだけ、ここの護りが重要である証左だな
黒翼卿ウピル。貴女を討つ

彼女は冷静に応じてくるだろう。こちらも冷静に、攻勢の手を緩めない

仲間とPD通信で連携を取り
戦況を観察、敵味方の位置を把握
なるべくウピルを囲む立ち位置を取り、多方向から攻撃を仕掛ける

敵の動きを観察しつつ、逃走の気配は察して制す
攻撃の予備動作、動きの癖や、隙ができれば逃さず看破を
味方との攻防の合間の隙を突き、隙がなければ動きを鈍らせるよう体力を削ぎ落す
命中・ダメージアップを重ね、狙い澄ましたPDの銃撃
肩や胴、首、頭、庇わざるを得ない場所に銃弾を集中させ
一瞬の隙ができた箇所に本命の一弾を深く穿つ

強大な相手と怯んでしまえばそこまでだ
やることは変らず、積み重ねる事
確実に、暗殺の為の一矢となろう
傷が足りないなら、これからつける傷の威力を増すまで

反撃に備え、敵の攻撃には、烏の群れに対し魔力障壁で全身を護りつつガードアップのせて防御
銀色のタワーシールドを構えて面で急所を護り、振り払う
反撃の機を逃さない


レイラ・イグラーナ
人民に多くの犠牲を出し、流れた血を踏み越えてようやく指揮官の一人を暗殺する。
貴女たちには私たちの姿は愚かか、あるいは無力に見えるのでしょうね。
私もそれは痛感しております。人民の皆様を救うといい、救えず流れる血の多さに自身の至らなさ、無力さを感じぬ日はございません。

ですが、私は止まることも引き返すこともいたしません。
血に濡れたこの道の先に、人民の自由と希望があることを信じて進むのみです!
革命家としての姿のネメシス形態となり、針状の細剣「惨禍鬼哭血革針」を抜刀します。

刺突を中心とした剣術を振るう【天上奉仕・革命】でウピルへと接近戦を仕掛けます。
針を武器に足を止めずに戦った先ほどまでとは戦い方を変え、【反撃アップ】で最低限の使い魔のみを穿ち、ウピルへと張り付いて攻撃を仕掛けます。
自身や仲間の血が流れようと、それを力へと変えて攻め、細剣でウピルの胸を穿ちましょう。

堅牢な防壁も蟻の一穴より崩れ去ります。
そうはならぬと貴女が言うなら……そうするのが私の役目です。
成し遂げてみせましょう。


 ディアボロスに残された時間が僅かであることを察すると、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、利き手で構えた『Νέμεσις―α』のマズルを向けた。
『黒翼卿・ウピル』は、レイラと会話をすることで時間稼ぎをし、要塞内に残るトループス級やアヴァタール級に己のピンチを察させようとしたのだろう。
 実際、ヴァンパイアノーブルたちは指揮官の戻りが遅いと騒ぎはじめたというわけだ。
 要塞内にどのくらいのヴァンパイアノーブルが控えているかなど見当がつかない。だが、その数はとてつもなく多いだろう。
 その配下たちがこの岸壁に集うことになったら、厄介どころの話ではない。
 手負のジェネラル級を奥へ引っ込めつつ、大軍勢となってディアボロスへと襲い迫るだろう。
「時間がない。レイラさん、一気に畳み掛けよう」
「はい、必ずや仕留めて帰りましょう」
 エトヴァと決意を共にして、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)がうちなる復讐心を滾らせると――。
 先ほどまでのクラシカルなメイド衣装が一変。赤黒いオーラを纏った軍服姿へと変貌を遂げる。
 ネメシス化だ。
 その溢れ出る殺気に『黒翼卿・ウピル』はぐっと怯んだが、まだ自分に天秤は傾いていると確信しているのか。 
「……私の配下達が此処にたどり着くが先か、貴方方が私を討つのが早いか……」
 と、口の端を上げて笑う。
『黒翼卿・ウピル』の使い魔たちを駆使した攻撃の威力は凄まじく、反撃においてもディアボロスたちを翻弄した。
 おそらく彼女の統制力と指揮能力は、このコトリン島に潜む有象無象のヴァンパイアノーブルにも効いていたのだろう。
 ほら現に、要塞内では暗殺の気配に気づいた配下たちの喧騒が大きくなってきている。
「……要塞には優秀な指揮官、それだけ、ここの護りが重要である証左だな」
 それだからこそ今ここで、この指揮官を排さなければならない。
 雪混じる風に空色の髪を揺らしながら、
「強大な相手と怯んでしまえばそこまでだ。だが、やることは変らず積み重ねる事。この弾は確実に、暗殺の為の一矢となろう。――黒翼卿ウピル。貴女を討つ」
 エトヴァは己の中で燃える決意を言葉として示し『黒翼卿・ウピル』へ右手に構えた『Νέμεσις―β』のマズルも向け、自身の胸の内にある復讐心を強く激らせた。
「 傷が足りないなら、これからつける傷の威力を増すまで。――結束を力と成せ」
 そうすれば銃のリアサイドなど覗き込まなくても、銃弾は必ず敵を射抜く。
 身を庇う隙など、与えない。
 エトヴァが次々に二挺のトリガーを引けば、弾を躱そうと身を翻す『黒翼卿・ウピル」の右肩と溝尾を射抜いた。
 どす黒い血が空に飛び、
「うっ」
 っと呻いた声を、銃声は掻き消す。
 首、こめかみへと吸い込まれた銃弾はさらに血を吹き出させ、最後、強固な意志をのせた渾身の一撃は、その左胸を貫いた。
「ぐっ……」
 胸から大量の血が吹き出しドレスをさらに赤黒く染め、ぐらりとその体が揺れる。しかし、その片脚はまだしっかりと雪の大地をしっかり踏み締めとらえていた。
 ――だが、あの傷は確実に致命傷になり得えるはずだ。
 次につながる一撃を打ち込めた自負と、まだ地に伏せない堅牢な敵への畏怖。相反する感情を胸に抱きながらエトヴァが次に警戒するのは、『黒翼卿・ウピル』の血液を元に召喚される大量の烏。
 烏の大群は目標を認識するや、黒く艶やかな翼を羽撃かせてこちらに迫り来る。
 エトヴァは魔法障壁と構えた『銀色のタワーシールド』の面で頭や胴体を庇い、自身に集る烏の猛攻を耐えながら『黒翼卿・ウピル』の動向を伺った。
 その『黒翼卿・ウピル』といえば、赤黒いオーラを纏うネメシス状態のレイラの様相に対し、自分の死期を察したのだろう。その表情に姿勢に、焦りの色を濃くしていた。
 配下達が此処にたどり着くが先か、ディアボロスが討つが早いか。
 天秤はもうどちらに傾いてもおかしくない状態だった。
 双方どちらにも、もう時間がない。
 だけどレイラには、告げておきたい思いがあった。
「貴女たちには私たちの姿は愚かか、あるいは無力に見えるのでしょうね」
 一歩、雪が降り積もり続ける岸壁を進めば、編み上げブーツの踵が鳴る。
「私もそれは痛感しております。人民の皆様を救うといい、救えず流れる血の多さに自身の至らなさ、無力さを感じぬ日はございません」 
 細剣『惨禍鬼哭血革針』を抜刀し振るえば、風切音が冷たい空気に響く。
「ですが、私は止まることも引き返すこともいたしません。血に濡れたこの道の先に、人民の自由と希望があることを信じて進むのみです!」
 それで世界を革命できるのであれば。
 人民に多くの犠牲を出し、流れた血を踏み越えてようやく指揮官の一人を暗殺する。
 細剣を構えてコンクリートの地面をタンと蹴ると、敵との距離は一気に縮まった。
 対して『黒翼卿・ウピル』は本能的に、刃のように切れ味鋭い翼を持つ烏型の使い魔を召喚する。
 烏型の使い魔はレイラ目掛けて飛んできて、その鋭い翼でこの体を切り裂くが。
 レイラの狙いは、烏ではない。
 その後ろに控えるコトリン島の指揮官『黒翼卿・ウピル』だ。
 この戦いで流れた自身と仲間の血が、この剣にこの体に力を与えてくれる。
 それだけではない。
 この暗殺作戦の前哨戦である水中戦と大陽動作戦で、心血を注いだ仲間達の思いも溢れてくる。
 これは、皆で手にする成果なのだ。
 レイラは勢いをそのままに、その左胸目掛けて得物の切先を突き立てた。
 肉を臓物を貫く感触が、グリップ越しに伝わり、
「……ぐはっ」
 っと敵が漏らした音は、もはや声ではない。
 背中まで到達した細剣を勢いよく抜き去れば、その口元から大量の血液を触れさせながら、背中から倒れる『黒翼卿・ウピル』。
 戦場に集うディアボロスたちが、もう立ち上がることのないコトリン島の指揮官に注目する。
 その指揮官『黒翼卿・ウピル』は最期の力を振り絞るかのように、モーブの瞳をレイラと彼女の隣に並んだエトヴァに向ける。
 その焦点も定まらない瞳が「どうして」と問うているようで、レイラは静かに口を開いた。
「堅牢な防壁も蟻の一穴より崩れ去ります。この先の要塞でそうはならぬと貴女が言うなら……そうするのが私の役目です。――成し遂げてみせましょう」
 吸血ロマノフ王朝という牙城崩しを、必ずや。
 レイラが餞の言葉を告げ終わるか否か。コトリン島の指揮官『黒翼卿・ウピル』はコトリン島の岸壁で絶命した。
 彼女の傍には常に手にしていた金のロッドと、たくさんの宝石があしらわれたティアラが、雪の上に力無く転がっていた。
 要塞内の騒々しさはついににディアボロスたちの前に姿を表そうと、あの扉を開け放とうとしている。
 これ以上の長居は無用。
 ディアボロスたちは足早にコトリン島から撤退するのであった。

 この世界の灰色の空は常に雪の花を降らせている。
 それは堅牢なこの島の指揮官への弔い花か。
 はたまた、この世界の人々を救い、この世界を最終人類史へととりもどそうと奮闘したディアボロスへの賞賛の花か――。
 またあの島は堅牢な砦と化すだろう。
 しかしこの事変は確実に、この世界を支配するヴァンパイアノーブルたちに激震を与えることは確実であった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年03月26日

コトリン島、黒翼卿・ウピル暗殺作戦

 攻略旅団の提案に従い、難攻不落のコトリン島要塞を護るジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』の暗殺作戦を決行します。
 ディアボロスが強行突破を狙っているように見せかける『大陽動作戦』の成功により、ウピル自身が陣頭指揮に立つべく戦場に現れます。
 コトリン島の戦力の多くが迎撃の為に出撃していますので、陽動を行う部隊が戦闘に勝利し、敵を撃退した混乱に乗じて奇襲を行ってください。

黒翼卿・ウピル


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選択肢『水中からの侵入』のルール

 目的地まで、水中を移動して接近します。
 敵に発見されない事が最重要となるので、慎重な行動が必要でしょう。
 敵に発見されない範囲であれば、水中の移動を楽しむ事もできるかもしれません。
 水中適応があれば、より自由に水中の行動を楽しむ事が出来ます。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『黒翼卿・ウピルとの会話』のルール

 ジェネラル級亜人『黒翼卿・ウピル』との会話を行います。
 時間的余裕があまりない暗殺作戦ですので、余裕のある場合のみ会話を行いましょう。
 ウピル側は、時間を稼いで逃げ切れば勝ち、という状況です。
 そのため『ウピルが劣勢であり、期限が迫っている』状況であればある程、ディアボロスとの会話に応じやすくなるようです。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『登場人物(NPC)との会話に専念する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『血影猟兵』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿コトリン島強襲暗殺作戦『黒翼卿・ウピル』のルール

 吸血ロマノフ王朝の断片の王の拠点である『サンクトペテルブルク』を護る重要拠点、コトリン島を防衛する、ジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』と決戦を行います。
 ウピルは、《七曜の戦》後にサンクトペテルブルクに集結した大領主であったようです。
 ウピル暗殺作戦は、コトリン島に対する大規模な陽動作戦を利用した作戦となっています。
 コトリン島の全軍を率いて出陣したウピルは、自らの目で状況を確認する為に、少数の護衛と共に、海岸付近まで先行し、戦場の様子を確認しようとするようです。
 この動きに合わせて、水中からコトリン島に近づき、海岸付近に現れるウピルに奇襲を仕掛けて、撃破を行ってください。
 撃破後は、すぐさま撤退を行いましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「薬袋・透」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。