リプレイ
喩・嘉
幸児(g03876)と一緒に②で月夜の散歩をする
せっかくのお出かけなので、いつも着ている漢服ではなく、
いわゆるカジュアルな「洋服」で行く
ワイシャツとチノパンにラフな薄手のカーディガン
新宿島では冬だったのに、こちらでは暖かいんだな
この季節に海沿いをのんびりと歩いて、寒さに凍えなくていいのはとても贅沢な気がする
港ってもっと潮くさい印象があったんだが、ここはとても清潔だな
歩いていて気持ちがいい
ジェラート、って言うのかな
「オーストラリアのアイスは美味しいらしいぞ」などと言いながら、道すがらアイスを買い求める
食べやすいようにカップに入れてもらおう
俺は定番ないちご味を頼むが、ごろごろと果肉が入っていて、普通のアイスとは違うな高級感がある
自然と幸児の腕に自分の腕を絡めてくっついて歩きながらアイスを食べすすめ
お裾分けしてもらった味を楽しんだら、
俺のいちご味のアイスもお返しであーんする
両方合わせて食べると美味しいな
と笑い合って
もうしばらく二人で、この波の音と空気を味わっていたい
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に②で月夜の散歩をする
せっかく暖かいし
いつもと違う洋服の、ワイシャツとジーパンを着てみるぞ
久々の暖かい気候にうきうきする
すごく綺麗な港だなあ
海や風の匂いも、新宿島とちょっと違う
「オーストラリアのアイス食べてみたいっ」
喩嘉の話に目を輝かせて、道すがらアイスを買い求めるぞ
いろんなアイスに目移りしちまうが、俺はココナッツってやつにする
カップに入れて、チョコのソースもかけてもらったー
すごいぞ喩嘉、これ山盛りだっ
日本より量の多いアイスにはしゃいじまう俺だぞ
自然に喩嘉と腕を絡めてくっついて歩きながら、アイスを食べる
喩嘉、これ甘くてすごく美味いぞー
アイスを喩嘉にあーんしてお裾分け
食べる喩嘉をにこにこ見てから、お返しにあーんしてもらったアイスを味わうぞ
んーっ、こっちもすごく美味いっ
ああ、合わせて食べると倍美味しいな
って笑い合う
オーストラリアのアイス、たっぷり入っててよかったな
ゆっくり散歩が楽しめる
カップが空になっても
もうしばらく、二人で一緒に
この海辺の空気と幸せな時間を味わおう
●ムーンライト幻想
シドニーの2月。
季節は夏、夜空には三日月。
シティライトは輝き、暗い水面にも光が躍る。
街の喧騒は少し遠いBGMのようにこの水辺の散歩道まで届いていた。
喩・嘉(瑞鳳・g01517)と守都・幸児(祥雲・g03876)はのんびりと夜風に吹かれて歩いていた。
二人とも、今日はせっかくのおでかけというので、いつもとひと味違うカジュアルなスタイルだ。
喩嘉はワイシャツとチノパンにラフな薄手のカーディガン。
幸児はワイシャツとジーパン。
並んで歩けば、行きかう人が振り返るような、高身長でグッドルッキングな二人であるが――幸い(?)ディアボロスファンに邪魔されることもなく、月夜の散歩を楽しんでいた。
「新宿島では冬だったのに、こちらでは暖かいんだな」
喩嘉が言った。
そうだなと幸児もうなずく。
「久々に暖かいとうきうきするな」
冬の新宿島からパラドクストレインを降りると夏の南半球だった。気温があがれば自然に体もほぐれ、気分も上がる感じがした。
「この季節に海沿いをのんびりと歩いて、寒さに凍えなくていいのはとても贅沢な気がする」
「ほんとだな」
時々、散歩する一般の人々とすれ違う。今宵は誰も皆、幸せそうに見えた。
「港ってもっと潮くさい印象があったんだが、ここはとても清潔だな。歩いていて気持ちがいい」
「ああ。すごく綺麗な港だなあ。海や風の匂いも、新宿島とちょっと違う」
……そんな気がする。
見えている星は確かに違うし、季節を運ぶ風も違う。
都会の海は夜の光を映して、二人の心に煌めきを残す。
きっといつか未来、三日月の夜にはシドニー湾のこの光景を思い出す、のかもしれない。
道からほど近いところに、アイスクリームショップらしい、明るい光が見えて、喩嘉はふと視線を動かす。
ジェラート、って言うのかなと考えながら、楽し気な口調で幸児に言った。
「オーストラリアのアイスは美味しいらしいぞ」
すると彼の反応が速い。
「オーストラリアのアイス食べてみたいっ」
忽ち幸児の瞳が輝き、二人の足は俄然早まる。
「どれにする?」
「迷うな……目移りしちまう。けど俺はココナッツってやつにするぞ。チョコソースも頼む」
喩嘉は定番のストロベリー味を選び、二人は粛々とカップに盛ったジェラートを手にいれた。
「うん、美味いぞ。ごろごろと苺の果肉がはいっているな」
喩嘉がひと匙味わって言った。
「普通のアイスとは違うな、高級感がある」
「すごいぞ喩嘉、これ山盛りだっ」
一方幸児は日本に比べて量が多いオーストラリアのアイスにはしゃいだ。
そしてお味のほうも。
「俺も迷ったけどココナッツにしてよかった」
彼のジェラートにはチョコレートソースもたーっぷりかかっていた。
アイスのカップを手に二人は再び歩き始める。
自然に腕を組んで、互いの距離もぐっと近くなる。
「喩嘉、こっちも甘くてすごく美味いぞー。ほら、あーん」
幸児がまるで自然な仕草でスプーンを相方の口元に持っていく。
「確かに美味いな。それじゃ今度は俺からお返しだな」
喩嘉も紅い果肉を含んだアイスを器用に匙ですくって幸児に向けた。
「あーん」
素直に彼も口をあけて、二人は互いのアイスを味わう。
これは本当に甘い幸せだった。
「んーっ、こっちもすごく美味いっ」
「両方合わせて食べると美味しいな」
「ああ、合わせて食べると倍美味しいな」
喩嘉と幸児は笑い合う。
「オーストラリアのアイス、たっぷり入っててよかったな」
分け合ってアイスを食べながら、幸児が言った。
アイスはたっぷりあるから、ゆっくり散歩が楽しめるというもの。
文字通り、甘い時間が楽しく過ぎてゆく。
そして――やがてアイスを食べ尽くしても、二人は腕を組んだままだった。
「もうしばらく二人で、この波の音と空気を味わっていたい」
「ああ。もう少し、この海辺の空気と幸せな時間を味わおう、か」
ふと言葉が途切れると波の音が聞こえる。
明るい都会の夜と静かな水音は優しく二人を包んだ。
互いを間近に感じながら、喩嘉と幸児はのんびりバレンタインの夜を楽しんだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV2が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
エレナ・バークリー
【天剣+】
絡み歓迎
現着すれば真夏の豪州、シドニー湾。
トレインを一両ずつ着替に使って、今年は浴衣でバレンタインです。
私は薄い白地で、裾に波紋や赤い金魚が描かれたもの。帯は若草色で、せっかくだから三日月の髪飾りも頭に。足下は浴衣に合わせた白い鼻緒の草履。
皆さんの浴衣に感想を伝えつつ、墨絵の団扇で軽く扇ぎながら会場のレストランへ。
夏の暑さも中へ入ればエアコンで涼しく。ほっと息がつけます。
予約通りに貸し切りでバイキングですね。
私はローストビーフとトマトパスタを確保して席に戻ります。煌お姉様、橙花、こちらですよ。
卓上にはいつの間にか確保したワインのフルボトル。豪州を代表するシラーズ種のワインだそうで。2004年ものとのことですね。ああ、肉との相性が抜群です。橙花はまだシャンメリーですからね。お姉様、一献どうぞ。これでバレンタインらしく。
お姉様のお料理だと甘味のあるリースリングでしょうか。
じゃあ私は料理回収に併せ、一回りして皆さんの様子を見てきます。皆さんに満足してもらえたかな。
いかがです、この宴?
アンネローゼ・ディマンシュ
【天剣+】
シドニー…ユーラシア大陸の向こう側に巨大な大陸が1国家として存在しているとは聞きましたが、ここまで繁栄しているとは
奪還した甲斐がありましたわね
紫の紫陽花の柄の浴衣を身に纏い、シドニーを皆様と共に散策
…本当に南は、季節が逆ですのね
そんな風に『2月の夏』を体験し、ポツリと呟く
と、まずレストランではオードブルにロブスターのカルパッチョを
新鮮な甲殻類の切り身は、甘いですわね
そうして次に肉料理…オーストラリアの牛肉のステーキを
赤身が多めの牛肉が美味だと聞いていましたから、楽しみですわ
そうしてビーフステーキを堪能した後、デザートにしてメインのザッハトルテを
やはりザッハトルテはチョコのケーキの代名詞ですわね
口福の伝道者でロブスターのカルパッチョとビーフステーキ含めてザッハトルテを増やし、オーストラリアの人々に提供
さぁ、この地を奪還出来た事を祝って!
青沢・屏
【天剣+】
(アドリブ・連携大歓迎)
現着すれば真夏の豪州、シドニー湾。北半球生まれは常識が真逆【2月の夏】。
その前に内陸の景色を楽しんだので、今はこの近くに来てみるべきだ。
今年は浴衣でバレンタインですか……紺色の浴衣を着ましょう。帯は白で。シンプルに。
なにしろ女の子たちがとても美しいときは、男性として優先的に見せてあげなければなりませんよね。
では、まずエレナさんが予約してくれたバイキングに感謝します。
普段はこんな時にウェイトレスをしていますが、今回はこの場所の美食を楽しんでみましょう。
「突然、もっと多くの場所が最終人類史に戻ることを期待し始めました--はい、料理と美しい景色のためです」
オーストラリアには欠かせないのはロブスターだ。うーん、肉と海鮮と酒の組み合わせも奥深い。後で勉強してみましょう。
「で、エレナ……自分で楽しんでいますか?」
今回の旅行の案内役を選んだとはいえ、やはりエレナが十分に楽しんでいるかどうか気になります。
なにしろ皆の好きな団長ですから、ね?
松任・紫
【天剣+】
エレナさんと、同行の皆さんと、仲良く楽しめたら。
オーストリアは去年も行きましたけど、浴衣を着られるとは思いませんでした。
私はこの水色の生地に、紫陽花の柄の浴衣に、します。
着付けも髪結いも、詳しくはないので、誰か得意な方がいれば良いです、けど…ありがとうございます、です(ぺこり)
ふふ。こうやって皆で浴衣になると、本当に日本のお祭りみたいです、ね。
食事はレストランでバイキング。楽しみ、です(そわ)
飲み物は…あ、じゃあ橙花さんと一緒に、シャンメリー?を、いただきましょうか。まぁまぁ、これも美味しいです、よ。
色んな料理があって目移りしてしまいますね…皆さんが食べているのと同じものを、少しずつ食べてみようと思います。
ロブスターなんて、初めて食べます。っと、野菜も、食べないといけません、ね。
…はわ、あれこれ食べていたら、思った以上に食べてしまいました。
今日は楽しかった、です(こくり)
まだ世界は大変です、けど……こういう平和な時間を、もった多くの人が過ごせるといいです、ね。
神和・煌
【天剣+】
わたくし、ばれんたいんのお誘いに混ざるのも然ることながら夏のばれんたいんなんて初めてでしてよ!
どんな風にこれまでのばれんたいんと違うのかしら?
わたくしの浴衣は、黄色い地色にほんのり緑が混ざる、うっすら格子柄の麻のものよ。帯は爽やかに緑色。見て、鼻緒も黄色と緑。わたくしの髪と瞳が紅いから、映えるでしょう?
ふふふ♪(ご機嫌に尻尾をゆらゆら)
お伴の紅には、共布のリボン飾りを耳に。
どう?
可愛くなくて?
夏の海辺でのぱーてぃ、本当に全然風情が違ってとても新鮮だわ。
外は暑くても、新宿の暑さとはまた違ってよ。中は涼しいわね。流石だわ、これが最終人類史の冷暖の調節法……いつも感心してしまうわ。
好きなものを好きなだけ。なら、そうね、おいなりさんと、お新香を少々。それからお揚げのお味噌汁と……あら、ばれんたいんらしさがなくて?
ううん、何がいいかしら?
あら、エレナさんはそちらに。橙花さんも。
それは……わいんというの?
まぁ、胡椒のような香り……の後の葡萄の香り!?
ありがとう、エレナさん♪
素敵な飲み物ね。
クリアルト・ハイランド
【天剣+】
シドニー湾に来て、浴衣姿になるとは思ってもいなかったかな。
でも浴衣を着る機会もそうないし、皆の姿も堪能しながら、
バレンタインパーティーを楽しませてもらうよ。
僕は白い生地に花柄の浴衣でかな。
着るのも久しぶりだし似合っているといいのだけれど。
気候も丁度いい感じかな?
エレナも始め、皆とても似合っていて目移りしてしまいそうだね。
レストラン会場に付いたら、まずは飲み物だね。
僕はぶどうジュースにしておこうかな。
出来るだけワインに似たようなものがいいかな。
食事は折角だしロブスターを食べてみたいかな。
皆ともシェア出来るなら一緒に食べ合って
感想を言い合うのも良さそうだね。
肉料理もスイーツも存分に堪能したいかな。
こんな素敵なパーティを紹介してくれた感謝だね。
一ノ瀬・綾音
【天剣+】
※エレナさんのことは『エレンさん』と呼びます
バレンタインは何度か経験はあるけどオーストラリアで、しかも夏のバレンタインなんて初めてだから逆に新鮮かも。
浴衣は2023浴衣コンテストで着た奴を着用。
これ割と色合いよくて好きなんだよね。
まずは誘ってくれたエレンさんや準備してくれたスタッフにお誘いありがとうとご挨拶。
その後パーティーに参加するよ。
18歳とはいえ微妙な年代だし飲み物はジュースで。
お酒組の方チラ見して後2年かぁ、戴冠の戦の先かぁ……と思いをはせつつ。
食べ物についてはいろんなものを味わいつつ(せっかくのオーストラリアだし)、他のみんなとシェアしながら食べていく。せっかくみんなでのパーティーだしね。
あとはホスト役に勤めてそうな屏さんやエレンさんを巻き込むような感じで、現地スタッフも巻き込みつつ。ほらほら、みんなで楽しむんだから食べちゃえ飲んじゃえ!スタッフは苦労もするべきだけど楽しむべきでもあるんだよ?
こういう日常を守るために綾音ちゃん達は戦うんだ、と改めて実感しつつ。
新城・橙花
【天剣+】で参加だよっ。
皆に合わせて浴衣だねっ。
白地に藍の菖蒲柄。紺の帯。長い髪を黒と紫の髪紐でくくっているよー。
皆の浴衣を興味津々で、紅ちゃんと並んでじーっと見るねっ。
あれ、紫お姉ちゃんもしかして着付け苦手??
「ちょっとだけ、お手伝いするねー」
と少しだけ手直しするねっ。
その後会場に入るねー。
で、お酒に手を伸ばそうとして・・・エレナお姉ちゃんに怒られちゃったからあきらめてしゃんめりー?で我慢するよー。
「うー、平安京ならお酒大丈夫なのにー」
ちょっとだけ恨みがましい目で見つつ、それでも一杯お肉確保して食べ始めれば、にっこり顔。
煌お姉ちゃんに合わせてお稲荷さんも食べるよー。だって(妖)狐だからねっ
他の皆とも確保した食べ物を交換しようかなっ。
「これってしぇあって言うんだっけ?」
美味しい食べ物を一杯食べられるって幸せだよねー。
とにっこりしっぽふりふりだよー。
●Happy Summer Valentine
【天剣+】のバレンタインパーティは浴衣の着付けから始まった。
エレナ・バークリー(ハイランダー/アブソリュートウィッシュ・g00090)がいそいそと仲間のディアボロス達に声をかける。
「今年は浴衣でバレンタインです。うまく着付けのための部屋も借りられましたしね」
エレナ自身も身支度を終えて、薄い白地の浴衣の裾には波紋と金魚が涼し気だ。若草色の帯に髪には三日月の髪飾り。浴衣に合わせた白い鼻緒の草履。
「エレンさん、今日はお誘いありがとうだね」
一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)が早速エレナに応じる。
「バレンタインは何度か経験はあるけどオーストラリアで、しかも夏のバレンタインなんて初めてだから逆に新鮮かも」
しかも浴衣でパーティーとは何とも斬新だ。綾音は2023年の浴衣コンテストで着用した浴衣姿だった。
「綾音さん、浴衣にあってますよ」
「ありがとう。これ、割と色合いよくて好きなんだよね」
神和・煌(月光に憩う微笑みの巫女・g01857)は穏やかにエレナに微笑んだ。
「わたくし、ばれんたいんのお誘いに混ざるのも然ることながら夏のばれんたいんなんて初めてでしてよ! ……どんな風にこれまでのばれんたいんと違うのかしら? 」
「そうですね、それは……」
エレナの説明をそこそこ聞きつつ、煌の興味は本日の装いに移る。品がよく優雅な彼女に、黄色い地色にほんのり緑が混ざる、うっすら格子柄の麻の浴衣がしっくり似合っていた。
「帯は爽やかに緑色してみたの。見て、鼻緒も黄色と緑。わたくしの髪と瞳が紅いから、映えるでしょう? 」
ふふふ♪と機嫌よく煌の尻尾が揺れる……さらに、サーヴァントのクダギツネの自慢もしておかなくては。
「お伴の紅には、共布のリボン飾りを耳に。どう? 可愛くなくて?」
「とても可愛いですよ」
エレナの相槌に満足げに煌は笑みを浮かべる。
傍らで、紅と新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)は皆の浴衣姿をじーっと眺めていた。
橙花も皆に合わせて浴衣姿だ。白地に藍の菖蒲柄の浴衣に紺の帯を合わせて、長い金髪を黒と紫の髪紐でまとめている。
一人ひとり、視線を動かしていた橙花だが、「あれ」とふと呟いてお姉ちゃん達の一人に近づく。
「紫お姉ちゃん」、と声をかけると松任・紫(『帰還』した一般少女(吸血鬼)・g08469)が、顔をあげた。
「あら橙花さん」
「紫お姉ちゃん、もしかして着付け苦手??」
「正直に言うと……着付けも髪結いもあまり詳しくはないのです」
そう話す紫だったが、お気に入りの水色の生地に紫陽花柄の浴衣に袖を通してなかなかいい感じである。
「浴衣、普段と感じが違うけど似合ってるね」
「……オーストラリアは去年も行きましたけど、浴衣を着られるとは思いませんでした」
ふふ、と紫は笑顔をみせて。
「手直し、お願いできますか?」
「それじゃちょっとだけ、お手伝いするねー」
橙花が軽く仕上げをお手伝いして、紫の装いも完成する。
「……ありがとうございます、です」
紫はぺこりとお礼を言う。
「ふふ。こうやって皆で浴衣になると、本当に日本のお祭りみたいです、ね。今日は皆さんと仲良く楽しみたいです」
「うん、楽しもうね。皆支度できたみたいだから、行こう!」
ひと足先に、青沢・屏(静かなる炎・g00202)とクリアルト・ハイランド(人間の妖精騎士・g01311)は外で皆を待っていた。
二人ともやはり浴衣姿である。
紺色の浴衣に白い帯を締めてシンプルに涼やかな表情の屏。
対照的にクリアルトは白い生地に花柄で華があったが、少し心配そうに言う。
「浴衣着るのも久しぶりだし、似合ってるかな……?」
「大丈夫ですよ。いい感じです」
「気候も丁度いい感じかな?」
ええ、と屏はふと笑みをこぼす。
「2月の夏なんて、北半球生まれは常識が真逆ですからね」
内陸の景色は前に楽しんだので、今回はこちらをと屏は周囲を見回す。光に彩られた異国の都会の夜はどこか開放的な気分をもたらし、目を転じれば水辺の通りを照らす街灯はむしろ幻想的だ。
「あ、皆できたみたいだね」
クリアルトがまとまって出てきた浴衣姿の女性たちにすぐに気づいた。
「さあ行きましょうか。お店はすぐそこですよ」
エレナが墨絵の団扇で軽く扇ぎながら、レストランへと歩き始める。
「エレナを始め、皆とても浴衣が似合っていて目移りしてしまいそうだね」
クリアルトのつぶやきをきいて、屏が傍らで「本当に」と頷き、自分のシンプルな装いの理由を思う――何しろ女の子達がとても美しい時は充分輝いてほしいから、男性として引き立て役に。
アンネローゼ・ディマンシュ(『楽士大公』ディマンシュ大公・g03631)がそんな二人の視線をひきつけつつ、紫の紫陽花の柄の浴衣で足早にエレナに並んだ。
「シドニー……ユーラシア大陸の向こう側に巨大な大陸が一国家として存在しているとは聞きましたが、ここまで繁栄しているとは。奪還した甲斐がありましたわね」
優雅な口調でこの国の感想を述べ、さらにぽつりと言った。
「……本当に南は、季節が逆ですのね」
「南半球は今が夏なんですよね。でも大丈夫、もう着きました。夏の暑さも中へはいれば涼しいですから」
真夏の豪州、シドニー。
シドニー湾を近くにのぞむカフェ兼レストランへと皆は入っていった。入店すると爽やかな冷気が心地いい。
「まあ」
煌は瀟洒な店内を見回して、気に入ったようだ。
「外は暑くても、新宿の暑さとはまた違ってよ。中は涼しいわね。流石だわ、これが最終人類史の冷暖の調節法……いつも感心してしまうわ」
「本当に中は涼しいですわね」
アンネローゼも幾分ほっとした声を漏らす。
スタッフが皆を手際よく貸し切りの区画へ案内してくれた。広い店内は一般人のお客さんもいて、自然に浴衣の美男美女のディアボロス一行は羨望のまなざしを集めた。
「さて、予約通りの貸し切りバイキングですね」
エレナがさっそく首尾を確認して満足げにうなずく。
「エレナさん、バイキング予約ありがとうございます。いい店ですね」
屏は感心したようにエレナに礼をのべた。
「ええ。屏さんも楽しんでくださいね」
「普段はこんな時は給仕役ですが、今回は美食を楽しみますよ」
そう言って屏は楽しそうに付け加える。
「突然、もっと多くの場所が最終人類史に戻ることを期待し始めました――はい、料理と美しい景色のためです」
真面目とも半分冗談ともつかない会話をしていると、元気な声がかかる。
「ほらほら、屏さん、エレンさんも食べちゃえ、飲んじゃえ! みんなで楽しむんだから」
綾音は、普段からホスト役に忙しい二人を誘いに来たのだ。
「スタッフは苦労もするべきだけど、楽しむべきでもあるんだよ?」
「有難うございます、綾音さん。今日は私も食べるつもりですよ」
「さあバイキングですからなんでも好きなものを食べましょう」
にぎやかにバレンタインの食事会が始まった。
エレナはローストビーフとトマトパスタを確保して席に向かう。
屏はロブスターを見つめて何事か思案をはじめるが、そこにクリアルトもやってきた。
「あれ? それワインですか?」
屏が聞くと、クリアルトはニマニマした。
「違うよ、ぶどうジュースだよ」
最も、お酒気分を味わう為、なるべく色見がワインに似たものを選んだのだ。
「屏は、何か考えてた?」
「……ああ。オーストラリアに欠かせないのはロブスターだ、ってね」
実は肉と海鮮と酒の組み合わせも奥深い。後で勉強してみようとつい熱をいれて考えそうになっていたが、今はともあれ食事を楽しもうとロブスターをとりわける。
「クリアルトさんも、とりましょうか?」
「ありがとう。折角だし、ボクもロブスターを食べてみたいかなって思ってた」
皆はそれぞれ、数ある料理の中から自分好みのものを取り分ける。
紫は楽しみにしていたビュッフェスタイルのパーティーだけに、そわそわと食べ物を吟味していたが、同じ様に迷っているらしい煌に声をかける。
「いろんな料理があって目移りしてしまいます、ね」
「ええ。本当に全然風情も違っているし……でも好きなものを好きなだけ、だから」
そして煌はつい食べなれたものを数え上げる。
「なら、そうね、おいなりさんと、お新香を少々。それからお揚げのお味噌汁と……あら、ばれんたいんらしさがなくて?」
煌は答えを求めるように紫を見る。
「ああ、ええと。こちらの稲荷ずしは華やかですね……。あ、わたしは、ロブスター食べてみたいのでそれと、野菜も、食べないといけません、ね」
「わたくしも、では、ろぶすたーも頂いてみようかしら」
そこに、
「煌お姉様、橙花、こちらですよ」
エレナが呼んでいる。
皆が、それぞれ美味しいものをふんだんにお皿にとりわけて、楽しい食事会がはじまっていた。
「あら、エレナさんはこちらに。橙花さんも」
煌も同じテーブルに着席して食事に加わる。そして誰が注文したのかテーブル上のボトルに目を向けた。
「あら、これは……お酒?」
エレナがにっこりした。
「豪州を代表するシラーズ種のワインだそうで。2004年ものとのことですね。肉との相性が抜群です」
エレナはワインをお供にローストビーフを味わっていたのだ。
「お姉様、一献どうぞ。これでバレンタインらしくなりますよ」
「あら……。ええ、それはわいんというの?」
グラスに注がれた深い紅を味わって、煌が言った。
「まぁ、胡椒のような香り……の後の葡萄の香り!? おいしいわね」
「よかったです。あ、橙花」
んっ、と橙花は肩をすくめてボトルに伸ばしかけた手をとめる。
「橙花はまだアルコールはダメですからね」
「うー、平安京ならお酒大丈夫なのにー」
残念そうに橙花はワインから手を引っ込める。しかし屏が笑いながらスパークリング飲料のボトルをすすめてくれた。一見シャンパン風の外見だがもちろんノンアルコールである。
「はい、こちらなら大丈夫ですよ」
グラスに満ちる液体には透明な泡が立ち上る。
「ありがと……あれ! おいしい」
「よかったです」
「あ、えっと、わたしも、橙花さんと同じ飲み物をいただいてもいいですか?」
横で見ていた紫が、グラスを差し出す。
「はい、どうぞどうぞ」
ボトルから注がれる液体を見ていると、気分だけはおとなになれそうだ。
そしてひと口飲んで紫も同意する。
「まぁまぁ、これも美味しいです、よ……」
紫は飲み物とロブスターをいただき、それから皆が食べているものに少しずつトライすることにした。ローストビーフに派手めの外見のオーストラリア風のお寿司。スープ類にサラダ、まだまだある。
綾音はジュースを飲みながら、楽しそうにワインを飲んでいる大人組をチラチラと見た。
(「綾音ちゃんは18歳とはいえ……微妙な年代だよね」)
実は努力家の綾音だが、純情だし真面目なのである。
そう、綾音が20歳になる頃には……。
(「後2年かぁ、戴冠の戦の先かぁ……」)
自然に思いは世界情勢へとうつり、考えずにはいられない――その頃自分はどんな20歳になっているだろう?
すると。
「綾音、何か考えてる?」
クリアルトがロブスターを食べつつ聞いた。
「あー、うん。綾音ちゃんの未来とかだね。クリアルト、それロブスターかな?」
「そう。美味しいよ。綾音は何食べてる?」
二人は互いの皿をのぞき込む。
「何かおいしいもの、あった?」
お皿にお肉を山盛りにして、橙花も話に加わる。
「お肉、おいしそうだね」
「綾音ちゃんも次はオージービーフ食べようかな。せっかくのオーストラリアだし」
「よかったら、交換する?」
三人はそれぞれ選んだ料理をすすめ合って食べていく。
「これってしぇあって言うんだっけ?」
「そうだね。シェアしながら食べるの楽しいよね」
綾音がフォークを動かしながら言った。
「ん、ん……」
そしてむぐむぐ食べながら他の仲間の頷きが返ってくる。
「煌お姉ちゃんに合わせてお稲荷さんも食べるよー。だって(妖)狐だからねっ」
橙花はお花のように綺麗な稲荷ずしにも挑戦する。
「綾音ちゃんも、それに挑戦だ」
「ボクも食べようかな」
傍らで紫がふう~と息を吐く。
「ロブスター、はじめて食べたけど美味しいです……」
「まだまだ、肉料理もスイーツも存分に堪能しないと」
クリアルトが全然食べたりない様子で言うと、上品な声がかえってきた。
「スイーツですか。それならザッハトルテをおすすめしますわ」
クリアルトは声の主、アンネローゼを振り返った。
彼女はくつろいだ雰囲気で上品に食事を頂いていた。
「アンネローゼはこういった食に詳しそうだね」
「どれを食べた? 美味しかったのはどれ?」
綾音達も興味深々の視線を向ける。
「そうですわね……まずオードブルにロブスターのカルパッチョを。新鮮な甲殻類の切り身は、甘いですわね」
うんうん、とクリアルト、紫達の頷きが返る。
「それから次に肉料理……オーストラリアの牛肉のステーキを。赤身が多めの牛肉が美味でしたわ」
そうそう、と今度は橙花達が相槌をうった。
「そうしてビーフステーキを堪能した後、デザートにしてメインのザッハトルテ、ですわ」
アンネローゼは取り分けてきたばかりのザッハトルテを口に運んで、言った。
「やはり、ザッハトルテはチョコのケーキの代名詞ですわね」
もちろん、この後聞いていた全員がザッハトルテに向かったのは言うまでもない。
だが、アンネローゼにはさらに計画があったのだ。
「口福の伝道者でロブスターのカルパッチョとビーフステーキ含めてザッハトルテを増やしましたから、オーストラリアの人々に提供しますわ」
スタッフが喜んで、この料理を一般の人達に提供できるように、レストランの一般向けの区画へと運んでゆく。
「有難うございます。ディアボロスさんからと話したら皆喜んでいます」
「ええ。これくらい、何でもありませんわ」
「凄いのですね、あなた方は」
ディアボロスの力を知れば、きっと一般人は安心してくれるはずだ。
アンネローゼは、一般人たちの為にも乾杯のグラスを上げた。
「さぁ、この地を奪還出来た事を祝って!」
楽しい時間は飛ぶように過ぎる。さすがの(?)【天剣+】の皆もお腹いっぱいになり、お開きの時間が近づいてきたところで。
エレナは皆に感想を聞いてまわることにした。
「いかがでしたか、この宴?」
――まずは橙花がしっぽをふりふりニッコリする。
「美味しい食べ物を一杯食べられるって幸せだよねー」
――クリアルトも満腹の表情だ。
「こんな素敵なパーティを紹介してくれて感謝だね」
――煌はワインとの出会いがあった。
「ありがとう、エレナさん♪ 素敵な飲み物だったわ」
――屏は逆にエレナを気遣った。
「で、エレナ……自分は楽しめましたか?」
「もちろんですよ」
「それならいいですが」
屏としては、エレナは今回の旅行の案内役とはいえ、やはり心配だった……なにしろ皆の好きな団長ですから、ね?
エレナは最後に紫と綾音のところにやってきた。二人とも満ち足りた表情なのは同じである。
「……はわ、あれこれ食べていたら、思った以上に食べてしまいました」
紫が満足げに呟いた。
「満足してもらえたみたいですね」
エレナが声をかけると、コクリと頷いた。
「今日は楽しかった、です」
そしてディアボロスらしい言葉を付け加えた。
「まだ世界は大変です、けど……こういう平和な時間を、もった多くの人が過ごせるといいです、ね」
綾音も付け加える。
「こういう日常を守るために綾音ちゃん達は戦うんだ……と改めて実感した、かな」
楽しいバレンタインデーパーティーはそろそろ終わりだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV2が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【友達催眠】がLV3になった!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【アクティベイト】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
有栖川宮・永久
弟分のミシェル(g03431)
②でシドニー湾を二人で散歩するよ。
半袖のシャツに、スキニーパンツ。あ、暗い浜辺だから足元危ないよね。うん、手繋ごうか。存分に頼らせてもらうね。
なんか今年の冬、急にミシェルが男らしくなってきた。隣で歩くのが当たり前なんだけど、月夜に照らされた横顔が凛々しい。
うん、ここは夏なんだよね。ここの海は故郷の海とは違う美しさがある。なんかミシェルからのお誘いだからびっくりしたけど、男らしくなったんだなあ。
うん、波の音が心地よい。ゆっくりミシェルと歩いていたら急にミシェルが真剣な目で両手を握ってきてドキッとする。ミシェルの告白に微笑む。
いつも一緒にいたんだよ?ミシェルの成長と気持ちの動きは良くわかってた。良く言えました。うん、ミシェルこそずっと隣にいて欲しい人。その気持ち、受け取るよ。これから、恋人として、パートナーとしてよろしくね。名前で呼んでいいよ。
月夜に照らされた愛しいミシェルの顔はとてもかっこよく見えた。これからもっと成長して行くんだろうなあ。
ミシェル・ラークリーズ
姉貴分の永久お姉さん(g01120)と参加
②で夜のシドニー湾をお姉さんと散歩するよ。
半袖のシャツにチノパン。今回は一代決心して、勇気を出して僕の方からお姉さんを誘ったんだ。
僕も大分背が大きくなったんだよ?しっかりお姉さんを支えて見せるんだ!!あ、暗いから手繋ごう。転ばないようにエスコートするよ。
いつも思うんだけど、ここの海は独特の心地よさがある。気持ちいいよね。
ある程度歩いたら、胸をドキドキさせながら顔真っ赤にしてお姉さんに告白!!出会った時からずっと好きでした!!あ、あの、僕と恋人になってください!!今の僕ならきっとお姉さんを支えられる!!
お姉さんはもう気づいていたみたいで、気持ちを受け入れてくれた。ああ、やっぱり叶わない。あ、これからは名前で呼んでいいかな?こ、これから恋人として、パートナーとして歩んでいこうね。
お姉さん・・・永久さんの微笑みはいつも僕を勇気づけてくれる。この笑顔をずっと守っていくんだ。
●月影さやか
有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)はミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)の姉貴分だ。逆にいえばミシェルは永久の弟分だが、実は年は余り変わらない。
今夜のおでかけはミシェルが一大決心をして、勇気を出して永久を誘ったのだった。
ミシェルは半袖のシャツにチノパン。
永久は半袖シャツにスキニーパンツ。
シドニーは夏だった。異国のバレンタイン、三日月が浮かぶ夜。
煌々と明るいシティライトの、ひそやかな影のように海辺の道が続く。
ミシェルは少し視線を下方に向けて永久の端正なおもざしを見つめる。自分も随分背が伸びたと、ミシェルは思う。だからここでしっかりお姉さんを支えてみせるんだ……!
ミシェルは思い切って永久に声をかけた。
「あ、暗いから手繋ごう。転ばないようにエスコートするよ」
永久は視線を少しあげてミシェルを見た。そのまなざしには軽い驚きが見え隠れする。頼もしい弟分の言葉は慣れなくもあるけど、素直にうれしかった。
「うん、手繋ごうか。存分に頼らせてもらうね」
視線を前方に戻し、永久は考える。
(「なんか今年の冬、急にミシェルが男らしくなってきた。隣で歩くのが当たり前なんだけど……」)
時間は密かに流れを早める。いつのまにか人を育て心をはぐくむ。
再びそっと見上げると、ミシェルの白い横顔が淡い月に照らされて凛々しかった。
「いつも思うんだけど、ここの海は独特の心地よさがある。気持ちいいよね」
「うん、ここは夏なんだよね。この海は故郷の海とは違う美しさがある」
冬の新宿島から来てみればすっかり夏の夜、頬に感じる夏の風。新宿が冬だったこともなんだか忘れてしまいそうだ。
永久はあたたかな空気を胸に吸い込んで、ふわりと言葉をこぼした。
「なんかミシェルからのお誘いだからびっくりしたけど、男らしくなったんだなあ」
「……」
んん、とミシェルは何か言葉を飲み込むようにためらう。
声が消えて、辺りに満ちる波の音が心地よかった。ゆっくりと、幸福を隠す沈黙を楽しむように二人は歩く。
暗い湾には月影が落ちて揺れていた。
湾の夜景を見渡せる静かな場所で、ミシェルは意を決したように唐突に立ち止まった。胸がドキドキしている。きっと顔も真っ赤になっているだろう。
「……ミシェル?」
急に両手を握られて永久ははっとミシェルの瞳を覗き込む。その瞳は驚くほどに真剣だった。
そして――彼の言葉が降りてくる。
「お姉さん、出会った時からずっと好きでした!! あ、あの、僕と恋人になってください!! 今の僕ならきっとお姉さんを支えられる!!」
柔らかい幸せがゆっくりと心に満ちてくる。
ミシェルの告白を永久は微笑みで受け入れた。
「もしかして、気づいていた?」
「いつも一緒にいたんだよ? ミシェルの成長と気持ちの動きは良くわかってた」
「そうか。あー、やっぱり叶わないな」
永久はふふっと笑った。
「でも――良く言えました。うん、ミシェルこそずっと隣にいて欲しい人。その気持ち、受け取るよ。これから、恋人として、パートナーとしてよろしくね」
「よろしく……一緒に歩んでいこうね。あ、これからは名前で呼んでいいかな?」
「もちろん、いいよ」
「……永久さん」
「はい」
どちらからともなく、笑みがこぼれ、二人はまた歩き始めた。
月光が淡く二人を照らす。
(「ミシェル、かっこいい……これからもっと成長して行くんだろうなあ」)
永久はそんなことを考えてちらりとミシェルを見上げる。
凛々しくなった弟分はしっかりと永久を支えて歩いていた。
(「お姉さん……永久さんの微笑みはいつも僕を勇気づけてくれる。この笑顔をずっと守っていくんだ」)
彼が心に描くのは同じ未来なのだろう。
月影さやかに、二人の道は続いていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!