リプレイ
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
千早城もついに岸和田城まで辿り着きましたね。
でも合戦に勝利する以外にもやるべきことが沢山ありそうです。
これまで一緒に戦ってきた千早城を守ることもその一つです、頑張りましょう。
千早城へ乗り込もうとする『武田侵火隊』を千早城に近い相手から優先して狙い撃破していきましょう。
刀は《雷光刀『雷花』》、雷光の斬撃で薙ぎ払い、決して千早城の方へ逃がさないようにします。
『武田侵火隊』の熱せられた刀は『雷花』で受け軌道を逸らし致命傷を受けないように。
自分の被害より千早城を守ることを重視し【グロリアス】で戦い続け千早城へと繋がる道を塞ぐ壁となり続けましょう。
【グロリアス】で敵を倒していけば決して不可能ではないはず……!
味方の迷惑にならない限りは梃子でも動きません、良い作戦があるならそれに合わせます。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
いよいよ城取り合戦も本番だ。
千早城に攻め入って、於犬の方を倒してから早7カ月、
防衛し、修復を重ね、和泉国の大地を駆け抜けて、漸くここまでやってきた。
連結した岸和田城の奥、淀殿の首も近い。
必ずや勝利して、この地を圧政から解放しよう。
だが千早城の持つ可能性はそれだけで終わりじゃない。
その先も俺達と一緒に諸国を巡り、沢山の人々を救って欲しい。
敵地であった千早城も、今はもう俺達の大切な城だ。
破壊なんてさせるものか、絶対に守り抜いてみせる!
先ずは防衛戦だ
地の利を活かしつつ仲間と連携して戦いたい
俺は陽動として、連結部分に【防衛ライン】を引き、真正面から対峙しよう
敵の進軍の止まるその隙は、仲間の攻撃の助けになるだろうか
『ディバインゲイザー』のパラドクス使用
雪月花の刀を城の連結部へと突き立てる
【防衛ライン】を展開し、ここから先へは一歩も通さない!
【反撃アップ】で敵の動きを確と読み
放たれる熱線にパラドクスの力を合わせて押し返す
天翔ける竜の如き姿のエネルギーの奔流で
敵群の侵攻を食い止めよう
千早城と岸和田城と。
繋ぎ合わされた二つの城の連結点で、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)と文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は静かに視線を巡らせる。
「千早城もついに岸和田城まで辿り着きましたね」
「うん。いよいよ城取合戦も本番だ」
千早城に攻め入って、於犬の方を倒してから早7カ月。
防衛し、修復を重ね、和泉国の大地を駆け抜けて、漸くここまでやってきた。
「連結した岸和田城の奥、淀殿の首も近い。必ずや勝利して、この地を圧政から解放しよう」
「ええ――ですが」
「わかってる」
息を吐き、精神を集中し。
通路の先へと向ける雪人の、裕樹の視界に無数の天魔の影が映る。
「来たね。千早城の破壊部隊」
二つの城の連結通路を通って、敵方の城へと直接乗り込み、淀殿を討つことがこの作戦の本筋であり。
『和泉国の解放』だけを目的とするならば、成すべきことはそれだけで十分である。
だけど――この先の事を見据えるならばやるべきことは無数にある。
人柱となっているヒルコ達の救出も、そして、連結通路を逆利用して千早城の破壊を狙う天魔兵の迎撃も。
「これまで一緒に戦ってきた千早城を守ることもその一つです、頑張りましょう」
「千早城の持つ可能性は今だけで終わりじゃない。この先も俺達と一緒に諸国を巡り、沢山の人々を救って行けるはずなんだ」
視線を交わし、頷き合い、共に刃を抜き放ち。
雪人が手にした白銀の刀『雪月花』を城の連結部へと突き立てれば、その刃を中心として空間が揺らぎ――発現するのは【防衛ライン】の残留効果。
「先ずは防衛戦だ。ここから先へは一歩も通さない!」
「ええ――参ります!」
決意をこめて敵を見据え。
雪人は、裕樹は、天魔の兵と相対する。
●
「『――っ!』」
通路を駆ける、狼を思わせる天魔兵『武田侵火隊』。
その手に握る赤熱する刀を見据え、裕樹は僅かに身を沈め。
「雷光刀『雷花』!」
鋭く息を吐くと同時に地を蹴り、雷光を纏う刃が天魔の刃と交錯し。
剣閃を、火花を、雷光を散らしてぶつかり合い――赤熱刀を受け流し、閃く雷刃が天魔兵を押し返し。
「まだっ!」
さらに一歩。強く踏み込み、距離を詰め。
飛び退く兵よりも速く、閃く刃がその身を断ち切り。
なおも止まることなく、振り返りざまに背後へと走らせる刃が新手の刃を切り払い。
動きを鈍らせた隙を逃すことなく、さらに踏み込み――飛び退く裕樹の眼前を掠め、狼形態となった新手の兵の爪が走り抜け。
続け、床を、壁を足場として跳躍する狼牙が裕樹へと閃くけれど――、
「そこだよ」
敵の動きの先を読み、雪人が剣先から放つ霊力の奔流が狼牙を阻み。
押し流され、しかし倒れることなく着地した兵が体勢を立て直す――その間を与えることなく、続け踏み込む雪人が刃を一閃して切り伏せて。
その動きのままに、刃を大きく振り抜き周囲の兵を牽制し。
僅かな隙を縫って、雪人は戦場へと視線を巡らせる。
「侵掠すること火の如く。武田侵火隊、か」
その名に相応しい戦意を以って、進み、切り込み、押し通ろうとする朱鎧の天魔兵。
単純な戦力においてはディアボロスが勝っているとはいえど、その数と勢いは決して侮れるものではなく。
後方へと通してしまえば、この兵は間違いなく千早城に無視できない損害を与えるだろう。
「だからこそ、その進軍は食い止めさせてもらうよ」
ふっと小さく息を吐き、
飛び込んでくる新手の刃を半歩退きかわすと共に、振り抜く刃で切り伏せて。
印を結び、巡らせる刃に霊力を束ね。
倒れる兵の背後で、熱線を放とうとする兵を見据えて地を踏んで。
「阻め。ディバインゲイザー」
地へと走らせる刃が流し込む霊力は、この場に、この戦場に満ちる幾つもの力と共鳴し。
天翔ける竜の如き姿となって、天魔の放つ熱線を受け止め――それすら呑み込み力と変えて、兵を喰らいその先へと奔り抜け。
「このまま押し返して道を作るよ」
「ええ、切り込みます!」
そのエネルギーの奔流に並走するように――さらに速く、追い越すほどに。
眩く輝く雷光と共に裕樹が駆ける。
「や、ぁああああっ!」
雪人の術に切り裂かれ、足並みを乱した天魔兵の綻びを見切り。
地を蹴り、一瞬にて間合いを詰め。
雷光を纏い閃く斬撃は、天魔の刀よりも速くその身を断ち切り。
崩れ落ちるその脇を抜けて、さらに切り込む裕樹の刃が新手の刀と交錯し――、
「ふっ!」
受け止められるも、鍔迫り合いの体勢から刃を巡らせ、刀を巻き上げ。
返す刃の横薙ぎは、飛び退く天魔の胴を掠めるに止まるも。
「――燃え上れ、百合車」
止まることなく手にした『雷花』の力を開放し。
その刀身に雷光を纏わせ――束ねた雷光を刃として、その刀身を更に長く延長し。
「雷生炎花・百合車(ライショウエンカ・ユリグルマ)」
大きく振り抜く雷刃の一刀は、天魔の兵を纏めて切り裂き雷花の炎の中に飲み込んで――その雷花を切り裂く熱線を、雪人の刃が銀光を散らして切り払い。
続け、炎の残滓を突き破る狼牙を、すれ違いざまに切り伏せると共に。
左右へと閃く刃が地面に二つの傷を刻み――そこより奔る霊力の奔流が、回り込もうとする天魔の兵を薙ぎ払う。
「流石は和泉国領主の居城」
「兵士の士気も質も、中々のものですね」
止むことなく押し寄せる天魔の兵。
同時に、雪人と裕樹もまた、止まることなく術を紡ぎ刃を振るってその攻勢を押し返して。
弾け散る火花を潜り抜け、敵と切り結びながら、裕樹はそっと呼吸を整える。
相手の攻勢は激しくとも、ここまではまだ想定内。
【グロリアス】の残留効果と、積み重ねてきた戦いの経験を合わせれば、まだしばらくは――否。守るべきものがその背にあるならば、どれだけだって耐えて見せる。
――故に、
「梃子でも動かせると思わないでください」
決意と気迫と意地を刃に込めて。
裕樹は、雪人は、刃を握り敵を見据える。
「この身は全力を尽くして、千早城へと繋がる道を塞ぐ壁となり続けましょう」
「敵地であった千早城も、今はもう俺達の大切な城だ。破壊なんてさせるものか、絶対に守り抜いてみせる!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
ムカつく、なんかこいつらを見るだけでムカつくなる
分からないけど、ムカつく!あのな、『俺』の陣羽織はもっと—―
あれ?『俺』?なんで俺が…まぁいいか、一旦放置しよ
とりあえず冷静になれ俺、あっちは相手の拠点、もう防衛体制を作り上げたところだろ、そのまま突撃してもなんの成果も得られない
だったら安定の遠距離攻撃だ、この後に来る仲間たちのために、ここで先陣を切る
まずは【地形の利用】で隙を探す、どんな陣形でも必ず隙がある、ちょっとだけの隙でも、致命傷にある可能性がある
・・・よし、そこだな、ちょっとだけど隙が見えた
パラドクス起動!騎兵隊、突撃!そして全員、発射!敵に隙を与えるな!
「これでよし…あとは他の皆に任せるしかないな」
岸和田城の天守へと通じる連絡通路。
天守への道を切り開かんと駆ける音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)へと、防衛陣の内より天魔の兵が銃を構え。
『ここを通すな、食い止めろ!』
「いいや、通してもらう!」
一斉に放たれる銃弾を見据え、両手に握る大小二刀の刃――『無想』と『蒼炎』が閃き、無数の銃弾を切り払い。
続けて身を沈め、的を絞らせぬようジグザグに地を蹴り。
さらに次弾が放たれる瞬間、大きく跳躍し――壁を足場として切り込むサカハの刃を、一瞬で姿を変える天魔兵の刃が受け止める。
「っ、その恰好は――」
『どうした? 『俺』の事は、お前もよく知ってるだろう?』
相手にとって戦いづらい存在に変化する『影法師の業』にて姿を揺らがせ。。
眼を見開くサカハの瞳を、交わす刃の先から笑みを浮かべて見返すのは、天魔の兵が変じたもう一人の『サカハ』。
同じ二刀をその手に握り――しかし身に纏うのはサカハとは異なる陣羽織。
「――っ!」
(「ムカつく、なんかこいつらを見るだけでムカつくなる」)
その姿に言いようのない苛立ちを覚えながら、歯を食いしばって敵を見据え。
続けざまに閃く四振りの刃が交錯し、互いの間で火花を散らし――飛び退く兵へと、周囲からの銃弾を切り払いながらもさらに踏み込み、突き込む刺突は受け太刀を砕いて相手を貫いて。
「分からないけど、ムカつく! あのな、『俺』の陣羽織はもっと――?」
ふ、と。口を突いて出た言葉にサカハは目を瞬かせる。
「あれ? 『俺』? なんで俺が……」
自身も知らない過去の記憶。
あるいは、相手が写し取った姿はそれに関係しているのかも知れないけれど。
「……まぁいいか、一旦放置しよ」
僅かに首を傾げながらも、胸に渦巻く思いは吐息と共に吐き出して。
小さく苦笑しつつサカハは飛び退き、天魔兵から距離を取る。
「とりあえず冷静になれ俺、あっちは相手の拠点、もう防衛体制を作り上げたところだろ、そのまま突撃してもなんの成果も得られない」
脇差を鞘に納め、続けて抜き放つサモンデバイス『アズールフレイム』をガジェットウェポン『コード:DAWN FALL』と接続して射撃戦モードへと変化させて。
「だったら安定の遠距離攻撃だ、この後に来る仲間たちのために、ここで先陣を切る」
そのまま引き金を引き絞り、銃撃戦を交わしながらもサカハは敵陣へと視線を走らせる。
床や壁に作られた不規則な段差や、各所に設置された障害物による即席のバリケード。
逆説連鎖戦である以上、それらは決定的な差をもたらすものではないけれど。
それによって作り出される隙が、一手でも、半手でも……例えちょっとだけの隙であったとしても。
その差が、積み重ねが、致命傷になる可能性は十分にある。
そして――それは相手にとっても同じこと。
どんな陣形であっても必ず隙はある。それが急造の陣形であればなおさらに。
(「よく見ろ。相手の動きを、その隙を」)
手を止めることなく、しかし無理に切り込むことなく。
サカハと天魔の二種の銃弾が交錯する中で、相手の動きへと意識を集中し。
銃弾を放ち、かわし、弾いてさらに撃ち込んで――、
「……よし、そこだな、ちょっとだけど隙が見えた」
攻撃から防御に、回避から移動に、攻撃に。
天魔兵が動きを切り替える瞬間に生まれる僅かな間。
その隙間を縫って、サカハが続けざまに放つ蒼炎の魔弾が天魔兵の足並みを乱し、僅かな綻びをより大きく広げ――その機を逃すことなく、サカハは握る太刀を天へとかざす。
「パラドクス起動! 来い、栄光ある騎兵隊!」
呼び声に応えるように空間が揺らぎ、現れるのはマスケット銃とサーベルで武装した騎兵隊型の操り人形。
「騎兵隊、突撃! 俺に続け!」
呼び出す騎兵隊を背後に従え、切り込むサカハの斬撃が。
続けて駆ける騎兵隊が突撃の勢いも載せて振るうサーベルが。
重ねて放つ無数の斬撃が、防衛陣の綻びへと突き刺さり――貫き、砕き、踏み破り。
――そうして、敵陣の中央へと踏み込む直後、
「そして全員、発射! 敵に隙を与えるな!」
その動きのままに身を翻し、抜き放つ銃撃に重ねて騎士たちの放つ銃弾が、内より防衛部隊を切り裂き、撃ち抜いて。
「――これで!」
再度姿を変えて切りかかる天魔兵の刃を、僅かに身を逸らしてかわすと共にすれ違いざまに切り伏せて。
崩れ落ちる相手の背後、撤退してゆく兵士の姿にサカハは小さく息をついて呼吸を整える。
「これでよし……あとは他の皆に任せるしかないな」
この先から天守閣まで、防衛陣がいくつあるかはわからないけれど。
それでも――まずは一つ、踏み越えた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
守都・幸児
※アドリブ、連携歓迎
また人柱か
酷えことしやがる
まずは戦闘のどさくさに紛れて城内に潜入
ヒルコを救出に向かう
ついでに後の防衛拠点戦に役立つよう
城内の敵の防衛体制を可能な限り覚えながらヒルコたちを探すぞ
道中敵に見つかったら鬼神変で鉄骨をぶん回し突破する
今は敵の殲滅よりヒルコ探しが優先だから最低限の戦闘ですり抜けてやるぞ
ヒルコを見つけたら「鬼神変」で腕を強化
【怪力無双】の力も乗せて、埋められてる壁をぶち壊す
もちろんヒルコが怪我しねえように極力注意してな
新宿島の現場を手伝うときにいろんな素材の壁を扱ってるから
どの程度の力でどう叩けば壁が壊れるかは大体わかる
新宿島から柔らかい毛布かなんか持ち込んでおいて、壁を壊す間はヒルコの頭を覆っておいてやろう
すぐ助けるから、ちょいと我慢しててくれな
…生き埋めは苦しいから
一刻でも早く助けてやりたい
あれ、なんで俺そんなこと知ってんだ
まあいいか
ヒルコを助け出せたら他の人柱の位置に心当たりがねえか聞き
次の人柱の救出へ向かう
ヒルコが歩けねえようなら【怪力無双】で担いでくぞ
「『――っ!!!』」
千早城より岸和田城へと足を踏み入れて。
天守を目指すディアボロスと、それを阻まんとする天魔兵と。
両者が響かせる剣戟の音を背後に聞きながら、岸和田城の城内を守都・幸児(祥雲・g03876)は静かに駆ける。
その足が目指すのは、城主たる淀殿が控える天守閣――ではなく、
(「また人柱か……酷えことしやがる」)
岸和田城に人柱として埋め込まれ、生命エネルギーを奪われているヒルコ達。
奪われた力が淀殿へと送り込まれれば、決戦においてその力を数段高めることになる以上、ヒルコ達の救出もまた和泉国の開放のためには必須条件。
とは言え――その条件が無かったとしても、虐げられている人々を放っておくつもりなどありはしない。
「……生き埋めは苦しいからな。一刻も早く助けてやらないと」
(「あれ、なんで俺そんなこと知ってんだ? ……まあいいか」)
はて、と首を傾げながらも、気を緩めることなく周囲の状況を探り。
事前に聞いた情報と重ね合わせて、目的地へと幸児は急ぐ。
(「今は敵の殲滅よりヒルコ探しが優先だから、戦闘は最低限ですり抜けないとな」)
呼吸を沈め、気配を殺し。
走り、身を隠し、回り込み――出会い頭の天魔の兵を、振り抜く鉄骨で打ち倒し。
「……よし、と」
声をあげる間もなく崩れ落ちる兵を見下ろし、続けて周囲へと視線を走らせて。
戦いに気付かれた様子がないことを確認すると、幸児は軽く息をつく。
天魔兵の防衛陣は天守閣へ続く道に集中しているのか、そこより離れた人柱への守りは皆無と言ってもいいほどに薄い。
「ここからじゃ防衛体制はわからないが……まあ、ヒルコ達を抱えて脱出しようとするなら好都合、か」
小さく苦笑して目の前の扉に手をかけ――押し開けた、その先の光景に幸児は知らず息をのむ。
「――っ!」
薄暗い城内の一角。その壁に並べて埋め込まれているのは、老若男女が入り混じるヒルコ達。
埋められ生命力を奪われた消耗からか、壁の中からのぞかせる顔は弱々しく瞳を開くのみで、声を出すことすら叶わず唇を震えさせ――、
「酷えことを……もう大丈夫だ」
その瞳に目を合わせ、安心させるように語り掛け。
ヒルコの頭を柔らかな毛布で覆うと、幸児は拳を握り締める。
「すぐ助ける。土埃が立つから、ちょいと我慢しててくれな」
固めた拳で壁を叩き、その反響から壁の強度を読み取って。
新宿島で重ねてきた現場作業の経験から、砕け方を推測し――、
(「どの程度の力でどう叩けば壁が壊れるかは大体わかる。できる限り手早く、けれどヒルコに怪我はさせねえように注意して――ここだ!」)
握る拳が闇に染まり、異形の鬼腕を作り出し。
無双の力を乗せて、打ち込む拳の連打が壁へと突き刺さり。
――ビシリと音が響いた直後、刻まれた無数の拳跡から縦横にヒビが走る。
「っと。ひとまずはこれで良し」
崩れ落ちる瓦礫を腕を振り抜き払いのけ、幸児は壁の中からヒルコの体を引き出して。
そうして、毛布の上へと寝かせたヒルコに怪我が無いことを確かめると、幸児はほっと息をつく。
「大丈夫……とは、言えねえか」
言葉を交わすこともできない程に衰弱こそしていても、その呼吸に乱れは無く。
安全な場所で安静にすることが出来れば、一先ず命にかかわるようなことは無いだろう。
――とは言え、ここは手薄とは言えども天魔の居城。
消耗しきったヒルコ達では、安静にするにしても脱出するにしても危険は大きい。
故に、
「よし、それじゃ――行くか!」
ぱしり、と拳を打ち合わせて気合を入れなおし。
幸児はヒルコ達をその背へと担ぎ上げると、聞こえてくる戦闘音を避けるようにして走り出す。
「もうひと頑張りだ。すぐに安全な場所まで連れて行ってやるからな」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
ここまでは、何とか持ち堪えられている。
引き続き【防衛ライン】を維持しつつ、更に機を見て押し返していこう。
ここは俺達の城の中、好き勝手暴れさせてなるものか!
敵に攻め入る隙を与えないため、
引き続き仲間と声を掛け合い連携して対処したい。
敵の動きを制限し、
可能な範囲で狙いを合わせ確実に数を減らしていこう。
油断なく敵の動きを【反撃アップ】で観察し、
動きの先を読みながら『五月雨撃ち』のパラドクスを使用する。
パラドクスの力を掌に集約、和弓から無数の矢を放ち、
戦場を駆ける敵を追尾して、【ダメージアップ】な攻撃で仕留めていく。
パラドクスの選択は、多数の敵への対処に適しているというのもあるけれど、
後の為に効果を残したいというのもある。
ヒルコ達は敵地に埋められた状態だ。
救出後の安全を考えれば、千早城に連れて来て保護する必要があると思う。
【フライトドローン】があれば、ヒルコ達の運搬にもきっと役立つだろう。
そして敵軍を一掃すれば、通路の安全も確保できる。
より良い結果へと繋げられるよう頑張りたい。
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
今のところは上手く防げているでしょうか、もう一押しですね。
今一度仕掛けて完全に攻勢を止めさせてもらいましょう。
千早城、守り切ってみせます!
仲間がいるなら【パラドクス通信】を用いてより連携を密に行い【防衛ライン】を越えられないように戦います。
『武田侵火隊』の剣技は見せていただきました、こちらもお返しで更なる剣技を披露しましょう。
《雷光刀『雷花』》を引き続き振るいます。
今回の剣技は威力重視です、討ち漏らしが無いように確実に討ち取るつもりでいきます。
そちらが「侵掠すること火の如く」なら……こちらは「動くこと雷霆の如し」です。
火にも負けない雷の激しさをここに見せましょう!
霊力と雷撃と、斬撃と熱線と。
ディアボロスと天魔の、力と業がぶつかり合い――、
「『――っ!』」
その余波を突き抜ける狼牙を、身を沈める文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)の刃が潜り抜けざまに断ち切り。
続け、崩れ落ちる兵士を踏み越える新手の刀を、半瞬速く飛び退きかわすと共に、
「――雪月花」
「雷光刀『雷花』」
雪人が閃かせる白銀の刀から放つ霊力の斬撃が追撃を牽制し。
同時に、入れ替わるように切り込む野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)の刃が雷光を纏う。
「――ふっ!」
踏み込み、放つ一閃が赤熱する刀を弾き上げ――止まることなく翻る一刀が兵士の胴を薙ぎ払い。
弓へと持ち替えた雪人の射撃の支援を受けながらも、さらに前へと駆ける裕樹が続く兵士と刃を交錯させる。
「ここまでは、何とか持ち堪えられているね」
「他の場所も、今のところはうまく防げているでしょうか、もう一押しですね」
その手を、脚を、止めることなく。
パラドクス通信を介して、他の場所で戦う仲間達とも連携を取り合って。
押し寄せる天魔の攻勢を受け止め、押し返す度に防衛ラインを前へと再展開し。
雪人の弓が、裕樹の刃が、少しずつ――しかし確実に、その脅威を千早城から遠ざける。
この場を守り切るまで、もう一押し。
無論、背水の覚悟で迫る敵の勢いは、それを容易く許してはくれないけれど。
――ディアボロスの力と覚悟がそれに劣ることもまた、ありはしない。
「ここは俺達の城の中、好き勝手暴れさせてなるものか!」
「今一度仕掛けて完全に攻勢を止めさせてもらいましょう。千早城、守り切ってみせます!」
継戦の疲労と消耗を、思いと気迫で振り払い。
得物を握り、敵を見据え、地を踏みしめ。
「これくらいっ!」
左右から、正面から、続けざまに切り込む兵士の刃を、更なる速さと鋭さで閃く裕樹の雷刃が打ち払い。
続く赤熱の刃を半歩退き合わせる雷刃で絡め取り――弾き飛ばすと共に、さらに踏み込み放つ一閃が胴を切り裂いて。
それに続け、
「そこだね。見えているよ」
崩れ落ちる兵士の背後から新手が放つ熱線を、その動きの先を取る雪人の霊弓が撃ち抜き。
爆ぜ散る霊力と熱波の風の先を見据え、雪人が鋭く息を吐き霊気を巡らせる。
右手で結ぶ刀印を素早く宙へと走らせ、術を構成し、その掌に霊力を集約し――形成するのは、霊力を束ねた一本の光矢。
その矢を和弓へとつがえ、引き絞り、
「正鵠を射抜く――五月雨撃ち」
言葉と共に撃ち放つ一矢は、放たれた直後に無数の矢へと変わり。
その軌道を自在に変化させながら空を裂く霊矢の雨が、戦場を駆ける天魔兵の刀を、狼の牙を、砕き貫き降り注ぎ――、
『っ、だが――!』
「――ええ、まだです!」
無数の矢に貫かれながらも叫び駆ける兵士へと、負けじと気を吐く裕樹が雷刃を振りかぶる。
「『武田侵火隊』の剣技は見せていただきました」
傷つき、押し込まれようとも怯むことなく攻勢をかける、炎の如き闘志。
おそらくは、これこそが彼らの――『火』の名を関する武田の天魔兵の本質。
ならばこちらもまた全力で、更なる剣技で打ち破る。
「お返ししましょう。そちらが『侵掠すること火の如く』なら……こちらは『動くこと雷霆の如し』です」
言葉と共に、握る『雷花』の力を最大まで開放し――その刀身に纏わせる雷光を、意図的に暴走させるほどに強め。
暴走し、荒れ狂う稲光を、魔力付与と電撃使いの二つの力を以って無理矢理に刀身へと固定。
「引き千切れ、『雷花』――雷光刀覚醒・迸雷爪!」
刃に、そして全身に雷光を纏い、切り込み放つ一刀は、受け太刀もろともに天魔を切り裂き。
続け、その先へと切り込む二の太刀は寸前で割り込む刃に受けられるも――そのままさらに踏み込み、振り抜く刃が受けた相手を弾き飛ばし。
(「今回の剣技は威力重視です、討ち漏らしが無いように確実に討ち取るつもりでいきます!」)
「火にも負けない雷の激しさをここに見せましょう!」
僅かに身を沈め、鋭く息を吐き、踏み込む脚が地を砕き。
雷速で閃く斬撃が、体勢を崩した兵を――さらにその背後の兵を、二体纏めて切り伏せて。
その勢いのままに、大きく薙ぎ払う刃と雷撃が周囲から切り込もうとする兵を牽制し。
たたらを踏んで動きを乱した兵の脚を、続けざまに放つ雪人の矢が地へと縫い留めて。
――そうして作り出した、一瞬の間に、
「「は――ぁあああっ!」」
纏う雷撃の力を全開にして、切り込む裕樹の刃が敵群を縦横に切り裂き。
大きく引き絞る弓へと渾身の霊気を収束する雪人の矢が、嵐の如く降り注ぎ。
雷霆が、五月雨が、走り抜けたその後には――天魔の火は、一片の火の粉すら残ることは無く。
「……これで」
「ひとまずは、ここは大丈夫かな」
小さく息をつく裕樹に頷きを返し、自身もまた静かに息をつくと雪人は握る和弓を空へとかざす。
一先ずはこの場の防衛は成し遂げた。ならば次の為に、後に続く者の為になすべきことを。
「敵地に埋められ、消耗したヒルコ達の救出後の安全を考えれば、千早城に連れて来て保護する必要があるだろうからね」
城の奥へと続く道を見通し、放つ一矢は風を裂いて空を走り――弾けるようにして無数の光へと変じると、空間へと溶け込むように消えてゆき。
その光が世界に刻み残すのは【フライトドローン】の残留効果。
「これがあれば、救出後の移動にもきっと役立つだろう」
「そして、敵群を一掃すれば通路の安全も確保できますか」
「そう言うことだね」
刀を握りなおす裕樹に頷きを返し、雪人は通路の先へと視線を向ける。
救出に向かうか、あるいは敵兵との戦いに向かうか。
どちらを優先すべきかは、考える必要があるけれど。
「より良い結果へと繋げられるよう、頑張ろう」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
テラ・ウィンディア
ヒルコの子達が生き埋めにされてる…流石にそれは酷すぎるんじゃないかな…!
淀君って奴恐ろしいな!
【戦闘知識】
岸和田城の構造と状況を把握してヒルコの位置を分析するぞ
【光学迷彩・通信障害・飛翔】
彼奴ら通信とかできそうだから通信妨害しておくぞ
光学迷彩で飛びながら音を立てずに侵入してヒルコさん達を探し出すぞ
【怪力・念動力】
ヒルコが埋まってる所を掘り起こして救出して運ぶぞ
大丈夫だ…おれにしっかり捕まってろっ!
このまま脱出するからな!
という訳で見つけたヒルコ達はきちんと運んで安全な場所へ向かうぞ
沢山いても重力制御で運ぶんだぞっ
【破壊・誘導弾】
邪魔な壁とかは影翼闇光砲を打ち込んで壁に穴をあけて脱出するぞ!
お城にダメージを与えつつ脱出もスムーズにだっ!
…うん、おれあんまり頭良くないからこういう力技になっちゃうぞ…!
見つかった時は重力障壁を展開してヒルコ達を庇って逃げるぞ
……ちょっとおれよりも小柄な人達がいるのは何だか新鮮だな…!だけどこんなひどい目にあってるなんて…こんなのが世界を救う手段なんて認めないぞ
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
【パラドクス通信】で仲間と連絡、全体の状況を確認する
壁に埋められたヒルコ達は、幸児が救出してくれたのだね
ありがたい知らせにほっとしつつも、まだ油断はできない状況だ
俺もまた急いで幸児に合流し、救援を手伝おう
ヒルコ達に声をかけて勇気付けつつ
衰弱した彼らの苦痛を【活性治癒】で和らげたい
皆さんお怪我はありませんか?
皆さんの事は、私達ディアボロスが絶対に助けます。
大丈夫、私達の城はもうすぐそこ、どうぞ安心して付いてきて下さい。
ヒルコ達は何人いるのだろう
怪力無双でも一度に抱えられる人数には限りがありそうだし、機動力も考えて
ここは【フライトドローン】に乗せて運べればと思う
敵の防衛部隊と交戦する仲間に情報を貰って敵の位置を把握
慎重に敵の居ない安全なルートを選びながら千早城へと向かいたい
もし仮に敵に発見されたり、流れ弾等の危険がある場合でも
クダ吉と共にヒルコ達を庇い、絶対に傷つけさせない構えだ
城に着いたら備蓄してある物資を使って十分にケアを
布団に寝かせ、お粥など消化のいい食事も用意しよう
「この通路は制圧済みで、そっち側は救出済みで……」
「この先で壁に埋められたヒルコ達は、幸児が救出してくれたのだね」
ディアボロスと天魔兵の剣戟の響きを背に、岸和田城の通路を静かに渡り。
事前に集めた情報にパラドクス通信を介して伝わる状況を重ね合わせ、テラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)と文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は頷き合う。
この地で――千早城と岸和田城、二つの城を巡り戦うディアボロスの仲間達。
城へと攻め入る天魔の兵を迎撃し、天守への道を切り開き、囚われているヒルコ達を救出する。
幾つもの目的に向けて皆が全力を尽くし、一つずつ、少しずつ、達成を重ねて。
今はまだ遠くとも、ディアボロス達の手は確実に本丸まで近付いている。
「そうすると……うん、作戦は上手くいっているようだね」
既に仲間が救出を済ませた通路へと視線を走らせ、各所からも聞こえてくるありがたい知らせも合わせてほっと安堵の息をつき。
そうして――雪人は一度息を吐くと、表情を引き締める。
戦況は良い流れになっているとは言え、まだ油断は出来ない状況。
淀殿を討ちこの地を開放するまで、安心するのはまだ早い。
「俺達もまた急いで救出に向かわないとな」
「そうだな……うん、こっちはまだ誰も向かってないはずだぞ」
岸和田城の作りと仲間達から伝わる情報から、ヒルコが囚われている場所に辺りを付け。
雪人は、テラは、視線を交わして頷き合い。
「速くヒルコさん達を探し出して助けてあげないとな」
「ええ、急ぎましょう」
ふわり、と宙へと身を浮かせるテラが光学迷彩を纏い、音も立てることなく空を走り。
携えた刀に手をかけたまま、足音を殺す雪人が影から影へと通路を駆ける。
通路を抜け、角を曲がり、階段を下り――城内を駆ける天魔の兵を、身を隠してやり過ごし、あるいは速攻をかけて打ち倒し。
そうしてたどり着くのは、一つの大きな扉。
「ここだな」
「待って……うん、大丈夫」
「よし、それじゃ――急ぐぞ!」
扉に手をかけるテラを、雪人が僅かに押し留めて周囲と内部の気配を探り。
頷き返せば、魔力を纏ったテラが体ごと扉を一息に押し開けて――、
「これは……」
「ヒルコの子達が生き埋めにされてる……流石にそれは酷すぎるんじゃないかな……!」
そこに広がる光景に、雪人は静かに表情を曇らせ、テラも目を見開き息を呑む。
頭だけを出すようにして、岸和田城の壁へと埋め込まれた幾人ものヒルコ達。
誰もがものを言うことすらできない程に衰弱しながらも、その命脈はまだ、か細いながらも紡がれてはいる。
とはいえ――それは、『まだ』ということでしかない。
今はまだ、命を紡ぐために必要な最低限の生命力は、岸和田城から与えられてはいるけれど。
ディアボロスとの決戦の時が来れば、淀殿は躊躇うことなくヒルコ達の命を吸い上げ自分の力と変えるだろう。
「淀君って奴恐ろしいな!」
「ええ、本当に……けれど、間に合いました」
人柱とされたヒルコ達の姿に、テラと雪人は息を吐き。
――けれど、その手も思考も止めることなく、
「ああ、すぐに掘り出してやるぞ!」
テラが抜き放つ闇色の小剣を壁へと突き立て――そのまま刃へと重力を纏わせ壁を切り裂き、断ち砕き。
それと並行し、雪人が広げた毛布の周囲に小刀で床に陣を刻み込み、作り出すのは簡易的な活性治癒と休息の場。
「よい、しょっ!」
「皆さんお怪我はありませんか? もう、大丈夫ですよ」
続け、鍛えた力と念動力を合わせてテラが壁から引き出すヒルコ達を、そっと受け取る雪人が汚れを拭って毛布の上へと横たえて。
「祓へ給ひ、清め給へ」
紡ぐ祓詞と共に、取り出す符を胸へと添えれば。
淡く光を放つ破邪治癒符の霊気がヒルコ達を包み込み、消耗した体を賦活して生命力を補って。
手早く体の様子を確認すると、雪人は小さく安堵の息をつく。
「怪我の様子は無し……一先ずは、命に別状は無いようだね」
「……ちょっとおれよりも小柄な人達がいるのは何だか新鮮だな……! だけどこんなひどい目にあってるなんて……こんなのが世界を救う手段なんて認めないぞ」
眼を閉じて、浅く……しかし、安定した呼吸を繰り返すヒルコ達の姿に、テラは幾度となく頷き、拳を握りしめる。
あるいは、天魔武者にも彼らなりの道理はあるのかもしれない。
けれど――自分やヒルコ達がそれを受け入れ、虐げられなければならない道理はない。
「早く、ここから連れ出してやらないとな」
「とはいえ、歩くのはまだ辛いだろうから……ここはドローンを使おうか」
だから、と。頷き合い。
テラの念動力と、雪人が呼び出すフライトドローン群がヒルコ達の体を静かに浮かせて。
そのまま速やかに廊下へと――踏み出す雪人の耳に聞こえてくるのは、通路を駆ける無数の天魔兵の足音。
「っ、気付かれた――クダ吉!」
その音に一瞬歯噛みし、しかし、即座に思考を切り替え刀へと手をかけ。
クダギツネ『クダ吉』と共に地を蹴る雪人の刃が、角を曲がる天魔兵を得物を構えるより早く切り伏せて。
「今のうち――こっちです!」
「了解だぞ!」
パラドクス通信を介して仲間達へと呼びかけ、わかる限りの敵味方の位置情報を把握して。
雪人が通路の先を指させば、それに頷きを返すテラが全身に魔力を巡らせて――、
「通して――」
「――もらうぞ!」
二人が同時に展開する結界術と重力障壁が後続の天魔の銃弾を受け止めて――その隙を縫って、翔けるテラがヒルコを乗せたドローンを先導するようにして飛翔する。
「皆さんは、絶対に傷付けさせません」
「大丈夫だ……しっかりつかまってろ」
前を見据え、守るべき存在の重みを背中に抱き。
背後から、正面から、続けざまに撃ち込まれる銃弾を、さらに力を振り絞って展開する二つの防壁で受け止め。
同時に、壁の裏から雪人が放つ術符が追撃をかけようとする天魔へと張り付き、効果を逆転させて打ち倒すと共に、
「闇よ……星の力よ……我が手に集いて全てを潰す力を……!」
正面に立ちふさがる天魔兵を見据え、闇の精霊へと呼びかけるテラの背に展開するのは二対の闇の翼。
その翼を通して集う超重力の闇を、前へとかざす両の掌へと集束して狙いを定め。
集束し、圧縮し――解き放つ一瞬、巻き起こる闇が相手の視界からテラの姿をかき消して、
「出力最大……! 影翼闇光砲(シルエット・ダーク・ブラスト)!! お城にダメージを与えつつ脱出もスムーズにだっ!」
渾身の魔力をこめて放つ超重力収束砲が、天魔兵を――さらにはその背後の壁をも貫き、道を作り出し。
「……うん、おれあんまり頭良くないからこういう力技になっちゃうぞ……!」
「とは言え、おかげで道は拓けた。追いつかれる前に急ごうか」
「ああ!」
苦笑しつつも道の先へと飛び込むテラに、雪人は笑みを返し。
振り返りざまに背後へと放つありったけの符で、追撃をかける天魔達の足を鈍らせて――そうして稼いだ間に、雪人もまた道の先へと身を翻す。
ディアボロス達が確保した安全圏まで、千早城まで、あと少し。
そこまでたどり着くことができれば、暖かな布団も、食事も、十分なケアをヒルコ達に与えることができる。
だから、それまでは――この身に変えてでも、ヒルコ達には傷はつけさせない。
「大丈夫、私達の城はもうすぐそこ、どうぞ安心して下さい」
「このまま脱出するからな! もうちょっとの辛抱だぞ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
神山・刹那
伊達政宗?
いや、似てるだけか
徳川の世を転覆させようとすらした希代の英傑がこんなか小粒な訳もなし
偽物だかコスプレだか知らんが、雑魚にようはない
さっさと突破させてもらうぜ
鏡写転射でこちらのパラドクスを真似てくるのなら、気にすることなく速度を更に上げ、残像を残しながら大地を爆発させるように力を込め、全身の力を使ってフェイントなど織り交ぜることなく一気に距離を詰め、すれ違い様に斬り捨てる
「真似れば勝てる?あいにくその程度で破れるほど俺の歩んできた道は優しい道じゃない。どんなに優れてようが所詮模倣。本物の独自性と創作性の前に容易く地金を晒す。それに、自分の剣だぜ?太刀筋なんて目を瞑ってもわからぁな。失せろ。お前ら如きじゃ、俺の相手に釣り合わねぇよ」
岸和田城が城内通路。
天守閣へと続くその一角にて、切り込むディアボロスと防衛陣を敷く天魔の兵は刃を交える。
「『――っ!』」
前へと切り込む神山・刹那(梟雄・g00162)へと、続けざまの銃撃が走り。
しかし怯むことなく、左右に地を蹴り、銃弾をかわし、切り払い、潜り抜け――、
「伊達政宗? いや、似てるだけか」
見据える敵の姿に、刹那は僅かに眉をひそめて首を振る。
兜に付けた三日月の前立て、片目を覆う黒の眼帯。
それは、誰もが知る英傑『伊達政宗』の特徴ではあるけれど――だからこそ、
「徳川の世を転覆させようとすらした希代の英傑がこんな小粒な訳もなし。偽物だかコスプレだか知らんが、雑魚に用はない。さっさと突破させてもらうぜ!」
小さく苦笑し――直後、鋭く息を吐くと共に一息に距離を詰め。
次弾を放つよりも速く閃く刹那の刃が、握る銃もろともに天魔兵を切り伏せて。
その脇をすり抜けさらに先へと切り込むも――その脚を、防護柵越しに走る銃弾が牽制し。
続け、銃弾に並走するように切り込む天魔の刃が刹那の刃と切り結び。
火花を散らす刃と刃が、刹那と天魔の互いの身を背後へと弾き返す。
「成程な、これが防衛陣か」
着地すると同時に刃を走らせ、追撃の銃弾を切り払い。
敵の陣容へと再度視線を走らせ、刹那は小さく口角をあげる。
不規則に配置された柵や障害物で動きを鈍らせ、同時にその隙を狙えるよう布陣した天魔兵達。
逆説連鎖戦において、布陣が戦況に与える影響は決して大きなものではないけれど、無視できるほど小さいものでもない。
――そして、
「『――っ!』」
地を蹴る刹那が放つ斬撃と、二つ重ねて走る天魔の斬撃が同時に閃き。
鏡に写し取ったかのように同じ軌跡を描く三つの剣閃が交錯し、互いの肩に、頬に、浅いながらも無数の傷を刻み付ける。
『わかるだろう? これはお前の剣だ』
『そして、この状況の意味もわかるだろう?』
互いに飛び退き距離を取り。
刀を構える刹那を見据え、同じ構えで天魔兵達は笑みを浮かべる。
天魔兵『梵天隊』の操る、相手のパラドクスを模倣して返す鏡写転射の術。
単体の戦力としては刹那に劣れども、有利な陣形を組み、同じ術理の剣を操り、数で勝る状況を作り出したならば――。
――否。
「その程度で俺を切れると思っているなら、舐められたもんだ」
左右から切り込む刃を、正面から走る銃弾を。
さらに深く、鋭く、意識を集中して見据え。
刹那の身が沈み込み――瞬間、
「真似れば勝てる? あいにくその程度で破れるほど俺の歩んできた道は優しい道じゃない」
地面が爆ぜたかと錯覚するほどの踏み込みで地を穿ち。
その背後に残像を残し、銃弾よりも速く刹那は駆ける。
「どんなに優れてようが所詮模倣。本物の独自性と創作性の前に容易く地金を晒す」
鏡写しの剣を振るう二体の天魔を正面から見据え。
フェイントなど織り交ぜることなく、速く、真っ直ぐに距離を詰め。
指先から爪先まで、全身の力を一つに束ね――踏み込み、放つのはただ一刀。
「奥義、朱雀」
防衛陣を踏み越え、刃を振り抜く体勢から身を起こし。
静かに呟く刹那の背後で、すれ違いざまに断たれた天魔の体が、防護柵や障害物が、音も無く崩れ落ち。
残敵がいないことを確かめて刃を鞘に納めると、刹那は苦笑を浮かべて柄を叩く。
「それに、自分の剣だぜ? 太刀筋なんて目を瞑ってもわからぁな」
天魔が振るった剣は、刹那の剣の術理そのもの。
だからこそ、それで刹那を切ることなどできるはずもない。
「失せろ。お前ら如きじゃ、俺の相手に釣り合わねぇよ」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【神速反応】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
守都・幸児
喩嘉(g01517)と連携して戦う
よくもヒルコたちを酷い目にあわせやがったな
報いは受けてもらうぞ
ヒルコたちを安全な場所に隠したら
その足で敵兵たちを背後から強襲
喩嘉の歩兵たちと連携し、挟み撃ちするぞ
俺の使う技は「プラズマスマッシュ」
電撃を鉄骨に乗せて敵を【薙ぎ払い】、喩嘉の歩兵たちに集中してた敵を不意打ちで混乱させてやる
城内の通路が主な戦場になるなら
その限られた狭さも利用してやる
通路の幅いっぱい使って鉄骨をぶん回し
敵が通路を通れねえように、通ろうとすれば必ず鉄骨に当たるように仕向けてやる
そんなに人柱が欲しけりゃ
てめえらが壁にめり込みやがれ
喩嘉がPOWで狙われた場合はディフェンス
伊達偽術とやらで刀と銃を使う連中の攻撃は厄介だが
どっちの武器を使おうと、足の動きは変わらねえはずだ
そこを狙って鉄骨で打ち据える
鏡写転射は真似できるもんならやってみやがれってところだな
新宿島くらい頑丈な鉄骨が天正大戦国にあるんならよ
影法師の業は
使われても、間違えねえ
この城獲り合戦はやり通す
…言い出しっぺは、俺だからな
喩・嘉
幸児(g03876)と連携し戦う
アドリブ歓迎
防衛体制は万全。そこに攻め込むには策がいる、か。任せろ
羽扇を振るい歩兵部隊を召喚し、指揮を取って「幻鶴翼陣」を使用する
俺の指揮する歩兵部隊は決して怯まないぞ
【未来予測】を活用して敵の動きを見て、先手先手をとっていく
【ダメージアップ】で与えるダメージを底上げし、敵を撃破
とにかく正面から押し込んでやる
「敵に考える暇を与えないほど攻撃に徹しろ」
「一点集中突破だ」
と、
……なーんてな
こちらに意識を集中させた敵の背後を突くのは一騎当千の猛将だ
内側からぶち壊してやれ、幸児
幸児がWIZで狙われた場合はディフェンス
こいつは「戦いづらい相手や存在に変化する」のか
俺の戦いづらい相手って言ったら幸児くらいしか思い浮かばないが
他の誰かを幸児と見間違うことはない
例えどんな一瞬であってもな
貴様らとは、すべてが違いすぎる
「さて、始めるか」
岸和田城の天守へと通じる通路。
その道を阻むように作られた防衛陣を見据え、喩・嘉(瑞鳳・g01517)が羽扇を横へと振るい。
それに応え時空が揺らぎ、現れるのは、過去に消えた歩兵達の幻影。
「幻鶴翼陣。数は力だ。弓兵、放て――歩兵部隊、突撃」
鶴翼の陣を形作る兵士達が、羽扇を振るう喩嘉が飛ばす指示に応えて武器を構え。
放つ弓の連射が天魔の連携を切り崩し、その機を狙って駆ける歩兵の刃が防衛陣へと走り。
――しかし、その一斉攻撃を天魔の銃が、刃が、受け止め、弾き、押し返し。
「いや、まだだ。俺の指揮する歩兵部隊は決して怯まないぞ」
退く先へと追撃をかける銃撃を喩嘉の風撃が打ち払うと共に、爆ぜ散る風の残滓を突き破る歩兵が刃を振りかぶる。
「一点集中突破だ。敵に考える暇を与えないほど攻撃に徹しろ」
『そんな力押しなど!』
喩嘉も、天魔も、互いに一歩も退くことなく。
手を止めることなく扇を振るい幻影の兵団へと指揮を飛ばし、銃を放ち刃を振るい――、
(「なーんてな」)
真正面からの激闘を作り出しながら、喩嘉は小さく笑みを浮かべる。
通路の造りと、配置した柵や荷物の障害物による急造の防衛陣。
それらは、単体で見るならば決して突破できないものではない。
けれど、一手か、半手か、あるいはそれ未満であろうとも――突破のために攻め手を鈍らせれば、その隙を天魔兵が逃すことなく突いてくる。
急造であれども付け焼刃ではなく、鉄壁でなくとも張り子でもない。
地の利を持った本拠地だからこそ可能な、即席の防衛陣。
だが――そうした陣の攻略は、喩嘉にとっては得意とするところ。
陣の敷き方も、攻略法も、軍師として生きる中で幾度となく積み重ねてきたのだから。
「防衛体制は万全。そこに攻め込むには策がいる、か。任せろ」
堅固な陣を破る手段は無数にある。持久戦も、波状攻撃も、場合によっては真正面からの力押しもまた一つの手。
その上で、選ぶのは陽動による挟撃策。
正面突破と思わせるほどの攻勢で相手の意識を引き付け、時間を稼ぎ――そうして、
(「こちらに意識を集中させた敵の背後を突くのは一騎当千の猛将だ」)
「内側からぶち壊してやれ、幸児」
「――応!」
パラドクス通信を介した喩嘉の呼びかけに、力を込めて応えを返し。
防衛陣の背後の壁を突き破り、強襲をかける守都・幸児(祥雲・g03876)が握る鉄骨を大きく振りかぶる。
「背後はもらったぞ!」
仲間達が相手の意識を引き付けている間に通路を大きく回り込み、時に鉄骨を振るって強引に道を作り出し。
そうして――天魔に先んじて放つこの一撃。
「よくもヒルコたちを酷い目にあわせやがったな、報いは受けてもらうぞ」
力を籠める右腕が漆黒に染まり。
腕より迸る電撃が鉄骨へと絡みついて光を放ち。
鬼の膂力と、雷光と――そして幸児の怒りを込めて、
「そんなに人柱が欲しけりゃ、てめえらが壁にめり込みやがれ!」
振り抜く一撃が――止まることなく振り抜く動きのままに、さらに身を翻して放つ二撃目が、三撃目が。
天魔の兵を、そして陣を構成する幾つもの障害物をまとめて薙ぎらはい。
前後からの挟撃に天魔兵の足並みが乱れた隙を逃すことなく、喩嘉が羽扇を横へと振り抜き幻影兵を走らせる。
地の利は奪った。数はいまだ相手が上。けれど――奇襲からの混乱が残る今この時は、数の利は活かせない。
「まずは一手、策は成った。立て直す間は与えんぞ」
「逃げられると思うなよ。全員ぶっ飛ばしてやる」
続けざまに切り込む幻影兵の刃が天魔達へと走り、その動きを牽制し。
同時に、逆側から殴りこむ幸児の鉄骨が縦横に唸り、天魔の刃とぶつかり合う。
「『――っ!』」
雷光と鉄骨、幻弓と刀、刃と銃。
交錯する幾つもの得物が、剣戟の音を通路へと響き渡らせ。
爆ぜ散る火花と雷光を突き抜け、さらに前へと踏み込む幸児の鉄骨と天魔の刃が交錯し――二つの得物の間で雷光が弾け、互いの体を弾き返す。
「鏡写転射、だったか」
鉄骨と刀と。互いの得物が纏うのは、同じ輝きを放つ二つの雷光。
相手のパラドクスを写し取り模倣する『鏡写転射』の術。
――けれど、
「いや、まだだ」
「ああ、真似できるもんならやってみやがれ、新宿島くらい頑丈な鉄骨が天正大戦国にあるんならよ」
弾かれ、開いた隙間を縫うように、喩嘉が走らせる歩兵の刃が追撃を阻み。
同時に、弾き返された勢いをも溜めと変えて踏みとどまり。
更なる力を以て打ち下ろす鉄骨が、天魔の雷光を弾き散らし、刃を砕き、その鋼の身を叩き潰す。
相手を侮るつもりなど無い。それでも――こんなところで負けるつもりもない。
「覚悟を決めろ。天魔武者!」
崩れ落ちる天魔兵を踏み砕き、その先に立つ新手を見据え。
飛び込みざまに振るう鉄骨の一撃は、天魔のかざす刃と――さらに横から割り込む新手の刃に受け止められるも。
その一撃を受け止め動きを止めた天魔兵の胴を、喩嘉の幻影兵の刃が薙ぎ払い。
「喩嘉!」
「ああ、わかっている」
続け、宙を舞う残骸を、鉄骨の一閃と羽扇の風撃が薙ぎ払うと共に。
幸児の放つ紙符が白い鳥の姿をした式へと変じ。喩嘉の振るう羽扇から毒針『鳳凰爪』が走り。
同時に放つ式と暗器が、互いの背を狙う天魔を牽制し――、
「「――ふっ!」」
続け、地を蹴り繰り出す鉄骨と蹴撃が、怯みを見せた天魔を打ち倒して。
そうして、背中合わせで得物を構える二人の前で、残る天魔がその姿を揺らがせる。
「今度は影法師の業、か」
「こいつらは『戦いづらい相手や存在に変化する』のか……まあ、変わる姿などわかり切っているか」
「……違いない」
背中越しに苦笑をかわし。
終わらせる、と同時に地を蹴る二人へと、戦い辛い相手――互いの相棒の姿を写し取った天魔が刃を走らせる。
『――っ!』
「俺のやりづらい相手と言えば、喩嘉だし」
「俺の戦いづらい相手って言ったら幸児くらいしか思い浮かばないが」
風術に炎術、暗器と体術。偽りの『喩嘉』が続けざまに放つ連撃を、幸児が握る鉄骨で打ち払い。
退く天魔へと追撃をかける幻影兵の刃を、鉄骨と拐で打ち払う偽りの『幸児』達の姿に、喩嘉は苦笑交じりの息をつく。
その姿も扱う得物も、確かに互いにとって馴染み深いもの。
知らない者が見るならば、あるいは真贋を惑わされることになるかもしれないが……、
「とは言え、それだけではな」
幻影兵を潜り抜ける拐の一撃を、羽扇で捌くと共に足を払って体勢を崩し。
続く鉄骨の振り上げを脚で受け止め、そのまま飛び上がることで受け流して。
空中で身を翻し、放つ毒針で天魔の腕を射抜いて動きを封じると共に、左右へと呼び出す幻影兵の矢が鏡像を貫き打ち砕く。
「幸児を他の誰かと見間違うことはない。例えどんな一瞬であってもな」
着地し、振り返る喩嘉の視線の先にあるのは、幾人もの『喩嘉』達の連撃を火花を散らして押し返す幸児の姿。
「貴様らとは、すべてが違いすぎる」
そう、笑う喩嘉の言葉に応えるように。
続けざまに打ち込まれる無数の術を鉄骨で受け止め。
防御の上から突き刺さる衝撃を、深く、鋭く、吐き出す呼吸に乗せて抑え込み。
敵を見据えて前へと踏み出し、力を籠める幸児の腕が雷光を纏う。
「間違えねえよ、こんなもの」
相手の姿はよく知るもの――同じなのは姿だけで、呼吸も、足運びも、技の重さも、その全てが違っている。
そんな偽りの姿と紛い物の業に惑わされるほど、共に戦い重ねてきた経験は軽くない。
「お、ォオオオオッ!」
咆哮と共に、振り抜く鉄骨の一撃が。
その一撃に乗せて吼え猛る雷霆の嵐が。
岸和田城の通路の全てを埋め尽くすように、逃げ場なく荒れ狂い――そうして。
「――」
天魔の姿も、防衛陣も。
残骸も残すことなく消え去った通路を見下ろし、幸児は静かに呼吸を整える。
戦いの消耗は、決して少なくはないけれど――ここで立ち止まるわけにはいかない。
「この城獲り合戦はやり通す……言い出しっぺは、俺だからな」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】がLV2になった!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
そうして――岸和田城の通路に静けさが戻る。
千早城へと逆侵攻をかける天魔兵を迎撃し。
人柱とされていたヒルコ達を救出し。
岸和田城の天守への道を封じる防衛陣を踏破した。
ならば――、
『残るは俺だけ、と。そう言うことだな』
静かに、しかしそれ自体が熱を持つと思わせるほどの意思を込めた言葉が響き。
直後――ごう、と。豪風を従えて、岸和田城の通路を緋色の影が走り抜ける。
『大した手並みじゃないか、ディアボロス。防衛も、救出も、進軍も、全てをやってしまうとは』
それは、炎を思わせる装甲に身を包み、機械馬を従える一体の天魔武者。
『もとよりこちらの勝ちの目など、十に一つ有るかどうかと思っていたが……ああ、ここまで上回られると、いっそ清々しいな!』
くつくつと楽し気にこぼす笑い声は、心からディアボロスを称賛する響きに満ち――しかし、纏う覇気は烈火の如き激しさで通路を満たしてゆく。
劣勢を受け止め、逆境を楽しみ。そして最後まで勝利を狙うという意思を込めて。
『だから、まあ――最後の勝負といこう』
両手に握った二つ槍を構える天魔武者の背中で、背負った旗印が――纏うその名を示す、六文銭の旗印が翻る。
『この首を落とすまで、気を抜くなよ。僅かでも緩むなら――お前達の首も、その背後の城も、全てこの槍が貫くぞ』
『真田幸村、参る!』
音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
真田幸村、これで二回目だな
前回、こいつとの戦いのおかげで、過去の記憶の一部を取り戻すことが出来た、今回で一体何が…え?アズールフレイムの調子が…なんか青い炎が勝手に出っているですけど!?
【NEMESIS MODE: ACTIVATE】(ネメシスモード:起動)
【ORIGIN INSTALL: DATE MASAMUNE】(オリジンインストール:伊達政宗)
これがネメシスモード…オリジンインストール、いくつかの前世から力、経験、記憶などをもらい、そして戦う姿
「モード、独眼竜…!」
見せてやるぜ、蒼炎の身に纏った、独眼竜の力をなぁ!
ディープクリムゾンを乗り、奴に真っ向勝負を挑む
さぁ、一緒に楽しもうぜ、宿敵よ
「そうだ…この感じ!この感触だ!」
武器の衝撃から生まれた金属音、手に走る衝撃、馬(バイク)に載るからこそ感じる風、そして熱くなる心と魂!
どんな時代でも変わんねぇな!
けど残念ながら、幕引きの時だ――パラドクス起動!蒼炎に焼かれて、無に帰れ!
「まだどこかで会おうな、ライバル」
神山・刹那
ネメシスモード・いしはま絵師のDC参照
真田幸村、日ノ本一の兵と言われた男
それに見合った凄まじい気迫、相手にとって不足なし!
お前の自慢の槍と俺の刀、どっちが上か、白黒はっきりつけようじゃないか!
人馬一体・烈火一閃で槍に闘気を纏わせ突っ込んでくるなら、精神集中で感覚を鋭敏にし、残像を残す速さでフェイントを織り交ぜ狙いをつけにくくし、迅速反応で反応し、相手の突進を正面から受け止め、その反動で体を高く蹴り上げ、天井に足をつけ、そのまま重力と天井を蹴って得た運動エネルギーをのせて、雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの渾身の一太刀で斬り捨てる
「大した強さだ。流石は日ノ本一の兵。あんたと戦えた時間はこの上ない時間だった。じゃあな」
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
この状況で士気を保てている、それどころか更に燃え上がっているのは見事という他ありません。
ただ一人で『武田侵火隊』をも上回るとびきりの炎ですね……『真田幸村』。
ですがその槍を届かせはしません。
六文銭は三途の川の渡し賃、死への覚悟の表れ、ならば私も相応の覚悟をもって挑ませてもらいます。
十字槍の刺突はオーラ操作での結界で軌道を逸らすことにより致命傷を避け、最短距離を突き進んで『真田幸村』へと仕掛けましょう。
《妖刀覚醒・鉄蝕閃》、《妖刀『鐵喰』》を変化させ《巨刀『曼殊沙華』》による大上段からの一撃です。
二本の十字槍による攻撃がどれだけ激しくても、この一撃は通してみせます……!
そしてディアボロスは私一人ではありません、私の一撃が次へと繋がり最終的に『真田幸村』の首に届けばこの勝負、ディアボロスの勝ちです。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と連携して戦う
アドリブ歓迎
退かずに戦うか
なかなかいい大将じゃねえか
そう堂々と来られちゃ、こっちも正面から挑みたくなっちまう
行くぞ
俺の使う技は「晦」
俺が槍とそれを扱う将、喩嘉が機馬を狙い
タイミングを合わせて正面から突っ込むぞ
さすがにあの二つ槍で貫かれたらただじゃ済まねえだろうが
喩嘉が機馬を射抜いてくれる確信があるから
俺は槍の動きを読むことだけに集中し、両腕の藍鬼拐で左右の槍をいなすぞ
残るは飛んでる火縄銃だが
まあ、このくらいの攻撃はくらう覚悟でいく
喩嘉の翅のオーラと、皆が残してくれた【グロリアス】の効果に頼る賭けだが
賭けに負ける気はまったくしねえ
耐えきって敵の懐に飛び込めたら
【ダメージアップ】を乗せた一撃をぶち込んでやるぞ
喩嘉がPOWで狙われた場合はディフェンス
拐で槍を巻き取るようにして弾き飛ばしてやる
攻撃は届かせねえぞ
大将に会ったら文句の一つでも言ってやろうかと思ってたが
気が変わった、城主に言うことにする
こんないい将を使い捨てんじゃねえって文句も
言ってやりたくなったしな
喩・嘉
幸児(g03876)と連携し戦う
アドリブ歓迎
敵といえども、なかなか気骨のある奴らしい。
こういった相手と戦うのは楽しいものだな。まあ、こういった猛将と接近戦で正面から、といいうのは他の者に任せたいが。
俺は幸児と攻撃を合わせよう。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よと言う。
その教えの通りにやってやろうか
「化蛇弓」を構え、『山繭幻惑弓』を使用。【アヴォイド】を活性化。
いつもは垂れている翅を広げ、鱗粉状のオーラを散らして敵を惑わしてから、馬を狙って射抜く。
俺が馬、幸児がその将を狙うのだ。
人馬一体の精神は素晴らしいものだが、俺たちの連携は崩れないぞ。
火縄銃の弾丸は【アヴォイド】で完全に防げれば最高。
もし射抜かれたとしても、俺が矢を放つ手に狂いはない。
仲間の一撃を、より通しやすくすることを目的に行動。
幸児がWIZかSPDで狙われた場合にはディフェンス。
翅を翻し、攻撃をいなしてやろう。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
真田幸村、劣勢にあろうとも逆境を楽しむその豪胆さは、流石は戦国一ノ兵というべきか。
死への覚悟を決めた相手は強い。
だがこちらもまた退けぬ戦いだ、負ける気など毛頭ない。
【パラドクス通信】で仲間と連携し、フォローし合って戦おう。
『光明一閃』のパラドクス使用
【反撃アップ】と素早い観察により敵の動きを確と読み取って、その攻撃の本質を見出し対策を打つ
人馬一体の攻撃か
勢いを載せた鋭い突撃は、まともに喰らえばダメージも相当なものだろう
逆説連鎖戦である以上、完全な回避は難しいけれど、それは敵もまた同じこと
パラドクスをぶつけ合って返す、それもまた一つの手ではあるのだろう
雪月花と紅弁慶の二刀を構え、ここは敢えて真正面から迎え撃つ
【反撃アップ】で突撃と十文字槍の軌道を読み取り看破して
突撃に合わせて此方も踏み込もう
【能力値アップ・命中アップ】の効果も使って刃を合わせ
【ダメージアップ】な斬撃としてパラドクスの力をぶつけ合い
仲間と共に一撃一撃を重ねていく
地道だがそれこそが、俺達の揺るがぬ勝利への道だ
岸和田城が連絡通路
中枢たる天守に続くこと示すように、絢爛な装飾が施された広き廊下。
その通路を、なおも狭しと言わんばかりに縦横に駆け巡り、ディアボロスは、天魔武者は、刃を交える。
双槍を握り機械馬と共に駆けるアヴァタール級天魔武者『戦国一ノ兵・真田幸村』。
握る二つ槍に操られるように、周囲へと展開する四丁の火縄銃ビットがディアボロスへと狙いを定め。
一斉に放たれる銃弾を――しかし、さらに踏み込む野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)の妖刀が、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が両手に握る大小二刀の霊刀が、
「「――ふっ!」」
重ねて閃く三重の斬撃が四連の銃撃を切り払い、無数の火花を宙へと弾けさせ――その火花を突き抜ける槍の一穿が裕樹へと閃くも。
引き戻す刃で切先を受け止め、飛び退きざまに裕樹の振るう刃がわずかに槍を逸らし。
その下を潜るように、雪人の放つ霊力の斬撃が幸村へと走り――、
『っと――だがっ!』
「ああ、そこだ」
その剣閃を寸前でかわす幸村が飛び退く、その先へと。
着地点を先読みする喩・嘉(瑞鳳・g01517)が羽扇より風撃を放つも、その風を閃く槍が切り払うと共に火縄銃の銃弾が喩嘉の腕を掠め――しかし、続く銃の追撃は、噴き上げる風壁が狙いを逸らし。
僅かに作り出す隙間へと、
「ある程度は捌く。行けるな?」
「「「――十分だ!」」」
左右から切り込む神山・刹那(梟雄・g00162)が、音無・サカハ(流星の風来坊・g10149)が。
そして正面から踏み込む守都・幸児(祥雲・g03876)が。
手を緩めることなく地を蹴り、握る得物を閃かせる。
「『お、ぉおおおお!』」
斬撃、刺突、打撃、銃撃。
二つの刃と両手の拐、二つの朱槍と四つの銃口。
切れ間なくぶつかり合う力と力の衝撃が、交錯するたび、腕を、体を貫くけれど――、
「真田幸村、戦うのはこれで二回目だな」
「流石は日ノ本一の兵と言われた男。それに見合った凄まじい気迫」
傷みすらも闘志と変えて、前へと踏み込む刹那が、サカハが――更なる力をその身に纏う。
「ああ、相手にとって不足なし!」」
強敵を見据え、強く笑みを浮かべ。
愛刀『覇龍』を握る刹那の髪が白銀へと変じ。
気合の咆哮と共に、左右の腕が宿すのは業火と雷光。
そして――、
(「前回、こいつとの戦いのおかげで、過去の記憶の一部を取り戻すことが出来た、今回で一体何が……え?」)
「アズールフレイムの調子が……なんか青い炎が勝手に出っているですけど!?」
サカハの手にする機械式召喚器『アズールフレイム』より巻き起こる蒼炎が、彼の体を包み込む。
【NEMESIS MODE: ACTIVATE】
熱く、激しく――されど身を焼くことの無い蒼炎の中。
かつてと今と、二度に渡る宿敵との邂逅を経てサカハの内にある『誰か』が、朧気に――しかし、確かに影を結び。
【ORIGIN INSTALL: DATE MASAMUNE】
「これがネメシスモード……」
蒼炎を通して繋がる、サカハのオリジン――いくつかの前世から、力と記憶と経験と、そして戦う姿を受け取って。
黒の鎧と蒼の陣羽織を身に纏い、右の眼には眼帯を、左の眼には蒼炎を宿し。
音無のバイク『ディープクリムゾン』に飛び乗り、サカハは黒神刀『無想』を握りしめる。
「さぁ、一緒に楽しもうぜ、宿敵よ」
「お前の自慢の槍と俺の刀、どっちが上か、白黒はっきりつけようじゃないか!」
『ああ、望むところだ。この二つ槍を越えられると思うな!』
ネメシスモードの力と共に、切り込むサカハと刹那の連撃が縦横に閃く二つ槍と打ち合い、弾きあい――互いの体を押し返し、
「やるものだ。敵といえども、なかなか気骨のある奴らしい」
「退かずに戦うか、なかなかいい大将じゃねえか。文句の一つでも言ってやろうかと思ってたが――気が変わった、城主に言うことにする」
僅かに開いた間を縫って、喩嘉が放つ風刃が追撃をかけると共に。
反撃と放たれる銃弾を振り抜く拐で打ち払い、踏み込む幸児が幸村へと距離を詰める。
「こんないい将を使い捨てんじゃねえって、文句も言ってやりたくなったしな」
『はっ、そいつは光栄だな!』
交錯する両手に握る藍鬼拐と二つ槍が無数の火花を散らし。
振り抜く槍が幸児の体を退かせるも、反動を利用して身を身を翻し、放つ裏拳が機械馬を捉え揺らがせて。
動きを乱した隙をつく喩嘉の風撃に合わせ、弾幕の中をさらに幸児が深く踏み込み。
「こういった相手と戦うのは楽しいものだな。まあ、こういった猛将と接近戦で正面から、というのは他の者に任せたいが」
「そっちは任せろ。こうも堂々と来られちゃ、こっちも正面から挑みたくなっちまう――行くぞ!」
「ああ、背中は任せろ。前だけ向いて、行ってこい」
喩嘉に、幸児に、さらに合わせて切り込む刹那にサカハ。
幾重にも重ねて放つ連撃と、それを押し返さんと閃く槍と銃撃と。
交錯するたび、その力は互いの体に無数の傷を刻み付けるも。
――それでもなお、手を、脚を、止めることなく、より激しく力と闘志をぶつけ合い。
「真田幸村、劣勢にあろうとも逆境を楽しむその豪胆さは、流石は戦国一ノ兵というべきか」
「この状況で士気を保てている、それどころか更に燃え上がっているのは見事という他ありません。ただ一人で『武田侵火隊』をも上回るとびきりの炎ですね……『真田幸村』」
炎の如き剣戟を交わす中で、雪人と裕樹は感嘆の息をつく。
状況が読めていない相手ではない。
九分九厘の敗北を理解し――その上で、諦めることなく勝利を見据えて槍を振るう。
だからこその『戦国一ノ兵・真田幸村』。
油断はしない。油断などできる相手ではない。
この先へ進むために倒さなければならない最大の壁。
この先へ通せば甚大な被害が出るであろう最大の脅威。
――故にこそ、
「死への覚悟を決めた相手は強い。だがこちらもまた退けぬ戦いだ、負ける気など毛頭ない」
「その槍を届かせはしません。六文銭は三途の川の渡し賃、死への覚悟の表れ、ならば私も相応の覚悟をもって挑ませてもらいます」
より深く、より鋭く、精神を集中して敵を見据え。
「いざ――」
「尋常に――」
印を切る雪人の二刀が霊力の光を刃に宿し。
裕樹の握る『妖刀『鐵喰』』がその力を開放して、一回り長大な刀身を形成し。
相手の動きのさらに先を見据え、鋭い呼吸と共に強く地を蹴り。
雪人は、裕樹は、刃を敵へと閃かせる。
「「――勝負!」」
●
「『――っ!』」
焔を纏い閃く大槍を、雪人が重ねる二刀が受け止め――押し切られるよりも速く、さらに合わせる裕樹の切り上げが槍を弾き。
その動きのままに放つ横薙ぎは、寸前で跳躍する機械馬の足先を掠めて走り抜けるも。
続け、宙にて展開する四連ビットの撃ち下ろしを、同時に飛び込む刹那の刃が左右に閃き切り払い
さらに身を翻して放つ斬撃は、一瞬早く振り抜く槍の薙ぎ払いに弾かれて。
――しかし、弾かれながらも刹那は壁を足場とし刀を構え。
「『――おおっ!』」
敵を見据え、気を吐き、得物を握り。
壁を蹴り砕き飛び込むと共に、放つ一刀が幸村の朱槍と真正面からぶつかり合い――槍を外へと弾いて体勢を崩し。
立て直す間を与えることなく、その背を飛び越える裕樹が手にする妖刀を振りかぶる。
「切り裂け!」
告げる言葉に応えるように、その刀身が一瞬にして倍ほどまで成長し。
閃く斬撃は、飛び退く幸村よりも僅かに速く、朱鎧に深々と刀傷を刻み込み――だが、
『やる――が、まだ甘い!』
「そいつは、どうかな!」
傷を刻まれながらも距離を取り。
僅かに稼いだその道を助走として、吼え駆ける機械馬が紅炎を纏い。
――同時に、サカハと共に駆ける『ディープクリムゾン』が蒼炎を纏い、炎を纏う幸村へと追随する。
「『お、ぉおおオオオッ!』」
床を、壁を、天井すらも足場とし。
刃を交え、銃弾を潜り抜け。
互いに傷を刻みあい、弾き合い――しかし怯むことなく、止まることなく。
地を蹴り、地を駆け、さらに先へ。
「そうだ……この感じ! この感触だ!」
その身を弾き、弾かれながらも踏みとどまるサカハの顔に、知らず楽し気な笑みが浮かぶ。
武器の衝撃から生まれる金属音、手に走る衝撃、バイクに――馬に載るからこそ感じる風、そして熱くなる心と魂!
「ああ、どんな時代でも変わんねぇな!」
だからこそ、負けられない。
今とかつての己の力と、共に戦う仲間との連携と。
その全てで以って、
「越えさせてもらうぜ!」
射撃戦モードへと切り替えたアズールフレイムを抜き放つサカハの連射に合わせ、喩嘉もまた羽扇を振り抜き無数の風刃を撃ち放ち。
重なり作り出す弾幕が幸村へと殺到するも――閃く二つ槍が連撃を切り裂き、その隙間へと飛び込む機械馬が残像を残して弾幕を突き抜ける。
『この程度!』
「そうかもな、だが!」
「これで十分だし――これで終わりでもない」
弾幕を突き抜け、しかし僅かに足を鈍らせる幸村へと。
喩嘉の風撃に並走する幸児の拐が、雪人の双刃が、続けざまに閃き火花を散らす。
「人馬一体の攻撃か。勢いを載せた鋭い突撃は、まともに喰らえばダメージも相当なものだろう」
「さすがにあの二つ槍で貫かれたらただじゃ済まねえだろうが――」
炎を纏い閃く切先を身を沈める雪人が潜り抜け。
踏み込む先を狙うように、別の生き物のように動き閃くもう一振りの切先を、意識を集中して踏み込む幸児の両手の藍鬼拐が受け止め、いなし。
受け払う隙間を縫って雪人が刃を走らせるも、その剣閃は飛び退く幸村の影を切り裂くに止まり――しかし、続けて踏み込み放つ二の太刀は、着地点を狙う喩嘉の風撃に動きを乱された幸村を捉え、その胴に傷を刻み付け。
続け、飛び込む幸児の拐を槍の柄で受け止め、衝撃を殺しざまに大きく飛び退く幸村へと、
「喩嘉!」
「ああ、合わせよう」
止まることなく、着地と共に地を蹴る幸児が距離を詰め。
その動きに呼吸を合わせ、喩嘉が腕に巻き付けていた蛇状の黄金弓――『化蛇弓』を展開し、その弦を引き絞る。
番える矢の狙う先は、二つ槍を操る幸村――その機動力を担う機械馬。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よと言う。その教えの通りにやってやろうか」
無双の武人と、無双の名馬。
両者が合わさってこその『戦国一ノ兵』。
――故にこそ、
「人馬一体の精神は素晴らしいものだが、俺たちの連携は崩れないぞ」
喩嘉の背にある漆黒の翅。
いつもは垂れているその翅が大きく広がり、薄布の如き姿を空へと広げ。
緩やかに羽ばたく翅から舞い散る鱗粉状のオーラが、一瞬、幸村の視界を遮り。。
「――ちいっ」
「半手、遅え!」
「まずは俺から仕掛けよう」
振り抜く槍の焔風が鱗粉を焼き払うよりも僅かに早く、閃く幸児の拐がその切先を絡め捕り。
狙いを逸らされた槍をすり抜けるように、幻惑の鱗粉を裂いて機械馬へと走るのは金の矢の雨。
「山繭幻惑弓――俺が馬、そして」
「将は俺だ!」
ガクリ、と大きく体勢を崩した幸村へと、鬼の両腕に闇を纏わせる幸児が真っ直ぐに距離を詰める。
背中を任せる友が機械馬を射抜いてくれる確信があったからこそ、踏み込むその脚に迷いは無く。
沸き起こる闇は、その腕を、握る拐を、どこまでも深い漆黒に包み込み。
「――くらいやがれ」
走り抜ける空間を闇へと飲み込む一撃が、体勢を崩しながらも閃く焔槍と交錯し。
左腕で槍を受け止め打ち払い――続け、大きく踏み込み繰り出す渾身の右の一撃が、幸村の肩鎧を捉えて打ち砕き。
――同時に、弾かれた槍を回転させた石突きが幸児を捉えて退かせるも、衝撃に顔を歪めながらも身を翻す幸児の蹴撃が槍を上へと弾き上げ。
「はっ、やるじゃねぇか」
「だが、見えた!」
僅かに開いた両者の隙間へと、狙いすまして雪人が放つ霊力の剣閃が、幸村の鎧にさらに二つの傷を刻み付ける。
単身の武力においては、間違いなく幸村が上。
けれど――これまで幾度となく、ディアボロス達はその力量差を乗り越えてきた。
連携を重ね、仲間と共に一撃一撃を積み重ねて。
例えその差が天地程に広くとも、一歩ずつ、確実に。
「地道だがそれこそが、俺達の揺るがぬ勝利への道だ」
「ええ、そして今も」
斬撃の衝撃から体勢を立て直し――しかし、不規則に揺れる二つ槍の切先は、隠し切れぬ消耗を漂わせ。
まだだと叫ぶ気迫で以って消耗を振り払い、駆ける幸村へと、雪人は、裕樹は、そしてサカハは、同時に地を蹴り刃を走らせる。
決着は近い。
けれど――いまだ衰えぬ相手の気迫は、己が消耗すらも薪として力と変えていると思わせる程。
だからこそ、こちらもまた最後の一手まで全霊で。
「その槍も、気迫も、貴方の全てを切り伏せます」
「勝負だ、真田幸村!」
駆ける勢いを乗せ、焔を宿して閃く十字槍の切先を見据え。
裂帛の気合と共に、裕樹が、サカハが、真正面から切り込む二人の刃が十字に閃き。
交錯する三振りの刃が弾き合い――続け、もう一振りの十字槍が空を裂くも。
その切先を、身を沈めて踏み込む幸児の左の拐が打ち払い。
続く身を起こしざまの右の打ち上げを胴に受けながらも、飛び退く幸村が周囲に四つの火縄銃ビットを展開する。
――けれど、
「それは――」
「――通さねえよ」
至近距離から放たれる四連撃の銃弾を、喩嘉の操る風撃と幸児が周囲に走らせる闇色の鬼火が受け止め。
防壁を突き抜ける銃弾が喩嘉の弓を握る腕を射抜くも、
「生憎と、これくらいで俺が矢を放つ手が狂うことは無いぞ」
僅かに眉をひそめ、しかし狙いを乱すことなく放つ二連の金矢が銃口を貫き、ビットの二つを破壊して。
密度を減らした弾幕の中を――、
「「――おおっ!」」
縦横に閃く刃と纏うオーラを守りとして、握る拐と己が腕を盾として。
裕樹が、幸児が、駆け抜ける。
数を半減させたと言えど、アヴァタール級の猛将の放つ弾幕陣。
その全てを避けることは至難であり――故にこそ、
「最短距離で突き進み、仕掛けましょう!」
「このくらいは覚悟の内だ。賭け、ではあるが――負ける気は全くしねえ!」
身を裂く銃弾の痛みを堪え。
自身の技と、仲間達の残してくれたグロリアスの残留効果と。
そして、
「合わせるぞ、踏み込め」
「おう!」
喩嘉の翅のオーラが銃弾を絡め捕るその下を潜り抜ける幸児が、再度闇を纏わせた両腕で焔槍を打ち払い。
続け――踏み込み放つ一撃が、続け放つ肘打が、蹴撃が。
続けざまに放つ連撃が、幸村の二つ槍と打ち合い、弾き、互いの体に幾つもの傷を刻み――さらに一歩。
「お――ぉおおおおっ!」
全霊をこめた咆哮と共に放つ一撃は、幸村の体を受け止めた槍もろともに馬上より叩き落し。
「今っ!」
叩き落され、しかし即座に受け身を取り起き上がる幸村へと、その馬の背を足場として飛び込む裕樹が妖刀の力を最大まで解放する。
妖刀『鐵喰』――その特性は鉄分により刀身を変化させるもの。
その力を開放し、倒れた天魔兵の残骸に、壁に突き刺さる銃弾に、弾け散る剣戟の火花すらも刃へと取り込み。
二重三重に巨大化させた超重量の大剣へと変じさせると共に、裕樹自身もその身をオーラ操作と呼吸法により強化して。
「嚙み砕け、『鐵喰』」
振り抜く斬撃が幸村へと届くよりも早く、焔を纏う槍の一穿が裕樹へと閃き――しかし、その切先を収束して展開する闘気の防壁が受け止めて。
『無駄だ!』
「っ――ですが、十分!」
一瞬すらも持たずに結界は突き砕かれ、切り裂かれた肩から血の赤が宙へと舞い。
されど止まることなく刃を潜り抜け、敵の懐へと踏み込む裕樹が刃を振りかぶる。
防壁で受け止めることが叶わずとも――僅かであっても狙いを逸らすことが出来れば、致命傷を避けることが出来るならば、それで十分。
「《妖刀覚醒・鉄蝕閃》。断ち切れ、巨刀『曼殊沙華』!」
刃を振り抜く一瞬、巨刀を振るうに相応しい姿にまで自信を成長させて。
放つ斬撃は、幸村の重ねる二つ槍に受け止められるも――受け流そうとする動きに合わせて刃を巡らせ。
続け、後へと飛び退く幸村へと、同時に地を蹴り追随し。
「二本の十字槍による攻撃がどれだけ激しくても、この一撃は通してみせます……!」
大上段の構えから放つ渾身の一刀が、飛び退きざまに振るう槍の一閃と交錯し、硬く、鋭い金属音が響き渡り。
――裕樹の刃が走り抜けたその後に、半ばより断たれた槍の穂先が宙を舞う。
「まずはその槍、断たせてもらいました――そしてっ!」
『流石、だが――!』
小さく息をつく裕樹が笑みを浮かべ、同時に幸村もまた劣勢の中で笑みを返し。
続けて裕樹の放つ横薙ぎの斬撃を、残る槍と展開する火縄銃と、さらには半ばで断たれた槍の残骸を投げ放って牽制し。
その間に大きく飛び退く幸村の足元へと、高速で駆ける機械馬が走りこむ。
『まだだ、まだ終わらん!』
「ええ、まだです。ディアボロスは私一人ではありません、私の一撃が次へと繋がり最終的に『真田幸村』の首に届けばこの勝負、ディアボロスの勝ちです」
大きく回転させる十字槍へと炎を纏わせ、空となった手に宙に浮く火縄銃を掴み取り。
一槍一丁の銃槍を馬上にて構える幸村を見据えて、裕樹は静かに刃を構え。
そうして、地を蹴る裕樹を追い越すほどの速さで以って、
「だからこそ」
「決着を付けるぞ!」
刹那が、雪人が、そしてサカハが、全霊をこめて戦場を駆ける。
「『――っ!』」
浮かべた銃と握る銃と、二つの銃口から放つ銃弾の中。
愛機を操るサカハが、銃弾をすり抜け、受け止め、切り払うと共にさらに先へと加速して。
握る刃に駆ける勢いを乗せて、突き込む蒼炎の刃が――残る一槍に炎を纏わせ、突き穿つ紅炎の一穿が。
真正面からぶつかり合い――弾き合いながらも、即座に抜き放つアズールフレイムの魔弾と火縄銃が銃火を交え。
続け、魔弾と銃弾の余波を切り裂く雪人の二刀が、幸村の朱槍と交錯し――切り結び、弾ける火花を更に突き抜ける刹那の斬撃を、残像を残す幸村が寸前で回避する。
――けれど、
「いや、まだ――!」
「まだだ!」
着地すると共に、即座に地を蹴り。
翼持つ神鳥の如き速さで刹那もまた残像を残して銃弾をすり抜け、蒼炎を纏い駆けるサカハと共に幸村の機械馬へと追いすがり。
刹那が、サカハが、幸村が。
炎雷と蒼炎と紅蓮を己が翼として。
刃を、銃弾を交え、岸和田城の通路を縦横に駆け巡る。
「「『――おおっ!』」」
斬撃、銃弾、体術に――時に、純粋に体をぶつけ合い。
続けざまのサカハの射撃を突き抜ける朱槍を、同時に切り込む刹那の刃が受け払い。
捌き押し込む動きに合わせるように、回り込む雪人の刃が幸村を捉えて傷を刻み――同時に、閃く朱槍の刃と石突きが、刹那を、雪人を切り裂き退けて。
「っ、だが!」
それでも、と。
血を流し、息をつき――呼吸を整え、精神を集中し。
二刀と共に、雪人は幸村を見据える。
互いに限界は近い。決着まであと僅か。
その僅かな距離は、今は万里と思える程に遠いけれど――、
「この先へ、進ませてもらうよ」
銃口の動きから弾道を、その背後でかざす槍の切先から斬撃の軌道を読み取り看破して。
銃弾を潜り抜け、刃を捌き、さらに前へと踏み込み――半歩、後へと飛び退き閃く槍を受け流すと共に、逆手で放つ斬撃が幸村を退かせ。
そうして、
『こいつで最後の――勝負といこうか!』
「ああ――雪月花、紅弁慶」
互いに距離を取り、槍に紅炎を、刃に霊力を、纏わせ向かい合い。
地を駆ける幸村と機械馬を見据え、僅かに身を沈めると雪人は二刀を構える。
恐らくは、これが幸村の全身全霊。
小細工の無い一撃だからこそ、その威力は計り知れず――だからこそ、切り込む隙間もそこにある。
故に、選ぶのは真っ向勝負。
「ここは敢えて真正面から迎え撃つ」
「仕掛ける――先に行くぞ」
雪人と刹那が視線を交わし、同時に地を蹴り。
さらに一歩、先へと踏み込む刹那の刃が焔槍と交錯し。
「『――っ!』」
轟音を響かせ、火花を散らし、突き込む槍に弾かれる刹那の体が宙を舞い――否、
「捉えたぞ」
弾かれる反動をも利用して大きく飛び上がると共に、蹴り抜く蹴撃で幸村の体勢をわずかに崩し。
そのまま天井を足場として、刹那は『覇龍』を握りしめ。
振りかぶるその刀身へと、右手の劫火と左手の雷が集約して激しく、眩く光を放ち。
同時に、地を駆けるサカハが纏う蒼炎をさらに激しく燃え盛らせる。
「悠久を刻む魂よ、その瞬きと共に切なる命、叫びを胸に、今、吾は明日を繋ぐ剣と化す! 汝ら、闇に属するものに住まう場所なし!」
詠うように言葉を紡ぎ、呼びかけるのは『契約獣:蒼炎星龍『プロミネンス・ドラグナー』』。
彼方にあるその存在の力を、アズールフレイムを通して純粋なエネルギーとして召喚し、握る拳の中へと収束させて――顕現するのは蒼く光を放つ一振りの刀。
「残念ながら、幕引きの時だ――蒼炎に焼かれて、無に帰れ!」
なおも収まりきらない力が作り出す五頭龍の炎と共に、通路を埋め尽くす炎の中を駆け抜けるサカハが蒼刃を構え。
「切り裂く、受けられると思うな!」
天井を蹴り抜き空を翔ける刹那が炎雷の刃を振りかぶり。
「……見えた、進むべき道はこの先に!」
そして、天地を駆ける二人の刃に重ねるように、雪人が霊刀を閃かせ。
「未来を繋ぐ無垢なる刃(プロミネンス・パニッシャー)!」
「雷火の顎よ、我が敵を討て! 雲耀の太刀・天晴!」
「光明、一閃」
蒼炎、炎雷、そして霊光。
全霊をこめて放つ三種四重の斬撃が、紅炎を纏い駆ける幸村の龍牙と交錯して走り抜け。
そうして――刃を振り抜く雪人の頬から血がしぶき。
息をついて刀を横へと振るう刹那の足元に、半ばで断たれた十字槍の穂先が突き立ち。
振り返るサカハの視線の先で、機械馬と共に胴を両断された幸村が音も無く崩れ落ちる。
「大した強さだ。流石は日ノ本一の兵。あんたと戦えた時間はこの上ない時間だった。じゃあな」
「またどこかで会おうな、ライバル」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!