リプレイ
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
隠れ里か。里や家の修繕なら何度も経験があるし、なんとかしてみるとしよう。場所は集落から遠すぎず、かつ隠れやすそうな場所がいいだろうな。
まずはパラドクストレインとアイテムポケットに詰め込んだ食料や衣服を取り出さないとな。
これくらい置いておけばしばらく持つだろうし、冬に凍死せずに済むだろう。
一時しのぎということを考えたら田畑を耕す必要はないか?
そっちを考えるのは他の皆に任せるか。俺は得意分野を活かすとしよう。あまり大きな家を建てるとばれるから、小さな小屋を建てた方がいいだろう。
後は気休めにしかならないだろうが小屋の外観をわざとぼろく作って中はしっかりとした作りにしておこう。敵に見つかった時廃村だと思ってもらえれば助かるかもしれないからな。
俺たちが薩摩国に攻め込めば敵も大隅国に人手を割く余裕がなくなるだろう。そう長い時間はかからないはずだ。
●人々に安息を与える為の隠れ里を
『天正大戦国』九州南部、件の集落から少し離れた場所にパラドクストレインが到着すると、獅子堂・崇(破界拳・g06749)は、思案顔で『薩摩国』島津の土地へと足をつける。
「うむ、隠れ里か。里や家の修繕なら、今迄にも、何度か経験があるし、なんとかしてみるとしよう」
『隠れ里』を作ること自体は、自分達の力があれば、然程難しくないと崇は考えていた。
問題は、場所だ。
「人々は、死の淵で移動する体力もあまりないだろうな。集落から遠過ぎず、且つ、隠れ易そうな土地に『隠れ里』を用意した方がいいだろうな」
パラドクストレインと【アイテムポケット】には、可能な限りの食料や衣服を用意してきてはいるが、既に『苛政』で多くの罪のない人々が命を落としており、残った人々も死を待つほどの体力しか残っていないのなら、急いだ方がいいだろうと、崇は直ぐに動き出す。
ディアボロス一人が持ち込める物資には、限界がある。
それでも、冬の寒さに耐え得るだけの食料と衣服さえあれば、餓死や凍死を免れることができるだろうと崇は考えていた。
「あくまで、一時凌ぎの隠れ里ということを考えたら、田畑を耕す必要はないか?」
最終的には『島津』の『苛政』から人々を解放し、元の村で安らかに過ごしてほしいと崇も考えていた。
『天魔武者』に怯え続け生きるのであれば、『隠れ里』に移り住んだところで人々に希望が持てる未来は訪れない。
「だが、それを考えるのは、他の皆に任せた方がよさそうだな。あまり難しく考えるのは、俺の性格に合わないからな」
元々、崇は活動的で優しさはあるが、難しいことを深く考えることが得意とは言い難い。
「俺は、俺の得意分野で、集落の人々を助けることに専念しよう」
崇の言う得意分野には、当然『天魔武者』との戦闘も含まれている。
この一帯に『苛政』を敷く、天魔武者『甘利虎泰』も当然許さざるべき敵だ──直接、打ちのめさなければ、気が済まないというのが崇の本音だ。
「しかし、あまり大きな家を建てれば、『隠れ里』事態が、直ぐにばれるからな。小さな小屋を多めに建て、手狭でもそこで生活してもらうのがいいだろうな」
隠れ里が天魔武者に見つかってしまえば、元も子もないからこそ、出来る限り見つからないように、細工をすることも必要だと崇は施行する。
「気休めにしかならないだろうが、小屋の外観をわざとぼろく作り、小屋の中の生活スペースは、しっかりとした作りにしておこう。巡回の『天魔武者』に隠れ里が見つかった時、廃村だと思えば深く調べることもなく、人々も少しは安全に暮らせるだろうからな」
崇たちディアボロスが常にこの土地を守ることが不可能だからこそ、可能な限り『天魔武者』への対策はとっておいた方がいいだろう。
「よし、それじゃ早速。張り切って、安全な『隠れ里』を作るとしよう。俺達が、『薩摩国』に攻め込めば、天魔武者も『大隅国』に、人手を割く余裕がなくなるだろう。そう長い時間はかからない筈だ」
言うと崇は、大きな杉の木を軽々と持ち上げるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
霧宮・悠希
・SPD
……まるで地獄、か。ひどいな……。
どれだけ役に立てるかは分かりませんが、僕も参加させてもらえれば。
最初になすべきは隠れ里の用意、そして避難させた人達が当分は暮らしていけるだけの食べ物や物資の確保。
隠れ里に出来るような場所のあてや、建物などを作る知識などには自信が無いので……
せめて【アイテムポケット】などを使って、新宿島から役立てられそうな物資や道具を持ち込めるだけ持ち込むとする。
もちろん、食べ物はともかくとしてあまり時代にそぐわないような道具は持ち込まないように注意しつつ。
食料品、水、医薬品……は微妙だからせいぜい包帯とか石鹸くらい? あとは鉄製の調理器具とか農具、ある程度の生活雑貨とか……。
どの程度なら大丈夫だろうか。悩みつつも詰め込んで、いざ大戦国の大隅国へ。
物資の持ち込み以外には、なるべく他の猟兵の人達のお手伝いをする。
子供だろうと猟兵、ある程度の雑用とか力仕事なら何とか出来ると思いたい。隠れ里にする場所を切り拓くとか、要らないものを退けて整理するとか、そういうのなら……。
●この小さな手でも救えるものがあるのなら
「最初に成すべきは、隠れ里の用意。……そして、避難した人達が、当分、暮らしていけるだけの食べ物や物資の確保」
呟きながら、自分の出来る範囲で仲間達を手伝うのは、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)だった。
(「……まるで地獄、か。……ひどいな」)
時崎案内人の説明を聞き、悠希はただ素直にそう感じた。
自分が救える人の数はきっと多くなく、自分が差し伸べることのできるこの両の手も、けして大きくはないと理解していた。
それでも、どれだけの役に立てるかは分からなくとも、人々を救いたいと……小さな身で悠希は思ったのだ。
奪われ、全てを無くし、悲しみだけを背負って生きていく、そんな生き方に喜びはなく……意味も無いと、誰よりも悠希自身が分かっていたのだから。
怒りから『復讐』を胸に、ディアボロスに覚醒しなければ……自分自身も弱い子供のままであったのなら、今の自分もこの地に住まう人々と同じく奪われ続けるだけの日々だったのかもしれないと思わずにいられなかったのだ。
住居を作るような知識や方法などは、年長のディアボロスに比べれば乏しいと言わざるを得なくても、自分の出来ることを──愚直と思われても──誠心誠意したいと悠希は思っていた。
可能な限りの食料は【アイテムポケット】に詰め込んできたが、それも冬を越すことができる量かは分からない。
既に多くの人が飢餓に苦しみ、死に至っているような状態の集落だ……どれだけ用意しても楽観視は出来ないだろう。
『島津氏』の『苛政』を止めなければ、根本的な解決にはならないのだろうと、悠希にも想像はつく。
「食料品、水、医薬品……は難しいだろうから、せいぜい包帯とか石鹸くらい? あとは鉄製の調理器具に農具、ある程度の生活雑貨……」
悩みながら『隠れ里』に物資を悠希は備えていく。
子供であろうと、自分も時間侵略者と戦う『復讐者』なのだと力仕事も引き受け、少しでも移り住む人々が安心して暮らせる『隠れ里』にする為、悠希は土地を切り拓いていった。
自分のこの小さな手が届く人だけでも……可能な限り多くの人々を飢えや病、何よりも嘆きから救いたい一心で、悠希は休みなく動き続けていた……。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
大和・恭弥
アドリブ・連携可能
恐ろしく統率が執れた島津藩は正史で有名だが、それらは犠牲のもとに成り立っていたともいうからな。圧政も苛政も犠牲を喰う政に変わりはない。
飢餓や貧困は絶望を招く根源だ。出来ることからやっていこう。
取り急ぎは隠れ里か。
そこらへんに天魔武者がうろついていることを考えると、なるべくそれと気づかれないような隠れ里に工夫する必要があるな。場所はそれなりに人里離れた、だが今の体力で移住できる範囲がいいか。
仲間が住居の方に手を付けてくれているようだし、俺は隠れ里の環境を整えておく。周辺の地にはあえて手をつけず、荒れたままにして、里の中に最低限必要な暮らしができる水源を用意しよう。
晴彦の手を借りて水脈がありそうなところを探り、そこから小屋のあたりまでぼろい木や枝でわからないように偽装しつつ水路を作っておく。
俺達が去っても山の水脈から水が確保できた方がいいだろう。
あとは食糧と衣服か。
時代に合う種類のものを用意し、新宿島から持ち込んでおく。
ひとまずは移動を始められるよう腹ごしらえも必要だな。
●渇いた心に命の水を
「恐ろしく統率が執れた『島津藩』は、正史でも有名だが……それらは、多くの民の『犠牲』の下に成り立っていたとも言うからな」
そう口にしながら、『隠れ里』を整えるのは、大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)だった。
「『圧政』も『苛政』も、多くの犠牲を伴う政に変わりはない。飢餓や貧困は、全て絶望を招く根源だ。俺達も、出来ることからやっていこう」
ディアボロスの力だけで、直ぐに全てのことを解決できる訳ではないことも分かっている。
だからこそ、恭弥は目に映る人々だけでも、救いたいと強く思っていた。
急ぎ整えなければいけないのは『苛政』に苦しむ人々が移り住むことが出来る『隠れ里』だという認識は、全てのディアボロスが共有していた。
(「『苛政』を敷いている以上、『島津』の『天魔武者』の多くが、集落の周辺をうろついているんだろうな。可能な限り『隠れ里』の存在を気づかれないように工夫する必要があるだろう」)
恭弥としても、集落から離れた場所に『隠れ里』を作った方が、『天魔武者』達に見つけられる可能性が低いことは理解している。
だが、移り住む人々の栄養状態や健康状態は著しく低下している。
ほんの僅かな移動だとしても、その身体にかかる負担が、とても大きなものとなるだろうことは容易に想像がつく。
『隠れ里』の住居に関しては、仲間達に任せて大丈夫だろうと判断した恭弥は、『衣・食・住』の『食』の部分で重要になる『水』の確保を担当することに決める。
人間は、水と睡眠さえ確り取れていれば、たとえ食料がなかったとしても2〜3週間ほどは生きていられると、何かで聞いたことがあった。
しかし、水を一滴も取らなければ、せいぜい3〜5日で命を落としてしまう……そして、『苛政』に苦しむ人々の状態はもっとひっ迫しているだろう。
だが、目立つ清流などは『天魔武者』が一番に人々を探す地になってしまう。
だから、恭弥は『隠れ里』の中に最低限、人々が暮らしに活用出来る水源を用意することを考える。
自分達が去っても人々が困らないよう、残留効果ではなく、クダギツネの『晴彦』に水源を探す協力をしてもらい、あくまで山の水脈から水を引き、飲み水や生活水に出来るようにと、恭弥は少しの時間、山や森へと入って行った。
「最低限の食料と衣服が整ったなら、集落へと向かわなければな。……俺も少し、腹ごしらえをしておくか」
言って恭弥は、新宿島から持ってきた『お弁当』を口に運ぶのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV3になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
ナタク・ルシフェラーゼ
アドリブ・連携大歓迎
そりゃ避難場所を確保しておかなきゃ、避難誘導なんてできないよねぇ
あたしは皆と連携して隠れ里を準備するよ。
力仕事なら任して♪という訳で、まずは予定地を見つけて開墾しなきゃ。
水の用意はあたし達で出来るならそれに越したことは無いけど、無理なら川や沼の畔を探さなきゃいけないかな。
まぁ隠れ里が見つからないことが最優先だから、多少の不便はお願いしなきゃいけなくなるかもしれないけど
出来れば不便の少ない方が良いよね。
開墾はまず畑にする場所のみ、土壌改良効果を計算しつつ邪魔な岩や木などを吼龍城塞破で吹き飛ばして行くよ。
…土に竜で畑の害獣モグラなんだけど、大丈夫かしら?
まぁ竜じゃなくて龍のつく技だからセーフって事で良いよね♪(ぇ
その後は仲間が用意した農具を(なければ軍用シャベルを鍬として)使って、深部まで確り丁寧に畑を耕すね?
この後逃げてきた皆さんが使う畑なんだから、畦とかしっかり整備しておかなきゃ。
落ち葉などを集めて腐葉土を作ったりしたら、少しは避難してきた人たちの労力も減るかしら?
●豊かな作物は豊かな土壌に宿る
「そりゃ、避難場所を確保しておかなきゃ、避難誘導なんて出来ないよねぇ」
『天正大戦国』の地の開墾作業に精を出しながら、ナタク・ルシフェラーゼ(超健康優良吸血鬼姐さん・g10728)は、そう口にする。
ナタクは、男性陣にも負けない勢いで『力仕事ならあたしに任せて♪』と、専ら進んで力仕事に従事している。
「水や食料が豊富にあるに越したことはないけど、まぁ『隠れ里』が見つからないことの方が最優先だから、多少の不便はお願いしなきゃいけなくなるかもしれないね。けど、出来れば不便の少ない『隠れ里』の方が良いよね」
避難してくる『苛政』を強いられ続けた人々を思い、ナタクは精力的に力仕事をこなしていく。
「『隠れ里』といっても、多少の畑くらいはないと食べていけないからね」
大きな岩や邪魔な廃材は、力の限りの打撃をもって粉砕しつつ平地を作っていく、ナタク。
ディアボロス達も、可能な範囲で食料や保存食をこの地に持ち込んでいたが、十全な量とは言い難かったし、一時といっても避難した人々は、この『隠れ里』で生活していかなければならないのだ。
避難した人々が自分達で、『食べ物』を作れる環境を用意することも、とても重要なことと言える。
「けど、『苛政』で弱った人達に、すぐ畑仕事はきつかっただろうねっっと!」
鍬を力強く大地に振り下ろしながら、ナタクが言う。
「体力が戻れば、自分達で畑作は出来るだろうから、あたし達が確り丁寧に畑の土壌を作って準備しておかないと」
土壌を整え、畦や畝を整備しておけば、『苛政』から逃げだ人々が生活するだけなら難しくはないだろう。
「あとは、落ち葉とか集めて腐葉土を作ったりしておけば、少しは避難してきた人達の労力も減るかしら?」
一通り畑を耕したナタクは、この世界でも使用可能な『肥料』を作る為、一度森へと入って行った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
●『苛政』に苦しむ人々を迎えに
ディアボロス達の懸命な努力もあり、数十人程度なら暮らすことが出来る『隠れ里』は数刻程で出来上がった。
次は、『苛政』に苦しむ人々を、この『隠れ里』に避難させなければならない。
彼等の飢餓や病は既に限界を迎えている。
迅速に、なるべく多くの人々を『隠れ里』に避難させなければならない。
『島津』についての情報も少しなら、訊くことが出来るだろうか?
多くは望めないかもしれない……。
何故なら、人々の命がかかっているのだから。
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
聞いていた通り、酷い状況だな。
話を聞くのは後でいいだろう。まずは飯の用意をしながら生き残っている人を探そう。
お粥なら食べることが出来るか?ゆっくり、焦らずに食べてくれ。
食事と【活性治癒】の効果で回復すれば話をすることもできるようになるだろう。
皆が食べ終わるまで待ってから話を切りだそう。
俺たちは天魔武者の圧政から人々を解放している者だ。
他の村も俺の仲間が救助活動を行っている。
にわかには信じられないだろうが、少し離れた所に村の皆が暮らせる家も用意してある。
故郷を離れるのは辛いだろうが、一時的な避難だ。必ずこの村に帰れるようにする。
その証拠、というわけでもないが近くにいる天魔武者を倒してこよう。
それと一つ聞いておきたいんだが、捕まった人々がどこに連れていかれたか、聞いたことはないか?生きてさえいれば俺たちが必ず助け出す。
移動の話は今すぐ答えを出さなくても構わない。俺たちが戻ってきてから考えても十分間に合うからな。
●苦しみからの解放を願う
「……聞いていた通り、酷い状況だな」
『島津氏』の『苛政』に苦しむ集落の様子を目の当たりにし、流石の獅子堂・崇(破界拳・g06749)も、そう言葉を漏らす。
『刻逆』以前から色々な国を旅してきた崇は、けして裕福ではない国を訪れたこともあった。
だが、今、崇の目の前に広がる光景は、それを遥かに超え、苦しむ人々の姿だった。
集落の隅では、あばら家とも呼べぬ家の壁にもたれ掛かり動けぬ人々……食料どころか水もまともに飲めていないのだろう、身体からは骨が浮き出ており、まともに動ける人間も数少ない。
「話を聞くのは、後でいいだろう。まずは、飯の用意をしつつ、少しでも多くの生き残っている人を探そう」
元々が集落なら、数十人を超える人々がこの集落には居た筈なのだ
その内のどの程度の人々が今も生きているのかは分からないが、救える人数は多ければ多いほどいい。
崇は、喋ることもままならない人々に話しかけ、作ったお粥をそれぞれの口に含ませる。
「ゆっくり、焦らずに食べてくれ」
飢餓で死を迎えるほどまでに追い込まれた人々に、多くの食事を一気に与えてしまえば、身体が拒絶し吐いてしまう恐れもある。
だから、崇は慎重に人々に食事を与えていく。
食事と共に【活性治癒】の効果を併用すれば、人々の身体の再生力は上がると思っていたが、直ぐに効果が表れない。
一瞬で回復しないほどに、人々の身体から生命力が失われているのだと、崇は理解する。
「ゆっくりでいい。身体を癒してから、これからの話をしよう」
全身が乾き、動くこともままならなかった人々の目元から涙が溢れていた。
自身の見て取れる範囲の人々に食事を与えた後、崇は人々に自分達の素性から話始める。
「俺達は『天魔武者』の『圧政』から人々を解放している者だ。他の村も、俺の仲間が救助活動を行っている」
努めて静かな声で、崇は集落の人々にそう伝える。
「俄かには信じられないだろうが、少し離れた所に村の皆が暮らせる家も用意してある。故郷を離れるのは辛いだろうが、一時的な避難だ。必ずこの村に帰れるようにする」
皆が暮らせる家……飢餓に苦しむ人々が、いま最も願うもの……『圧制』から解放され、ただ穏やかに暮らせる場所。
それが既にあるのだと、無骨ながらも真摯に崇は伝える。
「その『証拠』という訳でもないが、俺達が近くにいる『天魔武者』を倒してこよう」
自分達を助けてくれた人を疑うわけではないが、集落の人々は皆……『無理』だと思っていた。
それが叶うなら、自分達はこのような状況まで追い込まれることはなかった……愛する人が死ぬのを何も出来ず見ているだけなどということもなかったのだから。
けれど、崇は『心配するな』と強い瞳で人々に不思議な信頼を与える。
「新しく住む場所への移動の話は、今すぐ答えを出さなくても構わない。俺達が戻って来てから考えても、十分間に合うからな」
つまり崇は、この一帯に『苛政』を敷く、天魔武者『甘利虎泰』を倒してから返事が欲しいと言っているのだ。
「それと、一つ聞いておきたいんだが、捕まった人々がどこに連れていかれたか、聞いたことはないか? 生きてさえいれば俺たちが必ず助け出す」
「……それは、分かりません。申し訳ありません。ただ、島津の方々は『お前達のような役立たずは死んでしまえ』『もっとマシな奴らを連れてきて入れ替えてやる』などと言っておりました」
「……本当かどうか判りませんが、南にある土地から住民を略奪して来ると聞い者もいるようです」
その言葉を聞いて崇は、眉をひそめる。
「住民を『略奪』してくるだと……」
九州南部の更に南……崇の脳裏に『沖縄』という地名が浮かんだ。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
不知火・紘希
他のところも見たけれど、酷い状況だね……。最悪の状況だけは僕らの手で防ぎたいな。
未来のため、みんなから情報がもらえたらいいけど、みんなの命が最優先だからね!
現地についたらとにかく苦しんでる人たちを仲間の【活性治癒】を借りて癒やしながら助けて回るよ。
食べ物は胃に優しいおかゆを古い品種のお米でつくって、【口福の伝道者】で増やして配ろう。あたたかい白湯もあるからね。
すこし動けるようになったらできるだけ1箇所に集まってもらって、村のえらい人を教えてもらおう。
もしいたら仲間と一緒に避難の説明を軽くするよ。
できたら情報収集もしたいかな。
ねぇ、この村はいつ頃からこんなひどい状況になったの?誰も助けに来てくれなかったのかな。
この村から出ていったひととかで、戻ってきたひとはいる?
これだけ食糧がなかったってことは支給ルートもなかったってことだよね。昔の日本は年貢税とかあったみたいだけど、急に取り上げた誰かがいるのかなぁ。
●想像出来ぬ程の様
「他のところも見たけれど、酷い状況だね……」
件の集落の有様を目にし、不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)も息を呑む。
『最悪の状況だけは僕らの手で防ぎたい』
紘希は、その思いでパラドクストレインに乗ったのだが、既に飢餓で人々の死骸が放置されている状況……これ以上の『最悪』はないとさえ思える惨状に、淡い期待さえ打ちのめされた思いだった。
「……未来のため、みんなから情報がもらえたらいいけど、みんなの命が最優先だからね!」
一人でも多くの命を……その思いで紘希は駆けだす。
目に映る人々に【活性治癒】を施しながら【口福の伝道者】で増やしたお粥を食べさせ『あたたかい白湯もあるからね』と優しく声をかけていく紘希。
だが、人々の瞳には生きることへの意志が見て取れない。
それ程までに『島津』の『苛政』が人々の心に与えた傷が深いのだと、紘希も理解する。
「……この集落のえらい人は誰なのかな?」
紘希の問いに、動けるようになった人々は一様に首を横に振る。
更に聞くと、この集落の長だった老人は既に『天魔武者』の『苛政』を少しでも和らげようとしたところ、首を刎ねられたらしい。
「……そんな、ひどい」
この土地の現状は紘希が思っていた以上にひっ迫していたのだ。
他の集落を見ていたことで、救える命が『同じ』だと思っていたのかもしれない。
環境や場所、そこで『苛政』を強いる『天魔武者』によっては、『痛み』も『飢え』も『死』も全て違うのだと、紘希は思い知らされる。
それでも、しばらくぶりに喉を通る食べ物に人々は感謝し、紘希に礼を言う。
「……ねぇ、この村はいつ頃からこんなひどい状況になったの? 誰も助けに来てくれなかったのかな。この村から出ていったひととかで、戻ってきたひとはいる?」
その紘希の問いに多くの人々は答えることが出来なかったが、紘希が気になる話も聞くことが出来た。
「肝付の殿様の時代も酷かったが、これほどでは無かった……少なくとも、生きてはいけたのだから」
「……薩摩の客人が来るので臨時で税を出せと言ってきた後、殿様が死んだとか、これからは、この大隅国も薩摩国だとか言われて、この有様です」
人々の話を纏めるなら、『大隅国』の支配下にあった頃はまだ生きていけたということ。
「つまり、『大隅国』が『島津』に滅ぼされて、『薩摩国』の支配がはじまってこうなってしまったってことだよね?」
『天魔武者』達の間でも領土の奪い合いがあることの表れだと、紘希は理解するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
冰室・冷桜
さーて、どこもかしこもひどい有様……って感じよね
ま、私は私でやれることをやってきましょう
話を聞くにせよ、まずはそれができるだけの元気をってー話よね
【アイテムポケット】で布と食料の類を持ち込めるだけ準備して、手持ちでも鞄に詰めるだけ詰め込んで、だいふくと一緒に運んでいきましょ
はいはい、皆さん、救援にきましたよーっと
【口福の伝道者】で増やすにせよ、こういうは目の前で作った方がこー気持ち的にいいもんじゃない?
大きめの鍋で粥を用意してーの、他の人らと手分けして作ったり、配っていきましょう
冬は寒いし、体が汚れてると気分も落ち込んじゃうから一緒に布も配っていくわね
たくさん運んできてるから遠慮せずに食べて、使って頂戴な
んで、ある程度配り終えたら、村長とか立場が上の人にお話を聞きにいきますか
薩摩の奴らがーってのはどっから来てるのかってのを聞いたことありません?
薩摩から来て帰ってるのか、それともこの国のどこかに根城みたいなのがあるとか
噂とかもしかしたらくらいの話で構わないんで
●九州南部の国盗り合戦
「さーて、どこもかしこも酷い有様……って感じよね」
『島津氏』の『苛政』に苦しむ集落に足を踏み入れ、その惨状に冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)も流石に息を吐く。
現状を聞き、その目で見て、人々がどれだけ苦しみを味わっていたかが分かる。
『薩摩国』の現状を見るのが初めてではなくとも、それがどれだけの人々の『死』を招いたのか、予想するのは難くない。
「……私は私で、やれることをやってきましょう」
足を止める時間すらないのだ。
冷桜は救える人を救う為に、この集落で生き残っている人々を探す。
喋ることもままならぬ人々が殆どだったが、冷桜はまだ生きる人々……食事を摂れる人々を見つけると、【アイテムポケット】から食料と、寒さに耐え得る毛布の類を人々に渡していく。
「はいはい、皆さん、救援にきましたよーっと」
この地の話を聞こうにも、可能な限りの支援をしてからでなければ難しいからだ。
メーラーデーモンの『だいふく』もまた、冷桜に倣い人々の支援を手伝っている。
【口福の伝道者】で食料を増やさねば足りないほどに、この集落の食料は乏しい
だが、冷桜は飢える人々目の前で、大きな鍋を使い温かな食べ物の湯気を立てることで、人々に救援が来たのだと心から思ってもらえるようにする。
「まだまだ冬は寒いし、体が汚れてると気分も落ち込んじゃうから、これを使ってね。沢山、運んできてるから遠慮せずに使って頂戴な」
温かな毛布や布は多くはないが、それでもこの集落の人々が身に纏っている服で冬を越すのは、とてもではないが……苦しすぎる。
冷桜は表情こそ変えないが、胸を痛めると同時に『島津』の『苛政』に怒りを感じていた。
「ちょっとあなた方に訊きたいことがあるんだけど、『薩摩』の奴らってのは、どっから来てるのかってのを聞いたことありません? 『薩摩国』から来て帰ってるのか、それともこの国のどこかに根城みたいなのがあるとか……噂とか、もしかしたらくらいの話で構わないんで」
僅かに回復した人々に、冷桜がそう聞けば、頬のこけた人々は顔を見合わせ必死に思い出そうとしている。
「……肝付のお城も、破壊されて残っていないという噂です。最初の頃は、日向から大友の殿様が救援に来てくれていたのだけれど」
「いつの間にか、居なくなってしまった……だな」
「日向のお国でも何か起こったのか……命がけで『日向国』に避難したものもいるらしいな……」
集落の人々の話を聞き、冷桜はこの九州南部での戦況の変化を感じ取る。
(「この集落は、本来なら『大隅国』が支配していて、それを落としたのが『薩摩国』……そして、『日向国』に移動は可能だけど、『日向国』には陥落した『大隅国』を支配下に置くほどの余裕がない……『日向国』でも何か大きな事件が起こっていると考えた方が良さそうだね。『日向国』を統治するのは……『大友氏』ってことね」)
確定した情報ではないが、九州解放を考えるのであれば、どの国を優先するべきかは吟味する必要があるだろうと、冷桜は結論付けるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
陳・桂菓
狙撃銃……だけが能ではないか。なかなかに隙の少ない兵らしい。
しかし、それでも遠間で好き勝手やられるよりは、接近戦を挑んだ方がマシではあるはず。
上手い具合に間合いを詰めて叩くには……さて、どうしたものか。
使用武器は馬槊『虬竜』、劈刀『棕熊』
まずは遠距離から闘気の刃を放って牽制しつつ駆け寄っていき、間合いに入ったところで刺突を放って仕留める、といった戦法。誤差かもしれないが少しでもリーチ差を埋めるため、長柄の馬槊という武器を選んだ。
敵はワイヤー付きの礫を飛ばしてくる、と。高速で飛んでくる小さな礫を正確に弾いて防ぐというのは微妙に面倒そうではあるが、ワイヤーならば振るった馬槊の柄に巻き込んで防ぐことも、あるいは可能ではないか。
仮に巻き取りにかかられたところで、かえって引っ張られて近接の間合いになるのだからそう悪いことでもない。逆手で劈刀を抜き打ちにして斬り捨ててくれよう。
「戦神の裔を自称している私が言うのも何だが、民を虐げて戦をするしか能のない鈍物どもに天下はやれん。疾く駆逐してくれる!」
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
色々考えることはありそうだが、まずは約束を守らないとな。集落の人たちのためにも奴らはこの場で全員倒す。
予知の感じだと警戒している様子もない。敵がいるとは思っていないだろうから、上手くやれば先手を取れるだろう。
とりあえず敵のルート上で俺が隠れられるくらいの茂みを探してそこに潜もう。敵が通りかかるタイミングで微かに茂みを揺らしてうめき声を上げればそこに人間がいると認識するだろう。
奴らの目的を考えれば死にかけているであろう人間を確認もせずに攻撃したりはしないはず。
失敗したら皆の援護に期待しよう。
敵が近付いてきたら茂みから飛び出して六連撃を叩き込む。接近戦もできるみたいだが、専門というわけではないだろう。
距離を取られる前に一気に畳み掛けるとしよう。
●茂みに隠れし獣
「色々考えることはありそうだが、まずは約束を守らないとな」
獅子堂・崇(破界拳・g06749)はそう口にし、この集落の人々を連れ去りに来る、天魔武者達を茂みに潜み待ち構える。
「集落の人々の為にも、奴ら──『島津氏』の天魔武者は、この場に現れる者、全てを倒す」
強く──ただ強く、崇はそう思っていた。
天魔武者達の『圧政』そのものを無くさなければ、全てが解決されたことにならないことは分かっている。
それでも、『島津』の連中を赦すことなど到底できない。
だからこそ、現れた天魔武者を迎え撃ち、全てを屠ると誓ったのだ。
「聞いた予知の感じだと、警戒している様子もない。俺達、ディアボロスが敵として待ち構えているとは、思っていないだろう。上手くやれば、先手を取ることも出来る筈だ」
そう考えていた崇の視界に、緑の甲冑を纏ったトループス級天魔武者『武田静林隊』の姿が入る。
奇襲を狙うのであれば、絶好のタイミングを見計らわなければならない。
崇は茂みの中から、武田静林隊が眼前を通るタイミングで、草木を揺らし、くぐもった声を上げる……この茂みの先に飢餓に苦しむ人間が居るのだと思わせる為に。
複数の『武田静林隊』がその音に気付いたのか、人間を捕えようと狙撃銃を脇に抱え、声の先を確認する為に手を伸ばした。
崇が考えていた通り、直ぐに発砲する様子もない……人間を生け捕りにすることこそが『島津』の目的なのだから。
緑の甲冑を纏いし天魔武者達が油断している、この今こそが強襲のタイミングだと崇は本能的に理解する。
「赦す気はないからな、『島津』の天魔武者! これを受けてみろっ!!」
言葉と共に茂みから飛び出した崇は、緑の甲冑の上から拳打と蹴撃を組み合わせた六連撃を力の限りで、武田静林隊に素早く喰らわせる。
(「接近戦も出来るようだが、こいつ等はおそらく狙撃がメイン。近接専門でないのなら……」)
「距離を取られる前に、一気に畳み掛けさせてもらうっ!!」
武田静林隊の肩部から撃ち出される攻撃にも怯むことなく、崇は拳を振るい続ける……『苛政』に苦しむ人々が安心して暮らしていく為に。
●疾き戦神
(「狙撃銃……だけが、能ではないか。中々に隙の少ない兵達らしい」)
戦場となった集落の地を、強く踏み締め素早く動き、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は、『武田静林隊』の兵達をそう評価する。
(「しかし、それでも遠間で好き勝手に狙い撃ちされるのならば、接近戦を挑んだ方がマシである筈。……さて、どうしたものか」)
地に手を付き回転し、武田静林隊に攻撃の機会を与えぬようにしながら、距離を取りつつ自身の間合いで緑の甲冑の兵達を打ち倒す術を思考する、桂菓。
「放つ!」
鋼の槍である馬槊『虬竜』と、蟲の甲殻から仕上げた剣鉈である劈刀『棕熊』を、両の手にしっかりと構えた桂菓は一気に振り下ろすと闘気を刃と成して、まず牽制を兼ね武田静林隊の連携を崩す。
その勢いのまま桂菓は大地を駆けると、パラドクスを込めた『虬竜』を以て、緑の甲冑を鋭く刺し貫いた。
ワイヤーに繋がれた撃ち込み武器を全て避けきることは難しくとも、自身の速さを活かし確実に、桂菓は武田静林隊を仕留めていく。
止まぬ礫のワイヤーを振るった『虬竜』の柄に巻き込み、力のみで武田静林隊を自身の元まで引き寄せた桂菓は、逆手に構えた『棕熊』に闘気を込め武田静林隊の腹を逆袈裟に斬り捨てた。
「戦神の裔を自称している私が言うのも何だが、民を虐げ、戦をするしか能のない鈍物共に天下はやれん」
動きを止めることなく桂菓が言葉を続ける。
「疾く、ただ疾く、駆逐してくれる!」
桂菓の威風ある声が鋭く戦場に響くのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
大和・恭弥
仲間が、そして身内が色々と先回りをしてくれているようだ。それならば俺はできることに尽力する。
―絶望を齎したことの報い、此処で受けてもらう。
妖刀の藍雪花染を抜刀し、呪詛を開放して打ち出された錨に対応し、瞬時に呼吸を読んで間をはかりながら臨機応変に立ち回って斬り込んでいこう。
ワイヤーは巻かれないように気をつけながら足回りの移動は気を付け、仲間と連携して急所を狙えるか積極的に攻め込んでいく。
多少の負傷は厭わない。ダメージを与えることを優先的に彼らの恨みや無念をのせて剣技・天神ノ瞋怒雨「雷神」で一閃していこう。
陳・桂菓
甘利虎泰か。その名は史書でしか知らんが、戦国最強とも謳われた武田軍においてその人ありと称された猛将だそうな。
名に見合った武を持つというなら、その技前は並ではあるまいが……とはいえ、人型による人の技での勝負というならば、むしろ私の得意分野だ。
使用武器は引き続き馬槊『虬竜』、劈刀『棕熊』
「触らせなければ、お前の技は使えまい!」
馬槊のリーチを活かして、懐に入らせないように刺突を放つ――しかしこれは通用しないことは織り込み済みの、いわばブラフ。
虎泰ならば必ず見切り、馬槊の柄か私の腕かを捕まえてくるだろう。その瞬間、投げを打たれるより先に逆手で抜刀した劈刀による【虚誘閃殺】の斬撃を放つ。
虎泰の柔術の技量を、私の抜刀術と速度とが上回れるかが肝。しかし、先の台詞を吐くことで虎泰に「勝った」と思わせることができたならば、わずかなりと隙は生まれるのではないかと思う。そこにつけ込むことができれば、こちらに勝機があるはず
まあいざとなれば、腕一本程度へし折れる覚悟で投げを耐えつつ強引に斬撃を打ち当てるのみ。
●武人の覚悟
「このような枯れた集落に、ディアボロスが現れるとはな。それにしても、不甲斐ない。武田の兵の名が泣くわ」
言って、倒れ死した『武田静林隊』の1体を蹴り付けるのは、緑の甲冑の下の動きからもその実力が垣間見える、アヴァタール級天魔武者『甘利虎泰』だった。
武田静林隊が集落から戻らぬことに業を煮やし、自らこの集落に赴いたのだろう。
「お前が、甘利虎泰か」
馬槊と劈刀を手に、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)が訊く。
(「甘利虎泰か……その名は、史書でしか知らんが、戦国最強とも謳われた『武田軍』にその人ありと称された猛将。家臣を大事にせぬその在り様は、相容れぬが……実力のみなら、名に見合った武を持つと見える。その技前は、並ではあるまいが……とはいえ、人型による人の技での勝負というのならば、むしろ私の得意分野」)
「触らせなければ、お前の技は使えまい!」
馬槊『虬竜』の長寸の槍のリーチを活かし、甘利虎泰の攻撃を受けぬように、自身の懐に潜られることを警戒しながら、桂菓は『虬竜』を一気に突き放つ。
だが、この刺撃はあくまで牽制のブラフ。
甘利虎泰ならば、必ず見切るであろうという確信が、桂菓にはあった。
「見切る……」
『虬竜』の柄を甘利虎泰が掴んだ瞬間、天地が翻される前……ほんの僅かな瞬間に、桂菓は劈刀『棕熊』を逆手で抜刀すると、超高速の斬撃を放つ。
甘利虎泰との格闘術の技量の差を、桂菓の抜刀術の技量と速度で埋められるかが勝負の要だったが、見える隙と言葉での隙を、敢えて甘利虎泰に分かりやすく見せることで、桂菓は軽微なダメージのみで甘利虎泰の胸に大きく傷を作る。
「まだまだ、動けるのだろう……甘利虎泰。私の腕一本程度なら、くれてやる覚悟だ。だが、お前の首は私たちが必ずもらい受ける!」
紫玉の瞳に闘志を燃やし、桂菓は再び得物を構えた。
●繋ぎし意志
「仲間が、そして……身内が、色々と先回りをしてくれていたようだ。それならば、俺は俺の出来ることに尽力するのみ。甘利虎泰──『大隅国』の人々に、絶望を齎したことの報い。──此処で受けてもらう」
大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)は『甘利虎泰』に強くそう言うと、妖刀『藍雪花染』を抜刀し正眼の位置に構える。
構えた『藍雪花染』からは碧の気が放たれ、恭弥の悲哀を呪詛として開放する。
先に動いたのは、甘利虎泰だった。
腕部の錨を素早く恭弥に撃ち放ち、素早く動きながら、肩部からもワイヤー付きの鋲を幾つも打ち出す。
だが恭弥は、瞬時に甘利虎泰の動きを読み、目測で距離を取りながら、致命の一撃を避ける。
(「……機動力を落とす訳にはいかないな」)
甘利虎泰の放つワイヤーに脚を巻き取られれば、勝機が減ることも恭弥は理解していた……だからこそ、恭弥は俊敏に戦場を縦横無尽に駆け続ける。
そして、甘利虎泰の攻撃の手数が減ったところで、恭弥は『藍雪花染』を振り上げると、甘利虎泰へ接敵する。
(「多少の傷は厭わない──甘利虎泰の『苛政』を俺が……俺達が、断ち切ってみせる
……!」)
「この世を歪ませるものに、慈雨は必要ない――雷撃の如く、心根を斬るのみ」
妖刀『藍雪花染』がその刀身に吸収した哀しみや絶望、そして後悔の感情を、恭弥は無念千万の呪詛に変え、雷の如き激しき剣閃として、甘利虎泰を両断する思いで斬り付ける。
その斬撃は、甘利虎泰を以てしても、距離を取らなけらればならない程のダメージをその身に与える。
「……くっ、たかが人間が、ディアボロスが……我等、天魔武者に牙を剥くとは。我は貴様等を、けして許さぬ……感情エネルギーなど、もう知ったことか! 貴様等は、全て皆殺しだ!!」
怒りと共に甘利虎泰は、殺戮者としての咆哮を上げた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
今までは感情エネルギーのために本気ではなかった、とでも言うつもりか。だとしたら最初から戦力を見誤ったな。
どういう謂れがある武将なのかは知らないが、手練れであるのは確かだろう。普段ならこういう拳でやりあえる相手との戦いは望むところなんだが、ただ人々を苦しめて仲間を足蹴にするような相手じゃ、そういう気も起きないな。
こっちにも約束があってな、少し急いでいる。手早くけりを着けさせてもらうぞ、甘利虎泰。
やつの錨が届く前に、俺の最速の一撃を叩き込む。
近接戦闘が得意だったようだが、今回は俺に分があったようだな。
村の人たちに信じてもらうためにも腕を一本もらっていくぞ。これでこの地の圧政も落ち着けばいいんだけどな。
●武功とは武人としての誇りがあればこそ
「今までは、感情エネルギーの為に本気ではなかった……とでも言うつもりか」
怒りのままに、皆殺しを宣言した『甘利虎泰』に低く静かにそう告げるのは、獅子堂・崇(破界拳・g06749)。
「だとしたら、最初から俺達の戦力を見誤ったな」
腰を落とし、力強く拳を握りながら崇が甘利虎泰を意志の強い瞳で睨み据える。
(「甘利虎泰……どういう謂れがある武将なのかは詳しく知らないが、手練れであることは確かだろう」)
普段の崇であれば、拳をぶつけ合える猛者と戦う機会は、望むところとなのだが、この眼前の敵はそれにすら値しないと考えていた。
(「ただ無為に人々を苦しめ、倒れた部下を足蹴にするような相手じゃ、そういう気にもならないな」)
どんなに戦う力があったとしても、武人としての誇りは一切感じられない相手との戦いでは、何の高揚感も生まれはしない……崇は甘利虎泰が、ただ、倒さなければならない相手としか思えなかった。
この天魔武者との戦いに意義を感じることも恐らくない……相手は、ただの『簒奪者』なのだから。
「こっちにも約束があってな、少し急いでいる。手早くけりを付けさせてもらうぞ、甘利虎泰」
言葉と共に崇は、大地を強く蹴った。
両の手の錨を崇に撃ち放とうと構える甘利虎泰よりも、速く、速く、戦場をただ真っ直ぐに駆ける崇。
ワイヤーに捕まれば、崇とて直ぐに振りほどくことは難しい……だからこそ、全てを込めた最速の拳撃で沈めてみせると崇は誓っていた。
「最速の一撃、見切れると思うな!」
空手の刻み突きを、崇なりにパラドクスとして昇華させた拳打が力強い踏み込みと共に、緑の甲冑越しに腹部へと痛烈に撃ち込まれると、一瞬の硬直の後に甘利虎泰は膝を折り『ズサッ……』という音と共に倒れ伏した。
「……近接戦闘を得意としていたようだが、今回は俺に分があったようだな」
強者に勝った感慨は湧かない……崇から見ても、この男に勝ったことが誉になると思えなかったからだ。
だが、この人々を苦しめた『天魔武者』を倒したという証明だけは欲しい……この集落の人々に、恐怖が去ったのだと報せる為に。
「……腕を一本もらっていくぞ」
崇は表情を変えずに、緑の甲冑を纏った左腕を音を立てて折ると、首の代わりに貰い受けた……飢餓に苦しんだ人々の、腹の足しにもならないと思いながら。
●島津の苛政は未だ残りて
「これで、この地の『圧政』……いや、『苛政』だったな。それが、少しでも落ち着けばいいんだけどな」
仲間達と共に、集落の人々を『隠れ里』へと避難させた後に、思いを込めて崇はそう口にした。
ディアボロス達が作った『隠れ里』に居る限りは、飢餓に苦しんだ人々も『天魔武者』に怯えず暮らすことは出来るだろう。
けれど、『薩摩国』の『島津』を落とさない限り、根本的な解決にならないことも分かっていた。
パラドクストレインで『新宿島』に帰還するディアボロス達は、皆一様に……直ぐに、新たなパラドクストレインが現れることを予感していた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!