断片の王『アーサー・ペンドラゴン』との邂逅

 一気呵成にキャメロット城に攻め込んだディアボロスの活躍により、キャメロット城内部は至る所で乱戦となっており、ドラゴン側は組織だった防衛網の構築を行えないでいます。
 最大戦力であるジェネラル級ドラゴン達との決戦が開始され、城の最奥への道は開かれようとしています。
 攻略旅団の作戦に従い、断片の王『アーサー・ペンドラゴン』の元に向かってください。

 アーサー王の撃破はまず不可能な状況ですが、接触を取る事はできます。ここで戦闘能力を知っておくことで、後の役に立つかもしれません。
 また、アーサー王からは、相応の対価を支払う事で、重要な情報を得られるかもしれません。
 慎重かつ大胆な交渉を行う事ができれば、世界の謎を紐解くチャンスとなるでしょう。

 アーサー王が撤退した後は、忠実な近侍であり、円卓の騎士でもあるジェネラル級ドラゴン『ルーカン卿』と戦闘を行う事が出来ます。
 ここで撃破し、アーサー王の重要な守りの一つを奪いましょう。

断片の王『アーサー・ペンドラゴン』
ルーカン卿

邂逅、アーサー・ペンドラゴン(作者 木乃
24


#幻想竜域キングアーサー  #断片の王『アーサー・ペンドラゴン』との邂逅  #断片の王  #アーサー・ペンドラゴン  #キャメロット城攻城戦  #ルーカン卿 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#幻想竜域キングアーサー
🔒
#断片の王『アーサー・ペンドラゴン』との邂逅
🔒
#断片の王
🔒
#アーサー・ペンドラゴン
🔒
#キャメロット城攻城戦
🔒
#ルーカン卿


0



●謁見の刻、来たれり
 宮尾川・ライラ(蛇姫・g03335)は集合したディアボロスの端末に、大量のデータを送ってから話を切り出した。
「キャメロット城攻城戦は無事に成功したわ! 絶対不可侵の護りを失って混乱する敵陣で、多くの優秀な指揮官クラスのドラゴンを撃破。指揮系統の乱れたドラゴン達も徹底的に撃破したことで、キャメロット城最奥――そう、アーサー・ペンドラゴンまで続く道が開いたってこと!」
 幻想竜域キングアーサー。そこに君臨する、断片の王。
 長き道のりを経て、遂に邂逅するときが来たのだ!
「この状況に対して、最大戦力であるジェネラル級ドラゴン達も、ディアボロスの迎撃に投入されている。どこも熾烈な激闘を繰り広げることになるでしょうね……でも、これはアーサー王の護りが手薄になったとも言えるわ!」
 言葉を発するライラさえも緊張を隠せずにいる。
 胸に手を置き、深呼吸をひとつ。

 そして、彼女は宣言した。
「皆には、攻略旅団の作戦に従い――断片の王、アーサー・ペンドラゴンの元へ向かってちょうだい! 残念だけど、全てのジェネラル級ドラゴンを引き離せなかったから、今回の作戦で撃破することは限りなく不可能に近いわ」
 だが、断片の王の力量が如何ほどか?
 推し量るには、これが最初にして最後のチャンスとなる。
「断片の王の強さを体感した上で、アーサー王が知る情報を引き出すチャンスを得られるかもしれない……危険が伴う作戦だけど、“虎穴に入らずんば虎児を得ず”よ! 危険を冒す価値がある情報だとしたら、袖にするほうが損になるわ?」
 慎重、かつ賢明な判断を下すよう、ライラはディアボロス達に促す。

 出撃したジェネラル級の戦場は、救援機動力のおかげで直感的に把握できる。
 戦場を迂回していけば、王の間に行き着くことも可能だろう。
「アーサー王の元には、ジェネラル級ドラゴンのルーカン卿と、近衛兵が待機しているようね」
 ルーカン卿はアーサー王の側近も務めていたらしく、王の護りに回ったようだ。
「もし、アーサー王と戦闘する場合、ある程度の数をこなしたら、キャメロットを放棄して撤退してしまうようね。撤退されたら、ルーカン卿が王を護るべく、立ち塞がることが予想されるわ。追撃はできないと思ってちょうだい」
 側仕えとはいえ、ジェネラルを冠するドラゴンの1体。
 さらに、近衛兵まで控えている状況だ――容易に突破できると、思ってはいけない。

「でも、断片の王に難攻不落の拠点を放棄させることは、攻城戦の成果として充分すぎるほどだわ! ディアボロス・ウォーを仕掛ける絶好のチャンスになるハズよ!」
 だが、そのような状況で対話などできるのか?
 当然の疑問だが、ライラは眉根を寄せ。
「どうやら、作戦をことごとく邪魔し続けたディアボロスに、アーサー王は興味があるみたいなの。情報を聞きだすにしても、“なんらかの対価”を求められるでしょうね……“貴重な情報を引き出せる機会”を手放してもいいか、よく考えておいたほうがいいわ」
 選択した結果で後悔しないためにも、取引材料をいくつかピックアップしておくと良さそうだ。

 これより拝謁するは、竜を統べる断片の王。
 生半可な覚悟で挑めば、一息で斬り捨てられることだろう。
「残念だけど、ルーカン卿がいる限り、アーサー王を追撃することはできないわ。撃破が極めて困難な以上……ディアボロス・ウォーで雌雄を決することになるでしょうね」
 とはいえ、アーサー王がディアボロスに興味を抱いていることは、こちらにとってもメリットがある。
「ディアボロスと話す気がある以上、あちらも腹を割って話す心積もりでいるハズよ。情報を集めつつ、実際にアーサー王の力量を推し量ってちょうだい。――“無礼者は相手にされない”でしょうから、礼節をもって対話するのよ」

●王と執事
 石造りの大広間――そこは断片の王、アーサー・ペンドラゴンの玉座の間。
 独特な造りの玉座に座するアーサー王は、ドラゴンでも最大級の体躯を誇り、その目前で翼を畳むドラゴンが長い首を垂れている。
 それは、王の御前で膝をつく騎士を彷彿とさせた。
「我が王、城内の戦況をお伝えします」
「許す。申してみよ、ルーカン」
 荘厳な佇まいのアーサー王に促され、ルーカン卿は冷静に言葉を重ねていく。
「私を除いた、キャメロット城内にいる円卓の騎士達は、ディアボロスを迎え撃たんと動いています。しかし、防衛が成功するかは……不肖、ルーカンの目には“五分”であるかと」
 近衛として待機するナイトドラゴン達も、緊迫した空気に固唾を呑む。
 アーサー王は沈黙でもって、ルーカン卿に報告を続けさせる。
「万が一、ディアボロスが玉座に到達することがあれば――キャメロット城を放棄し、早急に離脱してくださいませ。我が身を賭して、必ずや御身を護り抜きます。……何卒、御一考を」
 平伏したまま、嘆願するルーカン卿をしばし見下ろし――そして。
「面を上げよ、ルーカン。これまでの忠義に免じ、余は申し入れを受けよう。……しかし、この難攻不落のキャメロットへ、いとも容易く攻め入るとは。蟻の一穴であるか」
 どこかおかしそうに言い放ち、王は肘掛けを撫でた。

「竜域ダンジョンのラキ火山。あそこを奪われた因縁より、幾度も遭遇し、幾度も争ってきたが……全て、“ディアボロスにとって都合の良い結果”となった」
 ――おかしいと思わないか?
 “これから起きようとしている事態”に対し、あまりに初動が早過ぎる。
 未然に防がれた作戦さえある……これまでの状況を振り返り アーサー王は泰然と思考を巡らせた。
「まるで“歴史を俯瞰して、あらかじめ見通していたかのように”我が円卓の騎士達も滅されている。――異様なまでの索敵能力に、情報収集能力。幸運というには、いささか“都合の良すぎる偶然”が起きていないか?」
 思い返すほど、ディアボロスは――なにもかもが不自然だ。
 その違和に、気付きを得たアーサー王がポツリと呟く。
「そうか、彼らは“イレギュラー”なのだな」
 くつくつと笑い声を噛み殺し、思案する王を……ルーカン卿はただ見つめた。
 こみ上げていた笑いが収まると、アーサー王はようやく言葉を発する。
「彼らが“イレギュラー”であるならば、撤退する前に言葉を交わしたくもある。ルーカン、ディアボロスが余と対話を望むならば、しばし余の傍らに控えよ」
 その行為にどのような意味があるのか? ――疑問を投げかける必要はない。
 彼こそが、アーサー・ペンドラゴン。幻想竜域キングアーサーの“断片の王”なのだから。
「――仰せのままに、我らが王」



 断片の王『アーサー・ペンドラゴン』との会話を行います。
 アーサー王は、絶対不可侵であったキャメロット城を一瞬の隙をついて一気に切り崩したディアボロスの手腕を高く評価し、関心を持っているようです。
 その為、王への礼儀を弁えた上で質問であれば、彼の知る真実を語ってくれます。

 ただしアーサー王の能力により、ディアボロス側が回答を得るごとに、対価となる情報をアーサー王側も得てしまいます(※ディアボロス側が語らなくても)。
 どのような対価が必要であるか、アーサー王は都度宣言しますので、その対価に釣り合うかを確認しつつ情報を引き出しましょう。
 1プレイングにつき可能な質問は1項目となりますが、断片の王に質問できる極めて稀な機会です。活用できれば、今後のディアボロス全体の方針にも影響してくるでしょう。

●特殊ルール1

 宣言された対価を確認し、会話すべきでは無いと考えた場合は、この選択肢に『対価の情報を渡すべきでは無いので会話を打ち切る』というプレイングをかけてください。
 会話を行うプレイングよりも、会話を打ち切るプレイングが多い場合、「アーサー王との会話」の選択肢のリプレイは執筆されず、情報の対価を支払うこともありません。

●特殊ルール2

 アーサー王の撤退(ルーカン卿との戦闘開始)以降は、この選択肢へのプレイングは採用されません。



特殊ルール 👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。
👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 断片の王『アーサー・ペンドラゴン』に戦いを挑みます。ある程度戦うとルーカン卿が妨害して来るため、この戦闘で撃破できる見込みは事実上皆無でしょう。

 アーサー王はディアボロスが挑んで来るのならばと反撃を行いますが、ある程度戦った所で、ルーカン卿に後を託して撤退していきます。
 最初からルーカン卿と戦闘をする事で、アーサー王と戦わずに撤退を認めても構いません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

●特殊ルール

・この選択肢では最良の結果でも「善戦🔵🔵🔴🔴」までしか発生しません。
・アーサー王の撤退(ルーカン卿との戦闘開始)以降は、この選択肢のプレイングは採用されません。


特殊ルール 🔵が👑に達すると、選択肢の説明で指定された特別な効果が発生する。
👑12 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「18+効果LV」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【クリーニング】
3
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
2
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV2 / 【リザレクション】LV1 / 【ドレイン】LV4 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

木乃
 木乃です! 今回は幻想竜域キングアーサーからお送りいたします。
 キャメロット城攻城戦もいよいよ佳境。
 断片の王、アーサー・ペンドラゴンと接見するチャンスがきました!

●参加前に
 戦闘では効果2のほうが有用性が高いです。
 効果1は戦闘での使用を前提とした効果ではないため、敵が上手く対処してくる恐れがあります。

 残留効果の詳細は、以下のURLか、説明書の『シナリオ』からご確認くださいませ。
『https://tw7.t-walker.jp/html/world/cp_manual07.htm』

 また、《七曜の戦》を経て、クロノヴェーダもディアボロス対策を大幅に強化しています。
 詳細は以下のURLページ、最下部をご覧ください。
『https://tw7.t-walker.jp/html/world/cp_manual02_1.htm』

 !!!プレイングは“全てのディアボロス”が閲覧します!!!
 特に意味のない中傷、過剰な罵詈雑言、敵の設定を否定するようなプレイングだった場合、
 リプレイと一緒に掲載されてしまうため、“優秀な戦闘プレイングでも、不採用”とせざるを得なくなります。
 公共良俗に反さない(親兄弟やお子さん、同僚や同級生に胸を張って見せられる)内容でお願いします。

 ①アーサー王との会話(👑11)
 断片の王との対話を試みます。
 交渉ではないため、その場で“対価”を要求されます。
 物品ではなく、情報を要求される可能性が高いため、いくつか候補を挙げておくとよさそうです。
(当然ながら、お里の知れた無礼者を王は相手にしません。礼節をもって接見しましょう)

 ②アーサー王との戦闘(👑12)
 断片の王と戦闘を試みます。
 この場で撃破することは限りなく不可能ですが、アーサー王の手の内を確かめることで、
 ディアボロス・ウォーで対処しやすくなるでしょう。
(必要成功数に達するとアーサー王は撤退します。ルーカン卿が撤退を支援するため、追撃不可です)

 ③👾護衛するトループス級『騎士竜ナイトドラゴン』(👑7)
 ルーカン卿とともに、アーサー王の撤退を援護する近衛兵です。
 残存しているとルーカン卿を支援するため、並行して撃破していきましょう。

 ④👿アーサー王の執事竜『ルーカン卿』(👑30)
 アーサー王の側近であるジェネラル級ドラゴンです。
 他の円卓の騎士と同様に、実力あるドラゴンであり、難敵となります。
 心して挑んでいきましょう!

 以上です、それでは皆様のご参加をお待ちしております!
59

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


音羽・華楠
いよいよ、キングアーサーの断片の王と対面ですか……。
……流石に、圧迫感が凄いですね……。
それを吹き飛ばす意味でも、玉座の間に入ったら大声で名乗りを上げましょう――

――幻想竜域キングアーサーの歴史侵略者たちよ!
私の名は音羽華楠、復讐者です!
この地を、人々を、本来あるべき正しき歴史へ奪還する為に――
己が存在の全てを懸けて、いざ参ります!!

護衛の騎士竜たちを退け、アーサーに私たちの武威を見せ付けましょう――

――《雷幻想・群雄》!

雷で構築した私の分身たちを、騎士竜たちへぶつけます。
……騎士竜たちは、自らを雷光と化す攻防一体のパラドクスを使うようですが――
――私も雷使いの端くれ!
私の雷術とどちらが上か、勝負です……!

騎士竜たちの高速飛翔からの体当たりへ、《群雄》で生み出した分身たちを雷速で衝突させましょう。
……雷対雷の勝負で後れを取るわけにはいきません。
『赫雷の荼枳尼天女』の名は伊達じゃないんです!
そう己を鼓舞し、分身たちに拳で、蹴りで、雷撃で、騎士竜たちを逆に粉砕させてみせます!!


ブロス・ブラッドハート
ドラゴンの王様か
別に直接因縁があるわけじゃねーけど…新宿島に来る前から今までずっとドラゴンと戦ってきたかんな
どんな奴なのか、しょーじき気になんぜ!
そいつ以外にも強敵揃いってんだからさ、これが燃えねーわけねえよな!!

残像と一緒に騎士竜へ仕掛けてくぜ
残像は左右に散らせたり跳躍させたり、仲間が攻撃する布石や自分の動きを見破られないよーに色んな方向に注意を惹きつけながら攻めるな
間合いに入ったら相棒(大剣)をぶん回しての連続攻撃っ
へへっ、これが俺の挨拶がわりってな!

高速でブチ当たってくんのを、避けんのは難しそうだな
せめて防ぐことはできるよーに相手の動きを誘ってみるか
残像達はきっちり大剣でガードさせるなか、本体の俺だけはちょっと隙を見せてみる
一直線にこっちに来ればすぐに盾を構えて致命傷をガード
残像を片付けてから来んなら、その間にしっかり態勢を整えておくぜ

お前らみたいなけんろーな盾がいりゃ、王様と顔を合わせんのも難しいかんな
足止めでも前座でもねぇ
王様までの道、こじ開けさせてもらうぜ!
アドリブ・連携歓迎


●王の威光
 全ての竜を統べる王の間に相応しい、ドラゴン用の大扉を前にしてブロス・ブラッドハート(深紅の稲妻・g03342)、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は固唾を呑む。
 扉越しからでも伝わってくる、圧倒的な王者の風格――ここからでも痛いほど感じられた。
「いよいよ、キングアーサーの断片の王と対面……流石に、圧迫感が凄いですね」
「おれも新宿島に来る前から、今までずっと戦ってきた親玉がどんなやつか。しょーじき気になんぜ――華楠ねーちゃん、いこうぜ!」
 ブロスの気炎に後押しされながら、華楠は勢いよく大扉を押し開き、中へ飛びこんだ。

 玉座の間では、ルーカン卿の護衛でもあるナイトドラゴンが、玉座までの道を作るように整列していた。
 その最奥でアーサー王は玉座に腰かけ、傍らにルーカン卿を控えさせている。
「よく来たな、ディアボロス。破竹の勢いで攻め落とさんとする手腕――称賛に値する」
 お世辞ではない、純粋な讃辞と感じられるからこそ、華楠達はアーサー王の“威圧感”に気圧されかけた。
 だが、それを振り払おうと華楠は高らかに叫び、
「――幻想竜域キングアーサーの歴史侵略者たちよ! 私の名は音羽華楠、復讐者です!」
 陰陽符をとりだすや、整列していたナイトドラゴンめがけて《雷幻想・群雄》を発動。
「この地を、人々を、本来あるべき正しき歴史へ奪還する為に――己が存在の全てを懸けて、いざ参ります!!」 よもや王を尻目に近衛を急襲するとは思わず、ナイトドラゴンらは雷分身達に不意を突かれる形となった。
「ひ、控えよ! 王の御前であるぞ!?」
「おれ達は王様と話があるんだ! お前らみたいなけんろーな盾がいたら、落ち着いて話もできねーぜ!」
 動揺するナイトドラゴンに、ブロスも《七影斬》による多重攻撃を浴びせ、1体の騎士竜を絶命させる。

「くっ、御前で不覚をとるなど……覚悟せよ!!」
 激昂するナイトドラゴンは甲殻に雷電を纏い、光の尾を引きながら華楠へ突撃し、華楠も分身達をぶつけることで反撃していく。
「私も雷使いの端くれ、『赫雷の荼枳尼天女』の名は伊達じゃないんです!」
「へへっ、これがおれの挨拶がわりってな!」
 突撃してくる騎士竜達に臆せず、ブロスは大剣を振るい続け、着実に仕留めていく。
 ――だが、

「待て」

 狂騒する謁見の間を、アーサー王は一言で静めてみせた。
「問おう。“余と対話をする気はない”――それがディアボロスの総意か?」
 否。
 多くのディアボロスは、喉から手が出るほど欲しい情報を、アーサー王が握っている可能性を理解している。
 “対話しない”という選択は、有り得なかった。
 ……華楠とブロスが動きを止め、アーサー王は嘆息をこぼす。
「ディアボロスが一枚岩ではないのか、二枚舌か。……確かなことは、礼儀を弁えぬ輩もいることだな」
 アーサー王の呟きには、落胆と呆れが入り交じっていた。
 断片の王との謁見に、横槍を入れられる家臣はいない。
 彼の望みは“ディアボロスとの対話”――断片の王が『黙って見ていろ』と言えば、臣下はただ従うのみ。
「ルーカン、残る近衛を下げよ。……そしてディアボロス、余の臣下に対する詫びは“誠意”で示してもらうぞ」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

●等価交換
 一旦、場が収まったことを確かめ、断片の王が居住まいを正す。
「今さら名乗る必要もあるまいが……余こそアーサー・ペンドラゴン。幻想竜域キングアーサーの頂点、断片の王である」
 荒れた謁見の間においてなお、その威光に陰りはなく、磨かれた竜鱗は輝いていた。
「貴公らについては、『聖守護天使エイワス』から聞いているぞ。クロノヴェーダの理から外れた“イレギュラー”――ディアボロスよ。クロノヴェーダにおいて、最強たるドラゴン種にここまで迫るとは……それも“イレギュラー”たるが故、か」
 10mはある体躯もあって、ディアボロスは自然と見下ろされる形になる。
 小さき者を見つめる瞳は、品定めや値踏みという不躾さはなく、“未知”を理解しようとする『好奇心』が窺えた。
「もはやキャメロットの維持は困難。であれば、この地の勝者たる汝ら――ディアボロスと語らうも、また一興であろう?」

 ルーカン卿は物言わず、王の御言葉を聞き入るのみ。
 石造りの肘掛けに頬杖をつきながら、アーサー王は改めて提言する。
「貴公らが知りたいことを聞くがよい。ただし、ドラゴンの王者たる余に、偽りも、隠し事も“できぬ”」
 違和感のある表現だった――『しない』ではなく、『できない』と。
 アーサー王がそう断言する以上、《嘘偽りは語られない》と確信する。
「余の問いに答えれば、余はお前達の知識から“対価”となる情報を引き出すことができる――つまり、貴公らが“先に情報を差し出すことが条件”だ」
 対価は後払いではなく、“先払い”だと、王は宣告する。
 これまでのような“都合の良すぎる結果は認めない”とばかりに。
「当然ながら、対価に等しい情報を開示する。だが、それ以上の情報も開示しない……この“戯れ”こそが、余の慈悲。そして貴公らの切望してきた瞬間であろう?」
 漠然とした質問では、価値の低い情報から開示されるだろう。
 こちらも開示情報に“優先順位”をつけ、アーサー王の要求にどこまで応じるか?
 あらかじめ線引きしておく必要がある。

「では、問おう。余が知りたい情報の一つ目は“ディアボロスが攻略しているディヴィジョンの情報”である。……この情報を“対価とするに相応しい問い”があれば、申してみよ」
 チャンスは多くない。
 だが、貴重な情報を開示するほど、貴重な情報も引き出しやすくなる――ディアボロス全体の方針に影響する情報さえ聞き出せる。
 これが《最初で最後かもしれない好機》だと、忘れてはいけない。
「対価に相応しい範囲で、真実を語ってみせよう。……さぁ、会話に興じようではないか」
玉座に御座すアーサー王は、口角を吊り上げ、悠然と微笑を浮かべる。
冰室・冷桜
一礼してから挨拶を
初めまして、円卓の騎士とドラゴンを統べる断片の王、アーサー王
私は冰室・冷桜と申します
ディアボロスの一人、ここにやってきたアークデーモンと同じTOKYOエゼキエル戦争で生まれた者です

攻略しているディビジョンの情報については種族や人類の支配方法、判明している断片の王やジェネラル級、重要施設まですべてのディビジョンについて、進行中の作戦の情報以外のことはすべて開示
攻略していないが戦争や秘境探索で接触したアルタン・ウルクやエルドラ―ド、南極についても開示

この情報の対価にこちらが求めるのは"ディアボロスが攻略していないディビジョンの情報”、勿論既に滅んでいないディビジョンは除いて
ディビジョン同士の情報交換……最初のやり取りに丁度よいのではないでしょうか
優先順位としては北米が特に高く、北海道、アルタン・ウルクについても聞ければ儲けもの
ストーンヘンジや竜域ダンジョンで情報収集しててもおかしくないですし

偉大なドラゴンの王の口からこちらの対価に相応しいお話を聞けることを期待しております


●質疑応答の始まり
 王の御前に立ち、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は一礼する。
「初めまして。円卓の騎士とドラゴンを統べる断片の王、アーサー王。私は冰室・冷桜と申します。ディアボロスの一人であり、ここにやってきたアークデーモンと同じ、TOKYOエゼキエル戦争で生まれた者です」
 礼節をもって対するべき相手だが、我々は臣下ではない――最低限の挨拶で充分だろうと、冷桜は判断した。 アーサー王も想定内だったらしく、落ち着いた様子で見下ろしている。
「腹を括ったか、よかろう」
(「攻略しているディヴィジョンの情報ですか――種族や人類の支配方法は知らないでしょう。断片の王とジェネラル級、重要施設も開示すれば、潰し合いに発展する見込みがなくはない。……秘境探索で接触したアルタン・ウルク、エルドラード、それと南極についても開示しても大きな影響は出ないハズ」)
 肝を冷やす思いで、冷桜はこれまで見聞きした事実を述べ、アーサー王は静かに耳を傾ける。
 王が余暇として、語り部が記憶する史実に聞き入るように。

「――以上が、ディアボロスの攻略しているディヴィジョンに関する情報です」
 最後まで言いきり、冷桜はもう一度、一礼する。
 アーサー王は鋭く尖った爪先で顎を撫でつつ、口を開いた。
「して、余に何を求むるか? 申すがよい」
「滅亡したディヴィジョンを除く、“ディアボロスが攻略していないディヴィジョン”について。……未知の領域である、北海道やアルタン・ウルク、そして北米ディヴィジョンのことを。偉大なるドラゴンの王から、対価に相応しい御言葉を拝聴したく」
 冷桜としては、大きく打って出た内容だ。
 しかし事前情報もなく、相対する危険性を顧みれば……アーサー王の持ちうる情報を引き出すことは、大いに意義がある。
「許す。求むる情報を開示しよう」
 アーサー王も納得のいく対価と判断し、ひとつずつ答え始める。

「まず北海道について。彼の地を支配せしディヴィジョンは、『暗黒世界蝦夷共和国(ディストピア・エゾ・リパブリック)』という。支配するクロノヴェーダは『新選組』――“新”世界に“選”ばれし“組”織体だ」
 新選組――本来なら、1963年/文久3年に、武芸に優れた浪士達で編成された警備隊。
 その名を冠するクロノヴェーダが、北海道を支配していると言う。
「奴らの領土こそ狭いが、徹底した歴史改竄により、科学技術面で他のディヴィジョンを圧倒し、感情エネルギーの源となる人間の繁殖・利用に長けたディヴィジョンとなっている」
 暗黒世界――自由なき世界。ディストピア。
 徹底した支配体制の元で“人間を管理している”のだと。
「狭い領域でありながら、その戦力は広大なディヴィジョンに比肩しうるものである。在り方はクロノヴェーダとして異質であるが、理解できる範囲ではある」
 幻想竜域キングアーサーとも有り様が似ているからか、アーサー王は感心したように述べる。

「次にアルタン・ウルクであるが……知っていることは、貴公らとさして変わらぬだろう。あのディヴィジョンの名は『融合世界戦アルタン・ウルク』。クロノヴェーダを喰らい、その力を強奪する――まさに異端のクロノヴェーダである」
 クロノヴェーダが、クロノヴェーダを喰らう。
 その異常行動にはアーサー王も理解が及ばないのか、眉間にシワを寄せた。
「奴らが力を蓄える前に、潰しておかなければならない。《七曜の戦》の時点では、最強の個たるドラゴンの敵ではなかったが……《戴冠の戦》の時点では、どうなるか分からぬ」
 クロノヴェーダを喰らい続けることで、アルタン・ウルクがどのように変貌していくか――想像を絶するものには違いない。

 そして、最後に“本題”を出してきた。
「新大陸を黄金海賊船エルドラードと二分し、北を領土とするディヴィジョン。名を『空想科学コーサノストラ』という。時代は20世紀前半、支配するクロノヴェーダは『犯罪者集団(マフィア)』のような姿をした種族だ」
 20世紀前半――1900年代の上半期に当たるか。
「本来よりも科学技術は進んでいるようだが、それ以外はクロノヴェーダとして、人間の感情エネルギーを獲得するための体制を確立し、支配地域を統治しているようだ。……だが」
 アーサー王の瞳が、初めて鋭さをみせた。

「あのディヴィジョンの本当の支配者は、“もうひとつの種族”だ」

「もうひとつの、種族……?」
 思わず冷桜も声に出してしまうが、アーサー王はそのまま語り続ける。
「彼らは、自らを指して“イレギュラー”と呼称しているようだが、正式名称は不明である。外見上の姿は、我らドラゴンや巨獣に比べ、形状こそ人間に近いかもしれないが……その本質は、クロノヴェーダとも、人間ともかけ離れている」
 アルタン・ウルクと異なる、異質な存在。
 それが空想科学コーサノストラの“真の支配者”だと、アーサー王は明言する。
「《七曜の戦》にも参戦しなかったのは、他のクロノヴェーダとは別の思惑があってのことだろう。……『空想科学コーサノストラ』というディヴィジョンは、完全に“イレギュラー”に乗っ取られている。アルタン・ウルクや貴公らと同様、他とは全く別の方針で動いているディヴィジョンだ」
 アーサー王は明らかに警戒した様子だった。
 何も見えてこない不気味さが、王をそうさせるのだろう。

●対価徴収
 王が対価である情報を語った直後――その場にいるディアボロス達は、自分達の心の中を“何か”が通り抜けていくのを感じた。
(「なに、この感覚? ……これが『対価』の徴収!?」)
 おそらく、この能力は“逆説連鎖戦を、情報交換面に拡張したようなもの”だ。
 前提として、『あらかじめ能力の内容と、対価を宣言する必要がある』のだろうが、“反撃”は必ず行われ、その能力面で圧倒的に勝るアーサー王は、必ず情報をむしり取っていく。
 冷桜を含め、開示したくない情報を、できるだけ心の中に浮かべないようにしたディアボロスもいたが、おそらく通用しない。
「嘘も隠し事もできない……それはディアボロスも同条件、ってことですか」
 冷桜はアーサー王の言葉を改めて思い返し、冷や汗が頬を伝っていく。

 残る会話の機会においても、同様に『対価』として提示された情報は奪われる――そう判断したほうがいい。
 返事は『はい』か『YES』しかできない以上、“何を優先して問うか”が重要になってくるだろう。

 ――瞼を細め、アーサー王は次の問いを投げかけた。
「では、次の情報交換といこうか。余の知りたい情報の2つ目は『ディアボロスの総戦力』である。この情報を対価とするに相応しい問いがあれば、申してみよ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

真紅堂・乎乎那
形式だけだが、一応跪いておこう。
流石はアーサー王……先程の情報、予想以上ですよ。
聞きたい事はひとつ。
・総てのディヴィジョンを統一した『全なる王』の先に何がある?

それで終わりかと思っていたが……
以前、我々が【粉砕】したクフ王の話によると、何かありそうだ。
気になるね。
『未知への恐怖』は人の心を蝕む病巣だ。
我々は人に近く、貴方達のように強くはないのですよ。
「それでも尚、戦う」という選択が出来ない者もいるかもしれない。

えぇと……まぁ、つまり、その何かはディアボロスの総戦力に影響を及ぼす程の対価……
と、いう事でひとつ。

・ディアボロスの戦力については……まー、概ね貴方の予想通りだね。
予知の様な能力を持っており、瞬間移動の様な能力を持っている。

あと、斃したジェネラル級以上のクロノヴェーダのパラドクスを我が物とする事が出来る。
ネメシス形態と呼ばれる変身でクロノヴェーダそのものになる事も出来る……など。

……何故、こんなに優遇されているのか……『奇妙』だね。
最終人類史などと名付けられているからかな?


●純粋なる真実
 ディアボロス間でも第二の対価に対し、意見は二分した。
 その結果――“対価を払い、アーサー王から情報を引き出す”ことになった。

 真紅堂・乎乎那(埋火の魔創剣士・g02399)は御前に跪きながらも、視線は落とさず、アーサー王の尊顔を見上げる。
「流石はアーサー王陛下……先ほどの情報、予想以上のモノですよ」
「余と貴公らでは視座が異なる。故に、視える世界も異なるまで――悔いなき選択はできたな?」
 ディアボロス同士の剣呑とした空気。
 そこから生まれた“英断”に、アーサー王は愉悦を感じているのか……笑みの浮かぶ口元から竜牙を覗かせる。
「では、語りたいことがあれば申すがよい」
「ディアボロスの総戦力について、だよね」
『会話』という形式を選んでいる以上、ディアボロスの口から語られたいこともあるのだろう。
 乎乎那も言葉を選びつつ、アーサー王の要求に見合いそうな返答を述べていく。
「まー、概ね貴方の予想通りだね。予知のような能力を持っており、瞬間移動のような能力を持っている。後は――」
 倒したジェネラル級以上の、強力なクロノヴェーダのパラドクスを奪い、利用できること。
 “ネメシス形態”と呼ばれる変身で、クロノヴェーダに近しい姿に変わることができること。
 語られていく事実に、アーサー王は興味深そうに大きく頷いた。
「なるほどな。キャメロットが陥落する要因は揃っていた、と……先読みされては、どれだけ堅牢な護りも綻びを突かれるというもの。……それに『ネメシス』か。やはり“イレギュラー”と呼ぶに相応しいな」
 アーサー王の呟きには、どこか憎々しげで、どこか愉快そうな響きがある。
(「まだ余裕がありそうな印象だけど、どう出るつもり?」)
 緊張した面持ちで、乎乎那もアーサー王を注視する。

「さて、貴公は何を求むる? 嘘偽りなき言葉を語ろう」
「聞きたいことはひとつ――“全てのディヴィジョンを統一した『全なる王』の先に何がある”のか。貴方はご存知かな?」
 エジプト奪還戦の最期。クフ王の言い残した言葉が、乎乎那にはずっと引っかかっていた。
 その答えをアーサー王なら知っているのではないか? ――その読みは良くも、悪くも、正しかった。
「気の早いことだ。……よかろう、余の知る真実を教示する」
 満足のいく対価だと認め、アーサー王は乎乎那の問いに答えを返す。
「《戴冠の戦》――その勝利者は『断片を繋ぎ合わせた、完全なる地球』の支配者となる。歴史は塗り替えられ、新たな世界に相応しい“最強の歴史”が『唯一無二の正しい歴史』として、未来に紡がれるだろう。……つまり、このアーサー・ペンドラゴンが勝利者となれば“幻想竜域キングアーサーを、正しい歴史とする地球”に変わる」
 ――それは、人類史を根源から変えてしまう、壮大な話だった。
「勝利者の紡ぐ“最強の歴史”だけが、あらゆる困難に打ち勝ち、未来を切り拓くことができる。古い人類を滅びへと導いた“未知への恐怖”とやらも、《戴冠の戦》の勝利者が創る“最強の歴史”であれば……容易く乗り越えられるであろう」

 アーサー王は平然と言ってのけたが……ディアボロスにとって到底、受け入れ難い情報だった。
「敗北すればディアボロスは、“私達”は、歴史ごと“なかったこと”に? ……そんなの、赦される訳がない」
 努めて平静さを保とうとする乎乎那を見下ろし、アーサー王は「それだ」と指摘した。
「ディアボロスの本質――それは“復讐(ネメシス)”にあるのだろう。復讐は、戦うための力の根源として非常に強く、奪われたモノが大きいほどに、強い力を導く」
 そう言って、アーサー王は乎乎那に、ディアボロス達に鋭い眼差しを向ける。
「だが、“未来を生みだすことはできない”――復讐は、未来ではなく、“過去に繋がっている”のだから」
 復讐を果たしたことで、『進むべき道を見失ったディアボロス』も居るのではないか?
 それは、前に進んでいたのではない――“過去を清算し、決着がついた”から。
「もし、貴公らの本質が“復讐”のままで在り続けるのならば、全てのクロノヴェーダを滅ぼしたとしても……《戴冠の戦》の勝利者となることは、不可能であろう」
 アーサー王は断言する。
 復讐を果たすだけでは、未来を作りだせないのだと。

「《戴冠の戦》が望む“正しき勝者となり得ない勢力”――それが、“イレギュラー”なのだから」

 乎乎那の瞳は動揺で揺らぎ、止まりそうな思考に全力を注いで、動かし続けた。
(「『ディアボロスが全てのクロノヴェーダを滅ぼしたとしても、先には、絶望しかない』……クフ王の言っていた“絶望”は、このことなの?」)
 そうしている間に、アーサー王は“対価”の徴収を済ませ、黙していたルーカン卿が王へ進言する。
「我が王、そろそろご出立の御支度を」
「ふむ……では、此れで最後とする」
 ルーカン卿の言葉で、アーサー王はしばし考えた……そして、ディアボロスに問うた。
「余の知りたい情報の3つ目は『ディアボロスのディヴィジョンの情報』である。この情報を対価とするに相応しい問いがあれば、申すがよい――相応の“対価”をくれてやろう」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

●覆水、盆に返らず
 謁見の間に広がる“沈黙”――それがディアボロスの返答だった。
 アーサー王に向けられる視線には、謝意を込めたモノもあるが、抗議の意を含んだモノが多い。

『要求が曖昧すぎる』
『“復讐”だけに固執してはいない』
『アンフェアな取引だ』

 不遜な眼差しにルーカン卿は険しい表情をみせたが、アーサー王が意に介する様子はなく。
「……“選択する自由”は与えていたのだがな。受諾も、拒絶も、設問さえもディアボロス次第……だが、断片の王との対話を拒んででも“隠したい『何か』がある”ことは理解した」
 “沈黙は金、雄弁は銀”という。
 アーサー王は満足げに目を伏せると、
「ルーカン、余の忠臣。私心に付き合ってくれたことを感謝する。今度は余が応じねば、な――」
 アーサー王が肘掛けに手を突き、ゆっくりと立ち上がろうとした瞬間。
 それまで感じなかった“圧”がディアボロス達を襲い、アーサー王の挙動がスローモーションのように感じられた。
「ディアボロスの未来は、ディアボロスで決めればよい。……だが」
 今まで感じていた、王の威光ではない。クロノ・オブジェクトによる影響でもない。
 純然たる気迫。……アーサー王が、自ら律していた“闘志”だと確信する。
「ドラゴンの未来はドラゴンが――そう、このアーサー・ペンドラゴンと列なる者達が決める。誰であれ阻むことは許さぬ」

 玉座に座していた王の眼差しは、嵐の前のように静やかだった。
 だが、いまや決意に溢れた金の瞳は、ディアボロスを遥か頭上から見下ろしている。
「用は済んだ。王城はくれてやろう。――しかし、キングアーサーまで譲りはしない」
 アーサー王は“対話の終わり”を告げた。もうこの場で、彼が語ることは何もない。
 立ち上がった王の英姿に、ルーカン卿と彼の近衛が平伏すると、
「――我らが王、アーサー王の御出立である!」
 王の“旅立ち”を高らかに宣言する。
シル・ウィンディア
アーサー王、出立する前に一手お手合わせ願いませんか?
総戦力を知ったとしても、ディアボロス各個の戦闘力も気にならないかな?
こう見えても、ディアボロスの中でも最精鋭クラスであるからね。

格上、しかも相手は断片の王だから、変な小細工はせずにまっすぐ全力勝負っ!
両手に世界樹の翼type.Aをもってから高速詠唱。
杖を突き出して、全力魔法の六芒星精霊収束砲!
…アーサー王、これが今のわたしの全力だよっ!
遠慮せずに全部もってけーーーっ!!

アーサー王の反撃はわからないものだけど、物理や魔法のものなら致命箇所を重点的にカバーするような体勢を取るよ。

聖剣なしでこれほどの力…。
聖剣を持ったら、どれだけの脅威になるんだろ…。
でも、知ることができた。
ゼロと1では、全く世界が変わるからね。

アーサー王、あなたからもらった情報もそうだし
この一瞬の交戦での情報も、次にあなたと対峙した時の大切な情報だから。

…お手合わせ、ありがとうございました。
次は、もっともっと…。
あなたを撃ち抜かせてもらうからね。


アンゼリカ・レンブラント
王様、出立前にお手合わせを願いましょう

理由は他の仲間が言うかもしれませんが
情報交換において。言の葉で勝負を交わすことにおいて、
貴方は老練でした、とてつもなく!

ではもう1つの勝負を
――最強種の王の力、教えていただきましょう
騎士として一礼して
まっすぐに全力で勝負する

そう攻撃を叩き込む機はないはず、
であれば己を象徴するパラドクスを
全力での叩き込むのはこちらの礼儀

呼吸を整え、身体を勇気で満たし
光を最大まで剣に宿すパラドクス
全身全霊の《光剣収束斬》でいざ斬り込む!

私のありったけ!受けてみろ竜の王よ
光よ!奪還の志と共に、最大まで輝けぇーっ!

反撃は全力で障壁を展開、盾で受け凌ぐよっ
物理攻撃なら自ら吹き飛んで一撃離脱
致命打を防ぎ、受けたダメージを知識として「次」に生かす

凄まじいこの力は、確かに最強種
けれど確かに見ました、私も、この場のディアボロスも

老練な貴方の言葉よりも、
やはり直接力を交わす方が分かることもある

貴方から得た情報は、決戦の折にきっと生かすでしょう
良い戦いを。

そして敢えて言います
――お覚悟を


クィト・メリトモナカアイス
アーサー王とのお話が終わったら一手挑もう。
まずはお礼。
汝のおかげで、我らは数多くのことを知れた。とてもありがとう。
残りの謎は、これから解き明かしていこうと思う。

だからこそ。
他の人は分からぬけれど。
我のこの一撃は汝へのお礼。
我は獣神王朝エジプトの守護者。
円卓の騎士パロミデス卿とアイアンサイド卿が参戦した戦いにて、「復讐を果たした」ディアボロス。

黄金猫拳打棒を振るい、「震わすは鬣なき獣」。
さっきまでの質問がそうであったように。必ず反撃はされるもの。けれどこちらも一撃はいれられる。
全力の一撃で、復讐を果たしたディアボロスの力が、復讐を遂げていないディアボロスに劣らぬものだと言葉でなく武器で示そう。
知識欲が強そうだし、お礼になる……たぶん。

汝の言う通り。我の、我らの根底にあるのは復讐。
けれども、きっとそれだけではない。
それが分かったのも汝のおかげ。


●王たる所以
 キャメロット城を放棄し、離脱を図るアーサー王の前にディアボロス達が立ち塞がる。
「総戦力を知ったとしても、ディアボロス各個の戦闘力も気にならないかな? こう見えても最精鋭は自負しているからね」
「出立前にお手合わせを!」
 身構えるシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)、一礼するアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)の宣言に、ルーカン卿は飛びだそうとするが、アーサー王自らが制する。
「この程度の“火の粉”を払えぬ者が『騎士王』は名乗るなど、笑止千万であろう」
 一言、発するごとに降りかかる威圧感に、シルでさえも肩が震えそうになった。
 それだけアーサー王も“本気”だと痛感する。

「最強種の王たる所以、その身で知るがよい」
 王の肉体から、強烈なエネルギーが発せられるや、巨大な剣が鋳造されていく。
 “それ”がなんであるか、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は直感する。
「よもや、聖剣か? ……だが」
(「“我らの想像する、エクスカリバーではない”気がする」)
 伝承上のアーサー王も、聖剣や聖槍をいくつか所持していた。
 そしてディアボロスにも、闘気や魔力を具現化して戦う者は少なくない。
 あのエネルギー集合体も、そういった“聖剣”と形容できるだろう。
 そして、騎士王が聖剣を抜いた――その意味を“嫌というほど”理解することとなった。

 まず斬りこんだのはアンゼリカ。
「最強種の王の力、教えていただきましょう――全力を注いで!」
 全身全霊で獅子の大剣を振り上げると、刀剣は黄金の輝きとともに身の丈を越して巨大化。
「光よ! 奪還の志とともに、最大まで輝けぇーっ!」
 アンゼリカの放つ《光剣収束斬》に、アーサー王が聖剣を握り締め、
「奇遇だな。酷似した剣技をもつとは……だが、小さきことよ」
 10mはあろう巨躯で突撃し、アンゼリカの体勢を崩した直後、アーサー王の聖剣も巨大化した。
「ッ!!?」
 聖剣の前では、どのような護りもとるに足らぬ。
 それを証明するように――最上段から放ったアンゼリカの一撃ごと、巨大な聖剣で薙ぎ倒し、盾もろとも斬り払う。
「は、ァ……っ」
 一撃離脱など、できるはずもない。
 壁に激突したアンゼリカはその場で崩れ落ち、想像を絶する激痛に、思考が鈍る。
(「防いだ、のに? ……そうじゃない。一撃くらい、無事で済むなんて……思った、から……」)
 上体と下体を両断こそされなかったが、呼吸の浅いアンゼリカの腹部は大きく裂け、破れた臓器が覗き見えていた。
(「これがアーサー王!? ……だめ、気圧された時点で潰される!」)
 アンゼリカの姿に蒼白しながらも、今度はシルが世界樹の翼(ユグドラシル・ウィング)を掲げ、
(「変な小細工はせず、まっすぐ全力勝負……集中しなきゃ、集中しなきゃ!」)
「これが今のわたしの全力だよっ! 遠慮せず、全部もってけーーーーーっ!!」
 振り下ろされたロッドが放つ極太い光線――《六芒星精霊収束砲》が、埃の立つ謁見の間を照らす。
 魔力砲に対し、アーサー王も雄々しい竜翼で疾風を起こしながら、聖剣から月光を思わす銀の光を放出。
 謁見の間は二つの強い光によって、視界を白く塗り潰されていく。
 王の放つ銀の輝き――その冷たさに反して、シルの身に襲いかかったのは、敵を滅する強烈な“苦痛”。
 シルの全身どころか、魂ごと光で焼滅せんとする凄絶な一撃に、精神が保てず血反吐を吐いて倒れ伏す。
(「そう、か……わたし達は、測るつもりでも……アーサー王は襲撃されたも同然……!」)
 降りかかる火の粉は払わねばならぬ。たとえ、その脅威が“微々たるもの”だとしても。
 臣下の前で情けない姿を見せはしない。――“王の矜恃”に賭けて、全力で排除するのは道理。
 指先から熱が失せ、四肢が冷えて固まろうとしている。
 忘れていた“死の気配”をシルは思い出した。

 壮絶な光景を前にして、クィトの本能も警鐘を鳴らし続ける。
 だが、言葉を尽くすなら……この機を逃す訳にはいかない。
(「他の人は分からぬけど、我が返礼できる最後の機会かもしれぬから」)
「汝のおかげで、我らは数多くのことを知れた。とてもありがとう。残りの謎は、これから解き明かしていこうと思う」
 黄金猫拳打棒を手に構え、余力を残すアーサー王にクィトが肉薄する。
 躊躇ってはいけない。その瞬間、仕留められてしまう。
「この一撃は汝へのお礼。――我は獣神王朝エジプトの守護者。円卓の騎士パロミデス卿、アイアンサイド卿が参戦した戦いにて“復讐を果たした”ディアボロスなり」
 愛用するガジェットには頼らず、《震わすは鬣なき獣》で巧妙な攻め口を見せていく。
「復讐を果たした復讐者か……いかほどの熱量か、見極めるとしよう」
 鋭い視線をクィトに向けた瞬間、アーサー王の放つ閃光のブレスで、謁見の間が再び光で白く塗り潰される。
 思わずクィトはブレスを防ごうとしたが、“本命”は足元の影から現れた。
 クィトを貫くべく影から聖剣が突きだし、深く斬りこまれた勢いで、クィトの小さな身体は冷たい床へはじかれていく。
 謁見の間は数多の戦禍が刻まれ、厳かな雰囲気は埃にまみれていた。

 これぞクロノヴェーダの最強種。我こそが、その最高峰。――アーサー王はその事実を、ディアボロス達に突きつける。
「王の矜恃として勇士には全力で応じる。……だが、最精鋭であれば“最強種の王”と互角の勝負を演じられる、とでも思うたか?」
 城攻めは“群”の戦いだが、“個”の戦いならば遅れはとらぬ――『見逃すのは余のほうだ』と王は暗に示す。
 研ぎ澄まされた剣技は、苛烈にして洗練され、壮麗にして無慈悲なもの。
 最前線を駆け抜けてきたディアボロスの精鋭をも、斬り伏せてみせた――だが。

 それでも、ディアボロスの“確固たる信念”は挫けていない。

「汝の言うとおり……我の、我らの根底にあるのは、復讐なのだろう」
 痛む身体を起こせずにいるクィト達だが、その目は、その心までは折れていない。
「けれども……きっと、それだけ、ではない」
「ゼロと1では、全く世界が変わる――ゴホ、ゲホッ!」
 シルも大量の血を吐きながら、突っ伏したままアーサー王を睨みつけ、
「この一瞬で得た……“情報”は、必ず――」
 息も絶え絶えになりながら、アンゼリカは意識が途切れる瞬間まで、王を目に焼きつけようと注視し続けた。
「……けっせん、で……っ!」

「貴公らは油断ならぬことは心得ている。余の策を妨げ続け、キャメロットさえ陥落せしめた難敵である、と」
 そう言って、アーサー王は取りだした宝玉を握り締め、粉々に砕いた。
 宝玉が砕けた瞬間、アーサー王は光の柱に包まれていく。
「余は発つとする。ルーカン、後は任せ――」
 ふと肩口を見て、アーサー王は自らの竜鱗に入ったヒビに気付いた。
 その事実に、王の目がかすかに見開いたような気がする。
「余に触れるだけでなく、傷を付けたか。……それほどの力ならば、貴公らでも構わぬのかもしれぬな……――」
 ディアボロス達を一瞥し、王は姿を消した。
 転移先が不明である以上、追跡することは叶わない。

 だが、王の持つ“三種の剣技”は明らかになった。
 アーサー王と渡り合うために必要な情報は、確かに得られたのだ――。

『シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)は重傷を負った』
『アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は重傷を負った』
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

●王の名代
 幾多の血で汚れ、荒れ果てた謁見の間から王は発った。
 だが、まだこの場に残った者達がいる。
 王の傍らに控えていたルーカン卿が、優雅な足取りでディアボロスの前に立つ。
「ここからは――僭越ながら『王の名代』として、執事のルーカンがお相手を務めさせていただきます」
 王の威厳を損なうことがあってはならぬ。そういった信条があるのだろう。
 ディアボロスに対しても、ルーカン卿は丁寧な口調を保つ。

「我が王の足元には遠く及ばずとも……皆様を“愉しませる/手こずらせる”だけの、自負はございます。この身に加護はなくとも、王を守護する役目は果たしてみせましょう」
 アーサー王が用意した、最後の砦。
 側仕えともなれば、主君の為に忠義を尽くすだけの“力量”を求められるだろう。
「どうぞ、私めの戦技……存分に“ご堪能”あれ」
 ルーカン卿を支援すべく、残り少ないナイトドラゴンも身構えた。

 キャメロット城攻城戦――謁見の間を制圧した、そのとき。
 “完全勝利”という、揺るぎない戦果を掲げられるだろう。
音羽・華楠
……良いでしょう、ルーカン卿。
その覚悟に敬意を表し、こちらも全力で挑ませて頂きます。
……と、言いたいところですが――

――その前に決着をつけようじゃないですか、騎士竜たち!
アーサーにあのような形で戦闘を止められて、本音では納得し難かったんです。
そちらも王の前でのあの醜態、私の命で雪ぎたいでしょう?

――あなたたちにあげられるほど、私の命は安くありませんが!

《雷幻想・煉獄》で、残る騎士竜たちの焼却を目指します。
ネメシス形態を発動し、狐耳と狐尻尾を消して黒髪黒瞳の人間の姿へ。
その力を上乗せすることで、既に私と一度刃を交え、私の実力に先入観を持ってるはずの騎士竜たちの虚を突きます。

……アーサーももう少し撤退を待てば良かったのに……。
そうすれば、実際にネメシス形態を目の当たりに出来たものを!

騎士竜たちの反撃の尻尾の一撃は、【ガードアップ】で高めた防御を信じ、同時に下記のように吠えて己を奮い立たせて凌ぎます。
「断片の王の聖剣を目の当たりにしたんです――今さらその程度の斬撃で臆するものですかぁ!!」


●汚名返上
「……良いでしょう、ルーカン卿」
 音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は、自身より高い位置から注がれる視線に、真っ向から向き合う。
「その覚悟に敬意を評し、こちらも全力で挑ませていただきます」
「託された使命、全うすべき責務を果たす。皆様と何の違いがあるでしょう。……それとも、王に敗れたお仲間には“覚悟”がなかったのですか? であれば……あの惨敗も宜なるかな、と」
 上品な語り口のルーカン卿だが、その内容は極めて挑発的。
『無謀な戦いを仕掛けるリスクも想定していないのか』と、窘めてきた。
 華楠は憤りを覚えたものの、アーサー王の言葉を忘れてはいない。
(「“相手が敵である”と意識するあまり、醜態を演じてしまった……もう同じ轍は踏まない。状況を見極めるの」)
 残存戦力は、ルーカン卿だけではない。――ごく僅かのナイトドラゴンも居合わせている。
 だが、“想定外の奇襲”を受けたために、無傷でやり過ごせた者はいなかった。
 傷だらけの甲冑じみた竜鱗を纏い、戦場に立たされるハメになっている。

「見え透いた挑発には乗りません。――先に決着をつけようじゃないですか、騎士竜達!」
 アーサー王の制止によって戦いを打ち切られた。納得し難かったのではないか?
 王の御前で醜態を晒すなど、恥辱の極みではないか?
 他の誰でもない、“お里の知れた無礼者”の命で溜飲を下げたいだろう!
「我々は王の意向に従うのみ。だが、狐らしい悪知恵を働かせ、騙し討ちじみた真似をする者に遅れはとらん!」
 クロノヴェーダは“上位種の命令に無条件で従う性質”をもつ。
『断片の王』という最上位者の言葉なら、一兵卒のトループス級は不服に感じることはない。
 だが、不意討ちされて喜ぶ者もいない。

 傷だらけであれ、王の名代を護らねばならぬ――ナイトドラゴン達の矛先が華楠に集中する。
「……アーサー王ももう少し撤退を待てばよかったのに……そうすれば、実際にネメシス形態を目の当たりにできたものを!」
 華楠の狐耳と尻尾が消えていき、黒髪黒目の人間らしいネメシス形態へ変貌していく。
 雷術に陰陽火行、不動明王火界呪、その鋭さを妖精達が補い、そして術式はパラドクスへと昇華する。
 《雷幻想・煉獄》――発生した超高熱が、ナイトドラゴン達の傷口を焼きつけ、鎧装となる竜鱗も熱割れして砕けた。
「騎士の誇りに賭けて、貴様だけでも道連れにしてくれよう!」
「今さら、その程度の斬撃で臆するものですかぁ!!」
 ナイトドラゴンの尾から伸びる“聖剣”だが、騎士王の聖剣とは比べるべくもない。
 鞭のようにしなる剣閃を受けながらも、【ガードアップ】で護りを高め、吼え猛る華楠はもどかしさを叩きつけるように滅却させていった。

 全滅した近衛隊を前にしても、ルーカン卿は眉一つ動かさず。
「我が王の傍らで拝聴しておりましたが……先読みできる皆様なら、この状況も“予定調和”なのでしょう? ですが、私も諦めの悪いタチでして」
 勝敗まではディアボロスにも解らない。
 今、解ること――それはルーカン卿は加護をもたずとも、王が認める実力者であり、難敵と断言できる相手ということ。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

白石・明日香
効果2はすべて使用。
もっとアーサー王と話したかったけど仕方ない。
代わりに貴方にワタシの狩りを見せてあげる!竜狩りは騎士にとって誉らしいけどね。もっともワタシは狩人だけど。
残像で攪乱しながらダッシュで接近。精神集中して攻撃は見切って躱し躱しきれなければ結界術で受けて一気に間合いに入り込む。
元よりワタシの戦いは捨て身、流れる血は全て力になる!
血を武器に纏わせ威力重視で武器改造して早業呪詛、捨て身の一撃でその翼解体してあげる!

寧ろ貴方が楽しみなさいな。ここで果てるのだからね!


神山・刹那
ち。アーサーとやり合ってみたかったが、出遅れたか
しゃあねぇな。お前で我慢するか
別に舐めてる訳じゃねぇんだがよ、目の前に最上のご馳走があったのに食えなくて、他のになったかと思うと、ちょっとがっかりしてな
まぁ、お前もそんなに退屈させてくれなさそうだ。さ、やろうか。お互いの矜持と信念をぶつけ合おうぜ。円卓の騎士よ、いざ勝負!

蒼き流星で上空からこちらに高速で体当たりしてくるのなら、残像が残る速さでフェイントを織り交ぜながら動いて相手の攻撃の軌道を観察し、ある程度の法則がわかったら、相手の軌道が分かり易い位置に誘導し、跳躍から雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの渾身の一太刀で真っ向勝負する
「さすがは最側近。震えが止まらない。怖かったよ。あんたの正面に立った時から。楽しい勝負だったよ」


●懐刀の切れ味
「もっとアーサー王と話したかったけど……仕方ない」
「出遅れちまったもんはしゃあねぇ、お前で我慢するか」
 白石・明日香(弔いの狩人・g02194)、神山・刹那(梟雄・g00162)のぼやきに、ルーカン卿は申し訳なさそうに眉を寄せ、
「皆様のご活躍のおかげで、我が王も多忙を極めていらっしゃいます……早々の退室、なにとぞご容赦ください。心許りではありますが、名代である私の戦技を振る舞いましょう」
 身構えた。
 腰が低い物言いではあるが、その殺気は研がれたナイフよりも鋭い。
「それなら、代わりにあなたにワタシの“狩り”を見せてあげる!」
 戦術エフェクトを纏い、明日香が得物を自身に突きたてると、溢れた血が強靱な刀身を作り出す。
「流れる血の全てをチカラにする――寧ろあなたが愉しみなさいな、ここで果てるのだからね!」
「これは異な事を。申し上げたでしょう、“私は諦めが悪いタチ”ですと」
 赤黒く濡れた刃を振るう明日香に、ルーカン卿の蒼炎を帯びた鉤爪が襲いかかる。
 珠の肌が、艶やかな髪が、蒼い炎で焼け爛れ、傷をいっそう深いものにさせた。

 アーサー王ほどの豪壮さはなくとも、ルーカン卿の老練さと、絶対の忠義が篭もる一撃は“脅威”でしかなかった。
 入れ替わるように、今度は刹那が躍り出る。
「目の前に“最上のご馳走”があったのに食えなくて、他のになったかと思うと、がっかりだが……!」
 お互いの矜恃、お互いの信念をぶつけ合おうと、刹那が素早く間合いを詰めていく。
「――ふむ」
 ルーカン卿は僅かに瞼を細め、超高速で飛び立つ。
 蒼い閃光の尾を引く飛翔体から目を逸らさず、刹那は機を見て、八相の構えをとる。
 手の震えを抑えこむように、刹那が愛刀の柄を握り締め、
「円卓の騎士よ、いざ勝負!」
 急降下してくるルーカン卿めがけ、大上段に振りかぶった渾身の一刀を繰り出す。
 ――しかし、その“圧”は想像を軽々と超えていった。
「“無事に帰してもらえる”と思った時点で、勝敗は決しています」
 巨体で刹那の全身を打ち、そのまま壁に衝突して刹那をめりこませる。
「ッ、ァ……ッ」
 全身の骨が砕けた。手足から突き出す無数の白骨が、嫌でも現実を思い知らせた。
 突き出た人骨とその姿は、白い茨で磔にされたようにも見える。
 ……力の入らない刹那の手から、愛刀が落ち、音を立てて床に転がっていく。

 逆説連鎖戦――それは一般法則を無視した、超次元の闘争。
『技能』という“人類の培ってきたノウハウ”で対処しようと試みても、相手はクロノヴェーダ――人類の常識外にある存在。
 ――“人間の常識など、通用する筈がない”。
 超高熱の炎を纏った前脚で、ルーカン卿が押し潰すように、明日香を床へ叩きつける。
「その身のこなし、人間ならば脅威でしょうが……私には止まって見えますな」
(「捨て身で挑む気でいたけど、翼にすら刃が届かないなんて」)
「……お、ゴボ……」
 今の一撃で、折れた骨が明日香の臓器を剥き出し、外気に晒された内臓が焼けていく。
 喀血も止まらず、溢れる血で溺れていく感覚に、思考が支配されていった。
 意識が薄らぐ――その胸中は明日香のみぞ知る。ここに書き記すことはできない。

 ルーカン卿が音を立てないよう地に足をつけ、刹那達へ冷淡な眼差しを送る。
「王に代わって雑務をこなす、これも執事の役目です。それが“名代”であれば……どれほど重い責任が伴うか、想像できますでしょう?」
 “名代”――それは確かに代理であり、当人より劣るかもしれない。
 だが、“最強種の王の代理”であるからこそ、『技能』に過信するべきではなかった。
 それが“加護なく座に就いた、円卓の騎士”ならば……尚のこと。
「不肖ルーカンも、最強種ドラゴンの一翼を担うジェネラル。隙あらば付けいらせていただきます。……これ以上、我が王の雑務を増やされても困りますゆえ」
 王の負担を軽減すること、それが執事の務め。
 そして“王の名代”を名乗った以上、ルーカン卿も失態を演じることは許されない。
 名代を名乗った時点で、彼は“不退転の覚悟”でいるのだ。
 強固な決意が、どれほど固く、挫くことが困難であるか――ディアボロス達なら理解できるだろう。
苦戦🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

成程、流石はキングアーサーを統べる者たる風格でしたね
守護者たるルーカン卿も、王が信を置くに足る実力者なのでしょう
逸る事なく、堅実に攻めた方が良さそうですね

宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
白馬の騎士を喚び、命中アップとダメージアップの加護を纏わせ
馬上槍を構えての刺突攻撃を指揮します
相手が騎士として振る舞うなら、此方も正々堂々と立ち向かうのが筋というもの

私はディアボロスのソレイユ
誇り高きルーカン卿よ、キャメロット城の制圧をかけた一戦、お相手を願いします!

名乗りを上げ、正面から馬を疾らせて、脇を突き抜けるように攻撃を仕掛け、駆け抜ければ、即反転し次撃に備えます
派手に攻め込み、私にルーカン卿の意識が集中すれば、周囲の仲間の攻め込む隙も生まれるでしょう

反撃の炎にはガードアップの加護も乗せた魔力障壁を展開して凌ぎます
炎で焼かれようと、指が動く限りは演奏を続けます

私達の目標はイギリス全土の奪還
その為には、どんな障害であろうとも乗り越えねばならないのです
炎一つに怯んでなど居られません


ガンドラ・ブラッディア
■連携・アドリブ歓迎

騎士盾という、加護を持った、ジェネラル級とは、幾度か交戦したが、何故敵全員が、フル装備でないのか。モルオルトの言が、正しければ槍も、加護として存在、しているというのに。
エネルギーの問題、或いは制限がある。
……とはいえ、ルーカン卿は、アーサーの最も近くに、在った者。加護無しであれ、強さにおいて、疑う余地は無し。
全力を以て、挑まねばな。

竜呪剣『剣災』の、数多の剣群。全て収束し、一振りの竜之償を、精製する。我が魔力を付与した、呪詛の魔力光剣。いざ、参る……!
薙ぎ払い、両断し、深追いし過ぎず、一撃離脱。残留効果の恩恵を、受けながらの攻め。
反撃たる、空中からの急襲も、我が竜之償で防御(【ガードアップ】)し、致命打は避け、継戦していく。

仲間と連携し、生まれた隙を見て、我輩もまた、必殺の一撃を放つ。
竜呪剣『剣災』・竜之償。呪詛と魔力、その全てを――豪速の剣矢に。
我が全力の、投擲を以て、疾く失せよ。
全ては世の、平和が為……!!


一里塚・燐寧
いやー、きみが言うほど簡単じゃないねぇ
先読みできないこともごまんとあるからさ

ま、完全に読めてた展開もあるよぉ
例えば……今はアーサーには絶対に勝てない、ってこととかねぇ

分かってたのに、未来のために挑んだんだ
その覚悟まで“予定調和”だって言うなら――赦さないから

≪テンペスト・レイザー≫に力を籠め戦場へ
敵に余力があるうちは、側面に回り込みチクチク攻めるよぉ
後脚や尻尾に回転鋸刃を突き刺して『闇雷収束咆・荒竜爪』を発動
攻撃後は敵が振り向く前に素早く一撃離脱し、分厚い刀身を盾代わりに反撃を防ごう

敵の消耗が嵩んだら、刃に≪焼尽の呪炎≫を纏わせ一気に決めよっか
全身全霊を込めブッ放す渾身の『闇雷収束咆・荒竜爪』!
敵の懐にスライディングで潜り込み、伝承でのルーカンの最期のように腹を裂くよぉ
【命中アップ】の加護で鱗が薄い所を的確に貫き、回転鋸刃を抉り込む
そして腹の中で呪炎を爆破し、内側から完膚なきまでに粉砕だっ!

この一発はっ……アーサーに立ち向かった、友達の分!
――あたしの死力、冥土の土産に持っていきなよぉ!


●勇者は懼れず
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、謁見の間を破壊する勢いで、猛威を奮うルーカン卿にテンペスト・レイザーを振り上げる。
「いやー、先読みできないこともごまんとあるんだよねぇ。変えられない未来があったことも解っちゃう。例えば……“今は”アーサーには絶対勝てないこと、とかねぇ」
 だが。それでも。……手の内を暴く必要があった。
 最高峰に位置する王の戦技を、聖剣を手にした意味を――紐解く為に、最初に踏みだす者が必要だった。
「結果が解ってたのに、未来の為に挑んだんだ。その覚悟まで“予定調和”だって言うなら――赦さないよ」
「然り。無謀を承知で挑まれた……だからこそ、我が王は『勇士』と評されました。“勇者”と言えば、伝わりますかな」
 勇敢なる者。勇ましき者。
 最強のドラゴンへ挑んだ者に、これほど相応しい尊称があるだろうか?
 アーサー王が『油断ならない』と告げた以上、ルーカン卿も気を抜けるわけがない。
「ですが、私には“当然のように”勝利できるとお考えではありませんか? 想いだけで未来が変えられるなら、私にできない道理はございません」
「知ってるよ、“願うだけじゃ未来は変わらない”ってさ!」
 火花を散らず睨み合いの末、燐寧が大きく踏みこんで“本命打”を放つ。
「この一発はっ……アーサーに立ち向かった、友達の分!」
【ダメージアップ】によって滾る怒りと、怨念を取り込んだ《闇雷収束咆・荒竜爪》をルーカン卿の腹部にぶちこみ、至近距離で爆風が巻き上がる。
 しかしながら、一撃放って離脱を図る燐寧を逃す理由はない。
 間合いをとろうと地を蹴った燐寧に、蒼蒼と燃え盛るルーカン卿の竜爪が叩き落とされた直後、ガンドラ・ブラッディア(黒矛・g03101)が躍り出る。

(「どれだけ臆測を重ねようと、観測されていない事実は、空想と同義。ゼロか、1かも、解らない。……今は、目前の強敵に専心せねば」)
 ほんの一瞬でも目を逸らせば、老巧なルーカン卿は容赦なく心の臓を穿つ。
 それは、ガンドラが先の報告書で観測した“事実”。
「アーサー王の最も近くに、在った者。強さにおいて、疑う余地なし」
 精製した呪具の一切が、ガンドラの手中で一本の竜呪剣に姿を変えていく。
 ガンドラの魔力と、純粋な呪詛が融け合い、構成された魔力光剣――《竜呪剣『剣災』・竜之償》。
「全ての世の、平和が為に……いざ、参る!!」
 燐寧を叩き潰した直後を狙い、ガンドラが引き絞った竜呪剣を豪快に横一閃。
 音よりも速き剣閃でルーカン卿の片脚に傷をつけ、蒼光の流星となる気勢で、飛び立ったルーカン卿が宙空を急旋回。ガンドラに吶喊する。
「距離をとれば目測を誤るとでも? ――逆説連鎖戦の“作法”を、今さら指導する必要はありませんよね」
 逆説連鎖戦では、時間や空間による法則性がねじ曲がる。
 “一撃離脱”という、定石さえも容易く覆してしまう。
「ぐ、っ……!!」
 竜呪剣でルーカン卿の突撃をかろうじて受け止めたが、それでも凄まじい衝撃に息が詰まる。
(「さすが、ジェネラル級……容易く、仕留められないか……!」)

(「アーサー王も然る事ながら、ルーカン卿も近侍に相応しい実力者ですね……王が信を置くだけはあります」)
 精鋭のディアボロス数人を相手取り、拮抗状態を保つアーサー王の執事に、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)も舌を巻く。
 しかして“譲れないモノ”がある以上、避けては通れない相手。
「私はディアボロスのソレイユ……誇り高きルーカン卿よ。キャメロット城の制圧をかけた一戦、お相手を願いします!」
 Fonte de la musique、起動――現れた仮想鍵盤で、ソレイユの細い指が舞い踊る。
 奏でられる楽曲/パラドクスは《ピアノソナタ「凱歌」 Allegro 第1楽章》。
 ソレイユの召喚した幻想騎兵が、長く鋭い馬上槍を構えるや、強大な敵へ果敢に攻めこむ。
「ご随意にどうぞ。……然りとて、勝利を譲る気は一切ございませんが」
 ルーカン卿の身に纏う蒼い炎が一時的に勢いを増していく。
 迫る馬上騎士ごと燃やそうと翼を羽ばたかせ、蒼炎と強烈な熱風がソレイユに降りかかった。
「この手を……止めて、なるものか!」
 ソレイユの肉体は【ガードアップ】の恩恵で、頑強さを増しているが、凄絶な熱気に露出した肌は爛れ、全身から汗が止まらない。
 だが、【ダメージアップ】による増幅したソレイユの激憤を背負い、蒼炎を突き破った騎兵がルーカン卿の黒毛に穂先を突きたてたのち、焼失していく。
「我が強い方々ですね。だからこそ、円卓の騎士達も追い込まれたのでしょう……情念、いや“執念”と言うべきか」
 ルーカン卿は驚嘆をこめて呟くが、諦観した気配はなかった。
 信念。矜恃。忠心。――その意志の強さは、ディアボロスにも引けをとらない。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

音羽・華楠
引き続きネメシス形態を維持。
狐耳と狐尻尾が消えた黒髪黒瞳の人間の姿で、ルーカン卿に挑みます。
……が、実際に刃を交える前に一点だけ、ルーカン卿に伝えましょう――

既にご理解の通り、私たちには未来を知る術があります。
つまり、アーサーをこの場で討ち取れないことは予め解ってました。
ですから……他の皆さんはどうだか知りませんが――

――少なくとも私にとっては、アーサーこそおまけです。

私は、あなたを討つ為にここに来ました。

だから……自らをアーサーの代用品のように卑下するのは止めて下さいな。
――行きます!

相手はジェネラル級、円卓の騎士。
それもこの局面で玉座の間を任される強者。
生半可な攻撃はしません――
今の私の最強のパラドクスで勝負です!

――《雷幻想・閃耀》!!

ルーカン卿の反撃の蒼炎を予め織り込み、放たれるそれと《閃耀》を真っ向からぶつけ合わせるつもりで射線を調整します。
逃げも隠れもしません――
――あなたの蒼炎を私の『赫雷』で正面から打ち破って勝ちます!

見据えるのは退いたアーサーじゃない、ルーカン卿です!!


ユーフェミア・フロンティア
得た情報…。会話やアーサー王と直に交戦した情報も含めて、これを生かすためにも、私達はここから帰らないといけません。
キャメロットを確実に落としてからですけれどもね。

ルーカン卿、一つ訂正させていただきます。
無謀な戦いといいますが、譲れないものがあるからこその挑戦。
覚悟がないとできないことですよ。
それではルーカン卿、お相手させていただきます。
…アーサー王に挑んだ方達の想いも一緒に込めて、貴方を討ちます!

聖杖を握って、ルーカン卿へ挑みますよ。
味方が斬り込みやすいように…。
名乗りを上げている味方の邪魔にならないようにして詠唱を行いますね。

味方の名乗り上げが終わった頃を見計らって神火収束砲を撃ちます

相手の攻撃は聖杖を回転させて炎の被弾面積を少なくできれば!
炎は貴方の方が格段に上ですが、それでも、私も負けられませんから!

ルーカン卿が弱ってきたタイミングで、全力魔法の神火収束砲を。
これが私ができる今の全力です。
神の炎をもって、ルーカン卿、あなたの炎を打ち破らせてもらいますっ!!


一ノ瀬・綾音
ルーカン卿はアーサー王の執事さんなんだね。
……執事はバトラーとも呼ばれている。なるほど、響きの通り最強種たるドラゴンの王であるアーサー王、その傍に仕えるだけはあるみたいだ。

だったら綾音ちゃん達もこれからアーサー王を本気で倒そうとする前に。
胸を借りるつもりで――いや、穿つつもりで!行かせてもらおうかなっ!

正々堂々とルーカン卿を見据えて【厄災の星光】をぶっ放す!
一度でダメなら何度でも!
それが正々堂々と戦って力を見せているルーカン卿への敬意だと思うから!

反撃の炎は巨大魔導狙撃銃・零式を片手で構えて致命箇所だけ防ぎつつ、片手でパラドクスを撃つ手は止めない。
臆してはいけない、手を止めてはいけない!

勿論仲間との連携はしっかり取り、遮蔽物も使えそうならそれに隠れたりもしながらやっていくよ。ナイトドラゴンの遺体とか使えないかな?

今はまだ、アーサー王を倒せないかもしれない。
だけど、その不可能を可能にしようとするだけのポテンシャルはあるつもりだ!
それを君の討滅という形で見せてあげようじゃないか、ルーカン卿!


●ケツイ
 ユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)は、己の思い違いに気付き、熱風の吹き荒れる戦場で紅蓮石の聖杖を握り締めた。
「ルーカン卿はお認めになっていたのですね、ディアボロスの“覚悟”を」
「然様でございます。皆様も、私も“それ相応の覚悟”なく馳せ参じるなど……侮辱以外の何者でもありません」
 執事竜は、非礼にこそ眉をひそめたものの、一瞬たりとも、見くびった覚えはない。
 困難な相手だからこそ、敬意を払う。――それも“戦場での作法”と言えよう。
「“王に挑んだお仲間も、覚悟があったのではないか?”……そうお伝えしたかった次第です。難解な表現となりましたことは、お詫び申し上げます」
(「……なんて、“強い”のでしょう」)
 当初、ユーフェミアは『慇懃無礼』に感じたが、実際はどうだ?
 窮地におかれようと怯まない、固い信念。困難な状況においても諦めない、強靱な精神力。
 ――多くの者は、追い詰められるほど焦燥し、判断を誤ってしまう。
 しかし、ルーカン卿はそんな素振りを一切、見せていない……強者の振る舞いを知るからこそ、強者としての器量を見せつけてくる。
 なんと“堅固な忠心”だろうか!
「あなたの忠義心……よく解りました。ルーカン卿、お相手願います!」
 ユーフェミアが聖杖を手に、詠唱し、浄化の炎が彼女を包んでいく。
「神の炎をもって――ルーカン卿、あなたの炎を打ち破らせてもらいますっ!!」
 浄化の炎が聖杖の先端に凝縮していき、《神火収束砲》が謁見の間に新たな熱気を生みだす。
 ルーカン卿も《蒼き炎嵐》を巻き起こし、衝突した二つの炎によって、謁見の間に立ちこめていた埃を一瞬で滅却。
 双方、その身に受けた炎で皮フを爛れさせていく。
 常人ならば、猛烈な熱気で、瞬く間に干からびているだろう。

 音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)はネメシス形態を維持し、ルーカン卿に狙い定めた。
「既にご存知の通り、私たちは未来を知る術があります。アーサーをこの場で討ち取れないことも」
 予知された通り、アーサー王はディアボロス達を鎧袖一触し、この場を去って行った。
 避けられない運命だったのかもしれない。だが、『そうでないモノ』もある。
「他の皆さんはどうだか知りませんが……私にとっては、アーサーこそ“おまけ”です」
 王を誹る華楠に向けた、ルーカン卿の眼差しには、露骨に嫌悪が滲んでいた。
「厚顔無恥な物言いは感心しませんが……私が本命ですか。大変光栄でございますね」
 慇懃無礼な社交辞令。だが、もう華楠を揺さぶるほどではない。
 相手は王の名代を名乗る、ジェネラル級ドラゴン!
 連戦での疲労は隠せないでいたが、華楠も気力を振り絞ってみせる。
「自らをアーサーの代用品のように、卑下するのは止めてくださいな――行きます!」
 陰陽木ノ行・雷術を基盤とし、火ノ行、土ノ行、金ノ行を。
 パラドクスによって一時召喚された妖精達もアシストし、重金属粒子を集束。
 ト ホ カ ミ エ ミ タ メ――《雷幻想・閃耀》が炸裂し、光より速き超電圧が射出され、ルーカン卿も翼を大きく羽ばたかせる。
「王の戦技を拝謁して、まだ“強がる”とは……虚勢を張っても狭量に映るのみ。――分を弁えなさい」
 逆説連鎖戦という法則性の壊れた戦い。
 亜高速ビームにルーカン卿の逆巻く炎が激突し、凄まじい衝撃に空気が震え上がった。

 キャメロット城でなければ、激闘でとっくに崩壊しているだろう。
 一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)も噎せ返る熱量を受けつつ、戦列へ飛びこんでいった。
(「最強種たるドラゴンの王、アーサー王の傍仕えなだけはあるみたい」)
 鬼気迫る闘争心をのぞかせ、その身から溢れる蒼炎でディアボロス達を脅かし続ける。
 忠を尽くす。――ただそれだけに一意専心し、拮抗を保ってきたのだ。
(「綾音ちゃん達も、これからアーサー王を本気で倒す前に」) 
「胸を借りるつもりで……いや、穿つつもりで! 行かせてもらおうかなっ!!」
「然り、私もそういった気概でございます。……ですので、油断なさいませぬよう」
 巨大魔導狙撃銃・零式を携え、己の数倍もある体躯のルーカン卿を、綾音が真っ直ぐと見据える。
(「ナイトドラゴンの遺体は、ルーカン卿の蒼炎で焼滅したみたい。だったら真っ向勝負しかない」)
 あったとしても、障子紙ほどの強度だっただろう。
 そんな頼りない遮へい物など、あってもなくても、綾音の助けにはなるまい。
「今はまだ、アーサー王を倒せないかもしれない。――だけど、その“不可能を可能にしようとする”だけの、ポテンシャルはあるつもりだ!」
 宙に魔方陣を描いていき、集約されていく魔力が屋内に風を生じさせる。
 《厄災の星光》が謁見の間を迸り、ルーカン卿も何度目かの炎嵐を引き起こす。
 膨大な魔力のぶつかり合い。交わることのない道を押し通る――これは“意地の張り合い”。

 ドラゴンの“最強種たる意味”を知ったディアボロスの気迫は、これまで乗り越えた死闘の中でも、緊迫感と戦意で燃えている。
生まれ持った運命、人はそれを“宿命”と呼ぶのだろう。
 想いだけで、願うだけで、未来が変わらないというなら――自らの手で切り拓く!!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【クリーニング】がLV3になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【ドレイン】がLV3になった!

クィト・メリトモナカアイス
我は特に反論も訂正もない。というより。その必要がない。
我らの覚悟なんて、我も汝も皆も、我らを匹夫の勇ではなく勇士と評したアーサー王も知るところ。
んむ。挑発もまた勝つための手段なので我は気にせぬ。
汝があらゆる手を使い勝つという覚悟を示したなら。
我は汝の覚悟と屍を超えていくのみ。

ネメシス形態で神々しい光を纏う守護者の姿に。
黄金猫拳打棒にも光を纏わせ、「天河顕現」で攻撃をしかける。

接近戦をする復讐者がいればはさみ撃ちのようにし、正面に立つ時は無理をせず側面や背面から攻撃。
強力な一撃を放とうとする仲間がいればディフェンスし、ルーカン卿の攻撃を引き付ける。
さっきは剣技を見るのが目的だったので個の戦いになったけど。
我らの真の力は個体の能力でなく、それらを繋ぎ合わせた連携。
汝らの圧倒的個の力と我らの連携。どちらが上回るか勝負。

反撃の高速突撃は敵のホームの空中ではなく地上を駆け、避けきれぬものは黄金猫拳打棒で受け、勢いを殺す。

過去に在った……確かに在ったはずの民の営みを未来に繋げるため。
我は負けぬ。


●不撓不屈
 “不死性”によって新宿島に漂着し、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、報告書に目を通す。
 ディアボロス達の一言一句、それに対するルーカン卿の言葉。
 その全てを確かめ――彼女は、再び謁見の間に向かった。

「我は汝の主張に、特に反論も訂正もない。というより――その必要がない」
 アーサー王はこう例えた。
 挑んできたディアボロスらを、匹夫の勇でも、蛮勇の徒でもなく――“勇士”と。
 歴史の存続を賭けた“生存競争”に、どれほどの意味が込められているか。
 互いに理解し、命を賭す覚悟がある。
 全ての者が理解しているからこそ、そう口にしたのだと。
「んむ。挑発もまた、勝つための手段。我は気にせぬ。汝があらゆる手を使い、勝利する、という覚悟を示したなら」
 ――クィトの身体から、神々しい光が溢れでる。
 周囲を後光が照らし、守護者に相応しきネメシス形態へ変貌していく。
「我は汝の覚悟と、屍を越えていくのみ」
「本質を見通す聡明さをお持ちのようですね……さあ、死闘を演じましょう」
 負傷による疲弊が見え始めている。にも関わらず、ルーカン卿は気力で奮い立っているようだ。
 クィトも他のディアボロス達と連携し、勇を奮う執事竜と刃を交え、戦況を徐々に押し返していく。
(「さっきは剣技を見るのが目的だった。故に、個の戦いになったけど――我らの真の力は、個体の能力に非ず」)
 互いを補い合い、繋ぎ合わせた連携。
 それこそがディアボロス最大の武器だと、クィトは考えた。
「汝らの圧倒的個の力と、我らの連携。どちらが上回るか、勝負」

「ふ、ぅ……強き意志をもつ戦士が集結しては、これも必然ということですか……しかし!」
 疲労を隠せなくなってきたルーカン卿が、何度目かの、天を裂く蒼の流星と化す。
 光を纏う黄金猫拳打棒を携え、クィトは急降下するルーカン卿を待ち構える。
「過去に在った……確かに在ったはずの民の営みを、未来に繋げるため」
(「我は負けぬ。負けられぬ。――我らの在りし日々を“なかったこと”にはさせない」)
 刮目したクィトが、ルーカン卿と接触する寸前に《天河顕現》を放つ。
 全てを風化する呪詛。それが神々しい光輝の本質であり、その強打でもって、ルーカン卿の軌道を押し返して見せた。
 強烈な衝撃に、クィト自身もはじき飛ばされる――だが、被害規模は間違いなくルーカン卿のほうが大きい。
「く、っ……!?」
 渾身の一打によって、ルーカン卿が初めてよろめいた。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV4になった!

マユラ・テイル
ふむ、あーさー王はもう行ったか
ここはまず確実にこの城を落とす、それに尽きるの

さて、るーかん卿……主の覚悟この身に染みるわ
じゃが、此方とて半端な覚悟で斬った張ったをしておるつもりは無いのじゃ
で、あるなら後は意地と意地とのぶつけ合いじゃ
侮れない相手なのは重々承知
全身全霊の戦いを楽しもうぞ

竜爪【Dragon’s Blood】に魔力を回すぞ
体を低く、るーかん卿の周囲を回る様に駆けて距離を詰めていこうぞ
流石に真正面からぶつかり合う程、身の程知らずでは無いのじゃ
仲間の攻撃に合わせて移動し、るーかん卿の後ろ足付近を目掛ける
後方を取ろうとまでは思うとらん、斜め後ろで十分じゃ

炎氷爪……両腕にそれぞれ炎と氷の魔力を込めて、あ奴を斬り裂く
両前足で攻撃してくるのならば、妾の方に向かねばなるまい?
で、あれば多少は味方の援護にもなろう
何せ急に後ろを向くんじゃからのう

妾も攻撃に備え、後方へ跳躍するのじゃ
振り下ろすならば、完全回避は無理でも潰されて動けなくなるのは回避出来よう
即座に次の動きに繋げられる体制は維持じゃ


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

ネメシス化
黒鍵のマエストロ姿に変化

強い意思に裏打ちされた実力者程、厄介な相手はいませんね
まあ、私の言えた事ではありませんが

貴方の主君への忠誠心には敬意を
しかし、勝利への執念を譲るつもりはありません
まだ私の指は動きます
ならば、もう少し足掻かせて頂きますよ

ここから転調しましょう
宙に展開した鍵盤で「福音」を演奏
聖なる光は剣となり、真っ直ぐ竜を狙います
目立つ光剣を見切ろうとするなら、何本でも光を喚び
能力値アップ、命中アップとダメージアップの加護を乗せた本命の光剣を中に潜ませ貫いてやります
きっと貴方は、その矜持にかけて正々堂々と迎え撃つのでしょうね

反撃には能力値アップとガードアップを纏わせた魔力障壁を展開
蒼炎の苦しさをまた味わうのは、遠慮したい気持ちもありますが
これは私の意地
最強の侍従を正面から討ち破らずして、この先のアーサー王へ相対すことはできません

指の動く限り、私の意思が燃え尽きぬ限り、光の剣は貴方を狙い穿ちます
キャメロット城を制し、勝利の栄光を掴むのは、私達です!


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

一礼を
『王の名代』ルーカン卿、お相手願う
俺達は、幻想竜域キングアーサーを竜の支配から解放する為に戦っている
アイルランドの地に踏み入れた時より、手を抜いた事は一度もない
強敵たる竜と戦い続けてここまで辿り着いた
その頂点の名代を侮る事などどうして出来ようか

王の名代を矜持とする相手に、油断も躊躇も不要
精神を研ぎ澄まし、全力で戦おう

戦場を観察、敵味方の動きを把握し、竜を包囲の位置取りへ
仲間と連携を取り
PDの魔力のオーラを矢に変えてクロスボウに番え連射
味方との攻防の隙を看破し、巨体を射貫き続ける
暇を持たせぬよう畳み掛ける
その強靭な肉体に、鱗に、穿つ矢は復讐者の意志
小さき者は、これまで力を合わせ挑んできた

ルーカン卿が飛んだら頭上からの攻撃にも警戒
蒼き炎嵐にはタワーシールド(Hushed Audience)を炎の襲来する方角へ構えて凌ぎつつ
魔力障壁で身を護り忍耐を

王に挑んだ仲間の意志は確りと受け取った
ここで貴殿を討ち果たす!


●誰も知らない明日のために
「好機じゃ、一息に決着をつけるとしようかの!」
 マユラ・テイル(みすてりあすじゃ・g05505)の叫びに、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が呼応し、ルーカン卿へ追い込みをかける。
 焼け爛れ、痛ましい姿のソレイユも、ネメシス形態である黒鍵のマエストロに変貌。
 髪を結うリボンはほどけ、ソレイユの背後には、黒鍵が翼のように広がっていく。
「貴方の主君への忠誠心には敬意を……しかし、勝利への執念は劣りません。私の指が動く限り、足掻かせていただきますよ!」
 ソレイユの演奏は転調し《幻想ロンド「福音」(ラ・カンパネッラ)》に切り替え、頭上に鐘が現れる。
スタッカートの効いた軽やかな音に合わせ、打ち鳴らされる福音は、聖なる光となってルーカン卿に降り注ぐ。
「惜しい、ですね……貴方様がドラゴンなら、宮廷楽師として優遇されたでしょうに!」
 破れた翼膜を振るって、その身から生じる蒼炎で渦を描きながら、ルーカン卿はソレイユに吹きつけた。
 魔力障壁をもってしても、蒼く燃え盛る熱気までは防ぎきれない。
(「これは、私の意地――侍従を正面から打ち破らずして、この先のアーサー王へ相対することができるものか!」)

「一礼を省略すること、お詫びする。――“王の名代”ルーカン卿、お相手願う!」
 エトヴァはクロスボウを構え、執事竜に魔力で構成された矢を番えた。
(「遠きアイルランドの地に踏み入れた頃から、手を抜いたことは一度たりともない。最強種であるドラゴンと戦い続けて、ようやく辿り着いたんだ」)
 その頂点の名代を名乗る者。どうして侮ることができようか?
「復讐者という小さき者は、これまで力を合わせ挑んできた。その身を以て、痛感されていることだろう!」
「ええ、全くもって! これほど手を焼く者達が集っては、我が王の雑務は増える一方でしょう!」
 精度の高い連射で、数多の魔矢を食いこませるエトヴァにも、あの蒼き炎の嵐が襲いかかる。
【ガードアップ】で肉体の強度は上がっているものの、空気ごと干上がらせんとする熱量に、肌は赤らみ、爛れ、破けた皮フから体液が溢れでた。
 だが、集結したディアボロス達の繰り出す猛攻と、“歴史を取り戻す”という強い信念によって、闘争は終息に向かいつつある。

「るーかん卿……主の覚悟、この身に染みるわ。そこまでの怪我を負ってなお、ディアボロスを滾らせる戦意は衰え知らず」
 事ここに至っては『意地と意地のぶつけ合い』だと、マユラも察する。
 全身全霊の戦い。侮れぬ相手だと重々承知。
 竜爪【Doragon"s Blood】に魔力を奔らせ、ソレイユとエトヴァ達の放つパラドクスの合間を縫い、ルーカン卿の側面へ大きく踏みこむ。
 片や業炎の爪、片や氷結の爪――《炎氷爪》ですれ違う一瞬を突き、後ろ足に深い爪痕を刻みつけ、一瞬遅れて反撃が飛来する。
「く、ぬぅ……っ!!」
 蒼く燃え滾る竜の爪は僅かにズレ、マユラの腕を焼き斬るに留めた。
 ――当初より動きが鈍っていることは明白。

 燐寧の怨念の刃が、ガンドラの竜呪剣が吼え猛る。
 華楠の雷術が、ユーフェミアの神火が、綾音の複合魔法が戦場に閃く。
 クィトも黄金猫拳打棒を振るい、ルーカン卿に打撃を与え続け――。
「王に挑んだ仲間の意志はしっかりと受け取った、ここで貴殿を討ち果たす!」
「幕を引こうぞ、引導を渡してくれよう!」
 エトヴァの放つ魔力の矢が、ルーカン卿の右目に突き刺さり、マユラは足払いを食らわせるように、痛めつけた後脚にパラドクスを叩きこんで体勢を崩す。
 そして、
「キャメロット城を制し、勝利の栄光を掴むのは……私達ですッ!!」
 ソレイユの紡ぎあげた、祝福された一条の光はルーカン卿の腹部を突き穿った。
 この一撃が致命打となったことは、誰の目にも明らかだった。
 ルーカン卿は、ズシンと地響きを立てて倒れ伏しても、
「わが、おう……ぁなた様の、きずく、れきし……ともをできぬ非礼を、おゆる、し……――」
 今際の際までアーサー王に思いを馳せ、息を引き取る。
 溢れでていた蒼炎も鎮まり、執事竜の遺体だけが残った。

 ディアボロス達は、キャメロット城の謁見の間は制圧。
 アーサー王も離脱した今――事実上の“ディアボロスの勝利”と言えよう。
 しかし、アーサー王も考えなしに、王城を放棄したとは思えない。
 安堵の息をつくにはまだ早い。……そんな予感が、ディアボロス達の脳裏によぎる。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年11月30日
宿敵 『ルーカン卿』を撃破!